説明

繊維製品折り畳み装置

【課題】繊維製品折り畳み装置の提供。
【解決手段】本発明の繊維製品折り畳み装置は主に、二つの折り畳み車、二つの堆積部材、第一積載部材、阻止部材、積載台を含み、その内折り畳み車と堆積部材は、繊維製品に折り目を付けるのに用い、第一積載部材には折り畳み車と堆積部材によって折り畳まれた繊維製品を載せる。また、第一積載部材の上表面には少なくとも吸着部材を設置し、第一積載部材の上表面に近い繊維製品を吸着するのに用い、これにより、繊維製品の堆積後の整然度を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、繊維製品の折り畳みに用いるもので、繊維製品を折り畳んで重ね合わせた後の整然度を高める繊維製品折り畳み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に公知の繊維製品折り畳み装置の構造を示す。図のとおり、公知の繊維製品折り畳み装置10は主に、二つの折り畳み車11、二つの堆積部材13、第一積載部材15、阻止部材17、及び積載台19を含む。その内、二つの折り畳み車11は逆方向に回転可能で、二者間を通過する繊維製品12に折り目を付ける。また、堆積部材13は繊維製品12を第一積載部材15に積み重ねるためのもので、これにより、繊維製品12の折り畳みを完成する。
【0003】
第一積載部材15上に積み重ねる繊維製品12が一定数量に達すると、阻止部材17が延伸し、積載台19に係合し、繊維製品12の運搬を行う。また、二つの折り畳み車11及び二つの堆積部材13は、続けて第一積載部材15上で繊維製品12を積み重ねる。
【0004】
第一積載部材15の表面には光沢があるため、堆積部材13が繊維製品12を第一積載部材15に積み重ねる初期段階で、第一積載部材15に近い繊維製品12が元来設定した位置からずれる可能性もある。また、阻止部材17が伸びて積み重ねが終わった繊維製品12を分割する時、阻止部材17或いは第二繊維製品123が第一積載部材15上の第一繊維製品121を引っ張る可能性もあり、同様に、第一繊維製品121が元来の積み重ね位置からずれて繊維製品12を積み重ねた初期段階においてきちんと揃った状態での配列が不可能となるため、繊維製品12の積み重ねの整然度が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一つの目的は、主に、第一積載部材の上表面に少なくとも一吸着部材を設置し、第一積載部材上に積み重ねる繊維製品の数量が少ない時に、第一積載部材の上表面に設置した吸着部材が繊維製品を吸着して、第一積載部材上に積み重ねられた数枚の繊維製品を固定することにより、堆積後の繊維製品の整然性を高める繊維製品折り畳み装置を提供することにある。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、第一積載部材の上表面に少なくとも一吸着部材を設置することにより、繊維製品折り畳み装置をさらに、材質の比較的硬い繊維製品堆積に適用させ、繊維製品の堆積に非整然状況が発生するのを防ぐ繊維製品折り畳み装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述目的を達成するために、本発明の提供する繊維製品折り畳み装置は、隣り合わせて設置し、間に繊維製品を通過させて折り目を付けるのに用いる二つの折り畳み車と、折り目をつけた繊維製品を積み重ねるのに用いる二つの堆積部材と、第一表面と第二表面を備え、第一表面に折り畳んだ繊維製品を載せる第一積載部材と、第一積載部材の第一表面に設置し、第一積載部材の第一表面に載せる繊維製品を吸着するのに用いる一つ或いは複数個の吸着部材と、折り畳まれた繊維製品を分割するために用いる阻止部材と、繊維製品を載せるのに用いる積載台とを含む。
【0008】
上述の繊維製品折り畳み装置の実施例には、第一積載部材から繊維製品を受け取るのに用いる第二積載部材を含む。
【0009】
上述の繊維製品折り畳み装置の実施例において、その内の積載台は第二積載部材から繊維製品を受け取るのに用いる。
【0010】
上述の繊維製品折り畳み装置の実施例において、その内の阻止部材と積載台は、第一方向に沿って移動し、第二積載部材は第二方向に沿って移動し、第一方向と第二方向は直角に交わる。
【0011】
上述の繊維製品折り畳み装置の実施例には、阻止部材と積載台によって運ばれた繊維製品を受け取るベルトコンベアを含む。
【0012】
上述の繊維製品折り畳み装置の実施例において、その内の第一積載部材は複数個の指形状部を含み、吸着部材を各指形状部上に設置する。
【0013】
上述の繊維製品折り畳み装置の実施例において、その内の吸着部材は孔状とし負圧を生じさせるのに用いる。
【0014】
上述の繊維製品折り畳み装置の実施例において、その内の折り畳み車はそれぞれ、第一折り畳み車と第二折り畳み車とし、尚且つ、第一折り畳み車と第二折り畳み車はいずれも、複数個の突起部と複数個の窪み部を含む。
【0015】
上述の繊維製品折り畳み装置の実施例において、その内の第一折り畳み車の突起部及び窪み部はそれぞれ第二折り畳み車の突起部及び窪み部に相互にぴったり合う。
【0016】
上述の繊維製品折り畳み装置の実施例において、その内の第一積載部材及び阻止部材は指形状且つ相互に交じわり合う。
【0017】
上述の繊維製品折り畳み装置の実施例において、その内の吸着部材は孔状とし、負圧を生じさせるのに用いる。
【0018】
上述の繊維製品折り畳み装置の実施例において、その内の積載台は第一積載部材から繊維製品を受け取るのに用いる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の繊維製品折り畳み装置は、繊維製品を折り畳んで重ね合わせた後の整然度を高める効果を備える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】公知の繊維製品折り畳み装置の構造図である。
【図2】本発明実施例の繊維製品折り畳み装置の構造図である。
【図3】本発明繊維製品折り畳み装置の一部部品拡大図である。
【図4A】本発明実施例の繊維製品折り畳み装置における第一積載部材の上面図である。
【図4B】本発明実施例の繊維製品折り畳み装置における第一積載部材の側面透視図である。
【図5A】本発明繊維製品折り畳み装置の折り畳み方法の流れを示す図である。
【図5B】本発明繊維製品折り畳み装置の折り畳み方法の流れを示す図である。
【図5C】本発明繊維製品折り畳み装置の折り畳み方法の流れを示す図である。
【図5D】本発明繊維製品折り畳み装置の折り畳み方法の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図2には本発明実施例の繊維製品折り畳み装置構造図を示す。図のとおり、繊維製品折り畳み装置20は二つの折り畳み車21、二つの堆積部材23、第一積載部材、阻止部材27、積載台29を含み、繊維製品折り畳み装置20を使用することにより、きちんと揃った繊維製品22の折り畳みを行う。
【0022】
折り畳み車21は主に繊維製品22に折り目を付けるために用い、堆積部材23によって折り目のある繊維製品22の積み重ねを行う。図3に示すとおり、本発明の第一積載部材25は、第一表面251と第二表面253を備え、第一積載部材25の第一表面251に繊維製品22を載せる。第一積載部材25及び第一表面251には一つ或いは複数個の吸着部材26を備え、吸着部材26には負圧が生じ、第一積載部材25の第一表面251に載せる繊維製品22を吸着するのに用いる。
【0023】
本発明の実施例は、図4A及び図4Bに示すとおり、第一積載部材25は複数個の指形状部252を含み、吸着部材26は孔状とし負圧を生じさせるためのものである。複数個の吸着部材26を各指形状部252の表面に均等に分布し、隣り合う吸着部材26間は同間隔とするが、隣り合う吸着部材26の間隔を等しくしない別の実施例も可能であり、第一積載部材25が繊維製品22を吸着する効果は同様に向上させることができる。
【0024】
折り畳み車21は第一折り畳み車211と第二折り畳み車213を含み、隣り合わせて設置する。並びに、二つの折り畳み車21間に繊維製品22を通過させて折り目を付ける。第一折り畳み車211は複数個の突起部2111と複数個の窪み部2113を含む。突起部2111及び窪み部2113を第一折り畳み車211の表面に交互に設置する。第二折り畳み車213は同様に複数個の突起部2131と複数個の窪み部2133を含み、尚且つ、突起部2131と窪み部2133を第二折り畳み車213の表面に交互に設置する。
【0025】
第一折り畳み車211と第二折り畳み車213は隣り合わせて設置し、第一折り畳み車211上の突起部2111と第二折り畳み車213上の窪み部2133をぴったり合わせ、第二折り畳み車213の突起部2131と第一折り畳み車211上の窪み部2113をぴったり合わせる。第一折り畳み車211と第二折り畳み車213の回転方向は異なり、例えば第一折り畳み車211が時計回りに回転するなら、第二折り畳み車213は反時計回りに回転する。繊維製品22が第一折り畳み車211と第二折り畳み車213間を通過する時、突起部2111及び突起部2131と窪み部2133及び窪み部2113によって圧せられ、繊維製品22上に折り目を付ける。
【0026】
第一折り畳み車211と第二折り畳み車213の突起部2111及び突起部2131と窪み部2133及び窪み部2113内には吸着孔2115及び吸着孔2135を設置してもよく、吸着孔2115及び吸着孔2135はエアを吸入し、これにより、折り畳み車21は繊維製品22を吸着或いは放出する。また、折り畳み車21の下方にはさらに二つの堆積部材23を設置し、その内、堆積部材23は軸受け231を支点として順序に従い小幅の揺れを起こす。並びに、折り畳み車21によって折り目を付けられた繊維製品22を第一積載部材25の第一表面251に積み重ねる。
【0027】
第一積載部材25上に積み重ねられた繊維製品22の厚みと数量が増加すると、第一積載部材25は第一方向Xに沿ってゆっくりと下方に移動し、折り畳み車21と堆積部材23による繊維製品22の折り目付けと積み重ねを継続させる。
【0028】
本発明実施例における折り畳み車21は主に、繊維製品22の中心線上に折り目を付け、堆積部材23は谷折り方式で繊維製品22の積み重ねを行う。例えば、繊維製品22の中央に折り目を作り、対称となるよう繊維製品22の折り畳みを行う。本発明で開示した繊維製品22はフラット型トイレットペーパー、ティッシュペーパー、紙ナプキン、不織布、ウェットティッシュ等とする。折り畳まれた後の繊維製品22は一般市場で販売される抜き取り式繊維製品である。
【0029】
阻止部材27は主に、折り畳まれた繊維製品22を分割するために用いる。実際応用時には、堆積部材23の折り畳み回数から繊維製品22の積み重ね数量を知ることができる。繊維製品22の折り畳み数量が予定の数量に達すると、阻止部材27が伸びて積み重ねられた繊維製品22を分割する。積載台29には主に、折り畳みの完成した繊維製品22を載せ、尚且つ、阻止部材27を組み合わせて積み重ねた繊維製品22を運搬する。
【0030】
本発明の一実施例において、阻止部材27は積載台29と連接し、二者は第一方向Xに沿って繊維製品22を運搬する目的を果たす。例えば、積載台29に繊維製品22を載せ、阻止部材27と積載台29によって折り畳みの完成した繊維製品22をベルトコンベア31に載せて運搬する。
【0031】
本発明に開示した繊維製品折り畳み装置20は、第一積載部材25上の吸着部材26によって繊維製品22を吸着し、繊維製品22を積み重ねた初期段階で配列が揃わない状況を防ぐ。例えば、吸着部材26は、第一繊維製品221を吸着するためのもので、堆積部材23、阻止部材27、及び/或いはその上に設置した第二繊維製品223が第一繊維製品221を引っ張るのを効果的に防ぎ、これにより、第一繊維製品221の積み重ね位置のずれを防止し、並びに、繊維製品22積み重ねの整然度を高める。比較すると、図1に示した公知の繊維製品折り畳み装置10は、堆積部材13が繊維製品12を積み重ねた初期段階であるか、阻止部材17が伸びて繊維製品12をキャッチし位置を移動させている時であり、第一積載部材15上表面に位置する第一繊維製品121は、堆積部材13、阻止部材17、及び/或いはその上に設置した第二繊維製品123によって引っ張られて、第一繊維製品121が元来予定した堆積位置を離れ、繊維製品12を積み重ねる初期段階に出現する配列の非整然状況を引き起こす。
【0032】
図5Aから図5Dは、本発明繊維製品折り畳み装置の折り畳み方法の流れを示す図である。図に示すとおり、本発明により開示された繊維製品折り畳み装置20が折り畳みを始める時、まず積載台29が適当位置に移動し、折り畳み車21と堆積部材23によって繊維製品22を積載台29上に積み重ねる。これは図5Aに示すとおりである。
【0033】
積載台29上に積み重ねた繊維製品22が一定数量に達すると、阻止部材27が伸びて折り畳まれた繊維製品22を分割し、阻止部材27と積載台29は、第一方向Xに沿って移動し、折り畳まれた繊維製品22を運搬する。阻止部材27が伸びるのと同時に第一積載部材25も伸び、折り畳み車21と堆積部材23は第一積載部材25上で繊維製品22の積み重ねを続ける。その内、第一積載部材25上に設けた少なくとも吸着部材26は、第一積載部材25上に積み重ねた繊維製品22を吸着する。これは図5Bに示すとおりである。
【0034】
第一積載部材25上に設置した吸着部材26は、繊維製品22の初期段階に負圧を生じさせるため、繊維製品22を吸着し、繊維製品22が積み重ねの初期段階に配列の非整然状況を起こすのを防ぐ。例えば、第一積載部材25が延伸する時に吸着部材26を起動し、吸着部材26が起こす負圧によって第一積載部材25に近い繊維製品22を吸着する。
【0035】
本発明の実施例において、繊維製品折り畳み装置20は第二積載部材35を含んでもよく、第二積載部材35は第一積載部材25から積み重ねられた繊維製品22を受け取る。例えば、第二積載部材35は第二方向Yに沿って延伸され、第一積載部材25は第二積載部材35の延伸後に元の位置に収縮し、折り畳まれた繊維製品22を第二積載部材35上に置く。尚且つ、繊維製品22の位置を変化させるのと同時に、折り畳み車21と堆積部材23は引き続き繊維製品22の折り畳みを継続する。繊維製品22の積み重ねの厚みと数量の増加にともない、第二積載部材35は第一方向Xに沿って下方に移動する。また、阻止部材27と積載台29は積み重ねの完成した繊維製品22を定位まで運搬した後、さらにプッシュ棒33によって積み重ねた繊維製品22をベルトコンベア31まで押す。これは図5Cに示すとおりである。
【0036】
阻止部材27と積載台29は、積み重ねを完成させた繊維製品22を運搬後、第二方向Xに沿って上方向に移動する。積載台29が定位に達した後、第二積載部材35は第二方向Yに沿って元の位置に収縮し、積載台29で第二積載部材35からの折り畳まれた繊維製品22を受け取る。上述の第一方向Xと第二方向Yは直角に交わり、これは図5Dに示すとおりである。
【0037】
実際応用時は、図5Aから図5Dに示したステップを繰り返し行い、こうして繊維製品22の積み重ねを完成させる。本発明の別の一実施例において、繊維製品折り畳み装置20は第二積載部材35を含んでもよく、積載台29で第一積載部材25上の折り畳まれた繊維製品22を受け取り、同様に繊維製品22の堆積を完成させる。
【0038】
本発明に開示した堆積部材23、第一積載部材25、阻止部材27、及び/或いは第二積載部材35は指形状且つ互いを交わらせてもよく、これにより繊維製品22の堆積、阻止、及び/或いは運搬のステップを有利にする。
【符号の説明】
【0039】
10 繊維製品折り畳み装置
11 折り畳み車
12 繊維製品
121 第一繊維製品
123 第二繊維製品
13 堆積部材
15 第一積載部材
17 阻止部材
19 積載台
20 繊維製品折り畳み装置
21 折り畳み車
211 第一折り畳み車
2111 突起部
2113 窪み部
2115 吸着孔
213 第二折り畳み車
2131 突起部
2133 窪み部
2135 吸着孔
22 繊維製品
221 第一繊維製品
223 第二繊維製品
23 堆積部材
231 軸受け
25 第一積載部材
251 第一表面
252 指形状部
253 第二表面
26 吸着部材
27 阻止部材
29 積載台
31 ベルトコンベア
33 プッシュ棒
35 第二積載部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣り合わせて設置し、間に繊維製品を通過させて折り目を付けるのに用いる二つの折り畳み車と、折り目をつけた繊維製品を積み重ねるのに用いる二つの堆積部材と、
第一表面と第二表面を備え、第一表面に折り畳んだ繊維製品を載せるのに用いる第一積載部材と、第一積載部材の第一表面に設置し、第一積載部材の第一表面に載せる繊維製品を吸着するのに用いる一つ或いは複数個の吸着部材と、折り畳まれた繊維製品を分割するのに用いる阻止部材と、繊維製品を載せるのに用いる積載台とを含むことを特徴とする繊維製品折り畳み装置。
【請求項2】
前記繊維製品折り畳み装置は、第一積載部材から繊維製品を受け取るのに用いる第二積載部材を含み、前記積載台は第二積載部材から繊維製品を受け取るのに用い、尚且つ、阻止部材と積載台は、第一方向に沿って移動し、第二積載部材は第二方向に沿って移動し、第一方向と第二方向は直角に交わることを特徴とする請求項1に記載の繊維製品折り畳み装置。
【請求項3】
前記第一積載部材は複数個の指形状部を含み、該吸着部材を各指形状部上に設置することを特徴とする請求項1に記載の繊維製品折り畳み装置。
【請求項4】
前記吸着部材は孔状とし負圧を生じさせるのに用いることを特徴とする請求項1に記載の繊維製品折り畳み装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【公開番号】特開2013−95600(P2013−95600A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254299(P2011−254299)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(506051887)全利機械股▲ふん▼有限公司 (12)
【Fターム(参考)】