説明

繊維および超吸収体からなる超薄材料

本発明は、少なくとも60℃の温度および少なくとも3バールの圧力でプレスすることによって得ることができる、超吸収性ポリマー(SAP)および繊維からなる材料に関する。殊に、本発明は、繊維上でSAP前駆体混合物から原位置で重合させることによって得ることができる材料に関する。更に、本発明は、このような材料の製造法および前記材料の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも60℃の温度および少なくとも3バールの圧力でプレスすることによって得ることができる、超吸収性ポリマー(SAP)および繊維からなる材料に関する。殊に、本発明は、繊維上でSAP前駆体混合物から原位置で重合させることによって得ることができる材料に関する。更に、本発明は、このような材料の製造法および前記材料の使用に関する。
【0002】
原位置での材料は、前世紀の80年代当初以来公知である。この原位置での材料は、シート状の繊維構造体、殊に液状媒体で処理され、繊維構造体上での(原位置での)重合後に吸収性ポリマーを形成する、所謂不織布であることが特徴的である。重合は、全ての公知の方法、例えば照射(UV、電子線、熱)、添加剤(例えば、酸化還元開始剤)によって開始されうる。液状媒体は、吸収性ポリマーを形成するモノマーおよび場合によってはコモノマーを含有する。架橋剤、他の場合による添加剤、例えば防臭剤、増粘剤、SAP微細粉末等は、既に液状媒体中に存在していてもよいし、シート状構造体の処理後に初めてこの液体媒体に添加されてもよい。液状媒体でのシート状構造体の処理は、噴霧、含浸または別の常用の処理方法によって行なうことができる。
【0003】
原位置での材料は、公知技術水準、例えば欧州特許第40087号明細書、欧州特許第54841号明細書、欧州特許第123500号明細書、欧州特許第108637号明細書、欧州特許第223908号明細書、欧州特許第315185号明細書、WO 95/33878、WO 01/56625に公知である。
【0004】
SAPが繊維に混合されているような、SAPおよび繊維からなる材料は、公知である。これは、種々の方法で、例えばシート状構造体を製造する過程にSAPを添加する(エアレイド(air laid)またはウェットレイド(wet laid))かまたは繊維材料を既にシート状構造体に形成した後でSAPを添加することによって行なうことができる。更に、SAPは、種々の方法によって、例えば付着剤によって繊維上に固着させることができる。SAPは、層として2つの繊維層の間に埋封させることができる(例えば、WO 95/30396参照)。
【0005】
水性液体が吸収されるはずである、衛生範囲内の多数の使用および衛生範囲外の使用のためには、有利に次の性質の多数を有する材料が望まれている:本質的には、液体との接触の際に1つの方向のみに膨脹し、貯蔵費および運搬費を僅かになるように維持するために圧縮された形で存在し、貯蔵の間、圧力なしにおよび圧力下で液体吸収時に加速される、例えばティーバッグ試験で測定された、水溶液のための高い吸収能を有する、ラミネートの構成成分として使用するのに適している形を維持する。
【0006】
意外なことに、少なくとも60℃の温度および少なくとも3バールの圧力でプレスすることによって得ることができる、SAPおよび繊維からなる材料は、望ましい性質を有することが見い出された。
【0007】
”超薄”衛生用品を製造するための圧力の作用による圧縮は、WO 01/56625に記載されている。しかしながら、この材料は、48秒間に亘って約5.5バールの圧力(織物面積:0.056m;荷重7000ポンド)および50℃の温度に掛けられる。こうして、元来の4.5mmから0.67mmへの圧縮が達成される。この試験条件は、再現され、本発明と比較して2つの差異および欠点が確認された:
a)この材料は、寸法安定性でなく、即ち2週間後に、1.5mmまでの膨脹および8週間後に2.4mmまでの膨脹を生じた。
b)本発明において記載された方法により、WO 01/56625に記載の材料よりも本質的に薄手ではあるが、極めて柔軟な材料を製造することができる。
【0008】
WO 01/56625の記載により製造することができる、SAPと繊維とからなる材料、例えばSAP−不織布複合体は、温度および圧力の作用によって圧縮することができる。
【0009】
圧縮は、圧力作用が発揮される次元で行なわれる。別の2次元は、圧縮によって殆んど不変のままである。
【0010】
圧縮は、材料を最初に必要な温度に加熱し、引続き圧力作用させることによって行なうことができ;同様に、この材料は、圧力作用に晒され、引続き必要な温度に加熱されるが;しかし、好ましくは、材料は、圧力と温度の同時の作用下で圧縮される。
【0011】
材料の圧縮は、非連続的に、例えばプレスを用いて、ならびに連続的に、例えばカレンダーを用いて実施されてよい。
【0012】
本発明の場合、圧力および温度を作用させることは、望ましい性質を有する材料を得るための1つの方法であることを示すことができる。この場合、材料の性質は、温度の変化によって本質的に圧力の変化によるよりも強く影響を及ぼされうる。また、新規の材料を製造するためには、既に3バールからの比較的低い圧力、例えば3バール、3.5バール、4バールまたは4.5バールで十分であることが確認された。好ましくは、5バールまたはそれ以上、例えば5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5バールの圧力であり、殊に好ましくは、10バールを上廻る、例えば10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50バールおよびそれ以上の圧力である。これに対して、100バールを上廻る圧力は、一般に材料の性質をさらに改善することがない。本発明の範囲内での温度は、プレスする材料またはプレスされた材料中での温度である。プレス過程で滞留時間がよりいっそう長い場合(例えば、1分間)には、材料中の温度は、本質的にプレスの表面上での温度に相当する。60℃を下廻る温度では、一般に不十分である。一般に、60℃およびそれ以上、例えば60℃または65℃の温度が使用される。好ましいのは、70℃およびそれ以上、即ち例えば70℃、75℃、殊に80℃またはそれ以上、例えば80℃、85℃、90℃、95℃、100℃またはそれ以上の温度である。前記温度の場合、最大温度は、材料の滞留時間に依存する。それというのも、材料の熱的崩壊は、回避されるからである。最適な温度範囲は、80℃〜180℃の間にあり、これは、上記の温度と共に、例えば110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃または170℃の場合の温度である。200℃を上廻る温度の場合、性質は劣化しうる。
【0013】
望ましい材料特性は、既に圧力および温度の作用の極めて短い時間の後で達成することができる。一般に、1分間の滞留時間で十分である。よりいっそう長い滞留時間は、一般に支障がないが、しかし、経済的理由から望ましくない。典型的な滞留時間は、10秒間、20秒間、30秒間、40秒間、50秒間または60秒間である。しかし、プレス時間を工業的完成時によりいっそう短くなるように構成する、即ち例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9または10秒のプレス時間を使用することも可能である。短いプレス時間の場合には、よりいっそう高い温度が使用される。短い滞留時間は、圧縮された材料を連続的に、例えばカレンダーまたはロールミルで製造することができることにとって決定的なことである。
【0014】
圧力および温度を作用させることによって、元来の厚さの20%以下、有利に15%以下、殊に10%以下への圧縮が達成される。
【0015】
本発明に関連してSAPは、超吸収性ポリマーである。超吸収性ポリマーは、0.9%のNaCl溶液を用いるCRC試験で少なくとも10倍の質量を吸収することが特徴的である。SAPは、公知技術水準から公知であり、本発明においては、有利にポリアクリレートを基礎とする。SAPは、全ての形、例えば粒子状でか、繊維としてか、フィルムとしてか、またはフォームとして存在することができ、この場合粒子状が好ましい。種々のSAPおよびその製造は、例えばWO 01/56625、第3頁第37行ないし第19頁第16行に記載されている。
【0016】
繊維は、本発明に関連して、公知技術水準のSAPと組み合わされた全ての繊維である。好ましい繊維は、不織布として存在する繊維である。好ましい繊維は、例えばWO 01/56625、第19頁第40行ないし第20頁第27行に記載されている。
【0017】
プレスするとは、材料の表面上に力を作用させることである。これは、古典的なプレス、カレンダーまたは別の適当な手段によって行なうことができる。
【0018】
本発明によれば、第1に水の添加時(蒸留水)または水性液体の添加時(0.9%のNaCl溶液)に1次元で少なくとも5倍膨脹し、別の2次元で20%未満膨脹する材料が提供される。
【0019】
水または水性液体の作用によって、前記材料は、殆んど1次元の膨脹挙動を示す。x軸およびy軸において、水中での膨脹率は、一般に20%以下、有利に18%以下、16%以下、14%以下または12%以下、特に有利に10%以下、8%以下、7%以下または6%以下、殊に5%以下、4%以下、3%以下、2%以下またはまさに1%であり、z軸においては、前記材料は、5倍より高く、6倍より高くまたは7倍より高く、有利に8倍より高く、または9倍より高く、殊に10倍より高く、11倍より高く、12倍より高く、13倍より高く、14倍より高くまたはまさに15倍以上高く膨脹する。
【0020】
前記材料は、圧力および温度の作用後に寸法安定性であり、即ち前記材料が圧縮された寸法の方向に前記材料は、全く膨脹しないかまたは僅かにのみ膨脹する。
【0021】
本発明による材料は、好ましくは圧縮直後の厚さに対して100%未満、有利に80%未満、よりいっそう有利に60%未満、殊に50%未満の圧縮から60日後の厚さの増加率を有する。
【0022】
本発明による材料は、好ましくは材料の加圧および温度処理によりSAPの原位置での重合(上記の定義と同様に、公知技術水準から公知)によって得ることができる。
【0023】
本発明による超薄材料の製造のために、殊にWO 01/56625に記載の織物は、適している。SAPは、特に”原位置で”前記の織物上で重合するが、しかし、例えばSAPが織物中に散在されているかまたは織物上に接着されているような材料も本発明によれば圧縮されることができる。
【0024】
出発材料に圧縮前に添加剤を添加することは、可能である。これは、例えば添加剤もしくは添加剤溶液の噴霧、含浸ならびに固体添加剤の散在または接着によって行なうことができる。添加剤としては、例えばフレーバーおよび芳香化学薬品、殺生剤および他の臭い抑制剤、他の作用物質、肥料および栄養素、染料、界面活性剤、塩、ポリマー、柔軟剤等が挙げられる。
【0025】
更に、本発明によるラミネート(多層材料)を製造することが可能である。この場合には、”サンドイッチ構造体”、即ち同一の材料からなる上層と下層との間に上層および下層とは異なる第2の層が存在するサンドイッチ構造体ならびに2つまたは多数の(部分的に)異なる層を有する構造体が可能である。
【0026】
例えば、出発材料は、木綿織物、ポリエステル織物、木綿−ポリエステル混紡、紙、厚紙は、1分間の圧縮によって150℃および80バールでラミネートに変えることができ、この場合出発材料は、同時に圧縮され、構成成分を結び付けて一体化することを生じる。
【0027】
本発明によれば、圧縮によって少なくとも0.5g/cm、有利に少なくとも0.6g/cm、よりいっそう有利に少なくとも0.7g/cm、特に有利に0.8g/cm、殊に有利に少なくとも1つの0.9g/cm、殊に少なくとも1g/cmまで、およびそれ以上の密度を有する材料を得ることができる。最大の密度は、一般に1.2g/cm以下である。密度は、圧縮前に典型的には約0.05g/cmである。前記材料は、圧縮後に柔軟であるので、圧縮された材料は、出発生成物よりも本質的に僅かな堆積を占める。
【0028】
密度は、単位体積当たりの材料の質量であり、この場合体積は、材料の膨脹率(長さ*幅*厚さ)に言及される。
【0029】
保持率に対するティーバッグの比は、0.9%のNaCl溶液中で通常、1.7より大きく、有利に1.9より大きく、よりいっそう有利に2より大きく、殊に2.2より大きい(SAP顆粒の場合、値は、1.2〜1.5程度の大きさである)。この高い値は、圧縮材料がSAP顆粒よりも高い量の水を吸収する状態にあることを意味する。これは、高い吸水量が展開された織物構造体中の細孔(スポンジ効果)によって生じるので可能である。急速な吸水の後、水は、引続きSAPによって吸収されることができる(水の蓄積)。それによって、圧縮された本発明による材料により、毛羽およびSAPと比較可能な特性プロフィールが明らかになる。
【0030】
本発明による材料は、0.9%のNaCl溶液中での保持の際に有利に3g/cmより大きく、よりいっそう有利に5g/cmより大きく、殊に6.5g/cmより大きく、またはまさに7g/cmの値を有する。
【0031】
保持率(g/gの単位であっても)は、圧縮された材料を用いた場合に未圧縮の材料を用いた場合よりも高い。それによって、圧縮は、出発材料が有する性質よりも良好な性質を有する材料を生じる。圧縮のための温度がよりいっそう高く選択されればされる程、保持率はますます高くなる。
【0032】
圧縮された材料を高い水蒸気濃度を有する雰囲気中に置いた場合には、材料は、柔軟になる。
【0033】
本発明よる材料は、有利に未圧縮の材料と比較して少なくとも2倍であるFSEVを60秒後に有する。
【0034】
更に、本発明による材料は、未圧縮の材料と比較して少なくとも60%高いFSEVを2分後に有する。
【0035】
本発明による材料は、未圧縮の材料と比較して少なくとも2倍であるEVULを60秒後に有する。
【0036】
更に、本発明による材料は、未圧縮の材料と比較して少なくとも60%高いEVULを2分後に有する。
【0037】
本発明による材料は、5g/cmより大きいかまたは6.5g/cmより大きく、有利に9g/cmより大きく、よりいっそう有利に10g/cm、特に有利に11g/cmより大きく、殊に12g/cmより大きいかまたはまさに13g/cmより大きい、0.9%のNaCl溶液中でのAAP(0.7psi)を有利に有する。
【0038】
本発明による材料は、水蒸気を吸収するための(多層)材料として適している。この性質は、交換可能であり、多数の吸収/乾燥作業周期の場合も得ることができる。
【0039】
前記材料は、なかんずく水または水性液体、殊に体液を吸収するための次の使用に有利に使用することができる:衛生用品(例えば、所謂乳児用おむつまたは成人失禁用用品、生理帯等中の吸収コア層、貯蔵層および/または収集層)、ベッド用下敷き、外科用ドレープ生地、創傷用接触材料、湿布、動物用トイレのための下敷き、玄関マット、雪を吸収するためのマット、室内空調の改善手段、座席および横臥用家具中の空調改善手段、靴底および靴インサート、衣服の心地、衣料品、テーブルクロス、ナプキン、クリーニングクロス、例えば建築分野におけるシール材またはシール材用基材、内部管シールおよび外部管シール、ケーブル外被、建築工業における絶縁材およびシール材、屋根部材(水バリヤーおよび水蒸気バリヤー)、埋立のためのシーリング部材、洪水制御手段(建物防御手段、タンクシステム)、水路、トンネル建設、道路建設、ボーリングのためのパイプライナー、輸送および貯蔵のための乾燥剤(例えば、穀類)、耐侵食作用を含む耕地のためのフィルム、植物のための下敷き、塊状根茎のための外被、種子を発芽させるためのマット、観賞用植物のためのマット(バルコニー用ケース等)、上昇する水および地下水に抗する土壌中のシール材料、土壌の汚染除去手段(重金属塩の除去手段)、廃棄物用バッグ、包装品、湿潤した品物および水を放出する品物を運搬するための吸引マット、ラミネート、フィルター、防火手段。
【0040】
勿論、圧縮された材料は、出発材料よりも僅かな表面積、ひいては僅かな吸水速度を有する。吸水速度は、例えば表面積を拡大することによって高めることができる。適当な手段は、例えば表面の粗面化または構造を与え表面積を拡大する要素の存在下での圧縮である。
【0041】
基材としては、BASF AG社のルクアフリース(Luquafleece) ISが使用される。通常、20〜2000g/mの単位面積当りの質量を有するフリースが使用されてよい。次の実施例においては、単位面積当りの質量100g/mを有するPETフリースが使用された(Sandler社のSawafill 8135)。ルクアフリース(Luquafleece) ISは、WO 01/56625の実施例9と同様に上記の不織布をSAP200g/mで負荷すること(それぞれ100g/mでの両面被覆)によって製造されることができる。また、一般に50g/m〜1000g/mの間にある別の負荷物を使用してもよい。負荷は、片面または両面に行なうことができる。好ましいのは、100g/m〜300g/mの負荷物である。
【0042】
比較として、WO 01/56625に記載の条件下で1つの材料が圧縮され、試験された。この材料は、”比較材料”と呼ばれる。
【0043】
5、10、80および160バールならびに50、100、150および200℃で製造された試験体は、それぞれ0.9%のNaCl溶液中ならびに蒸留水中で測定された。次の記載は、試験結果につき形成されうる:
本発明による材料が最も明らかにルクアフリースおよびWO 01/56625の記載により製造された圧縮された材料と区別されるような試験方法は、CRCならびに”吸収された液体g/cm”の度量衡単位を用いる試験方法である。
【0044】
保持率またはCRCは、WO 01/56625、第30頁第40行以降の記載と同様に測定された。
【0045】
AULまたはAAPは、WO 01/56625、第30頁第16行以降の記載と同様に測定された。ティーバッグは、遠心分離をすることなく記載されているにすぎない保持率と同様に測定された。
【0046】
本発明による材料にとって典型的な値は、次の概要に記載されており、この場合括弧内には、圧縮されていない出発材料の値およびWO 01/56625に記載により低い温度で圧縮された材料の値が記載されている。
【0047】
保持率(0.9%のNaCl溶液中で):6〜8.2g/g(5.8g/gおよび5.9g/g)、
保持率(0.9%のNaCl溶液中で):1500〜2200g/m(1495g/mおよび1346g/m)、
保持率(0.9%のNaCl溶液中で):4〜7.5g/g(0.3g/cmおよび0.4g/cm)、
ティーバッグ(0.9%のNaCl溶液中で):10〜20g/cm(0.8g/cmおよび1.3g/cm)、
密度:0.5〜1.2g/cm(0.05g/cmおよび0.07g/cm)、
伸び乗数(0.9%のNaCl溶液中で):10〜21(1.1および1.7)、
AAP(0.9%のNaCl溶液中で;0.7psi):10.5〜12.5g/g(13g/gおよび12.3g/g)、
AAP(0.9%のNaCl溶液中で;0.7psi):2500〜3600g/m(3300g/mおよび2968g/m)、
AAP(0.9%のNaCl溶液中で;0.7psi):6〜14g/cm(0.6g/gおよび1.0g/cm)。
保持率(蒸留水中で):13.5〜19g/g(13.3g/gおよび12.9g/g)、
保持率(蒸留水中で):40000〜5400g/m(3455g/mおよび3106g/m)、
保持率(蒸留水中で):10〜16.5g/g(0.7g/cmおよび0.9g/cm)、
ティーバッグ(蒸留水中で):15〜33g/cm(1.3g/cmおよび3.0g/cm)、
伸び乗数(蒸留水中で):15〜33(1.5および2.2)、
AAP(蒸留水中で):18〜22.5g/g(18.9g/gおよび19.5g/g)、
AAP(蒸留水中で;0.7psi):5000〜6200g/m(4750g/mおよび4735g/m)、
AAP(蒸留水中で;0.7psi):10〜22g/cm(0.9g/gおよび1.4g/cm)。
【0048】
SAPなしの不織布は、原則的にルクアフリース(Luquafleece) ISとは別の性質を示す。なお、圧縮された不織布と圧縮されたルクアフリース(Luquafleece) ISとの間には、よりいっそう強い差異が存在する。純粋な不織布は、スポンジ効果のためにNaCl中で37g/gの高いティーバッグ値を有し、この効果の場合、塩含量は、役を演じないので、38g/gを用いた場合には、蒸留水中で同一の値を有する。CRC値は、同じ理由から0.4g/gで2つの記載された媒体中で極めて低く;それというのも、遠心分離によって、液体は、殆んど完全に織物から除去されるからである。
【0049】
不織布を圧力および温度の作用によって圧縮する場合には、この不織布は、水の存在下で膨潤されない。それに応じて、ティーバッグ値およびCRC値は低い。200℃および80バールで1分間圧縮された不織布は、0.9%のNaCl溶液中で1.9g/gのティーバッグ値および0.3g/gのCRCを示した。圧縮された材料の厚さは、0.1mmで不変のままであった。この結果は、z軸方向への膨潤がSAPの存在下でのみ可能であることを示す。
【0050】
本発明による超薄材料は、原理的にSAP顆粒または粉末を不織布中に散乱させ、SAPを場合によっては接着剤で不織布上で固定するかまたは別の技術によって織物上で固定することにより製造することもできる。物理的性質が圧縮された原位置での材料の物理的性質と同様であるとしても、交換可能であるように不織布上に固定されている製品は、SAPが膨潤によって水の存在下に再び不織布から剥離されるという欠点を有する。これに反して、”原位置で”繊維上に重合されている圧縮された材料の場合、SAPは、繊維上に堅固に固定されており、水の存在下でも再び剥離されることはない。
【0051】
寸法安定性
圧縮された材料は、寸法安定性であり、即ち長い貯蔵後も室温および有利に60%未満の相対空気湿度で材料は、膨脹しないかまたは非本質的にのみ膨脹するにすぎない。この寸法安定性は、60℃を上廻る温度および5バールを上廻る圧力で圧縮された全ての試験体の場合に確認された。これとは異なり、WO 01/56625の記載により製造された比較材料の場合、上記条件下で材料が膨脹した:
試験体[mm] 圧縮直後の厚さ[mm] 60日後の厚さ
1 0.8 2.4
2 0.7 1.8
3 0.7 1.9
4 0.8 2.3
時間に依存した膨脹体積
WO 01/56625中には、この特性値が記載されている(第31頁第33行以降−FSEV)。200g/m2のSAP負荷の場合には、0.9%のNaCl溶液中で次の値が記載された:
5秒 1.4ml
10秒 2.2ml
30秒 4.3ml
60秒 5.9ml
120秒 7.3ml
300秒 8.5ml
600秒 9.0ml。
【0052】
異なる圧力および温度(時間:1分間)で圧縮された材料を用いた場合には、次の値が測定された。WO 01/56625の記載により製造された試験体は、”比較”と呼ばれる(5バール、4秒、50℃)。
【0053】
【表1】

【0054】
前記値は、本発明による材料のFSEV値(80バール/150℃を除外して)が既に30〜60秒後に、WO 01/56625に記載された圧縮された材料のFSEV値よりも明らかに高いことを示す。前記値は、同様に最終値がほぼ30秒後に殆んど達成されていることを示す。
【0055】
膨脹体積を0.5psiの圧力作用下(EVUL、WO 01/56625、第32頁、第6行以降)で実現させることにより、測定を実施する場合には、同様の表が明らかになる:
【0056】
【表2】

【0057】
0.5psiの圧力下での吸水の場合には、本発明による方法により製造された試験体は、比較試験体よりも急速である。単に80℃/150バールで製造された試験体は、10秒後に同じ値を生じるが、しかし、全ての別の測定結果は、この場合も比較試験体よりも良好である。
【0058】
水蒸気の吸収
圧縮された材料は、有効量の水蒸気を吸収し、低い相対空気湿度で再び放出する状態にある(ルクアフリース(Luquafleece) ISと比較可能な性質)。160バールおよび異なる温度で1分間圧縮した種々の試験体断片(それぞれ100×100mm)は、室温で24時間デシケーター中で95%の相対空気湿度で貯蔵された。引続き、試験体は、23℃および45%の相対空気湿度で空気に接するようにして乾燥された。結果は、第A表から認めることができる。引続き、試験体は、再び24時間デシケーター中で95%の相対空気湿度で貯蔵され、その後に再び室温および45%の相対空気湿度で乾燥された。この作業周期は、3回実施された。3回目の作業周期後の結果は、第B表の記載から認めることができる。
【0059】
【表3】

【0060】
実施例
試験のためには、面積30×50mmの試験体が使用された。AAP試験のためには、6cmの直径を有する円形断片が使用された(面積28.3cm)。試験は、0.7psiで実施された。
【0061】
30×50mmの試験体を測定した場合、本質的にz軸方向への膨潤が観察された。x軸方向またはy軸方向には、約10%の膨潤が測定され、第3の寸法は、不変のままであった(1つの軸方向には、織物は、別の寸法の場合よりも簡単に膨脹可能である)。
【0062】
全ての試験は、SAPのための常用の標準法により実施された。
【0063】
例1
ルクアフリース(Luquafleece) ISを100℃および160バールで1分間圧縮した。30×50mmの試験体を測定した。この場合には、蒸留水中で次のデータを得ることができた:
圧縮された材料の厚さ:0.3mm
CRC:15.6g/g
CRC:4905g/m
ティーバッグ値:30.6g/cm*)
保持率:16.4g/cm*)
使用された材料の密度:0.984g/cm
z軸方向への膨脹係数:31.0
AAP(0.7psi):19.1g/g
AAP(0.7psi):5689g/m
AAP(0.7psi):19.0g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0064】
例2
ルクアフリース(Luquafleece) ISを100℃および80バールで1分間圧縮した。30×50mmの試験体を測定した。この場合には、蒸留水中で次のデータを得ることができた:
圧縮された材料の厚さ:0.3mm
CRC:15.7g/g
CRC:4592g/m
ティーバッグ値:31.7g/cm*)
保持率:15.3g/cm*)
使用された材料の密度:1.042g/cm
z軸方向への膨脹係数:28.7
AAP(0.7psi):19.8g/g
AAP(0.7psi):5477g/m
AAP(0.7psi):18.2g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0065】
例3
ルクアフリース(Luquafleece) ISを150℃および80バールで1分間圧縮した。30×50mmの試験体を測定した。この場合には、蒸留水中で次のデータを得ることができた:
圧縮された材料の厚さ:0.25mm
CRC:14.6g/g
CRC:3326g/m
ティーバッグ値:32.9g/cm*)
保持率:16.6g/cm*)
使用された材料の密度:0.969g/cm
z軸方向への膨脹係数:32.5
AAP(0.7psi):19.2g/g
AAP(0.7psi):4382g/m
AAP(0.7psi):21.9g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0066】
例4
ルクアフリース(Luquafleece) ISを200℃および80バールで1分間圧縮した。30×50mmの試験体を測定した。この場合には、蒸留水中で次のデータを得ることができた:
圧縮された材料の厚さ:0.25mm
CRC:18.4g/g
CRC:4577g/m
ティーバッグ値:30.0g/cm*)
保持率:15.3g/cm*)
使用された材料の密度:0.959g/cm
z軸方向への膨脹係数:28.0
AAP(0.7psi):22.4g/g
AAP(0.7psi):6184g/m
AAP(0.7psi):20.6g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0067】
例5
ルクアフリース(Luquafleece) ISを150℃および10バールで1分間圧縮した。30×50mmの試験体を測定した。この場合には、蒸留水中で次のデータを得ることができた:
圧縮された材料の厚さ:0.4mm
CRC:16.1g/g
CRC:4830g/m
ティーバッグ値:24.5g/cm*)
保持率:12.2g/cm*)
使用された材料の密度:0.697g/cm
z軸方向への膨脹係数:22.3
AAP(0.7psi):20.9g/g
AAP(0.7psi):6042g/m
AAP(0.7psi):15.1g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0068】
比較例1(ルクアフリース(Luquafleece) IS)
ルクアフリース(Luquafleece) ISの厚さ:5.3mm
CRC:13.3g/g
CRC:3455g/m
ティーバッグ値:1.3g/cm*)
保持率:0.73g/cm*)
使用された材料の密度:0.051g/cm
z軸方向への膨脹係数:1.5
AAP(0.7psi):18.9g/g
AAP(0.7psi):4750g/m
AAP(0.7psi):0.9g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0069】
比較例2(ルクアフリース(Luquafleece) ISを6バールおよび50℃で48秒間圧縮した)
圧縮された材料の厚さ:3.1mm
CRC:12.9g/g
CRC:3106g/m
ティーバッグ値:2.0g/cm*)
保持率:0.9g/cm*)
使用された材料の密度:0.074g/cm
z軸方向への膨脹係数:2.2
AAP(0.7psi):19.5g/g
AAP(0.7psi):4735g/m
AAP(0.7psi):1.4g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0070】
低い温度で圧力を上昇させることにより、有効な改善は、生じない。これは、次の例により証明されるはずである。
【0071】
比較例3(ルクアフリース(Luquafleece) ISを80バールおよび50℃で60秒間圧縮した)
圧縮された材料の厚さ:0.8mm
4週間後の圧縮された材料の厚さ:1.2mm
CRC:12.5g/g
CRC:2730g/m
ティーバッグ値:3.0g/cm*)
保持率:1.9g/cm*)
使用された材料の密度:0.159g/cm
z軸方向への膨脹係数:4.6
AAP(0.7psi):18.4g/g
AAP(0.7psi):4276g/m
AAP(0.7psi):3.1g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0072】
例6
ルクアフリース(Luquafleece) ISを100℃および160バールで1分間圧縮した。30×50mmの試験体を測定した。この場合には、0.9%のNaCl溶液中で次のデータを得ることができた:
圧縮された材料の厚さ:0.3mm
CRC:6.5g/g
CRC:2069g/m
ティーバッグ値:19.4g/cm*)
保持率:6.9g/cm*)
使用された材料の密度:0.977g/cm
z軸方向への膨脹係数:19.0
AAP(0.7psi):10.6g/g
AAP(0.7psi):3357g/m
AAP(0.7psi):11.2g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0073】
例7
ルクアフリース(Luquafleece) ISを100℃および80バールで1分間圧縮した。30×50mmの試験体を測定した。この場合には、0.9%のNaCl溶液中で次のデータを得ることができた:
圧縮された材料の厚さ:0.3mm
CRC:7.3g/g
CRC:2151g/m
ティーバッグ値:19.5g/cm*)
保持率:7.2g/cm*)
使用された材料の密度:1.073g/cm
z軸方向への膨脹係数:19.3
AAP(0.7psi):11.3g/g
AAP(0.7psi):3039g/m
AAP(0.7psi):10.1g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0074】
例8
ルクアフリース(Luquafleece) ISを150℃および160バールで1分間圧縮した。30×50mmの試験体を測定した。この場合には、0.9%のNaCl溶液中で次のデータを得ることができた:
圧縮された材料の厚さ:0.25mm
CRC:6.4g/g
CRC:1489g/m
ティーバッグ値:16.5g/cm*)
保持率:7.4g/cm*)
使用された材料の密度:1.113g/cm
z軸方向への膨脹係数:20.0
AAP(0.7psi):11.2g/g
AAP(0.7psi):2650g/m
AAP(0.7psi):13.3g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0075】
例9
ルクアフリース(Luquafleece) ISを150℃および80バールで1分間圧縮した。30×50mmの試験体を測定した。この場合には、0.9%のNaCl溶液中で次のデータを得ることができた:
圧縮された材料の厚さ:0.25mm
CRC:6.5g/g
CRC:1490g/m
ティーバッグ値:20.1g/cm*)
保持率:7.5g/cm*)
使用された材料の密度:1.006g/cm
z軸方向への膨脹係数:20.5
AAP(0.7psi):11.7g/g
AAP(0.7psi):2792g/m
AAP(0.7psi):14.0g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0076】
例10
ルクアフリース(Luquafleece) ISを150℃および10バールで1分間圧縮した。30×50mmの試験体を測定した。この場合には、0.9%のNaCl溶液中で次のデータを得ることができた:
圧縮された材料の厚さ:0.4mm
CRC:6.9g/g
CRC:2128g/m
ティーバッグ値:10.5g/cm*)
保持率:4.3g/cm*)
使用された材料の密度:0.590g/cm
z軸方向への膨脹係数:11.2
AAP(0.7psi):12.3g/g
AAP(0.7psi):3251g/m
AAP(0.7psi):6.5g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0077】
例11
ルクアフリース(Luquafleece) ISを200℃および160バールで1分間圧縮した。30×50mmの試験体を測定した。この場合には、0.9%のNaCl溶液中で次のデータを得ることができた:
圧縮された材料の厚さ:0.22mm
CRC:8.2g/g
CRC:2230g/m
ティーバッグ値:15.5g/cm*)
保持率:7.4g/cm*)
使用された材料の密度:1.043g/cm
z軸方向への膨脹係数:18.9
AAP(0.7psi):11.8g/g
AAP(0.7psi):3251g/m
AAP(0.7psi):10.9g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0078】
比較例4(ルクアフリース(Luquafleece) IS)
ルクアフリース(Luquafleece) ISの厚さ:5.2mm
CRC:5.8g/g
CRC:1495g/m
ティーバッグ値:0.8g/cm*)
保持率:0.3g/cm*)
使用された材料の密度:0.047g/cm
z軸方向への膨脹係数:1.1
AAP(0.7psi):13.0g/g
AAP(0.7psi):3300g/m
AAP(0.7psi):0.6g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0079】
比較例5(ルクアフリース(Luquafleece) ISを6バールおよび50℃で48秒間圧縮した)
圧縮された材料の厚さ:3.1mm
CRC:5.9g/g
CRC:1346g/m
ティーバッグ値:1.3g/cm*)
保持率:0.4g/cm*)
使用された材料の密度:0.072g/cm
z軸方向への膨脹係数:1.7
AAP(0.7psi):12.3g/g
AAP(0.7psi):2968g/m
AAP(0.7psi):1.0g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
【0080】
低い温度で圧力を上昇させることにより、有効な改善は、生じない。これは、次の例により証明されるはずである。
【0081】
比較例6(ルクアフリース(Luquafleece) ISを80バールおよび50℃で60秒間圧縮した)
圧縮された材料の厚さ:0.8mm
4週間後の圧縮された材料の厚さ:1.2mm
CRC:5.8g/g
CRC:1330g/m
ティーバッグ値:1.0g/cm*)
保持率:0.3g/cm*)
使用された材料の密度:0.184g/cm
z軸方向への膨脹係数:2.8
AAP(0.7psi):11.7g/g
AAP(0.7psi):2686g/m
AAP(0.7psi):3.0g/cm
*) この記載は、使用された材料に関するものである。
超薄材料の硬さの影響
硬さおよび湿分吸収速度は、例えば軟質化化学薬品を添加するかまたは超薄材料の表面を構造化(拡大)することによって影響を及ぼすことができる。軟質化化学薬品については、例えば第三アルカノールアミンがこれに該当する。この場合、SAPの遊離酸基は、好ましくは少なくとも20モル%が中和されている。好ましいアルカノールアミンは、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルアミノジグリコール、ジメチルエタノールアミン、N,N,N,N′−テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミンの群から選択されている。この方法それ自体は、新規ではないが、しかし、超吸収性平板状製品の場合に吸水能に影響を及ぼす。それと共に、超薄材料は、微少量の水を意図的に添加することによって軟質化することができる。軟質化の効果を示す方法を組み合わせてもよい。湿分のできるだけ均一な上昇を達成させるために、前記材料は、有利に水蒸気または霧状水で処理される。しかし、柔軟さを維持するために、引続き材料を気密に包装することが必要とされる。
【0082】
硬さの変化は、例えばボールが定義された道程で前記材料中に押圧され、この道程に必要とされる力を測定するような装置で測定されることができる。超薄材料は、室温で24時間飽和された水蒸気雰囲気中に置かれた。この材料は、この時間の間に湿分材料の固有質量の70%の湿分を吸収した。24時間後に、試験体は、この雰囲気から取り出され、ボールを10mmの深さで前記材料中に押圧するのに必要とされる力が測定された。数時間の周期で測定を繰り返した。前記材料は、前記時間の間に24℃で50%の相対湿度を有する環境中に存在し、即ち湿分含量は、前記時間の間に絶えず減少し、7時間後に出発値を再び殆んど達成した。
【0083】
次の湿分含量(湿分蓄積前に使用された材料に対して)が測定された:
飽和された水蒸気雰囲気中で24時間後に70%、
24℃および50%の相対空気湿度で1時間後に40%、
24℃および50%の相対空気湿度で3時間後に11%、
24℃および50%の相対空気湿度で7時間後に1%。
【0084】
硬さの測定に使用される材料は、160バールおよび異なる温度で1分間圧縮されたものであった。次の測定値(10mmの道程)を得ることができた:
試験体1(200℃/160バール):
力:8N 直ちに測定、10N 1時間後に測定、21N 3時間後に測定、33N 7時間後に測定、
試験体2(150℃/160バール):
力:7N 直ちに測定、9N 1時間後に測定、18N 3時間後に測定、24N 7時間後に測定、
試験体3(50℃/160バール):
力:8N 直ちに測定、11N 1時間後に測定、16N 3時間後に測定、19N 7時間後に測定、
比較:ルクアフリース(Luquafleece) IS
力:4N 直ちに測定、4.5N 1時間後に測定、6N 3時間後に測定、10N 7時間後に測定。
【0085】
前記材料は、湿分含量が減少するとよりいっそう硬くなることを明らかに確認することができる。更に、前記測定値により、ボールを10mm乾燥したルクアフリース(Luquafleece)中に押圧するためには、70%の湿分含量を有する超薄材料の場合とほぼ同じ力を使用しなければならないことを確認することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも60℃の温度および少なくとも3バールの圧力でプレスすることによって得ることができる、SAPおよび繊維からなる材料。
【請求項2】
少なくとも70℃の温度でプレスすることによって得ることができる、請求項1記載の材料。
【請求項3】
少なくとも80℃の温度でプレスすることによって得ることができる、請求項1記載の材料。
【請求項4】
少なくとも5バールの圧力でプレスすることによって得ることができる、請求項1から3までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項5】
少なくとも10バールの圧力でプレスすることによって得ることができる、請求項1から3までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項6】
水の添加時に1次元で少なくとも5倍膨脹し、別の2次元で20%未満膨脹する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項7】
水の添加時に1次元で少なくとも5倍膨脹し、別の2次元で20%未満膨脹する、SAPおよび繊維からなる材料。
【請求項8】
水の添加時に1次元で少なくとも10倍膨脹し、別の2次元で10%未満膨脹する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項9】
SAPの原位置での重合によって得ることができる、請求項1から8までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項10】
少なくとも0.5g/cmの密度ないし1.2g/cmの密度を有する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項11】
ティーバッグと0.9%のNaCl溶液中での保持率との比が2より大きい、請求項1から10までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項12】
0.9%のNaCl溶液中での保持率が3g/cmより大きい、請求項1から11までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項13】
圧縮から60日後の厚さの増加率が圧縮直後の厚さに対して100%未満である、請求項1から12までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項14】
FSEVが60秒後に未圧縮の材料と比較して少なくとも2倍である、請求項1から13までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項15】
FSEVが2分後に未圧縮の材料と比較して少なくとも60%高い、請求項1から14までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項16】
EVULが60秒後に未圧縮の材料と比較して少なくとも2倍である、請求項1から15までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項17】
EVULが2分後に未圧縮の材料と比較して少なくとも60%高い、請求項1から16までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項18】
0.9%のNaCl溶液中でのAAP(0.7psi)が5g/cm3より大きい、請求項1から17までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項19】
請求項1から18までのいずれか1項に記載の材料を含有する多層材料。
【請求項20】
水蒸気を吸収するための請求項1から19までのいずれか1項に記載の材料および多層材料の使用。
【請求項21】
水または水性液体、殊に体液を吸収するための請求項1から19までのいずれか1項に記載の材料および多層材料の使用。
【請求項22】
SAPおよび繊維を含有する圧縮された材料を60℃を超える温度および3バールを超える圧力でのプレスによって製造する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SAPを原位置で重合させ、少なくとも60℃の温度および少なくとも3バールの圧力でプレスすることによって得ることができる、SAPおよび繊維からなる材料。
【請求項2】
少なくとも70℃の温度でプレスすることによって得ることができる、請求項1記載の材料。
【請求項3】
少なくとも80℃の温度でプレスすることによって得ることができる、請求項1記載の材料。
【請求項4】
少なくとも5バールの圧力でプレスすることによって得ることができる、請求項1から3までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項5】
少なくとも10バールの圧力でプレスすることによって得ることができる、請求項1から3までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項6】
水の添加時に1次元で少なくとも5倍膨脹し、別の2次元で20%未満膨脹する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項7】
水の添加時に1次元で少なくとも5倍膨脹し、別の2次元で20%未満膨脹する、SAPおよび繊維からなる材料。
【請求項8】
水の添加時に1次元で少なくとも10倍膨脹し、別の2次元で10%未満膨脹する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項9】
少なくとも0.5g/cmの密度ないし1.2g/cmの密度を有する、請求項1からまでのいずれか1項に記載の材料。
【請求項10】
ティーバッグと0.9%のNaCl溶液中での保持率との比が2より大きい、請求項1からまでのいずれか1項に記載の材料。
【請求項11】
0.9%のNaCl溶液中での保持率が3g/cmより大きい、請求項1から10までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項12】
圧縮から60日後の厚さの増加率が圧縮直後の厚さに対して100%未満である、請求項1から11までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項13】
FSEVが60秒後に未圧縮の材料と比較して少なくとも2倍である、請求項1から12までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項14】
FSEVが2分後に未圧縮の材料と比較して少なくとも60%高い、請求項1から13までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項15】
EVULが60秒後に未圧縮の材料と比較して少なくとも2倍である、請求項1から14までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項16】
EVULが2分後に未圧縮の材料と比較して少なくとも60%高い、請求項1から15までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項17】
0.9%のNaCl溶液中でのAAP(0.7psi)が5g/cmより大きい、請求項1から16までのいずれか1項に記載の材料。
【請求項18】
請求項1から17までのいずれか1項に記載の材料を含有する多層材料。
【請求項19】
水蒸気を吸収するための請求項1から18までのいずれか1項に記載の材料および多層材料の使用。
【請求項20】
水または水性液体、殊に体液を吸収するための請求項1から18までのいずれか1項に記載の材料および多層材料の使用。
【請求項21】
圧縮された材料を製造する方法において、SAPを原位置で重合させることによって得ることができるSAP、および繊維を含有する、60℃を超える温度および3バールを超える圧力でのプレスによって得ることができる圧縮された材料を製造する方法。

【公表番号】特表2006−504876(P2006−504876A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−547573(P2004−547573)
【出願日】平成15年10月28日(2003.10.28)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011930
【国際公開番号】WO2004/039493
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【Fターム(参考)】