説明

繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造

【課題】 繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材とを接合し、繊維補強プラスチック部材に作用する引張力及び圧縮力をコンクリート部材に確実に伝達する。
【解決手段】 軸線方向に強化繊維32を含む繊維補強プラスチック部材31の端部31aを、表面積が増加するように加工し、この端部をコンクリート部材20中に埋め込む。また、端部をモルタル又はコンクリートからなるブロックに埋め込み、このブロックをコンクリート部材中に埋め込んでも良いし、ブロックをアンカーボルトによってコンクリート部材に固着してもよい。繊維補強プラスチック部材の端部の加工は、断面が拡大されるように加工したもの、軸線方向にスリットを設けて複数の舌状部に分割したもの、端部に棒状部材を係止したもの、強化繊維を端部で露出して棒状の部材等に係止したもの等を採用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造に係るものであり、特に、柱状の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガラス繊維やカーボン繊維等の強化繊維に、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂等の合性樹脂を含浸させた繊維強化プラスチック、いわゆるFRP(fiber reinforced
plastics)が知られている。繊維補強プラスチックは軽量で強度的にも大変優れた材料
であり、耐候性、耐熱性、耐薬品性にも優れている。また、繊維補強プラスチックは比較的安価で、多様な成形方法が可能であるため、近年は様々な技術分野で用いられている。
【0003】
繊維補強プラスチックの用途が多様化するのにともなって、その用途に合わせて繊維補強プラスチックからなる部材どうしを接続したり、繊維補強プラスチックからなる部材と他の材料とを接続する技術が必要とされ、例えば次のような技術が提案されている。
特許文献1には、ポリマガラス等のテンションメンバとして使用するFRP棒を、アルミ製又は鉄製の端末金具へ固定する方法が記載されている。端末金具は内面がテーパーを有する形状、つまり断面がFRP部材の軸線方向に変化するものとなっており、このテーパーに合う形状のFRP製の円錐状体にFRP棒の端部を接着する。そして、円錐状体を端末金具の内側に嵌め入れることによって、該円錐状体を介してFRP棒を端末金具に固定するものとなっている。
【0004】
また、特許文献2には、各種足場や輸送用コンテナ等の骨組フレームに用いられるFRP製の管体を接続する構造が記載されている。管体は中空であり、それぞれの管体の内部に接続金具を嵌め入れてボルトで固定し、この接続金具を介して2つの管体を接続するも
のである。
【0005】
また、特許文献3には、FRP製のパイプの端部に鋼製の継手が接合された駆動力伝達用シャフトが記載されている。この継手の外周面には、全周にわたって軸方向に伸びる山状の凸部が形成され、FRP製のパイプの端部は、内側が上記継ぎ手の形状と対応するように加工されており、FRP製のパイプの内側に鋼製の継ぎ手を圧入嵌合して接続される。
【特許文献1】特開平6−170949号公報
【特許文献2】特開平9−329114号公報
【特許文献3】特開平6−200951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
繊維補強プラスチック部材は、軽量で高い強度を有するものであるため、建築物や土木構造物にも利用が検討されている。一般に建築物や土木構造物には、コンクリートが一般的な材料として多く用いられており、これらとともに繊維補強プラスチック部材を用いることになると、コンクリート部材と繊維補強プラスチック部材とを接合する必要が生じる。
【0007】
しかしながら、上記のような従来の接合技術はいずれも繊維補強プラスチック部材を金属部材又はプラスチック部材と接合するものである。コンクリートは、骨材として砂利や砂を含み、微視的には不均質な部材であり、応力が集中すると脆く壊れやすい部材である。このため、金属やプラスチックと同等の精密な加工はできず、従来から知られている上記技術をコンクリート部材と繊維補強プラスチック部材との接合部に適用することは難しい。このため、繊維補強プラスチック部材をコンクリート部材と接合するための特有の構造が必要とされる。
【0008】
本願に係る発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材とを接合し、繊維補強プラスチック部材に作用する引張力及び圧縮力をコンクリート部材に確実に伝達することができる接合構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 軸線方向に強化繊維を含む繊維補強プラスチック部材の端部がコンクリート部材に埋め込まれ、該端部は、表面積が増加するように加工されている繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を提供する。
【0010】
上記繊維補強プラスチック部材の端部は表面積が増加するように加工されているため、繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接触面積が大きく、これらの間の付着力もしくは摩擦力が増大する。これにより、繊維補強プラスチック部材に作用する圧縮力、引張力及び曲げモーメントは、強化繊維を介してコンクリート部材へ伝達される。また、先端部がコンクリート部材に埋め込まれているので、接合部のせん断強度は充分に維持される。これにより、繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材とが強固に接合される。
【0011】
請求項2に係る発明は、 軸線方向に強化繊維を含む繊維補強プラスチック部材の端部が、コンクリート又はモルタルからなるブロックに埋め込まれ、前記ブロックがコンクリート部材に埋め込まれている繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を提供する。
【0012】
上記繊維補強プラスチック部材の端部は、あらかじめ工場等の作業環境が整った場所でブロックに埋め込み、現場においてこのブロックを埋め込むようにコンクリートを打設する。これにより、繊維補強プラスチック部材の端部が取り扱いにくい形状に加工されたものであっても適切に作業が行なわれ、繊維補強プラスチック部材の端部とブロックとが一体化される。例えば、端部が変形し易く、所定の形状を維持した状態でコンクリート中に埋め込むのが難しいものであっても、工場等の設備が整った場所では比較的容易に対応することが可能となる。そして、現場での簡単な作業によって、コンクリート又はモルタルからなるブロックを埋め込むようにコンクリート部材を形成することができる。コンクリート又はモルタルからなるブロックとコンクリート部材とは接着性が良く、繊維補強プラスチック部材に作用する圧縮力、引張力及び曲げモーメントは、強化繊維からブロックを介してコンクリート部材へと確実に伝達される。また、ブロックとコンクリート部材との間には、鉄筋等の補強材を配置することが容易であり、強固に接合することができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、 軸線方向に強化繊維を含む繊維補強プラスチック部材の端部が、コンクリート又はモルタルからなるブロックに埋め込まれ、 一端がコンクリート部材に埋め込まれたアンカーボルトによって前記ブロックが前記コンクリート部材に固定されている繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を提供する。
【0014】
上記接合構造では、請求項2で説明したのと同様に、繊維補強プラスチック部材の端部が取り扱いにくい形状であっても、工場等において適切な作業を行なうことによって繊維補強プラスチック部材の端部とブロックとが容易に一体化される。そして、現場ではアン
カーボルトによって上記ブロックとコンクリート部材とが接合される。これにより繊維補強プラスチック部材に作用する圧縮力、引張力及び曲げモーメントは強化繊維からブロックに伝達され、アンカーボルトを介してコンクリート部材へと伝達される。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項1,請求項2又は請求項3に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造において、 前記繊維補強プラスチック部材は、その端部が埋め込まれたコンクリート又はモルタルの表面に沿って、該繊維補強プラスチック部材の軸線とほぼ直角に張り出した鍔状部を有するものとする。
【0016】
上記鍔状部によって、コンクリート又はモルタルの表面と繊維補強プラスチック部材の表面との接触部分を覆うことができ、これによりコンクリート又はモルタルと繊維補強プラスチック部材との間に雨水が浸透するのを防止できる。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項1,請求項2又は請求項3に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造において、 前記繊維補強プラスチック部材の端部は、断面が拡大されているものとする。
【0018】
繊維補強プラスチック部材の端部は、該部材の周囲に向かって張り出すように断面が拡大されているため、広い接触面から圧縮力がコンクリート部材に作用し、応力の集中が回避されるとともに、引張力が作用したときには断面の拡大部がコンクリートに押し付けられ、引き抜きに対して抵抗する。これにより、繊維補強プラスチック部材に作用する圧縮力及び引張力は、コンクリート又はモルタルに確実に伝達される。
【0019】
請求項6に係る発明は、請求項1,請求項2又は請求項3に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造において、 前記繊維補強プラスチック部材の端部には、鋼又は繊維補強プラスチックからなる棒状部材が係止され、該棒状部材とともにコンクリート中に埋め込まれているものとする。
【0020】
上記棒状部材はコンクリートと一体となるようにコンクリート部材に埋め込まれているため、繊維補強プラスチック部材に作用する圧縮力及び引張力は、強化繊維から棒状部材を介してコンクリートに確実に伝達される。
【0021】
請求項7に係る発明は、請求項1,請求項2又は請求項3に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造において、 前記繊維補強プラスチック部材の端部には、複数の軸線方向のスリットが設けられているものとする。
【0022】
上記繊維補強プラスチック部材の端部に複数の軸線方向のスリットを設けることによって、繊維補強プラスチック部材とコンクリート又はモルタルとの接触面積が増加し、これらの接触面に付着力もしくは摩擦力が作用する。そして、繊維補強プラスチック部材に作用する圧縮力、引張力は、スリットで分割されて広くなった接触面に分散され、コンクリート又はモルタルへ確実に伝達される。
【0023】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造において、 前記スリットで分割された部分の全部又は一部が、曲折された状態でコンクリート又はモルタル中に埋め込まれているものとする。
【0024】
スリットで分割された部分の全部又は一部を曲折された状態とすることによって、曲折された部分がコンクリート又はモルタル内で互いに離れるように配置され、圧縮力、引張力及び曲げモーメントが、繊維補強プラスチック部材からコンクリート又はモルタルの広い範囲に分散して伝達される。また、スリットで分割された部分とコンクリート又はモル
タルとの接触面積が増加して、相互間の付着力もしくは摩擦力が増大するため、接合構造の信頼性が高いものとなる。
【0025】
請求項9に係る発明は、請求項1,請求項2又は請求項3に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造において、 前記繊維補強プラスチック部材の端部は、強化繊維が露出されているものとする。
【0026】
上記強化繊維は細く形成されているので柔軟で表面積が大きく、コンクリート又はモルタル中に埋め込んだときに、それぞれの繊維が曲折した状態で埋め込まれる。したがって、コンクリート又はモルタルからの引き抜き抵抗が増大し、引張力を確実に伝達することが可能となる。
【0027】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造において、 前記強化繊維は、鋼部材又はプラスチック部材に貼着され、該鋼部材又はプラスチック部材とともにコンクリート又はモルタル中に埋め込まれているものとする。
【0028】
強化繊維は、鋼部材又はプラスチック部材に対して接着性が良く、接着剤を用いて強く接着することができる。そして、強化繊維が接着された鋼部材又はプラスチック部材は、コンクリート部材中又はブロック中に埋め込まれることによってアンカーとして機能し、繊維補強プラスチック部材に作用する引張力はコンクリート部材又はブロックに確実に伝達される。
【0029】
請求項11に係る発明は、請求項9に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造において、 前記強化繊維は、鋼部材又はプラスチック部材に巻き付けられ、又は絡みつけるように係止され、該鋼部材又はプラスチック部材とともにコンクリート又はモルタル中に埋め込まれているものとする。
【0030】
上記接合構造では、強化繊維が鋼部材又はプラスチック部材に巻き付けられ、又は絡みつけるように係止され、この状態でコンクリート又はモルタル中に埋め込まれて拘束されるため、強化繊維と鋼部材又はプラスチック部材と間の摩擦力が増大して繊維補強プラスチックの引張力は強化繊維を介して鋼部材又はプラスチック部材に伝達される。そして、鋼部材又はプラスチック部材はコンクリート又はモルタル中でアンカーとして機能し、接合部が大きな引張力に抵抗し得るものとなる。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、本願発明によれば、繊維補強プラスチック部材の端部が加工され、コンクリート部材に埋め込まれたときに、一体性が増大するものとなっているので、繊維補強プラスチック部材に作用する圧縮力、引張力及び曲げモーメントが、コンクリート部材へ確実に伝達される。また、繊維補強プラスチック部材の端部をあらかじめ工場等の作業環境が整った場所でコンクリート又はモルタルからなるブロックに埋め込み、現場においてこのブロックをコンクリートに埋め込んだり、ブロックとコンクリート部材とをアンカーボルトで接続することによって、端部が取り扱いにくい形状であっても適切に作業が行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明に係る繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を適用することができる構造物の一例であって、コンクリートと繊維補強プラスチックとの複合構造の上路式吊床版橋を示す概略側面図及び概略断面図である。
この上路式吊床版橋は、二つの橋台5a、5b間に架設され、コンクリートの薄い板状部材からなる吊床版1と、上面に舗装を施して路面が形成されるコンクリートの上路桁2と、吊床版1と上路桁2との間に鉛直に配置され、吊床版上で上路桁2を支持する複数の支柱3と、で主要部が構成されている。
【0033】
上記吊床版1は、可撓性を有する程度に薄いコンクリートの板状部材であり、両端がそれぞれ端部ブロック4a,4bに連続し、これらの端部ブロック4a,4bが橋台5a,5b上に支持されている。上記吊床版1は、端部ブロック間に張架されたケーブルに複数のプレキャストコンクリート板を支持させ、これらの間に間詰めコンクリートを打設して、端部ブロック間で連続するように形成されたものである。
【0034】
上記上路桁2は、プレキャストコンクリートからなるセグメントを橋軸方向に連結して形成され、橋の全長にわたって連続したもので、両端は端部ブロック4a,4bに連続している。また、必要に応じてプレストレスが導入されるとともに、支柱3を介して吊床版1に支持され、大きな曲げモーメントが生じないものとなっている。
【0035】
上記端部ブロック4a,4bは、橋台5a,5b上にゴム支承6を介して支持されており、一方の支承6aは橋梁の軸線方向の移動が拘束され、他方の支承6bは移動が拘束されないものとなっている。なお、図2に示すように、上記端部ブロックを用いず、吊床版11と上路桁12とが2つの橋台15a,15bと直接に接合され、吊床版11の引張力が橋台15a,15bに伝達されるものとすることもできる。
【0036】
上記支柱3は中空の繊維補強プラスチックからなる管部材であり、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の高い引張強度を有する繊維が軸線方向に多数配置され、合成樹脂で一体に固められている。この支柱3と、吊床版1を構成するプレキャストコンクリート板とは、架設現場近くの製作ヤード又は工場で接合して組立てられ、その後、端部ブロック間に張架されたケーブル上の所定位置に支持される。
【0037】
繊維補強プラスチックは軽量かつ強度的に優れた材料であり、支柱3として繊維補強プラスチック管23を用いることによって、橋を軽量化することができる。そして、吊床版1又は上路桁2内に配置するPC鋼材又はケーブルを低減して、構築費用を低減することができる。
【0038】
なお、繊維補強プラスチックからなる支柱は、図1に示すように、側面視で鉛直に配置されるものに限らず、図3に示すように橋の軸線方向に傾斜するものであってもよい。支柱23を傾斜させ、上路桁22と吊床版21とでトラスを構成することにより、構造全体の剛性を大きくすることができる。
【0039】
次に、上記上路式吊床版橋において用いることができるコンクリート部材と繊維補強プラスチック管との接合構造について説明する。
図4は、上記のような上路式吊床版橋の支柱と吊床版を構成するコンクリート板との接合部分に適用することができる接合構造の一例を示す概略斜視図及び断面図である。
支柱3を構成する繊維補強プラスチック管31の端部31aは、樹脂及び繊維を型の上で積層し、硬化した後に脱型するハンドレイアップ加工が施され、先端に向かって断面が拡大された形状となっている。そして、繊維補強プラスチック管の軸線方向に埋め込まれた強化繊維32は、断面の拡大部31aにまで連続するように配置されている。この断面の拡大部31aには、複数の貫通孔31bが設けられており、この貫通孔31bに鋼又は繊維補強プラスチックからなる棒状部材33が挿通され、この状態で拡大部31aが吊床版を構成するコンクリート板20に埋め込まれている。
【0040】
また、繊維補強プラスチック管31は、拡大部31aより上方にこの繊維補強プラスチック管31の軸線とほぼ直角に張り出した鍔状部34を有しており、この鍔状部34がコンクリート板20の表面に沿って配置されている。この鍔状部34でコンクリート板20の表面と繊維補強プラスチック管31の表面との接触部分を覆うことによって、雨水が浸透するのを防止することができ、コンクリート内に配置された鉄筋の腐食、コンクリートの劣化等が防止される。
【0041】
上記コンクリート板20と繊維補強プラスチック管31との接合は、先ず、繊維補強プラスチック管31の拡大部31aに棒状部材33を係止した状態で、コンクリート板を形成するための型枠内に支持する。そして、この拡大部31aを埋め込むようにコンクリートを打設し、繊維補強プラスチック管31の鍔状部34がコンクリート板20の表面に沿った位置となるようにコンクリートの表面を仕上げる。
【0042】
このようにコンクリート板20と接合された繊維補強プラスチック管31は、拡大部31aでコンクリートとの接触面積が大きくなっており、この部分を介してコンクリートに圧縮力及び引張力が伝達される。また、拡大部31aに鋼又は繊維補強プラスチックからなる棒状部材33が係止されており、この棒状部材33がコンクリート板20に埋め込まれて強固に一体化される。このため、繊維補強プラスチック管31に作用する圧縮力、引張力及び曲げモーメントが、拡大部31及び棒状部材33から分散して、確実にコンクリート板20に伝達される。
【0043】
なお、上記繊維補強プラスチック管31の端部は、図5に示すように、先端から管の内側及び外側に向って張りだした拡大部31cを形成してもよい。また、図6(a)に示すように、ハンドレイアップ加工によって先端から外側に張りだして広い範囲で支圧力を負担する拡大部31dを形成したり、さらに、図6(b)に示すように、この張り出した部分の先端31eを上下方向に断面を拡大してもよい。このような形状では、繊維補強プラスチック管31の端部に設けられた拡大部からコンクリート板20に確実に圧縮力が伝達される。また、繊維補強プラスチック管31に引張力が作用したとき、この部分がコンクリートに係止されて、繊維補強プラスチック管31のコンクリート板20からの引き抜きに対して抵抗する。
なお、断面の拡大部は、図6(a)に示すように強化繊維32が断面の拡大部まで連続して配置されるものが望ましいが、図5(b)、図6(b)に示すように拡大部までは強化繊維32が配置されていないものでもよい。
【0044】
一方、上記繊維補強プラスチック管31に代えて中実の繊維補強プラスチック部材を用いることもできる。中実の部材を用いる場合には、ハンドレイアップ加工によって繊維補強プラスチック部材の端部に拡大部に成形する。これにより、中空の部材を用いた場合と同様の効果を得ることができ、さらに端面が支圧面として作用するため圧縮力に対する抵抗が大きいものとなる。
また、図4から図6までに示す接合構造では、繊維補強プラスチック部材の端部で断面を拡大しているが、図7に示すように、繊維補強プラスチック管41の端部に棒状部材42を係止する場合には、断面を拡大せずに標準断面のままとしてもよい。なお、この接合構造は、請求項6に係る発明の一実施形態である。
【0045】
図8は、請求項7又は請求項8に係る発明の一実施形態である接合構造を示す概略断面図及び繊維補強プラスチック管の端部の加工状態を示す概略斜視図である。
この接合構造では、繊維補強プラスチック管51の端部51aに、複数の軸線方向のスリットが設けられており、該スリットで分割された複数の舌状部53が曲折された状態でコンクリート板20中に埋め込まれている。そして、コンクリート板20内では、舌状部53に貫通孔53aが設けられ、鋼又は繊維補強プラスチックからなる棒状部材55が、
上記貫通孔53aに挿通して係止されている。また、図4に示す繊維補強プラスチック管31と同様に、スリット53が設けられた範囲にまで強化繊維52が配置されており、この範囲より上方には、繊維補強プラスチック管51の軸線とほぼ直角に張り出した鍔状部54が設けられている。
【0046】
上記接合構造では、舌状部53が曲折された状態でコンクリート板20に埋め込まれており、繊維補強プラスチック管51の端部が広い範囲でコンクリートと接触する。このため、繊維補強プラスチック管51の引張力及び圧縮力は広い範囲でコンクリート板20に伝達される。
【0047】
なお、上記繊維補強プラスチック管51の舌状部53は、図9に示すように繊維補強プラスチック管51の軸線とほぼ直角に曲折したものであってもよいし、舌状部53の先端を拡大して、コンクリートに強固に係止される構造とすることもできる。
【0048】
図10は、請求項7に係る発明の他の実施形態を示す概略断面図及び繊維補強プラスチック管の端部の加工状態を示す概略斜視図である。
この接合構造では、繊維補強プラスチック管61の端部に複数のスリットが形成され、複数の舌状部63に分割されている。そして、この舌状部63の外周面側のプラスチックが剥離され、強化繊維62が露出されており、この舌状部63が軸線方向に伸長した状態でコンクリート板20中に埋め込まれている。また、スリットが設けられた範囲より上方には、この管体と同じプラスチックからなる支圧板64が固着されており、コンクリート板20の表面に当接されて圧縮力を伝達するようになっている。
【0049】
上記のような接合構造では、繊維補強プラスチック管61の端部がスリットによって分割され、コンクリートとの接触面が大きくなるとともに、露出された強化繊維62が直接コンクリートと接触しており、繊維補強プラスチック管61に作用する引張力が確実にコンクリート板に20に伝達される。また、圧縮力は支圧板64を介してコンクリート板20に伝達される。
なお、舌状部63をコンクリート板20から引き抜こうとする力に対して有効に抵抗するために、図11に示すように舌状部63の先端に断面の拡大部66を設けてもよい。
【0050】
図12は、請求項9及び請求項10に係る発明の一実施形態である接合構造を示す概略断面図である。
この接合構造で用いられる繊維補強プラスチック管71の端部71aは、強化繊維72が露出されており、該強化繊維72は、鋼製又はプラスチック製の係止部材73に貼着された状態で、コンクリート板20中に埋め込まれている。また、露出した強化繊維の付け根部分には、繊維補強プラスチック管の軸線方向と直角に張りだした支圧板74がこの管体に固着されており、コンクリート板20の表面に当接されている。この繊維補強プラスチック管71は、端部を溶剤に浸して樹脂を溶解し、強化繊維72を露出させてこの強化繊維72を係止部材73に接着剤で貼着したものである。そして、強化繊維72及び係止部材73を型枠内に配置した後、コンクリートを打設してこれらを埋め込み、コンクリートの表面が上記支圧板74と当接するように仕上げる。
【0051】
このような接合構造では、強化繊維72が接着剤によって係止部材73に強固に貼着されており、この係止部材73がコンクリート内でアンカーとして作用し、強化繊維の引き抜きに対して強固に抵抗する。さらに繊維補強プラスチック管71に作用する圧縮力は、支圧板74からコンクリート板20に確実に伝達される。
【0052】
また、上記強化繊維72は、図13(a)に示すように、係止部材75に孔を形成し、この孔に強化繊維72を挿通することによって、係止部材73に絡みつけるように係止し
、この状態でコンクリート板20中に埋め込むこともできる。また、係止部材73は、図13(b)に示すように、厚さが強化繊維72の先端側で増大するものとし、強化繊維72の引き抜きに対するアンカーとしての効果を増大することもできる。
【0053】
また、上記強化繊維72は、板状の係止部材73又はブロック状の係止部材75,76に代えて、図14(a)に示すように鋼又は繊維補強プラスチックからなる棒状部材77を用い、これに巻き付けて係止し、該棒状部材77とともにコンクリート板20中に埋め込むこともできる。また、図14(b)に示すように、棒状部材78を曲折し、この棒状部材78に強化繊維62を巻き付けて係止してもよい。さらに、強化繊維72は、図15に示すように直接にコンクリート板20中に埋め込んだり、図16に示すように強化繊維72同士が絡み合った状態でコンクリート板20中に埋め込むこともできる。
なお、図12、図13及び図14に示す接合構造は、請求項11に係る発明の一実施形態である。
【0054】
図17は、請求項2又は請求項7に係る発明の一実施形態である繊維補強プラスチック管とコンクリート部材との接合構造示す断面図、及び繊維補強プラスチック管の端部の加工状態を示す概略斜視図である。
この接合構造では、繊維補強プラスチック管81の端部がコンクリート又はモルタルからなるブロック83に埋め込まれている。ブロックには、鋼又は繊維補強プラスチックからなる棒状の補強部材85が埋め込まれ、突出した端部がコンクリート部材80中に埋め込まれ、コンクリート部材80とブロック83とが強固に一体化されている。
【0055】
繊維補強プラスチック管81の端部は、複数の軸線方向のスリットが設けられており、該スリットで分割された舌状部の一部81aが、鋼製の支圧板84に設けられた開口を貫通してブロック83中に埋め込まれている。このブロック中に埋め込まれる部分は、管表面のプラスチックが剥離され、強化繊維82が露出するように加工されている。また、他の舌状部81bは水平に曲折され、図18に示すように支圧板84の上面に当接して固着されている。なお、上記繊維補強プラスチック管は、図11に示す繊維補強プラスチック管のように、ブロック83中に埋め込まれている舌状部81aの先端を拡大した形状としてもよい。
【0056】
上記繊維補強プラスチック管81とブロック83とは、予め工場等において一体に形成されるものであり、これを現場に搬入してコンクリート部材80と接合する。
【0057】
この接合構造では、コンクリート又はモルタルからなるブロック83を介してコンクリート部材80と繊維補強プラスチック管81とが接合されており、ブロック83とコンクリートとは付着性が良好であり、補強部材85によっても強固に一体化される。これにより、繊維補強プラスチック管81に作用する圧縮力、引張力及び曲げモーメントは、舌状部81aに分散され、ブロック83を介してコンクリート部材80へと効率良く伝達される。
【0058】
また、上記のようにコンクリート又はモルタルのブロックを介して繊維補強プラスチック管とコンクリート部材とを接合する構造では、端部がスリットで分割された繊維補強プラスチック管81に代えて、図19に示すように、端部の強化繊維87が露出されている繊維補強プラスチック管86を用いることもできる。この接合構造では、繊維補強プラスチック管86から露出された強化繊維87がブロック83中に埋め込まれて引張力を伝達するものとなり、圧縮力は繊維補強プラスチック管86に固着された支圧板88を介してブロック89に伝達される。また、強化繊維87は互いに絡み合った状態でブロック89中に埋め込まれているものであってもよい。
なお、この繊維補強プラスチック管86は、図15又は図16に示す繊維補強プラスチ
ック管と同様のものを用いることができる。
【0059】
図20は、請求項3に係る発明の一実施形態である接合構造を示す断面図及び概略斜視図である。
この接合構造では、図17及び図18に示す接合構造で用いられている繊維補強プラスチック管81と同様の加工が施された繊維補強プラスチック91が用いられ、支圧板94とともにコンクリート又はモルタルからなるブロック93と一体に結合されている。
【0060】
上記繊維補強プラスチック管91は、端部に設けられたスリットで分割された一部の舌状部91aがブロック93中に埋め込まれ、残りの舌状部91bは水平に曲折されて支圧板94に当接され、固着されている。そして、一端がコンクリート部材80に埋め込まれたアンカーボルト95を、ブロック93に設けられた貫通孔に挿通し、ナット98を螺合して締め付けることにより、ブロック93がコンクリート部材80に固定されている。なお、ブロック93中に埋め込まれている舌状部91cは、先端を拡大した形状としてもよい。
【0061】
この接合構造では、図17及び図18に示す接合構造と同様に、繊維補強プラスチック管91がブロック93と強固に接合されるとともに、コンクリート部材80がプレキャストコンクリートで構成されて既に硬化しているものであってもブロック93を現場で容易に接合することができ、現場での組立作業を効率よく行うことが可能となる。
【0062】
なお、上記接合構造では、繊維補強プラスチック管として、図21に示すように、端部の強化繊維97が露出されている繊維補強プラスチック管96であって、図15又は図16に示す接合構造で用いられる繊維補強プラスチック管71と同様の加工を施したものを用い、強化繊維97をブロック93中に埋め込んだ構造とすることもできる。
【0063】
図22は、本発明に係る接合構造を、繊維補強プラスチック管の上端とコンクリート部材とを接合する部分に適用した例を示す断面図である。
この接合構造では、繊維補強プラスチック管101が、図20に示す接合構造で用いた繊維補強プラスチック管91と同じ加工が上端部に施されたものであり、この上端部をコンクリート部材100内に埋め込んで接合するものとなっている。この接合構造の形成は、次のように行うことができる。
【0064】
繊維補強プラスチック管101の上端部に形成された舌状部の一部101bが当接し、残り101aが開口部を貫通するように支圧板104を装着して、所定の位置に配置する。そして、この繊維補強プラスチック管101と接合されるコンクリート部材100を構成するプレキャストコンクリリートセグメント106を所定の位置に配置し、このプレキャストコンクリートセグメントとみっせつするとともに繊維補強プラスチック部材の端部を埋め込むように未硬化のコンクリート103を打設する。このとき支圧板104は型枠の一部とすることができる。また、プレキャストコンクリートセグメント106からは鉄筋105を突出させておき、これらを埋め込むようにコンクリート103を打設することによって、複数のプレキャストコンクリートセグメント106,106を接合する。
なお、支圧板は、図22(b)に示すように周縁部から直角に立ち上げられた壁部114aを有するものとし、これを型枠としてプレキャストコンクリートセグメント間のコンクリート113を打設することもできる。これにより、繊維補強プラスチック管111の舌状部111aのコンクリート113への埋め込み長を大きくすることができ、繊維補強プラスチック管111の引き抜き抵抗を増大させることができる。
【0065】
以上説明した繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造は、コンクリートと繊維補強プラスチック部材との複合構造に用いられる他、簡易的又は仮設的な建築物や、照明灯用の柱、道路標識の支柱等をコンクリート部材上に立設する場合等、様々な用途に適用することができる。また、繊維補強プラスチック部材は円管状の他、角管、円形又は角型断面の中実部材、H型、I型の断面を有する部材、チャンネル状断面の部材等を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本願発明に係る繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を適用することができる構造物の一例であって、コンクリートと繊維補強プラスチックとの複合構造の上路式吊床版橋を示す概略側面図及び概略断面図である。
【図2】本願発明に係る繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を適用することができる上路式吊床版橋の他の例を示す概略側面図である。
【図3】本願発明に係る繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を適用することができる上路式吊床版橋の他の例を示す概略側面図である。
【図4】請求項1、請求項4、請求項5及び請求項6に係る発明の一実施形態である繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を示す概略斜視図及び断面図である。
【図5】請求項1、請求項4又は請求項5に係る発明の他の実施形態である接合構造を示す概略斜視図及び断面図である。
【図6】請求項1、請求項4又は請求項5に係る発明の他の実施形態である接合構造を示す概略断面図である。
【図7】請求項1、請求項4又は請求項6に係る発明の一実施形態である接合構造を示す概略斜視図及び概略断面図である。
【図8】請求項1、請求項4、請求項6、請求項7又は請求項8に係る発明の一実施形態である繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を示す概略断面図及び繊維補強プラスチック部材の端部の加工状態を示す概略斜視図である。
【図9】請求項1、請求項4、請求項7又は請求項8に係る発明の他の実施形態である接合構造を示す概略断面図及び繊維補強プラスチック部材の端部の加工状態を示す概略斜視図である。
【図10】請求項1又は請求項7に係る発明の一実施形態である接合構造を示す概略断面図及び繊維補強プラスチック部材の端部の加工状態を示す概略斜視図である。
【図11】請求項1又は請求項に係る発明の他の実施形態である接合構造を示す概略断面図である。
【図12】請求項1、請求項9又は請求項10に係る発明の一実施形態である繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を示す概略断面図である。
【図13】請求項1、請求項9又は請求項11に係る発明の一実施形態である繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を示す概略断面図である。
【図14】請求項1、請求項9又は請求項11に係る発明の他の実施形態である繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を示す概略断面図である。
【図15】請求項1又は請求項9に係る発明の一実施形態である繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を示す概略断面図である。
【図16】請求項1又は請求項9に係る発明の他の実施形態である繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を示す概略断面図である。
【図17】請求項2又は請求項7に係る発明の一実施形態である繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を示す概略断面図及び繊維補強プラスチック部材の端部の加工状態を示す概略斜視図である。
【図18】図17に示す接合構造の概略斜視図である。
【図19】請求項2又は請求項9に係る発明の一実施形態である繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を示す概略断面図及び概略斜視図である。
【図20】請求項3又は請求項7に係る発明の一実施形態である繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を示す概略断面図及び概略斜視図である。
【図21】請求項3又は請求項9に係る発明の一実施形態である繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造を示す概略断面図及び概略斜視図である。
【図22】請求項1又は請求項7に係る発明の他の実施形態であって、繊維補強プラスチック部材の上端とコンクリート部材とを接合する構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0067】
1,11,21:吊床版、 2,12,22:上路桁、 3,13,23:支柱、 4:端部ブロック、 5,15:橋台、 20:コンクリート板、 31,41,51,61,71,81,86,91,96,101,111:繊維補強プラスチック管、 32,52,62,72,82,87,92,97,102,112:強化繊維、 33,42,55,77,78:棒状部材、 34,54:鍔状部、 53,63:舌状部、 64,74,84,88,94,99,104,114:支圧板、 66:拡大部、 73,75,76:係止部材、 80,100:コンクリート部材、 83,89,93:ブロック、 85:補強部材、 95:アンカーボルト、 98:ナット、 103,113:現場打設されるコンクリート、 105:鉄筋、 106:プレキャストコンクリートセグメント


【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に強化繊維を含む繊維補強プラスチック部材の端部がコンクリート部材に埋め込まれ、該端部は、表面積が増加するように加工されていることを特徴とする繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造。
【請求項2】
軸線方向に強化繊維を含む繊維補強プラスチック部材の端部が、コンクリート又はモルタルからなるブロックに埋め込まれ、前記ブロックがコンクリート部材に埋め込まれていることを特徴とする繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造。
【請求項3】
軸線方向に強化繊維を含む繊維補強プラスチック部材の端部が、コンクリート又はモルタルからなるブロックに埋め込まれ、
一端がコンクリート部材に埋め込まれたアンカーボルトによって前記ブロックが前記コンクリート部材に固定されていることを特徴とする繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造。
【請求項4】
前記繊維補強プラスチック部材は、その端部が埋め込まれたコンクリート又はモルタルの表面に沿って、該繊維補強プラスチック部材の軸線とほぼ直角に張り出した鍔状部を有することを特徴とする請求項1,請求項2又は請求項3に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造。
【請求項5】
前記繊維補強プラスチック部材の端部は、該部材の周囲に向かって張り出すように断面が拡大されていることを特徴とする請求項1,請求項2又は請求項3に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造。
【請求項6】
前記繊維補強プラスチック部材の端部には、鋼又は繊維補強プラスチックからなる棒状部材が係止され、該棒状部材とともにコンクリート中に埋め込まれていることを特徴とする請求項1,請求項2又は請求項3に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造。
【請求項7】
前記繊維補強プラスチック部材の端部には、複数の軸線方向のスリットが設けられていることを特徴とする請求項1,請求項2又は請求項3に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造。
【請求項8】
前記スリットで分割された部分の全部又は一部が、曲折された状態でコンクリート又はモルタル中に埋め込まれていることを特徴とする請求項7に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造。
【請求項9】
前記繊維補強プラスチック部材の端部は、強化繊維が露出されていることを特徴とする請求項1,請求項2又は請求項3に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造。
【請求項10】
前記強化繊維は、鋼部材又はプラスチック部材に貼着され、該鋼部材又はプラスチック部材とともにコンクリート又はモルタル中に埋め込まれていることを特徴とする請求項9に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造。
【請求項11】
前記強化繊維は、鋼部材又はプラスチック部材に巻き付けられ、又は絡み付けるように係止され、該鋼部材又はプラスチック部材とともにコンクリート又はモルタル中に埋め込まれていることを特徴とする請求項9に記載の繊維補強プラスチック部材とコンクリート部材との接合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−35734(P2006−35734A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221407(P2004−221407)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【Fターム(参考)】