説明

緩衝器

【課題】 内筒内からピストン体を取り出す分解作業を要せずして、減衰部の構成の変更を容易にする。
【解決手段】 外筒1と、外筒1内に入出可能に挿通の内筒2と、外筒1の軸芯部に垂設のロッド体3と、ロッド体3に連結されて内筒2内に設けられるピストン体4とからなる緩衝器本体を有し、ピストン体4が内筒2の内側で昇降するときに減衰作用をする減衰部Vを有してなる緩衝器において、内筒2が内側に内筒2に同芯に配設される補助筒6を有し、補助筒6と内筒2との間に環状の通路Lを画成し、補助筒6がピストン体4を摺動可能に収装させて補助筒6内にロッド体3が挿通するロッド側室R1とロッド体3が挿通しないピストン側室R2とを画成し、ロッド側室R1およびピストン側室R2が環状の通路Lおよびこの環状の通路とピストン側室とをつなぐ内筒2の外に設けた連通路L1を介して連通可能とされると共に、この連通路L1に減衰部Vが設けられてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、緩衝器に関し、特に、車両への装備に適する緩衝器の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
車両への装備に適する緩衝器としては、これまでに種々の提案があるが、その中で、たとえば、特許文献1に開示の提案にあっては、緩衝器たるフロントフォークが内筒たる車輪側チューブの内周に直接摺接するピストン体を有してなる。
【0003】
すなわち、この特許文献1に開示されているところを示す図7にあって、緩衝器たるフロントフォークは、上端側部材とされる外筒1たる車体側チューブ内に下端側部材とされる内筒2たる車輪側チューブが入出可能に挿通されて伸縮可能とされる。
【0004】
そして、このフロントフォークにあっては、車体側チューブが軸芯部に垂設されるロッド体3を有し、車輪側チューブがこの車輪側チューブの内周に外周を摺接させるピストン体4を収装し、このピストン体4にロッド体3の下端部たる先端部が連結される。
【0005】
ピストン体4は、作動油で代表される作動流体を収容する車輪側チューブ内にこのピストン体4の上方となり軸芯部にロッド体3を挿通させるロッド側室R1と、このピストン体4の下方となり軸芯部にロッド体3を挿通させないピストン側室R2とを画成する。
【0006】
そして、このピストン体4は、ロッド側室R1とピストン側室R2との連通を許容して、作動流体がロッド側室R1とピストン側室R2とを往復するときに、所定の減衰作用をする伸側の減衰手段4aおよび圧側の減衰手段4bからなる減衰部(符示せず)を有する。
【0007】
一方、このフロントフォークにあっては、車体側チューブと車輪側チューブとの間に環状の部屋R3を画成し、この環状の部屋R3を車輪側チューブに開穿の連通孔2aを介してこの車輪側チューブの内側たる上記のロッド側室R1に連通させる。
【0008】
環状の部屋R3の断面積A2と、ロッド側室R1を挿通するロッド体3の断面積A1とは、A1≦A2になるように設定される。
【0009】
これにより、ロッド体3が車輪側チューブに対して入出する際の車輪側チューブ内における作動流体の流量変化を吸収し、特に、ピストン体4が車輪側チューブ内を上昇してピストン側室R2を膨張させるときに、このピストン側室R2に負圧現象を発現させない。
【0010】
そして、このフロントフォークにあっては、車輪側チューブの上端開口が隔壁部材5で閉塞される。このとき、この隔壁部材5は、断面を角U字状にする有底筒状に形成の凹部(符示せず)を車輪側チューブの開口端部の内側に位置決めさせると共に、凹部の上端に有する外側鍔部(符示せず)を車輪側チューブの上端に一体的に連結させながらこの外側鍔部の外周を車体側チューブの内周に摺接させる。
【0011】
そしてまた、この隔壁部材5は、凹部の軸芯部にロッド体3を貫通させると共に、凹部を液溜りRにして作動流体を収容すると共に作動流体の液面Oの上方にこの液面Oを境にする気室Aを有する。
【0012】
そしてさらに、この隔壁部材5は、凹部の底部に下方となるロッド側室R1からの作動流体の通過を阻止する逆止弁5aを有すると共に、この逆止弁5aに並列してロッド側室R1からの熱膨張したり気泡を混入したりする作動流体の上記の液溜りRへの流出を許容する絞り5bを有してなる。
【0013】
それゆえ、この図7に示すフロントフォークにあっては、これが伸縮作動するとき、すなわち、ピストン体4が車輪側チューブ内を昇降するとき、ピストン体4が有する伸側の減衰手段4aおよび圧側の減衰手段4bで所定の減衰作用がなされる。
【0014】
そして、このフロントフォークにあっては、ピストン体4が車輪側チューブ内に直接収装されるから、旧来のフロントフォークのようにピストン体が車輪側チューブの内側に配設のダンパにおけるダンパシリンダ内に収装される場合に比較して、受圧面積を大きくして、効果的な減衰作用の実現を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特許第4055843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上記した特許文献1に開示の提案、すなわち、図7に示すフロントフォークたる緩衝器にあっては、ピストン体が受圧面積を大きくして効果的な減衰作用を可能にする点で基本的に問題がある訳ではないが、その利用に際して些かの不具合があると指摘される可能性がある。
【0017】
すなわち、上記した図7に示す緩衝器にあっては、伸側の減衰手段4aおよび圧側の減衰手段4bを有する減衰部がフロントフォーク内たるピストン体4に設けられる。
【0018】
それゆえ、この減衰部の構成、つまり、伸側の減衰手段4aおよびあるいは圧側の減衰手段4bにおける構成を変更する、たとえば、減衰手段を構成するリーフバルブの厚さや枚数を変更したくても、これを容易に実行できない。
【0019】
つまり、図7に示す緩衝器にあっては、減衰部における減衰手段の構成を変更するのに際して、外筒1の上端開口を開けて、内筒2内からピストン体4を取り出すようにするいわゆる分解作業が必須になり、たとえば、レース中に急遽減衰部の構成を変更したいとしてもこれに簡単に対処し得ない不具合がある。
【0020】
この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、内筒内からピストン体を取り出す分解作業を要せずして、減衰部の構成の変更を容易にする緩衝器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記した目的を達成するために、この発明による緩衝器の構成を、上端側部材たる外筒と、この外筒内に入出可能に挿通される下端側部材たる内筒と、上記外筒の軸芯部に垂設されるロッド体と、このロッド体に連結されて上記内筒の内側に設けられるピストン体とからなる緩衝器本体を有し、上記ピストン体が上記内筒の内側で昇降するときに減衰作用をする減衰部を有してなる緩衝器において、上記内筒が内側に補助筒を有し、この補助筒と上記内筒との間に環状の通路を画成し、上記補助筒が上記ピストン体を摺動可能に収装させてこの補助筒内に上記ロッド体が挿通するロッド側室と上記ロッド体が挿通しないピストン側室とを画成し、上記ロッド側室と上記ピストン側室とが、上記環状の通路およびこの環状の通路と上記ピストン側室とをつなぐ上記内筒の外に設けた連通路を介して連通され、この連通路に上記減衰部が設けられてなるとする。
【0022】
それゆえ、この発明にあっては、内筒が外筒に対して入出する伸縮作動時に補助筒内でピストン体が昇降し、したがって、補助筒内にピストン体で画成されるロッド側室とピストン側室とが膨縮する。
【0023】
内筒が内側に補助筒を有する複筒構造に形成されて内筒と補助筒との間に環状の通路を形成し、この環状の通路がこの環状の通路とピストン側室とをつなぐ内筒の外に設けられた連通路、すなわち、緩衝器本体の外に設けられた外部通路に連通するので、内筒内にピストン体で画成されるロッド側室とピストン側室とが環状の通路および外部通路を介して連通可能とされる。
【0024】
そして、外部通路には減衰部が設けられ、この減衰部を介してロッド側室とピストン側室とが連通するので、減衰部が減衰作用をする。
【0025】
そしてまた、減衰部が外部通路に配設されるから、減衰部における構成の変更に際して、補助筒内のピストン体に減衰部を設ける場合に比較して、補助筒内からピストン体を取り出すためのいわゆる分解作業を要しないことになり、減衰部における構成の変更、たとえば、リーフバルブの厚さや枚数を変えることが容易になる。
【0026】
そしてさらに、減衰部が外部通路に配設されるから、減衰部での発生減衰力の変更に際して、手動操作による変更の他、ソレノイドを利用するなどの自動制御による変更などの自由な構成の選択が可能になる。
【発明の効果】
【0027】
その結果、この発明にあっては、内筒内からピストン体を取り出す分解作業を要せずして、減衰部の構成の変更を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の一実施形態による緩衝器を原理的に示す図である。
【図2】この発明の他の実施形態による緩衝器を図1と同様に示す図である。
【図3】この発明の他の実施形態による緩衝器を図1と同様に示す図である。
【図4】この発明の他の実施形態による緩衝器を図1と同様に示す図である。
【図5】この発明の他の実施形態による緩衝器を図1と同様に示す図である。
【図6】この発明の他の実施形態による緩衝器を図1と同様に示す図である。
【図7】従来例としての緩衝器を図1と同様に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による緩衝器は、図示するところでは、車両たる二輪車(図示せず)の前輪側に装備されて下端部で懸架する前輪(図示せず)に入力される路面振動を吸収するフロントフォークとされる。
【0030】
フロントフォークを二輪車の前輪側に装備するについては、図示しないが、左右となる一対のフロントフォークの上端側部をあらかじめブリッジ機構で一体化する。
【0031】
そして、ブリッジ機構で一体化された一対のフロントフォークにおける内筒2(図1参照)の下端部が前輪の車軸(図示せず)に連結されて前輪を挟むようにして懸架する。
【0032】
また、ブリッジ機構は、図示しないが、フロントフォークを構成する外筒1における上端部の上方側部に連結されるアッパーブラケットと、下方側部に連結されるアンダーブラケットとを有する。
【0033】
このアッパーブラケットおよびアンダーブラケットは、同じく図示しないが、それぞれの両端部に形成の割り構造の取り付け孔に外筒1における上端部を挿通させて一体的に把持する。
【0034】
さらに、このブリッジ機構は、同じく図示しないが、上下となるアッパーブラケットとアンダーブラケットとを一体的に連結する一本のステアリングステムを両者の中央に有する。
【0035】
このステアリングステムは、二輪車における車体の先端部を構成するヘッドパイプ内に回動可能に導通されて、ハンドル操作時の回動中心になり、一対のフロントフォークを介してのハンドル操作で前輪における左右方向への転舵を可能にする。
【0036】
ところで、この発明による緩衝器は、図1に示すところにあって、上端側部材たる外筒1と、この外筒1内に入出可能に挿通される下端側部材たる内筒2と、外筒1の軸芯部に垂設されるロッド体3と、このロッド体3に連結されて内筒2の内側に設けられるピストン体4とからなる緩衝器本体(符示せず)を有してなる。
【0037】
そして、この緩衝器本体は、図示しない懸架バネの附勢力で、あるいは、懸架バネに代えてもしくは懸架バネと共に緩衝器本体内に作動油で代表される作動流体の液面Oを境にして画成されるエア室Aに封入のエア圧で外筒1内から内筒2が突出する伸長方向に附勢される。
【0038】
また、この緩衝器にあっては、内筒2が作動流体を収容すると共に軸芯部にシリンダ体態様の補助筒6を起立させ、この補助筒6内にも上記の作動流体を収容させる。
【0039】
そしてまた、この緩衝器にあっては、上記の補助筒6内にピストン体4を摺動可能に収装し、このピストン体4は、補助筒6内をピストン体4の上方となり軸芯部にロッド体3を挿通させるロッド側室R1と、このピストン体4の下方となり軸芯部にロッド体3を挿通させないピストン側室R2とに画成する。
【0040】
そしてさらに、この緩衝器にあっては、ピストン体4が外筒1の軸芯部に垂設のロッド体3の図中で下端部となる先端部に連結される。
【0041】
ちなみに、詳しくは後述するが、この緩衝器にあっては、補助筒6内でのピストン体4の摺動でロッド側室R1とピストン側室R2との間で作動流体が往復するときに、この作動流体の通過を許容して所定の減衰作用をする減衰手段を有する減衰部Vについては、これが緩衝器本体の外に配設される。
【0042】
また、図示しないが、この緩衝器にあっては、外筒1と内筒2との間に離間配置となる上下の軸受を有し、この上下の軸受の離間配置で外筒1と内筒2との間における同芯性を有する摺動を保障する。
【0043】
そしてまた、外筒1の図1中で下端部となる開口端部の内周には、シール部材が配設され、このシール部材の配在で外筒1および内筒2で形成される後述の環状の部屋R3を外部に対して密封し、この環状の部屋R3への所定量の作動流体の収容と所定圧の大気の収容を可能にする。
【0044】
なお、内筒2の上端部の外周は、外筒1の内周に摺接するが、完全な密封状態に摺接するのではなく、この内筒2の上端部を挟んだ上下側、つまり、エア室Aと環状の部屋R3との連通を許容する状態に摺接する。
【0045】
これにより、緩衝器の収縮作動時にエア室Aからのエアが環状の部屋R3に吸い込まれるが、緩衝器の伸長作動時に吸い込んだエアのエア室Aへの放出が許容されるので問題がない上に、構成を簡略化できる点で有利となる。
【0046】
また、気室Aには、大気が任意の圧力下に封入されるが、気室Aに代えてガス室とされ、このガス室に不活性ガスが任意の圧力下に封入されても良く、また、気室Aであれ、あるいは、ガス室であれ、外筒1の上端開口を閉塞するキャップ部材に配設されるエアバルブ(図示せず)を介して封入された内圧を高低し得るとしても良い。
【0047】
一方、この緩衝器にあっては、外筒1と内筒2との間に環状の部屋R3を画成し、この環状の部屋R3を内筒2に開穿の連通孔2aを介してこの内筒2の内側に連通させる。
【0048】
そして、この緩衝器にあっては、上下の軸受の離間配置で外筒1と内筒2との間に上記の環状の部屋R3を画成し、この環状の部屋R3における断面積A2と、上記のロッド体3における断面積A1とは、A2≧A1になるように設定される。
【0049】
また、この緩衝器にあって、内筒2の内側には、すなわち、この内筒2と上記した補助筒6との間には環状の通路Lが形成され、この環状の通路Lは、後述する緩衝器本体の外に配設の減衰部Vに連通すると共に補助筒6に開穿の連通孔6aを介して補助筒6内のロッド側室R1に連通する。
【0050】
つまり、外筒1と内筒2との間の環状の部屋R3は、内筒2に開穿の連通孔2a、内筒2と補助筒6との間の環状の通路Lおよび補助筒6に開穿の連通孔6aを介して、補助筒6内のロッド側室R1に連通する。
【0051】
環状の部屋R3の断面積A2とロッド体3の断面積A1とが上記(A2≧A1)のように設定されることで、ロッド体3が内筒2に対して入出する際の内筒2内における作動流体の流量変化を吸収する。
【0052】
そして、上記のように設定されることで、特に、補助筒6内をピストン体4が上昇してピストン側室R2を膨張させるときに、このピストン側室R2に作動流体の吸入量不足を招来させずして、このピストン側室R2に負圧現象を発現させない。
【0053】
そして、この緩衝器にあっては、補助筒6の上端開口を厚肉の板状に形成の隔壁部材5で閉塞し、この隔壁部材5の軸芯部にロッド体3を貫通させると共に、この隔壁部材5の外周を内筒2の内周に隣接させる。
【0054】
そしてまた、この隔壁部材5は、内筒2の上端部の内側となるその上方を液溜りRにする。この液溜りRは、作動流体を収容すると共に、この作動流体と液面Oを境にする気室Aを有する。
【0055】
そしてさらに、この隔壁部材5は、補助筒6の上端開口を閉塞する部位に下方となるロッド側室R1からの作動流体の通過を阻止する逆止弁5aを有すると共に、この逆止弁5aに並列する絞り5bを有してなる。
【0056】
逆止弁5aは、ロッド側室R1からの作動流体が液溜りRに流出することを阻止する。絞り5bは、たとえば、微小隙間からなり、ロッド側室R1からの作動流体の液溜りRへの流出を許容する。それゆえ、この絞り5bは、補助筒6内からの、たとえば、熱膨張した作動流体の液溜りRへの流出も許容する。
【0057】
絞り5bについては、図示しないが、隔壁部材5の内周に保持されてロッド体3の外周に摺接するブッシュに微小隙間として形成されても良く、この場合には、隔壁部材5自体に絞り5bを設けなくて済み、その限りにおいて、隔壁部材5における構成の簡素化で有利となる。
【0058】
ちなみに、上記の絞り5bは、環状の部屋R3における断面積A2がロッド体3の断面積A1より大きくなる場合に必要となるが、環状の部屋R3における断面積A2がロッド体3の断面積A1と等しくなるとき省略されても良い。
【0059】
それゆえ、図示するところでは、隔壁部材5の下方たるロッド側室R1が上記の絞り5bを介して液溜りRに連通するから、このロッド側室R1からの作動流体が気泡を混入する場合には、この気泡を混入する作動流体が絞り5bを介して液溜りRに流入し、この気泡を混入する作動流体がロッド側室R1に残ることを回避する。
【0060】
その結果、この発明の緩衝器にあっては、作動流体中の気泡が緩衝器の伸縮作動による加圧で潰れるまでの間、たとえば、後述する外部通路L1に配設の減衰部Vを構成する減衰手段V1,V2において、「減衰作用のサボり現象」が発現される不具合を招かない。
【0061】
なお、逆止弁5aおよび絞り5bについては、図示しないが、隔壁部材5における外周側部、つまり、環状の通路Lの上端に位置する部位に設けられても良い。そして、この場合には、油溜りRとロッド側室R1とは環状の通路Lおよび連通孔6aを介して連通することになる。
【0062】
以上のように、この発明の緩衝器にあっては、内筒2の内側にシリンダ体態様の補助筒6を立設させて、内筒2を言わば複筒構造にする。
【0063】
このように、補助筒6の配設で内筒2を複筒構造にすることで、つまり、内筒2と補助筒6との間に環状の通路Lを形成することで、この環状の通路Lを介して補助筒6内のロッド側室R1を内筒2の外に連通させることが可能になる。
【0064】
すなわち、一般的に言って、この種の緩衝器にあって、外筒内に入出可能に挿通される内筒の内側にピストン体で画成されるロッド側室を内筒の外に連通させるためには、たとえば、特開平10-9327号公報に開示の提案のようにする必要がある。
【0065】
しかし、この提案による場合には、内筒内にピストン体で画成されるロッド側室とピストン側室とを連通する通路が緩衝器本体内に形成されるから、減衰部が外筒の外周に設けられることになり、その分、緩衝器全体の径をいたずらに大きくすることになり、車両への装備性を大幅に低下させる危惧がある。
【0066】
のみならず、上記の公報に開示の提案による場合には、車両への搭載性を向上させるために緩衝器本体の外径が小さく抑えられることになり、その分、内筒内に収装されるピストン体における径が小さくなり、ピストン体の受圧面積を小さくする危惧もある。
【0067】
それに対して、この発明では、上記したように、内筒2を複筒構造にするように内筒2の内側に補助筒6を配設して、内筒2と補助筒6との間に環状の通路Lを形成し、この環状の通路Lを介して補助筒6内のロッド側室を内筒2の外に連通させるから、上記した提案に比較して、緩衝器全体の外径を大きくすることがなく車両への搭載生を低下させない。
【0068】
そして、何よりも、この発明では、減衰部Vが緩衝器本体の外に設けられる外部通路L1中に配設されるから、内筒2の径を小さくしなく済み、その分、ピストン体4の受圧面積を小さくしない点で有利となる。
【0069】
一方、この発明の緩衝器における減衰部Vは、内筒2の外、すなわち、緩衝器本体の外に設けられた外部通路L1に配設され、直列される伸側の減衰手段V1および圧側の減衰手段V2を有する。
【0070】
そして、伸側の減衰手段V1および圧側の減衰手段V2は、それぞれ作動流体の通過を阻止する逆止弁11と、この逆止弁11に並列して作動流体の通過を許容し、作動流体の通過時に所定の減衰作用をする減衰弁12とを有する。
【0071】
それゆえ、以上のように形成された緩衝器にあっては、これが伸縮作動するとき、つまり、外筒1に対して内筒2が入出する言わば緩衝器本体の伸縮作動時には、内筒2の内側に起立する補助筒6内にピストン体4で画成されるロッド側室R1およびピストン側室R2から流出して反対側となるピストン側室R2およびロッド側室R1に流入する作動流体が内筒2の外に配設の減衰部Vを通過することで所定の減衰作用がなされる。
【0072】
すなわち、先ず、外筒1内から内筒2が突出する緩衝器の伸長作動時には、補助筒6内をピストン体4が上昇してロッド側室R1が狭くなる。
【0073】
その結果、ロッド側室R1の作動流体が補助筒6に開穿の連通孔6a、補助筒と内筒2との間の環状の通路L、内筒2の下端開口を閉塞するボトム部Bに形成の通路B1および内筒2の外に配設の外部通路L1を介して減衰部Vにおける伸側の減衰手段V1に流入する。
【0074】
そして、伸側の減衰手段V1に流入した作動流体は、減衰弁12を通過して直列する圧側の減衰手段V2に流入し、このとき、つまり、作動流体が伸側の減衰手段V1における減衰弁12を通過するとき、所定の伸側の減衰作用がなされる。
【0075】
そしてまた、圧側の減衰手段V2に流入した作動流体は、この圧側の減衰手段V2における逆止弁11を通過して、緩衝器本体の外に配設の外部通路L1に流出し、引き続き内筒2のボトム部Bに形成の通路B2を介してピストン側室R1に流入する。
【0076】
このとき、外筒1と内筒2との間の環状の部屋R3における断面積A2がロッド体3における断面積A1と等しい場合には、ピストン側室R1において動流体量に過不足がない。
【0077】
それに対して、環状の部屋R3における断面積A2がロッド体3における断面積A1より大きい場合には、断面積A2と断面積A1との差に相当する流量の作動流体が絞り5bを通過して液溜りRに放出される。
【0078】
このとき、絞り5bで絞られてロッド側室R1,環状の通路Lおよびピストン側室R2全体が加圧され、これにより、ピストン側室R2が負圧になるのが防がれ、気泡の発生を阻止することが可能になる。
【0079】
そして、上記した伸長作動時に、ロッド側室R1に気泡を混入する作動流体があったり、熱膨張して体積が増える作動流体があったりしても、前記したように、この作動流体が隔壁部材5に設けた絞り5bを介して液溜りRに流出する。
【0080】
次に、外筒1内に内筒2が没入する緩衝器本体の収縮作動時には、内筒2の内側に起立する補助筒6内をピストン体4が下降してピストン側室R2が狭くなる。
【0081】
その結果、ピストン側室R2の作動流体が内筒2のボトム部Bに形成の通路B2およびこの通路B2が連通する緩衝器本体の外に配設の外部通路L1を介して減衰部Vにおける圧側の減衰手段V2に流入する。
【0082】
そして、圧側の減衰手段V2に流入した作動流体は、減衰弁12を通過して伸側の減衰手段V1に流入し、このとき、つまり、作動流体が圧側の減衰手段V2における減衰弁12を通過するときに、所定の圧側の減衰作用がなされる。
【0083】
そしてまた、伸側の減衰手段V1に流入した作動流体は、この伸側の減衰手段V1における逆止弁11を通過して、緩衝器本体の外に配設の外部通路L1に流出し、引き続き内筒2のボトム部Bに形成の通路B1,内筒2と補助筒6との間の環状の通路Lおよび補助筒6に開穿の連通孔6aを介してロッド側室R1に流入する。
【0084】
このとき、外筒1と内筒2との間の環状の部屋R3における断面積A2がロッド体3における断面積A1と等しい場合には、ロッド側室R1において作動流体量に過不足がない。
【0085】
それに対して、環状の部屋R3における断面積A2がロッド体3における断面積A1より大きい場合には、環状の部屋R3において作動流体量に不足を生じ、この不足分が液溜りRから隔壁部材5に配設の逆止弁5aを介してロッド側室R1に補充される。
【0086】
以上のように、この発明にあっては、緩衝器における減衰部Vを緩衝器本体の外に有するから、この減衰部Vの構成、すなわち、この減衰部Vを構成する伸側の減衰手段V1における構成を、あるいはおよび、この減衰部Vを構成する圧側の減衰手段V2における構成を変更しようとする場合、簡単にこれを実行できる。
【0087】
そして、減衰部Vが緩衝器本体の外に配設されるから、たとえば、手動操作で減衰作用を可変にする設定としたり、ソレノイド利用で減衰作用を可変にする設定としたりすることを容易にする。
【0088】
ところで、上記した減衰部Vについてであるが、この発明にあっては、減衰部Vの構成を、上記した逆止弁11および減衰弁12を有する以外に特定しない、つまり、任意に構成されて良いとする。
【0089】
緩衝器たる二輪車に装備されるフロントフォークは、左右で一対とされることもあって、たとえば、左側のフロントフォークは、伸側の減衰作用を優先し、右側のフロントフォークは、圧側の減衰作用を優先する設定にするように減衰部が構成されて良い。
【0090】
そして、このとき、たとえば、左側のフロントフォークにおいて伸側の減衰作用を優先させる減衰部が減衰作用を可変にする設定とされたり、逆に、右側のフロントフォークにおいて圧側の減衰作用を優先させる減衰部が減衰作用を可変にする設定とされたりしても良い。
【0091】
また、減衰作用を可変にするとき、ピストン速度の速度領域が、低速領域から始まって中速領域さらには高速領域となる任意の領域で減衰作用を可変にする設定としても良い。
【0092】
図2乃至図6は、この発明の他の実施形態による緩衝器を示すもので、以下には、これについて説明するが、図2以下の各図において、その構成が前記した図1に示すところと同一となるところについては、図2以下の各図中に同一の符号を付するのみとして、要する場合を除き、その詳しい説明を省略する。
【0093】
また、図2以下の各図において、環状の部屋R3における断面積A2と、ロッド体3における断面積A1とがA2≧A1となる表示についての記載を省略する。
【0094】
先ず、図2に示す実施形態にあっては、緩衝器本体の構成が図1に示すところと異なるところがなく、減衰部Vに変更がなされている。
【0095】
すなわち、この図2に示す実施形態の減衰部Vにあっては、図1の減衰部Vにあって言わば固定型の減衰弁12を有するとしたのに代えて、伸側の減衰手段V1において伸側用可変型減衰弁12aを有してなるとし、そして、圧側の減衰手段V2において圧側用可変型減衰弁12bを有してなるとし、また、この各側用の可変型減衰弁12a,12bおよび逆止弁11に並列する可変絞り13を有してなるとする。
【0096】
この図2に示す減衰部Vにおいて、伸側の減衰手段V1および圧側の減衰手段V2は、ピストン速度の高速領域における減衰作用を各側用の可変型減衰弁12a,12bによって具現化することが可能になる。
【0097】
各側用の可変型減衰弁12a,12bにあっては、リーフバルブを有してなるとき、このリーフバルブにおけるクラッキング圧を高低調整することで、減衰作用の始発点位置を変更できる。
【0098】
そして、この図2に示す減衰部Vにおいて、伸側の減衰手段V1および圧側の減衰手段V2は、ピストン速度の中速領域における減衰作用を可変絞り13によって具現化することが可能になる。
【0099】
可変絞り13にあっては、ニードル弁体に直列する逆止弁がスプリングを有してなるとき、このスプリングの強さを調整することで、減衰作用の始発点位置を変更できると共にそれ以降の減衰作用の変化割合を変更できる。
【0100】
図3に示す実施形態にあっては、減衰部Vの構成が図2に示すところと異なるところがなく、緩衝器本体の構成に変更がなされている。
【0101】
すなわち、この図3に示す緩衝器本体にあっては、ピストン体4が補助筒6内のロッド側室R1とピストン側室R2の連通を許容する可変絞り4cを有してなり、この可変絞り4cは、図示しないが、ニードル弁体を有してなるとする。
【0102】
それゆえ、この図3に示す実施形態にあっては、図2に示す減衰部Vにおける減衰作用と同じ減衰作用を具現化し得ることに加えて、ピストン速度の低速領域における減衰作用をピストン体4が有する可変絞り4cによって具現化することが可能になる。
【0103】
なお、可変絞り4cにあっては、ニードル弁体の進退位置が調整されることで、始発点以降の減衰作用の変化割合を変更できる。
【0104】
図4に示す実施形態にあっては、緩衝器本体の構成が図1および図2に示すところと異なるところがなく、減衰部Vの構成に変更がなされている。
【0105】
すなわち、この図4に示す減衰部Vにあっては、図1および図2に示す実施形態の減衰部Vのように伸側の減衰手段V1および圧側の減衰手段V2と分けて有するのではなく、一個の減衰部Vで所定の減衰作用をなすとする。
【0106】
そして、この図4に示す減衰部Vは、伸側用可変型減衰弁12cと、圧側用可変型減衰弁12dと、可変絞り13とを並列に有する。
【0107】
それゆえ、この図4に示す実施形態にあっては、ピストン速度の高速領域における伸圧の減衰作用を各側用の可変型減衰弁12c,12dで個別に具現化できると共に、ピストン速度の低速領域における伸圧の減衰作用を可変絞り13で調整することが可能になる。
【0108】
図5に示す実施形態にあっては、二輪車の前輪側に装備されるフロントフォークとしての緩衝器が左右で異なる構成とされてなるとする。
【0109】
つまり、前記した図1乃至図4に示す緩衝器にあっては、二輪車の前輪側に装備されるフロントフォークとしての緩衝器が左右で同じ構成となる、すなわち、伸圧共有型とされてなるとした。
【0110】
しかし、この図5に示すところでは、二輪車の前輪側に装備されるフロントフォークとしての緩衝器が左右で異なる減衰部Vを備える構成とし、その結果、各側の緩衝器における減衰部Vの構成を、これが一つになる場合に比較して、その構成の簡素化が可能になり、各減衰部Vを嵩張らせないようにすることが可能になる。
【0111】
そのため、この図5に示すところにあって、図5中で左側となるいわゆる右脚用の緩衝器における減衰部Vにあっては、伸側の減衰作用が伸側用可変型減衰弁12cで具現化され、圧側の減衰作用については、減衰弁12で具現化されるとする。
【0112】
そして、この右脚用の緩衝器における減衰部Vにあっては、伸側用可変型減衰弁12cおよび減衰弁12に可変絞り13が並列するとする。
【0113】
それに対して、図5中で右側となるいわゆる左脚用の緩衝器における減衰部Vにあっては、圧側の減衰作用が圧側用可変型減衰弁12dで具現化され、伸側の減衰作用については、減衰弁12で具現化されるとする。
【0114】
そして、この左脚用の緩衝器における減衰部Vにあっても、圧側用可変型減衰弁12dおよび減衰弁12に可変絞り13が並列する。
【0115】
それゆえ、この図5に示す実施形態にあっては、左右となる緩衝器における減衰作用の個別化が可能になり、車両における乗り心地をより改善することが可能になる。
【0116】
図6に示す実施形態にあっては、意図するところを図5に示すところと同じにするが、左右の緩衝器本体において、ピストン体4が可変絞り4cを有し、各減衰部Vにおいて、可変絞り13に逆止弁11が直列されてなるとする。
【0117】
このとき、逆止弁11は、右脚用の緩衝器の減衰部Vにおいて、緩衝器本体の収縮作動時に可変絞り13の作動を阻止し、左脚用の緩衝器の減衰部Vにおいて、緩衝器本体の伸長作動時に可変絞り13の作動を阻止する。
【0118】
そして、この図6に示す緩衝器にあって、右脚用の緩衝器では、減衰部Vでピストン速度の中高速領域における伸長作動時の減衰作用についての制御が可能になると共に、ピストン体4が有する可変絞り4cでピストン速度の低速領域における伸長作動時の減衰作用についての制御が可能になる。
【0119】
また、この図6に示す緩衝器にあって、左脚用の緩衝器では、減衰部Vでピストン速度の中高速領域における収縮作動時の減衰作用についての制御が可能になると共に、ピストン体4が有する可変絞り4cでピストン速度の低速領域における収縮作動時の減衰作用についての制御が可能になる。
【0120】
以上のように、この発明にあっては、緩衝器における減衰部Vを緩衝器本体の外に配設するから、この減衰部Vの構成を変更しようとする場合、簡単にこれを実行できる。
【0121】
そして、この発明にあっては、減衰部Vが緩衝器本体の外に配設されるから、たとえば、手動操作で減衰作用を可変にする設定としたり、ソレノイド利用で減衰作用を可変にする設定としたりすることを容易にする。
【0122】
また、この発明にあっては、減衰部Vの構成を、チェック弁11および減衰弁12を有する以外に特定しない、つまり、任意に構成されて良いから、緩衝器が、たとえば、二輪車の前輪側に装備されるフロントフォークとされるとき、いずれか一方側にあっては、伸側の減衰作用を優先し、他方側にあっては、圧側の減衰作用を優先するなど任意に設定できる。
【0123】
そして、このとき、各側の減衰作用がピストン速度の速度領域に基づいて、可変とする設定を可能にする。
【0124】
前記したところでは、この発明の緩衝器が車両たる二輪車の前輪側に装備されるフロントフォークとされる場合を例にして説明したが、この発明が意図するところからすると、この緩衝器が車両たる二輪車の後輪側に装備される緩衝器とされても良く、また、車両たる四輪車両に装備されるショックアブソーバとされても良いこともちろんである。
【符号の説明】
【0125】
1 外筒
2 内筒
2a,6a 連通孔
3 ロッド体
4 ピストン体
4c,13 可変絞り
5 隔壁部材
5a,11 逆止弁
5b 絞り
6 補助筒
12 減衰弁
12a,12c 伸側用可変型減衰弁
12b,12d 圧側用可変型減衰弁
A 気室
B ボトム部
L 環状の通路
L1 外部通路
O 液面
R 液溜り
R1 ロッド側室
R2 ピストン側室
R3 環状の部屋
V 減衰部
V1 伸側の減衰手段
V2 圧側の減衰手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端側部材たる外筒と、この外筒内に入出可能に挿通される下端側部材たる内筒と、上記外筒の軸芯部に垂設されるロッド体と、このロッド体に連結されて上記内筒の内側に設けられるピストン体とからなる緩衝器本体を有し、上記ピストン体が上記内筒の内側で昇降するときに減衰作用をする減衰部を有してなる緩衝器において、
上記内筒が内側に補助筒を有し、
この補助筒と上記内筒との間に環状の通路を画成し、
上記補助筒が上記ピストン体を摺動可能に収装させてこの補助筒内に上記ロッド体が挿通するロッド側室と上記ロッド体が挿通しないピストン側室とを画成し、
上記ロッド側室と上記ピストン側室とが、上記環状の通路およびこの環状の通路と上記ピストン側室とをつなぐ上記内筒の外に設けた連通路を介して連通され、
この連通路に上記減衰部が設けられてなることを特徴とする緩衝器。
【請求項2】
上記外筒と上記内筒との間が環状の部屋とされ、この環状の部屋が上記内筒に開穿の連通孔、上記環状の通路および上記補助筒に開穿の連通孔を介して上記ロッド側室に連通してなる請求項1に記載の緩衝器。
【請求項3】
上記外筒と上記内筒との間が環状の部屋とされ、この環状の部屋における断面積が上記ロッド体における断面積より大きく設定されてなる請求項1に記載の緩衝器。
【請求項4】
上記補助筒の上端開口が隔壁部材で閉塞されると共に、この隔壁部材が外周を上記内筒の上端部の内周に隣接させてこの隔壁部材の上方を液溜りにし、この液溜りがこの隔壁部材に設けられた逆止弁およびこの逆止弁に並列する絞りを介して上記ロッド側室あるいは上記環状の通路に連通してなる請求項1に記載の緩衝器。
【請求項5】
上記減衰部が上記ロッド側室の上記ピストン側室への連通を許容する伸側の減衰手段と、上記ピストン側室の上記ロッド側室への連通を許容する圧側の減衰手段とを有してなる請求項1に記載の緩衝器。
【請求項6】
上記減衰部が上記ロッド側室の上記ピストン側室への連通を許容する伸側の減衰弁と、上記ピストン側室の上記ロッド側室への連通を許容する圧側の減衰弁と、この圧側の減衰弁および上記伸側の減衰弁に並列する可変絞りを有してなる請求項1に記載の緩衝器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−211627(P2012−211627A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77031(P2011−77031)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】