織物を使用して少なくとも1つのチップを組み込むための方法およびチップ装置を備える織物
本発明は、装置を張りつめた実質的に平行な2本の糸へと組み付けるための方法に関する。装置は、電子チップ(8)と、装置の両側面に開いた2本の実質的に平行な溝(4a、4b)とを備えている。溝を隔てている距離が、糸を隔てている距離に対応している。装置は、溝の平面に対して垂直な軸に沿った進入形状を呈しており、この進入形状が、溝のレベルに位置する底部と、糸を隔てている距離よりも小さいサイズの頂上(1)とを有している。本方法は、装置の頂上(1)を2本の糸の間に配置するステップと、2本の糸の間で装置を移動させ、装置の進入形状によって糸を互いに引き離すステップと、糸が溝へと進入して糸の初期の隔たりの距離へと復帰するまで、装置の移動を続けるステップとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子チップを備える装置であって、2つの開放溝を当該装置の両側に備えている装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現時点において、マイクロ電子チップを互いに機械的および電気的に接続するために、多数の技術が存在している。従来からの技法は、チップを基板上に形成し、ダイシングによって離した後、チップ間に堅固な機械的接続を形成することからなる。次いで、堅固な支持体上に固定されたチップが、保護コーティングの形成前に電気的に接続される。堅固な支持体上に接続を形成することからなるこの手法は、チップの接続がきわめて複雑である場合に、一般的に使用されている。しかしながら、堅固な機械的な支持体の使用ゆえ、とくには可撓な構造への統合に適さないという大きな欠点が存在する。
【0003】
本出願の出願人によって出願された文献WO2008/025889が、2つの平行な主平面1、2と、主平面1、2を接続する側面3a、3bとを備える図1に示されているとおりのマイクロ電子チップを記載している。側面3a、3bの各々が、電気接続要素(図示されていない)が設けられた溝4を備えており、溝4が、溝4の長手軸に平行な軸を有する糸要素(thread element)5のためのハウジングを形成している。電気接続要素は、溝4の金属化によって形成されている。
【0004】
溝4の長手軸に平行な軸を有する糸要素5を、溶接、材料の付加、電気分解、接着、または埋め込みによって溝4に固定することができる。これらの固定方法は、チップ装置のサイズが小さいがゆえに、実行が複雑である。
【0005】
次いで、このようにしてチップ装置が設けられた糸のペアを他の糸と織り合わせ、織物(fabric)を形成することができる。これは、製織の際の取り扱い時に、チップ装置がもぎ取られることがないように特定の用心を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、製織の実行時の用心を必要とすることなく単純なやり方で織物に電子チップ装置を取り入れることが追求される。このために、とりわけ、とくには完成した織物に属する張りつめた2本の平行な糸の間に簡単なやり方で組み込むことができるチップ装置を生み出すことが追求される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この要求が、特定の構成のチップ装置によって満たされる。装置が、電子チップと、装置の両側面に開いた2本の実質的に平行な溝とを備えている。溝の間隔が、糸の間隔に一致している。装置が、溝の平面に対して垂直な軸に沿った進入形状を呈しており、この進入形状が、溝のレベルに位置する底部と、糸の間隔よりも小さい寸法の頂上とを有している。
【0008】
装置が、装置の頂上を2本の糸の間に配置するステップと、2本の糸の間で装置を移動させ、装置の進入形状によって糸を互いに引き離すステップと、糸が溝へと進入して糸の初期の間隔へと復帰するまで、装置の移動を続けるステップとを含む方法に従って、2本の糸の間に挿入される。
【0009】
このようにして、電子チップを備える装置を含んでおり、この装置の両側面に2本の実質的に平行な溝が開いており、これらの溝に挿入された2本の実質的に平行な隣り同士の糸をさらに含んでいる織物であって、前記装置が、前記溝の平面に対して垂直な軸に沿った進入形状を呈しており、この進入形状が、前記溝のレベルに位置する底部と、前記糸を隔てている距離よりも小さいサイズの頂上とを有している織物を実現することができる。
【0010】
他の利点および特徴が、あくまでも例示を目的として提示され、添付の図面に示される本発明の特定の実施の形態についての以下の説明から、さらに明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】先行技術によるチップを示している。
【図2】チップ装置の実施の形態を示している。
【図3】図2の装置の底面図を示している。
【図4】チップ装置の別の実施の形態の底面図を示している。
【図5】図4の実施の形態の変種を底面図にて示している。
【図6】チップ装置が挿入された織物を上方から見て示している。
【図7】織物におけるチップ装置の挿入の工程を示している。
【図8】織物におけるチップ装置の挿入の工程を示している。
【図9】織物におけるチップ装置の挿入の工程を示している。
【図10】チップ装置の別の実施の形態を示している。
【図11】チップ装置の別の実施の形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述したように、糸の挿入のための溝が設けられた電子チップ装置であって、織物(布地)に容易に取り入れることができる電子チップ装置を製造することが追求される。これらのチップ装置は、とくには、仕上がった織物へと組み込むことが可能である。換言すると、織物の製織に使用される糸に事前に固定する必要がない。
【0013】
一般的に、織物(布地)は、互いに実質的に平行な縦糸と、互いに実質的に平行であって、縦糸に交差する横糸とによって形成される。隣同士の2本の縦糸および隣同士の2本の横糸が、たいていは平行四辺形の全体形状を有する編み目を形成する。他の種類の織物および編み目も、当然ながら想定できる。
【0014】
以下でさらに詳しく説明されるチップ装置は、織物の編み目に挿入されるように設計された進入形状を呈する部位を含んでおり、そのような部位が、編み目を形成している糸を溝の高さに到達して弾性的な復帰によって溝に挿入するまで、装置に作用する圧力のもとで互いに引き離すように設計されている。より具体的には、該当の形状が、溝の平面に対して垂直な軸に沿った進入の特徴を呈している。底部が溝の高さに位置しており、頂上が、織物の隣り合う2本の糸を隔てている距離よりも小さいサイズを有している。「溝の平面」とは、溝が厳密には平行でない場合には、溝の長手軸の可能な限り近くを通過する平面を意味する。
【0015】
図2が、織物に組み込むことができるチップ装置の実施の形態の正面図を示している。図1の構成要素と同じ構成要素は、同じ参照番号によって指し示されている。
【0016】
装置は、電子チップ8と、装置の両側に位置する2つの開放溝4a、4bとを備えている。この実施の形態においては、溝が装置の両側に位置する2つの実質的に平行な表面3aおよび3bに形成され、溝の長手軸が実質的に平行である。溝4aおよび4bは貫通であり、すなわち表面3aおよび3bに垂直な装置の表面へと開いている。
【0017】
大部分の用途において、チップ8は、他のチップ、データバス、電源、アンテナ、などへと電気的に接続されるように設計されている。このために、溝4aおよび4bには、溝に挿入される糸へと接続される導電バンプ6aおよび6bが設けられており、それらの糸が導電性であり、あるいは導電繊維を含んでいる。バンプ6aおよび6bは、好ましくは溝の側壁に位置し、例えばチップと同じ側の側壁に位置する。各々のバンプは、バンプと反対側の溝の側壁との間に糸を固定できるようにする機械的な把持も形成することができる。
【0018】
装置は、この実施の形態においては台形断面である進入形状を有する部位9を備えている。台形の底部が、壁3aおよび3bの縁へと接続される一方で、台形の頂上が、装置の主表面のうちの1つ(例えば、表面1)を形成している。台形の斜辺が、10aおよび10bによって指し示されている。
【0019】
図3が、図2の装置の底面図を示している。この図に見て取ることができるとおり、部位9は、この実施の形態においてはプリズム状である。プリズムの斜面も、図2の台形の斜辺と同様に、10aおよび10bによって指し示されている。
【0020】
この進入形状は、装置を完成または途中まで完成した織物に容易に挿入することを可能にし、とくには張りつめられた隣り同士の2本の縦糸または横糸の間に容易に挿入することを可能にする。プリズムの上面1の寸法が、好ましくは織物の編み目の寸法よりも小さい。したがって、装置を、表面1(以下では「進入面」と称する)が2本の隣り合う糸に面しかつ溝4aおよび4bがこれらの糸に実質的に平行になるように位置させ、次いで表面1を2本の糸の間に進入させるだけでよい。進入の過程において、糸が、溝の高さに到達して弾性的な復帰によって溝へと挿入されるまで、プリズムの斜めの壁10aおよび10bによって互いに引き離される。
【0021】
装置を、2つの部分にて形成することができ、すなわち平たいチップ8に進入部9を形成するカバーを組み付けることができる。その場合、溝4aおよび4bは、好ましくはチップとカバーとの間の境界に形成される。この実施の形態においては、カバー9が、直角をなす表面によって溝の側壁および溝の底をそれぞれ定めている2つのリム11を備えている。溝の他方の側壁は、チップ8によって定められている。
【0022】
以下で説明される実施の形態においては、チップ装置の進入形状9がカバーによって達成される。当業者であれば、当然ながら、カバーの代わりにチップを、所望の形状を与えるように形作ることができるであろう。また、チップを含む一枚岩の部品を適切に形作ることによって装置を製造することも可能である。
【0023】
進入面1の横寸法l1が、好ましくは織物の糸のピッチよりも小さく、側面3aおよび3bを隔てている横寸法l2が、ピッチよりも大きい。理想的には、糸のピッチが、溝4aおよび4bの底を隔てている距離l3に実質的に等しい。
【0024】
プリズム9、したがって進入面1の長さl4は、装置の長さに等しい。この長さは、装置のサイズによって定まるため、織物の任意の編み目のサイズに合わせることがより困難である。したがって、図2および3の実施の形態は、編み目がプリズム9の軸の方向に細長い形状である織物への組み込みに適している。
【0025】
図4が、完成した織物の任意の形状の編み目への挿入により適しているチップ装置の実施の形態を、底面図にて示している。正面図は示されていないが、図2の正面図と同様である。カバー9が、ピラミッドの形状を有しており、ピラミッドの底部がチップ8と協働して溝4aおよび4bを定めている。ピラミッドは、通常は上部が切り落とされ、結果として頂上が進入面1を形成する。換言すると、カバー9が4つの斜面10a、10b、10c、10dを備えている。斜面10aおよび10bが、溝4a、4bを備える両側面3aおよび3bを表面1の両側にそれぞれ接続している。斜面10cおよび10dが、装置の残りの両側面3cおよび3dを表面1の両側にそれぞれ接続している。
【0026】
進入面1の各寸法を、最小の編み目サイズに一致するように別個独立に選択することができる。この表面1は、製造技術が許す限りにおいて可能な限り短い辺を有する正方形であってよい。
【0027】
図5が、図4の実施の形態の変種を、底面図にて示している。側面3cおよび3dも、糸要素を収容する溝4cおよび4dを備えている。この実施の形態においては、これらの溝4cおよび4dが、溝4aおよび4bと同様に、カバー9のリム11とチップ8の表面とによって定められている。したがって、装置が、織物の編み目の4本の糸を受け入れるように設計された4つの溝を矩形に配置して備えている。
【0028】
進入面1が、好ましくは、装置を挿入すべき織物の編み目の該当の寸法よりも小さい横寸法l1および縦寸法l7を有している。理想的には、一方の寸法および他方の寸法、すなわち溝4aおよび4bの底を隔てている寸法および溝4cおよび4dの底を隔てている寸法が、該当の方向の糸(横糸または縦糸)のピッチに実質的に等しい。
【0029】
このような装置が、図2および3に関して説明したやり方と同じやり方で織物に挿入される。装置が、進入面1を織物に向けて配置され、織物に向かって動かされる。表面1が編み目に進入し、斜面10a〜10dが編み目を形成している4本の糸を引き離す。これらの4本の糸が、溝4a〜4dの高さに達すると、弾性的な復帰によって溝4a〜4dに進入する。
【0030】
したがって、このような装置は、ひとたび織物の編み目に挿入されると、それぞれの溝4a〜4dに挿入された4本の糸によって固定される。これは、固定を改善するとともに、可能な電気相互接続の数を増やすことができる。
【0031】
図6が、上述した種々の実施の形態によるチップ装置が組み込まれた織物を概略的に示している。織物が、横糸12および縦糸13を備えている。横糸および縦糸が直角をなして示されており、縦糸および横糸のピッチが実質的に等しく示されており、したがって編み目が正方形である。当然ながら、糸の配置およびピッチは任意の性状であってよく、どのような性状であっても、本明細書に記載のチップ装置の使用に影響はなく、単に組み込み先の特定の織物に合わせた適切な寸法および形状のチップ装置を用意するだけでよい。
【0032】
参照番号14が、2本の横糸12と協働している図2および3の形式のチップ装置を指している。図示のとおり、この装置の横糸の方向の寸法(図3のl4)は、好ましくは縦糸13のピッチよりも小さい。
【0033】
参照番号15および16が、それぞれ図4および5の形式のチップ装置を指している。
【0034】
2つの溝しか備えない形式の装置(14または15)を挿入することによって織物に変形が生じることがないよう、ブロック用アイロン17を、装置の位置の各側において溝を持たない表面のレベルに追加し、隣り合う糸を溝を持たない表面に押し付けることができる。アイロン17は、装置が挿入される表面とは反対側の表面に位置する。アイロン17は、糸の挿入溝の長手軸に垂直な長手軸を有するバーの形態をとることができる。これにより、装置の挿入の実行時に加わる圧力が織物を害することがない。
【0035】
織物の変形を防止するために、織物を前もって貼り付けることで、織物に充分な剛性を与えることも可能である。
【0036】
溝への糸の挿入を確認することが望まれ、とくには導電性の糸を溝の壁と導電性のバンプ6a、6b(図2)との間に挟むべき場合に、糸の弾性的な復帰による溝への挿入後に溝を備える装置の縁へと押し付けられるクランプ顎(図示されていない)を設けることが可能である。このやり方で、糸の弾性力が不充分な場合にも、顎が溝への糸の挿入を完了させる。代案によれば、顎を、装置の縁に押し付けられる代わりに、装置の各側から出る糸を引き締めるように設計することができる。
【0037】
図7、8、および9が、チップ装置を織物に挿入するための方法における3つの状態を示している。
【0038】
図7において、装置が、最初に進入面1を織物に向けた状態に配置され、次いで織物に向かって動かされる。装置を織物の正確な位置(例えば、隣り合う特定の2本の糸18aおよび18bの間、または特定の編み目)に配置することが望まれる場合、進入面1が該当の編み目に対して中心合わせされ、あるいは該当の2本の糸18aおよび18bに対して中心合わせされる。そうでない場合、進入面1を編み目に対して中心合わせする必要はなく、編み目よりも小さく、斜面へとつながっているこの表面1が、織物への進入時に自動的な中心合わせをもたらす。
【0039】
図8においては、糸18aおよび18bが、装置が織物へと徐々に進入するにつれて、装置の斜面10aおよび10bによって徐々に引き離されている。
【0040】
図9においては、糸18aおよび18bが、溝4aおよび4bの高さに到達している。糸が、弾性効果によって初期の位置へと復帰し、それぞれの溝4aおよび4bに挿入される。
【0041】
図10および11が、チップ装置の第3の実施の形態の斜視図および底面図を示している。カバー9が、円錐によって形成され、円錐の底部が、チップ8との協働において4つの外周の溝4a〜4dを定めている。当然ながら、2つの反対向きの溝(4aおよび4b)だけを備える装置を製造することも可能である。溝の底が、円錐9の底部からチップ8へと延びている矩形(好ましくは、正方形)の台座11’によって定められている。円錐は、好ましくは図10および11に示されるように端部が切り落とされることで、進入面1を定めている。チップ8が、好ましくは円錐の底部が内接する正方形の外形を有する。チップ8の4つの角8a、8b、8c、および8dが、円錐の底部に対して突き出している。
【0042】
この装置は、上述した実施の形態と同様のやり方で織物へと挿入される。さらに、45°回転させられた状態で挿入され、すなわちチップの対角線を織物の糸に平行にした状態で挿入される場合に、角8a〜8dが編み目を定めている糸に当接して移動停止ストッパとして機能するという独自性を呈する。その後に装置に8分の1回転を加えることで、溝を糸に整列させ、糸を弾性的な復帰によってそれぞれの溝4a〜4dに挿入させることができる。
【0043】
この装置の代案の実施の形態(図示されていない)によれば、円錐の形態のカバー9が、円錐の表面に二条ねじ20を備え、各々のねじ山が2つの反対向きの溝の一方へと開いている。したがって、この二条ねじは、装置を2本の隣り同士の糸の間へのねじ込みによって挿入することを可能にする。このやり方で、組み立てが実行されるときに、二条ねじのねじ山が2本の隣り同士の縦糸または横糸に接触し、チップ装置を糸が溝に挿入されるまでチップ装置の自転によって織物へとねじ込むことができる。この実施の形態は、きわめて堅固な織物へのチップ装置のより容易な組み込みに役立つ。
【0044】
チップ装置は、発光ダイオードを備えることができ、あるいはチップ8によって実行することができる任意の他の種類の機能をもたらすことができる。したがって、いくつかの装置を織物に思慮深く配置することによって、正確なパターンを実現することが可能であり、これらの装置に導電性の糸を介して供給を行なうことが可能である。織物リボンにRFID形式の装置を挿入し、この装置のアンテナを、例えば銅で作られた織物の導電性の糸によって実現することも可能である。
【0045】
このような装置を、個人の地理的な移動および医学的経過の両方を追跡するために、インテリジェントな衣類に挿入することも可能である。
【0046】
装置の辺の寸法は、5mm未満であってよく、チップ8およびカバー9の厚さは、200μm未満であってよい。したがって、装置を、小さな物体を取り扱うための従来からの機械を使用して織物に挿入することができる。したがって、織物における挿入方法を、わずかなコストで確立させることができる。
【0047】
本明細書に記載した実施の形態について、多数の変種および変更が、当業者にとって明らかであろう。例えば、スペーサ形の要素をカバー9とチップ8との間に使用して、カバー9およびチップ8を互いに離し、溝の底を定めることができる。プリズム状、ピラミッド状、および円すい状の進入形状を説明したが、任意の他の凸状の形状も適切となりうる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子チップを備える装置であって、2つの開放溝を当該装置の両側に備えている装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現時点において、マイクロ電子チップを互いに機械的および電気的に接続するために、多数の技術が存在している。従来からの技法は、チップを基板上に形成し、ダイシングによって離した後、チップ間に堅固な機械的接続を形成することからなる。次いで、堅固な支持体上に固定されたチップが、保護コーティングの形成前に電気的に接続される。堅固な支持体上に接続を形成することからなるこの手法は、チップの接続がきわめて複雑である場合に、一般的に使用されている。しかしながら、堅固な機械的な支持体の使用ゆえ、とくには可撓な構造への統合に適さないという大きな欠点が存在する。
【0003】
本出願の出願人によって出願された文献WO2008/025889が、2つの平行な主平面1、2と、主平面1、2を接続する側面3a、3bとを備える図1に示されているとおりのマイクロ電子チップを記載している。側面3a、3bの各々が、電気接続要素(図示されていない)が設けられた溝4を備えており、溝4が、溝4の長手軸に平行な軸を有する糸要素(thread element)5のためのハウジングを形成している。電気接続要素は、溝4の金属化によって形成されている。
【0004】
溝4の長手軸に平行な軸を有する糸要素5を、溶接、材料の付加、電気分解、接着、または埋め込みによって溝4に固定することができる。これらの固定方法は、チップ装置のサイズが小さいがゆえに、実行が複雑である。
【0005】
次いで、このようにしてチップ装置が設けられた糸のペアを他の糸と織り合わせ、織物(fabric)を形成することができる。これは、製織の際の取り扱い時に、チップ装置がもぎ取られることがないように特定の用心を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、製織の実行時の用心を必要とすることなく単純なやり方で織物に電子チップ装置を取り入れることが追求される。このために、とりわけ、とくには完成した織物に属する張りつめた2本の平行な糸の間に簡単なやり方で組み込むことができるチップ装置を生み出すことが追求される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この要求が、特定の構成のチップ装置によって満たされる。装置が、電子チップと、装置の両側面に開いた2本の実質的に平行な溝とを備えている。溝の間隔が、糸の間隔に一致している。装置が、溝の平面に対して垂直な軸に沿った進入形状を呈しており、この進入形状が、溝のレベルに位置する底部と、糸の間隔よりも小さい寸法の頂上とを有している。
【0008】
装置が、装置の頂上を2本の糸の間に配置するステップと、2本の糸の間で装置を移動させ、装置の進入形状によって糸を互いに引き離すステップと、糸が溝へと進入して糸の初期の間隔へと復帰するまで、装置の移動を続けるステップとを含む方法に従って、2本の糸の間に挿入される。
【0009】
このようにして、電子チップを備える装置を含んでおり、この装置の両側面に2本の実質的に平行な溝が開いており、これらの溝に挿入された2本の実質的に平行な隣り同士の糸をさらに含んでいる織物であって、前記装置が、前記溝の平面に対して垂直な軸に沿った進入形状を呈しており、この進入形状が、前記溝のレベルに位置する底部と、前記糸を隔てている距離よりも小さいサイズの頂上とを有している織物を実現することができる。
【0010】
他の利点および特徴が、あくまでも例示を目的として提示され、添付の図面に示される本発明の特定の実施の形態についての以下の説明から、さらに明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】先行技術によるチップを示している。
【図2】チップ装置の実施の形態を示している。
【図3】図2の装置の底面図を示している。
【図4】チップ装置の別の実施の形態の底面図を示している。
【図5】図4の実施の形態の変種を底面図にて示している。
【図6】チップ装置が挿入された織物を上方から見て示している。
【図7】織物におけるチップ装置の挿入の工程を示している。
【図8】織物におけるチップ装置の挿入の工程を示している。
【図9】織物におけるチップ装置の挿入の工程を示している。
【図10】チップ装置の別の実施の形態を示している。
【図11】チップ装置の別の実施の形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上述したように、糸の挿入のための溝が設けられた電子チップ装置であって、織物(布地)に容易に取り入れることができる電子チップ装置を製造することが追求される。これらのチップ装置は、とくには、仕上がった織物へと組み込むことが可能である。換言すると、織物の製織に使用される糸に事前に固定する必要がない。
【0013】
一般的に、織物(布地)は、互いに実質的に平行な縦糸と、互いに実質的に平行であって、縦糸に交差する横糸とによって形成される。隣同士の2本の縦糸および隣同士の2本の横糸が、たいていは平行四辺形の全体形状を有する編み目を形成する。他の種類の織物および編み目も、当然ながら想定できる。
【0014】
以下でさらに詳しく説明されるチップ装置は、織物の編み目に挿入されるように設計された進入形状を呈する部位を含んでおり、そのような部位が、編み目を形成している糸を溝の高さに到達して弾性的な復帰によって溝に挿入するまで、装置に作用する圧力のもとで互いに引き離すように設計されている。より具体的には、該当の形状が、溝の平面に対して垂直な軸に沿った進入の特徴を呈している。底部が溝の高さに位置しており、頂上が、織物の隣り合う2本の糸を隔てている距離よりも小さいサイズを有している。「溝の平面」とは、溝が厳密には平行でない場合には、溝の長手軸の可能な限り近くを通過する平面を意味する。
【0015】
図2が、織物に組み込むことができるチップ装置の実施の形態の正面図を示している。図1の構成要素と同じ構成要素は、同じ参照番号によって指し示されている。
【0016】
装置は、電子チップ8と、装置の両側に位置する2つの開放溝4a、4bとを備えている。この実施の形態においては、溝が装置の両側に位置する2つの実質的に平行な表面3aおよび3bに形成され、溝の長手軸が実質的に平行である。溝4aおよび4bは貫通であり、すなわち表面3aおよび3bに垂直な装置の表面へと開いている。
【0017】
大部分の用途において、チップ8は、他のチップ、データバス、電源、アンテナ、などへと電気的に接続されるように設計されている。このために、溝4aおよび4bには、溝に挿入される糸へと接続される導電バンプ6aおよび6bが設けられており、それらの糸が導電性であり、あるいは導電繊維を含んでいる。バンプ6aおよび6bは、好ましくは溝の側壁に位置し、例えばチップと同じ側の側壁に位置する。各々のバンプは、バンプと反対側の溝の側壁との間に糸を固定できるようにする機械的な把持も形成することができる。
【0018】
装置は、この実施の形態においては台形断面である進入形状を有する部位9を備えている。台形の底部が、壁3aおよび3bの縁へと接続される一方で、台形の頂上が、装置の主表面のうちの1つ(例えば、表面1)を形成している。台形の斜辺が、10aおよび10bによって指し示されている。
【0019】
図3が、図2の装置の底面図を示している。この図に見て取ることができるとおり、部位9は、この実施の形態においてはプリズム状である。プリズムの斜面も、図2の台形の斜辺と同様に、10aおよび10bによって指し示されている。
【0020】
この進入形状は、装置を完成または途中まで完成した織物に容易に挿入することを可能にし、とくには張りつめられた隣り同士の2本の縦糸または横糸の間に容易に挿入することを可能にする。プリズムの上面1の寸法が、好ましくは織物の編み目の寸法よりも小さい。したがって、装置を、表面1(以下では「進入面」と称する)が2本の隣り合う糸に面しかつ溝4aおよび4bがこれらの糸に実質的に平行になるように位置させ、次いで表面1を2本の糸の間に進入させるだけでよい。進入の過程において、糸が、溝の高さに到達して弾性的な復帰によって溝へと挿入されるまで、プリズムの斜めの壁10aおよび10bによって互いに引き離される。
【0021】
装置を、2つの部分にて形成することができ、すなわち平たいチップ8に進入部9を形成するカバーを組み付けることができる。その場合、溝4aおよび4bは、好ましくはチップとカバーとの間の境界に形成される。この実施の形態においては、カバー9が、直角をなす表面によって溝の側壁および溝の底をそれぞれ定めている2つのリム11を備えている。溝の他方の側壁は、チップ8によって定められている。
【0022】
以下で説明される実施の形態においては、チップ装置の進入形状9がカバーによって達成される。当業者であれば、当然ながら、カバーの代わりにチップを、所望の形状を与えるように形作ることができるであろう。また、チップを含む一枚岩の部品を適切に形作ることによって装置を製造することも可能である。
【0023】
進入面1の横寸法l1が、好ましくは織物の糸のピッチよりも小さく、側面3aおよび3bを隔てている横寸法l2が、ピッチよりも大きい。理想的には、糸のピッチが、溝4aおよび4bの底を隔てている距離l3に実質的に等しい。
【0024】
プリズム9、したがって進入面1の長さl4は、装置の長さに等しい。この長さは、装置のサイズによって定まるため、織物の任意の編み目のサイズに合わせることがより困難である。したがって、図2および3の実施の形態は、編み目がプリズム9の軸の方向に細長い形状である織物への組み込みに適している。
【0025】
図4が、完成した織物の任意の形状の編み目への挿入により適しているチップ装置の実施の形態を、底面図にて示している。正面図は示されていないが、図2の正面図と同様である。カバー9が、ピラミッドの形状を有しており、ピラミッドの底部がチップ8と協働して溝4aおよび4bを定めている。ピラミッドは、通常は上部が切り落とされ、結果として頂上が進入面1を形成する。換言すると、カバー9が4つの斜面10a、10b、10c、10dを備えている。斜面10aおよび10bが、溝4a、4bを備える両側面3aおよび3bを表面1の両側にそれぞれ接続している。斜面10cおよび10dが、装置の残りの両側面3cおよび3dを表面1の両側にそれぞれ接続している。
【0026】
進入面1の各寸法を、最小の編み目サイズに一致するように別個独立に選択することができる。この表面1は、製造技術が許す限りにおいて可能な限り短い辺を有する正方形であってよい。
【0027】
図5が、図4の実施の形態の変種を、底面図にて示している。側面3cおよび3dも、糸要素を収容する溝4cおよび4dを備えている。この実施の形態においては、これらの溝4cおよび4dが、溝4aおよび4bと同様に、カバー9のリム11とチップ8の表面とによって定められている。したがって、装置が、織物の編み目の4本の糸を受け入れるように設計された4つの溝を矩形に配置して備えている。
【0028】
進入面1が、好ましくは、装置を挿入すべき織物の編み目の該当の寸法よりも小さい横寸法l1および縦寸法l7を有している。理想的には、一方の寸法および他方の寸法、すなわち溝4aおよび4bの底を隔てている寸法および溝4cおよび4dの底を隔てている寸法が、該当の方向の糸(横糸または縦糸)のピッチに実質的に等しい。
【0029】
このような装置が、図2および3に関して説明したやり方と同じやり方で織物に挿入される。装置が、進入面1を織物に向けて配置され、織物に向かって動かされる。表面1が編み目に進入し、斜面10a〜10dが編み目を形成している4本の糸を引き離す。これらの4本の糸が、溝4a〜4dの高さに達すると、弾性的な復帰によって溝4a〜4dに進入する。
【0030】
したがって、このような装置は、ひとたび織物の編み目に挿入されると、それぞれの溝4a〜4dに挿入された4本の糸によって固定される。これは、固定を改善するとともに、可能な電気相互接続の数を増やすことができる。
【0031】
図6が、上述した種々の実施の形態によるチップ装置が組み込まれた織物を概略的に示している。織物が、横糸12および縦糸13を備えている。横糸および縦糸が直角をなして示されており、縦糸および横糸のピッチが実質的に等しく示されており、したがって編み目が正方形である。当然ながら、糸の配置およびピッチは任意の性状であってよく、どのような性状であっても、本明細書に記載のチップ装置の使用に影響はなく、単に組み込み先の特定の織物に合わせた適切な寸法および形状のチップ装置を用意するだけでよい。
【0032】
参照番号14が、2本の横糸12と協働している図2および3の形式のチップ装置を指している。図示のとおり、この装置の横糸の方向の寸法(図3のl4)は、好ましくは縦糸13のピッチよりも小さい。
【0033】
参照番号15および16が、それぞれ図4および5の形式のチップ装置を指している。
【0034】
2つの溝しか備えない形式の装置(14または15)を挿入することによって織物に変形が生じることがないよう、ブロック用アイロン17を、装置の位置の各側において溝を持たない表面のレベルに追加し、隣り合う糸を溝を持たない表面に押し付けることができる。アイロン17は、装置が挿入される表面とは反対側の表面に位置する。アイロン17は、糸の挿入溝の長手軸に垂直な長手軸を有するバーの形態をとることができる。これにより、装置の挿入の実行時に加わる圧力が織物を害することがない。
【0035】
織物の変形を防止するために、織物を前もって貼り付けることで、織物に充分な剛性を与えることも可能である。
【0036】
溝への糸の挿入を確認することが望まれ、とくには導電性の糸を溝の壁と導電性のバンプ6a、6b(図2)との間に挟むべき場合に、糸の弾性的な復帰による溝への挿入後に溝を備える装置の縁へと押し付けられるクランプ顎(図示されていない)を設けることが可能である。このやり方で、糸の弾性力が不充分な場合にも、顎が溝への糸の挿入を完了させる。代案によれば、顎を、装置の縁に押し付けられる代わりに、装置の各側から出る糸を引き締めるように設計することができる。
【0037】
図7、8、および9が、チップ装置を織物に挿入するための方法における3つの状態を示している。
【0038】
図7において、装置が、最初に進入面1を織物に向けた状態に配置され、次いで織物に向かって動かされる。装置を織物の正確な位置(例えば、隣り合う特定の2本の糸18aおよび18bの間、または特定の編み目)に配置することが望まれる場合、進入面1が該当の編み目に対して中心合わせされ、あるいは該当の2本の糸18aおよび18bに対して中心合わせされる。そうでない場合、進入面1を編み目に対して中心合わせする必要はなく、編み目よりも小さく、斜面へとつながっているこの表面1が、織物への進入時に自動的な中心合わせをもたらす。
【0039】
図8においては、糸18aおよび18bが、装置が織物へと徐々に進入するにつれて、装置の斜面10aおよび10bによって徐々に引き離されている。
【0040】
図9においては、糸18aおよび18bが、溝4aおよび4bの高さに到達している。糸が、弾性効果によって初期の位置へと復帰し、それぞれの溝4aおよび4bに挿入される。
【0041】
図10および11が、チップ装置の第3の実施の形態の斜視図および底面図を示している。カバー9が、円錐によって形成され、円錐の底部が、チップ8との協働において4つの外周の溝4a〜4dを定めている。当然ながら、2つの反対向きの溝(4aおよび4b)だけを備える装置を製造することも可能である。溝の底が、円錐9の底部からチップ8へと延びている矩形(好ましくは、正方形)の台座11’によって定められている。円錐は、好ましくは図10および11に示されるように端部が切り落とされることで、進入面1を定めている。チップ8が、好ましくは円錐の底部が内接する正方形の外形を有する。チップ8の4つの角8a、8b、8c、および8dが、円錐の底部に対して突き出している。
【0042】
この装置は、上述した実施の形態と同様のやり方で織物へと挿入される。さらに、45°回転させられた状態で挿入され、すなわちチップの対角線を織物の糸に平行にした状態で挿入される場合に、角8a〜8dが編み目を定めている糸に当接して移動停止ストッパとして機能するという独自性を呈する。その後に装置に8分の1回転を加えることで、溝を糸に整列させ、糸を弾性的な復帰によってそれぞれの溝4a〜4dに挿入させることができる。
【0043】
この装置の代案の実施の形態(図示されていない)によれば、円錐の形態のカバー9が、円錐の表面に二条ねじ20を備え、各々のねじ山が2つの反対向きの溝の一方へと開いている。したがって、この二条ねじは、装置を2本の隣り同士の糸の間へのねじ込みによって挿入することを可能にする。このやり方で、組み立てが実行されるときに、二条ねじのねじ山が2本の隣り同士の縦糸または横糸に接触し、チップ装置を糸が溝に挿入されるまでチップ装置の自転によって織物へとねじ込むことができる。この実施の形態は、きわめて堅固な織物へのチップ装置のより容易な組み込みに役立つ。
【0044】
チップ装置は、発光ダイオードを備えることができ、あるいはチップ8によって実行することができる任意の他の種類の機能をもたらすことができる。したがって、いくつかの装置を織物に思慮深く配置することによって、正確なパターンを実現することが可能であり、これらの装置に導電性の糸を介して供給を行なうことが可能である。織物リボンにRFID形式の装置を挿入し、この装置のアンテナを、例えば銅で作られた織物の導電性の糸によって実現することも可能である。
【0045】
このような装置を、個人の地理的な移動および医学的経過の両方を追跡するために、インテリジェントな衣類に挿入することも可能である。
【0046】
装置の辺の寸法は、5mm未満であってよく、チップ8およびカバー9の厚さは、200μm未満であってよい。したがって、装置を、小さな物体を取り扱うための従来からの機械を使用して織物に挿入することができる。したがって、織物における挿入方法を、わずかなコストで確立させることができる。
【0047】
本明細書に記載した実施の形態について、多数の変種および変更が、当業者にとって明らかであろう。例えば、スペーサ形の要素をカバー9とチップ8との間に使用して、カバー9およびチップ8を互いに離し、溝の底を定めることができる。プリズム状、ピラミッド状、および円すい状の進入形状を説明したが、任意の他の凸状の形状も適切となりうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置を2本の糸へと組み付ける方法であって、
張りつめた実質的に平行な2本の糸(12、13)を用意するステップと、
電子チップ(8)を備えており、両側面に2本の実質的に平行な溝(4a、4b)が開いており、該溝を隔てている距離が前記糸を隔てている距離に対応している装置であって、前記溝の平面に対して垂直な軸に沿った進入形状を呈しており、該進入形状が、前記溝のレベルに位置する底部と、前記糸を隔てている距離よりも小さい寸法の頂上(1)とを有している装置を用意するステップと、
前記装置の前記頂上(1)を前記2本の糸の間に配置するステップと、
前記2本の糸の間で前記装置を移動させ、該装置の前記進入形状によって前記糸を互いに引き離すステップと、
前記糸が前記溝へと進入して前記糸の初期の隔たりの距離へと復帰するまで、前記装置の移動を続けるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記装置の前記進入形状が、円すい形であって2つのねじ山(20)を有する二条ねじを備えており、各々のねじ山(20)がそれぞれの溝(4a、4b)へと開いており、
前記ねじ山を前記2本の糸に接触させて配置するステップと、
前記装置にねじ込みの運動を加えるステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電子チップ(8)を備える装置を含んでおり、該装置の両側面に2本の実質的に平行な溝(4a、4b)が開いており、該溝に挿入された2本の実質的に平行な隣り同士の糸をさらに含んでいる織物であって、
前記装置が、前記溝の平面に対して垂直な軸に沿った進入形状を呈しており、該進入形状が、前記溝のレベルに位置する底部と、前記糸を隔てている距離よりも小さいサイズの頂上(1)とを有していることを特徴とする織物。
【請求項4】
前記装置の溝が、電気的接続(4a、4b)のためのバンプ(6a、6b)を備えており、該バンプを備える溝に挿入された糸が、導電性であって、前記バンプに電気的に接触していることを特徴とする請求項3に記載の織物。
【請求項5】
前記装置が、前記電子チップ(8)と協働して前記溝(4a、4b)を定めるカバー(9)を備えていることを特徴とする請求項3に記載の織物。
【請求項6】
前記カバー(9)が、ピラミッドの形状を有していることを特徴とする請求項5に記載の織物。
【請求項7】
前記カバー(9)が、円錐の形状を有していることを特徴とする請求項5に記載の織物。
【請求項8】
前記円錐が、2つのねじ山を有する二条ねじを備えており、各々のねじ山が前記溝(4a、4b)の一方へ開いていることを特徴とする請求項7に記載の織物。
【請求項9】
前記電子チップ(8)が、発光ダイオードを備えていることを特徴とする請求項4に記載の織物。
【請求項10】
前記装置が、矩形を形成するように配置された4つの溝(4a〜4d)を備えており、該4つの溝に、当該織物の編み目を形成している4本の糸が挿入されていることを特徴とする請求項3に記載の織物。
【請求項11】
前記装置の溝が、電気的接続(4a、4b)のためのバンプ(6a、6b)を備えており、該バンプを備える溝に対応する糸が、導電性であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記装置が、前記電子チップ(8)と協働して前記溝(4a、4b)を定めるカバー(9)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記カバー(9)が、ピラミッドの形状を有していることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記カバー(9)が、円錐の形状を有していることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項1】
装置を2本の糸へと組み付ける方法であって、
張りつめた実質的に平行な2本の糸(12、13)を用意するステップと、
電子チップ(8)を備えており、両側面に2本の実質的に平行な溝(4a、4b)が開いており、該溝を隔てている距離が前記糸を隔てている距離に対応している装置であって、前記溝の平面に対して垂直な軸に沿った進入形状を呈しており、該進入形状が、前記溝のレベルに位置する底部と、前記糸を隔てている距離よりも小さい寸法の頂上(1)とを有している装置を用意するステップと、
前記装置の前記頂上(1)を前記2本の糸の間に配置するステップと、
前記2本の糸の間で前記装置を移動させ、該装置の前記進入形状によって前記糸を互いに引き離すステップと、
前記糸が前記溝へと進入して前記糸の初期の隔たりの距離へと復帰するまで、前記装置の移動を続けるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記装置の前記進入形状が、円すい形であって2つのねじ山(20)を有する二条ねじを備えており、各々のねじ山(20)がそれぞれの溝(4a、4b)へと開いており、
前記ねじ山を前記2本の糸に接触させて配置するステップと、
前記装置にねじ込みの運動を加えるステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
電子チップ(8)を備える装置を含んでおり、該装置の両側面に2本の実質的に平行な溝(4a、4b)が開いており、該溝に挿入された2本の実質的に平行な隣り同士の糸をさらに含んでいる織物であって、
前記装置が、前記溝の平面に対して垂直な軸に沿った進入形状を呈しており、該進入形状が、前記溝のレベルに位置する底部と、前記糸を隔てている距離よりも小さいサイズの頂上(1)とを有していることを特徴とする織物。
【請求項4】
前記装置の溝が、電気的接続(4a、4b)のためのバンプ(6a、6b)を備えており、該バンプを備える溝に挿入された糸が、導電性であって、前記バンプに電気的に接触していることを特徴とする請求項3に記載の織物。
【請求項5】
前記装置が、前記電子チップ(8)と協働して前記溝(4a、4b)を定めるカバー(9)を備えていることを特徴とする請求項3に記載の織物。
【請求項6】
前記カバー(9)が、ピラミッドの形状を有していることを特徴とする請求項5に記載の織物。
【請求項7】
前記カバー(9)が、円錐の形状を有していることを特徴とする請求項5に記載の織物。
【請求項8】
前記円錐が、2つのねじ山を有する二条ねじを備えており、各々のねじ山が前記溝(4a、4b)の一方へ開いていることを特徴とする請求項7に記載の織物。
【請求項9】
前記電子チップ(8)が、発光ダイオードを備えていることを特徴とする請求項4に記載の織物。
【請求項10】
前記装置が、矩形を形成するように配置された4つの溝(4a〜4d)を備えており、該4つの溝に、当該織物の編み目を形成している4本の糸が挿入されていることを特徴とする請求項3に記載の織物。
【請求項11】
前記装置の溝が、電気的接続(4a、4b)のためのバンプ(6a、6b)を備えており、該バンプを備える溝に対応する糸が、導電性であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記装置が、前記電子チップ(8)と協働して前記溝(4a、4b)を定めるカバー(9)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記カバー(9)が、ピラミッドの形状を有していることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記カバー(9)が、円錐の形状を有していることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2013−519225(P2013−519225A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551659(P2012−551659)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【国際出願番号】PCT/FR2011/000065
【国際公開番号】WO2011/095708
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(510225292)コミサリア ア レネルジー アトミック エ オ ゼネルジー アルテルナティブ (97)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
【住所又は居所原語表記】Batiment Le Ponant D,25 rue Leblanc,F−75015 Paris, FRANCE
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【国際出願番号】PCT/FR2011/000065
【国際公開番号】WO2011/095708
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(510225292)コミサリア ア レネルジー アトミック エ オ ゼネルジー アルテルナティブ (97)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
【住所又は居所原語表記】Batiment Le Ponant D,25 rue Leblanc,F−75015 Paris, FRANCE
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]