説明

繊維ベール及び弾性繊維の包装方法

【課題】包装、貯蔵、輸送及び/又は使用に便利な、ポリマー繊維のようなバルク繊維材料、特に弾性を有するバルク繊維材料のベールの形成。
【解決手段】繊維を圧縮し、
繊維のまわりに実質的に直方体形のパッケージであって、パッケージが頂壁、底壁及び複数の側壁を含み、その少なくとも一つの壁がエバキュエータを含むパッケージを形成し、
パッケージをシールし、
パッケージをエバキュエータを通して排気して周囲環境圧力よりも低い内圧を達成せしめ、そしてその後
圧縮を解放する
ことを含んでなる方法によって製造された繊維ベール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なベール、パッケージ、包装システム、包装方法を提供する。本発明の態様は、アセテート繊維のようなポリマー繊維を含む、バルク繊維材料、繊維又は繊維状材料と使用するために、特によく適合されている。本発明のパッケージは、繊維の取扱、輸送、貯蔵及び/又は使用のために有利な、形状及び寸法を有する。
【背景技術】
【0002】
農産物、繊維、粒状製品等を含む原料商品は、しばしば、バルク形態で包装され、輸送され、そして貯蔵される。しばしばこれらの品物は、ベールの形態で包装され、輸送され、そして貯蔵される。典型的に、ベールには、束縛帯紐(ストラップ)、コード、針金等によって取り巻かれた材料の塊が含まれる。
【0003】
例えば、合成繊維及び天然繊維を含む繊維は、広範囲の種々の応用で有用であり、商業の至る所で見出される。多くの繊維は、バルクでベールの形態で、包装され、そして輸送される。典型的に、ベールには、束縛帯紐(ストラップ)、コード、針金等によって取り巻かれた繊維の塊が含まれる。
【0004】
典型的にベールにされる多くの繊維及び他の材料は、弾性を有し、そして圧縮されたとき跳ね返る。典型的な荷造り操作の間に、荷造りされる材料は、圧力下に圧縮されている。適用された圧力から解放されたとき、この弾性材料は、スプリングと同様の方式で作用し、膨張し又は跳ね返って、ベールの全ての表面上で圧力を生じる。現在、帯紐、留め金、コード、針金、ベルクロ(velcro)(登録商標)等を含む固定デバイス及びファスナーが、ベール膨張を制限するために使用されている。一般的に、ベールを取り巻くために複数個の固定デバイスが使用されている。
【0005】
弾性材料ベールのための帯紐のような固定デバイスの欠点は、固定デバイスが、ベールとのその接触点で局在化した束縛のみを与えることである。固定デバイスの何れかの側の材料は、部分的にのみ束縛され、そして跳ね返りを示し、隣接する固定デバイスの間の部分で、ベールを出っ張らせる傾向がある。ベール全体は、不均一な丸い形状を得る。更に、パッケージ全体の寸法は、時間の経過と共に変化するであろう。従って、これらの理由のために、ベールは積み重ねたり、平らに置くことが困難であり、それ故貯蔵、輸送又は使用のために不利となる。
【0006】
弾性材料ベールのための固定デバイスの他の欠点は、固定デバイスが、固定デバイスの接触点でのベール内の材料の過剰の圧縮を含む、局在化した損傷を起こすおそれがあることである。損傷された又は圧縮された材料は、ベールから材料を使用することが困難になるおそれがある。例えば損傷された又は圧縮された繊維は、ベールから処理装置の中に繊維を引っ張る際に困難を起こすことがある。
【0007】
弾性材料ベールのための固定デバイスの更なる欠点は、固定デバイス自体が張力下にあり得ることである。従って、切断の際に、固定デバイスは跳ね返りを示し、使用者にとって潜在的に危険を生じ得る。更に、ベールの部分は、張力の解放の際に破裂するおそれがある。これらの問題点の幾つかを最小にするために、圧縮させる材料の量を減少させ、それによってベール内の単位体積当たりの材料の量が少なくなって不利になることが生じる。
【0008】
固定デバイスを使用することに付随する欠点に加えて、幾つかの現存する包装オプションは、材料を環境に露出させる。その結果、包装された材料は、湿分、臭気、日光、ダスト等への露出を含む、環境力のために損傷されるおそれがある。
【0009】
繊維に関しては、多くの繊維は弾性であり、そして圧縮されたとき跳ね返る。典型的な荷造り操作の間に、荷造りされるべき繊維は、圧力下に圧縮されている。適用された圧力から解放されたとき、この弾性繊維は、スプリングと同様の方式で作用し、膨張し又は跳ね返って、ベールの全ての表面上で圧力を生じる。現在、帯紐、留め金、コード、針金、ベルクロ(登録商標)等を含む固定デバイス及びファスナーが、ベール膨張を制限するために使用されている。一般的に、ベールを取り巻くために複数個の固定デバイスが使用されている。
【0010】
弾性繊維ベールのための帯紐のような固定デバイスの欠点は、固定デバイスが、ベールとのその接触点で局在化した束縛のみを与えることである。固定デバイスの何れかの側の繊維は、部分的にのみ束縛され、そして跳ね返りを示し、隣接する固定デバイスの間の部分で、ベールを出っ張らせる傾向がある。ベール全体は、不均一な丸い形状を得る。更に、パッケージ全体の寸法は、時間の経過と共に変化するであろう。従って、これらの理由のために、ベールは積み重ねたり、平らに置くことが困難であり、それで貯蔵、輸送又は使用のために不利である。
【0011】
弾性繊維ベールのための固定デバイスの他の欠点は、固定デバイスが、固定デバイスの接触点でのベール内の繊維の過剰の圧縮を含む、局在化した損傷を起こすおそれがあることである。損傷された又は圧縮された繊維は、ベールから繊維を使用することが困難になることがある。例えば損傷された又は圧縮された繊維は、ベールから処理装置の中に繊維を引っ張る際に困難を起こすおそれがある。
【0012】
弾性繊維ベールのための固定デバイスの更なる欠点は、固定デバイス自体が張力下にあり得ることである。従って、切断の際に、固定デバイスは跳ね返りを示し、使用者にとって潜在的に危険が生じるおそれがある。更に、ベールの部分は、張力の解放の際に破裂するおそれがある。これらの問題点の幾つかを最小にするために、圧縮される繊維の量を減少させ、それによってベール内の単位体積当たりの繊維の量が、不利に少なくなる。
【0013】
固定デバイスを使用することに付随する欠点に加えて、幾つかの現存する包装オプションは、繊維を環境に露出させる。その結果、繊維は、湿分、臭気、日光、ダスト等への露出を含む、環境力のために損傷されるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
現在の包装技術に付随する前記の欠点に鑑みて、前記の問題点の多く又は全部に対する解決を提供する、新規なパッケージ及び包装方法を提供することが有利であろう。
【0015】
一般的な意味で、本発明は、バルク商品を含む、バルク材料のための真空包装及び真空包装技術の使用に関する。バルク商品には、これらに限定されないが、農業材料、繊維状材料、織物材料等が含まれる。本発明は、ベール、パッケージ、包装システム、包装方法及び包装装置を提供する。
【0016】
本発明の態様は、前記略述した欠点の多くを克服し、そしてバルク材料、特に繊維及び繊維状製品の、包装、貯蔵、輸送及び/又は使用のための利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一つの面は、バルク材料のベールを含む。
【0018】
一つの面に於いて、本発明は、バルク材料を含む内部容積を有するパッケージであって、内部容積が環境大気圧よりも低い圧力に置かれているパッケージを提供する。
【0019】
他の面に於いて、本発明は、環境大気圧よりも低い圧力にまで排気することができるチャンバーを形成する材料を含んで構成される包装システムを提供する。
【0020】
別の面に於いて、本発明は、バルク材料を、環境大気圧よりも低い圧力に置くことを含んでなるバルク材料の包装方法を提供する。
【0021】
更に別の面に於いて、本発明は、バルク材料を取り巻いて、チャンバーを形成する材料及び排気システムを含む、バルク材料を包装する装置を提供する。本発明の装置は、更に、バルク材料を圧縮するためのデバイスを含んでいてよい。
本発明は、バルク繊維材料、繊維及び/又は繊維状材料を包装するのに特に有利である。本発明に於いて使用するために有利な繊維の例は、以下の発明を実施するための最良の形態の項に記載する。バルク繊維材料又は繊維には、原繊維、加工繊維等が含まれる。繊維状材料には、織った繊維、編み繊維、織物を含む繊維から製造された材料等が含まれる。本発明は、ベール又は容器内で一般的に輸送される織物物品を包装するために、有利に使用することができる。繊維状材料が織物からなる本発明の態様は、本発明の織物パッケージのベール状特徴及び/又は本発明の態様に於いて使用することができるバリヤー材料のために、先行技術の真空セーターバッグ及びスーツケースバッグから区別することができる。
【0022】
一面に於いて、本発明は、繊維を含む内部容積を有するパッケージであって、内部容積が環境大気圧よりも低い圧力に置かれているパッケージを提供する。本発明は、また、バルク繊維材料を含む内部容積を有するパッケージであって、内部容積が環境大気圧よりも低い圧力に置かれているパッケージを提供する。更に、本発明は、繊維状材料を含む内部容積を有するパッケージであって、内部容積が環境大気圧よりも低い圧力に置かれているパッケージを提供する。
【0023】
他の面に於いて、本発明は、真空下でのバルク材料の包装のために有用である包装材料を提供する。この包装材料には、シールしたとき、少なくとも部分的真空(環境大気圧よりも低い、包装材料の内側の内部圧力)を、少なくとも24時間以上、典型的に48時間以上、好ましくは72時間以上維持することができる、フィルム、ラミネート等が含まれる。本発明の包装材料が、バルク材料を取り巻くために使用される態様に於いて、この包装材料は、理想的には、バルク材料内の膨張圧力が中和されるまで、少なくとも部分的真空を維持する。
【0024】
追加の面に於いて、本発明は、バルク材料を真空下で包装するために有用である、真空出口アセンブリを提供する。この真空出口アセンブリは、包装材料を通って伸びて、パッケージの内部雰囲気にアクセスできるように適合された出口を含むフランジ部分を含む。このフランジ部分は、一般的に、構造的支持を出口に与えるように、出口よりも大きい表面積を有する。一つの態様に於いて、フランジ部分及び出口は、実質的に円形であり、フランジ部分は、出口よりも大きい直径、典型的に、出口の直径の少なくとも1.5倍の直径を有する。使用の際に、フランジ部分は、パッケージの内側に残り、出口は、パッケージの壁を通ってパッケージの外側まで伸びている。出口は、真空吸引デバイスに取り付けるために適合させることができる。他の態様に於いて、出口は、空気がパッケージの内側から逃げることを許容するが、パッケージの中への空気の流れを制限する逆止弁からなっていてよい。真空出口アセンブリは、更に、漏洩を最小にするためにフランジ及び出口をパッケージにシールするためのシール、真空を作った後に出口をシールするためのカバー又はキャップからなっていてよい。
【0025】
別の面に於いて、本発明は、繊維を、環境大気圧よりも低い圧力で置くことを含む、繊維の包装方法を提供する。別の面に於いて、本発明は、繊維を、環境大気圧よりも低い圧力で置くことからなる、バルク繊維材料の包装方法を提供する。別の面に於いて、本発明は、繊維を、環境大気圧よりも低い圧力で置くことからなる、繊維状材料の包装方法を提供する。
【0026】
更に別の面に於いて、本発明は、繊維を取り囲んでチャンバーを形成するための材料及び排気システムを含む、繊維の包装装置を提供する。本発明の装置は、更に、繊維を圧縮するためのデバイスを含んでいてよい。更に別の面に於いて、本発明は、バルク繊維を取り囲んでチャンバーを形成する材料及び排気システムを含む、バルク繊維の包装装置を提供する。本発明の装置は、更に、バルク繊維を圧縮するためのデバイスを含んでいてよい。更に別の面に於いて、本発明は、繊維状材料を取り囲んでチャンバーを形成する材料及び排気システムを含む、繊維状材料の包装装置を提供する。本発明の装置は、更に、繊維状材料を圧縮するデバイスを含んでいてよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の態様は、前記発明の背景に記載した先行技術のパッケージ及び包装方法の欠点の多くを克服する。
【0028】
更に、本発明の態様は、下記の利点の1個又はそれ以上を有する。
【0029】
本発明のパッケージの或る態様に於いて、外部の包装又は束縛帯紐は必要でない。
【0030】
本発明のパッケージの或る態様に於いて、壁(wall)は、その中の製品を、環境水分からシールする水分バリヤーを提供する。
【0031】
本発明のパッケージの或る態様に於いて、壁は、パッケージ内の製品による臭気の捕捉を最小にする、臭気バリヤーを提供する。
【0032】
本発明のパッケージの或る態様に於いて、パッケージ寸法は、時間の経過と共に実質的に一定のままである。
【0033】
本発明のパッケージの或る態様に於いて、パッケージは、種々の方向で積み重ね及び貯蔵が可能である平らな表面を有する箱状のままである。
【0034】
本発明のパッケージの或る態様に於いて、繊維の密度(量)を、従来のベールに比較して10%以上増加させることができる。
【0035】
本発明のパッケージの或る態様に於いて、パッケージロゴ又はグラフィックを壁の外側に含ませることができる。
【0036】
本発明のパッケージの或る態様に於いて、破裂パッケージ又は差圧の欠損(lack of differential pressure)が、パッケージを爆発させない。
【0037】
本発明のパッケージの或る態様に於いて、パッケージは容易に開けることができる。
【0038】
本発明のパッケージの或る態様に於いて、バルク材料、繊維、バルク繊維状材料又は繊維材料を、パッケージを開いた後に増分的に使用できる。
【0039】
本発明のパッケージの或る態様に於いて、パッケージ寸法を、輸送及び/又は貯蔵のために、パレットに載せ易いように適合させることができる。
【0040】
本発明の包装システム、方法及び装置の態様は、本発明のパッケージ及び他のパッケージを作るために有利である。
本発明の特徴及び利点に関する更に詳細なことは、以下の発明を実施するための最良の形態の項に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のパッケージの態様を例示する。
【図2】本発明の態様に於いて使用するチャンバーの可能な態様を、分解図で例示する。
【図3】本発明の態様に於いて使用するチャンバーの他の可能な態様を、分解図で例示する。
【図4A】本発明の包装システムの態様を、分解図で例示する。
【図4B】本発明の包装システムの態様を、組立図で例示する。
【図5】本発明のパッケージの他の可能な態様の製造及びパッケージの最終形状を例示する。
【図6A】本発明の真空出口アセンブリの態様の図を示す。
【図6B】本発明の真空出口アセンブリの態様の図を示す。
【図6C】本発明の真空出口アセンブリの態様の図を示す。
【図6D】本発明の真空出口アセンブリの態様の図を示す。
【図7】本発明の装置の態様を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、バルク材料、バルク繊維材料、繊維又は繊維状材料と使用するのに有利な、ベール、パッケージ、パッケージのコンポーネント部品、包装システム、包装方法及び包装装置を提供する。
【0043】
本発明の態様は、典型的に、ベールで、包装され、輸送され及び/又は貯蔵される材料を含む、一般的に、バルク状で、包装され、輸送され及び/又は貯蔵される種々の材料を含んでいてよく及び/又はこれらの材料と共に使用することができる。このような材料の例には、これらに限定されないが、タバコ、バルク繊維材料、繊維、繊維状材料、綿、厚紙、干し草及び藁を含む農業産物が含まれる。これに関して、本発明のベール及びパッケージの或る態様は、少なくともそれらのサイズ及び体積に基づいて、コーヒーのような消費者製品のための従来公知のパッケージから区別することができる。本明細書に於ける記載から認められるように、本発明のベールは、ベールが使用される応用に於いて帯紐を使用する従来のベールのための代替物として使用するのに有利である。
【0044】
本発明の態様は、これらに限定されないが、ステープル繊維、トウ繊維、織物フィラメント繊維、例えば下記のものを含む広範囲の種々の繊維からなっていてよく及び/又はこれらの繊維と共に使用することができる。
【0045】
アセテート:酢酸セルロース、繊維形成物質が酢酸セルロースである製造繊維。92%以上のヒドロキシル基がアセチル化されている場合、「トリアセテート」なる用語を、この繊維の一般的記載として使用することができる。
【0046】
アクリル:繊維形成物質が少なくとも85重量%のアクリロニトリル単位(−CH2−CH[CN]−)xを含む任意の長鎖合成ポリマーである製造繊維;
【0047】
アニデックス(anidex):繊維形成物質が少なくとも50重量%の、一価アルコールとアクリル酸(CH2=CHCOOH]−)xとの1種又はそれ以上のエステルを含む任意の長鎖合成ポリマーである製造繊維;
【0048】
アラミド:繊維形成物質が、少なくとも85%のアミド(−CO−NH−)結合が2個の芳香族環の間に直接結合している、長鎖合成ポリアミドである製造繊維;
【0049】
アズロン:繊維形成物質が、任意の再生された、天然に生じるタンパク質を含む製造繊維;
【0050】
複合:複合繊維(bicomponent fiber)は、同じフィラメント内で両方のポリマーで同じ紡糸口金から押し出された、異なった化学的及び/又は物理的性質の2種のポリマーを含む;
【0051】
綿;
羊毛;
他の天然繊維、例えば亜麻、大麻、アンゴラ、毛皮等;
【0052】
エラストエステル:エラストエステルは、少なくとも50重量%の脂肪族ポリエーテル及び少なくとも35重量%のポリエステルとして定義された、公式の米国連邦取引委員会(US Federal Trade Commission)の一般繊維の種類である;
【0053】
ガラス:e−ガラス、s−ガラス及びその他の鉱物繊維を含む;
炭素繊維;
【0054】
リオセル(lyocell):有機溶媒紡糸方法によって得られたセルロース繊維、ここで、
1)「有機溶媒」は、有機化学薬品と水との混合物を意味し、そして
2)「溶媒紡糸」は、誘導体の形成無しに、溶解しそして紡糸することを意味する;
【0055】
メラミン:繊維形成物質が、少なくとも50重量%の架橋したメラミンポリマーを含む合成ポリマーである製造繊維;
【0056】
金属:金属、プラスチック被覆された金属、金属被覆されたプラスチック又は金属によって完全に覆われたコアを含む製造繊維;
【0057】
モダクリル:繊維形成物質が、85重量%よりも少ないが、少なくとも35重量%のアクリロニトリル単位(−CH2CH[CN]−)xを含む任意の長鎖合成ポリマーである製造繊維;
【0058】
ナイロン:繊維形成物質が、85%よりも少ないアミド(−CO−NH−)結合が、2個の脂肪族基に直接結合している、長鎖合成ポリアミドである製造繊維;
【0059】
ニトリル:少なくとも85%の、ビニリデンジニトリル(CH2C[CN]2−)xの長鎖ポリマー(但し、ビニリデンジニトリル含有量は、ポリマー鎖中の全ての他の単位よりも少なくない)を含有する製造繊維;
【0060】
オレフィン:繊維形成物質が、少なくとも85重量%のエチレン、プロピレン又は他のオレフィン単位を含む任意の長鎖合成ポリマーである製造繊維;
【0061】
PBI:繊維形成物質が、ポリマー鎖の一体部分として繰り返しイミダゾール基を有する長鎖芳香族ポリマーである製造繊維;
【0062】
PEN:ポリエチレンナフタレート;
PLA:ポリラクチド繊維又はポリ乳酸繊維;
【0063】
ポリエステル:繊維形成物質が、少なくとも85重量%の、これらに限定されないが、置換テレフタル酸単位p(−R−O−CO−C64−CO−O−)x及びパラ置換ヒドロキシ安息香酸エステル単位p(−R−O−CO−C64−O−)xを含む、置換された芳香族カルボン酸のエステルを含む任意の長鎖合成ポリマーである製造繊維;
【0064】
ポリプロピレン:繊維形成物質が、少なくとも85重量%のエチレン、プロピレン又は他のオレフィン単位を含む任意の長鎖合成ポリマーである製造繊維;
【0065】
レーヨン:置換基がヒドロキシル基の水素の15%以下を置換した、再生セルロースを含んでなる製造繊維;
【0066】
サラン:繊維形成物質が、少なくとも80重量%の塩化ビニリデン単位(−CH2−CCl2−)xを含む任意の長鎖合成ポリマーである製造繊維;
【0067】
スパンデックス:繊維形成物質が、少なくとも85%のスルフィド(−Sn−)結合が、2個の芳香族環に直接結合している、長鎖合成ポリスルフィドである製造繊維;
【0068】
サルファ(sulfar):繊維形成物質が、少なくとも85%のスルフィド(−Sn−)結合が、2個の芳香族環に直接結合している、長鎖合成ポリスルフィドである製造繊維;
【0069】
トリアセテート:トリアセテートは、セルロースを酢酸及び無水酢酸からのアセテートと一緒にすることによって、セルロースから誘導される。セルロースアセテートは、紡糸のために、塩化メチレンとメタノールとの混合物中に溶解される。フィラメントが紡糸口金から出てくるとき、溶媒が暖かい空気中で蒸発され−乾式紡糸−、殆ど純粋のセルロースアセテートの繊維を残す。トリアセテート繊維は、アセテート繊維よりも高いアセテート対セルロースの比を含む;
【0070】
バイナル(vinal):繊維形成物質が、少なくとも50重量%のビニルアルコール単位(−CH2CH[OH]−)xを含み、ビニルアルコール単位の合計及び種々のアセタール単位の何れか1種又はそれ以上が、繊維の少なくとも85重量%である、任意の長鎖合成ポリマーである製造繊維。
【0071】
ビニヨン(vinyon):繊維形成物質が、少なくとも85重量%の塩化ビニル単位(−CH2CHCl−)xを含む任意の長鎖合成ポリマーである製造繊維。
【0072】
本明細書の目的のために、他の方法で示さない限り、本明細書中で使用される、成分の量、反応条件等を表す全ての数字は、全ての例に於いて、用語「約」によって修飾されるとして理解されるべきである。従って、反対に示されない限り、下記の明細書に於いて記載された数字パラメーターは、本発明によって得ることが求められている所望の特性に依存して変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲の範囲に均等論を適用することを制限する試みとしてではなく、それぞれの数値パラメーターは、少なくとも、報告された有意の数字の数に照らしてそして通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。
【0073】
本発明の広い範囲を記載している数値範囲及びパラメーターが近似値であるにもかかわらず、特別の実施例で記載された数値は、できるだけ正確に報告する。しかしながら、全ての数値は、本来、それらのそれぞれの試験測定値に見出される標準偏差から必然的に得られる一定の誤差を含んでいる。更に、本明細書に開示した全ての範囲は、その中に含まれた全ての下位範囲及び端点の間の全ての数字を包含すると理解されるべきである。例えば「1〜10」の記載範囲は、1の最小値と10の最大値(これらを含む)との間の全ての下位範囲、即ち、1以上の最小値で始まる全ての下位範囲、例えば1〜6.1及び10以下の最大値で終わる下位範囲、例えば5.5〜10並びに端点内で始まり且つ終わる全ての範囲、例えば2〜9、3〜8、3〜9、4〜7、最後に、この範囲内に含まれるそれぞれの数字1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10を含むと考えるべきである。更に、「本明細書中に含める」として引用した全ての参照文献は、その全部が本明細書に含められるとして理解されるべきである。
【0074】
更に、本明細書で使用される単数形には、明白に、曖昧にではなく1個の指示物に限定されない限り、複数の指示物を含むことを指摘する。
【0075】
本発明の一つの面は、バルク材料を含むシールされたチャンバーを含んでなるパッケージであって、チャンバーが、環境大気圧よりも低い最初の圧力下に置かれているパッケージである。好ましくは、このチャンバーは、気密的にシールされている。このシールされたチャンバーは、内部チャンバー容積を規定する、頂壁、底壁及び複数の側壁を含む複数の壁からなっていてよい。シールされたチャンバーは、また、シールすることができる、好ましくは気密的にシールすることができる、バッグ又は同様の容器からなっていてよい。本発明を、壁からなる実質的に箱形(僅かに丸屋根の直方体)態様を参照して説明するが、本発明の態様は、このように限定されず、従って、シールされたチャンバーは他の形状をとることができる。シール可能なバッグ又は容器の構成及び組成は、チャンバー壁を参照して以下に説明する構成及び組成と同様であってよい。
【0076】
本発明の態様に於いて、壁は、真空の導入の前は、包装すべきバルク材料の幾何学的体積に実質的に一致するように、十分に可撓性であり且つ弾性であってよい。同様に、バルク材料の体積は、壁に対する構造的支持を与えることができる。
【0077】
壁は、ポリマーフィルム、例えばポリエチレン(「PE」);ポリプロピレン(「PP」);エチレンビニルアルコールポリマー(「EVOH」);ナイロン;マイラー;ポリエチレンテレフタレート(「PET」);ポリエチレンテレフタレートグリコール(「PETG」);ポリイミド;ポリアミド;デラウエア州ウィルミントン(Wilmington)のイー・アイ・デュポン・デ・ニモアス社(E. I. du Pont de Nemours and Company)によって製造販売されている、タイベク(Tyvek)(登録商標)保護材料;イリノイ・ツール・ワークス社(Illinois Tool Works, Inc.)のディビジョンによって製造販売されている、バレロン(Valeron)(登録商標)強度フィルム(後で説明する);BO(二軸延伸)ナイロン;LLDPE(線状低密度ポリエチレン);ULLDPE(超線状低密度ポリエチレン);SiOx(二酸化ケイ素)−ナイロン;SiOx−PET等からなるフィルムを含んでいてよく、シーリング及び真空の導入の前に、可撓性及びレジリエンスの程度を変化させることができる。このポリマーフィルムは、強度及び/又は耐破壊性を与えることができる。この壁は、単一層又はラミネート構造の形態をとることができる複数の層からなっていてよい。前記のように、ポリマーフィルムは、セラミック材料、酸化物等、例えば二酸化ケイ素で被覆することができる。適切なフィルムラミネートは、例えばSiOxナイロン/バレロン(登録商標)/LLDPEを含んでいてよい。
【0078】
壁は、付加的に又は代替的に、アルミニウム、スズ、ニッケル及び/又は合金を含む金属箔を含んでいてよい。
【0079】
バルク材料が、水分及び/又は他の環境要素によって分解を受け得る、本発明の或る態様に於いて、壁は、内容物を外部環境からシールするガス、水分及び/又は臭気バリヤーを提供することができる。
【0080】
壁は、更に、アルミニウム及び/又は他の金属のシート又は格子、厚紙、木材、合成繊維又は天然繊維を含む織材料、織帯等を含む、バリヤー要素、構造支持体及び/又は保護要素を含んでいてよい。バリヤー要素は、バルク材料に悪影響を与えるおそれのあるもの、例えば化学蒸気、水、赤外線等に対するバリヤーを与えることができる。この壁は、フィルム及びこれらの追加の層を含有するラミネートを含んでいてよい。ラミネート内のそれぞれの層は、1個又はそれ以上の機能を与えるように選択することができ、例えばアルミニウム層は、ガスバリヤーを与えることができ、そしてまた、増加した耐破壊性を与えることができる。
【0081】
一般的に、壁の厚さは、パッケージの内部の少なくとも部分的真空を、24時間以内、典型的に、包装されているバルク材料内の膨張力を実質的に中和させるために十分な時間、維持するために十分であろう。典型的な厚さは後で説明する。
【0082】
少なくとも1個の壁、側、頂又は底壁は、チャンバーを排気するエバキュエータ(排気具)を含むであろう。本明細書で使用する「エバキュエータ」は、ガス(例えば空気)をチャンバーの内部容積から除去することを可能にする、バルブ、ポート、チューブ、ホース等を指す。適当なエバキュエータには、これらに限定されないが、当該技術分野で公知のもの、例えばチャンバーを排気させるようにする、真空逆止弁、真空すり合わせ(vacuum fitment)又はシール可能ポートが含まれる。本発明に於いて使用するのに適している真空逆止弁の例は、米国特許第6,056,439号明細書(その開示を引用して本明細書に含める)に記載されている。応用に依存して、1個又はをれ以上の壁に、複数のエバキュエータ、例えば真空逆止弁を使用することができる。
【0083】
上記の排気具に加えて又はその代わりに、本発明の態様は、続いてフィンシール又はラップシールでシールされるポートからなっていてよい。
【0084】
一つの面に於いて、本発明は、本発明の態様に於けるエバキュエータとして使用するのに適している真空出口を提供する。この真空出口を、後で更に詳細に説明する。
【0085】
用語「環境大気圧よりも低い」は、その通常の意味と一致する様式で使用され、ここで、環境は、パッケージが形成される場所での標高海抜/海面下(altitude above / below sea level)及び温度を指す。環境大気圧よりも低いことは、また、少なくとも部分的真空が始まる圧力を意味すると理解される。従って、本発明のパッケージ内のチャンバーの内部容積の圧力は、少なくとも部分的真空下に置かれている。
【0086】
標準環境大気圧は、25セルシウス度(「℃」)で海面で、101,325パスカル(「Pa」)、101.325kPaの圧力であると理解される。当業者によって理解されるように、大気圧は、標高及び温度の関数として変化し、従って、本発明の態様に於ける環境大気圧よりも低い圧力は、それに応じて変化する。本発明のパッケージの態様は、一般的に、チャンバーを排気する処理装置の能力によって決定される下限と、環境大気圧よりも低い上限との間の内部圧力を有するシールされたチャンバーを含む。一般的に、本発明のパッケージの態様は、16,000〜101,325Pa未満、更に詳しくは40,000〜92,000Pa、或る態様に於いて50,000〜70,000Paの内部圧力を有する。
【0087】
パッケージが、ベールの中に圧縮されたとき、跳ね返り、そして外側への圧力を及ぼす弾性バルク材料からなる本発明の態様について、ベール成長を防止するための内部チャンバー圧力は、一般的に、平衡を維持するために、面積当たりの繊維力マイナス大気圧に等しいであろう。内部チャンバー圧力は、具体的な応用のために所望のように、より大きいか又はより小さくてよい。チャンバー内のベールの密度は真空圧力と共に変化するであろう。
【0088】
本明細書で使用する「シールされた」なる用語は、その一般的に受け入れられる意味と一致する様式で、気体状物質(例えば空気)又は他の流体の通過に対して実質的に完全に密閉されたことを指すものとして使用される。チャンバー又はパッケージがシールされたままである程度は、部分的に、チャンバーを形成するために使用された材料の透過度、例えばポリマーフィルムの透過度に依存するであろう。
【0089】
本発明の有利な態様に於いて、パッケージを、少なくとも2日間、最初の部分的真空を維持できるように、十分にシールしなくてはならない。好ましくは、本発明のパッケージは、最初の排気の時点から繊維を使用する時点まで、少なくとも部分的真空を維持するために十分にシールされるであろう。例えばある種の工業的応用のために、パッケージ充填と使用との間の平均時間は30日であり、従って、本発明のパッケージのために、少なくとも部分的真空を少なくとも45日間維持することが有利である。本発明の或る態様のために、少なくとも部分的真空を、少なくとも300日間又は365日以下までも維持することが有利であろう。
【0090】
本明細書に含まれる説明から理解されるように、或る態様に於いて、本発明の特徴及び利点は、バルク材料からなるチャンバーの内部容積を、環境大気圧よりも低い圧力で置くことによって、内部容積内の圧力は時間の経過と共に変化し、そして最終的に環境大気圧にまで戻るであろうが達成できる。用語「最初の圧力」は、本明細書に於いて、チャンバーを最初にシールするときの圧力を記載するために使用する。
【0091】
後で更に詳細に説明するように、シーリングは、繊維を取り巻く材料の壁縁及び/又は他の開口部分を接合する、一般的な方法、例えば溶接、テープ張り、接着、融合又は他の方法によって達成することができる。適当な溶接技術には、熱溶接及び誘導溶接が含まれる。シールは、また、ジップロックバッグと同様の方式でインターロッキングチャンネル(interlocking channels)又はジッパー状部分を使用することによって、機械的に作ることができる。
【0092】
本発明のパッケージは、更に、追加の壁及び/又はシールされていない包装を含んでいてよい。例えば本発明のパッケージは、輸送及び/又は貯蔵のために、織材料、バッグ又は厚紙箱の内側に置くことができる。一つの態様に於いて、本発明は、酸素バリヤーを与えるために十分なシールされた壁からなり、更に追加の水分バリヤーを与えるために十分な外側包装材料を含む、シールされたパッケージを含んでなる。外側包装材料は、また、移動、輸送及び貯蔵の間の追加の保護を与えることができる。
【0093】
更に、壁の外側又は外側包装材料は、印刷又はグラフィックを含んでいてよい。
【0094】
本発明のパッケージの態様は、貯蔵するとき有利に積み重ねることができる。パッケージが真空を維持するために十分にシールされたままであることが、しばしば好ましいが、積み重ねられたパッケージ内で真空が失われる場合、真空の適用からの結果である繊維の膨張力の減少のために、パッケージは実質的に同じ形状を保持することができる。従って、本発明のパッケージの利点の多くは、最初の真空が、時間の経過と共に使用前に損なわれたとしても、残るであろう。
【0095】
本発明の態様は、任意の物理的サイズも有することができ、本発明の範囲から逸脱することなく、どのような寸法のものであってもよい。
【0096】
本発明の或る態様は、一般的なプロセス装置で使用するために適している、一般的な繊維のベールの寸法、即ち、一般的に、幅80〜120センチメートル(「cm」)×長さ100〜150cm×高さ105〜155cmにほぼ等しい寸法を有するであろう。一般的なプロセス装置で使用するための好ましい寸法は、幅95〜105cm×長さ115〜125cm×高さ120〜135cmである。
【0097】
商業的プロセス装置で使用するために、本発明のパッケージの態様は、一般的に、0.9〜2.3立方メートル(m3)、更に詳しくは1.2〜1.8m3、或る態様に於いて1.4〜1.6m3の内部容積を有する、シールされたチャンバーを含む。一般的なベールサイズ用に設定されたある種の処理装置内で使用するために、本発明のパッケージの態様は、約1.7〜2m3の一般的なベールにほぼ等しい内部容積を有する、シールされたチャンバーからなる。
【0098】
本発明のパッケージの態様は、立方体形、直方体形、円柱形、円錐形、角錐形、球形、実質的球形、実質的直方体形等を含む任意の形状からなっていてよい。「直方体形」は、幾何学に於けるその意味と一致する様式で使用され、ここで、これは直角平行六面体、例えば比較的直角の角並びに全て等しくはない長さ、幅及び高さを有する箱形体積を表す。輸送、取扱い、貯蔵及び使用のために、立方体形、直方体形、実質的立方体形又は実質的直方体形が好ましい。従来公知の繊維ベールと同様の様式で使用するために設計された、本発明のパッケージの態様は、好ましくは、繊維ベールのもの、即ち実質的に直方体形に近似する幾何学的体積を有する。
【0099】
本明細書中の説明から理解されるように、本発明の態様は、完全に直角の角を有していなくてもよく、そして面は、完全に平面でなくてもよい。例えば後で説明するように、本発明のパッケージの態様は、それらの頂面及び/又は底面で、僅かに冠状又は弧状の面を示してよい。従って、本明細書に記載した本発明の態様の形状の全ての説明は、本明細書に於いて形状を一般的に説明するために使用されると理解されるべきである。
【0100】
本発明の或る態様の別の面は、包装されたバルク材料が、減少した膨張する傾向を示すことである。その結果、パッケージは時間の経過と共に実質的に均一な形状を維持する。
【0101】
本発明の或る態様の一面は、バルク材料の平面度(flatness)が、非真空状態で束縛されたバルク材料の対応する体積の平面度に比較して増加すること、例えばパッケージの壁が実質的に平らなままであることである。本発明の態様に於いて、壁の縁と壁の中心点との間の高さに於ける差は、8センチメートル(「cm」)よりも小さい、好ましくは5cmよりも小さい、更に好ましくは3cmよりも小さい、或る態様に於いて1cmよりも小さい。例えば直方体形態様を参照して、頂壁及び底壁は実質的に平らで、頂壁又は底壁の縁と、頂壁又は底壁の中心点との間の高さに於ける差は、8cmよりも小さい、好ましくは5cmよりも小さい、更に好ましくは3cmよりも小さい、なお更に好ましくは1cmよりも小さいようなものである。この平面度は、本発明のパッケージの輸送、貯蔵及び使用のための利点を与える。
【0102】
本発明の或る態様の別の面は、積み重ねを容易にし、グラフィックを含め若しくは情報をラベル化するために又は他の目的のために、チャンバーの壁をエンボスできることである。このエンボス形成は、荷造りプラテン(baling platen)の部分及び/又は荷造りチャンバーの底に、ポジティブレリーフを作り、そしてこのプラテンを使用して、本明細書に記載した方式で繊維を圧縮することによって達成できる。当業者によって認められるように、「荷造りプラテン」は、材料を圧縮するために使用される油圧ラムアセンブリの平らな板である。一つの態様に於いて、パッケージは、頂側上の「ポジティブ」エンボス部分及び/又は底側上の「ネガティブ」エンボス部分を含み、積み重ねたときパッケージの重なり合いを容易にするようになっている。代わりの態様に於いて、パッケージの底側を溝でエンボスして、フォークリフトのフォーク部分の、パッケージの下への挿入を容易にすることができる。本明細書に記載したように、チャンバー壁がフィルムからなっているとき、この壁は、壁内に含まれるバルク材料の塊の形状に実質的に一致する。
【0103】
本発明の或る態様の特徴は、パッケージが、一般的なフォークリフト及びパレットを移動するための同様の装置を使用して、取扱い及び貯蔵を容易にする、例えばそれらの頂及び/又は底の上のエンボスされたレリーフからなることである。
【0104】
本発明は、バルク繊維材料、繊維又は繊維状材料で使用するために有利である。本発明の一つの態様は、環境大気圧よりも低い最初の圧力で内部容積を有するシールされたチャンバーを含み、この内部容積がバルク繊維材料を含むパッケージを提供する。他の態様に於いて、本発明は、環境大気圧よりも低い最初の圧力で内部容積を有するシールされたチャンバーを含み、この内部容積が繊維を含むパッケージを提供する。別の態様に於いて、本発明は、環境大気圧よりも低い最初の圧力で内部容積を有するシールされたチャンバーを含み、この内部容積が繊維状材料を含むパッケージを提供する。このパッケージに関する詳細は、バルク材料を含む本発明の態様を参照して、前に記載している。
【0105】
本発明の或る態様の利点は、本発明のパッケージ内の材料又は繊維の密度を、非真空条件下での材料又は繊維の、例えば帯紐によって束縛された従来のベールの、対応する体積の密度に比較して、増加させることができることである。本発明の態様は、束縛帯紐でベール内に包装された同様の繊維又は材料の密度の、1.1〜2.0倍、典型的に1.1〜1.5倍の、パッケージ内の繊維又は材料の密度増加を示すことができる。
【0106】
本発明の或る態様の追加の利点は、本発明のパッケージ内の繊維又は材料の密度が、実質的に均一であることである。
【0107】
本発明の或る態様の別の利点は、本発明のパッケージの全体重量を、非真空条件下での繊維又は材料の、例えば帯紐によって束縛された従来のベールの、対応する体積の重量に比較して、増加させることができることである。本発明の態様は、ほぼ同じ体積の、束縛帯紐を有する従来のベールを超えた、重量に於ける1.1〜2倍の増加、典型的に1.1〜1.5倍の増加を示すことができる。
【0108】
本発明の態様は、これらの利点又は本明細書中に記載した他の利点の1個又はそれ以上を示すことができる。
【0109】
本発明のパッケージ内の材料又は繊維の密度及びパッケージの全体重量は、パッケージ内の材料又は繊維の組成に依存する。例えば幅95〜105cm×長さ115〜125cm×高さ120〜135cmの、アセテートトウ繊維を含んでなる本発明の実質的に直方体形(箱状)態様は、825〜1175kg、典型的に880〜1130kgの全体質量を有する。このパッケージ内の繊維の密度は、0.2〜0.9グラム/立方センチメートル(g/cc)、典型的に0.48〜0.82g/cc、しばしば0.50〜0.78g/ccの範囲である。
【0110】
本発明のパッケージの態様に関する更に詳細なことは、添付する図面を参照して後で記載する。
【0111】
他の面に於いて、本発明は、バルク繊維材料、繊維及び繊維状材料を含む、バルク材料を包装するための、包装システム又はキットを提供する。一つの面に於いて、この包装システムは、シール可能なチャンバーを含み、このチャンバーはエバキュエータを含む。
【0112】
一つの態様に於いて、包装システムは、相互にシールして、シールされたチャンバー、好ましくは気密的にシールされたチャンバーを形成することができる、複数の壁を含んでいてよい。それぞれの壁には、シール表面を与えるための、前もって折り重ねられた縁又はフラップが設けられていてよい。別の態様に於いて、壁は、相互にラップシールすることができる。少なくとも1個の壁には、更に、少なくとも1個のエバキュエータ、例えば真空すり合わせ、真空すり合わせ逆止弁又は組立後にチャンバーから真空を引くことを可能にするポートが含まれる。その代わりに、包装システムは、シール可能なバッグ又は容器からなっていてよい。この包装システムの特徴は、本発明のパッケージに関して本明細書中に記載したものと実質的に同様である。
【0113】
別の面に於いて、本発明は、バルク材料の体積の周りにシール可能なチャンバーを形成すること、チャンバーを排気して、環境大気圧よりも低いチャンバー内の内部圧力を作ること及びチャンバーをシールすることを含む、バルク材料の包装方法を提供する。
【0114】
この方法は、更に、バルク材料の体積を圧縮することを含む。この圧縮工程は、バルク材料の体積の周りのチャンバーの形成を完結する前に行うことができ又はチャンバーを形成した後に行って、その後チャンバーを排気することができ又は両方を行うことができる。
【0115】
別の面に於いて、本発明は、バルク繊維材料、繊維又は繊維状材料の体積の周りにシール可能なチャンバーを形成すること、チャンバーを排気して、環境大気圧よりも低いチャンバー内の内部圧力を作ること及びチャンバーをシールすることを含む、バルク繊維材料、繊維又は繊維状材料の包装方法を提供する。
【0116】
この方法は、更に、材料又は繊維の体積を圧縮することを含む。この圧縮工程は、材料又は繊維の体積の周りのチャンバーの形成を完結する前に行うことができ又はチャンバーを形成した後に行って、その後チャンバーを排気することができ又は両方を行うことができる。
【0117】
バルク材料、バルク繊維材料、繊維又は繊維状材料を包装するための、本発明の方法の前記の態様に関して、チャンバーの排気によって、チャンバー内の少なくとも部分的真空、実際には環境大気圧よりも低い内部圧力が作られる。材料又は繊維の体積について、例えば跳ね返りのために外に向かう圧力を発揮する傾向を最小にするために、排気は、チャンバーをシールした後に、単位面積当たりの材料又は繊維によって発揮される力マイナス大気圧に等しい真空圧力を作るために少なくとも十分でなくてはならない。排気は、単位面積当たりの材料又は繊維によって発揮される力マイナス大気圧よりも低い、或る態様に於いては、単位面積当たりの材料又は繊維によって発揮される力マイナス大気圧よりも実質的に低い、チャンバー内の内部圧力を得るように実施することができる。真空によって引かれる圧力は、一般的に、単位面積当たりの繊維によって発揮される力以上である。
【0118】
シール可能なチャンバーを形成する工程は、頂壁、底壁及び複数の側壁を含む、複数の壁を組み立てる工程を含んでいてよい。壁は、個々の壁パネルを相互に組み立て、そしてシールすることによって組み立てることができる。或る態様に於いて、1個又はそれ以上の壁は、折るか又は折り目を付けた単一の材料片から形成することができる。その代わりに、シール可能なバッグ又は容器に関して、シール可能なチャンバーを形成する工程は、材料又は繊維をバッグ又は容器の中に入れる工程及び次いで開口をシールする工程を含んでいてよい。
【0119】
本発明の方法の態様の特徴は、材料又は繊維を圧縮する工程を利用して、チャンバー内の部分的真空、実際には環境大気圧よりも低い圧力を作ることができることである。例えば材料又は繊維を、真空逆止弁を有するシール可能なチャンバー内に置き、チャンバーをシールし、次いでシールしたチャンバー内で繊維を圧縮する。圧縮の間に、チャンバー内の空気及びガスを、真空逆止弁を通してチャンバーから外に強制的に出す。その結果、平衡に達したとき圧縮力を解放すると、少なくとも部分的真空、即ち環境大気圧よりも低い圧力がシールしたチャンバー内に作られる。
【0120】
この本発明の方法の工程は、異なった順序で実施することができる。一つの態様に於いて、本発明の方法は、材料又は繊維を用意する工程、材料又は繊維を圧縮する工程、材料又は繊維の周りにシール可能なチャンバーを形成する工程、チャンバーをシールする工程、チャンバーを排気する工程及び次いで圧縮を解放する工程を含む。
【0121】
代わりの態様に於いて、本発明の方法は、材料又は繊維を用意する工程、材料又は繊維の周りにシール可能なチャンバーを形成する工程、チャンバーをシールする工程、チャンバー内の空気を逃がし、それによってチャンバーを少なくとも部分的に排気しながら、材料又は繊維を圧縮する工程及び次いで圧縮を解放する工程を含む。
【0122】
他の態様に於いて、本発明の方法は、材料又は繊維を用意する工程、材料又は繊維を圧縮する工程、圧縮した材料又は繊維を束縛する工程、圧縮を解放する工程、材料又は繊維の周りにシール可能なチャンバーを形成する工程、チャンバーをシールする工程、チャンバーを排気する工程及び次いで束縛を解放する工程を含む。
【0123】
上記の工程に加えて、本発明の態様は、更に、シールしたパッケージを追加の包装材料で取り巻く工程を含んでいてよい。本発明の或る態様の特徴は、材料又は繊維内の減少した膨張力のために、本発明のパッケージを、例えば荷造り装置から取り出した後に、追加の材料で一層容易に取り巻くことができることである。
【0124】
本発明の方法の態様に関する更に詳細は後で述べる。
【0125】
別の面に於いて、本発明は、バルク材料を包装するのに有利である装置を提供する。本発明の別の面は、バルク繊維材料、繊維又は繊維状材料を包装する装置である。
【0126】
本発明の装置の態様は、本発明の包装システムを含んでいてよい。この態様は、更に、排気システムを含んでいてよい。更に又は代替的に、この態様は、なお更に、バルク材料の塊を圧縮するためのデバイスを含んでいてよい。
【0127】
代わりの態様に於いて、本発明の装置は、シール可能なチャンバーを形成する材料及び材料又は繊維の塊を圧縮するデバイスを含む。材料又は繊維は、チャンバー内にある間に圧縮することができ又は圧縮し、次いでチャンバーによって取り巻くことができる。本発明の装置内でチャンバーを形成するための材料は、本明細書に於いて、本発明のパッケージ内の壁又はチャンバーを形成するために適しているとして同定した材料を含む。材料又は繊維の塊を圧縮するためのデバイスは、市販の荷造り装置からなっていてよい。一般的に、このような荷造り装置には、材料又は繊維の塊を置く容器、材料又は繊維の塊を圧縮する油圧ラム並びにラムを操作するモーター及びプロセス制御が含まれる。
【0128】
本発明の装置に適している排気システムには、真空装置及び付属するホースが含まれていてよい。この排気システムは、材料又は繊維を含有するチャンバーを、環境大気圧よりも低い圧力まで、好ましくは、本発明のパッケージを参照して本明細書中で検討した圧力まで排気することができなくてはならない。排気システムの例は、真空製造装置及びデバイスをチャンバーに連結するための付属するホースを含む。排気システムには、更に、真空を引くために使用する機械を操作するためモーター及びプロセス制御が含まれる。
【0129】
本発明の装置に関する更に詳細なことは、添付する図面を参照して後で述べる。
【0130】
本発明のパッケージの態様は、本発明の包装システム、方法又は装置を使用して有利に製造することができ又は他の手段によって製造することができる。
【0131】
本発明を、繊維を含む、図面に例示した特別の態様を参照して更に詳細に説明する。これらの下記の特別の態様は、繊維を参照して説明するが、バルク材料、バルク繊維材料及び繊維状材料を含む類似の態様も、本発明の範囲内であることが理解されるべきである。
【0132】
図1は、本発明のパッケージの態様を示す。図1に示すように、パッケージ2は、頂表面12、底表面14及び側表面16、18、20及び22を有する実質的に直方体形の形状を含んでいてよい。これらの表面は、好ましくは、任意の表面の任意の冠形成又はドーム形成が、8cmよりも小さい、好ましくは5cmよりも小さい、更に好ましくは3cmよりも小さい、或る態様に於いては1cmよりも小さいように、実質的に平らである。この寸法を、図1に於いて、頂表面12を参照して、「A」として示す。
【0133】
図2に、本発明の態様のためのチャンバーの可能な態様の分解図を示す。図2に示すように、シールされたチャンバーは、頂壁12、底壁14及び側壁16、18、20及び22を含む複数の壁を含んでいてよい。側壁は、例えば継ぎ目24で、折り曲げ、接着されている1枚のシート材料から形成することができる。この形状は、ガース片(girth piece)として参照することができる。或る態様に於いて、頂壁12は、或る機械での使用を容易にするために、底壁14よりも僅かに大きい。
【0134】
それぞれの壁は、ポリマーフィルム又は同様のシール可能な、好ましくは気密的にシール可能な材料を含んでいてよく、適当なポリマーフィルムは、前記した。図2に示した態様に於いて、それぞれの壁が、ポリマーフィルムとバリヤー要素、構造支持体又は保護材料を含むラミネート構造が使用されている。この要素は、アルミニウム、スズ、厚紙又は類似の材料を含んでいてよい。
【0135】
本発明の態様は、具体的な最終用途に望まれる特性を達成するために、異なった壁材料及びラミネートを使用することができる。壁材料又はラミネートの場合に、それぞれの層は、異なった水分及びガス透過度を有していてよい。壁材料がポリマーフィルムを含んでなる本発明の態様に於いて、フィルムは、水蒸気流入に対して保護することができ、そして酸素バリヤー及び臭気バリヤーを与えることができる。ラミネート構造に於いて、ラミネート中のフィルムは、水分バリヤーとして使用することができ、他のフィルムは酸素バリヤーとして使用することができる。
【0136】
一般的に、水分バリヤーが重要である本発明の態様のために、ポリマーフィルム壁要素は、38℃で100平方インチ当たり24時間当たり、0.001〜4.3グラム/ミリリットル(「g/mL」)、好ましくはこれらの条件で0.003〜0.3g/mLの水蒸気透過度を有する。同様に、酸素バリヤーが望ましい場合に、壁要素は、25℃で100平方インチ当たり24時間当たり、0.001〜185、好ましくは0.001〜0.06立方センチメートルの酸素透過度を有する。壁要素はラミネートの形で組み合わせることができる。ラミネートの外部層のために、酸素バリヤーを保護する水分バリヤーを与えることが有利である。例えばポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/金属フィルムラミネートを使用することができ、この場合に、ポリエチレンがシール、好ましくは気密シールを作り、そして維持する際の助けになり、ポリエチレンテレフタレートが強度及び水分バリヤーを与え、そして金属が臭気及び酸素バリヤーを与える。これらに限定されないが、PE/ナイロン/PET、PE/EVOH/PET/PE、SiOx−ナイロン/バレロン(valeron)(登録商標)/LLDPE、BOナイロン/バレロン(登録商標)/LLDPE/EVOH/ULLDPE、バレロン(登録商標)/BOナイロン/金属/ULLDPE等(ここで、材料の順序は、ラミネートの断面を示し、そしてバレロン(登録商標)はバレロン(登録商標)強度フィルムである)を含む、前記のリストからの他のフィルムラミネートが可能である。
【0137】
バレロン(登録商標)強度フィルムは、イリノイ・ツール・ワークス社(Illinois Tool Works Inc.)のディビジョン、3600ウエスト・レイク・アベニュー、グレンビュー、イリノイ州(West Lake Avenue, Glenview, Illinois)60025によって製造販売されている。バレロン(登録商標)強度フィルムの一般的説明を、メーカーによって与えられた情報から、以下のパラグラフに示す。
【0138】
バレロン(登録商標)強度フィルム又はバレロン(登録商標)フィルムは、1枚の積層したフィルム中に、耐引裂性、耐破壊性及び耐引裂成長性を組み合わせるフィルムのファミリーからなる。このフィルムは一般的にポリエチレンを含んでいてよい。バレロン(登録商標)フィルムの直交積層構造は高い耐穿孔性のための理想的なパターンを提供する。それらの独特の多層構造のために、任意の鋭利な物体は、バレロン(登録商標)フィルムを損傷する前に、多層を穿孔することを必要とする。このフィルムは、如何なる損傷も起こすことなく、ステープル打ち、釘打ち、縫製又は打ち抜きを可能にしながら、非常に優れた耐引裂成長性を示す。
【0139】
バレロン(登録商標)強度フィルムは、等しい厚さを有する標準的ポリエチレンフィルムによって達成されるUTSの2倍までの高い極限引張強度を有する。バレロン(登録商標)フィルムは、多層であり、複数の単層をお互いに積層することによって形成される。この製造方法は、これらの強度フィルムの高品質特質及び特徴を確実にする。それらの多層構造のために、バレロン(登録商標)フィルムは、他の単一押出フィルムに比較して、増強された水分バリヤーを示す。バレロン(登録商標)フィルムは、殆どの一般的に使用される化学物質に耐える。未被覆バレロン(登録商標)フィルムは、フレキソ技術(溶媒及び水系インク)に従って印刷することができる。より万能の印刷性に達するために、バレロン(登録商標)フィルムにトップコーティングが設けられる。このトップコーティングによって、バレロン(登録商標)フィルムを、ドットマトリックス、熱転写、フレキソUV、オフセット(標準及びUV)、デジタル、インクジェット(ピエゾ及びバブルジェット(Bubble jet)(登録商標)プリンターの両方)印刷からスクリーン印刷までの範囲の、種々の印刷技術によって印刷することが可能になる。
【0140】
バレロン(登録商標)フィルムは、−40℃から+90℃までの範囲内の温度に耐える。他の合成材料とは逆に、バレロン(登録商標)フィルムは、マイナスの温度に露出しながら脆性にはならず、高温度に耐え、その直交積層構造のために独特の熱安定性を示す。
【0141】
高性能コーティングが設けられたバレロン(登録商標)フィルムは、バレロン(登録商標)フィルム上への画像の優れた接着性を示し、引っ掻き及び乱暴な取扱いに耐え、最終使用者の製品が、過酷な屋外環境に曝されたときでも、その完全な形状を確実に保持するようにする。バレロン(登録商標)フィルムは、良好なUV耐性を示す。このUV耐性は、バレロン(登録商標)フィルム中にUV安定剤を含有させることによって増加させることができる。
【0142】
良好な耐薬品性を示す防水膜と並んで、バレロン(登録商標)フィルムは、同様に実質的に気密バリヤーである。バレロン(登録商標)フィルムは、多層であり、複数の単層を互いに積層することによって形成される。この製造方法によって、バレロン(登録商標)フィルムが同様に高シール性層を含有することが可能になり、ホットバー及びインパルスシールの両方のための応用に高いシール性を与えることが可能である。
【0143】
壁材料の厚さは、パッケージの具体的な最終用途に依存して変えることができる。一般的に、輸送のための過剰の重量を回避するために、壁厚さは、0.0025〜0.080cm(1〜32ミル)、更に典型的には0.0127〜0.038cm(5〜15ミル)の範囲内である。或る態様のために、壁厚さは、好ましくは、適度の耐破壊及び引裂性を与えるために十分なものである。本発明の態様は、0.020cm(8ミル)PE/PET/アルミニウムラミネート壁を含む。代わりの態様は、0.025〜0.0275cm(10〜11ミル)タイベク(登録商標)保護材料(非常に微細な高密度ポリエチレン繊維)及びバレロン(登録商標)強度フィルムを含む。
【0144】
それぞれの壁には、図2に於いて13、15、17、19、21及び23として同定された、周辺フラップ又は前もって折り重ねられた縁が含まれていてよい。前もって折り重ねられた縁は、チャンバー内の少なくとも部分的真空に耐えることができるシールを可能にするための、シール用の表面を与える。このシールは、熱で溶接する、接着する、テープ張りする又は当該技術分野で公知の技術を使用して超音波的に融合することができる。
【0145】
当業者によって認められるように、チャンバーは、本発明から逸脱することなく多くの異なったサイズのものであってよく、従って、それぞれの壁の寸法は、包装すべき材料の量に依存して変化させることができる。或る態様に於いて、組み立てた後のチャンバーのサイズは、プロセス装置で使用するように設計された従来の繊維ベールのサイズに近似する。例えばアセテートトウ繊維を含んでなる本発明の態様に於いて、チャンバーはアセテートトウ繊維ベールのサイズに近似する。これらの態様に於いて、チャンバーは、組み立てた後に、長さ約70〜130センチメートル(「cm」)、幅又は深さ約55〜100cm、高さ約25〜150cmである。本発明の態様は、商業的サイズパッケージのために有利である。
【0146】
チャンバーの少なくとも1個の壁には、壁を相互にシールすることによって形成されるチャンバーを排気できるようにするエバキュエータ26が含まれている。エバキュエータは、下記の商業的供給元、リッチモンド・エアークラフト社(Richmond Aircraft Co.)、カリフォルニア州ノーウォーク(Norwalk);メンシェン・パッケージング社(Menshen Packaging Co.)、ニュージャージー州ウォルドウィック(Waldwick);アンバー・バキューム・イクィップメント社(Anver Vacuum Equipment Co.)、マサチューセッツ州ハドソン(Hudson)及びプラット−オ−マチック・バルブズ社(Plat-o-Matic Valves Co.)、ニュージャージー州シーダー・グローブ(Cedar Grove)から入手可能な真空逆止弁を含む、真空包装の技術分野で一般的に使用されている真空逆止弁を含んでいてよい。この真空逆止弁は、壁の製造の間に壁の中に形成することができ又は壁の形成後に壁の中にヒートシール、接着、溶接若しくは融合することができる。このエバキュエータは、また、本発明の真空出口からなっていてよい。或る応用に於いて、例えば排気時間を短縮するために、複数のエバキュエータを使用することができる。
【0147】
本発明の態様に於いて、真空逆止弁は、バルブとホースとの間のプレス嵌め連結を可能にする直径のものであってよい。例えば真空ホースの「雄」端とバルブの「雌」端との間のプレス嵌め。この直径は、チャンバーを短時間枠内で排気することが許容される流量及び圧力が可能であるように選択することができる。例えば幅96cm、長さ121cm及び高さ127cmの標準ベールサイズチャンバーについて、真空逆止弁の直径は20〜40cm、好ましくは25〜38cmであってよい。真空逆止弁のサイズは、真空を引くために使用するホースの直径に基づいて有利に選択することができる。前記のように、異なった直径の複数の真空逆止弁を使用することができる。真空逆止弁の数及びサイズは、パッケージから空気を除去したいと思う速度に依存するであろう。
【0148】
真空逆止弁は、本発明の態様に於いて使用するために有利であるが、他のデバイスを使用することができる。例えば標準ホース取付部品をチャンバーの少なくとも1個の壁に設けることができる。標準ホース取付部品を使用してチャンバーを排気し、次いでホース取付部品の後ろ又は上の領域を、例えば追加のフィルムでシールすることができる。
【0149】
図6A、6B、6C及び6Dに関して後で詳細に説明する本発明の真空出口を、本発明の態様に於いて有利に使用することができる。
【0150】
図2に記載した態様には、更に、チャンバー内で繊維を使用するために、チャンバーの開放を容易にするように設計されたセクション28が含まれている。セクション28は、「容易開放(easy open)性」要素として参照することができる。容易開放性要素の構造は、規定された経路に沿ってチャンバーを引裂開放するために引っ張るように設計されたプルテープを含んでいる。
【0151】
当業者によって認められるように、図1に例示するチャンバーは、多数の方法で組み立て、そして充填することができる。例えば底壁を側壁にシールして、開箱状形状を形成することができる。繊維を、このようにして形成されたチャンバーの中に置き、頂壁を繊維の上に置くことができる。次いで、繊維を、チャンバーの高さに実質的に等しい高さまで圧縮する。次いで、頂壁を側壁にシールすることができる。シールした後、真空逆止弁及び一般的な真空発生装置を使用してチャンバーの内部を排気して、圧縮された繊維の解放及び跳ね返りからチャンバーの内壁に作用する膨張力を減少させることができる。
【0152】
その代わりに、繊維を、チャンバーの頂壁と底壁との間で圧縮し、そして側壁を圧縮された繊維の周りに巻き付け、そしてお互いに並びに頂壁及び底壁にシールする。シールした後で、圧縮を解放する前に、チャンバーを排気することができる。
【0153】
他の手順は、圧縮した繊維体積の周りにチャンバーを形成し、そして圧縮力を解放し、その後チャンバーを排気することである。圧縮された繊維は膨張し、そしてチャンバーの壁によって束縛される。環境空気はシールされたパッケージの中に入ることができないので、繊維は一般的に、部分的真空又はチャンバーの内側と外部環境との間の差圧が、パッケージの表面積当たりの繊維の膨張力との平衡に達するまで膨張する。パッケージ内の繊維の全体密度は、未だ圧縮力を受けている繊維を含有するチャンバーを排気することに比較したとき、この手順を使用してより低い。
【0154】
シールした後、チャンバーから引かれる真空の量は、包装される材料に依存する。一般的に、材料が膨張することができる、包装された材料内の膨張力に対抗するために十分な真空が引かれる。典型的には、理論的に計算された圧力よりも大きい真空の量が、膨張力を確実に中和するために使用される。バルク繊維材料の包装に使用される本発明の態様に於いて、膨張力を確実に中和するために、チャンバーから0.5気圧(0.5kg/cm2よりも大きい)より大きく、典型的には1気圧(1kg/cm2より大きい)以下の真空を引くことが有利である。
【0155】
本明細書に記載したように、本発明の或る態様に於いて、包装材料、例えばラミネートの縁部分は、包装される材料を完全に取り囲むように、相互にシールする。このシーリングは、本明細書に記載したもののような種々の方法で実施することができる。パッケージのサイズ、包装される材料及び真空の量に依存して、フィンシール(fin seal)が有利であることがわかる。フィンシール(魚形)は、当該技術分野で公知の技術、例えばあご形(jaw type)一定加熱又は誘導シーラーを使用して作ることができる。製造環境に於いて、総処理能力を増加させるように、シーリング操作を迅速に実施することが、一般的に有利である。
【0156】
典型的に、シーリングを助けるために、ラミネート包装材料は、最外層としてシーリング層を含む。このシーリング層は、シーリング時間を最小にするメルトインデックスを有するヒートシール可能なポリマーを含んでいてよい。一般的に、低密度ポリエチレン(ULLDPE又はLLDPEを含む)は、性能特性及びシーリング特性の有用な組合せを与えることが見出された。このシーリング層は、有利には、溶融した材料を、継ぎ目及び重なる二次継ぎ目の中に流すために十分な厚さのものであってよい。この厚さは漏洩を最小にする際に助けになる。
【0157】
図3は、本発明に於いて使用するのに適しているチャンバーの代替態様を示す。図3に示すように、本発明の態様に於いて、頂壁42は、側壁46、48、50(図示せず)及び52(図示せず)に予め接合されていてよい。得られる「開放箱状(open box like)」形状には、前もって折り重ねられたシーリング縁又はフラップ47、49、51(図示せず)及び53(図示せず)が含まれていてよい。底壁44には、前もって折り重ねられたシーリング縁又はフラップ45が含まれていてよい。少なくとも1個の壁には、排気具56が含まれているであろう。更に、容易開放部分58が、1個又はそれ以上の壁に設けられていてよい。図3に示す態様に於いて使用される構造及び材料は、本明細書に於いて他の場所に記載した通りであってよい。
【0158】
図3に示したチャンバーは、種々の方式で使用することができる。例えば繊維を底壁の上に置き、次いで残りのチャンバー部分を繊維及び底壁の上に置き、そして底壁を側壁にシールし、その後排気する。
【0159】
図4A及び4Bは、本発明の他の可能な態様を、分解図及び組立図で示す。パッケージ72(図4B)はUジョイント形構造を含む。図4Aに示すように、パッケージの3個の壁、即ち頂壁62、側壁61及び側壁63は、第一U字形ポリマーフィルム60の部分から形成されており、パッケージの残りの3個の壁、即ち底壁67、側壁66及び側壁68は第二U字形ポリマーフィルム65の部分から形成されている。U字形部分の縁には、更に、シーリング縁又はフラップ(その1個は、それぞれ64及び69としてそれぞれの部分で同定されている)が含まれていてよい。少なくとも1個のU字形部分の少なくとも1個の壁には、排気具が含まれている。
【0160】
底壁67を含む第二U字形部分を、例えばべーラー(baler)の底プラテンの上に置くことができる。包装すべき材料70、例えば繊維状材料を、底壁67の上に置くことができる。次いで、頂壁62を含む第一U字形部分60を、包装すべき材料70の上に置くことができる。次いで、側壁61、63、65及び68を、材料の周りに折り重ね、そして縁を、フラップを使用して、他の側壁並びに頂壁62及び底壁67にシールして、パッケージ72を形成することができる。次いで、パッケージを排気することができる。その代わりに、第一U字形部分を、材料の上に置き、材料を圧縮し、その後、材料の周りに側壁を折り重ね、そしてシールすることができる。
【0161】
図5は、本発明の代わりの態様を例示する。図5に示すように、バルク材料100を、本発明を使用して包装することができる。包装材料は、例えば本明細書に記載したラミネートの種類から形成された、コンポーネント部品110、120、130及び140からなっていてよい。
【0162】
シーリングを容易にするために、それぞれのコンポーネント片には、フランジ状縁、即ち、片110に112、114、116及び118;片120に122、124、126及び128;片130に132、134、136及び138;片140に142、144、146及び148が含まれていてよい。最初の工程、「B」に於いて、対応する対の縁をシールして、より大きい片を形成することができる。図5に示すように、片110の縁112と片120の縁122とをシールして、シール152を形成する。同様に、片130の縁132と片140の縁142とをシールして、シール162を形成する。
【0163】
図5の「C」に示すように、このようにして形成したより大きい片を、バルク材料の頂の上及び底の上に置いて、内部にバルク材料を有するパッケージを形成することができる。次いで、包装材料の残りの縁をシールして、パッケージを完全にシールすることができる。図5の「D」に、シール172及び182を示す。余分の包装材料によって、フラップ192、194、196及び198が形成される。このフラップをパッケージの側壁の上で折り重ね、そして側壁にシールして、図5の「E」に示すような、本発明のパッケージ200を形成することができる。
【0164】
本明細書に含まれる説明から理解されるように、包装材料の少なくとも1個の片には、パッケージ内の真空を作ることを容易にするためのエバキュエータが含まれていてよい。
【0165】
図2、3、4及び5に、実質的に直方体状パッケージを作る実質的に直方体状のチャンバーを示す。本発明には、異なった形状のパッケージが含まれる。更に、本発明には、不均一形状又はランダム形状のパッケージが含まれる。本明細書に含まれる説明から理解されるように、本発明の原理は、バッグの内部容積内の繊維の形状に一致するパッケージを作るための、バッグの形状のチャンバーで利用することができる。本発明の特徴及び利点の多くは、不均一なパッケージで達成されるであろうが、このようなパッケージは、積み重ね及びパレット積みのためにあまり有利ではない。
【0166】
前記のように、本発明のパッケージは、広範囲の種々の繊維で使用するために有利である。本発明の態様は、フィルター材料のために使用される種類のアセテートトウ繊維のためのパッケージを含む。この態様に於いて、本発明のパッケージは、大気圧よりも低い圧力でシールされたチャンバー、アセテート繊維を含んでなるチャンバーの内部容積を構成されていてよい。
【0167】
図6A、6B、6C及び6Dに、本発明の態様に於いてエバキュエータとして使用するために適している、本発明の真空出口アセンブリを示す。図6Aに分解図で示すように、真空出口アセンブリは、真空出口302、ガスケット304及びキャップ306を含んでいてよい。真空出口には、パッケージの内部と外部との間の空気流を許容する開口312が含まれている。この開口には、複数の穴314又は1個の穴が含まれていてよい。この開口は、有利には、パッケージの内部から外部への一方向流れを可能にする逆止弁の形をとることができる。
【0168】
図6Aに示すように、開口部分は、真空出口のベース304に対して持ち上げられて、開口が包装材料を通して伸びることができる壁316を作ることができる。包装材料を通して突き出る壁316の部分は、真空吸引デバイスへの連結を容易にするための、フランジ状の部分318からなっていてよい。使用の際に、ベース302は包装材料の一方側に置かれ、そして壁316が包装材料内の穴又はスリットを通って伸びて、フランジ318がベース302よりも包装材料の反対側にあるようになっている。出口302の壁316の周りに嵌るように適合された開口305を有するガスケット304を、アセンブリを固定するためにフランジの上に置くことができる。更に、アセンブリは、包装材料に接着及び/又はシールすることができる。キャップ306が、図6Bに示すように、開口312をシールするために設けられている。その代わりに、真空を引いた後に、312を接着剤で包装材料にシールすることができる。
【0169】
真空出口アセンブリは、これらに限定されないが、ナイロン、LLDPE等を含むポリマー材料、金属、木材等を含む、成形可能な及び/又は機械加工可能な材料から形成することができる。真空出口アセンブリは、一般的な技術を使用して成形及び/又は機械加工することによって、製造することができる。
【0170】
図6Cに、真空出口302の態様に於ける追加の詳細を示す。図6Cに示すように、真空出口302は、実質的に円形であってよく、そして強度のための放射状に伸びた片322を含んでいてよい。更に、真空出口は、開口付近の傾斜したプラトー部分324を含んでいてよい。
【0171】
図6Dに示すように、真空出口302の下側は、溝326及び放射状に伸びた片に対応する楔部分322を含んでいてよい。溝及び楔部分は、真空出口アセンブリに構造的形状を与える助けになる。
【0172】
図6A、6B、6C及び6Dに示した態様に於いて、真空アセンブリは、実質的に丸く、そして真空吸引デバイスへの連結器は丸い。当業者によって理解されるであろうように、他の形状及び設計が有用であろう。一般的に、真空アセンブリのためのベースは、開口及びパッケージ壁に構造的支持体を設けるために、開口よりも大きい。より大きいベースアセンブリも、アセンブリがパッケージの壁を通して引かれるのを防止すること及びより大きいシーリング表面を与えることを助ける。一般的に、ベースは開口よりも1.5〜20倍大きい。本発明の態様に於いて、開口の直径は約26センチメートルであり、ベースの直径は約80センチメートルであった。
【0173】
本発明の装置の態様を、図7に示す。図7に示すように、本発明の装置は、図2に示すタイプの包装システムを含んでいてよい。この装置は、更に、繊維82を受け取るために適している容器84及びラム86を含んでいてよい。ラムは液圧利用装置であってよく、そしてモーター及び付随する制御装置(図示せず)によって運転することができる。この装置は、更に、排気システム88を含んでいてよい。排気システムは、真空吸引デバイス90及び包装システムの壁内の排気具26に連結されるように適合された付随するホース92を含んでいてよい。
【0174】
使用するために、包装システムの底表面を容器内に置くことができる。繊維を底表面の上に置き、そして側表面及び頂表面を繊維の周りに置くことができる。次いで、ラム86を使用して、繊維を圧縮することができる。圧縮した後、排気システム88からのホース92を排気具26に連結して、チャンバーから空気及びガスを、チャンバーが環境大気圧よりも低い所望の圧力に達するまで除去することができる。
【実施例】
【0175】
本発明の更なる特徴及び利点を、下記の実施例によって例示する。
実施例1
繊維を含む本発明のパッケージの態様の利点を、対照として参照される典型的な先行技術のベールを参照して例示する。
【0176】
ルンマス社(Lummus Corporation)、ジョージア州サバナ(Savannah)によって製造された荷造り装置を使用して、対照としての典型的な先行技術ベール及び本発明の態様を製造した。
【0177】
対照ベール
荷造機ビンに、アセテートトウを、ベールを圧縮した後に、寸法がほぼ、幅94センチメートル(「cm」)、長さ122cm及び高さ112cmであるようなレベルまで充填した。圧縮力を除去した後、新しいベール寸法は、ほぼ、幅99cm、長さ127cm及び高さ123cmであった。
【0178】
次いで、ベールを、ベールの側面に沿った厚紙及びプラスチックシート並びにベールを取り巻く10本のプラスチック帯で包装した。荷造り装置から取り出した後、ベールを貯蔵し、これは、幅99cm、長さ127cm及び高さ141cmの概略ベール寸法のために高さが約18cm大きくなった。ベールの密度は約0.4グラム/立方センチメートルであり、ベールは約726キログラム(kg)の重量であった。得られたベールは、目視点検で明らかであった帯紐の切れ込みを有しており、頂及び底の中心で約5cmドーム状に膨らんでいた。結果として、このベールは、不十分に平らであり、そしてその側の上に積み重ねなくてはならなかった。
【0179】
本発明
本発明のパッケージの態様を、下記の手順を使用して製造した。使用したパッケージは実質的に図2に示す通りであった。
【0180】
底壁を、繊維を圧縮し、荷造りするために従来使用されている処理装置の繊維保持チャンバーの下区画の上に設置した。繊維保持チャンバーに、底壁の上にアセテートトウ繊維を充填した。頂壁を、チャンバー内に蓄積させた繊維の上に置いた。圧縮サイクルを実施して、直方体形状を作った。圧縮を維持しながら、繊維保持チャンバーのチャンバー壁を取り外し、そしてガースラップ(girth wrap)(側壁)を、圧縮したアセテートトウの周りに巻き付けた。気密シールを、ヒートシールによって、ガースラップの前縁及び後縁の前もって折り重ねた縁の上に作った。ガースラップの頂部及び底部、頂壁、底壁の組み合わさる前もって折り重ねた縁も、ヒートシールによってシールし、それによって気密的にシールされたチャンバーを作った。
【0181】
真空ホースを、チャンバーの側壁(ガースラップのパネル)内の真空逆止弁に適用した。チャンバーを、真空を引くことによって、アセテートトウ繊維の膨張力が平衡に達し、そしてアセテートトウ繊維が、チャンバーの壁で外への力を殆ど又は全く掛けなくなるまで排気した。真空ホースを取り外し、そして真空逆止弁によってチャンバー内の真空が保持された。処理装置からの圧縮を解放した。
【0182】
荷造機から取り出したとき、得られたパッケージは、ほぼ下記の寸法、即ち幅98cm、長さ123cm及び高さ127cmを有する実質的に直方体形状を保持しており、そして約975キログラムのアセテートトウ繊維を含有していた。パッケージ内のアセテートトウ繊維の平均密度は、約0.64グラム/立方センチメートルであった。
【0183】
膨張は貯蔵の間に最小であり、パッケージは、ほぼ下記の寸法、即ち幅98cm、長さ123cm及び高さ129cmを有する実質的に直方体形状を保持していた。このベールは、頂及び底で0.35センチメートル以内まで実質的に平らであった。
【0184】
実施例2
この実施例は、本発明の態様を例示する。
本発明のパッケージを、図5に示した方式で、Bx4ナイロン/バレロン/ULLDPEフィルムの部分を一緒に接合して、約243センチメートル×約269センチメートルの2枚のフィルム片を形成することによって形成した。PET−SiOx/バレロン/ULLDPEのような他のラミネートが、同様の方式で機能すると予想される。
【0185】
直径が約2.8センチメートルである穴を、フィルム片の1個の中にパンチ切断して、実質的に図6A、6B、6C及び6Dに記載したような真空出口アセンブリのための開口を設けた。フィルム片に真空出口アセンブリをシールするために、ヒートシーラーを使用した。
【0186】
次いで、他のフィルム片を、他の場所で説明したような、従来の荷造り装置の荷造機ビン内に置いた。
【0187】
酢酸セルローストウ繊維を、フィルム片の上で、荷造機ビンの中に供給して、約127センチメートル高さの仕上がった圧縮されたベールを得た。
【0188】
次いで、最初のフィルム片を、荷造り装置のプラテンの上に置き、プラテンが酢酸セルローストウ繊維を圧縮するために移動したとき、フィルムが繊維の頂及び頂側部分をカバーするようにした。
【0189】
次いで、繊維を圧縮した。
【0190】
圧縮を維持しながら、荷造りビンの側部を落とし、そして第一フィルム片及び第二フィルム片の縁を、図5C及び5Dに示したように、フィンシールを使用して相互にシールした。
【0191】
軟質ゴムガスケットを、フィルムを通して伸びる真空出口アセンブリの部分の上に置いた。
【0192】
真空源及び真空出口アセンブリ開口へのホース連結を使用して、小さい真空をパッケージ上で引いて差圧を作り、過剰の空気を除去し、その後パッケージをきちんと整えた。
【0193】
次いで、フィルムの縁をピンと張って引っ張って、折り目及び皺を除き、図5D及び5Eに示すように折り重ね、シールして、実質的に方形のパッケージを形成した。
【0194】
真空源及びホース連結を使用して、約0.90kg/cm2の実質的に一定の真空が得られるまで、真空吸引を続けた。
【0195】
ホースを取り外し、そして開口の上にキャップを置いた。
【0196】
荷造機プラテンによって加えられた圧縮力を取り除き、そして得られたベールを荷造機から取り出した。一般的な収縮ラップをベールの上に置き、そしてベールを真空漏洩について点検した。
【0197】
この結果は、本発明のパッケージであった。
【0198】
本発明を特別の態様を参照して説明したが、当業者は、本発明のシステムが、他の方法及び態様で実施できることを認めるであろう。従って、他の態様も本発明の範囲内に入るので、本明細書中の記載は、本発明を限定するとして読まれるべきではない。以下に本発明の態様を列挙する。
1.環境大気圧よりも低い最初の圧力の内部容積を有するシールされたチャンバーを含んで構成され、その内部容積がバルク材料を含むベール。
2.バルク材料がバルク商品である態様1に記載のベール。
3.チャンバーの内部容積が101キロパスカルよりも低い最初の圧力を有する態様1に記載のベール。
4.パッケージが実質的に直方体形状から構成される態様1に記載のベール。
5.チャンバーが頂壁及び底壁及び複数の側壁を含む複数の壁を含んで構成され、そしてそれらの壁が相互にそれらの縁に沿ってシールされており、そしてそれらの壁の少なくとも1個に少なくとも1個のエバキュエータが含まれている態様1に記載のベール。
6.チャンバーが壁を含んで構成され、そして壁がポリマーフィルムを含んでなる態様1に記載のベール。
7.ポリマーフィルムがポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアルコールポリマー、ナイロン、マイラー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコール、ポリイミド又はポリアミドを含む態様6に記載のベール。
8.壁がポリマーフィルムを含んで構成される態様5に記載のベール。
9.ポリマーフィルムがポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアルコールポリマー、ナイロン、マイラー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコール、ポリイミド、ポリアミド、タイベク(登録商標)保護材料又はバレロン(登録商標)強度フィルムを含む態様8に記載のベール。
10.壁が水分バリヤー要素を更に含む態様8に記載のベール。
11.環境大気圧よりも低い最初の圧力の内部容積を有するシールされたチャンバーを含んで構成され、その内部容積が繊維を含むパッケージ。
12.繊維がアセテートを含む態様11に記載のパッケージ。
13.チャンバーの内部容積が101キロパスカルよりも低い最初の圧力を有する態様11に記載のパッケージ。
14.パッケージが実質的に直方体形状から構成される態様11に記載のパッケージ。
15.チャンバーが頂壁及び底壁及び複数の側壁を含む複数の壁を含んで構成され、そしてそれらの壁が相互にそれらの縁に沿ってシールされており、そしてそれらの壁の少なくとも1個に少なくとも1個のエバキュエータが含まれている態様11に記載のパッケージ。
16.チャンバーが壁を含んでなり、そしてそれらの壁がポリマーフィルムを含んでなる態様11に記載のパッケージ。
17.ポリマーフィルムがポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアルコールポリマー、ナイロン、マイラー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコール、ポリイミド、ポリアミド、タイベク(登録商標)保護材料又はバレロン(登録商標)強度フィルムを含む態様16に記載のパッケージ。
18.壁がポリマーフィルムを含む態様15に記載のパッケージ。
19.ポリマーフィルムがポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアルコールポリマー、ナイロン、マイラー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコール、ポリイミド、ポリアミド、タイベク(登録商標)保護材料又はバレロン(登録商標)強度フィルムを含む態様18に記載のパッケージ。
20.壁が水分バリヤー要素を更に含む態様18に記載のパッケージ。
21.壁がガスバリヤーを含む態様18に記載のパッケージ。
22.要素がアルミニウムを含む態様20に記載のパッケージ。
23.シールされたチャンバーがバッグを含む態様11に記載のパッケージ。
24.繊維がそれらの集合体全体に亘って実質的に均一な密度を有する態様11に記載のパッケージ。
25.繊維の密度が非真空状態での繊維の対応する体積の密度に比較して増加している態様24に記載のパッケージ。
26.密度増加が1.1〜1.5倍である態様25に記載のパッケージ。
27.繊維の重量が非真空状態での繊維の対応する体積の重量に比較して増加している態様11に記載のパッケージ。
28.重量増加が1.1〜1.5倍である態様27に記載のパッケージ。
29.パッケージの平面度が、非真空状態で束縛された繊維の対応する体積の平面度に比較して、増加している態様11に記載のパッケージ。
30.パッケージが実質的に直方体形状から構成され、そして頂壁の中心の高さが頂壁の縁の高さよりも3cm未満大きい態様11に記載のパッケージ。
31.シールされた壁を取り囲む追加の包装材料を更に含む態様15に記載のパッケージ。
32.パッケージがエンボスした領域を含む態様11に記載のパッケージ。
33.環境大気圧よりも低い最初の圧力の内部容積を有するシールされたチャンバーを含んで構成され、その内部容積が繊維状材料を含むパッケージ。
34.繊維状材料がバルク商品を含む態様33に記載のパッケージ。
35.包装すべきバルク材料の体積を含むのに十分な内部容積を有する、シール可能なチャンバーを含んで構成される包装システム。
36.シール可能なチャンバーを排気する手段を更に含む態様35に記載の包装システム。
37.シール可能なチャンバーが複数の壁を含み、そしてシステムが壁の縁を互いに対してシールする手段を更に含む態様35に記載の包装システム。
38.バルク材料が繊維を含む態様35に記載の包装システム。
39.バルク材料が繊維状材料を含む態様36に記載の包装システム。
40.内部容積を有するパッケージを形成する工程、繊維を内部容積内に置く工程、パッケージをシールする工程及び内部容積を排気する工程を含んでなる繊維の包装方法。
41.繊維を圧縮する工程を更に含む態様40に記載の方法。
42.パッケージが頂壁、底壁及び複数の側壁を含んで構成される実質的に直方体形のパッケージを含み、底壁を用意する工程、その底壁の上に繊維を置く工程、繊維の上に頂壁を置く工程、頂壁と底壁との間の繊維を、圧縮力を適用することによって圧縮する工程、側壁を圧縮された繊維の周りに置く工程、側壁を、頂壁及び底壁に対して、そして相互にシールして、繊維を含む内部容積を有するシールされたチャンバーを形成する工程、内部容積を排気する工程並びに圧縮力を解放する工程を含んでなる態様40に記載の方法。
43.パッケージが頂壁、底壁及び複数の側壁を含む実質的に直方体形のパッケージを含んで構成され、底壁を用意する工程、底壁の上に繊維を置く工程、繊維の上に頂壁を置く工程、頂壁と底壁との間の繊維を、圧縮力を適用することによって、圧縮する工程、側壁を圧縮された繊維の周りに置く工程、側壁を頂壁及び底壁に対して、そして相互にシールして、繊維を含む内部容積を有するシールされたチャンバーを形成する工程、圧縮力を解放する工程並びに繊維の平衡圧力が到達された後に内部容積を排気する工程を含んでなる態様41に記載の方法。
44.繊維を用意する工程、繊維を圧縮する工程、繊維の周りにシール可能なチャンバーを形成する工程、チャンバーをシールする工程、チャンバーを排気する工程及び次に圧縮を解放する工程を含んでなる弾性繊維の包装方法。
45.繊維を用意する工程、繊維の周りにシール可能なチャンバーを形成する工程、チャンバーをシールする工程、チャンバー内の空気を逃がしながら繊維を圧縮し、それによってチャンバーを少なくとも部分的に排気する工程及び次に圧縮を解放する工程を含んでなる弾性繊維の包装方法。
46.繊維を用意する工程、繊維を圧縮する工程、圧縮された繊維を束縛する工程、圧縮を解放する工程、繊維の周りにシール可能なチャンバーを形成する工程、チャンバーをシールする工程、チャンバーを排気する工程及び次に束縛を解放する工程を含んでなる弾性繊維の包装方法。
47.追加の包装材料でシールされたパッケージを取り囲むことを更に含む態様44に記載の方法。
48.繊維を取り囲んでチャンバーを形成する材料及び排気システムを含んでなる繊維の包装装置。
49.繊維を圧縮するデバイスを更に含む態様48に記載の装置。
50.排気システムが真空吸引デバイス及び付属ホースを含む態様49に記載の装置。
51.繊維を圧縮するデバイスがラムを含む態様50に記載の装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維を圧縮し、
繊維のまわりに実質的に直方体形のパッケージであって、パッケージが頂壁、底壁及び複数の側壁を含み、その少なくとも一つの壁がエバキュエータを含むパッケージを形成し、
パッケージをシールし、
パッケージをエバキュエータを通して排気して周囲環境圧力よりも低い内圧を達成せしめ、そしてその後
圧縮を解放する
ことを含んでなる方法によって製造された繊維ベール。
【請求項2】
繊維がセルロースアセテート繊維である請求項1に記載の繊維ベール。
【請求項3】
壁がポリマーフィルムから構成される請求項1又は2に記載の繊維ベール。
【請求項4】
壁が金属箔を含む請求項1に記載の繊維ベール。
【請求項5】
エバキュエータがバルブ、ポート、チューブ又はホースから選ばれる請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維ベール。
【請求項6】
エバキュエータが真空チェック弁を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維ベール。
【請求項7】
エバキュエータが複数のエバキュエータを含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維ベール。
【請求項8】
内圧が40,000Pa〜92,000Paである請求項1〜7のいずれか1項に記載の繊維ベール。
【請求項9】
生成ベールが幅80cm〜120cm、長さ100cm〜150cm及び高さ105cm〜155cmである請求項1〜8のいずれか1項に記載の繊維ベール。
【請求項10】
生成ベールの内容積が0.9m3〜2.3m3である請求項1〜9のいずれか1項に記載の繊維ベール。
【請求項11】
頂壁の縁と頂壁の中心点との高さの差が3cmより小さい請求項1〜10のいずれか1項に記載の繊維ベール。
【請求項12】
生成ベールの密度が0.48〜0.82g/cm3である請求項1〜11のいずれか1項に記載の繊維ベール。
【請求項13】
壁がシール層を含む積層体包装材料から構成されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の繊維ベール。
【請求項14】
シール層が熱シール性ポリマーを含む請求項13に記載の繊維ベール。
【請求項15】
実質的に直方体形状のパッケージが底部片及び頂部片をそれらの縁部で接合させて頂壁、底壁及び複数の側壁を形成する請求項1〜14のいずれか1項に記載の繊維ベール。
【請求項16】
エバキュエータがパッケージの内部から外部への一方向流を流すチェック弁を含む請求項1〜15のいずれか1項に記載の繊維ベール。
【請求項17】
繊維を用意し、繊維の周りにシール可能なチャンバーを形成し、チャンバーをシールし、チャンバー内の空気を逃がしながら繊維を圧縮することによってチャンバーを少なくとも部分的に排気し、そして次に圧縮を解放することを含んでなる弾性繊維の包装方法。
【請求項18】
繊維を用意し、繊維を圧縮し、圧縮された繊維を束縛し、圧縮を解放し、繊維の周りにシール可能なチャンバーを形成し、チャンバーをシールし、チャンバーを排気し、そして次に束縛を解放することを含んでなる弾性繊維の包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−161254(P2009−161254A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−108335(P2009−108335)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【分割の表示】特願2006−503492(P2006−503492)の分割
【原出願日】平成16年2月11日(2004.2.11)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】