説明

縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置

【課題】縦型製袋充填包装機において、搬出シュートをモータ駆動により角度変更することで、どのような形態の不良品でも、確実に系外排出できる排出装置を提供する。
【解決手段】縦型製袋充填包装機の横シーラ直下に位置した搬出シュート6を設け、該搬出シュートをモータ駆動により角度変更することで落下してくる袋7を良品搬出コンベヤ22または不良品搬出コンベア23に振り分けて案内する良品搬出位置と不良品系外排出位置を設ける。不良品排出位置は、不良品10が搬出シュート上を滑らずに自由落下できる位置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、縦型製袋充填包装機における不良品排出機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図15に示すような、包装フィルムをフォーマー9に導いて製品充填筒2を包むように折り曲げてフォーマーの前側で合わせてから縦シール装置3または3’により縦シールして包装筒Hとするとともに、製品充填筒の側面に設けられたフィルム送り装置4により包装筒Hの引き下ろしを行って製品充填筒2の下方へ垂下し、その後横シール(エンド・シール)カッター装置5で横シールすると共に包装筒Hをカットして完成品Jを排出する構成の縦型製袋充填包装機が知られている。
【0003】
上記縦型製袋充填包装機における横シール方法は、特開平10−203502号公報に示されるような横シール時に包装筒の降下を一時停止して行う間欠型のものと、特開平10−297619号公報に示されるような、横シール時にも包装筒の降下を停止せずに包装筒降下中に連続して横シールを行う連続型のものがあることが知られている。
【0004】
上記連続型のものは、横シールのための一時停止時間がないので、その分時間の無駄がなく、効率的な製袋動作ができる。しかし、包装筒降下動作中に横シールを行うので精度が悪く、横シールが間欠型に比較して信頼性が低い欠点がある。一方、上記間欠型のものは、逆に横シールのために一時停止の時間が連続型より多く必要なので1サイクルの時間が長くなる欠点があるが、横シールが停止状態でしっかり行われるので、シールの信頼性が高く、高品質のものができる利点がある。
【0005】
このような縦型製袋充填包装機の従来の不良品排出は、特開2006−117291号公報や特開平10−109739号公報等に示されるように、搬出シュートを滑り落ちて搬出コンベヤに乗り移ってから、該コンベヤ上で行われていた。排出方式としては、エアージエット式、フリッパー式、コンベヤダンパー式などが存在する。動作は、不良品の発生から、前記排出装置までの移動時間を計算してトリガーとし、包装機の能力から動作時間が決定される。
【0006】
すなわち、排出装置は、包装機より下流にあり、包装機より排出された不良品が排出位置まで到達するのに一定の時間がかかる。これが移動時間である。「不良品の発生から、前記排出位置までの移動時間」とは、「不良品が、搬出シュートを滑り落ち、搬出コンベアに乗り移り、搬送され排出位置に到達するまでの時間」をいい、 不良品の発生から、前記の「時間」経過後に、排出装置を動作させると、不良品の排出が開始されることになる。
【0007】
また、上記「動作時間」とは、不良排出装置は、不良品の排出動作を開始したら、次の良品が来るまでにその動作を終了している必要があり、例えば包装機の能力が120rpmだとすると、1サイクルが0.5秒であるから、排出装置を0.5秒に1回袋が通過することになる。例えば、後述する2個つながりの連包となった不良品の排出を開始した場合、1秒以内に排出を終え次の良品に備えていなければならないことになり、これが「包装機の能力から動作時間が決定される。」の意味である。
【0008】
また、不良品と検出された場合、連包のまま排出し、コンベア上で手で取り除くものも知られている(特開2007−223671号公報)。
【0009】
このような不良品には、空袋の単包・連包、かみ込みをしたときの連包、充填過量のときの横シールが実施されない連包などがあるが、これらの不良品は、それぞれ重量や摩擦抵抗が異なるので搬出シュートを滑り落ちるのに要する時間が微妙に異なっている。このため排出動作の確実性が欠けていた。特に、包装機の能力が高い場合、動作時間が短いので不安定さが増してしまう。
【0010】
また、図7に示すコンベヤダンパー式の場合、図8の如く正常時はコンベアを流れるようにシュート33とコンベア32を連続するようにダンパーコンベア31を保ち、不良品検出の場合は、図9に示す如く搬送ダンパーの端部31を下方に折り曲げて、不良品を下方に落下させることで排出する方式なので、不良品の到達が遅れた場合、図6に示す如く、ダンパー部(35,36)に製品34を挟み込んでしまい、袋を破裂させ被包装品を撒き散らし、ラインの稼動を一時停止させなければならないなどの大きなトラブルを引き起こすことがあった。
【0011】
なお、ダンパーコンベヤとは、不良品の排出を行うダンパー式不良品排出コンベアの意味で、符号35,36で示されるダンパー部から構成されている。
【0012】
正常品の搬送状態では、2つのダンパー部は搬送面が直線状に保たれ、不良品排出時には、35のダンパー部は上流側端部を回動中心として下方へ揺動し、36のダンパーは下流側の端部を回動中心として上方へ揺動することにより不良品 をコンベヤの下方へ落下させる空間を開成する。このコンベヤのダンパーが、上方又は下方へ揺動することで空間を開成することをダンパー動作と称している。
【0013】
近年、包装機には、高速動作、自動化ライン、高稼働率、不良品の確実な排出が求められている。よって、包装機の高速動作時にどのような形態の不良品でも、確実に系外排出できる排出装置を省スペース、低コストかつ簡易な形態で提供することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平10−203502号公報
【特許文献2】特開平10−297619号公報
【特許文献3】特開2006−117291号公報
【特許文献4】特開平10−109739号公報
【特許文献5】特開2007−223671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
この発明は、縦型製袋充填包装機において、該縦型製袋充填包装機の搬出シュートをモータ駆動により角度変更することで、良品搬出位置と不良品系外排出位置を設けることにより、包装機の高速動作時にどのような形態の不良品でも、確実に系外排出できる排出装置を省スペース、低コストかつ簡易な形態で提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、縦型製袋充填包装機の横シーラ直下に位置した搬出シュートを設け、該搬出シュートをモータ駆動により角度変更することで落下してくる袋を良品搬出コンベヤまたは不良品搬出コンベアに振り分けて案内する良品搬出位置と不良品系外排出位置を設ける。
【0017】
上記搬出シュートの取付け角度を可動式にして、モータ駆動により良品搬出位置と不良品系外排出位置を切り換えるが、不良品排出位置は、不良品が搬出シュート上を滑らずに自由落下できる位置とする。
【0018】
すなわち、本発明の搬出シュート駆動式系外排出装置は、包装フィルムのフィルム両縁を縦シールして包装筒を形成するとともに、該包装筒をフィルム送り装置によりフィルムが下降して横シール(エンド・シール)カット装置により包装筒に充填された被包装物の上側の際と次に落下充填される被包装物の下側の際を横二条シールし、該シールの中間部分をカットして被包装物を形成する縦型製袋充填包装機において、上記包装筒下方の前記被包装物の落下箇所に駆動式系外搬出シュートを設け、不良品検出時、該搬出シュートを回転駆動することにより不良品を系外に排出することを特徴とする。
【0019】
さらに、前記シュートが、その取り付け角度を可動にして、正常動作時に良品搬出コンベアに接続し、不良品の場合は不良品搬出コンベアに接続する駆動を行うこと、あるいは、前記搬出シュートは前記横シール装置の直下に設けられていて、不良品排出時、不良品が前記搬出シュート上を滑ることなく直下に自由落下する構造であることを特徴とする。また、前記不良品検出信号として、包装機制御部の不良品排出信号、または、被包装物のカッター出力を用いることを特徴とする。また、前記搬出シュートの回転駆動は、サーボ・モータと、該サーボ・モータの回転軸に偏心して取付られた支点と、該支点と前記搬出シュートを一体化した揺動レバーの先端とを結合するコンロッドからなるクランク機構で行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
不良品が搬出シュート上を滑らず排出されるため、時差が生じない。これにより、包装機が高速動作したときでも、確実に不良品排出が行われる。また、不良袋が横シーラに貼り付くなどして多少の落下が遅れたとしても、該不良品を挾み込み破裂させることはなく、ラインを一時停止させるような大きなトラブルとはならない。上記搬出シュートは、縦ピロー包装機の横シーラ直下に位置して設けられるので、搬送コンベア上での別途良品・不良品振り分けのための装置が不要となり、装置全体がコンパクトで、システム構成が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置の横断面図である。
【図2】図1における本発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置の良品排出動作を示す図である。
【図3】図1における本発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置の不良品排出動作を示す図である。
【図4】図1における本発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置の詳細断面図である。
【図5】図1における本発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置の良品・不良品排出動作を示す斜視図である。
【図6】従来の縦型製袋充填包装機の系外排出装置の不良品排出動作時の故障を示す斜視図である。
【図7】従来の縦型製袋充填包装機の系外排出装置の良品・不良品排出動作の横断面図である。
【図8】従来の縦型製袋充填包装機の系外排出装置の良品排出動作の横断面図である。
【図9】従来の縦型製袋充填包装機の系外排出装置の不良品排出動作の横断面図である。
【図10】本発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置のシュートの動作機構を示す図である。
【図11】本発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置の搬出シュートの動作回路を示す図である。
【図12】本発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置の搬出シュートの通常の運転中の動作タイミングを示す図である。
【図13】本発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置の搬出シュートの空袋の時の動作タイミングを示す図である。
【図14A】本発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置の搬出シュートの各動作のフローチャートを示す図(その1)である。
【図14B】本発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置の搬出シュートの各動作のフローチャートを示す図(その2)である。
【図14C】本発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置の搬出シュートの各動作のフローチャートを示す図(その3)である。
【図14D】本発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置の搬出シュートの各動作のフローチャートを示す図(その4)である。
【図15】一般的縦型製袋充填包装機の全体構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明の縦型製袋充填包装機1の横シーラ21より下の構造を示す。7は、横シーラ21で横二条シールされ、カットされた状態の被包装物を示す。該被包装物はカット後自然落下し、搬出シュート6上に落ちる。図2に示す如く、正常動作の場合は、良品11は搬出シュート6を介してコンベア22上を搬送され、出荷ボックスに適宜収納される。
【0023】
包装動作に何か不具合が生じた場合は、包装機の制御装置から別途不良品の場合の検出信号が送られていて、該信号が発生するとその不良品の落下タイミングに合わせて搬出シュート6が図3に示す如く垂直になるように回転し、該搬出シュートがこの状態の時、不良品は搬出シュート6に触れることなく自然落下して、下部シュート25上に落下し、不良品搬出コンベア23によって不良品回収ボックス等に搬出される。なお、図示されないが、該回収ボックスは、短いコンベア23の先端部分に戴置すればよい。
【0024】
図4は、上記搬出シュート6の回転機構を示す詳細横断面図である。図4において、26は、搬出シュート6の回転機構となるクランク機構を示し、その詳細な動作は図10に示す。
【0025】
図10において、クランク44はその一方の端部をサーボ・モータ46の回転軸45に固定され、もう一方の端部はコンロッド41に連結され、サーボ・モータ46によって回転制御される。コンロッド41の先端43と前記シュート6を一体化して固着した支点(固定軸)42とを揺動レバー47で結合する。このようにして、サーボ・モータ46により、クランク44が回転すると、コンロッド41の先端43が上下し、これに伴い前記搬出シュート6の向く方向が変化する。なお、図10(c)が図2の正常良品排出時の搬出シュート6の位置を、図10(a)が図3の不良品排出時の搬出シュート6の位置を示す。
【0026】
前記の如く、図10(a)の場合、被包装物(不良品)は、搬出シュート6に接触することなく、自然落下する構造となっている。
【0027】
上記不良品検出信号としては、横シーラ停止とか、レジマークミス、ナイフ停止、噛み込み信号、異物混入検知信号(例えば、金属探知器)、空袋の単包・連包、組み合わせ計量器からの計量不良、噛み込みをした時の横シールが実施されないときの連包等の検出信号があり、これらは包装機の制御装置に発生したものを利用する。または、これらの信号に基づくカッター出力信号の有無を検知信号として用いてもよい。
【0028】
図11に上記制御系の全体図の例を示す。包装機制御部54から各種信号が発生すると、これを受けて排出シュート制御部56がサーボアンプ53及びサーボ・モータ52を回転制御し、搬出シュート51の向きを変更する。
【0029】
図14には、制御系のフローチャートを、また、図12には通常運転時のタイミング・チャートを、図13には空袋運転時のフローチャートを示す。
【0030】
図14Aは、正常包装品との違いが明瞭になるように、包装不良品は、すべて連包排出するという、条件下におけるカッター動作のフローチャートを示したものである。これにより、カッター出力信号の有無を検知信号として用いることができることを説明する。「カッターSW ON?」は、カッターの出力SWがONになっているかどうかの確認を示している。カッターの出力SWは包装機の操作パネルにあるSWで、このSWがOFFになっていると、どのような条件でもカッターは動作しない。通常、試験運転のときに使用されるもので、通常の運転ではONにしておく必要がある。もし、通常の運転にも拘らず、OFFになっているとカッターが動作せず連包の袋を製造してしまい、正常な袋の製造が行えないことになる。カッターSWがONであり、運転中であり、かつ、正常サイクルであり、そして、「カッター出力ON」のタイミング中であれば、カッターが動作する。以上のように、包装不良品は、すべて連包排出するという、条件下においては、通常運転中の包装不良の判断にカッター出力信号の有無が検知信号として使用できる。
【0031】
図14Bにおいて、搬出シュート動作は、運転信号ONであり、計量機連動状態であり、搬出シュートが良品位置であれば、搬出動作を行う。ただし、計量機連動信号がOFFであれば、搬出シュートは不良品位置に設定する。計量機連動信号とは、計量機と包装機が連動状態にあることを示す信号で、この状態にあるときには、包装機は計量器に製品の落下を促す信号を送り、計量機は、それに応じて製品を落下させると共に落下完了信号を返す動作を繰り返す。よって、計量機連動信号がOFFである状態で包装機が運転するということは、袋の中に製品が充填されていない空袋を製造するということを意味する。袋の中に製品が充填されていない空袋は、正常な商品ではなく包装不良品に準じた扱いとなり、搬出シュートは不良品位置に設定することとなる。
【0032】
図14Cは、包装機調整時(試運転時)の搬出動作を示し、調整中信号がONであれば、下死点検出センサのONを確認してモータを停止する。これは、現在位置を確定するための動作、即ち原点復帰動作を示したものである。本発明は、サーボ・モータを回転制御することで、搬出シュートを良品搬出位置と不良品排出位置を切り換えるものであり、運転に際してはどちらかの位置に確定しておく必要がある。電源投入の時点では、搬出シュートの位置は不定であり、必ず原点復帰を行って位置を確定しなければならない。図14Cは、この原点復帰動作を、包装機が調整動作を行うときに同時に行うことを示している。図中の調整中出力とは、包装機から出力される信号で、サーボ・モータを駆動源とした装置、例えば横シーラ装置が原点復帰動作を行っているときに出力されるものである。この信号がOFFからONに変化するということは、包装機の調整動作が開始されたことを意味し、このタイミングで本発明の不良品排出装置も原点復帰を実行することを示したものである。
【0033】
図14Dは、包装機運転中の搬出シュート動作を示し、チェック・タイミング時のカッター出力を見て、計量器連動信号がONであり、搬出シュートが良品位置であれば、搬出シュート動作を行う。上記カッター出力がない場合、搬出シュートは不良品位置に設定される。
【0034】
なお、この実施例においては、正常包装品との違いが明瞭になるように、包装不良品は、すべて連包排出することになっているので、カッター出力の有無を良品・不良品の選別信号に用いている例である。
【0035】
図12は、通常運転時のタイミング・チャートを示す。運転が開始されると運転信号61がONとなり、前記図14Dの如く、計量器連動信号62がONであり、搬出シュートの位置63が良品位置であれば、搬出シュート動作を行う。
【0036】
しかし、図12の64の如く、不良検出信号があった場合、搬出シュートの位置63をその時の被包装物の落下タイミングに合わせて不良品排出位置に移動させ、カットすると共に不良品として排出する。また、包装サイクル毎にカッター出力68の有無を検出し、例えば、65,66の如く、該カッター出力がない場合、不良品検出信号64がなくても、該カッター時に対応する被包装物が排出されるタイミングで搬出シュートの位置63は不良品位置に設定される(図12の67,70)。これは、前記の如く、不良検出信号64が出なくても何らかの原因で異常が検出される場合があり、この場合は、カッター出力68が出ないので、カッター出力を不良品排出信号として利用している例である。なお、上記65のケースは、カッターSW69がOFFの場合であり、66は、その他の原因で包装機制御器がカッター出力を止め、カッター出力68が出ない場合である。
【0037】
図13は、空袋運転時(試運転)のタイミング・チャートを示す。この場合、運転信号はONであるが、計量器連動出力72がOFFであるので、すべて不良品排出となる。該試運転では、袋の製袋動作が正しく行われるかどうかの確認を行うものであり、例えば、不良排出信号74のONに対してカッター出力75が停止されるかどうかといった包装機の各種動作確認を行うものも含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明の縦型製袋充填包装機の搬出シュート駆動式系外排出装置は、包装機の制御信号を利用し、不良品の場合の排出を包装機の直下で行い、包装機と一体化された動作を行うので、従来の如く一旦コンベアに移送させてから、不良品を選別するものに比べ、従来の搬出コンベア上での別設の不良品・良品選別装置が要らなくなり、システムが簡略化されて必要とする装置面積も軽減される効果がある。
【0039】
また、従来のダンパー式に比べ、本発明の搬出シュート駆動式系外排出装置は、不良品の場合搬出シュートに触れることなく自然落下するので、不良品を選別箇所で挟み込み、袋を破裂させ被包装品を撒き散らし、ラインの稼動を一時停止させなければならないといった重大なトラブルを起こすことが殆どない。
【0040】
このように、本発明の搬出シュート駆動式系外排出装置は、包装機の高速動作時にどのような形態の不良品でも確実に系外に排出できる省スペース、低コスト、かつ簡易な形態の排出装置が実現できる。従って、本発明の搬出シュート駆動式系外排出装置は、包装機の高速動作、高稼働率な自動化ラインで不良品の確実な排出が実現できるので、利便性が高く、産業上の利用性が高い。
【符号の説明】
【0041】
2 製品充填筒
3 縦シール装置
4 紙送り装置
5 横シール及びカッター
6 選別シュート
9 フォーマー
11 被包装物(良品)
10 被包装物(不良品)
21 横シーラ
22 コンベア
23 コンベア
25 不良品搬出シュート
26 クランク機構
31 ダンパー
32 コンベア
33 シュート
34 被包装物
35 ダンパー
36 ダンパー
41 コンロッド
44 クランク
46 サーボ・モータ
47 揺動レバー
51 搬出シュート位置
54 包装機制御部
55 下死点確認センサ
56 搬出シュート制御部
61 運転信号
62 計量器連動出力
63 搬出シュート位置
64 不良排出信号
68 カッター出力
72 計量器連動出力
73 搬出シュート位置
74 不良排出信号
75 カッター出力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装フィルムのフィルム両縁を縦シールして包装筒を形成するとともに、該包装筒をフィルム送り装置によりフィルムが下降して横シール(エンド・シール)カット装置により包装筒に充填された被包装物の上側の際と次に落下充填される被包装物の下側の際を横二条シールし、該シールの中間部分をカットして被包装物を形成する縦型製袋充填包装機において、
上記包装筒下方の前記被包装物の落下箇所に駆動式系外搬出シュートを設け、不良品検出時、該搬出シュートを回転駆動することにより不良品を系外に排出することを特徴とする搬出シュート駆動式系外排出装置。
【請求項2】
前記搬出シュートが、その取り付け角度を可動にして、正常動作時に良品搬出コンベアに接続し、不良品の場合は不良品搬出コンベアに接続する駆動を行うことを特徴とする前記請求項1記載の搬出シュート駆動式系外排出装置。
【請求項3】
前記搬出シュートは前記横シール装置の直下に設けられていて、不良品排出時、不良品が前記搬出シュート上を滑ることなく直下に自由落下する構造であることを特徴とする前記請求項1、または2記載の搬出シュート駆動式系外排出装置。
【請求項4】
前記不良品検出信号として、包装機制御部の不良品排出信号、または、被包装物のカッター出力を用いることを特徴とする前記請求項1〜3の内、いずれか1項記載の搬出シュート駆動式系外排出装置。
【請求項5】
前記搬出シュートの回転駆動は、サーボ・モータと、該サーボ・モータの回転軸に偏心して取付られた支点と、該支点と前記搬出シュートを一体化した揺動レバーの先端とを結合するコンロッドからなるクランク機構で行われることを特徴とする前記請求項1〜4の内、いずれか1項記載の搬出シュート駆動式系外排出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図14C】
image rotate

【図14D】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−219138(P2011−219138A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91011(P2010−91011)
【出願日】平成22年4月11日(2010.4.11)
【出願人】(000148162)株式会社川島製作所 (90)
【Fターム(参考)】