説明

緊急速報配信システム、移動体通信サーバ装置、緊急速報配信方法

【課題】コアネットワークへ過度な負荷をかけることなく、通信中の移動端末に対し、緊急速報を配信する。
【解決手段】緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201を参照し、受信した緊急速報に含まれている緊急速報対象エリアに、緊急速報配信エリアが含まれているか判断する。緊急速報配信エリアが含まれている場合、そのエリアに関連付けられた移動端末のアドレスに向けて、緊急速報を送信する。送信した緊急速報を移動体通信サーバ装置の受信部が受信する。プリザベーション状態テーブル211を参照し、受信した緊急速報の宛先であるアドレスの移動端末への通信路がプリザベーション状態であるか判断する。プリザベーション状態であれば緊急速報を破棄し、プリザベーション状態でなければ緊急速報を移動端末へ向けて送信する。こうすれば、通信中の移動端末にも、個別CHを介して、緊急速報を配信できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は緊急速報配信システム、移動体通信サーバ装置、緊急速報配信方法に関し、特に緊急速報を移動端末へ配信する緊急速報配信システム、移動体通信サーバ装置、緊急速報配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気象庁は、平成19年10月1日から、一般向け(テレビ・ラジオ、防災行政無線、集客施設における館内放送)への緊急地震速報を開始している。また、移動体通信オペレータでは、移動端末へ緊急地震速報を配信している(例えば、非特許文献1)。また、各自治体からも、災害等の緊急時における大多数への情報配信の要望があり、テロ・警報・大規模事故の情報を多数のユーザに即時に配信することが求められている。
【0003】
しかし、現状の移動端末への配信システム(メールなど)では、大多数のユーザへ即時配信することは無線リソース面から不可能であり、要求条件を満たすためには同報システムが必要となる。同報システムを第3世代移動通信システム網で実現する基盤として、3GPP(Third Generation Partnership Project)で標準規定されているセルブロードキャスト(CBS)がある。3GPP標準を採用している移動体通信オペレータではCBSを用いた同報システムによって、緊急地震速報を配信している。
【0004】
しかし、CBS基盤を用いて大多数の移動端末へ緊急速報の同報配信を行う場合、通信中のユーザは緊急速報を受信することができない。移動端末は、パケット通信中は個別チャネル(以下、個別CHと略記する)を使用しており、PagingやCBS Messageが配信される共通チャネル(以下、共通CHと略記する)を同時に受信することができないからである。この点については、特許文献1にも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−11190号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】株式会社NTTドコモ“緊急速報「エリアメール」”[online]、[平成23年8月11日検索]、インターネット<URL:http://www.nttdocomo.co.jp/service/safety/areamail/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震が発生したこともあり、パケット通信中の移動端末に対し、緊急速報を配信するニーズは非常に高まっている。ここで、緊急速報を受信できないパケット通信中の移動端末に対し、SGSN(Serving GPRS Support Node)等、移動体通信のコアネットワーク内の装置においてSMS(Short Message Service)によるメッセージを作成し、通信中のベアラ(通信路)を利用して緊急速報を通知することも方式としては考えられる。しかし、SGSNで通信中の移動端末を抽出する処理、SGSNで大量のSMSのメッセージを作成する処理を行う場合、SGSNへの負荷、処理時間が膨大になる可能性がある。したがって、そのような場合、緊急速報のような緊急性を要する通信に適用することは現実的ではない。
【0008】
そのため、CBSによる緊急速報を受信できない、パケット通信中の移動端末に対し、移動体通信のコアネットワークへ過度な負荷をかけることなく、緊急速報を配信する方法の実現が望まれている。
本発明は上述した背景技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、移動体通信のコアネットワークへ過度な負荷をかけることなく、パケット通信中の移動端末に対し、緊急速報を配信することのできる緊急速報配信システム、移動体通信サーバ装置、緊急速報配信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様による緊急速報配信システムは、移動端末のアドレスと前記移動端末の緊急速報配信エリアとを関連付けて保持する第1のテーブル(例えば、図2中の緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201)と、緊急速報対象エリアと緊急事態内容とを含む緊急速報を受信する受信部(例えば、図2中の受信部203)と、前記第1のテーブルを参照し、前記受信部が受信した緊急速報に含まれている前記緊急速報対象エリアに、前記第1のテーブルに保持されている前記緊急速報配信エリアが含まれているか判断する配信エリア管理部(例えば、図2中の配信エリア管理部202)と、前記配信エリア管理部の判断の結果、前記緊急速報対象エリアに前記緊急速報配信エリアが含まれている場合、当該緊急速報配信エリアに関連付けられた移動端末のアドレスに向けて、前記緊急速報を送信する送信部(例えば、図2中の送信部204)とを備えた緊急速報通知サーバ装置(例えば、図1中の緊急速報通知サーバ装置20)と、
前記移動端末のアドレスと、前記移動端末への通信路についてプリザベーション状態であるか否を示すプリザベーション状態情報とを保持する第2のテーブル(例えば、図3中のプリザベーション状態テーブル211)と、前記緊急速報通知サーバ装置が送信した前記緊急速報を受信する受信部(例えば、図3中の受信部213)と、前記第2のテーブルを参照し、前記受信部が受信した前記緊急速報の宛先であるアドレスの移動端末への通信路がプリザベーション状態であるか判断するプリザベーション状態管理部(例えば、図3中のプリザベーション状態管理部212)と、前記プリザベーション状態管理部の判断の結果、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄し、プリザベーション状態でなければ当該緊急速報を移動端末へ向けて送信する送信部(例えば、図3中の送信部214)とを備えた移動体通信サーバ装置(例えば、図1中のGGSN21)と、
を含むことを特徴とする。この緊急速報配信システムによれば、通信中の移動端末にも、共通CHではなく、個別CHを介して、緊急速報を配信することができる。
【0010】
また、緊急速報対象エリアと緊急事態内容とを含む緊急速報を同報配信する同報配信サーバ装置をさらに含んでいてもよい。この緊急速報配信システムによれば、緊急速報をCBSで受信できない、通信中の移動端末にも、移動体通信のコアネットワークへ過度な負荷をかけることなく、緊急速報を配信することができる。
【0011】
さらに、前記移動体通信サーバ装置のプリザベーション状態管理部は、前記移動端末への通信路についての前記プリザベーション状態情報を取得した場合、前記第2のテーブルに保持されているプリザベーション状態情報を書き換え、前記移動体通信サーバ装置の受信部が受信した前記緊急速報の宛先であるアドレスが、前記第2のテーブルに保持されているアドレスと一致し、かつ、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄するようにしてもよい。この緊急速報配信システムによれば、通信路がプリザベーション状態である移動端末には、共通CHを介して、緊急速報を配信することができる。
【0012】
前記移動体通信サーバ装置のプリザベーション状態管理部は、前記移動端末への通信路についての前記プリザベーション状態情報を取得した場合、前記第2のテーブルに保持されているプリザベーション状態情報を書き換え、前記移動体通信サーバ装置の受信部が受信した前記緊急速報に、緊急速報であることを示すフラグが含まれており、かつ、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄するようにしてもよい。この緊急速報配信システムによれば、通信路がプリザベーション状態である移動端末には、共通CHを介して、緊急速報を配信することができる。
【0013】
本発明の一態様による移動体通信サーバ装置は、緊急速報配信エリアに関連付けられた移動端末のアドレスに向けて、緊急速報を送信する緊急速報配信システムに用いられる移動体通信サーバ装置(例えば、図1中のGGSN21)であって、
前記移動端末のアドレスと、前記移動端末への通信路についてプリザベーション状態であるか否を示すプリザベーション状態情報とを保持する第2のテーブル(例えば、図3中のプリザベーション状態テーブル211)と、前記緊急速報通知サーバ装置が送信した前記緊急速報を受信する受信部と、前記第2のテーブルを参照し、前記受信部が受信した前記緊急速報の宛先であるアドレスの移動端末への通信路がプリザベーション状態であるか判断するプリザベーション状態管理部と、前記プリザベーション状態管理部の判断の結果、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄し、プリザベーション状態でなければ当該緊急速報を移動端末へ向けて送信する送信部とを含むことを特徴とする。この移動体通信サーバ装置を緊急速報配信システムに用いれば、通信中の移動端末にも、共通CHではなく、個別CHを介して、緊急速報を配信することができる。
【0014】
前記プリザベーション状態管理部は、前記移動端末への通信路についての前記プリザベーション状態情報を取得した場合、前記第2のテーブルに保持されているプリザベーション状態情報を書き換え、前記受信部が受信した前記緊急速報の宛先であるアドレスが、前記第2のテーブルに保持されているアドレスと一致し、かつ、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄するようにしてもよい。このようにすれば、通信路がプリザベーション状態である移動端末には、共通CHを介して、緊急速報を配信することができる。
【0015】
前記プリザベーション状態管理部は、前記移動端末への通信路についての前記プリザベーション状態情報を取得した場合、前記第2のテーブルに保持されているプリザベーション状態情報を書き換え、前記受信部が受信した前記緊急速報に、緊急速報であることを示すフラグが含まれており、かつ、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄するようにしてもよい。このようにすれば、通信路がプリザベーション状態である移動端末には、共通CHを介して、緊急速報を配信することができる。
【0016】
本発明の一態様による緊急速報配信方法は、移動端末のアドレスと前記移動端末の緊急速報配信エリアとを関連付けて保持する第1のテーブル(例えば、図2中の緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201)と、緊急速報対象エリアと緊急事態内容とを含む緊急速報を受信する受信部(例えば、図2中の受信部203)と、前記第1のテーブルを参照し、前記受信部が受信した緊急速報に含まれている前記緊急速報対象エリアに、前記第1のテーブルに保持されている前記緊急速報配信エリアが含まれているか判断する配信エリア管理部(例えば、図2中の配信エリア管理部202)と、前記配信エリア管理部の判断の結果、前記緊急速報対象エリアに前記緊急速報配信エリアが含まれている場合、当該緊急速報配信エリアに関連付けられた移動端末のアドレスに向けて、前記緊急速報を送信する送信部(例えば、図2中の送信部204)とを備えた緊急速報通知サーバ装置と、
前記移動端末のアドレスと、前記移動端末への通信路についてプリザベーション状態であるか否を示すプリザベーション状態情報とを保持する第2のテーブル(例えば、図3中のプリザベーション状態テーブル211)と、前記緊急速報通知サーバ装置が送信した前記緊急速報を受信する受信部(例えば、図3中の受信部213)と、前記第2のテーブルを参照し、前記受信部が受信した前記緊急速報の宛先であるアドレスの移動端末への通信路がプリザベーション状態であるか判断するプリザベーション状態管理部(例えば、図3中のプリザベーション状態管理部212)と、前記プリザベーション状態管理部の判断の結果、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄し、プリザベーション状態でなければ当該緊急速報を移動端末へ向けて送信する送信部(例えば、図3中の送信部214)とを備えた移動体通信サーバ装置と、
を含む緊急速報配信システムによって実現される緊急速報配信方法であって、
緊急速報対象エリアと緊急事態内容とを含む緊急速報を前記緊急速報通知サーバ装置の受信部が受信する第1ステップと、前記第1のテーブルを参照し、前記第1ステップにおいて受信した緊急速報に含まれている前記緊急速報対象エリアに、前記第1のテーブルに保持されている前記緊急速報配信エリアが含まれているか前記配信エリア管理部が判断する第2ステップと、前記第2ステップにおける前記配信エリア管理部の判断の結果、前記緊急速報対象エリアに前記緊急速報配信エリアが含まれている場合、当該緊急速報配信エリアに関連付けられた移動端末のアドレスに向けて、前記緊急速報を送信する第3ステップと、前記緊急速報通知サーバ装置が送信した前記緊急速報を前記移動体通信サーバ装置の前記受信部が受信する第4ステップと、前記第2のテーブルを参照し、前記第4ステップにおいて受信した前記緊急速報の宛先であるアドレスの移動端末への通信路がプリザベーション状態であるか前記プリザベーション状態管理部が判断する第5ステップと、前記プリザベーション状態管理部の判断の結果、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄し、プリザベーション状態でなければ当該緊急速報を移動端末へ向けて送信する第6ステップと、を含むことを特徴とする。この緊急速報配信方法によれば、通信中の移動端末にも、共通CHではなく、個別CHを介して、緊急速報を配信することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、緊急速報をCBSで受信できない、通信中の移動端末にも、移動体通信のコアネットワークへ過度な負荷をかけることなく、緊急速報を配信することが可能となる。これにより、ユーザが一次避難行動をより早く取ることを支援し、災害等の緊急事態による人命への影響を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態による緊急速報配信システムの構成例を示す概念図である。
【図2】図1中の緊急速報通知サーバ装置の機能構成例を示す図である。
【図3】図1中のGGSNの機能構成例を示す図である。
【図4】緊急速報通知サーバ装置およびGGSNの処理を示す図である。
【図5】移動端末への通信路がプリザベーション状態である場合における、本システムの動作を示すシーケンス図である。
【図6】移動端末への通信路がプリザベーション状態でない場合における、本システムの動作を示すシーケンス図である。
【図7】(A)はフラグがパケットのヘッダ部に設定される場合を示す図、(B)はフラグがパケットのボディ部に設定される場合を示す図である。
【図8】本発明の実施形態による緊急速報配信方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示されている。
(緊急速報配信システム)
図1は、本発明の実施形態による緊急速報配信システムの構成例を示す概念図である。図1を参照すると、本例の緊急速報配信システムは、緊急速報を気象庁のサーバ装置から取得する緊急速報配信サーバ装置1と、緊急速報配信サーバ装置1が取得した緊急速報を、共通CHを介して配信するセルブロードキャストシステム100と、緊急速報配信サーバ装置1が取得した緊急速報を、個別CHを介して配信する個別パケット配信ユニキャストシステム200と、を備えている。
【0020】
セルブロードキャストシステム100は、通信を行っていない移動端末(つまり、非通信中の移動端末)へ、緊急速報を配信する機能を有している。この機能を実現するため、セルブロードキャストシステム100は、緊急速報配信サーバ装置1が取得した緊急速報を、非通信中の移動端末へ向けてセルブロードキャスト配信を行うCBSサーバ装置10と、配信エリアに対応して設けられている無線基地局11とを備えている。
【0021】
図1のように、移動端末2a、2b、2cが配信エリア内に位置しており、移動端末2dは配信エリア外に位置している場合、配信エリア内に位置している移動端末2a、2b、2cは緊急速報を受信することができ、配信エリア外に位置している移動端末2dは緊急速報を受信することができない。緊急速報を受信した移動端末2a、2b、2cは、ブザーの鳴動、画面でのポップアップ表示などによって、緊急速報を受信したことをユーザに伝える。
【0022】
個別パケット配信ユニキャストシステム200は、通信を行っている移動端末(つまり、通信中の移動端末)へ、緊急速報を配信する機能を有している。この機能を実現するため、個別パケット配信ユニキャストシステム200は、後述するように、緊急速報配信サーバ装置1が取得した緊急速報を、通信中の移動端末へ向けて緊急速報を送信する緊急速報通知サーバ装置20と、GGSN(Gateway GPRS Support Node)21と、SGSN22と、RNC(Radio Network Controller)23とを備えている。本例では、緊急速報を、個別CHを介して、移動端末2A〜2Cへ送信する場合について説明する。
なお、配信される緊急速報は、「東北地方」などの緊急速報対象エリアと、「震度Xの地震発生のおそれ」などの緊急事態内容とを含む情報である。
【0023】
(緊急速報通知サーバ装置の機能構成例)
図2は、図1中の緊急速報通知サーバ装置20の機能構成例を示す図である。図2において、緊急速報通知サーバ装置20は、ユーザ毎の移動端末について、IPアドレスと、配信を希望するエリアを示す登録エリアとを保持する緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201と、緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201の保持内容を参照して、緊急速報を移動端末へ送信するか否かを判断する配信エリア管理部202と、緊急速報を受信する受信部203と、緊急速報を送信する送信部204と、を備えている。
なお、緊急速報通知サーバ装置20を構成する各部は、図示せぬCPUがプログラムを実行することによって実現することができる。
【0024】
(GGSNの機能構成例)
図3は、図1中のGGSN21の機能構成例を示す図である。図3において、GGSN21は、ユーザ毎の移動端末のIPアドレスと、PDPコンテキスト(Packet Data Protocol Context)情報と、PDPコンテキスト情報による通信路がプリザベーション(Preservation)状態であるか否を示すプリザベーション状態情報とを保持するプリザベーション状態テーブル211と、プリザベーション状態テーブル211の保持内容を参照して、緊急速報を移動端末へ送信するか破棄するかを判断するプリザベーション状態管理部212と、緊急速報を受信する受信部213と、緊急速報を送信する送信部214と、を備えており、移動体通信サーバ装置として機能する。また、プリザベーション状態管理部212は、SGSNから、移動端末への通信路のプリザベーション状態に関する通知を受け、プリザベーション状態テーブル211に保持されているプリザベーション状態情報を書き換える。
なお、GGSN21を構成する各部は、図示せぬCPUがプログラムを実行することによって実現することができる。
【0025】
(緊急速報通知サーバ装置およびGGSNの処理)
図4を参照して、緊急速報通知サーバ装置20およびGGSN21の処理について説明する。図4において、緊急速報通知サーバ装置20内の緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201には、移動端末のIPアドレスと、配信を希望するエリアを示す登録エリアと、が保持されている。緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201には、本例では、ユーザの移動端末2AについてIPアドレスが「A.B.C.D」で、登録エリアが「東北」として登録されている。また、移動端末2BについてIPアドレスが「E.F.G.H」で、登録エリアが「北海道」として登録されている。さらに、移動端末2CについてIPアドレスが「I.J.K.L」で、登録エリアが「東北」として登録されている。
【0026】
一方、GGSN21内のプリザベーション状態テーブル211には、移動端末のIPアドレスと、PDPコンテキスト情報と、プリザベーション状態情報と、が保持されている。移動端末のIPアドレスは、PDPによる通信路の作成時に、プリザベーション状態テーブル211に登録される。
プリザベーション状態テーブル211には、本例では、移動端末のIPアドレス「A.B.C.D」について、PDPコンテキスト情報としてSGSN向けのTEID(Tunnel Endpoint IDentifier)およびIPアドレスと、プリザベーション状態情報として「プリザベーション状態」(RRC Idle mode)とが登録されている。また、移動端末のIPアドレス「I.J.K.L」について、PDPコンテキスト情報としてSGSN向けのTEIDおよびIPアドレスと、プリザベーション状態情報として「非プリザベーション状態」(RRC Connected mode)とが登録されている。
【0027】
緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201およびプリザベーション状態テーブル211に上記の内容が登録されている状態において、東北地方で震度5の地震発生のおそれがある場合、緊急速報配信サーバ装置1は、緊急速報である地震速報通知を送信する。緊急速報配信サーバ装置1からの地震速報通知を受信した緊急速報通知サーバ装置20は、緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201を参照し、登録エリアが「東北」である移動端末のIPアドレスを取得する。そして、緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201から取得されたIPアドレス「A.B.C.D」の移動端末およびIPアドレス「I.J.K.L」の移動端末に向けて、緊急速報通知サーバ装置20は地震速報通知を送信する。
【0028】
緊急速報通知サーバ装置20が送信した地震速報通知は、GGSN21によって受信される。GGSN21は、プリザベーション状態テーブル211を参照し、プリザベーション状態情報が「非プリザベーション状態」である、IPアドレス「I.J.K.L」の移動端末2Cに向けて、地震速報通知を送信する。また、GGSN21は、プリザベーション状態テーブル211を参照し、プリザベーション状態情報が「プリザベーション状態」である、IPアドレス「A.B.C.D」の移動端末2Aについては、地震速報通知を送信しない。
地震速報通知は、GGSN21、SGSN22、RNC23および図示せぬ無線基地局を介して、移動端末2Cによって受信される。移動端末2Cは、地震速報通知を受信すると、ブザーの鳴動、画面でのポップアップ表示などによって、地震速報通知を受信したことをユーザに伝える。
【0029】
(緊急速報配信システムの動作)
図1に戻り、セルブロードキャストシステム100のCBSサーバ装置10は、気象庁サーバ装置等の緊急速報配信サーバ装置1から緊急速報配信通知を受信すると、配信エリアに向けてCBS Messageをブロードキャストする。このとき、無線基地局11との間で通信中である場合(例えば、RRC(Radio Resource Control) Connected mode)になっている移動端末については、CBSサーバ装置10から配信されるCBS Messageを受信できない。このように、通信中の移動端末はCBS Messageを受信できないため、セルブロードキャストシステム100によるブロードキャストと並行して緊急速報通知サーバ装置20から、緊急速報をパケット配信する。
【0030】
緊急速報通知サーバ装置20は、気象庁のサーバ装置等の緊急速報配信サーバ装置1から緊急速報配信通知を受信する。緊急速報配信通知に含まれる情報要素の例として、配信エリア、重要度、配信文面がある。この緊急速報配信通知を受けた緊急速報通知サーバ装置20は、配信エリアを登録エリアとして設定している移動端末に対し緊急速報配信を行う。
【0031】
以下、緊急速報配信システムの動作について詳細に説明する。
(事前登録)
緊急速報を受信したいユーザは、予め、移動端末から緊急速報通知サーバ装置20へ緊急速報配信エリアの登録を行う。例えば、東北エリアで地震が発生した場合に緊急地震速報を受けたい場合は、緊急速報配信エリアとして「東北エリア」を登録する。
なお、緊急速報配信エリアについては、ユーザの入力操作によって登録しなくても、移動端末に搭載されたアプリケーションが自己位置検索を行い、その位置情報を緊急速報配信エリアとする緊急速報配信要求を緊急速報通知サーバ装置20に通知してもよい。また、自己位置通知によって、その位置を緊急速報配信エリアとして緊急速報通知サーバ装置20へ登録しても良い。
【0032】
図4に示すように緊急速報通知サーバ装置20は、移動端末のIPアドレスと緊急速報配信エリアとを関連付けて緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201に保持する。また、移動端末2Cは緊急速報通知サーバ装置20とのセッションを維持するため、定期的に緊急速報通知サーバ装置20と信号のやり取りをしても良い。緊急速報通知サーバ装置20は、移動端末2Cとのセッションを維持するために定期的に移動端末2Cと信号のやり取りをしても良い。
【0033】
(プリザベーション状態管理)
移動端末2Cはパケット通信を開始する際、移動端末2CからPDPコンテキスト(Packet Data Protocol Context)情報を送信し、GGSN21との間に通信路を確立し、この通信路を介してパケット通信を行う。この通信路が確立されている状態において、一定時間パケット通信がない場合、SGSN22はRNC23に対し、Iu Release Command信号を通知することで無線リソースを解放(プリザベーション状態へ遷移)することができる。また、移動端末からプリザベーションへ遷移するようにネットワークへ指示することもできる。これらの場合、SGSNとGGSNとの間ではPDPは確立された状態が保たれるが、SGSNとRNCとの間、RNCと移動端末との間のリソースは解放される。
【0034】
GGSN21が、プリザベーション状態に遷移したことを検知する方法は標準規格上規定されていない。ここでは、SGSN22がプリザベーション状態へ遷移したことを検知できるため、プリザベーション状態へ遷移した直後にSGSN22からGGSN21へプリザベーション状態であることを通知することができる。この通知を行うことで、図4に示すように、GGSN21では自身が保持しているPDPコンテキスト情報とプリザベーション状態情報とを関連付けてプリザベーション状態テーブル211に保持し、管理することができる。
【0035】
なお、SGSN22は、プリザベーション状態が解除されたことも検知できるので、プリザベーション状態が解除された直後にSGSN22からGGSN21へプリザベーション状態であることを通知することができる。この通知を行うことで、プリザベーション状態テーブル211の保持内容を書き換えることができる。
【0036】
(プリザベーション状態である場合の動作)
図5は、緊急速報の配信先である移動端末への通信路がプリザベーション状態である場合における、本システムの動作を示すシーケンス図である。図5は、緊急速報配信サーバ装置1、緊急速報通知サーバ装置20、GGSN21、SGSN22、RNC23移動端末2Aについて、信号の授受および通信路の状態を示している。
【0037】
図5において、PDP確立処理が行われると(ステップS100)、PDPによる通信路が形成される。PDPによる通信路が形成された状態においては、移動端末2Aが、緊急速報配信エリアを、緊急速報通知サーバ装置20の緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201へ登録することができる(ステップS101)。例えば、移動端末2AのIPアドレスを「A.B.C.D」、緊急速報配信エリアを「東北」、と登録することができる(ステップS102)。
【0038】
その後、一定時間、データ通信(パケット通信)がない場合、SGSN22はRNC23に対し、Iu Release Command信号を通知することで無線リソースを解放(プリザベーション状態へ遷移)することができる。また、移動端末2Aからプリザベーション状態へ遷移するようにネットワーク側へ指示することもできる。プリザベーション状態の場合、SGSN22とGGSN21との間ではPDPによる通信路が確立された状態が保たれるが、SGSN22とRNC23との間のリソース、および、RNC23と移動端末2Aとの間のリソースは解放される。このリソースが解放された状態が、図5中の破線で示されている。
【0039】
GGSN21が、通信路がプリザベーション状態に遷移したことを検知する方法は標準上規定されていない。しかしながら、SGSN22がプリザベーションに遷移したことを検知できるため、SGSN22からGGSN21へプリザベーション状態であることを通知することで、図4に示すようにGGSN21では自身が保持しているPDPコンテキストとプリザベーション状態情報とを関連付けてプリザベーション状態テーブル211に保持することができる。
【0040】
通信路がプリザベーション状態において、東北エリアで地震が発生すると、緊急速報配信サーバ装置1は緊急速報を送信する(ステップS105)。この緊急速報は、緊急速報通知サーバ装置20を介して、GGSN21によって受信される(ステップS106)。ここでは、プリザベーション状態であるため、緊急速報はGGSN21において破棄される(ステップS107)。
つまり、図5に示すように、緊急速報配信を受けたGGSN21は、配信宛先の移動端末への通信路のプリザベーション状態を確認し、プリザベーション状態(RRC Idle mode)であれば、当該移動端末はCBS Messageを受信できるため、緊急速報をSGSN22へ配信せずにGGSN21で破棄する。
【0041】
(非プリザベーション状態である場合の動作)
図6は、緊急速報の配信先である移動端末への通信路がプリザベーション状態でない場合における、本システムの動作を示すシーケンス図である。図6は、緊急速報配信サーバ装置1、緊急速報通知サーバ装置20、GGSN21、SGSN22、RNC23移動端末2Aについて、信号の授受および通信路の状態を示している。
【0042】
図6において、PDP確立処理が行われると(ステップS100)、PDPによる通信路が形成される。PDPによる通信路が形成された状態においては、移動端末2Aが、緊急速報配信エリアを、緊急速報通知サーバ装置20の緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201へ登録することができる(ステップS101)。例えば、移動端末2AのIPアドレスを「A.B.C.D」、緊急速報配信エリアを「東北」、と登録することができる(ステップS102)。
【0043】
PDPによる通信路が形成されている状態(非プリザベーション状態)において、東北エリアで地震が発生すると、緊急速報配信サーバ装置1は緊急速報を送信する(ステップS105)。この緊急速報は、緊急速報通知サーバ装置20を介して、GGSN21によって受信される(ステップS106)。ここでは、プリザベーション状態ではないため、緊急速報はGGSN21において破棄されず、PDPによる通信路を介して、移動端末2Aへ送信される(ステップS108)。
【0044】
つまり、本システムでは、プリザベーション状態であるかどうかを管理している。そして、プリザベーション状態である場合には、共用CHを介しての配信が可能であるため、GGSNは緊急速報を廃棄し、CBSによって緊急速報を配信する。一方、プリザベーション状態でない場合には、個別CHを介しての配信が可能であるため、GGSNからSGSNなどを介して緊急速報を配信する。
【0045】
つまり、図6に示すように、緊急速報配信を受けたGGSN21は、配信宛先の移動端末への通信路がプリザベーション状態でない場合(RRC Connected mode)、CBS Messageを受信できないため、GGSN21は緊急速報を破棄せずにSGSN22へ配信し、SGSN21はその緊急速報を移動端末へ配信する。
【0046】
(緊急速報通知サーバの識別)
上記の動作例においては、本システムの動作対象となる緊急速報通知サーバ装置20のIPアドレスをGGSN21へ事前に登録しておくことにより、GGSN21がIPアドレスを識別子として、緊急速報の送信元である緊急速報通知サーバ装置20を識別する。
【0047】
この緊急速報通知サーバ装置20のIPアドレスの事前登録を不要にするには、識別子としてのフラグをIPパケットに挿入する構成を採用すればよい。すなわち、IPパケットのヘッダ部又はボディ部に、緊急速報通知サーバ装置20がフラグを挿入する。そして、GGSN21において、そのフラグが挿入されていることを確認することにより、IPパケットが本システムの動作対象と判断することができる。緊急速報通知サーバ装置20は、図7(A)のように、フラグFをパケットPのヘッダ部Hに挿入したり、図7(B)のように、フラグFをパケットPのボディ部Bに挿入したりすればよい。
【0048】
このように緊急速報通知サーバ装置20がフラグを挿入する構成を採用する場合、緊急速報通知サーバ装置20のIPアドレスをGGSN21へ事前に登録しておく必要はなく、フラグの挿入有無によってIPパケットが本システムの動作対象か否かを判断することができる。つまり、緊急速報通知サーバ装置20が挿入するフラグは、緊急速報(のIPパケット)であることを示すフラグであり、このフラグが含まれており、かつ、移動端末への通信路がプリザベーション状態であればGGSN21はその緊急速報(のIPパケット)を破棄することになる。
【0049】
(緊急速報配信方法)
図8を参照して、本例の緊急速報配信方法について、説明する。図8は、上述した緊急速報配信システムによって実現できる緊急速報配信方法を示すフローチャートである。図8において、緊急速報対象エリアと緊急事態内容とを含む緊急速報を緊急速報通知サーバ装置の受信部が受信する(ステップS11)。すると、緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201を参照し、受信した緊急速報に含まれている緊急速報対象エリアに、緊急速報通知対象ユーザリストテーブル201に保持されている緊急速報配信エリアが含まれているか、配信エリア管理部が判断する(ステップS12)。ステップS12における配信エリア管理部の判断の結果、緊急速報対象エリアに緊急速報配信エリアが含まれている場合、当該緊急速報配信エリアに関連付けられた移動端末のアドレスに向けて、緊急速報を送信する(ステップS12→S13)。一方、ステップS12における配信エリア管理部の判断の結果、緊急速報対象エリアに緊急速報配信エリアが含まれていない場合、処理は終了となる(ステップS12→S18)。
【0050】
次に、緊急速報通知サーバ装置が送信した緊急速報を移動体通信サーバ装置の受信部が受信する(ステップS14)。すると、プリザベーション状態テーブル211を参照し、受信した緊急速報の宛先であるアドレスの移動端末への通信路がプリザベーション状態であるかプリザベーション状態管理部が判断する(ステップS15)。
プリザベーション状態管理部の判断の結果、プリザベーション状態でなければ当該緊急速報を移動端末へ向けて送信し(ステップS15→S16)、その後、処理は終了となる(ステップS16→S18)。一方、プリザベーション状態管理部の判断の結果、移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄し(ステップS15→S17)、その後、処理は終了となる(ステップS17→S18)。
【0051】
(変形例)
上述した例では、プリザベーション状態判断処理、緊急速報の配信、緊急速報の破棄判断処理をGGSN21において実行しているが、これらの処理の少なくとも一部をSGSN22において実行しても良い。
本システムは、通信路のプリザベーション状態を管理することができるのであれば、LTE(Long Term Evolution)規格に準拠した電話通信網、IMT−2000規格に準拠した電話通信網、のいずれにも適用することができる。
なお、上記は、緊急地震速報の場合について説明したが、これに限らず、緊急津波速報、緊急台風速報、緊急火災速報など、あらゆる災害に関する緊急速報について本システムが適用できることは明らかである。
【0052】
(まとめ)
以上のように、本システムにおいては、移動端末への通信路がプリザベーション状態であるか否かを管理することにより、緊急速報をCBSで受信できない、通信中の移動端末にも、移動体通信のコアネットワークへ過度な負荷をかけることなく、緊急速報を配信することが可能となる。これにより、ユーザが一次避難行動をより早く取ることを支援し、災害等の緊急事態による人命への影響を小さくすることができる。
【0053】
なお、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、緊急速報を移動端末へ配信する場合に利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 緊急速報配信サーバ装置
2A〜2C、2a〜2d 移動端末
10 CBSサーバ装置
11 無線基地局
20 緊急速報通知サーバ装置
21 GGSN
22 SGSN
23 RNC
100 セルブロードキャストシステム
200 個別パケット配信ユニキャストシステム
201 緊急速報通知対象ユーザリストテーブル
202 配信エリア管理部
203 受信部
204 送信部
211 プリザベーション状態テーブル
212 プリザベーション状態管理部
213 受信部
214 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末のアドレスと前記移動端末の緊急速報配信エリアとを関連付けて保持する第1のテーブルと、緊急速報対象エリアと緊急事態内容とを含む緊急速報を受信する受信部と、前記第1のテーブルを参照し、前記受信部が受信した緊急速報に含まれている前記緊急速報対象エリアに、前記第1のテーブルに保持されている前記緊急速報配信エリアが含まれているか判断する配信エリア管理部と、前記配信エリア管理部の判断の結果、前記緊急速報対象エリアに前記緊急速報配信エリアが含まれている場合、当該緊急速報配信エリアに関連付けられた移動端末のアドレスに向けて、前記緊急速報を送信する送信部とを備えた緊急速報通知サーバ装置と、
前記移動端末のアドレスと、前記移動端末への通信路についてプリザベーション状態であるか否を示すプリザベーション状態情報とを保持する第2のテーブルと、前記緊急速報通知サーバ装置が送信した前記緊急速報を受信する受信部と、前記第2のテーブルを参照し、前記受信部が受信した前記緊急速報の宛先であるアドレスの移動端末への通信路がプリザベーション状態であるか判断するプリザベーション状態管理部と、前記プリザベーション状態管理部の判断の結果、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄し、プリザベーション状態でなければ当該緊急速報を移動端末へ向けて送信する送信部とを備えた移動体通信サーバ装置と、
を含むことを特徴とする緊急速報配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の緊急速報配信システムにおいて、緊急速報対象エリアと緊急事態内容とを含む緊急速報を同報配信する同報配信サーバ装置をさらに含むことを特徴とする緊急速報配信システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の緊急速報配信システムにおいて、前記移動体通信サーバ装置のプリザベーション状態管理部は、前記移動端末への通信路についての前記プリザベーション状態情報を取得した場合、前記第2のテーブルに保持されているプリザベーション状態情報を書き換え、
前記移動体通信サーバ装置の受信部が受信した前記緊急速報の宛先であるアドレスが、前記第2のテーブルに保持されているアドレスと一致し、かつ、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄することを特徴とする緊急速報配信システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の緊急速報配信システムにおいて、前記移動体通信サーバ装置のプリザベーション状態管理部は、前記移動端末への通信路についての前記プリザベーション状態情報を取得した場合、前記第2のテーブルに保持されているプリザベーション状態情報を書き換え、
前記移動体通信サーバ装置の受信部が受信した前記緊急速報に、緊急速報であることを示すフラグが含まれており、かつ、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄することを特徴とする緊急速報配信システム。
【請求項5】
緊急速報配信エリアに関連付けられた移動端末のアドレスに向けて、緊急速報を送信する緊急速報配信システムに用いられる移動体通信サーバ装置であって、
前記移動端末のアドレスと、前記移動端末への通信路についてプリザベーション状態であるか否を示すプリザベーション状態情報とを保持する第2のテーブルと、前記緊急速報通知サーバ装置が送信した前記緊急速報を受信する受信部と、前記第2のテーブルを参照し、前記受信部が受信した前記緊急速報の宛先であるアドレスの移動端末への通信路がプリザベーション状態であるか判断するプリザベーション状態管理部と、前記プリザベーション状態管理部の判断の結果、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄し、プリザベーション状態でなければ当該緊急速報を移動端末へ向けて送信する送信部とを含むことを特徴とする移動体通信サーバ装置。
【請求項6】
請求項5に記載の移動体通信サーバ装置において、前記プリザベーション状態管理部は、前記移動端末への通信路についての前記プリザベーション状態情報を取得した場合、前記第2のテーブルに保持されているプリザベーション状態情報を書き換え、
前記受信部が受信した前記緊急速報の宛先であるアドレスが、前記第2のテーブルに保持されているアドレスと一致し、かつ、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄することを特徴とする移動体通信サーバ装置。
【請求項7】
請求項5に記載の移動体通信サーバ装置において、前記プリザベーション状態管理部は、前記移動端末への通信路についての前記プリザベーション状態情報を取得した場合、前記第2のテーブルに保持されているプリザベーション状態情報を書き換え、
前記受信部が受信した前記緊急速報に、緊急速報であることを示すフラグが含まれており、かつ、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄することを特徴とする移動体通信サーバ装置。
【請求項8】
移動端末のアドレスと前記移動端末の緊急速報配信エリアとを関連付けて保持する第1のテーブルと、緊急速報対象エリアと緊急事態内容とを含む緊急速報を受信する受信部と、前記第1のテーブルを参照し、前記受信部が受信した緊急速報に含まれている前記緊急速報対象エリアに、前記第1のテーブルに保持されている前記緊急速報配信エリアが含まれているか判断する配信エリア管理部と、前記配信エリア管理部の判断の結果、前記緊急速報対象エリアに前記緊急速報配信エリアが含まれている場合、当該緊急速報配信エリアに関連付けられた移動端末のアドレスに向けて、前記緊急速報を送信する送信部とを備えた緊急速報通知サーバ装置と、
前記移動端末のアドレスと、前記移動端末への通信路についてプリザベーション状態であるか否を示すプリザベーション状態情報とを保持する第2のテーブルと、前記緊急速報通知サーバ装置が送信した前記緊急速報を受信する受信部と、前記第2のテーブルを参照し、前記受信部が受信した前記緊急速報の宛先であるアドレスの移動端末への通信路がプリザベーション状態であるか判断するプリザベーション状態管理部と、前記プリザベーション状態管理部の判断の結果、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄し、プリザベーション状態でなければ当該緊急速報を移動端末へ向けて送信する送信部とを備えた移動体通信サーバ装置と、
を含む緊急速報配信システムによって実現される緊急速報配信方法であって、
緊急速報対象エリアと緊急事態内容とを含む緊急速報を前記緊急速報通知サーバ装置の受信部が受信する第1ステップと、前記第1のテーブルを参照し、前記第1ステップにおいて受信した緊急速報に含まれている前記緊急速報対象エリアに、前記第1のテーブルに保持されている前記緊急速報配信エリアが含まれているか前記配信エリア管理部が判断する第2ステップと、前記第2ステップにおける前記配信エリア管理部の判断の結果、前記緊急速報対象エリアに前記緊急速報配信エリアが含まれている場合、当該緊急速報配信エリアに関連付けられた移動端末のアドレスに向けて、前記緊急速報を送信する第3ステップと、前記緊急速報通知サーバ装置が送信した前記緊急速報を前記移動体通信サーバ装置の前記受信部が受信する第4ステップと、前記第2のテーブルを参照し、前記第4ステップにおいて受信した前記緊急速報の宛先であるアドレスの移動端末への通信路がプリザベーション状態であるか前記プリザベーション状態管理部が判断する第5ステップと、前記プリザベーション状態管理部の判断の結果、前記移動端末への通信路がプリザベーション状態であれば当該緊急速報を破棄し、プリザベーション状態でなければ当該緊急速報を移動端末へ向けて送信する第6ステップと、を含むことを特徴とする緊急速報配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−46366(P2013−46366A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185007(P2011−185007)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】