説明

縁布装置

【目的】 部品点数を少なくするとともに組立工数を削減する縁布装置の構造を提供するものである。
【構成】 両面接着テープ2と縁布3と芯材5からなる。両面接着テープ2は細長い形状である。縁布3は両面接着テープ2の幅の少なくとも約3倍の幅を有し、細長いシート状の紙または合成樹脂もしくは布織物によって形成されている。芯材5は幅が約50mmの細長いシート状に形成されており、その幅方向の中心よりやや偏位した位置には、直角に折曲げるための折曲げ溝が形成されている。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、縁布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の縁布装置は、例えば畳を例にとると、図5の様に、畳表11の縁部に沿って第1の両面接着テープ12の一面を貼着け、この両面接着テープ12の他面上に縁布13の表面の一側縁を接着し、この縁布13の裏面長手方向に沿って第2の両面接着テープ14の一面を貼着けたあと、この両面接着テープ14の他面に断面略L字形の芯材15の一端を接着し、最後に前記縁布13の未接着側縁16を折返して芯材15全体を覆うとともに、芯材15の下方に延出する縁部を畳床17に常法により固着してなるものであった。
【考案が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の構造によると、畳表11に縁布13を取付けるために第1の両面接着テープ12を設け、さらにこの縁布13の裏面に芯材15を取付けるために第2の両面接着テープ14を設けていた。従って、第1の両面接着テープ12と第2の両面接着テープ14が必要であり、材料が多くなると共に組立てが面倒で、コスト高となる欠点を有していた。
【0004】
また、縁布13の折返し幅は、仕様に応じて幅が広いものと狭いものがあり、これに対応するために、上記芯材15も上記の幅に合わせて大小二種類用意する必要があった。従って、上記両面接着テープ12、14と共に部品点数も多くなり、取扱いが面倒で組立工数が多くかかる欠点を有していた。
【0005】
本考案は上記従来形の欠点を除去するもので、部品点数を少なくするとともに組立工数を削減した縁布装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案の縁布装置は下記の要件を具えてなるものである。すなわち、(イ)両面接着テープと縁布と芯材からなり、(ロ)両面接着テープは細長い形状であり、(ハ)縁布は両面接着テープの幅の少なくとも約3倍の幅を有し、細長いシート状の紙または合成樹脂もしくは布織物によって形成されており、(ニ)芯材は幅が約50mmの細長いシート状に形成されており、その幅方向の中心よりやや偏位した位置の長手方向には、直角に折曲げるための折曲げ溝が形成されていることである。
【0007】
【作用】
上記の構成において、例えば畳に縁布装置を取り付ける場合には、畳表の縁部に両面接着テープを貼着け、この両面接着テープの上に縁布の表面の一側縁が接着される。この縁布の裏面長手方向に沿って表出する上記両面接着テープ部に、断面略L字形の芯材の一辺が接着される。この形で前記縁布の未接着側縁が折返され、芯材の全体を覆うとともに、その芯材の下方に延出する縁部が畳床に常法により固着される。
【0008】
上記芯材は幅が約50mmの細長いシート状に形成されており、その幅方向の中心よりやや偏位した位置には直角に折曲げるための折曲げ溝が形成されている。上記心材を折曲げ溝に沿って断面略L字形に折曲げると、例えば、折曲げ溝を境に一方の幅aが大きく、他方の幅bが小さく形成される。
【0009】
【実施例】
以下本考案の一実施例として畳に縁布装置を設ける場合について説明する。図1において、1は畳表であって、この畳表1の縁部に沿って両面接着テープ2が貼着られる。この両面接着テープ2の上には縁から両面テープ2の幅の約半分の寸法である間隔cをあけて縁布3の表面の一側縁が接着される。
【0010】
つぎに、図2の様に、芯材5が折曲げ溝51で断面略L形に折曲げられ、この芯材5の幅a側の一辺52が上記縁布3の裏面長手方向に沿って上記両面接着テープ2の間隔c部に接着される。この場合、必要に応じて縁布3の一端が動かない様に工業用のステープラー4で固定される。これによって、従来用いられていた二つの両面接着テープを一つで兼用させることができ、材料の削減と工数の簡略を行うことができる。
【0011】
ここで芯材5の一端52によって縁布3の裏面の一部を上から押える形となる。つぎに、図4の様に、前記縁布3の未接着側縁6を芯材5の一端52沿って折返し、芯材5の全体を覆う様にして、その芯材5の他端53よりも下方に延出させ、縁部を常法によって畳床7に固着する。
【0012】
上記芯材5は幅が約50mmの細長いシート状に形成されており、その幅方向の中心よりやや偏位した位置には直角に折曲げるための折曲げ溝51が形成されている。この折曲げ溝51に沿って芯材5を断面略L字形に折曲げると、例えば、折曲げ溝51を境に一端52の幅aが他幅53の幅bよりも広く、他端53の幅bが一端52の幅aよりも狭く形成される。
【0013】
畳の場合、一般的に用いられる縁布の幅は、通常26mmか24mmのどちらかである。
ここで、上記芯材5の折曲げ状態での幅aと幅bを、上記の縁布の幅である幅aを約26mm、幅bを約24mmに設定させておけば、一つの芯材5を用意するだけで、一般的に用いられる縁布の幅26mmあるいは24mmに応じて芯材5の取付け向きを変えるだけで容易に対応させることができる。
これによって、従来、二つ用意されていた芯材を一つで共用させることができ、部品点数の削減とともに、組立てを簡易化できる。
なお、上記実施例における縁布装置は畳に限定するものではなく、これに類するものであれば、取り付けることができる。
【0014】
【考案の効果】
従来、畳表と縁布、および縁布と芯材をそれぞれ連結しているので別々の両面テープを必要としていたが、本考案の縁布装置では1枚の両面テープによって、従来と同様の、強度及び外観を備えた縁布装置を提供することができる。
また、工業用ステープラによって縁布と畳床を連結することにより、さらに縁布装置の強度を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す縁布装置の要部分解斜視図である。
【図2】本考案の一実施例を示す縁布装置の組立て途中の要部分解斜視図である。
【図3】本考案の一実施例を示す縁布装置の組立て途中の要部分解斜視図である。
【図4】本考案の一実施例を示す縁布装置を施した畳の要部切欠側面図である。
【図5】従来形の縁布装置を施した畳の要部切欠側面図である。
【符号の説明】
1 畳表
2 両面接着テープ
3 縁布
4 ステープラー
5 芯材
6 未接着側縁
7 畳床

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 下記の要件を備えたことを特徴とする縁布装置。
(イ)両面接着テープと縁布と芯材からなること。
(ロ)両面接着テープは細長い形状であること。
(ハ)縁布は両面接着テープの幅の少なくとも約3倍の幅を有し、細長いシート状の紙または合成樹脂もしくは布織物によって形成されていること。
(ニ)芯材は幅が約50mmの細長いシート状に形成されており、その幅方向の中心よりやや偏位した位置の長手方向には、直角に折曲げるための折曲げ溝が形成されていること。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【登録番号】第3015631号
【登録日】平成7年(1995)6月28日
【発行日】平成7年(1995)9月5日
【考案の名称】縁布装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平7−2761
【出願日】平成7年(1995)3月9日
【出願人】(595048717)株式会社インテック (1)