説明

線維芽細胞の増殖および/または活性を刺激する活性成分

本発明は、線維芽細胞の増殖および/または活性を刺激する新規活性成分および化粧品または医薬(特に皮膚科学)の分野における適用に関する。特に、本発明による活性成分は少なくとも一種のハイビスカス・アベルモスクス抽出物および少なくともペプチドを含有するダイズ抽出物の組み合わせを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線維芽細胞の増殖および/または活性を刺激する新規活性成分およびその化粧品または医薬分野(特に皮膚科学分野)における適用に関する。
【背景技術】
【0002】
線維芽細胞は真皮の細胞外マトリックス(ECM)、例えば、コラーゲン、エラスチンおよびグリコサミノグリカン(GAG)等の巨大分子の合成が可能な細胞である。これらの巨大分子は皮膚の完全性に必須である。加齢に伴い、および/または種々の要因、例えば、気候および環境的要因(特に、風、汚染、紫外線、たばこの煙)および/または生理学的要因の影響で真皮マトリックスは退化する傾向にあり、皮膚の老化の特徴である。
【0003】
この退化は線維芽細胞の数の減少、その大きさの減少、全体的な代謝におけるマトリックスの減少および、特に、コラーゲン、エラスチンおよびGAGの合成の減少による。それはECMの破壊をもたらし得、また
・皮膚および/または粘膜の力学的特性(特に、弾力性および堅さ)の損失および
・皮膚および/または粘膜の真皮の完全性の損傷後の真皮の再構築および/または再生能力の損失
につながり得る。
【0004】
特に、皮膚の老化は審美的(esthetic)および/または不快な結果(例えば、目に見える、不快なおよび/または非審美的な組織の緩み、組織の堅さ(firmness)の損失、しわ、ファインライン(fine line)、溝(groove)の出現および/またはストレッチマークおよび/または瘢痕)につながる。
【0005】
医学(特に皮膚科学)的観点から、皮膚および/または粘膜は特に炎症、怪我、熱傷または外科手術により損傷し得る。線維芽細胞の増殖および/または活性を刺激することはそれらが病的にならないように、瘢痕の吸収に寄与し、および/または歯肉炎等の炎症の発生を防止することに寄与し得る。この刺激は損傷した皮膚および/または粘膜の任意の種類に対し(特に、皮膚の老化を示す皮膚および/または粘膜に対し)有利である。
【0006】
したがって、線維芽細胞の増殖および/またはその活性を刺激することができる化合物および/または組成物の探索は、美容治療および/または皮膚の老化による非審美的および/または不快な兆候の防止に関する化粧品分野、および加齢および/またはECMの損傷に関連する病変の予防および/または治療についての医薬分野(特に皮膚科学分野)の双方に非常に興味深い。
【0007】
本出願人は、PhytokineTMの名で知られる、ペプチドを含有するダイズ発酵抽出物を既に市販しており、その線維芽細胞の増殖を刺激する能力についてはよく知られている。このダイズペプチドはコラーゲン、エラスチンおよびGAGの合成を刺激する能力についても既に知られており、その堅さに対する作用、そのマトリックス保護作用および水和を増大させる作用のために化粧品中に、特にアンチエイジングまたはスリミング(slimming)ケア製品中に使用される。さらに、このPhytokineTM製品はストレッチマークの予防および/または治療作用について欧州特許EP 1119344 B1(Laboratories Expanscience)に記載されている。
【0008】
全く予期せず驚くべきことに、本出願人はこの線維芽細胞の増殖および/または活性を刺激する能力はハイビスカス・アベルモスクス(Hibiscus Abelmoschus)抽出物を加えることにより、相乗的にさらに増大させることができることを見出した。特に、単層(monolayer)としての線維芽細胞に対する試験でこの相乗効果が示される(以下の実施例2を参照されたい)。
【0009】
既に、ハイビスカス抽出物は先行技術において、特にその化粧用途については非常に一般的に記載されている。アベルモスクス・モスカツス抽出物について、皮膚のヒアルロン酸含有量を増大させる能力が記載されている(JP 10-029922 資生堂(Shiseido))。
【0010】
植物全体から得られるハイビスカス・アベルモスクス水性抽出物の化粧品におけるスリミング特性について(特にセルライトに有効であることについて)も既に記載されている(米国特許US 5705170)。さらに、本出願人は仏特許出願(出願番号 FR 0654316)において、本発明によるハイビスカス・アベルモスクス抽出物の線維芽細胞成長因子(すなわち細胞外マトリックスのFGF2)を分解および/または変性に対して保護し、細胞外マトリックスを再構築する能力について既に記載している。それにも関わらず、上記抽出物単独では線維芽細胞の増殖および/または活性を刺激する能力は有していない(以下の実施例2を参照されたい)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】EP 1119344 B1
【特許文献2】JP 10-029922
【特許文献3】US 5705170
【特許文献4】仏国特許出願番号 FR 0654316
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、線維芽細胞の増殖および/または活性を刺激する新規活性成分および組成物、さらに化粧品または医薬(特に皮膚科学)の分野における適用を提供することである。
【0013】
特に、本発明の目的は線維芽細胞の増殖および/または活性を刺激するダイズ抽出物の性質を改善することである。
【0014】
本発明はハイビスカス抽出物の新規適用にも関する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一つの主題は少なくとも一種のハイビスカス・アベルモスクス抽出物および少なくともペプチドを含有するダイズ抽出物を含む新規活性成分(特に化粧品、医薬(特に皮膚科学)または栄養補助(nutraceutical) 成分)である。
【0016】
本発明の別の主題は上記活性成分を含む化粧品、医薬(特に皮膚科学)または栄養補助組成物である。
【0017】
本発明の別の主題は化粧品、医薬(特に皮膚科学)または栄養補助用途における、線維芽細胞の増殖および/または活性を刺激する上記活性成分の使用である。
【0018】
本発明の最後の主題は、少なくともペプチドを含有するダイズ抽出物により得られる線維芽細胞の増殖活性を増大させるためのハイビスカス・アベルモスクス抽出物の使用である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は実施例1.2)a)により得られるハイビスカス・アベルモスクス抽出物のいくつかのバッチについてのアミノ酸分布を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明によると、ダイズ抽出物はペプチド、好ましくは大豆タンパク質の加水分解により得られるペプチドを含有する抽出物である。有利には、ダイズ抽出物はダイズ種子から抽出され、少なくともペプチドを含有し、好ましくは微生物により、任意で発酵性糖が豊富な培地中で発酵する。有利には、ダイズ抽出物はダイズペプトンである。好ましくは、発酵は乳酸菌(特にラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)またはラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei))および/または酵母(特にサッカロマイセス属、好ましくはサッカロマイセス・セレビシエ)により有利に行う。
【0021】
好ましくは、微生物はその後、従来技術により(特に微量遠心分離(microcentrifugation)または濾過により)抽出物から除去される。有利には、発酵抽出物は微生物を除去するためにカットオフ閾値が0.45μmである膜を通して濾過され、および/または滅菌ろ過を行うためにカットオフ閾値が0.22μmである膜を通して濾過される。
【0022】
かかるダイズ抽出物は、特にPhytokineTMの名で本出願人より市販されており、特に欧州特許第1119344号 B1(Laboratoires Expanscience)に記載されている。
【0023】
特に有利には、(好ましくは発酵により得られる)ペプチドを含有するダイズ抽出物は6つの主要アミノ酸(アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、プロリン(Pro)、グリシン(Gly)、アラニン(Ala)およびロイシン(Leu))を含有し、好ましくは、それぞれ抽出物のアミノ酸の全量に対して5%、好ましくは6%またはそれ以上で存在する。
【0024】
一般に、本発明により使用される組成物中のダイズペプチドは、当業者に公知の動作条件に従った、ダイズから抽出されるタンパク質の加水分解により得られる任意のペプチド、すなわち任意のダイズタンパク質加水分解物であることができる。好ましくは、これらのダイズペプチドはさらに微生物の菌株による発酵を経たペプチドである。一般に、発酵ダイズペプチドは、ダイズペプチドをグルコース、無機塩および所与の微生物の菌株の存在下、制御された温度、pH、酸素供給および時間の条件下で発酵槽中に置くことにより得られる。発酵後、発酵ダイズペプチドは従来の分離および濾過操作により得られる。
【0025】
種々の発酵植物性タンパク質加水分解物が本出願人より市販されている。好ましくは、本発明により使用される組成物中の発酵または未発酵ダイズペプチドは、例えば、電気泳動法により測定して約200〜約20000Daの分子量を有する。本発明による特に好ましい、かかるペプチドを含有する一つのダイズ抽出物は「PhytokineTM」として知られる発酵ダイズ抽出物である。
【0026】
好ましくは、本発明によるダイズ抽出物(特にPhytokineTM製品)は、最終組成物の0.1重量%〜5重量%の量で使用される。最終組成物の1.25重量%〜3重量%の使用により、非常に良い結果を得ることができる。
【0027】
少なくともペプチドを含有するダイズ抽出物(好ましくは発酵ダイズ抽出物)は乾燥形態(特に凍結乾燥形態)または水溶液もしくは含水アルコール溶液中に懸濁液として存在することができる。
【0028】
ハイビスカス・アベルモスクス植物は、アオイ科ハイビスカス属に属し、アンブレット(Ambrette)の一般名でも知られている。
【0029】
抽出および/または懸濁液に戻すための溶媒は、本発明において所望の性質を提供するために、本質的に全ての活性化合物を水性抽出物中に得ることが可能である限り、任意の極性溶媒であることができる。実施した試験によると、ハイビスカス・アベルモスクス抽出物は、ハイビスカス・アベルモスクスの、好ましくは室温(約20℃〜約30℃)または35〜80℃の温度における抽出により得られる水性抽出物、または含水アルコール(好ましくは含水グリコール)抽出物である。含水グリコール抽出物の中で、水/グリコールタイプの抽出溶媒が好ましい。水/ブチレングリコール混合物は特に好ましい。非含水グリコールの含水アルコール抽出物の中で、水/メタノールまたは水/エタノール溶媒が特に好ましい。
【0030】
水/アルコール混合物(好ましくは水/グリコール混合物)の比は、当業者には公知のように変化させることができる。水/アルコールの比は、好ましくは10/90〜90/10、例えば50/50〜80/15である。
【0031】
好ましくは、抽出物はハイビスカス・アベルモスクスの葉または種子(好ましくは種子)から得られる。
【0032】
上記ハイビスカス抽出物は、溶液の全重量に対して乾燥状態で1〜10%の植物または植物の部分から得られる。ハイビスカス・アベルモスクス抽出物は最終組成物の0.1重量%〜5重量%の量で使用することができる。最終組成物の1〜3重量%、好ましくは2.25重量%の量で非常に良い結果が得られる。
【0033】
かかる製品は仏国特許出願(出願番号FR 0654316)にも記載されている。
【0034】
ハイビスカス・アベルモスクス抽出物は、乾燥形態(特に凍結乾燥形態)または前記のように、水溶液中もしくは含水アルコール溶液中に懸濁液の形態であることができる。
【0035】
特に有利には、ハイビスカス・アベルモスクス抽出物は5つの主要アミノ酸(アルギニン、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン)を含有し、それぞれ抽出物のアミノ酸の全量の少なくとも5%、好ましくは6%または6%以上である。
【0036】
一つの有利な実施形態によると、活性成分は少なくとも一種のハイビスカス・アベルモスクス抽出物および少なくともペプチドを含有する、好ましくは発酵したダイズ抽出物(好ましくは発酵している)を、ハイビスカス・アベルモスクス抽出物/ダイズ抽出物の比が1/1〜1/5、好ましくは約1/2で含む。
【0037】
活性成分はハイビスカス・アベルモスクス抽出物および少なくともペプチドを含有する発酵ダイズ抽出物を単純に混合することにより得ることができる。
【0038】
本発明による活性成分は皮膚および/または粘膜への適用に好適な任意の形態であることができる。好ましくは、前記のように水溶液または含水アルコール溶液の形態である。
【0039】
一つの有利な実施形態において、活性成分は液状であり、パッチ(特に液状パッチ)に組み込まれる。本目的に特に好適な液状パッチは、特に、皮膚の表面で膜形成性メッシュ(film-forming mesh)を形成できるポリマーである高分子量巨大分子の組み合わせにより得られる水性ゲルからなる。パッチの製造に使用されるポリマーは多糖、膜形成性効果を有するタンパク質およびその混合物から選択できる。多糖の中で、特に、ゴム(好ましくはアカシアゴム)およびアルギン酸塩(特にアルギン酸のナトリウム、カリウム、カルシウムまたはマグネシウム塩の形態で(好ましくはアルギン酸ナトリウムの形態で))を使用できる。コラーゲンの中で、マリンコラーゲン(好ましくは本出願人の名(以前はColetica)で出願した仏国特許第FR 2678624号および第FR 2801314号に記載されているもの)の使用が好ましい。一つの特に有利な実施形態によると、パッチの製造に使用されるポリマーはアルギン酸ナトリウムおよびアカシアゴムおよび/またはマリンコラーゲンである。特に、かかるパッチはMicropatchTM名で知られており、仏特許第FR 2678624号および第FR 2801314号に記載され、本出願人より市販されている。かかるパッチの製造は、特に実施例7に記載されている。好ましくは、単独でまたはその他の活性薬剤(特にセリン)と組み合わせる、本発明による活性成分は10〜90%、好ましくは1〜50%の濃度でパッチに加えられる。上記パッチは、好ましくは最終組成物中に1〜5重量%の量で使用される。
【0040】
特に有利な別の実施形態によると、本発明による活性成分は局所適用に好適な化粧品および/または皮膚科学担体中にカプセル化される。上記には、好ましくはリポソーム(好ましくはカチオン性リポソーム、およびさらに好ましくは紫外線照射下で開くもの)のナノカプセル化を含むことができる。好ましくは、それらは本出願人の名(以前はColetica)で出願した仏特許第FR 8901221号、第FR 9202912号、第FR 934332号、第FR 2808691号、第FR 0216637号、第FR 2870741号に記載されている担体、特にコラーゲンとマリンGAGsの組み合わせ、アルギン酸プロピレングリコールとアカシア多糖の組み合わせ、親油性β-シクロデキストリンとラウリン酸の組み合わせ、イナゴマメ(carob)、コムギおよびアカシアのポリマーの組み合わせ、ダイズレシチンと四級化ダイズタンパク質の組み合わせから得られるものである。かかるリポソーム製品は、特に実施例3に記載される。
【0041】
本発明の別の主題は化粧品組成物を製造するための、局所適用に好適な化粧品担体と併用する活性成分の使用である。
【0042】
本発明による化粧品組成物は、有利には0.1%〜5%、好ましくは1.25%の量の(好ましくは発酵した)ペプチドを含有するダイズ抽出物を0.1%〜5%、好ましくは2.25%の量の少なくとも一種のハイビスカス・アベルモスクス抽出物と一緒に含む。
【0043】
有利には、組成物は化粧品に関するその他の活性薬剤(特にヒアルロン酸、アスコルビン酸、レチノール、α-ヒドロキシ酸(AHA)および/またはウルソル酸から選択されるアンチエイジング組成物用の従来の薬剤)を含有する。
【0044】
有利な一つの実施形態によると、組成物は以下の薬剤の少なくとも一種を含有する。
【0045】
・フィブロネクチン合成を刺激する薬剤、特にトウモロコシ(maize)抽出物(例えば、特にDelinerTMの名で本出願人より市販の抽出物)
・ラミニン合成を刺激する薬剤、特にバイオテクノロジー変性麦芽抽出物(例えば、特にBasalineTMの名で本出願人より市販の抽出物)
・ヒアルロン酸合成酵素2(hyaluronan synthase2)(HAS2)の発現および/または活性を刺激する薬剤、例えば仏特許出願第FR 2893252 A1号に記載の植物抽出物(特にガランガ(アルピニア・ガランガ(Alpinia galanga))の水性抽出物)
・リシルオキシダーゼ類似体(LOXL)の合成を刺激する薬剤、例えば仏特許出願第FR 2855968号に記載のもの(特にディル(dill)抽出物)
・細胞内ATP合成を刺激する薬剤、特にラミナリア・ディギタータ(Laminaria digitata)藻の抽出物
・FGF2の分解を保護する薬剤。
【0046】
本発明は特に線維芽細胞の増殖および/または活性を刺激するダイズ抽出物の活性を増大させるための、前記ハイビスカス・アベルモスクス抽出物および(好ましくは発酵した)少なくともペプチドを含有するダイズ抽出物の同時または逐次使用を含む。
【0047】
「逐次使用」とは、ハイビスカス・アベルモスクスおよびダイズ抽出物の、任意で正確な順序による、別々のおよび交互の使用(例えば、任意で同一抽出物の連続使用を含む順序による、抽出物の交互の順序)を意味するとして理解される。一般に、順序は当業者により決定される。
「同時使用」はハイビスカス・アベルモスクスおよびダイズ抽出物の別々の、および同時の使用を意味するとして理解される。
【0048】
本発明は組成物キットおよびその使用を含み、上記キットは一方では前記ハイビスカス・アベルモスクス抽出物を含む組成物、もう一方では前記の少なくともペプチドを含有するダイズ抽出物を含む組成物を含む。これらの組成物は単独のキット中にまたは別々に(例えば、同一の、補完的または独立の方法で)詰めることができる。これらの組成物は同一にまたは別々に製剤化することができる。有利な一つの実施形態によると、少なくともペプチドを含有するダイズ抽出物は、前記のようにパッチ(好ましくは液状パッチ)中に製剤化できる。本発明は、少なくともペプチドを含有するダイズ抽出物またはハイビスカス・アベルモスクス抽出物のいずれかを含有し、独立して特許を受けることができると考えられるかかる組成物にも関する。
【0049】
本発明の別の主題は線維芽細胞(特に正常ヒト線維芽細胞)の増殖および/または活性を刺激する、特に真皮の細胞外マトリックスの巨大分子(特にエラスチン、コラーゲンおよびGAG)の合成を刺激する活性成分の使用である。さらに、活性成分は細胞外マトリックス(特に真皮のマトリックス)の再生を刺激すること、および真皮密度を改善させることを可能にする。
【0050】
本発明によると、活性成分(任意で前記の化粧品組成物の形態で)は皮膚の老化(特に、非審美的なおよび/または不快な皮膚の老化の兆候、例えば、目に見える、不快なおよび/または非審美的な組織の緩み、組織の堅さの低下、しわ、ファインライン、溝の出現)の影響および/またはストレッチマークおよび/または瘢痕の美容ケアおよび/または美容治療に特に有用である。
【0051】
化粧品用途(任意で化粧品組成物の形態で)における活性成分は、自然な、および/または気候的および環境的要因(特に風、汚染、紫外線、たばこの煙)および/または生理学的要因(特にストレス)により引き起こされる皮膚の老化に対して皮膚を保護することに特に好適である。
【0052】
さらに、本発明はそれらを必要としている対象についての美容ケアまたは治療方法に関し、上記方法は、本発明による化粧品組成物の上記対象への局所適用または投与(好ましくは経口的な投与)を含む。
【0053】
特に、美容ケア方法において、特に皮膚の老化に関連する影響、特に非審美的なおよび/または不快な皮膚の老化の兆候(例えば組織の緩み、組織の堅さの低下、しわ、ファインライン、溝の出現)の美容ケアおよび/または美容治療、および/またはストレッチマークおよび/または瘢痕の美容治療および/またはケアに関し、本発明による活性成分および/または化粧品組成物は、局所適用により使用され、線維芽細胞の増殖および/または活性を刺激する。
【0054】
特に、治療またはケア方法は皮膚の老化の影響(特に本発明中に引用される影響)に対して皮膚を保護することを目的とする。
【0055】
一つの実施形態によると、美容ケアまたは治療方法は、前記の通り、本発明の抽出物の同時または逐次使用を含む。
【0056】
有利には、それらを必要としている対象は平均年齢が30歳以上の人々から選択される対象である。
【0057】
本発明の別の主題は、任意で投与経路に好適な医薬(特に皮膚科学)担体と一緒に、上記活性成分を含有する医薬(特に皮膚科学)組成物である。
【0058】
本発明による医薬組成物は、0.1%〜5%、好ましくは1.25%の量の少なくとも数種の発酵ペプチドを含有するダイズ抽出物を、0.1%〜5%、好ましくは2.25%の量の少なくとも一種のハイビスカス・アベルモスクス抽出物と一緒に有利に含む。有利には、それらは医薬(特に皮膚科学)に関連のあるその他の活性薬剤および/または賦形剤および/または添加剤を含有し、かかる薬剤は以下の性質を有する。
【0059】
・創傷治癒性:例えばパンテノールおよびその誘導体、例えばエチルパンテノール、アロエベラ、パントテン酸およびその誘導体、アラントイン、ビサボロールおよびグリチルリチン酸2カリウム;
・抗炎症性:例えば、ステロイドおよび非ステロイド抗炎症剤、特にサイトカインおよびケモカイン生成、シクロオキシゲナーゼ、一酸化窒素(NO)および一酸化窒素シンターゼ(NOS)阻害剤。抗炎症製品の例として、イチョウ抽出物、トリラクトンテルペン、例えばギンコライド(特に血小板活性化因子(PAF)拮抗性で知られるギンコライドBおよびビロバライド)を挙げることができる。
【0060】
本発明によると、活性成分は好ましくは瘢痕および/または炎症(例えば歯肉炎)の防止および/または治療を目的とする医薬組成物(特に皮膚科学組成物)の製造のために使用できる。
【0061】
医薬(特に皮膚科学)組成物は、好ましくは、特に外科手術を受けた対象または火傷を負っているおよび/または怪我をしている対象中の、真皮が少なくとも部分的に損傷している皮膚を治療することを目的とする。この治療により、線維芽細胞の増殖および/または活性を刺激することができ、組織修復および/または真皮の再構築を刺激する。
【0062】
さらに、本発明はそれらを必要としている対象についての医薬(好ましくは皮膚科学医薬)ケアまたは治療方法にも関し、上記方法は本発明による医薬(好ましくは皮膚科学医薬)組成物の局所適用または投与(好ましくは経口的な投与)を含む。
【0063】
特に、医薬(好ましくは皮膚科学医薬)ケアまたは治療方法は本発明中に引用する適用を目的とする。
【0064】
一つの実施形態によると、前記のように、医薬(好ましくは皮膚科学医薬)ケアまたは治療方法は本発明の抽出物の同時、逐次使用を含む。
【0065】
有利には、それらを必要としている対象は、平均年齢が30歳以上の人々から選択される対象または、真皮が少なくとも部分的に損傷している(特に上記で詳細を説明したような)皮膚を有する対象である。
【0066】
組成物は任意の好適な溶媒および/または任意の好適な担体および/または任意の好適な賦形剤を、任意でその他の関連がある化合物と一緒に含有できる。
【0067】
したがって、本発明による組成物に関し、賦形剤は、例えば防腐剤、皮膚軟化剤、乳化剤、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、調整剤、艶消し仕上げ剤(matifying agent)、安定剤、酸化防止剤、テクスチャー剤(texturizing agent)、光沢剤、膜形成剤、可溶化剤、顔料、染料、香料および日焼け止めから成る群から選択される少なくとも一種の化合物を含有する。これらの賦形剤は、好ましくは、アミノ酸およびその誘導体、ポリグリセリン、エステル、ポリマーおよびセルロース誘導体、ラノリン誘導体、リン脂質、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼ、スクロースベースの安定剤、ビタミンEおよびその誘導体、天然および合成ワックス、植物油、トリグリセリド、不けん化物、植物ステロール、植物エステル、シリコーンおよびその誘導体、タンパク質加水分解物、ホホバ油およびその誘導体、脂溶性/水溶性エステル、ベタイン、アミノキシド、植物抽出物、スクロースエステル、二酸化チタン、グリシンおよびパラベンからなる群から選択され、より好ましくは、ブチレングリコール、ステアレス-2、ステアレス-21、グリコール-15ステアリルエーテル、セテアリルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ブチレングリコール、天然トコフェロール、グリセリン、ジヒドロキシセチルリン酸ナトリウム、イソプロピルヒドロキシセチルエーテル、ステアリン酸グリコール、トリイソノナノイン、オクチルココエート、ポリアクリルアミド、イソパラフィン、ラウレス-7、カルボマー、プロピレングリコール、グリセロール、ビサボロール、ジメチコン、水酸化ナトリウム、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、カプリン/カプリルトリグリセリド、セテアリルオクタノアート、アジピン酸ジブチル、グレープシード油、ホホバ油、硫酸マグネシウム、EDTA、シクロメチコン、キサンタンゴム、クエン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ワックスおよび鉱油、イソステアリン酸イソステアリル、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、PEG-8、蜜ろう、水添パーム核油のグリセリド、水添パーム油のグリセリド、ラノリン油、ごま油、乳酸セチル、ラノリンアルコール、ヒマシ油、二酸化チタン、ラクトース、スクロース、低密度ポリエチレンおよび等張食塩水からなる群から選択される。
【0068】
有利には、前記組成物は水溶液または油性溶液、クリームまたは水性ゲルもしくは油性ゲル(特にポット中またはチューブ中、特にシャワージェル中)、シャンプー、乳液、エマルション、マイクロエマルションまたはナノエマルション(特に水中油型もしくは油中水滴型、多成分またはシリコーンベース)、マスク、(特にガラスもしくはプラスチックボトル中、計量(measuring)ボトル中、またはエアロゾル中の)化粧水、アンプル、液状せっけん、皮膚用の石鹸、軟膏、発泡体、無水製品、好ましくは液状、ペースト状または固体(例えばスティックの形態(特にリップスティックの形態)または錠剤)からなる群から選択される形態で製剤化される。
【0069】
本発明によると、「局所適用」は組成物の皮膚および/または粘膜(特に歯肉の粘膜)の表面への適用(特に直接適用またはスプレーによる)として理解されるべきである。
【0070】
本明細書中では、「好適な化粧または皮膚科学担体」は組成物または組成物の成分が、人の皮膚と接触する使用について過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応またはそれらと同等の物を生ずることなく、好適であることを意味する。
【0071】
皮膚の健康状態および/または見た目を改善させるための多くの化粧品活性成分が当業者に知られている。当業者は、最大の効果を得るための化粧品または皮膚科学組成物の処方を知っている。一方、本発明に記載される化合物は化合物同士を組み合わせた場合に相乗効果を有することができる。これらの組み合わせも本発明に含まれる。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook, Second Edition(1992)には、特に局所使用に好適な、化粧品および医薬工業において通常使用される種々の化粧品および医薬成分が記載されている。これらの成分群の例は、それらに限られることなく、下記の化合物を含む。:研磨剤、吸収剤、審美的(esthetic)目的を有する化合物(例えば香料、顔料、染料、精油、収斂剤(例えば丁子油、メントール、ショウノウ、ユーカリ油、オイゲノール、乳酸メンチル、ハシバミ(hazel)の蒸留物))、坑座瘡剤、坑凝集剤、消泡剤、抗菌剤(例えばヨードプロピルブチルカルバメート)、酸化防止剤(例えばアスコルビン酸)、バインダー、生物添加剤、緩衝剤、膨張剤、キレート剤、添加剤、殺生物剤、変性剤、増粘剤、およびビタミン、膜形成物質、ポリマー、乳白剤、pH調整剤、還元剤、調整剤(例えば保湿剤)および誘導体または同等の物。
【0072】
下記の実施例は本発明に不可欠な部分であり、本発明を例示する役割を果たすが、本発明を限定するものではない。任意の先行技術に対し、実施例を含む明細書全体の記載に基づいて新規であるいかなる特徴も、機能的および一般的に本発明に不可欠な部分である。
【実施例】
【0073】
実施例1:本発明による活性成分の製造
1.1)始めにダイズ抽出物製品を製造した。ダイズの種子ペプトンをラクトバシラス属の(Lactobacillus)微生物により発酵した。かかる製品はPhytokineTMの名で本出願人より市販されており、公知であり、欧州特許EP 1119344 B1(Laboratoires Expanscience)に記載されている。
【0074】
この製品は約800Daの平均分子量を有し、下記のアミノグラム(aminogram)を有する。
【表1】

【0075】
1.2)ハイビスカス・アベルモスクス(アンブレット)抽出物を得るための数例を下記に記載する。
【0076】
a)ハイビスカス・アベルモスクス抽出物を種子からの抽出により得た。この抽出物は粉砕した種子からエタノール中リフラックス条件下で、または75%水/25%混合物(好ましくは水) 中で、5%(w/w)で製造した。浸漬(maceration)を1晩、4℃もしくは室温で、または、好ましくは2時間、室温で行った。
【0077】
溶液を種々のカットオフ閾値(特に0.45μm)を有するセラミックろ過器で限外ろ過した。
【0078】
得られた製品は、特に、図1に示す特徴的な遊離アミノ酸分布を有し、図1は実施例1.2)a)により得られたハイビスカス・アベルモスクス抽出物の数バッチについてのアミノ酸分布を示す(対象バッチのアミノ酸の全重量に対するアミノ酸のwt%における分布)。
【0079】
かかる製品の工業用の数(Several)バッチを検討し、それぞれのバッチについて、5つの主要なアミノ酸(アルギニン、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン)を相当量で観測した。
【0080】
b)ハイビスカス・アベルモスクスの含水アルコール抽出物を粉砕した種子からエタノール中リフラックス条件下、5%(w/w)で製造した。抽出を1時間行い、その後溶液をろ過し、エタノールを除去し、得られた生成物を5%(w/w)で水/グリコール(75/25)混合物中に溶解させ、その後種々のカットオフ閾値を有するセラミックろ過器で限外ろ過を行い、最後に0.45μmでろ過した。
【0081】
c)ハイビスカス・アベルモスクスの含水グリコール抽出物を水(75%)/ブチレングリコール(25%)混合物中で、好ましくは粉砕した種子から5%(w/w)で製造した。浸漬を1晩、4℃で行い、その後種々のカットオフ閾値を有するセラミックろ過器で限外ろ過を行い、最後に0.45μmでろ過した。
【0082】
d)ハイビスカス・アベルモスクスの水性抽出物を水中で、好ましくは粉砕した種子から5%(w/w)で製造した。浸漬を1晩、4℃で行い、その後種々のカットオフ閾値を有するセラミックろ過器で限外ろ過を行い、最後に0.45μmでろ過した。
【0083】
1.3)活性成分を二種のダイズおよびハイビスカス・アベルモスクス抽出物を単純に混合することにより得た。
【0084】
実施例2:単層としての正常ヒト線維芽細胞についての細胞増殖の研究
1)材料および方法
34歳のドナーの上腹部手術から得られた正常ヒト真皮線維芽細胞を6ウェルの培養プレート中にて低密度で接種した。DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)培地中で、48時間、種々の濃度の供試製品の不存在下(未処理の対照)または存在下で培養した。
【0085】
試験を行った製品はPhytokineTM製品(実施例1.1による)、ハイビスカス・アベルモスクス抽出物(以下ハイビスカスext)(実施例1.2 aによる)およびその混合物であった。
【0086】
サブコンフルエント(sub-confluence)で、細胞を下記の条件により処理した。
【0087】
- 未処理(製品なし);
- 陽性対照(10%ウシ胎児血清);
- 1.25% PhytokineTM;
- 0.125%または0.25%ハイビスカスext.;
- 1.25% PhytokineTM+0.125%ハイビスカスext.;
- 1.25% PhytokineTM+0.25%ハイビスカスext.。
【0088】
48時間、37℃で培養後、培地を除去し、その後p-ニトロフェニルリン酸(pnpp)分析を実施した。この分析は生存細胞の細胞内酸性ホスファターゼによる、p-ニトロフェニルリン酸(pnpp)のp-ニトロフェノールへの変換に基づく。p-ニトロフェノールの405nmにおける吸収は、培養ウェル中に含有される生存細胞の数に正比例し、したがって、未処理のウェルと比較した細胞増殖を評価することができる。このため、培地を除去した後、細胞をすすぎ、その後5mMのp-ニトロフェニルリン酸を含有するバッファー(Sigma France)と接触させた。37℃、5%のCO2を含有する雰囲気中で培養した後、反応を1N NaOHを加えることにより停止させた。その後、媒体の405nmにおける吸収をプレートリーダー(Victor2 V, Perkin Elmer, Finland)を使用して測定した。
【0089】
p-ニトロフェニルリン酸の非酵素的加水分解は、細胞を含有しない(ブランク(blank))ウェルについて各実験中に測定した。
【0090】
2)結果
試験を行った各製品について、結果を未処理の対照に対する細胞増殖のパーセンテージとして表した。全ての測定を6回実施した(n=6)。
【0091】
結果を平均+/-標準偏差(SD)として表した。グループ間の統計をone-way ANOVA検定/Dunnett検定(*: p < 0.05, **: p < 0.01, ***: p < 0.001)により実施した。得られた結果を下記の表に記載する。
【表2】

【0092】
10%ウシ胎児血清からなる陽性実験対照が線維芽細胞の増殖を+165%刺激することが観察された。これはこの実験の正当性を確認する予期された結果である。
【0093】
1.25%のPhytokineTMの単独添加は細胞増殖を未処理対照に対し+134%(p<0.001)で、有意に刺激した。PhytokineTMはこの実験条件下で線維芽細胞の増殖を刺激することが知られているので、この結果も予期されていた。
【0094】
0.125%のハイビスカス・アベルモスクス抽出物の単独添加は線維芽細胞の増殖を刺激しなかった。
【0095】
ハイビスカス・アベルモスクス抽出物のさらなる量の添加(0.25%)は線維芽細胞の増殖をわずかに刺激した(+105%)。
【0096】
本発明による、PhytokineTMと0.125%のハイビスカス・アベルモスクス抽出物の組み合わせは未処理の対照に対する(+143%)だけでなく、PhytokineTMの単独使用に対しても(+106%、対PHK)増殖を著しく刺激した。
【0097】
本発明によるPhytokineTMと0.25%のハイビスカス・アベルモスクス抽出物の組み合わせは未処理の対照に対する(+165%)だけでなく、PhytokineTM単独使用に対しても(+122%)増殖を顕著に刺激した。
【0098】
上記のとおり、本発明による組み合わせ(特にPhytokineTMとハイビスカス・アベルモスクス抽出物)の使用により、正常ヒト線維芽細胞の増殖について紛れもない相乗作用が観察された。
【0099】
実施例3:本発明による組成物
本発明による組成物を調製するために当業者に知られている方法に従って種々のパートA、B、C、D、EまたはFを一緒に混合した。
【0100】
「本発明の製品」は本発明中で言及される活性成分、特に、実施例1.1)に示されるように調製されるPhytokineTM製品と実施例1.2 a)、b)、c)またはd)(好ましくは実施例1.2a))により調製されるハイビスカス・アベルモスクス抽出物を混合することにより得られる活性成分を意味する。
【0101】
本発明の製品は下記の実施形態により得られる、5%のダイズレシチンを含有し、四級化ダイズ溶液を組み込んでいるリポソームの形態(最終的に600g)で存在することもできる。
【0102】
30gのダイズレシチン、12gの四級化ダイズ溶液、実施例1.1)により得られる7.5gのダイズ抽出物および実施例1.2 a)により調製した1.5gのハイビスカス・アベルモスクス抽出物を錠剤製造機に導入し、447gの実験室の純水で希釈した。
【0103】
10分間、室温で磁気撹拌した後、混合物を10分間激しく均質化すると、得られたリポソーム溶液は正確な均質化条件によりリポソームが100〜800ナノメートルの間で変化し得る平均の大きさを有する。
【0104】
その後、懸濁液を1時間穏やかに撹拌した。その後、90gのブチレングリコール、6gのフェノキシエタノールおよび6gのヒドロキシエチルセルロース(ゲル化剤)を加えた。
【表3】

【表4】

【表5】

【0105】
本発明の実施例4:油中水滴型製剤における本発明の製品の使用
【表6】

【0106】
本発明による実施例5:シャンプーまたはシャワージェルタイプの製剤における本発明の製品の使用
【表7】

【0107】
本発明の実施例6:水性(アイコントアー、スリミング(slimming)等)ゲル製剤における本発明の製品の使用
【表8】

【0108】
本発明の実施例7:液状パッチ製剤における本発明の製品の使用:
実施例1.1)により得られる20gのダイズ抽出物および実施例1.2 a)により調製される20gのハイビスカス・アベルモスクス抽出物を38gの脱イオン水と混合した。この混合物に1%のアルギン酸ナトリウムと1%のマリンコラーゲンを加えた。最後に、20gの保存剤を含有するブチレングリコールを加えた。
【0109】
このパッチは単独でまたは別の従来の化粧品組成物中に製剤化して使用できる。
【0110】
本発明の実施例8:本発明の製品を含有する医薬製剤の調製
【表9】

【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一種のハイビスカス・アベルモスクス(Hibiscus Abelmoschus)抽出物および少なくともペプチドを含有するダイズ抽出物を含む活性成分。
【請求項2】
ハイビスカス・アベルモスクス抽出物が種子から得られる、請求項1に記載の活性成分。
【請求項3】
ハイビスカス・アベルモスクス抽出物が水性または含水アルコール抽出物、好ましくは含水グリコール抽出物である、請求項1または2に記載の活性成分。
【請求項4】
少なくともペプチドを含有するダイズ抽出物が、好ましくはバクテリア(特に乳酸菌、特にラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)またはラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei))により、および/または酵母(特に、サッカロマイセス属、好ましくはサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae))により行われる発酵により得られる、前記請求項のいずれか1項に記載の活性成分。
【請求項5】
発酵ダイズ抽出物がカットオフ閾値0.45μmおよび/または0.22μmである膜を通して濾過される、前記請求項のいずれか1項に記載の活性成分。
【請求項6】
ダイズ抽出物が最終組成物の0.1重量%〜5重量%、好ましくは1.25重量%〜3重量%の量で使用される、前記請求項のいずれか1項に記載の活性成分。
【請求項7】
ハイビスカス・アベルモスクス抽出物が最終組成物の0.1重量%〜5重量%の量で、好ましくは最終組成物の1重量%〜3重量%の量で使用される、前記請求項のいずれか1項に記載の活性成分。
【請求項8】
活性成分が、少なくとも一種のハイビスカス・アベルモスクス抽出物および(好ましくは発酵した)少なくともペプチドを含有するダイズ抽出物を、ハイビスカス・アベルモスクス抽出物/ダイズ抽出物の比が1/1〜1/5、好ましくは約1/2で含む、前記請求項のいずれか1項に記載の活性成分。
【請求項9】
局所適用に好適な化粧担体と一緒に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の活性成分を含有する化粧品(特にアンチエイジング)組成物。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の活性成分および/または請求項9に記載の化粧品組成物が、局所適用により使用され、線維芽細胞の増殖および/または活性を刺激する美容ケア方法。
【請求項11】
皮膚の老化、特に、非審美的および/または不快な皮膚の老化の兆候(例えば、組織の緩み、組織の堅さの低下、しわ、ファインライン、溝の出現)に関連する影響の美容ケアおよび/または美容処置、および/またはストレッチマークおよび/または瘢痕の美容処置および/または美容ケアのための、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
皮膚の老化に対し、皮膚を保護するための請求項10または11に記載の美容ケア方法。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の活性成分を含有する医薬組成物(特に皮膚科学組成物)。
【請求項14】
瘢痕および/または炎症(例えば歯肉炎)の防止および/または治療を目的とする、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
組成物(特に化粧品組成物)中の活性成分として、または医薬組成物(特に皮膚科学組成物)を調製するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載のハイビスカス・アベルモスクス抽出物および少なくとも数種の発酵ペプチドを含有するダイズ抽出物の使用。
【請求項16】
ハイビスカス・アベルモスクス抽出物および少なくともペプチドを含有するダイズ抽出物が同時または逐次使用される、請求項15に記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2011−519353(P2011−519353A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−502240(P2011−502240)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際出願番号】PCT/EP2008/057372
【国際公開番号】WO2009/121422
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(500226948)ビーエーエスエフ ビューティ ケア ソリューションズ フランス エスエーエス (21)
【住所又は居所原語表記】32 rue Saint Jean−de−Dieu 69007 LYON, FRANCE
【Fターム(参考)】