説明

繊維質断熱層を有する冷却移送ホースおよびこのような移送ホースを構成する方法

【課題】海洋の環境で用いられることができる冷却移送ホースを提供する。
【解決手段】インナーホース52と、同心円をなして上記インナーホース52を囲んで設置されているアウターホース53と、上記インナー52およびアウターホース53間の環状ギャップを埋めているスペーサ部材55,56,57と、を具備する炭化水素のための冷却移送ホースであって、繊維質断熱材54は、上記環状ギャップ内に含まれている3次元マトリックスを形成し、上記アウターホース53はゴム弾性および/またはプラスチック材料を有していることを特徴とし、上記繊維質材は、上記インナー52およびアウターホース53を持つホースの大部分全体を通して連続しており、スペーサ部材55,56,57を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インナーホースと、インナーホースの周りに同心円をなして配置されているアウターホースと、インナーホースとアウターホースとの間の環状ギャップを埋めているスペーサ部材と、を有する炭化水素のための冷却移送ホースに関連し、繊維質断熱材は、環状ギャップに有される繊維の3次元マトリックスを形成する。本発明は、このような冷却移送ホースに用いられる繊維質断熱材および断熱された冷却移送ホースを組み立てる方法にも関連する。
【背景技術】
【0002】
上述したタイプの冷却移送ホースは、US特許番号6,186,181から知られている。
【0003】
米国特許番号6,186,181は、Alcatelの名義で、およそ−160℃の温度における低温炭化水素の移送のための柔軟なパイプを開示しており、このパイプは、内部および外部の金属チューブとの間に断熱材と共に、内部の波形の金属チューブと、インナーチューブおよびスペーサから同じ距離離れて置かれている外部の波形の金属チューブと、を有する。スペーサは、インナーチューブに適用されて、反対方向に包まれている、繊維で補強されたプラスチックから作られている2本のコードを有する。波形の金属のインナーおよびアウターチューブ間のリング状のギャップには、10−3から10−1ミリバールの間の真空圧が作り出されている。ギャップ内の断熱材は、繊維の3次元マトリックスを備えるフリース材によって形成されている。フリース材は、そのようなフリース材は低い熱伝導性(優れた断熱材)と、2つの金属波形チューブ間のギャップに迅速な真空を作り出すことができることを併せもつので、固体の断熱材または多層圧縮材の代わりに用いられる。真空状態を作り出すことは、高伝導性の内部が波形の金属チューブから、高伝導性で外部が波形の金属チューブを最適に分離(isolate)するので、ギャップの真空状態を作り出すことまたは一定の気圧に保たれていることは、ギャップにおける超真空断熱材の使用を超えていることが好ましい。
【0004】
LNG移送のために外部の金属波形チューブ内の真空を用いることは、真空の損失が起きたときおよび/またはアウターチューブにある隣接した波形らせん状ストリップの溶接部にある隙間または亀裂から水が浸入したとき、潜在的な危険状態を作り出すだろう。これらのタイプの波形チューブは、静的環境において空気中のホースとして用いられるときは許容できるが、溶接部にある隙間または(微小の)亀裂において海水が浸入する危険性があるため、空気中の沖合の環境において、浮動または水中に沈んだLNG移送ホースとして用いられるときは危険である。特に、動的で湿った沖合の環境においては、アウターチューブは、風、波およびホースが取り付けられている浮動構造物の動きによって、絶えず折れ曲がったり、伸長力を受けたりしやすく、溶接部に小さな亀裂および真空の損失を容易にもたらす。波形のインナーおよびアウターチューブを持つLNG移送システムの曲げ半径はその上比較的大きく、うねり(wave)に応じないので、チューブが過度に伸張することによってアウターチューブの永久変形をもたらす状況と、外部波形チューブにおいて隙間または亀裂を作り出す状況とを避けるために、常に制御および制限されるべきである。
【0005】
米国特許番号6,189,181の、連続したLNG移送システムの欠点は、連続的に作られたインナーまたはアウター金属波形チューブに局所的な亀裂ができた場合、完全なシステムは、解体され、さらに完全に新しいLNG移送システムと置き換えられる必要があるので、非常にコストがかかり、時間を消費する作業である。
【0006】
したがって、動的な海洋で用いられることができて、常にあらゆる海水の浸入から保護され、小さな曲げ半径を有し、システムにおいて容易なメンテナンスと修復活動を促す柔軟なLNG移送システムが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許番号6,186,181
【特許文献2】US3,809,129
【特許文献3】US4,417,603
【特許文献4】WO 01/96772
【特許文献5】米国特許番号6,779,368
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、風と波によって動く環境にある海において、空気中で用いられるような、好ましくは、浮動または水中に沈んだ冷却移送ホースとして、動的な海洋の環境で用いられることができる冷却移送ホースを提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、容易に製造され、操作において確かであり、容易に修復または交換されうる冷却移送ホースを提供することである。
【0010】
さらなる本発明の目的は、インナーおよびアウターホースが迅速かつ正確に並べられ、長さを容易に調節されることが可能な冷却移送ホースを構成(すなわち、製造および/または修復)する方法を提供することである。
【0011】
これに関して、本発明による移送ホースは、アウターホースがゴム弾性またはプラスチックの材料を有していることを特徴とし、繊維質材は、インナーおよびアウターホースと連続するホースの長さの少なくとも一部以上であり、スペーサ部材を形成する。
【0012】
本発明による移送ホースは、様々な密度のエリアがインナーホースの長さ全体に作り出されるように、繊維質材がインナーホースに沿って加えられうるということも特徴とする。
【0013】
さらに、本発明による移送ホースは、様々なスペーサ特性を持つホースの長さ全体のエリアを作り出すように、様々なタイプの繊維質材が併せられうるということも特徴とする。
【0014】
繊維質材は、インナーチューブからアウターチューブまで放射状に延在し、インナーチューブに関して実質上一定の放射状の位置においてアウターチューブを支持する。繊維質材は、インナーチューブの周りに容易に適用され、アウターホース内に設置される。インナーおよびアウターホース間のスペースが繊維質材で伏せ縫いれると、2つのホース間の空気対流は最小限にされるかまたは避けられる。繊維質材は、環境による伸長またはたわみに適用するように伸張することができ、インナーおよびアウターホースに呼応するシフト(a relative shift)が、使用の際の熱による収縮および膨張に従うことを可能にする。繊維質材は、アウターホースに及ぼされている半径方向力を吸収することができ、スペーサ部材として機能するように圧縮に対する抵抗力を提供する。ゴム弾性またはプラスチックのアウターホースと繊維質材との組み合わせは、非常に柔軟で比較的小さな曲げ半径である冷却ホースを提供し、アウターホースの曲げ半径はインナーホースの直径の4倍と等しい。アウターホースは、頑丈で、水の浸入、機械的衝撃に耐え、非常に断熱している。さらに、断熱する目的のために環状スペース内で真空を用いることは、アウターホースのゴム弾性またはプラスチック材と繊維質断熱材との組み合わせによって避けられる。
【0015】
繊維質材に加えて他のスペーサ部材が提供されたとしても、好適な実施形態において、繊維質材以外、少なくとも40cmの長さ以上の他の部材しかインナーホース上の接触位置からアウターホース上の接触位置まで放射状に延在しない。繊維質材の3次元マトリックスは、単独で半径方向圧縮に抵抗して十分な抵抗力を提供するので、同心円をなすホースの長さに沿ってスペーサを用いることは減らされ、スペーサの位置におけるインナーチューブへの熱移動は最小限に維持される。付加的なスペーサが必要である場合は、圧縮可能なフリース材の上部に、互いに一定の距離を置いて加えられる。スペーサは、スペーサはあらゆる材料から作られうるが、非常にコンパクトなフリースまたはより好ましくはフェルト材のような、高い断熱力を有するコンパクトな繊維質材から作られるのが好ましい。
【0016】
適切な繊維質材は、ホースの長さ方向において少なくとも10%まで弾性的に伸長可能である。3次元マトリックスにおける繊維の相互繊維結合(the inter fibre bonding)は、常時および破壊的な伸長に耐えるために比較的強くなければならない。
【0017】
“弾性的”とは、繊維質材は、永久変形することなく変形していない状態に戻ることができることを意味する。繊維質材の弾性スペーサ特性は、繊維質層によって提供されており、この繊維質層は、アウターホースが固定された位置に留められているとき、ホースの半径方向において、5〜50kN/mの間にあるインナーホース上の力の1%〜10%の間まで弾性的に圧縮可能である。
【0018】
繊維質材は、比較的多量の断熱する空気(insulating air)が繊維間でせき止められるように、密度70kg.m−3および93%のオープンボリューム(open volume)を持つのが好ましい。繊維質材を包んで、インナーホースの複数の層において全体に均等に分布させることが可能である。同様の繊維質材をさらに加えることによって、層はより圧縮され硬くなる。インナーホースに沿った局所的なエリアに、呼応する硬いスペーサエリアを作り出すために同様の繊維質シート材の追加の層を加えることも可能である。これは、例えば異なる包装手段を用いることによっても成し遂げられる。代替として、様々な繊維質材がインナーホースに併せられ、例えば、フリース材の複数の層は、優れた断熱材を持つ必要があるエリアにおいてのみ用いられ、フリース材よりも非常に密集したフェルト材は、アウターホースに対するインナーホースのねじれを制御するエリアにおいて用いられる。
【0019】
本発明によるホースは、頑丈かつ柔軟である。アウターホースの曲げ半径はインナーホースの直径の4倍である。アウターホースは、柔軟性と、0.1〜10Wm−1−1の間、好ましくは0.1〜1Wm−1−1の間の熱伝達率を持つような断熱材との両方を提供する。
【0020】
繊維質材は、アウターホースと繊維質材との間にある気密バッグ、シリンダまたは層によって囲まれている。このことによって、そのうえに繊維質層を巻かれているインナーホースの挿入の際、繊維質層は、気密層の排出によって圧縮され、削減された直径においてインナーホース内に挿入される。気密層においてかかる圧力を除去することによって、繊維質層は膨張し、インナーホースおよびアウターホース間の環状ギャップを満たす。加えられる場合、例えば、コンパクトなフェルト材から作られているリング状のスペーサは、インナーホースに沿って一定の間隔をあけられている繊維質フリース材上部に加えられるか、繊維質フリース材内部に置かれるか、または繊維質フリース材の下に置かれ、気密バッグは繊維質材およびスペーサ全体に加えられる。代替として、スペーサは繊維質材を囲んでいる気密バッグの上部に加えられる。
【0021】
優れた機械的強度、弾性伸び特性および断熱力を持つ好適な繊維質材は、フリース材を有する。フリース材は、インナーホースの周りに巻かれているストリップ状の繊維質シート材である。
【0022】
アウターホースは、大きな柔軟性、衝撃抵抗および水密およびガス密を持つように、繊維および/または金属で補強された弾性および/またはプラスチック材を有するのが好ましい。アウターホースは、海水、起こりうる衝撃などからインナーホースを保護し、例えば3cm〜15cmの間の厚さの厚い壁を持つ、複合の、ゴム弾性またはプラスチック材で作られている標準的な浮遊油をオフロードするホースになりうる。低い熱伝達率を持つアウターホースは、内部の柔軟な導管とその周囲環境との間に遮熱層もまた形成する。インナーホースは、多層複合ワイヤ補強ホース、波形スチール柔軟パイプ、スムーズボア(smooth bore)冷却ホースなどの、低温液体を移送するのに適切なあらゆるタイプのホースでありうる。インナーおよびアウターホース間の圧力は、アウターホースの外側の圧力と実質上等しい。
【0023】
本発明の繊維質最小熱損失スペーサ手段(the fibrous minimum heat loss spacer means)は、ホースに対する異なる縦方向の熱収縮に適用させている間、全管類の柔軟性を下げることなく、放射状に空間をあけられた関係性でインナーおよびアウターフレキシブルホースを維持する。繊維質最小熱損失スペーサは、フェルト材のようなより密集した繊維質材で好ましくは作られている付加的なスペーサと併せることができる。アウターフレキシブルホースは、低い熱伝導率を持つ、複合の、ゴム弾性またはプラスチック材で作られているホースである。アウターホースは、例えばケブラーで補強されたエチルプロピレンで作られている、標準的なゴム弾性(ゴム)のホースまたはプラスチックホースである。
【0024】
インナーフレキシブルチューブは、例えば、内部および外部のらせん状に巻かれているワイヤ間に配置されている柔軟な多層ホースを示しているBHP Petroleumの名義によるWO 01/96772で開示されているようなタイプの、LNG移送ホースであるのが好ましい。このホースは、低温流体の内圧に対して無感覚(die)になる多層ホースの伸長に耐える、組みひも、ネット、メリヤス編みなどの付加的なアウターチューブを備えられうる。代替として、インナーフレキシブルホースは、付加的な(繊維)強化層を備える、米国特許番号6,189,181で述べられているような波形パイプでありうるか、またはインナーフレキシブルホースは、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)チューブで作られているスムーズボア冷却移送ホースホースでありうる。
【0025】
柔軟なアウターホースの材料および繊維質断熱スペーサ材の3次元マトリックスは、組み立てられた全LNG移送システムが、繰り返し折れ曲がり、動的な海上環境において何度も伸張されたとき、システムの柔軟性および正確な機能を維持されるように、共に機能する。
【0026】
インナーホースLNG導管と、繊維ベースの断熱材と、非常に柔軟な、断熱性および保護力との、この組み合わせのため、断熱のためにチューブ間に残っている環状スペース内における複雑で傷つきやすい真空の使用は避けられる。この組み合わせは、熱の流入を最小限にし、その結果、全体の柔軟性および耐屈曲性が保証されると同時に、システムの優れた熱効率を確実にする。
【0027】
インナーホースとゴム弾性またはプラスチックアウターホースとの間にあるギャップ内の、断熱低伝達繊維質スペーサ材は、フリース材、フィラメント、ウェビング、メッシュ、組み縄などを含む。この繊維質材の主な様態は、空気が繊維間にせき止められるとき、優れた断熱性を持つ弾性の3次元マトリックスを形成するということである。好適な繊維質材は、少なくとも従来の合成シースと同じくらい柔軟であるので、ちょうど合成材料が過去に用いられていたような配置のために、インナーチューブを囲んで包むことができる。
【0028】
断熱繊維質スペーサ材は、織られたり、組まれたり、編み合わせられたり、格子状に(intersticed)されたり、編んで作られたりしたような織物の使用と併せられ、繊維またはセラミックの糸で作られる。ストリップ、マット、シート、環状ホース、環状メリヤス生地などの形状で作られる。結束したり、縛ったり、接着剤でつけられたりすることによって、内部LNG導管またはアウターホースに取り付けられている繊維質材に対して個々の長さを用いることは、発明の範囲内である。例えば、断熱スペーサ材は、繊維の織物から形成されている多層材料の、連続する細いストリップから作られる。多層繊維質スペーサ材の個々のシートまたはマットは、突発的な伸長に対してストリップを統合して固定するために、コットンまたはレーヨンのような低伝達性の標準的な材料または糸で縫われたり、結束したり、らせん状に巻いたりすることによって互いに固定される。材料は非常に柔軟で伸張性があるので、材料の層は互いに固定される必要がないということも可能である。
【0029】
アウターおよびインナーホース間にあるスペースを埋める繊維質スペーサ材の断熱シートは、所々に置かれた繊維質の層および熱反射材を有する。特定の実施形態において、繊維質スペーサ材は、金属化プラスチックシート材の箔のような1つ以上の耐摩耗性の外装を持つ一面または両面に面する。繊維質スペーサ材は、厚さ0.2mm未満の厚さを持つ1つ以上のふく射バリヤシートと併せられる。この熱ふく射反射材は、金属またはアルミホイル箔である。代替として、インナーLNGホースは、反射する金属化された材料の多層に包まれている。繊維質断熱スペーサ材は、これらの金属化された材料の層に加えられるか、またはそれの周りを包む。断熱スペーサラミネート材のいくつかの層は、インナーホースまたはチューブの周りを包んでいる。
【0030】
好適な繊維質スペーサ材の特性は、正常に伸張され、いずれの永久変形をもたらすことなく少なくとも10%圧縮されるということである。柔軟な、空気中、浮動または水中に沈んだLNG移送ホースは、非常に動的な海上環境に置かれ、反復性の圧縮、伸長、たわみ、ねじれなどを受けやすいので、これは重要な様態である。
【0031】
断熱スペーサ材は、LNG移送工程において冷却している手順または温めている手順の間、インナーおよびアウターホースの伸長または収縮における相対的差異を許容することができることも必要である。
【0032】
好適な断熱スペーサ材は、天然材料、プラスチック(PET)または他の合成またはセラミック材料から作られるフリースを含む。ここで‘フリース’という用語が用いられるとき、相互接続された複数の隙間を有するマット繊維、フィラメント、糸またはワイヤの緊密なボディ(a coherent body)が意図されている。フリースは、例えばアラミド繊維を用いたベロアの形状であるか、またはPET材料から作られている。異なる層は、1つの層が互いの層に接着されずに包まれているのが好ましい。(フリースのタイプに従って、0.7〜0.83の間の)摩擦係数のため、包まれた層が繰り返し折れ曲がり、伸張している間も、包まれた層は強い結合力を持つ。
【0033】
フリースは、機械的強度と併せて小さな熱伝導性を有するので、非常に優れた断熱スペーサ材である。フリースは、およそ10ミクロン未満の直径を有する背に空構成されているのが好ましい。
【0034】
フリースは、例えば米国特許番号6,779,368で開示されているフリースのような、改良された動的な断熱性を有する2重のベロアでありうる。
【0035】
フリース材が、フリース材自体に不利に作用するかまたはインナーおよび/またはアウターホースに不利に作用するときに静電気の増加を避けるための既知の特有な処理法を有するフリース材を用いることも可能である。
【0036】
フリース材は、同軸のホースのギャップ内に置かれたとき、少なくとも10%伸張され、いずれの永久変形または伸長なしに、ホースの長さ方向において圧縮可能である。
【0037】
本発明に従ったフリースは、半径方向において一定の最小強度を持つように作られているので、ギャップ内に置かれたとき、インナーチューブおよびアウターホースの様々な縦方向の熱収縮に適用させると同時に、放射状に空間をあけられた関係性でインナーチューブおよびアウターフレキシブルホースを維持する。フリースは、インナーチューブ、アウターホース、または両方と、ポイントワイズ(point-wise)で接触している。繊維は、ホースの長さ方向に、すなわち断熱スペース全体に及ぶ熱の流入の方向に対して垂直に、実質上適応されている。フリース材が持つこれらの能力のため、インナーチューブおよびアウターホース間の温度ブリッジとして機能するいずれかの付加的なスペーサの使用を少なくとも0.40m以上避けられる。スペーサが加えられる必要があるとき、フェルト材のような高い断熱力を持つ、コンパクトで柔軟性の僅かな繊維質材で作られたスペーサが一定の間隔でフリース材の上部に加えられる。繊維質材以外のスペーサ部材はインナーホース上の接触位置からアウターホース上の接触位置まで放射状に延在する。
【0038】
断熱スペーサ材のいくつかの層は、インナーホースまたはインナーホースをカバーしている組みひもの周りを包んでいる。各スペーサ層は、インナーホースの軸に対して例えば45度未満の角度で包まれているので、各層の方向の差異は90度である。スペーサ材(繊維、製造方法、能力など)の特性に依存して、層を包む様々な角度および様々な数が適用される。
【0039】
本発明による同軸のインナーおよびアウター冷却移送ホースは、繊維質スペーサ材の開いた多孔性構造を考慮して、以下のステップによって構成される。
【0040】
第1のホースを設けるステップと、
上記第1のホースを囲んで繊維質または多孔性または断熱の材料を設けるステップと、
上記繊維質または多孔性の材料の周りに気密フィルムを設け、上記第1のホースを囲んで、気密の状態で上記フィルムを設置するステップと、
圧縮によって上記繊維質または多孔性の材料の直径を削減するための上記気密カバーから空気を除去するステップと、
上記第1のホースと、上記圧縮された繊維質材と、上記繊維質材と、を減圧圧力において上記アウターホースに設置するステップと、
膨張を可能にするために、上記繊維質または多孔性の材料の気圧を高めるステップ。
【0041】
チューブは、一度全てのセグメントが接続され、繊維質断熱材がインナーおよびアウターホース間のギャップを満たされたとしても、インナーホースから漏れたあらゆるガスを取り除くために空気または不活性ガスを用いてギャップの通路をパージする可能性があるような方法で組み立てられる。代替として、ギャップの通路は、10バールの圧力のLNGを含むインナーホースからのあらゆるガス漏れを避けるために、空気または不活性ガスを用いて過剰加圧(15ないし25バール)される。
【0042】
インナーホースが、組みひもを備えた多層複合インナーホースである場合、フリース材の包まれた層は、せき止められた多量の空気を取り囲み、さらに、包まれたフリース層を持つインナーホースは、比較的大きな直径を持つので、アウターゴム弾性ホース内には設置されない。インナーチューブをアウターホース内に加えるために、薄いプラスチックのホース状バッグまたは管状シートは、包まれたフリース層と共にインナーチューブ全体に引かれ、薄いプラスチックホースは閉じられる。真空は、せき止められた空気をフリース材から取り除くようにこのプラスチックホースに適用される。加えられたこの真空の結果、全径は、包まれたフリース層を持つインナーチューブがアウター保護ホース内に同軸上で挿入されるように縮小する。インナーチューブおよびアウターホースのフランジ端部が一直線に並べられ(さらにひとつに結合され)ると、真空は取り除かれ、フリース材は空気をギャップ内に吸収し、フリース材自体が膨張することによって、インナーチューブおよびアウターホース間に、一定の距離を置いてフリース材自体を固定する。
【0043】
例えば繊維質フェルト材で作られている付加的なスペーサは、包まれたフリース層の上部、内部または下部に一定の間隔で設置される。付加的なスペーサは、薄いプラスチックのホース状バッグが全体に置かれるようにアウターホースの内径よりも小さい外径を持ち、真空は、フリース材の全径を縮小するように加えられる。代替として、最初に、薄いプラスチックのホース状バッグが、包まれたフリース層全体に設置され、その後、フェルトスペーサが、ホース状バッグの上部に一定の間隔で加えられ、局所的に全径の直径を縮小する。真空は、せき止められた空気をフリース材から取り除くようにこのプラスチックホースに適用される。加えられたこの真空の結果、全径は、包まれたフリース層を持つインナーチューブおよび付加的なスペーサがアウター保護ホース内に同軸上で挿入されるように縮小する。
【0044】
インナーチューブ上に適用された繊維質スペーシング材の厚さと、その結果として生じる、併せられたインナーホースおよびスペーサの直径を縮小するように適用された真空における増加と、を適合化させることによって、環状ギャップ内の繊維質の圧縮度、およびそれによるスペーサの剛性は、固有の曲げ特性を持つ柔軟なホースを得るために変化する。
【0045】
LNG移送システムのための断熱スペーサとしてフリース材を用いる他の利点は、ベルクロ(登録商標)ファスナー材が、インナーチューブ、アウターホースまたは両方にフリース材のシートを取り付けるために用いられうるということである。このことは、インナーチューブおよびアウターホースに対する異なる縦方向の熱収縮に適用させている間および両方の、反復性の圧縮、伸長の間に、フリースの固定された位置を保証する。
【0046】
ギャップ内に置かれているフリースおよび/またはフェルトのような繊維質スペーサ材を用いることによって、LNG移送システムにある相互接続されたホースの一方の端部からもう一方の端部までギャップを経由して空気または不活性ガスを移動させることが可能である。このことによって、組み立てられたLNGシステムの両端のうちの1つの端部にあるガス検知システムは、ギャップ内へのガスのLNGのあらゆる漏れを迅速に検知することができる。ギャップ内にインナーホース内の液圧よりも高い加圧を生み出すことも可能なので、少しのガスもインナーホースからギャップスペース内へ漏れることはできない。
【0047】
代替として、ギャップは、ギャップ内に一定の間隔で置かれ、LNGまたは冷たいガスがインナーチューブからギャップ内へ漏れているエリアまたは場所を示すことができる温度センサシステムに接続されている、複数の相互接続された温度センサを備えることも可能である。インナーチューブおよびアウターホースの両方とも分割されているので、漏れを含むセグメントは、連続する波形の金属アウターチューブである場合、完全な柔軟なLNG移送システムと取り替えることなく新しいセグメントによって交換されるおよび取り替えられることが可能である。
【0048】
インナーLNG移送チューブおよびアウターホース間のギャップ内の繊維質伸張可能スペーサ材と、低い熱伝導率を持つ、複合の、ゴム弾性またはプラスチック材で作られているアウターホースと、の組み合わせは、空気対流を避け、熱の流入を最小限にし、その結果として柔軟なLNG移送システム全体のより優れた熱効率を確実にするので、US特許番号6,186,181で開示されているLNG移送システムの場合のように、断熱の目的のためのギャップ内の気圧または真空未満である必要性を避ける。この文書で説明されている既知の同軸のホースの配置において、高い伝導性の波形のアウターチューブを経由して熱の流入を減少させるために真空が要求されている。
【0049】
本発明は、さらに、気密フィルムおよび上記フィルムに取り付けられている繊維質層を含む冷却移送ホースに用いられる繊維質断熱材にも関連する。シート材は、管状の形状またはらせん状に巻かれたストリップのどちらかの方法において管状インナーホースの周りに巻かれ、その後、結果として、アウターホースに容易に挿入される縮小された直径を持つインナーホースになるように繊維質材を圧縮するために、空にされる。繊維質材をインナーホースに適用させる前または後に、フィルムは、繊維質材を囲んでいるシリンダを形成するようにシールされる。一実施形態において、フィルムおよび繊維質材から成るシリンダは、その底部を気密の状態で閉じられ、排出装置を取り付けるためとシリンダからの空気を除去するためとのねじまたはバルブのような取り付け部材を有する。他の実施形態において、繊維質材は、フィルムと第2のフィルムとの間に有されており、これらのフィルムは、気密の状態で共にシールされている。閉鎖可能であるエアフロー開口部(a closable airflow opening)は、フィルムの少なくとも1つに備えられている。フィルム間のスペースを空にすることによって、繊維質層は、インナーホースの周りに置かれたときに縮小された直径を持つように圧縮される。アウターホース内へインナーホースおよび圧縮された繊維質層を挿入した後、真空は取り除かれ、繊維質層は、インナーおよびアウターホース間の環状ギャップを満たすように膨張する。
【0050】
一実施形態において、ホースは、相互接続しているフランジ端部を各々が有するいくつかのセグメントで構成されている。ホースは、インナーおよびアウターホースと、インナーおよびアウターホース間においては圧縮された繊維質材と、末端部においては接続フランジと、を有する、第1および第2のセグメントを設けることと、
第1および第2のセグメントの接続フランジを相互接続することと、
相互接続の後に、第1および第2のセグメントにおいて繊維質または多孔性の材料の気圧を高めることと、によって構成または修復される。
【0051】
本発明による異なる実施形態のいくつかの様態は、例として添付図面を参照して説明される。
【0052】
本発明による異なる実施形態のいくつかの様態は、例として添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による冷却移送ホースの、部分的に切り取った斜視図である。
【図2】本発明の冷却移送ホースの、縦の断面図である。
【図3】相互接続されたホースセグメントの連結を示す図である。
【図4a】本発明による冷却移送ホースに用いられるホースセグメントを組み立てるための連続するステップを示す図である。
【図4b】本発明による冷却移送ホースに用いられるホースセグメントを組み立てるための連続するステップを示す図である。
【図4c】本発明による冷却移送ホースに用いられるホースセグメントを組み立てるための連続するステップを示す図である。
【図4d】本発明による冷却移送ホースに用いられるホースセグメントを組み立てるための連続するステップを示す図である。
【図4e】本発明による冷却移送ホースに用いられるホースセグメントを組み立てるための連続するステップを示す図である。
【図4f】本発明による冷却移送ホースに用いられるホースセグメントを組み立てるための連続するステップを示す図である。
【図4g】本発明による冷却移送ホースに用いられるホースセグメントを組み立てるための連続するステップを示す図である。
【図5a】本発明によるスペーサとして用いられる複合断熱材の、異なる実施形態を示す図である。
【図5b】本発明によるスペーサとして用いられる複合断熱材の、異なる実施形態を示す図である。
【図5c】本発明によるスペーサとして用いられる複合断熱材の、異なる実施形態を示す図である。
【図6a】筒形のインナー冷却移送ホースに適用される複合断熱材を示す図である。
【図6b】コイルでらせん状に巻かれた形状のインナー冷却移送ホースに適用される複合断熱材を示す図である。
【図7】インナーホースと、長さに沿って分散されているいくつかの温度センサを有する断熱スペーサ材と、を示す図である。
【図8】インナーホースと、フランジ部分の端部にガス検出システムを有する断熱スペーサ材と、を示す図である。
【図9】ホースの長さ方向に方向づけられている大多数の繊維を有する繊維質断熱スペーサ材を示す図である。
【図10】付加的なスペーサ要素を有する冷却移送ホースを示す図である。
【図11】本発明による冷却移送ホースを用いる、LNG移送システムの概要図である。
【図12a】本発明に従ったホースインホース(a hose-in-hose)の冷却移送組み立ての、縦断面図である。
【図12b】本発明に従ったホースインホースの冷却移送組み立ての、線AAに沿った横断面図である。
【図12c】本発明に従ったホースインホースの冷却移送組み立ての、平面図である。
【図13】実施形態の縦断面図であり、インナーホースの接続フランジは、アウターホースの接続フランジに結合している。
【図14】実施形態の縦断面図であり、インナーホースの接続フランジは、アウターホースの接続フランジに結合している。
【図15】実施形態の縦断面図であり、インナーホースの接続フランジは、アウターホースの接続フランジに結合している。
【図16a】アウターホースに関して長さ方向に移動可能なインナーホースの、縦断面図である。
【図16b】アウターホースに関して長さ方向に移動可能なインナーホースの、平面図である。
【図17a】実施形態の縦断面図であり、スペーサはインナーホースのフランジの周りに構成されている。
【図17b】実施形態の平面図であり、スペーサはインナーホースのフランジの周りに構成されている。
【図18a】実施形態の縦断面図であり、インナーホースはスライド可能な接続部材を有する。
【図18b】実施形態の平面図であり、インナーホースはスライド可能な接続部材を有する。
【図19】シーリングじゃばらを有するインナーホースのスライド接続部材の、縦断面図である。
【図20】いくつかのフェースシールを有するインナーホースのクランプ接続部材の、縦断面図である。
【図21】伸長可能なように、アウターホース内で湾曲した軌道に沿って延在しているインナーホースの、模式的な縦断面図である。
【図22】アウターホースの周囲環境との均一な接触を可能にするために、従って、十分な柔軟性を維持するための周囲環境によって冷たいアウターホースの均一な加熱のために、少し離れている本発明のアウターホースに取り付けられている浮力モジュールの種々の構造を示す図である。
【図23】アウターホースの周囲環境との均一な接触を可能にするために、従って、十分な柔軟性を維持するための周囲環境によって冷たいアウターホースの均一な加熱のために、少し離れている本発明のアウターホースに取り付けられている浮力モジュールの種々の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、冷却移送ホース3の2つの相互接続された冷却移送ホースセグメント1,2を示している。各ホースセグメントは、液体不浸透性層7の内側および外側のそれぞれを支持する内部および外部のらせん状のワイヤ5,6を持つ、内部を波形またはらせん状のワイヤで補強された金属ホース4を有する。インナーホースには、移送されている液体の圧力に起因するインナーホースの伸長に抵抗(fight)し、制限するための管状の組みひも(図示されていない)を備えることができる。インナーホース4の周りには、インナーホース4から離れてゴム弾性またはプラスチックのアウターホース8が設置されている。アウターホース8とインナーホース4との間にある環状ギャップ9内には、繊維質断熱スペーサ材層11が設置されており、これはインナーホース4の外周囲とアウターホース8の内周囲と接触関係に位置している。繊維質層11は、アウターホース8のたわみによる圧縮、または熱による伸張と、ホース4,8の膨張および収縮によって引き起こされる圧力と、に抵抗して、さらにインナーホース4がアウターホース8に接触するのを防ぐスペーサ部材を形成する。
【0055】
インナーホース4のセグメントは、内部連結フランジ12によって相互接続されているのに対して、アウターホースのセグメントは外部連結フランジ13によって接続されている。連結フランジ12,13の位置において、スペーサリング14は、フランジ12,13が軸方向に分離することを防ぐために、環状スペース9を埋めて、フランジ12,13を相互接続する。フランジ12,13の、軸方向におけるこのような分離は、ホースセグメント1、2の交換または修理の際に望ましくなく、内連結フランジ12は、外部連結フランジ13を取り外した後に常に接触可能でなければならない。
【0056】
図2から明確にわかるように、繊維質スペーサ材11は、環状ギャップ9内をスペーサリング14の位置まで延在している。この位置において、繊維質材11はアウターホース8とインナーホース4との間の所定の距離を維持するためのスペーサ部材としては機能しないが、断熱材としてのみ有効である。図3からわかるように、ホースセグメント1,2の内部連結フランジ12,12’および外部連結フランジ13,13’は、ボルト16,17によって相互接続されている。液体を通さない密閉装置18は、外部フランジ13,13’の境界面に位置している。
【0057】
図4aないし4gは、インナーおよびアウターホース間の環状ギャップ内の繊維質断熱材を用いている同軸の冷却移送ホース組み立ての製造工程における種々のステップを示している。図4aは、繊維質フリース材63に包まれているインナーホース61を示している。例えばコンパクトな繊維質フェルト材で作られており、アウターホースの内径よりも小さい直径を持つ付加的なスペーサは、繊維質フリース材の上部、内部または下部に一定の間隔で設置される。連結フランジ62,62’は、連結のために接触可能なようにフリース材から軸方向に突出する。バルブを有する排出コネクタ66を持つ気密スリーブ64は、インナーホース61の周りに設置されており(図4b)、その後、排出コネクタ66に空気ポンプを取り付けて0.9バール未満の圧力をかけることによってスリーブは空にされる(図4c)。直径を縮小されたホース61は、外部のゴム弾性および/またはプラスチックホース65内に差し込まれ、空気は、排出コネクタ66内のバルブによって気密スリーブ64内に再導入される(図4dおよび4e)。最後に、フランジ端部67,67’はインナーホースの周りに設置され、図4gに示されている同軸のホースセグメント69を完成させるためにアウターホース65に相互接続される。
【0058】
図5aは、図1ないし4に示されているような同軸の冷却ダクト構造にあるインナーおよびアウターホース4,8の位置を決めるためのスペーサ部材として用いられる、本発明による複合断熱材19を示している。複合材19は、層20,21間に包まれている繊維質材のコアマトリックス22を囲んでいるガス密フィルム層20,21を有する。層20,21は、それらの周囲に沿って、液密シーリングエリア23,24内に互いに密封されている。真空ポンプのような排出装置27に接続するために、排出コネクタ26は、開閉バルブ部材を持つフィルム層20に備えられている。複合材19は、管状であるかまたはストリップ状であるかまたはインナーホースの周りに包まれるシートでありうる。インナーホースへの適用の後、空気は、複合材が圧縮されて、このホースに支持されている複合材を持つインナーホースがアウターホース内に差し込まれるように、シート20,21間から取り除かれる。インナーホースがその外周に達した後、圧縮された複合繊維質断熱材19は、所望の軸上の位置にもたらされ、繊維がホース間の環状ギャップ内で膨張するように空気は排出コネクタ26によって繊維質材のコア22に入れられる。スペーサ部材として用いるとき、複合材19の繊維質コア22は環状ギャップ9を完全に満たして埋めるように膨張することが可能である。
【0059】
図5bは、接着、熱接合、熱カレンダー加工、熱エンボシングなどによって繊維質層29が接着されている一枚の不浸透性シート材層28を有する代替の複合繊維質断熱材27を示している。より低い高さを持つ、フェルト材のようなコンパクトな繊維質材の付加的なストリップ29bは、硬い付加的なスペーサとして機能に加えられうる。シート材28は、プラスチック層、アルミニウムまたはプラスチック(PE,PP)の複合材のような熱反射層、および金属(アルミニウム)の形をとりうる。複合材27は、好ましくは外部に置かれている不浸透性シート28とともに、インナーホースを囲んで管状で用いられるかまたはインナーホースを囲んでストリップ状またはマット状で用いられる。
【0060】
図5cは、液体不浸透性バッキング層31を有し、いくつかの繊維質層32,33,34がラミネートされている、複合繊維質断熱材30を示している。繊維質層32ないし34には、ふく射反射層が所々に置かれており、アルミニウムのような金属のシートまたはプラスチック材のラミネートおよびアルミニウムPEラミネートのような金属の形をとる。反射層35,36の使用によって、複合材30の断熱性が高まる。
【0061】
図6aは、同軸上の管状の形にあるときのインナーホース40を囲んで設置されている、図5aの複合材19を示す。代替として、図5bの複合材27または図5cの複合材30は、図5aにある外層20の位置において、バッキング層28または31を有するインナーホース40を囲んで同様に設置されることも可能である。
【0062】
図6bは、らせん状のループでインナーホース40の周りを包んでいる複合材19,27または30を示している。図5bまたは図5cに示されているようなタイプの複合材が用いられている場合、バッキングシート28,31は外層を形成する。
【0063】
複合材19,27,30は、同軸のインナーホース4,40とアウターホース8との間の環状ギャップを完全に満たす必要はないが、図4aないし4gに関連して以下で述べられている排出工程(the evacuation process)を用いてギャップ内に容易に差し込まれることによって、管状ギャップ内でのみ断熱材として用いられることも可能である。
【0064】
図7は、複数の温度センサ41,42,43がインナーホース40の長さに沿って分散されている実施形態である。液化ガスがインナーホース40内の漏れ口から漏れたとき、温度センサは温度の降下を測定する。センサ41,42および43からの信号は、インナーホース40のフランジ端部45の近くに位置している伝達ユニット44に供給される。温度データは、伝達ユニット44から漏水検知ユニットに伝達され、パイプ40に接続されている浮動構造に位置される。
【0065】
図8に示されている実施形態において、ガス検知ユニット47は、移送ホースにあるフランジ端部46のエリア内に組み込まれている。ガス検知ユニット47は、アウターホース(図示されていない)とインナーホース40との間のスペースに接続されているポンプおよび注入チューブ48を有する。スペーサ材の開放繊維質マトリックスによって、ガス検知ユニット48は、相互接続されているホースセグメントの長さに沿ってインナーおよびアウターホース間の環状スペースと流体接続している。
【0066】
図9は、インナーホース40に設置されている繊維質材50を示し、繊維は、コヒーレント3次元マトリックスを形成し、大多数の繊維51の方向は実質上、ホース40の長さ方向である。このようにして、アウターホースからの熱の流入Qは、繊維50によって減少され、改良された温度断熱が成し遂げられる。
【0067】
図10は、冷却インナーホース52の構造および同軸上でそれを囲む柔軟なアウターホース53を示している。繊維質材54は、インナーおよびアウターホース間のギャップ内に設置されている。フェルト材のような、コンパクトで少し圧縮可能な繊維質材で作られているのが好ましい付加的なスペーサ部材55,56,57は、環状ギャップを埋めて、インナーおよびアウターホースに接触する。ホースの直径に従って、付加的なスペーサ部材55,56,57間の距離Lは40ないし100cmの間で変化し、その場合、繊維質材54は主に断熱機能を持つ。繊維質材および付加的なスペーサの両方とも、図4aないし4gに関連して上述されている排出工程によって共にギャップ内に導入されることが可能である。付加的なスペーサ55ないし57は、図10に示されているようなインナーおよびアウターホース間のギャップスペースを完全に埋めること、または繊維質材54の上部、内部または下部に設置されることが可能である(図5bを参照のこと)。付加的なスペーサは、インナーホースの上へ、またはインナーホースの組みひもの上部(図示されていない)にらせん状に加えられることも可能である。
【0068】
特定の実施形態において、付加的なスペーサ部材55ないし57は完全に省かれ、スペーシング機能性(the spacing functionality)は、例えばコンパクトなフェルトまたはフリース材または異なる繊維質材の組み合わせの形をとる繊維質スペーサ部材54によって完全に備えられる。
【0069】
図11において、例えばLNG FPSO(浮動式生産、貯蔵およびオフロード)102のような浮動ガス液化および貯蔵プラントを有する海洋製造装置(an offshore production unit)が示されており、これは、アンカーライン(anchor lines)104によって海底103に固定されている。製造品の垂直パイプ105を介して、天然ガスのような炭化水素は、FPSO102で処理されるために海中の井106から移送される。FPSO102は、−161℃の温度において天然ガスをLNGに冷却移送ホースおよび液化する液化プラントを有する。LNGは、この実施形態においては水中に沈んでいるが、完全にまたは部分的に空気中のホースでもあるかまたは水面に浮いている、冷却移送ホース107を通して、LNGがおろされるLNG輸送船の中央部または船首マニホールドへ移送される。例えば10m以上、好ましくは3m以上の曲げ半径まで曲げることができるという意味では、冷却移送ホース107は柔軟性がある。使用していないときは、ホース107は、横または縦のリールで巻かれるかまたFPSOのデッキに貯蔵される。ホースは、LNG輸送船が、LNGオフロードブイまたはLNGが再ガス化され水中に沈んでいるパイプラインを介して海岸に送られる貯蔵および再ガス化装置(a Floating Storage and Regasification Unit)(FSRU)へ、LNGをオフロードする構造(図示されていない)にも用いられる。
【0070】
ホース107は、相互接続されたセグメントで構成されており、LNGを運ぶ内部を補強されたホースと、海水の浸入からアウターホースを保護し、複合されたホースに対して機械的強度および保護を提供する、補強されたゴム弾性の材料でできたアウターホースを有する。ホース107は、インナーホースが破損した場合およびセグメントの試験中および輸送中の安全バリアも提供する。
【0071】
原油の移送のための水中に沈むことが可能なホースは、US3,809,128から知られている。この文献において、インナーおよびアウターホース間のスペース内の空気量は、ホースの浮力を調節するために選択的に制御されている。インナーおよびアウターホース間に十分なエアスペースを維持するため、さらにアウターホースが水圧によってインナーホースに陥没するのを防ぐため、らせん状のスペーサ部材はインナーホースの外表面を囲んで巻かれている。ホースセグメントは、アウターホースの端面を越えて長さ方向に突出するインナーホースにあるフランジ端部によって相互接続されている。インナーホースの接続フランジがアウターホースによって囲まれていない場合、周囲環境にさらされるので、既知のインナーホースは−161℃の温度を持つLNGまたは−194℃の温度を持つ液体窒素のような低温流体を輸送するのに適していない。
【0072】
本発明による冷却ホース107において、インナーホースは、少なくとも20cmの内径を持つ。インナーホースを囲んでいるアウターホースは、少なくとも3cmの厚さの壁、少なくとも3mの曲げ半径、および少なくとも25cmの内径を持つ水密補強ゴム弾性材料から成る。本発明による同軸のホース107は、低温流体の移送に特に適していて機械的に比較的弱いがアウターホースによって保護されているインナーホースから構成されており、自体が原油の移送に適していることが知られているホースである。ホースインホース構造は、アウターホースが、他のホース、クレーン、LNGキャリアまたはタグボートや運搬船のような他の船との衝突からインナーホースを保護し、水の浸入を防ぐので、空気中、浮動または水中に沈んだ冷却移送システムに対して改良された安全性を提供する。アウターホースは、インナーホースと比べて比較的硬いが、ブイ、タワーまたは船上の垂直または水平なホースリールに貯蔵されるかまたは使用していないとき側溝にある船のボード上に貯蔵されるほど柔軟である。
【0073】
分割して施行することによって、ホースを所望の長さに容易に組み立てることが可能である。セグメントによってさらに、検査、メンテナンスまたは修復のためにLNG移送システムの一部を容易に海底で交換することが可能である。
【0074】
US4,417,603から、海上プラットホームをタンカー船に接続するための冷却移送ホースが知られており、該ホースは内面らせん状金属ばね、1/2ピッチだけ食い違った外面らせん状金属ばね、2つのばね間にある高分子物質の層を備えている。断熱層が、内部金属ホースを囲んでいる。既知の冷却ホースは、単一のパーツで構成されており、破損した場合は完全に交換される必要がある。そのうえ、冷却金属ホースは、比較的傷つきやすく、また、金属内部ホースに直接取り付けられている外側の断熱材によって効果的に保護されていない。
【0075】
ここで“低温の(cryogenic)”という用語が用いられるとき、液化ガスは、−162℃の温度を持つLNGのように−60℃未満の温度を意図されている。
【0076】
ここで“柔軟な補強された壁(flexible reinforced wall)”という用語が用いられるとき、例えばじゃばらのような構造によってそこに柔軟性を加えられているか、またはらせん状のばねのような構造あるいはシート材の平らな壁と比べて高められた柔軟性をホースに提供する同様の壁の構造を持つ、複合または金属ホースの壁が含まれている。
【0077】
ここで“海洋の(marine)”環境という用語が用いられるとき、水面より上にあるホース、水面上に浮動しているホース、水面より下に沈んでいるホース、またはそれらのあらゆる組み合わせのホース、の位置が意図されている。
【0078】
一実施形態において、インナーホースは、温度差があるためアウターホースに応じて、ホース全長の少なくとも0.5%まで長さ方向に伸長可能および/または伸縮性があり、インナーホースは、内部連結部材上またはその近くのアウターホースには接続されていない。移動可能なインナーホースは、LNGが移送されるときに応力が上がるのを防ぐ。LNGが移送されないとき、連結部材は、軸方向にあるインナーおよびアウターホースのために独立して一直線に並べられるので、通常の環境状態のもとでホースセグメントの組み立ておよび/または交換を容易にする。
【0079】
補強されたインナーホースの、熱による膨張および収縮を考慮するために、内部コネクタ部材は、1つのインナーホースセグメントにはスリーブを有し、他のインナーホースセグメントにはスリーブ内またはスリーブの周りでスライド可能な管状の末端部を有している。インナーホースセグメントにあるスライドする相互接続は、ホースセグメントの長さ方向の膨張および収縮を可能にし、同時に、アウターホースに応じて置き換えられることも可能である。
【0080】
複合または金属のじゃばらは、シーリングによって両インナーホースセグメントに接続されており、シーリングされているじゃばらは、スリーブにある末端部の両側のインナーホースの外周表面と係合している。このようにして、インナーホースセグメントのスライドする相互接続の周りに有効なシールが施される。
【0081】
代替として、インナーホースはアウターホース内の湾曲した通路に沿って位置しているので、アウターホースに応じて例えばアウターホースの全長の0.5〜3%ほど長さ方向に膨張することが可能である。
【0082】
さらなる実施形態において、正確に軸方向にインナーホースを並べるため、およびアウターホースに応じて規定された軸上の位置に維持するため、インナーホースの接続部材は、取り付け部材によってアウターホースの接続部材に取り付けられている。インナーおよびアウターホース間のスペースにある不凍流体、不活性ガス、空気のような、断熱材の循環を可能にするために、または断熱真空(an insulating vacuum)を作り出すため、アウターホースを好ましくは−60℃以上の安全な温度に維持するため、インナーおよびアウターホース間のスペースを埋める取り付け部材に軸方向通路が備えられている。
【0083】
200mまでの水深における外圧に耐えるために、アウターホースには補強リングが備えられている。
【0084】
図12において、インナーホース110およびアウターホース111のセグメントがより詳細に示されている。インナーホース110は、ボルト118によって接続されているフランジ116,117を有する接続パーツ114,115によって相互接続されているセグメント112および113を有している。アウターホース111は、ボルト126によって接続されているフランジ124,125を有する接続パーツ122,123によって相互接続されているセグメント120,121を有している。インナーホースおよびアウターホースのセグメントは、例えば10mの長さを持つが、同じ長さである必要はない。インナーホースのセグメントは例えば20mの長さを持ち、一方でアウターホースのセグメントは10mの長さを持ち、その逆もまた同様である。
【0085】
アウターホースの間のスペース127は、25cmから100cmであるのに対して、アウターホース111の壁の厚さwは、3cmから10cmの間である。インナーホース10の内径Dは、20cmから70cmの間であり、一方で、111およびインナーホース110の幅hは、インナーホース110の外表面に支持されているスペーサ部材128,129によって埋められている。スペーサ部材130は、内部の接続部材にあるフランジ116,117を囲んで配置されており、外部フランジ124,125に対する内部フランジ116,117の位置を固定し、同時に、インナーホース110の長さ方向における小さな動きを可能にする。ホース110,111の長さ方向における、不活性ガスまたは空気のようなガスの循環を可能にするために、スペーサ部材130には通路131が備えられている。
【0086】
アウターホースの内径Dは、2cmと16cmとの間を変動する。インナーホースの壁の厚さwは、2cmから15cmの間である。
【0087】
インナーホース110は、Konrad Friedrichs、Fritz PapmahlおよびHerbert BackhausのOffshore Technology Conferenceの3844(1980年5月5日から8日)で説明されているような柔軟な冷却波形金属ホース、または、US特許番号4,417,603およびWO01/96772で説明されているようなコイルを巻かれたクロムニッケル銅である。
【0088】
アウターホース111は、例えば、Trellineの商品名でスウェーデンのTrelleborg AB、Trelleborgが、Dunlopの商品名で英国のDunlop Oil and Marine, North East Lincolnshireが、そしてフランス・パリのCoflexip SAによって製造されている原油の移送に用いられるホースである。アウターホース111は、その構造および補強されたゴム弾性材料を使用しているため、インナー冷却ホース110よりもはるかに硬い。アウターホースは、環境的影響力からインナーホースを保護し、ロードまたはオフロードしている間、インナーホース110およびアウターホース11の組み立てに影響する軸力の50%以上、好ましくは95%以上吸収する。
【0089】
スペース127は、ゴム弾性アウターホース111を冷たいインナーホース110から遮断するのに役立ち、繊維質断熱材119を有する。アウターホース11が、安全で比較的高温な状態を確実に維持されるために、空気または不活性ガスはスペース127内を循環され、スペース27は、漏水検知の目的のために用いられうる。空気は、インナーホースが損傷した場合、スペース127内にLNGが漏れるのを避けるために、移送されたLNGの圧力よりもちょうど上まで加圧される。
【0090】
インナーおよびアウターホース110,111が事実上同軸の配置を保つようにするスペーサ部材128,129は、コンパクトな繊維質で、硬質だがわずかに圧縮可能なフェルト材、またはプラスチックあるいはセラミック材のような断熱材から作られているが、泡またはジェル、または温度差によるLNG移送時の収縮のため、アウターホースに関するインナーホースの呼応する移動または置き換えを可能にするように圧縮可能である1つまたは2つの堅く巻かれたらせん状のプラスチックパイプによって交換される。このような構造は、US3,809,128で詳しく説明されている。
【0091】
図12bに示されているように、スペーサ部材130は、インナーホース110の外径を囲んで設置されうる2つの半分(half)のシリンダから形成されている。
【0092】
図12cは、アウターホース111のセグメント120,121を相互接続する連結フランジ124,125にある凹所を設けられた場所を示している。
【0093】
図13,14および15の実施形態において、スペーサ部材130は断熱材で作られており、特にフランジの位置において、インナーホース110の軸および放射状の位置がアウターホースに関連して正確に決定されるように、アウターホース111のフランジ124,125に堅く接続されている。利点は、修復またはメンテナンスのためにアウターホースのセグメントにあるフランジが開けられる必要があるとき、インナーホースにあるフランジは動的な海洋の環境で使用中にアウターホース内で動いたり置き換えられたりすることがなく、インナーホースにあるフランジにも直接アクセスできるということである。
【0094】
図16aおよび16bに示されている実施形態において、インナーホース110は、外部フランジ124,125および内部フランジ116,117の場所においてアウターホース111に固定されていない。スペーサ部材132,133は、熱による膨張および収縮によって起こる応力を避けるためにインナーおよびアウターホース110,111の軸上の動きを可能にするように適合されている丸みを帯びた形状を持ち、この動きは、環状スペース127内の繊維質断熱材119によって調節されている。
【0095】
図17aおよび17bの実施形態において、スペーサ部材140は、インナーホース110をアウターホース111内に放射状に置く機能を果たすが、アウターホースセグメント120,121を軸方向に置く機能も果たす。図17bに示されているように、連結リング141は、アウターホース111にある2つの斜面142,143間に挿入され、軸上のボルト145によって両斜面に接続される。
【0096】
図18aおよび18bの実施形態において、インナーホース110のセグメント112は、セグメント113の末端部がスライド可能に受け取られるスリーブ144を有する。2つのスライドする表面の間には漏れ除去フィッティング(a leakage free fitting)を確実にするためにシールが備えられている。スリーブ144の内部およびセグメント113の末端部の外部は、例えばポリプロピレンまたはテフロン(登録商標)などのスライド可能な材料でコーティングされている。
【0097】
図19の実施形態において、インナーホース110のセグメント112,113にある末端部147,148には、末端部147,148を囲んで設置され、静止したシーリングリング153とシーリングによって係合するためにセグメントにあるエンド開口部151,152を過ぎて延在する、シーリングじゃばら149,150が備えられている。
【0098】
図20の実施形態において、インナーホース110のセグメント112,113にある末端部147,148は、いくつかのシーリングリング156,157を介してシールによってインナーホース110の境界面に係合する取り付けスリーブ155に設置されている。取り付けスリーブ155のフランジ159は、断熱材160および防護外装161によって囲まれている。
【0099】
図21の実施形態において、インナーホース110は、(まっすぐな)アウターホース111内に湾曲した通路を持つことが示されており、インナーホース110は、スペーサ130,130’を介して、フランジ116,116’,117,117’および124,124’,125,125’の位置においてアウターホース111に接続されている。これによって、アウターホースに応じたインナーホースの伸長および収縮が可能である。
【0100】
アウターホース111の壁162において、通路163が備えられており、スペース127内の、例えば空気、希ガスなどの循環のためにポンプ164に接続されている。
【0101】
図22は、外部スペーサ部材133を介してフランジ134に取り付けられている浮力モジュール132を示している。図23は、外部スペーサ部材135を介してアウターホース111に取り付けられている浮力モジュール136を示している。ゴム弾性および/またはプラスチックのアウターホース111から少し離れて浮力モジュールを設置することは、アウターホース111が局所的に冷えるのを避けるので、結晶相を通り抜け、(例えばゴムホースのように)もろくなる。このことは、アウターホースに対する回復不能の損傷を引き起こすであろう。周囲の水が均等にアウターホースを温めることができるような方法でフロテーションを加えることによって、局所的な冷却という問題が避けられる。均一な温度分布を可能にする浮力モジュールは、例えば時々アウターホースに取り付けられているドーナツ型の浮力モジュールなど様々な形状をとる。モジュールは、アウターホースの長さに沿って均一な水の接触を可能にするために放射状に離れて(at a radial distance from)設置される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素のための冷却移送ホースであって、
インナーホースと、
同心円をなして前記インナーホースを囲んで配置されているアウターホースと、
前記インナーおよびアウターホース間の環状ギャップを埋めているスペーサ部材と、
前記環状ギャップ内に含まれている繊維の3次元マトリックスを形成する繊維質断熱材と、を具備し、
前記アウターホースはゴム弾性および/またはプラスチック材料を有し、
前記繊維質材は、前記インナーおよびアウターホースを持つホースの大部分全体を通して連続しており、スペーサ部材を形成していることを特徴とする冷却移送ホース。
【請求項2】
少なくとも長さ0.4m以上で、繊維質材以外のスペーサ部材は、前記インナーホース上の接触位置から前記アウターホース上の接触位置まで放射状に延在する、請求項1に記載の冷却移送ホース。
【請求項3】
前記繊維質材は、前記インナーホースに沿って不均一に分散されているので、長さ方向に高密度および低密度の繊維質材の領域がある、請求項1または2に記載の冷却移送ホース。
【請求項3】
前記繊維質材は、異なる密度および特性の繊維質材を具備する、請求項1または2に記載の冷却移送ホース。
【請求項4】
柔軟な繊維質材は、高密度の硬い繊維質材の間に置かれる、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項5】
前記繊維質材は、前記インナーホース上において5から50kN/mの間の力で1%から10%の間まで半径方向において弾性的に圧縮可能である、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項6】
前記繊維質材は、少なくとも10%まで前記ホースの長さ方向において弾性的に伸長可能である、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項7】
前記繊維質材は、少なくとも長さ0.4m以上を持ち、密度70kg.m−3で、オープンボリューム(open volume)93%である、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項8】
cm毎の前記繊維の重量%は、軸方向に順応している、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項9】
前記ホースは、前記インナーホースの直径の4倍の曲げ半径を有する、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項10】
前記アウターホースは、0.2から1.0Wm−1−1の間、好ましくはおよそ0.4Wm−1−1の熱伝達率を有する、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項11】
前記繊維質材は、前記アウターホースと前記材料との間の気密層によって囲まれている、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項12】
前記繊維質材はフリース材を具備する、請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項13】
前記繊維質材はフリースおよびフェルト材を具備する、請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項14】
前記アウターホースは、繊維および/または金属で補強されたゴム弾性および/またはプラスチックの材料を具備する、請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項15】
前記インナーホースは、らせん状に巻かれた補強材ワイヤ、および/または波形のスチールパイプを具備する、請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項16】
前記インナーおよびアウターホース間の前記圧力は、前記アウターホース外側の前記圧力と実質上等しい、請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項17】
前記繊維質材は、前記インナーホースを囲んで巻かれているストリップ状の繊維質シート材を具備する、請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載の冷却移送ホース。
【請求項18】
少なくとも1つの気密フィルムおよび前記フィルムに取り付けられている繊維質層を具備する、冷却移送ホースに用いられる繊維質断熱スペーサ材。
【請求項19】
前記フィルムは、前記繊維質材を囲んでいるシリンダを形成するようにシールされている、請求項18に記載の繊維質断熱スペーサ材。
【請求項20】
前記シリンダは、その両端を気密の状態で閉じられており、排出装置を取り付けるためと前記シリンダからの空気を除去するためとの取り付け部材を具備する、請求項19に記載の繊維質断熱スペーサ材。
【請求項21】
前記繊維質材は、前記フィルムと第2のフィルムとの間に具備されており、これらのフィルムは、気密の状態で前記繊維質材を囲むように共にシールされている、請求項18または19に記載の繊維質断熱スペーサ材。
【請求項22】
閉鎖可能であるエアフロー開口部(a closable airflow opening)は、前記フィルムの少なくとも1つに備えられている、請求項18ないし21のいずれか1項に記載の繊維質断熱スペーサ材。
【請求項23】
移送ホースを構成する方法であって、
第1のホースを設けるステップと、
前記第1のホースを囲んで繊維質または多孔性の材料を設けるステップと、
前記繊維質または多孔性の材料の周りに気密フィルムを設け、前記第1のホースを囲んで、気密の状態で前記フィルムを設置するステップと、
圧縮によって前記繊維質または多孔性の材料の直径を削減するための前記気密カバーから空気を除去するステップと、
前記第1のホースと、前記圧縮された繊維質または多孔性の材料と、前記繊維質材と、を減圧圧力において前記アウターホースに設置するステップと、
膨張を可能にするために、前記繊維質または多孔性の材料の気圧を高めるステップと、を具備する方法。
【請求項24】
移送ホースを構成する方法であって、
インナーおよびアウターホースと、前記インナーおよびアウターホース間においては圧縮された繊維質または多孔性の材料と、末端部においては接続フランジと、を各々が有する、第1および第2のセグメントを設けるステップと、
前記第1および第2のセグメントの前記接続フランジを相互接続するステップと、
相互接続の後に、前記第1および第2のセグメントにおいて前記繊維質または多孔性の材料の前記気圧を高めるステップと、を具備する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図4c】
image rotate

【図4d】
image rotate

【図4e】
image rotate

【図4f】
image rotate

【図4g】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図5c】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12a】
image rotate

【図12b】
image rotate

【図12c】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16a】
image rotate

【図16b】
image rotate

【図17a】
image rotate

【図17b】
image rotate

【図18a】
image rotate

【図18b】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2012−229805(P2012−229805A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−129286(P2012−129286)
【出願日】平成24年6月6日(2012.6.6)
【分割の表示】特願2009−540729(P2009−540729)の分割
【原出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(506364042)シングル・ブイ・ムーリングス・インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】