説明

繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物

【課題】ハニカムパネルの面板用プリプレグに使用するマトリックス樹脂の自己接着強度の向上に必要な靭性を向上するようにした繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、固形樹脂微粒子(C)及び硬化剤(D)を含むエポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂組成物の硬化後の形態が、前記エポキシ樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)が共連続相を形成し、該共連続相における少なくとも前記エポキシ樹脂(A)の連続相中に前記固形樹脂微粒子(C)が分散することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、ハニカムパネルの面板用自己接着性プリプレグに使用するエポキシ樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂にする繊維強化複合材料は、その優れた力学物性などから、航空機、自動車、産業用途に幅広く使用されている。特に航空機用構造材料や内装材においては、軽量化の観点から、ハニカムパネルの面板として繊維強化複合材料を用いるケースが増加している。
【0003】
従来、ハニカムパネルは、ハニカムコアの両面に、フィルム状接着剤を介在させて、面板となるプリプレグ(未硬化の繊維強化複合樹脂材料)を積層し、プリプレグを構成する樹脂の硬化と、面板とハニカムコアとの接着とを同時に行なう、いわゆるコキュア成形によって製造されている。近年では、ハニカムパネルをより一層軽量化すること及び成形コストを低減することを目指してハニカムコアとプリプレグを直接接着させる、いわゆる自己接着技術が求められている。
【0004】
プリプレグに自己接着性を発現させるためには、加熱硬化の際にハニカムコアとプリプレグの接合面をプリプレグの樹脂で濡らし隅肉を形成すること、いわゆるフィレットを形成し、その形状及び強度を向上することが重要である。フィレットは、プリプレグからハニカムコアの厚み方向に、ハニカムの壁に沿って樹脂が垂れ又はせり上がった状態で形成され、その形状は樹脂の粘度との関係が深く、また、フィレットの強度は、プリプレグを構成するマトリックス樹脂の靭性に左右される。
【0005】
特許文献1は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂からなる熱硬化性樹脂組成物において、硬化した後の形態が共連続相になるようにすることにより、熱硬化性樹脂の靭性を改善することを開示している。しかし、この熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂の靭性をある程度改良するもののハニカムとプリプレグとを直接接着させる場合に形成されるフィレットの強度を向上するための靭性向上のためには必ずしも十分ではなかった。
【特許文献1】特開平2−305860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ハニカムパネルの面板用プリプレグに使用するマトリックス樹脂の自己接着強度の向上に必要な靭性を向上するようにした繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、固形樹脂微粒子(C)及び硬化剤(D)を含むエポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂組成物の硬化後の形態が、前記エポキシ樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)が共連続相を形成し、該共連続相における少なくとも前記エポキシ樹脂(A)の連続相中に前記固形樹脂微粒子(C)が分散することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)がそれぞれ微細に入り交じった、3次元網目構造の共連続相を形成することにより靭性を向上する上に、さらに、溶解、微細化した固形樹脂微粒子(C)が、少なくともエポキシ樹脂(A)の連続相中に微細に分散しているので、いっそう靭性を向上することが可能になる。したがって、このエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂に使用することにより、プリプレグの自己接着強度を一層向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)は、特に限定されるものではないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジフェニルフルオレン型エポキシ樹脂、トリグリシジルアミノフェノール樹脂、トリグリシジルアミノクレゾール樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン樹脂、テトラグリシジルm−キシリレンアミン樹脂、N,N−ジアミノクレゾール樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、及びこれら各種変性エポキシ樹脂、並びに結晶性エポキシ樹脂、単分子の結晶性エポキシ樹脂等が好ましく挙げられる。エポキシ樹脂(A)は、熱可塑性樹脂(B)との相溶性を高くし加熱混合時に熱可塑性樹脂(B)を確実に溶解するために、液状エポキシ樹脂を使用することが好ましく、上述した中から分子量が低いタイプのエポキシ樹脂を適宜選択するとよい。また、エポキシ樹脂(A)は、プリプレグの要求特性に合わせて、これらの中から、硬化後の形態が上記のモルフォロジーを発現するように、単独又は2種以上の組み合わせで使用することが好ましい。
【0010】
エポキシ樹脂(A)の性状は、好ましくは常温で液状であり、温度25℃の粘度が、好ましくは1〜100ポイズ、より好ましくは5〜50ポイズにするとよい。粘度をこのような範囲内にすることにより、熱可塑性樹脂(B)を配合したときにエポキシ樹脂組成物の粘度を容易に適正な範囲にすることができ、また硬化後に共連続相を形成することが可能になる。ただし、温度25℃の粘度は、BH型回転粘度計を用いて測定する値であり、具体的にはエポキシ樹脂の入った缶を温度25℃の恒温槽に入れBH回転粘度計の負荷が安定した目盛りをもって測定する値である。
【0011】
なお、エポキシ樹脂(A)に対して、半固形又は固形のエポキシ樹脂を、本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。例えば、半固形又は固形のエポキシ樹脂を、エポキシ樹脂(A)100重量部に対して、20重量部以下の割合で配合してもよい。
【0012】
熱可塑性樹脂(B)は、エポキシ樹脂(A)に加熱混合時に溶解し、硬化時に相分離して微細に入り交じった共連続相を形成する。このため、熱可塑性樹脂(B)は、エポキシ樹脂(A)との相溶性が高いことが求められ分子末端に反応性官能基を有することが好ましい。反応性官能基は、特に限定されるものではないが、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等が好ましく挙げられ、特にヒドロキシル基が好ましい。
【0013】
熱可塑性樹脂(B)の種類は、特に限定されるものではないが、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアリールエーテル樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂及びポリエーテルエーテルケトン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。なかでもポリエーテルスルホン樹脂又はポリエーテルイミド樹脂が好ましく、とりわけポリエーテルスルホン樹脂が、エポキシ樹脂との相溶性に優れ、共連続相を形成しやすく、かつ靭性を向上することができるため好ましい。
【0014】
熱可塑性樹脂(B)は、粒子状のものを使用することが好ましく、より好ましくはその粒子径を200μm以下、さらに好ましくは5〜100μmにするとよい。このような粒子径を有する微細粒子の熱可塑性樹脂を使用することにより、エポキシ樹脂に配合するときに大きな粒子が解け残ることを回避して素早く均一に溶解するため、硬化後に共連続相を形成しやすくなる。すなわち、微細粒子の粒子径を200μm以下にすることにより、エポキシ樹脂(A)への熱可塑性樹脂(B)の溶解が均一となり、共連続相を形成しやすくなり靭性を十分に向上させることができる。粒子径200μm以下の微細粒子を調整する方法は、特に制限されることはないが衝撃粉砕法、噴霧乾燥法により微細化することが好ましい。
【0015】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化後にエポキシ樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)が相互に入り交じった共連続相を形成し、この共連続相における少なくともエポキシ樹脂(A)の連続相中に固形樹脂微粒子(C)が分散することを特徴とする。少なくともエポキシ樹脂(A)の連続相の中に、固形樹脂微粒子(C)がより微細な分散相を形成するので、エポキシ樹脂(A)相の内部の応力集中を全体に分散させるようにして、靭性を向上することができる。このエポキシ樹脂組成物の靭性の向上により、フィレットの強度が改良され、プリプレグの自己接着強度を向上することができる。なお、固形樹脂微粒子(C)は、少なくともエポキシ樹脂(A)の連続相の中に分散していればよく、熱可塑性樹脂(B)の連続相中に分散していてもよい。
【0016】
固形樹脂微粒子(C)を構成する樹脂は、少なくともエポキシ樹脂(A)と親和性が高い樹脂であればよく、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂のどちらでもよく、両者を共に使用してもよい。具体的に、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂等からなることが好ましく、なかでもエポキシ樹脂がより好ましい。エポキシ樹脂としては、特に制限されるものではないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格型エポキシ樹脂又はナフタレン骨格のエポキシ樹脂が挙げられ、とりわけビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
【0017】
固形樹脂微粒子(C)を構成するエポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂を精製し純度を高めると共にその分子量を高くして調製することにより、分子末端にエポキシ基を有するフェノキシ骨格型樹脂がより好ましい。分子末端にエポキシ基を有することによりエポキシ樹脂(A)との親和性を高めることができ、フェノキシ骨格型樹脂は、好ましくはビスフェノールA骨格及びビスフェノールF骨格から選ばれる少なくとも1つからなるフェノキシ型樹脂であり、軟化点を高くすると共に、靭性を向上することができる。
【0018】
また、固形樹脂微粒子(C)を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、分子末端に反応性官能基を有するものが、靭性向上効果が高く好ましい。
【0019】
固形樹脂微粒子(C)を構成する樹脂の分子量は、10,000〜100,000であることが好ましい。分子量が10,000〜100,000の範囲内にあると、エポキシ樹脂組成物の硬化時に固形樹脂粒子が溶け残ることを防止して均一に溶解することが可能になると共に、固形樹脂粒子が均一に分散することによりエポキシ樹脂組成物の靭性を向上させることができる。なお、本発明において、分子量は、GPC分析により測定した重量平均分子量である。
【0020】
固形樹脂微粒子(C)を構成するエポキシ樹脂は、高分子量タイプのものが好ましく、重量平均分子量が10,000〜35,000のエポキシ樹脂がより好ましい。重量平均分子量が10,000〜35,000の範囲内にあると、衝撃粉砕法などにより、微細な粒子を製造しやすいことやエポキシ樹脂組成物の加熱硬化過程で粒子が分散しやすいという理由から好ましい。
【0021】
固形樹脂微粒子(C)として使用する分子末端にエポキシ基を有するフェノキシ骨格型樹脂は、その重量平均分子量を、好ましくは50,000〜60,000にするとよい。フェノキシ骨格型樹脂の重量平均分子量を50,000〜60,000の範囲内にすると、衝撃粉砕法などにより微細な粒子を製造しやすく、エポキシ樹脂組成物の加熱硬化過程でこの粒子が分散しやすいからである。
【0022】
また、分子末端にエポキシ基を有するフェノキシ骨格型樹脂は、そのエポキシ当量を、好ましくは8,000〜20,000g/eqにするとよい。エポキシ当量を8,000g/eq以上にするとエポキシ樹脂(A)に加熱硬化前に完全に相溶することがなく、硬化後にエポキシ樹脂(A)の連続相中で分離した分散相を形成することが可能になり、20,000g/eq以下にするとエポキシ樹脂(A)に加熱硬化時に容易に溶解することができる。
【0023】
固形樹脂微粒子(C)を構成するエポキシ樹脂は、常温で固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂からなることが好ましい。このようなビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂を精製し純度を高めると共にその分子量を高くすることにより調製することができ、軟化点が高くプリプレグの作業性を改善すると共に、靭性を改善する効果が高く好ましい。
【0024】
ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、エポキシ当量が、好ましくは1000〜8000g/eq、より好ましくは2000〜6000g/eqであるとよい。エポキシ当量を1000g/eq以上にするとエポキシ樹脂(A)に加熱硬化前に完全に相溶することがなく、硬化後にエポキシ樹脂(A)の連続相中で分離した分散相を形成することが可能になり、また8000g/eq以下にするとエポキシ樹脂(A)に加熱硬化時に容易に溶解することができる。
【0025】
加熱硬化時にエポキシ樹脂(A)に、固形樹脂微粒子(C)が完全に溶解するようにするため、固形樹脂微粒子(C)は、粒子径が、好ましくは100μm以下、より好ましくは5μm〜100μmのものを使用するとよい。固形樹脂微粒子(C)の粒子径をこのような範囲内にすることで、加熱硬化工程で所定の温度になると、固形樹脂微粒子(C)がエポキシ樹脂(A)に容易に溶解するので、エポキシ樹脂組成物の粘度を適正に調整すると共に、エポキシ樹脂相の中に分散し、硬化物の靭性を向上することができる。
【0026】
エポキシ樹脂組成物の硬化後、固形樹脂微粒子(C)の粒子径は、好ましくは0.1〜2μm、より好ましくは0.1〜0.5μmであるとよい。固形樹脂微粒子(C)の粒子径を、0.1〜2μmの範囲内にしエポキシ樹脂(A)の連続相中に分散すると樹脂硬化物の靭性を向上する効果が高くなり好ましい。
【0027】
硬化剤(D)の種類は、エポキシ基と反応し得る活性基を有する化合物であれば、特に限定されるものではないが、芳香族ポリアミン、脂肪族ポリアミン、イミダゾール化合物、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、カルボン酸無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化合物、ノボラック樹脂、ポリメルカプタン等が好ましく挙げられる。とりわけ樹脂硬化物の機械的特性を向上する観点から、芳香族ポリアミンが好ましく、特に3,3′ジアミノジフェニルスルホン(3,3′−DDS)又は4,4′ジアミノジフェニルスルホン(4,4′−DDS)等のジアミノジフェニルスルホンを使用することが好ましい。
【0028】
また、硬化剤(D)は、さらに、潜在性硬化剤を使用することが好ましい。潜在性硬化剤は、有機酸ジヒドラジド、ジシアンジアミド、アミンイミド、第三アミン塩、イミダゾール塩、ルイス酸及びブレンステッド酸から選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、とりわけ有機酸ジヒドラジド又はジシアンジアミドが好ましい。潜在性硬化剤を使用することにより、樹脂硬化物の靭性を向上すること、すなわちフィレットの強度を向上してプリプレグの自己接着強度を向上することができる。なかでも硬化剤(D)としては、ジアミノジフェニルスルホン及び潜在性硬化剤から選ばれる少なくとも1つの硬化剤を使用するのが特に好ましい。
【0029】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)100重量部に対して、熱可塑性樹脂(B)を好ましくは20〜60重量部、より好ましくは30〜50重量部、固形樹脂微粒子(C)を好ましくは2〜20重量部、より好ましくは5〜15重量部の配合割合で含むとよい。
【0030】
熱可塑性樹脂(B)の配合量を20〜60重量部の範囲内にすることにより、エポキシ樹脂組成物の粘度を適正化してフィレットの形状を良好にでき、60重量部以下にすることによりタック性及びドレープ性等のプリプレグの作業性を向上することができる。固形樹脂微粒子(C)の配合量を2重量部以上にすると硬化物の靭性の向上効果が得られ、また20重量部以下にするとプリプレグを適度な硬さにしてタック性及びドレープ性が向上することが可能になる。
【0031】
硬化剤(D)は、上記エポキシ樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは25〜50重量部、より好ましくは30〜45重量部を配合するのがよい。硬化剤(D)の配合量を25〜50重量部にすることにより、樹脂硬化物が面板として要求される強度、靭性、耐熱性などの物性を向上することができる。
【0032】
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分を必須とするものであるが、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて上記(A)〜(D)成分以外の公知の硬化剤、充填剤、安定剤、難燃剤、顔料等の各種添加剤を配合してもよい。
【0033】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、その硬化物の破壊靭性値が、ASTM D5045−91に準拠して測定する破壊靭性値で、好ましくは1.8MPa・√m以上、より好ましくは1.8〜2.5MPa・√mであるとよい。エポキシ樹脂組成物の硬化物の破壊靭性値が、1.8MPa・√m以上であると、フィレット部分の靭性が高く、面板(プリプレグ)とハニカムコアの自己接着後の剥離試験において、ハニカムコアの材料破断が生じるほど、剥離強度を向上することができる。
【0034】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、昇温速度2℃/分における動的粘弾性測定による最低粘度が、好ましくは10〜150Pa・s、より好ましくは20〜150Pa・sであるとよい。動的粘弾性測定の最低粘度を上記の範囲内にすることは、プリプレグの生産性及び自己接着性を発現する上で必要であり、10Pa・s以上にすると良好なフィレットを形成することができ自己接着性が向上し、150Pa・s以下にするとフィレットの形成性を保ちつつ、プリプレグ製造時に強化繊維に樹脂組成物を容易に含浸させることができる。なお、本発明において動的粘弾性測定による最低粘度は、エポキシ樹脂組成物を試料にして、温度25℃から200℃までの間で、昇温速度2℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値をいうものとする。
【0035】
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物は、その硬化物の形態が、エポキシ樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)がそれぞれ相互に入り交じった3次元網目構造の連続相を形成し、さらに少なくともエポキシ樹脂(A)の連続相の中に固形樹脂微粒子(C)が微細な分散相を形成しているため、単にエポキシ樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)が共連続相を形成している場合と比べ、著しく優れた靭性を発揮する。すなわち、エポキシ樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)が3次元の網目構造を有する共連続相を形成することにより、応力が集中しやすい両樹脂の界面が3次元的に連続した構造を形成し、応力が全体的に分散されやすくなること、樹脂界面の接着力が両樹脂の良好な相溶性により向上していること、また靭性に優れた熱可塑性樹脂(B)を連続相にすることにより、樹脂硬化物の靭性を改良する。さらに、それに加えて固形樹脂微粒子(C)が微細な分散相となって、エポキシ樹脂(A)の連続相の中に分散していることにより、エポキシ樹脂(A)の相の内部に負荷する応力を分散させ、エポキシ樹脂(A)相の靭性を向上させ、これによって樹脂硬化物全体の靭性をさらに向上しているものと考えられる。
【0036】
本発明の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物に用いる原材料は、特に制限されるものではないが、液状のエポキシ樹脂(A)、分子末端に反応性官能基を有する熱可塑性樹脂(B)、粒子径100μm以下の固形樹脂微粒子(C)及び硬化剤(D)からなることが好ましい。エポキシ樹脂(A)に液状エポキシ樹脂を用いることにより、熱可塑性樹脂(B)との相溶性を高くし加熱混合時に熱可塑性樹脂(B)を確実に溶解することができる。
【0037】
また、熱可塑性樹脂(B)に分子末端に反応性官能基を有する熱可塑性樹脂を使用することにより、エポキシ樹脂(A)との相溶性を向上し、硬化時に相互に入り交じった共連続相を形成しやすくなる。さらに、熱可塑性樹脂(B)は、粒子状のものを使用することが好ましく、その粒子径を200μm以下にすることがより好ましい。このような熱可塑性樹脂の微細粒子を使用することにより、エポキシ樹脂に配合するときに解け残りを回避して素早く均一に溶解するため、硬化後に共連続相を形成しやすくすることができる。
【0038】
また、固形樹脂微粒子(C)の粒子径を100μm以下にすることにより、固形樹脂微粒子(C)が加熱硬化工程で所定の温度になると確実に、かつ均一に溶解するので、エポキシ樹脂組成物の粘度を調整すると共に硬化後にエポキシ樹脂相の中に分散し靭性をさらに向上することができる。
【0039】
繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、好ましくはエポキシ樹脂(A)に熱可塑性樹脂(B)を加熱混合し溶解した後に、その混合樹脂の温度を下げ、それに固形樹脂微粒子(C)を分散させるように配合するとよい。これによりエポキシ樹脂組成物の粘度を適正に保ち、プリプレグの成形時に強化繊維に含浸しやすくするため好ましい。次に得られたプリプレグを熱硬化すると、加熱中に固形樹脂微粒子(C)は、エポキシ樹脂(A)に溶解し、硬化後に少なくともエポキシ樹脂(A)の連続相を海として、その中にさらに微細に均一に分散する島(分散相)となるのである。
【0040】
具体的には、熱可塑性樹脂(B)をエポキシ樹脂(A)に加熱混合し溶解させる温度は、好ましくは温度95〜150℃、より好ましくは温度100〜125℃がよく、プラネタリミキサを用いて、均一に溶解するまで約0.5〜3時間、撹拌・混合するとよい。この混合樹脂を冷却し、好ましくは温度60〜90℃、より好ましくは温度70〜80℃にした後、固形樹脂微粒子(C)及び硬化剤(D)を加え、混合樹脂中に均一に分散・混合してエポキシ樹脂組成物を調製することが好ましい。このような製造方法により、熱可塑性樹脂(B)を確実に溶解し、かつ固形樹脂微粒子(C)をむらなく均一に分散することにより、硬化後に特定の形態を形成し靭性を向上して、プリプレグの自己接着強度を向上することができる。
【0041】
本発明の繊維強化プリプレグは、上述した繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂とし、このマトリックス樹脂を強化繊維と複合させたものである。強化繊維は、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等を好ましく挙げることができ、なかでも炭素繊維織物が特に好ましい。
【0042】
繊維強化プリプレグは、マトリックス樹脂の含有量が、好ましくは30〜50重量%、より好ましくは35〜45重量%にするとよい。繊維強化プリプレグにおけるマトリックス樹脂の割合がこのような範囲内であれば、プリプレグの自己接着性を向上すると共に作業性及び外観品質を向上させ、さらに炭素繊維強化複合材料の機械的特性を十分に発揮させることができる。
【0043】
繊維強化プリプレグを製造する方法は、本発明のエポキシ樹脂組成物を離型紙の上に薄いフィルム状に塗布したいわゆる樹脂フィルムを、強化繊維の上下に配置し、加熱及び加圧することでエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させるホットメルト法が好ましい。このようにして得られたプリプレグは、特定のエポキシ樹脂組成物を使用することから、タック性及びドレープ性に優れ、プリプレグ作業性を良好にするため、プリプレグの生産効率を向上させることができる。
【0044】
このようにして得られた繊維強化プリプレグをハニカムコアの両面に積層して、通常のオートクレーブ成形又はホットプレス成形等の熱硬化成形することにより、繊維強化複合材料を製造することができる。この繊維強化複合材料は、良好なフィレットが形成され、プリプレグのハニカムコア接着性に優れるばかりでなく、プリプレグの表面の平滑性に優れ、ポロシティ(表面の凹凸)が少ない優れた外観と表面性を有する。
【0045】
本発明に使用するハニカムコアは、好ましくはアラミドハニカム、アルミハニカム、ペーパーハニカム、ガラスハニカムから選ばれるいずれかであるとよく、中でもアラミドハニカムが好ましい。
【0046】
繊維強化プリプレグは、固形樹脂微粒子(C)を、粒子径100μm以下で分散させているので、加熱硬化工程で所定の温度になると、固形樹脂微粒子(C)が確実に、かつ均一に溶解するので、エポキシ樹脂組成物の粘度を適正に調整すると共に硬化が完了したときにエポキシ樹脂相の中に分散し、樹脂硬化物の靭性をさらに向上することができる。
【0047】
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0048】
〔実施例1〜5及び比較例1〜2〕
エポキシ樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、固形樹脂微粒子(C)及び硬化剤(D)を下記に列記されたものの中から、それぞれ表1の実施例1〜5、比較例1〜2に記載する配合割合において、エポキシ樹脂組成物を調製し、その特性を評価した。先ずエポキシ樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)の全量を、温度125℃に設定したプラネタリミキサを用いて、均一な溶液になるまで75分間、撹拌・混合した。その後、このプラネタリミキサの温度を70℃に設定し、樹脂温度が均一になったところで、固形樹脂微粒子(C)及び硬化剤(D)の全量をこの溶液中に加え、撹拌・混合してエポキシ樹脂組成物を調製した。
【0049】
・エポキシ樹脂(A)
樹脂A−1:N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール樹脂(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製MY−0510)、常温で液状、温度25℃の粘度が7ポイズ。
樹脂A−2:トリグリシジル化アルキルアミノフェノール樹脂(住友化学社製ELM−100)、常温で液状、温度25℃の粘度が10ポイズ。
樹脂A−3:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成社製YDF−170)、常温で液状、温度25℃の粘度が35ポイズ。
【0050】
・熱可塑性樹脂(B)
樹脂B−1:ポリエーテルスルホン樹脂(住友化学社製スミカエクセルPES5003P)衝撃粉砕により、粒子径100μm以下の微細粒子
【0051】
・固形樹脂微粒子(C)
粒子C−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製YD−019)、衝撃粉砕により粒子径100μm以下の微細粒子。
粒子C−2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製YD−020N)、衝撃粉砕により粒子径100μm以下の微細粒子。
粒子C−3:フェノキシ型ビスフェノールエポキシ樹脂(東都化成社製YP−70)、衝撃粉砕により粒子径100μm以下の微細粒子。
【0052】
・硬化剤(D)
硬化剤D−1:3,3′−ジアミノジフェニルスルホン(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製ARADUR9719−1)
硬化剤D−2:ジシアンジアミド(ジャパンエポキシレジン社製エピキュアDICY 15)、潜在性硬化剤
【0053】
上述のようにして得られた7種類のエポキシ樹脂組成物(実施例1〜5、比較例1〜2)について、それぞれ下記に示す方法で、エポキシ樹脂組成物の最低粘度、プリプレグのタック性及びドレープ性、硬化物の形態観察及び破壊靱性値、ハニカムパネルの剥離強度を評価し、その結果を表1に示す。
【0054】
〔エポキシ樹脂組成物の最低粘度〕
得られたエポキシ樹脂組成物を試料にして、温度25℃から200℃までの間で、昇温速度2℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の条件の動的粘弾性測定における複素粘性率の最低値を測定した。
【0055】
〔プリプレグのタック性及びドレープ性〕
得られたエポキシ樹脂組成物を用いて離型紙上に樹脂フィルムを形成し、このフィルムを炭素繊維平織織物(東レ社製T−300−3K)に、樹脂含有量が41重量%となるように加熱加圧して転写しプリプレグを得た。
【0056】
得られたプリプレグを触手により、タック性及びドレープ性を以下の三段階基準により、評価した。
プリプレグのタック性評価
○: 十分な粘着性が感じられたもの
△: やや粘着性が感じられたもの
×: ほぼ粘着性が感じられなかったもの
プリプレグのドレープ性評価
○: 十分な柔軟性が感じられたもの
△: やや柔軟性が感じられたもの
×: ほぼ柔軟性が感じられなかったもの
【0057】
〔硬化物の形態観察〕
得られたエポキシ樹脂組成物を使用して、プログラムオーブンにて温度180℃で、2時間硬化し、樹脂硬化物を作製した。
【0058】
得られた樹脂硬化物を、鋭利な刃物を用いて破断し、その破断面を走査型電子顕微鏡により、5000倍でエポキシ樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)の形態、固形樹脂微粒子(C)の分散径について形態観察した。
【0059】
〔硬化物の破壊靱性〕
上記で得られた樹脂硬化物を、ASTM D5045−91に準拠して、試験サンプルを作製し、23℃(乾燥状態)における破壊靭性値(MPa・√m)を測定した。
【0060】
〔ハニカムパネルの剥離強度〕
得られたエポキシ樹脂組成物からなるプリプレグを2枚積層し、これをハニカムコア(昭和飛行機工業社製ノーメックスハニカムSAH−1/8−8.0)の両面に配置した後、バッグに入れ、これをオ−トクレ−ブ内で温度180℃、2時間(昇温速度2.8℃/分)加熱し、硬化させてハニカムパネルを作製した。この間、オ−トクレ−ブ内を圧空で0.32MPaに加圧した。
【0061】
得られたハニカムパネルを、ASTM D1781に準拠して、加熱硬化工程にハニカムコアの上側及び下側に配置された面板をそれぞれ所定の寸法に加工し温度23℃(乾燥状態)における上側面板及び下側面板の試験片の剥離強度(lb−in/3in)を測定した。
【0062】
【表1】

【0063】
表1の結果から、本発明の実施例1〜5は、エポキシ樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)が微細な共連続相を形成し、固形樹脂微粒子(C)はエポキシ樹脂(A)の連続相中に粒子径0.2μmで分散する形態であることが認められた。また、実施例1〜5の破壊靭性値は、2.1〜2.2MPa・√mと非常に高いことが認められた。
【0064】
一方、比較例1の樹脂硬化物は、エポキシ樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)が微細な共連続相を形成するが、固形樹脂微粒子(C)を配合していないため、エポキシ樹脂(A)が強化されず破壊靭性値が1.8MPa・√mと低く、比較例2の樹脂硬化物は、熱可塑性樹脂(B)を配合していないため、共連続相を形成せず、さらに低い破壊靭性値であった。
【0065】
また、本発明の実施例1〜5は、プリプレグのタック性及びドレープ性、ハニカムパネルの剥離強度のすべてに優れた特性を示した。これに対し、固形樹脂微粒子(C)を配合しない比較例1と、熱可塑性樹脂(B)を配合しない比較例2は、ハニカムパネルの剥離強度が劣る結果になることが認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、固形樹脂微粒子(C)及び硬化剤(D)を含むエポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂組成物の硬化後の形態が、前記エポキシ樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)が共連続相を形成し、該共連続相における少なくとも前記エポキシ樹脂(A)の連続相中に前記固形樹脂微粒子(C)が分散する繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項2】
前記熱可塑性樹脂(B)が、分子末端に反応性官能基を有する請求項1に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂(B)が、ポリエーテルスルホン樹脂の粒子及び/又はポリエーテルイミド樹脂の粒子であり、その粒子径が200μm以下である請求項1又は2に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
前記固形樹脂微粒子(C)が、常温で固形のエポキシ樹脂、マレイミド樹脂、又はシアネート樹脂からなる請求項1、2又は3に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
前記固形樹脂微粒子(C)が、熱可塑性樹脂からなる請求項1、2又は3に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
前記固形樹脂微粒子(C)を構成する樹脂の分子量が10,000〜100,000である請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項7】
前記固形樹脂微粒子(C)が、分子量10,000〜35,000のエポキシ樹脂からなる請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項8】
前記固形樹脂微粒子(C)が、エポキシ当量1000〜8000g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる請求項1、2、3、4、6又は7に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項9】
前記固形樹脂微粒子(C)が、分子末端にエポキシ基を有するフェノキシ骨格型樹脂からなる請求項1、2、3、4、6、7又は8に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項10】
前記フェノキシ骨格型樹脂の分子量が、50,000〜60,000である請求項9に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項11】
前記フェノキシ骨格型樹脂のエポキシ当量が、8,000〜20,000g/eqである請求項9又は10に記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項12】
前記固形樹脂微粒子(C)の粒子径が、前記エポキシ樹脂組成物の硬化後の形態において、0.1〜2μmである請求項1〜11のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項13】
前記硬化剤(D)が、ジアミノジフェニルスルホン及び/又は潜在性硬化剤からなる請求項1〜12のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項14】
前記エポキシ樹脂組成物の硬化後に、ASTM D5045−91に準拠して測定される破壊靭性値が、1.8MPa・√m以上である請求項1〜13のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項15】
前記エポキシ樹脂組成物が、前記エポキシ樹脂(A)100重量部に対し、前記熱可塑性樹脂(B)を20〜60重量部、前記熱硬化性樹脂の粒子(C)を2〜20重量部配合する請求項1〜14のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項16】
前記エポキシ樹脂組成物の昇温速度2℃/分における動的粘弾性測定による最低粘度が10〜150Pa・sである請求項1〜15のいずれかに記載の繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂として、強化繊維と複合させた繊維強化プリプレグ。
【請求項18】
前記固形樹脂微粒子(C)の粒子径が、100μm以下である請求項17に記載の繊維強化プリプレグ。
【請求項19】
前記マトリックス樹脂の含有量が30〜50重量%である請求項17又は18に記載の繊維強化プリプレグ。
【請求項20】
前記強化繊維が炭素繊維である請求項17、18又は19に記載の繊維強化プリプレグ。
【請求項21】
請求項17〜20のいずれかに記載の繊維強化プリプレグとハニカムコアとを積層したハニカムサンドイッチパネル。
【請求項22】
前記ハニカムコアが、アラミドハニカム、アルミハニカム、ペーパーハニカム、ガラスハニカムから選ばれるいずれかである請求項21に記載のハニカムサンドイッチパネル。

【公開番号】特開2007−314753(P2007−314753A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−264577(P2006−264577)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】