説明

繊維材料の撥油及び/又は撥水加工用組成物

織物材料を処理し、撥油及び/又は撥水特性を付与する上で有用な8つの水性組成物が記載されている。本組成物は、とりわけ、ペルフルオロアルキル基(R基)(ここで、R基の55〜100%が6個の炭素原子を含有する)を含有するポリマーを含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、織布、編生地又は繊維性不織ウェブ(不織布)などの繊維材料で構成される織物生地を処理する上で非常に有用な水性組成物に関する。本発明は更に生地の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
構造CF−(CF−CF−のペルフルオロアルキル基(R基)を含有するポリマーで繊維材料で構成される織物生地を処理することは公知である。これらのR基は、記載の式におけるxが6以上である場合、即ち、R基が8個以上の炭素原子を含有する場合、その一般的に通常の鎖長である。そのようなポリマーは、繊維材料に撥油及び/又は撥水特性を付与するために使用することができる。先行技術の組成物においては、R基を含有するポリマーは、しばしば、以下の構造単位:
【化1】


を含有するポリ(メタ)アクリラートとして具体化される。
【0003】
そのようなポリマーは、特に、織物材料の撥油/撥水加工用の配合物の成分として有用である。
【0004】
織物を処理するためのR基を含有するポリアクリラートの使用は、EP314944A2から明らかである。同様に、WO03/14180A1は、R基を含有するポリマーでの繊維材料の処理について記載している。
【0005】
基を含有するポリマーでの繊維材料の処理は、EP1632542A1からも公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
生態学的には、R基についてより短い鎖長、即ち、R鎖において8個未満の炭素原子を使用することが望ましいであろう。しかしながら、より短い鎖長は、より劣った撥油/撥水値に至ることが試験により示されている("Macromolecules 2005, 38, 5699 - 5705" Takahara et al.を参照)。
【0007】
EP1493761A1は、ポリマーのR基の鎖長が3又は4個の炭素原子に達する組成物について記載している。この参考文献によると、撥油及び撥水値は、8個の炭素原子のR基の鎖長を有するフルオロポリマーを使用する場合に得られるものとほぼ同じレベルで、織物仕上において得られる。しかし、生態学的利点にもかかわらず、本EPの組成物で得られる撥油及び撥水効果は完全には満足のいくものではない。
【0008】
WO2008/022985A1の組成物は同様に、R基が8個未満の炭素原子を含有するペルフルオロアルキル基を含有するポリマーについて記載している。この文献は特定のポリマーに関するものであり、この調製は、熱架橋性又は反応性イソシアナートを単量体構成単位として利用する。同様に、この文献の組成物は、仕上加工された織物に対して最適な撥油及び/又は撥水特性を与えていない。
【0009】
本発明の目的は、ペルフルオロアルキル基を含有するポリマーのR基が8個以上の炭素原子を含有する公知の組成物よりも生態学的及び費用上の利点を与え、仕上加工された織物材料の撥油及び撥水特性に関する限り少なくともこれら公知の組成物の効果レベルを与える組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
我々は、この目的が、少なくとも成分A、B及びCを含む水性組成物であって、
成分Aは、少なくとも成分A1〜A3を含有する混合物であり、
成分A1はパラフィンワックスであり、
成分A2は、12〜22個の炭素原子を有するアルコールと、エーテル化、好ましくは四級化ポリメチロールメラミンと、場合により更に多官能性エタノールアミンとの縮合生成物であり、この縮合生成物は酸、好ましくは酢酸0.05〜1.5重量%を含有してもよく、
成分A3は水であり、あるいは、
成分Aは、少なくとも成分A4〜A6を含有する混合物であり、
成分A4は、ケイ素原子に結合したアルキル基に加えて、更にケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサン、即ち、アルキル−水素−ポリシロキサンであり、
成分A5は水であり、そして
成分A6は分散剤、好ましくはエトキシ化アルコール又はエトキシ化アルコールの混合物であり、ここで、好ましくは8〜20個の炭素原子を有するエトキシ化直鎖又は分岐鎖状アルコールが使用され、
成分Bは、少なくとも成分B1〜B3を含有する混合物であり、
成分B1は、イソシアナート基を含有し、そのイソシアナート基が、好ましくは脂肪族ケトキシムでブロックされているポリウレタンであり、ここで、ポリウレタンは、好ましくは、芳香族又は脂肪族、好ましくは芳香族ジイソシアナートから構成されており、ここでジイソシアナートは、好ましくは、2〜6個の炭素原子を有するジオール、三価脂肪族アルコール及びN−アルキル化ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンと反応しており、
成分B2は、分散剤又は分散剤混合物であり、エトキシ化アルコールならびに場合により二価脂肪族アルコール及び場合により無機酸を含有し、
成分B3は水であり、
成分Cは、ペルフルオロアルキル基(R基)を含有するポリマーであり、ここで、存在する全てのR基の55〜100%が6個の炭素原子を含有し、前記組成物は、成分Dとして、場合により更にジルコニウム塩、好ましくは酢酸ジルコニウムを含有する水性組成物により達成されることを見出した。
【発明を実施するための形態】
【0011】
通常、繊維処理配合物により付与される撥油及び撥水効果は、R基の鎖長の短縮に関して悪化することが認められている。この望ましくない悪化は、R基を含有するポリマーの組成物を、増量剤として公知の更なる生成物と混合することにより、ある程度相殺することができる。このようにして、EP1493761A1の組成物は、このEPの組成物の鎖長が3又は4個の炭素原子に等しいに過ぎないにもかかわらず、ほぼRF基中の8個の炭素原子の鎖長で生じる効果レベルを達成する。他方、より短い鎖長は、Cと比して生態学的利点を与える。
【0012】
記載の知見は、本発明の組成物が、仕上加工された織物に対して、一方では3又は4個の炭素原子、他方では8個の炭素原子の鎖長を使用した結果とほぼ同レベルの撥油及び撥水効果を生み出すであろうことを示唆しているようである。驚くべきことに、そうではない。このことは、当業者には全く予期しないことではあるが、本発明の組成物が、R基中の炭素原子の平均の数が3〜4、又は8であるRを含有するポリマーの使用と比較して、仕上加工された織物材料に対する明らかに向上した撥油及び/又は撥水特性を与えることが見出されたからである。このことは同じ追加繊維に当てはまり、そのため同じ効果レベルを達成するために、公知の配合物の場合よりも低級の追加生成物を織物に対して本発明の化合物と共に使用する。このことが費用上の利点をもたらすことが理解されるであろう。
【0013】
本発明の組成物に関する決定的な点は、R基の鎖の長さである。鎖長分布の最大限度は6個の炭素原子に位置するであろう。即ち、存在する全てのR基の数の55〜100%、好ましくは70〜100%が6個の炭素原子を有するはずである。特に、存在する全てのR基の100%が6個の炭素原子を含有する場合に良好な結果が得られる。しかしながら、R基のいくつか、即ち、0〜45%が6以外の鎖長を有することは可能である。しかしながら、最良の結果は、R基の約100%が6個の炭素原子を含有する場合に得られる。したがって、R鎖の70〜100%が6個の炭素原子を含有することが好ましい。6個の炭素原子を含有していないR基はたいてい、4又は8個の炭素原子の鎖長を有する。
【0014】
ペルフルオロアルキル基(R基)を有するポリマー(=本発明の組成物の成分C)は、好ましくは、アルコール成分がR基を含有する、ポリアクリル酸エステル又はポリメタクリル酸エステルである。当該ポリマーは、好ましくは、式:
【化2】


で示される単位を含有する。
【0015】
更に、このポリマーは、共重合性単量体から誘導される更なる単位を含有してもよい。その例は:塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、N−メチロールアクリルアミドならびにアクリル酸ステアリル及びそのヒドロキシ誘導体などのフッ素を含まず相対的に長鎖の(メタ)アクリラートである。
【0016】
成分Cとして有用なポリマーは、公知の方法で、(メタ)アクリル酸又はそのエステルを、R基を含有するアルコールと反応させ、次に、場合により更なる重合性単量体の存在下、フリーラジカル重合を行うことにより得られる。R基を含有するアルコールはたいてい、R基中に6個の炭素原子を有する。即ち、全てのR基の55〜100%が6個の炭素原子を含有する。
【0017】
基は、好ましくは、式:
【化3】


[式中、aは、R基の過半数が4である]を有する。
【0018】
好適な(メタ)アクリラートの構造及びそれらの調製は、WO2009/000370A1、EP234724A1、更にFR2213333Aに記載されている。本発明の組成物の成分Cとして有用なポリマーは、R基の鎖長に注意しなければならないことを除いては、これらの参考文献と同様に得られる。
【0019】
好ましい(メタ)アクリラートに加えて、成分Cは、R基を含有する他のポリマー、例えば、R基を有するポリウレタンを利用してもよい。
【0020】
本発明の組成物中の成分Aは、混合物(少なくとも成分A1〜A3を含有する混合物か、又は少なくとも成分A4〜A6を含有する混合物のいずれか)である。
【0021】
更に本発明の組成物における使用に適したものは、成分Aの列挙した代替成分の両方を含有する混合物、即ち、成分A1〜A3だけでなく成分A4〜A6も含有する混合物、又は成分A1〜A3、A4及びA6を含有する混合物(成分A5は成分A3に対応するので省略することができる)である。
【0022】
成分A1はパラフィンワックスである。そのようなワックスは市販されており、CAS番号8002−74−2及び64742−43−4により記載される。50℃〜80℃の融解範囲を有するワックスを使用することが好ましい。
【0023】
成分A2は、12〜22個の炭素原子を有するアルコール、好ましくは直鎖状一価アルコールを、一方で、エーテル化された、好ましくは四級化されたポリメチロールメラミンと、他方で、場合により更に多官能性エタノールアミンと反応させることにより得られる縮合生成物である。メタノールでエーテル化し、硫酸アルキルで四級化したヘキサメチロールメラミンが特に有用である。この縮合生成物は、相対的に長鎖のアルコールを、メラミン及び多官能性エタノールアミンと同時に反応させる場合に形成される。ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンは非常に好適なエタノールアミンである。成分A2は更に、少量の酸、例えば酢酸、例えば0.05〜1.5重量%を含有してもよい。
【0024】
成分A3は水である。
【0025】
本発明の組成物中の成分Bは、少なくとも成分B1〜B3を含有する混合物である。
【0026】
成分B1は、ブロックされたイソシアナート基(全てのイソシアナート基の少なくとも90%がブロックされている)を含有するポリウレタンである。文献から公知の生成物はブロッキング剤として有用である。脂肪族ケトキシム、例えばブタノンオキシムが、ブロッキング剤として使用する上で特に有益である。好ましいポリウレタンは、脂肪族、又は、好ましくは芳香族ジイソシアナート(好ましくは、三価脂肪族アルコール、例えば1,1,1−トリメチロールプロパン、及びN−アルキル化ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンと反応した芳香族ジイソシアナート)から好ましくは構成される。成分B1として有用なポリウレタンは、例えばHuntsman Textile Effects (Germany) GmbHから市販されている。成分B1として有用なポリウレタン及びそれらの調製は、EP872503A1に記載されている。
【0027】
成分B2は分散剤又は分散剤の混合物である。成分B2は、相対的に長鎖で、好ましくは直鎖状一価アルコール、ならびに場合により更に二価脂肪族アルコール及び場合により少量の無機酸、例えば塩酸に基づく1つ以上のエトキシ化アルコールを含有する。一価の親アルコール(parent alcohol)からエトキシ化アルコールまでの鎖長は、好ましくは、8〜22個の炭素原子の範囲にある。任意の二価アルコールは、好ましくは、2〜6個の炭素原子を有する。エチレングリコール及び1,2−プロパンジオールが非常に有用である。
【0028】
成分B3は水である。
【0029】
有利な実施態様では、本発明の組成物は更に、成分Dとして、ジルコニウム塩(酢酸ジルコニウムが特に有用である)を含有する。本発明の組成物は、更なる生成物、特に、酢酸ジルコニウムが存在する場合、例えばモンタンワックス酸(CAS番号68476−03−9)、又は成分A中に既に存在するパラフィンに加えて、更なるパラフィンを含有してもよい。別の任意の生成物はエトキシ化脂肪酸誘導体(CAS番号61791−12−6)である。加えて、更なる分散剤、特にカチオン性界面活性剤が存在してもよい。
【0030】
分散剤の存在により、本発明の組成物は通常水性分散体である。それらは、公知の方法により、例えば個々の成分を、室温、又は必要に応じて、高温で混合し、その後機械的に均質化することにより得ることができる
【0031】
しかしながら、成分Cではなく、成分A及びBを含有する混合物を最初に調製することが好ましい。この混合物は、貯蔵の際の良好な安定性を有する。この態様では、成分Cは、本発明の組成物の使用直前に加えるだけである。
【0032】
好ましくは、本発明の組成物は、成分A〜Dを、各々に対して、以下の量:
成分Aを、35〜120重量部、好ましくは45〜90重量部、より好ましくは50〜75重量部、
成分Bを、1〜60重量部、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは8〜20重量部、
成分Cを、1〜60重量部、好ましくは1〜45重量部、より好ましくは2〜20重量部、
成分Dを、0〜30重量部、好ましくは0〜15重量部、より好ましくは1.5〜8重量部
で含有する。
【0033】
好ましい実施態様は、成分Aが、成分A4〜A6を含有せず、成分A1及びA2を、以下の量:
A1:10〜30重量%、好ましくは12〜25重量%、
A2:5〜15重量%、好ましくは6〜12重量%
(ここで、成分Aの残りは、水(成分A3)及び場合により少量の酢酸により形成される)で含有するか、あるいは
成分Aが、成分A1〜A3を含有せず、成分A4〜A6を、以下の量:
A4:25〜45重量%、好ましくは30〜40重量%、
A5:50〜70重量%、好ましくは55〜65重量%、
A6:1〜5重量%、好ましくは3〜5重量%
で含有することを更に特徴とする。
【0034】
本発明の組成物が全ての成分A1〜A6を含有する場合、各々に対して以下の量:
A1:8〜30重量部、好ましくは10〜20重量部、
A2:3〜20重量部、好ましくは4〜12重量部、
A4:1〜15重量部、好ましくは2〜10重量部、
A6:0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部
(ここで、成分Aの残りは、水(成分A3及びA5)により形成される)が好ましい。
【0035】
成分Bは、好ましくは、成分B1及びB2を、以下の量:
B1:8〜40重量%、好ましくは12〜30重量%、
B2:2〜20重量%、好ましくは3〜15重量%
(ここで、成分Bの残りは、水(成分B3)により形成される)で含有する。
【0036】
本発明の組成物は、繊維材料で構成される織物生地を処理する上で、結果的に優れた撥油及び/又は撥水特性がこれらに付与される点で、非常に有用である。ここで生地とは、通常、織布、編生地又は繊維性不織ウェブ(不織布)である。それらはとりわけ、以下の最終用途の物品:雨着及び作業着の製造に使用することができる。好ましくは、織物は、ポリアミド、ポリエステル又はポリエステル−綿混紡からなる。
【0037】
本発明の組成物を用いた織物生地の処理は、公知の方法、例えば、パッド−マングル操作により実施することができ、その場合、本組成物を適用した生地は乾燥され、通常、更に高い温度で硬化処理される。
【0038】
既に記載したように、最初に成分A及びBのみを互いに混合し、場合により機械的に均質化し、成分Cを織物処理のために本組成物の使用直前にただ加えることにより、本発明の組成物を製造する場合が有利である。処理液は、その後通常の使用濃度に調節する。
【実施例】
【0039】
以下の実施例は本発明を説明するものである。
【0040】
実施例1(発明):
成分A 68g/l、成分B 32g/l及び成分C(=OLEOPHOBOL(登録商標)CP-S from Huntsman Textile Effects (Germany) GmbH製)18.5g/lを含有する水溶液F1を調製した。ここで成分Cは、アルコール成分中にR基を有するポリアクリラート(ここで、全てのR基の約100%が6個の炭素原子を含有する)である。使用する成分Aは、1の成分A1、1の成分A2及び1の成分A3を含有していた。
【0041】
実施例2(非発明、比較例):
異なる成分Cを14.5g/lの量で使用した(OLEOPHOBOL(登録商標)S)ことを除いては、実施例1を繰り返した。この成分Cは同様に、R基を有するポリアクリラートを含む。しかしながら、これらのR基はほとんどが8個の炭素原子を含有する。このようにして得た溶液を以下F2と呼ぶ。
【0042】
実施例3(本発明):
成分A 34g/l、成分B 26g/l及び実施例1と同じ成分C 9.5g/lを含有する溶液F3を調製した。ここで使用する成分Aは、1の成分A1、1の成分A2、1の成分A3、1の成分A4及び1つの成分A6を含有していた。
【0043】
実施例4(非発明、比較例):
実施例2と同じアクリラートを、成分Cとして、7.5g/lの量で使用したことを除いては、実施例3を繰り返した。このようにして得た溶液を以下溶液F4と呼ぶ。
【0044】
各溶液F1〜F4は更に、60%酢酸1g/lを含有していた。
【0045】
溶液F1〜F4の各々を、65%ポリエステル/35%綿からなる織布にパッディングにより塗布し、続いて、絞って約60重量%のウェットピックアップとして、110℃で乾燥させ、150℃で5分間硬化させた。
【0046】
このようにして得た生地試料を以下の試験:
a)AATCC試験法118−2002による撥油性
b)AATCC試験法193−2005による水滴試験
c)AATCC試験法22−2005による噴霧試験撥水性
に付した。
【0047】
全ての試験は、最初の生地試料についてだけでなく、30回洗浄(60℃で選択洗剤を添加)後の試料についても実施した。洗浄は、DIN EN ISO 6330、洗浄法2A及びタンブル乾燥により実施した。
【0048】
結果を下記の表に示す:
【表1】

【0049】
数が大きいほど、撥油性又は撥水性が良好であることを示す。
【0050】
本発明の溶液F1及びF3で処理した生地が、溶液F2及びF4で処理したものよりも良好な特性を有することは全く明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも成分A、B及びCを含む水性組成物であって、
成分Aは、少なくとも成分A1〜A3を含有する混合物であり、
成分A1はパラフィンワックスであり、
成分A2は、12〜22個の炭素原子を有するアルコールと、エーテル化、好ましくは四級化ポリメチロールメラミンと、場合により更に多官能性エタノールアミンとの縮合生成物であり、この縮合生成物は酸、好ましくは酢酸0.05〜1.5重量%を含有してもよく、
成分A3は水であり、あるいは、
成分Aは、少なくとも成分A4〜A6を含有する混合物であり、
成分A4は、ケイ素原子に結合したアルキル基に加えて、更にケイ素原子に結合した水素原子を含有するポリシロキサン、即ち、アルキル−水素−ポリシロキサンであり、
成分A5は水であり、そして
成分A6は分散剤、好ましくはエトキシ化アルコール又はエトキシ化アルコールの混合物であり、ここで、好ましくは8〜20個の炭素原子を有するエトキシ化直鎖又は分岐鎖状アルコールが使用され、
成分Bは、少なくとも成分B1〜B3を含有する混合物であり、
成分B1は、イソシアナート基を含有し、そのイソシアナート基が、好ましくは脂肪族ケトキシムでブロックされているポリウレタンであり、ここで、ポリウレタンは、好ましくは、芳香族又は脂肪族、好ましくは芳香族ジイソシアナートから構成されており、ここでジイソシアナートは、好ましくは、2〜6個の炭素原子を有するジオール、三価脂肪族アルコール及びN−アルキル化ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンと反応しており、
成分B2は、分散剤又は分散剤混合物であり、エトキシ化アルコールならびに場合により二価脂肪族アルコール及び場合により無機酸を含有し、
成分B3は水であり、
成分Cは、ペルフルオロアルキル基(R基)を含有するポリマーであり、ここで、存在する全てのR基の55〜100%が6個の炭素原子を含有し、前記組成物は、成分Dとして、場合により更にジルコニウム塩、好ましくは酢酸ジルコニウムを含有する水性組成物。
【請求項2】
基を含有するポリマー(成分C)が、アルコール成分中にR基を含有するポリアクリル酸エステル又はポリメタクリル酸エステルであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分A1〜A3だけでなく成分A4〜A6も含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
成分A〜Dを、以下の量:
成分Aを、35〜120重量部、好ましくは45〜90重量部、より好ましくは50〜75重量部、
成分Bを、1〜60重量部、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは8〜20重量部、
成分Cを、1〜60重量部、好ましくは1〜45重量部、より好ましくは2〜20重量部、
成分Dを、0〜30重量部、好ましくは0〜15重量部、より好ましくは1.5〜8重量部
で含有することを特徴とする、請求項1〜3の一項以上に記載の組成物。
【請求項5】
成分Aが、成分A4〜A6を含有せず、成分A1及びA2を、以下の量:
A1:10〜30重量%、好ましくは12〜25重量%、
A2:5〜15重量%、好ましくは6〜12重量%
(ここで、成分Aの残りは、水(成分A3)及び場合により少量の酢酸により形成される)で含有することを特徴とする、請求項1〜4の一項以上に記載の組成物。
【請求項6】
成分Aが、成分A1〜A3を含有せず、成分A4〜A6を、以下の量:
A4:25〜45重量%、好ましくは30〜40重量%、
A5:50〜70重量%、好ましくは55〜65重量%、
A6:1〜5重量%、好ましくは3〜5重量%
で含有することを特徴とする、請求項1〜4の一項以上に記載の組成物。
【請求項7】
成分Aが、成分A1〜A6を、以下の量:
A1:8〜30重量部、好ましくは10〜20重量部、
A2:3〜20重量部、好ましくは4〜12重量部、
A4:1〜15重量部、好ましくは2〜10重量部、
A6:0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部
(ここで、成分Aの残りは、水(成分A3及びA5)により形成される)で含有することを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項8】
成分Bが、成分B1及びB2を、以下の量:
B1:8〜40重量%、好ましくは12〜30重量%、
B2:2〜20重量%、好ましくは3〜15重量%
(ここで、成分Bの残りは、水(成分B3)により形成される)で含有することを特徴とする、請求項1〜7の一項以上に記載の組成物。
【請求項9】
繊維材料で構成される織物生地の処理方法であって、生地が、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物で処理され、その後乾燥される方法。
【請求項10】
繊維材料が、ポリアミド、ポリエステル又はポリエステル/綿混紡からなることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
成分Cが、繊維材料の処理直前に、成分A及びBと混合されるだけであることを特徴とする、請求項9又は10に記載の方法。

【公表番号】特表2013−506055(P2013−506055A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530166(P2012−530166)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005812
【国際公開番号】WO2011/035906
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(507324968)ハンツマン・テキスタイル・エフェクツ(ジャーマニー)・ゲーエムベーハー (7)
【氏名又は名称原語表記】HUNTSMAN TEXTILE EFFECTS(GERMANY)GMBH
【Fターム(参考)】