説明

緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板

【課題】 純水を原料とした緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板を提供する。
【解決手段】 本発明の開示する緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板は、固体ポリマー電解質膜とアノード触媒層とアノード板とアノードフレーム及びその他補助部品とを備え、前記アノード板上にはアノード加圧板を設け、弧形の弾性加圧板の球面中心とアノード加圧板とを接触させ、固体ポリマー電解質膜とアノードフレーム及びその他補助部品とアノード板とアノード加圧板と弾性加圧板とは機械による緊密固定方式によって共に緊密固定される。本発明は電解式オゾン発生器の金属材質加圧板の変形とアノード触媒層が薄いために引き起こされるオゾン発生量の低下を改善し、長時間作動しても安定した緊密圧力と良好な接触を保持するため、電解式オゾン発生器のオゾン発生量を安定させ機能安定性を高める緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は純水を原料とした緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板に関するもので、電解式オゾン発生器分野に属する技術に係る。
【背景技術】
【0002】
純水を原料とする電解式オゾン発生器のアノード構造には多種あるが、公知技術のほとんどはポリテトラフルオロエチレンを使ってアノード触媒の顆粒を粘着結合させて作ったアノード触媒膜片である。この他にもアノード触媒の顆粒をスプレー、メッキ、プレスする成形方法もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、どんな方法でアノード触媒層を成形したとしても、何れも金属材質圧板(平面構造)を使ってアノード触媒の顆粒と固体ポリマー電解質膜を緊密固定して圧力を提供しそれを密着させる方法からは抜け出す事はできず、金属材質圧板を緊密固定する構造には次のような欠点が存在する。
(1)緊密固定する過程において、金属材質圧板は長い時間に渡り緊密固定力を受けるために塑性変形を起こし、金属材質圧板の厚みを増やしたり補強構造を増やしたりしたとしても、長時間に渡る緊密固定力の作用を受けると時間に伴い変形を激化させてしまうのを防げず、そのため、アノード触媒層と固体ポリマー電解質膜の圧力が低下して電解式オゾン発生器のオゾン発生量も下降する。
(2) 金属材質圧板を厚くしたり金属材質圧板の補強構造を増やして平板強度を高める方法は、コストを向上させ操作技術を複雑化するため、いかに平板強度を高めたとしても完全に金属材質圧板の変形を止めることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は上述した公知技術の欠点を克服して次の緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板を提供することにある。それは、金属材質平板の変形によるアノード触媒層と固体ポリマー電解質膜の緊密圧力の低下を確実に発生させないで、しかも随時失った圧力を迅速補充し、電解式オゾン発生器のアノード緊密固定圧力の長時間に渡る働きを確保し、並びに安定した緊密圧力を保持するため、電解式オゾン発生器のオゾン発生量を安定させて機能の安定性を高める緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板である。
【0005】
本発明は次の手段によって実現することが可能である。緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板は、固体ポリマー電解質膜、アノード触媒層、アノード板、アノードフレーム及びその他補助部品を備え、アノード触媒層は固体ポリマー電解質膜とアノード板間に設け、アノードフレーム及びその他補助部品は周囲からアノード触媒層とアノード板を密封し、アノード板上にはアノード加圧板を設け、弧形の弾性加圧板の球面中心とアノード加圧板とは接触し、固体ポリマー電解質膜、アノードフレーム及びその他補助部品、アノード板、アノード加圧板及び弾性加圧板は機械で緊密固定する方法によって共に緊密固定される。
【0006】
更に本発明の目的を実現するために、弾性加圧板上には固定板を設ける。
【0007】
更に本発明の目的を実現するために、前記固定板はしっかりとした金属材質圧板とする。
【0008】
更に本発明の目的を実現するために、前記弾性加圧板は弾性のある金属材質の板とする。
【0009】
更に本発明の目的を実現するために、前記アノード触媒層は二酸化鉛材質によって製作する膜層である。
【0010】
更に本発明の目的を実現するために、前記アノードフレームは弾性のあるフッ素ゴムとする。
【0011】
更に本発明の目的を実現するために、前記アノード板は多孔質金属チタン板とする。
【0012】
更に本発明の目的を実現するために、前記アノード加圧板の一面の中心には突出台を設け、弧形弾性加圧板の球面中心とアノード加圧板の突出台とは接触する。
【発明の効果】
【0013】
本発明を公知技術と比較させると以下の如き顕著な効果が見られる。
(1)本発明は弾性加圧板を採用しており、電解式オゾン発生器自身は弾性加圧板の生じさせる弾性圧力により電解式オゾン発生器のアノード構造を緊密固定して一体化するため、長時間操作後でも金属材質圧板の変形によりアノード触媒層が緩み電解式オゾン発生器のオゾン発生量を下降させる状態を引き起こさない。
(2)電解式オゾン発生器のアノード構造は緊密固定されて一体化した後、弾性加圧板の中心と周辺はそれぞれアノード加圧板とアノードフレーム及びその他補助部品が加圧する二つの力を受けるが、周辺のアノードフレーム及びその他補助部品は弾性構造である故に圧縮し、それに対して中心構造は基本的に圧縮できないため、緊密固定の過程において弾性加圧板は弾性範囲内で一定の変形を生じさせ、電解式オゾン発生器が一定時間作動した後、金属材質圧板の変形により生じる緊密な圧力低下をアノード触媒層に迅速補充し、電解式オゾン発生器の性能を安定させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例1に関する断面図である。
【図2】本発明の実施例2に関する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板(図1参照)は、固体ポリマー電解質膜1(ナフィオンNafion117)と電解式オゾン発生器のカソード構造に相対する他の一面にアノード触媒層2を配置し、厚みが0.1〜5mmであるアノード触媒層2は二酸化鉛材質で作製した膜層とする。その作製方法であるが、先ずアノード触媒の顆粒を固体ポリマー電解質膜1上に置く。ポリテトラフルオロエチレンを採用することも可能であり、触媒の顆粒を粘着結合しアノード触媒膜片を形成するか、その他の方法で二酸化鉛を固体ポリマー電解質膜1の表面に付着させた後、アノード板3(アノード板表面は処理して導電耐腐食性保護層とする)をアノード触媒層2上に被覆させる。前記アノード板3は多孔質チタン板、アノード板3の孔径は10〜500μmとし、アノードフレーム及びその他補助部品5を使ってアノード板3とアノード触媒層2の周囲エッジを密封する。アノード加圧板4はアノード板3上を圧し、アノード加圧板4の一面とアノード板3とは密着し、他の一面の中心には突出台を設け、最後に弾性加圧板6をアノード加圧板4に設けた突出台の一面に配置し、球形の弾性加圧板6の球面中心とアノード加圧板4とは接触する。機械を使って緊密固定する方法は、電解式オゾン発生器のアノード構造全体を緊密固定して一体化するもので、即ち、固体ポリマー電解質膜1、アノードフレーム及びその他補助部品5、アノード板3、アノード加圧板4、弾性加圧板6を緊密固定して一体化し、機械を使って緊密固定すると弾性加圧板6の周辺は弾性変形により位置移動を生じさせアノードフレーム及びその他補助部品5に接触して加圧し、アノードフレーム及びその他補助部品5の働きによってアノード構造の周辺は固体ポリマー電解質膜1を緊密に圧するため、アノード構造の内部空間を密封する作用が生まれる。また、弾性加圧板6の周辺が機械の緊密固定方式を受けて生じさせる圧力は、球面構造から球面の中心に伝わり、アノード加圧板4、アノード板3、アノード触媒層2は固体ポリマー電解質膜1上を緊密状態で圧する。弾性加圧板6の周辺は機械によって緊密固定されて一定距離を保つようコントロールされるため、球面の中心に対する安定的な弾性圧力が維持される。
【実施例2】
【0017】
緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板(図2参照)は、固体ポリマー電解質膜1(ナフィオンNafion117)と電解式オゾン発生器のカソード構造に相対する他の一面にアノード触媒層2を配置し、厚みが0.1〜5mmであるアノード触媒層2は二酸化鉛材質で作製した膜層とする。その作製方法であるが、先ずアノード触媒の顆粒を固体ポリマー電解質膜1上に置く。ポリテトラフルオロエチレンを採用することも可能であり、触媒の顆粒を粘着結合しアノード触媒膜片を形成するか、その他の方法で二酸化鉛を固体ポリマー電解質膜1の表面に付着させた後、アノード板3(アノード板表面は処理して導電耐腐食性保護層とする)をアノード触媒層2上に被覆させる。前記アノード板3は多孔質チタン板、アノード板3の孔径は10〜500μmとし、アノードフレーム及びその他補助部品5を使ってアノード板3とアノード触媒層2の周囲エッジを密封する。アノード加圧板4はアノード板3上を圧し、アノード加圧板4の一面とアノード板3とは密着し、他の一面の中心には突出台を設け、最後に弾性加圧板6をアノード加圧板4に設けた突出台の一面に配置し、球形の弾性加圧板6の球面中心とアノード加圧板4とは接触する。弾性加圧板の各所が受ける緊密固定力を確実に平均化させるために、固定板7で弾性加圧板6上を圧し、機械での緊密固定方法を用いて電解式オゾン発生器のアノード構造全体を緊密固定して一体化する。即ち、固体ポリマー電解質膜1、アノードフレーム及びその他補助部品5、アノード板3、アノード加圧板4、弾性加圧板6を緊密固定して一体化し、機械を使って緊密固定すると弾性加圧板6の周辺は弾性変形による位置移動を起こしアノードフレーム及びその他補助部品5に接触して加圧し、アノードフレーム及びその他補助部品5の働きによってアノード構造の周辺は固体ポリマー電解質膜1を緊密に圧するため、アノード構造の内部空間を密封する作用が生まれる。また、弾性加圧板6の周辺が機械の緊密固定方式を受けて生じさせる圧力は、球面構造から球面の中心に伝わり、アノード加圧板4、アノード板3、アノード触媒層2は固体ポリマー電解質膜1上を緊密状態で圧する。弾性加圧板6の周辺は機械によって緊密固定されて一定距離を保つようコントロールされるため、球面の中心に対する安定的な弾性圧力が維持される。
【符号の説明】
【0018】
1 固体ポリマー電解質膜
2 アノード触媒層
3 アノード板
4 アノード加圧板
5 アノードフレーム及びその他補助部品
6 弾性加圧板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体ポリマー電解質膜とアノード触媒層とアノード板とアノードフレーム及びその他補助部品とを備え、前記アノード触媒層は固体ポリマー電解質膜とアノード板間に設け、前記アノードフレーム及びその他補助部品は周囲からアノード触媒層とアノード板を密封するもので、前記アノード板上にはアノード加圧板を設け、弧形の弾性加圧板の球面中心とアノード加圧板とは接触し、固体ポリマー電解質膜とアノードフレーム及びその他補助部品とアノード板とアノード加圧板と弾性加圧板は機械で緊密固定する方法によって共に緊密固定されることを特徴とする緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板。
【請求項2】
前記弾性加圧板上には固定板を設けることを特徴とする請求項1記載の緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板。
【請求項3】
前記固定板はしっかりとした金属材質圧板とすることを特徴とする請求項2記載の緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板。
【請求項4】
前記弾性加圧板は弾性のある金属材質の板とすることを特徴とする請求項1または2記載の緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板。
【請求項5】
前記アノード触媒層は二酸化鉛材質によって製作する膜層であることを特徴とする請求項1記載の緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板。
【請求項6】
前記アノードフレームは弾性のあるフッ素ゴムとすることを特徴とする請求項1記載の緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板。
【請求項7】
前記アノード板は多孔質金属チタン板とすることを特徴とする請求項1記載の緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板。
【請求項8】
前記アノード加圧板の一面の中心には突出台を設け、弧形弾性加圧板の球面中心とアノード加圧板の突出台とは接触することを特徴とする請求項1記載の緊密固定する電解式オゾン発生器のアノード弾性加圧板。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−522125(P2011−522125A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511961(P2011−511961)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【国際出願番号】PCT/CN2009/072117
【国際公開番号】WO2009/146653
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(510233976)
【Fターム(参考)】