説明

缶容器用包装体

【課題】缶容器を確実に係止することができる缶容器用包装体を提供すること。
【解決手段】相互に対向する第1及び第2の側面部11,21と、相互に対向する天面部31及び底面部41と、相互に対向する開口部51と、からなる缶容器用包装体1であって、前記天面部31及び底面部41の少なくとも何れか一方における前記開口51に臨む位置には缶容器Cの上面及び下面の少なくとも何れか一方の窪みの側面C1に当接して缶容器Cを係止する舌片部33,43が設けられ、前記天面部31及び底面部41の少なくとも何れか一方における前記舌片部33,43に対応する位置には、前記缶容器用包装体1の内部に向かって押込み可能な押込部35,45が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶容器用包装体に係り、特に、複数の缶容器を整列させて脱落しないように包装することができる缶容器用包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の缶容器をまとめて包装する、いわゆるマルチパックと呼ばれる包装形態がある。このマルチパックは、例えば、酒類や清涼飲料水などの缶容器を複数本束ねて、これを包装体によって脱落しないように包装するものである。
【0003】
このような缶容器用包装体の例としては、両側端部を開口した箱体の底板を内底と外底の二重底として構成し、天板及び内底と外底の両端に離脱防止用の舌片部を連続させ、この舌片部を天板及び底板の裏面に当接するよう折り曲げたものが開示されている(特許文献1参照)。この包装体は、底板を内底と外底の二重底として構成し、二枚の底板の両端部にそれぞれ離脱防止用の舌片部を連続させたので、缶底部の環状部形状がルーズに形成されている場合でも離脱防止用の舌片部が正確に缶を係止するものである。
【0004】
また、包装箱の底面部に切起し片を設け、この切起し片を引き起こして缶容器の底面の窪みに当接させるものも開示されている(特許文献2参照)。この包装箱では、組み立て後に切起し片を外部から缶の窪みに向けて押し当てることが可能である。このため、切起し片と缶容器との係止状態を外部から確認できると共に、係止状態が不適切な場合には事後的に外部から係止状態を適切に修正することができる。
【0005】
【特許文献1】特開平7−257636号
【特許文献2】実開昭60−24765号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記各特許文献に開示されている発明には、それぞれ問題点があった。すなわち、特許文献1の発明では、一旦缶容器を包装してしまうと、外部から舌片部へ力を加えることができなくなる。このため、舌片部が缶容器の上面のタブなどに接触して適切に缶容器を係止できていない場合でも、これを修正することは困難である。
【0007】
また、特許文献2の発明では、包装後の切起し片と缶容器との係止状態を修正することは可能であるが、当該文献の切起し片は、図3に示すように、缶容器を係止するのに包装箱の底面に対して僅かしか折り曲げられていない。このため、包装箱の材料によって生じる弾性力は小さく、振動などによって切起し片が缶容器の底から外れてしまうことも考えられる。また、当該文献では、切起し片が底面側にしか設けられておらず、缶容器の上部がずれて缶容器が傾いた場合には、切起し片が缶容器の底から外れてしまう可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、缶容器を確実に係止することができる缶容器用包装体を提供することを目的とする。本発明は、上記目的を達成するために、相互に対向する第1及び第2の側面部と、相互に対向する天面部及び底面部と、相互に対向する開口部と、からなる缶容器用包装体であって、前記天面部及び底面部の少なくとも何れか一方における前記開口に臨む位置には缶容器の上面及び下面の少なくとも何れか一方の窪みの側面に当接して缶容器を係止する舌片部が設けられ、前記天面部及び底面部の少なくとも何れか一方における前記舌片部に対応する位置には、前記缶容器用包装体の内部に向かって押込み可能な押込部が設けられている、という構成を採っている。
【0009】
このような構成を採ることで、缶容器用包装体を組み立てて缶容器を包装した場合に、舌片部が缶容器の窪みの側面に当接して、缶容器を係止して脱落を防止することができる。加えて、舌片部の係止状態が適切でない場合でも、押込部を内部に侵入させることによって舌片部を適切に缶容器に当接させることができる。このため、タブなどが邪魔になって舌片部が缶容器を適切に係止していない場合でも、包装後に係止状態を修正することができるようになる。また、押込部を内部に侵入させることによって形成される穴を通して、舌片部と缶容器との係止状態が確認できる。
【0010】
また、前記押込部は、前記窪みの側面の近傍に設けられている、という構成を採っている。
【0011】
また、前記押込部は、直線状の折曲線とこれに連結される曲折したミシン目とにより形成されている、という構成を採っている。
【0012】
また、前記押込み部は台形状である、という構成を採っている。
【0013】
更に、相互に対向する第1及び第2の側面部と、相互に対向する天面部及び底面部と、相互に対向する開口部と、からなる缶容器用包装体であって、前記天面部及び底面部の少なくとも何れか一方における、缶容器の上面及び下面の少なくとも何れか一方の窪みの側面に対応する位置には、前記缶容器用包装体の内部に向かって押込み可能で且つ前記窪みの側面に当接して缶容器を係止する押込部が設けられている、という構成を採っている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[全体概要]
次に、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、一列に配列された3本の缶容器を包装できるものであり、図1は、本実施形態の缶容器用包装体1の展開図である。この展開図から明らかなように、缶容器用包装体1は、第1の側面部11と、天面部31と、第2の側面部21と、底面部41とが順に連なった状態となっている。そして、底面部41には更に、第1の側面部11と接着される接着面部61が連接されている。各側面部11,21と天面部31及び底面部41並びに接着面部61との境界は折曲線L1となっている。
【0015】
また、天面部31及び底面部41の両端には、例えば半円状の舌片部33,43が連結されている。そして、天面部31及び底面部41に連結された舌片部33,43の近傍には、それぞれ押込部35,45が設けられている。更に、第1の側面部11には当該缶容器用包装体1を開封する際に破り取るための開封部13が形成されている。
【0016】
尚、本実施形態において、各側面部11,21、天面部31、底面部41、接着面部61および舌片部33,43は、一枚の紙から切り抜かれて一体的に形成されている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、それぞれの部分を個別に製作して事後的に連結してもよい。
【0017】
[第1の側面部]
第1の側面部11は、缶容器用包装体1が箱状に組み立てられた場合に、側面の一つになる部分である。第1の側面部11の形状は矩形であり、その寸法は図1に示すように、W×Hである。ここで、Wは缶容器用包装体1が組み立てられた場合の幅に相当する寸法であり、本実施形態では缶容器の直径の2倍程度の長さとなっている。これは、3本の缶容器のうち両端の2本の缶容器が略半径分それぞれ露出するように構成されているからである。尚、第1の側面部の形状は矩形に限定されるものではない。例えば、台形のような形状であってもよいし、上端部と下端部の幅が広く且つ中間部の幅が狭いくびれ部を有するような形状であってもよい。
【0018】
一方、Hは缶容器用包装体1が組み立てられた場合の高さに相当する寸法であり、本実施形態では缶容器の高さに相当する長さとなっている。また、第1の側面部11に形成された開封部13は、複数のくの字状の切断線から形成される2組のミシン目であり、第1の側面部11の幅Wの方向に沿って形成されている。また、開封部13の所定個所には、2組のミシン目を横断する切断線15が形成されている。これは、最初に指を入れて切断を開始するためのものである。尚、開封部13は本発明に必須なものではなく、必ずしも設ける必要はない。一方、本実施形態では、開封部13を第1の側面部11にのみ設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2の側面部21にも設けるようにしてもよい。
【0019】
[第2の側面部]
第2の側面部21は、第1の側面部11と基本的な形状や構造が略同一である。但し、上記したように、本実施形態の第2の側面部21には開封部13は形成されていない。
【0020】
[天面部]
次に、天面部31について説明する。天面部31は缶容器用包装体1が組み立てられた場合に上面になる部分であり、その形状は矩形であって寸法はW×Dである。寸法Dは缶容器の直径に相当する長さである。これは、上記したように、一列に整列された缶容器を包装するからである。
【0021】
また、天面部31の両端部(図1における左右両端)には、半円状の舌片部33が設けられている。この舌片部33は、缶容器用包装体1が組み立てられた際に、内側に折り曲げられて缶容器の上面の窪みの側面に当接するものである。このため、舌片部33の曲率は缶容器の窪みの側面の曲率とほぼ同じに形成されている。また、舌片部33の寸法は、舌片部33が折曲線L2を境に折り曲げられた場合に、先端部が缶容器の窪みの側面に接触するような値に設定されている。尚、舌片部33の上記形状(半円状)はあくまでも一例であり、他の形状の舌片部を用いるようにしてもよい。例えば、楕円形や四角形、台形であってもよい。四角形や台形を採用する場合には、缶の窪みの側面との接触部位に丸みをつけるようにしてもよい。
【0022】
また、天面部31における各舌片部33の近傍には、略半円状の押込部35が形成されている。この押込部35は、缶容器を収容して舌片部33で係止する場合に、舌片部33の係止状態をより確実にするために外方から舌片部33を押すためのものである。このため、押込部35は舌片部33が内部に折り曲げられた場合に、この舌片部33と重なるような位置に形成されている。より望ましくは、舌片部33が形成する半円の中心付近であって、舌片部33の先端部に対応する位置付近に形成する。
【0023】
押込部35は、直線部分35bが折曲線となっており、一方曲線部分35aはミシン目となっている。このため、缶容器用包装体1を組み立てた後に押込部35を内部に向かって押し込むと、曲線部分35aが破れると共に直線部分35bで折れ曲がる。このため、略半円状の押込部35が内部に傾斜して侵入することとなる。尚、上記した「曲線部分」という語句は、直線と直線とを組み合わせた折れ線や、直線と円弧とを組み合わせたようなものも含む趣旨である。また、「曲折した」という語句も直線と直線とを組み合わせた折れ線や、直線と円弧とを組み合わせたようなものも含む趣旨である。直線と円弧を組み合わせたものの例としては、台形の角を丸めたような形状である。
【0024】
尚、押込部35の形状は一例であって半円形に限定されるものではない。例えば、楕円形や単純な矩形状であっても良いし、台形その他の多角形であってもよい。また、本実施形態では、各舌片部33に対して1つの押込部35が形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、それぞれの舌片部33に対して2つ以上設けるようにしてもよい。
【0025】
[底面部]
底面部41は、天面部31と基本的な形状や構造が略同一である。但し、底面部41の両端に連結されている舌片部43は、天面部31に連結されているものよりも小さな半径の舌片部である。これは、包装する缶容器における下面の窪みの側面は、上面の側面よりも小さな曲率半径を有しているからである。但し、これは本実施形態に特有なものであって、窪みの側面の曲率半径が上面及び下面で同一であれば、各舌片部33,43の寸法も同じでよい。尚、舌片部および押込部は、天面部31及び底面部41の両方に設ける必要はなく、天面部31及び底面部41の少なくとも何れか一方にのみ形成するようにしてもよい。但し、天面部31および底面部41の両方に設けることで、缶容器をより安定的に係止することが可能である。
【0026】
[接着面部]
接着面部61は、底面部41に連接された細長い台形状の部分であり、この接着面部61に接着剤が塗布されて、第1の側面部11に接着されるようになっている。本実施形態の接着面部61は、第1の側面部11および底面部41と同じ幅Wを有しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、幅Wよりも狭い寸法の接着面部を設けるようにしても良いし、またその形状も台形ではなく、単純な矩形形状であってもよい。
【0027】
[組立状態]
次に、図2に基づいて、本実施形態の缶容器用包装体1の組立状態について説明する。図2に示すように、缶容器用包装体1が組み立てられると、略六面体状の包装箱となる。すなわち、第1の側面部11と第2の側面部21とが対向する位置となるように組み立てられ、同様に天面部31と底面部41とが対向する位置となるように組み立てられる。そして、六面体状の包装箱における側面部の内、上記した第1および第2の側面部11,21以外の部分は開口部51となっている。また、天面部31及び底面部41における、開口部51に臨む位置には舌片部33,43が設けられており、内部に向けて折り曲げることで、缶容器を係止できるようになる。
【0028】
[係止状態]
次に、図3及び図4に基づいて、缶容器Cを係止した状態を説明する。ここで、図3及び図4は、説明の便宜のために缶容器用包装体1と缶容器Cとを断面とした図である。缶容器用包装体1に缶容器Cが包装された状態では、缶容器Cの上面に位置する舌片部33が缶容器Cの窪みの側面C1に当接している。このとき、舌片部33の曲率は缶容器Cの窪みの側面C1の曲率とほぼ同じ値に設定されているため、窪みの側面C1においてほぼ半円に相当する範囲で相互に当接している。このような状態において、仮に両端部の缶容器Cに対して、缶容器用包装体1から脱落する方向に力が加わったとしても、舌片部33が缶容器Cを係止しており容易には外れないため、缶容器Cは安定的に保持される。特に、本実施形態の舌片部33は上面部31に対して折り曲げられており、元の状態に復帰しようとする復元力によって、舌片部33が缶容器Cの上面に確実に当接するようになっている。このため、振動などが加わった場合でも、舌片部33が缶容器Cから外れることはない。
【0029】
ところで、缶容器Cの上面には開封用のタブ(図示略)などが取り付けられており、表面は平坦ではない。例えば、舌片部33が缶容器Cに接触する位置にタブなどが存在する場合、舌片部33が缶容器Cの上面や窪みの側面C1に適切に当接しない場合もある。すなわち、舌片部33が缶容器Cの上面から浮いてしまい、缶容器Cの窪みの側面C1から外れやすくなってしまうのである。
【0030】
しかし、本実施形態では、舌片部33の他に押込部35が設けられていることで、缶容器を回転させてタブの位置をずらした上で、押込部を押込めば以下のように係止状態を確実にすることができる。すなわち、図3及び図4に示すように、舌片部33における缶容器Cとの当接部位の近傍には、押込部35が形成されている。この押込部35は、半円状のミシン目と直線状の折曲線によって形成されており、外部から押し込むことで、略半円状の押込部35を内部に向かって侵入させることができる。
【0031】
押込部35が侵入する位置は舌片部33の先端部(缶容器Cの上面と当接する部位)であり、押込部35を押し込むことで、同時に舌片部33を缶容器Cの上面に向けて押し下げることができるようになる。このように、押込部35を設けることで、仮に舌片部33が適切に缶容器Cを係止していない場合でも、包装後に係止状態を適切に修正することが可能となる。また、押込部35は開口となるため、この押込部35を通して舌片部33と缶容器Cとの係止状態を視認することが可能となる。尚、押込部35は直線部分(折曲線)35b(図1参照)によって缶容器用包装体1と連結状態を維持しているので、押込部35を押し込んだ場合でもゴミとして散乱することはない。
【0032】
尚、本実施形態の押込部の形状は半円状であるが、上記したように矩形状や台形状であってもよい。これら矩形状や台形状にした場合には、以下のような特別の効果を奏する。すなわち、押込部の高さ(直線部分35bに対して垂直な方向の寸法)を、缶容器の窪みの側面のうち最も遠い位置に接触するような値に設定すれば、押込部35と缶容器Cとの間に大きな摩擦力を発生させることができる。その理由は、押込部35を押し下げる際に、矩形や台形の角部は缶の上端縁に接触してそのままでは缶容器の窪みに収まらない。しかし、更に強い力で押込部35を押し下げると、押込部35の角部が変形しながら缶容器の側面に接触することとなる。そして、押込部35と缶容器Cの窪みの側面とは大きな接触面積を持つこととなる。このように、接触面積が大きくなることで、大きな摩擦力が発生するのである。ただし、矩形や台形の角部はミシン目に沿って押込部35を切る際に、予定外の部分でのちぎれが発生してしまうことも考えられるので、これを防止するために、角部には丸みをつけることが望ましい。また、押込部35が台形状の場合、矩形の場合と比べて角部が鈍角となり、ちぎれの発生が抑制されるので、台形状の方がより望ましい。
【0033】
押込部35と缶容器Cとの間に大きな摩擦力が発生している場合には、缶の回転や移動が抑制されるため、輸送時などにおいて、缶容器Cと缶容器用包装体1との擦れによる紙粉の発生や、缶同士の擦れによる印刷擦れの発生を防止でき、更には、店頭で缶容器の外観の見せたい部分を予め外側に向けておけば、缶容器の回転が生じないため販売促進の効果にもつながる。
【0034】
また、缶容器Cの底面についても上記と同様である。すなわち、缶容器Cの底面にも所定の窪みが形成されている。そして、この窪みの側面(正確には、僅かに傾斜した傾斜面)に舌片部43が当接して、缶容器Cを缶容器用包装体1に係止することができる。また、缶容器用包装体1の底面部にも押込部45が形成されているため、天面部31の場合と同様に、舌片部43の係止状態を適切に修正することが可能である。但し、上記したように、舌片部と押込部とを天面部31と底面部41の両方に設けることは、本発明にとって必須な事項ではない。すなわち、天面部31と底面部41の少なくとも何れか一方に設けられていれば、缶容器を係止することは可能である。
【0035】
[第2の実施形態]
次に、図5に基づいて、本発明の第2の実施形態について説明する。当該実施形態は、第1の実施形態との比較において、舌片部33,43が省略されている点が異なっている。すなわち、押込部35A,45Aのみによって缶容器Cを保持している。このため、押込部35A,45Aが内部に向かって押し込まれると、押込部35A,45Aの先端が缶容器Cの上面と窪みの側面C1に当接する。缶容器Cの下面も同様である。これにより、舌片部を用いた場合と同様に缶容器Cを係止することができる。
【0036】
このように、押込部35A,45Aのみによって缶容器Cを係止する場合には、以下のような理由によって缶容器用包装体1aを製造する際の必要材料を低減することができる。すなわち、図1に示すように、舌片部33,34も一体的に製造する場合には、幅Wに加えて舌片部の幅2つ分を加えた幅の紙を用いる必要がある。一方、舌片部を形成しない場合には、幅Wの紙を用いることができる。このように、舌片部を設けなければ、幅Wの長方形の紙を用いることができ、無駄になる部分を無くすことが可能となる。尚、押込部を、天面部31と底面部41の少なくとも何れか一方に設ければ良い点は、第1の実施形態と同様である。
【0037】
[その他の変形例]
以上は、3本の缶容器を一列に配列した場合の説明であるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば3本が一列に配列された缶容器を同時に二列、すなわち6本の缶容器を収納するような缶容器用包装体にも適用できる。その際には、天面部及び底面部の奥行きを缶容器の直径の2倍に広げる必要がある。そして、缶容器用包装体から露出する4本の缶容器のために、天面部および底面部に合計4組の舌片部と押込部を形成するか、あるいは4つの押込部を設ければよい。尚、舌片部と押込部とを、天面部31と底面部41の少なくとも何れか一方に設ければ良い点は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、缶容器を包装するための包装体に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る缶容器用包装体の展開図を示す。
【図2】図1に開示した缶容器用包装体を組み立てた状態を示す斜視図である。
【図3】缶容器を包装した状態の缶容器用包装体の断面図を示す。
【図4】缶容器を包装した状態の缶容器用包装体の断面斜視図を示す。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る缶容器用包装体であって、缶容器を包装した状態の断面図を示す。
【符号の説明】
【0040】
1、1a 缶容器用包装体
11 第1の側面部
21 第2の側面部
31 上面部
33 舌片部
35,35A 押込部
41 下面部
43 舌片部
45,45A 押込部
61 接着面部
C 缶容器
C1 側面
L1,L2 折曲線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に対向する第1及び第2の側面部と、相互に対向する天面部及び底面部と、相互に対向する開口部と、からなる缶容器用包装体であって、
前記天面部及び底面部の少なくとも何れか一方における前記開口に臨む位置には缶容器の上面及び下面の少なくとも何れか一方の窪みの側面に当接して缶容器を係止する舌片部が設けられ、
前記天面部及び底面部の少なくとも何れか一方における前記舌片部に対応する位置には、前記缶容器用包装体の内部に向かって押込み可能な押込部が設けられていることを特徴とする、缶容器用包装体。
【請求項2】
前記押込部は、前記窪みの側面の近傍に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の缶容器用包装体。
【請求項3】
前記押込部は、直線状の折曲線とこれに連結される曲折したミシン目とにより形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の缶容器用包装体。
【請求項4】
前記押込み部は台形状であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の缶容器用包装体。
【請求項5】
相互に対向する第1及び第2の側面部と、相互に対向する天面部及び底面部と、相互に対向する開口部と、からなる缶容器用包装体であって、
前記天面部及び底面部の少なくとも何れか一方における、缶容器の上面及び下面の少なくとも何れか一方の窪みの側面に対応する位置には、前記缶容器用包装体の内部に向かって押込み可能で且つ前記窪みの側面に当接して缶容器を係止する押込部が設けられていることを特徴とする、缶容器用包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−286445(P2009−286445A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142115(P2008−142115)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(309007911)サントリーホールディングス株式会社 (307)
【Fターム(参考)】