説明

繊維製支持体を持つケーブルバンデージング用接着テープ

【課題】 十分なノイズ抑制、十分な耐摩耗性及びケーブルを被覆したときの最適な作業性と一緒に低い比重を有した接着テープの提供。
【解決手段】 この課題は、特にケーブルファーネスのような長く伸びた製品を被覆するための、少なくとも片面に接着剤層が設けられた30〜120g/mの面積重量のベースフリースの支持体を持つ接着テープにおいて、該支持体が少なくとも一つの予め強化されたフリースの状態よりなり、特に紡糸フリース、メルトブローウンフリース又は沢山の糸で全面的に縫われている機械的に強化されたステープル繊維フリースよりなり、糸の密集度が支持体の幅25mm当たり糸22本より少ない、好ましくは25mm当たり糸9〜20本であることを特徴とする、上記接着テープによって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長く伸びた製品、特に導線又はケーブルルームを被覆するのに有利な、繊維製支持体及び該支持体の少なくとも片面に塗布された感圧接着剤層を持つ接着テープに関する。更に本発明は、該接着テープの用途並びに本発明に従う該接着テープで被覆されたケーブルファーネスのような長く伸びた製品に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの工業分野においては、取り付ける前又は既に取り付けられた状態で多数の電導体よりなる束状物は、バンデージ(包帯)により導体束の空間的要求を減らし並びに追加的保護機能を獲得するために巻き付けられる。フィルム状接着テープで液体の侵入に対してある程度の保護が達成され、支持体としての厚いフリース又はフォームをベースとする軽く嵩張った接着テープで減衰特性が得られ、耐摩耗性で安定した支持体材料を用いた場合には擦過及び摩擦に対して保護機能が達成される。
【0003】
ケーブルファーネスをバンテージするために、支持体としてフリースを持つ接着テープを用いることは公知である。例えばドイツ実用新案登録第9,401,037U1号明細書又はヨーロッパ特許出願公開第0,668,336A1号明細書には、互いに平行に走る複数の縫い込まれた縫目で形成されたステッチボンドフリースよりなるテープ状繊維製支持体を持つ接着テープを開示している。開示されている接着テープは、その特別な構造のためにケーブルファーネスをバンテージするために使用したときにノイズ抑制性がある。この種類のフリースはKarl Mayer社(かつてはMalimo)のステッチボンディング装置“マリワット(Maliwatt)”型が知られそして使用されている。この場合には、交差ステープルファイバーのベースウエブが、予備強化されることなしにステッチング場所を通過し、そこで互いに平行に走る糸が縫い込まれそしてこの繊維製品が強化される。このステッチボンドフリースは当業者に“マリワット(Maliwatt)ウエブ”として知られている。マリワット(Maliwatt)と接着剤塗膜とで構成される接着テープは数年来、例えばCoroplast GmbH & Co. 社、KG、Wuppertalから製品番号8550で又はtesa AG社、Hamburgから製品番号51608で使用されている。
【0004】
この支持体材料の欠点は、繊維がオーバーステッチ以前に予備強化されることなく得られることにある。繊維が互いに絡み合っていない。このことは繊維で形成されたシート状構造物、すなわちベースフリースがオーバーステッチの前に強度を有していないことを意味する。平行する糸でオーバーステッチすることによって初めてこの繊維製品に強化がなされ、すなわち、繊維の結び付き及び抗張力、中でも長手方向での抗張力がもたらされる。
【0005】
この結果として、交差繊維の十分な結合を達成するためには、単位幅当たりの縦糸の数(線密度)が多くそして単位長さ当たりのループの数が多いこと(ステッチ間の距離が短いこと)が必要とされる。上記の使用例では22〜28本/25mmの糸数が大抵必要とされ、ステッチ間の距離は大抵1.0〜1.3mmであり、面積重量は50 dtexの標準値を有している。更に少ない線密度及び/又は更に長いステッチ間の距離は不十分な繊維の結びつきをもたらし、それによって巻き解いたときに接着テープの裏側から繊維が抜け落ち、従って接着テープの接着力及び機械的強度に悪影響が及ぼされる。これは特に切断辺縁の所で悪化しそしてそれ故に12mm又は9mmの小さい幅の接着テープのロールの場合に悪化する。それ故に幅当たりの糸数が多く及び/又はステッチ間の距離が狭いことは、沢山の糸材料が消費されそして支持体全体の可能な製造速度がステッチ間の距離によって制限されるので、経済的な欠点である。
【0006】
互いに平行する糸相互の距離を狭くすることは、特に比較的に高い面積重量の場合に横方向での剛性を増加させ、このことが巻き付けるときの接着テープの密着性を低下させるという欠点でもある。
【0007】
フリースから繊維が抜け落ちるのを防止するために、高い糸密度及び/又は狭いステッチ間の距離が必要とされる場合だけでなく、ベースフリースを形成するのに使用されるステープルファイバーの種類も適合させられる。比較的に長く及び太い繊維を使用する(例えば約3.3dtexの平均繊度及び80mmの平均長さを持つ繊維)。この糸によってより細く及び/又は短い繊維よりもより良好に固定することができる。しかしながら長く太い繊維からは少なくともおよそ50〜55g/mのベースフリースが製造され得るという欠点を有している。これは、およそ65〜70g/mのマリワット(Maliwatt)−フリースの面積重量に相当する。更に少ない面積重量の場合では、面積全体に亙る繊維分布の十分な均一さは不可能であり、その結果孔や繊維不存在場所が生じ、このことが接着テープのための支持体として使用することを不可能とする。従って接着テープのためにより軽く、かつ、価格的に有利な支持体は入手されていない。
【0008】
上記の明細書で引用されたステッチボンドフリースの他に、ケーブルファーネスのバンテージ用接着テープで使用される別の支持体もある。
【0009】
ドイツ特許第4,442,093C1号明細書は、フリースの繊維からループを形成することによって強化された交差繊維フリース、要するに当業者にマリフリース(Malivlies)の名称で知られるフリースとして生じる、接着テープ用支持体としてフリースを使用することを基礎としている。
【0010】
マリワット(Maliwatt)−フリースの上述の欠点はマリフリース(Malivlies)の場合にも明らかにされている。繊維の不適切な結び付けは高レベルでの繊維抜けを伴うか又は接着テープのためにフリースを使用する場合に別の手段によって相殺しなければならない。この目的のためには縫い糸が抜けているために機械方向の強度が高くなくそして特に接着テープの伸びが大きく生じ、これが接着テープを、巻き解くとき及び使用するときに狭めてしまったり及び変形させたりする。
【0011】
ドイツ特許出願公開第10,039,982 A1号明細書には、20〜80g/mの小さい面積重量で3〜10dB(A)の減衰値を生じるフリース支持体をベースとする接着テープが開示されている。この場合、特に有利なフリース支持体は他の縫い糸のないステープル繊維フリース又は縫い糸のない紡糸フリース(フィラメントフリース)又は縫い糸のないメルトブローウン加工フリースがある。
【0012】
縫い糸ないウエブの欠点は、接着テープの支持体として使用するのに適する、縫い糸によって生じる性質が欠けている点である。かゝる性質には繊維の結合の他に中でも長手方向の機械的性質も挙げられる。特に長く伸びた製品、特にケーブルルームを卷くのに使用する場合の接着テープにとって長手方向での抗張力が高くそして伸び率が小さいことが必要とされる。これはフリース中で絡み合う糸によって特に良好に生じ得る。ドイツ特許出願公開第10,039,982 A1号明細書には確かにステッチボーンデッドフリースが開示されている。しかしこのものはマリワット(Maliwatt)−タイプであり、マリワット(Maliwatt)フリースの前述の欠点を有している。
【0013】
縫い糸のない上述のフリースは接着テープの支持体として使用するに十分に強化されていない。この種類のフリースは高い伸び率を有しそして接着テープは巻き解くときに伸びそして狭まる。さらに繊維がフリースの裏側から引き抜け落ちそしてそれ故に接着側の粘着性を妨害する。さらにこの接着テープはしばしば手で引き裂けないか又は引き裂いた辺縁部が真っ直ぐでない。それ故にケーブルのバンテージングの際に接着テープの加工性が著しく制限される。
【0014】
縫い糸の無い上述のフリースは後から又はフリース製造の間に機械的に、熱的に又は化学処理剤で処理することができる。そのとき、長手方向の高い機械的強度及びフリースの及び該フリースから製造される接着テープの小さい伸び率及び良好な繊維の結合が達成できる。
【0015】
このことは以下の特許明細書に説明されている。
【0016】
ドイツ特許第19,523,494C1号明細書からは、ポリプロピレンよりなる紡糸フリース製の支持体を持つ接着テープの用途が公知である。紡糸フリースのエンドレス繊維の強化は加熱されたエンボス加工カレンダーによって熱的に行われる。これによって表面の繊維は溶融され、互いに接合されそしてそれによって強化される。
【0017】
ドイツ実用新案登録第29,804,431U1号明細書からは、熱的に強化されたスパンボンデッドフリースよりなる支持体を持つ接着テープの用途が開示されており、この場合には提案されたスパンボンデッドフリースはポリエステルよりなる。
【0018】
ドイツ特許出願公開第19,923,399A1号明細書からは、第二の繊維として少量の溶融性繊維が添加されているステープル繊維フリースが接着テープの支持体として知られている。この溶融性繊維は本来のフリース製造の後で熱気での加熱又は加熱カレンダーによって溶融することができそして主体繊維を互いに接合することもできる。
【0019】
ドイツ特許第19,937,446A1号明細書からは、化学的結合剤の添加によって強化される接着テープのための支持体としてのステープル繊維フリースが公知である。
【0020】
このように処理されたフリースの欠点は、該フリースを非常に堅くしてしまい、それの“テキスタイル特性(textile character)”を失ってしまうことにある。これは、接着テープの場合に、十分な柔軟性も適合性に欠けるという結果をもたらす。ケーブルルームに巻き付けた後に接着テープはそれの剛性のためにバンデージング状態を維持できず、反動挙動(ゆるみ)が生じ、すなわち、接着テープの辺縁部の立ち上がりがある。
【0021】
上述の手段によるフリースの処理は一般に長手方向においてだけ見られるのではなく、あらゆる方向において多かれ少なかれ一様に生じる。これは、このフリースから製造される接着テープが横方向に引裂難いか又は引き裂けないという結果をもたらす。この他に一般にフリースのノイズ抑制性も低下させる。
【0022】
このことは、実地においては、縫い糸の無いこのフリースを持つケーブルバンテージング用接着テープの支持体の製造への矛盾する要求を満足させることが不可能であることを意味する。
【0023】
ケーブル被覆のための接着テープの試験及び分類は、自動車工業における広範な基準、例えばダイムラー、アウディー、BMW及びフォルクスワーゲンの各社の統合規格としてのLV312−1“自動車のケーブルファーネスのための保護システム、接着テープ;試験ガイドライン”(2008年02月)で行われる。
【0024】
接着テープのノイズ減衰度は規定された試験システム及び試験法を基に測定される。そのときに、接着テープは表1に示すとおりに分類される:
【0025】
【表1】

接着テープの耐摩耗性も同様にLV312−1に従って規定の試験法によって測定する。5mmのマンドレル直径の場合の耐摩耗性に関する接着テープの分類を表2に掲載する:
【0026】
【表2】

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明の課題は、従来技術に比較して著しく改善され、そして十分なノイズ抑制、十分な耐摩耗性及びケーブルを被覆したときの最適な作業性と一緒に低い比重を有した接着テープの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
この課題は請求項1に詳細に規定する接着テープによって解決される。従属形式の請求項には本発明の有利な実施態様を記載している。更に本発明の接着テープの用途並びに該接着テープで巻かれ(包装され)たケーブルハーネスも本発明の発明思想に包含される。
【0029】
従って本発明は、長く伸びた製品、特にケーブルファーネスを被覆するための、少なくとも片面に接着剤層が設けられた、30〜120g/mの面積重量のベースフリースの支持体を持つ接着テープに関する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】は接着テープの側面図を概略的に図示している。
【符号の説明】
【0031】
1・・・予め強化されたフリース(ベースフリース)
2・・・ベースフリースをステッチ加工した糸
3・・・フリースのループ側
4・・・フリースの裏側
5・・・接着剤層
【発明を実施するための形態】
【0032】
この支持体は少なくとも一つの予め強化されたフリースの状態よりなり、特に紡糸フリース、メルトブローウンフリース又は有利な実施形態においては機械方向に互いに平行に走る、沢山の糸で全面的に縫われている機械的に強化された(エアー噴流又は水噴流によって又はニードリングによって強化された)ステープル繊維フリースよりなる。
【0033】
糸の密集度は支持体の幅25mm当たり糸22本より少なく、好ましくは25mm当たり糸9〜20本である。
【0034】
このベースフリースは第一段階で製造されそして強化され、次いで第二段階で特に有利には互いに平行に走る糸でオーバーステッチされる。
【0035】
予め強化されたフリースと互いに平行に走る糸でのオーバーステッチとの組合せがケーブル巻き付け用テープを製造するための適当な支持体を生じさせることは驚くべきことであり、かつ、当業者の予期し得なかったことである。別に予めに予備強化しそして次にこのベースフリースをオーバーステッチすることによって、高い抗張力の様な必要とされる性質が、低い伸び率、直線的な引き裂き辺縁部をもたらす良好な横方向引き裂き性、低い剛性及び良好な密着性、繊維の結合性及び良好なノイズ抑制性の他に達成される。
【0036】
図1にはこの様な接着テープの側面図を概略的に図示している。この場合、(1)は予め強化されたフリース(ベースフリース)でありそして(2)はベースフリースをオーバーステッチした糸であり、ここでは(中でもW. Albrecht、H. Fuchs、W. Kittelmannによる標準作業“フリース物質”、WILEY-VCH Verlag GmbH出版社、2000、6.2.1.1段落に示される)柱状ステッチ構造で示されている。オーバーステッチするときに形成されるループによってフリースのループ側(3)とその裏側(4)がもたらされる。接着剤層(5)は、図面に示すように、ループ側(3)の上に適用しても又は場合によっては裏側(4)の上に塗布してもよい。
【0037】
ベースフリースの予備強化によって25mm当たりのオーバーステッチ糸の数が支持体の25mm幅当たり糸22本の値以下に、接着テープを巻き解くときに裏側からの繊維の抜け落ちなしに、減らすことができる。好ましくは、支持体の幅25mm当たり9〜20本の糸数であるのが有利である。糸数についての他の特に有利な値は支持体の幅25mm当たり糸12本又は支持体の幅25mm当たり糸18本であるのが更に特に有利である。
【0038】
同様にベースフリースを予め強化することによってオーバーステッチの糸のステッチ間の距離が1.5mmの値を超える、好ましくは1.5〜5mm、更に好ましくは1.5〜2.5mmの値とすることが可能である。
【0039】
幅当たりの本発明に従う少ない糸数及び本発明の長いステッチ間の距離はフリース支持体の柔軟性にプラスに作用しそしてそれ故に接着テープの柔軟性に有効である。
【0040】
その柔軟性のために長手方向及び横手方向及びその密着性のためにケーブルを巻くのに最適である接着テープが得られる。
【0041】
ベースフリースに適切な性質を与えるために、自動車規格LV312−1に従うノイズ減衰度の分類A〜Dが達成できる。
【0042】
ベースフリース及び縫い糸に適切な性質を与えるために、自動車規格LV312−1に従う耐摩耗性の分類A〜Cが達成できる。
【0043】
オーバーステッチによってあるいは予備強化によってベースフリースのこれらの驚くべき性質改善が、長く伸びた製品を巻くときに低い密度によって場所的節約の利益を提供しそして重量での節約も提供するという新規のケーブル包装用テープを製造することが可能となった。比較的に低い面積重量の利用によって及び/又は価格的に安いフリース積層法及びフリース予備強化法の利用によって、公知のマリワット(Maliwatt)タイプのステッチボンデッドフリースのプラスの性質を失うことなく、安価なフリースを接着テープ支持体として得ることができる。
【0044】
ベースフリースとしては公知のあらゆるフリースを使用することができ、“フリース”とはEN29092(1992)に従う少なくとも繊維性シート状構造を意味する。
【0045】
フリース材料としてはステープル繊維フリースが適するが、フィラメントフリース(紡糸フリース)並びにメルトブローウンフリースも適する。フリースの強化法としては機械的、熱的及び化学的強化法が公知である。
【0046】
本発明に従う予備強化フリースとは、長手方向の最大抗張力がDIN 29073−3(1992年8月)に従って測定して2N/cm以上又は10N/50mmであるフリースを意味する。
【0047】
第一段階でニードリングによって予備強化されているか又はエアー噴流又は水噴流によって予備強化されているステープル繊維フリースが特に有利である。この種類のフリースは、繊維よりなるループの形成によって又はステープルファイバーの重要な部分をニードリングによって少なくとも部分的に垂直方向に向かせていることに特徴がある。これは、これによってフリースの耐摩耗性及びフリースのノイズ抑制性も改善されるという長所を有している。同じ面積重量の場合に、予備強化されたフリースの接着テープは予備強化されていないフリースの場合よりも良好な耐摩耗性及びノイズ抑制性を達成することができる。互いに平行に走る糸でオーバーステッチすることによってこれらの性質改善を接着テープにも利用することができる。
【0048】
さらに、ベースフリースとしてフィラメントフリース(紡糸フリース)を用いるのが特に有利である。この場合、ポリマー溶融物から熱気流によって紡糸ノズルを通してエンドレスのフィラメントを製造し、これをコンベアーベルトの上に横たえる。エンドレスフィラメントを絡ませることによって、横たえている間にフリースが形成される。強化するためにフリースをその直後に、加熱されたカレンダーによって強化する。エンボス加工ロールを使用する場合には熱的にエンボス加工を行う。この場合には、予備強化を確実にするために低レベルの熱処理しか行わない。これによってフリースの剛性を低く保持することが可能である。後からのオーバーステッチは必要とされる長手方向強度を生じさせそして繊維の結合に寄与する。
【0049】
エンドレスフィラメントの横置き後の強化は場合によっては又は追加的に熱処理のためにエアー噴流又は水噴流によっても行うことができる。専ら水噴流によって強化する場合には、フリースの“テキスタイル特性”をカレンダー加工によるよりも非常に効果的に生じさせることが可能である。水噴流によって繊維の明らかな初期溶融がなく、フィラメント繊維の絡まり合い、特にフィラメント繊維の少なくとも一部が垂直方向に配向することも達成される。生じる繊維製品は水噴流により強化されたスパンボンドフリースとも称される。
【0050】
さらに、ベースフリースとしてメルトブローウン(溶融吹き飛ばし)フリースを用いるのが特に有利である。この場合、温かい空気流の助けによってスクリーン上にポリマー溶液がスプレーされる。それによって非常に細い繊維を生成することができる。この繊維は適切にポリマーを選択しそして加工した場合に生じるフリースは“テキスタイル特性”を付与することができる。
【0051】
専らステッチング/ステッチボンディング作業において糸のループを形成することによってフリース中に糸が導入され、それによって該フリースはオーバーステッチされる。これは例えばKarl Mayer Textilmaschinen GmbH社、Obertshausen又はLIBA Maschinenfabrik GmbH社、Nailaの縦編み機又はステッチボンディング機を用いて実施することができる。柱状ステッチ構造又はトリコット構造の状態で導入できる糸の列が形成される。柱状ステッチ構造を用いるのが特に有利である。互いに平行の糸の列の間隔は例えば25mmのフリース幅当たりの糸の数で表され、例えば14本/25mmであり、繊度(線密度)F14と称する。ステッチ点の特定の距離、例えばステッチ間距離2.0mmに調整する。
【0052】
さらに、同じ種類の又は異なる種類のフリースの複数の層をオーバーステッチングの過程で一つの作業工程で互いに接合してもよい。これによって種々のフリースの長所及び性質が組み合わされる。
【0053】
さらに、フリース支持体の続いてのカレンダー加工によってフリースの圧縮が行われ、このことがフリースの均一性及び必要とされる接着剤の塗布に有利に作用する。カレンダー加工とは2つのロールの間で加圧及び場合によっては加温下にフリースを圧縮することを意味する。
【0054】
フリースはポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリアミドの各繊維(ステープルファイバー又はエンドレスフィラメントファイバー)よりなるのが有利である。セルロース繊維、特にビスコース繊維も少なくとも一部含まれていてもよい。
【0055】
ステッチング用糸はポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリアミドよりなるのが更に有利である。
【0056】
かかる支持体から接着テープを製造するためには、公知のあらゆる接着剤系を使用することができる。天然ゴム又は合成ゴムをベースとする接着剤の他にシリコーン接着剤並びにポリアクリレート接着剤を使用することができる。
【0057】
接着剤は感圧接着剤、要するに、室温での乾燥状態において永久的に粘性があり、かつ、接着性のある粘弾性物質でもよい。接着は殆ど全ての基体に僅かに押し付けることで行われる。
【0058】
塗布量は、特に有利な一つの実施形態によれば20〜100g/mの範囲内にある。
【0059】
自動車のケーブルルーム(cable looms)の巻き付けテープのための接着剤として特に適しているので、曇り(fogging)の不存在及びPVC及びPVC不含のコア絶縁体との卓越する相容性に関してのその特別な適性のために、ドイツ特許出願公開第19807752A1号明細書及びドイツ特許出願公開第10011788A1号明細書にさらに詳細に説明されているような溶剤不含のアクリレートホットメルトが有利である。
【0060】
同様に特に適する接着剤には、BASF社のacResin UVの名称で市販されている様な低分子量アクリレートホットメルト感圧接着剤がある。低いK−値を持つこの接着剤は最終的に放射線化学的に誘発される架橋反応の結果としてその用途適合特性が得られる。
【0061】
特に有利な一つの実施態様においては、接着層は合成ゴムをベースとする接着剤、すなわち、少なくとも1種類のビニル芳香族化合物−ブロックコポリマーと少なくとも1種類の部分水素化された粘着樹脂とよりなる接着剤よりなる。
【0062】
ビニル芳香族化合物−ブロックコポリマーとしてはスチレンブロックコポリマー、特に水素化ブロックコポリマーが適する。
【0063】
(感圧)接着剤としては、ビニル芳香族化合物,例えばスチレンから形成されるポリマーブロック(a−ブロック)及び1,3−ジエン、例えばブタジエン及びイソプレンを重合することによって形成されたポリマーブロック又はこれら両者のコポリマー(B−ブロック)を含有するブロックコポリマーをベースとするものが使用される。種々のブロックコポリマーの混合物も使用することができる。特に、部分的に又は完全に水素化されている生成物も有利に使用される。ブロックコポリマーは線状のA−B−A構造を有していてもよい。同様に放射状構造並びに星型及び線状多重ブロックコポリマーも使用することができる。他の成分としてはA−B二成分ブロックコポリマーが存在していてもよい。
【0064】
ポリスチレンブロックの代わりに、>約75℃のガラス転位温度を持つ他の芳香族化合物含有ホモー及びコポリマー(特にC〜C12−芳香族化合物)、例えばα−メチルスチレン含有芳香族化合物ブロックも利用することができる。同様に、>約75℃のガラス転位温度を持つ(メタ)アクリレートホモポリマー及び(メタ)アクリレートコポリマーをベースとするポリマーブロックも利用することができる。この場合には、硬質ブロックとして専ら(メタ)アクリレートポリマーをベースとするものを利用し、軟質ブロックとしてポリ芳香族化合物ブロック、例えばポリスチレンブロック、又はポリ(メタ)アクリレートブロックを利用することができる。
【0065】
スチレン−ブタジエン−ブロックコポリマー及びスチレン−イソプレン−ブロックコポリマー及び/又はそれらの水素化生成物、すなわち、スチレン−エチレン/ブチレン−ブロックコポリマー及びスチレン−エチレン/プロピレン−ブロックコポリマーの代わりに、同様に他のポリジエン類含有エラストマーブロック、例えば複数種の色々な1,3−ジエンのコポリマーも利用することができる。本発明によれば他の官能化されたブロックコポリマー、例えば無水マレイン酸変性された又はシラン変性されたスチレンブロックコポリマーも利用することができる。
【0066】
ブロックコポリマーのための代表的な使用濃度は、30重量%〜70重量%、特に35〜55重量%の範囲内の濃度である。
【0067】
他のポリマーとしては純粋の炭化水素、例えば不飽和ポリジエン、例えば天然又は合成で生成されるポリイソプレン又はポリブタジエン、実質的に化学的に飽和されたエラストマー、例えば飽和エチレン−プロピレンコポリマー、α−オレフィンコポリマー、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム並びに化学的に官能化された炭化水素、例えばハロゲン含有、アクリレート含有又はビニルエーテル含有ポリオレフィンをベースとするものが存在していてもよい。これらのポリマーはビニル芳香族化合物含有のブロックコポリマーの半分までと交換することができる。
【0068】
水素化粘着樹脂は水素化炭化水素樹脂であるのが特に適する。
【0069】
粘着剤としては、スチレンブロックコポリマーのエラストマーブロックと相容性がありそして少なくとも部分的に水素化されている粘着樹脂が使用される。適する粘着樹脂は中でもコロホニウム又はコロホニウム誘導体をベースとする部分水素化又は完全水素化樹脂である。少なくとも部分的に水素化された炭化水素樹脂、例えば水素化炭化水素樹脂は芳香族化合物を含有する炭化水素樹脂を部分的に又は完全に水素化することによって得られるもの(例えば荒川化学株式会社のArkon P及びArkon Mシリーズ又はEastman社のRegaliteシリーズ)、水素化ジシクロペンタジエンポリマーをベースとする炭化水素樹脂(例えばExxon社のEscorez 5300erシリーズ)、水素化C/C−樹脂をベースとする炭化水素樹脂(Exxon社のEscorez 5600erシリーズ)又は水素化C−樹脂をベースとする炭化水素樹脂(Eastman社のEastotac)あるいはそれらの混合物を使用することもできる。
【0070】
ポリテルペン類をベースとする水素化ポリテルペン樹脂も使用することができる。上述の粘着樹脂は単独でも混合状態でも使用することができる。
【0071】
他の添加物としては典型的な光保護剤、例えば紫外線吸収剤、立体障害アミン、オゾン劣化防止剤、金属不活性化剤、加工助剤、末端ブロック強化用樹脂も使用することができる。
【0072】
可塑剤、例えば液状樹脂、可塑性化油又は低分子量液状ポリマー、例えば<1500g/molの(数平均)分子量を持つ低分子量ポリイソブチレン又は液状のEPDM−タイプが一般に使用できる。
【0073】
充填剤、幾つか挙げれば例えば二酸化珪素、ガラス(粉砕物又は球状物)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック、また着色顔料及び染料並びに蛍光増白剤も同様に使用することができる。
【0074】
一般にスチレンブロックコポリマーをベースとする感圧接着剤にはそれの老化安定性を改善するために、第一及び第二の酸化防止剤が添加されている。例えば第一酸化防止剤は酸素の存在下で生じうる酸化及び過酸化ラジカルと反応しそして余り反応性でない化合物にする。第二の酸化防止剤は例えばヒドロペルオキシドを還元してアルコールをもたらす。第一老化防止剤と第二老化防止剤との間の相乗効果が知られており、それぞれの個別の効果の合計よりも混合物の保護効果はしばしば大きい。スチレンブロックコポリマーをベースとする感圧接着剤において標準ベースで使用される第一酸化防止剤は立体障害フェノールであることが非常に多い。この立体障害フェノールは3−(p−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸構成部分又は3−(o−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸基を有しており、幾つか挙げると、例えばCiba Additive 社のIrganox 1010、Irganox 1076、Irganox 259、Irganox 1035及びIrganox 1135; 住友化学株式会社のSumilizer BP 101及びSumilizer BP 76;又はClariant社のHostanox O 10及びHostanox O 16又はChemische Werke Lowi社のLowinox PP 35及びLowinox PO 35がある。
【0075】
特に適するものとしては、フェノール性OH基に対してオルト及び/又はパラ位にベンジルチオエーテル基を持つ単核及び/又は多核フェノールが挙げられる。4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール及び4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、単核フェノール、例えばCiba社のIrganox 1520あるいはIrganox 1726の名称で市販される如きものが特に適している。
【0076】
これらは第二酸化防止剤と組み合わせて使用することができる。
【0077】
上記の接着テープに難燃性が望まれる場合には、支持体及び/又は接着剤に難燃剤を添加することによってこれが達成される。これら難燃剤には有機臭素化合物があり、必要な場合には相乗剤、例えば三酸化アンチモンと併用してもよい。接着テープがハロゲン不含である場合には、赤燐、有機リン化合物、鉱物性化合物又は膨張性化合物、例えばポリ燐酸アンモニウムを単独で又は相乗剤と一緒に使用するのが有利である。
【0078】
感圧接着剤の製造及び加工は溶液、分散物並びに溶融物から行うことができる。特に有利な製造方法及び加工方法は溶融物から行う。後者の場合の適する製造方法にはバッチ法も連続法も含まれる。押出機によって感圧接着剤を連続的に製造しそして続いて被覆すべき基体に接着剤を相応する高い温度で直接的に被覆するのが特に有利である。
【0079】
こうして製造された接着剤は一般に知られた方法で支持体に塗布することもできる。溶融物から加工する場合には、ノズル又はカレンダーによって塗布する方法も可能である。
【0080】
溶液から出発する方法の場合には、幾つか挙げると、塗装棒、ブレード又はノズルを用いて塗布する。接着剤を非接着性のクロス製支持体又は剥離製ライナーから支持体複合体上に転写することも可能である。
【0081】
本発明において“接着テープ”という一般的表現は、二次元に広がるフィルム又はフィルム片、長く伸びそして幅が制限されているテープ、テープ切片等、また、打ち抜き物、ラベル等を包含する。
【0082】
接着テープは、接着剤側に剥離材料、例えばシリコーン加工紙又はシリコーン加工フィルムを貼り付けて、それ自体巻かれてロールの状態で、要するにアルキメデスの螺旋の形態で製造されていてもよい。剥離材料としては合成樹脂フィルム又は良好にサイズ処理された長繊維紙の様な糸くずの出ない材料が特に適している。
【0083】
接着テープの裏側には、アルキメデス螺旋に巻かれた接着テープの巻き解き性に良好な影響を及ぼすために、裏面塗膜を塗布してもよい。この目的のためにはこの裏面塗膜には不粘着性物質としてシリコーン化合物又はフルオロシリコーン化合物並びにポリビニルステアリルカルバマート、ポリエチレンイミンステアリルカルバミド又はフッ素系有機化合物を塗工してもよい。
【0084】
長く伸びた製品、例えば特にケーブルファーネスを巻くために接着テープを使用するのが有利である。この場合、長く伸びた製品が軸方向でテープによって被覆されているか又はテープが長く伸びた製品の回りを螺旋状に巻かれている。
【0085】
最後に本発明は本発明の接着テープで巻かれた長く伸びた製品にも関する。長く伸びた製品はケーブルファーネスであるのが有利である。
【0086】
接着テープの卓越した適性に基づいて、少なくとも被覆の辺縁領域に粘着テープが存在している被覆物よりなる包装分野においても使用することができる。該粘着テープは該被覆の長手方向辺縁の一つの上に伸びており、しかも好ましくは該被覆の幅に比較して狭い辺縁領域に伸びているように被覆物に貼り付けられている。
【0087】
この種類の生成物並びにそれの最適化された実施態様はヨーロッパ特許出願公開第1,312,097A1号明細書に開示されている。ヨーロッパ特許出願公開第1,300,452A2号明細書、ドイツ特許出願公開第10,229,527A1号明細書並びに国際特許出願公開第2006,108,871A1号明細書には、本発明の接着テープも同様に非常に適する更なる展開が開示されている。同様に本発明の接着テープは、ヨーロッパ特許出願公開第1,367,608A2号明細書に開示される様な方法で使用することができる。
【0088】
最後にヨーロッパ特許出願公開第1,315,781A1号明細書並びにドイツ特許出願公開第10,329,994A1号明細書には本発明の接着テープにとっても可能である様な接着テープの実施形態を開示している。
【0089】
表3では本発明を幾つかの実施例で詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定するものではない。
【0090】
実施例における測定値は以下の基準に従って測定されたものである:
− フリース及び被覆物の面積重量はDIN EN ISO 2286−2に従う。
− フリースの長手方向における最大抗張力及び最大破断点伸び率はDIN EN 29073−3に従う。試料幅:50mm、クランプ止めされた長さ:100mm及び引張り速度:300mm/分。
− 接着テープの長手方向における最大抗張力及び最大破断点伸び率は破断点伸び曲線の最大点でDIN EN 1940及びDIN EN 1941に従う(クランプ止めされた長さ:100mm及び引張り速度:300mm/分)。
− 接着力はDIN EN 1939に従う。
− フリース及び接着テープの厚さはDIN EN 1942に従う。
− (ステッチング)糸の太さはDIN EN ISO 2060に従う。
− 曇り、ノイズ抑制、耐摩耗性及び手での引裂性はLV312−1に従う。
− 曲げ剛性は万能軟度測定法に従ってWolf Messtechnik社のSoftometer KWS ベーシック型2000Mnを用いて測定した。
【0091】
全ての値は典型的な平均値である。
【0092】
【表3】

A及びBは比較例であり、Aはヨーロッパ特許出願公開第0,668,336A1号明細書に従うマリワットタイプのステッチボンデッド不織布である。“ベースフリース”は強化されていない繊維配列であり、オーバーステッチフリースは当業者に知られるマリワットフリースである。接着テープは接着剤で被覆されそしてテープ状に裁断されたフリースである。
【0093】
Bは20重量%が溶融性繊維である交差配置された繊維を持つステープルファイバーフリースである。このフリースはオーバーステッチされておらず、従ってドイツ特許出願公開第19,823,399A1号明細書と同様なフリースである。
【0094】
実施例1では水噴流で強化された交差配置ステープルファイバーフリースがベースフリースである。
【0095】
実施例2ではフィラメントが水噴流で強化されたフィラメントフリース(スパンボンデッドフリース)がベースフリースである。
【0096】
実施例3ではフィラメントがエンボス加工ロールによって熱的に強化されたフィラメントフリース(スパンボンデッドフリース)がベースフリースである。
【0097】
略字:
PET:ポリエステル、PP:ポリプロピレン、K:ゴムベース、Ac:アクリレートベース。
【0098】
全ての例において、ステッチ糸の方向は長手方向(機械方向)であり、その構造は束状ステッチである。
【0099】
比較例Aはケーブルを包装する要求、即ち高い抗張力、低い伸び率、フリース裏側からの糸の抜けが少なく(鋼鉄への高い接着力によって表される)、曇りがなく、手で引き裂けそして十分なノイズ抑制性を持つ接着テープを示している。
【0100】
比較例B(糸でのオーバーステッチがなく、水噴流及び溶融性繊維だけにより強化されている)の様なフリースは、確かに溶融性繊維のために十分に高い抗張力及び中くらいの伸び率を達成するが、強い強化によって高い曲げ剛性が得られている。この曲げ剛性はフリースの柔軟性及び “テキスタイル特性”が不足することの目安である。このことから、ケーブル包装の場合に施工を困難にする固い接着テープがもたらされ、高い曇りを示しそして手での引裂きに限界がある。ケーブルを包装するための接着テープへの要求は未だ満足されていない。
【0101】
実施例1は、支持体が予備強化されたフリースのオーバーステッチによって製造された本発明の接着テープを示している。この接着テープはケーブル包装のための要求に適合する性質を示す。すなわち、僅かなステッチ糸数及び比較的に長いステッチ間距離であるにも関わらず、フリース裏面から糸の抜け落ちが少なく(ロール状態から巻き解いた後に鋼鉄に対して高い接着力であることからわかる)、機械的データは要求に適合しており、曇りがなく、手で引き裂けそして十分なノイズ抑制性がある。横方向の曲げ剛性によって表される横方向の柔軟性はAの場合よりも少ない。
【0102】
実施例2及び3の場合には、ベースフリースとしてスパンボンデッドフリースを使用した。この場合にも僅かなステッチ糸数及び/又は比較的に長いステッチ間距離であるにも関わらず、用途に適合した性質及びあらゆる方向での接着テープの高い柔軟性をもたらした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にケーブルファーネスのような長く伸びた製品を被覆するための、少なくとも片面に接着剤層が設けられた30から120g/mの面積重量のベースフリースの支持体を持つ接着テープにおいて、該支持体が少なくとも一つの予め強化されたフリースの状態よりなり、特に紡糸フリース、メルトブローウンフリース又は沢山の糸で全面的に縫われている機械的に強化されたステープル繊維フリースよりなり、糸の密集度が支持体の幅25mm当たり糸22本より少ない、好ましくは25mm当たり糸9〜20本であることを特徴とする、上記接着テープ。
【請求項2】
フリースがポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリアミドの各繊維(ステープルファイバー又はエンドレス繊維)よりなる、請求項1に記載の接着テープ。
【請求項3】
繊維がポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリアミドよりなる、請求項1または2に記載の接着テープ。
【請求項4】
繊維が機械方向に互いに平行に走っている請求項1〜3のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項5】
ステッチ長さが1.5mmより長く、好ましくは1.5〜5mmである、請求項1〜4のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項6】
予め強化されたフリースが少なくとも2N/cmの最大引張力を有する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項7】
支持体が同じ種類又は異なる種類の複数の状態のフリースよりなり、該フリースが互いに平行に走る糸によって縫われている、請求項1〜6のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項8】
フリース材料がカレンダー装置によって圧縮されている、請求項1〜7のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項9】
機械的に強化されたステープルファイバーフリースがエアー噴流又は水噴流によって又はニードリングによって強化されている、請求項1〜8のいずれか一つに記載のテープ。
【請求項10】
接着層が天然ゴム、合成ゴム、アクリレート又はシリコーンをベースとする接着剤である、請求項1〜9のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項11】
接着剤被覆が低分子量アクリレートホットメルト接着剤である、請求項1〜10のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項12】
長く伸びた製品を被覆するための請求項1〜11のいずれか一つに記載のテープの用途であって、接着テープが長く伸びた製品の回りを螺旋状に巻かれている、上記テープの用途。
【請求項13】
長く伸びた製品を被覆するための請求項1〜11のいずれか一つに記載のテープの用途であって、該長く伸びた製品が軸方向でテープによって被覆されている、上記テープの用途。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれか一つに記載のテープで被覆された長く伸びた製品、特にケーブルハーネス。

【図1】
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【公開番号】特開2009−280818(P2009−280818A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124313(P2009−124313)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(509120403)テーザ・ソシエタス・ヨーロピア (118)
【Fターム(参考)】