説明

繊維系包装材料から成形された熱処理包装

本発明は、疎水性サイズ剤で処理された繊維系包装材料を含み、繊維基材の外側および/または内側に水の浸透を低減させるための1層または複数の層を含む熱処理向けの包装に関する。本発明の包装は、包装材料の耐熱性を高めるために、湿潤強度サイズ剤、疎水性サイズ剤、ならびにアルミニウムおよび/またはカルシウム化合物の組合せで処理され、疎水性サイズ剤とアルミニウムおよび/またはカルシウム化合物の比が1:1〜1:10である繊維基材を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一方の側に、水浸透を低減するためのポリマー・コーティングなどの層で被覆された繊維系包装材料が用いられた、オートクレーブ処理などの熱処理向けの包装に関する。また、本発明は、繊維系の、ポリマーで被覆されていてもよい包装用包装材料、および包装材料を製造する方法を含む。
【背景技術】
【0002】
オートクレーブ処理などの熱処理を受ける包装に繊維系包装材料を使用することは既知である。この目的のために、繊維系包装材料は、包装内に包装された製品の影響および/または外部の湿気、特にオートクレーブ処理中で使用される水蒸気で繊維系が濡れることを防止するために、典型的に、例えばポリマー・コーティングでの被覆を必要とする。
【0003】
様々なコーティング・ポリマーが包装材料の湿気または水蒸気バリアとして使用可能である。さらに、ポリマー層は例えば使用されるポリマーによって層数および厚さを変化させることができる。通常使用される湿気バリアは、低密度ポリエチレン(LDPE)またはポリプロピレン(PP)などのポリオレフィンを含み、最外コーティング層として配置されたとき、有効なヒートシール・ポリマーとして働く。また、ポリエチレンテレフタラート(PET)などのポリエステルを使用することも可能である。酸素バリア・ポリマーは、例えばエチレンビニルアルコールポリマー(EVOH)およびポリアミド(PA)などを含む。通常、アルミニウム箔も繊維系オートクレーブ包装に使用された。
【0004】
容器、ケース、または箱などの包装厚紙から作られた繊維系オートクレーブ包装には、オートクレーブ処理中に包装の未処理縁部を通って液体または湿気が浸透する問題がある。この「未処理縁部浸透」または「縁部浸漬」の問題を、とりわけ、材料の未処理縁部を化学的または機械的手段、例えば折り曲げなどにより保護することによって解決する努力が行われた。化学的保護は、未処理縁部に疎水性サイズ剤を含浸することによって行われた。
【0005】
例えば、WO02/090206は、アルキルケテン・ダイマー(AKD)からなるサイズ剤の水懸濁またはエマルジョンによる完全に疎水性の繊維性厚紙を提供することによって、包装材料中への水の浸透を低減することを目的とした方法について述べている。WO03/021040は、疎水性サイズ剤処理を用いるほか、比密度(700〜850kg/m)の繊維基材を用いる。両方の参照文献とも、オートクレーブ条件に耐える材料を得るために、乾燥繊維基材1t当たり約2〜4kgの割合でAKDを用いる。
【0006】
英国特許第2126260号は、オレフィン組成物とコハク酸との反応生成物であり、紙製造における疎水性サイズ剤として用いることが意図されたアルケニルコハク酸組成物について述べている。この参考文献において、このサイズ剤に加えてカチオン性物質を製造される紙に添加し、サイズ剤の保持力を高めることができる。参考文献は、カチオン性物質として、ミョウバン、カチオン性澱粉、塩化アルミニウム、長鎖脂肪酸、アルミン酸ナトリウム、置換ポリアクリルアミド、硫酸クロム、動物サイズ剤、カチオン性熱硬化性樹脂、ポリアミドポリマーを記載している。
【0007】
さらに、オートクレーブなどの熱処理用の包装に使用可能な任意選択的な包装材料の要求がある。さらに、熱処理に良好な抵抗性のある繊維系包装材料の要求がある。
【特許文献1】WO02/090206
【特許文献2】WO03/021040
【特許文献3】英国特許第2126260号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、熱処理、特に例えばオートクレーブなどの圧力および多分蒸気に暴露される間、熱処理に対して意外な適性を有する繊維系包装材料を提供することであり、また、それらの包装材料の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、疎水性サイズ剤で処理され、熱処理包装に適した繊維系材料を提供するさらに他の目的を有し、疎水性サイジングはオートクレーブ条件などの熱処理に対して優れた抵抗性を有する。
【0010】
本発明は、繊維系包装材料から作られ、例えばオートクレーブ包装などの熱処理に抵抗性があり、耐熱性が改善された包装を提供するさらに他の目的を有する。
【0011】
本発明は、ミョウバンおよび/またはカルシウム化合物、疎水性サイズ剤および湿潤強度サイズ剤の組合せの新しい用途を提供し、繊維系包装材料またはそれから成形された包装の耐熱性などの特性を思いがけず改善し、したがって繊維系の熱処理されたオートクレーブ包装材料の新しい改善された選択肢を提供するさらに他の目的を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
熱処理に適し水の浸透を低減するためのポリマー層などの層で被覆された、本発明の繊維系包装材料および包装の特徴的特性については、添付の請求項を参照する。
【0013】
繊維系包装材料の耐熱性、すなわち、繊維系包装材料の未処理縁部を通る水または蒸気の吸収/浸透(以降、低減された未処理縁部浸透と呼ぶ)が、ミョウバンおよび/またはカルシウム化合物、疎水性サイズ剤および湿潤強度サイズ剤の組合せで繊維基材を処理することによって顕著に低減できることがここに見出された。組合せは、疎水性サイズ剤とミョウバンおよび/またはカルシウム化合物の重量比1:0.1〜1:10を有する。
【0014】
本発明の組合せは、繊維系包装材料の耐熱性に驚くべき相乗効果を有する。この組合せを用いることは、例えば、熱殺菌された包装材料の熱処理中、未処理縁部の浸透を防止するのに有効である。通常の大気圧下、すなわち圧力をかけないで、従来の過酸化水素で殺菌された材料などの熱処理された材料において未処理縁部の浸透を低減することに加えて、本組合せは、圧力下で熱処理を受けた、特にオートクレーブ処理を受けた材料など、圧力と蒸気に曝した材料においても未処理縁部の浸透を驚くほど顕著に低減する。さらに、本組合せは、包装材料の他の特性に関しても有益な、材料の疎水性および未処理縁部浸透低減特性を損なうことなく、例えば繊維系オートクレーブ包装材料中の疎水性サイズ剤の割合を低減させる。
【0015】
また、意外にも、本組合せは、熱処理方法に応じて変化する効果を有する。例えば、成分割合の変化は、特にオートクレーブ中の過酷な条件下で処理された繊維系包装材料において、本組合せの未処理縁部浸透の低減効果を高めるが、同じ変化は過酸化水素処理のような通常の圧力下で熱処理を行った材料においては同じ効果を生まないことが見出された。
【0016】
したがって、本発明は耐熱性、例えば熱処理を受ける包装向けの繊維系包装材料の未処理縁部浸透、を低減するために、ミョウバンおよび/またはカルシウム化合物、疎水性サイズ剤および湿潤強度サイズ剤の組合せを使用することを提案する。
本組合せの成分の効果を以下にさらに詳細に説明する。
【0017】
本発明に関連して実施した試験は、繊維基材が、疎水性サイズ剤での処理に加えて、疎水性サイズ剤の重量部当たりミョウバンおよび/またはカルシウム化合物の1:1〜1:10のような0.1〜10を添加したとき、繊維系包装の耐熱性が顕著に改善されることを示した。これらの化合物の耐熱性の改善効果は、それらが例えば繊維基材への疎水性サイズ剤の保持力を増加させるために通常紙および厚紙産業において使用されることを考えれば、驚くべきことであった。
【0018】
さらに、疎水性サイズ剤とミョウバンおよび/またはカルシウム化合物で実施した本発明の組合せによる処理は、繊維系包装材料の未処理縁部を通る水または蒸気吸収/浸透を顕著に低減することが見出された。この未処理縁部浸透の低減は、熱処理しなかった包装に比べて熱処理した包装において特に有利であった。したがって、本発明は、オートクレーブ包装などの熱処理向けの包装に完全に適している。
【0019】
ここで、本発明に従って処理された繊維基材に湿潤強度サイズ剤を添加することによって、包装の未処理縁部浸透をさらに驚くほど低減されることが見出された。疎水性サイズ剤と組合わせた湿潤強度サイズ剤の低減効果も、通常このサイズ剤が当技術分野で異なる使用目的を有することを考えれば、意外なことである。それは、包装が濡れた際に、湿気のある紙または厚紙が強度を増すことを予定して、基本的に湿気保護力を与えない包装材料に用いられる。そのため「湿潤強度改善剤」と呼ばれている。オートクレーブ包装材料は、繊維基材に湿気が到達するのを阻止することを特に意図した特殊な用途であるので、通常、湿潤強度サイズ剤はそのようなオートクレーブ包装材料には使用されなかった。
【0020】
したがって、本発明の3成分組合せは、熱処理、特に加圧熱処理を受けた材料に思いがけない相乗効果を生み、この効果は単に湿潤強度の向上特性では説明することができない。いかなる理論にも拘束されなければ、本発明に従って使用されるミョウバンおよび/またはカルシウム化合物、中でも疎水性サイズ剤の耐熱性増加効果は、おそらく、この化合物がサイズ剤中に不純物として存在するあらゆる酸形成化合物を不活性化することによるものである。
【0021】
また、本発明は、少なくとも一方の側に、熱処理向けの包装用の水浸透低減層を有する繊維系包装材料を提供し、包装材料は、例えばこの材料から作られ熱処理包装の未処理縁部浸透を低減するために、耐熱性を改善した本発明の3成分組合せを含む。
さらに、本発明は熱処理向けの本発明の包装材料から作られた包装を提供する。包装はオートクレーブ包装であることが好ましい。
【0022】
本出願の内容で用いられる用語は以下の意味を有する。
「繊維基材」は、特に漂白パルプから作られた包装紙または厚紙を指し、製紙産業でよく知られた方法で製造される。
【0023】
「熱による処理」または「熱処理」は、包装、例えば、空の包装または製品(食品など)を収容する包装を、処理に応じて例えば80〜100℃のような約70℃の高温、またはさらに高い温度、例えば100〜250℃で処理することを意味する。処理時間は、例えば、中でも適用される処理モードと温度に応じて5分〜30時間で変化することができる。さらに熱処理は、通常の圧力(言い換えれば、系に圧力がかからない)で行うことができる。この例として、例えば、従来の熱過酸化水素処理または熱水処理、例えば95℃で10分間または70℃で1700分間水浴中の後低温殺菌など、熱浴中あるいは処理液体の噴霧での従来の無菌化処理または殺菌処理を挙げることができる。熱処理は圧力下、例えば、飽和蒸気圧下の熱処理のような加熱中に発生した圧力下、閉じた系中で行ってもよい。したがって、用語「熱処理」は「オートクレーブ処理」を含み、このコンテクストにおいて、通常加圧条件下、典型的には飽和蒸気圧下で水蒸気などの蒸気を用いて、例えば、100〜200℃、通常120〜130℃の高温での包装の処理を意味する。処理は、通常包装された製品を殺菌するために、すなわち有害微生物を破壊し、その増殖を防止するために実施される。オートクレーブ処理は、例えば食品および医薬品産業でよく知られている。処理条件の例として、閉じた空間の中、約125℃で20分間以上、45分または60分の処理を挙げることができる。オートクレーブ装置は市場で入手可能であり、包装された製品のオートクレーブ殺菌処理条件は一般に知られている。この内容における「過酷な条件」下のオートクレーブ処理は、120〜130℃、例えば125℃で、および蒸気圧例えば水蒸気圧下で、45〜70分、50〜65分間、例えば60分間行われるオートクレーブ処理を意味する。
【0024】
したがって、「熱処理」は業界で適用される様々な熱殺菌方法も包含する。
「熱処理される包装向けの包装材料」は、オートクレーブ包装のような熱処理向けの本発明の包装を、それ自体公知の方法で成形/製造するために使用するのに適している。包装材料はオートクレーブ包装の製造に用いることが好ましい。
【0025】
「熱処理向けの包装」および「オートクレーブ包装」は、包装材料がポリマー・コーティングなどの水浸透低減層で被覆された繊維基材材料からなり、その特性が、オートクレーブ処理などの上記処理に適している、言い換えれば、疎水性サイズ剤およびポリマー・コーティングなどのコーティング層によって撥水性および熱抵抗特性を与えられた包装を意味する。
【0026】
「オートクレーブ包装」は、一般に圧力下の熱処理、例えば適切なオートクレーブ処理に適した包装を意味する。無論、用語「熱処理用包装」または「オートクレーブ包装」は続いて熱処理を受ける包装、または既にそれらの処理を受けた包装を包含する。さらに、熱処理を受けるであろう包装、または熱処理を受けた包装は、空であっても、意図した製品を収容していてもよい。
【0027】
「アルミニウムおよび/またはカルシウム化合物」は、紙または厚紙の製造に関連して知られた化合物であり、従来技術において繊維基材に対する疎水性サイズ剤の保持力を高めるために用いられる。この化合物は、例えばミョウバンなどの塩とすることができ、本発明に使用するのに特に有利な化合物である。ミョウバンは商業製品として入手可能である。また、市場で入手可能なポリ塩化アルミニウム(PAC)をこの目的に使用することができる。
【0028】
「疎水性サイズ剤」は、それによって繊維質基材を撥水性、すなわち疎水性にする任意の接着剤を意味する。このグループのサイズ剤は、通常当技術分野に例えば、「サイジング剤」の名称で知られる。一つの適用において、疎水性サイズ剤は、当技術分野に適したまたはロジン・サイズ剤を除く従来技術の疎水性サイズ剤を含み、すなわちこれらのロジン・サイズ剤以外のすべての他のサイズ剤を包含する。
【0029】
有用な疎水性サイズ剤の例として、無水コハク酸とヒドロカルビルまたは複数のヒドロカルビル、例えばオレフィンまたは13個以上の炭素原子を含むオレフィン組成物との混合物の反応生成物からなるサイズ剤を挙げることができる。このコンテクストにおいて、このサイズ剤は当技術分野において公知の名称、ASAサイズ剤を指し、無水コハク酸と13〜25個の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐オレフィンとの混合物の反応生成物であることが好ましい。オレフィン部分は、直鎖もしくは分岐のC13〜C25アルケンからなることができる。ASAは、いわゆるアルケニルコハク酸無水物、例えば市販のASA製品のようなC13〜C22アルケニルコハク酸無水物からなることが好ましい。
【0030】
さらに、有用な疎水性サイズ剤の例として、当技術分野によく知られた、いわゆるアルキルケテン・ダイマー(AKD)からなるサイズ剤を挙げることができる。このコンテクストにおいて、それは、例えば不飽和もしくは飽和の直鎖または分岐脂肪酸とそれらの脂肪酸の混合物、例えばC16またはより長鎖の脂肪酸またはその混合物、例えば、C16〜30、適切にはC16、C18、C20、またはC22など、C16〜22、好ましくはC16またはC18の脂肪酸またはそれらの混合物から形成された、ヒドロカルビルケテン・ダイマー製品を意味する。この意味において、これらの製品は当技術分野の慣例で「アルキルケテン・ダイマー」(AKD)と呼ばれる。有利なAKDサイズ剤は、市場で入手可能な製品であり、ケテン・ダイマーの炭化水素鎖はC16とC18脂肪酸の混合物から形成されている(C16/C18AKD)。
【0031】
したがって、ASAとAKDサイズ剤の両方とも市場で入手可能な製品からなることができ、水懸濁物、またはエマルジョンの形とすることができ、また他の添加剤を含むこともできる。
【0032】
従来技術に比べれば、本発明の疎水性サイズ剤は少量使用して耐オートクレーブ性など良好な耐熱性を得ることができ、厚紙(または紙)の製造および変換プロセスにおける有利さが得られる。したがって、例えば、疎水性サイズ剤の使用量が少ないことは、中でも処理された繊維基材へのプラスチックコーティングの接着を改善し、すなわち、例えば包装の耐オートクレーブ性に有益な効果を有する。
【0033】
「湿潤強度サイズ剤」は、当技術分野によく知られたサイズ剤のグループを意味し、したがって、濡れた紙または厚紙の強度を増加/改善するために主に使用される(「湿潤強度改善剤」)。それらのサイズ剤の中で、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(PAAE)、尿素ホルムアルデヒド樹脂(UF)、メラミンホルムアルデヒド樹脂(MF)、ポリアクリル酸アミド/グリオキサル縮合物、ポリビニルアミン、ポリウレタン、ポリイソシアナートを挙げることができる。好ましいサイズ剤は、例えばPAAEおよびイソシアナート、特にPAAEサイズ剤を含む。
【0034】
本発明の包装材料の組合せ成分は、以下の量で用いることができる。
疎水性サイズ剤とアルミニウムおよび/またはカルシウム化合物の重量比は、例えば、1:0.1〜1:10、好ましくは1:0.5〜1:7などの1:0.1〜1:7、さらに有利には、1:0.5〜1:5である。第2の実施形態において、疎水性サイズ剤とアルミニウムおよび/またはカルシウム化合物の重量比は、1:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:5などの1:1〜1:7、さらに有利には、1:1〜1:3である。好ましい実施形態において、この化合物は塩、好ましくはミョウバンであり、上記比で使用される。サイズ剤:(Alおよび/またはCa化合物)比の特定の例として、好ましくは1:2のサイズ剤:ミョウバン比を挙げることができる。
【0035】
アルミニウムおよび/またはカルシウム化合物の量は、例えば、乾燥繊維基材1t当たり0.1〜20kg、好ましくは乾燥繊維基材1t当たり1.0〜10kg、例えば乾燥繊維基材1t当たり2.0〜8kgとすることができる。
【0036】
繊維基材に加える疎水性サイズ剤の量は、乾燥繊維基材1t当たり0.3〜4kg、好ましくは乾燥繊維基材1t当たり0.5〜3.0kgとすることができる。いくつかの適用において、乾燥繊維基材1t当たり0.5〜1.7kgを使用することも可能である。疎水性サイズ剤はASAサイズ剤であることが好ましい。
【0037】
湿潤強度サイズ剤は、繊維基材に乾燥繊維基材1t当たり0.2〜12kg、好ましくは乾燥繊維基材1t当たり0.5〜6kg、さらに有利には乾燥繊維基材1t当たり1〜3kg加えることができる。第2実施形態において、湿潤強度サイズ剤は乾燥繊維基材1t当たり0.2〜12kgの割合、好ましくは乾燥繊維基材1t当たり1〜6kg、さらに有利には乾燥繊維基材1t当たり2〜4kg加えることができる。湿潤強度サイズ剤はPAAEサイズ剤であることが好ましい。
【0038】
例えばオートクレーブに適用するための本発明の包装材料は、湿潤強度サイズ剤を、好ましくは、0.1〜5重量部、例えば0.5〜3重量部、好ましくは1〜2.5重量部、具体例としては、疎水性サイズ剤1重量部当たり2重量部、の割合で含むことができる。好ましい組合せはPAAEサイズ剤とASAサイズ剤の組合せであり、上記重量比で使用され、例えばPAAE:ASAの例は1:1である。
【0039】
本発明の組合せによって、例えばオートクレーブ包装は低密度の繊維基材を含むことができ、したがってオートクレーブ用途の範囲内で包装の機械的特性の変動性が増加する。
【0040】
本発明の好ましい一実施形態として、本発明の繊維系包装材料が使用された、圧力下の熱処理、特にオートクレーブ処理向けの包装が挙げられる。
【0041】
本発明によれば、繊維系包装材料は、一方の面または両面に、少なくとも1層の水浸透を低減するためのコーティング層が被覆されている。コーティングは、ポリマー・コーティングまたはワニス、ポリマー・コーティングなど、水浸透を低減するための当技術分野に知られた任意のコーティングとすることができる。
【0042】
本発明のさらに好ましい実施形態において、熱処理、例えばオートクレーブ処理向けの包装の繊維基材の外側または内側に、1層または複数層の可能であれば既知の着色ポリマー層が存在する。一実施形態において、包装材料は、ポリマー・ヒートシール層、白色着色ポリマー層、黒色顔料を含むポリマー層、処理された繊維基材、1層または複数の酸素バリア層、バインダー層、灰色着色ポリマーの遮光層、ポリマー・ヒートシール層をこの順序で含む。
【0043】
ポリマー層の材料は、当技術分野で一般的に知られた任意の材料とすることができる。したがって、例えば、ヒートシール層の材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、またはこれらのコポリマーであることが好ましい。酸素バリア層の材料は、エチレンビニルアルコールポリマー(EVOH)またはポリアミド(PA)であり、最も有利にはEVOHである。
【0044】
耐オートクレーブ性のような改善された耐熱性のため、本発明の包装材料におけるポリマー・コーティングなどのコーティングの割合は必要に応じて低減することができる。
【0045】
処理された繊維基材の耐熱性、例えば耐オートクレーブ性は、その構造を製造中に調節および/または最適化することによってさらに改善することができる。したがって、耐オートクレーブ性は、高密度精製、繊維基材ウェブのカレンダー/ウェットプレス、および/またはCondebelt乾燥のようなウェブの乾燥などの原材料の精製程度によって増加することができる。処理された繊維基材に二酸化チタンなどの充填材を加えて、例えばオートクレーブ条件などの熱条件に十分耐える繊維基材を提供することができる。
【0046】
本発明による繊維基材の処理は、典型的に、繊維系包装材料が完全に、すなわち、ウェブの幅全体が、本願請求項に記載されているような湿潤強度サイズ剤、疎水性サイズ剤およびアルミニウムおよび/またはカルシウム化合物で処理されていることを意味する。しかし、本発明は切断縁など材料の一部だけを処理する選択肢も含む。
【0047】
さらに、本発明は、本発明の包装材料を調製する方法に関し、該方法は、製造すべき包装の耐熱性を高めるため、および/または未処理縁部浸透を低減するために、1:0.1〜1:10の比で疎水性サイズ剤およびアルミニウムおよび/またはカルシウム化合物、および湿潤強度サイズ剤を繊維基材に添加することを含む。処理は当技術分野で公知の方法を用いて任意の順序で行うことができる。
【0048】
疎水性サイズ剤およびミョウバンなどのアルミニウムおよび/またはカルシウム化合物は、上記上に示した量を加えることが好ましい。添加は、例えば、紙および厚紙製造におうて公知の方法で繊維基材ウェブの最終乾燥段階前の製造工程の任意の段階で行うことができるが、ワイヤー上に形成される繊維基材ウェブのすべてに組合せが均一に組み込まれるように、繊維基材原料の製造中、すなわち、繊維原料が金網上に置かれる前に行うことが好ましい。繊維基材ウェブは、場合によっては、最初にワイヤー上に繊維素材から形成してもよく、次いで疎水性サイズ剤および/またはアルミニウムおよび/またはカルシウム化合物を例えば噴霧によって繊維上に施与する。疎水性サイズ剤およびアルミニウムおよび/またはカルシウム化合物は繊維基材の調製工程の同じ段階または異なる段階で加えることができる。アルミニウムおよび/またはカルシウム化合物は、このようにして、疎水性サイズ剤を添加する前に、この添加と同時に、または疎水性サイズ剤の添加の後に加えることができる。使用すべき疎水性サイズ剤およびアルミニウムおよび/またはカルシウム化合物の総量を、1工程段階で、例えば素材形成中に加えることができるが、サイズ剤と化合物の1種または両方を繊維基材調製の1段階以上で加えることも可能である。好ましい1つの適用において、ミョウバンの一部を疎水性サイズ剤の前に加え、その残りをサイズ剤添加後に加える。
【0049】
上記の例において、湿潤強度サイズ剤が上記の量で繊維基材にさらに加えられ、したがって、オートクレーブ条件下の繊維基材の抵抗性がさらに改善される。添加は当技術分野で公知の方法で、例えば、原料調製段階中、原料をワイヤー上に施与する前に行うことができる。
【0050】
本発明による湿潤強度サイズ剤の使用は、オートクレーブ条件にも抵抗性があり、単に疎水性サイズ剤を利用して調製された厚紙の特性とは異なる密度と多孔質特性を有する厚紙の製造を可能にする。したがって、本発明は、既に使用されているものに加えて、オートクレーブ包装材料の異なる選択肢を提供する。また、それは低密度の厚紙の使用も可能にし、すなわちより高い剛性を提供する。
【0051】
さらに、処理された繊維基材の製造中に、工程条件の制御によって、すなわち製紙機械の濡れた端部での短いサイズ剤の遅れおよび良好な第1パス保持力によって、疎水性サイズ剤、例えばASAサイズ剤から誘導される、包装材料の耐熱性に有害な影響を与え得る遊離酸の形の不純物形成を防止することが可能である。
【0052】
所望によって、繊維基材の耐オートクレーブ性などの耐熱性は、繊維基材構造、例えば原材料の精製程度(例えば高密度精製によって)の調節、繊維基材ウェブのカレンダー/ウェットプレスおよび/または乾燥(例えばCondebelt乾燥)によってさらに改善することができる。さらに、例えば、乾燥繊維基材に基づいて計算して0.1〜5重量%の二酸化チタンなどの充填材を処理された繊維基材に加え、オートクレーブ条件などの高温条件に良好な抵抗性を有する繊維基材を提供することが可能である。
【0053】
上述のように、本発明は、耐熱性、特に熱処理を受ける繊維系包装材料中の繊維系包装材料、特に上記で定義した本発明の包装材料中のオートクレーブ包装材料などの未処理縁部浸透のような耐オートクレーブ性を改善するため、本発明の組合せすなわち、アルミニウムおよび/またはカルシウム化合物、疎水性サイズ剤、および湿潤強度サイズ剤の組合せを使用することに関する。本発明を実施例によって以下にさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0054】
実施例はオートクレーブ条件下における厚紙の未処理縁部浸透に対する異なる要因の影響を試験した。
約125℃の温度で水蒸気殺菌オートクレーブでオートクレーブ試験を実施した。「通常」オートクレーブ条件は約125℃、45分間、100%RHで行い、「過酷な条件」を約125℃、60分間、100%RHで行った。RH=相対湿度である。オートクレーブ処理は温度上昇段階(約15分間)と温度降下段階(約20分間)も含んだ。
【0055】
試験中に試験されるサンプルは両側にポリマー・コーティングを被覆したので、厚紙の未処理縁部しか見えなかった。オートクレーブ試験の未処理縁部浸透、REP、として、サンプルの縁部を通って厚紙に浸透した水の量を測定した。浸透はオートクレーブ処理の後、未処理縁部の表面積当たり(kg/m)で示した。
【0056】
未処理縁部浸透REP 80℃は、サンプルを通常圧力下で80℃の水に3時間浸漬し、次いで測定を行ったことを意味する。
【0057】
未処理縁部REP Hは、サンプルを70℃の温度の35%の過酸化水素溶液に10分間浸漬し、続いて測定を行ったことを意味する。
SRはSchopper−Riegler法によるパルプの排水抵抗を表す。
【0058】
本発明の実施例と比較実施例は、従来厚紙製造に使用される化学薬品を用いる製紙機械で乾燥硫酸バーチ・パルプから調製された(ディスク精製器でSR値22に精製した)150g/mの厚紙サンプルを使用した。圧搾部は両側にフェルトを備える従来の3ニップ圧搾部であった。乾燥部は、蒸気シリンダーを設けた通常のモデルであった。カレンダーは硬質ニップ・カレンダー(15kN/m)で行った。各比較試験については、比較すべき厚紙サンプルを、組成物または製造条件を比較するために必要な組成または相違だけを異ならせて、同じ方法で調製した。サンプルの製造段階および/または組成物に関するこれらの相違は、各比較実施例で個別に述べる。疎水性サイズ剤、Al/Ca化合物、および湿潤強度サイズ剤の添加は、すべてワイヤーに素材を施与する前に行った。比は重量比である。
【0059】
(実施例1)
オートクレーブ条件下のミョウバン使用の効果
固体厚紙をASAサイズ剤(2.5kg/t)およびPAAE湿潤強度サイズ剤(2kg/t)でサイジング処理した。
【0060】
【表1】

【0061】
試験結果は未処理縁部浸透へのミョウバンの顕著な低減効果を明らかに示す。ミョウバンの量を増加すると、従来の試験(REP 80℃およびREP H)による「通常」のオートクレーブ条件下で未処理縁部浸透に関して改善が見られない後でも、「過酷な条件」下のオートクレーブで未処理縁部浸透の発生が減少した。
【0062】
(実施例2)
オートクレーブ条件下でのASA対AKDサイジングの効率
固体厚紙を等量のAKDとASAでスタッフサイジング処理した。いずれの例でも、ミョウバンと疎水性サイズ剤の比は1:1であった。湿潤強度サイズ剤:疎水性サイズ剤は1:1であった。未処理縁部浸透は、厚紙サンプルを80℃の水に3時間浸漬することと、上記の「通常」と「過酷な」条件でオートクレーブ処理することによって、3組の試験条件下で測定した。
【0063】
【表2】

【0064】
【表3】

【0065】
サンプルの縁部を通って厚紙中に吸収された量(REP、未処理縁部浸透)は、「通常」オートクレーブ条件下AKDとASAでサイジング処理したサンプルでは、互いに比較的近似していた。「過酷な」オートクレーブ条件下では、ASAサイズ剤で処理した厚紙に有利なより明確な差があった。
【0066】
実施例3および4。ASAおよびAKDのサイジング処理中の湿潤強度サイズ剤(PAAE)の効果:実施例3および4において、厚紙を2種の異なる量の疎水性サイズ剤でスタッフサイジング処理した。湿潤強度サイズ剤はすべての試験位置で一定であった。
【0067】
(実施例3)
ASAサイジング処理中の湿潤強度サイズ剤(PAAE)
【0068】
【表4】

【0069】
(実施例4)
AKDサイジング処理中の湿潤強度サイズ剤(PAAE)の効果
【0070】
【表5】

【0071】
実施例3と4の結果も、オートクレーブ包装材料への湿潤強度サイズ剤の有利な効果を示す。さらに、未処理縁部浸透は、ASAサイズ剤と湿潤強度サイズ剤の組合せが使用されたとき、通常レベルのASAサイズ剤でオートクレーブ処理を受けたサンプルで顕著に減少した。
【0072】
(実施例5)
パルプ全体の精製の効果
それぞれ25SRと30SRのパルプ精製程度を用いて固体厚紙を調製した。厚紙製造において、ASAサイズ剤(2.5kg/t)、ミョウバン(2kg/t)、およびPAAE樹脂(2kg/t)を用いた。
【0073】
【表6】

【0074】
(実施例6)
パルプの一部をさらにSR値80へ精製した。
実施例は、パルプ全体の低密度精製とさらに精製した部分を用いた。固体厚紙は80SRの精製程度を有する様々な量のパルプを使用して調製した(「さらに精製したパルプ」)。厚紙製造はASAサイズ剤(2.5kg/t)、ミョウバン(2kg/t)、およびPAAE樹脂(2kg/t)を含んだ。
【0075】
【表7】

【0076】
(実施例7)
カレンダーの効果
通常圧力と昇圧ニップ圧力(15および30kN/m)下のカレンダー機械を用い、厚紙機械の乾燥部でサンプルを圧搾することによって、固体厚紙サンプルを調製した。圧搾は、いくつかの他の種類のウェブ圧搾法(例えばウェットプレス、シュー・カレンダー)で行うこともできた。厚紙製造はASAサイズ剤(2.5kg/t)、ミョウバン(2kg/t)、およびPAAE樹脂(2kg/t)を含んだ。
【0077】
【表8】

【0078】
(実施例8)
微細に分配した充填剤の効果
厚紙製造はASAサイズ剤(1.5kg/t)およびPAAE樹脂(1kg/t)を含んだ。
【0079】
【表9】

固体厚紙は鉱物微粉として酸化チタンを含んだが、他の種類の微粉で置き換えることもできた(例えば他の製紙充填剤)。
【0080】
(実施例9)
Condebelt乾燥を備える製造機械と従来のシリンダー乾燥を備える機械のオートクレーブ厚紙との比較
オートクレーブ条件 通常
未処理縁部浸透、(kg/m) REP
通常の乾燥部 1.4〜1.6
Condebelt乾燥部 1.0〜1.2
【0081】
Condebelt乾燥部は、オートクレーブ条件にもより良好に耐える厚紙構造の圧搾を可能にする。
上の実施例は、オートクレーブ厚紙の製造において、湿潤強度サイズ剤を使用することによって、パルプ密度および/または多孔質の要求を低くすることができることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性サイズ剤で処理された繊維系包装材料を含み、繊維基材の外側および/または内側に水の浸透を低減させるための1層または複数の層を含む熱処理向けの包装であって、繊維基材が、包装材料の耐熱性を高めるために、疎水性サイズ剤、アルミニウムおよび/またはカルシウム化合物、ならびに湿潤強度サイズ剤で処理され、疎水性サイズ剤とアルミニウムおよび/またはカルシウム化合物の重量比が1:0.1〜1:10であることを特徴とする包装。
【請求項2】
オートクレーブ包装のような、圧力下の加熱によって処理された包装であることを特徴とする請求項1に記載の包装。
【請求項3】
疎水性サイズ剤とアルミニウムおよび/またはカルシウム化合物の重量比が1:0.1〜1:7、好ましくは1:0.5〜1:5、さらに有利には1:1〜1:5、最も有利には1:1〜1:3であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装。
【請求項4】
疎水性サイズ剤が、繊維基材1t当たり0.3〜4kg、好ましくは乾燥繊維基材1t当たり0.5〜3.0kg、例えば乾燥繊維基材1t当たり0.5〜1.7kgの量で使用されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の包装。
【請求項5】
疎水性サイズ剤が、アルケニルコハク酸無水物(ASA)および/またはアルキルケテン・ダイマー(AKD)からなるサイズ剤であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の包装。
【請求項6】
疎水性サイズ剤がASAサイズ剤であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の包装。
【請求項7】
アルミニウムおよび/またはカルシウム化合物が、乾燥繊維基材1t当たり1.0〜20kg、好ましくは乾燥繊維基材1t当たり1.0〜10kg、乾燥繊維基材1t当たり2.0〜8kgの量で使用されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の包装。
【請求項8】
アルミニウム化合物がアルミニウム塩、好ましくはミョウバンであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の包装。
【請求項9】
湿潤強度サイズ剤が、乾燥繊維基材1t当たり0.2〜12kg、好ましくは乾燥繊維基材1t当たり0.5〜6kg、さらに有利には乾燥繊維基材1t当たり1〜3kgの量で使用されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の包装。
【請求項10】
湿潤強度サイズ剤がポリアミドアミンエピクロロヒドリン(PAAEサイズ剤)を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の包装。
【請求項11】
包装材料の水浸透を低減させるための層がポリマー・コーティングであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の包装。
【請求項12】
包装材料がポリマー・ヒートシール層、白色着色ポリマー層、黒色顔料を含むポリマー層、処理された繊維基材、1層または複数の酸素バリア層、バインダー層、灰色着色ポリマー遮光層、ポリマー・ヒートシール層をこの順序で含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の包装。
【請求項13】
包装の耐熱性を高めるために充填剤が繊維基材に加えられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の包装。
【請求項14】
繊維基材がラッピング紙または厚紙から作られることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の包装。
【請求項15】
疎水性サイズ剤で処理され、少なくとも1面が水浸透を低減させるための層で被覆された繊維基材を含み、包装材料の繊維基材がそれぞれ請求項1、3乃至11、または13のいずれか1項に記載の方法で処理されていることを特徴とする、オートクレーブ包装のような熱処理包装向けの包装材料。
【請求項16】
包装材料が、請求項2、12または14のいずれか1項にそれぞれ記載のものであることを特徴とする請求項15に記載の包装材料。
【請求項17】
繊維基材を疎水性サイズ剤で処理する工程と、繊維基材の少なくとも1面をポリマー層のような水浸透を低減させるための層で被覆する工程とを含み、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の繊維基材の製造であることを特徴とする、オートクレーブ包装のような熱処理包装用の繊維系包装材料の製造方法。
【請求項18】
パルプの精製、ウェットプレス、カレンダー、および/またはCondebelt乾燥を利用して繊維基材の構造を制御することによって、包装の耐熱性がさらに高められることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
包装の耐熱性を高めるために充填剤が繊維基材に加えられることを特徴とする請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
未処理縁部浸透の低減のような、繊維系包装材料の耐熱性を高めるためのアルミニウムおよび/またはカルシウム化合物、疎水性サイズ剤、ならびに湿潤強度サイズ剤の組合せの使用。
【請求項21】
耐オートクレーブ性を高めるための請求項20に記載の使用。
【請求項22】
未処理縁部浸透の低減のような、繊維系オートクレーブ包装材料の耐熱性を高めるための請求項20または21に記載の使用。

【公表番号】特表2007−514614(P2007−514614A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516222(P2006−516222)
【出願日】平成16年4月27日(2004.4.27)
【国際出願番号】PCT/FI2004/000256
【国際公開番号】WO2005/003460
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(505473765)
【Fターム(参考)】