説明

縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置

【課題】直線昇降式のダンサローラを用いて、ダンサローラの位置検出をデジタル信号によって行え、さらに、適度なテンションを保つための自重調整が容易に行える縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置の提供
【解決手段】ダンサロールユニット10とベルトユニット9を連結板16により連結してあるので、ダンサロールユニット10の位置検出がデジタル信号出力であるロータリーエンコーダ19で可能となり制御装置はアナログ・デジタル変換回路を必要としない。また、ベルトユニット9とダンサロールユニット10との連結部がある歯付ベルトの同側にウエイトブロックを備えたベルトクランプ部材を取り付ければ自重を重くする調整が可能となり、反対側にウエイトブロックを備えたベルトクランプ部材を取り付ければカウンターウエイトとして作用するので自重を軽くする調整が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置に関する。
【背景技術】
【0002】
縦型製袋充填包装機は、紙送り機構により、フィルムロールから引き出された帯状包装材を製筒器により筒状に成形し、筒内に被包装品の充填を行い、縦シール、横シールを施し、横シールの中間で切断することにより内部に被包装品が充填された袋包装体を製造する。
【0003】
紙送り機構は1袋分の長さの包装材を間欠又は連続に引き出す機能を備えている。包装材の引き出しにあたっては、弛みや過度の引っ張りがないように、即ち適度なテンションを保った状態で行われる。この適度なテンションを保つための機構として、ダンサローラを利用したものがある。
【0004】
例えば、特許文献1に示される方法は、製筒器より下流に位置するベルト又はローラが、1袋分の長さの包装材を引き出し、フィルムロールの下流に位置するアイドルローラとダンサバーから成るテンション検出手段によって検出された帯状包装材のテンション状態に応じて、フィルムロールの装着されている軸をモータで駆動し、繰出しを行うことで適度なテンションを保つものである。一方の端部に回動軸を設け、回動自在に機械フレームに固定することで、ダンサバーが揺動自在となる。ダンサバーのもう一方の端部にはアイドルローラを配設し、帯状包装材を掛け回すことにより、帯状包装材のテンションの変化がダンサバーの揺動量の変化として捉えるものである。ダンサバーの回動軸には可変抵抗(ポテンションメータ)が取り付けられており、揺動量の変化が電気抵抗の変化に変換され、制御部に送られ、これに基づきフィルムロールの装着されている軸のモータの回転速度を制御するものである(特許文献1の第三頁左欄第31行目から右欄第15行目及び図2参照のこと)。
【0005】
この場合電気量への変換が電気抵抗の変化というアナログ量なので、制御部は、デジタル量に変換する回路(アナログ・デジタル変換回路)を必要とする。該回路を使用しないようにしたい場合、ポテンションメータの代わりにロータリーエンコーダを使用すればよい。ロータリーエンコーダは回転軸を備えパルス信号を出力できるので、ダンサバーの回動軸にロータリーエンコーダの出力軸を連結すれば、揺動量の変化がパルス信号というデジタル信号として制御部に送られるので、制御部は、デジタル量に変換する回路(アナログ・デジタル変換回路)を必要とせず、回路の簡略化が図れる。また、揺動式の場合レバーが揺動する水平方向のスペースを必要となる難点がある。
【0006】
また、特許文献2、特許文献3、特許文献4に示される方法は、直線昇降式のダンサローラである。特許文献2の方式は、運転位置検知センサと装填位置検知センサからの各検出出力、包材ロールの荷重検出用ロードセルからの検出出力及び付勢バネの支持部に設けたテンション検出センサからの各検出出力を受けて、支持軸駆動用サーボモータとプルダウンベルト駆動用サーボモータを制御する構成となっている(特許文献2の段落7から段落13及び図1参照のこと)。テンションの検出を行っているロードセルは信号出力がアナログ量なので、制御部は、デジタル量に変換する回路(アナログ・デジタル変換回路)を必要とする。また、多数のセンサ類を使用する複雑な構成となっている。
【0007】
特許文献3の方法は、包材リール(フィルムロール)から送り出される包材1の供給経路上には、テンションユニットが設けてある。このテンションユニットは、一対の固定ローラと、この固定ローラの間に介在するテンションローラ(テンション部材)と、このテンションローラの位置を検出するポテンションメータ(テンション部材位置検出手段)から構成され、一対の固定ローラは、上流側にある一方が包材リール(フィルムロール)から送り出されてきた包材を折り返し、下流側にある他方が繰出し装置側に包材を送り出している。テンションローラは、所定の重さを備えた円柱状の部材であり、固定ローラの間において上下方向に移動自在となっている。包材リール(フィルムロール)から送り出された包材は、テンションローラおよび固定ローラの間にジグザグ状に巻掛けられた後、繰出し装置へと導かれる。ここで、テンションローラおよび固定ローラの間に巻掛けられた包材は、テンションローラの自重が作用することによって、一定の張力が付与され弛みが防止される。テンションユニットのポテンションメータは、テンションローラに対向して設けてあり、テンションローラの現在位置を抵抗値の変化によって検出する機能を有している。ポテンションメータによって検出されたテンションローラの位置は、位置検出信号としてリール駆動モータの制御に利用される(特許文献3の段落18から段落21及び図1を参照のこと)。移動量の検出は、直線式のポテンションメータ(リニアポテンションメータ)により行われる。ポテンションメータは、信号出力がアナログ量なので、制御部は、デジタル量に変換する回路(アナログ・デジタル変換回路)を必要とする。
【0008】
特許文献4の方法は、上下方向に延びるシャフトにローラ保持部を上下動自在に設け、ローラ保持部により2本のダンサローラを保持し、ローラ保持部にパンタグラフ機構を連結する。この場合、矢印Lで示す2本のダンサローラの上下動に連動して、ローラ保持部が矢印Mで示すように上下動する。パンタグラフ機構は、ローラ保持部の上下動に連動して伸縮する。パンタグラフ機構の伸縮に伴ってばねが伸縮する。ばねに接続されたロードセルの歪み量が変化し、ロードセルは歪み量に応じた検出信号Sを制御装置に出力する。制御装置のCPUは、ロードセルから出力された検出信号Sに基づきダンサローラの基準位置からの偏移量を算出し、その偏移量をもとにモータの回転速度を制御することにより、フィルムの張力を一定に保つものである(特許文献4の段落72から段落74及び図9参照のこと)。この方式は、ダンサローラの位置検出をロードセルで行うために特化したものである。テンションの検出を行っているロードセルは信号出力がアナログ量なので、制御部は、デジタル量に変換する回路(アナログ・デジタル変換回路)を必要とする。またパンタグラフ機構を備えているため構成が複雑である。
【0009】
適度なテンションを保つためのダンサローラ機構として要求される要素は、所定の重さを備え、巻掛けられた帯状包装材に自重を作用させることによって、一定の張力が付与するとともに、ローラの位置を正確に検出し制御装置に送ることである。また、機械に占める設置スペースをできるだけ少なくし省スペースであることも肝要である。さらに、ローラの位置検出においては、マイクロコンピュータやPLC等の制御装置はデジタル処理を行っているので、制御装置に余分な変換回路を必要とせず、制御装置がそのまま使用できるデジタル信号であることも重要である。 一つ目の要素として挙げた所定の重さを備え、巻掛けられた帯状包装材に自重を作用させることによって、一定の張力が付与することに関しては、要求される所定の重さは、包装材の材質や袋長さや機械回転数といった包装能力により変化するものであり、容易に調整できることも求められる。
【0010】
以上の点を踏まえて先行技術として列挙した技術を検証してみると、特許文献1に上げた揺動レバー式は、自重により一定の張力を帯状包装材に付与すること、ローラの位置検出にデジタル信号出力であるロータリーエンコーダを使用できることで一定の解決が得られているが、レバーが揺動する水平スペースを必要とする点で難がある。また、所定の重量の調整という点では、ウエイトブロックを付加することで重くすることは可能であるが、軽くする調整は難しい。
【0011】
特許文献2、特許文献3、特許文献4の直線昇降式のダンサローラは、自重により一定の張力を帯状包装材に付与すること、多大な水平スペースを必要としないことで一定の解決が得られているが、ローラの位置検出が可変抵抗器(ポテンションメータ)やロードセルといったアナログ信号出力型のセンサを使用するため余分な変換回路(アナログ・デジタル変換回路)を必要とすることに難がある。また、所定の重量の調整という点では、ウエイトブロックを付加することで重くすることは可能であるが、軽くする調整は難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第2537360号公報
【特許文献2】特開平6−144665号公報
【特許文献3】特開2009−096491号公報
【特許文献4】特開2002−362806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
設置スペースが少なくて済む直線昇降式のダンサローラを用いて、ダンサローラの位置検出をデジタル信号によって高精度に行え、さらに、適度なテンションを保つための自重を軽くしたり、重くしたりする調整が容易に行える縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に記載の発明は、所定の重さを備えたダンサロールにより、巻掛けられた帯状包装材に自重を作用させて一定の張力が付与するとともに、前記ダンサロールの位置を検出するセンサを備え、前記センサからの情報に基づき制御装置がフィルムロールの装着された巻取り軸の回転速度を制御することで帯状包装材の繰出し量を制御する縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置において、
前記ダンサロールを二本一組にしてダンサロールユニットを形成し、前記ダンサロールユニットの両端に一対のスライドシャフトを設け、前記ダンサロールユニットを前記一対のスライドシャフトに対して摺動自在に連結することで上下に昇降自在とし、
前記一対のスライドシャフトのどちらか一方の上下端部付近にそれぞれプーリを取り付けた回転自在な軸を設け、前記プーリ間に歯付ベルトを巻き掛け、上下どちらか一方の前記回転自在な軸にロータリーエンコーダを連結したベルトユニットを設け、
前記ベルトユニットの前記歯付ベルトの片側と前記ダンサロールユニットを連結板及び第一のベルトクランプ部材により連結し、前記ダンサロールユニットの昇降に連動して前記歯付ベルトが動くことで前記ロータリーエンコーダが前記ダンサロールユニットの位置情報を前記制御装置へ送ることを特徴とした縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置である。
【0015】
請求項1の発明によれば、一対スライドシャフト上を摺動するダンサロールユニットと、スライドシャフトのどちらか一方の上下端部付近にそれぞれプーリを取り付けた回転自在な軸を設け、前記プーリ間に歯付ベルトを巻き掛け、上下どちらか一方の回転自在な軸にはロータリーエンコーダを連結したベルトユニットを連結板及びベルトクランプ部材で連結してあるので、ダンサロールユニットが昇降すると、歯付ベルトが動き、回転自在な軸も回転し、ロータリーエンコーダも回転するので、ダンサロールユニットの位置検出が、デジタル信号出力であるロータリーエンコーダで行うことができる。また、ダンサロールユニットは昇降式なので省スペースである。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係わるもので、前記歯付ベルトの前記ダンサロールユニットの連結部と同側にウエイトブロックを第二のベルトクランプ部材で連結することで、前記ダンサロールユニットの自重を重くする調整を行うことを特徴とする縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置である。
【0017】
請求項2の発明によれば、前記歯付ベルトの前記ダンサロールユニットの連結部と同側にウエイトブロックを第二のベルトクランプ部材で連結することで、ダンサロールユニットの自重を重くする方向の調整が行うことができる。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1の発明に係わるもので、前記歯付ベルトの前記ダンサロールユニットの連結部と反対側に前記ウエイトブロックを前記第二のベルトクランプ部材で連結することで、前記ダンサロールユニットの自重を軽くする調整を行うことを特徴とする縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置である。
【0019】
請求項3の発明によれば、前記歯付ベルトの前記ダンサロールユニットの連結部と反対側にウエイトブロックをベルトクランプ部材で連結することで、ウエイトブロックがダンサロールユニットに対してカウンターウエイトとして作用するので、ダンサロールユニットの自重を軽くする方向の調整が行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置は、直線昇降式のダンサロールを用いているので設置スペースが少なくて済み、ダンサロールユニットの位置検出がデジタル信号出力であるロータリーエンコーダで可能になるとともに、ベルトユニットのダンサロールユニットとの連結部がある歯付ベルトの同側にウエイトブロックを備えた第二のベルトクランプ部材を取り付ければ自重を重くする調整が可能となり、反対側にウエイトブロックを備えた第二のベルトクランプ部材を取り付ければカウンターウエイトとして作用するので自重を軽くする調整が容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】縦型製袋充填包装機の概略斜視図である。
【図2】テンション付与装置の制御を説明する図である。
【図3】テンション付与装置の概略斜視図である。
【図4】ダンサローラの自重調整について説明する図である。
【図5】従来例の縦型製袋充填包装機の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を参照して、本発明が適用された製袋充填包装機の実施例を説明する。図1を用いて本発明が実施された縦型製袋充填包装機の動作を説明する。図1は縦型製袋充填包装機の概略斜視図である。フィルムロールFrから、一対の紙送りベルトから構成される紙送り手段4により送られ、フィルムテンション付与装置8により適正なテンションを与えられた帯状の包装材Fwは、複数のガイドロール7aから7dに案内され、製筒器1において縁部が略閉じた筒状に成形された後、重ね合わされた縁部に縦シール装置3によって縦シールが施さて筒状包装材Ftに成形される。被包装物が上方より製袋充填筒2の内部を通じて筒状包装材Ftの内部に充填され被包装品と被包装品の間の位置で、筒状包装材Ftを横切る方向に横シール装置5により横シールを施し、該横シールの中間で横シール装置に設けられた切断刃(図示せず)により切断することにより、被包装品が包装袋内に包まれた袋包装体Bpが製作される。本実施例の縦型製袋充填包装機は、縦シール及び横シール時に筒状包装材Ftの降下を一時停止する間欠型のものである。
【0023】
次に、フィルムテンション付与装置8について図1から図3を用いて説明する。図1は縦型製袋充填包装機の全体の概略図であり、機械フレーム等の描画を省略してある。図2は、フィルムテンション付与装置8の構成と制御の関係を説明する図である。図3はフィルムテンション付与装置8のダンサロールユニット10とベルトユニット9の概略図である。図1及び図2に示すように、フィルムテンション付与装置8は、紙送り手段4による1袋分に相当する長さの包装材の送りを行うことにともなう包装材の弛みや伸びを防ぎ、適度なテンションを保つことを目的とするものである。ダンサロールユニット10が、帯状包装材に自重を作用させることによって、一定の張力が付与するとともに、ダンサロールユニット10の動きの変化及び位置の状態をベルトユニット9のロータリーエンコーダ19で検出し、その情報に基づいて、制御装置33が、フィルムロールFrが装着されている巻取り軸6を駆動する巻取り軸駆動サーボモータ30の回転を制御するよう構成されている。
【0024】
ダンサロールユニット10とベルトユニット9の構成について図2及び図3を用いて説明する。ダンサロールユニット10は、図3に示すように一対のダンサロール11a,11bの両端部をダンサロール取付け板12a,12bに回転自在に取り付けて構成したものであり、ダンサロール取付け板12a,12bにはそれぞれスライダ13a,13bが取り付けてある。スライダ13a,13bはそれぞれ、機械フレームベース板22上に直立させたスライドシャフト14a,14b上を上下に摺動可能に取り付ける。また、スライドシャフトスライドシャフト14a,14bの上方の一対のダンサロール11a,11bの中間位置には、固定ロール15が回転自在に配設される。フィルムロールFrから引き出された帯状包装材Fwはガイドロール7a、ダンサロール11b、固定ロール15、ダンサロール11a、ガイドロール7bの順に掛け回される。これにより、ダンサロールユニット10はガイドロール7aと7bの間で、固定ロール15を支点にして帯状包装材Fwに自重を作用させることによって、一定の張力が付与している。さらに、ダンサロールユニット10は、連結板16及び第一のベルトクランプ部材17aによってベルトユニット9と連結されている。
【0025】
ベルトユニット9は、図2及び図3に示すように、スライドシャフト14aの上下の端部付近に設けられた回転自在なプーリ21a,21bと、プーリ21a,21bに掛け回した歯付無端ベルト18、及びロータリーエンコーダ19から構成してある。プーリ21aは、機械フレーム側板23の間に設けられたステー24に回転自在に配設してあるプーリ軸20aに取り付けてある。プーリ軸20aには、カップリング26を介してロータリーエンコーダ19が取り付けてある。プーリ21bは、機械フレームベース板22上に設けられた取付けブロック25回転自在に配設してあるプーリ軸20bに取り付けてある。
【0026】
ダンサロールユニット10とベルトユニット9は、ベルトユニット9の歯付無端ベルト18に取り付けた第一のベルトクランプ部材17aと、ダンサロールユニット10のダンサロール取付け板12aを連結板16により連結してある。よって、ダンサロールユニット10が上下に昇降すると、連結してある歯付無端ベルト18が動かされる。歯付無端ベルト18が動けばプーリ21a,21bが回転するので、カップリング26を介してプーリ軸20aに取り付けてあるロータリーエンコーダ19の回転軸も回転する。これにより、ロータリーエンコーダ19はパルス信号からなるデジタル信号であるダンサローラ位置信号32を制御装置33へ送る。制御装置33は、ロータリーエンコーダ19からのダンサローラ位置信号32によりダンサロールユニット10の動きの変化及び位置の状態を計算し、フィルムロールFrが装着されている巻取り軸6を駆動する巻取り軸駆動サーボモータ30へ巻取り軸駆動指令信号31を出力し、巻取り軸6の回転を制御する。
【0027】
次に、ダンサロールユニット10の自重調整について図4を用いて説明する。前記のように、ダンサロールの役割の一つは、所定の重さを備え、巻掛けられた帯状包装材に自重を作用させることによって、一定の張力が付与することであるが、要求される所定の重さは、包装材の材質や袋長さや機械回転数といった包装能力により変化するため、ダンサロールユニット10についても自重調整が必要となる。本発明においては、自重の調整をダンサロールユニット10で行うのではなく、ダンサロールユニット10と連結してあるベルトユニット9において行う。図4(a)は、自重調整を行っていない基本状態を示している。図4(b)に示すように、自重を重くする場合は、歯付無端ベルト18の第一のベルトクランプ部材17aが取り付けられているのと同側にウエイトブロック34を取り付けた第二のベルトクランプ部材17bを取り付けることにより、ダンサロールユニット10の自重を重くする調整を行う。自重を軽くする場合は、図4(c)に示すように、歯付無端ベルト18の第一のベルトクランプ部材17aが取り付けられているのと反対側にウエイトブロック34を取り付けた第二のベルトクランプ部材17bを取り付けてカウンターウエイトとして作用させることによりダンサロールユニット10の自重を軽くする調整を行うことができる。
【0028】
以上のように、本発明の縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置は、ダンサロールユニット10の位置検出がデジタル信号出力であるロータリーエンコーダ19で可能になるので制御装置33はアナログ・デジタル変換回路を必要としない。また、ベルトユニット9とダンサロールユニット10との連結部がある歯付ベルトの同側にウエイトブロック34を備えた第二のベルトクランプ部材17bを取り付ければ自重を重くする調整が可能となり、反対側にウエイトブロック34を備えた第二のベルトクランプ部材17bを取り付ければカウンターウエイトとして作用するので自重を軽くする調整が可能となる。さらに、直線昇降式のダンサロールを用いているので設置スペースが少なくて済む。図5に示す揺動レバー型ダンサロールユニットを備えた縦型製袋充填包装機の概略斜視図と比較すると省スペースであることが理解できる。図5のフィルムテンション付与装置は揺動レバーフレーム53に設けられたダンサロール51a,51bと機械フレームに回転自在に固定された固定ロール52から構成され、揺動レバーフレーム53の回動軸にはここでは図示しないロータリーエンコーダが設けられており、軽くする自重調整ができないこと以外は、図1に示す、本実施例の縦型製袋充填包装機と同様である。
【符号の説明】
【0029】
1 製筒器 2 製袋充填筒
3 縦シール装置 4 紙送り手段
5 横シール装置 6 巻取り軸
7a,7b,7c,7d ガイドロール 8 テンション付与装置
9 ベルトユニット 10 ダンサロールユニット
11a,11b ダンサロール 12a,12b ダンサロール取付け板
13a,13b スライダ 14a,14b スライドシャフト
15 固定ロール 16 連結板
17a 第一のベルトクランプ部材 17b 第二のベルトクランプ部材
18 歯付無端ベルト
19 ロータリーエンコーダ 20a,20b プーリ軸
21a,21b プーリ 22 機械フレームベース板
23 機械フレーム側板 24 ステー
25 取付けブロック 26 カップリング
30 巻取り軸駆動サーボモータ 31 巻取り軸駆動指令信号
32 ダンサローラ位置信号 33 制御装置
34 ウエイトブロック
50 揺動レバー型ダンサロールユニット
51a,51b ダンサロール 52 固定ロール
53 揺動レバーフレーム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の重さを備えたダンサロールにより、巻掛けられた帯状包装材に自重を作用させて一定の張力が付与するとともに、前記ダンサロールの位置を検出するセンサを備え、前記センサからの情報に基づき制御装置がフィルムロールの装着された巻取り軸の回転速度を制御することで帯状包装材の繰出し量を制御する縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置において、
前記ダンサロールを二本一組にしてダンサロールユニットを形成し、前記ダンサロールユニットの両端に一対のスライドシャフトを設け、前記ダンサロールユニットを前記一対のスライドシャフトに対して摺動自在に連結することで上下に昇降自在とし、
前記一対のスライドシャフトのどちらか一方の上下端部付近にそれぞれプーリを取り付けた回転自在な軸を設け、前記プーリ間に歯付ベルトを巻き掛け、上下どちらか一方の前記回転自在な軸にロータリーエンコーダを連結したベルトユニットを設け、
前記ベルトユニットの前記歯付ベルトの片側と前記ダンサロールユニットを連結板及び第一のベルトクランプ部材により連結し、前記ダンサロールユニットの昇降に連動して前記歯付ベルトが動くことで前記ロータリーエンコーダが前記ダンサロールユニットの位置情報を前記制御装置へ送ることを特徴とした縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置。
【請求項2】
前記歯付ベルトの前記ダンサロールユニットの連結部と同側にウエイトブロックを第二のベルトクランプ部材で連結することで、前記ダンサロールユニットの自重を重くする調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置。
【請求項3】
前記歯付ベルトの前記ダンサロールユニットの連結部と反対側に前記ウエイトブロックを前記第二のベルトクランプ部材で連結することで、前記ダンサロールユニットの自重を軽くする調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の縦型製袋充填包装機のフィルムテンション付与装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−240739(P2012−240739A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115341(P2011−115341)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000148162)株式会社川島製作所 (90)
【Fターム(参考)】