説明

繊維材料用シリコーン系難燃剤系

本発明は、1個以上のアミノ基と架橋可能な3個以上の官能基で官能化された1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーを含んでなるシリコーン組成物であって、該ポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーがセルロース含有基材に難燃性を付与するシリコーン組成物を提供する。本発明の別の実施形態には、上記シリコーン組成物を含有するセルロース基材の製造方法及び上記シリコーン組成物を含有するセルロース基材がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は繊維材料用の組成物に関する。さらに具体的には、本発明は繊維材料との接着耐久性に優れ、繊維材料に難燃性を付与するシリコーン組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料工業に用いられる繊維材料は一定の基準を守らないと、販売することができない。政府の基準では、衣料品は所定のレベルの難燃性を有していなければならない。難燃性は、布地に難燃性繊維材料をブレンドすることによって達成できる。例えば、多くの場合、木綿にポリエステルをブレンドして所要レベルの難燃性を達成する。残念なことに、難燃性繊維材料を布地にブレンドすると、最終繊維材料の柔らかさなどの特性に悪影響を及ぼすおそれがある。柔らかさが問題とされる場合、難燃剤での処理によって難燃性を付与することができる。例えば、布地との反応耐久性に優れるリン系分子又はポリカルボキシレートで繊維材料を処理することで、布地を難燃性にすることができる。残念なことに、かかる処理は、布地強度の著しい低下をもたらしたり、特別な処理装置を必要とすることが多い。
【特許文献1】米国特許第2236074号明細書
【特許文献2】米国特許第3355424号明細書
【特許文献3】米国特許第3504998号明細書
【特許文献4】米国特許第3512915号明細書
【特許文献5】米国特許第4476188号明細書
【特許文献6】米国特許第4652618号明細書
【特許文献7】米国特許第4705704号明細書
【特許文献8】米国特許第4757121号明細書
【特許文献9】米国特許第4888136号明細書
【特許文献10】米国特許第4891398号明細書
【特許文献11】米国特許第4978561号明細書
【特許文献12】米国特許第5232611号明細書
【特許文献13】米国特許第5883185号明細書
【特許文献14】米国特許第6582620号明細書
【特許文献15】英国特許出願公開第1215328号明細書
【特許文献16】欧州特許出願公開第0699717号明細書
【特許文献17】欧州特許出願公開第0702106号明細書
【特許文献18】欧州特許出願公開第0936259号明細書
【非特許文献1】Gelest, Inc., Material Safety Data Sheet, “Aminopropylsilsesquioxane−Methylsilsequioxane Copolymer Oligomer, 22−25% − WSA−7011”, pp.1−3, 2002;Retrieved from the Internet: URL:http://www.gelest.com/msds.asp?WSA−7011
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、繊維材料の処理に使用でき、繊維材料に消費者に高く評価されしかも耐久性を示する利益を付与することができる難燃処理を実現することが望まれている。つまり、これらの必要条件を満たす新しい処理が絶えず求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、1個以上のアミノ基と架橋可能な3個以上の官能基で官能化された1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーを含んでなるシリコーン組成物であって、該ポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーがセルロース含有基材に難燃性を付与するシリコーン組成物を提供する。
【0005】
別の実施形態では、本発明は、セルロース含有基材の処理方法であって、
(a)アミノ基及び3個以上の架橋可能な官能基で官能化された1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーを含有するシリコーン組成物の水溶液、分散液又はエマルジョンでセルロース含有基材を濡らし、
(b)濡らしたセルロース含有基材を約125℃〜約220℃の範囲の温度で硬化する
工程を含んでなる方法を提供する。
【0006】
さらに他の実施形態では、本発明は、1個以上のアミノ基と架橋可能な3個以上の官能基で官能化された1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーを含んでなるセルロース含有基材を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、アミノ含有基(以下、「アミノ基」ともいう)と3個以上の架橋部位として機能し得る官能基(以下、「架橋性前駆体」ともいう)で官能化された1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーを含有するシリコーン組成物を包含する。本発明のポリシロキサンは、天然繊維/セルロース基材、即ち天然繊維/セルロースを含有する基材に難燃性を付与する。
【0008】
本発明は、次式の1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーを包含する。
【0009】
M′D′T′
式中、添字a、b、c、d、e、f及びgは、b+d+fの和が2以上であり、しかもdとfが0のときはbが4以上であることを条件として、0又は正の整数であり、
Mは式RSiO1/2のものであり、
M′は式(X)3−hSiO1/2のものであり、
Dは式RSiO2/2のものであり、
D′は式(X)(2−i)SiO2/2のものであり、
Tは式RSiO3/2のものであり、
T′は式(X)SiO3/2のものであり、
Qは式SiO4/2のものであり、
添字hは1〜3の範囲にあり、iは0又は1であり、
、R、R、R及びRは各々独立に架橋性前駆体、水素原子、C1−30アルキル、C1−22アルコキシ、C2−22アルケニル、C6−14アリール、C6−22アルキル置換アリール及びC6−22アラルキル基であり、これらの基のいずれもハロゲン化、例えばフッ素化されてC1−22フルオロアルキルのようなフルオロカーボンを含んでいてもよく、或いは式(CHCHRO)(式中のRは繰り返し単位毎に独立にCH又はHであり、kは約4〜約50の範囲にある)のポリエーテル単位を含んでいてもよい。Xは各々独立にアミノ基又は架橋性前駆体であるが、ポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーが1分子当たり3個以上の架橋性前駆体及び1個以上のアミノ基を有することを条件とする。アミノ基は典型的にはC1−30アミノアルキルの形態である。アミノ基は、一級窒素基、二級窒素基、三級窒素基、四級窒素基又はこれらの混合物を含んでいてもよい。アミノ基は脂肪族環構造の一部であってもなくてもよい。アミノ基は芳香環のみからなるものでも、芳香環が介在するものでもよい。アミノ基に含まれる窒素原子の数は幾つでもよいが、好ましくは1又は2個である。好ましいアミノ基はアミノプロピル及びアミノエチルアミノプロピルである。本発明の各種実施形態で用いる用語「アルキル」には、n−アルキル、枝分れアルキル、アラルキル及びシクロアルキル基がすべて包含される。n−及び枝分れアルキル基は好ましくは炭素原子数約1〜約30のものであり、非限定的な具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ドデシル、セチル、ステアリルが挙げられる。シクロアルキル基は好ましくは環炭素原子数約4〜約12のものである。かかるシクロアルキル基の非限定的な具体例として、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチルが挙げられる。アラルキル基は好ましくは炭素原子数約7〜約14のものである。その非限定的な具体例として、ベンジル、フェニルブチル、フェニルプロピル、フェニルエチルが挙げられる。本発明の各種実施形態で用いられるアリール基は好ましくは環炭素原子数約6〜約20のものであり、少なくとも1個の単環又は多環部分を含んでおり、多環は縮合環でも連結環でもよい。これらのアリール基の非限定的な具体例として、フェニル、ビフェニル、ナフチルが挙げられる。適当なハロゲン化部分の非限定的な具体例としては、トリフルオロプロピルが挙げられる。
【0010】
本発明で使用する「架橋性前駆体」は、本発明の他のアミノ官能化ポリシロキサン又はシロキサンオリゴマー或いは添加した2個以上の架橋性前駆体を有する架橋性化合物と直接(例えばヒドロキシ基)又は間接的(例えばアルコキシ基)に架橋し得る部分を包含する。典型的な架橋性前駆体としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、水素、及び求核性基と組み合せた求電子性基がある。最も典型的には、架橋性前駆体はヒドロキシ基である。
【0011】
本発明において、セルロース含有基材に難燃性を付与できるポリシロキサン又はシロキサンオリゴマー上のアミノ基の数は少なくとも1であるが、ポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーのケイ素原子のすべてをアミノ基で置換してもよい。本発明の好適な実施形態では、アミノ基置換Si原子/非置換Si原子の比は平均約1〜約5の範囲にある。ポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーは好ましくは水溶性又は乳化可能なものである。
【0012】
本発明のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーは、典型的には、上述の構造パラメータを前提として、アミノ基及び架橋性前駆体で置換されたシラン又はオリゴシランの適当な触媒の存在下での平衡化反応によって製造される。触媒は好ましくは塩基性触媒である。
【0013】
本発明の一実施形態では、シリコーン組成物は、特定の線状、枝分れ、架橋又は環状ポリシロキサンを主成分として含有する。また、適当な組成物は1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーを含んでおり、これらは例えば上記ポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーの合成プロセスで生ずるような他の化学種を全ケイ素含有種を基準として約0.0001重量%〜約5重量%の範囲のレベルで不定量含んでいてもよい。具体例を挙げると、適当な組成物は、不定量のD、又はSi−H、Si−OH、Si−O−アルキル結合を有する化学種、並びにアミノ基を含んでいないこれらの混合物を含んでいてもよい。
【0014】
本発明のシリコーン繊維処理組成物は、添加剤又は1群の添加剤がシリコーン組成物の難燃性効果に悪影響を与えない限り、適宜、添加剤、例えば触媒、触媒混合物;架橋剤;有機化合物;リン、ホウ素、アルミニウム、マグネシウム又は亜鉛のような種を含有する無機化合物;又はこれらの組合せを含んでいてもよい。本発明の好適な実施形態では、シリコーン組成物は、1種以上のアルミニウム化合物、例えば乳酸アルミニウムを含んでいてもよい。アルミニウム化合物を添加する場合、アルミニウム化合物はシリコーン組成物を基準として約0.01重量%〜約10重量%、さらに好ましくはシリコーン組成物を基準として約0.5重量%〜約5重量%の範囲で存在する。
【0015】
織物上でのシリコーン組成物の硬化を促進する触媒が存在していてもよい。典型的には、触媒は組成物中のケイ素を基準として約0.0001重量%〜約10重量%、さらに好ましくは全組成物を基準として約0.001重量%〜約5重量%の範囲で存在する。硬化触媒の例としては、特に限定されないが、有機又は無機酸及び塩基がある。
【0016】
1個以上のアミノ基と架橋可能な3個以上の官能基で官能化された1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーを含有する本発明のシリコーン組成物は、典型的には、天然繊維、再生繊維及びそれらのブレンドなどのセルロース含有表面を始めとするテキスタイルのような材料に難燃性を付与する。本発明の格段の利点は、上記官能基によってシリコーン組成物がセルロース含有表面に永続的に接着できるようになることである。
【0017】
シリコーン組成物は当技術分野で公知の方法で基材に適用し得る。例えば、パディング法が繊維材料処理に典型的である。通常、パディング法では、基材をシリコーン組成物の水溶液、非水溶液、分散液又はエマルジョンで濡らす。例えば、シリコーン組成物を水混合物として供給することができ、混合物はシリコーン組成物を混合物全体を基準として約0.01重量%〜約99重量%の範囲で含有することができる。シリコーン組成物を基材に適用した後、組成物を約5分〜約2時間、好ましくは約5分〜約30分間硬化させればよい。典型的には、硬化温度は約125℃〜約220℃、好ましくは約150℃〜約200℃の範囲にある。或いはまた、同様の方法で、置換シリコーン又はシリコーン樹脂を未処理の基材に適用し、硬化してもよい。
【実施例】
【0018】
当業者が本発明を容易に実施できるように、以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0019】
代表的布地処理
100%木綿フリースの2インチ×6インチ片を、室温で、5重量%のシロキサンオリゴマー(アミノエチルアミノプロピルシルセスキオキサンオリゴマー、Gelest社製、表1で「シロキサン」と表示)及び(布地処理組成物の全重量を基準として0.9重量%又は3.7重量%の)乳酸アルミニウムを含有する水溶液中で、振盪した。布地を取り出し、手回し衣服絞り機に通した。吸水量を測定したところ、ほぼ100%であった。これを合計14個のフリースサンプルについて繰り返した。サンプルを対流オーブンで150℃に20分間加熱し、次いで室温まで放冷した。5個のサンプルは処理/加熱後に難燃性について評価し、別の5個のサンプルは洗ってから燃焼試験した。
【0020】
布地洗濯
1ガロン金属塗料缶で、3.9gの1993AATCC衣料洗剤と1.5kgの水道水を混合した。缶をスターラー/ホットプレート上に置き、缶頂部に機械的スターラーを取り付け、3枚羽インペラーを水面直下に位置させた。金属熱電対を水中に45°の角度で差し込んだ。7つの処理布地サンプル(すべて同一処理から)を入れた。スターラーを60〜70%にセットし、サンプルを49℃で12分間洗濯した。その後布地サンプルを取りだし、ビーカーに入れて冷たい水道水(15℃前後)の流れに5分間おいて濯いだ。過剰な水を除去し、サンプルを水平ラックにて一晩室温で乾燥した。
【0021】
燃焼試験
試験に先立って、すべての布地片を対流オーブンにて105℃で30分間コンディショニングした。サンプルをそれぞれサンプルホルダーに取り付け、デシケータ内に1〜3時間保持した。次にサンプルを、45°16CFR1610試験の標準規約に準じて燃焼試験した。Govmark Organization社(米国ニューヨーク州ベルモア)製の燃焼試験機を使用した。
【0022】
【表1】

表1のデータから明らかな通り、シロキサン化合物混合物で処理した木綿フリースは、洗濯の前後いずれにおいても難燃性を示した。
【0023】
以上、例示を目的として典型的な実施形態を開示してきたが、以上の説明は本発明の範囲を限定するものではない。本発明の技術的思想及び範囲内での様々な変更、改変及び置換は当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個以上のアミノ基と架橋可能な3個以上の官能基で官能化された1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーを含んでなるシリコーン組成物であって、該ポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーがセルロース含有基材に難燃性を付与するシリコーン組成物。
【請求項2】
前記1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーが次式のものである、請求項1記載の組成物。
M′D′T′
式中、添字a、b、c、d、e、f及びgは、b+d+fの和が2以上であり、しかもdとfが0のときはbが4以上であることを条件として、0又は正の整数であり、
Mは式RSiO1/2のものであり、
M′は式(X)3−hSiO1/2のものであり、
Dは式RSiO2/2のものであり、
D′は式(X)(2−i)SiO2/2のものであり、
Tは式RSiO3/2のものであり、
T′は式(X)SiO3/2のものであり、
Qは式SiO4/2のものであり、
添字hは1〜3の範囲にあり、iは0又は1であり、
、R、R、R及びRは各々独立に架橋性前駆体、水素原子、C1−30アルキル、C1−22アルコキシ、C2−22アルケニル、C6−14アリール、C6−22アルキル置換アリール、C6−22アラルキル、C1−22フルオロアルキル又はC1−22ポリエーテルであり、
Xは各々独立にアミノ基又は架橋性前駆体であるが、ポリシロキサン又はシロキサンオリゴマー1分子当たり3個以上の架橋性前駆体とポリシロキサン又はシロキサンオリゴマー1分子当たり1個以上のアミノ基が存在することを条件とする。
【請求項3】
架橋性前駆体がヒドロキシ基、アルコキシ基、水素又はこれらの組合せを含む、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
架橋性前駆体がヒドロキシ基を含む、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
前記アミノ基がアミノプロピル基、アミノエチルアミノプロピル基又はこれらの組合せを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記アミノ基がアミノエチルアミノプロピル基を含む、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
前記ポリシロキサンのアミノ基置換Si原子/非置換Si原子の比が平均約1〜約5の範囲にある、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
前記セルロース含有基材が天然繊維、再生繊維又はこれらのブレンドもしくは組合せを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
前記セルロース含有基材が天然繊維を含む、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
当該組成物がさらにアルミニウム化合物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
当該組成物がさらに乳酸アルミニウムを含む、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
(a)アミノエチルアミノプロピル基1個以上及び官能性ヒドロキシ基3個以上で官能化された1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマー、及び
乳酸アルミニウム
を含んでなり、セルロース含有基材に難燃性を付与するシリコーン組成物。
【請求項13】
セルロース含有基材の処理方法であって、
(a)アミノ基及び3個以上の架橋可能な官能基で官能化された1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーを含有するシリコーン組成物の水溶液、分散液又はエマルジョンでセルロース含有基材を濡らし、
(b)濡らしたセルロース含有基材を約125℃〜約220℃の範囲の温度で硬化する
工程を含む方法。
【請求項14】
前記1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーが次式のものである、請求項13記載の方法。
M′D′T′
式中、添字a、b、c、d、e、f及びgは、b+d+fの和が2以上であり、しかもdとfが0のときはbが4以上であることを条件として、0又は正の整数であり、
Mは式RSiO1/2のものであり、
M′は式(X)3−hSiO1/2のものであり、
Dは式RSiO2/2のものであり、
D′は式(X)(2−i)SiO2/2のものであり、
Tは式RSiO3/2のものであり、
T′は式(X)SiO3/2のものであり、
Qは式SiO4/2のものであり、
添字hは1〜3の範囲にあり、iは0又は1であり、
、R、R、R及びRは各々独立に架橋性前駆体、水素原子、C1−30アルキル、C1−22アルコキシ、C2−22アルケニル、C6−14アリール、C6−22アルキル置換アリール、C6−22アラルキル、C1−22フルオロアルキル又はC1−22ポリエーテルであり、
Xは各々独立にアミノ基又は架橋性前駆体であるが、ポリシロキサン又はシロキサンオリゴマー1分子当たり3個以上の架橋性前駆体とポリシロキサン又はシロキサンオリゴマー1分子当たり1個以上のアミノ基が存在することを条件とする。
【請求項15】
架橋性前駆体がヒドロキシ基、アルコキシ基、水素又はこれらの組合せを含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
架橋性前駆体がヒドロキシ基を含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記アミノ基がC1−30アミノアルキル基を含む、請求項13記載の方法。
【請求項18】
前記アミノ基がアミノプロピル基、アミノエチルアミノプロピル基又はこれらの組合せを含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記ポリシロキサンのアミノ基置換Si原子/非置換Si原子の比が平均約1〜約5の範囲にある、請求項13記載の方法。
【請求項20】
前記セルロース含有基材が天然繊維、再生繊維又はこれらのブレンドもしくは組合せを含む、請求項13記載の方法。
【請求項21】
前記セルロース含有基材が天然繊維を含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記組成物がさらにアルミニウム化合物を含む、請求項13記載の方法。
【請求項23】
前記組成物がさらに乳酸アルミニウムを含む、請求項22記載の方法。
【請求項24】
濡らしたセルロース含有基材を約150℃〜約200℃の範囲の温度で硬化する、請求項13記載の方法。
【請求項25】
セルロース含有基材の処理方法であって、
(a)(i)アミノエチルアミノプロピル基及び3個以上のヒドロキシ基で官能化された1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーと(ii)乳酸アルミニウムを含有するシリコーン組成物の水溶液、分散液又はエマルジョンでセルロース含有基材を濡らし、
(b)濡らしたセルロース含有基材を約150℃〜約200℃の範囲の温度で約5分〜約30分の範囲の時間硬化する
工程を含むセルロース含有基材の処理方法。
【請求項26】
1個以上のアミノ基と架橋可能な3個以上の官能基で官能化された1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーを含んでなるセルロース含有基材。
【請求項27】
前記1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーが次式のものである、請求項26記載の基材。
M′D′T′
式中、添字a、b、c、d、e、f及びgは、b+d+fの和が2以上であり、しかもdとfが0のときはbが4以上であることを条件として、0又は正の整数であり、
Mは式RSiO1/2のものであり、
M′は式(X)3−hSiO1/2のものであり、
Dは式RSiO2/2のものであり、
D′は式(X)(2−i)SiO2/2のものであり、
Tは式RSiO3/2のものであり、
T′は式(X)SiO3/2のものであり、
Qは式SiO4/2のものであり、
添字hは1〜3の範囲にあり、iは0又は1であり、
、R、R、R及びRは各々独立に架橋性前駆体、水素原子、C1−30アルキル、C1−22アルコキシ、C2−22アルケニル、C6−14アリール、C6−22アルキル置換アリール、C6−22アラルキル、C1−22フルオロアルキル又はC1−22ポリエーテルであり、
Xは各々独立にアミノ基又は架橋性前駆体であるが、ポリシロキサン又はシロキサンオリゴマー1分子当たり3個以上の架橋性前駆体とポリシロキサン又はシロキサンオリゴマー1分子当たり1個以上のアミノ基が存在することを条件とする。
【請求項28】
架橋性前駆体がヒドロキシ基、アルコキシ基、水素又はこれらの組合せを含む、請求項27記載の基材。
【請求項29】
架橋性前駆体がヒドロキシ基を含む、請求項28記載の基材。
【請求項30】
前記アミノ基がC1−30アミノアルキル基を含む、請求項26記載の基材。
【請求項31】
前記アミノ基がアミノプロピル基、アミノエチルアミノプロピル基又はこれらの組合せを含む、請求項30記載の基材。
【請求項32】
前記ポリシロキサンのアミノ基置換Si原子/非置換Si原子の比が平均約1〜約5の範囲にある、請求項26記載の基材。
【請求項33】
前記セルロース含有基材が天然繊維、再生繊維又はこれらのブレンドもしくは組合せを含む、請求項26記載の基材。
【請求項34】
前記セルロース含有基材が天然繊維を含む、請求項33記載の基材。
【請求項35】
前記セルロース含有基材がさらにアルミニウム化合物を含む、請求項26記載の基材。
【請求項36】
前記セルロース含有基材がさらに乳酸アルミニウムを含む、請求項35記載の基材。
【請求項37】
(a)1個以上のアミノエチルアミノプロピル基及び3個以上のヒドロキシ基で官能化された1種以上のポリシロキサン又はシロキサンオリゴマーと(b)乳酸アルミニウムを含んでなるセルロース含有基材。

【公表番号】特表2006−526697(P2006−526697A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515057(P2006−515057)
【出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/017233
【国際公開番号】WO2004/108798
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】