説明

繊維強化樹脂構造部材及びその製造方法

【課題】軽量化、製造コストの低減、強度の向上を図ることができると共に、大量生産が可能で、材料が安価であり、又、複雑な形状の成形が可能な繊維強化樹脂構造部材及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】樹脂と繊維の複合材からなる繊維強化樹脂構造部材1であって、内層部2を、繊維構造体に熱可塑性樹脂を含浸した芯材で構成し、この内層部2の周囲を覆う外層部3を、長繊維を含有する熱可塑性樹脂から構成した繊維強化樹脂構造部材1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維で強化された繊維強化樹脂構造部材及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から自動車のパワートレインの筐体等の構造部材は、アルミダイキャスト製法により製造されていたが、更なる、軽量化とコスト低減が自動車業界の課題と要求であり、現状のアルミ素材では、製造プロセスの変革と軽量化は限界に近いものである。
【0003】
そこで、軽量化やコスト低減を図るものとして、特許文献1に記載されたように、繊維強化樹脂よりなる積層構造体が提案されている。このような繊維強化樹脂を射出成形したものは、アルミダイキャストより軽量化が図られると共に、機械加工等の後工程が必要なく製造コストを低減できる。
【0004】
しかし、このようなものにあっては、3割程度の軽量化にとどまると共に、自動車部品等の比較的大きな荷重がかかるものにおいては、強度が十分とは言い難かった。
【0005】
そこで、より軽量化を図ることができると共に、強度の向上を図ることができるものとして熱硬化性炭素繊維強化プラスチックが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−307778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような熱硬化性炭素繊維強化プラスチックにあっては、大量生産が難しいと共に、材料が高価であり、又、複雑な形状の成形が難しい、という問題があった。
【0008】
本発明は、かかる従来の技術に鑑み、軽量化、製造コストの低減、強度の向上を図ることができると共に、大量生産が可能で、材料が安価であり、又、複雑な形状の成形が可能な繊維強化樹脂構造部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、樹脂と繊維の複合材からなる繊維強化樹脂構造部材であって、内層部を、繊維構造体に熱可塑性樹脂を含浸した芯材で構成し、該内層部の周囲を覆う外層部を、長繊維を含有する熱可塑性樹脂からなる繊維強化樹脂構造部材としたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記繊維の前記熱可塑性樹脂に対する含有比率は、前記繊維強化樹脂構造部材の外表面から板厚の中心部に向かって前記繊維の含有率が増大することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記外層部の熱可塑性樹脂に金属又は鉱物の粉末が混合されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の構成に加え、前記繊維構造体及び前記長繊維は、炭素繊維であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の繊維強化樹脂構造部材の製造方法であって、予め所定の形状に成形した前記芯材である前記内層部を成形型内に配置し、前記外層部を構成する前記長繊維を含有する熱可塑性樹脂を前記成形型内に射出して成形する繊維強化樹脂構造部材の製造方法としたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の構成に加え、前記内層部を前記成形型内に配置する際に、前記内層部を前記成形型に対して固定する固定手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の構成に加え、前記外層部の射出成形は、前記成形型の固定型、可動型の略対向する位置に設けた少なくとも一対の吐出口から、前記内層部の両側に、前記長繊維を含有する溶融した前記熱可塑性樹脂を射出することにより成形したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載された発明によれば、内層部は繊維構造体に熱可塑性樹脂を含浸した芯材で構成し、外層部は長繊維を含有する熱可塑性樹脂からなるため、軽量化、製造コストの低減、強度の向上を図ることができると共に、大量生産が可能で、材料が安価であり、又、複雑な形状の成形を行うことができる。
【0017】
請求項2に記載された発明によれば、繊維の熱可塑性樹脂に対する含有比率は、繊維強化樹脂構造部材の外表面から板厚の中心部に向かって繊維の含有率が増大しているため、強度、剛性を向上させることができる。
【0018】
請求項3に記載された発明によれば、外層部の熱可塑性樹脂に金属又は鉱物の粉末が混合されているため、表面には長繊維が露出せず、金属又は鉱物の粉末が表れることから、この金属又は鉱物の粉末を調整することにより、外観の色等を調整できる。
【0019】
請求項4に記載された発明によれば、内層部及び外層部には、炭素繊維を用いているため、他の繊維と比べ軽量で効果的に強度を確保できる。
【0020】
請求項5に記載された発明によれば、内層部の周囲に、外層部を構成する長繊維を含有する熱可塑性樹脂を成形型内に射出して成形したため、容易に繊維強化樹脂構造部材を成形できる。
【0021】
請求項6に記載された発明によれば、固定手段を設けることにより、内層部を容易に成形型内に安定的に配設できる。
【0022】
請求項7に記載された発明によれば、外層部の射出成形は、固定型、可動型の略対向する位置に設けた少なくとも一対の吐出口から、内層部の両側に、長繊維を含有する溶融した熱可塑性樹脂を射出するようにしたため、内層部の全周に容易に溶融樹脂を行き渡らせることができると共に、この外層部の肉厚を薄く均一に成形することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の実施の形態に係る繊維強化樹脂構造部材である自動車用ギヤボックスを示す斜視図である。
【図2】同実施の形態に係る繊維強化樹脂構造部材の断面図である。
【図3】同実施の形態に係る成形品である繊維強化樹脂構造部材の断面における板厚中心方向と炭素繊維の含有率との関係を示すグラフ図である。
【図4】同実施の形態に係る芯材を成形するプレス型等を示す正面図である。
【図5】同実施の形態に係る繊維強化樹脂構造部材の成形状態を示す成形型等の断面図である。
【図6】同実施の形態に係る成形型を離型した状態の断面図である。
【図7】同実施の形態に係る繊維長と繊維強化効果係数との関係を示すグラフ図である。
【図8】同実施の形態に係る炭素繊維含有率と引張強さとの関係を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
図1乃至図8は、本発明の実施の形態に係る図である。
【0026】
この実施の形態に係る繊維強化樹脂構造部材1は、図1に示すように、自動車用ギヤボックスで、樹脂と繊維の複合材からなる樹脂構造部材であって、図2に示すように、内層部2と、この内層部2の周囲を覆うように成形された外層部3とから構成されている。
【0027】
その内層部2は、繊維構造体に熱可塑性樹脂を含浸した芯材で構成され、又、外層部3は、長繊維を含有する熱可塑性樹脂から構成されている。この内層部2及び外層部3の熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA),ポリフェニレンスルファイド(PPS)等が用いられる。ここでは、内層部2と外層部3との熱可塑性樹脂が密着性を確保するため同じ材質で形成されているが、これに限らず、密着性を確保できるものであれば、他の材質でも良い。
【0028】
その繊維構造体及び長繊維は、この実施の形態では炭素繊維であるが、これに限らず、ガラス、ステンレス、ケプラー等の繊維でも良く、又、その繊維構造体は、織布、不織布或いは網等でも良い。
【0029】
また、その炭素繊維の熱可塑性樹脂に対する含有比率は、繊維強化樹脂構造部材1の外表面から板厚の中心部に向かって炭素繊維の含有率が増大するように成形されている。すなわち、図3には、成形品である繊維強化樹脂構造部材1の断面における板厚中心方向と炭素繊維の含有率との関係を示す。この図によれば、繊維強化樹脂構造部材1の外層部3の表面は、炭素繊維の含有率が0%で、ここから板厚中心に向かうに従って急激に40%まで増加し、40%で暫く安定し、その後、40%から60%まで変化し、内層部2(成形品の中間層)では60%の含有率となっている。
【0030】
さらに、その外層部3の熱可塑性樹脂には、金属(例えばアルミ、銅、鉄等)又は鉱物(例えばサファイヤ等)の粉末が混合されており、図示は省略されているが、表面には炭素繊維が表れていない代わりに、その金属又は鉱物の粉末が表れている。
【0031】
次に、かかる構成より成る繊維強化樹脂構造部材1の製造方法について説明する。
【0032】
まず、内層部2(芯材)を成形するには、図4に示すように成形する。
【0033】
すなわち、「繊維構造体」として複数の炭素繊維織布4と複数の熱可塑性樹脂シート5とを積層して、プレス型7の下型8と上型9との間にセットする。この状態から下型8及び上型9を所定の温度まで加熱して、その積層した炭素繊維織布4と複数の熱可塑性樹脂シート5とをプレスする。これにより、熱可塑性樹脂シート5が溶融して炭素繊維織布4に含浸され、所定の形状に賦形され、内層部2(芯材)の成形が完了する。
【0034】
次に、この内層部2(芯材)を図5及び図6に示すような成形型11にセットして、この内層部2の周囲に炭素繊維が混入した熱可塑性樹脂を射出して外層部3を形成する。
【0035】
まず、その成形型11について説明すると、その成形型11は、成型機の固定側12に固定された固定型13と、可動側14に固定された可動型15とを有し、これら固定型13と可動型15には、それぞれ溶融樹脂が流れるホットランナー13a,15aが設けられている。
【0036】
それらホットランナー13a,15aには、それぞれ中央通路13b,15bとこの中央通路13b,15bから分岐し射出空間(キャビティ)まで延びる分岐通路13c,15cとを有している。その固定型13のホットランナー13aの中央通路13bは、図中右側の一端部から溶融された熱可塑性樹脂が流入するようになっており、図中左側の他端部には開閉バルブ13dが配設されている。また、その可動型15のホットランナー15aの中央通路15bは、図中右側の一端部に開閉バルブ15dが設けられ、その固定型13のホットランナー13aの中央通路13bと、図5に示すような型締め状態で連通するようになっている。
【0037】
また、その固定型13のホットランナー13aの分岐通路13cは、先端部の吐出口が、収容された内層部2の右側に臨み、又、その可動型15のホットランナー15aの分岐通路15cは、先端部の吐出口が、収容された内層部2の左側に臨むようになっている。そして、それら各分岐通路13c,15cの先端部には、それぞれ開閉バルブ13e,15eが設けられている。これら固定型13の吐出口と、可動型15の吐出口とは、各型13,15の相対向する位置に設けられ、内層部2の両側にそれら吐出口から溶融樹脂を射出するようになっている。
【0038】
さらに、この固定型13及び可動型15には、内層部2(芯材)を成型型11に対して固定する「固定手段」としての保持機構16が設けられている。この保持機構16は、保持ピン16aが射出空間に対して出没するように設けられ、突出した状態で内層部2を保持ピン16aにより両側から挟持して固定するようになっている。この保持ピン16aは油圧、空圧やスプリング等により、突出され、又、射出された溶融樹脂の力により、保持ピン16aの先端側の一部が押されて没入されるようになっている。
【0039】
このような成形型11を用いて内層部2の周囲に外層部3を以下のように成形する。
【0040】
まず、上述のように成形された内層部2を成形型11の射出空間内に収容し、固定型13及び可動型15を型締めした状態で、保持機構16の複数の保持ピン16aを油圧等により突出させて、内層部2を両側から挟持するようにして固定する。
【0041】
この状態で、固定型13及び可動型15を加熱し、炭素繊維及び、金属又は鉱物の粉末が混入された溶融樹脂を固定型13のホットランナー13aの中央通路13bに流入させると共に、開閉バルブ13d,15dを開くことにより、溶融樹脂を可動型15のホットランナー15aの中央通路15bに流入させる。
【0042】
これと共に、各開閉バルブ13e,15eを開くことにより、中央通路13b,15bから分岐通路13c,15cを介して射出空間内に溶融樹脂が射出される。この場合には、内層部2の両側の分岐通路13c,15cの吐出口から溶融樹脂が内層部2の両側に射出されることにより、内層部2の周囲に溶融樹脂が射出されることとなる。
【0043】
このように溶融樹脂を内層部2の両側に射出することにより、内層部2の全周に容易に溶融樹脂を行き渡らせることができると共に、この外層部3の肉厚を均一に薄く成形することもできる。例えば、内層部2の片側からのみ溶融樹脂を射出すると、内層部2の反対側まで樹脂が流れて行くようにする必要があり、内層部2の全周に容易に溶融樹脂を行き渡らせるのが容易でなく、又、溶融樹脂が硬化する前に内層部2の全周に溶融樹脂を行き渡らせるためには、肉厚を厚くする必要があることから、その外層部3の肉厚をそれ程、薄くできない。
【0044】
この際には、射出された溶融樹脂の力により、保持ピン16aの先端側の一部が押されて没入されることにより、射出空間から保持ピン16aを退避させて、この保持ピン16aが存在していた所に溶融樹脂を行き渡らせることができる。
【0045】
また、このように内層部2の全周に溶融樹脂を射出することにより、炭素繊維の熱可塑性樹脂に対する含有比率は、繊維強化樹脂構造部材1の外表面から板厚の中心部に向かって炭素繊維の含有率が増大することとなる。その外層部3の熱可塑性樹脂には、金属(例えばアルミ、銅、鉄等)又は鉱物(例えばサファイヤ等)の粉末が混合されており、図示は省略されているが、表面には炭素繊維が表れていない代わりに、その金属又は鉱物の粉末が表れることとなる。これは、成形型11を加熱することにより、溶融樹脂が成形品表面(成形型11と接触する部分)にまわることから、炭素繊維が表面に表れることなく、溶融樹脂に混入されている金属又は鉱物の粉末が表れるからである。
【0046】
その後、この固定型13及び可動型15を冷却することにより、溶融樹脂を冷却して硬化させることで、内層部2の周囲を覆うように外層部3が成形される。次いで、可動型15を移動させて、離型することにより、成形された繊維強化樹脂構造部材1を取り出すことにより、成形を完了する。
【0047】
このような繊維強化樹脂構造部材1にあっては、内層部2は繊維構造体に熱可塑性樹脂を含浸した芯材で構成し、外層部3は長繊維を含有する熱可塑性樹脂からなるため、アルミダイキャストと比べ軽量化、製造コストの低減を図ることができると共に、従来の射出成形品と比べ強度の向上を図ることができ、熱硬化性樹脂の成形に比べ大量生産が可能で、材料が安価であり、又、複雑な形状の成形を行うことができる。
【0048】
この場合の繊維長と繊維強化効果係数との関係を図7に示す。この図に示すように、繊維長が4mm程度まで、繊維強化効果係数が大きな伸びを示しており、強度が向上するように任意の繊維長のものを用いることとする。
【0049】
また、炭素繊維の含有率と引張強さとの関係を図8に示す。この図に示すように、炭素繊維の含有率が増加すると引張強さが強くなるため、適当な含有率とする。
【0050】
さらに、炭素繊維の熱可塑性樹脂に対する含有比率は、繊維強化樹脂構造部材1の外表面から板厚の中心部に向かって炭素繊維の含有率が増大しているため、強度、剛性を向上させることができる。
【0051】
さらにまた、その外層部3の熱可塑性樹脂に金属又は鉱物の粉末が混合されているため、表面には長繊維が露出せず、金属又は鉱物の粉末が表れることから、この金属又は鉱物の粉末を調整することにより、外観の色等を調整できる。
【0052】
また、内層部2及び外層部3には、炭素繊維を用いているため、他の繊維と比べ軽量で効果的に強度を確保できる。
【0053】
さらに、内層部2の周囲に、外層部3を構成する長繊維を含有する熱可塑性樹脂を成形型11内に射出して成形したため、容易に繊維強化樹脂構造部材1を成形できる。
【0054】
さらにまた、保持機構16を設けることにより、内層部2を容易に成形型11内に安定的に配設できる。
【0055】
また、外層部3の射出成形は、固定型13、可動型15の略対向する位置に設けた少なくとも一対の吐出口(分岐通路13c,15c)から、芯材(内層部2)の周囲に熱可塑性樹脂を射出するようにしたため、内層部2の周囲に肉厚の薄い外層部3を均一に成形することができる。
【0056】
なお、上記実施の形態では、繊維強化樹脂構造部材1として自動車用ギヤボックスにこの発明を適用したが、これに限らず、強度や軽量化等を要求される構造部材であれば、他のものでも有効にこの発明を適用できる。
【0057】
また、内層部2を成形型11に対して固定する固定手段として、成形型11側に保持機構16を設けたが、これに限らず、内層部2に突起等の固定手段を設けることもできる。
【符号の説明】
【0058】
1…繊維強化樹脂構造部材
2…内層部
3…外層部
4…炭素繊維織布
5…熱可塑性樹脂シート
7…プレス型
8…下型
9…上型
11…成形型
13…固定型
13a…ホットランナー
13b…中央通路
13c…分岐通路
15…可動型
15a…ホットランナー
15b…中央通路
15c…分岐通路
16…保持機構(固定手段)
16a…保持ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂と繊維の複合材からなる繊維強化樹脂構造部材であって、
内層部を、繊維構造体に熱可塑性樹脂を含浸した芯材で構成し、該内層部の周囲を覆う外層部を、長繊維を含有する熱可塑性樹脂から構成したことを特徴とする繊維強化樹脂構造部材。
【請求項2】
前記繊維の前記熱可塑性樹脂に対する含有比率は、前記繊維強化樹脂構造部材の外表面から板厚の中心部に向かって前記繊維の含有率が増大することを特徴とする請求項1に記載の繊維強化樹脂構造部材。
【請求項3】
前記外層部の熱可塑性樹脂に金属又は鉱物の粉末が混合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維強化樹脂構造部材。
【請求項4】
前記繊維構造体及び前記長繊維は、炭素繊維であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の繊維強化樹脂構造部材。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一つに記載の繊維強化樹脂構造部材の製造方法であって、
予め所定の形状に成形した前記芯材である前記内層部を成形型内に配置し、前記外層部を構成する前記長繊維を含有する熱可塑性樹脂を前記成形型内に射出して成形することを特徴とする繊維強化樹脂構造部材の製造方法。
【請求項6】
前記内層部を前記成形型内に配置する際に、前記内層部を前記成形型に対して固定する固定手段を設けたことを特徴とする請求項5に記載の繊維強化樹脂構造部材の製造方法。
【請求項7】
前記外層部の射出成形は、前記成形型の固定型、可動型の略対向する位置に設けた少なくとも一対の吐出口から、前記内層部の両側に、前記長繊維を含有する溶融した前記熱可塑性樹脂を射出することにより成形したことを特徴とする請求項5又は6に記載の繊維強化樹脂構造部材の製造方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【公開番号】特開2011−218757(P2011−218757A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93052(P2010−93052)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(510104595)株式会社キャップ (3)
【Fターム(参考)】