説明

締結補助具及びリールの締結方法並びにリールアセンブリ

【課題】ドライブ装置に組み込まれるリールのドライブ装置への組込性を確保できるようにする。
【解決手段】記録テープTが外周面に巻回されるリールハブ12を備えたリール10をドライブ装置60へ組み込み、ドライブ装置60の回転部材64にリールハブ12をビス止めするときに使用される締結補助具120であって、本体部122と、本体部122に形成された複数のガイド孔部122Aと同軸になるように本体部122の下面に突設され、ビス38をリールハブ12に形成されたビス孔部40へ案内するガイド筒部126と、ガイド筒部126の下端部に形成され、リールハブ12のビス孔部40の周囲に形成された被嵌合部41Aに嵌合させる嵌合部126Aと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライブ装置にリールを組み込むときに使用する締結補助具と、そのリールの締結方法及び締結補助具を備えたリールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、主にコンピューター等の情報記録再生媒体(データバックアップ)として使用される磁気テープ等の記録テープをリールに巻装し、そのリールをケース内に単一で収容してなる記録テープカートリッジが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この記録テープカートリッジは、ドライブ装置に装填されると、リールから記録テープが引き出され、ドライブ装置の巻取リールに巻き取られる。そして、ドライブ装置の記録再生ヘッドによって、その記録テープに対して情報の書き込み又は読み取りが行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−79989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなシステムでは、記録テープカートリッジがドライブ装置に対してリムーバブルであるため、記録テープカートリッジ(記録テープに記録されている情報)に対してセキュリティ対策が必要となる。そのため、ドライブ装置内に直接リールを設け、そのリールが取り出されないようにすることが考えられたが、この場合、リールのドライブ装置に対する組込性を確保する必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、ドライブ装置に組み込まれるリールのドライブ装置への組込性を確保できる締結補助具と、そのリール締結方法及びリールアセンブリを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の締結補助具は、記録テープが外周面に巻回されるリールハブを備えたリールをドライブ装置へ組み込み、該ドライブ装置の回転部材に前記リールハブをビス止めするときに使用される締結補助具であって、本体部と、前記本体部に形成された複数のガイド孔部と同軸になるように該本体部の下面に突設され、前記ビスを前記リールハブに形成されたビス孔部へ案内するガイド筒部と、前記ガイド筒部の下端部に形成され、前記リールハブの前記ビス孔部の周囲に形成された被嵌合部に嵌合させる嵌合部と、を有することを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、リールハブのビス孔部の周囲に形成された被嵌合部に、ガイド筒部の嵌合部を嵌合させることにより、ガイド孔部とビス孔部とを一致させることができる。したがって、そのガイド筒部により、リールハブのビス孔部にビスを案内することができる。これにより、ドライブ装置に組み込まれるリールのドライブ装置への組込性を確保することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の締結補助具は、請求項1に記載の締結補助具であって、前記本体部には、前記リールハブに形成された貫通孔に挿通され、該リールハブの下面に係止される係止部が形成されていることを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、締結補助具によってリールを支持できる。つまり、この締結補助具を把持することにより、リールをドライブ装置へ搬送することができる。したがって、ドライブ装置に組み込まれるリールのドライブ装置への組込性を確保することができる。
【0011】
また、本発明に係る請求項3に記載のリールの締結方法は、記録テープが外周面に巻回されるリールハブを備えたリールをドライブ装置へ組み込み、請求項1に記載の締結補助具を使用して、該ドライブ装置の回転部材に前記リールハブをビス止めするリールの締結方法であって、前記リールハブの前記ビス孔部の周囲に形成された前記被嵌合部に、前記ガイド筒部の前記嵌合部を嵌合させる嵌合工程と、前記本体部の前記ガイド孔部にビスを挿入し、前記ガイド筒部を通して、前記リールハブの前記ビス孔部及び前記回転部材に形成されたビスボス部に前記ビスを供給する供給工程と、前記ビスボス部に供給された前記ビスを、前記本体部の前記ガイド孔部から挿入された工具によって該ビスボス部に螺合する螺合工程と、前記ビスを前記ビスボス部に螺合した後、前記締結補助具を前記リールハブから除去する除去工程と、を含むことを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、リールハブのビス孔部の周囲に形成された被嵌合部に、ガイド筒部の嵌合部を嵌合させることにより、ガイド孔部とビス孔部とを一致させることができる。したがって、そのガイド筒部により、リールハブのビス孔部及び回転部材のビスボス部にビスを案内することができる。これにより、ドライブ装置に組み込まれるリールのドライブ装置への組込性を確保することができる。
【0013】
また、本発明に係る請求項4に記載のリールアセンブリは、ドライブ装置の回転部材の上面側に形成された複数の凸部及び凹部の何れか一方と嵌合する複数の凸部及び凹部の何れか他方がリールハブの下面側に形成され、前記凸部と前記凹部とを嵌合させることにより、前記回転部材のビスボス部に対して前記リールハブのビス孔部を一致させるように構成されたリールと、前記嵌合部を前記被嵌合部に嵌合させることで、前記リールを回転可能に保持する請求項1又は請求項2に記載の締結補助具と、を有することを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、リールハブのビス孔部の周囲に形成された被嵌合部に、ガイド筒部の嵌合部を嵌合させることにより、リールが締結補助具に回転可能に保持される。したがって、この締結補助具でリールの周方向の位置を調整することにより、凸部と凹部とを嵌合させることができる。また、これに伴い、ガイド孔部とビス孔部とビスボス部とが一致するため、ガイド筒部により、リールハブのビス孔部及び回転部材のビスボス部にビスを案内することができる。これにより、ドライブ装置に組み込まれるリールのドライブ装置への組込性を確保することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、ドライブ装置に組み込まれるリールのドライブ装置への組込性を確保できる締結補助具と、そのリール締結方法及びリールアセンブリを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】リールが組み込まれたドライブ装置を示す斜視図
【図2】マガジンを上方から見た場合の斜視図
【図3】マガジンの一部を分解して示す斜視図
【図4】マガジンの上下位置規定部材と回転位置規定部材を示す斜視断面図
【図5】マガジンの上下位置規定部材と回転位置規定部材を拡大して示す分解斜視図
【図6】上下位置規定部材の取付構造を示す斜視図
【図7】ドライブ装置の回転部材に固定されるリールの補強部の下面を示す斜視図
【図8】ロック部材のテープガイドをロックするロック穴とガイドするガイド溝を示す断面図
【図9】ロック部材のロックギアと回転位置規定部材の係合ギアとの噛合構造を示す平面図
【図10】マガジンの下カートリッジを外してドライブ装置へ組み込む工程を示す説明図
【図11】マガジンをドライブ装置へ組み込んで上カートリッジを外すまでの工程を示す説明図
【図12】下カートリッジを外してドライブ装置に組み込んだ状態のマガジンを示す斜視図
【図13】ロック部材のロックを解除した状態のマガジンを示す斜視図
【図14】リールを回転部材に取り付けるためのビスをガイドするガイド筒部を備えた回転位置規定部材を示す分解斜視図
【図15】回転位置規定部材のガイド筒部によってガイドされたビスによってリールが回転部材に取り付けられた状態を示す斜視図
【図16】リールを回転部材に取り付けるためのビスをガイドするガイド筒部を備えた回転位置規定部材の第1変形例を示す斜視断面図
【図17】リールを回転部材に取り付けるためのビスをガイドするガイド筒部を備えた回転位置規定部材の第2変形例を示す斜視断面図
【図18】リールを回転部材に取り付けるためのビスをガイドするガイド筒部を備えた回転位置規定部材の第3変形例を上から見て示す斜視図
【図19】リールを回転部材に取り付けるためのビスをガイドするガイド筒部を備えた回転位置規定部材の第3変形例を下から見て示す斜視図
【図20】リールを回転部材に取り付けるためのビスをガイドするガイド筒部を備えた回転位置規定部材の第3変形例を示す斜視断面図
【図21】第3変形例に係る回転位置規定部材の取付構造を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図1における矢印UPを上方向、矢印DOを下方向とし、本実施形態に係るリール10、20の回転軸方向を上下方向(高さ方向)とする。
【0018】
本実施形態に係るリール10、20は、例えばポリカーボネート(PC)等の合成樹脂製とされており、図1で示すように、ドライブ装置60の筐体61(図1では底板61Aと3本の支柱61Bのみが示されている)内に一対で設けられている。
【0019】
すなわち、リール10は、後述する記録テープTの繰り出し用とされ、リール20は、後述する記録テープTの巻き取り用とされており、リール10から繰り出された記録テープTが、リール20に巻き取られつつ、記録再生ヘッド70に摺接するようになっている。つまり、この記録再生ヘッド70によって、その記録テープTに対してデータが記録されたり、その記録テープTに記録されたデータが再生されたりするようになっている。
【0020】
なお、記録再生ヘッド70の両側における底板61Aには、複数個(図示のものは2個ずつで計4個)のテープガイド(本ガイド)72が回転自在に設けられており、リール10から引き出され、リール20に巻き取られる記録テープTが、各テープガイド72によって、ガイドされるようになっている。
【0021】
ここで、そのドライブ装置60へ一対のリール10、20を組み込むためのマガジン100について説明する。図2、図3で示すように、このマガジン100は、下方側が開放された(天壁105の周縁部に側壁が一体に立設された)略矩形箱状の上カートリッジ104と、上カートリッジ104の開放された下方側を閉塞可能な平板状の下カートリッジ106とからなるカートリッジ102を有している。
【0022】
なお、上カートリッジ104及び下カートリッジ106の材質は特に限定されない。例えば、板金等の金属材料で成形してもよいし、リール10、20と同じPC等の合成樹脂材料で成形してもよい。また、下カートリッジ106を上カートリッジ104に取り外し可能に設ける構成は、任意の構成を採用して構わない。
【0023】
例えば、上カートリッジ104の側壁の下端部に溝部(図示省略)を形成し、その溝部内に下カートリッジ106の互いに対向する辺縁部を進入させてスライドさせることにより、上カートリッジ104に対して下カートリッジ106を装着可能にするなどの構成を採用すればよい。そして、このマガジン100のカートリッジ102内には、後述する一対のリール10、20が、カートリッジ102の長手方向に並んで収容されている。
【0024】
このマガジン100には、カートリッジ102内に収容されたリール10、20の上下方向(高さ方向)の位置を規定する樹脂製の上下位置規定部材110と、周方向(回転方向)の位置を規定する締結補助具としての樹脂製の回転位置規定部材120と、搬送時等において(ドライブ装置60に組み込まれるまで)、回転位置規定部材120(リール10、20)の回転をロックする樹脂製のロック部材130と、が備えられている。そして、これら上下位置規定部材110、回転位置規定部材120、ロック部材130により、各リール10、20を保持するリール保持手段90が構成されている。
【0025】
図2、図3で示すように、上カートリッジ104の天壁105には、リール10、20毎に回転位置規定部材120及び上下位置規定部材110等を挿通させるための円形状の開口部105Aが一対で形成されている。そして、上カートリッジ104の天壁105には、ロック部材130の後述する複数本(図示のものは4本)のテープガイド132を挿通させるための長孔部105Bが、リール10、20の並び方向(カートリッジ102の長手方向)と直交する方向を長手方向として同数(図示のものは4つ)、カートリッジ102の長手方向に並んで形成されている。
【0026】
なお、マガジン100の上カートリッジ104には、図1、図10で示すように、ドライブ装置60の複数(例えば2個)の位置決めピン(係合部)74に挿通させる複数(例えば2個)の基準孔(被係合部)107Aを有する底面部107が形成されており、この底面部107と下カートリッジ106とで、カートリッジ102の底壁を構成するようになっている。そして、これにより、ドライブ装置60に対するマガジン100の配設位置が規定される(位置決めされる)ようになっている。
【0027】
また、図3で示すように、マガジン100の下カートリッジ106には、各リール10、20の補強部18、28を下方から支持する環状の支持台108Aと、その支持台108A内における各リール10、20の回転中心位置に、後述する固定ビス37が螺合される円筒状のビスボス部108Bと、を有するベース部108が一体に形成されている。
【0028】
そして、この下カートリッジ106には、図8で詳細に示すように、テープガイド132の外径よりも若干小径とされ、その下端部132Aが圧入されることでロック部材130を移動不能にロックする円形状のロック穴109Aと、ロック穴109Aと同径で連続して形成され、テープガイド132が長孔部105Bに沿って移動する際に、そのテープガイド132の下端部132Aをガイドする略楕円形状のガイド溝109Bと、を有するガイドロック部109が一体に形成されている。
【0029】
また、図4、図5で示すように、回転位置規定部材120は、外径が開口部105Aよりも大径とされ、外周部の全周に亘って係合ギア124が形成された円板状の本体部122と、本体部122の同心円周上に等間隔に複数(例えば3個)形成されたガイド孔部122Aと同軸になるように、本体部122の下面に突設された円筒状のガイド筒部126と、を有している。
【0030】
各ガイド筒部126の下端部の径方向外側には、補強部18、28の後述するボス部41の外周面(被嵌合部)41Aに嵌合する嵌合部としての底面視半円弧状の延設部126Aが形成されている。つまり、延設部126Aよりも径方向内側のガイド筒部126の下端面126Bが、ボス部41の上面に当接するようになっており、延設部126Aがボス部41の外周面41Aを被覆するようになっている。そして、本体部122の中心部には、上下位置規定部材110を挿通させるための貫通孔122Bが形成されている。
【0031】
また、図5で示すように、上下位置規定部材110は、外径が回転位置規定部材120の本体部122よりも小径(開口部105Aと略同径)とされた円板状の本体部112と、本体部112の中心位置に形成されたビス孔部112Aと同軸になるように、本体部112の下面に突設された円筒状のボス部114と、本体部112の下面で、かつ本体部112の同心円周上に等間隔に複数(例えば3個)突設された係止部116と、を有している。
【0032】
各係止部116の下端部には、周方向で、かつ一方向に延在するフック部118が一体に形成されている。そして、このフック部118を備えた係止部116及びボス部114が、回転位置規定部材120の貫通孔122Bに挿通されるとともに、補強部18、28にそれぞれ形成されている複数(この場合は等間隔に3個)の円弧状の長孔部(貫通孔)43及び孔部30Aに、それぞれ挿通されるようになっている。
【0033】
ここで、各長孔部43に挿通された各係止部116のフック部118は、図6で示すように、フック部118の延在している一方向(図6で示す矢印R方向)に、後述する連結部45の周方向を向く側面に係止部116が当接するまで回転されることで、その連結部45の下面に係止されるようになっている。
【0034】
これにより、図4で示すように、各上下位置規定部材110が、各リール10、20の補強部18、28との間に各回転位置規定部材120を挟んだ状態で、各リール10、20に取り付けられ(固定され)、各リール10、20が、開口部105Aよりも大径とされた本体部122を備えた回転位置規定部材120によって、上カートリッジ104の天壁105に吊下された状態に保持される構成である。
【0035】
そして、この状態で、固定ビス37が上下位置規定部材110の本体部112における中心位置に形成されたビス孔部112Aに挿通され、下カートリッジ106のベース部108におけるビスボス部108Bに螺合されることにより、上カートリッジ104と下カートリッジ106とが接合され、カートリッジ102内において、各リール10、20が上下方向の位置を規定された状態で収容されるようになっている。
【0036】
つまり、これにより、各リール10、20が、上下位置規定部材110及び回転位置規定部材120によって上カートリッジ104に位置決め保持されるだけではなく、下カートリッジ106のベース部108(支持台108A)によって下方から支持され、マガジン100(カートリッジ102)内において、各上フランジ14、24が上カートリッジ104の天壁105の内面に非接触となり、かつ、各下フランジ16、26が下カートリッジ106の内面に非接触となる構成である。
【0037】
ここで、リール10、20について、主に図5、図6を基に説明する。マガジン100に収容され、そのマガジン100からドライブ装置60へ供給される繰り出し用リール10は、軸心部を構成する略円筒状のリールハブ12と、その上端部側に設けられる環状の上フランジ14と、その下端部側に設けられる環状の下フランジ16と、リールハブ12の内周面における高さ(軸)方向略中央部に一体に連設された補強部18と、を含んで構成されている。
【0038】
同様に、マガジン100に収容され、そのマガジン100からドライブ装置60へ供給される巻き取り用リール20も、軸心部を構成する略円筒状のリールハブ22と、その上端部側に設けられる環状の上フランジ24と、その下端部側に設けられる環状の下フランジ26と、リールハブ22の内周面における高さ(軸)方向略中央部に一体に連設された補強部28と、を含んで構成されている。
【0039】
そして、リール10におけるリールハブ12の外周面には、情報記録再生媒体としての磁気テープ等の記録テープTが巻回されるようになっており、上フランジ14及び下フランジ16によって、巻回された記録テープTの幅方向の端部が保持されるようになっている。そして更に、リール10から繰り出された記録テープTは、リール20におけるリールハブ22の外周面に巻回され、上フランジ24及び下フランジ26によって、その幅方向の端部が保持されるようになっている。
【0040】
なお、本実施形態における「略円筒状」には、記録テープTが巻回される各リールハブ12、22の外周面(巻面)の形状が太鼓形状等に形成されている概ね円柱状であるもの、及び各リールハブ12、22の内周面側にリブ等が突設されている完全な円筒状でない中空状であるものなども含まれる。
【0041】
また、以下においては、リール20はリール10と同一の構成であるため、主にリール10について説明する。図5、図6で示すように、上フランジ14の内周縁部には、下方へ所定高さ延在する円筒部15が一体に形成されており、下フランジ16の内周縁部には、上方へ所定高さ延在する円筒部17が一体に形成されている。
【0042】
円筒部15の内周面及び円筒部17の内周面には、それぞれ径方向内側(リール10の回転中心部)に向かって突出する平板状の張出部32、34が等間隔に複数個(例えば6個ずつ)、平面視で互いに重ならない位置に形成されており、各張出部32、34には、それぞれ円形状の孔部(図示省略)が形成されている。
【0043】
また、リールハブ12の補強部18における外周縁部側(リールハブ12の内周面側)の下面及び上面には、内周面に雌ネジが切られた円筒状のビスボス部33、35が、それぞれ等間隔に複数個(例えば6個ずつ)、平面視で互いに重ならない位置に突設されている。そして、各ビスボス部33、35と各張出部32、34の孔部とが互いに連通されるようになっている。
【0044】
したがって、上方から上フランジ14の張出部32の孔部に挿入されたビス36がビスボス部33に螺合され、下方から下フランジ16の張出部34の孔部に挿入されたビス36がビスボス部35に螺合されることにより、上フランジ14及び下フランジ16が、それぞれリールハブ12に一体的に取り付けられるようになっている。
【0045】
また、円筒部15及び円筒部17よりも径方向内側における補強部18の中心部分には、小円筒部30と、小円筒部30よりも大径とされた大円筒部31とが設けられており、小円筒部30の外周面と大円筒部31の内周面とが、等間隔に3箇所設けられた連結部45によって一体に連結されて構成されている。
【0046】
そして、大円筒部31の上面が、側面視で上フランジ14の上面から突出しない程度に上方へ向かって突出された環状上面部18Aとされ、大円筒部31の下面が、側面視で下フランジ16の下面から突出しない程度に下方へ向かって突出された環状下面部18Bとされている。
【0047】
なお、小円筒部30の孔部30Aに、ドライブ装置60の後述する軸出部62(図7参照)が挿入(嵌合)されるようになっている。また、小円筒部30と大円筒部31とは、補強部18の上面及び下面において同じ高さに形成されており、連結部45は、補強部18の上面側では小円筒部30及び大円筒部31と同じ高さに形成されている。
【0048】
すなわち、この連結部45は、補強部18の下面側では小円筒部30及び大円筒部31よりも低い高さに形成されており、その下面に係止されるフック部118が環状下面部18Bと略面一になる(下カートリッジ106を上カートリッジ104に接合したときに、フック部118が支持台108Aを相対的に押圧しない)ように構成されている。
【0049】
また、補強部18の下面側で、かつ各連結部45の径方向外側には、側面視で環状下面部18Bよりも下方へ突出する円筒状の突出部(ボス部)42が等間隔に3個形成され、補強部18の上面側で、かつ各連結部45の径方向外側には、側面視で環状上面部18Aよりも高さの低い円筒状のボス部41が等間隔に3個形成されている。そして、このボス部41(突出部42)が、ドライブ装置60の後述する回転部材64に補強部18を固定するためのビス38(図11、図14参照)が挿通されるビス孔部40を構成している。
【0050】
また、補強部18の上面側において、各ボス部41の高さは、各延設部126Aの高さ(下端面126Bからの突出高さ)と略同一とされており、各延設部126Aが、環状上面部18Aよりも径方向外側に張り出すボス部41の外周面41Aに嵌合することにより、回転位置規定部材120が、リール10の補強部18に対して回り止めされ、そのリール10と一体に回転可能とされている。
【0051】
つまり、この回転位置規定部材120が、ロック部材130によって、その回転が規制されることで、リール10の不用意な回転が阻止されるようになっている。そして、この回転位置規定部材120のガイド筒部126は、ドライブ装置60の回転部材64へリール10、20の補強部18、28を取り付けるときに、そのリール固定用のビス38を補強部18、28のボス部41(ビス孔部40)及び回転部材64の後述するビスボス部66へ案内するガイド手段になっている。
【0052】
また、図7で示すように、リール10の補強部18の下面で、かつ突出部42(ビス孔部40)同士の中間には、ドライブ装置60の回転部材64に突設された凸部68が嵌合される凹部48がそれぞれ形成されている(即ち、この凹部48は等間隔に3個形成されている)。なお、この凹部48は、径方向外側へ向けて開口するように形成されている。
【0053】
一方、ドライブ装置60には、駆動源としてのモーター(図示省略)が配置されており、そのモーターの回転軸(図示省略)から伝達ギア(図示省略)を介して回転駆動力が伝達される一対の樹脂製又は金属製の回転部材64(図7参照)が、ドライブ装置60の筐体61(底板61A)に形成された一対の開口部58(図10、図11参照)内にそれぞれ回転可能に設けられている。
【0054】
各回転部材64には、各リール10、20におけるリールハブ12、22の補強部18、28が、ビス38によって固定されるようになっている。すなわち、各回転部材64の同心円周上には、各補強部18、28のビス孔部40に挿入されたビス38が螺合されるビスボス部66が等間隔に3個形成されている。
【0055】
そして、各リールハブ12、22の補強部18、28に形成された凹部48に嵌合する凸部68が、各回転部材64のビスボス部66同士の中間に配置されるように、等間隔に3個突設されている。そして更に、各回転部材64の中央部(回転中心部)には、補強部18、28(小円筒部30)の孔部30Aに挿入される円柱状の軸出部62が上方に向かって突設されている。
【0056】
したがって、記録テープTが巻回されたリール10と、記録テープTの自由端側がリールハブ22の外周面に取り付けられたリール20を、ドライブ装置60の各回転部材64に固定するときには、各軸出部62が各孔部30Aに挿入される。そして、各凹部48に各凸部68が嵌合されることにより、各ビス孔部40と各ビスボス部66との位置が一致され、上方からビス38が各ビス孔部40に挿入されて、各ビスボス部66に螺合されることにより、各リールハブ12、22と各回転部材64とが一体的に固定される。
【0057】
次に、ロック部材130について説明する。このロック部材130は、図2で示すように、平面視略「Ω」字状に形成されており、その円弧状に形成された中央部130Aの先端部130Bの下面には、仮ガイドとしての円柱状のテープガイド132が複数本(図示のものは4本)、その円弧形状に沿って並ぶように一体に突設されている。そして、図9で詳細に示すように、ロック部材130の両端部130Cには、回転位置規定部材120の係合ギア124と噛合するロックギア134が形成されている。
【0058】
ここで、このロック部材130は、テープガイド132が上カートリッジ104の天壁105に形成された複数の長孔部105Bに外部から挿通されることにより、その上カートリッジ104の天壁105の外面に取り付けられるようになっている。すなわち、テープガイド132を長孔部105Bへ挿通させたロック部材130を、図2、図8(A)で示す矢印F方向にスライドさせる。
【0059】
すると、テープガイド132の下端部132Aは、図8(A)で示すように、ガイド溝109Bによって矢印F方向にガイドされ、その下端部132Aがガイド溝109Bの先端部に当接したときに、図9(A)で示すように、ロックギア134が係合ギア124に噛合するようになっている。そして、図8(B)で示すように、ロック部材130の中央部130Aの肉厚とされた先端部130Bを下方に向けて(矢印G方向へ)上方から押圧し、テープガイド132の下端部132Aをロック穴109Aに圧入(嵌合)させる。
【0060】
これにより、ロック部材130が、上カートリッジ104の天壁105に固定配置される構成であり、マガジン100がドライブ装置60に組み込まれるまで、各リール10、20の不用意な回転が阻止される(ロックされる)構成である。そして、図2で示すように、リール10から繰り出され、リール20のリールハブ22の外周面に巻回された記録テープTが、テープガイド132によってある程度の張力が付与された状態で保持される構成である。
【0061】
なお、マガジン100内のリール10、20をドライブ装置60に組み込むために、ロック部材130による回転ロックを解除する際には、まず、ロック部材130の先端部130Bを上方へ引き上げ、ロック穴109Aからテープガイド132の下端部132Aを外す。そして、ロック部材130(テープガイド132)を長孔部105Bに沿って図2、図8(A)で示す矢印F方向とは反対方向(図13で示す矢印E方向)にスライドさせ、図9(B)で示すように、係合ギア124からロックギア134を外せばよい。
【0062】
次に、このようなマガジン100を使用した場合のドライブ装置60へのリール10、20の組込方法(回転位置規定部材120を使用したリール10、20の締結方法)について説明する。記録テープTが巻回されたリール10と、記録テープTの自由端側がリールハブ22に取り付けられたリール20は、リール保持手段90により、上カートリッジ104に保持され、固定ビス37により下カートリッジ106が上カートリッジ104に接合されることで、カートリッジ102内に収容されている。
【0063】
すなわち、各リール10、20における補強部18、28の各ボス部41の外周面41Aに、回転位置規定部材120の各ガイド筒部126の延設部126Aが嵌合し(嵌合工程)、上下位置規定部材110により、各回転位置規定部材120が各リール10、20に固定されるとともに、ロック部材130により回転位置規定部材120の回転がロックされることにより、各リール10、20が回転不能に保持されている。
【0064】
そして、その状態で、上フランジ14、24及び下フランジ16、26が、上カートリッジ104及び下カートリッジ106の内面に非接触とされている。したがって、マガジン100の搬送時等において、そのマガジン100に衝撃が加わっても、マガジン100内に収容されている特にリール10の上フランジ14及び下フランジ16の変形が抑制又は防止される。よって、リール10に巻回されている記録テープTの幅方向両端部(エッジ)にダメージが発生し難い。
【0065】
さて、このマガジン100をドライブ装置60へ組み込むときには、まず、図10(A)、図10(B)で示すように、下カートリッジ106を取り外す。すなわち、上下位置規定部材110の本体部112における中心位置に螺合されている固定ビス37を取り外す。
【0066】
そして、ロック部材130の先端部130B側を上方へ引き上げ、ロック穴109Aからテープガイド132の下端部132Aを外す。これにより、下カートリッジ106が上カートリッジ104から取り外される。なお、ロック穴109Aからテープガイド132の下端部132Aを外した後、固定ビス37を取り外すようにしてもよい。
【0067】
下カートリッジ106を上カートリッジ104から取り外したら、その上カートリッジ104を筐体61の底板61A上へ移動させ、その底板61A上に突設されている位置決めピン74を、上カートリッジ104の底面部107に形成された基準孔107Aに挿通させる。
【0068】
これにより、ドライブ装置60の各回転部材64に対して、各リール10、20が位置決めされる。すなわち、各リール10、20におけるリールハブ12、22の補強部18、28が、ドライブ装置60の各回転部材64の上に位置決めされて配置される。この状態を図10(B)及び図12で示す。
【0069】
なお、このとき、ロック部材130のテープガイド132は、ドライブ装置60の各テープガイド72の間で、かつ各テープガイド72よりも記録再生ヘッド70から離れる方向側(矢印F方向側)に配置されているため、そのテープガイド72に干渉しない(図12参照)。したがって、各リール10、20を保持している上カートリッジ104を、ドライブ装置60の筐体61の底板61A上へ位置決めして配置することが容易にできる。
【0070】
その後、図13で示すように、ロック部材130のテープガイド132を長孔部105Bに沿って矢印F方向とは反対方向である矢印E方向へスライドさせる(記録テープTから退避させる)。つまり、図9で示したように、回転位置規定部材120の係合ギア124からロック部材130のロックギア134を外し、回転位置規定部材120の回転ロックを解除する。そして、ロック部材130を上カートリッジ104から取り除く。
【0071】
一方、各リールハブ12、22の補強部18、28が、各回転部材64の上に配置されると、各回転部材64の軸出部62が各補強部18、28(小円筒部30)の孔部30Aに挿入され、各回転部材64に対する各リールハブ12、22(補強部18、28)の径方向の位置が精度良く位置決めされる(センタリングされる)。そして、各回転部材64の複数(ビスボス部66と同数)の凸部68が、各リールハブ12、22の補強部18、28に形成された複数(ビス孔部40と同数)の凹部48に嵌合される。
【0072】
したがって、各回転部材64に対する各リールハブ12、22(補強部18、28)の周方向の位置(回転角度)が精度良く位置決めされ、各リールハブ12、22の補強部18、28におけるボス部41(ビス孔部40)と、各回転部材64におけるビスボス部66との位置が一致される。なお、このとき、回転位置規定部材120を手動で回転させることにより、リール10、20を僅かに回転させ(リール10、20の周方向の位置を調整し)、凹部48に凸部68を嵌合させるように誘導してもよい。
【0073】
すなわち、上カートリッジ104からロック部材130を取り除くと、テープガイド132は、ドライブ装置60のテープガイド72よりも記録再生ヘッド70から離れる方向側(矢印F方向側)に配置されているので、記録テープTは僅かに弛んだ状態となっている。そのため、回転位置規定部材120を僅かに回転させることが可能となっている。しかも、回転位置規定部材120の外周部には、係合ギア124が形成されているので、回転位置規定部材120を手指で回転させるときに、手指が滑り難く回転させ易い。
【0074】
また、リール10、20を僅かに回転させることなく、凹部48に凸部68を嵌合させることができた場合でも、上記のように記録テープTは僅かに弛んだ状態となっているため、リール10、20を僅かに回転させ、記録テープTをテープガイド72に沿わせる。これにより、テープガイド132にガイドされていた記録テープTを、テープガイド72にスムーズに受け渡すことができる(各リール10、20のドライブ装置60への組み付け時に記録テープTを容易にパスさせることができる)。
【0075】
こうして、回転部材64に対するリールハブ12、22の補強部18、28の位置が規定されたら、上下位置規定部材110を矢印R方向とは反対方向に回転させて連結部45に対するフック部118の係止を解除し、図11(A)で示すように、上カートリッジ104(回転位置規定部材120)から、その上下位置規定部材110を取り外す。
【0076】
そして、図14、図15で示すように、回転位置規定部材120のガイド孔部122Aにビス38を挿入することにより(供給工程)、ボス部41のビス孔部40にビス38を挿通し、次いで、図示しない工具をガイド孔部122Aに挿入し、そのビス38をビスボス部66に螺合する(螺合工程)。
【0077】
すなわち、このときには、各リール10、20の補強部18、28に設けられたボス部41(ビス孔部40)と回転部材64のビスボス部66とが連通(一致)し、回転位置規定部材120のガイド筒部126の延設部126Aが、ボス部41の外周面41Aに嵌合していることにより、ガイド孔部122Aとビス孔部40とが連通(一致)している。
【0078】
したがって、各ガイド筒部126のガイド孔部122Aに、それぞれビス38を挿入することにより、確実かつ容易に各ボス部41のビス孔部40に各ビス38を挿通することができ、各ビス38を各ビスボス部66に螺合することができる。
【0079】
これにより、一方の回転部材64にリールハブ12の補強部18を固定することができ、他方の回転部材64にリールハブ22の補強部28を固定することができる。なお、リール固定用のビス38の形状は、図11(A)で示す形状であってもよいし、図14、図15で示す形状であってもよい。
【0080】
また、このとき、各リールハブ12、22の補強部18、28の下面に形成されている突出部42が回転部材64の上面に当接するので、各リール10、20(各リールハブ12、22の補強部18、28)は、各回転部材64に対して、その高さ(軸)方向の位置が精度良く位置決めされて固定される。
【0081】
こうして、各リール10、20の補強部18、28を各回転部材64に固定したら、図11(B)で示すように、回転位置規定部材120と上カートリッジ104をドライブ装置60の筐体61内(底板61A上)から取り除く(除去工程)。なお、回転位置規定部材120を上カートリッジ104から取り除いた後、上カートリッジ104を筐体61内(底板61A上)から取り除くようにしてもよい。
【0082】
本実施形態に係る回転位置規定部材120は、以上のような構成であるが、この回転位置規定部材120の形状は、図5、図14、図15で示した形状に限定されるものではなく、例えば図16、図17で示すような形状(図16、図17では上カートリッジ104を省略している)とされてもよい。
【0083】
すなわち、例えば図16で示すように、ガイド筒部126の下端部に延設部126Aを形成せず、その下端部の径方向内側部分を、ボス部41を形成することによって補強部18、28の大円筒部31の外周部に設けられた被嵌合部としての円弧状の切欠壁面46(図14も参照)に嵌合させる構成とされた回転位置規定部材120としてもよい。
【0084】
また、例えば図17で示すように、ガイド筒部126同士を一体に連結するとともに大円筒部31の外周面に嵌合可能な内径とされた円弧状壁部50を、回転位置規定部材120の本体部122の下面に一体に形成し、ガイド筒部126の下端部における径方向内側部分を切欠壁面46に嵌合させるとともに、円弧状壁部50の内周面を大円筒部31の外周面(被嵌合部)に嵌合させる構成とされた回転位置規定部材120としてもよい。
【0085】
また、本実施形態に係る回転位置規定部材120は、例えば図18〜図21で示すような形状としてもよい。すなわち、回転位置規定部材120の本体部122の下面で、かつ各ガイド筒部126同士の中間に、下方へ延在する係止部としての爪部128を一体に(即ち、等間隔に3個)形成し、各爪部128を補強部18、28に形成された各長孔部43に挿通させるとともに、図21で示すように、環状下面部18Bに係止させる構成にしてもよい。
【0086】
このような構成の回転位置規定部材120にすると、ガイド筒部126の下端部と爪部128とで補強部18、28を上下方向から狭持することができるので、上下位置規定部材110を使用しなくても、直接リール10、20を保持することができる。したがって、この場合は、回転位置規定部材120の本体部122の外周部を手指又は把持機構で把持することにより、各リール10、20をドライブ装置60へ直接組み込むことができる。
【0087】
なお、本体部122の外周部には、係合ギア124(ギア形状)が形成されている方が滑り防止の観点から望ましいが、係合ギア124が形成されていなくてもよい。また、この回転位置規定部材120によってリール10、20をドライブ装置60に組み込んだ後は、筐体61の底板61Aとリール10、20との間に形成される隙間から取外治具(図示省略)を差し込み、環状下面部18Bに対する爪部128の係止を解除しつつ回転位置規定部材120をリール10、20から取り除けばよい。
【0088】
何れにしても、本実施形態に係る回転位置規定部材120によれば、リールハブ12、22の補強部18、28をドライブ装置60の回転部材64に締結するためのビス38を、ボス部41(ビス孔部40)及びビスボス部66へ確実かつ容易に案内することができる。したがって、一対のリール10、20の組込性に優れる。しかも、この回転位置規定部材120は再使用可能であるため、環境にも好ましい。
【0089】
以上、本実施形態に係る締結補助具(回転位置規定部材120)及びその締結方法並びにリールアセンブリ(回転位置規定部材120を備えたリール10、20)について図面を基に説明したが、本実施形態に係る締結補助具及びその締結方法並びにリールアセンブリは、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜設計変更可能なものである。
【0090】
また、マガジン100において、下カートリッジ106は、上カートリッジ104から完全に取り外される構成に限定されるものではなく、スライドして上カートリッジ104内に収納される構成等にしてもよい。また、仮ガイドとしてのテープガイド132は、円柱状のものが複数個設けられる構成に限定されるものではなく、例えば平面視略円弧状に形成された壁状(板状)のものが複数個設けられる構成等にしてもよい。
【0091】
更に、回転部材64に凹部48を形成し、各リールハブ12、22の補強部18、28に凸部68を形成して、周方向の位置決めをする(ビス孔部40とビスボス部66との位置を一致させる)ようにしてもよい。なお、凹部48(凸部68)及びビス孔部40(ビスボス部66)の数量も3個に限定されるものではない。
【0092】
また、突出部42は、ビス孔部40の下面に、それと同軸に形成されているものに限定されるものではなく、補強部18、28の下面のビス孔部40とは異なる同心円周上に形成されていてもよい。また、被係合部は図示の基準孔107Aに限定されるものではなく、係合部も図示の位置決めピン74に限定されるものではない。また、リール10、20は、それぞれに記録テープTが巻回されていて、それらが接続されていない状態で、マガジン100内に収容(保持)されていてもよい。
【符号の説明】
【0093】
10 リール
12 リールハブ
20 リール
22 リールハブ
38 ビス
40 ビス孔部
41 ボス部
41A 外周面(被嵌合部)
43 長孔部(貫通孔)
48 凹部
60 ドライブ装置
64 回転部材
66 ビスボス部
68 凸部
120 回転位置規定部材(締結補助具)
122 本体部
122A ガイド孔部
126 ガイド筒部
126A 延設部(嵌合部)
128 爪部(係止部)
T 記録テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録テープが外周面に巻回されるリールハブを備えたリールをドライブ装置へ組み込み、該ドライブ装置の回転部材に前記リールハブをビス止めするときに使用される締結補助具であって、
本体部と、
前記本体部に形成された複数のガイド孔部と同軸になるように該本体部の下面に突設され、前記ビスを前記リールハブに形成されたビス孔部へ案内するガイド筒部と、
前記ガイド筒部の下端部に形成され、前記リールハブの上面側における前記ビス孔部の周囲に形成された被嵌合部に嵌合させる嵌合部と、
を有することを特徴とする締結補助具。
【請求項2】
前記本体部には、前記リールハブに形成された貫通孔に挿通され、該リールハブの下面に係止される係止部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の締結補助具。
【請求項3】
記録テープが外周面に巻回されるリールハブを備えたリールをドライブ装置へ組み込み、請求項1に記載の締結補助具を使用して、該ドライブ装置の回転部材に前記リールハブをビス止めするリールの締結方法であって、
前記リールハブの上面側における前記ビス孔部の周囲に形成された前記被嵌合部に、前記ガイド筒部の前記嵌合部を嵌合させる嵌合工程と、
前記本体部の前記ガイド孔部にビスを挿入し、前記ガイド筒部を通して、前記リールハブの前記ビス孔部及び前記回転部材に形成されたビスボス部に前記ビスを供給する供給工程と、
前記ビスボス部に供給された前記ビスを、前記本体部の前記ガイド孔部から挿入された工具によって該ビスボス部に螺合する螺合工程と、
前記ビスを前記ビスボス部に螺合した後、前記締結補助具を前記リールハブから除去する除去工程と、
を含むことを特徴とするリールの締結方法。
【請求項4】
ドライブ装置の回転部材の上面側に形成された複数の凸部及び凹部の何れか一方と嵌合する複数の凸部及び凹部の何れか他方がリールハブの下面側に形成され、前記凸部と前記凹部とを嵌合させることにより、前記回転部材のビスボス部に対して前記リールハブのビス孔部を一致させるように構成されたリールと、
前記嵌合部を前記被嵌合部に嵌合させることで、前記リールを回転可能に保持する請求項1又は請求項2に記載の締結補助具と、
を有することを特徴とするリールアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−185871(P2012−185871A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46698(P2011−46698)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)