説明

線維形成のPETイメージング

本発明は、ペプチド化合物及び陽電子放出断層撮影法(PET)を用いるインビボイメージングでのそれの使用に関する。さらに詳しくは、本発明は肝線維症のインビボイメージング方法でのかかるペプチド系化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペプチド化合物及び陽電子放出断層撮影法(PET)を用いるインビボイメージングでのそれの使用に関する。さらに詳しくは、本発明は肝線維症のインビボイメージング方法でのかかるペプチド系化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
インビボイメージング技法である陽電子放出断層撮影法(PET)は優れた感度及び分解能を与える結果、病変部における比較的小さい変化でも経時的に観察できる。PETで使用するための好ましい陽電子放出核種は18Fであり、これは約110分の半減期を有し、陽電子放出によって97%崩壊し、0.69MeVの最大エネルギーを有する。特定の病態を表すバイオマーカーを標的化する18F標識ペプチドは、その病態の検出及び特徴づけに使用できる。
【0003】
肝星細胞(HSC)は、肝臓における主要なフィブロコンピテント(fibrocompetent)細胞と広く見なされている(Bedossa and Paradis,J.Pathol.2003;200:504−515)。進行性肝線維症中には、HSCは活性化して増殖するが、線維症の消散時には、肝臓瘢痕の分解と同時に起こる広範囲のHSCアポトーシスが存在する。このような進行性ステージは線維症の初期段階を表し、「線維形成」と呼ばれる。線維形成に関連する活性化HSCはαvβ3インテグリンのアップレギュレート発現を有している(Zhou et al,J. Biol.Chem.2004; 279(23): 23996−24006)。したがって、αvβ3は肝線維形成のインビボイメージング用のバイオマーカーとして使用可能である。
【0004】
これまで、αvβ3を標的化するPETトレーサーに対する主な関心は、血管新生関連疾患(主として腫瘍、特に転移性腫瘍)の診断に集中していた。例えば、国際公開第2005/012335号には、αvβ3インテグリンに結合するアルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)モチーフを含む18F標識ペプチド系インビボイメージング剤が血管新生に関連する疾患又は病態のインビボ診断又はイメージングに有用であると教示されている。国際公開第2006/030291号にはまた、特定の18F標識RGDペプチド系化合物が血管新生に関連する疾患又は病態のインビボイメージングのために有用であると教示されている。RGDペプチド系インビボイメージング剤はまた、肝線維症をはじめとする、コラーゲン沈着に関連する病態のインビボイメージング及び診断のためにも有用であることが示唆されている(国際公開第2006/054904号)。国際公開第2006/054904号には、18Fをはじめとする一連のインビボイメージング成分が開示されている。しかし、さらに最近になって提示されたインビボデータは、18F標識RGDペプチドの特性が肝臓の最適インビボイメージングのために適さないことを実証している。健常ヒト志願者におけるPEGリンカーを含む18F標識RGDペプチドの生体分布に関する報告は、肝臓への初期取込みが約15%であり、注射から4時間後には約8%に減少することを示した(McParland et al,J.Nuc.Med.2008;49(10)。同じ18Fトレーサーについて、転移性乳癌患者での腫瘍検出能力が評価された(Kenny et al,J.Nuc.Med.2008;49:879−886)。この研究では、肝臓でのバックグラウンド取込みが非常に高いため、肝臓転移は低強度(hypointense)病巣として現れた。
【0005】
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)とは、単純脂肪肝(脂肪症)から非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、さらには肝硬変(肝臓の不可逆的な進行した瘢痕形成)にまでわたる広範囲の肝臓疾患をいう。米国人口の約24%がNAFLDを有すると考えられており、これは低い頻度でNASHへと進行する。NAFLDはメタボリックシンドロームに関連しており、これは肥満、高脂血症、高血圧及びII型糖尿病と関係がある。米国ではおよそ4700万人がメタボリックシンドロームを有すると考えられている。米国人口のうち推定860万人がNASHを有していて、これは線維症及び肝硬変を伴う恐れがあり、NASH患者の20〜28%が10年間で肝硬変を発症すると考えられている。したがって、NAFLDはごく一般的であり、NASHへ、ひいては肝硬変へと進行しかねない疾患範囲の軽症側末端を表している。肝線維症はNASHから肝硬変へと進行するリスクの指標である。
【0006】
肝線維症の検出のために現在用いられているアプローチは、いくつかの重大な欠点を有している。コラーゲン沈着のパターンに関して組織学的に分析された肝生検は、肝疾患ステージ及び肝線維症を評価するための最も信頼できる基準とみなされている。しかし、この方法は、若干の病的状態、偶発的な死亡率、高いコスト、サンプリング誤差及び線維症の程度を分類する際の肝臓病理学者間での高い観察者間変動を伴う。生検での肝臓のサンプリングは評価すべき肝臓の5万分の1にすぎないので、ステージ診断の誤りを招く恐れがある。さらに、疾患の進行を適時にモニターするためには、3〜5年毎に繰返して生検を行うことが推奨されている。血液検査のような低侵襲性の方法も利用可能であるが、肝線維症を検出するための現行の血液検査は臨床的価値が限られている。これは、線維症の程度又は線維症と肝硬変との識別に使用できないからである。現在、NAFLDをNASHから識別し、或いはNASHにおける線維症を十分に定量化し特徴づけることができる方法は存在しない。したがって、肝線維症を非侵襲的方法で効果的に特徴づけてモニターすることができる手段は存在しない。このことは、肝線維症の進行を遅らせ又は停止させ得る早期治療介入の提供に悪影響を及ぼしている。線維症の初期段階を検出できるインビボイメージング方法は、NAFLD疾患プロセスの臨床管理において有用であろう。
【発明の概要】
【0007】
本発明は活性化HSCの存在、位置及び/又は量を評価するのに有用であって、線維形成の指標を与える。これが特に有利であるのは、線維形成組織が線維症組織よりも早期活動性疾患の優れたマーカーであり、線維症組織は疾患プロセスが消散しつつある場合にも存在するからである。したがって、疾患プロセスの確認を、治療の実施が最も有効であり得るステージで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1及び図2は、肝線維形成の動物モデルにおけるPETイメージング試験の結果を示している。
【図1】図1は、胆管結紮(BDL)又は偽手術後の様々な日数において、ラット肝臓及び参照組織(筋肉)中での%ID/cc(組織1立方センチメートル当たりのパーセント注射量)を示している。すべてのイメージングデータは、PETトレーサー1の静脈内注射から60〜90分後に取得された。
【図2】図2は、手術の開始後2日目乃至30日目において、BDL(上列)及び偽手術(下列)を受けたラットの肝臓(参考のため左端の画像中に「L」とマークした)及び腎臓(参考のため左端の画像中に「K」とマークした)におけるPETトレーサー1の取込みを注射量に対して基準化して示す代表的な同時記録PETーCT(陽電子放出断層撮影−コンピューター断層撮影)画像を示している。
【0009】
これらの図は、偽手術動物に比べてBDL動物の肝臓へのPETトレーサー1の取込みの有意差を明確に示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一態様では、本発明は、被験体の肝臓における線維形成組織の存在、位置及び/又は量を決定するための方法であって、当該方法は
(i)式Iの陽電子放出断層撮影法(PET)トレーサーを前記被験体に検出可能な量で投与する段階、
(ii)段階(i)で投与されたPETトレーサーを前記肝臓中の線維形成組織に結合させる段階、
(iii)段階(ii)で結合させたPETトレーサーから放出される信号をPETによって検出する段階、並びに
(iv)前記信号の位置及び/又は量を表す画像を形成する段階
を含んでなり、前記PETトレーサーは次の式Iを有する方法に関する。
【0011】
【化1】

式中、
1及びZ2の一方は18Fを含む基であり、Z1及びZ2の他方は水素であり、
1及びW2の各々は独立に次の式Iaの二価リンカー部分である。
【0012】
【化2】

式中、
nは1〜10の整数であり、
1はC1-5アルキレン、C2-5オキソアルキレン、C1-5オキサアルキレン又はC2-5カルボニル置換オキサアルキレンであり、
点線はZ1又はZ2への結合点を表す。
【0013】
本明細書中で使用する「線維形成組織」という用語は、特に線維形成が起こっている組織に関する。「線維形成」という用語は、とりわけ肝星細胞(HSC)が活性化されてインテグリンを発現している、線維症の活動性かつ進行性のステージをいう。HSCは、肝臓における主要なフィブロコンピテント細胞と広く見なされている。線維形成中には、HSCは活性化して増殖するが、線維症の消散時には、肝臓瘢痕の分解と同時に起こる広範囲のHSCアポトーシスが存在する。さらに、線維形成中には、コラーゲンのような細胞外マトリックス(ECM)成分の沈着はまだ起こらない。このように、ECM成分の存在は線維症の後期段階及び線維症の消散の特徴である。したがって、線維形成中の疾患プロセスを標的にすることは、治療の適用が最も適切である活動性疾患の一層良好な指標を提供する。
【0014】
本発明の「被験体」は、肝臓を有する動物である。「肝臓」という用語は、公知の生理学的意味で理解すべきである。即ち、脊椎動物及び若干の他の動物に存在する生きた器官であって、解毒、タンパク質合成、及び消化のために必要な生物化学物質の産生を含む広範囲の機能を有するものである。好ましい実施形態では、前記被験体はインタクトな哺乳動物生体であり、最も好ましくはインタクトなヒト生体である。
【0015】
式IのPETトレーサーを被験体に検出可能な量で「投与する」段階は、前記被験体における前記PETトレーサーの全身的存在をもたらす方法として理解できる。投与は好ましくは非経口的に実施され、最も好ましくは静脈内に実施される。静脈内経路は、PETトレーサーを被験体の身体全域に送達するための最も効率的な方法であると共に、被験体の身体に対して実質的な物理的介入を及ぼさない。「実質的な」という用語は、実施するために職業的な医学専門技術を必要とするか、或いは所要の職業的医療及び専門技術をもって実施した場合でも実質的な健康リスクを伴う介入を意味する。PETトレーサーは、好ましくは本明細書中に記載される放射性医薬組成物として投与される。本発明の方法はまた、PETトレーサーを予め投与した被験体に関して実施される上述の段階(ii)〜(iv)を含むものとしても理解できる。
【0016】
式IのPETトレーサーの「検出可能な量」とは、PETによって検出可能な信号を生み出すのに十分な前記PETトレーサーの量を意味する。例えば、通常、体重70kg当たりで通例0.037MBq〜3.70GBq(0.01〜100mCi)、好ましくは3.7MBq〜1.85GBq(0.1〜50mCi)、最も好ましくは37〜740MBq(1〜20mCi)が十分であろう。
【0017】
本発明の文脈中における「PETトレーサー」という用語は、陽電子放出型放射性同位体を含む化合物をいう。かかるPETトレーサーは、特定の細胞成分(例えば、細胞表面受容体)と結合する結果、陽電子放出型放射性同位体から放出される信号の検出がその細胞成分の位置及び量を表すように設計される。
【0018】
PETトレーサーを前記被験体の肝臓中の線維形成組織に「結合させる」段階は、投与段階に後続し、検出段階に先行する。前記結合段階中に実際に起こることは、PETトレーサーが前記被験体の全身を動的に移動して体内の様々な組織に接触することである。本発明の方法の成功のためには、結合段階の時間は、PETトレーサーと肝臓中の線維形成細胞との間で特異的な相互作用が起こり得ると共に、好ましくは非特異的に結合したPETトレーサーの少なくとも一定割合が肝臓から排出されるように選択されることが重要である。ある時点に達すると、線維形成細胞に結合したPETトレーサーと非線維形成細胞に結合したPETトレーサーとの比の結果として、肝臓中の線維形成細胞に特異的に結合したPETトレーサーの検出が可能となる。理想的なかかる比は、2:1以上である。
【0019】
次に、被験体をPETスキャナー内に配置して、18Fから放出される陽電子が最大数ミリメートルまで進行し、電子に出会って消滅する場合に生じる消滅光子対を検出することにより、「検出」段階が実施される。これらの消滅光子は、PETトレーサーから放出される「信号」である。
【0020】
本発明の方法の「形成」段階はコンピューターによって実施され、検出された信号に再構成アルゴリズムを適用してデータセットを得る。次に、このデータセットを操作して、被験体の肝臓を示す画像を形成する。得られた画像は、被験体の肝臓における線維形成組織の存在、位置及び/又は量を表している。
【0021】
18Fを含む基」は、18Fそれ自体を意味することもあれば、18Fを含む化学基を意味することもある。好適には、前記式IのPETトレーサーに関しては、18Fを含む前記基は血中で容易に代謝を受けない化学基である。これは、かかる代謝により、PETトレーサーが所望のインビボ標的部位(即ち、肝臓)に到達する前に、18FがPETトレーサーから開裂してしまうからである。例えば、18Fは[18F]フルオロアルキル基又は[18F]フルオロアルコキシ基の一部をなすことができるが、これはアルキルフルオリドがインビボでの代謝に耐えるからである。別法として、18Fは直接共有結合によって芳香環に結合することもできる。
【0022】
アルキレン」という用語は、−CH2−基の二価鎖を意味する。ここで、−CH2−基の数は1〜5である。
【0023】
オキソアルキレン」という用語は、上記に定義したアルキレンにおいて、さらに1以上のカルボニル基を鎖中に含むものをいう。「カルボニル」という用語は、−C(=O)−基をいう。2以上のカルボニル基が互いに結合した鎖は包含されない。当業者には、かかる配列が化学的に不可能であることが理解されよう。
【0024】
オキサアルキレン」という用語は、上記に定義したアルキレンにおいて、さらに1以上の酸素原子(即ち、−O−基)を鎖中に含むものをいう。2以上の酸素原子が互いに結合した鎖(−O−O−)は包含されない。当業者には、かかる基が極めて不安定であり、したがって本発明に関しては適さないことが理解されよう。好ましくは、酸素原子はエーテル結合(即ち、−C−O−C−)として存在している。
【0025】
2-5カルボニル置換オキサアルキレン」という用語は、上記に定義したオキサアルキレンにおいて、さらにカルボニル基を鎖中に含むものをいい、この場合のカルボニルは上記に定義した通りである。この定義中にはエステル結合が包含され、「エステル結合」という用語は−C(=O)−O−をいう。また、−C(=O)−CH2−O−、−C(=O)−CH2−CH2−O−及び−C(=O)−CH2−O−CH2−のような基も包含される。特に除外されるのは、酸無水物基(即ち、−C(=O)−O−C(=O)−)のような反応基である。当業者には、かかる反応基が本発明に関しては適さないことが理解されよう。
【0026】
式IのPETトレーサーのペプチド部分は、標準的なペプチド合成法、例えばAtherton,E.and Sheppard,R.C.,“Solid Phase Synthesis”;IRL Press:Oxford,1989に記載されているような固相ペプチド合成法によって製造できる。アミノキシ基の組込みは、ペプチドアミン官能基と活性化酸との反応によって形成されかつペプチド合成中又は合成後に導入される安定なアミド結合を形成することで達成できる。式IのPETトレーサーのペプチド部分を得るための方法の一層詳細な説明については、Indrevoll et al(Bioorg.Med.Chem.Lett.2006;16:6190−3)を参照されたい。
【0027】
18Fラベルの付加は、放射化学の分野で公知の技法によって実施できる。例えば、18F(CH23OMs(式中、OMsはメシレートである。)のような標識化合物でアミン前駆体化合物をN−アルキル化してN−(CH2318Fを得ることで18Fを導入できる。第一アミン含有前駆体化合物は、Kahn et al(J.Lab.Comp.Radiopharm.2002;45:1045−1053)及びBorch et al(J.Am.Chem.Soc.1971;93:2897)によって教示されているように、標識化合物18F−C64−CHOを用いた還元アミノ化によっても18Fで標識できる。このアプローチは、Poethko et al(J.Nuc.Med.,2004;45:892−902)によって教示されているように、ペプチドのアミノキシ誘導体にも適用できる。アミン含有前駆体化合物は、次式のような18F標識活性エステル標識化合物と反応させてアミド結合連結生成物を得ることによっても18Fで標識できる。
【0028】
【化3】

上記に示したN−ヒドロキシスクシンイミド及びペプチド標識のためのその使用は、Vaidyanathan et al(Nucl.Med.Biol.,1992;19(3):275−281)及びJohnstrom et al(Clin.Sci.,2002;103(Suppl.48):45−85)によって教示されている。18F標識誘導体への合成経路のさらなる詳細は、Bolton(J.Lab.Comp.Radiopharm.,2002;45:485−528)によって記載されている。
【0029】
本発明のペプチドに類似したペプチドの合成法については、国際公開第03/006491号、同第2005/012335号及び同第2006/030291号も参照されたい。
【0030】
18Fを組み込むための上述した方法のいずれもが、次の式IIの対応する前駆体化合物から式IのPETトレーサーを製造するために適用できる。
【0031】
【化4】

式中、W3及びW4はそれぞれ式IのW1及びW2に関して上記に定義した通りであり、Z3及びZ4は共に水素である。
【0032】
本発明の好ましい18F標識化合物は次に式IIaを有する。
【0033】
【化5】

式中、
pは0〜20の整数であり、
qは0〜10の整数であり、
Yは水素、C1-6アルキル(例えば、メチル)又はフェニルである。
したがって、好ましい実施形態では、式Iの18Fを含む前記基は芳香族基であり、最も好ましくは[18F]フルオロフェニルである。18Fを含む基が存在する式I上の好ましい位置はZ1である。
【0034】
式IIaの標識化合物は、次の式IIbの対応する出発化合物又はその保護誘導体から製造できる。
【0035】
【化6】

式中、Lは脱離基である。好ましくは、p≧1である場合、Lはp−トルエンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート或いはメタンスルホネート又はハライドであり、pが0である場合、Lはp−トリアルキルアンモニウム塩又はp−ニトロである。Y及びqは式IIaの標識化合物に関して上記に定義した通りである。式IIbの出発化合物を、サイクロトロンで生成した水性[18F]フッ化物を好適には塩基(例えば、テトラブチルアンモニウム又はK2CO3/Kryptofix−222)からの蒸発によって予備活性化したものと、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドのような適当な溶媒中において、通例は周囲温度又は高温(例えば、最高140℃までの温度)で反応させる。式IIaの化合物のアルデヒド又はケトン官能基は、放射性フッ素化に続く簡単な酸処理により、その保護バージョン(例えば、アセタール又はケタール)から迅速に生成させることもできる。
【0036】
式IのPETトレーサーは、例えば式IIの前駆体化合物及び式IIaの標識化合物を含むキットによって製造できる。キットの使用に際しては、水性緩衝液(pH1〜11)に適宜に溶解し得る式IIの前駆体化合物に式IIaの標識化合物を添加する。極端でない温度で1〜70分間反応させた後、例えば固相抽出(SPE)又は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって標識ペプチドを精製し、回収することができる。
【0037】
二価リンカー部分W1又はW2の性質は、式IのPETトレーサーの生体分布を調整するためにも使用できる。即ち、例えばリンカー中のエーテル基は、血漿タンパク質結合を最小限に抑えるために役立つ。二価リンカー部分がポリエチレングリコール(PEG)構成単位を含む場合、リンカー基はインビボでPETトレーサーの薬物動態及び血中クリアランス速度を調整するために機能し得る。かかる「バイオモディファイアー」リンカー基は、バックグラウンド組織(例えば、筋肉又は肝臓)及び/又は血液からのイメージング剤のクリアランスを促進することで、バックグラウンド妨害を少なくして一層良好な診断画像を与えることができる。バイオモディファイアーリンカー基はまた、特定の排泄経路(例えば、肝臓経由ではなく腎臓経由の排泄)を有利にするためにも使用できる。
【0038】
式IのPETトレーサーにおいて、式Iaの二価リンカー部分のnは3〜5であることが好ましい。W1に関しては、好ましいnは5であり、W2に関しては、好ましいnは3である。W1に関しては、R1は好ましくはC1-5アルコキシアルケニル、最も好ましくはC1-3アルコキシアルケニル、特に好ましくは−CH2−O−である。W2に関しては、R1は好ましくはC2-5カルボキシアルコキシアルケニル、最も好ましくはC2-4カルボキシアルコキシアルケニル、特に好ましくは−CH2−O−CH2−C(=O)−である。
【0039】
本発明の方法で使用するための好ましいPEGトレーサーの例は、次式のものである。
【0040】
【化7】

上記のPETトレーサーは、本明細書中では「PETトレーサー1」と呼ばれ、Kenny et al(J.Nuc.Med.2008;49:879−86)によって記載された方法で得ることができる。PETトレーサー1は、(下記実施例1〜3に記載されるように)インビトロ及びインビボの両方で分析した。肝線維形成の動物モデルと対応する陰性対照動物モデルとの間において、PETトレーサー1の取込みに有意差が見出され、これはこのPETトレーサーが線維形成のイメージングし得ることを示唆している。
【0041】
本発明の方法は、好ましくは前記PETトレーサーを放射性医薬組成物として供給することで実施される。「放射性医薬組成物」は、本発明においては、式IのPETトレーサーを哺乳動物への投与に適した形態で生体適合性キャリヤーと共に含む組成物として定義される。「生体適合性キャリヤー」は、組成物が生理学的に認容され得るようにして(即ち、毒性又は過度の不快感なしに哺乳動物体に投与できるようにして)式IのPETトレーサーを懸濁又は溶解するための流体(特に液体)である。生体適合性キャリヤーは、好適には、無菌のパイロジェンフリー注射用水、(有利には注射用の最終生成物が等張性又は非低張性になるように平衡させ得る)食塩水のような水溶液、或いは1種以上の張度調整物質(例えば、血漿陽イオンと生体適合性対イオンとの塩)、糖(例えば、グルコース又はスクロース)、糖アルコール(例えば、ソルビトール又はマンニトール)、グリコール(例えば、グリセロール)又は他の非イオン性ポリオール物質(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなど)の水溶液のような注射可能なキャリヤー液体である。生体適合性キャリヤーはまた、エタノールのような生体適合性有機溶媒を含んでいてもよい。かかる有機溶媒は、親油性の高い化合物又は配合物を可溶化するために有用である。好ましくは、生体適合性キャリヤーはパイロジェンフリー注射用水、等張食塩水又はエタノール水溶液である。静脈内注射用生体適合性キャリヤーのpHは好適には4.0〜10.5の範囲内にある。かかる放射性医薬組成物は、緩衝剤、薬学的に許容される可溶化剤(例えば、シクロデキストリン或いはPluronic、Tween又はリン脂質のような界面活性剤)、薬学的に許容される安定剤又は酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、ゲンチジン酸又はp−アミノ安息香酸)或いは凍結乾燥用増量剤(例えば、塩化ナトリウム又はマンニトール)のような追加成分を任意に含み得る。
【0042】
かかる放射性医薬組成物は、PETトレーサーに関して記載したようにして製造できるが、無菌製造条件下で製造すれば所望の無菌生成物が得られる。別法として、かかる放射性医薬組成物を非無菌条件下で製造し、次いで例えばγ線照射、オートクレーブ処理、乾熱又は(例えば、エチレンオキシドによる)化学処理を用いる終末滅菌を施すこともできる。
【0043】
別の実施形態では、本発明の方法は、前記被験体内における線維形成の進行をモニターするために使用できる。この場合、本発明の方法は2つの分離した時点で実施される。例えば、本方法は、2つの分離した時点間の間隔が1〜6年、好ましくは3〜5年の範囲内にあるようにして実施できる。2つの分離した時点間の間隔中には、抗線維形成治療を被験体に施すことができる。このようにすれば、抗線維形成治療の効力を評価することができる。線維形成を阻害するための公知薬物療法の例には、必須リン脂質(EPL)、シリマリン及びウルソデオキシコール酸(UDCA)がある(Chapter 31“Hepatology”by Hanz−Dieter Kuntz,Birkhauser,2006、特にアジュバント療法に関する587頁の議論を参照されたい)。EPLの主成分であるポリエンホスファチジルコリン(PPC)は、ヒヒにおけるアルコール性肝線維症を予防した(J.Hepatol.2009;50(6):1236−46)。Lieber et al(J.Clin.Gastroenterol.2003;37(4):336−9)による研究は、シルマリンがヒヒにおけるアルコール誘発肝線維症の進行を遅らせることを報告している。UDCAは原発性胆汁性肝硬変(PBC)に対する認可された治療法である。UDCA療法はPBCにおける肝線維症の進行を顕著に遅らせることが開示されている(Corpechot et al,Hepatology 2001;32(6):1196−9)。
【0044】
追加の態様では、本発明は、本明細書中で好適に及び好ましく記載された本発明の方法を含み、さらに(v)信号の位置及び/又は量を特定の臨床像に帰属させる追加段階を含んでなる診断方法を提供する。具体的には、信号の量と線維形成の程度との間には直接の相関関係が存在する。
【0045】
他の態様では、本発明は、本明細書中に記載された本発明の方法又は本発明の診断方法で使用するための、本明細書中に記載された式IのPETトレーサーを提供する。本発明のこの態様に関しては、PETトレーサー及びその好ましい実施形態は、本発明の方法に関して上記に記載した通りである。
【0046】
さらに別の態様では、本発明は、本明細書中に記載された本発明の方法又は本発明の診断方法を実施するための薬剤の製造に使用するための、本明細書中に記載された式IのPETトレーサーを提供する。本発明のこの態様に関しては、PETトレーサー及びその好ましい実施形態は、本発明の方法に関して上記に記載した通りである。
【実施例】
【0047】
実施例の簡単な説明
実施例1は、EA−Hy926細胞から調製した膜との結合を評価するために使用したインビトロアッセイを記載する。
【0048】
実施例2は、肝線維形成のインビボモデル、胆管結紮(BDL)モデル並びに対応する陰性対照モデル又は「偽手術」を記載している。
【0049】
実施例3は、PETトレーサー1を用いて実施した縦方向イメージング試験を記載している。
【0050】
実施例で使用する略語のリスト
℃ 摂氏度
μm マイクロメートル
%ID/cc 組織1立方センチメートル当たりのパーセント注射量
BDL 胆管結紮
cm3 立方センチメートル
CT コンピューター断層撮影法
g グラム
i.d. 注射量
i.v. 静脈内
keV キロ電子ボルト
kVp キロボルトピーク
MBq メガベクレル
mg/kg ミリグラム/キログラム
ml ミリリットル
mm ミリメートル
nM ナノモル濃度
nsec ナノ秒
PET 陽電子放出断層撮影法
ROI 検査対象領域
s.c. 皮下
実施例1:EA−Hy926細胞から調製した膜との結合
以前の報文に記載された膜結合アッセイ(Indrevoll et al,Bioorg & Med Chem Lett,2006,16,6190−6193)を用いて阻害定数を測定した。
【0051】
簡単に述べれば、ヒト内皮腺癌細胞株EA−Hy926からの膜を調製し、精製した膜画分についてKdを計算した。次に、競合的結合アッセイを確立して阻害定数を測定した。125I−エキスタチン(GE Healthcare社、コードIM304)を標識リガンドとして使用し、非放射性エキスタチンを参照標準として使用した。
【0052】
非放射性の試験化合物(非放射性エキスタチン又は非放射性PETトレーサーのいずれか)の全部で16段階の希釈液を調製し、125I−エキスタチンと膜の組合せと混合してから37℃で1時間インキュベートした。数回の洗浄後、Skatronマイクロハーベスターを用いて結合した材料をフィルター上に回収した。最後に、フィルタースポットを切り取り、Packard γ−カウンター内でカウントした。
【0053】
(Kenny et al,J.Nuc.Med.2008;49:879−86に記載された方法によって製造した)PETトレーサー1は、上述のアッセイで評価した場合、5〜10nMの親和性を示した。
【0054】
実施例2:胆管結紮(BDL)及び偽手術動物
2(i) 動物モデルの準備
すべての胆管結紮(BDL)及び偽手術試験において、非近交系雄Sprague Dawleyラット(180〜200g;Charles River社)を使用した。6日間の馴化後、ラットを2つの群(BDL群及び偽手術群)に分けた。
【0055】
BDL動物に関しては、腹部を剪毛し、ベタジン溶液で消毒し、次いで5mg/kgのカルプロフェン(carprofen)及び5mg/kgのブプロノルフィン(bupronorphine)を皮下(s.c.)投与した。イソフルラン麻酔下で、正中開腹術を実施し、総胆管の位置を見つけた。胆管を二重結紮し、第1の結紮は肝管の接合部の間で行い、第2の結紮は膵管の入口の上方で行った。
【0056】
第2の群(偽手術動物)では、腹部を剪毛し、ベタジン溶液で消毒し、次いで5mg/kgのカルプロフェン及び5mg/kgのブプロノルフィンをs.c.投与した。動物は、胆管を操作し、縫合糸を胆管の下に通す偽手術を受けた。
【0057】
閉じる前に、2〜3mlの食塩水を各動物の腹膜中に投与した。筋膜及び皮膚を閉じ、動物に2mg/kgのメタクロプロミド(metaclopromide)、5mg/kgのバイトリル(Baytril)及び約2mlの食塩水をs.c.投与した。必要に応じ、カルプロフェン(5mg/kg)を続く2日間投与した。実験の期間中、動物を綿密にモニターした。
【0058】
2(ii) 試験化合物の投与及び生体分布
術後の適当な日に、BDL及び偽手術動物を取り出し、イソフルラン麻酔下に置き、次いで各動物に尾静脈を介して0.3ml(約3MBq)を静脈内(i.v.)に注射した。試験品目の注射後の適当な時点で、各動物をイソフルランで再麻酔し、頸椎脱臼により屠殺して秤量し、バーコード走査システムを介して体重を記録した。各動物を解剖し、下記の器官及び組織を摘出し、BASILカウンタープロトコル40又は手動カウンティングを用いてカウントした。検査した器官及び組織は、
*、筋肉*、血液*、腎臓、膀胱及び尿(B/U)、肺、肝臓*、脾臓、胃及び内容物、小腸及び大腸(SI及びLI)、心臓、甲状腺、皮膚*、屠殺体並びに注射部位であった(*秤量した試料)。
【0059】
器官全体(例えば、肝臓)で記録された放射能はバックグラウンド放射能及び放射性崩壊に関して補正し、放射能の生体分布は次の式1に従って計算した。
【0060】
【数1】

式中、
A=器官で測定された毎秒カウント数。
B=(注射部位を除く)全器官で測定された毎秒カウント数。
【0061】
秤量した組織試料における注射放射能の百分率を計算することで、次の式2に従って組織全体における%i.d.を求めた。
【0062】
【数2】

式中、
s=試料での毎秒カウント数。
s=試料の重量(グラム)。
b=屠殺直後の動物の重量(グラム)。
B=(注射部位を除く)全器官で測定された毎秒カウント数。
F=組織の質量を動物の全体重に対する割合として表す組織特異的係数。
【0063】
【表1】

実施例3:PETトレーサー1の縦方向イメージング試験
BDLラットモデルにおけるPETトレーサー1の評価のため、胆管結紮手術又は偽手術後2、5、9、15及び30日目に静止PET画像を縦方向に沿って取得した(注射から60〜90分後にイメージングを行った)。PET画像は対応するCT画像と同時記録した。
【0064】
PETイメージングの開始に先立ち、ヒストグラム及び取得パラメーターをmicroPET Manager(データ取得及び処理を制御するソフトウェア)に入力した。再構成パラメーターは下記のように設定した。
・フーリエリビニングアルゴリズム。
・ランプフィルターによる2Dフィルターバック投影。
・画像ズームを2とした。
・散乱補正を選択した。
・生の画像リストモードデータをIntel/VAX−4バイト浮動小数点フォーマットで保存した。再構成データは.imgフォーマット(ネイティブ)で保存した。
【0065】
画像取得のためには、パラメーターを下記のように設定した。
・1800秒の取得(注射から60〜90分後の静止画像)。
・ベッド位置はただ1つであった。
・エネルギー窓は350〜750keVに設定した。
・タイミング窓は6nSecに設定した。
【0066】
イメージング試験のためには、情報を追加収集し、1つのリストモードファイルとして保存した。画像は1つの静止フレーム(1×30分)として再構成した。画像の再構成後、ROIを適当な領域上に抜き出し、Amideソフトウェアを用いて放射能/cm3データを生成した。
【0067】
イメージング試験の開始に先立ち、麻酔した動物を、基準マーカーを取り付けた特注のPET動物ベッドに固定した。動物は、腹臥ヘッドファーストの姿勢で動物ベッド内に固定された状態で配置した。肝臓の中心をレーザーのクロスヘアと整列させ、ベッドを水平状態でカメラ中に100mmだけ移動させた。データはAsipro及びAmideソフトウェアを用いて解析した。
【0068】
PETイメージング段階の完了後、まだ麻酔がかかっていてベッドに固定された動物をCTカメラに移した。動物の位置を変えることなく、レーザーのクロスヘアを用いて、動物の胸部及び腹部が視野内に存在するようにベッドを配置した。microCat II画像取得ソフトウェアを用いて、カメラ及びCT走査パラメーターを下記のように設定した。
・総回転量は360°に設定した。
・回転ステップの総数は200に設定した。
・較正照射の総数は25に設定した。
・(約200μmの分解能が得られるように)ビニングを4×4に設定した。
・照射時間は400msに設定した。
・カメラは500μAで70kVpの電圧に設定した。
【0069】
取得したデータは、画像再構成、可視化及び解析プログラム(RVA2)を用いて再構成した。
【0070】
Shepp−Loganフィルターを適用しながら、Volume−3D(フェルドカンプコーンビーム)アルゴリズムを用いて全データセットを再構成した。これにより、トランスアキシャル(transaxial)スライスを個別のCTファイルとして生成し、観察し、保存することができた。Amideでのさらなる解析のため、生の3Dデータセットをヘッダーファイルと共に保存した。
【0071】
BDL動物と偽手術動物との間には、術後2〜15日目においてPETトレーサー1の肝臓保持量に有意差が示された。データは表1に示すと共に、図1及び図2に図示されている。
【0072】
BDL及び偽手術ラットにおける肝臓取込みの最大の差は9日目に認められ、偽手術での肝臓取込みが0.27±0.02%ID/cc(n=3)であるのに比べてBDLでの肝臓取込みは0.84±0.10%ID/cc(n=3)であった。15日目には、BDLで0.53±0.08%ID/cc(n=2)及び偽手術で0.23±0.02%ID/cc(n=2)が認められた。30日目には、偽手術での0.26±0.02%ID/cc(n=4)に対してBDLでは0.36±0.11%ID/cc(n=4)が認められ、PETトレーサー1の取込みに有意差は存在しなかった(データは下記表1に要約されている)。
【0073】
【表2】

要するに、これらのデータは、PETトレーサー1の取込みが術後2日目からBDL動物の肝臓のみにおいて有意に高いことを示しており、BDL線維症モデルが肝臓におけるPETトレーサー1の結合の増加をもたらすことを示唆している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体の肝臓における線維形成組織の存在、位置及び/又は量を決定するための方法であって、当該方法は
(i)式Iの陽電子放出断層撮影法(PET)トレーサーを前記被験体に検出可能な量で投与する段階、
(ii)段階(i)で投与されたPETトレーサーを前記肝臓中の線維形成組織に結合させる段階、
(iii)段階(ii)で結合させたPETトレーサーから放出される信号をPETによって検出する段階、並びに
(iv)前記信号の位置及び/又は量を表す画像を形成する段階
を含んでなり、前記PETトレーサーは次の式Iを有する、方法。
【化1】

(式中、
1及びZ2の一方は18Fを含む基であり、Z1及びZ2の他方は水素であり、
1及びW2の各々は独立に次の式Iaの二価リンカー部分である。
【化2】

(式中、
nは1〜10の整数であり、
1はC1-5アルキレン、C2-5オキソアルキレン、C1-5オキサアルキレン又はC2-5カルボニル置換オキサアルキレンであり、
点線はZ1又はZ2への結合点を表す。))
【請求項2】
式Iの18Fを含む前記基が[18F]フルオロフェニルである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
式IのZ118Fを含む前記基である、請求項1又は請求項2記載の方法。
【請求項4】
式Iaのnが3〜5である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
1が、nが5である式Iaの二価リンカーである、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
式IaのR1がC1-5オキサアルキレンである、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
1がC1-3オキサアルキレンである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
1が−CH2−O−である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
2が、nが3である式Iaの二価リンカーである、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
式IaのR1がC2-5カルボニル置換オキサアルキレンである、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
1がC2-4カルボニル置換オキサアルキレンである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
1が−CH2−O−CH2−C(=O)−である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記式IのPETトレーサーが、それを哺乳動物への投与に適した形態で生体適合性キャリヤーと共に含む放射性医薬組成物として供給される、請求項1乃至請求項12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記被験体がインタクトな哺乳動物生体である、請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
2つの分離した時点で実施される、請求項1乃至請求項14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
前記2つの分離した時点の中間で前記被験体に抗線維形成治療が施される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
請求項1乃至請求項16のいずれか1項記載の方法を含み、さらに(v)信号の位置及び/又は量を特定の臨床像に帰属させる追加段階を含んでなる診断方法。
【請求項18】
請求項1乃至請求項17のいずれか1項記載の方法で使用するための、請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の式IのPETトレーサー。
【請求項19】
請求項1乃至請求項17のいずれか1項記載の方法を実施するための薬剤の製造に使用するための、請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の式IのPETトレーサー。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−529471(P2012−529471A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514473(P2012−514473)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058135
【国際公開番号】WO2010/142754
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(305040710)ジーイー・ヘルスケア・リミテッド (99)
【Fターム(参考)】