説明

縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物及び連鎖移動剤並びにこれを用いたポリマー

【課題】臭気の問題がなく、炭素、水素、酸素のみで構成された環境にやさしく、ポリマーに官能基を付与することができる新しいタイプの連鎖移動剤、官能基を付与されたポリマーおよびそのポリマー製造法の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表される縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤。


((1)式中、nは0から3の整数を表し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、又はアリールオキシアルキル基を表し、pは1又は2の整数を表し、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは水素原子又はメチル基を表し、Xは水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物及び当該縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を含有する連鎖移動剤並びにそれを用いて製造したポリマーおよびポリマーの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラジカル重合性化合物は、合成樹脂の原料として工業的に広範に利用されている有機化合物であり、このようなラジカル重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのエステル、スチレン系化合物等の多種の化合物が知られている。
【0003】
これらラジカル重合性化合物の重合過程において、目的とする用途に応じて生成ポリマーの分子量を調節することは有益である。特に、コーティング剤、接着剤、粘着剤、紙力増強剤、バインダー、レジストなどの用途に用いるとき、分子量調整は重要な技術となっている。
【0004】
ラジカル重合性化合物の重合反応において分子量を調整する技術としては種々あるが、重合系への連鎖移動剤を添加する方法が良く用いられる。この連鎖移動剤としては、従来はおもに四塩化炭素に代表されるハロゲン化炭化水素、t−あるいはn−ドデシルメルカプタンに代表されるアルキルメルカプタン化合物あるいはスルフィド化合物などが使用されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【0005】
例えば、塗料、接着剤やシーリング材などの用途に、低分子量のアクリルポリマーなどが多く用いられてきているが、このような低分子量のアクリルポリマーを製造する場合には、連鎖移動剤としてのメルカプト化合物が用いられる(例えば、特許文献4〜6参照。)。
【0006】
また、スチレンの重合においては、平均分子量や分子量分布、メルトフローインデックスなどを調整するためメルカプタン系の連鎖移動剤が添加されている(例えば、特許文献7、8参照。)。
【0007】
また、複写機やプリンターに用いられる重合トナーの製造において、スチレン系モノマーとアクリル系モノマーの重合の際、低分子量化とシャープな分子量分布を得るために、メルカプタン系の連鎖移動剤が用いられている(例えば、特許文献9、10参照。)。
【0008】
一方、連鎖移動剤は上記のように分子量を調整するだけでなく、一般にその反応機構から、ポリマー末端に自らの残基を付与することも知られている(例えば非特許文献1〜3参照。)。そのことを利用して、官能基を有した連鎖移動剤を用いることにより、ポリマー末端に官能基を付与する手法も提案されている(例えば特許文献11、12、非特許文献4、5参照。)。
【0009】
しかし、従来の連鎖移動剤である四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素は、地球のオゾン層を破壊するなど環境上の問題があり、アルキルメルカプタンやスルフィド等の硫黄化合物は臭気が強く、取扱い上、問題があるうえ、樹脂に取り込まれた硫黄化合物由来の臭気が残るという問題があった。また、これらの連鎖移動剤を用いた場合、当然に重合末端に硫黄やハロゲンが取り込まれることとなり、容器等を腐食させたり、樹脂が吸湿性となったり、さらに樹脂を廃棄処理するときに環境問題となる。一方、アルファメチルスチレンダイマーは、環境上の問題は少なく、広く使用されているが、依然として臭気を有するという問題がある。
【0010】
一方、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物に類似の構造を持つ化合物として、ナフタレン環やアントラセン環とアクリロイル基又はメタクリロイル基を含有する化合物が知られている(特許文献13〜21参照)。また、フルオレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物も知られている(特許文献22)。
【0011】
しかしながら、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は知られておらず、また、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物が連鎖移動剤としての効果を有することは全く知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2009−522411号公報
【特許文献2】特開2008−519137号公報
【特許文献3】特開平9−118841号公報
【特許文献4】特公昭58−455号公報
【特許文献5】特開昭55−5950号公報
【特許文献6】特公昭46−40693号公報
【特許文献7】特開2002−241413号公報
【特許文献8】特開2009−197105号公報
【特許文献9】特開平7−330912号公報
【特許文献10】特開2004−224840号公報
【特許文献11】特公昭57−10850号公報
【特許文献12】特開2010−222285号公報
【特許文献13】特開2008−1640号公報
【特許文献14】特開2008−1641号公報
【特許文献15】特開2008−24694号公報
【特許文献16】特開2009−138090号公報
【特許文献17】特開2007−204438号公報
【特許文献18】特開2008−088132号公報
【特許文献19】特開2008−169156号公報
【特許文献20】特開2009−040811号公報
【特許文献21】特開2010−018746号公報
【特許文献22】特開2008−285468号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Gerge Odian著 PRINCIPLES OF POLYMERIZATION(FOURTH Edition)(2004)238頁
【非特許文献2】大津隆行著「高分子合成の化学」(化学同人、1979)93頁
【非特許文献3】蒲池幹治編「ラジカル重合ハンドブック」(NTS、2010)47頁
【非特許文献4】Shimon Tanaka,Haruo Nishida,and Takeshi Endo,Macromolecules 2009,42,293−298頁
【非特許文献5】小川哲夫、塗料の研究、No.137,Oct,2001,11頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、従来の連鎖移動剤が持つ問題点を解決する新しい連鎖移動剤を提供することにある。すなわち、従来の連鎖移動剤である四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素の環境上の問題や、アルキルメルカプタンやスルフィド等の硫黄化合物等の臭気問題を解決することにある。また、これらの連鎖移動剤を重合末端に取り込んだ樹脂の容器等の腐食問題や樹脂の吸湿問題、さらには、樹脂を廃棄処理するときの環境問題など、従来より知られている連鎖移動剤がもつこれらの問題を解決することにある。
【0015】
また、上述のとおり、連鎖移動剤を用いて末端に官能基を有するポリマーを製造することも提案されている(例えば特許文献11、12、非特許文献4、5参照。)が、それらの連鎖移動剤は、いずれも上記のハロゲン化炭化水素、アルキルメルカプタン、アルファメチルスチレンダイマーの誘導体であり、上述の欠点をそのまま有していると言わざるをえない。
【0016】
よって、本発明は、臭気や腐食性、吸湿性の問題がなく、環境にやさしく、連鎖移動能が大きい新しいタイプの連鎖移動剤を提供することにある。さらに、本発明の目的は、末端に官能基を有する縮合多環芳香族骨格を付与されたポリマーおよびその製造法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するため、ラジカル重合性化合物の連鎖移動剤につき鋭意検討した結果、本願発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物化合物が分子内にハロゲン原子や硫黄原子を持たず、従来より知られている連鎖移動剤とは全く異なる構造であるにもかかわらず、優れた連鎖移動効果を有すること、また分子内に本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物に由来する残基を有するポリマーを製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0018】
すなわち、本発明における第1の発明は、下記一般式(1)で表される縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物に存する。
【0019】
【化1】

【0020】
((1)式中、nは0から3の整数を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、又はアリールオキシアルキル基を表し、nが2又は3の場合、複数あるRは、それぞれ同一であっても異なっても良い。また、pは1又は2の整数を表し、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、pが2の場合、二つあるq及びrはそれぞれ同一の整数であっても異なる整数であっていても良い。Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、pが2の場合、複数あるY、複数あるZにおいて、Y同士、Z同士もまた同一であっても異なっていても良く、水素原子又はメチル基を表し、複数あるXは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の6員環を形成してもよい。)
【0021】
第2の発明は、上記式(1)において、p及びnが1であることを特徴とする、第1の発明に記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物に存する。
【0022】
第3の発明は、上記式(1)において、pが2であり、かつ、nが0であることを特徴とする、第1の発明に記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物に存する。
【0023】
第4の発明は、下記一般式(2)で表される縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物に存する。
【0024】
【化2】

【0025】
((2)式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、又はアリールオキシアルキル基を表し、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数ある場合のYもまた、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。複数あるXは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の6員環を形成してもよい。)
【0026】
第5の発明は、下記一般式(3)で表される縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物に存する。
【0027】
【化3】

【0028】
((3)式中、二つあるq及びrはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数あるY、複数あるZにおいて、Y同士、Z同士もまた同一であっても異なっていても良く、水素原子又はメチル基を表し、複数あるXは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の6員環を形成してもよい。)
【0029】
第6の発明は、下記一般式(5)で表される縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物に存する。
【0030】
【化4】

【0031】
((4)式中、二つあるq及びrはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数あるY、複数あるZにおいて、Y同士、Z同士もまた同一であっても異なっていても良く、水素原子又はメチル基を表し、複数あるXは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)
【0032】
第7の発明は、下記一般式(4)で表される縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物に存する。
【0033】
【化5】

【0034】
((5)式中、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数ある場合のYもまた、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。複数あるXは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)
【0035】
第8の発明は、一般式(13)で表される縮合多環芳香族骨格を有する化合物と、一般式(14)で表されるイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物とを、溶媒の存在下又は不存在下、付加反応させることを特徴とする、第1の発明に記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造方法に存する。
【0036】
【化6】

【0037】
(13)式中、nは0から3の整数を表し、mは1又は2の整数を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、又はアリールオキシアルキル基を表し、nが2又は3の場合、複数あるRは、それぞれ同一であっても異なっても良い。Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の6員環を形成してもよい。
【0038】
【化7】

【0039】
(14)式中、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数ある場合のYもまた、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。
【0040】
第9の発明は、第1の発明乃至第7の発明のいずれかひとつに記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤に存する。
【0041】
第10の発明は、第9の発明に記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤と、ラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物に存する。
【0042】
第11の発明は、ラジカル重合性化合物が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルまたはスチレンであることを特徴とする第10の発明に記載のラジカル重合性組成物に存する。
【0043】
第12の発明は、第9の発明に記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤と、ラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物をラジカル重合して得られるポリマーであって、ポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、該縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーに存する。
【0044】
第13の発明は、ラジカル重合性化合物が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルまたはスチレンであることを特徴とする第12の発明に記載のポリマーに存する。
【0045】
第14の発明は、第9の発明に記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤存在下にラジカル重合性化合物をラジカル重合することを特徴とする、ポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、該縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーの製造方法に存する。
【0046】
本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタクリロイルを、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを表す。
【0047】
また、本発明において、ウレタン(メタ)アクリレート基とは、下記一般式(6)で表される置換基を称する。
【0048】
【化8】

【0049】
((6)式中、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数ある場合のYもまた、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。また、*は、置換基の結合位置を表す。)
【発明の効果】
【0050】
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤は硫黄化合物に由来する不快臭がなく、ラジカル重合性化合物に用いることにより、所望するポリマーの分子量を効果的に調整することが可能であり、生成したポリマーの不快臭の発生も抑制できる。さらに本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤を用いてラジカル重合性化合物を重合することによりその末端に縮合多環芳香族骨格を有するポリマーを合成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、縮合多環芳香族骨格を有する化合物と、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物とが反応した化合物である。すなわち、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、ヒドロキシ基を有するナフタレン化合物、アントラセン化合物などと、(メタ)アクリレート化合物とが、ウレタン結合を介して結合した化合物である。
【0052】
[縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、上記一般式(1)乃至一般式(5)で表される化合物である。
【0053】
一般式(1)及び(2)において、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、p-トリル基、o-トリル基、ナフチル基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられ、アルコキシアルキル基としては、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエトキシエチル基等が挙げられる。グリシジル基としては、グリシジル基、2−メチルグリシジル基等が挙げられる。ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。アリールオキシアルキル基としては、フェノキシエチル基、トリロキシエチル基等が挙げられる。
【0054】
一般式(1)乃至(5)における、Xで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキシル基、4−メチルペンチル基、4−メチル−3−ペンテニル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、p-トリル基、o-トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0055】
一般式(1)乃至(3)における、隣接する一組のXが互いに結合している例としては、XがCHCH基であり、隣接するXどうしが一重結合で結合しているもの、XがCHCH基であり、隣接するXどうしが二重結合で結合しているもの、XがCH=CH基であり、隣接するXどうしが一重結合で結合しており芳香環を形成しているものなどが挙げられる。隣接する一組のXによって形成される6員環はさらにアルキル基又はアリール基が置換していてもよい。さらに置換されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、p-トリル基、o-トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0056】
次に、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の具体例を示す。ここでは、主として、複数あるRやXがそれぞれ同一の化合物を例示するが、一部例示したようにそれぞれが異なる化合物であってもよい。
【0057】
一般式(1)で表される縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物として、具体的には次のものが挙げられる。
【0058】
最初に、一般式(1)において、置換基Xが水素原子、アルキル基、アリール基で合って、隣接する一組のXがお互いに結合して6員環を形成していない場合の具体例を示す。
【0059】
そして、まず、一般式(1)において、Xが水素原子であり、n=0、p=1の場合である例を挙げる。すなわち、下記一般式(7)の化合物の具体例となる。
【0060】
【化9】

【0061】
((7)式中、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数ある場合のYもまた、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。)
【0062】
まず、qが0でrが1の場合の例を挙げる。その具体例としては、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシナフタレン、2−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシナフタレン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシナフタレンが挙げられる。
【0063】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシナフタレン、2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシナフタレン、2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)プロピル]アミノカルボニルオキシナフタレン、2−[2−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)プロピル]アミノカルボニルオキシナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)プロピル]アミノカルボニルオキシナフタレン、2−[2−(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)プロピル]アミノカルボニルオキシナフタレンが挙げられる。
【0064】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例としては、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシナフタレン、2−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシエトキシ})エチル]アミノカルボニルオキシナフタレン、2−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)プロポキシ}プロピル]アミノカルボニルオキシナフタレン、2−[2−{2−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)プロポキシ}プロピル]アミノカルボニルオキシナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシプロポキシプロポキシ})プロピル]アミノカルボニルオキシナフタレン、2−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)プロポキシ}プロピル]アミノカルボニルオキシナフタレン等が挙げられる。
【0065】
次に、n=0、p=2の場合の具体例を示す。すなわち、下記一般式(8)の化合物の具体例となる。
【0066】
【化10】

【0067】
((8)式中、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数あるY、複数あるZにおいて、Y同士、Z同士もまた同一であっても異なっていても良く、水素原子又はメチル基を表す。)
【0068】
ここで、ナフタレン環の1位と4位にウレタン(メタ)アクリレート基が付いた構造のものは、一般式(3)の化合物に該当する。まず、qが0でrが1の場合の具体例としては、1,4−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン等が挙げられる。
【0069】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、1,4−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,4−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン等が挙げられる。
【0070】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例としては、1,4−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,4−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン等が挙げられる。
【0071】
そしてまた、1位と4位に置換したもの以外の化合物で、n=0、p=2であり、Xが水素原子であり、qが0でrが1の場合の具体例としては、1,2−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,5−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,6−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,7−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、2,6−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、2,7−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,5−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,6−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,7−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、2,6−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、2,7−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレンが挙げられる。
【0072】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、1,2−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,5−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,6−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,7−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、2,6−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、2,7−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,5−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,6−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,7−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、2,6−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、2,7−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン等が挙げられる。
【0073】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例としては、1,4−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,2−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,5−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,6−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,7−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、2,6−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、2,7−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,5−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,6−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,7−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、2,6−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、2,7−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン等が挙げられる。
【0074】
次に、n=0、p=3の場合の具体例としては、qが0でrが1である、1,2,4−トリス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,2,4−トリス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,4,6−トリス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,4,6−トリス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、qが1でrが1である、1,2,4−トリス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,2,4−トリス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,4,6−トリス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,4,6−トリス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、qが2でrが1である、1,2,4−トリス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,2,4−トリス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,4,6−トリス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,4,6−トリス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン等が挙げられる。
【0075】
更に、n=0、p=4の場合の具体例としては、qが0でrが1である、1,4,5,8−テトラキス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,4,5,8−テトラキス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、qが1でrが1である、1,4,5,8−テトラキス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,4,5,8−テトラキス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、qが2でrが1である、1,4,5,8−テトラキス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン、1,4,5,8−テトラキス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]ナフタレン等が挙げられる。
【0076】
次に、Xが水素原子であり、n=1、p=1の場合の具体例を示す。すなわち、下記一般式(9)の化合物の具体例となる。
【0077】
【化11】

【0078】
((9)式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、又はアリールオキシアルキル基を表し、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数ある場合のYもまた、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。)
【0079】
まず、qが0でrが1の場合の具体例を例示するが、ここで、ナフタレン環の1位にウレタン(メタ)アクリレート基、4位にアルコキシ基が付いた構造のものは、一般式(2)の化合物に該当する。その具体例としては、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−メトキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−メトキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−エトキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−エトキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−フェネチルオキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−フェネチルオキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシエトキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシエトキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−グリシジルオキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−グリシジルオキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−メトキシエトキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−メトキシエトキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシエトキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシエトキシナフタレン等が挙げられる。
【0080】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−エトキシナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−エトキシナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェネチルオキシナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェネチルオキシナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシエトキシナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシエトキシナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−グリシジルオキシナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−グリシジルオキシナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシエトキシナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシエトキシナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシエトキシナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシエトキシナフタレン等が挙げられる。
【0081】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例として、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−エトキシナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−エトキシナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェネチルオキシナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェネチルオキシナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシエトキシナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシエトキシナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−グリシジルオキシナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−グリシジルオキシナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシエトキシナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシエトキシナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシエトキシナフタレン等が挙げられる。
【0082】
次に、1位と4位に置換したもの以外の化合物で、n=1、p=1であり、qが0でrが1の場合の具体例としては、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−メトキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−メトキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−エトキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−エトキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−フェネチルオキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−フェネチルオキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシエトキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシエトキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−グリシジルオキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−グリシジルオキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシエトキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシエトキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−メトキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−メトキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−エトキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−エトキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−フェネチルオキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−フェネチルオキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシエトキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシエトキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−グリシジルオキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−グリシジルオキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシエトキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシエトキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−メトキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−メトキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−エトキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−エトキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−フェネチルオキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−フェネチルオキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−グリシジルオキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−グリシジルオキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、5−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシエトキシナフタレン、5−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシエトキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−メトキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−メトキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−エトキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−エトキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−フェネチルオキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−フェネチルオキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−グリシジルオキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−グリシジルオキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、6−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシエトキシナフタレン、6−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシエトキシナフタレン等が挙げられる。
【0083】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−エトキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−エトキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェネチルオキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェネチルオキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシエトキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシエトキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−グリシジルオキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−グリシジルオキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシエトキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシエトキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−エトキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−エトキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェネチルオキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェネチルオキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシエトキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシエトキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−グリシジルオキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−グリシジルオキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシエトキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシエトキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−エトキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−エトキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェネチルオキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェネチルオキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−グリシジルオキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−グリシジルオキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、6−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシエトキシナフタレン、6−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシエトキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−エトキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−エトキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェネチルオキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェネチルオキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−グリシジルオキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−グリシジルオキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、5−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシエトキシナフタレン、5−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシエトキシナフタレン等が挙げられる。
【0084】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例として、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−エトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−エトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェネチルオキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェネチルオキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシエトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシエトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−グリシジルオキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−グリシジルオキシナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシエトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−エトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−エトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェネチルオキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェネチルオキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−ヒドロキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−グリシジルオキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−グリシジルオキシナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メトキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−フェノキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−エトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−エトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェネチルオキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェネチルオキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−グリシジルオキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−グリシジルオキシナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシエトキシナフタレン、5−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシエトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−エトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−エトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェネチルオキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェネチルオキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−グリシジルオキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−グリシジルオキシナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メトキシエトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシエトキシナフタレン、6−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−フェノキシエトキシナフタレン等が挙げられる。
【0085】
そして次に、n=1、p=2の場合の具体例を示す。すなわち、下記一般式(10)の化合物の具体例となる。
【0086】
【化12】

【0087】
((10)式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、又はアリールオキシアルキル基を表し、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数あるY、複数あるZにおいて、Y同士、Z同士もまた同一であっても異なっていても良く、水素原子又はメチル基を表す。)
【0088】
まず、qが0でrが1の場合の具体例としては、1,4−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−ヒドロキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−ヒドロキシナフタレン、1,4−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メトキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メトキシナフタレン、1,4−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−エトキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−エトキシナフタレン、1,4−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−フェノキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−フェノキシナフタレン、1,4−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−フェネチルオキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−フェネチルオキシナフタレン、1,4−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、1,4−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−グリシジルオキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−グリシジルオキシナフタレン、1,4−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メトキシエトキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メトキシエトキシナフタレン、1,4−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−フェノキシエトキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−フェノキシエトキシナフタレン等が挙げられる。
【0089】
そして、Xが水素原子であり、qが1でrが1の場合の具体例としては、1,4−ビス[2−{2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−ヒドロキシナフタレ、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−ヒドロキシナフタレン、1,4−ビス[2−{2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メトキシナフタレ、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メトキシナフタレン、1,4−ビス[2−{2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−エトキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−エトキシナフタレン、1,4−ビス[2−{2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−フェノキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−フェノキシナフタレン、1,4−ビス[2−{2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−フェネチルオキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−フェネチルオキシナフタレン、1,4−ビス[2−{2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−ヒドロキシエトキシナフタレン、1,4−ビス[2−{2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−グリシジルオキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−グリシジルオキシナフタレン、1,4−ビス[2−{2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メトキシエトキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メトキシエトキシナフタレン、1,4−ビス[2−{2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−フェノキシエトキシナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−フェノキシエトキシナフタレン等が挙げられる。
【0090】
そして次に、n=2、p=1の場合の具体例を示す。すなわち、下記一般式(11)の化合物の具体例となる。
【0091】
【化13】

【0092】
((11)式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、又はアリールオキシアルキル基を表し、複数あるRは、それぞれ同一であっても異なっても良い。qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数ある場合のYもまた、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。)
【0093】
まず、qが0でrが1の場合の具体例として、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジメトキシナフタレン、2−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジメトキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジメトキシナフタレン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジメトキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジエトキシナフタレン、2−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジエトキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジエトキシナフタレン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジエトキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジフェノキシナフタレン、2−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジフェノキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジフェノキシナフタレン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジフェノキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジフェネチルオキシナフタレン、2−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジフェネチルオキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジフェネチルオキシナフタレン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジフェネチルオキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジヒドロキシエトキシナフタレン、2−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジヒドロキシエトキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジヒドロキシエトキシナフタレン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジヒドロキシエトキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジグリシジルオキシナフタレン、2−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジグリシジルオキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジグリシジルオキシナフタレン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジグリシジルオキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジメトキシエトキシナフタレン、2−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジメトキシエトキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジメトキシエトキシナフタレン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジメトキシエトキシナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジフェノキシエトキシナフタレン、2−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジフェノキシエトキシナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−3,4−ジフェノキシエトキシナフタレン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1,4−ジフェノキシエトキシナフタレン等が挙げられる。
【0094】
次に、一般式(1)において、Xがアルキル基の場合を例示する。ここでは、アルキル基としてメチル基を代表例として挙げる。n=0、p=1の場合であって、qが0でrが1の場合の具体例としては、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−2−メチルナフタレン、2−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−メチルナフタレン、2−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−1−メチルナフタレン等が挙げられる。
【0095】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メチルナフタレン、2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メチルナフタレン、2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メチルナフタレン等が挙げられる。
【0096】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例としては、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシエトキシ})エチル]アミノカルボニルオキシ−2−メチルナフタレン、2−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メチルナフタレン、2−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシエトキシ})エチル]アミノカルボニルオキシ−1−メチルナフタレン等が挙げられる。
【0097】
次に、n=0、p=2の場合の具体例を示す。まず、qが0でrが1の場合の具体例としては、1,4−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,5−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,6−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,7−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,5−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,6−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,7−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン等が挙げられる。
【0098】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、1,4−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,5−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,6−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,7−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,4−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,5−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,6−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,7−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン等が挙げられる。
【0099】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例としては、1,4−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,5−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,6−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,7−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,4−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,5−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,6−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン、1,7−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−2−メチルナフタレン等が挙げられる。
【0100】
次に、n=1、p=1の場合の具体例を示す。まず、qが0でrが1の場合の具体例としては、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−メトキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−メトキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−エトキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−エトキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−フェネチルオキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−フェネチルオキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−グリシジルオキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−グリシジルオキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−メトキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−メトキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシエトキシ−2−メチルナフタレン等が挙げられる。
【0101】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−エトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−エトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェネチルオキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェネチルオキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−グリシジルオキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−グリシジルオキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシエトキシ−2−メチルナフタレン等が挙げられる。
【0102】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例として、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−エトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−エトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェネチルオキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェネチルオキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−ヒドロキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−グリシジルオキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−グリシジルオキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−メトキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシエトキシ−2−メチルナフタレン、1−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−4−フェノキシエトキシ−2−メチルナフタレン等が挙げられる。
【0103】
Xがアルキル基ではないが、ナフタレン骨格が2位で結合した下記一般式(12)で表されるビフナタレン構造を持つ化合物も例示される。
【0104】
【化14】

【0105】
((12)式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、又はアリールオキシアルキル基を表し、複数あるRは、それぞれ同一であっても異なっても良い。qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数あるY、複数あるZにおいて、Y同士、Z同士もまた同一であっても異なっていても良く、水素原子又はメチル基を表す。)
【0106】
当該化合物の具体例としては、4,4’−ジメトキシ−1,1’−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2,2’−ビナフタレン、4,4’−ジメトキシ−1,1’−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2,2’−ビナフタレン、4,4’−ジエトキシ−1,1’−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2,2’−ビナフタレン、4,4’−ジエトキシ−1,1’−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2,2’−ビナフタレン等が挙げられる。
【0107】
次に、隣接する一組のXが互いに結合して飽和の6員環を形成している場合の具体例を示す。まず、n=0、p=2の場合でqが0でrが1の場合の具体例としては、9,10−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9,10−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセンが挙げられる。
【0108】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、9,10−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、1,5−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、1,6−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、1,7−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9,10−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、1,5−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、1,6−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、1,7−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン等が挙げられる。
【0109】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例としては、9,10−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9,10−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセンが挙げられる。
【0110】
次に、n=1、p=1の場合の具体例を示す。まず、qが0でrが1の場合の具体例としては、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン等が挙げられる。
【0111】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン等が挙げられる。
【0112】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例として、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン等が挙げられる。
【0113】
次に、隣接する一組のXが互いに結合して不飽和の6員環を形成している場合で当該6員環が非芳香族性の場合の具体例を示す。まず、n=0、p=2の場合で、qが0でrが1の場合の具体例としては、9,10−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−1,4−ジヒドロアントラセン、9,10−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−1,4−ジヒドロアントラセンが挙げられる。
【0114】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、9,10−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,4−ジヒドロアントラセン、1,5−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,4−ジヒドロアントラセン、1,6−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,4−ジヒドロアントラセン、1,7−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,4−ジヒドロアントラセン、9,10−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,4−ジヒドロアントラセン、1,5−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,4−ジヒドロアントラセン、1,6−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,4−ジヒドロアントラセン、1,7−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,4−ジヒドロアントラセン等が挙げられる。
【0115】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例としては、9,10−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,4−ジヒドロアントラセン、9,10−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]−1,4−ジヒドロアントラセンが挙げられる。
【0116】
次に、n=1、p=1の場合の具体例を示す。まず、qが0でrが1の場合の具体例としては、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン等が挙げられる。
【0117】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン等が挙げられる。
【0118】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例として、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシ−1,4−ジヒドロアントラセン等が挙げられる。
【0119】
一般式(1)において、隣接する一組のXが互いに結合して不飽和の6員環を形成している場合で当該6員環が芳香族性の場合の具体例を示す。当該化合物のうち、隣接する一組のXが2位と3位であって、n=0、p=1のものは、一般式(5)の化合物に該当する。当該化合物で、qが0でrが1の場合の具体例としては、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシアントラセンが挙げられる。
【0120】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)プロピル]アミノカルボニルオキシアントラセンが挙げられる。
【0121】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例としては、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシエトキシ})エチル]アミノカルボニルオキシアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)プロポキシ}プロピル]アミノカルボニルオキシアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシプロポキシプロポキシ})プロピル]アミノカルボニルオキシアントラセン等が挙げられる。
【0122】
次に、隣接する一組のXが互いに結合して不飽和の6員環を形成している場合で当該6員環が芳香族性の場合で、n=0、p=2の場合の具体例を示す。当該化合物のうち、隣接する一組のXが2位と3位であるものは、一般式(4)の化合物に該当する。それらの化合物のうち、まず、qが0でrが1の場合の具体例としては、9,10−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]アントラセン、9,10−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]アントラセンが挙げられる。
【0123】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、9,10−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]アントラセン、9,10−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]アントラセン等が挙げられる。
【0124】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例としては、9,10−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]アントラセン、9,10−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ]エトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]アントラセン等が挙げられる。
【0125】
隣接する一組のXが2位と3位以外のものの例としては、まず、qが0でrが1の場合の具体例として、1,4−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]アントラセン、1,4−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]アントラセン、9,10−ビス[(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]フェナントレン、9,10−ビス[(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]フェナントレン等が挙げられる。また、qが1でrが1の場合の具体例として、1,4−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]アントラセン、1,4−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]アントラセン、9,10−ビス[{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]フェナントレン、9,10−ビス[{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]フェナントレン等が挙げられる。そして、qが2でrが1の場合の具体例として、1,4−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]アントラセン、1,4−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]アントラセン、9,10−ビス[{2−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]フェナントレン、9,10−ビス[{2−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]エチル}アミノカルボニルオキシ]フェナントレン等が挙げられる。
【0126】
次に、n=1、p=1の場合の具体例を示す。まず、qが0でrが1の場合の具体例としては、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−アントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシ−アントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−アントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−メトキシ−アントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−アントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−エトキシ−アントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−アントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシ−アントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−アントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシ−アントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシ−アントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシアントラセン、9−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシアントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシアントラセン等が挙げられる。
【0127】
同様に、qが1でrが1の場合の具体例としては、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−エトキシアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−エトキシアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシアントラセン、9−[2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシアントラセン、9−[2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシアントラセン等が挙げられる。
【0128】
同様に、qが2でrが1の場合の具体例として、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−エトキシアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−エトキシアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェネチルオキシアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−ヒドロキシエトキシアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−グリシジルオキシアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−メトキシエトキシアントラセン、9−[2−{2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシアントラセン、9−[2−{2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミノカルボニルオキシ−10−フェノキシエトキシアントラセン等が挙げられる。
【0129】
一般式(1)で示した化合物の中でも、Xが水素原子であり、p及びnが1である化合物と、pが2であり、かつnが0である化合物が、製造が容易であると同時に連鎖移動能が高いので好ましい。さらに、rとqについていえば、rが1であり、qが0又は1である化合物が製造が容易であるので好ましい。そして更に、p及びnが1である化合物の場合、ウレタン(メタ)アクリレート基及びアルコキシ基がナフタレン環の1位と4位に置換したもの並びにpが2であり、かつnが0である化合物では、ウレタン(メタ)アクリレート基がナフタレン環の1位と4位に置換したものが更に製造が容易で連鎖移動能が高いので好ましい。
【0130】
また、アルコキシ基を有する化合物においては、Rで示されるアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。プロピル基としてはn−プロピル基、i−プロピル基、ブチル基としては、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基といった異性体が含まれる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基は、連鎖移動能が高く、合成しやすいので好ましい。
【0131】
そしてまた、アントラセン骨格を有する化合物の場合は、一般式(4)で表される9と10位にウレタン(メタ)アクリレート基が置換した化合物で、Xが水素原子である化合物が、製造が容易であることから好ましい。そして、一般式(5)で表される9位にウレタン(メタ)アクリレート基が置換した化合物で、Xが水素原子である化合物も製造が容易であることから好ましい。
【0132】
[縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造方法]
本発明の一般式(1)乃至(5)で表される縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、下記一般式(13)で表される縮合多環芳香族骨格を有する化合物と、下記一般式(14)で表されるイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物とを反応させることにより製造できる。
【0133】
【化14】

【0134】
(13)式中、nは0から3の整数を表し、mは1又は2の整数を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、又はアリールオキシアルキル基を表し、nが2又は3の場合、複数あるRは、それぞれ同一であっても異なっても良い。Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の6員環を形成してもよい。
【0135】
【化15】

【0136】
(14)式中、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数ある場合のYもまた、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。
【0137】
一般式(13)において、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、p-トリル基、o-トリル基、ナフチル基等が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられ、アルコキシアルキル基としては、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−メトキシエトキシエチル基等が挙げられる。グリシジル基としては、グリシジル基、2−メチルグリシジル基等が挙げられる。ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。アリールオキシアルキル基としては、フェノキシエチル基、トリロキシエチル基等が挙げられる。
【0138】
一般式(13)における、Xで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキシル基、4−メチルペンチル基、4−メチル−3−ペンテニル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、p-トリル基、o-トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0139】
一般式(13)における、隣接する一組のXが互いに結合している例としては、XがCHCH基であり、隣接するXどうしが一重結合で結合しているもの、XがCHCH基であり、隣接するXどうしが二重結合で結合しているもの、XがCH=CH基であり、隣接するXどうしが一重結合で結合しており芳香環を形成しているものなどが挙げられる。隣接する一組のXによって形成される6員環はさらにアルキル基又はアリール基が置換していてもよい。さらに置換されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、p-トリル基、o-トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0140】
[原料となる縮合多環芳香族骨格を有する化合物]
一般式(13)で表される化合物の具体例としては次の化合物が挙げられる。最初に、Xが水素原子である例を挙げる。まず、nが0であり、mが1の化合物の具体例としては、1−ナフトール、2−ナフトールが挙げられる。
【0141】
次に、nが0であり、mが2の化合物の具体例としては、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジジヒドロキシナフタレン等が挙げられる
【0142】
次に、nが1であり、mが1の化合物の具体例としては、4−メトキシ−1−ナフトール、4−エトキシ−1−ナフトール、4−フェノキシ−1−ナフトール、4−フェネチルオキシ−1−ナフトール、4−ヒドロキシエトキシ−1−ナフトール、4−グリシジルオキシ−1−ナフトール、4−メトキシエトキシ−1−ナフトール、4−フェノキシエトキシ−1−ナフトール、4−メトキシ−2−ナフトール、4−エトキシ−2−ナフトール、4−フェノキシ−2−ナフトール、4−フェネチルオキシ−2−ナフトール、4−ヒドロキシエトキシ−2−ナフトール、4−グリシジルオキシ−2−ナフトール、4−メトキシエトキシ−2−ナフトール、4−フェノキシエトキシ−2−ナフトール等が挙げられる。
【0143】
nが1であり、mが1の化合物の具体例として挙げた化合物は、市場で入手可能なものもあるが、nが0であり、mが2の化合物の具体例として挙げたジヒドロキシナフタレン化合物より合成が可能である。特開平5−58938号公報記載の方法などである。
【0144】
例えば、ジヒドロキシナフタレン化合物のアルコール溶液を酸触媒下加熱することにより、水酸基の一つがエーテル化され、モノアルコキシナフトール化合物が得られる。アルコールとしては、メタノール、エタノール,n−プロピルアルコール,i−プロピルアルコール,n−ブチルアルコール,i−ブチルアルコール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。反応温度としては、好ましくは20℃以上、180℃以下、より好ましくは60℃以上、120℃以下である。反応時間は、反応温度によるが、通常30分以上、2時間以下である。反応終了後、アルコール非混和性の溶媒に投入すれば、モノアルコキシナフトール化合物の沈殿が生成するので、濾過・乾燥してモノアルコキシナフトール化合物が得られる。
【0145】
次に、nが1であり、mが2の化合物の具体例としては、2−メトキシ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−エトキシ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−フェノキシ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−フェネチルオキシ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシエトキシ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−グリシジルオキシ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−メトキシエトキシ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−フェノキシエトキシ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−メトキシ−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−メトキシ−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−メトキシ−1,7−ジヒドロキシナフタレン、2−メトキシ−1,8−ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
【0146】
nが1であり、mが2の化合物の具体例として挙げた化合物は、例えば、2−アルコキシ−1,4−ナフトキノン等を接触水素添加することにより合成することができる。
【0147】
次に、nが0であり、mが2以上の化合物の具体例としては、1,2,4−トリヒドロキシナフタレン、1,2,5,6−テトラヒドロキシナフタレン、2,3,6,7−テトラヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
【0148】
そして次に、Xが水素原子以外の例を挙げる。一部の具体例を挙げるが、これらの化合物に限定される物ではない。例えば、Xがアルキル基である具体例としては、2−メチル−1−ナフトール、1−メチル−2−ナフトール、1,2−ジヒドロキシ−4−メチルナフタレン、2−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−1,7−ジヒドロキシナフタレン、1−メチル−2,6−ジヒドロキシナフタレン、1−メチル−2,7−ジジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
【0149】
また、隣接する一組のXが互いに結合して飽和の6員環を形成している場合の具体例としては、例えば、1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセン、2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられる。
【0150】
当該化合物は、例えば、1,4−ナフトキノン化合物とブタジエン化合物のディールス・アルダー反応によって合成される化合物を異性化したのち、接触水素添加して得ることができる。
【0151】
また、隣接する一組のXが互いに結合して不飽和の6員環を形成している場合で当該6員環が非芳香族性の場合の具体例としては、例えば、1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセン、2−メチル−1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられる。
【0152】
当該化合物は、例えば、1,4−ナフトキノン化合物とブタジエン化合物とのディールス・アルダー反応によって得ることができる。
【0153】
また、隣接する一組のXが互いに結合して不飽和の6員環を形成している場合で当該6員環が非芳香族性の場合の具体例としては、例えば、9,10−ジヒドロキシアントラセン、1,4−ジヒドロキシアントラセン、9,10−ジヒドロキシフェナントレン、9−アントラノ−ル等が挙げられる。
【0154】
[原料となるイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物]
本発明に用いられるイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物は、分子内にイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物であればよい。このような化合物において、イソシアネート基の数は、1以上であればよく、1以上4以下が好ましい。
【0155】
イソシアネート基を有する単官能性(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチルイソシアネート、2−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)プロピルイソシアネート、4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−メチル−2−イソシアネートブタン、4−(メタ)アクリロイルオキシシクロヘキシルイソシアネート等が挙げられる。
【0156】
また、イソシアネート基を有する多官能性(メタ)アクリル化合物としては、1,1−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、1,1−ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)エチルイソシアネート等が挙げられる。
【0157】
これらのイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
【0158】
イソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチルイソシアネート、2−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)プロピルイソシアネート等は反応性がよく、入手が容易であり、取り扱いも容易であり好ましい。
【0159】
[製造方法]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、前記縮合多環芳香族骨格を有する化合物と、前記イソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物とを溶媒の存在下、又は不存在下で反応させることにより製造することができる。
【0160】
使用することができる溶媒としては、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物に対して不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル等のエーテル類;1,4−ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジイソプロピルケトン、イソブチルメチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン系溶媒;アセトニトリル等のニトリル類が挙げられる。これらの溶媒は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0161】
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造方法において、エステル化触媒を使用してもよい。エステル化触媒としては、例えば、オクチル酸スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート等の有機スズ系化合物;ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト等のナフテン酸金属塩;トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、N,N,N’,N’−テトラアルキルエチレンジアミン等の第3級アミン類;ピリジン、メチルピリジン、N,N−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン等の環状第3級アミン等が挙げられる。これらのエステル化触媒は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0162】
エステル化触媒の使用量は、縮合多環芳香族骨格を有する化合物及びイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物の総量100重量部に対して、0.001〜3重量部、好ましくは0.005〜2重量部、さらに好ましくは0.01〜1重量部の範囲内で使用する。0.001重量部未満だと、エステル化反応に時間がかかりすぎ、一方、3重量部より多く使用しても、相応の反応時間短縮の効果が得られず、不適である。
【0163】
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造方法において、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物の重合を防止するため、重合禁止剤の存在下で反応を行うことが好ましい。使用することができる重合禁止剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、メトキノン、2−t−ブチルヒドロキノン、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等のフェノール系重合禁止剤;フェノチアジン;塩化銅、ナフトエ酸銅、ナフトエ酸コバルト等の重金属化合物等が挙げられる。これらの重合禁止剤は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらの重合禁止剤は、縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を合成する前に原料に添加してもよく、反応中に添加してもよく、又は反応終了後の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物に添加してもよい。
【0164】
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造方法において、反応は通常40〜150℃、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃程度で行うことができる。なお、反応は、窒素やヘリウム、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気(窒素、ヘリウム、アルゴンなどの雰囲気)下で行うことが好ましい。
【0165】
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造方法において、縮合多環芳香族骨格を有する化合物と、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られる縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、濾過、乾燥することにより分離精製することができる。溶媒を使用する場合は、反応終了後の生成物から、減圧蒸留等により、溶媒成分を分離することができる。
【0166】
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、連鎖移動剤としての作用を持つと同時に、高屈折率を持つ化合物であり、かつ自らが重合性を持つ化合物でもあり、後述のマクロモノマーとして用いることもできる。
【0167】
[ラジカル重合性組成物]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤をもちいることにより、ラジカル重合性化合物の重合反応においてラジカル重合性化合物の重合度を調整することができる。本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤は、ラジカル重合性化合物に添加することにより、ラジカル重合性組成物として用いることができる。
【0168】
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤を必須成分として含有する当該ラジカル重合性組成物には、ラジカル反応を開始するラジカル重合開始剤が必要により添加される。そして、重合を開始するに必要な熱や光などの開始エネルギーを与え、重合を開始することにより、分子量が調整されたポリマーを製造することができる。
【0169】
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤の配合量は、十分な連鎖移動効果と経済性との観点から、通常、ラジカル重合性化合物に対して0.01〜5重量%が好ましく、0.05から3重量%が更に好ましい。
【0170】
重合体の数平均分子量は、一般に主として用いるラジカル重合性化合物の濃度、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤の濃度及びラジカル重合開始剤の濃度によって調整することができる。数平均分子量は、該ラジカル重合性化合物の濃度が高い程数平均分子量は大きくなり、逆に縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤濃度が高い程小さくなる。そのことを考慮して、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤の濃度の範囲内で適宜変更して数平均分子量の調整をすることができる。
【0171】
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤をラジカル重合性化合物に添加する方法としては、一括添加、回分添加、連続添加あるいはこれらの組み合わせなど公知の添加方法が用いられる。例えば、各工程で連鎖移動剤を回分添加する、各工程で単量体混合物と連鎖移動剤とを連続添加する、各工程で連鎖移動剤を回分添加と連続添加を組み合わせて添加する、等の添加方法がある。また、連鎖移動剤を固体又は粉体のまま直接添加する方法や、連鎖移動剤を適当な有機溶剤に溶解して添加してもよい。
【0172】
[ラジカル重合性化合物]
本発明におけるラジカル重合性化合物は、分子内に重合性二重結合を有する化合物であれば特に限定されない。このようなラジカル重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸等のα、β−不飽和カルボン酸化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のα、β−不飽和カルボン酸エステル化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル化合物;アクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物等;塩化ビニル、塩化ビニリデンのような置換エチレン化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン、ピネン等のエチレン性不飽和化合物、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどの不飽和有機シラン化合物などが挙げられる。
【0173】
前記ラジカル重合性化合物の中でも、α、β−不飽和カルボン酸化合物、α、β−不飽和カルボン酸エステル化合物、芳香族ビニル化合物、ビニルエステル化合物が好ましい。
【0174】
これらの化合物の中でも、α、β−不飽和カルボン酸化合物である(メタ)アクリル酸、α、β−不飽和カルボン酸エステルである(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物であるスチレンが好ましい。特に、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤の効果が顕著であるという点から、α、β−不飽和カルボン酸化合物である(メタ)アクリル酸、α、β−不飽和カルボン酸エステルである(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
【0175】
前記ラジカル重合性組成物に含有されるラジカル重合性化合物は、その形態や含有量は特に限定されない。例えばラジカル重合性化合物そのものやラジカル重合性化合物の溶液等が挙げられる。
【0176】
[ラジカル重合開始剤]
ラジカル重合開始剤としては、エネルギーを与えてラジカル重合性化合物に対して活性なラジカルを発生するものであれば特に限定されない。一般には市販されているいわゆるラジカル重合開始剤を用いることができる。通常便宜的に、熱エネルギーを与えて用いるものを、熱ラジカル重合開始剤と呼び、光エネルギーを与えるものを、光ラジカル重合開始剤と呼ぶ。本発明は熱ラジカル重合開始剤及び光ラジカル重合開始剤のどちらも使用することが可能である。
【0177】
熱ラジカル重合開始剤としては特に限定されず、公知の化合物を使用することができる。例えば、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、及びアゾ系化合物が挙げられる。具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジ−t−アミルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、及びジ−クミルペルオキシド等のペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、及び過酸化水素等のヒドロペルオキシド、(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル))、(2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル))、(2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル))、(2,2’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))等のアゾ系化合物が挙げられる。
【0178】
また、熱ラジカル重合開始剤を比較的低温で使用するためにペルオキシド、ヒドロペルオキシド、アスコルビン酸等の酸化剤系開始剤に対して遷移金属やアミン等の還元剤を組み合わせるいわゆるレドックス開始剤系を用いることもできる。
【0179】
光ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、公知の化合物を使用することができる。例えば、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサトン類、α−アシロキシムエステル類、フェニルグリオキシレート類、ベンジル類、アゾ系化合物、ジフェニルスルフィド系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、有機色素系化合物、鉄−フタロシアニン系、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、アントラキノン類が含まれる。具体的に、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド類等が挙げられる。有機合成化学協会誌66,458(2008)等公知文献に紹介されている光ラジカル重合開始剤も用いることができる。
【0180】
また、市場より入手可能な光ラジカル重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製イルガキュア184、イルガキュアはチバ・スペシャリティケミカルズ社の登録商標)、(2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパノン)(イルガキュア907)、またビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(イルガキュア819)等のアシルホスフィンオキサイド化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(イルガキュア784)等のチタノセン化合物;6,12−ビス(トリメチルシリルオキシ)−1,11ナフタセンキノン等のナフタセンキノン化合物等が挙げられる。
【0181】
これらのラジカル重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。ラジカル重合開始剤の添加量は、用いるラジカル重合性化合物及び連鎖移動剤にもよるが、ラジカル重合性化合物の合計量100質量部に対して0.0001質量部以上10質量部以下の範囲内であるのが好ましい。
【0182】
[開始エネルギー]
開始エネルギーは添加したラジカル開始剤からラジカルを発生しうるエネルギーであればよい。一般には熱エネルギー、電離波エネルギーが適宜選ばれる。具体的なエネルギー源としては熱、光、電子線(EB)、マイクロ波、放射線等の電磁線が挙げられ、用いるエネルギー源に応じて、熱重合、電磁線重合(光重合、電子線重合、マイクロ波重合、放射線重合)等と呼ばれる。
【0183】
熱重合の場合、用いる重合性化合物及びその様態にもよるが、重合に用いる温度範囲は通常−20〜200℃で、好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜120℃である。
【0184】
さらに熱重合の一種として酸化還元(レドックス)開始剤(後述)を用いるレドックス重合が挙げられる。この際、用いられる温度範囲は通常の熱重合より低く、−40〜100℃で、好ましくは−20〜80℃、より好ましくは0〜60℃である。
【0185】
光重合において、照射する光としては紫外線、可視光線、赤外線等を用いることができる。光ラジカル重合開始剤あるいは増感剤を用いることもできる。紫外線、可視光線の場合具体的には、たとえば300〜800nmの波長範囲の光線である。光源としては、300〜800nmの範囲の波長の光線を照射できるLED(発光ダイオード)やランプを使用する。LEDとしては、UV−LED、青色LED、白色LED等が挙げられる。ランプとしては、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
【0186】
電子線重合は電子線照射により行われる。電子線照射には、前記の電子線重合化合物に作用し重合性物質の重合を起こすことができる方法であれば、特に制限なく使用することができる。照射する電子線量は、吸収線量として1から300kGy程度の範囲で調節するのが望ましい。1kGy未満では十分な照射効果が得られず、300kGyを超えるような照射は基材を劣化させる恐れがあるため好ましくない。電子線の照射方法としては、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などが用いられ、電子線を照射する際の加速電圧は、照射する側の基材の厚さによりコントロールする必要があるが、20から100kV程度が適当である。
【0187】
マイクロ波重合はStraussら(Aust. J. Chem.,48,1665〜1692(1995))の公知の手法を用いることが出来る。マイクロ波は、マイクロ波技術において既知の種々の方法のいずれかによって発生させることができる。一般に、これらの方法は、マイクロ波発生源として作用するクライストロンまたはマグネトロンに依存している。一般に、発生の周波数は約300MHz〜30GHzの範囲であり、対応する波長は約1m〜1mmである。理論的には、この範囲のいずれの周波数も、効果的に使用することができるが、約850〜950MHzまたは約2300〜2600MHzを包含する商業的に利用可能な範囲の周波数を使用するのが好ましい。
【0188】
放射線重合はγ線、X線、α線、β線を照射して重合を行う。通常、コバルト60のγ線照射が用いられることが多い。
【0189】
更に、重合開始のエネルギー源を併用することもできる。たとえば電子線と赤外線の併用等である。
【0190】
また、熱重合以外は通常、常温近傍で重合することが多いが、加熱しながら実施することも可能である。この場合重合の促進が期待できる。
【0191】
[他の成分]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤とラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物をラジカル重合させるにあたり、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤、ラジカル重合性化合物、ラジカル重合開始剤のほかに必要があれば、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含有していてもよく、着色剤、可塑剤、粘着付与剤、酸化防止剤、各種安定剤、充填剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤なども添加することが可能である。
【0192】
また、本発明の効果を損なわない範囲において、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤以外の他の連鎖移動剤等の成分を含有していてもよい。このような他の連鎖移動剤としては、特に限定されないが、連鎖移動剤として公知の化合物等が挙げられる。
【0193】
例えば、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタンなどのメルカプタン類、テトラメチルチウラジウムジスルフィド、テトラエチルチウラジウムジスルフィドなどのジスルフィド類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化合物、2−メチル−1−ブテン、α−メチルスチレンダイマー等のオレフィン類が挙げられる。
【0194】
これらの前記他の成分は、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤に対して単独で、あるいは同時に二種類以上で用いることができる。これらの他の成分は、適用対象のラジカル重合性化合物の種類や用途等に応じて適宜選択することができる。
【0195】
[製造態様]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤とラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物をラジカル重合することにより、生成するポリマーの末端に、あるいは2官能以上の連鎖移動剤の場合であれば主鎖の一部に、縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーを製造することができる。
【0196】
ポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーの製造態様として、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、またはスラリー重合などの方法を用いることができる。また、回分式に重合する場合でも、連続的に重合する場合でも用いることができる。
【0197】
重合時の雰囲気は分子状酸素を除去することが好ましく、一般的には減圧下あるいは不活性気体存在下用いられる。不活性気体としては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等があげられる。
【0198】
<末端に縮合多環芳香族骨格を有するポリマー>
本発明の連鎖移動剤を用いて、上記重合方法で製造したポリマーは前述したように末端に本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤に由来する残基である縮合多環芳香族骨格及び官能基を付与することが可能である。すなわち、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤は、ポリマー成長末端に付加し、連鎖移動するため、該連鎖移動剤由来の末端構造を有することになる。よって末端に本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーを合成することができ、さらに本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤がもつ官能基をポリマーに付与することができる。縮合多環芳香族骨格および官能基に由来する、親和性、反応性、耐熱性、光学特性、化学的安定性等、縮合多環芳香族骨格および官能基の有する化学的、物理的性質を生成ポリマーに付与し、機能性ポリマーとして供することができる。
【0199】
すなわち、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤は、反応性基を有する末端官能化ポリマーを提供することができる。
【0200】
たとえば、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤を用いることにより、縮合多環芳香族骨格及び官能基がポリマーに導入されるが、その縮合多環芳香族骨格の光学特性に由来する紫外線吸収能、蛍光特性、高屈折率、増感性等の物性をポリマーに与えることができる。また、縮合多環芳香族の有する非局在化パイ電子による電化移動、酸化還元、イオン化、エネルギー移動、置換反応性等の化学特性、さらに加えて平面性によるスタッキング、凝集、物理架橋、耐熱性付与等の機能も期待できる。
【0201】
また、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤は得られたポリマーに反応性基として(メタ)アクリレート骨格を与えることができ、ポリマーでありながら、ラジカル重合性モノマーの性質を有する、いわゆるマクロモノマー(あるいはマクロマー)(Gerge Odian著 PRINCIPLES OF POLYMERIZATION(FOURTH
Edition)(2004)752頁、蒲池幹治編「ラジカル重合ハンドブック」(NTS、2010)385頁、807頁、Krzysztof Matyjaszewski著HANDBOOK
OF RADICAL POLYMERIZATION(2002)583頁等参照)を得ることができる。このマクロモノマーは機能性ポリマーとして知られているグラフトポリマーやブロックポリマーのための原料として極めて有用である。従来、マクロモノマーは煩雑な工程を通して得られていたが、本発明の連鎖移動剤を用いることにより、比較的容易に得ることができる。あるいは、重合条件を選ぶことにより、マクロモノマー生成工程を経ながら、グラフトポリマーやブロックポリマーをin-situ、あるいはワンポットで合成することも可能である。
【0202】
また一般にポリマーに熱、光、機械等のエネルギーを与えることにより、分解反応を通してラジカルを生じることは広く知られている(大津隆行著「高分子合成の化学」(化学同人、1979)245頁、250頁、260頁)。その際、本発明の連鎖移動剤を施すことによりポリマーのゲル化を防止したり、官能基をグラフトさせたりすることも可能である。例えば特開昭54−100449号公報、特開平6−256430号公報等に記載されている手法が援用できる。具体的には、熱可塑性ポリマーを融混練することにより、熱エネルギー、機械エネルギーを与え、ポリマー鎖を切断しつつ、添加薬剤として本発明の連鎖移動剤を施し、ポリマーのゲル化を防止したり、官能基をグラフトさせたりする事が出来る。
【0203】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、特記しない限り、すべての部および百分率は重量基準である。
【実施例】
【0204】
生成物の確認は下記の機器による測定により行った。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
(2)屈折率:アッベ屈折率計:エルマー社製、形式ER−7MW−H
(3)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(4)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spectorometer
【0205】
(実施例1)一般式(2)の化合物
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中に1−ヒドロキシ−4−メトキシナフタレン3.48g(20ミリモル)、2−イソシアネートエチルアクリレート3.1g(22ミリモル)のアセトン30g溶液を加え、次いで氷水で冷却しつつ、トリエチルアミン2.0g(20ミリモル)のテトラヒドロフラン10g溶液を加えた。得られた薄き色の溶液を室温で1時間攪拌し、減圧下で濃縮して6.3gの灰色の粉末を得た。該粉末をトルエン/ヘキサンから再結晶し、1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−メトキシナフタレンの灰白色の結晶4.1g(13ミリモル)を得た。原料1−ヒドロキシ−4−メトキシナフタレンに対する収率は65モル%であった。
【0206】
(1)融点:78−80℃
(2)屈折率:n=1.587
(3)IR(KBr、cm−1):3370,3010,2960,2940,1726,1708,1630,1624,1588,1460,1390,1260,1204,1158,1092,1025,990,812,761,640.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=8.26(1H,d,J=8Hz),7.84(1H,d,J=8Hz),7.44−7.56(2H,m),7.17(1H,d,J=8Hz),6.76(1H,d,J=8Hz),6.49(1H,d.J=17Hz),6.18(1H,dd,J=17Hz,J=9Hz),5.91(1H,d,J=9Hz),5.48−5.60(1H,bs),4.36(2H,t,J=7Hz),3.66(2H,dt,J=J=7Hz).
【0207】
(実施例2)一般式(2)の化合物
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中に4,4’−ジメトキシ−1,1’−ジヒドロキシ−2,2’−ビナフタレン3.46g(10ミリモル)、2−イソシアネートエチルアクリレート3.12g(22ミリモル)のアセトン30gの灰色スラリーを加え、次いで氷水で冷却しつつ、トリエチルアミン2.0g(20ミリモル)のテトラヒドロフラン10g溶液を加えた。トリエチルアミン添加に伴い混合物は一度均一に溶解したが、1分後白い沈殿が多量に生じた。該スラリーを室温で1時間攪拌し、吸引濾過、アセトン洗い、乾燥して、4,4’−ジメトキシ−1,1’−ビス[2−(アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−2,2’−ビナフタレンの白色の粉末6.0g(9.5ミリモル)を得た。原料4,4’−ジメトキシ−1,1’−ジヒドロキシ−2,2’−ビナフタレンに対する収率は95モル%であった。
【0208】
(1)融点:194−196℃
(2)屈折率:n=1.621
(3)IR(KBr、cm−1) :3300,3080,3010,2940,1728,1704,1548,1460,1368,1258,1200,1160,1120,1084,810,764.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=8.29(2H,d,J=8Hz),7.85(2H,d,J=8Hz),7.49−7.61(4H,m),6.81(2H,s),6.29(2H,d.J=17Hz),5.92(2H,dd,J=17Hz,J=9Hz),5.75(2H,d,J=9Hz),5.65(2H,t,J=7Hz),4.00−4.15(4H,bs),3.30−3.48(4H,bs).
【0209】
(実施例3)一般式(3)の化合物
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中に1,4−ジヒドロキシナフタレン3.2g(20ミリモル)、2−イソシアネートエチルアクリレート6.48g(46ミリモル)のアセトン40gの薄茶色の溶液を加え、次いで氷水で冷却しつつ、トリエチルアミン4.04g(40ミリモル)のテトラヒドロフラン10g溶液を加えた。トリエチルアミン添加に伴い白い沈殿が多量に生じた。該スラリーを室温で1時間攪拌し、吸引濾過、アセトン洗い、乾燥して、1,4−ビス[2−(アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]ナフタレンの白色の粉末5.90g(13.3ミリモル)を得た。原料1,4−ジヒドロキシナフタレンに対する収率は67モル%であった。
【0210】
(1)融点:139−140℃
(2)屈折率:n=1.605
(3)IR(KBr、cm−1):3350,3020,2970,1728,1714,1539,1523,1446,1414,1392,1300,1280,1250,1222,1182,1160,1126,1068,1000,980,816,770,670.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=7.86−7.97(2H,m)、7.48−7.59(2H,m),7.26(2H,s),6.49(2H,d.J=17Hz),6.18(2H,dd,J=17Hz,J=9Hz),5.91(2H,d,J=9Hz),5.57(2H,t,J=7Hz),4.37(4H,t,J=7Hz),3.66(4H,dt,J=J=7Hz)
【0211】
(実施例4)一般式(5)の化合物
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中に9−アントロン3.88g(10ミリモル)、2−イソシアネートエチルアクリレート3.12g(22ミリモル)のアセトン20gの薄き色スラリーを加え、次いで氷水で冷却しつつ、トリエチルアミン2.0g(20ミリモル)のアセトン10g溶液を加えた。トリエチルアミン添加に伴い混合物は一度均一に溶解したが、1分後白い沈殿が多量に生じた。該スラリーを室温で1時間攪拌し、吸引濾過、アセトン洗い、乾燥して、9−[2−(アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]アントラセンの白色の粉末3.35g(5.0ミリモル)を得た。原料アントロンに対する収率は50モル%であった。
【0212】
(1)融点:148−151℃
(2)屈折率:n=1.675
(3)IR(KBr、cm−1):3295,3070,2940,1723,1720,1540,1412,1356,1280.1252,1240,1160,1118,1073,980,890,820,770,740.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=8.38(1H,s),7.95−8.10(4H,m)、7.42−7.57(4H,m),6.53(1H,d.J=17Hz),6.22(1H,dd,J=17Hz,J=9Hz),5.94(1H,d,J=9Hz),5.78(1H,t,J=7Hz),4.42(2H,t,J=7Hz),3.71(2H,dt,J=J=7Hz)
【0213】
(実施例5)一般式(3)の化合物で、隣接するXが互いに結合して飽和の6員環を形成している化合物
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中に9,10−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン0.85g(4ミリモル)、2−イソシアネートエチルアクリレート1.82g(11.5ミリモル)のアセトン8gの薄茶色の溶液を加え、次いで氷水で冷却しつつ、トリエチルアミン0.404g(4ミリモル)のアセトン2g溶液を加えた。トリエチルアミン添加に伴い白い沈殿が多量に生じた。該スラリーを室温で1時間攪拌し、吸引濾過、アセトン洗い、乾燥して、9,10−ビス[2−(アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセンの白色の粉末1.60g(3ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセンに対する収率は75モル%であった。
【0214】
(1)融点:198−200℃
(2)屈折率:n=1.622
(3)IR(KBr、cm−1):3340,3080,2945,2870,1724,1716,1640,1540,1460,1414,1370,1303,126,1210,1181,1141,1122,1062,970,942,810,736,680.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=7.72−7.82(2H,m)、7.39−7.49(2H,m),6.50(2H,d.J=17Hz),6.19(2H,dd,J=17Hz,J=9Hz),5.93(2H,d,J=9Hz),5.56(2H,t,J=7Hz),4.38(4H,t,J=7Hz),3.66(4H,dt,J=J=7Hz),2.73−2.88(4H,bs),1.74−1.88(4H,bs).
【0215】
(実施例6)一般式(3)の化合物で、隣接するXが互いに結合して不飽和の6員環を形成している化合物
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中に1,4−ジヒドロアントラセン−9,10−ジオール4.24g(20ミリモル)、2−イソシアネートエチルアクリレート7.0g(50ミリモル)のアセトン30gの薄赤紫色の溶液を加え、次いで氷水で冷却しつつ、トリエチルアミン2.0g(4ミリモル)のアセトン10g溶液を加えた。トリエチルアミン添加に伴い白い沈殿が多量に生じた。該スラリーを室温で1時間攪拌し、吸引濾過、アセトン洗い、乾燥して、9,10−ビス[2−(アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]−1,4−ジヒドロアントラセンの白色の粉末8.60g(17.4ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセンに対する収率は87モル%であった。
【0216】
(1)融点:221−222℃
(2)屈折率:n=1.631
(3)IR(KBr、cm−1):3325,3070,3045,2940,1728,1718,1541,1412,1368,1308,1260,1210,1180,1140,1120,1060,984,810,762,700,677.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=7.74−7.84(2H,m),7.40−7.50(2H,m),6.51(2H,d.J=17Hz),6.20(2H,dd,J=17Hz,J=9Hz),5.93(2H,d,J=9Hz),5.82(2H,s),5.59(2H,t,J=7Hz),4.38(4H,t,J=7Hz),3.67(4H,dt,J=J=7Hz),3.43(4H,s).
【0217】
(実施例7)一般式(4)の化合物
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中に9,10−ジヒドロキシアントラセン4.20g(20ミリモル)、2−イソシアネートエチルアクリレート7.0g(50ミリモル)のテトラヒドロフラン60gの薄黄色の溶液を加え、次いで氷水で冷却しつつ、トリエチルアミン2.0g(4ミリモル)のテトラヒドロフラン10g溶液を加えた。トリエチルアミン添加に伴い淡黄色の沈殿が多量に生じた。該スラリーを室温で1時間攪拌し、吸引濾過、テトラヒドロフラン洗い、乾燥して、9,10−ビス[2−(アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]アントラセンの白色の粉末6.60g(13.4ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は68モル%であった。
【0218】
(1)融点:214−216℃
(2)屈折率:n=1.648
(3)IR(KBr、cm−1):3355,3110,3060,1724,1721,1640,1534,1420,1378,1306,1260,1220,1170,1122,1058,982,816,772,724,650.
(4)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=7.99−8.08(4H,m),7.46−7.57(4H,m),6.52(2H,d.J=17Hz),6.22(2H,dd,J=17Hz,J=9Hz),5.94(2H,d,J=9Hz),5.80(2H,t,J=7Hz),4.42(4H,t,J=7Hz),3.72(4H,dt,J=J=7Hz).
【0219】
(実施例8)一般式(4)の化合物
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中に9,10−ジヒドロキシアントラセン4.20g(20ミリモル)、2−イソシアネートエチルメタクリレート7.75g(50ミリモル)のテトラヒドロフラン60gの薄黄色の溶液を加え、次いで氷水で冷却しつつ、トリエチルアミン 2.0g(4ミリモル)のテトラヒドロフラン10g溶液を加えた。トリエチルアミン添加に伴い黄色の沈殿が多量に生じた。該スラリーを室温で1時間攪拌し、吸引濾過、テトラヒドロフラン洗い、乾燥して、9,10−ビス[2−(メタクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ]アントラセンの白色の粉末7.60g(14.6ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は76モル%であった。
【0220】
(1)融点:222−223℃
(2)IR(KBr、cm−1):3330,3060,2950,1722,1715,1640,1538,1430,1378,1321,1300,1250,1234,1168,1164,1140,1118,1058,960,946,820,768,721,660,600,410.
(3)H−NMR(CDCl,400MHz):δ=8.13−8.22(4H,m),7.70(2H,t,J=7Hz),7.58−7.67(4H,m),6.26(2H,s),5.75(2H,s),4.47(4H,t,J=7Hz),3.76(4H,dt,J=J=7Hz).
【0221】
(実施例9)一般式(4)の化合物でqが1の化合物
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中に9,10−ジヒドロキシアントラセン4.20g(20ミリモル)、2−(2−イソシアナトエトキシ)エチルメタクリレート9.15g(50ミリモル)のテトラヒドロフラン60g溶液を加え、次いで氷水で冷却しつつ、トリエチルアミン2.0g(20ミリモル)のテトラヒドロフラン10g溶液を加えた。得られた薄き色の溶液を室温で1時間攪拌し、減圧下で濃縮し次いでメタノール40mlを加え沈殿物が生じた。該スラリーを吸引濾過、メタノール洗い、乾燥し、9,10−ビス[2−{2−(アクリロイルオキシエトキシ)エチル}アミノカルボニルオキシ]アントラセンの薄黄色の粉末4.3g(7.4ミリモル)を得た。原料9,10−ジヒドロキシアントラセンに対する収率は37モル%であった。
【0222】
(1)融点:109−111℃
(2)IR(KBr、cm−1):3330,3075,2940,2880,1720,1716,1660,1530,1372,1300,1290,1250,1172,1130,1048,940,810,770,694.
(3)H−NMR(CDCl,400MHz:δ=8.00−8.12(4H,m),7.43−7.58(4H,m),6.21(2H,s),5.95(2H,t,J=7Hz)),5.60(2H,s),4.39(4H,t,J=7Hz),3.86(4H,dt,J=J=7Hz).3.69−3.79(4H,m),3.55−3.64(4H,m)7.70(2H,t,J=7Hz).
【0223】
(実施例10)
ラジカル重合性化合物として市販のメタクリル酸メチル(和光特級)4gを試験管に入れ、このラジカル重合性化合物に対して開始剤として、2質量%のアゾビスイソブチロニトリル(和光特級)、連鎖移動剤として5000質量ppmの1−(2−アクリロイルオキシエチル)アミノカルボニルオキシ−4−メトキシナフタレンを添加しラジカル重合性組成物とした。このラジカル重合性組成物入った試験管にセプタムで蓋をして、窒素を20分間、15mL/分の速度で組成物中に通気した。そして、窒素を通気したまま次いで、加熱したオイルバスに試験管を浸し、試験管内の溶液温度が60℃になるように60分保持し、重合時間とした。生成物を所定濃度でテトラヒドロフラン(和光特級)に溶解させ、検出器として、屈折率計(RI)(日本分光製RI−2031)、多波長紫外線分光計(日本分光製MD−2010)、およびGPCカラム(昭和電工製Shodex GPC KF−806L)を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(日本分光製)を用い生成ポリマーのキャラクタリゼーションを行った。このうち検出器として屈折率計を用い、生成ポリマーの平均分子量、その分布およびそのピーク面積から重合率を測定した。さらに検出器として多波長紫外線分光計を用い、生成ポリマーの紫外線吸収スペクトルを測定し、縮合多環芳香族骨格に由来する波長が波長350〜500nmの吸収の有無を測定した。これらの測定結果を表1に表した。
【0224】
(実施例11〜17、比較例1〜3)
添加する連鎖移動剤の種類、連鎖移動剤の添加量、重合時間を表1に表したように変更した他は実施例1と同様の操作を行い、測定結果を表1に表した。
【0225】
【表1】

【0226】
実施例10乃至実施例17と比較例1の対比から、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤が優れた連鎖移動能を持つことが分かる。また、実施例1と、従来より知られている連鎖移動剤を用いた比較例2及び3の対比からも、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤が優れた連鎖移動能を持つことが分かる。
【0227】
また、生成したポリマーの紫外吸収スペクトルにおいて、波長350〜500nmにおける吸収が、比較例1〜3では観察されないのに対して、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤を用いた例では観測されることから、本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤を用いた場合は、生成したポリマー中に本発明の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤に由来する縮合多環芳香族骨格が導入されていることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物。
【化1】


((1)式中、nは0から3の整数を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、又はアリールオキシアルキル基を表し、nが2又は3の場合、複数あるRは、それぞれ同一であっても異なっても良い。また、pは1又は2の整数を表し、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、pが2の場合、二つあるq及びrはそれぞれ同一の整数であっても異なる整数であっていても良い。Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、pが2の場合、複数あるY、複数あるZにおいて、Y同士、Z同士もまた同一であっても異なっていても良く、水素原子又はメチル基を表し、複数あるXは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の6員環を形成してもよい。)
【請求項2】
一般式(1)において、p及びnが1であることを特徴とする、請求項1に記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物。
【請求項3】
一般式(1)において、pが2であり、かつ、nが0であることを特徴とする、請求項1に記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物。
【請求項4】
下記一般式(2)で表される縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物。
【化2】


((2)式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、又はアリールオキシアルキル基を表し、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数ある場合のYもまた、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。複数あるXは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の6員環を形成してもよい。)
【請求項5】
下記一般式(3)で表される縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物。
【化3】


((3)式中、二つあるq及びrはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数あるY、複数あるZにおいて、Y同士、Z同士もまた同一であっても異なっていても良く、水素原子又はメチル基を表し、複数あるXは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の6員環を形成してもよい。)
【請求項6】
下記一般式(4)で表される縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物。
【化4】


((4)式中、二つあるq及びrはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、pが2の場合、複数あるY、複数あるZにおいて、Y同士、Z同士もまた同一であっても異なっていても良く、水素原子又はメチル基を表し、複数あるXは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)
【請求項7】
下記一般式(5)で表される縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物。
【化5】



((5)式中、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数ある場合のYもまた、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。複数あるXは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。)
【請求項8】
一般式(13)で表される縮合多環芳香族骨格を有する化合物と一般式(14)で表されるイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物とを、溶媒の存在下又は不存在下、付加反応させることを特徴とする、請求項1に記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
【化6】


((13)式中、nは0から3の整数を表し、mは1又は2の整数を表し、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、又はアリールオキシアルキル基を表し、nが2又は3の場合、複数あるRは、それぞれ同一であっても異なっても良い。複数あるXはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基又はアリール基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の6員環を形成してもよい。)
【化7】


((14)式中、qは0から4の整数を表し、rは1から4の整数を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、Y及びZは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、複数ある場合のYもまた、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。)
【請求項9】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤。
【請求項10】
請求項9に記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤と、ラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物。
【請求項11】
ラジカル重合性化合物が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルまたはスチレンであることを特徴とする請求項10に記載のラジカル重合性組成物。
【請求項12】
請求項9に記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤と、ラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物をラジカル重合して得られるポリマーであって、ポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、該縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマー。
【請求項13】
ラジカル重合性化合物が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルまたはスチレンであることを特徴とする請求項12に記載のポリマー。
【請求項14】
請求項9に記載の縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤存在下にラジカル重合性化合物をラジカル重合することを特徴とする、ポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、該縮合多環芳香族骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物からなる連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーの製造方法。

【公開番号】特開2013−14533(P2013−14533A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147806(P2011−147806)
【出願日】平成23年7月2日(2011.7.2)
【出願人】(000199795)川崎化成工業株式会社 (133)
【Fターム(参考)】