説明

緑茶ペースト及び緑茶ペーストを用いた食品

【課題】
混入される側の食品の食感を保ちつつ、緑茶の褪色や変色を抑え鮮明な緑色を備えることが可能な緑茶ペーストを提供することにある。
【解決手段】
緑茶に、粟の粉末及びニガリが所定量添加されたことを特徴とし、緑茶と粟の粉末とニガリとの重量比が、約1:2:1であり、また、緑茶ペーストを用いた食品としてはラーメンの麺があって、ラーメンの麺の場合、粟の粉末の重量比が、麺全体の4%〜9%であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑茶を原料とする食品用の緑茶ペースト及び緑茶ペーストを用いた食品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、茶葉の色や緑茶の香りを食品に取り込むために、食品に添加する緑茶を原料とする緑茶ペーストが用いられている。この緑茶ペーストは、例えば、特許文献1に示すように、食品の品質の向上や安定化を目的に、緑茶以外の成分が混ぜ合わされているものがある。特許文献1の緑茶ペーストでは、ササ、マツの葉、樹皮、樹脂のエキス等が混入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−266785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の緑茶ペーストでは、混入する食品によっては、緑茶の褪色や変色を抑え鮮明な緑色を保つことが困難である。また、緑茶以外に混入するものによって、食品の食感が、従来の緑茶ペーストを混入しないものと大きく異なってしまうこともある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、混入される側の食品の食感を保ちつつ、緑茶の褪色や変色を抑え鮮明な緑色を備えることが可能な緑茶ペーストを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の緑茶ペーストは、緑茶に、粟の粉末及びニガリが所定量添加されたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の緑茶ペーストは、緑茶と粟の粉末とニガリとの重量比が、約1:2:1であることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の緑茶ペーストを用いた食品は、請求項1及び請求項2記載の緑茶ペーストを混入したことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の緑茶ペーストを用いた食品は、ラーメンの麺であることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の緑茶ペーストを用いた食品は、ラーメンの麺の粟の粉末の重量比が、麺全体の4%〜9%であることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の緑茶ペーストを用いた食品は、和菓子であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、緑茶に、粟の粉末及びニガリが所定量添加されることで、混入される側の食品の食感を保ちつつ、緑茶の褪色や変色を抑え鮮明な緑色を備えることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の形態について具体的に説明する。本実施の形態における緑茶ペーストは、緑茶を原料とする食品用のペースト状の物で、後述する各種の食品に混入して用いるものである。この緑茶ペーストは、緑茶に、粟の粉末及びニガリを所定量添加して形成されている。添加の割合は、緑茶と粟の粉末とニガリとの重量比で、約1:2:1である。
【0014】
ニガリは、塩化マグネシウムを主成分にするもので、天然素材であるか、合成素材であるかは問わない。但し、不純物を多く含むものは、食品の食感等を悪化させるので好ましくはない。粟の粉末は、粟の実を碾いたもので、食品に混入した場合にその食品にぼそぼそ感を生じにくくするためには、より細かく碾くことが好ましい。
【実施例】
【0015】
本実施の形態における緑茶ペーストを用いた食品の実施例を示す。尚、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本実施例で説明するのは、緑茶ペーストを混入したラーメンの麺である。このラーメンの麺は、表1に示す割合の材料を用いている、
【0016】
【表1】

【0017】
従来は、ラーメンの麺には、かん水を用いることから、緑茶が褪色したり変色したりして、緑色の鮮やかなラーメンの麺を作ることができなかったが、ニガリを入れることで、緑茶の褪色や変色を抑え鮮明な緑色を備えるラーメンの麺を作ることができる。また、粟の粉により、ゆで伸びが抑えられると共に、食感に優れたラーメンの麺を作ることができる。
【0018】
尚、粟の粉が全体の10%を超えると、ぼそぼそになってしまうため、粟の粉の量は麺全体の重量比で4%〜9%にするのが望ましい。また、粟以外の他の雑穀類であるヒエ、キビを用いた実験も行ったが、粟以外の他の雑穀類では、麺自体が粘ってぼたぼたになるだけで、ラーメンとしての風味や食感を出すことができなかった。
【0019】
上述の実施例では、ラーメンの麺に本実施の形態の緑茶ペーストを混入した場合の例を説明したが、他にも例えば饅頭やどら焼き等の和菓子や、パンなどの食品に用いることが可能である。また、従来からある蕎麦やうどん等の麺類に用いることも当然に可能で、緑茶の褪色や変色を抑え鮮明な緑色を備え、且つ緑茶の入らない食品と食感が遜色ないか優れた食品を提供することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
以上のように、本発明によれば、混入される側の食品の食感を保ちつつ、緑茶の褪色や変色を抑え鮮明な緑色を備えることが可能な緑茶ペーストを提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緑茶を原料とする食品用の緑茶ペーストにおいて、
該緑茶に、粟の粉末及びニガリが所定量添加されたことを特徴とする緑茶ペースト。
【請求項2】
前記緑茶と前記粟の粉末と前記ニガリとの重量比が、約1:2:1であることを特徴とする請求項1記載の緑茶ペースト。
【請求項3】
請求項1及び請求項2記載の緑茶ペーストを混入したことを特徴とする緑茶ペーストを用いた食品。
【請求項4】
前記食品が、ラーメンの麺であることを特徴とする請求項3記載の緑茶ペーストを用いた食品。
【請求項5】
前記ラーメンの麺の前記粟の粉末の重量比が、麺全体の4%〜9%であることを特徴とする請求項4記載の緑茶ペーストを用いた食品。
【請求項6】
前記食品が、和菓子であることを特徴とする請求項3記載の緑茶ペーストを用いた食品。

【公開番号】特開2011−110023(P2011−110023A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272039(P2009−272039)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(507212632)
【Fターム(参考)】