説明

緩衝体及び梱包体

【課題】例え基板が薄い場合でも効果的に保護でき、しかも、焼却施設の寿命を縮めてしまうおそれを抑制できる緩衝体及び梱包体を提供する。
【解決手段】有底円筒形の容器本体11の開口上部に蓋体14を嵌合した収納容器10を可撓性の一対のトレー20に挟持させ、各トレー20を、収納容器10の容器本体11あるいは蓋体14に嵌合する断面略U字形の嵌合被覆部21と、嵌合被覆部21の周壁に形成されて外方向に伸びるフランジ部27とから形成する。嵌合被覆部21の底部周縁23を、容器本体11の底部周縁あるいは蓋体14の周縁部に接触させ、嵌合被覆部21の底部周縁23以外の部分25を凹み形成して容器本体11の底部あるいは蓋体14に隙間をおいて対向させるとともに、嵌合被覆部21の底部周縁23以外の部分25に中空の衝撃吸収突部26を形成し、フランジ部27の一部分を嵌合被覆部21の内外方向に曲げてベローズ29を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ等の基板を収納する収納容器を挟んで保護する緩衝体及び梱包体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薄くスライスされた丸い半導体ウェーハを収納する収納容器には、様々なタイプがあげられるが、その一つとしてコインスタックタイプがあげられる(特許文献1、2、3参照)。このコインスタックタイプの収納容器は、図示しない複数枚の半導体ウェーハを積層して収納する有底円筒形の容器本体と、この容器本体の開口上部に着脱自在に嵌合される蓋体とを備え、半導体ウェーハを収納保護したり、段ボール箱等の梱包体に収納されて搬送、出荷、輸送に供される。半導体ウェーハは、保持具の中空フレーム内のダイシングテープ上に搭載された状態で収納容器の容器本体に収納されたり、容器本体に直接収納される。
【0003】
ところで、半導体ウェーハは、近年の半導体パッケージの薄型化に鑑み、100μm以下の厚さにバックグラインドされるが、100μm以下にバックグラインドされると、剛性が低下して撓み易くなり、搬送、出荷、輸送時の衝撃で簡単に破損したり、割れてしまうことが少なくない。
係る問題を解消するため、従来においては、梱包体に収納容器を直接収納するのではなく、梱包体に収納容器を発泡スチロール等からなる発泡体を介して収納するようにしている。
【特許文献1】特開2005−158854号公報
【特許文献2】特開2005−142462号公報
【特許文献3】特開2006−032687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来におけるコインスタックタイプの収納容器は、以上のように構成され、梱包体に発泡体を介して収納されるが、単なる発泡体の使用では、衝撃を十分に吸収することができず、厚さ100μm以下の薄い半導体ウェーハを効果的に保護することができないという問題がある。また、発泡体は、不要になった場合に多くは焼却処分されるが、焼却時の発熱量が重油並みに大きいので、焼却炉の寿命を縮めてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は上記に鑑みなされたもので、例え基板が薄い場合でも効果的に保護することができ、しかも、焼却施設の寿命を縮めてしまうおそれを抑制することのできる緩衝体及び梱包体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明においては上記課題を解決するため、略有底筒形の容器本体の開口上部に蓋体を嵌め合わせた収納容器を可撓性を有する一対のトレーに挟み、収納容器には、基板、及びこの基板を中空フレーム内の密着層上に搭載する保持具の少なくともいずれかを収納するものであって、
各トレーは、収納容器の容器本体あるいは蓋体に嵌まる断面略U字形の嵌合被覆部と、この嵌合被覆部の周壁に形成されて外方向に伸びるフランジ部とを含み、嵌合被覆部の底部周縁を、容器本体の底部周縁あるいは蓋体の周縁部に接触させ、嵌合被覆部の底部周縁以外の部分を凹み形成して容器本体の底部あるいは蓋体に隙間をおいて対向させ、この嵌合被覆部の底部周縁以外の部分に中空の衝撃吸収突部を形成し、フランジ部の一部分を嵌合被覆部の内外方向に曲げてベローズを形成したことを特徴としている。
【0007】
なお、トレーは、フランジ部の一部分に形成される凹部と、フランジ部の残部分に形成される凸部とを含み、収納容器を一対のトレーに挟む際、一方のトレーの凹部と他方のトレーの凸部とを嵌め合わせることができる。
また、トレーに帯電防止機能を付与することができる。
【0008】
また、トレーを真空成形あるいは圧空成形することが好ましい。
また、トレーの嵌合被覆部の周壁を底部方向から開口部方向に向かうに従い徐々に広がるよう傾斜させることも可能である。
【0009】
さらに、本発明においては上記課題を解決するため、請求項1ないし4いずれかに記載の緩衝体を梱包体に収納することを特徴としている。
【0010】
ここで、特許請求の範囲における基板には、少なくとも各種サイズ(口径200mm、300mm、450mm)の半導体ウェーハ、バンプウェーハ、化合物ウェーハ等が含まれる。保持具には、半導体ウェーハ搭載用のフレームやダイシングフレームが含まれる。また、衝撃吸収突部やベローズは、中空や蛇腹等の衝撃吸収構造に構成されることが好ましく、単数複数を特に問うものではない。凹部や凸部は、直線的な溝や突部でも良いし、平面略U字形等でも良い。さらに、梱包体は、周知の段ボール箱でも良いし、専用の箱とすることもできる。
【0011】
本発明によれば、収納容器を一対のトレーに保持させ、この一対のトレーを梱包体等に収納する場合には、先ず、一対のトレーの嵌合被覆部の間に収納容器を挟んで内蔵する。この際、嵌合被覆部の底部周縁は、収納容器の容器本体の底部周縁あるいは蓋体の周縁部に接触し、基板の非存在領域に間接的に対向する。一対のトレー間に収納容器を挟んで内蔵したら、梱包体に一対のトレーを収納して封止することにより、収納容器を梱包して搬送、出荷、輸送等することができる。
【0012】
トレーの嵌合被覆部の底部周縁が基板の非存在領域に間接的に対向するので、緩衝体や梱包体に作用する圧力、衝撃を作用部からトレー、収納容器を経由して基板の非存在領域に伝達することができ、基板に圧力や衝撃が直接伝わるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、例え基板が薄い場合でも、効果的に保護することができるという効果がある。また、発熱量の大きい発泡体を敢えて使用する必要がないので、焼却施設の寿命を縮めてしまうおそれを抑制することができる。
【0014】
また、収納容器を一対のトレーに挟む際、一方のトレーの凹部と他方のトレーの凸部とを嵌め合わせるようにすれば、一対のトレーの密着度を増大させて緩衝体の保護機能を向上させることができる。
また、トレーに帯電防止機能を付与すれば、例え基板が高性能の半導体製品の場合でも、優れた静電気耐性を得ることができ、静電気に伴う塵埃の付着、障害、破壊を抑制あるいは防止することができる。
【0015】
また、トレーを真空成形すれば、例えトレーが大型の場合でも、低コストで早期に成形することができるし、型を片面のみとしたり、表面加飾性の自由度を向上させたり、あるいは少量多品種に対応することが可能になる。さらに、トレーを圧空成形すれば、例え真空成形では成形圧力が不足する場合でも、容易に成形することができるし、射出成形と同等のシャープなデザインを表現したり、部分的に薄肉のトレーを得ることも可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明に係る緩衝体及び梱包体の好ましい実施形態を説明すると、本実施形態における緩衝体は、図1ないし図7に示すように、容器本体11に蓋体14を嵌合した収納容器10を可撓性の上下一対のトレー20に挟持させ、この一対のトレー20を梱包体40にエアキャップを介して収納したり、直接収納するようにしている。
【0017】
収納容器10は、図1、図3ないし図5に示すように、ダイシング用の保持具1を緩衝材や合紙等を介し必要数上下方向に積層して収納する有底円筒形の容器本体11と、この容器本体11の開口上部に着脱自在に嵌合される略有底円筒形の蓋体14とを備え、コインスタックタイプのダイシングケースとして機能する。
【0018】
ダイシング用の保持具1は、図4や図5に示すように、半導体ウェーハWよりも一回り大きい平面略リング形の中空フレーム2を備え、この平坦な中空フレーム2の裏面には、中空部を覆う可撓性のダイシングテープ3が平面略円形に貼着されており、このダイシングテープ3上に、厚さ100μm以下にバックグラインドされた薄い半導体ウェーハWが中空フレーム2に包囲される状態で着脱自在に粘着される。
【0019】
半導体ウェーハWは、例えば口径300mm(12インチ)のタイプからなり、ダイシングされていない状態、あるいはダイシングされた状態でダイシングテープ3上にマウントされる。また、保持具1の中空フレーム2は、図1に示すように、半導体ウェーハWを包囲した状態で容器本体11の底部周縁や周縁部、あるいは蓋体14の周縁部に位置する。
【0020】
収納容器10の容器本体11と蓋体14とは、例えばポリブチレンテレフタレートやポリカーボネート等に帯電防止剤等が添加された所定の成形材料を使用してそれぞれ射出成形される。容器本体11は、図4に示すように、保持具1の中空フレーム2との間に大きな隙間が生じないよう略密嵌する大きさに形成され、底部の周縁に、蓋体14の表面周縁部に係止する複数のフック12が所定の間隔をおき起伏可能に軸支されており、周壁には、収納状態の保持具1の取り出しに資する複数の切り欠き13が所定の間隔をおいて周方向に切り欠かれる。
【0021】
各トレー20は、図6や図7に示すように、収納容器10の容器本体11あるいは蓋体14に嵌合して被覆・保護する嵌合被覆部21と、この嵌合被覆部21の周壁22に形成されて外方向に水平に伸長するフランジ部27と、このフランジ部27の一部分に形成される凹部30と、フランジ部27の残部分に形成される凸部31とを備え、合成樹脂製の柔軟なシートとテーパ付きの型とを用いてスタッキング可能な半透明に成形される。
【0022】
各トレー20は、例えば曲げ強度や可撓性のバランスに優れるポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ABS樹脂、アモルファスPETに帯電防止剤等が選択的に添加された成形材料からなるシートが熱成形、具体的には、真空成形又は圧空成形されることにより形成される。これらの成形材料の中でも、成形性、表面光沢、耐薬品性に優れ、可撓性の大きなポリプロピレンが最適である。
【0023】
トレー20の嵌合被覆部21は、図6や図7に示すように、収納容器10の大きさに対応する平面略円形の断面略U字形に凹み形成され、周壁22が底部方向(図7の下方向)から開口部方向(図7の上方向)に向かうに従い徐々に広がるよう選択的に傾斜形成されており、この傾斜する周壁22がスタッキング時に重なるトレー20同士の密嵌を回避するよう機能する。
【0024】
嵌合被覆部21は、その底部周縁23が段差付きに形成されて容器本体11の底部周縁あるいは蓋体14の周縁部を接触支持するとともに、収納された保持具1の中空フレーム2や半導体ウェーハWの非存在領域に間接的に対向(図1参照)し、底部周縁23の四隅部付近には、収納容器10のフック12の干渉を回避する回避部24がそれぞれ形成される(図6参照)。
【0025】
嵌合被覆部21の底部周縁23以外の部分25は、図1、図2、図6、図7に示すように、厚さ方向に浅く平面略円形に凹み形成されて容器本体11の底部あるいは蓋体14の表面に隙間をおいて対向し、中央に平面円形の衝撃吸収突部26が間隔をおき複数並べて形成される。各衝撃吸収突部26は、段差付きや中空円錐台形等の変形可能な衝撃吸収構造に形成され、梱包体40の落下時等に嵌合被覆部21の上下方向に変形して衝撃を緩和したり、吸収するよう機能する。
【0026】
フランジ部27は、嵌合被覆部21の周壁端部に一体形成されて平面略枠形を呈し、先端部に折り返し片28が一体形成されており、この折り返し片28が嵌合被覆部21の底部方向に指向して梱包体40の周壁内面に接触する。このフランジ部27の一部分、換言すれば、周縁部や四隅部は、嵌合被覆部21の内外方向に部分的に屈曲されてベローズ29を形成し、このベローズ29が梱包体40の落下時等に嵌合被覆部21の内外方向に伸縮して衝撃を緩和したり、吸収する。
【0027】
凹部30と凸部31は、フランジ部27の周縁部に形成されて平面視でベローズ29の外側に位置し、凹部30と凸部31との端部同士が直接突き合わされる。凹部30は、フランジ部27の表面の一部分に平面略U字形に凹み形成され、収納容器10が一対のトレー20に挟持される際、対向するトレー20の凸部31と着脱自在に嵌合される。また、凸部31は、フランジ部27の表面の残部分に平面略U字形に突出形成され、収納容器10が一対のトレー20に挟持される際、対向するトレー20の凹部30と着脱自在に嵌合される。
【0028】
梱包体40は、図1に示すように、開口した上部を複数のフラップ41により開閉する溝切り形の外装用段ボール箱からなるが、何らこれに限定されるものではない。例えば、テレスコープ形、組み立て形、差込形、ブリス形等の段ボール箱でも良い。
【0029】
上記構成において、複数の保持具1を収納した収納容器10を一対のトレー20に保持させ、その後、この一対のトレー20を梱包体40に収納する場合には、先ず、対向する一対のトレー20の嵌合被覆部21の間に収納容器10を挟持・内蔵し、この対向する一対のトレー20の凹部30と凸部31とを相互に嵌合させて一対のトレー20を密着させる。この際、嵌合被覆部21の底部周縁23は、容器本体11の底部周縁あるいは蓋体14の周縁部を接触支持し、半導体ウェーハWの存在領域に間接的に対向するのではなく、半導体ウェーハWの非存在領域である保持具1の中空フレーム2に間接的に対向する。
【0030】
一対のトレー20を密着させたら、開口した梱包体40に密着した一対のトレー20を上方から収納し、梱包体40の複数のフラップ41をそれぞれ折り曲げて開口部を閉じ、その後、閉じた複数のフラップ41を粘着テープ等で封止すれば、収納容器10を梱包して搬送、出荷、輸送等することができる。
【0031】
なお、梱包体40に一対のトレー20を収納する際、一対のトレー20をそのまま収納しても良いが、梱包体40の底部に緩衝用の厚紙を敷いたり、一対のトレー20を包装紙や包装袋で適宜包装しても良い。
【0032】
上記構成によれば、収納容器10を発泡体を介して単に収納するのではなく、衝撃吸収構造を有する一対のトレー20間に収納容器10を挟持・内蔵して梱包するので、ガタツキや強い衝撃を十分に吸収することができ、厚い半導体ウェーハWのみならず、厚さ100μm以下の薄く脆い半導体ウェーハWをもきわめて効果的に保護することができる。
【0033】
また、簡単に粉砕したり、嵩張る発泡体を使用せず、スタッキング可能な形状のトレー20を使用するので、著しい省スペース化や輸送コストの削減を図ることができ、しかも、焼却炉の寿命を縮めてしまうおそれもない。また、各トレー20の嵌合被覆部21の周壁22が底方向から開口方向に向かうに従い徐々に広がるので、複数のトレー20が深く積層嵌合することがなく、積層した複数のトレー20を容易に分離することができる。
【0034】
また、嵌合被覆部21の底部周縁23が半導体ウェーハWの存在領域に位置すると、梱包体40の落下時等の衝撃を十分に吸収することができず、梱包体40の接触衝撃部から収納容器10を経由して半導体ウェーハWに衝撃がそのまま伝達されて破損や割れ、ダイシングテープ3からの剥離を招くことになるが、本実施形態によれば、嵌合被覆部21の底部周縁23が半導体ウェーハWの非存在領域である保持具1の中空フレーム2に間接的に位置する。
【0035】
したがって、梱包体40の落下時等の衝撃を梱包体40の接触衝撃部からトレー20、収納容器10を経由して保持具1の中空フレーム2に伝達し、半導体ウェーハWに衝撃がそのまま伝達されるのを有効に抑制することが可能になる。このような作用効果により、梱包体40の落下時等の衝撃を十分に吸収することができ、半導体ウェーハWの効果的な保護が大いに期待できる。このような効果は、半導体ウェーハWの破損や割れ、ダイシングテープ3からの剥離を招き易い場合、すなわち収納容器10がその平面方向に落下した場合に特に有益である。
【0036】
また、複数の衝撃吸収突部26が容器本体11の底部あるいは蓋体14の表面に隙間をおいて対向するので、梱包体40の落下時等に各衝撃吸収突部26の変形量を大きくして衝撃緩和効果を向上させることが可能になる。また、シートを使用して各トレー20を真空成形又は圧空成形するので、パーティクルや塵埃の発生を未然に防ぐことが可能になる。さらに、凹部30と凸部31の両端部同士を隙間を介して突き合わせるのではなく、直接突き合わせるので、簡易な構成で外部からの気体の流入を抑制することができ、密封度の著しい向上が期待できる。
【0037】
なお、本発明に係る緩衝体及び梱包体40は、上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態では成形時のトレー20に帯電防止機能を付与したが、成形後のトレー20に帯電防止剤を吹き付けたり、コーティング等して帯電防止機能を付与しても良い。
【0038】
また、上下一対のトレー20ではなく、左右一対のトレー20を使用しても良い。また、嵌合被覆部21の底部周縁23からそれ以外の部分25にかけて複数の回避部24を形成しても良い。また、ベローズ29の山部分と谷部分間の高低差を変化させ、ベローズ29の緩衝機能に変更を加えることもできる。さらに、特に支障を来たさないのであれば、トレー20の凹部30と凸部31を省略することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る緩衝体及び梱包体の実施形態を模式的に示す透視断面説明図である。
【図2】本発明に係る緩衝体及び梱包体の実施形態を模式的に示す断面説明図である。
【図3】本発明に係る緩衝体及び梱包体の実施形態における収納容器を模式的に示す斜視説明図である。
【図4】本発明に係る緩衝体及び梱包体の実施形態における開口した収納容器と収納状態の保持具を模式的に示す斜視説明図である。
【図5】本発明に係る緩衝体及び梱包体の実施形態における保持具と半導体ウェーハを模式的に示す斜視説明図である。
【図6】本発明に係る緩衝体及び梱包体の実施形態における緩衝体のトレーを模式的に示す平面説明図である。
【図7】本発明に係る緩衝体及び梱包体の実施形態における緩衝体のトレーを模式的に示す側面説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 保持具
2 中空フレーム
3 ダイシングテープ(密着層)
10 収納容器
11 容器本体
14 蓋体
20 トレー
21 嵌合被覆部
22 周壁
23 底部周縁
25 底部周縁以外の部分
26 衝撃吸収突部
27 フランジ部
29 ベローズ
30 凹部
31 凸部
40 梱包体
W 半導体ウェーハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略有底筒形の容器本体の開口上部に蓋体を嵌め合わせた収納容器を可撓性を有する一対のトレーに挟み、収納容器には、基板、及びこの基板を中空フレーム内の密着層上に搭載する保持具の少なくともいずれかを収納する緩衝体であって、
各トレーは、収納容器の容器本体あるいは蓋体に嵌まる断面略U字形の嵌合被覆部と、この嵌合被覆部の周壁に形成されて外方向に伸びるフランジ部とを含み、嵌合被覆部の底部周縁を、容器本体の底部周縁あるいは蓋体の周縁部に接触させ、嵌合被覆部の底部周縁以外の部分を凹み形成して容器本体の底部あるいは蓋体に隙間をおいて対向させ、この嵌合被覆部の底部周縁以外の部分に中空の衝撃吸収突部を形成し、フランジ部の一部分を嵌合被覆部の内外方向に曲げてベローズを形成したことを特徴とする緩衝体。
【請求項2】
トレーは、フランジ部の一部分に形成される凹部と、フランジ部の残部分に形成される凸部とを含み、収納容器を一対のトレーに挟む際、一方のトレーの凹部と他方のトレーの凸部とを嵌め合わせるようにした請求項1記載の緩衝体。
【請求項3】
トレーに帯電防止機能を付与した請求項1又は2記載の緩衝体。
【請求項4】
トレーを真空成形あるいは圧空成形した請求項1、2、又は3記載の緩衝体。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれかに記載の緩衝体を収納することを特徴とする梱包体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−222293(P2008−222293A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66567(P2007−66567)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】