説明

繊維品の洗浄方法およびそれに用いる繊維品の処理装置

【課題】液流処理装置等、処理液を循環させて繊維品を処理するタイプの処理装置を用いた処理方法において、より短時間で効果的な洗浄処理を行うことのできる繊維品の洗浄方法と、それに用いる繊維品の処理装置を提供する。
【解決手段】布帛1を処理槽4内に装填し、処理槽4内外を循環する高温処理液と上記繊維品とを接触させることにより布帛1を処理し、ついで洗浄水による洗浄を行う方法であって、上記高温処理液による処理終了後、上記高温処理液を処理槽4内から徐々に排出するとともに洗浄水を処理槽4内に徐々に供給し、その際、排出される高温処理液と供給する洗浄水とを熱交換し、かつ上記高温処理液の排出量と洗浄水の供給量を等量にして処理槽4内の液量が一定に保たれるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛等の繊維品に対し染色その他の処理を行った後の洗浄方法およびそれに用いる繊維品の処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
繊維品に対する染色等の処理を行う装置として、例えば図4に示すような液流処理装置が汎用されている。この装置は、布帛1の滞留部2と、この滞留部2と布帛1の移送通路3とを接続した環状の処理槽4とを備えている。そして、上記滞留部2の底部に設けられた処理液吸い込み部5(この図では3個所)から処理液を吸い込み、循環ポンプ6、熱交換器7を介して、所定温度にコントロールされた処理液(通常、その最高温度は100℃以上の高温に設定される)を上記移送通路3の一端に付設された処理液噴射部8に還流させ、その液流で布帛1を移送しながら処理を行うようになっている。
【0003】
このような液流処理において、処理が完了した時点での処理液には、各種の染料その他の薬品、助剤等が残留している。また、布帛1から発生する、繊維重合時の生成物であるオリゴマーや毛羽、スケール等も含有されている。
【0004】
このため、例えばポリエステル濃色染色等を実施する場合、上記処理の終了後、熱交換器7に冷却水を通して処理液の温度を下げながら処理液を循環させ、処理液が80℃前後に下がった時点で、その温度を保ちながら、ハイドロサルファイトやアルカリ剤(苛性ソーダやソーダ灰等)を処理槽4内に注入して上記残留物等を還元処理する、いわゆる「還元洗浄」を行っている。そして、上記還元洗浄後、再度処理液を60℃前後に冷却したのち処理液を排出し、洗浄水(通常、水)の給水、水洗、排水を複数回繰り返して繊維品の洗浄を行ったのち、繊維品を処理槽4内から取り出すようにしている。
【0005】
しかしながら、上記洗浄方法では、洗浄に時間がかかるとともに、冷却時の温度勾配がスムーズにならず、繊維品にシワ等が生じて得られる繊維品の品質が低下する場合があり、問題となっている。また、高温で溶解していたオリゴマー等が、冷却によって再析出して処理槽4内に残留付着するため、いわゆる釜洗処理を頻繁に行わなければならず、煩雑であるという問題もある。したがって、これらの問題の解決が強く望まれている。
【0006】
ところで、本出願人は、処理液と気流との気液混合流体を繊維品に噴射させて処理槽内を循環移動させながら処理を行う気流処理装置において、上記処理液を高温で排出し、かつその処理排水と熱交換しながら洗浄水を供給する全く新しい洗浄方法を提案し、すでに実用化している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−269863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、上記気流処理装置における洗浄方法を、液流処理装置に適用することが考えられるが、気流処理装置は、用いる処理液量が少量で、装置構成も異なることから、上記洗浄方法をそのまま液流処理装置に適用することは、難しいことが判明した。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、液流処理装置等、処理液を循環させて繊維品を処理するタイプの処理装置を用いた処理方法において、より短時間で効果的な洗浄処理を行うことのできる繊維品の洗浄方法と、それに用いる繊維品の処理装置の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明は、繊維品を処理槽内に装填し、処理槽内外を循環する高温処理液と上記繊維品とを接触させることにより繊維品を処理し、ついで洗浄水による洗浄を行う方法であって、上記高温処理液による処理終了後、上記高温処理液を処理槽内から徐々に排出するとともに洗浄水を処理槽内に徐々に供給し、その際、排出される高温処理液と供給する洗浄水とを熱交換し、かつ上記高温処理液の排出量と洗浄水の供給量を等量にして処理槽内の液量が一定に保たれるようにした繊維品の洗浄方法を第1の要旨とする。
【0010】
また、本発明は、そのなかでも、特に、上記高温処理液の排出と洗浄水の供給により、処理槽内の液が所定温度域まで下がった時点で、洗浄水を高温処理液と熱交換することなく直接処理槽内に供給して洗浄を行う繊維品の洗浄方法を第2の要旨とする。
【0011】
さらに、本発明は、上記第1または第2の要旨である繊維品の洗浄方法に用いられる繊維品の処理装置であって、繊維品を装填して処理液と接触させる処理槽と、上記処理槽内の処理液を処理槽外に取り出し循環ポンプおよび熱交換器を経由して上記処理槽内に繰り返し供給する処理液循環路とを備え、上記処理液循環路の循環ポンプ吸い込み側に接続され上記処理槽内の処理液を一部取り出して排出する処理液排出配管と、同じく上記処理液循環路の循環ポンプ吸い込み側であって上記処理液排出配管接続部より下流側に接続され洗浄水を上記処理液循環路内に供給する洗浄水供給配管と、上記処理液排出配管を通過する処理液と洗浄水供給配管を通過する洗浄水とを熱交換する熱交換器とが設けられ、上記処理液排出配管から排出される処理液量と上洗浄水供給配管から供給される洗浄水量とが、互いに等量となるよう制御されるようになっている繊維品の処理装置を第3の要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
すなわち、本発明の繊維品の洗浄方法は、処理に用いた高温処理液を、高温のまま排出し、その際、洗浄のために処理槽内に供給される洗浄水と熱交換するようになっているため、洗浄時の温度が従来に比べて格段に高くなり、優れた洗浄効果を奏する。したがって、高温の洗浄水排出後に繰り返す水洗の回数を、従来に比べて減らすことができる。また、処理液を高温のまま排出するため、オリゴマーや染料残留物等が処理液中に溶解した状態で除去されることになり、従来のポリエステル濃色染色等において必要であった還元洗浄処理を省略することができる。したがって、上記還元洗浄処理において昇温に用いられる蒸気や薬剤が不要となり、コストの低減化を図ることができる。そして、上記オリゴマーや染料残留物等が処理槽の内壁等に付着して残留する量が少なくなるため、処理槽を定期的に洗浄する等のメンテナンスにおける負担が軽減されるという利点を有する。しかも、高温処理液の排出量と洗浄水の供給量を、互いに等量となるよう制御するため、染色等の処理から洗浄処理に移行しても、処理槽内を循環する液量が一定に保たれることとなり、繊維品に負担がかからず良好な仕上がりとなる。
【0013】
そして、上記洗浄方法のなかでも、特に、上記高温処理液の排出と洗浄水の供給により、処理槽内の液が所定温度域まで下がった時点で、洗浄水を高温処理液と熱交換することなく直接処理槽内に供給して洗浄を行うようにしたものは、高温処理液を低温域に冷却する場合(例えば80℃から60℃に降温する場合)、より短時間で所定の低温域に降温させることができる。しかも、処理槽内に直接洗浄水を供給するため、冷却と同時に洗浄を行うことができ、洗浄効率がさらに向上する。そして、従来の方法では、低温域まで降温する際、スムーズな温度勾配で冷却することが困難なため、繊維品にシワが発生しやすかったが、この方法によれば、温度勾配がスムーズになり、シワが発生しにくいという利点を有する。
【0014】
また、本発明の繊維品の処理装置は、従来の処理装置に、簡単な構成を追加するだけのものであり、上記特殊な洗浄方法を、低コストで効率よく実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
つぎに、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0016】
まず、図1は、本発明の一実施の形態である液流処理装置を示している。この装置は、図4に示す装置と同様、布帛1の滞留部2と、この滞留部2と布帛1の移送通路3とを接続した環状の処理槽4とを備えている。そして、上記滞留部2の底部に設けられた処理液吸い込み部5(この図では3個所)から処理液を吸い込み、循環ポンプ6、熱交換器7を介して、所定温度に維持された処理液を上記移送通路3の一端に付設された処理液噴射部8に還流させ、その液流で布帛1を移送しながら処理を行うようになっている。
【0017】
また、上記循環ポンプ6および熱交換器7を備えた処理液循環路10において、循環ポンプ6の吸い込み側に、循環する処理液を一部取り出して排出する処理液排出配管11が接続されており、その接続部の下流側に、上記処理液循環路10内に洗浄水を供給する洗浄水供給配管12が、逆止弁13を介して接続されている。
【0018】
そして、上記処理液排出配管11と洗浄水供給配管12は、ともに熱交換器14を経由しており、この熱交換器14によって、高温処理液の温度が下がり、常温の洗浄水の温度が上がるようになっている。ただし、上記処理液排出配管11と洗浄水供給配管12には、それぞれ開閉弁15、16と、流量計17、18が設けられており、処理液の排出量と洗浄水の供給量を、互いに等量となるよう制御できるようになっている。また、19は洗浄水供給用のポンプ、20は給水弁である。
【0019】
上記液流処理装置を用い、例えばつぎのようにして、繊維品の処理および洗浄を行うことができる。すなわち、まず、通常の液流処理装置と同様にして、布帛1を処理槽4内に装填し、開閉弁15、16を閉じた状態で、通常と同様の処理を行う。そして、処理が終了した時点で、給水弁20を開くとともにポンプ19を作動させ、上記開閉弁15、16を開くことにより、処理液循環路10内を循環する処理液の一部を、処理液排出配管11に取り出すと同時に、洗浄水を処理液循環路10内に供給する。このとき、熱交換器14を経由させることにより、排出される高温処理液と常温の洗浄水との間で熱交換を行う。また、流量計17、18および開閉弁15、16を用いて流量制御を行うことにより、処理液の排出量と洗浄水の供給量が、常に等量となるよう制御する。これにより、処理槽4内を循環する液(処理液が徐々に洗浄水に置換されていく混合液)の液量を一定に保ちながら、洗浄を行うことができる。
【0020】
そして、循環する液の温度が所定の低温域(例えば60℃)になった時点で、高温処理液の排出と洗浄水の供給を停止し、必要であれば、処理液循環路10の途中に設けられる排液口(図示せず)から液を直接排出し、新たな洗浄水を一定流量で供給して水洗処理を行い、再度排水と給水、水洗を行ったのち、布帛1を取り出して、一連の処理を終了する。
【0021】
上記洗浄方法によれば、排出される高温処理液と供給される洗浄水の熱交換により、洗浄時の温度が従来に比べて格段に高くなるため、優れた洗浄効果を奏する。したがって、高温の洗浄水排出後に繰り返す水洗の回数を、従来に比べて減らすことができる。また、処理液を高温のまま排出するため、オリゴマーや染料残留物等が処理液中に溶解した状態で除去されることになり、従来のポリエステル濃色染色等において必要であった還元洗浄処理を省略することができる。したがって、上記還元洗浄処理において昇温に用いられる蒸気や薬剤が不要となり、コストの低減化を図ることができる。そして、上記オリゴマーや染料残留物等が処理槽4の内壁等に付着して残留する量が少なくなるため、処理槽4を定期的に洗浄する等のメンテナンスにおける負担が軽減されるという利点を有する。しかも、高温処理液の排出量と洗浄水の供給量を、互いに等量となるよう制御するため、染色等の処理から洗浄処理に移行しても、処理槽4内を循環する液量が一定に保たれて安定した加工を行うことができ、良好な仕上がりとなる。
【0022】
なお、本発明において、「高温処理液」とは、処理液循環路10に設けられた熱交換器7によって加熱され供給時の液温から高い温度に設定されたものをいい、その温度は、処理の種類、繊維品の種類等によって、適宜に設定される。
【0023】
また、本発明において、「洗浄水」とは、上記高温処理液と熱交換して高温処理液の液温を下げることができる程度に、高温処理液より低温のものが用いられるが、その温度は、特に限定されるものではなく、通常、常温の水が用いられる。また、洗浄効果の向上や特定の風合いや機能の付与を目的として、適宜の薬剤を添加したものを用いることもできる。
【0024】
さらに、本発明において、高温処理液の排出量と洗浄水の供給量を等量にして処理槽4内の液量を一定に保つ方法としては、上記の例のように、流量計17、18および開閉弁15、16を用いて両者の流量制御を行う方法に限らず、適宜の方法を用いることができる。なお、処理槽4内に液面センサを設け、液面レベルが常に一定に保たれるよう開閉弁15、16を制御する方法も考えられるが、液流処理装置の場合、処理槽4内を処理液が波立って循環しており、液面レベルの特定が難しいことから、上記の例のように、流量計17、18と開閉弁15、16を組み合わせた制御が好適である。
【0025】
そして、上記の例では、高温処理液の排出と洗浄水の供給によって、液温が所定の低温域になった時点で、液の排出を行い、新たな洗浄水を一定流量で供給して水洗処理を行うようにしたが、他の例として、液温が排出可能な低温域よりも高温の中温域(例えば80℃)に下がった時点で、開閉弁15を閉じて処理液排出配管11から高温処理液を取り出すことを停止し、洗浄水を、高温排出液と熱交換することなく直接処理槽4内に一定流量で供給して、循環する液の冷却を図ることができる。また、上記洗浄水の供給は、必ずしも一定流量でなくてもよい。なお、洗浄水の供給による処理槽4内の液の増量分は、排液弁から漸次排出される。そして、循環する液の温度が所定の低温域(例えば60℃)になった時点で、洗浄水の供給を停止し、前記の例と同様、必要であれば、排液口から液を直接排出し、新たな洗浄水を供給して水洗処理を行い、再度排水と給水、水洗を行ったのち、布帛1を取り出して、一連の処理を終了する。
【0026】
この方法によれば、より短時間で所定の低温域に降温させることができるだけでなく、処理槽4内に直接洗浄水を供給するため、冷却と同時に洗浄を行うことができ、洗浄効率がさらに向上する。そして、従来の方法では、低温域まで降温する際、スムーズな温度勾配で冷却することが困難なため、繊維品にシワが発生しやすかったが、この方法によれば、温度勾配がスムーズになり、シワが発生しにくいという利点を有する。
【0027】
なお、本発明において、処理対象となる繊維品の種類は、特に限定するものではないが、例えば、ポリエステル、ポリアミド、アクリル等、各種の合成繊維、その混紡品、交織品、交編品、あるいは、綿、レーヨン、麻等のセルローズ系繊維、その混紡品、交織品、交編品等があげられる。そして、上記繊維品の形状、形態も、織生地、編生地、不織布、製品(ガーメント)等、どのようなものであっても差し支えない。
【0028】
そして、本発明において、上記繊維品を処理し、洗浄を行う装置としては、処理槽内外を循環する処理液によって処理を行うタイプのものであれば、どのようなものであっても差し支えない。例えば、上記の例で示した液流処理装置の外、糸状の繊維品を、かせ状、チーズ状、コーン状等にパッケージ化して処理するパッケージ処理装置やビーム処理装置、糸や織編物等の繊維品を、懸垂式で処理したり平たく伸ばしたものを積層した状態で処理する処理装置等、各種のものをあげることができる。さらに、気流処理装置にも適用することができる。
【0029】
また、本発明において、繊維品に対する処理は、染色処理の外、上記液流処理装置の外、例えばリラックス加工、樹脂加工、精錬等、各種の処理広く適用することができる。
【0030】
つぎに、本発明の実施例を比較例と併せて説明する。
【実施例】
【0031】
〔実施例〕
図1に示す本発明の液流処理装置を用い、下記の条件に従い、繊維品の染色処理および洗浄を行った。
繊維品:ポリエステル布帛(ポリエステル糸56dtex/48fの平織)100kg
工程表:図2に従う。
染色工程で使用する薬剤: 染料 5kg
分散剤(ニッカサンソルトRM−340、日華化学社製) 600g
酢酸 600g
浴 比:1/12
【0032】
〔比較例〕
図4に示す従来の液流処理装置を用い、下記の条件に従い、繊維品の染色処理および洗浄を行った。
繊維品:実施例と同じ。
工程表:図3に従う。
染色工程で使用する薬剤:実施例と同じ。
還元洗浄工程で使用する薬剤:
NaOH 1200g
ハイドロサルファイト 1200g
浴 比:実施例と同じ
【0033】
上記実施例、比較例における蒸気、冷却水等の使用量等を調べて、下記の表1に対比してまとめた。
【0034】
【表1】

【0035】
上記の結果から、実施例の方法によれば、比較例の方法に比べ、蒸気、水、電力、薬剤のいずれについても使用量を低減することができ、また、図2および図3の工程表を対比すればわかるように、洗浄処理に要する時間も大幅に短縮されるため、大幅なコストダウンを実現することがわかる。しかも、実施例の方法によって得られる処理品は、温度勾配によるシワ等が発生しておらず、高品質のものとなる。
【0036】
さらに、上記実施例の方法によって得られる処理品と、比較例の方法によって得られる処理品の摩擦堅牢度(JIS L 0849に従う)と水堅牢度(JIS L 0846に従う)を評価し、それらの結果を下記の表2にまとめた。なお、実施例品については、処理工程の途中までで処理を終了したものについても同様にして評価した。
【0037】
【表2】

【0038】
上記の結果から、実施例品(水洗2回)は、比較例品(従来方法による処理品:水洗3回)に対し、水洗回数が1回少ないにもかかわらず、比較例品と同等の堅牢度を備えていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施例の処理装置を示す説明図である。
【図2】上記実施例による工程表である。
【図3】従来例による工程表である。
【図4】従来例の処理装置を示す説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 布帛
4 処理槽
6 循環ポンプ
7、14 熱交換器
11 処理液排出配管 12 洗浄水供給配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維品を処理槽内に装填し、処理槽内外を循環する高温処理液と上記繊維品とを接触させることにより繊維品を処理し、ついで洗浄水による洗浄を行う方法であって、上記高温処理液による処理終了後、上記高温処理液を処理槽内から徐々に排出するとともに洗浄水を処理槽内に徐々に供給し、その際、排出される高温処理液と供給する洗浄水とを熱交換し、かつ上記高温処理液の排出量と洗浄水の供給量を等量にして処理槽内の液量が一定に保たれるようにしたことを特徴とする繊維品の洗浄方法。
【請求項2】
上記高温処理液の排出と洗浄水の供給により、処理槽内の液が所定温度域まで下がった時点で、洗浄水を高温処理液と熱交換することなく直接処理槽内に供給して洗浄を行う請求項1記載の繊維品の洗浄方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の繊維品の洗浄方法に用いられる繊維品の処理装置であって、繊維品を装填して処理液と接触させる処理槽と、上記処理槽内の処理液を処理槽外に取り出し循環ポンプおよび熱交換器を経由して上記処理槽内に繰り返し供給する処理液循環路とを備え、上記処理液循環路の循環ポンプ吸い込み側に接続され上記処理槽内の処理液を一部取り出して排出する処理液排出配管と、同じく上記処理液循環路の循環ポンプ吸い込み側であって上記処理液排出配管接続部より下流側に接続され洗浄水を上記処理液循環路内に供給する洗浄水供給配管と、上記処理液排出配管を通過する処理液と洗浄水供給配管を通過する洗浄水とを熱交換する熱交換器とが設けられ、上記処理液排出配管から排出される処理液量と上洗浄水供給配管から供給される洗浄水量とが、互いに等量となるよう制御されるようになっていることを特徴とする繊維品の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−104626(P2006−104626A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−295212(P2004−295212)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(000152480)株式会社日阪製作所 (60)
【Fターム(参考)】