緩衝包装材
【課題】外装箱の稜部や角部においても、良好な緩衝効果を発揮できて、外装箱の稜部や角部に大きな凹みや破損を生じさせないように工夫した緩衝包装材を提供する。
【解決手段】本体部21の上面側に被包装物の下部を挿入できる収納凹部22を有する下部包装材2と、本体部11の下面側に被包装物の上部を挿入できる収納凹部12を有する上部包装材1とからなり、下部包装材2および上部包装材1の収納凹部22および12を囲む側壁25および15の外面に、それぞれ外方に突出して外装箱Cの内面に当接する側部用の緩衝突起27および17を設け、下部包装材2および上部包装材1には、それぞれ前記側壁によるコーナー部28および18の外側面に、外方へ斜めに突出して外装箱の稜部両側内面に当接もしくは近接する稜部用の緩衝突起29および19を設ける。
【解決手段】本体部21の上面側に被包装物の下部を挿入できる収納凹部22を有する下部包装材2と、本体部11の下面側に被包装物の上部を挿入できる収納凹部12を有する上部包装材1とからなり、下部包装材2および上部包装材1の収納凹部22および12を囲む側壁25および15の外面に、それぞれ外方に突出して外装箱Cの内面に当接する側部用の緩衝突起27および17を設け、下部包装材2および上部包装材1には、それぞれ前記側壁によるコーナー部28および18の外側面に、外方へ斜めに突出して外装箱の稜部両側内面に当接もしくは近接する稜部用の緩衝突起29および19を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として半導体ウエハー等を収納した基板収納ボックスその他の被包装物を外装箱に収納して包装する際に、該被包装物を保護するのに使用する緩衝包装材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路に使用する半導体ウエハーは、他物との接触による衝撃や汚れ等が品質の維持に問題になるきわめて繊細な製品であり、また高価でもあることから、その輸送においては、ウエハーの保護や安全のために、プラスチックス製で保形強度のある専用の基板収納ボックス(ハードケース)を用い、所要数枚のウエハーを一定間隔に並べて収納し包装するのが普通である。かかる基板収納ボックスは、殆ど緩衝機能を有していないために、そのまま輸送すると、外部からの衝撃により内部のウエハーが損傷する虞がある。そのため、合成樹脂発泡体よりなる緩衝包装材により、前記基板収納ボックスの上下部を保持した状態で段ボール製の外装箱に収納して包装することとして衝撃を緩和、抑制し、ウエハーを保護することが行われている。
【0003】
前記の包装に用いられる緩衝包装材は、前記基板収納ボックス等の被包装物の上下部をそれぞれ嵌合して保持する上下一対の包装材よりなるものであるが、外装箱の外面に加わる衝撃を吸収し緩和する効果を高めるために、上下の包装材の外周面に放射状に突出する角状の緩衝用の突起を設け、これを段ボール製の外装箱の内面に当接させて支持し、外装箱の外面に対する外力に対して該突起の弾性変形により緩衝の効果を得るようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1)。また、前記同様の突起を外側面に設けたものとして、方形の本体部の角部において、側面延長方向に突出する突起を、外装箱との間に空間を保有させるように設けることも提案されている(特許文献2)。
【0004】
しかし、前記いずれの緩衝包装材の場合も、本体部の外側面に設けた突起を外装箱に対して当接させて支持するものであって、突起以外の部分では本体部と外装箱との間に空間を保有し該部分には突起による支えを有さないため、外的衝撃や圧力に対して弱く、他物との衝突等により外装箱に凹みが生じ易く、特に外装箱の底部側の角部や稜部が大きく凹む等の変形が生じ易い。
【0005】
仮に、底部側の角部や稜部に大きな変形が生じると、座りが悪くなって、段積みした場合に不安定になる上、外観的に不体裁で商品イメージが悪くなり、内部のウエハー等の基板に影響がなくてもユーザーに不安を与え、信頼性を損なう虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−26232号公報
【特許文献2】特開2007−119020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題を解消するためになしたものであり、外装箱の稜部や角部においても、緩衝突起による支えの効果および緩衝効果を良好に発揮でき、外装箱の稜部や角部に大きな凹みや破損を生じさせないようにした緩衝包装材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する本発明は、合成樹脂発泡体によりそれぞれ成形された上下一対の包装材で、平面方形の本体部の上面側に被包装物の下部を挿入できる収納凹部を有する下部包装材と、平面方形の本体部の下面側に被包装物の上部を挿入できる収納凹部を有する上部包装材とからなり、前記下部包装材および上部包装材の前記収納凹部を囲む四方の側壁外面に、それぞれ外方に突出して外装箱内面に当接する側部用の緩衝突起が設けられてなる緩衝包装材であって、前記下部包装材および上部包装材には、それぞれ前記側壁外側面が交わるコーナー部の外面に、外方へ斜めに突出して外装箱の側面部における稜部両側内面に当接もしくは近接する稜部用の緩衝突起が設けられてなることを特徴とする。
【0009】
この緩衝包装材によれば、基板収納ボックス等の被包装物の下部を下部包装材の収納凹部に挿入し、上部を上部包装材の収納凹部に挿入して保持し、外装箱に収納し包装した状態において、下部包装材および上部包装材の側壁外面に有する側部用の緩衝突起が外装箱内面に当接して支持されるとともに、稜部用の緩衝突起が外装箱の稜部の両側内面に当接もしくは近接して支持されることになるため、外装箱に他物当接や落下による外力が作用したときに、前記各緩衝突起が弾性変形して衝撃を吸収し緩和できるばかりか、特に、外装箱の稜部が外的圧力に対して強くなり、例えば斜め落下の際にも稜部や隅角部が容易に大きく凹んだり破損したりすることがない。
【0010】
前記の緩衝包装材において、前記下部包装材の底部下面には外装箱の底部に当接する底部受用の凸部が、前記上部包装材の天部上面には外装箱の天部に当接する天部受用の凸部がそれぞれ設けられており、前記下部包装材および上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起が、前記底部受用の凸部又は天部受用の凸部と同一平面位置まで延設されて、外装箱の底部内面又は天部内面に当接するように設けられてなるものとするのが好ましい。これにより、底部および天部の緩衝性も良好に保持される上、延設された前記緩衝突起の端部が外装箱の稜部や隅角部の支えの役目を果たすことになり、外装箱の稜部や隅角部の凹み防止を良好になすことができる。
【0011】
前記の緩衝包装材において、前記下部包装材の稜部用の緩衝突起および稜部に近い側部用の緩衝突起の底部側の端部が底部下面の四隅部に有する底部緩衝用の凸部に連続して形成されてなるものとすることができる。さらに、前記上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の天部側の端部が、天部上面の四隅部もしくはその近傍に有する天部受用の凸部に連続して形成されてなるものとすることもできる。これにより、底部受用の凸部或いは天部受用の凸部による外装箱の底部および天部に対する当接面積が増し安定した支持状態を保持できるばかりか、外装箱の稜部や隅角部の凹み防止の効果をさらに高めることができる。
【0012】
前記の緩衝包装材において、前記下部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の底部側の端面、および前記上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の天部側の端面が、それぞれ斜めに面取り形成されてなるものが好ましい。これにより、外装箱の稜部や角部に強い力が作用して潰れが生じたときに、先ず外装箱が潰れることにより衝撃を緩和できて、前記緩衝突起の部分に直に強い力が作用するのを防止できる。
【0013】
前記の緩衝包装材において、前記下部包装材の底部下面および上部包装材の天部上面がそれぞれ平坦面とされ、下部包装材の底部上面に被包装物の底部受用の凸部が、また上部包装材の天部下面に被包装物の天部受用の凸部がそれぞれ設けられてなるものとすることもできる。この場合において、前記下部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の底部側の端面、および前記上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の天部側の端面が、それぞれ斜めに面取り形成されてなるものとすることもできる。この場合も、外装箱の稜部や角部に潰れが生じたときに、前記緩衝突起の部分に直に強い力が作用するのを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
上記した本発明の緩衝包装材によれば、包装状態において、上下部包装材の稜部用の緩衝突起が外装箱の稜部両側内面に当接もしくは近接して支持されることで、稜部や隅角部においても良好な緩衝効果を発揮できるとともに、外装箱の稜部や隅角部が容易に過度に大きく凹んだり破損したりすることがないため、保管時や輸送時の座りが悪くなったり、段積みした場合に不安定になることがなく、外観的な体裁もよく、商品イメージが悪くなったり、使用者に不安を与える虞もない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施例の緩衝包装材の上部包装材と下部包装材の斜視図である。
【図2】同上の上部包装材と下部包装材の半部を縦断した正面図である。
【図3】同上の下部包装材の平面図である。
【図4】同上の下部包装材の底面図である。
【図5】同上の上部包装材と下部包装材の包装状態での断面図である。
【図6】同上の包装状態の外装箱を断面した一部の拡大正面図(a)と底面図(b)である。
【図7】本発明の第2の実施例の緩衝包装材の上部包装材と下部包装材の斜視図である。
【図8】同上の上部包装材と下部包装材の正面図である。
【図9】同上の下部包装材の底面図である。
【図10】同上の上部包装材と下部包装材の包装状態での断面図である。
【図11】同上の包装状態の外装箱を断面した一部の拡大正面図(a)と底面図(b)である。
【図12】本発明の第3の実施例の上部包装材と下部包装材の正面図である。
【図13】同上の下部包装材の底面図である。
【図14】同上の上部包装材と下部包装材の包装状態での断面図である。
【図15】同上の包装状態の外装箱を断面した一部の拡大正面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施例を示す下部包装材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図6の第1の実施例において、この実施例の緩衝包装材A1は、それぞれ緩衝効果のある合成樹脂発泡体(例えば発泡性ビーズの型内発泡成形体)から成形された上下で対をなす上部包装材1と下部包装材2とよりなる。
【0018】
これらの包装材は、任意の発泡樹脂成形体で作ることができるが、熱可塑性樹脂の発泡成形体であることが好ましい。熱可塑性樹脂にはポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリスチレンとポリエチレンを含む複合樹脂を用いることが好ましい。また、前記発泡体の発泡倍率は3〜50倍が好ましい。
【0019】
本発明の緩衝包装材A1が対象とする被包装物は、例えば、半導体ウエハー等の基板を一定間隔の並列状態に保持して収納する適度に剛性のあるプラスチック製の専用の基板収納ボックスBであり、通常、下部のボックス本体b1とこれに被着自在な上部の蓋b2とよりなり、コーナー部に丸みをつけた平面方形をなしている。図の場合は、上部側と下部側を簡略化して示している。上部包装材1と下部包装材2からなる本発明の緩衝包装材A1は、前記基板収納ボックスBを段ボール製の外装箱Cに収納して包装するのに使用するもので、下記の構成を備えている。
【0020】
先ず、下部包装材2について説明すると、平面方形をなす本体部21の上面側に、平面方形の前記被包装物Bの下部を挿入して嵌合状態でガタつきを生じさせないように保持できる角形の収納凹部22が設けられている。23は前記本体部21における底部であり、該底部23の下面23aには、段ボール製の外装箱Cに収納した包装状態において該外装箱Cの底部c2に当接する底部受用の凸部24が設けられており、外装箱Cとの間に空間を保有できるようになっている。この実施例の場合、底部下面23aの前後左右に所定の間隔をおいて、例えば図のように底部下面23aの四隅部に四つの凸部24が設けられている。
【0021】
前記収納凹部22には、該収納凹部22を囲む四方の側壁25の周長方向(本体部の辺の長さ方向)の中央部内側に前記基板収納ボックスBの下部の四方側面に有する凹部b1−1,b1−2に嵌合する凸部26が設けられている。図の場合、各側壁25の中央部が落とし込まれて前記凸部26が形成されている。
【0022】
前記収納凹部22を囲む各側壁25には、それぞれ外方に突出して段ボール製の外装箱Cの側部内面に当接する側部用の緩衝突起27が設けられている。前記緩衝突起27は、例えば図のように各側壁外面の前記周長方向に間隔をおいて本体部21の平面におけるコーナー部つまり各側壁外面が交わるコーナー部28に近い位置の2個所、またはそれ以上の個所に設けられている。これにより、前記側壁25の外面と外装箱Cの側部内面との間に、前記緩衝突起27の突出高さに相当する所要の空間を保有できるようになっている。
【0023】
本発明の場合は、前記側部用の緩衝突起27に加えて、各側壁25の外面が交わる前記コーナー部28に、外方へ斜めに突出して外装箱Cの側面による稜部の両側内面に当接もしくは僅かな間隙を存して近接する稜部用の緩衝突起29が設けられており、これにより外装箱Cの底部c2に近い側面による稜部を内側から支えることができるように形成されている。
【0024】
前記稜部用の緩衝突起29は、後述する第2の実施例のように、本体部21の側方のみに突出するものであってもよいが、この第1の実施例の場合は、底部23側の端部が底部受用の凸部24と同一平面位置まで延設され、さらに、延設された端部が前記底部下面23aにおける四隅部もしくはその近傍に有する底部受用の凸部24に連続して形成されており、該緩衝突起29が、底部受用の凸部24と共に底部23を受ける役目も果たすように設けられている。
【0025】
図示する実施例の場合は、前記下部包装材2の本体部21の前記コーナー部28に近い側部用の緩衝突起27についても、底部23側の端部が前記凸部24と同一平面位置まで延設されるとともに、底部下面23aの底部用の凸部24に連続して形成されている。
【0026】
図の場合、前記稜部用の緩衝突起29および側部用の緩衝突起27の底部側の端面(下面)29aが突出先端側ほど上方位置になるように面取り状に斜めに形成されて、前記凸部24に連続しており、これにより外装箱Cに収納した包装状態において、外装箱Cの底部c2と側面部c3との間の稜部の内側、および隅角部の内側に三角形の小さい空隙S2を保有できようになっている。
【0027】
また、前記上部包装材1は、平面図および底面図の図示を省略しているが、基本的に下部包装材2と上下に略対称形をなしているもので、平面方形をなす本体部11の下面側に、平面方形の前記被包装物Bの蓋部b2による上部を挿入して嵌合状態でガタつきを生じさせないように保持できる角形の収納凹部12が設けられている。また、前記本体部11における天部13の上面(外側面)13aには、段ボール製の外装箱Cでの包装状態において外装箱Cの天部c1に当接する天部受用の複数の凸部14が前後左右に間隔をおいて、例えば図のように天部上面13aの四隅部に設けられており、外装箱Cとの間に空間を保有できるようになっている。
【0028】
ただし、前記収納凹部12は前記下部包装材2における凸部26に相当する構成を有しておらず、前記基板収納ボックスBの上部を嵌合できるように形成されている。
【0029】
そして、前記収納凹部12を囲む各側壁15には、それぞれ外方に突出して外装箱Cの内面に当接する側部用の緩衝突起17が、上記の下部包装材2と同様に、各側壁外面の周長方向に間隔をおいて各側壁15が交わるコーナー部18に近い位置の2個所又はそれ以上の数個所に設けられており、前記側壁15の外面と外装箱C内面との間に、該緩衝突起17の突出高さに相当する所要の空間を保有できるようになっている。
【0030】
さらに、前記側部用の緩衝突起17に加えて、前記コーナー部18に、外方へ斜めに突出して外装箱Cの側面部による稜部の両側内面に当接もしくは僅かな間隙を存して近接する稜部用の緩衝突起19が設けられている。
【0031】
前記稜部用の緩衝突起19は、下部包装材2と同様に、天部側の端部が天部受用の凸部14と同一平面位置まで延設され、さらに、延設された端部が前記天部上面13aにおける四隅部もしくはその近傍に有する底部受用の凸部14に連続して形成されており、該緩衝突起19が、底部受用の凸部14と共に底部13を受ける役目も果たすように設けられている。
【0032】
図示する実施例の場合は、前記上部包装材1の本体部11の前記コーナー部18に近い側部用の緩衝突起17についても、天部23側の端部が前記凸部14と同一平面位置まで延設されるとともに、天部上面13aの天部用の凸部14に連続して形成されている。
【0033】
さらに、この上部包装材1についても、前記稜部用の緩衝突起19および側部用の緩衝突起17の天部側の端面(上面)19aが突出先端側ほど下方位置になるように斜めに形成されて、前記凸部14に連続しており、これにより外装箱Cに収納した包装状態において、外装箱Cの天部c1と側面部c3との間の稜部の内側、および隅角部の内側に三角形の小さい空隙S1を保有できようになっている。
【0034】
なお、前記上部包装材1の側部用の緩衝凸起17および稜部用の緩衝突起19、並びに、下部包装材2の側部用の緩衝凸起27および稜部用の緩衝突起29は、図のように平面台形で、上下方向にリブ状に延びる突起のほか、例えば角柱状や円柱状あるいは半球状等の種々の形態による実施が可能である。
【0035】
上記した実施例の緩衝包装材A1を用いる包装状態について説明する。
【0036】
図のようにウエハー専用の平面方形の基板収納ボックスBを被包装物として包装する場合、ウエハーを収納した該被包装物Bのボックス本体b1による下部を下部包装材2の収納凹部22に挿入し嵌合状態に保持する。通常、前記下部包装材2を外装箱C内の底部上にセットしておいて、該下部包装材2の収納凹部22に前記基板収納ボックスBの下部を上方より収納し嵌合状態に保持する。この後、上部包装材1を前記基板収納ボックスBの上部に被せ、該上部包装材1の下面側に有する収納凹部12に前記基板収納ボックスBの上部を嵌合状態に保持する。こうして外装箱Cの上部の天部c1となるフラップを閉じて包装する。
【0037】
この包装状態においては、平面方形の被包装物Bの上下部がそれぞれ上部包装材1と下部包装材2より嵌合状態で受支されて安定性よく保持される。そして緩衝包装材A1の下部包装材2および上部包装材1が、それぞれ本体部21および11の側壁外側面に有する側部用の緩衝突起27および17が外装箱Cの側部内面に当接するとともに、特に稜部用の緩衝突起29および19が外装箱Cの稜部両側内面に当接もしくは近接している。そのため、輸送中や運搬等の取り扱いにおいて、外装箱Cに対し外力や外的衝撃が作用したときは、前記側部用の緩衝突起27および17並びに稜部用の緩衝突起29および19が弾性変形することで衝撃を緩和できる。
【0038】
特に、外装箱Cの底部および天部近傍の稜部が前記稜部用の緩衝突起29および19により支えられ、隅角部等に従来のような大きな空間を有さないため、他物との接触や斜め落下等により外装箱Cの稜部や隅角部に大きな外力が作用しても、該稜部における過度の大きな凹み変形を前記緩衝突起29および19により抑制できる。このため、包装状態において、座りが悪くなったり段積み状態が不安定になることがなく、輸送先に不安感を与える心配がない。
【0039】
特に、前記下部包装材2および上部包装材1の稜部用の緩衝突起29および19の底部側または天部側の端部が、底部受用の凸部24あるいは天部受用の凸部14と同一平面位置まで延設されていること、さらには該凸部24又は14に連続していることで、外装箱Cの底部と側面部との間の稜部や隅角部の内側も前記緩衝突起29および19により支えられることになり、外装箱Cの底部c2や天部c1の四辺の稜部および四隅の隅角部における大きな凹み変形が生じるのを防止でき、包装状態の保形性がよく、被包装物である基板収納ボックスBの保護を良好になし得る。
【0040】
図7〜図11は第2の実施例を示している。この第2の実施例において、上記した第1の実施例と実質的に同じ構成部分については、同符号を付して詳しい説明を省略する。
【0041】
この第2の実施例の緩衝包装材A2においては、下部包装材2において、前記側部用の緩衝突起27および稜部用の緩衝突起29は、底部側の端部が底部受用の凸部24と同一平面位置まで延設されることなく、本体部21の側方のみに突出形成されている。また、前記下部包装材2と上下に対をなす上部包装材1についても、前記側部用の緩衝突起17および稜部用の緩衝突起19は、底部側の端部が底部受用の凸部14と同一平面位置まで延設されることなく、本体部11の側方のみに突出形成されている。
【0042】
また、下部包装材2における前記稜部用の緩衝突起29の底部側の端面、並びに上部包装材1の稜部用の緩衝突起19の天部側の端面が、それぞれ斜めに面取り形成されて底部下面23aおよび天部上面13aに連続してしている。
【0043】
この第2の実施例の場合も、ウエハー専用の平面方形の基板収納ボックスBを被包装物として包装する場合、ウエハーを収納した前記基板収納ボックスBの下部を、上記した第1の実施例と同様に、例えば外装箱C内の底部上にセットした下部包装材2の収納凹部22に挿入し嵌合状態に保持する。この後、上部包装材1を前記基板収納ボックスBの上部に被せ、該上部包装材1の下面側に有する収納凹部12に前記基板収納ボックスBの上部を嵌合状態に保持する。こうして外装箱Cの天部のフラップを閉じて包装する。
【0044】
この包装状態においては、被包装物である基板収納ボックスBの上下部がそれぞれ上部包装材1と下部包装材2より嵌合状態で受支されて安定性よく保持される。そして緩衝包装材A2の下部包装材2および上部包装材1が、それぞれ本体部21および11の側壁外側面に有する側部用の緩衝突起27および17が外装箱Cの側部内面に当接するとともに、特に稜部用の緩衝突起29および19が外装箱Cの稜部の両側内面に当接もしくは近接している。このため、輸送中や運搬等の取り扱いにおいて、他物との接触等のために、外装箱Cに対し外力や外的衝撃が作用したときは、前記側部用の緩衝突起27および17、並びに稜部用の緩衝突起29および19が弾性変形することで衝撃を緩和できる。
【0045】
しかも、外装箱Cの上下部における側面部c3による稜部が前記稜部用の緩衝突起29および19により支えられるために、該稜部における過度の大きな凹み変形を前記緩衝突起29および19により抑制できる。このため、外装箱Cの座りが悪くなったり、段積み状態が不安定になることがなく、使用者に不安感を与える心配がない。
【0046】
図12〜図15は、本発明の緩衝包装材A3の第3の実施例を示しており、この第3の実施例において、上記した第1の実施例および第2の実施例と実質的に同じ構成部分については、同符号を付して詳しい説明を省略する。
【0047】
この第3の実施例の緩衝包装材A3においては、上記した第1の実施例および第2の実施例とは違い、下部包装材2の本体部21における底部23の下面23aおよび上部包装材1の本体部11における天部13の上面13aは、底部受用および天部受用の凸部を有さない平坦面とされるとともに、該底部23の上面(内面)23bおよび天部13の下面(内面)13bに、底部受用の凸部124および天部受用の凸部114がそれぞれ設けられており、該凸部124および114により被包装物としての基板収納ボックスBの底部および天部を受けることで、該基板収納ボックスBと前記底部23および天部13との間に空隙を保有して、緩衝効果を発揮できるようになっている。
【0048】
この第3の実施例の場合、第2の実施例と同様に、前記下部包装材2の本体部21および上部包装材1の本体部11の各側壁25および15の外側面に側部用の緩衝突起27および17が設けられるとともに、該側壁25および15のコーナー部28および18の外面に、斜めに外方へ突出して外装箱Cの稜部の両側内面に当接もしくは近接する稜部用の緩衝突起29および19が設けられている。
【0049】
この第3の実施例の場合も、ウエハーを収納した前記基板収納ボックスBの下部を、上記した第1の実施例と同様に、例えば外装箱C内の底部上にセットした下部包装材2の収納凹部22に挿入し嵌合状態に保持する。この後、上部包装材1を前記基板収納ボックスBの上部に被せ、該上部包装材1の下面側に有する収納凹部12に前記基板収納ボックスBの上部を嵌合状態に保持する。こうして外装箱Cの天部c1となるフラップを閉じて包装する。
【0050】
この包装状態においては、被包装物としての前記基板収納ボックスBの上下部がそれぞれ下部包装材2と上部包装材1により、収納凹部22および12に嵌合した状態で底部受用の凸部124および天部受用の凸部114に支えられて保持される。そして、緩衝包装材A3の下部包装材2および上部包装材1が、それぞれ本体部21および11の側壁外側面に有する側部用の緩衝突起27および17が外装箱Cの側部内面に当接するとともに、特に稜部用の緩衝突起29および19が外装箱Cの稜部両側内面に当接もしくは近接している。そのため、輸送中や運搬等の取り扱いにおいて、他物との接触等のために、外装箱Cに対し外力や外的衝撃が作用したときは、前記側部用の緩衝突起27および17並びに稜部用の緩衝突起29および19が弾性変形することで衝撃を緩和できる。
【0051】
しかも、外装箱Cの底部側および天部側の側面による稜部が前記稜部用の緩衝突起29および19により支えられるために、該稜部における過度の大きな凹み変形を前記緩衝突起29および19により抑制できる。このため、包装状態において、外装箱Cの座りが悪くなったりも、段積み状態が不安定になることがなく、使用者に不安感を与える心配がない。また、外装箱Cの底部c2および天部c1は、前記のように下部包装材2の底部下面23aおよび上部包装材1の天部上面13aがそれぞれ当接しているために凹み変形が抑制される。
【0052】
なお、上記した第1〜第3の各実施例においては、いずれも、上下で対をなす下部包装材2と上部包装材1とが、一つの被包装物を収納保持して、外装箱そ内に収納して包装する場合について説明したが、このほか、例えば上記した実施例の緩衝包装材を二つもしくは複数個を外装箱内に並べて収納して、複数個の被包装物を同時に包装するように使用することができる。
【0053】
また、図16に下部包装材2を示すように、上下に対をなす下部包装材と上部包装材とを、それぞれ平面長方形にして、上下部包装材の本体部にそれぞれ二つの収納凹部を設定して上記同様に実施することもできる。この場合、図16の例のように、本体部21における二つの収納凹部22,22間では両者の側壁25が仕切壁を兼ねる構成とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、半導体ウエハー等の基板、ガラス基板等の繊細な各種の基板を収納した基板収納ボックスを外装箱に収納して包装するのに好適に利用できるほか、高い緩衝保護の効果が求められる他の被包装物の包装にも好適に利用できる。
【符号の説明】
【0055】
A1,A2,A3…緩衝包装材、B…被包装物、b1…ボックス本体、b2…蓋、C…外装箱、c1…天部、c2…底部、c3…側面部、1…上部包装材、11…本体部、12…収納凹部、13…天部,13a…天部上面、14,114…天部受用の凸部、15…側壁、16…凸部、17…側部用の緩衝突起、18…コーナー部、19…稜部用の緩衝突起、19a…端面、2…下部包装材、21…本体部、22…収納凹部、23…底部、23a…底部下面、24,124…底部受用の凸部、25…側壁、26…凸部、27…側部用の緩衝突起、28…コーナー部、29…稜部用の緩衝突起、29a…端面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として半導体ウエハー等を収納した基板収納ボックスその他の被包装物を外装箱に収納して包装する際に、該被包装物を保護するのに使用する緩衝包装材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積回路に使用する半導体ウエハーは、他物との接触による衝撃や汚れ等が品質の維持に問題になるきわめて繊細な製品であり、また高価でもあることから、その輸送においては、ウエハーの保護や安全のために、プラスチックス製で保形強度のある専用の基板収納ボックス(ハードケース)を用い、所要数枚のウエハーを一定間隔に並べて収納し包装するのが普通である。かかる基板収納ボックスは、殆ど緩衝機能を有していないために、そのまま輸送すると、外部からの衝撃により内部のウエハーが損傷する虞がある。そのため、合成樹脂発泡体よりなる緩衝包装材により、前記基板収納ボックスの上下部を保持した状態で段ボール製の外装箱に収納して包装することとして衝撃を緩和、抑制し、ウエハーを保護することが行われている。
【0003】
前記の包装に用いられる緩衝包装材は、前記基板収納ボックス等の被包装物の上下部をそれぞれ嵌合して保持する上下一対の包装材よりなるものであるが、外装箱の外面に加わる衝撃を吸収し緩和する効果を高めるために、上下の包装材の外周面に放射状に突出する角状の緩衝用の突起を設け、これを段ボール製の外装箱の内面に当接させて支持し、外装箱の外面に対する外力に対して該突起の弾性変形により緩衝の効果を得るようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1)。また、前記同様の突起を外側面に設けたものとして、方形の本体部の角部において、側面延長方向に突出する突起を、外装箱との間に空間を保有させるように設けることも提案されている(特許文献2)。
【0004】
しかし、前記いずれの緩衝包装材の場合も、本体部の外側面に設けた突起を外装箱に対して当接させて支持するものであって、突起以外の部分では本体部と外装箱との間に空間を保有し該部分には突起による支えを有さないため、外的衝撃や圧力に対して弱く、他物との衝突等により外装箱に凹みが生じ易く、特に外装箱の底部側の角部や稜部が大きく凹む等の変形が生じ易い。
【0005】
仮に、底部側の角部や稜部に大きな変形が生じると、座りが悪くなって、段積みした場合に不安定になる上、外観的に不体裁で商品イメージが悪くなり、内部のウエハー等の基板に影響がなくてもユーザーに不安を与え、信頼性を損なう虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−26232号公報
【特許文献2】特開2007−119020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題を解消するためになしたものであり、外装箱の稜部や角部においても、緩衝突起による支えの効果および緩衝効果を良好に発揮でき、外装箱の稜部や角部に大きな凹みや破損を生じさせないようにした緩衝包装材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する本発明は、合成樹脂発泡体によりそれぞれ成形された上下一対の包装材で、平面方形の本体部の上面側に被包装物の下部を挿入できる収納凹部を有する下部包装材と、平面方形の本体部の下面側に被包装物の上部を挿入できる収納凹部を有する上部包装材とからなり、前記下部包装材および上部包装材の前記収納凹部を囲む四方の側壁外面に、それぞれ外方に突出して外装箱内面に当接する側部用の緩衝突起が設けられてなる緩衝包装材であって、前記下部包装材および上部包装材には、それぞれ前記側壁外側面が交わるコーナー部の外面に、外方へ斜めに突出して外装箱の側面部における稜部両側内面に当接もしくは近接する稜部用の緩衝突起が設けられてなることを特徴とする。
【0009】
この緩衝包装材によれば、基板収納ボックス等の被包装物の下部を下部包装材の収納凹部に挿入し、上部を上部包装材の収納凹部に挿入して保持し、外装箱に収納し包装した状態において、下部包装材および上部包装材の側壁外面に有する側部用の緩衝突起が外装箱内面に当接して支持されるとともに、稜部用の緩衝突起が外装箱の稜部の両側内面に当接もしくは近接して支持されることになるため、外装箱に他物当接や落下による外力が作用したときに、前記各緩衝突起が弾性変形して衝撃を吸収し緩和できるばかりか、特に、外装箱の稜部が外的圧力に対して強くなり、例えば斜め落下の際にも稜部や隅角部が容易に大きく凹んだり破損したりすることがない。
【0010】
前記の緩衝包装材において、前記下部包装材の底部下面には外装箱の底部に当接する底部受用の凸部が、前記上部包装材の天部上面には外装箱の天部に当接する天部受用の凸部がそれぞれ設けられており、前記下部包装材および上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起が、前記底部受用の凸部又は天部受用の凸部と同一平面位置まで延設されて、外装箱の底部内面又は天部内面に当接するように設けられてなるものとするのが好ましい。これにより、底部および天部の緩衝性も良好に保持される上、延設された前記緩衝突起の端部が外装箱の稜部や隅角部の支えの役目を果たすことになり、外装箱の稜部や隅角部の凹み防止を良好になすことができる。
【0011】
前記の緩衝包装材において、前記下部包装材の稜部用の緩衝突起および稜部に近い側部用の緩衝突起の底部側の端部が底部下面の四隅部に有する底部緩衝用の凸部に連続して形成されてなるものとすることができる。さらに、前記上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の天部側の端部が、天部上面の四隅部もしくはその近傍に有する天部受用の凸部に連続して形成されてなるものとすることもできる。これにより、底部受用の凸部或いは天部受用の凸部による外装箱の底部および天部に対する当接面積が増し安定した支持状態を保持できるばかりか、外装箱の稜部や隅角部の凹み防止の効果をさらに高めることができる。
【0012】
前記の緩衝包装材において、前記下部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の底部側の端面、および前記上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の天部側の端面が、それぞれ斜めに面取り形成されてなるものが好ましい。これにより、外装箱の稜部や角部に強い力が作用して潰れが生じたときに、先ず外装箱が潰れることにより衝撃を緩和できて、前記緩衝突起の部分に直に強い力が作用するのを防止できる。
【0013】
前記の緩衝包装材において、前記下部包装材の底部下面および上部包装材の天部上面がそれぞれ平坦面とされ、下部包装材の底部上面に被包装物の底部受用の凸部が、また上部包装材の天部下面に被包装物の天部受用の凸部がそれぞれ設けられてなるものとすることもできる。この場合において、前記下部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の底部側の端面、および前記上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の天部側の端面が、それぞれ斜めに面取り形成されてなるものとすることもできる。この場合も、外装箱の稜部や角部に潰れが生じたときに、前記緩衝突起の部分に直に強い力が作用するのを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
上記した本発明の緩衝包装材によれば、包装状態において、上下部包装材の稜部用の緩衝突起が外装箱の稜部両側内面に当接もしくは近接して支持されることで、稜部や隅角部においても良好な緩衝効果を発揮できるとともに、外装箱の稜部や隅角部が容易に過度に大きく凹んだり破損したりすることがないため、保管時や輸送時の座りが悪くなったり、段積みした場合に不安定になることがなく、外観的な体裁もよく、商品イメージが悪くなったり、使用者に不安を与える虞もない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施例の緩衝包装材の上部包装材と下部包装材の斜視図である。
【図2】同上の上部包装材と下部包装材の半部を縦断した正面図である。
【図3】同上の下部包装材の平面図である。
【図4】同上の下部包装材の底面図である。
【図5】同上の上部包装材と下部包装材の包装状態での断面図である。
【図6】同上の包装状態の外装箱を断面した一部の拡大正面図(a)と底面図(b)である。
【図7】本発明の第2の実施例の緩衝包装材の上部包装材と下部包装材の斜視図である。
【図8】同上の上部包装材と下部包装材の正面図である。
【図9】同上の下部包装材の底面図である。
【図10】同上の上部包装材と下部包装材の包装状態での断面図である。
【図11】同上の包装状態の外装箱を断面した一部の拡大正面図(a)と底面図(b)である。
【図12】本発明の第3の実施例の上部包装材と下部包装材の正面図である。
【図13】同上の下部包装材の底面図である。
【図14】同上の上部包装材と下部包装材の包装状態での断面図である。
【図15】同上の包装状態の外装箱を断面した一部の拡大正面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施例を示す下部包装材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図6の第1の実施例において、この実施例の緩衝包装材A1は、それぞれ緩衝効果のある合成樹脂発泡体(例えば発泡性ビーズの型内発泡成形体)から成形された上下で対をなす上部包装材1と下部包装材2とよりなる。
【0018】
これらの包装材は、任意の発泡樹脂成形体で作ることができるが、熱可塑性樹脂の発泡成形体であることが好ましい。熱可塑性樹脂にはポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂等が挙げられる。なかでも、ポリスチレンとポリエチレンを含む複合樹脂を用いることが好ましい。また、前記発泡体の発泡倍率は3〜50倍が好ましい。
【0019】
本発明の緩衝包装材A1が対象とする被包装物は、例えば、半導体ウエハー等の基板を一定間隔の並列状態に保持して収納する適度に剛性のあるプラスチック製の専用の基板収納ボックスBであり、通常、下部のボックス本体b1とこれに被着自在な上部の蓋b2とよりなり、コーナー部に丸みをつけた平面方形をなしている。図の場合は、上部側と下部側を簡略化して示している。上部包装材1と下部包装材2からなる本発明の緩衝包装材A1は、前記基板収納ボックスBを段ボール製の外装箱Cに収納して包装するのに使用するもので、下記の構成を備えている。
【0020】
先ず、下部包装材2について説明すると、平面方形をなす本体部21の上面側に、平面方形の前記被包装物Bの下部を挿入して嵌合状態でガタつきを生じさせないように保持できる角形の収納凹部22が設けられている。23は前記本体部21における底部であり、該底部23の下面23aには、段ボール製の外装箱Cに収納した包装状態において該外装箱Cの底部c2に当接する底部受用の凸部24が設けられており、外装箱Cとの間に空間を保有できるようになっている。この実施例の場合、底部下面23aの前後左右に所定の間隔をおいて、例えば図のように底部下面23aの四隅部に四つの凸部24が設けられている。
【0021】
前記収納凹部22には、該収納凹部22を囲む四方の側壁25の周長方向(本体部の辺の長さ方向)の中央部内側に前記基板収納ボックスBの下部の四方側面に有する凹部b1−1,b1−2に嵌合する凸部26が設けられている。図の場合、各側壁25の中央部が落とし込まれて前記凸部26が形成されている。
【0022】
前記収納凹部22を囲む各側壁25には、それぞれ外方に突出して段ボール製の外装箱Cの側部内面に当接する側部用の緩衝突起27が設けられている。前記緩衝突起27は、例えば図のように各側壁外面の前記周長方向に間隔をおいて本体部21の平面におけるコーナー部つまり各側壁外面が交わるコーナー部28に近い位置の2個所、またはそれ以上の個所に設けられている。これにより、前記側壁25の外面と外装箱Cの側部内面との間に、前記緩衝突起27の突出高さに相当する所要の空間を保有できるようになっている。
【0023】
本発明の場合は、前記側部用の緩衝突起27に加えて、各側壁25の外面が交わる前記コーナー部28に、外方へ斜めに突出して外装箱Cの側面による稜部の両側内面に当接もしくは僅かな間隙を存して近接する稜部用の緩衝突起29が設けられており、これにより外装箱Cの底部c2に近い側面による稜部を内側から支えることができるように形成されている。
【0024】
前記稜部用の緩衝突起29は、後述する第2の実施例のように、本体部21の側方のみに突出するものであってもよいが、この第1の実施例の場合は、底部23側の端部が底部受用の凸部24と同一平面位置まで延設され、さらに、延設された端部が前記底部下面23aにおける四隅部もしくはその近傍に有する底部受用の凸部24に連続して形成されており、該緩衝突起29が、底部受用の凸部24と共に底部23を受ける役目も果たすように設けられている。
【0025】
図示する実施例の場合は、前記下部包装材2の本体部21の前記コーナー部28に近い側部用の緩衝突起27についても、底部23側の端部が前記凸部24と同一平面位置まで延設されるとともに、底部下面23aの底部用の凸部24に連続して形成されている。
【0026】
図の場合、前記稜部用の緩衝突起29および側部用の緩衝突起27の底部側の端面(下面)29aが突出先端側ほど上方位置になるように面取り状に斜めに形成されて、前記凸部24に連続しており、これにより外装箱Cに収納した包装状態において、外装箱Cの底部c2と側面部c3との間の稜部の内側、および隅角部の内側に三角形の小さい空隙S2を保有できようになっている。
【0027】
また、前記上部包装材1は、平面図および底面図の図示を省略しているが、基本的に下部包装材2と上下に略対称形をなしているもので、平面方形をなす本体部11の下面側に、平面方形の前記被包装物Bの蓋部b2による上部を挿入して嵌合状態でガタつきを生じさせないように保持できる角形の収納凹部12が設けられている。また、前記本体部11における天部13の上面(外側面)13aには、段ボール製の外装箱Cでの包装状態において外装箱Cの天部c1に当接する天部受用の複数の凸部14が前後左右に間隔をおいて、例えば図のように天部上面13aの四隅部に設けられており、外装箱Cとの間に空間を保有できるようになっている。
【0028】
ただし、前記収納凹部12は前記下部包装材2における凸部26に相当する構成を有しておらず、前記基板収納ボックスBの上部を嵌合できるように形成されている。
【0029】
そして、前記収納凹部12を囲む各側壁15には、それぞれ外方に突出して外装箱Cの内面に当接する側部用の緩衝突起17が、上記の下部包装材2と同様に、各側壁外面の周長方向に間隔をおいて各側壁15が交わるコーナー部18に近い位置の2個所又はそれ以上の数個所に設けられており、前記側壁15の外面と外装箱C内面との間に、該緩衝突起17の突出高さに相当する所要の空間を保有できるようになっている。
【0030】
さらに、前記側部用の緩衝突起17に加えて、前記コーナー部18に、外方へ斜めに突出して外装箱Cの側面部による稜部の両側内面に当接もしくは僅かな間隙を存して近接する稜部用の緩衝突起19が設けられている。
【0031】
前記稜部用の緩衝突起19は、下部包装材2と同様に、天部側の端部が天部受用の凸部14と同一平面位置まで延設され、さらに、延設された端部が前記天部上面13aにおける四隅部もしくはその近傍に有する底部受用の凸部14に連続して形成されており、該緩衝突起19が、底部受用の凸部14と共に底部13を受ける役目も果たすように設けられている。
【0032】
図示する実施例の場合は、前記上部包装材1の本体部11の前記コーナー部18に近い側部用の緩衝突起17についても、天部23側の端部が前記凸部14と同一平面位置まで延設されるとともに、天部上面13aの天部用の凸部14に連続して形成されている。
【0033】
さらに、この上部包装材1についても、前記稜部用の緩衝突起19および側部用の緩衝突起17の天部側の端面(上面)19aが突出先端側ほど下方位置になるように斜めに形成されて、前記凸部14に連続しており、これにより外装箱Cに収納した包装状態において、外装箱Cの天部c1と側面部c3との間の稜部の内側、および隅角部の内側に三角形の小さい空隙S1を保有できようになっている。
【0034】
なお、前記上部包装材1の側部用の緩衝凸起17および稜部用の緩衝突起19、並びに、下部包装材2の側部用の緩衝凸起27および稜部用の緩衝突起29は、図のように平面台形で、上下方向にリブ状に延びる突起のほか、例えば角柱状や円柱状あるいは半球状等の種々の形態による実施が可能である。
【0035】
上記した実施例の緩衝包装材A1を用いる包装状態について説明する。
【0036】
図のようにウエハー専用の平面方形の基板収納ボックスBを被包装物として包装する場合、ウエハーを収納した該被包装物Bのボックス本体b1による下部を下部包装材2の収納凹部22に挿入し嵌合状態に保持する。通常、前記下部包装材2を外装箱C内の底部上にセットしておいて、該下部包装材2の収納凹部22に前記基板収納ボックスBの下部を上方より収納し嵌合状態に保持する。この後、上部包装材1を前記基板収納ボックスBの上部に被せ、該上部包装材1の下面側に有する収納凹部12に前記基板収納ボックスBの上部を嵌合状態に保持する。こうして外装箱Cの上部の天部c1となるフラップを閉じて包装する。
【0037】
この包装状態においては、平面方形の被包装物Bの上下部がそれぞれ上部包装材1と下部包装材2より嵌合状態で受支されて安定性よく保持される。そして緩衝包装材A1の下部包装材2および上部包装材1が、それぞれ本体部21および11の側壁外側面に有する側部用の緩衝突起27および17が外装箱Cの側部内面に当接するとともに、特に稜部用の緩衝突起29および19が外装箱Cの稜部両側内面に当接もしくは近接している。そのため、輸送中や運搬等の取り扱いにおいて、外装箱Cに対し外力や外的衝撃が作用したときは、前記側部用の緩衝突起27および17並びに稜部用の緩衝突起29および19が弾性変形することで衝撃を緩和できる。
【0038】
特に、外装箱Cの底部および天部近傍の稜部が前記稜部用の緩衝突起29および19により支えられ、隅角部等に従来のような大きな空間を有さないため、他物との接触や斜め落下等により外装箱Cの稜部や隅角部に大きな外力が作用しても、該稜部における過度の大きな凹み変形を前記緩衝突起29および19により抑制できる。このため、包装状態において、座りが悪くなったり段積み状態が不安定になることがなく、輸送先に不安感を与える心配がない。
【0039】
特に、前記下部包装材2および上部包装材1の稜部用の緩衝突起29および19の底部側または天部側の端部が、底部受用の凸部24あるいは天部受用の凸部14と同一平面位置まで延設されていること、さらには該凸部24又は14に連続していることで、外装箱Cの底部と側面部との間の稜部や隅角部の内側も前記緩衝突起29および19により支えられることになり、外装箱Cの底部c2や天部c1の四辺の稜部および四隅の隅角部における大きな凹み変形が生じるのを防止でき、包装状態の保形性がよく、被包装物である基板収納ボックスBの保護を良好になし得る。
【0040】
図7〜図11は第2の実施例を示している。この第2の実施例において、上記した第1の実施例と実質的に同じ構成部分については、同符号を付して詳しい説明を省略する。
【0041】
この第2の実施例の緩衝包装材A2においては、下部包装材2において、前記側部用の緩衝突起27および稜部用の緩衝突起29は、底部側の端部が底部受用の凸部24と同一平面位置まで延設されることなく、本体部21の側方のみに突出形成されている。また、前記下部包装材2と上下に対をなす上部包装材1についても、前記側部用の緩衝突起17および稜部用の緩衝突起19は、底部側の端部が底部受用の凸部14と同一平面位置まで延設されることなく、本体部11の側方のみに突出形成されている。
【0042】
また、下部包装材2における前記稜部用の緩衝突起29の底部側の端面、並びに上部包装材1の稜部用の緩衝突起19の天部側の端面が、それぞれ斜めに面取り形成されて底部下面23aおよび天部上面13aに連続してしている。
【0043】
この第2の実施例の場合も、ウエハー専用の平面方形の基板収納ボックスBを被包装物として包装する場合、ウエハーを収納した前記基板収納ボックスBの下部を、上記した第1の実施例と同様に、例えば外装箱C内の底部上にセットした下部包装材2の収納凹部22に挿入し嵌合状態に保持する。この後、上部包装材1を前記基板収納ボックスBの上部に被せ、該上部包装材1の下面側に有する収納凹部12に前記基板収納ボックスBの上部を嵌合状態に保持する。こうして外装箱Cの天部のフラップを閉じて包装する。
【0044】
この包装状態においては、被包装物である基板収納ボックスBの上下部がそれぞれ上部包装材1と下部包装材2より嵌合状態で受支されて安定性よく保持される。そして緩衝包装材A2の下部包装材2および上部包装材1が、それぞれ本体部21および11の側壁外側面に有する側部用の緩衝突起27および17が外装箱Cの側部内面に当接するとともに、特に稜部用の緩衝突起29および19が外装箱Cの稜部の両側内面に当接もしくは近接している。このため、輸送中や運搬等の取り扱いにおいて、他物との接触等のために、外装箱Cに対し外力や外的衝撃が作用したときは、前記側部用の緩衝突起27および17、並びに稜部用の緩衝突起29および19が弾性変形することで衝撃を緩和できる。
【0045】
しかも、外装箱Cの上下部における側面部c3による稜部が前記稜部用の緩衝突起29および19により支えられるために、該稜部における過度の大きな凹み変形を前記緩衝突起29および19により抑制できる。このため、外装箱Cの座りが悪くなったり、段積み状態が不安定になることがなく、使用者に不安感を与える心配がない。
【0046】
図12〜図15は、本発明の緩衝包装材A3の第3の実施例を示しており、この第3の実施例において、上記した第1の実施例および第2の実施例と実質的に同じ構成部分については、同符号を付して詳しい説明を省略する。
【0047】
この第3の実施例の緩衝包装材A3においては、上記した第1の実施例および第2の実施例とは違い、下部包装材2の本体部21における底部23の下面23aおよび上部包装材1の本体部11における天部13の上面13aは、底部受用および天部受用の凸部を有さない平坦面とされるとともに、該底部23の上面(内面)23bおよび天部13の下面(内面)13bに、底部受用の凸部124および天部受用の凸部114がそれぞれ設けられており、該凸部124および114により被包装物としての基板収納ボックスBの底部および天部を受けることで、該基板収納ボックスBと前記底部23および天部13との間に空隙を保有して、緩衝効果を発揮できるようになっている。
【0048】
この第3の実施例の場合、第2の実施例と同様に、前記下部包装材2の本体部21および上部包装材1の本体部11の各側壁25および15の外側面に側部用の緩衝突起27および17が設けられるとともに、該側壁25および15のコーナー部28および18の外面に、斜めに外方へ突出して外装箱Cの稜部の両側内面に当接もしくは近接する稜部用の緩衝突起29および19が設けられている。
【0049】
この第3の実施例の場合も、ウエハーを収納した前記基板収納ボックスBの下部を、上記した第1の実施例と同様に、例えば外装箱C内の底部上にセットした下部包装材2の収納凹部22に挿入し嵌合状態に保持する。この後、上部包装材1を前記基板収納ボックスBの上部に被せ、該上部包装材1の下面側に有する収納凹部12に前記基板収納ボックスBの上部を嵌合状態に保持する。こうして外装箱Cの天部c1となるフラップを閉じて包装する。
【0050】
この包装状態においては、被包装物としての前記基板収納ボックスBの上下部がそれぞれ下部包装材2と上部包装材1により、収納凹部22および12に嵌合した状態で底部受用の凸部124および天部受用の凸部114に支えられて保持される。そして、緩衝包装材A3の下部包装材2および上部包装材1が、それぞれ本体部21および11の側壁外側面に有する側部用の緩衝突起27および17が外装箱Cの側部内面に当接するとともに、特に稜部用の緩衝突起29および19が外装箱Cの稜部両側内面に当接もしくは近接している。そのため、輸送中や運搬等の取り扱いにおいて、他物との接触等のために、外装箱Cに対し外力や外的衝撃が作用したときは、前記側部用の緩衝突起27および17並びに稜部用の緩衝突起29および19が弾性変形することで衝撃を緩和できる。
【0051】
しかも、外装箱Cの底部側および天部側の側面による稜部が前記稜部用の緩衝突起29および19により支えられるために、該稜部における過度の大きな凹み変形を前記緩衝突起29および19により抑制できる。このため、包装状態において、外装箱Cの座りが悪くなったりも、段積み状態が不安定になることがなく、使用者に不安感を与える心配がない。また、外装箱Cの底部c2および天部c1は、前記のように下部包装材2の底部下面23aおよび上部包装材1の天部上面13aがそれぞれ当接しているために凹み変形が抑制される。
【0052】
なお、上記した第1〜第3の各実施例においては、いずれも、上下で対をなす下部包装材2と上部包装材1とが、一つの被包装物を収納保持して、外装箱そ内に収納して包装する場合について説明したが、このほか、例えば上記した実施例の緩衝包装材を二つもしくは複数個を外装箱内に並べて収納して、複数個の被包装物を同時に包装するように使用することができる。
【0053】
また、図16に下部包装材2を示すように、上下に対をなす下部包装材と上部包装材とを、それぞれ平面長方形にして、上下部包装材の本体部にそれぞれ二つの収納凹部を設定して上記同様に実施することもできる。この場合、図16の例のように、本体部21における二つの収納凹部22,22間では両者の側壁25が仕切壁を兼ねる構成とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、半導体ウエハー等の基板、ガラス基板等の繊細な各種の基板を収納した基板収納ボックスを外装箱に収納して包装するのに好適に利用できるほか、高い緩衝保護の効果が求められる他の被包装物の包装にも好適に利用できる。
【符号の説明】
【0055】
A1,A2,A3…緩衝包装材、B…被包装物、b1…ボックス本体、b2…蓋、C…外装箱、c1…天部、c2…底部、c3…側面部、1…上部包装材、11…本体部、12…収納凹部、13…天部,13a…天部上面、14,114…天部受用の凸部、15…側壁、16…凸部、17…側部用の緩衝突起、18…コーナー部、19…稜部用の緩衝突起、19a…端面、2…下部包装材、21…本体部、22…収納凹部、23…底部、23a…底部下面、24,124…底部受用の凸部、25…側壁、26…凸部、27…側部用の緩衝突起、28…コーナー部、29…稜部用の緩衝突起、29a…端面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂発泡体によりそれぞれ成形された平面方形の上下一対の包装材で、上面側に被包装物の下部を挿入できる収納凹部を有する下部包装材と、下面側に被包装物の上部を挿入できる収納凹部を有する上部包装材とからなり、前記下部包装材および上部包装材の前記収納凹部を囲む側壁の外側面に、それぞれ外方に突出して外装箱内面に当接する側部用の緩衝突起が設けられてなる緩衝包装材であって、
前記下部包装材および上部包装材には、それぞれ前記側壁によるコーナー部の外面に、外方へ斜めに突出して外装箱の稜部両側内面に当接もしくは近接する稜部用の緩衝突起が設けられてなることを特徴とする緩衝包装材。
【請求項2】
前記下部包装材の底部上面には外装箱の底部に当接する底部受用の凸部が、前記上部包装材の天部下面には外装箱の天部に当接する天部受用の凸部がそれぞれ設けられており、前記下部包装材および上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起が、それぞれ前記底部受用の凸部又は天部受用の凸部と同一平面位置まで延設されて、外装箱の底部内面又は天部内面に当接するように設けられてなる請求項1に記載の緩衝包装材。
【請求項3】
前記下部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の底部側に延設された端部が、底部下面の四隅部もしくはその近傍に有する底部受用の凸部に連続して形成されてなる請求項2に記載の緩衝包装材。
【請求項4】
前記上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の天部側に延設された端部が、天部上面の四隅部もしくはその近傍に有する天部受用の凸部に連続して形成されてなる請求項3に記載の緩衝包装材。
【請求項5】
前記下部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の底部側の端面、および、前記上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の天部側の端面が、それぞれ斜めに面取り形成されてなる請求項2〜4のいずれか1項に記載の緩衝包装材。
【請求項6】
前記下部包装材の底部下面および上部包装材の天部上面がそれぞれ平坦面とされ、下部包装材の底部上面に被包装物の底部受用の凸部が、また上部包装材の天部下面に被包装物の天部受用の凸部がそれぞれ設けられてなる請求項1に記載の緩衝包装材。
【請求項7】
前記下部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の底部側の端面、および前記上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の天部側の端面が、それぞれ斜めに面取り形成されてなる請求項6に記載の緩衝包装材。
【請求項1】
合成樹脂発泡体によりそれぞれ成形された平面方形の上下一対の包装材で、上面側に被包装物の下部を挿入できる収納凹部を有する下部包装材と、下面側に被包装物の上部を挿入できる収納凹部を有する上部包装材とからなり、前記下部包装材および上部包装材の前記収納凹部を囲む側壁の外側面に、それぞれ外方に突出して外装箱内面に当接する側部用の緩衝突起が設けられてなる緩衝包装材であって、
前記下部包装材および上部包装材には、それぞれ前記側壁によるコーナー部の外面に、外方へ斜めに突出して外装箱の稜部両側内面に当接もしくは近接する稜部用の緩衝突起が設けられてなることを特徴とする緩衝包装材。
【請求項2】
前記下部包装材の底部上面には外装箱の底部に当接する底部受用の凸部が、前記上部包装材の天部下面には外装箱の天部に当接する天部受用の凸部がそれぞれ設けられており、前記下部包装材および上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起が、それぞれ前記底部受用の凸部又は天部受用の凸部と同一平面位置まで延設されて、外装箱の底部内面又は天部内面に当接するように設けられてなる請求項1に記載の緩衝包装材。
【請求項3】
前記下部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の底部側に延設された端部が、底部下面の四隅部もしくはその近傍に有する底部受用の凸部に連続して形成されてなる請求項2に記載の緩衝包装材。
【請求項4】
前記上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の天部側に延設された端部が、天部上面の四隅部もしくはその近傍に有する天部受用の凸部に連続して形成されてなる請求項3に記載の緩衝包装材。
【請求項5】
前記下部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の底部側の端面、および、前記上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の天部側の端面が、それぞれ斜めに面取り形成されてなる請求項2〜4のいずれか1項に記載の緩衝包装材。
【請求項6】
前記下部包装材の底部下面および上部包装材の天部上面がそれぞれ平坦面とされ、下部包装材の底部上面に被包装物の底部受用の凸部が、また上部包装材の天部下面に被包装物の天部受用の凸部がそれぞれ設けられてなる請求項1に記載の緩衝包装材。
【請求項7】
前記下部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の底部側の端面、および前記上部包装材における少なくとも稜部用の緩衝突起の天部側の端面が、それぞれ斜めに面取り形成されてなる請求項6に記載の緩衝包装材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−208658(P2010−208658A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56704(P2009−56704)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】
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