説明

縮合環化合物及び有機発光素子

【課題】有機発光素子の更なる高効率化及び長寿命化を実現することが可能な縮合環化合物及び有機発光素子を提供する。
【解決手段】3位および/または10位に、キノリル基等の置換基を有していても良いピリジル基、フェニル基、ジフェニルアミノ基、N−フェニルカルバゾリルフェニルアミノ基等の置換基を有する1H−インデノ[3,2−a]ピレン誘導体、および基板11上に第1電極13、上記インデノピレン誘導体を含む有機層15、第2電極17を設けた発光素子10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮合環化合物及び有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(organic light emitting diode)は、自発光型素子であって、視野角が広く、コントラストに優れるだけでなく、応答時間が速く、輝度、駆動電圧及び応答速度特性に優れ、多色化が可能であるという長所を有している。
【0003】
一般的な有機発光素子は、基板上にアノードが形成されており、このアノード上部に正孔輸送層、発光層、電子輸送層及びカソードが順次に形成されている構造を有することができる。ここで、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層は、有機化合物からなる有機薄膜である(例えば、以下の特許文献1を参照。)。
【0004】
前述したような構造を有する有機発光素子の駆動原理は、次の通りである。
前記アノード及びカソード間に電圧を印加すれば、アノードから注入された正孔は、正孔輸送層を経て発光層に移動し、カソードから注入された電子は、電子輸送層を経て発光層に移動する。前記正孔及び電子のようなキャリアは、発光層領域で再結合して励起子(exiton)を生成する。この励起子が励起状態から基底状態に変わりつつ、光が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国特許公開第2007−0003586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された化合物を含む従来の化合物を採用した有機発光素子の効率及び寿命を改善する必要は現在も存在し、効率化及び寿命の点で、未だに改良の余地がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、有機発光素子の更なる高効率化及び長寿命化を実現することが可能な、縮合環化合物及び有機発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、下記化学式1で表示される縮合環化合物が提供される。
【0009】
【化1】

・・・(化学式1)
【0010】
ここで、前記化学式1において、R及びRは、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、−(Ar−Ar11で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar12][−(Ar)c−Ar13]で表示される置換基からなる群から選択されるか、または、Rは、下記化学式2における*の部位と連結され、かつ、Rは、下記化学式2の*’の部位と連結される。
【0011】
【化2】

・・・(化学式2)
【0012】
また、前記化学式1において、前記R〜R、R11〜R14、及びR21〜R24は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、−(Ar−Ar14で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される置換基からなる群から選択される。
【0013】
また、前記Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び、置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、前記Ar11〜Ar16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、a〜fは、互いに独立して、0〜10の整数である。
【0014】
また、−(Ar−Ar11で表示される置換基のうち、a個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、−(Ar−Ar12で表示される置換基のうち、b個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、−(Ar−Ar13で表示される置換基のうち、c個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、−(Ar−Ar14で表示される置換基のうち、d個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、−(Ar−Ar15で表示される置換基のうち、e個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、−(Ar−Ar16で表示される置換基のうち、f個のArは、互いに同一であるか、異なるものである。
【0015】
また、前記X及びXは、互いに独立して、置換基−C(Q)(Q)−及び置換基−N(Q)−からなる群から選択された2価連結基であり、前記Q〜Qは、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択される。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1電極と、前記第1電極に対向する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在された有機層と、を含み、前記有機層が、上記縮合環化合物を含む有機発光素子が提供される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、有機発光素子の更なる高効率化及び長寿命化を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る有機発光素子の構造を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
本発明の実施形態では、下記化学式1で表示される縮合環化合物が提供される。
【0021】
【化3】

・・・(化学式1)

【0022】
前記化学式1のうち、R及びRは、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、−(Ar−Ar11で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar12][−(Ar)c−Ar13]で表示される置換基からなる群から選択されるか、または、R8は、下記化学式2の*で表わされる部位と連結し、かつ、R7は、下記化学式2の*’で表わされる部位と連結する。
【0023】
【化4】

・・・(化学式2)
【0024】
また、化学式1において、前記R〜R、R11〜R14及びR21〜R24は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、−(Ar−Ar14で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される置換基からなる群から選択されうる。
【0025】
例えば、前記化学式1のうち、R及びRは、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、−(Ar−Ar11で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar12][−(Ar)c−Ar13]で表示される置換基からなる群から選択される。
【0026】
また、前記R〜R及びR11〜R14は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、−(Ar−Ar14で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される置換基からなる群から選択されうる。
【0027】
例えば、前記化学式1のうち、前記R〜R及びR〜Rが水素であり、Rは、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルケニル基、置換または非置換のC−C10アルキニル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、−(Ar−Ar11で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar12][−(Ar)c−Ar13]で表示される置換基からなる群から選択され、R11〜R14は、互いに独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルケニル基、置換または非置換のC−C10アルキニル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、−(Ar−Ar14で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される置換基からなる群から選択されうる。
【0028】
前記Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、非置換のC−C30アリーレン基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択されうる。
【0029】
例えば、前記Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C10アルキレン基、置換または非置換のC−C10アルケニレン基、置換または非置換のC−C14アリーレン基、及び、置換または非置換のC−C14ヘテロアリーレン基からなる群から選択されうる。
【0030】
具体的に、前記Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のエチレン基、置換または非置換のフェニレン基、置換または非置換のペンタレニレン基(pentalenylene)、置換または非置換のインデニレン基(indenylene)、置換または非置換のナフチレン基(naphthylene)、置換または非置換のアズレニレン基(azulenylene)、置換または非置換のヘプタレニレン基(heptalenylene)、置換または非置換のインダセニレン基(indacenylene)、置換または非置換のアセナフタレン基(acenaphthylene)、置換または非置換のフルオレニレン基(fluorenylene)、置換または非置換のフェナレニレン基(phenalenylene)、置換または非置換のフェナントレニレン基(phenanthrenylene)、置換または非置換のアントラセニレン基(anthracenylene)、置換または非置換のフルオランテニレン基(fluoranthenylene)、置換または非置換のトリフェニレニレン基(triphenylenylene)、置換または非置換のピレニレニレン基(pyrenylenylene)、置換または非置換のクリセニレン基(chrysenylene)、置換または非置換のナフタセニレン基(naphthacenylene)、置換または非置換のピセニレン基(picenylene)、置換または非置換のペリレニレン基(perylenylene)、置換または非置換のペンタフェニレン基(pentaphenylene)、置換または非置換のヘキサセニレン基(hexacenylene)、置換または非置換のピロリレン基(pyrrolylene)、置換または非置換のピラゾリレン基(pyrazolylene)、置換または非置換のイミダゾリレン基(imidazolylene)、置換または非置換のイミダゾリニレン基(imidazolinylene)、置換または非置換のイミダゾピリジニレン基(imidazopyridinylene)、置換または非置換のイミダゾピリミジニレン基(imidazopyrimidinylene)、置換または非置換のピリジニレン基(pyridinylene)、置換または非置換のピラジニレン基(pyrazinylene)、置換または非置換のピリミジニレン基(pyrimidinylene)、置換または非置換のインドリレン基(indolylene)、置換または非置換のプリニレン基(purinylene)、置換または非置換のキノリニレン基(quinolinylene)、置換または非置換のフタラジニレン基(phthalazinylene)、置換または非置換のインドリジニレン基(indolizinylene)、置換または非置換のナフチリジニレン基(naphthyridinylene)、置換または非置換のキナゾリニレン基(quinazolinylene)、置換または非置換のシノリニレン基(cinnolinylene)、置換または非置換のインダゾリレン基(indazolylene)、置換または非置換のカルバゾリレン基(carbazolylene)、置換または非置換のフェナジニレン基(phenazinylene)、置換または非置換のフェナントリジニレン基(phenanthridinylene)、置換または非置換のピラニレン基(pyranylene)、置換または非置換のクロメニレン基(chromenylene)、置換または非置換のベンゾフラニレン基(benzofuranylene)、置換または非置換のチオフェニレン基(thiophenylene)、置換または非置換のベンゾチオフェニレン基(benzothiophenylene)、置換または非置換のイソチアゾリレン基(isothiazolylene)、置換または非置換のベンゾイミダゾリレン基(benzoimidazolylene)、及び、置換または非置換のイソキサゾリレン基(isoxazolylene)からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
前記Ar11〜Ar16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。
【0032】
具体的に、前記Ar11〜Ar16は、互いに独立して、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、置換または非置換のフェニル基、置換または非置換のペンタレニル基、置換または非置換のインデニル基、置換または非置換のナフチル基、置換または非置換のアズレニル基、置換または非置換のヘプタレニル基、置換または非置換のインダセニル基、置換または非置換のアセナフチル基、置換または非置換のフルオレニル基、置換または非置換のフェナレニル基、置換または非置換のフェナントレニル基、置換または非置換のアントラセニル基、置換または非置換のフルオランテニル基、置換または非置換のトリフェニレニル基、置換または非置換のピレニル基、置換または非置換のクライセニル基、置換または非置換のナフタセニル基、置換または非置換のピセニル基、置換または非置換のペリレニル基、置換または非置換のペンタセニル基、置換または非置換のヘキサセニル基、置換または非置換のピロリル基、置換または非置換のピラゾリル基、置換または非置換のイミダゾリル基、置換または非置換のイミダゾリニル基、置換または非置換のイミダゾピリジニル基、置換または非置換のイミダゾピリミジニル基、置換または非置換のピリジニル基、置換または非置換のピラジニル基、置換または非置換のピリミジニル基、置換または非置換のインドリル基、置換または非置換のプリニル基、置換または非置換のキノリニル基、置換または非置換のフタラジニル基、置換または非置換のインドリジニル基、置換または非置換のナフチリジニル基、置換または非置換のキナゾリニル基、置換または非置換のシノリニル基、置換または非置換のインダゾリル基、置換または非置換のカルバゾリル基、置換または非置換のフェナジニル基、置換または非置換のフェナントリジニル基、置換または非置換のピラニレン基(pyranylene)、置換または非置換のクロメニル基、置換または非置換のベンゾフラニル基、置換または非置換のチオフェニル基、置換または非置換のベンゾチオフェニル基、置換または非置換のイソチアゾリル基、置換または非置換のベンゾイミダゾリル基、及び、置換または非置換のイソキサゾリル基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
例えば、前記Ar〜Arは、互いに独立して、ピリジニレン基(pyridinylene)、キノリニレン基(quinolinylene)、ベンゾイミダゾリレン基(benzoimidazolylene)、イミダゾピリジニレン基(imidazopyridinylene)、イミダゾピリミジニレン基(imidazopyrimidinylene)、フェニレン基、C−C10アルキルフェニレン基、カルバゾリレン基(carbazolylene)、フェニルカルバゾリレン基、フルオレニレン基(fluorenylene)、C−C10アルキルフルオレニレン基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニレン基、エチレン基、及びナフチレン基(naphthylene)からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
また、例えば、前記Ar11〜Ar16は、互いに独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ピリジニル基、キノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、フェニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニル基、ナフチル基、下記置換基1からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
【化5】

・・・(置換基1)
【0036】
前記R及びR11〜R14は、互いに独立して下記化学式3A〜化学式3Oからなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
【化6】

【0038】
前記化学式3A〜化学式3Oにおいて、Z及びZは、互いに独立して、水素、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基、及びナフチル基からなる群から選択される。
【0039】
具体的に、前記R及びR11〜R14は、互いに独立して、下記化学式4A〜化学式4Rからなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
【化7】

【0041】
前記化学式1において、a〜fは、互いに独立して、0〜10の整数である。例えば、前記a〜fは、互いに独立して、0、1または2であるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
前記化学式1において、前記−(Ar−Ar11で表示される置換基のうち、a個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、−(Ar−Ar12で表示される置換基のうち、b個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、−(Ar−Ar13で表示される置換基のうち、c個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、−(Ar−Ar14で表示される置換基のうち、d個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、−(Ar−Ar15で表示される置換基のうち、e個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、[−(Ar−Ar16]で表示される置換基のうち、f個のArは、互いに同一であるか、異なるものでありうる。
【0043】
例えば、−(Ar−Ar11で表示される置換基において、aが2である場合、2個のArがいずれもフェニレン基であるか、あるいは2個のArのうち1つは、フェニレン基であり、残り1つは、ベンゾイミダゾリレン基であり得るなど、多様な変形例が可能である。
【0044】
前記化学式1において、Q〜Qは、互いに独立して、水素、C−C30アルキル基、C−C30アルコキシ基、C−C14アリール基、及びC−C14ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。例えば、前記Q〜Qは、互いに独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基、及びナフチル基からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。例えば、前記Q〜Qは、互いに独立して、水素、メチル基またはフェニル基でありうる。
【0045】
前記化学式1において、Xは、置換基−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CH(Ph)−、−NH−、及び、−N(Ph)−(ここで、Phは、フェニル基を示す)からなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
前記化学式1は、前述したような構造を有することで、熱安定性が優秀である。また、広いバンドギャップを有するので、置換基(例えば、R8及びR11〜R14)によって有機発光素子の多様な層(例えば、正孔輸送層、発光層及び/又は電子輸送層)に使われうる。
【0047】
一方、前記化学式1において、Rは、下記化学式2の*で表わされる部位と連結され、Rは、前記化学式2の*’で表わされる部位と連結されうる。
【0048】
【化8】

・・・(化学式2)
【0049】
これにより、前記化学式1は、下記化学式1Aで表示されうる。
【0050】
【化9】

・・・(化学式1A)

【0051】
前記化学式1Aにおいて、R〜R及びR11〜R14についての詳細な説明は、前述した内容の通りであり、R21〜R24についての詳細な説明は、前記R11〜R14についての説明と同一なので、それらを参照すれば良い。
【0052】
例えば、前記化学式1Aにおいて、前記R〜Rは、水素であり、R11〜R14及びR21〜R24は、互いに独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルケニル基、置換または非置換のC−C10アルキニル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、−(Ar−Ar14で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される置換基からなる群から選択されうる。
【0053】
ここで、前記Ar〜Ar、A14〜Ar16及びd〜fについての詳細な説明は、前記説明と同一なので、詳細な説明は省略する。
【0054】
前記化学式1Aにおいて、R11〜R14及びR21〜R24は、互いに独立して、前記化学式3A〜化学式3Oからなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
さらに具体的に、前記化学式1Aにおいて、R11〜R14及びR21〜R24は、互いに独立して、前記化学式4A〜化学式4Rからなる群から選択されうるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
前記化学式1Aにおいて、Q〜Q及びXについての説明は、前述の通りであり、Xについての説明は、Xについての説明と同一なので、詳細な説明は省略する。
【0057】
前記化学式1は、前述したような化学式1Aを有することで、熱安定性が優秀である。また、広いバンドギャップを有するので、置換基(例えば、R及びR11〜R14)によって有機発光素子の多様な層(例えば、正孔輸送層、発光層及び/又は電子輸送層)に使われうる。
【0058】
本発明の一具現例によれば、前記化学式1において、R〜R及びR〜Rは、水素であり、R及びR11〜R14は、互いに独立して、水素及び前記化学式3A〜化学式3Oからなる群から選択された1つであり、Xは、置換基−C(Q)(Q)−及び置換基−N(Q)−からなる群から選択された2価連結基であり、前記Q〜Qは、互いに独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基、及びナフチル基からなる群から選択されうる。
【0059】
本発明の他の一具現例によれば、前記化学式1において、R〜R、R〜R、R11、R13及びR14は水素であり、R及びR12は、互いに独立して、水素及び前記化学式3A〜化学式3Oからなる群から選択された1つであり、Xは、置換基−C(Q)(Q)−及び置換基−N(Q)−からなる群から選択された2価連結基であり、前記Q〜Qは、互いに独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基、及びナフチル基からなる群から選択されうる。
【0060】
本発明のさらに他の一具現例によれば、前記化学式1において、R〜R、R〜R、R11、R13及びR14は水素であり、R及びR12は、互いに独立して、水素及び前記化学式4A〜化学式4Rからなる群から選択された1つであり、Xは、置換基−CH−、−CH(CH)−、置換基−C(CH−、置換基−CH(Ph)−、置換基−NH−、及び、置換基−N(Ph)−(ここで、Phは、フェニル基を示す。)からなる群から選択されうる。
【0061】
本発明のさらに他の一具現例によれば、前記化学式1において、R〜R、R〜R、R11、R13及びR14は水素であり、R及びR12は、互いに独立して、水素及び前記化学式4A〜化学式4Rからなる群から選択された1つであり、X1は、置換基−CH−、置換基−CH(CH)−、置換基−C(CH−、及び、置換基−CH(Ph)−(ここで、Phは、フェニル基を示す。)からなる群から選択されうる。
【0062】
本発明の一具現例によれば、前記化学式1において、Rは、前記化学式2の*で表わされる部位と連結され、Rは、前記化学式2の*’で表わされる部位と連結され(すなわち、化学式1は化学式1Aで表示される。)、R〜Rは水素であり、R11〜R14及びR21〜R24は、互いに独立して、水素及び前記化学式3A〜化学式3Oからなる群から選択された1つであり、X及びXは、互いに独立して、−C(Q)(Q)−及び−N(Q)−からなる群から選択された2価連結基であり、前記Q〜Qは、互いに独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基、及びナフチル基からなる群から選択されうる。
【0063】
本発明のさらに他の一具現例によれば、前記化学式1において、Rは、前記化学式2の*で表わされる部位と連結され、Rは、前記化学式2の*’で表わされる部位と連結され(すなわち、化学式1は、化学式1Aで表示される。)、R〜R、R11、R13、R14、R21、R23、及びR24は水素であり、R12及びR22は、互いに独立して、水素及び前記化学式3A〜化学式3Oからなる群から選択された1つであり、X及びXは、互いに独立して、置換基−C(Q)(Q)−及び置換基−N(Q)−からなる群から選択された2価連結基であり、前記Q〜Qは、互いに独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基、及びナフチル基からなる群から選択されうる。
【0064】
本発明のさらに他の一具現例によれば、前記化学式1において、Rは、前記化学式2の*で表わされる部位と連結され、Rは、前記化学式2の*’で表わされる部位と連結され(すなわち、化学式1は化学式1Aで表示される。)、R〜R、R11、R13、R14、R21、R23、及びR24は水素であり、R12及びR22は、互いに独立して、水素または前記化学式4A〜化学式4Rからなる群から選択された1つであり、X及びXは、互いに独立して、置換基−CH−、置換基−CH(CH)−、置換基−C(CH−、置換基−CH(Ph)−、置換基−NH−、及び、置換基−N(Ph)−(ここで、Phは、フェニル基を示す。)からなる群から選択されうる。
【0065】
本発明のさらに他の一具現例によれば、前記化学式1において、Rは、前記化学式2の*で表わされる部位と連結され、Rは、前記化学式2の*’で表わされる部位と連結され(すなわち、化学式1は化学式1Aで表示される。)、R〜R、R11、R13、R14、R21、R23、及びR24は水素であり、R12及びR22は、互いに独立して、水素及び前記化学式4A〜化学式4Rからなる群から選択された1つであり、X及びXは、互いに独立して、置換基−CH−、置換基−CH(CH)−、置換基−C(CH−、及び、置換基−CH(Ph)−からなる群から選択されうる。
【0066】
本発明のさらに他の一具現例によれば、前記化学式1で表示される縮合環化合物は、下記化合物1〜化学式43でありうるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
【化10】

・・・(化合物1)
【0068】
【化11】

・・・(化合物2)
【0069】
【化12】

・・・(化合物3)

【0070】
【化13】

・・・(化合物4)
【0071】
【化14】

・・・(化合物5)
【0072】
【化15】

・・・(化合物6)
【0073】
【化16】

・・・(化合物7)
【0074】
【化17】

・・・(化合物8)
【0075】
【化18】

・・・(化合物9)
【0076】
【化19】

・・・(化合物10)
【0077】
【化20】

・・・(化合物11)
【0078】
【化21】

・・・(化合物12)

【0079】
【化22】

・・・(化合物13)
【0080】
【化23】

・・・(化合物14)
【0081】
【化24】

・・・(化合物15)
【0082】
【化22】

・・・(化合物16)
【0083】
【化23】

・・・(化合物17)
【0084】
【化24】

・・・(化合物18)
【0085】
【化25】

・・・(化合物19)
【0086】
【化26】

・・・(化合物20)
【0087】
【化27】

・・・(化合物21)
【0088】
【化28】

・・・(化合物22)
【0089】
【化29】

・・・(化合物23)
【0090】
【化30】

・・・(化合物24)
【0091】
【化31】

・・・(化合物25)
【0092】
【化32】

・・・(化合物26)
【0093】
【化33】

・・・(化合物27)
【0094】
【化34】

・・・(化合物28)
【0095】
【化35】

・・・(化合物29)
【0096】
【化36】

・・・(化合物30)
【0097】
【化37】

・・・(化合物31)
【0098】
【化38】

・・・(化合物32)
【0099】
【化39】

・・・(化合物33)
【0100】
【化40】

・・・(化合物34)
【0101】
【化41】

・・・(化合物35)
【0102】
【化42】

・・・(化合物36)
【0103】
【化43】

・・・(化合物37)
【0104】
【化44】

・・・(化合物38)
【0105】
【化45】

・・・(化合物39)
【0106】
【化46】

・・・(化合物40)
【0107】
【化47】

・・・(化合物41)
【0108】
【化48】

・・・(化合物42)
【0109】
【化49】

・・・(化合物43)
【0110】
本明細書において、非置換のC−C30アルキル基(またはC−C30アルキル基)の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、iso−アミル、ヘキシルなどを挙げることができ、置換されたC−C30アルキル基は、前記非置換のC−C30アルキル基のうち、1つ以上の水素原子がハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボキシル基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸またはその塩、またはC−C30アルキル基、C−C30アルケニル基、C−C30アルキニル基、C−C30アリール基またはC−C20ヘテロアリール基で置換されたものである。一方、置換または非置換のC−C30アルキレン基は、前述したような置換または非置換のC−C30アルキル基と同じ構造を有するが、2価連結基という点のみが異なる置換基である。
【0111】
本明細書において、非置換のC−C30アルコキシ基(またはC−C30アルコキシ基)は、−OA(但し、Aは、前述したような非置換のC−C30アルキル基である)の化学式を有し、その具体例として、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシなどがあり、これらアルコキシ基のうち、少なくとも1つ以上の水素原子は、前述した置換されたC−C30アルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0112】
本明細書において、非置換のC−C30アルケニル基(またはC−C30アルケニル基)は、前記非置換のC−C30アルキル基の中間や終端に1つ以上の炭素二重結合を含有しているものを意味する。例えば、エテニル、プロフェニル、ブテニルなどがある。これら非置換のC−C30アルケニル基のうち、少なくとも1つ以上の水素原子は、前述した置換されたC−C30アルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。一方、置換または非置換のC−C30アルケニレン基は、前述したような置換または非置換のC−C30アルケニル基と同じ構造を有するが、2価連結基という点のみが異なる置換基である。
【0113】
本明細書において、非置換のC−C30アルキニル基(またはC−C30アルキニル基)は、前記定義したようなC−C30アルキル基の中間や終端に1つ以上の炭素三重結合を含有しているものを意味する。例えば、アセチレン、プロピレン、イソプロピルアセチレン、t−ブチルアセチレンなどがある。これらアルキニル基のうち、少なくとも1つ以上の水素原子は、前述した置換されたC−C30アルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0114】
本明細書において、非置換のC−C30アリール基は、1つ以上の芳香族環を含む炭素原子数5〜30個のカルボサイクリック芳香族システムを有する1価(monovalent)の置換基を意味し、非置換のC−C30アリーレン基は、1つ以上の芳香族環を含む炭素原子数5〜30個のカルボサイクリック芳香族システムを有する2価(divalent)の置換基を意味する。前記アリール基及びアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに融合されうる(すなわち、縮合環を形成しうる。)。前記アリール基及びアリーレン基のうち、1つ以上の水素原子は、前述した置換されたC−C30アルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0115】
前記置換または非置換のC−C30アリール基の例としては、フェニル基、C−C10アルキルフェニル基(例えば、エチルフェニル基)、C−C10アルキルビフェニル基(例えば、エチルビフェニル基)、ハロフェニル基(例えば、o−,m−及びp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基)、ジシアノフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基、o−,m−、及びp−トリル基、o−,m−及びp−クメニル基、メシチル基、フェノキシフェニル基、(α,α−ジメチルベンゼン)フェニル基、(N,N´−ジメチル)アミノフェニル基、(N,N´−ジフェニル)アミノフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ハロナフチル基(例えば、フルオロナフチル基)、C−C10アルキルナフチル基(例えば、メチルナフチル基)、C−C10アルコキシナフチル基(例えば、メトキシナフチル基)、アントラセニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフタレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントラキノリル基、メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、エチル−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネリル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基などを挙げることができる。前記置換または非置換のC−C30アリーレン基の例は、前記置換または非置換のC−C30アリール基の例を参照して容易に認識されうる。
【0116】
本明細書において、非置換されたC−C30ヘテロアリール基はN,O,PまたはSのうちから選択された1つ以上のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである1つ以上の芳香族環からなるシステムを有する1価基を意味し、非置換のC−C30ヘテロアリーレン基はN,O,PまたはSのうちから選択された1つ以上のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである1つ以上の芳香族環からなるシステムを有する2価基を意味する。ここで、前記ヘテロアリール基及びヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに融合されうる。前記ヘテロアリール基及びヘテロアリーレン基のうち、1つ以上の水素原子は、前述した置換されたC−C30アルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0117】
前記非置換されたC−C30ヘテロアリール基の例には、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサチアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、インドリル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基などを挙げることができる。前記置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基の例は、前記置換または非置換のC−C30アリーレン基の例を参照して容易に認識されうる。
【0118】
前記化学式1を有する縮合環化合物は、公知の有機合成方法を利用して合成されうる。前記縮合環化合物の合成方法は、後述する実施例を参照して当業者に容易に認識されうる。
【0119】
例えば、下記反応式1Aは、前記化学式1の一具現例を合成するための反応式である。
【化50】

・・・(反応式1A)

【0120】
前記反応式1Aにおいて、R〜R及びR11〜R14及びXは、前述の通りである。
【0121】
前記反応式1Aにおいて、Haはハロゲン原子、例えば、−F、−Cl、−Brまたは−Iでありうる。
【0122】
前記反応式1Aにおいて、Aは水素、下記置換基2、または−B(OH)でありうるが、これらに限定されたものではなく、選択されたRによって公知された多様なモイエティ(moiety:部分)のうちから選択されうる。
【0123】
【化51】

・・・(置換基2)
【0124】
前記反応式1Aは、化学式1の縮合環化合物の合成方法の一例であって、当業者ならば、前記反応式1A及び化学式1の構造を参照して公知の有機合成方法を利用して化学式1を合成することが可能である。
【0125】
前記化学式1を有する縮合環化合物は、有機発光素子の有機層に利用可能である。したがって、第1電極、前記第1電極に対向した第2電極及び前記第1電極と前記第2電極との間に介在された有機層を含み、前記有機層が前述したような化学式1を有する縮合環化合物を含んだ有機発光素子が提供される。
【0126】
ここで、前記有機層は、発光層、正孔輸送層または電子輸送層であるが、これらに限定されるものではない。前記化学式1の縮合環化合物が発光層に使われる場合、ホストまたはドープ剤として利用される。
【0127】
図1は、本発明の一具現例による有機発光素子10の断面図を概略的に示す図面である。以下、図1を参照して本発明の一具現例による有機発光素子の構造及び製造方法を説明すれば、次の通りである。
【0128】
有機発光素子10は、基板11、第1電極13有機層15及び第2電極17を順に具備する。
【0129】
前記基板11としては、通常の有機発光素子として使われる基板を使用できるが、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性に優れたガラス基板または透明プラスチック基板を使用しうる。
【0130】
前記第1電極13は、基板上部に第1電極用物質を蒸着法またはスパッタリング法などを利用して提供することによって形成しうる。前記第1電極13がアノードである場合、正孔注入を容易にするために、第1電極用物質は高い仕事関数を有する物質のうちから選択されうる。前記第1電極13は、反射型電極または透過型電極でありうる。第1電極用物質としては、透明で伝導性に優れた酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)などを利用しうる。または、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを利用しうる。
【0131】
前記第1電極13上部には、有機層15が備えられている。本明細書において、「有機層」とは、第1電極と第2電極との間に介在されたあらゆる層を包括して示し、前記有機層は金属錯体も含むものであって、必ずしも有機物からなる層のみを意味するものではない。
【0132】
前記有機層15は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうち、1層以上を含むことができる。
【0133】
正孔注入層(HIL)は、前記第1電極13の上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用して形成しうる。
【0134】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、例えば、蒸着温度約100〜約500℃、真空度約10−8〜約10−3torr、蒸着速度約0.01〜約100Å/secの範囲で選択され、これらに限定されるものではない。
【0135】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、そのコーティング条件は正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、約2000rpm〜約5000rpmのコーティング速度、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度は、約80℃〜200℃の温度範囲で選択され、これらに限定されるものではない。
【0136】
正孔注入層物質としては、公知の正孔注入材料を使用できるが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(N,N’−diphenyl−N,N’−bis−[4−(phenyl−m−tolyl−amino)−phenyl]−biphenyl−4,4’−diamine:DNTPD)、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、m−MTDATA[4,4’、4”−tris(3−methylphenylphenylamino)triphenylamine]、TDATA、2T−NATA、Pani/DBSA(Polyaniline/Dodecylbenzenesulfonicacid:ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)、PEDOT/PSS(Poly(3,4−ethylenedioxythiophene)/Poly(4−styrenesulfonate):ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート))、Pani/CSA(Polyaniline/Camphorsulfonicacid:ポリアニリン/カンファースルホン酸)またはPANI/PSS(Polyaniline)/Poly(4−styrenesulfonate):ポリアニリン)/ポリ(4−スチレンスルホネート))などを使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0137】
【化52】



【0138】
前記正孔注入層の厚さは、約100Å〜約10000Å、例えば、約100Å〜約1000Åでありうる。前記正孔注入層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに満足できるほどの正孔注入特性が得られる。
【0139】
次いで、前記正孔注入層の上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用して正孔輸送層(HTL)を形成しうる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔輸送層を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択されうる。
【0140】
正孔輸送層物質としては、前述したような化学式1の縮合環化合物を使用しうる。または、前記正孔輸送層物質としては、公知された正孔輸送材料を利用して形成しうるが、例えば、N−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体;N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPD)などの芳香族縮合環を有するアミン誘導体;TCTA(4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(4,4’,4”−tris(N−carbazolyl)triphenylamine))のようなトリフェニルアミン系物質のような公知された正孔輸送物質を使用しうる。その中、例えば、TCTAの場合、正孔輸送の役割以外にも、発光層からの励起子の拡散を防止する役割も行える。
【0141】
【化53】


【0142】
前記正孔輸送層の厚さは、約50Å〜約1000Å、例えば、約100Å〜約800Åでありうる。前記正孔輸送層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧上昇なしにも、満足できるほどの正孔輸送特性が得られる。
【0143】
前記正孔輸送層の上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して発光層(EML)を形成しうる。真空蒸着法及びスピンコーティング法により発光層を形成する場合、その蒸着条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択されうる。
【0144】
前記発光層は、前述したような化学式1を有する縮合環化合物を含むことができる。前記発光層は、前記化学式1の縮合環化合物を単独で含むか、ホスト化合物である前記化学式1の縮合環化合物及び公知のドープ剤を含むか、または公知のホスト及びドープ剤である前記化学式1の縮合環化合物を含む。公知のホスト化合物の例としては、Alq3(トリス(8−キノリノレート)アルミニウム)、CBP(4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル)、PVK(ポリ(n−ビニルカルバゾール))、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(ADN)、TCTA、TPBI(1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン(1,3,5−tris(N−phenylbenzimidazole−2−yl)benzene))、TBADN(3−tert−ブチル−9,10−ジ(ナフト−2−イル)アントラセン)、E3、DSA(ジスチリルアリーレン)などを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0145】
【化54】

【0146】
一方、公知の赤色ドープ剤としてPtOEP、Ir(piq)、BtpIr(acac)などを利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0147】
【化55】

【0148】
また、公知の緑色ドーブ剤として、Ir(ppy)(ppy=フェニルピリジン)、Ir(ppy)(acac)、Ir(mpyp)などを利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0149】
【化56】

【0150】
一方、公知の青色ドープ剤として、FIrpic、(Fppy)Ir(tmd)、Ir(dfppz)、ter−フルオレン(fluorene)、4,4’−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ビフェニル(DPAVBi)、2,5,8,11−テトラ−tー−ブチルペリレン(TBPe)などを利用できるが、これらに限定されるものではない。
【0151】
【化57】

【0152】
前記発光層がホスト及びドープ剤を含む場合、ドープ剤の含有量は、通常、ホスト約100質量部を基準として、約0.01〜約15質量部の範囲で選択されるが、これに限定されるものではない。
【0153】
前記発光層の厚さは、約100Å〜約1000Å、例えば、約200Å〜約600Åでありうる。前記発光層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧上昇なしに優秀な発光特性を示しうる。
【0154】
発光層にリン光ドープ剤と共に使用する場合には、三重項励起子または正孔の電子輸送層への拡散現象を防止するために、前記正孔輸送層と発光層との間に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して正孔阻止層(HBL)を形成しうる。真空蒸着法及びスピンコーティング法により正孔阻止層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲内でなされる。公知の正孔阻止材料も使用できるが、その例としては、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などを挙げられる。
【0155】
前記正孔阻止層の厚さは、約50Å〜約1000Å、例えば約100Å〜約300Åでありうる。前記正孔阻止層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧上昇なしに優秀な正孔阻止特性が得られる。
【0156】
次いで、電子輸送層(ETL)を真空蒸着法、またはスピンコーティング法、キャスト法などの多様な方法を利用して形成する。真空蒸着法及びスピンコーティング法により電子輸送層を形成する場合、その条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択されうる。前記電子輸送層材料としては、前記化学式1の縮合環化合物を使用しうる。または、前記電子輸送層材料としては、電子注入電極(カソード)から注入された電子を安定して輸送する機能を果たすものであって、公知の電子輸送物質を利用しうる。その例としては、キノリン誘導体、トリス(8−キノリノレート)アルミニウム(Alq3)、TAZ、Balq、ベリリウムビス(ベンゾキノリン−10−オラート)(berylliumbis(benzoquinolin−10−olate:Bebq2)のような公知の材料を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0157】
【化58】


【0158】
前記電子輸送層の厚さは、約100Å〜約1000Å、例えば、約150Å〜約500Åでありうる。前記電子輸送層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧上昇なしにも、満足できるほどの電子輸送特性が得られる。
【0159】
また電子輸送層の上部にカソードから電子の注入を容易にする機能を有する物質の電子注入層(EIL)が積層され、これは特別に材料を制限しない。
【0160】
前記電子注入層形成材料としては、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaOのような電子注入層形成材料として公知された任意の物質を利用しうる。前記電子注入層の蒸着条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択されうる。
【0161】
前記電子注入層の厚さは、約1Å〜約100Å、約3Å〜約90Åでありうる。前記電子注入層の厚さが前述したような範囲を満たす場合、実質的な駆動電圧上昇なしにも、満足できるほどの電子注入特性が得られる。
【0162】
このような有機層15の上部には、透過型電極である第2電極17が備えられている。前記第2電極は、電子注入電極であるカソードであるが、この際、前記第2電極形成用金属としては、低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を使用しうる。具体例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを薄膜として形成して透過型電極が得られる。一方、前面発光素子を得るためにITO、IZOを利用した透過型電極を形成できるなど、多様な変形が可能である。
【実施例】
【0163】
以下、合成例及び実施例を挙げて、本発明の一具現例による有機発光素子についてさらに具体的に説明するが、本発明が下記の合成例及び実施例によって限定されるものではない。
【0164】
(合成例1:化合物F及びGの合成)
下記反応式2によって化合物F及びGを合成した。
【0165】
【化59】


・・・(反応式2)

【0166】
<化合物Aの合成>
フラスコに2−bromopyrene(100g、355.68mmol)をTHF 1Lで希釈させ、−78℃に降温した後、窒素気流下でヘキサン中の2.5M n−BuLi溶液(213.4mL、533.52mmol)をゆっくり滴加して30分間攪拌した。前記反応物に2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2−isopropoxy−4,4,5,5−tetramethyl−1,3,2−dioxaborolane)(99.41mL、487.28mmol)をゆっくり入れた後、常温で一晩静置させた。
【0167】
完結された反応物に1N HClで反応を終了させた後、酢酸エチル(EA)で抽出した。その後、水とブライン(brine)で洗浄した後、MgSOで乾燥させて減圧濃縮した。ヘキサンで懸濁して十分に洗って75g(Yield=64%)の固体化合物Aを得た。
【0168】
H−NMR(CDCl3、300MHz)δ1.48(s、12H)、7.97−8.04(m、3H)、8.07−8.22(m、4H)、8.53(d、J=6.9Hz、1H)、8.06(d、J=9.3Hz、1H)。
【0169】
<化合物Bの合成>
4,4,5,5、−テトラメチル−2−(ピレン−1−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(4,4,5,5−tetramethyl−2−(pyren−1−yl)−1,3,2−dioxaborolane)(85g、258.98mmol)、エチル2−ブロモベンゾエート(ethyl2−bromobenzoate)(45.23mL、284.88mmol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド(tetrabutylammoniumbromide)(83.49g、258.98mmol)、2M炭酸カリウム(potassium carbonate)(259mL、517.96mmol)、Pd(PPh(14.96g、12.95mmol)をトルエンで希釈させて攪拌しつつ、温度を上げて12時間反応させた。これにより得られた混合物に水を加えて反応を終了した後、酢酸エチル(EA)で抽出した。これを水とブライン(brine)とで洗浄した後、MgSOで乾燥させて減圧濃縮する。カラムクロマトグラフィ(EA:Hex=1:50)で分離して薄い黄色固体化合物B83g(Yield=91.5%)を得た。
【0170】
H−NMR(CDCl3、300MHz)δ0.38(t、J=6.9Hz、3H)、3.66−3.81(m、2H)、7.50(d、J=6.9Hz、1H)、7.56−7.61、(m、1H)、7.65−7.70(m、1H)、7.75(d、J=9.3Hz、1H)、7.87(d、J=7.8Hz、1H)、7.96−8.03(m、2H)、8.11(m、2H)、8.13−8.14(m、2H)、8.20−8.22(m、2H)。
【0171】
<化合物Cの合成>
前記化合物B35g(99.88mmol)をメタンスルホン酸(methane sulfonicacid)(500mL)に添加して外部温度を約75℃まで昇温した後、約4時間反応させた。薄膜クロマトグラフィ(TLC)で出発物質が消えたことを確認し、0℃までに冷却させた後、これより赤色固体が形成され、その後、十分に攪拌して固体をろ過した。ろ過液をMgSOで乾燥させた後、減圧濃縮して赤色固体化合物である化合物C29g(95%収率)を収得した。
【0172】
H−NMR(300MHz)δ7.97−7.99(m、4H)、8.05−8.15(m、4H)、8.32(m、1H)、8.44−8.49(m、2H)8.75(d、J=7.8Hz、1H)、9.36(s、1H)。
【0173】
<化合物Dの合成>
前記化合物C30g(98.57mmol)をエチレングリコール(500mL)に添加してヒドラジンハイドレート(148.08mL、2957.1mmol)を添加した。これより収得した反応物に水酸化カリウム(132.74g、2365.8mmol)を入れた後、180〜190℃で一晩静置させた。これより収得した反応物を常温で冷却させた後、氷水に注いだ。2N HClを少しずつ入れつつ、中和させれば、固体が生成され、この固体をろ過した後、塩化メチレン(methylene chloride)に溶解させて収得した有機層をMgSOで乾燥させた後、減圧濃縮した。生成物として黄色固体である化合物D10g(35%)を収得した。
【0174】
H−NMR(CDCl3、300MHz)δ4.29(s、2H)、7.41(t、J=7.5Hz、1H)、7.55(t、J=7.5Hz、1H)、7.72(d、J=7.5Hz、1H)、8.00?8.09(m、3H)、8.20−8.27(m、3H)、8.35(s、1H)、8.59(d、J=7.5Hz、1H)、9.02(d、J=6.3Hz、1H)。
【0175】
<化合物Eの合成>
フラスコに、ヘキサン中の2.5M n−BuLi溶液(55.1mL、137.76mmol)を−78℃で入れた後、前記化合物D(16g、55.1mmol)を乾燥したTHFに溶かして−78℃でゆっくり添加した。−78℃で反応物にヨウ化メチル(methyl iodide)(8.58mL、137.76mmol)を添加した後、ゆっくり常温に上げて約2〜3時間反応させた。これより収得した反応物を水(water)に注いで2N−HClで中和した。これを塩化メチレン(MC)で抽出した後、MgSOで乾燥させた後、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル(EA):ヘキサン(HEX)=1:100)で精製して黄色固体である化合物E11g(Yield=63%)を収得した。
【0176】
H−NMR(CDCl3、300MHz)δ1.63(s、6H)、7.41(t、J=7.2Hz、1H)、7.50(t、J=7.2Hz、1H)、7.60(d、J=7.5Hz、1H)、7.98(t。J=7.2Hz、1H)、8.09−8.16(m、2H)、8.19−8.26(m、4H)、8.53(d、J=7.5Hz、1H)、9.00(d、J=9.3Hz、1H)。
【0177】
<化合物Fの合成>
1L RBFに前記化合物E(11g、34.55mmol)をTHF(80mL)に溶かしてMeOH(400mL)をゆっくり入れた。0℃で反応物に48%臭化水素酸(Hydro Bromicacid)(9.5mL、76.00mmol)をゆっくり入れた後、34.5%ヒドロペルオキシド(Hydroperoxide)をゆっくり添加した。これを0℃でゆっくり常温に温度上げながら攪拌した。2日後生成された固体をろ過した後、塩化メチレン(MC)に溶かし水で洗浄した後、NaHCO飽和溶液で中和し、MgSOで乾燥させた後、減圧濃縮した。これをカラムクロマトグラフィで精製して(ヘキサン100%)黄色固体である化合物F 5.2g(Yield=31.6%)を得た。
【0178】
H−NMR(CDCl3、300MHz)δ1.70(s、6H)、7.45(t、J=7.2Hz、1H)7.52(t、J=7.8Hz、1H)、7.63(d、J=7.2Hz、1H)、8.21(d、J=9.3Hz、1H)、8.32(s、1H)、8.38(d、J=9.3Hz、1H)、8.51−8.56(m、3H)、9.11(d、J=9.9Hz、1H)。
【0179】
<化合物Gの合成>
反応時間を8時間に縮めたという点を除いては、前記化合物Fの合成方法と同じ方法で化合物G(7.8)g(収率=56%)を得た。
【0180】
H−NMR(CDCl3、300MHz)δ1.70(s、6H)、7.24(t、J=7.1Hz、1H)7.45(t、J=7.8Hz、1H)、7.52(t、J=7.8Hz、1H)、7.61(d、J=7.1Hz、1H)、8.21(d、J=9.3Hz、1H)、8.32(s、1H)、8.38(d、J=9.3Hz、1H)、8.51−8.56(m、3H)、9.11(d、J=9.9Hz、1H)。
【0181】
(合成例2:化合物3の合成)
下記反応式3によって化合物3を合成した。
【0182】
【化60】

・・・(反応式3)

【0183】
前記化合物G 2.0g(5.0mmol)と化合物H1.84g(5.5mmol)とを炭酸カリウム2.07g(15.0mmol)水溶液とTHFの混合溶媒に入れて攪拌しつつ、Pd(PPh 173mg(3mol%)を入れて24時間加熱した。常温に冷却した後、反応混合物をジクロロメタンで抽出し、有機層を集めて無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧して溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ジクロロメタン=3:7)でろ過して黄色固体である化合物3を2.07g(収率79%)収得した。化合物3の構造をH−NMRで確認した。
【0184】
H NMR(CDCl3、300MHz)δ9.21(1H)、8.82(1H)、8.73(1H)、8.18−8.03(4H)、7.81(1H)、7.71−7.60(8H)、7.45−7.43(2H)、7.24(2H)、1.71(6H)
【0185】
(合成例3:化合物19の合成)
下記反応式4によって化合物19を合成した。
【0186】
【化61】

・・・(反応式4)

【0187】
前記化合物F 2.0g(4.20mmol)と3−ピリジルボロン酸ピナコールエステル2.58g(12.6mmol)を炭酸カリウム2.32g(16.8mmol)水溶液とTHFの混合溶媒に入れて攪拌しつつ、Pd(PPh194mg(4mol%)を入れて24時間加熱した。常温に冷却した後、反応混合物をジクロロメタンで抽出して、有機層を集めて無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧して、溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ジクロロメタン=3:7)でろ過して黄色固体である化合物19を1.59g(収率80%)収得した。化合物19の構造は、H−NMRで確認した。
【0188】
H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.72(2H)、8.51(2H)、8.18−8.12(2H)、8.02−7.97(3H)、7.85−7.81(2H)、7.71−7.65(5H)、7.45−7.41(2H)、1.72(6H)
【0189】
(合成例4:化合物40の合成)
下記反応式5によって化合物40を合成した。
【0190】
【化62】

・・・(反応式5)

【0191】
前記合成例3で、化合物Fの代わりに、化合物Gを使用し、3−ピリジルボロン酸ピナコールエステルの代わりに、フェニルボロン酸を利用したことを除いては、前記合成例3と同じ方法で化合物40を合成した(収率84%)。化合物40の構造は、H−NMRで確認した。
【0192】
H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.21(1H)、8.06−8.01(2H)、7.81(1H)、7.78−7.62(5H)7.48−7.43(3H)、7.32−7.25(4H)、1.70(6H)
【0193】
(合成例5:化合物35の合成)
下記反応式6によって化合物35を合成した。
【0194】
【化63】

・・・(反応式6)

【0195】
化合物G 2g(5.0mmol)とジフェニルアミン1.28g(7.55mmol)をトルエン50mLに溶かした後、ここにt−BuONa2.40g(25mmol)、トリス(ジベジリデンアセトン)ジパラジウム(0)tris(dibenzylideneacetone)dipalladium(0)(以下、Pd(dba))90.6mg(2mol%)、(t−Bu)3P20mg(2mol%)を加えて90℃で4時間攪拌した。
【0196】
反応混合物をジクロロメタン50mLで3回抽出して有機層を収得した。収得された有機層を硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を蒸発して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離精製して、化合物35を1.76g(収率72%)得た。構造は、H−NMRで確認した。
【0197】
H−NMR(300MHz)δ7.98(1H)7.87−7.81(2H)7.72−7.63(5H)、7.44(1H)、7.21(1H)、7.05−6.97(6H)、6.65−6.46(5H)、1.71(6H)
【0198】
(合成例6:化合物34の合成)
下記反応式7によって化合物34を合成した。
【0199】
【化64】

・・・(反応式7)

【0200】
化合物F 2.4g(5.0mmol)とジフェニルアミン2.54g(15.0mmol)をトルエン100mLに溶かした後、ここにt−BuONa 2.40g(25mmol)、Pd(dba) 137mg(3mol%)、(t−Bu)3P 30mg(3mol%)を加えて90℃で6時間攪拌した。
【0201】
反応混合物をジクロロメタン100mLで3回抽出して有機層を収得した。収得した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を蒸発して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離精製して化合物34を2.27g(収率69%)得た。構造は、H−NMRで確認した。
【0202】
H−NMR(300MHz)δ7.89(1H)、7.82−7.80(2H)、7.83−7.70(4H)、7.11−7.04(10H)、6.82(2H)、6.65−6.59(4H)、6.52−6.47(7H)、1.72(6H)
【0203】
(合成例7:化合物43の合成)
下記反応式8によって化合物43を合成した。
【0204】
【化65】

・・・(反応式8)

【0205】
化合物F 2.4g(5.0mmol)とフェニル−(フェニルカルバゾール)アミン5.01g(15.0mmol)をトルエン200mLに溶かした後、ここにt−BuONa 2.40g(25mmol)、Pd(dba) 137mg(3mol%)、(t−Bu)3P 30mg(3mol%)を加えて90℃で6時間攪拌した。
【0206】
反応混合物をジクロロメタン100mLで3回抽出して有機層を収得した。収得した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を蒸発して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離精製して化合物43を2.73g(収率56%)得た。構造は、H−NMRで確認した。
【0207】
H−NMR(300MHz)δ7.87(1H)、7.82(1H)、7.76−7.72(5H)、7.56(2H)、7.42(2H)、7.39−7.13(12H)、7.08−6.98(10H)、6.81−6.46(9H)、6.28(2H)、1.71(6H)
【0208】
(比較例1)
アノードとしては、コーニング社(Corning)の15Ω/cm(1200Å)ITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmのサイズに切ってイソプロピルアルコールと純水で各々5分間超音波洗浄した後、30分間UVオゾン洗浄して使用した。前記基板の上部にm−MTDATAを真空蒸着して750Å厚さの正孔注入層を形成した後、前記正孔注入層の上部にα−NPDを真空蒸着して150Å厚さの正孔輸送層を形成した。前記正孔輸送層の上部にホストとしてDSA97質量%、ドープ剤としてTBPeを3質量%使用して300Å厚さの発光層を形成した。前記発光層の上部にAlq3を真空蒸着して200Å厚さの電子輸送層を形成した。前記電子輸送層の上部にLiFを真空蒸着して80Å厚さの電子注入層を形成した後、Alを真空蒸着して3000Å厚さのカソードを形成することによって、有機発光素子を完成した。
【0209】
(実施例1)
正孔輸送層材料としてm−MTDATAの代わりに、化合物34を使用したという点を除いては、前記比較例1と同じ方法で有機発光素子を完成した。
【0210】
(実施例2)
発光層のホストとしてDSAの代わりに、化合物40を使用した点を除いては、前記比較例1と同じ方法で有機発光素子を完成した。
【0211】
(実施例3)
発光層のドープ剤としてTBPeの代わりに、化合物35を使用した点を除いては、前記比較例1と同じ方法で有機発光素子を完成した。
【0212】
(実施例4)
電子輸送層材料としてAlq3の代わりに、化合物43を使用した点を除いては、前記比較例1と同じ方法で有機発光素子を完成した。
【0213】
(実施例5)
電子輸送層材料としてAlq3の代わりに、化合物19を使用した点を除いては、前記比較例1と同じ方法で有機発光素子を完成した。
【0214】
(実施例6)
電子輸送層材料としてAlq3の代わりに、化合物3を使用した点を除いては、前記比較例1と同じ方法で有機発光素子を完成した。
【0215】
(評価例)
実施例1〜6と比較例1の有機発光素子の発光効率及び半減寿命をPR650 Spectroscan Source Measurement Unit.(PhotoResearch社製)を利用して評価した。その結果は、下記表1の通りである。
【0216】
【表1】

【0217】
前記表1から、実施例1〜6の有機発光素子が、比較例1の有機発光素子に比べて、効率及び寿命特性が向上したことを確認することができる。
【0218】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0219】
10 有機発光素子
11 基板
13 第1電極
15 有機層
17 第2電極



【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表示される、縮合環化合物。
【化1】

・・・(化学式1)

ここで、前記化学式1において、
及びRは、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、−(Ar−Ar11で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar12][−(Ar)c−Ar13]で表示される置換基からなる群から選択されるか、または、Rは、下記化学式2における*の部位と連結され、かつ、Rは、下記化学式2の*’の部位と連結され、
【化2】

・・・(化学式2)
前記R〜R、R11〜R14、及びR21〜R24は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、−(Ar−Ar14で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される置換基からなる群から選択され、
前記Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び、置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、
前記Ar11〜Ar16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択され、
a〜fは、互いに独立して、0〜10の整数であり、
−(Ar−Ar11で表示される置換基のうち、a個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、
−(Ar−Ar12で表示される置換基のうち、b個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、
−(Ar−Ar13で表示される置換基のうち、c個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、
−(Ar−Ar14で表示される置換基のうち、d個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、
−(Ar−Ar15で表示される置換基のうち、e個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、
−(Ar−Ar16で表示される置換基のうち、f個のArは、互いに同一であるか、異なるものであり、
前記X及びXは、互いに独立して、置換基−C(Q)(Q)−及び置換基−N(Q)−からなる群から選択された2価連結基であり、
前記Q〜Qは、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択される。
【請求項2】
前記R〜R及びR〜Rが水素であり、
前記Rは、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルケニル基、置換または非置換のC−C10アルキニル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、−(Ar−Ar11で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar12][−(Ar)c−Ar13]で表示される置換基からなる群から選択され、
前記R11〜R14が互いに独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルケニル基、置換または非置換のC−C10アルキニル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、−(Ar−Ar14で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される置換基からなる群から選択され、
前記Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び、置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、
前記Ar11及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の縮合環化合物。
【請求項3】
前記a〜fは、互いに独立して、0、1または2であることを特徴とする、請求項2に記載の縮合環化合物。
【請求項4】
前記Ar〜Arは、互いに独立して、ピリジニレン基(pyridinylene)、キノリニレン基(quinolinylene)、ベンゾイミダゾリレン基(benzoimidazolylene)、イミダゾピリジニレン基(imidazopyridinylene)、イミダゾピリミジニレン基(imidazopyrimidinylene)、フェニレン基、C−C10アルキルフェニレン基、カルバゾリレン基(carbazolylene)、フェニルカルバゾリレン基、フルオレニレン基(fluorenylene)、C−C10アルキルフルオレニレン基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニレン基、エチレン基、及び、ナフチレン基(naphthylene)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の縮合環化合物。
【請求項5】
前記Ar11〜Ar16は、互いに独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ピリジニル基、キノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、フェニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニル基、ナフチル基、及び下記置換基1からなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の縮合環化合物。
【化3】

・・・(置換基1)

【請求項6】
前記R及びR11〜R14は、互いに独立して、水素及び下記化学式3A〜化学式3Oからなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の縮合環化合物。
【化4】

前記化学式3A〜3Oにおいて、Z及びZは、互いに独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基、及びナフチル基からなる群から選択される。
【請求項7】
前記R及びR11〜R14は、互いに独立して、水素及び下記化学式4A〜化学式4Rからなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の縮合環化合物。
【化5】

【請求項8】
前記Q〜Qは、互いに独立して、水素、C−C30アルキル基、C−C30アルコキシ基、C−C14アリール基、及びC−C14ヘテロアリール基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の縮合環化合物。
【請求項9】
前記Rは、前記化学式2の*と連結され、
前記Rは、前記化学式2の*’と連結され、
下記化学式1aで表示されることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【化6】

・・・(化学式1a)
【請求項10】
前記R〜Rは、水素であり、
11〜R14及びR21〜R24は、互いに独立して、水素、置換または非置換のC−C10アルキル基、置換または非置換のC−C10アルケニル基、置換または非置換のC−C10アルキニル基、置換または非置換のC−C10アルコキシ基、−(Ar−Ar14で表示される置換基、及び、−N[−(Ar−Ar15][−(Ar−Ar16]で表示される置換基からなる群から選択され、
前記Ar〜Arは、互いに独立して、置換または非置換のC−C30アルキレン基、置換または非置換のC−C30アルケニレン基、置換または非置換のC−C30アリーレン基、及び、置換または非置換のC−C30ヘテロアリーレン基からなる群から選択され、
前記Ar14及びAr16は、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の縮合環化合物。
【請求項11】
前記d〜fは、互いに独立して、0、1または2であることを特徴とする、請求項9に記載の縮合環化合物。
【請求項12】
前記Ar〜Arは、互いに独立して、ピリジニレン基(pyridinylene)、キノリニレン基(quinolinylene)、ベンゾイミダゾリレン基(benzoimidazolylene)、イミダゾピリジニレン基(imidazopyridinylene)、イミダゾピリミジニレン基(imidazopyrimidinylene)、フェニレン基、C−C10アルキルフェニレン基、カルバゾリレン基(carbazolylene)、フェニルカルバゾリレン基、フルオレニレン基(fluorenylene)、C−C10アルキルフルオレニレン基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニレン基、エチレン基、及び、ナフチレン基(naphthylene)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の縮合環化合物。
【請求項13】
前記Ar14〜Ar16は、互いに独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ピリジニル基、キノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、フェニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、ジ(C−C10アルキル)フルオレニル基、ナフチル基、及び下記置換基1からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の縮合環化合物。
【化7】

・・・(置換基1)

【請求項14】
前記R11〜R14及びR21〜R24は、互いに独立して水素及び下記化学式3A〜化学式3Oからなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の縮合環化合物。
【化8】


前記化学式3A〜化学式3Oにおいて、Z及びZは、互いに独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェニル基、及びナフチル基からなる群から選択される。
【請求項15】
前記R11〜R14及びR21〜R24は、互いに独立して、水素及び下記化学式4A〜化学式4Rからなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の縮合環化合物。
【化9】

【請求項16】
前記Q〜Qは、互いに独立して、水素、C−C30アルキル基、C−C30アルコキシ基、C−C14アリール基、及びC−C14ヘテロアリール基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の縮合環化合物。
【請求項17】
下記化合物3、19、34、35、40または43であることを特徴とする、請求項1に記載の縮合環化合物。
【化10】

・・・(化合物3)
【化11】

・・・(化合物19)
【化12】

・・・(化合物34)
【化13】

・・・(化合物35)
【化14】

・・・(化合物40)
【化15】

・・・(化合物43)

【請求項18】
第1電極と、
前記第1電極に対向する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に介在された有機層と、
を含み、
前記有機層が、請求項1〜17のいずれか1項に記載の縮合環化合物を含むことを特徴とする、有機発光素子。
【請求項19】
前記有機層は、正孔輸送層、発光層または電子輸送層であることを特徴とする、請求項18に記載の有機発光素子。
【請求項20】
前記第1電極と前記第2電極との間に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層からなる群から選択された1つ以上の層がさらに含まれることを特徴とする、請求項18に記載の有機発光素子。

【図1】
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【公開番号】特開2011−79822(P2011−79822A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225742(P2010−225742)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】