説明

縫いぐるみ玩具

【課題】大型化が可能ではあるが、比較的軽量で空気を抜くことにより小型化でき、多様性を有する縫いぐるみ玩具を提供する。
【解決手段】この発明にかかる縫いぐるみ玩具は、空気注入部20aを有し、柔軟な薄いシート材よりなる球状本体20を、布材又はシート材で被覆され、頭状に形成された、頭状体12と、前記頭状体12の外表面の一部分を保持するための凹球面状の保持部30を有する、頭以外の体の部分に形成された、体状体14とを備え、前記頭状体12の一部分と、前記体状体14の保持部30の凹状部とは、それぞれに連結具40,50が設けられ、前記体状体14の保持部30の凹状部に嵌合された前記頭状体12の一部分の連結具40と、前記体状体14の保持部30の連結具50とが連結され、体状体14の上に頭状体12が固定されるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫いぐるみ玩具に関し、特に、ゲームセンター等の店頭に設置されている景品を取って遊戯を楽しむクレーンゲーム機の景品として、好適な縫いぐるみ玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームセンター等の店頭に設置されている景品を取って遊戯を楽しむクレーンゲーム機の景品として、動物等を模した縫いぐるみが採用されている。この縫いぐるみは、クレーンゲーム機の把持装置の爪や景品落し口の大きさからある程度の大きさのものしか用いることができなかった。
【特許文献1】実公平7−25995号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、縫いぐるみは大きいほうが顧客に喜ばれることもあり、最近はより大きな縫いぐるみを景品とする傾向があるが、クレーンゲーム機の把持装置の爪により持ち上げるためには軽量であることが望まれ、運搬時には小型化できることが望まれている。
また、景品を入手したときには、単なる縫いぐるみとしてインテリア等に使えるのみならず、ビーチボールのようなスポーツや遊戯にも使用できる、多様性が求められている。
それゆえに、この発明の主たる目的は、大型化が可能ではあるが、比較的軽量で空気を抜くことにより小型化でき、多様性を有する縫いぐるみ玩具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、空気注入部を有し、柔軟な薄いシート材よりなる球状本体を、布材又はシート材で被覆され、頭状に形成された、頭状体と、
前記頭状体の外表面の一部分を保持するための凹球面状の保持部を有する、頭以外の体の部分に形成された、体状体とを備え、
前記頭状体の一部分と、前記体状体の保持部の凹状部とは、それぞれに連結具が設けられ、
前記体状体の保持部の凹状部に嵌合された前記頭状体の一部分の連結具と、前記体状体の保持部の連結具とが連結され、体状体の上に頭状体が固定されるように形成された、縫いぐるみ玩具である。
【発明の効果】
【0005】
この発明に係る縫いぐるみ玩具は、空気注入部を有し、柔軟な薄いシート材よりなる球状本体を、布材又はシート材で被覆され、頭状に形成された、頭状体と、前記頭状体の外表面の一部分を保持するための凹球面状の保持部を有する、頭以外の体の部分に形成された、体状体とを備え、前記頭状体の一部分と、前記体状体の保持部の凹状部とは、それぞれに連結具が設けられ、前記体状体の保持部の凹状部に嵌合された前記頭状体の一部分の連結具と、前記体状体の保持部の連結具とが連結され、体状体の上に頭状体が固定されるように形成されているので、大型化が可能ではあるが、比較的軽量で空気を抜くことにより小型化でき、多様性を有する縫いぐるみ玩具を提供することができる。
【0006】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、この発明の分割される縫いぐるみ玩具の斜視図であり、図2は、図1図示縫いぐるみ玩具の分割した状態を示す、頭状体の斜視図解図である。図3は、図1図示縫いぐるみ玩具の頭状体の要部の斜視図解図であり、(A)は蓋片を開いた状態を示し、(B)は蓋片を閉じた状態を示し、図4は、図1図示縫いぐるみ玩具の分割した状態を示す頭状体の斜視図解図である。図5は縫いぐるみ玩具の連結具の面ファスナーで接合する状態を示す斜視図解図である。
この発明にかかるエアーボール合体縫いぐるみ玩具10は、動物の頭を模して頭状に形成された、頭状体12と、前記頭状体12の外表面の一部分を保持するための頭以外の体の部分に形成された、体状体14とを備える。
【0008】
前記頭状体12は、空気注入部20aを有し柔軟な薄いシート材よりなる球状本体20を、布材又はシート材からなる被覆材22で被覆してなる。
【0009】
球状本体20は、柔軟で薄いビニール樹脂のシート材等よりなり、ビーチボール状に形成されている。球状本体11は、木の葉状の片を多数、ここでは6枚を溶着することによって球形を形作り、その一部に空気注入部20aを形成している。
【0010】
空気注入部20aは、従来公知のもので、球状本体20の適宜位置に1つ設けられている。この空気注入部20aは、人の口で簡単に空気を吹き込むことができ、また人の手で簡単に空気が抜けるようになっている。
【0011】
被覆材22としては、本体布24の底部開口部26より空気の抜いた球状本体20を入れて球状本体20の空気注入部20aより空気を入れて膨らませて、底部開口部26の蓋片28により蓋をすることができるように形成されている。
空気の入った球状本体20は、膨らみ、外側の被覆材22は、突っ張り立体的になる。しかし、球状本体20の空気注入部20aより空気を抜けば小さくすることができる。
【0012】
体状体14は、動物の頸部、胴部、手足部の1又は複数を有し、外表布32を構成する布等のシート材の中に、綿、スポンジ等の柔軟材からなる詰め物34を包み込んで、外側を縫ってなり、その最頂部に擂鉢状すなわち凹球面状に凹んだ凹状部を有する保持部30を備える。
【0013】
前記頭状体12の一部分と、前記体状体14の保持部30の凹状部とは、それぞれに連結具40及び連結具50が設けられ、前記体状体14の保持部30の凹状部に嵌合された前記頭状体12の連結具40と、前記体状体14の保持部の連結具50とが連結され、体状体14の上に頭状体12が固定されるように形成されている。
頭状体12は、連結具40が底部開口部26の周囲に環状に形成されている。
また、体状体14は、連結具50が保持部30の凹状部の外表面に環状に形成されている。
【0014】
連結具40及び連結具50は、互いに引き掛けられるように構成された面ファスナ、すなわちパイルを利用した離脱自在のテープからなり、一対の面ファスナのうち一方の面ファスナが頭状体12に、他方の面ファスナが体状体14に縫いつけられている。
【0015】
すなわち、頭状体12の頭首部の表面には、支持体42の表面上に多数のループ44を備えてなる連結具40が支持体42にて被覆体22に縫いつけられている。この実施の形態においては、底部開口部26の周囲に円環状に形成されている。
一方、体状体14の首部の表面には、支持体52の表面上に多数の鉤54を備えてなる連結具50が支持体52にて外綿布32に縫いつけられている。
そして、該頭状体12の連結具40は、体状体14の保持部30に縫いつけられた表面上に多数の鉤54を備えた連結具50と脱着自在に係合するようになっている。
【0016】
また、体状体14には、胴首部に形成された保持部30の凹状部の領域に、表面上に多数のループを備えた連結具50が円環状に縫製されており、該連結具50は、頭状体12の頭首部に縫いつけられた表面上に多数のループを備えた連結具40と、脱着自在に係合するようになっている。
そして、前記連結具40と連結具50間の係合は、任意の方向でも行えるようになっており、たとえば頭状体12が前後左右いずれかの方向に向いた姿態で係合できるものとなっており、また力を加えなければその姿態を維持するようになっている。
【0017】
頭状体12は、体状体14より取り外して、空気注入部20aより空気を抜くことによりおりたためる。
また、頭状体12は、体状体14より取り外して、ビーチボールと同じように遊べる。
【0018】
また、本発明に係わる縫いぐるみ玩具が単数存在する場合や同種縫いぐるみ(たとえば、同じキャラクターの縫いぐるみで、表情が異なる顔面を有するものや脚の形状が異なるものなど)が複数存在する場合に頭状体を取り替えて楽しんだり、一体化した通常の縫いぐるみと同様に遊んだりまたインテリアにしたりすることができる。
【0019】
以上述べたように、連結具50は、体状体14の周辺部よりへこんでいる凹状部よりなる保持部30に取り付けられているので、この分割縫いぐるみ玩具をクレーンゲーム機の中で混ぜても引っ掛かったり取れたりすることがなく、また連結具50どうしが触れただけでは互いに鉤止することがない。
この分割された縫いぐるみ玩具を組合せた場合にも、保持部30がその他の面よりへこんでいるので、接合状態では縫いぐるみの姿勢が保持されると共に、接合面が見えることがなく一体化されたものと見え、しかも連結具40と連結具50との取り付け取り外しは容易である。
【0020】
本発明は、前記実施の形態に限らず、種々変更することができる。
例えば、図8ないし図10に示すように、体状体114は、それを形成する胴部116と脚部118とを分離させるように形成し、胴部116にバネ部材120の上端を固定し、バネ部材120の下部に脚部118を固定し、そして、バネ部材120の伸縮により脚部118が下方に下がったり上部に上がったりするように構成してもよい。
【0021】
接合部材を構成する連結具40と連結具50とは、両ファスナーではなくて、図11ないし図13に示すように、布テープ142に互いにかみ合う歯144を組み合わせ、その間のスライド金具146をすべらせて開閉するスライドファスナーを採択してもよい。そして、該スライドファスナーの一方の布テープ142を頭状体112の下方に付着し、且つ他方の布テープ142を体状体114の上部の接合部の頭首部に付着して連結具140とし、他の布テープ142を体状体114に付着して連結具150とし、連結具140と連結具150の両方の歯144をかみ合わせて、頭状体112と体状体114とを連結するようにしてもよい。
スライドファスナは、布テープ142を環状にして頭状体112の被覆材122と縫合し且つそれに対応して体状体114の外面布132と縫合してもよい。
【0022】
前記実施の形態では、接合部材として結合面の中央に一対の連結具40及び連結具50を用いたが一対に限定するものでなく、複数対でもよい。
また、他の実施例として、面ファスナの代わりにホックや球状嵌合具を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
以上述べたとおりクレーンゲーム機の景品として実用価値が大である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の分割される縫いぐるみ玩具の斜視図である。
【図2】図1図示縫いぐるみ玩具の分割した状態を示す、頭状体の斜視図解図である。
【図3】図1図示縫いぐるみ玩具の頭状体の要部の斜視図解図であり、(A)は蓋片を開いた状態を示し、(B)は蓋片を閉じた状態を示す。
【図4】図1図示縫いぐるみ玩具の分割した状態を示す頭状体の斜視図解図である。
【図5】縫いぐるみ玩 具の連結具の面ファスナーで接合する状態を示す斜視図解図である。
【図6】図1図示縫いぐるみ玩具の頭状体と体状体とを結合した状態を示す斜視図解図である。
【図7】図1図示縫いぐるみ玩具の頭状体を体状体より分離し、頭状体の球状本体を凹ませた状態を示す斜視図解図である。
【図8】この発明に係る別の実施の形態である、分割される縫いぐるみ玩具の斜視図解図である。
【図9】図8図示縫いぐるみ玩具の作用を示す斜視図解図である。
【図10】図8図示縫いぐるみ玩具の作用を示す斜視図解図である。
【図11】図8図示縫いぐるみ玩具の頭状体の底面図解図である。
【図12】図8図示縫いぐるみ玩具の体状体の平面図解図である。
【図13】頭状体と体状体とを連結具で連結する方法を示す斜視図解図である。
【符号の説明】
【0025】
10 縫いぐるみ玩具
12、112 頭状体
14、114 体状体
20 球状本体
22、112 被覆材
20a 空気注入部
24 本体布
26 底部開口部
28 蓋片
30 保持部
32、132 外面布
34 詰め物
40、140 連結具
42 支持材
44 ループ
50、150 連結具
52、142 支持体
54 鉤
142 布テープ
144 歯
146 スライド金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気注入部を有し、柔軟な薄いシート材よりなる球状本体を、布材又はシート材で被覆され、頭状に形成された、頭状体と、
前記頭状体の外表面の一部分を保持するための凹球面状の保持部を有する、頭以外の体の部分に形成された、体状体とを備え、
前記頭状体の一部分と、前記体状体の保持部の凹状部とは、それぞれに連結具が設けられ、
前記体状体の保持部の凹状部に嵌合された前記頭状体の一部分の連結具と、前記体状体の保持部の連結具とが連結され、体状体の上に頭状体が固定されるように形成された、縫いぐるみ玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−220397(P2008−220397A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−58451(P2007−58451)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(507076023)株式会社ラフォーレ (1)
【Fターム(参考)】