説明

織物用発熱組成物及びこれを利用した発熱織物の製造方法

【課題】本発明は、着衣時に熱感を感じることができる織物に関する。本発明の課題は、ショウガ抽出物、界面活性剤、コラーゲン粉末、シリコン柔軟剤及び精製水からなる発熱組成物を、浸染又はパディング工程により織物に吸尽させ、これを乾燥させて発熱織物を提供することにある。
【解決手段】本発明によれば、血流量を増加させたり皮膚の水分と反応したりして発熱反応を起こすことにより体温の上昇又は維持効果を得ることができる。また、効率的な体温の維持を可能にすることにより暖房のためのエネルギーを低減できるという効果も有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織物の製造方法に関し、特に、寒い所での着用時に体温を上昇させることができる発熱織物の製造方法及びこれに利用される発熱組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、織物は衣類の原反機能の他に、別途の機能が追加された機能性原反を求める傾向が強まっているのが実情である。例えば、寒い地方で又は寒い天気下では衣類の着用を通して体温をできるだけ上昇又は維持できるようにする機能が求められる。従来は、厚い服又は体温を維持できる衣類を着用するという受動的な方法が利用されているだけであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、衣類の着用により体温を直接的に上昇させることができる発熱織物の製造方法及びこれに利用される発熱組成物を提供することにある。
【0004】
即ち、寒い地方で血流量を増加させたり皮膚の水分と反応して発熱反応を起こすことにより体温を直接的に上昇させることができる発熱織物の製造方法及びこれに利用される発熱組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するために、本発明は、1乃至20重量%のショウガ抽出物と、1乃至10重量%の界面活性剤と、15乃至30重量%のコラーゲン粉末と、5乃至20重量%のシリコン柔軟剤と、残量の精製水と、を含む織物用発熱組成物を提供する。
【0006】
また、2乃至10重量%のショウガ抽出物と、1乃至10重量%のカプサイシンと、1乃至10重量%の界面活性剤と、15乃至30重量%のコラーゲン粉末と、5乃至20重量%のシリコン柔軟剤と、残量の精製水と、を含む織物用発熱組成物を提供する。
【0007】
前記界面活性剤は、エーテル系界面活性剤、エステル系界面活性剤又はこれらの混合物であることを特徴とする。
【0008】
前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル又はこれらの混合物であることを特徴とする。
【0009】
他の観点では、本発明は、1乃至20重量%のショウガ抽出物と、1乃至10重量%の界面活性剤と、15乃至30重量%のコラーゲン粉末と、5乃至20重量%のシリコン柔軟剤と、残量の精製水とからなる織物用発熱組成物を製造する段階と、前記織物用発熱組成物が3乃至15重量%の割合で含まれた発熱加工液を浸染又はパディング工程を通して織物に吸尽させる段階と、前記発熱加工液が吸尽された織物を乾燥させる段階と、を含む発熱織物の製造方法を提供する。
【0010】
また、2乃至20重量%のショウガ抽出物と、1乃至10重量%のカプサイシンと、1乃至10重量%の界面活性剤と、15乃至30重量%のコラーゲン粉末と、5乃至20重量%のシリコン柔軟剤と、残量の精製水とからなる織物用発熱組成物を製造する段階と、前記織物用発熱組成物が3乃至15重量%の割合で含まれた発熱加工液を浸染又はパディング工程を通して織物に吸尽させる段階と、前記発熱加工液が吸尽された織物を乾燥させる段階と、を含む発熱織物の製造方法を提供する。
【0011】
前記界面活性剤は、エーテル系界面活性剤、エステル系界面活性剤又はこれらの混合物であることを特徴とする。
【0012】
前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル又はこれらの混合物であることを特徴とする。
【0013】
前記織物は、天然糸、化繊糸又はこれらの混紡糸からなる織物であることを特徴とする。
【0014】
前記浸染工程は、pH5.0乃至6.0、温度40乃至50℃の条件下で20乃至30分間行われることを特徴とする。
【0015】
前記パディング工程は、pH5.0乃至6.0、温度40乃至50℃の条件下で1乃至5分間行われることを特徴とする。
【0016】
前記乾燥段階は、温度100乃至130℃の条件下で1乃至5分間行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
前記のような本発明の方法によれば、多様な織物に新概念の織物コーティング用発熱組成物を安定的に固着させることができ、このように製造された発熱織物を利用して製造された衣類を着用するとき、別途の発熱手段によらなくても血流量を増加させて極寒の環境でも体温の上昇又は維持が可能という長所を有する。また、体液中の微細水分と反応して発熱するため、体温の上昇及び維持がより容易である。
【0018】
また、本発明の方法による発熱織物で製造された衣類を着衣するとき、効率的な体温の上昇又は維持が可能であるため、暖房のためのエネルギーを低減できるという付加的な効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】服を着用する前の身体表面の温度分布を示したものである。
【図2】本発明による発熱織物で製造された服を着用した後の身体表面の温度分布を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施例及び実験例によって具体的に説明する。
(1)織物用発熱組成物を製造する段階
−第1実施例−
【0021】
本発明の織物用発熱組成物は、ショウガ抽出物、界面活性剤、コラーゲン粉末、シリコン柔軟剤及び精製水からなる。
【0022】
組成物中の前記ショウガ抽出物の含有量は1〜20重量%の範囲であり、望ましくは4〜15重量%である。ショウガ抽出物の含有量が1重量%未満であれば発熱効果が小さく、20重量%を超過すれば組成物の保存安定性が低下する等の問題が発生する。ショウガ抽出物は、主成分が(S)-5-hydroxy-1-(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)-3-decanoneで表されるジンジャロール(gingerol)であり、炎症予防、細菌発育阻止、血流量増加の効果に優れている。
【0023】
前記界面活性剤は、組成物中の油性成分と水性成分とが乳化されるように媒介する成分で、その組成物中の含有量は1乃至10重量%の範囲であり、望ましくは4乃至8重量%の範囲で用いられるのがよい。このとき、界面活性剤の含有量が1重量%未満であれば、油性成分と水性成分との乳化が充分ではなくて組成物の安定性が低下する傾向があり、界面活性剤の含有量が10重量%を超過すれば、組成物の安定性が低下するという問題点と共に、特にショウガ抽出物の活性が低下するという傾向が表れるため、これらの含有量調節に留意するのが望ましい。
【0024】
前記界面活性剤としては、織物加工用組成物として適合する界面活性剤を使用することができるが、特に非イオン性界面活性剤を使用するのが効果的で、非イオン性界面活性剤の中でも特にエーテル型界面活性剤、エステル型界面活性剤又はこれらの混合物を使用するのが望ましい。具体例を挙げれば、前記非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル又はこれらの混合物であり得る。
【0025】
前記コラーゲン粉末は、織物への適用時、保湿性を維持することにより皮膚にしっとり感と弾力感を与える効果を有する。コラーゲンは人体皮膚の70〜80%を占める成分で、歳をとるにつれてコラーゲン成分が減少して皮膚が老化する。組成物中の前記コラーゲン粉末の含有量は3乃至20重量%の範囲であり、望ましくは3乃至15重量%である。コラーゲン粉末の含有量が3重量%未満であればコラーゲンの効果は発揮されず、20重量%を超過すれば組成物の保存安定性が低下するという問題が発生する。
【0026】
前記シリコン柔軟剤は、織物への適用時、織物をやわらかくする役割を行う成分で、前記ショウガ抽出物を織物の原反によく固着させ、耐久性を付与するバインダーとしての役割を行う。組成物中の前記シリコン柔軟剤の含有量は5乃至20重量%の範囲であり、望ましくは10乃至20重量%の範囲で用いられるのがよい。
【0027】
このようなショウガ抽出物、界面活性剤、コラーゲン粉末、シリコン柔軟剤を残量の精製水と混合して液状に形成される本発明の織物用発熱組成物は、常温で1年以上保管しても固液分離することなく安定性を維持するものである。前記織物用発熱組成物は褐色の粘稠液で、非イオン性であり、弱酸性乃至中性を帯びる。
−第2実施例−
【0028】
本発明による織物用発熱組成物は、ショウガ抽出物、カプサイシン、界面活性剤、コラーゲン粉末、シリコン柔軟剤及び精製水からなる。
【0029】
組成物中の前記ショウガ抽出物の含有量は2〜10重量%の範囲であり、望ましくは2〜6重量%である。ショウガ抽出物の含有量が2重量%未満であれば発熱効果が小さく、10重量%を超過すれば組成物の保存安定性が低下する等の問題が発生する。上述の通り、ショウガ抽出物の主成分はジンジャロールであり、血流量増加などの効果を有する。
【0030】
前記カプサイシンは、組成物中の含有量が1乃至10重量%の範囲であり、望ましくは3乃至7重量%の範囲である。この時、カプサイシンの含有量が1.0重量%未満であれば発熱効果が小さく、10重量%を超過して多すぎれば保存時の安定性が低下するという問題点が発生する。前記カプサイシンは、天然植物から分離された抽出物状態の天然カプサイシンや人為的に合成されたカプサイシンを用いることができるが、効率的な発熱効果のためには合成されたカプサイシンを用いるのが望ましい。カプサイシンは唐辛子の辛味をもたらす主成分である。
【0031】
前記界面活性剤は、組成物中の油性成分と水性成分とが乳化されるように媒介する成分で、その組成物中の含有量は1乃至10重量%の範囲であり、望ましくは4乃至8重量%の範囲で用いられるのがよい。この時、界面活性剤の含有量が1重量%未満と少なすぎれば、油性成分と水性成分との乳化が充分ではなくて組成物の安定性が低下する傾向があり、界面活性剤の含有量が10重量%を超過して多すぎれば、組成物の安定性が低下するという問題点と共に、特にショウガ抽出物及びカプサイシンの活性が低下する傾向が表れるため、これらの含有量調節に留意するのが望ましい。
【0032】
前記界面活性剤としては、織物加工用組成物として適合する界面活性剤を用いることができるが、特に非イオン性界面活性剤を用いるのが効果的で、非イオン性界面活性剤の中でも特にエーテル型界面活性剤、エステル型界面活性剤又はこれらの混合物を用いるのがよい。具体例を挙げれば、前記非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル又はこれらの混合物であり得る。
【0033】
前記コラーゲン粉末は、織物への適用時、保湿性を維持することにより皮膚にしっとり感と弾力感を与える効果を有する。コラーゲンは人体皮膚の70〜80%を占める成分で、歳をとるにつれてコラーゲン成分が減少して皮膚が老化する。組成物中の前記コラーゲン粉末の含有量は3乃至20重量%の範囲であり、望ましくは3乃至15重量%である。コラーゲン粉末の含有量が3重量%未満であればコラーゲンの効果は発揮されず、20重量%を超過すれば組成物の保存安定性が低下するという問題が発生する。
【0034】
前記シリコン柔軟剤は、織物への適用時、織物をやわらかくする役割を行う成分で、前記ショウガ抽出物及び前記カプサイシンを織物の原反によく固着させ、耐久性を付与するバインダーとしての役割を行う。組成物中の前記シリコン柔軟剤の含有量は5乃至20重量%の範囲であり、望ましくは10乃至20重量%の範囲で用いられるのがよい。
【0035】
前記ショウガ抽出物、カプサイシン、界面活性剤、コラーゲン粉末及びシリコン柔軟剤に残量の精製水が混合されて液状に形成される。このような本発明の織物用発熱組成物は、常温で1年以上保管しても固液分離することなく安定性を維持するものである。前記織物用発熱組成物は褐色の粘稠液で、非イオン性であり、弱酸性乃至中性を帯びる。
(2)浸染又はパディング工程を通して織物に、前記発熱組成物を含む発熱加工液を吸尽させる段階
【0036】
本発明の発熱織物は、天然糸、混紡糸及び化繊糸などの多様な繊維からなる織物全てに広く適用されることができ、望ましくは化繊糸を含んでなる織物に適用されることができるが、ナイロンのようなアミド系繊維や、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維などを含む混紡糸や化繊糸からなる織物に適用される場合、より優れた発熱特性が発揮される。
【0037】
前記第1実施例及び第2実施例の発熱組成物を織物に適用する場合、織物の種類により使用量を適切に加減調節でき、一般的には水で3乃至10重量%の濃度に希釈して使用すればよい。
【0038】
前記発熱加工液は浸染又はパディングによって織物に適用されるが、浸染時には、pH5.0乃至6.0、温度40乃至50℃の条件下で20乃至30分間処理するのが効果的で、パディング時には、pH5.0乃至6.0、温度40乃至50℃の条件下で1乃至5分間処理するのが効果的である。
【0039】
浸染時、pHが5.0未満であるか6.0を超過すれば発熱加工液の吸尽が充分でなく、また浸染温度が40℃未満であれば、同じく発熱加工液の吸尽が充分でない。浸染温度が50℃を超過すれば、吸尽された発熱加工液の安定性を阻害する傾向があるため、前記範囲を維持するのが望ましい。浸染時間が20分未満であれば、発熱加工液が織物中へ充分に吸尽されない傾向があり、30分を超過すれば、吸尽された発熱加工液が再び溶出されて充分な発熱効果が望み難い。
【0040】
パディング時、pHが5.0未満であるか6.0を超過すれば、発熱加工液が織物中へ充分に吸尽されず、また温度が40℃未満であれば、同じく発熱加工液が織物中へ充分に吸尽されない傾向がある。パディング時、温度が50℃を超過すれば、発熱加工液に含まれた発熱組成物の安定性が低下する。
(3)前記発熱加工液が吸尽された織物を乾燥する段階
【0041】
前記浸染又はパディング工程によって織物用発熱組成物を織物に適用した後、脱水及び乾燥段階を経れば、発熱組成物のうちのシリコン柔軟剤が架橋効果を表して織物により一層しっかり固着される。
【0042】
この時、乾燥温度は100乃至130℃の範囲が望ましく、乾燥時間は1乃至5分間であり得る。乾燥時間が1分未満であれば固着が不充分で、5分を超過すれば前記ショウガ抽出物及びカプサイシンの発熱効果が低下する。また、乾燥時間が前記時間よりも長くなれば、発熱効果は更に低下するであろう。
【0043】
かかる方法によって製造された本発明の発熱織物は、着衣時、皮膚と接触して血流量を高め発熱反応を起こすことにより、人体の皮膚温度を1乃至3℃程度上昇できる。また、着衣時、発熱効果が持続する効果を期待できる。織物への適用時、耐久性に優れていて洗濯を30回以上繰り返しても発熱性が維持された。また、坑菌及び抗湿効果を表して着衣時の快適さを維持できる。
【0044】
以下、発熱織物の具体的な製造方法を説明する。
(1)発熱組成物の製造
【0045】
1)第1実施例による組成物の製造
ショウガ抽出物10重量%及びソルビタン脂肪酸エステル4.5重量%を、ホモミキサーが装着された乳化機に投入し2000乃至3000rpmの速度で60分間高速攪拌してよく混合した後、シリコン柔軟剤(ORANGE Co., Ltd.製品、Orinstar SF-SEC)15重量%を、前記乳化機内の混合液を攪拌しながら30分にわたって少量ずつ添加し60分間2000乃至3000rpmの速度で1次乳化させた。次に、精製水20.5重量%を60分にわたって少量ずつ添加し60分間2000乃至2500rpmの速度で高速攪拌して均一な乳化液を製造した。そして、別途の攪拌機が取り付けられた容器にコラーゲン粉末20重量%及び精製水30重量%を投入して完全に溶解させたコラーゲン水溶液を前記乳化機に添加し、1500乃至2000rpmの攪拌速度で60分間攪拌して第1発熱組成物を製造した。
【0046】
2)第2実施例による組成物の製造
カプサイシン5重量%、ショウガ抽出物5重量%及びソルビタン脂肪酸エステル4.5重量%を、ホモミキサーが装着された乳化機に投入し2000乃至3000rpmの速度で60分間高速攪拌してよく混合した後、シリコン柔軟剤(ORANGE Co., Ltd.製品、Orinstar SF-SEC)15重量%を、前記乳化機内の混合液を攪拌しながら30分にわたって少量ずつ添加し60分間2000乃至3000rpmの速度で1次乳化させた。次に、精製水20.5重量%を60分にわたって少量ずつ添加し60分間2000乃至2500rpmの速度で高速攪拌して均一な乳化液を製造した。そして、別途の攪拌機が取り付けられた容器にコラーゲン粉末20重量%及び精製水30重量%を投入して完全に溶解させたコラーゲン水溶液を前記乳化機に添加し、1500乃至2000rpmの攪拌速度で60分間攪拌して第2発熱組成物を製造した。
(2)発熱織物の製造
【0047】
前記第1及び第2発熱組成物各々を水で7%の濃度に希釈した発熱加工液を、ポリエステルとポリウレタンの混紡トリコット(Tricot)織物(ポリエステル77%、20D ポリウレタン23%、KS K 0514:2006により測定された重量148.2g/m)にpH5、40℃の浸染条件下で25分間吸尽させ、脱水して130℃、22rpm/minの条件下で2分間熱加工することにより第1及び第2発熱織物を製造した。
(3)発熱織物の特性確認
[発熱性確認]
【0048】
前記第2発熱織物で製造された上衣を10分間着衣した後、着衣前後の体温変化を測定した。図1は着衣前、図2は着衣後10分経過時の赤外線撮影結果を示す。図1及び2によれば、温度が平均2乃至3℃上昇したことを確認することができる。このような結果は、ISO 6330:2000.11B規定によって、30±3℃、弱サイクル、2kgの条件下で連続30回洗濯及び乾燥した後も同一に表れた。
[抗菌度確認]
【0049】
繊維試験研究院(FITI)に依頼して前記第2発熱織物の坑菌度をKS K 0693:2006法で測定した。標準布としては綿織物を使用し、標準菌株としては黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus ATCC 6538、“菌株1”とする)と肺炎かん菌(Klebsiella pneumonia ATCC 4352、“菌株2”とする)を使用し、その結果を下記表1に示した。
【0050】
【表1】

【0051】
特に、前記菌株1(1.3×10cfu/ml)と菌株2(1.1×10cfu/ml)を使用しISO 6330:2000. 11B規定によって30±3℃、弱サイクル、2kgの条件下で連続30回洗濯及び乾燥(WOB洗剤使用、非イオン系界面活性剤 tween 80、接種菌液0.05%添加)した後、静菌減少率をKS K 0693:2001の方法を準用して測定した結果、菌株1及び菌株2両方とも99.9%で、これは本発明の方法によって製造された発熱織物に発熱組成物がよく固着されていることを意味すると見られる。
【0052】
以上、本発明の望ましい実施例を参照しながら説明したが、該当技術分野における熟練した当業者は、下記特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明の多様な修正及び変更が可能であることを理解し得るであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1乃至20重量%のショウガ抽出物と、
1乃至10重量%の界面活性剤と、
15乃至30重量%のコラーゲン粉末と、
5乃至20重量%のシリコン柔軟剤と、
残量の精製水と、を含む織物用発熱組成物。
【請求項2】
2乃至10重量%のショウガ抽出物と、
1乃至10重量%のカプサイシンと、
1乃至10重量%の界面活性剤と、
15乃至30重量%のコラーゲン粉末と、
5乃至20重量%のシリコン柔軟剤と、
残量の精製水と、を含む織物用発熱組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤は、エーテル系界面活性剤、エステル系界面活性剤又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の織物用発熱組成物。
【請求項4】
前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項3に記載の織物用発熱組成物。
【請求項5】
1乃至20重量%のショウガ抽出物と、1乃至10重量%の界面活性剤と、15乃至30重量%のコラーゲン粉末と、5乃至20重量%のシリコン柔軟剤と、残量の精製水とからなる織物用発熱組成物を製造する段階と、
前記織物用発熱組成物が3乃至15重量%の割合で含まれた発熱加工液を浸染又はパディング工程を通して織物に吸尽させる段階と、
前記発熱加工液が吸尽された織物を乾燥させる段階と、
を含む発熱織物の製造方法。
【請求項6】
2乃至20重量%のショウガ抽出物と、1乃至10重量%のカプサイシンと、1乃至10重量%の界面活性剤と、15乃至30重量%のコラーゲン粉末と、5乃至20重量%のシリコン柔軟剤と、残量の精製水とからなる織物用発熱組成物を製造する段階と、
前記織物用発熱組成物が3乃至15重量%の割合で含まれた発熱加工液を浸染又はパディング工程を通して織物に吸尽させる段階と、
前記発熱加工液が吸尽された織物を乾燥させる段階と、
を含む発熱織物の製造方法。
【請求項7】
前記界面活性剤は、エーテル系界面活性剤、エステル系界面活性剤又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項5又は6に記載の発熱織物の製造方法。
【請求項8】
前記界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項7に記載の発熱織物の製造方法。
【請求項9】
前記織物は、天然糸、化繊糸又はこれらの混紡糸からなる織物であることを特徴とする請求項5又は6に記載の発熱織物の製造方法。
【請求項10】
前記浸染工程は、pH5.0乃至6.0、温度40乃至50℃の条件下で20乃至30分間行われることを特徴とする請求項5又は6に記載の発熱織物の製造方法。
【請求項11】
前記パディング工程は、pH5.0乃至6.0、温度40乃至50℃の条件下で1乃至5分間行われることを特徴とする請求項5又は6に記載の発熱織物の製造方法。
【請求項12】
前記乾燥段階は、温度100乃至130℃の条件下で1乃至5分間行われることを特徴とする請求項5又は6に記載の発熱織物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−112052(P2012−112052A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259449(P2010−259449)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(510307761)ノベル イノベーションズ インコーポレイテッド (2)
【出願人】(510307772)
【Fターム(参考)】