説明

縫合糸上にあごを形成する方法およびそれを実施するための装置

【課題】縫合糸において、切り込みによりあごを作る、実際的な方法を提供する。
【解決手段】縫合糸を切り込みするに際して、切り込み刃の幾何図形的配列及び/又は切り込み刃の移動を変えて、あご付きの縫合糸を作る方法。この方法は切り込み装置を用いて行い、手術用縫合糸の外表面上に複数個のあごを作ることができる。切り込み装置を伴う、この方法を利用して作ったあごは、同一または類似の形状をとることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫合糸フィラメントに切り込みを入れるに際し、刃の幾何図形的配列及び/又は刃の運動を変えて縫合糸フィラメントにあごをつける方法およびこれを実施するための装置に関する。その方法を利用して、縫合糸の外面上に切り込みを入れて、軸方向に間隔配置された、複数個のあごを、作ることができる。
【背景技術】
【0002】
かねてよりよく知られていることは、手術の傷や外傷は通常フィラメントで閉ざされるということである。そのフィラメントは一端に取り付けた針で組織内に導入されるものである。傷を閉ざし、また、組織を一体に保持することで治癒と再生が支えられる。この行為で特別に用いられるものは縫合糸として知られている。
【0003】
あごをつけた縫合糸は一方向性の縫合糸であり、これにより組織内を一方向に針引きされる縫合糸の移動が許されるが、反対方向への移動は許されない。一般にあごをつけた縫合糸は細長い物体であり、その細長い物体の外表面にとがった誘導端と複数個の、軸の周りに且つ周辺に間隔配置されたあごを有する。
【0004】
傷をあごのある縫合糸で閉ざすに際して、その縫合糸は傷の両側のそれぞれにおいて組織を貫通する。匍匐する、縫合糸の端部が通常その傷の両側に整列配置されるように、縫合糸の対が形成される。縫合糸を挿入するたびに、その針が押込まれ、その傷から横方向に離れた点においてその組織から外側へ伸び、次いでその針は引き出され、所望の位置までその縫合糸を引き出し、次いで縫合糸が針から切り離される(注:あごのある縫合糸を利用する方法は、2001年6月29日に出願され、継続中である米国特許出願番号09/896,455において開示されている。その発明の名称は「縫合方法」であり、そのものはクイル・メデカル株式会社(Quill Medical, Inc.)に譲渡され、その開示内容は参照することにより本明細書中に取り込まれる。)。あごのある縫合糸を利用する利点は、その傷の内部における縫合糸の滑りを減らしてその組織内に張力を付加することができることにある。縫合糸の対の数は傷の大きさやその傷を閉じた状態で保持するのに要求される強度に応じて選択される。組織の固定は極めて鋭利なあごや比較的細い先端部を用いて容易に実施されるにも関わらず、より良好な組織の保持結果はふっくらした(fuller)先端部状のあごを用いて達成される。
【0005】
組織の治療を行うある種の環境では、その縫合糸の外表面上に任意にあごを配置することが好まれよう。できるかぎり多くの、あごの角度を用いて、優れた傷の保持が達成されよう。しかしながら、必要とされる傷や組織の治療が少ない環境下では、小型の縫合糸が好まれよう。小型の縫合糸はその縫合糸の外表面上に数少ないあごを必要としよう。
【0006】
切り込みによりあごを作る、様様な方法が提案された(米国特許第5,931,855号を参照せよ。)。しかしながら、係る方法は商業的なレベルでの開発が行われず、その理由は曖昧である。
【0007】
上記の内容からわかることは、最小限の困難さと信頼できかつ比較的経済的な方法に依存して、縫合糸の外表面上に、切り込みを入れてあごを作る方法に対するニーズがあること、その結果として、係る縫合糸が広範な規模で商業化される。係る方法は同様にあごの寸法、位置および深さを変えて、あごの変形や実際の応用を可能にしよう。この方法により、必要な数のあごに依存した位置において切り込みを入れて複数のあごを作ることができよう。そのニーズは、同様に、上記の方法を利用することができる装置に対しても存在する。その装置により、任意の配置または類似の配置で、複数個の、軸方向に間隔配置されたあごが提供されよう。その配置はとりわけ治療する組織の形式に依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の主たる目的は、縫合糸において、切り込みによりあごを作る、実際的な方法を提供することである。
【0009】
従って、本発明の他の目的は、縫合糸の外表面上において、種々の寸法のふっくらした(fuller)先端部状のあごを切り込みにより作る方法を提供することである。
【0010】
従って、本発明の、更に他の目的は、縫合糸の外表面上において、複数個の、軸方向に間隔配置されたあごを、切り込みにより作る方法を提供することである。
【0011】
従って、本発明の、更に他の目的は、縫合糸の外表面の周囲に、複数個の、軸方向に間隔配置されたあごを、切り込みにより作る方法を提供することである。
【0012】
従って、本発明の、更に他の目的は、縫合糸の外表面上に、類似の位置または任意の位置に、複数個の、軸の周囲に間隔配置されたあごを、切って作る方法を提供することである。
【0013】
従って、本発明の、更に追加の目的は、この方法を実施する装置の例を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記した目的を達成するために、縫合糸に切り込みを入れる際に、利用する刃の幾何図形的配列及び/又はその刃の移動に応じて、様様な寸法の、縫合糸のあごを作る、切り込み方法が提供される。刃の幾何図形的配列及び/又は刃の移動の程度または軌道を変えて、様様な外科手術に備えて設計された、様様な寸法のあごが製作できる。例えば、肉付きがよく比較的柔らかい組織を接合するために、より大型のあごが望まれる。これに対して、コラーゲンが集中した組織の場合にはより小型のあごが適している。同様に、同一の縫合糸上に大小のあごを組み合わせて使用すれば、最大限の固定性が確保され、そこではあごの寸法は組織層ごとに注文制作される。
【0015】
その切り込み方法はここに開示された切り込み装置を用いて達成されよう。開示されたその装置によれば、縫合糸の長さ方向にジグザグ配置で6セットのあごが製作できる。そこでは3セットのあごは他の3セットのあごと向かい合っている。断面図でその縫合糸を観察すれば、あごのセットは、切り込み方法に依存して、互いに120°または180°ずらして配置されている。縦軸方向に、最直近のあごの切り込みが終わる位置で、あごの切り込みが始まろう。
【0016】
捻らない状態であごを切り込みにより作る方法と比較して、捻った形状を用いれば、生産設備が簡素化され、より強固な縫合糸が製作され、少なくとも係数3だけ製作循環期間を減少させ、容易により小さな直径のものに規模を変更することができ、また、120°または180°ではなく、螺旋形式であごを製作できる。
【0017】
縫合糸の捻りを伴う切り込み方法およびその捻りを伴わない切り込み方法を変形させたり、わずかに修正したり及び/又は組み合わせたりすることによって、あごは任意に配置される。組織の治療に際して、任意の配置は、できるかぎり多くの、あごの角度において組織を固定し、優れた、傷の、保持特性を提供できるので理想的である。本発明のあれやこれやの目的および特徴は、以下の詳細な記述内容において更に開示されるものから明らかになろう。図面と関連付けて取り込まれる記述内容の目的および利点は本発明により実現されよう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】A−Fは刃の切り込み運動を描く図であり、その運動は刃の移動からの一つの自由度と刃の幾何図形的配列からの二つの自由度を伴う。
【図2】A−Cは刃の切り込み運動を描く図であり、その運動は刃の移動からの二つの自由度と刃の幾何図形的配列からの一つの自由度を伴う。
【図3】A−Cは刃の切り込み運動を描く図であり、その運動は刃の移動および固体状かんな(solid plane)の幾何図形的配列からの三つの自由度を伴う。
【図4】A−Cは刃のジグザグした(前方、後方および下方に振動する)切り込み運動を描く図であり、その運動は刃の移動および固体状かんな(solid plane)の幾何図形的配列からの三つの自由度を伴う。
【図5】関節接合刃の切り込み運動を描く図であり、その運動は刃の移動からの三つの自由度を伴う。
【図6】組み立てられた切り込み装置の上面図である。
【図7】切り込み床の透視図である。
【図8】切り込み装置の保持ノブの端面図、側面図および断面図である。
【図9】切り込み装置の刃アッセンブリーの上面図と側面図およびそのアッセンブリーの刃の上面図である。
【図10】刃アッセンブリーのテンプレート・ブロックの上面図および側面図である。
【図11】切り込み装置と共に用いられる切り込みテンプレートの上面図と側面図である。
【図12】切り込み装置と共に用いられるタンピング道具の上面図と側面図である。
【図13】保持ノブに縫合糸を固定してスペーシング・バー上に配置する様子を示す図である。
【図14】切り込み床万力と共に用いられる、様様な取付具を配置する様子を示す図である。
【図15】切り込みテンプレートに対応した、刃アッセンブリーの位置や下方への移動を描く図であり、切り込み装置の残りの部分は明瞭化のために本図から除かれている。
【図16】切り込みテンプレートに対応した、刃アッセンブリーの位置や下方への移動を描く図である。
【図17】120°回転して切り込みする方法による切り込みの前または後に、切り込み床内に縫合糸を設置する様子を描く正面図である。
【図18】捻って切り込みする方法に従って切り込みする前に切り込み床万力内に縫合糸を設置する様子を描く正面図である。
【図19】捻って切り込みする方法の前または後における、縫合糸の様様な様子を描く図である。
【図20】120°回転して切断する方法に従った、あご付きの縫合糸の、側面、上面および詳細を示す図である。
【図21】A−Cは線形指数メカニズムの透視図を描く、そのものは回転往復運動する刃アッセンブリーを伴う。
【図22】回転指数メカニズムの透視図であり、そのものは回転往復運動する刃アッセンブリーを伴う。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下において図面に詳細に言及する。その際に同一の数字は複数個の図面にわたって同一の要素を表すものとする。
【0020】
本発明の目的はあご付きの縫合糸を製作する効果的な方法を提供することである。これに関していくつかの異なる形式の方法が開示されている。これらの方法は、あごを作るための、縫合糸上での刃の切り込み作用に関するものである。以下に述べるように、意図された切り込み作用は刃の移動や刃の幾何図形的配列を考慮したものである。
【0021】
本質的に、刃を利用する縫合糸の切り込みは縫合糸6の三次元x−y−zを考慮したものである。いずれの次元も重要であり、刃の切り込み運動及び/又は刃の幾何図形的配列に基づいて扱われる。刃の幾何図形的配列に依存して、刃の移動は他の次元において影響を及ぼすことができる。
【0022】
これに関して図1のAが例示するものは刃8の一貫した切り込み運動である。そこには、移動からの一つの自由度と、縫合糸6を横断する、刃の幾何図形的配列からの二つの自由度がある。移動からの一つの自由度は三次元x−y−zレイアウトにおける、一つの方向の移動である。図1のAに関して、方向(2)は、縫合糸6の切り込み時に横方向のx軸に沿う。その際に刃8の移動は、切り込みを成し遂げる前は方向(2)にある。刃8の端部10は、刃8の先端部の側面14と16の間の幾何図形的配列に従って、(12)で表される角度を有する。それは、刃8の上面と底面の間における、その刃の幾何図形的配列における(図示されない)角度と同様である。係る幾何図形的配列により、ちょうどx方向における刃8の移動に基づいてy次元とz次元において(すなわち、あごの長さと深さにおいて)影響が及ぼされよう。
【0023】
図1のBに示すように、これらの角度により、方向(2)において移動する間に、y方向およびz方向において縫合糸6の内部への切れ込みが実現する。この切れ込みの移動は、結果として、方向(18)として描かれている。図1のCでは、縫合糸6の完全な切れ込みが描かれており、そこには縫合糸6から離れた方向(2)における継続した移動が見られる。
【0024】
図1のAと同様に、図1のDが例示するものは刃8の切り込み運動であり、そこには移動の一つの自由度と縫合糸6を横断する刃の幾何図形的配列からの、二つの自由度が見られる。図1のDにおいて、刃8は窪んだ、研いだ刃(ground blade)であり、その刃の端部10には、刃8の上面と底面との間での、その刃の幾何図形的配列における、凹面または内側に湾曲した面と同様に、その側面14、16の先端相互の間での、その刃の幾何図形的配列における、角度がある。係る幾何図形的配列のおかげで、ちょうどx方向における刃8の移動により、y次元およびz次元において(すなわち、あごの長さと深さにおいて)影響が現れよう。
【0025】
図1のEとFに示すように、この刃の幾何図形的配列により、方向(2)において刃8が移動する間にy方向およびz方向において縫合糸6の内部への切れ込みが実現する。図1のEとFを比較すれば、方向(2)における刃8の移動によりあごの長さと深さがどのように増加するかが例示される。
【0026】
図2のA〜Cを参照すれば、例示されているものは、刃の一貫した切り込み運動であり、そこには移動の二つの自由度と刃の幾何図形的配列からの、一つの自由度が見られる。移動の二つの自由度はxおよびyという二つの方向における移動である。図2のAに関しては、縫合糸6の切り込みに際して、方向(2)は横方向のx軸に沿い、方向(22)は前方向のy軸に沿う。これに関して二つの方向(2)と(22)における刃8の移動は同時に生じて、切れ込みを完結させる。刃8の端部10は90°以下の角度を成し、(24)として描かれているように、刃8の側面14、16の先端相互の間での、その刃の幾何図形的配列における一つの角度である。
【0027】
図2のBに示すように、方向(22)における前方向の移動であり、且つ、横方向(2)に沿った移動により、図1で作られる切れ込みよりも長い切れ込みが縫合糸6の内部に向かって実現する。その理由は、図1において、刃の幾何図形的配列およびx−軸における刃の移動があごの長さを決定するからである。ところが図2において、刃の幾何図形的配列およびy軸とx軸の双方に沿った刃の移動があごの長さを決定する。この、より長い切り込み動作はy軸方向にある。図2のCは縫合糸6の完全な切れ込みを表し、そこには縫合糸から離れた方向(2)における、継続した移動が見られる。
【0028】
図3のAが例示するものは、さらに一貫した、刃の切り込み運動であり、そこには刃の移動の、三つの自由度と角度が90°以下の端部10が見られる。移動からの三つの自由度とは三次元x−y−zレイアウトの三方向における移動である。図3のAに関して、方向(2)は横方向のx軸に沿い、方向(22)は前方向のy軸に沿い、また、方向(32)は下方向のz軸に沿う。三つの方向(2)、(22)、(32)すべてにおける、刃8の移動が利用され、縫合糸6上のあごの切れ込みを完結する。
【0029】
横方向(2)、前方向(22)および下方向(32)における移動の組み合わせにより、切れ込みの長さと深さの変化が実現され、あごが作られる。さらに方向(32)において切り込みを入れればより深いあごとなり、及び/又はさらに方向(22)において切り込みを入れればより長いあごとなろう。横方向(2)、前方向(22)および下方向(32)に同時に刃8を動かすことにより軌道が形成され、その方向を変えれば、アスペクト比としての、様様な量を有するあごが作られよう。図3のCには縫合糸6の完全な切れ込みが表され、そこには縫合糸6から離れた方向(2)、(22)、(32)における、継続した移動が見られる。
【0030】
切り込みによりあごを付ける他の方法が図4のA〜Cに表されている。刃の後退、前進またはジグザグ運動(z軸及び/又はy軸における移動と結合したx軸上の振動)は刃の移動の三つの自由度と堅固な平面的幾何図形的配列を伴い、鋸状の切り込み運動で切り込みを入れてあごを作る。移動の三つの自由度は三次元x−y−zレイアウトにおける、三つの方向の移動である。図4のAにおいて、方向(2)は横方向のx軸に沿い、方向(22)は前方向のy軸に沿い、方向(32)は下方向のz軸に沿い、また、方向(42)は方向(2)の反対方向であることを除いて、横方向のx軸に沿う。図4のAは移動を表す。その移動を利用して方向(22)と(32)における刃8の切れ込みが完結する。そこには方向(2)と方向(42)の間における移動の変換が見られる。刃8の端部10は刃8の側面14、16の先端相互の間において一直線であろう。
【0031】
横方向(2)と(42)における交互移動、前方向(22)における着実な移動および下方向(32)における着実な移動の組み合わせにより切れ込みの深さは変更できる。その結果としてジグザグ切り込み運動は図4のBにおける交互方向(44)として表される。図4のCは縫合糸6の完全な切れ込みを表す。
【0032】
切り込みによりあごを作る他の方法は図5のA〜Cに表されている。そこでは上記の図1〜4に記述した、いずれかの切り込み運動と結びつけて、軸9の周りでの刃8の関節接合を利用して、あごの深さを変えられよう。図5のAにおいて、方向(2)は(図面の平面の内部へ向かって)横方向のx軸に沿い、方向(22)は前方向のy軸に沿い、方向(32)は下方向のz軸に沿う。図5のBは刃の移動を表す。その移動を利用して方向(2)と方向(22)における刃8の切れ込みが完成する。その切れ込みは図2のBに描かれたものと類似している。方向(22)における前方向の移動であり、且つ、横方向(2)に沿った移動により、刃の移動の、二つの自由度に基づいてあごが作られる。図5のCにおいて、刃8は同様に軸9の周りに関節接合され、自由度が追加される。その自由度を利用してz−軸における方向(32)においてあごの深さを増すことができよう。係る、刃8の関節接合運動は、刃の幾何図形的配列のいずれか及び/又は前記した刃の移動と結びつけて採用できよう。刃9の関節接合を同様に利用して縫合糸6の表面上で又その表面から離れるように、切り込みにより作ったあごを持ち上げることができよう。これによりふっくらした又はより顕著なあごが得られよう。
【0033】
図1〜5に表される刃の運動により、ポリグリコリド、ポリジオキシノン、ポリプロピレン、他の再吸収性物質、他の非再吸収性物質、ゴア−テックス(Gore-Tex 登録商標)、二成分材料から作る縫合糸フィラメント又は他の目的に適した材料から作る縫合糸に切り込みを入れることができる。
【0034】
前記した例において、単一の刃のみが表され、一方、複数枚の刃の利用が想像される。タンデム配置で、回転機構で、またはいずれかの形式の機械装置で利用され、前記した移動の遂行に影響を与えよう。同様に、その縫合糸は捻らない状態で表され、一方では、後述するように捻った状態で切り込まれよう。
【0035】
前記した事項を遂行するための機械装置の例によれば、図6〜19、21〜22が参照できよう。しかしながら心すべきことは、これらの装置は排他的なものではなく、他の形式の装置が係る遂行のために考慮されていることである。
【0036】
特に図6を参照すれば、そこには切り込み装置50が表されている。この装置では前記した方法を用いて縫合糸6の外表面上で切り込みにより多数個のあごを作ることができる。その切り込み装置50には、切り込み中に万力63上に縫合糸6を保持するための保持ノブ52、54が含まれる。保持ノブ52、54は、ノブホルダー61、62を含む。切り込み床万力スクリュー58、60を利用して切り込み床万力(cutting bed vise)63を開閉する。そこには縫合糸6が切り込み時に配置されている。
【0037】
切り込みテンプレート64は、縫合糸6を横断して複数枚の刃を保有する刃アッセンブリー66の切り込み運動の方向を決める。2枚の、追加の切り込みテンプレートがその切り込み装置の操作のために提供される。しかし、両者はずれており、縫合糸6に関して刃の軸位置が異なっている。その切り込みテンプレートは切り込みテンプレート64と同様な形状を有し、数箇所から眺めて同様に配置されている。同様に、表されたテンプレートは特に切り込みによりあごを作るのに適しており、係るテンプレートは容易に修正され、他の方法を遂行できるようにする。そのテンプレートは、前記したものを含めて、当業者には理解できよう。
【0038】
切り込み床万力63は切り込みテンプレートの整列に役立つ。二つの突起部が切り込み床万力63のブロック68の上面に突き出ている。これらの突起部は整列ピン70、72である。このピンを利用して切り込みテンプレートとタンピング道具(tamp)101をすえつける。
【0039】
当業者に明らかなように、切り込み床万力63の形状は変えられよう。仮にその縫合糸が(例えば、120°または180°だけ)回転してその周辺において切り込みによりあごを作るのであれば、その切り込み床万力は図6に示されるように構成することができよう。仮に切り込みに先立ってその縫合糸を捻るならば、今後検討されるように、好ましくは、切り込み床万力63は図7に表すように台形の側面を有する形状を持つことになる。係る材料はいくぶんか使いやすいので、このデザインにより、平行な側面付きの万力よりも優れた固定を発揮することになろう。注目すべきは、回転する縫合糸と共に、図7に表される万力を利用できることである。それは切り込みにより作ったあごを収容する空間があるからである。これに関して、図7において、ブロック68、74は内側面の上面から平面76に向かって外側へ次第に細くなる。そのブロックは端部から見た場合、台形を描いている。ブロック68のテーパーからの突起部は台形のまたは金敷き形の縫合糸クランプ78であり、これを利用して、切り込み床万力63の閉止中に縫合糸6を固定する。縫合糸クランプ78はくさび形であり、面76上に固定され、上面80のわずかに下方で終了する。
【0040】
縫合糸6の保持に加えて、保持ノブ52、54は種々の切断方法の最中に回転し、正確な移動のための数量的指標となる。図8において描かれているように、保持ノブ52は堅固な、長い胴体である。保持ノブ52は三角形突起部86が付属している握り領域84を有したシリンダー82から構成される。三角形突起部86は、図13に示すように、切り込み床56または間隔バー100の上に載ることがある。固定スクリュー90は縫合糸6を保持ノブに固定する。三角形突起部には切り込み方法の各種の段階において保持ノブを位置決めする際にオペレーターを誘導するための数字が含まれている。しかしながら三角形突起部はいろいろな態様において指標となろう。三角形突起部の一側面には刻み込まれた数字”1”があり、他の側面には数字”2”があり、第三の側面には数字”3”が刻み込まれている。保持ノブ54は保持ノブ52と同様な特性を有する。
【0041】
一度に複数個の、あご付き縫合糸を切り込みにより作るためには、複数刃アッセンブリーを利用する。図9に描かれているように、刃アッセンブリー66は保持ブロック92に保持された、複数枚の刃8から構成される。利用する刃の数が明らかに変動するにもかかわらず、図8には、13枚の刃が描かれている。刃アッセンブリー66で利用する刃の端部10はいずれも、所望のあごの深さだけ、図10に示すように、テンプレート・ブロック94を貫通して伸びよう。
【0042】
図9の保持ブロック92は二つの矩形ブロックから構成され、各ブロックは万力の作用により刃アッセンブリー66を保持する。刃アッセンブリー66は保持ブロックの切断端面に適合し、刃8は所望の角度、この例では148°で挿入される。その刃はそこに取り付けたテンプレート・ブロック94で保持ブロック92内に保持される。テンプレート・ブロック94は切り込みテンプレートの境界内において刃アッセンブリーのために案内役を務める。
【0043】
図11に示すように、切り込みテンプレート64は刃アッセンブリー66のための切り込み道97を提供する。切り込み道97は平行四辺形の周囲として示される。しかしながら注目すべきことには、例えば、切り込み道97は、図1の切り込み方法において記述された移動に適した矩形の周囲をもって、または図2〜5に記述された、刃の移動の自由度を追加可能にする形状をもって具体化されよう。追加の切り込みテンプレートが、軸方向において刃の切り込みを補う目的のために、同様に作られる。切り込みテンプレート64は、切り込みの際にどの刃を利用すべきか使用者に指し示すことができるように、識別される。切り込みテンプレート64の反対側の側面上に大きさが決められたチャンネル99がある。そのチャンネルは刃アッセンブリー66で切り込みされない、縫合糸6の他の部分と適合する。
【0044】
図12のAに示すように、タンピング道具101が提供され、確実に、縫合糸6が均一に金敷き78上に設置される。タンピング道具101上の開口102、104が提供され、整列ピン70、72とかみ合う。チャンネル105が提供され、口径を測定する間に縫合糸6を位置決めする。チャンネル105の深さは万力の上面80上の縫合糸の厚みと等しい。
【0045】
切り込み装置50を操作するために、図13に示すように、保持ノブ52、54の一方上で固定スクリュー90ヘ縫合糸6を固定する。保持ノブ52は、横断して引かれる縫合糸6が付帯する間隔バー100の出っ張り上に位置し、第二の保持ノブ54は反対側の出っ張り上に位置する。いったんその縫合糸を固定スクリュー90で保持すれば、その縫合糸は過度にぴんと張った状態におくべきではない。縫合糸6は、サイジング(sizing)後、切り込み床56上に配置され、切り込み床万力63により位置決めされる。保持ノブ52、54は第一の位置において指し示される。120°だけ離れて間隔配置されたあごを有する、あご付きの縫合糸にとって第二および第三の切り込みにおいて明らかなように、保持ノブ52、54は各々第二および第三の位置まで回転される。
【0046】
図14において示されるように、タンピング道具101は、ぴんと張っている、万力内の縫合糸6を位置決めして切り込み床56上に配置され、次いで除かれる。切り込みテンプレート64は次いで切り込み床56上に配置される。
【0047】
縫合糸6の切り込み方法において、刃アッセンブリー66は切り込み床56上に配置される。刃アッセンブリーが重くのしかかり、一方、図15に示すように、通路97に沿って切り込みテンプレートの上面から底面まで滑走する。刃の深さが設定され、所望のあごの深さが決まる。刃アッセンブリー66が切り込みテンプレート66の底面で停止した場合、その刃アッセンブリーは除去される。最初に切って作るあごとは反対の方向にあごを作るために、刃アッセンブリー66は、180°回転し、図16に示すように、切り込み床56上に配置されよう。刃アッセンブリーの左側面および上面は通路97沿いに切り込みテンプレート97の右側面と底面に接触する。刃アッセンブリーが重くのしかかり、一方、刃アッセンブリーは底面から上面まで滑走する。刃アッセンブリー66が切り込みテンプレート64の上面で停止した後、その刃アッセンブリーとテンプレートが除かれる。
【0048】
工程が進むに従って、縫合糸6は例えば120°、180°等だけ回転し、その切り込み工程は図15〜16に示すように反復される。その縫合糸は切り込み床万力63の開放時にしっかりと固定され、それまでに切り込みにより作られていたあごは上面80上に突き出てはならない。また、係る工程は反復される。周辺にある3セットのあごなら、その縫合糸は3回、2セットなら2回、など回転する。
【0049】
図17のA〜Fが示すものは、120°だけ間隔配置されたあごを有する縫合糸用の切り込み前後において、万力63内にあごを設定する行為である。図17のAが示すものは、開放された万力、切り込みされていない縫合糸6、さらに使用前の万力ノッチ120、122である。図17のBが示すものは、閉じた万力、さらに縫合糸6に切り込みを入れようとする刃アッセンブリー66である。図17のCが示すものは、第一セットのあごが切り込みされ、ノッチ122の内部へ配置された後の、開放された万力である。図17のDが示すものは、刃アッセンブリー66が縫合糸6とかみ合い、第二セットのあごを、切って作る前の、閉じた万力である。図17のEが示すものは、開放された万力であり、そこには2セットのあごが示され、ノッチ120、122が配置されている。図17のFが示すものは、刃アッセンブリー66が切り込みに備えた縫合糸要素6とかみ合いになる前の、閉じた万力である。切り込み後、縫合糸6は除かれ、検査を受ける。当業者に明らかなように、追加のまたはわずかなノッチが提供され、その後の切り込みステップの最中にあごを保護することになる。
【0050】
切り込みによりあごを作る捻りの方法において、縫合糸6はこれまでに記述したように配置され、又、その軸の周りに捻ることになる。必要な捻りの回数はあごの数、縫合糸の材料および縫合糸の直径に依存する。例えば、明らかになったことは、寸法0、2〜1/2インチのあごを必要とするPDS−2材料が、容認される結果として、39回だけその縫合糸を捻ることを求めるということである。もちろん、過度の捻りのためにその縫合糸材料が限度を越すことがあろう。その結果として、損傷した縫合糸材料を含む、好ましくない結果につながろう。
【0051】
しかしながら、切り込み床56上に捻った縫合糸6を保持するのはわずかに異なる。これに関して、図18のAとBが示すものは、切り込みの前および最中においての、かすがい76内における縫合糸の固定行為である。図18のAが示すものは、縫合糸6が、固定行為に先立って、万力内に配置されることである。さらに図18のBでは、固定行為後の縫合糸である。わずかに固定された縫合糸6は長円形の形状を作り、切り込みが容易である。しかしながら、縫合糸6の切り込み方法は、縫合糸の回転を必要としないこと以外は、前述の方法と同様であろう。
【0052】
図19のA〜Dが示すものは、捻って切り込みする方法を利用する、縫合糸6の、様様な条件であろう。図19のAにおいて、縫合糸6は修正前であり、そこには縦軸を描くために示される想像線150が見られる。図19のBが示すものは縫合糸6であり、方向(152)において切り込みに備えて捻ってある。図19のCが示すものは、捻った状態で切り込みされたあごであり、そこには一方の側に沿って切り込みにより作られたあごがある。縫合糸6が切り込みされ、捻らない状態に戻った後で、そのあごは図19のDに示すようになる。そこではあごは縫合糸の周辺にらせん形に巻く。
【0053】
捻る方法におけるあごの配置と捻らない方法におけるあごの配置の相違は図19のDと図20を比較すれば判明する。図20において、捻らない状態で切り込みされた縫合糸6が示され、そこには縫合糸6の周りに、120°で間隔配置されたあごが見られる。図19のDにおいて、縫合糸6は捻った状態で切り込みされ、捻りを戻す際に、あごのパターンは縫合糸6の丈に沿ってらせん構造をとる。
【0054】
注目すべきことは、捻った状態または捻らない状態であれ縫合糸6を切り込みするときに切り込み運動を除外することにより、そのあごは縫合糸の外表面上において任意の配置で形成される。同様に、その縫合糸を捻った状態でまたは捻らない状態であれ切り込みすれば、任意の配置形式のあごを作ることができる。
【0055】
本発明に係る、切り込みによりあごを作るための、代替例が図21〜22に示されている。図21のA〜Cが示すものは、方向(22)において切り込み床万力63に沿って進行する縫合糸6用の線形指標メカニズムである。一方、反復運動する刃アッセンブリー250は縫合糸6の軸に沿って切り込みによりあごを作る。縫合糸6は捻った状態で切り込み床万力63に沿って進行し、捻らない状態で図21のAとBに示すように、らせん形に切り込みによりあごを作ることができよう。あるいは、縫合糸6は、図21のCに示すごとく進行するにつれて、徐々に増量しながら(例えば、120°、180°等)その軸の周りに回転することができよう。
【0056】
往復運動する刃アッセンブリー250にはアーム225を経由して線形往復ソレノイド220と回転ソレノイド230に接合された刃8が含まれる。その線形往復ソレノイドはx−軸に対応する方向(2)と(42)において往復運動する。その回転ソレノイドは図21のAとBに示すようにその軸の周りに回転することができる。切り込み床万力63は往復運動する刃アッセンブリー250やその指標メカニズムと同調し、その結果、その万力が閉じて、切り込みに際して縫合糸6を保持し、また、次の切り込み位置までその指示器(indexer)によって縫合糸6が進行するよう開放される。
【0057】
線形ソレノイド220と回転ソレノイド230を調整して、往復運動する刃アッセンブリー250のアーム225の線形ストロークと刃の角度を制御し、その結果として、y軸とz軸において切り込みにより作る、あごの深さを変えることができよう。加えて、回転ソレノイド230の回転により、図21のBに示すように、縫合糸6の軸に沿って反対方向に向かって切り込みを入れ、あごを作ることができよう。その刃の角度とストロークは同様に調整して所望の長さで縫合糸6を切り込みすることができよう。
【0058】
図22が示すものは、縫合糸6を進行させるための、回転指標メカニズムである。図22において、回転ドラム210の周りを回転する縫合糸6が示されている。一方、往復運動する刃アッセンブリー250により縫合糸6の軸に沿って切り込み、あごを作る。縫合糸6は縫合糸供給スプール300を経由してドラム210上に且つ切り込みチャンネル215内に供給される。あご付きの縫合糸はドラム210を離れてテイク・アップ・スプール310上へ巻き取る。スプール300と310は捻らない状態の縫合糸6を供給したり巻き取ったりする。または、そのスプールの一方もしくは双方が回転して縫合糸6を捻ったり捻りを戻したりして、上記のごとくらせん状に切ってあごを作ることができる。
【0059】
最も実用的であり且つ最も好ましい態様と考えられるものと結びつけて本発明を記述してきた。一方、考慮すべきことは、この発明は開示された実施態様に限定すべきものではなく、それどころか、添付したクレームの精神と範囲内に含まれる、各種の修正と等価装置に及ぶことを意図するものである。
【符号の説明】
【0060】
6 縫合糸
8 刃
10 端部
14 側面
16 側面
50 切り込み装置
52 保持ノブ
63 切り込み床万力
66 刃アッセンブリー
80 万力の上面
90 固定スクリュー
92 保持ブロック
94 テンプレート・ブロック
97 切り込み道
105 チャンネル
120 万力ノッチ
122 万力ノッチ
220 線形往復ソレノイド
225 にはアーム
230 回転ソレノイド
250 往復運動する刃アッセンブリー
300 スプール
310 スプール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦軸を有する縫合糸上に、切り込みによりあごを作る方法において、
縫合糸を提供するステップ;
切り込み刃を提供するステップ;
該切り込み刃の動きと該切り込み刃の幾何図形的配列との連係に基づいて、該縫合糸のx−y−z軸に沿って三次元にて誘導される、該縫合糸に対する該切り込み刃による切り込み動作を考慮に入れてなる、該切り込み刃の動きにより、前記縫合糸上に該あごを作り出すステップ;および
該あごを作り出す前記切り込み動作を誘導すべく、該切り込み刃を動かす手段を提供するステップ
とからなる前記方法。
【請求項2】
該切り込み刃の幾何図形的配列により該2本の軸に沿って該縫合糸に対する切り込み動作が誘導され、かつ、該切り込み刃の動きにより残りの軸に沿って切り込み動作が誘導される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該y−軸が該縫合糸の縦軸であり、該x−軸が該縦軸に垂直であり、また、該z−軸が該x−軸と90°の角度をなす請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該刃の幾何図形的配列によりy−軸とz−軸に沿って切り込み動作が誘導され、且つ、その切り込み刃の動きによりx−軸に沿って切り込み動作が誘導される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
更に、複数の切り込み刃を提供し、該切り込み刃のそれぞれにより該縫合糸上にあごを作り出すステップを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
該切り込み刃の幾何図形的配列により1本の軸に沿って該縫合糸に対する切り込み動作が誘導され、且つ、該切り込み刃の動きにより残りの2本の軸に沿って切り込み動作が誘導される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該y−軸が該縫合糸の縦軸であり、該x−軸が該縦軸に垂直であり、また、該z−軸が該x−軸と90°の角度をなす請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該刃の幾何図形的配列によりz−軸に沿って切り込み動作が誘導され、且つ、その切り込み刃の動きによりx−軸とy−軸に沿って切断動作が誘導される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
更に、複数の切り込み刃を提供し、該切り込み刃のそれぞれにより該縫合糸上にあごを作り出すステップを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
該y−軸が該縫合糸の縦軸であり、該x−軸が該縦軸に垂直であり、また、該z−軸が該x−軸と90°の角度をなす請求項1に記載の方法。
【請求項11】
該切り込み刃の動きにより該x−y−z軸に沿って該縫合糸上に切り込み動作が誘導される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
更に、複数の切り込み刃を提供し、該切り込み刃のそれぞれにより該縫合糸上にあごを作り出すステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
更に、切り込みに先立って前記縫合糸をその縦軸に沿って捻るステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
更に、切り込み後に、前記縫合糸の捻りを戻すステップを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
更に、切り込みの前又は後に前記縫合糸をその縦軸の周りに回転させるステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
更に、前記切り込み刃を関節動作させるステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
更に、切り込みの前又は後に前記縫合糸をその縦軸に沿って進行させるステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
請求項5に記載の方法に従って縫合糸上に、切り込みによりあごを作る装置であって、
縫合糸の切り込み中に該縫合糸を所定位置に保持する切り込み床;
幾何図形的配列を有する、複数枚の切り込み刃からなる刃アッセンブリー;および
複数箇所の位置で該縫合糸のx−軸に沿って所与の方法で前記刃アッセンブリーを移動させ、これにより該切り込み刃の運動と該切り込み刃の幾何図形的配列により前記縫合糸上に複数個のあごが作られるようにしてなる手段
からなる前記装置。
【請求項19】
請求項9に記載の方法に従って縫合糸上に、切り込みによりあごを作る装置であって、
縫合糸の切り込み中に該縫合糸を所定位置に保持する切り込み床;
幾何図形的配列を有する、複数枚の切り込み刃からなる刃アッセンブリー;および
複数箇所の位置で該縫合糸のx−軸とy−軸に沿って所与の方法で前記刃アッセンブリーを移動させ、これにより該切り込み刃の運動と該切り込み刃の幾何図形的配列により前記縫合糸上に複数個のあごが作られるようにしてなる手段
からなる前記装置。
【請求項20】
請求項12に記載の方法に従って縫合糸上に、切り込みによりあごを作る装置であって、
縫合糸の切り込み中に該縫合糸を所定位置に保持する切り込み床;
複数枚の切り込み刃からなる刃アッセンブリー;および
複数箇所の位置で該縫合糸のx−軸、y−軸およびz−軸に沿って所与の方法で前記刃アッセンブリーを移動させ、これにより該切り込み刃の運動により前記縫合糸上に複数個のあごが作られるようにしてなる手段
からなる前記装置。
【請求項21】
請求項13に記載の方法に従って縫合糸上に、切り込みによりあごを作る装置であって、
前記縫合糸はx−y−z軸を有し、該y−軸は該縫合糸の縦軸であり、該x−軸は該縦軸に垂直であり、また、該z−軸は該x−軸と90°の角度をなしており、
縫合糸の切り込み中に該縫合糸を所定位置に保持する切り込み床;
幾何図形的配列を有する、複数枚の切り込み刃からなる刃アッセンブリー;
所与の方法で該刃アッセンブリーを該縫合糸に接触させる手段;および
複数箇所の位置で該縫合糸のx−軸に沿って所与の方法で少なくとも1枚の切り込み刃を移動させ、これにより該切り込み刃の運動と該切り込み刃の幾何図形的配列により前記縫合糸上に複数個のあごが作られるようにしてなる手段
からなる前記装置。
【請求項22】
縦軸を有する縫合糸上に、切り込みによりあごを作る装置において、
縫合糸の切り込み中に該縫合糸を所定位置に保持する切り込み床;
少なくとも1枚の切り込み刃;および
該縫合糸を横断して所与の方法で前記少なくとも1枚の切り込み刃を移動させ、これにより前記少なくとも1枚の切り込み刃の運動または幾何図形的配列により前記縫合糸上に少なくとも1個のあごが作られるようにしてなる手段
からなる前記装置。
【請求項23】
更に、切り込みに先立って、該縫合糸をその縦軸に沿って捻る手段を含む請求項22に記載の装置。
【請求項24】
更に、切り込みの前または後に、該縫合糸をその縦軸の周りに回転させる手段を含む請求項22に記載の装置。
【請求項25】
更に、切り込みの前または後に、該縫合糸をその縦軸に沿って進行させる手段を含む請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも1枚の切り込み刃は関節接合刃である請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも1枚の切り込み刃は往復運動する刃である請求項22に記載の装置。
【請求項28】
前記少なくとも1枚の切り込み刃は回転する刃である請求項22に記載の装置。
【請求項29】
前記少なくとも1枚の切り込み刃は窪んだ、研いだ刃である請求項22に記載の装置。
【請求項30】
前記少なくとも1枚の切り込み刃を移動させる手段は切り込みテンプレートを含んでなる請求項22に記載の装置。
【請求項31】
前記少なくとも1枚の切り込み刃を移動させる手段はソレノイドを含んでなる請求項22に記載の装置。
【請求項32】
前記ソレノイドは線形ソレノイドである請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記ソレノイドは回転ソレノイドである請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記切り込み床は回転ドラムである請求項22に記載の装置。
【請求項35】
縫合糸上に、切り込みによりあごを作る方法であって、
縦軸を有する縫合糸を提供するステップ;
前記縫合糸をその縦軸に沿って捻るステップ;および
前記縫合糸を捻った状態で、前記縫合糸上に、切り込みを入れてあごを作るステップ
からなる前記方法。
【請求項36】
更に、前記縫合糸を捻った状態で前記縫合糸上に、切り込みを入れてあごを複数個だけ作るステップを含む請求項34に記載の方法。
【請求項37】
更に、切り込みの前または後に、前記縫合糸をその縦軸に沿って進行させるステップを含む請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−130716(P2012−130716A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−21363(P2012−21363)
【出願日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【分割の表示】特願2003−522377(P2003−522377)の分割
【原出願日】平成14年8月29日(2002.8.29)
【出願人】(504077010)クイル メディカル インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】