説明

縮合複素環誘導体、それを含有する医薬組成物及びその医薬用途

【課題】性ホルモン依存性疾患等の予防又は治療剤として有用な化合物の提供。
【解決手段】次式(I)で表される縮合複素環誘導体、それを含有する医薬組成物及びその医薬用途。


[式(I)中、環Aは、5員環不飽和炭化水素又は5員環へテロアリール;Rは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボキシ、アルコキシ、カルバモイル、アルキルカルバモイル等;環Bはアリール又はヘテロアリール;Rは、ハロゲン、アルキル、カルボキシ、アルコキシ、カルバモイル、アルキルカルバモイル等;E、Eは、酸素原子等;Uは、単結合又はアルキレン;Xは、Y、−SO−Y、−O−(アルキレン)−Y、−O−Zで表される基(Yは、Z又はアミノ等;Zは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール等)]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮合複素環誘導体に関するものである。
【0002】
さらに詳しく述べれば、本発明は、性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有し、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、月経困難症等の性ホルモン依存性疾患の予防又は治療剤などに用いることができる縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物、及びそれを含有する医薬組成物等に関するものである。
【背景技術】
【0003】
性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gonadotropin Releasing Hormone : GnRH またGnRHは黄体形成ホルモン放出ホルモン Luteinizing Hormone Releasing Hormone : LHRH とも呼ばれる。以下、「GnRH」という。)は視床下部より分泌される10個のアミノ酸から成るペプチド(pGlu-His-Trp-Ser-Tyr-Gly-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2)である。下垂体門脈中に分泌されたGnRHは下垂体前葉に存在すると考えられている受容体(GnRH受容体)を介して下垂体前葉ホルモンである性腺刺激ホルモン(黄体形成ホルモンLuteinizing Hormone : LH、卵胞刺激ホルモンFollicle Stimulating Hormone : FSH)の産生・分泌を促進する。これら性腺刺激ホルモンは性腺(卵巣、精巣)に作用して卵胞の発育・排卵・黄体化や精子形成を促進する一方、性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン、アンドロゲン)の産生・分泌を促進する(非特許文献1)。したがって、このGnRH受容体に対する特異的かつ選択的な拮抗薬はGnRHの作用を調節し、性腺刺激ホルモン及び性ホルモンの産生・分泌を制御するため性ホルモン依存性疾患の予防・治療薬として期待される。
【0004】
GnRH受容体の機能を抑制する薬剤としてGnRH受容体超作動薬が前立腺癌、乳癌及び子宮内膜症等の性ホルモン依存性疾患の治療薬として用いられている。GnRH受容体超作動薬はGnRH受容体に結合し、投与初期に一過性の性腺刺激ホルモン分泌刺激作用(フレアーアップ現象)を呈したあとに性腺刺激ホルモンの枯渇及びGnRH受容体のダウンレギュレーションを引き起こすことによりその機能を抑制する。したがって、GnRH受容体超作動薬には投与初期の性腺刺激ホルモン分泌亢進に基づき、一時的に病勢が悪化するという問題がある。一方、GnRH受容体拮抗薬(以下、「GnRH拮抗薬」という。)はその抑制機序がGnRH受容体への結合阻害であるため、性腺刺激ホルモン分泌を伴うことなく抑制作用を迅速に発現することが期待される。近年、GnRH拮抗薬としてアバレリクス及びセトロレリクス等のペプチド性GnRH拮抗薬が開発され、前立腺癌や不妊症等の治療に使用されている。しかしながら、これらペプチド性GnRH拮抗薬は難経口吸収性であることより皮下あるいは筋肉内への投与を余儀なくされており、注射部位の局所反応性の回避及び柔軟な用量の調節性が期待される経口投与可能な非ペプチド性GnRH拮抗薬の開発が待望される(非特許文献2参照)。
【0005】
非ペプチド性GnRH拮抗作用を有する縮合ピリミジン誘導体として、特許文献1及び2に記載されている化合物等が知られている。しかしながら特許文献1に記載されている化合物は、いずれもピリミジン環と縮合した5員環へテロ環に、アリール置換基を有しているものである。また、特許文献2に記載されている化合物は、芳香族6員環と縮合したピリミジン誘導体であり、必ずしも経口吸収性が高くない。最近、公開された特許文献3には、5員環へテロ環と縮合した非ペプチド性GnRH拮抗作用を有するピリミジン誘導体が記載されている。しかしながら、スルホンアミド又はアミド基を有する化合物以外の化合物については具体的な記載がなく、更に経口投与における血中動態については何ら具体的な記載はない。
【0006】
5員環へテロ環と縮合したピリミジン環を有する化合物として、上記のほか、特許文献4にはセリンプロテアーゼ阻害剤として、特許文献5には血液凝固第Xa因子阻害剤として、特許文献6には除草剤等として種々の化合物が挙げられている。しかしながら、これらの文献には、本発明の5員環へテロ環と縮合したピリミジン環を有する化合物が、GnRH拮抗作用を有することは記載も示唆もされていない。
【非特許文献1】「標準生理学」、第5版、医学書院、pp.882−891
【非特許文献2】「産科と婦人科」、2004年、第71巻、3号、pp.280−285、301−307
【特許文献1】国際公開第1996/24597号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005/019188号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2006/083005号パンフレット
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/0004167号明細書
【特許文献5】国際公開第00/39131号パンフレット
【特許文献6】特表平6−510992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、GnRH拮抗作用を有する化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、下記一般式(I)で示される5員環へテロ環と縮合したピリミジン誘導体が、優れたGnRH拮抗作用を有し、芳香族6員環と縮合したピリミジン誘導体に比して経口投与において優れた血中動態を示すことを初めて見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、
〔1〕 一般式(I):
【化1】

〔式中、
環Aは、5員環不飽和炭化水素又は5員環へテロアリール;
は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換可低級アルキル基、置換可低級アルケニル基、置換可低級アルキニル基、ヒドロキシイミノメチル基、置換可低級アルキルスルホニル基、置換可低級アルキルスルフィニル基、テトラゾリル基、OW、SW、COW、COOW、NHCOW、NHCONW、NW、CONW又はSONW(W〜Wは、独立して、水素原子又は置換可低級アルキル基であるか、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい);
mは、0〜3の整数;
環Bはアリール又はヘテロアリール;
は、ハロゲン原子、シアノ基、置換可低級アルキル基、OW、COW、COOW又はCONW(W〜Wは、独立して、水素原子又は置換可低級アルキル基であるか、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい);
nは、0〜2の整数;
は、酸素原子、硫黄原子又はN−CN;
は、酸素原子又はNH;
Uは、単結合又は置換可低級アルキレン基;
Xは、Y、−CO−Y、−SO−Y、−S−L−Y、−O−L−Y、−CO−L−Y、−COO−L−Y、−SO−L−Y、−SO−L−Y、−S−Z、−O−Z又は−COO−Zで表される基
(式中、Lは、置換可低級アルキレン基;
Yは、Z又は−NW〔W及びWは、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基又はZであるか(但し、同時に水素原子ではない)、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい〕で表される基;
Zは、縮環していてもよい置換可シクロアルキル基、縮環していてもよい置換可ヘテロシクロアルキル基、縮環していてもよい置換可アリール基又は縮環していてもよい置換可ヘテロアリール基;である);である〕
で表される縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔2〕 環Aが、5員環ヘテロアリール環である、前記〔1〕記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔3〕 環Aの5員環ヘテロアリール環が、式
【化2】

で表されるチオフェン環のいずれかである、前記〔2〕記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
【0010】
〔4〕 環Aの5員環ヘテロアリール環が、式
【化3】

で表されるチオフェン環である、前記〔3〕記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔5〕 Rが、ハロゲン原子、置換可低級アルキル基、COOW又はCONW(W〜Wは、独立して、水素原子又は置換可低級アルキル基であるか、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい)である、前記〔1〕〜〔4〕の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
【0011】
〔6〕 Rが、水酸基、カルボキシ基及びカルバモイル基から選択される基で置換された低級アルキル基;カルボキシ基;又はカルバモイル基である、前記〔5〕記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔7〕 mが0又は1である、前記〔1〕〜〔6〕の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔8〕 mが1であり、環Aが、Rが環Aの下記式
【化4】

に示す位置に結合したチオフェン環である、前記〔7〕記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔9〕 Eが、酸素原子である、前記〔1〕〜〔8〕の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔10〕 Eが、酸素原子である、前記〔1〕〜〔9〕の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
【0012】
〔11〕 環Bが、ベンゼン環、チオフェン環又はピリジン環である、前記〔1〕〜〔10〕の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔12〕 環Bが、式
【化5】

で表される環のいずれかである、前記〔11〕記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔13〕 nが1又は2であり、環Bが、Rが環Bの下記式
【化6】

(式中、Rは前記と同じ意味をもち、Rが2つある場合、2つのRは同じでも異なっていてもよい)に示す位置に結合した環のいずれかである、前記〔12〕記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔14〕 環Bが、式
【化7】

で表される環のいずれかである、前記〔12〕又は〔13〕記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔15〕 Rが、ハロゲン原子、置換可低級アルキル基、OW(Wは、水素原子又は置換可低級アルキル基である)又はシアノ基である、前記〔1〕〜〔14〕の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
【0013】
〔16〕 Rが、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基又はOW(Wは、水素原子又は置換可低級アルキル基である)である、前記〔15〕記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔17〕 Rが、フッ素原子、塩素原子又はWが低級アルキル基であるOWである、前記〔16〕記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔18〕 Uが単結合、メチレン基又はエチレン基である、前記〔1〕〜〔17〕の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔19〕 Xが、Y、−S−L−Y、−O−L−Y、−CO−L−Y、−SO−L−Y、−S−Z又は−O−Zで表される基(式中、L、Y、Zは上記と同じ意味である)である、前記〔1〕〜〔18〕の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔20〕 Uが単結合であり、Xが−S−L−Y、−O−L−Y、−CO−L−Y又は−SO−L−Yで表される基(式中、L、Yは上記と同じ意味である)である、前記〔19〕記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
【0014】
〔21〕 Uがメチレン基であり、XがY(但し、Yは−NW〔W及びWは、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基又はZであるか(但し、同時に水素原子ではない)、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい〕)、−S−Z又は−O−Zで表される基(Zは上記と同じ意味である)である、前記〔19〕記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔22〕 Uがエチレン基であり、XがY(但し、YはZであり、Zは上記と同じ意味である)である、前記〔19〕記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔23〕 Lが、C1-3アルキレン基である、前記〔1〕〜〔20〕の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔24〕 Zが、縮環していてもよい置換可アリール基である、前記〔1〕〜〔23〕の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物;
〔25〕 前記〔1〕〜〔24〕の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物;
【0015】
〔26〕 性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤である、前記〔25〕記載の医薬組成物;
〔27〕 性ホルモン依存性疾患の予防もしくは治療剤、生殖調節剤、避妊薬、排卵誘発剤又は性ホルモン依存性癌術後再発予防剤である、前記〔25〕記載の医薬組成物;
〔28〕 性ホルモン依存性疾患が、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、月経困難症、多嚢胞性卵巣症候群、紅斑性狼瘡、多毛症、小人症、睡眠障害、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病、不妊症、過敏性腸症候群、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌及び下垂体腫瘍からなる群から選択される疾患である、前記〔27〕記載の医薬組成物;及び
〔29〕 経口投与用である、前記〔25〕記載の医薬組成物;
並びにそれらを有効量投与することからなる、性ホルモン依存性疾患の予防又は治療方法、生殖調節方法、避妊方法、排卵誘発方法又は性ホルモン依存性癌術後再発予防方法;医薬組成物を製造するためのそれらの使用;性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト、化学療法剤、ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤と組み合せてなる医薬組成物;等に関するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る縮合複素環誘導体(I)もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物は、優れたGnRH拮抗作用を有するので、性腺刺激ホルモン放出ホルモンの作用を調節し、性腺刺激ホルモン及び性ホルモンの産生・分泌を制御することにより、性ホルモン依存性疾患の予防又は治療剤として用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書における用語の意味は次のとおりである。
「5員環不飽和炭化水素」とは、1又は2の二重結合を有する5員環の炭化水素環を意味する。
「ヘテロアリール」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から任意に選択されるヘテロ原子を1又は2以上有する単環式ヘテロアリール(例えば、チアゾール、オキサゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、フラザン等)を意味する。
「置換可」とは、置換基を有していてもよいことを意味する。
「5員環ヘテロアリール」とは、5員単環の上記ヘテロアリールを意味し、例えば、チアゾール、オキサゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、フラザン環が挙げられる。
【0018】
「アリール」とは、フェニルを意味する。
「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
「低級アルキル」とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキルを意味する。
「低級アルケニル」とは、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、2−メチルアリル等の炭素数2〜6の分岐していてもよいアルケニルを意味する。
「低級アルキニル」とは、エチニル、2−プロピニル等の炭素数2〜6の分岐していてもよいアルキニルを意味する。
「低級アルキルスルホニル」とは、上記低級アルキルで置換されたスルホニルを意味する。
「低級アルキルスルフィニル」とは、上記低級アルキルで置換されたスルフィニルを意味する。
「低級アルキレン」とは、メチレン、エチレン、メチルメチレン、トリメチレン、ジメチルメチレン、エチルメチレン、メチルエチレン、プロピルメチレン、イソプロピルメチレン、ジメチルエチレン、ブチルメチレン、エチルメチルメチレン、ペンタメチレン、ジエチルメチレン、ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレン、ジエチルエチレン等の炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキレンを意味する。
「C1−3アルキレン」とは、炭素数1〜3の上記低級アルキレンを意味する。
「低級アルコキシ」とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、tert−ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等の炭素数1〜6の分岐していてもよいアルコキシを意味する。
「低級アルコキシカルボニル」とは、炭素数2〜7の分岐していてもよいアルコキシカルボニルを意味する。
「低級アルキルチオ」とは、炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキルチオを意味する。
【0019】
「シクロアルキル」とは、炭素数3〜8の単環式シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等の単環式シクロアルキル)を意味する。
「ヘテロシクロアルキル」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から任意に選択されるヘテロ原子を1又は2以上有し、オキソ基を1〜2個有していてもよい3〜8員環ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、オキソピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、オキソピペラジニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、オキサゼパニル、チアゼパニル、ジオキソチアゼパニル、アゾカニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル等)を意味し、環内に硫黄原子を有する場合には、その硫黄原子は酸化されていてもよい。
【0020】
「縮環していてもよい」とは、上記シクロアルキル、上記ヘテロシクロアルキル、上記アリール及び上記ヘテロアリールから選択される1個の環と縮合していてもよいことを意味する。「縮環したシクロアルキル」、「縮環したヘテロシクロアルキル」、「縮環したアリール」及び「縮環したヘテロアリール」としては、例えば、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、インドリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、インダニル、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インドリニル、イソインドリニル、2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]オキセピニル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテニル、クロマニル等が挙げられ、結合手はいずれの環から出ていても良い。
【0021】
「環状アミノ」とは、上記の縮環していてもよいヘテロシクロアルキルのうち、環内に結合部位を有する少なくとも1個の窒素原子を有する基を意味し、例えば、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、4−モルホリニル、4−チオモルホリニル、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル、1−インドリニル、2−イソインドリニル、3,4−ジヒドロ−1,5−ナフチリジン−1(2H)−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル、3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、オクタヒドロキノリン−1(2H)−イル、オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、パーヒドロキノリン−1−イル、2,3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル、2,3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾチアジン−4−イル、3,4−ジヒドロキノキサリン−1(2H)−イル、2,3−ジヒドロ−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−1−イル、1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イル、3,4−ジヒドロ−1,5−ベンゾオキサゼピン−5(2H)−イル、2,3−ジヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−1(5H)−イル、3,4−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン−5(2H)−イル、2,3−ジヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−1(5H)−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−ベンゾジアゼピン−1−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−1−イル、5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−b]アゼピン−4−イル、3,4,5,6−テトラヒドロ−1−ベンゾアゾシン−1(2H)−イル基等が挙げられる。
【0022】
「(ジ)低級アルキルアミノ」とは、上記低級アルキルでモノ又はジ置換されたアミノを意味し、ジ置換の2個の低級アルキル基は異なっていてもよく、2個の低級アルキル基は両者が結合して隣接する窒素原子とともに環状アミノ基を形成してもよい。
「(ジ)低級アルキルカルバモイル」とは、上記低級アルキルでモノ又はジ置換されたカルバモイルを意味し、ジ置換の2個の低級アルキル基は異なっていてもよく、2個の低級アルキル基は両者が結合して隣接する窒素原子とともに環状アミノ基を形成してもよい。
「アシル」とは、炭素数2〜7の分岐していてもよい脂肪族カルボン酸アシル、シクロアルキルカルボン酸アシル、ヘテロシクロアルキルカルボン酸アシル、アリールカルボン酸アシル、ヘテロアリールカルボン酸アシルを意味する。
「アシルアミノ」とは、上記アシルで置換されたアミノを意味する。
【0023】
一般式(I)において、環Aとしては、5員環ヘテロアリールが好ましく、チオフェン環がより好ましく、下記式
【化8】

で表されるチオフェン環が特に好ましい。Rとしては、ハロゲン原子、置換可低級アルキル基、COOW、CONW(W〜Wは、独立して、水素原子又は置換可低級アルキル基であるか、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい)等が好ましく、水酸基、カルボキシ基及びカルバモイル基から選択される基で置換された低級アルキル基;カルボキシ基、カルバモイル基がより好ましく、カルボキシ基が更に好ましい。mが2以上である場合、複数のRは同じでも異なっていてもよい。mは0又は1が好ましく、mが1である場合は、環上にRを有する環Aが、下記式
【化9】

で表されるチオフェン環が特に好ましい。この場合、Rは置換可低級アルキル基、COOW又はCONW(W〜Wは、独立して、水素原子又は置換可低級アルキル基であるか、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい)がより好ましい。
【0024】
一般式(I)において、Eとしては、酸素原子が好ましい。Eとしては、酸素原子が好ましい。
【0025】
一般式(I)において、環Bとしては、ベンゼン環、チオフェン環又はピリジン環が好ましく、ベンゼン環又はチオフェン環がより好ましい。この場合、環Bの結合位置は、下記式
【化10】

で表されるものが好ましく、下記式
【化11】

(式中、左側の結合手は縮合ピリミジン環のNとの結合を、右側の結合手はUとの結合を示す)で表されるものが特に好ましい。
nが1又は2である場合は、環上にRを有する環Bが、下記式
【化12】

(式中、Rが結合していない結合手のうち左側の結合手は縮合ピリミジン環のNとの結合を、右側の結合手はUとの結合を示す)で表されるベンゼン環、チオフェン環又はピリジン環が好ましい。Rとしては、ハロゲン原子、置換可低級アルキル基、OW(Wは水素原子又は置換可低級アルキル基である)、シアノ基等が好ましく、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、OWがより好ましく、フッ素原子、塩素原子、Wが低級アルキル基であるOWが特に好ましい。nが2である場合、複数のRは同じでも異なっていてもよい。更に、環上にRを有する環Bが、下記式
【化13】

(式中、RB1及びRB2のいずれも結合していない結合手のうち左側の結合手は縮合ピリミジン環のNとの結合を、右側の結合手はUとの結合を示す)で表されるベンゼン環、チオフェン環又はピリジン環である場合は、RB1としては、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、RB2としては、フッ素原子、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
【0026】
一般式(I)において、Uは単結合、メチレン基又はエチレン基が好ましい。
特に、(i)Uが単結合の場合は、Xとしては−S−L−Y、−O−L−Y、−CO−L−Y又は−SO−L−Yで表される基(式中、Lは、置換可低級アルキレン基;Yは、Z又は−NW〔W及びWは、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基又はZであるか(但し、同時に水素原子ではない)、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい〕で表される基;Zは、縮環していてもよい置換可シクロアルキル基、縮環していてもよい置換可ヘテロシクロアルキル基、縮環していてもよい置換可アリール基又は縮環していてもよい置換可ヘテロアリール基である)が、(ii)Uがメチレン基の場合は、XとしてはY(但し、Yは−NW〔W及びWは、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基又はZ(但し、同時に水素原子ではない。Wは好ましくはZである。)であるか、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい〕)、−S−Z又は−O−Zで表される基が、(iii)Uがエチレン基の場合は、XとしてはY(但し、YはZであり、Zは上記と同じ意味である)が、それぞれ血中動態が良好であり好ましい。
Lとしては、C1−3低級アルキレン基がより好ましい。
Zとしては、縮環していてもよい置換可ヘテロアリール基又は縮環していてもよい置換可アリール基が好ましく、縮環していてもよい置換可アリール基がより好ましい。Zにおいて、置換可ヘテロアリール基又は置換可アリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、置換可低級アルキル基又は置換可低級アルコキシ基が好ましく、ハロゲン原子;ハロゲン原子、低級アルコキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい低級アルキル基;又はハロゲン原子、低級アルコキシ基もしくは水酸基で置換されていてもよい低級アルコキシ基が更に好ましい。
【0027】
置換可環状アミノ、置換可シクロアルキル又は置換可ヘテロシクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、オキソ基、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、置換可低級アルキル基、シクロアルキル基、置換可低級アルコキシ基、置換可低級アルキルチオ基、カルボキシ基、置換可低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ)低級アルキルカルバモイル基、置換可アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、アシルアミノ基等が挙げられ、これらの基が同一又は異なって複数置換していてもよい。但し、RにおいてNWが形成する置換可環状アミノ基が有していてもよい置換基としては、アリール基を含む基を除く。
置換可アリール又は置換可ヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換可低級アルキル基、シクロアルキル基、置換可低級アルコキシ基、置換可低級アルキルチオ基、カルボキシ基、置換可低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ)低級アルキルカルバモイル基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、アシルアミノ基等が挙げられ、これらの基が同一又は異なって複数置換していてもよい。
縮環していてもよい置換可シクロアルキル基、縮環していてもよい置換可ヘテロシクロアルキル基、縮環していてもよい置換可アリール基及び縮環していてもよい置換可ヘテロアリール基においては、上記の置換基が、縮環する同一又は異なった複数の環に置換していてもよい。
Zが縮環していてもよい置換可シクロアルキル基又は縮環していてもよい置換可ヘテロシクロアルキル基である場合に、当該基が有していてもよい置換基としては、置換可アリール基又はヘテロアリール基が好ましい。
【0028】
置換可低級アルキル、置換可低級アルキレン、置換可低級アルケニル、置換可低級アルキニル、置換可低級アルキルスルホニル、置換可低級アルキルスルフィニル、置換可低級アルコキシ、置換可低級アルキルチオ又は置換可低級アルコキシカルボニル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、アミノ基、(ジ)低級アルキルアミノ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、(ジ)低級アルキルカルバモイル基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられ、これらの基が同一又は異なって複数置換していてもよい。但し、Rにおいては、アリール基を含む基及びヘテロアリール基を含む基を除く。
【0029】
本発明に係る一般式(I)で表される縮合複素環誘導体の製造方法の一例を以下に示す。
【0030】
〔製法1〕
本発明の一般式(I)で表される縮合複素環誘導体のうち、Eが酸素原子である化合物は、例えば、製法1の方法で製造することができる。
【0031】
【化14】

【0032】
式中のRは、ニトリル基又は低級アルコキシカルボニル基であり、環A、環B、R、R、m、n、E、U、Xは前記と同じ意味をもつ。
【0033】
工程1−1
アミン化合物()を、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、それらの混合溶媒等)中、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン等の試薬を用いて、塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等)の存在下、通常、氷冷〜還流温度で、30分間〜1日間処理することにより、イソシアナート化合物()へ変換することができる。
【0034】
工程1−2
イソシアナート化合物()とアミン化合物()とを、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン等)の存在下又は非存在下、通常、氷冷〜還流温度で、1時間〜3日間反応させることにより、ウレア化合物()又は本発明の縮合複素環誘導体(Ia)を製造することができる。
【0035】
工程1−3
ウレア化合物()を、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メタノール、エタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、水等)中、塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム等)の存在下又は非存在下、通常、氷冷〜還流温度で、5分間〜3日間反応させることにより、本発明の縮合複素環誘導体(Ia)を製造することができる。
【0036】
〔製法2〕
本発明の一般式(I)で表される縮合複素環誘導体のうち、Eが酸素原子である化合物は、例えば、製法2の方法で製造することができる。
【0037】
【化15】

【0038】
式中の環A、環B、R、R、m、n、U、Xは前記と同じ意味をもつ。
【0039】
工程2−1
カルボン酸化合物()とアミン化合物()とを、一般的な酸クロリド法又は縮合剤法により縮合することにより、アミド化合物()を製造することができる。酸クロリド法は、例えば、カルボン酸化合物()を、不活性溶媒(ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、トルエン)中、塩化チオニル、塩化オキサリル等の試薬を用いて、添加剤(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド等)の存在下又は非存在下、通常、氷冷〜還流温度で、30分間〜1日間処理することにより、酸クロリドとした後、アミン化合物()と、不活性溶媒(ピリジン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、水等)中、塩基(トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等)の存在下又は非存在下、通常、氷冷〜還流温度で、1時間〜3日間反応させればよい。縮合剤法は、例えば、カルボン酸化合物()とアミン化合物()とを、不活性溶媒(N,N-ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン)中、縮合剤(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド等)を用いて、添加剤(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール等)の存在下、塩基(トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン等)の存在下又は非存在下、通常、室温〜還流温度で、1時間〜3日間反応させればよい。
【0040】
工程2−2
アミド化合物()のニトロ基を、一般的な接触還元法又は金属水素錯化合物還元法等により還元することにより、アミン化合物()を製造することができる。接触還元法は、例えば、アミド化合物()を、不活性溶媒(メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、酢酸等)中、触媒(パラジウム炭素粉末等)を用いて、通常、室温から還流温度で、1時間から3日間処理すればよい。金属水素錯化合物還元法は、例えば、アミド化合物()を、不活性溶媒(メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン等)中、還元剤(水素化ホウ素ナトリウム等)を用いて、添加剤(臭化ニッケル(II)等)の存在下、通常、氷冷〜室温で、30分間〜1日間処理すればよい。
【0041】
工程2−3
アミン化合物()を、不活性溶媒(テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミド等)中、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール等の試薬を用いて、塩基(トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、水素化ナトリウム等)の存在下又は非存在下、通常、氷冷〜還流温度で、30分間〜1日間処理することにより、本発明の縮合複素環誘導体(Ib)を製造することができる。
【0042】
工程2−4
アミン化合物()を、不活性溶媒(テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール)中、二硫化炭素等の試薬を用いて、塩基(トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)の存在下、通常、氷冷〜還流温度で、1時間〜3日間処理することにより、本発明の縮合複素環誘導体(Ic)を製造することができる。
【0043】
工程2−5
アミン化合物()を、不活性溶媒(テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール等)中、ジフェニルシアノカルボニミデート等の試薬を用いて、塩基(トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)の存在下、通常、氷冷〜還流温度で、1時間〜3日間処理することにより、本発明の縮合複素環誘導体(Id)を製造することができる。
【0044】
〔製法3〕
上記製法1又は2において原料化合物として用いられるアミン化合物()は、例えば、市販品の、又は文献記載の方法もしくは一般的合成手法を組み合わせた方法等に従い合成したニトロ化合物()を、一般的な還元法等により還元して得ることもできる。例えば、以下の製法3の方法で製造することができる。
【0045】
【化16】

【0046】
式中の環B、R、n、U、Xは前記と同じ意味をもつ。
【0047】
工程3
ニトロ化合物()を、一般的な接触還元法又は金属水素錯化合物還元法等により還元することにより、アミン化合物()を製造することができる。接触還元法は、例えば、ニトロ化合物()を、不活性溶媒(メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、酢酸等)中、触媒(パラジウム炭素粉末、ロジウム炭素粉末、プラチナ炭素粉末等)を用いて、通常、室温から還流温度で、1時間から3日間処理すればよい。金属水素錯化合物還元法は、例えば、ニトロ化合物()を、不活性溶媒(メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン等)中、還元剤(水素化ホウ素ナトリウム等)を用いて、添加剤(臭化ニッケル(II)等)の存在下、通常、氷冷〜室温で、30分間〜1日間処理すればよい。
【0048】
なお、上述した製造方法で用いる化合物又は生成する化合物が反応条件で変化したり、反応の進行を阻害する官能基を有するとき、これを当業者が慣用する適当な保護基を用いて保護し、適当な段階で除去することは言うまでもない。
【0049】
本発明に係る一般式(I)で表される縮合複素環誘導体は、常法によりプロドラッグ化試薬を反応させることにより、そのカルボキシル基、水酸基及び/又はアミノ基が変換したプロドラッグとすることができる。また、本発明に係る一般式(I)で表される縮合複素環誘導体のプロドラッグは、「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁(広川書店)に記載の生理条件下で本発明の化合物(I)に変換されるものであってもよい。
【0050】
一般式(I)で表される縮合複素環誘導体又はそのプロドラッグは、常法により、その薬理学的に許容される塩とすることができる。このような塩としては、例えば、塩酸及び硝酸等の無機酸塩;酢酸及びメタンスルホン酸等の有機酸塩、並びにナトリウム塩及びカリウム塩;N,N’−ジベンジルエチレンジアミン及び2−アミノエタノール等の有機塩基との付加塩が挙げられる。
【0051】
一般式(I)で表される縮合複素環誘導体又はそのプロドラッグは、その精製又は造塩過程において、水和物又は溶媒和物として得られることがある。本発明に係る医薬組成物には、縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物のいずれも用いることができる。
【0052】
さらに、一般式(I)で表される縮合複素環誘導体又はそのプロドラッグについて、互変異性体、幾何異性体及び/又は光学異性体が存在することがあるが、本発明に係る医薬組成物には、そのいずれの異性体も用いることができ、またその混合物も用いることができる。
【0053】
本発明に係る縮合複素環誘導体(I)は、優れたGnRH拮抗作用を有しており、性腺刺激ホルモン放出ホルモンの作用を調節し、性腺刺激ホルモン及び性ホルモンの産生・分泌を制御することができる。したがって、本発明に係る縮合複素環誘導体(I)もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物は、例えば、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、月経困難症、多嚢胞性卵巣症候群、紅斑性狼瘡、多毛症、小人症、睡眠障害、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病、不妊症、過敏性腸症候群、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌、下垂体腫瘍等の性ホルモン依存性疾患等の予防もしくは治療剤、生殖調節剤、避妊薬、排卵誘発剤又は性ホルモン依存性癌術後再発予防剤等として極めて有用である。
【0054】
本発明に係る縮合複素環誘導体(I)もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物と慣用されている製剤担体とを混合することにより医薬組成物を調製することができる。
【0055】
製剤担体は、後述する投与形態に応じて、適宜、組み合わせて用いればよく、例えば、乳糖等の賦形剤;ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;カルボキシメチルセルロース等の崩壊剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の結合剤;マクロゴール等の界面活性剤;炭酸水素ナトリウム等の発泡剤;シクロデキストリン等の溶解補助剤;クエン酸等の酸味剤;エデト酸ナトリウム等の安定化剤;リン酸塩等のpH調整剤などが挙げられる。
【0056】
本発明に係る医薬組成物の投与形態としては、例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤等の経口投与剤;注射剤、貼付剤、坐剤等の非経口投与剤などが挙げられ、経口投与剤が好ましい。
【0057】
本発明に係る一般式(I)で表される化合物もしくはその薬理学的に許容される塩又はそれらの水和物もしくは溶媒和物が、成人1日当たり、経口投与剤では0.1〜1000mg、注射剤では0.01〜100mgの範囲で投与されるように、上記製剤を製造するのが好ましい。
【0058】
また、本発明に係る医薬組成物には、さらに他の薬剤を含有させてもよい。このような薬剤としては、例えば、GnRHアゴニスト(例えば、酢酸リュープロレリン、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン、レシレリン等)、化学療法剤(例えば、イホスファミド、アドリアマイシン、ペプロマイシン、シスプラチン、シクロフォスファミド、5-FU、UFT、メトトレキセート、マイトマイシンC、マイトキサントロン、パクリタキセル、ドタキセル等)、ペプチド性GnRH拮抗薬(例えば、セトロレリクス、ガニレリクス、アバレリクス、オザレリクス、イツレリクス、デガレリクス、テベレリクス等)、5α−レダクターゼ阻害薬(例えば、フィナステリド、デュタステリド等)、αアドレナリン受容体阻害薬(例えば、タムスロシン、シロドシン、ウラピジル等)、アロマターゼ阻害薬(例えば、ファドロゾール、レトロゾール、アナストロゾール、フォルメスタン等)、副腎系アンドロゲン産生阻害薬(例えば、リアロゾール等)、ホルモン療法剤(例えば、抗エストロゲン剤(タモキシフェン、フルベストラント等)、黄体ホルモン剤(メドロキシプロゲステロン等)、アンドロゲン剤、エストロゲン剤、抗アンドロゲン剤(オキセンドロン、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド等)等)等が挙げられる。
【実施例】
【0059】
本発明の内容を以下の実施例及び試験例でさらに詳細に説明するが、本発明はその内容に限定されるものではない。
【0060】
参考例1
2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)アニリン
【0061】
1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(3.12g)及び炭酸水素ナトリウム(2.66g)のテトラヒドロフラン(60mL)懸濁液に水(6mL)及び4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(5.4g)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液を順次加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、1mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去して1−[(4−クロロ−3−ニトロフェニル)スルホニル]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(5.0g)を得た。これをテトラヒドロフラン(45mL)に溶解し、メタノール(45mL)、臭化ニッケル(II)(0.15g)及び水素化ホウ素ナトリウム(1.61g)を氷冷下加え、同温で30分間、ついで室温で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して標記化合物(4.33g)を得た。
【0062】
参考例2〜11
対応する原料物質を用いて参考例1と同様の方法で表1〜2に記載の参考例2〜11の化合物を得た。
【0063】
参考例12
2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルメチル)アニリン
4−クロロ−3−ニトロベンジルアルコール(1g)の塩化メチレン(10mL)溶液に氷冷下トリエチルアミン(1.12mL)及びメタンスルホニルクロリド(0.5mL)を加え、室温で10時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去してメシル酸(4−クロロ−3−ニトロベンジル)(1.08g)を得た。これをアセトニトリル(4mL)−エタノール(4mL)に溶解し、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(1.62g)及び触媒量のヨウ化ナトリウムを加え、60℃で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して1−(4−クロロ−3−ニトロベンジル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(1.22g)を得た。これをテトラヒドロフラン(12mL)に溶解し、メタノール(12mL)、臭化ニッケル(II)(44mg)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.46g)を氷冷下加え、同温で30分間、ついで室温で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して標記化合物(0.79g)を得た。
【0064】
参考例13
3−ベンジルオキシ−6−クロロアニリン
4−クロロ−3−ニトロフェノール(0.13g)をN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、炭酸カリウム(0.31g)及びベンジルブロミド(0.14mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、メタノール(3mL)、臭化ニッケル(II)(8mg)及び水素化ホウ素ナトリウム(85mg)を氷冷下加え、同温で30分間、ついで室温で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去して標記化合物(0.15g)を得た。
【0065】
参考例14〜17
対応する原料物質を用いて参考例13と同様の方法で表2に記載の参考例14〜17の化合物を得た。
【0066】
参考例18
3−(2−フェニルエチル)アニリン
3−ブロモニトロベンゼン(1g)、スチレン(1.7mL)、酢酸パラジウム(II)(95mg)、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン(0.3g)及びN,N−ジイソプロピルアミン(5mL)の混合物を24時間加熱還流した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、1mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製して3−((E)−2−フェニルビニル)ニトロベンゼン(0.76g)を得た。得られた3−((E)−2−フェニルビニル)ニトロベンゼン(0.26g)のメタノール(10mL)溶液に10%パラジウム炭素粉末(50mg)を加え、水素雰囲気下室温で2時間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮して標記化合物(0.22g)を得た。
【0067】
参考例19
2−アミノチオフェン−3,4−ジカルボン酸ジエチル
硫黄(6.9g)、ピルビン酸エチル(25g)及びシアノ酢酸エチル(24.4g)のN,N−ジメチルホルムアミド(130mL)混合物に室温下トリエチルアミン(21.8g)を30分間かけて加え、反応混合物を50℃で2時間撹拌した。反応混合物に水(1L)及び飽和食塩水(50mL)を加えジエチルエーテル(250mL)で3回抽出した。抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジエチルエーテル)で精製して標記化合物(28.2g)を得た。
【0068】
参考例20
1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)エタノール
2−フルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(0.5g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に−78℃でメチルリチウム(1.15mol/L ジエチルエーテル溶液、3.4mL)を加え、1時間同温で撹拌後、室温で30分間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標記化合物(0.45g)を得た。
【0069】
参考例21
2−フルオロ−5−[1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)エトキシ]アニリン
4−フルオロ−3−ニトロフェノール(国際公開WO97/39064記載の方法で合成した)(0.2g)、1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)エタノール(0.22g)及びトリフェニルホスフィン(0.4g)のテトラヒドロフラン(1.5mL)溶液に室温下アゾジカルボン酸ジイソプロピル(40%トルエン溶液、0.84mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=8/1)で精製して2−フルオロ−5−[1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)エトキシ]−1−ニトロベンゼン(0.15g)を得た。これをテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、メタノール(3mL)、臭化ニッケル(II)(5mg)及び水素化ホウ素ナトリウム(55mg)を氷冷下加え、同温で30分間、ついで室温で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して標記化合物(0.11g)を得た。
【0070】
参考例22〜29
対応する原料物質を用いて参考例13又は参考例21と同様の方法で表3〜4に記載の参考例22〜29の化合物を得た。
【0071】
参考例30
1−[4−フルオロ−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノン
濃硫酸(10mL)に−20℃で1−(4−フルオロフェニル)−2−メチル−1−プロパノン(2.92g)を加え、同温で15分間撹拌した。−20℃で発煙硝酸(1.4mL)及び濃硫酸(4.2mL)の混合物を加え、同温で20分間撹拌した。反応混合物に氷(100g)を加え、撹拌しながら室温に昇温させた。混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を水(3回)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2回)及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜85/15)で精製して1−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−2−メチル−1−プロパノン(1.8g)を得た。これをエタノール(5mL)に溶解し、10%パラジウム炭素粉末(0.36g)を加え、水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜83/17)で精製して1−(3−アミノ−4−フルオロフェニル)−2−メチル−1−プロパノン(1.45g)を得た。これをテトラヒドロフラン(33mL)に溶解し、4−ジメチルアミノピリジン(0.29g)及びジ(tert−ブチル)ジカーボネート(3.49g)を加え、1.5時間加熱還流した。反応混合物を0.5mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5)で精製して1−{4−フルオロ−3−[N,N−ジ(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}−2−メチル−1−プロパノン(1.8g)を得た。これをメタノール(15mL)に溶解し、炭酸カリウム(1.96g)を加え、60℃で30分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、水及び飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製して標記化合物(1.14g)を得た。
【0072】
参考例31
1−(3−アミノ−4−フルオロフェニル)−2−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−メチル−1−プロパノン
1−[4−フルオロ−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノン(0.11g)、2−ブロモ−4−フルオロアニソール(0.057mL)、酢酸パラジウム(II)(4.5mg)、テトラフルオロホウ酸トリ(tert−ブチル)ホスフィン(5.8mg)及びナトリウムtert−ブトキシド(96mg)のテトラヒドロフラン(1mL)混合物をアルゴン雰囲気下70℃で3日間撹拌した。反応混合物に水を加え10分間撹拌した後、混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製して1−[4−フルオロ−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル]−2−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−メチル−1−プロパノン(45mg)を得た。これを塩酸(4mol/L酢酸エチル溶液、3mL)に溶解し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1〜3/1)で精製して標記化合物(25mg)を得た。
【0073】
参考例32〜35
対応する原料物質を用いて参考例31と同様の方法で表4〜5に記載の参考例32〜35の化合物を得た。
【0074】
参考例36
3−(1−フェニルエチルチオ)アニリン
3−メルカプトアニリン(1g)及び炭酸カリウム(1.21g)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)混合物に1−フェニルエチルブロミド(1.2mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して標記化合物(1.78g)を得た。
【0075】
参考例37
対応する原料物質を用いて参考例36と同様の方法で表5に記載の参考例37の化合物を得た。
【0076】
参考例38
3−(1−メチル−1−フェニルエチルチオ)アニリン
水(1.6mL)−濃硫酸(1.6mL)混合溶液に3−ニトロチオフェノール(0.5g)を加え、室温で1時間撹拌した。混合物にα−メチルスチレン(0.38g)のテトラヒドロフラン(1.6mL)溶液を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製して3−(1−メチル−1−フェニルエチルチオ)ニトロベンゼン(0.88g)を得た。これをテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、メタノール(10mL)、臭化ニッケル(II)(35mg)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.37g)を氷冷下加え、同温で30分間ついで室温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製して標記化合物(0.69g)を得た。
【0077】
参考例39
3−アミノ−4−フルオロ−N−メチル−N−フェニルベンズアミド
4−フルオロ−3−ニトロ安息香酸(2g)の塩化メチレン(50mL)溶液にN,N−ジメチルホルムアミド(0.01mL)及び塩化オキサリル(6.86g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。残渣のテトラヒドロフラン(10mL)溶液をN−メチルアニリン(1.22g)及び炭酸水素ナトリウム(2.72g)のテトラヒドロフラン(20mL)混合物に加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を1mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して4−フルオロ―3−ニトロ−N−メチル−N−フェニルベンズアミド(2.95g)を得た。これをテトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、メタノール(50mL)、臭化ニッケル(II)(0.12g)および水素化ホウ素ナトリウム(1.26g)を氷冷下加え、同温で30分間ついで室温で30分間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して標記化合物(2.33g)を得た。
【0078】
参考例40
対応する原料物質を用いて参考例39と同様の方法で表5に記載の参考例40の化合物を得た。
【0079】
参考例41〜42
対応する原料物質を用いて参考例21と同様の方法で表5に記載の参考例41〜42の化合物を得た。
【0080】
参考例43
4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロベンゼンスルホニルクロリド
3−フルオロ−4−ニトロフェノール(2.56g)、炭酸カリウム(4.5g)及びヨウ化メチル(4.63g)のN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、ジエチルエーテルで洗浄した。抽出物を水で2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して3−フルオロ−4−ニトロアニソール(2.56g)を得た。これを1,2−ジクロロエタン(13mL)に溶解し、氷冷下クロロスルホン酸(1.3mL)を加え、4時間加熱還流した。反応混合物を塩化メチレンで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製して標記化合物(0.51g)を得た。
【0081】
参考例44〜69
対応する原料物質を用いて参考例1と同様の方法で表6〜9に記載の参考例44〜69の化合物を得た。
【0082】
参考例70
4−アミノ−5−メチルチオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル塩酸塩
メタノール(15mL)に氷冷下ナトリウム(0.38g)を加え、ナトリウムが溶解するまで同温で撹拌した。反応混合物に2−メルカプトプロピオン酸エチル(1.81g)及びフマル酸ジメチル(2.17g)を加え、3時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、水(100mL)を加え、ジエチルエーテルで洗浄した。水層を氷冷し、2mol/L塩酸を加え酸性とし、酢酸エチルで2回抽出した。抽出物を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1〜3/1)で精製して5−メチル−4−オキソ−2,3−ビスメトキシカルボニルテトラヒドロチオフェン(2.68g)を得た。これをメタノール(8mL)に溶解し、塩化ヒドロキシルアンモニウム(0.92g)を加え、2時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却後、酢酸エチル(24mL)を加え、10分間撹拌した。析出物を濾取し、酢酸エチルで洗浄後、減圧下乾燥して標記化合物(0.77g)を得た。
【0083】
参考例71〜72
対応する原料物質を用いて参考例30と同様の方法で表9に記載の参考例71〜72の化合物を得た。
【0084】
参考例73〜77
対応する原料物質を用いて参考例31と同様の方法で表9〜10に記載の参考例73〜77の化合物を得た。
【0085】
参考例78
4−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−フルオロベンゼン
1−ブロモ−4−フルオロ−3−ニトロベンゼン(1.56g)、臭化ニッケル(II)(78mg)、メタノール(28mL)及びテトラヒドロフラン(28mL)の混合物に氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(805mg)を加え、同温で30分間及び室温で30分間撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して5−ブロモ−2−フルオロアニリン(1.3g)を得た。これをテトラヒドロフラン(30mL)に溶解し、4−ジメチルアミノピリジン(0.26g)及びジ(tert−ブチル)ジカーボネート(3.1g)を加え、1.5時間加熱還流した。反応混合物を0.5mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣にメタノール(21mL)及び炭酸カリウム(2.94g)を加え、2時間加熱還流した。反応混合物に水を加えた後、飽和食塩水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5)で精製して標記化合物(1.72g)を得た。
【0086】
参考例79
2−(3−アミノ−4−フルオロフェニル)−1−(2−メトキシフェニル)−2−メチル−1−プロパノン
1−(2−メトキシフェニル)−2−メチル−1−プロパノン(0.58g)、4−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−フルオロベンゼン(0.94g)、酢酸パラジウム(II)(37mg)、テトラフルオロホウ酸トリ(tert−ブチル)ホスフィン(47mg)及びナトリウムtert−ブトキシド(0.78g)のテトラヒドロフラン(10mL)混合物をアルゴン雰囲気下60℃で一晩撹拌した。反応混合物に水を加え10分間撹拌した後、混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5〜85/15)で精製して2−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロフェニル]−1−(2−メトキシフェニル)−2−メチル−1−プロパノン(0.91g)を得た。得られた2−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロフェニル]−1−(2−メトキシフェニル)−2−メチル−1−プロパノン(0.34g)に塩酸(4mol/L酢酸エチル溶液、3mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標記化合物(0.22g)を得た。
【0087】
参考例80〜81
対応する原料物質を用いて参考例79と同様の方法で表10に記載の参考例80〜81の化合物を得た。
【0088】
参考例82
4−フルオロ−3−ニトロフェノールの代わりにフェノールを用い、1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)エタノールの代わりに4−クロロ−3−ニトロベンジルアルコールを用いて、参考例21と同様の方法で表11に記載の参考例82の化合物を得た。
【0089】
参考例83
2−クロロ−5−(2−フェニルエチル)アニリン
4−クロロ−3−ニトロベンズアルデヒド(1g)及びベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド(2.34g)のトルエン(35mL)懸濁液に水素化ナトリウム(55%、0.28g)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸を加え、塩化メチレンで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製して2−クロロ−5−((Z)−2−フェニルビニル)−1−ニトロベンゼン(0.79g)を得た。得られた2−クロロ−5−((Z)−2−フェニルビニル)−1−ニトロベンゼン(0.16g)をエタノール(6mL)−メタノール(2mL)に溶解し、5%ロジウム炭素粉末(20mg)及びモルホリン(5mg)を加え、水素雰囲気下室温で一晩撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製して標記化合物(87mg)を得た。
【0090】
参考例84
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−エチニル−2−フルオロベンゼン
4−ブロモ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−1−フルオロベンゼン(0.57g)、トリメチルシリルアセチレン(0.55mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(23mg)及びヨウ化第一銅(7mg)のN,N−ジイソプロピルアミン(5.7mL)混合物を80℃で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却後、ジエチルエーテルで希釈した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=15/1)で精製して、1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−フルオロ−5−トリメチルシリルエチニルベンゼン(0.6g)を得た。これをテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、テトラ(n−ブチル)アンモニウムフルオリド(1mol/Lテトラヒドロフラン溶液、2.4mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=20/1〜10/1)で精製して標記化合物(0.34g)を得た。
【0091】
参考例85
2−ブロモ−3,4−ジフルオロアニソール
3,4−ジフルオロアニソール(2mL)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に−78℃でn−ブチルリチウム(2.67mol/L n−ヘキサン溶液、6.95mL)を加え、同温で30分間撹拌した。反応混合物に臭素(1.04mL)を加え、−78℃で15分間及び氷冷下1時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。抽出物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製して標記化合物(0.91g)を得た。
【0092】
参考例86
2−フルオロ−5−(2−フェニルエチル)アニリン
1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−5−エチニル−2−フルオロベンゼン(0.11g)、ヨードベンゼン(0.1g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(16mg)及びヨウ化第一銅(5mg)のN,N−ジイソプロピルアミン(2mL)混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製して1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−フルオロ−5−フェニルエチニルベンゼン(0.14g)を得た。これを酢酸エチル(3mL)に溶解し、10%パラジウム炭素粉末(50mg)を加え、水素雰囲気下室温で2時間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮して1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−フルオロ−5−(2−フェニルエチル)ベンゼン(0.11g)を得た。これに塩酸(4mol/L酢酸エチル溶液、3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=8/1〜5/1)で精製して標記化合物(53mg)を得た。
【0093】
参考例87〜99
対応する原料物質を用いて参考例86と同様の方法で表11〜13に記載の参考例87〜99の化合物を得た。
【0094】
参考例100
2−フルオロ−4−メトキシ−5−(2−フェニルエチル)アニリン
2−ブロモ−5−フルオロ−4−ニトロアニソール(0.46g)、フェニルアセチレン(67mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(38mg)、及びヨウ化第一銅(13mg)のN,N−ジイソプロピルアミン(5mL)混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1〜5/1)で精製して、5−フルオロ−4−ニトロ−2−フェニルエチニルアニソール(0.18g)を得た。これを酢酸エチル(5mL)に溶解し、10%パラジウム炭素粉末(0.45g)を加え、水素雰囲気下室温で3時間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1〜4/1)で精製して、標記化合物(87mg)を得た。
【0095】
参考例101
2−フルオロ−5−[2−(2−メトキシフェニル)−1,1−ジメチルエチル]アニリン
2−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロフェニル]−1−(2−メトキシフェニル)−2−メチル−1−プロパノン(0.59g)のテトラヒドロフラン(7.5mL)−水(0.75mL)混合物に水素化ホウ素ナトリウム(0.17g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して、2−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロフェニル]−1−(2−メトキシフェニル)−2−メチル−1−プロパノール(0.54g)を得た。これをエタノール(8mL)−テトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、2mol/L塩酸(0.2mL)及び10%パラジウム炭素粉末(0.27g)を加え、水素雰囲気下室温で5時間撹拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウムを加え、10分間撹拌後、不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/1)で精製して、2−[3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−フルオロフェニル]−1−(2−メトキシフェニル)−2−メチルプロパン(0.15g)を得た。これに塩酸(4mol/L酢酸エチル溶液、3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去して、標記化合物(0.11g)を得た。
【0096】
参考例102
4−クロロ−3−ニトロチオフェノール
濃塩酸(30mL)に氷冷下、4−クロロ−3−ニトロアニリン(5.18g)を加え、同温で5分間撹拌した。混合物に氷冷下、亜硝酸ナトリウム(3.1g)の水(30mL)溶液を加え、50℃に昇温し、カリウムジチオ炭酸O−エチル(14.4g)の水(60mL)溶液を加え、50℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、ジエチルエーテルで2回抽出した。抽出物を合わせ、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製して、ジチオ炭酸O−エチルS−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)(2.96g)を得た。これをテトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、氷冷下水素化アルミニウムリチウム(1.62g)のテトラヒドロフラン(50mL)懸濁液に加え、室温で10分間撹拌した。反応混合物を氷冷し、水(1.8mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(1.8mL)及び水(5.4mL)を加え、室温で30分間撹拌した。不溶物を濾去後、濾液を酢酸エチルで希釈し、1mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜1/9)で精製して、標記化合物(1.28g)を得た。
【0097】
参考例103
5−ベンジルチオ−2−クロロアニリン
4−クロロ−3−ニトロチオフェノール(0.4g)及びベンジルブロミド(0.3mL)のN,N−ジメチルホルムアミド(6mL)溶液に炭酸カリウム(0.44g)を加え、室温で15分間撹拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出し、抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製して、1−ベンジルチオ−4−クロロ−3−ニトロベンゼン(0.54g)を得た。これをメタノール(5mL)−テトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、氷冷下、臭化ニッケル(II)(21mg)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.22g)を加え、同温で30分間及び室温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して、標記化合物(0.38g)を得た。
【0098】
参考例104
2−フルオロ−5−メルカプトアニリン
5−ブロモ−2−フルオロアニリン(4.15g)、3−メルカプトプロピオン酸メチル(2.62g)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.63g)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.64g)の1,4−ジオキサン(80mL)混合物にトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.3g)を加え、アルゴン雰囲気下一晩加熱還流した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=20/1〜5/1〜2/1)で精製して、2−フルオロ−5−(2−メトキシカルボニルエチルチオ)アニリン(4.62g)を得た。これをテトラヒドロフラン(120mL)に溶解し、−78℃でカリウムtert−ブトキシド(1mol/Lテトラヒドロフラン溶液、80.6mL)を加え、同温で15分間撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸(81mL)を加え、室温まで昇温し、5分間撹拌した。混合物を酢酸エチル中に注ぎ、有機層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して、標記化合物(1.85g)を得た。
【0099】
参考例105
2−フルオロ−6−メトキシベンジルアルコール
2−フルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(0.63g)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に水(0.5mL)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.17g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧下留去して標記化合物(0.58g)を得た。
【0100】
参考例106〜107
対応する原料物質を用いて参考例105と同様の方法で表14に記載の参考例106〜107の化合物を得た。
【0101】
参考例108
2−フルオロ−6−メトキシベンジルブロミド
2−フルオロ−6−メトキシベンジルアルコール(0.78g)及びトリエチルアミン(0.91mL)の酢酸エチル(12mL)溶液に、氷冷下メタンスルホニルクロリド(0.43mL)を加え、同温で30分間撹拌した。不溶物を濾去し、不溶物を酢酸エチル(4mL)で洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ、臭化リチウム・一水和物(2.62g)を加え、55℃で2時間撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製して、標記化合物(0.82g)を得た。
【0102】
参考例109〜110
対応する原料物質を用いて参考例108と同様の方法で表14に記載の参考例109〜110の化合物を得た。
【0103】
参考例111
2−(5−フルオロ−2−メトキシフェニル)−2−プロパノール
5−フルオロ−2−メトキシベンズアルデヒド(1g)のアセトン(4mL)溶液に、室温で過マンガン酸カリウム(1.54g)の水(16mL)溶液を加え、4時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(5.2mL)を加え、不溶物を濾去した。濾液を酢酸エチルで洗浄後、水層に2mol/L塩酸を加え酸性とし、酢酸エチルで2回抽出した。抽出物を合わせ飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜酢酸エチル)で精製して、5−フルオロ−2−メトキシ安息香酸(0.66g)を得た。これをN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)に溶解し、炭酸カリウム(0.63g)及びヨウ化メチル(0.26mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して5−フルオロ−2−メトキシ安息香酸メチル(0.7g)を得た。これをテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、氷冷下メチルマグネシウムヨージド(3.0mol/Lジエチルエーテル溶液、3.82mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して、標記化合物(0.65g)を得た。
【0104】
参考例112〜113
対応する原料物質を用いて参考例111と同様の方法で表14に記載の参考例112〜113の化合物を得た。
【0105】
参考例114
2−フルオロ−5−(2−フルオロベンジルチオ)アニリン
2−フルオロ−5−メルカプトアニリン(0.13g)及び2−フルオロベンジルブロミド(0.12mL)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液に炭酸カリウム(0.25g)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、水(2回)及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製して標記化合物(0.17g)を得た。
【0106】
参考例115〜126
対応する原料物質を用いて参考例114と同様の方法で表15〜16に記載の参考例115〜126の化合物を得た。
【0107】
参考例127
2−フルオロ−5−(1−メチル−1−フェニルエチルチオ)アニリン
水(10mL)及び濃硫酸(10mL)の混合物に室温で、2−フルオロ−5−メルカプトアニリン(1.85g)及び2−フェニル−2−プロパノール(1.76g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を順次加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=6/1〜3/1)で精製して、標記化合物(1.55g)を得た。
【0108】
参考例128〜141
対応する原料物質を用いて参考例127と同様の方法で表16〜18に記載の参考例128〜141の化合物を得た。
【0109】
参考例142
4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロフェノール
4−フルオロ−2−メトキシフェノール(1.42g)及びトリエチルアミン(1.67mL)の塩化メチレン(20mL)溶液に氷冷下、クロロぎ酸エチル(1.05mL)を加え、室温で3日間撹拌した。反応混合物を0.5mol/L塩酸中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣に氷冷下、濃硫酸(7mL)を加え、同温で15分間撹拌した。氷冷下、発煙硝酸(0.7mL)及び濃硫酸(1mL)の混合物を滴下して加え、同温で30分間撹拌した。反応混合物を氷中に注ぎ、室温で30分間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を水(2回)及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜67/33)で精製して、2−エトキシカルボニルオキシ−5−フルオロ−4−ニトロアニソール(0.48g)を得た。これにメタノール(8mL)及び炭酸水素ナトリウム(0.31g)を加え、室温で42時間撹拌した。反応混合物を0.5mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣を混合溶媒(n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)に懸濁して濾取し、減圧下乾燥して標記化合物(0.25g)を得た。
【0110】
参考例143〜147
対応する原料物質を用いて参考例142と同様の方法で表18〜19に記載の参考例143〜147の化合物を得た。
【0111】
参考例148
2−エトキシ−4−フルオロ−5−ニトロフェノール
4‘−フルオロ−2’−ヒドロキシアセトフェノン(3.08g)、炭酸セシウム(13.0g)及びヨウ化ナトリウム(0.6g)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)懸濁液にブロモエタン(2.24mL)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣及び4,4‘−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール)(39mg)の塩化メチレン(57.6mL)溶液に氷冷下、3−クロロ過安息香酸(4.97g)を加え、一晩加熱還流した。反応混合物を氷冷し、10%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、20分間撹拌した。有機層を分離し、水(3回)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をメタノール(10mL)−テトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、5mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を0.5mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して2−エトキシ−4−フルオロフェノール(3.0g)を得た。4−フルオロ−2−メトキシフェノールの代わりにこれを用いて参考例142と同様の方法で標記化合物を得た。
【0112】
参考例149
対応する原料物質を用いて参考例20と同様の方法で表19に記載の参考例149の化合物を得た。
【0113】
参考例150
2−[2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]ベンジルアルコール
2−ヒドロキシベンジルアルコール(0.4g)及び炭酸カリウム(0.67g)のN,N−ジメチルホルムアミド(6mL)懸濁液に、2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチルブロミド(1.05mL)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、水、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製して標記化合物(0.32g)を得た。
【0114】
参考例151
対応する原料物質を用いて参考例150と同様の方法で表19に記載の参考例151の化合物を得た。
【0115】
参考例152
2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル)ベンジルアルコール
1,2−ベンゼンジメタノール(2g)及びイミダゾール(1.13g)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)溶液に、tert−ブチルジメチルクロロシラン(2.08g)を加え、室温で3日間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製して、標記化合物(1.46g)を得た。
【0116】
参考例153〜154
対応する原料物質を用いて参考例152と同様の方法で表20に記載の参考例153〜154の化合物を得た。
【0117】
参考例155
2,3−ジフルオロ−6−(2−メトキシエトキシ)ベンジルアルコール
2,3−ジフルオロ−6−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.63g)及び炭酸カリウム(0.83g)のN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)懸濁液に、2−メトキシエチルブロミド(0.45mL)を加え、室温で3日間撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=85/15〜60/40)で精製して、2,3−ジフルオロ−6−(2−メトキシエトキシ)ベンズアルデヒド(0.62g)を得た。これをテトラヒドロフラン(6mL)に溶解し、水(0.6mL)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.12g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標記化合物(0.61g)を得た。
【0118】
参考例156〜159
対応する原料物質を用いて参考例155と同様の方法で表20に記載の参考例156〜159の化合物を得た。
【0119】
参考例160
1−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシフェニル)−1−シクロブタノール
3,4−ジフルオロアニソール(2.47g)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に−78℃でn−ブチルリチウム(2.64mol/L n−ヘキサン溶液、6.5mL)を加え、同温で30分間撹拌した。反応混合物にシクロブタノン(1g)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を加え、同温で30分間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製して、標記化合物(2.69g)を得た。
【0120】
参考例161
2−クロロ−5−(1−メチル−1−フェニルエトキシ)アニリン
4−クロロ−3−ニトロフェノール(0.5g)、トリ(n−ブチル)ホスフィン(0.72mL)及び2−フェニル−2−プロパノール(0.26g)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に1,1‘−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)(0.5g)を加え、60℃で20時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、不溶物を濾去した。濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製して、2−クロロ−5−(1−メチル−1−フェニルエトキシ)−1−ニトロベンゼン(0.19g)を得た。これをテトラヒドロフラン(3.5mL)に溶解し、メタノール(3.5mL)、臭化ニッケル(II)(11mg)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.12g)を氷冷下加え、同温で30分間ついで室温で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して標記化合物(0.14g)を得た。
【0121】
参考例162〜166
対応する原料物質を用いて参考例161と同様の方法で表21に記載の参考例162〜166の化合物を得た。
【0122】
参考例167〜308
対応する原料物質を用いて参考例13又は参考例21と同様の方法で表22〜41に記載の参考例167〜308の化合物を得た。
【0123】
参考例309
4−シアノ−2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)アニリン
5−ブロモ−2−フルオロアニリンの代わりに4−ブロモ−2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)アニリンを用いて参考例78と同様の方法で4−ブロモ−2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−1−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ベンゼンを合成した。この化合物(0.24g)及びシアン化銅(I)(90mg)のN−メチル−2−ピロリドン(1mL)混合物を外温220℃で30分間撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/1)で精製して、標記化合物(54mg)を得た。
【0124】
参考例310
4−フルオロ−3−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)アニリン
4−フルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸(0.19g)、2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルブロミド(0.6g)及び炭酸カリウム(0.5g)のN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)懸濁液を室温で8時間撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をテトラヒドロフラン(6mL)に溶解し、メタノール(3mL)、水(3mL)及び水酸化リチウム・一水和物(0.5g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸(15mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣を混合溶媒(n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)に懸濁して濾取し、減圧下乾燥して4−フルオロ−3−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)安息香酸(0.31g)を得た。これを1,4−ジオキサン(4mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.41mL)及びジフェニルホスホリルアジド(0.21mL)を加え、室温で1時間撹拌後、4時間加熱還流した。反応混合物に1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(4mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/1)で精製後、粗生成物に塩化メチレンを加え、不溶物を濾去し、濾液の溶媒を減圧下留去して標記化合物(70mg)を得た。
【0125】
参考例311〜321
対応する原料物質を用いて参考例13又は参考例21と同様の方法で表41〜43に記載の参考例311〜321の化合物を得た。
【0126】
参考例322
対応する原料物質を用いて参考例160と同様の方法で表43に記載の参考例322の化合物を得た。
【0127】
参考例323〜324
対応する原料物質を用いて参考例161と同様の方法で表43に記載の参考例323〜324の化合物を得た。
【0128】
参考例325
2,3−ジフルオロ−6−メトキシフェノール
2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンズアルデヒド(2.58g)の塩化メチレン(45mL)溶液に氷冷下、3−クロロ過安息香酸(5.97g)を加え、一晩加熱還流した。反応混合物を氷冷し、10%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、20分間撹拌した。有機層を分離し、水(2回)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をテトラヒドロフラン(15mL)−メタノール(7.5mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、3.75mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=2/3)及びアミノプロピルシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル/メタノール=9/1〜3/2)で順次精製して、標記化合物(1.7g)を得た。
【0129】
参考例326
対応する原料物質を用いて参考例325と同様の方法で表43に記載の参考例326の化合物を得た。
【0130】
参考例327
2,4−ジフルオロ−5−ニトロベンジルアルコール
2,4−ジフルオロベンズアルデヒド(2.27g)の塩化メチレン(6mL)溶液に氷冷下、濃硫酸(6mL)を加え15分間撹拌した。混合物に氷冷下、発煙硝酸(1mL)を加え、同温で30分間ついで室温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2回)、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製して、2,4−ジフルオロ−5−ニトロベンズアルデヒド(2.63g)を得た。得られた2,4−ジフルオロ−5−ニトロベンズアルデヒド(1g)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、氷冷下水素化ホウ素ナトリウム(0.3g)を加え、室温で5分間撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して、標記化合物(0.76g)を得た。
【0131】
参考例328
対応する原料物質を用いて参考例327と同様の方法で表43に記載の参考例328の化合物を得た。
【0132】
参考例329〜331
4−フルオロ−3−ニトロフェノールの代わりに2,3−ジフルオロ−6−メトキシフェノール又は2,3−ジフルオロ−6−(2−メトキシエトキシ)フェノールを用い、1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)エタノールの代わりに4−フルオロ−3−ニトロベンジルアルコール又は2,4−ジフルオロ−5−ニトロベンジルアルコール又は4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロベンジルアルコールを用いて、参考例21と同様の方法で表44に記載の参考例329〜331の化合物を得た。
【0133】
参考例332
2,3−ジフルオロ−6−(2−メトキシエトキシ)アニリン
3,4−ジフルオロフェノール(1.43g)及び炭酸セシウム(4.89g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)懸濁液に2−メトキシエチルブロミド(0.94mL)を加え、室温で四日間撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。抽出物を1mol/L水酸化ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をテトラヒドロフラン(39mL)に溶解し、−78℃でn−ブチルリチウム(2.64mol/Ln−ヘキサン溶液、3.25mL)を加え、同温で30分間撹拌した。反応混合物にドライアイス(10g)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物に2mol/L塩酸を加え酸性とし、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して2,3−ジフルオロ−6−(2−メトキシエトキシ)安息香酸(1.48g)を得た。得られた2,3−ジフルオロ−6−(2−メトキシエトキシ)安息香酸(0.5g)を1,4−ジオキサン(10mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.45mL)及びジフェニルホスホリルアジド(0.61mL)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物にエタノール(0.99g)を加え、5時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣のエタノール(10mL)懸濁液に5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(4.3mL)を加え、2時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水(2回)及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して標記化合物(75mg)を得た。
【0134】
参考例333
対応する原料物質を用いて参考例332と同様の方法で表44に記載の参考例333の化合物を得た。
【0135】
参考例334
2−フルオロ−5−[N−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−メチルアミノ]メチル−4−メトキシアニリン
4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロベンジルアルコール(0.3g)の塩化メチレン(5mL)溶液に室温で、トリエチルアミン(0.31mL)及びメタンスルホニルクロリド(0.14mL)を加え、3時間撹拌した。反応混合物を塩化メチレンで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をアセトニトリル(2mL)−エタノール(2mL)に溶解し、触媒量のヨウ化ナトリウム及び2,6−ジフルオロアニリン(0.45mL)を加え、60℃で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=2/3)で精製して、5−フルオロ−2−[N−(2,6−ジフルオロフェニル)アミノ]メチル−4−ニトロアニソール(0.41g)を得た。これをN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、氷冷下水素化ナトリウム(55%、84mg)を加え、同温で5分間撹拌した。反応混合物にヨウ化メチル(0.096mL)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して、5−フルオロ−2−[N−(2,6−ジフルオロフェニル)−N−メチルアミノ]メチル−4−ニトロアニソール(0.17g)を得た。これをメタノール(3mL)−テトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、氷冷下、臭化ニッケル(II)(5mg)及び水素化ホウ素ナトリウム(52mg)を加え、同温で15分間及び室温で15分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製して、標記化合物(0.12g)を得た。
【0136】
参考例335
対応する原料物質を用いて参考例334と同様の方法で表44に記載の参考例335の化合物を得た。
【0137】
参考例336
2−フルオロ−5−[N−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−N−メチルアミノ]メチルアニリン
4−フルオロ−3−ニトロ安息香酸(1.57g)の塩化メチレン(25mL)溶液にN,N−ジメチルホルムアミド(0.005mL)及び塩化オキサリル(4.32g)を加え、室温で1時間撹拌後、反応混合物を減圧下濃縮した。残渣のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を2−フルオロ−6−メトキシアニリン(1.2g)及び炭酸水素ナトリウム(2.14g)のテトラヒドロフラン(10mL)懸濁液に加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を1mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣を塩化メチレンに懸濁して濾取し、減圧下乾燥して4−フルオロ−3−ニトロ−N−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)ベンズアミド(1.1g)を得た。これをN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)に溶解し、氷冷下水素化ナトリウム(55%、172mg)及びヨウ化メチル(0.76g)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水(3回)及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して4−フルオロ−3−ニトロ−N−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−N−メチルベンズアミド(1.15g)を得た。得られた4−フルオロ−3−ニトロ−N−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−N−メチルベンズアミド(0.3g)をメタノール(10mL)−テトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、氷冷下、臭化ニッケル(II)(10mg)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.11g)を加え、同温で30分間及び室温で30分間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して、3−アミノ−4−フルオロ−N−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−N−メチルベンズアミド(0.27g)を得た。これをテトラヒドロフラン(8mL)に溶解し、ボラン・テトラヒドロフラン錯体(1mol/Lテトラヒドロフラン溶液、3.3mL)を加え、2時間加熱還流した。反応混合物に氷冷下メタノールを加え、10分間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して、標記化合物(0.11g)を得た。
【0138】
参考例337〜340
対応する原料物質を用いて参考例336と同様の方法で表45に記載の参考例337〜340の化合物を得た。
【0139】
参考例341〜342
対応する原料物質を用いて参考例325と同様の方法で表45に記載の参考例341〜342の化合物を得た。
【0140】
参考例343〜344
4−フルオロ−3−ニトロフェノールの代わりに2,3−ジフルオロ−6−(2−エトキシエトキシ)フェノール又は2,3−ジフルオロ−6−[2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]フェノールを用い、1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)エタノールの代わりに4−フルオロ−3−ニトロベンジルアルコールを用いて、参考例21と同様の方法で表45に記載の参考例343〜344の化合物を得た。
【0141】
参考例345
4−フルオロ−3−ニトロ−2−メトキシ安息香酸
4−フルオロ−2−メトキシ安息香酸(0.96g)に氷冷下、濃硫酸(6mL)を加え15分間撹拌した。混合物に氷冷下、濃硝酸(0.6mL)を加え、同温で1時間撹拌した。反応混合物に氷を加え、室温で10分間撹拌後、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水(2回)及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣に混合溶媒(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)を加え、不溶物を濾取し、減圧下乾燥して標記化合物(0.78g)を得た。
【0142】
参考例346
対応する原料物質を用いて参考例336と同様の方法で表46に記載の参考例346の化合物を得た。
【0143】
実施例1
5−メトキシカルボニル−3−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
4−アミノチオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル塩酸塩(0.5g)及びトリエチルアミン(0.84mL)のテトラヒドロフラン(10mL)懸濁液にトリホスゲン(0.41g)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を加え、60℃で1時間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(8mL)に溶解し、2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)アニリン(0.64g)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.49g)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液に加え、60℃で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1mol/L塩酸及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をメタノール(15mL)に溶解した。この溶液にナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液 1.15mL)を加え、室温で10分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して標記化合物(0.65g)を得た。
【0144】
実施例2〜21
対応する原料物質を用いて実施例1と同様の方法で表47〜49に記載の実施例2〜21の化合物を得た。但し、実施例6の場合、メタノールの代わりにエタノールを用い、ナトリウムメトキシドの代わりにナトリウムエトキシドを用いた。
【0145】
実施例22
5−カルボキシ−3−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
5−メトキシカルボニル−3−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.2g)のメタノール(12mL)−テトラヒドロフラン(4mL)溶液に水酸化リチウム・一水和物(0.16g)を加え、60℃で一晩撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸を加え、析出した結晶を濾取し、水で洗浄後減圧下乾燥して標記化合物(0.18g)を得た。
【0146】
実施例23〜29
対応する原料物質を用いて実施例1及び実施例22と同様の方法で表50〜51に記載の実施例23〜29の化合物を得た。
【0147】
実施例30
5−カルバモイル−3−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
5−カルボキシ−3−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(14mg)のテトラヒドロフラン(1mL)溶液に1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール(9mg)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に28%アンモニア水(0.5mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=10/1)で精製して標記化合物(13mg)を得た。
【0148】
実施例31
5−メチルカルバモイル−3−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
対応する原料物質を用いて実施例30と同様の方法で標記化合物を得た。
【0149】
実施例32
5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−3−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
5−メトキシカルボニル−3−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.1g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に氷冷下メチルマグネシウムヨージド(3mol/Lジエチルエーテル溶液、0.19mL)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して標記化合物(85mg)を得た。
【0150】
実施例33
5−ヒドロキシメチル−3−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
5−メトキシカルボニル−3−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.2g)のテトラヒドロフラン(4mL)溶液に氷冷下、水素化ジイソブチルアルミニウム(1.01mol/Lトルエン溶液、1.5mL)を加え1時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え10分間撹拌後、1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して標記化合物(0.11g)を得た。
【0151】
実施例34
5−ホルミル−3−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
5−ヒドロキシメチル−3−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(77mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(2.1mL)溶液に二酸化マンガン(IV)(0.77g)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、不溶物を濾去した。濾液を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して標記化合物(32mg)を得た。
【0152】
実施例35
5−メトキシカルボニル−3−{2−フルオロ−5−[1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)エトキシ]フェニル}チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
4−アミノチオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル塩酸塩(90mg)及びトリエチルアミン(0.15mL)のテトラヒドロフラン(3mL)混合物にトリホスゲン(74mg)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液を加え、60℃で30分間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(3mL)に溶解し、2−フルオロ−5−[1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)エトキシ]アニリン(0.1g)及び4−ジメチルアミノピリジン(88mg)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液に加え、60℃で一晩撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸を加え酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をメタノール(5mL)に溶解した。この溶液にナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、0.21mL)を加え、室温で15分間撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製して標記化合物(0.14g)を得た。
【0153】
実施例36〜47
対応する原料物質を用いて実施例35と同様の方法で表52〜53に記載の実施例36〜47の化合物を得た。
【0154】
実施例48
5−カルボキシ−3−{2−フルオロ−5−[1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)エトキシ]フェニル}チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
5−メトキシカルボニル−3−{2−フルオロ−5−[1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)エトキシ]フェニル}チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.12g)及びメタノール(3mL)の混合物に水酸化リチウム・一水和物(99mg)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸を加え酸性とし、析出した結晶を濾取し、水で洗浄後減圧下乾燥して標記化合物(0.11g)を得た。
【0155】
実施例49〜60
対応する原料物質を用いて実施例48と同様の方法で表53〜55に記載の実施例49〜60の化合物を得た。
【0156】
実施例61〜65
対応する原料物質を用いて実施例35と同様の方法で表55に記載の実施例61〜65の化合物を得た。
【0157】
実施例66〜70
対応する原料物質を用いて実施例48又は実施例93と同様の方法で表55〜56に記載の実施例66〜70の化合物を得た。
【0158】
実施例71
対応する原料物質を用いて実施例35と同様の方法で表56に記載の実施例71の化合物を得た。
【0159】
実施例72
5−メトキシカルボニル−3−[3−(1−フェニルエチルスルフィニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
5−メトキシカルボニル−3−[3−(1−フェニルエチルチオ)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(50mg)のアセトン(3mL)−水(0.6mL)溶液に炭酸水素ナトリウム(24mg)及びOXONE(登録商標)(84mg)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を1mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をメタノールに懸濁後、濾取し、減圧下乾燥して標記化合物(45mg)を得た。
【0160】
実施例73
5−メトキシカルボニル−3−[3−(1−フェニルエチルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
5−メトキシカルボニル−3−[3−(1−フェニルエチルチオ)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(50mg)のアセトン(3mL)−水(0.6mL)溶液に炭酸水素ナトリウム(77mg)及びOXONE(登録商標)(0.28g)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を1mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をメタノールに懸濁後、濾取し、減圧下乾燥して標記化合物(48mg)を得た。
【0161】
実施例74〜76
対応する原料物質を用いて実施例35と同様の方法で表56〜57に記載の実施例74〜76の化合物を得た。
【0162】
実施例77
対応する原料物質を用いて実施例73と同様の方法で表57に記載の実施例77の化合物を得た。
【0163】
実施例78
対応する原料物質を用いて実施例35と同様の方法で表57に記載の実施例78の化合物を得た。
【0164】
実施例79〜82
対応する原料物質を用いて実施例48と同様の方法で表57に記載の実施例79〜82の化合物を得た。
【0165】
実施例83
対応する原料物質を用いて実施例73及び実施例48と同様の方法で表58に記載の実施例83の化合物を得た。
【0166】
実施例84〜87
対応する原料物質を用いて実施例48と同様の方法で表58に記載の実施例84〜87の化合物を得た。
【0167】
実施例88
対応する原料物質を用いて実施例73及び実施例48と同様の方法で表58に記載の実施例88の化合物を得た。
【0168】
実施例89〜92
対応する原料物質を用いて実施例35と同様の方法で表58〜59に記載の実施例89〜92の化合物を得た。
【0169】
実施例93
5−カルボキシ−3−[2−フルオロ−5−(N−メチル−N−フェニルカルバモイル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
5−メトキシカルボニル−3−[2−フルオロ−5−(N−メチル−N−フェニルカルバモイル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.18g)及び水酸化リチウム・一水和物(0.17g)のテトラヒドロフラン(6mL)−メタノール(3mL)−水(3mL)混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン/メタノール=8/1)で精製して標記化合物(0.12g)を得た。
【0170】
実施例94
対応する原料物質を用いて実施例35及び実施例93と同様の方法で表59に記載の実施例94の化合物を得た。
【0171】
実施例95〜97
対応する原料物質を用いて実施例93と同様の方法で表59に記載の実施例95〜97の化合物を得た。
【0172】
実施例98〜100
対応する原料物質を用いて実施例35と同様の方法で表59〜60に記載の実施例98〜100の化合物を得た。
【0173】
実施例101〜103
対応する原料物質を用いて実施例48と同様の方法で表60に記載の実施例101〜103の化合物を得た。
【0174】
実施例104〜108
対応する原料物質を用いて実施例1と同様の方法で表61に記載の実施例104〜108の化合物を得た。
【0175】
実施例109〜201
対応する原料物質を用いて実施例1及び実施例48又は実施例93と同様の方法で表61〜74に記載の実施例109〜201の化合物を得た。
【0176】
実施例202
5−カルボキシ−3−[2−フルオロ−5−(1−メチル−1−フェニルエチルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
2−フルオロ−5−[1−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)エトキシ]アニリンの代わりに2−フルオロ−5−(1−メチル−1−フェニルエチルチオ)アニリンを用い、実施例35と同様の方法で得た5−メトキシカルボニル−3−[2−フルオロ−5−(1−メチル−1−フェニルエチルチオ)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.1g)を塩化メチレン(2mL)に溶解し、3−クロロ過安息香酸(92mg)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、1mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/2)で精製して、5−メトキシカルボニル−3−[2−フルオロ−5−(1−メチル−1−フェニルエチルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.1g)を得た。5−メトキシカルボニル−3−[2−フルオロ−5−(N−メチル−N−フェニルカルバモイル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンの代わりに得られた5−メトキシカルボニル−3−[2−フルオロ−5−(1−メチル−1−フェニルエチルスルホニル)フェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンを用い、実施例93と同様の方法で標記化合物を得た。
【0177】
実施例203〜232
対応する原料物質を用いて実施例202と同様の方法で表75〜79に記載の実施例203〜232の化合物を得た。
【0178】
実施例233
5−カルボキシ−3−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
4−アミノチオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル塩酸塩(0.13g)及びトリエチルアミン(0.21mL)のテトラヒドロフラン(5mL)懸濁液に、氷冷下トリホスゲン(99mg)を加え、60℃で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈して不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(4mL)に溶解し、2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシアニリン(0.16g)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.12g)のテトラヒドロフラン(4mL)溶液に加え、60℃で3日間撹拌した。反応混合物をIST社製アイソルートSCXに通し、酢酸エチルで溶出させた。溶出液を減圧下濃縮後、残渣をメタノール(5mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、0.29mL)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣及び水酸化リチウム・一水和物(0.21g)のテトラヒドロフラン(4mL)−メタノール(2mL)−水(2mL)混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2〜酢酸エチル)で精製して、標記化合物(0.13g)を得た。
【0179】
実施例234〜391
対応する原料物質を用いて実施例233と同様の方法で表79〜102に記載の実施例234〜391の化合物を得た。
【0180】
実施例392
対応する原料物質を用いて実施例35及び実施例33と同様の方法で表102に記載の実施例392の化合物を得た。
【0181】
実施例393〜395
対応する原料物質を用いて実施例30と同様の方法で表102に記載の実施例393〜395の化合物を得た。
【0182】
実施例396
5−カルボキシ−3−{2−フルオロ−5−[2,3−ジフルオロ−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルオキシ]フェニル}チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
4−アミノチオフェン−2,3−ジカルボン酸ジメチル塩酸塩(0.11g)及びトリエチルアミン(0.19mL)のテトラヒドロフラン(5mL)懸濁液に、氷冷下トリホスゲン(84mg)を加え、60℃で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈して不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(4mL)に溶解し、2−フルオロ−5−{2,3−ジフルオロ−6−[2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エトキシ]ベンジルオキシ}アニリン(0.17g)及び4−ジメチルアミノピリジン(99mg)のテトラヒドロフラン(4mL)溶液に加え、60℃で一晩撹拌した。反応混合物をIST社製アイソルートSCXに通し、酢酸エチルで溶出させた。溶出液を減圧下濃縮後、残渣をメタノール(4mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液、0.23mL)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をテトラヒドロフラン(4mL)に溶解し、テトラ(n−ブチル)アンモニウムフルオリド(1mol/Lテトラヒドロフラン溶液、1.2mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を1mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣及び水酸化リチウム・一水和物(0.17g)のテトラヒドロフラン(5mL)−メタノール(2.5mL)−水(2.5mL)混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製して、標記化合物(0.13g)を得た。
【0183】
実施例397〜410
対応する原料物質を用いて実施例396と同様の方法で表102〜104に記載の実施例397〜410の化合物を得た。
【0184】
実施例411〜416
対応する原料物質を用いて実施例233と同様の方法で表104〜105に記載の実施例411〜416の化合物を得た。
【0185】
実施例417
5−エトキシカルボニル−3−{2−フルオロ−5−[2,3−ジフルオロ−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルオキシ]フェニル}チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
5−カルボキシ−3−{2−フルオロ−5−[2,3−ジフルオロ−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルオキシ]フェニル}チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.65g)のエタノール(10mL)−テトラヒドロフラン(5mL)懸濁液にp−トルエンスルホン酸・一水和物(24mg)を加え、外温90℃で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2〜1/4)で精製して、標記化合物(0.39g)を得た。
【0186】
実施例418
5−エトキシカルボニル−3−(5−{6−[2−(エトキシカルボニルオキシ)エトキシ]−2,3−ジフルオロベンジルオキシ}−2−フルオロフェニル)チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
5−エトキシカルボニル−3−{2−フルオロ−5−[2,3−ジフルオロ−6−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンジルオキシ]フェニル}チエノ[3,4−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(80mg)の酢酸エチル(2mL)懸濁液にピリジン(0.036mL)及びクロロぎ酸エチル(0.021mL)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製して、標記化合物(38mg)を得た。
【0187】
実施例419
対応する原料物質を用いて実施例418と同様の方法で表106に記載の実施例419の化合物を得た。
【0188】
実施例420〜426
対応する原料物質を用いて実施例233と同様の方法で表106〜107に記載の実施例420〜426の化合物を得た。
【0189】
実施例427
対応する原料物質を用いて実施例396と同様の方法で表107に記載の実施例427の化合物を得た。
【0190】
実施例428
対応する原料物質を用いて実施例233と同様の方法で表107に記載の実施例428の化合物を得た。
【0191】
上記参考例化合物1〜346の化学構造及びH−NMRデータを表1〜46に、上記実施例化合物1〜428の化学構造及びH−NMRデータを表47〜107に、それぞれ示す。
【0192】
表中の略号は、Ref No.は、参考例番号、Ex No.は、実施例番号、Strcは、化学構造式、Solvは、H−NMR測定溶媒を、それぞれ示す。
【0193】
【表1】

【0194】
【表2】

【0195】
【表3】

【0196】
【表4】

【0197】
【表5】

【0198】
【表6】

【0199】
【表7】

【0200】
【表8】

【0201】
【表9】

【0202】
【表10】

【0203】
【表11】

【0204】
【表12】

【0205】
【表13】

【0206】
【表14】

【0207】
【表15】

【0208】
【表16】

【0209】
【表17】

【0210】
【表18】

【0211】
【表19】

【0212】
【表20】

【0213】
【表21】

【0214】
【表22】

【0215】
【表23】

【0216】
【表24】

【0217】
【表25】

【0218】
【表26】

【0219】
【表27】

【0220】
【表28】

【0221】
【表29】

【0222】
【表30】

【0223】
【表31】

【0224】
【表32】

【0225】
【表33】

【0226】
【表34】

【0227】
【表35】

【0228】
【表36】

【0229】
【表37】

【0230】
【表38】

【0231】
【表39】

【0232】
【表40】

【0233】
【表41】

【0234】
【表42】

【0235】
【表43】

【0236】
【表44】

【0237】
【表45】

【0238】
【表46】

【0239】
【表47】

【0240】
【表48】

【0241】
【表49】

【0242】
【表50】

【0243】
【表51】

【0244】
【表52】

【0245】
【表53】

【0246】
【表54】

【0247】
【表55】

【0248】
【表56】

【0249】
【表57】

【0250】
【表58】

【0251】
【表59】

【0252】
【表60】

【0253】
【表61】

【0254】
【表62】

【0255】
【表63】

【0256】
【表64】

【0257】
【表65】

【0258】
【表66】

【0259】
【表67】

【0260】
【表68】

【0261】
【表69】

【0262】
【表70】

【0263】
【表71】

【0264】
【表72】

【0265】
【表73】

【0266】
【表74】

【0267】
【表75】

【0268】
【表76】

【0269】
【表77】

【0270】
【表78】

【0271】
【表79】

【0272】
【表80】

【0273】
【表81】

【0274】
【表82】

【0275】
【表83】

【0276】
【表84】

【0277】
【表85】

【0278】
【表86】

【0279】
【表87】

【0280】
【表88】

【0281】
【表89】

【0282】
【表90】

【0283】
【表91】

【0284】
【表92】

【0285】
【表93】

【0286】
【表94】

【0287】
【表95】

【0288】
【表96】

【0289】
【表97】

【0290】
【表98】

【0291】
【表99】

【0292】
【表100】

【0293】
【表101】

【0294】
【表102】

【0295】
【表103】

【0296】
【表104】

【0297】
【表105】

【0298】
【表106】

【0299】
【表107】

【0300】
〔試験例1〕
1)ヒトGnRH受容体1(GnRHR1)のクローニング及び発現ベクターへの組み換え
ヒト下垂体由来のcDNA(ベクトンディッキンソン社)を鋳型として、Kakarらにより報告されたヒトGnRHR1(Accession No.L03380)の45番から1115番までの塩基配列をPCR法により増幅し、pcDNA3.1(+)(インビトロジェン社)のマルチクローニング部位に挿入した。挿入したDNAの塩基配列は報告されていた塩基配列と完全に一致していた。
【0301】
2)ヒトGnRH受容体1発現HEK293(ヒト胎児腎臓)細胞の調製
培養(培地:MEM、10%FCS、抗生物質含有、非必須アミノ酸含有、ピルビン酸含有)したHEK293細胞に、ヒトGnRHR1遺伝子を導入した発現ベクターを、Lipofectamine2000(インビトロジェン社)を用いて、リポフェクション法にて導入した。導入後2日間培養して実験に用いた。
【0302】
3)GnRH拮抗効果の測定
ヒトGnRHR1に対する化合物のアンタゴニスト作用は、GnRH刺激による細胞内のカルシウム濃度変化により評価した。一過性にGnRHR1を発現したHEK293細胞は培地を除去し、1穴あたり200μLの洗浄用緩衝液(Hanks’Balanced Salt Solutions、20 mM N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸、1.3 mM塩化カルシウム、0.5 mM塩化マグネシウム、0.4 mM硫酸マグネシウム)で1回洗浄した。カルシウムイオンに反応する色素溶液(FLIPR Calcium Assay Kit、モレキュラーデバイス社製)を100μL添加し、5%CO37℃にて、1時間インキュベートした。その後細胞内カルシウム濃度はFLEX STATION(モレキュラーデバイス社製)を用いて以下の条件で測定した。37℃に温められた庫内で測定用緩衝液(0.1%牛胎児血清アルブミンを含む洗浄用緩衝液)で希釈した被験物質を50μL添加し、その1分後に5nMのGnRHを50μL添加した。GnRH刺激による細胞内のカルシウムの動きを50%阻害する濃度(IC50値)は、ロジットプロットにより算出した(表108)。
【0303】
【表108】

【0304】
〔試験例2〕 経口吸収性確認試験
1)尾静脈内投与による薬物濃度測定用検体の作製
実験動物として一晩絶食したSD系ラット(チャールズリバー、雄性7週齢、170−210g)を用いた。試験化合物1mgに対して、N,N−ジメチルアセトアミド0.2mL、生理食塩水0.798mL、及び2N NaOH 0.002mLの割合で加え溶解し、1.0mg/mL溶液を調製した。ラットの体重を測定し、試験化合物を1mL/kgの用量(1mg/kg)で無麻酔下尾静脈内投与した。尾静脈内投与は26G注射針及び1mLのシリンジを用いて行った。採血時間は尾静脈内投与後2、15、60、120、240及び360分とした。血液を遠心分離し血漿を血中薬物濃度測定用検体とした。
【0305】
2)経口投与による薬物濃度測定用検体の作製
実験動物として一晩絶食したSD系ラット(チャールズリバー、雄性7週齢、170−210g)を用いた。試験化合物3mgに対して、N,N−ジメチルアセトアミド0.2mL、0.5%メチルセルロースナトリウム水溶液9.794mL、及び2N NaOH 0.006mLの割合で加え溶解し、0.3mg/mL溶液を調製した。ラットの体重を測定し、試験化合物を10mL/kgの用量(3mg/kg)で経口投与した。経口投与はラット用ゾンデ及び2.5mLのシリンジを用いて行った。採血時間は経口投与後15、30、60、120、240及び360分とした。血液を遠心分離し血漿を血中薬物濃度測定用検体とした。
【0306】
3)薬物濃度の測定
上記1)及び2)により得られた血漿0.025mLに常法に従い適当な内部標準物質を0.1mL添加した後、アセトニトリル0.875mLを加え、除タンパクを行った。遠心分離後、その上清0.005mLをLC−MS/MSに注入した。血中薬物濃度はLC−MS/MS法により以下の条件にて測定した。尚、検量線はブランク血漿0.05mLに常法に従い内部標準物質及び種々の測定対象化合物を適宜添加し、上記と同様に操作することにより作製した。
LC
装置:Agilent1100
カラム:Cadenza C18 3μm 4.6x50mm
移動相:10mM酢酸アンモニウム水溶液(pH4.5)(A) / アセトニトリル(B)(時間及び(A)、(B)の比率を表109に示す。)
カラム温度:40℃
流速:0.5mL/min
MS/MS
装置:API−4000
イオン化法:ESI(Turbo Ion Spray)
【0307】
【表109】

【0308】
尚、バイオアベイラビリティ(%)は、上記方法により得られた各時間の血中薬物濃度より、PharsightCorporation社製WinNonlin Professionalを用いて、試験化合物の尾静脈内投与及び経口投与による血中薬物濃度-時間曲線下面積を求め、下記式に基づき算出した。
バイオアベイラビリティ(%)={[(経口投与での血中薬物濃度−時間曲線下面積)/3]/(尾静脈内投与での血中薬物濃度−時間曲線下面積)}×100
経口投与時の最高血中薬物濃度(Cmax)、バイオアベイラビリティ、投与360分後の血中薬物濃度(C360)を表110〜112にそれぞれ示す。
【0309】
【表110】

【0310】
【表111】

【0311】
【表112】

【0312】
表110〜112中、対照化合物1は、前記特許文献2に記載の実施例6(4)のスルホンアミド化合物、対照化合物2は、前記特許文献2に記載の実施例31のスルホンアミド化合物である。
【0313】
以上の結果、本発明の縮合複素環誘導体は、対照化合物に比して経口投与による血中動態(血中移行性、持続性)が優れている。例えば、実施例48、146、191、202、233、271、367、414、420の縮合複素環誘導体は、実施例22のスルホンアミド基を有する化合物、実施例95のアミド基を有する化合物よりも、血中移行性が優れており、経口投与用の医薬組成物としてより好ましい。また、実施例146、202、233、271、367、414、420の縮合複素環誘導体(より好ましくは実施例146、233、271、367、414)は、対照化合物に比して、経口投与後6時間の血中薬物濃度が維持されており、持続性に優れていた。従って、本発明の縮合複素環誘導体は、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルセルロース等の徐放性基剤を実質的に含まずに、持続性製剤とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0314】
本発明に係る縮合複素環誘導体(I)もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物は、優れたGnRH拮抗作用を有するので、性腺刺激ホルモン放出ホルモンの作用を調節し、性腺刺激ホルモン及び性ホルモンの産生・分泌を制御することにより、性ホルモン依存性疾患の予防又は治療剤として用いることができる。それゆえ、本発明により、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、月経困難症、多嚢胞性卵巣症候群、紅斑性狼瘡、多毛症、小人症、睡眠障害、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病、不妊症、過敏性腸症候群、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌もしくは下垂体腫瘍の予防もしくは治療剤、生殖調節剤、避妊薬、排卵誘発剤又は性ホルモン依存性癌術後再発予防剤等を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】


〔式中、
環Aは、5員環不飽和炭化水素又は5員環へテロアリール;
は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換可低級アルキル基、置換可低級アルケニル基、置換可低級アルキニル基、ヒドロキシイミノメチル基、置換可低級アルキルスルホニル基、置換可低級アルキルスルフィニル基、テトラゾリル基、OW、SW、COW、COOW、NHCOW、NHCONW、NW、CONW又はSONW(W〜Wは、独立して、水素原子又は置換可低級アルキル基であるか、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい);
mは、0〜3の整数;
環Bはアリール又はヘテロアリール;
は、ハロゲン原子、シアノ基、置換可低級アルキル基、OW、COW、COOW又はCONW(W〜Wは、独立して、水素原子又は置換可低級アルキル基であるか、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい);
nは、0〜2の整数;
は、酸素原子、硫黄原子又はN−CN;
は、酸素原子又はNH;
Uは、単結合又は置換可低級アルキレン基;
Xは、Y、−CO−Y、−SO−Y、−S−L−Y、−O−L−Y、−CO−L−Y、−COO−L−Y、−SO−L−Y、−SO−L−Y、−S−Z、−O−Z又は−COO−Zで表される基
(式中、Lは、置換可低級アルキレン基;
Yは、Z又は−NW〔W及びWは、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基又はZであるか(但し、同時に水素原子ではない)、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい〕で表される基;
Zは、縮環していてもよい置換可シクロアルキル基、縮環していてもよい置換可ヘテロシクロアルキル基、縮環していてもよい置換可アリール基又は縮環していてもよい置換可ヘテロアリール基;である);である〕
で表される縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項2】
環Aが、5員環ヘテロアリール環である、請求項1記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項3】
環Aの5員環ヘテロアリール環が、式
【化2】

で表されるチオフェン環のいずれかである、請求項2記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項4】
環Aの5員環ヘテロアリール環が、式
【化3】

で表されるチオフェン環である、請求項3記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項5】
が、ハロゲン原子、置換可低級アルキル基、COOW又はCONW(W〜Wは、独立して、水素原子又は置換可低級アルキル基であるか、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい)である、請求項1〜4の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項6】
が、水酸基、カルボキシ基及びカルバモイル基から選択される基で置換された低級アルキル基;カルボキシ基;又はカルバモイル基である、請求項5記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項7】
mが0又は1である、請求項1〜6の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項8】
mが1であり、環Aが、Rが環Aの下記式
【化4】

に示す位置に結合したチオフェン環である、請求項7記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項9】
が、酸素原子である、請求項1〜8の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項10】
が、酸素原子である、請求項1〜9の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項11】
環Bが、ベンゼン環、チオフェン環又はピリジン環である、請求項1〜10の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項12】
環Bが、式
【化5】

で表される環のいずれかである、請求項11記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項13】
nが1又は2であり、環Bが、Rが環Bの下記式
【化6】

(式中、Rは前記と同じ意味をもち、Rが2つある場合、2つのRは同じでも異なっていてもよい)に示す位置に結合した環のいずれかである、請求項12記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項14】
環Bが、式
【化7】

で表される環のいずれかである、請求項12又は13記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項15】
が、ハロゲン原子、置換可低級アルキル基、OW(Wは、水素原子又は置換可低級アルキル基である)又はシアノ基である、請求項1〜14の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項16】
が、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基又はOW(Wは、水素原子又は置換可低級アルキル基である)である、請求項15記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項17】
が、フッ素原子、塩素原子又はWが低級アルキル基であるOWである、請求項16記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項18】
Uが単結合、メチレン基又はエチレン基である、請求項1〜17の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項19】
Xが、Y、−S−L−Y、−O−L−Y、−CO−L−Y、−SO−L−Y、−S−Z又は−O−Zで表される基(式中、L、Y、Zは上記と同じ意味である)である、請求項1〜18の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項20】
Uが単結合であり、Xが−S−L−Y、−O−L−Y、−CO−L−Y又は−SO−L−Yで表される基(式中、L、Yは上記と同じ意味である)である、請求項19記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項21】
Uがメチレン基であり、XがY(但し、Yは−NW〔W及びWは、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基又はZであるか(但し、同時に水素原子ではない)、W及びWは両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい〕)、−S−Z又は−O−Zで表される基(Zは上記と同じ意味である)である、請求項19記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項22】
Uがエチレン基であり、XがY(但し、YはZであり、Zは上記と同じ意味である)である、請求項19記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項23】
Lが、C1-3アルキレン基である、請求項1〜20の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項24】
Zが、縮環していてもよい置換可アリール基である、請求項1〜23の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物。
【請求項25】
請求項1〜24の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項26】
性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤である、請求項25記載の医薬組成物。
【請求項27】
性ホルモン依存性疾患の予防もしくは治療剤、生殖調節剤、避妊薬、排卵誘発剤又は性ホルモン依存性癌術後再発予防剤である、請求項25記載の医薬組成物。
【請求項28】
性ホルモン依存性疾患が、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、月経困難症、多嚢胞性卵巣症候群、紅斑性狼瘡、多毛症、小人症、睡眠障害、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病、不妊症、過敏性腸症候群、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌及び下垂体腫瘍からなる群から選択される疾患である、請求項27記載の医薬組成物。
【請求項29】
経口投与用である、請求項25記載の医薬組成物。
【請求項30】
請求項1〜24の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物を有効量投与することからなる、性ホルモン依存性疾患の予防又は治療方法。
【請求項31】
性ホルモン依存性疾患が、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、月経困難症、多嚢胞性卵巣症候群、紅斑性狼瘡、多毛症、小人症、睡眠障害、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病、不妊症、過敏性腸症候群、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌及び下垂体腫瘍からなる群から選択される疾患である、請求項30記載の予防又は治療方法。
【請求項32】
請求項1〜24の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物を有効量投与することからなる、生殖調節方法、避妊方法、排卵誘発方法又は性ホルモン依存性癌術後再発予防方法。
【請求項33】
性ホルモン依存性疾患の予防又は治療用の医薬組成物を製造するための、請求項1〜24の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物の使用。
【請求項34】
生殖調節、避妊、排卵誘発又は性ホルモン依存性癌術後再発予防のための医薬組成物を製造するための、請求項1〜24の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物の使用。
【請求項35】
性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト、化学療法剤、ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤を更に組み合せてなる、請求項25記載の医薬組成物。
【請求項36】
性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニストが酢酸リュープロレリン、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン及びレシレリンから選択される薬剤である、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項37】
化学療法剤がイホスファミド、アドリアマイシン、ペプロマイシン、シスプラチン、シクロフォスファミド、5-FU、UFT、メトトレキセート、マイトマイシンC、マイトキサントロン、パクリタキセル及びドタキセルから選択される薬剤である、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項38】
ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗薬がセトロレリクス、ガニレリクス、アバレリクス、オザレリクス、イツレリクス、デガレリクス及びテベレリクスから選択される薬剤である、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項39】
5α−レダクターゼ阻害薬がフィナステリド及びデュタステリドから選択される薬剤である、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項40】
αアドレナリン受容体阻害薬がタムスロシン、シロドシン及びウラピジルから選択される薬剤である、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項41】
アロマターゼ阻害薬がファドロゾール、レトロゾール、アナストロゾール及びフォルメスタンから選択される薬剤である、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項42】
副腎系アンドロゲン産生阻害薬がリアロゾールである、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項43】
ホルモン療法剤が抗エストロゲン剤、黄体ホルモン剤、アンドロゲン剤、エストロゲン剤及び抗アンドロゲン剤から選択される薬剤である、請求項35記載の医薬組成物。
【請求項44】
性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト、化学療法剤、ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤を組み合せて投与することからなる、請求項30又は31記載の性ホルモン依存性疾患の予防又は治療方法。
【請求項45】
性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト、化学療法剤、ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤を更に組み合せて投与することからなる、請求項32記載の生殖調節方法、避妊方法、排卵誘発方法又は性ホルモン依存性癌術後再発予防方法。
【請求項46】
性ホルモン依存性疾患の予防又は治療用の医薬組成物を製造するための、(A)請求項1〜24の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物、及び(B)性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト、化学療法剤、ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤の使用。
【請求項47】
生殖調節、避妊、排卵誘発又は性ホルモン依存性癌術後再発予防のための医薬組成物を製造するための、(A)請求項1〜24の何れかに記載の縮合複素環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、又はその水和物もしくは溶媒和物、及び(B)性腺刺激ホルモン放出ホルモンアゴニスト、化学療法剤、ペプチド性性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤の使用。

【公開番号】特開2012−102140(P2012−102140A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−8680(P2012−8680)
【出願日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【分割の表示】特願2007−540993(P2007−540993)の分割
【原出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【出願人】(000104560)キッセイ薬品工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】