説明

置き畳

【課題】敷設した畳本体の周縁に枠材を配設することなく、畳本体の位置ずれを防止するとともに、外観上、見栄えのよい置き畳を提供すること。
【解決手段】矩形の畳本体10を複数枚敷設して構成され、畳本体10の四方の側面11に凹状の溝部11aを形成し、この溝部11aに隣接する畳本体10同士を連結する溝部11aの長手方向に延びる連結部材2を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置き畳に関し、特に、矩形の畳本体を複数枚敷設して構成する置き畳に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フローリング構造の床を一時的に又は使用用途の変更によって、和風に使用したいというニーズがあり、係るニーズに応えるために、矩形の畳本体を複数枚敷設して構成する置き畳が汎用されている。
【0003】
ところで、この種の置き畳は、畳本体を接するように敷設して使用するもので、敷設後に畳本体が動くことにより、隣接する畳本体の位置がずれ、畳本体の間に隙間が生じることがないように、敷設した置き畳の周縁に当接する囲い用の枠材を配設して、畳本体の位置ずれを防止するようにしている(例えば、特許文献1〜2参照。)。
【0004】
このため、置き畳を購入したユーザーは、複数の畳本体を所望の場所に敷設した後に、囲い用の枠材を用いて畳本体の位置ずれを防止する必要があり、枠材の組立に手数を要するとともに、外観上、複数枚敷設された畳本体の周縁に枠材が配設され、見栄えが悪いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−70527号公報
【特許文献2】特開2004−332407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の置き畳の有する問題点に鑑み、敷設した畳本体の周縁に枠材を配設することなく、畳本体の位置ずれを防止するとともに、外観上、見栄えのよい置き畳を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の置き畳は、矩形の畳本体を複数枚敷設して構成する置き畳において、前記畳本体の四方の側面に凹状の溝部を形成し、該溝部に隣接する畳本体同士を連結する溝部の長手方向に延びる連結部材を配設したことを特徴とする。
【0008】
この場合において、前記連結部材が、隣接する畳本体の溝部に配設する、嵌合凹部を備えた嵌合凹部部材からなり、隣接する畳本体に配設した嵌合凹部部材の嵌合凹部に、該嵌合凹部に押圧操作によって嵌合する弾性変形可能な嵌合爪を両側に備えた嵌合爪部材を跨るように配設することができる。
【0009】
また、畳本体の溝部に配設し、角部で突き合わせた嵌合凹部部材同士を、直角に屈曲形成した接合部材の両端に設けた係合爪を前記嵌合凹部部材に形成した係合孔に係合して固定することができる。
【0010】
また、前記連結部材が、隣接する一方の畳本体の溝部に配設する、該溝部から外向きに突出する嵌合凸部を備えた嵌合凸部部材と、他方の畳本体の溝部に配設する、前記嵌合凸部部材の嵌合凸部をスライド操作によって受け入れる嵌合凹部を備えた嵌合凹部部材とからなるようにすることができる。
【0011】
また、前記連結部材が、隣接する畳本体の溝部に配設する、嵌合凹部を備えた嵌合凹部部材からなり、隣接する畳本体に配設した嵌合凹部部材の嵌合凹部に、両側に嵌合凸部を備えた嵌合凸部部材をスライド操作によって跨るように配設することができる。
【0012】
また、前記連結部材が、隣接する一方の畳本体の溝部に配設する、該溝部から外向きに突出する弾性変形可能な嵌合爪を備えた嵌合爪部材と、他方の畳本体の溝部に配設する、前記嵌合爪部材の嵌合爪を押圧操作によって受け入れる嵌合凹部を備えた嵌合凹部部材とからなるようにすることができる。
【0013】
また、前記連結部材に、接地部を設けることができる。
【0014】
また、前記畳本体を、3枚の板状部材を積層して構成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の置き畳によれば、矩形の畳本体を複数枚敷設して構成する置き畳において、前記畳本体の四方の側面に凹状の溝部を形成し、該溝部に隣接する畳本体同士を連結する溝部の長手方向に延びる連結部材を配設したことにより、置き畳の周縁に当接する囲い用の枠材を用いることなく、畳本体を複数枚敷設したときに隣接する畳本体の側面の溝部内に配設した連結部材によって畳本体が連結され、外観上、見栄えがよく、敷設した状態で畳本体の位置ずれを生じさせることがない置き畳を提供することができる。
そして、この置き畳を構成する畳本体は、側面に凹凸の少ない均一な形状のものからなるため、使用しないときに積み重ねてコンパクトに収納することが可能であり、避難所や仮設住宅等の防災用の置き畳としても用いることができる。
【0016】
また、前記連結部材が、隣接する畳本体の溝部に配設する、嵌合凹部を備えた嵌合凹部部材からなり、隣接する畳本体に配設した嵌合凹部部材の嵌合凹部に、該嵌合凹部に押圧操作によって嵌合する弾性変形可能な嵌合爪を両側に備えた嵌合爪部材を跨るように配設することにより、押圧操作という簡単な操作で畳本体を連結して置き畳を構成することができるとともに、置き畳を収納する際も、所定以上の力を加えることで、容易に畳本体に分解して収納することができる。また、畳本体の溝部には同じ嵌合凹部部材を配設することとなり、連結部材を1種類に統一することができる。
【0017】
また、畳本体の溝部に配設し、角部で突き合わせた嵌合凹部部材同士を、直角に屈曲形成した接合部材の両端に設けた係合爪を前記嵌合凹部部材に形成した係合孔に係合して固定することにより、嵌合凹部部材を畳本体の溝部に接着剤による接着や、固着手段(例えば、ねじ等)による固着によることなく、配設することができるとともに、取り外しも簡単に行うことができる。
【0018】
また、前記連結部材が、隣接する一方の畳本体の溝部に配設する、該溝部から外向きに突出する嵌合凸部を備えた嵌合凸部部材と、他方の畳本体の溝部に配設する、前記嵌合凸部部材の嵌合凸部をスライド操作によって受け入れる嵌合凹部を備えた嵌合凹部部材とからなることにより、スライド操作以外では出し入れすることができず、一旦、嵌合して連結した後は、容易に外れることがなく、畳本体の位置ずれを防止することができる。
【0019】
また、前記連結部材が、隣接する畳本体の溝部に配設する、嵌合凹部を備えた嵌合凹部部材からなり、隣接する畳本体に配設した嵌合凹部部材の嵌合凹部に、両側に嵌合凸部を備えた嵌合凸部部材をスライド操作によって跨るように配設することにより、畳本体の溝部に配設する連結部材を1種類に統一することができる。
また、畳本体の溝部に嵌合凹部部材と嵌合凸部部材とを配設する場合でも、列単位で連結した畳本体群同士を連結する場合に、畳本体群の隣接する畳本体群同士の対向する溝部に、共に嵌合凹部部材を配設し、両側に嵌合凸部を備えた長尺の嵌合凸部部材を、対向する嵌合凹部部材の嵌合凹部にスライド操作によって嵌合させることにより、列単位で連結した畳本体群同士をスライド操作によって連結する場合よりも簡単に畳本体群を連結して置き畳を構成することができる。
【0020】
また、前記連結部材が、隣接する一方の畳本体の溝部に配設する、該溝部から外向きに突出する弾性変形可能な嵌合爪を備えた嵌合爪部材と、他方の畳本体の溝部に配設する、前記嵌合爪部材の嵌合爪を押圧操作によって受け入れる嵌合凹部を備えた嵌合凹部部材とからなることにより、押圧操作という簡単な操作で畳本体を連結して置き畳を構成することができるとともに、置き畳を収納する際も、所定以上の力を加えることで、容易に畳本体に分解して収納することができる。
【0021】
また、前記連結部材に、接地部を設けることにより、連結部材の溝部に嵌合されている部材と接地部とによって、畳本体の凹状の溝部を形成する畳本体の側面下側の凸部を挟み込むようにして連結部材を畳本体に固定することができる。
【0022】
また、前記畳本体を、3枚の板状部材を積層して構成することにより、畳本体の四方の側面に凹状の溝部を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の置き畳の第1実施例を示し、1枚の畳本体を実線で表した斜視図である。
【図2】同平面図である。
【図3】同置き畳を構成する畳本体の連結方法を示す概略図で、(a)は一方の畳本体の溝部に嵌合爪部材、他方の畳本体の溝部に嵌合凹部部材を配設し、対向させた状態を、(b)は一方の畳本体の嵌合爪部材を他方の畳本体の嵌合凹部部材に向けて押圧操作を開始し、嵌合爪が弾性変形した状態を、(c)は一方の畳本体の嵌合爪部材の嵌合爪が、他方の畳本体の嵌合凹部部材の嵌合凹部に嵌合された状態を示す正面図である。
【図4】本発明の置き畳の第2実施例を示し、1枚の畳本体を実線で表した斜視図である。
【図5】同置き畳に使用する連結部材を示し、(a)は一方の畳本体の溝部に配設した嵌合凸部部材を他方の畳本体の溝部に配設した嵌合凹部部材にスライド操作によって嵌合させた状態を、(b)は両方の畳本体の溝部に配設した嵌合凹部部材に両側に嵌合凸部を備えた嵌合凸部部材をスライド操作によって嵌合させた状態を示す正面図である。
【図6】本発明の置き畳の第3実施例を示し、1枚の畳本体を実線で表した斜視図である。
【図7】同置き畳に使用する連結部材及び接合部材を示し、(a)は一部切り欠きの図6のX−X断面図、(b)は一部切り欠きの(a)のY−Y断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の置き畳の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0025】
図1〜図3に、本発明の置き畳の第1実施例を示す。
この置き畳1Aは、矩形の畳本体10を複数枚敷設して構成され、畳本体10の四方の側面11に凹状の溝部11aを形成し、この溝部11aに隣接する畳本体10同士を連結する溝部11aの長手方向に延びる連結部材2を配設するようにしている。
そして、この連結部材2が、隣接する一方の畳本体10の溝部11aに配設する、溝部11aから外向きに突出する弾性変形可能な嵌合爪20aを備えた嵌合爪部材20と、他方の畳本体10の溝部11aに配設する、嵌合爪部材20の嵌合爪20aを押圧操作によって受け入れる嵌合凹部21aを備えた嵌合凹部部材21とからなるようにしている。
【0026】
また、この連結部材2には、接地部2Aを設けることができる。
この接地部2Aは、図3(a)に示すように、連結部材2となる嵌合爪部材20及び嵌合凹部部材21に、畳本体10の側面11に沿って下方に延びる延設部2Bから畳本体10の下面に沿って水平に延びるようにして設けられている。
この接地部2Aを設けることにより、連結部材2の溝部11aに嵌合されている部材と接地部2Aとによって、畳本体10の凹状の溝部を形成する畳本体10の側面下側の凸部を挟み込むようにして連結部材2を畳本体10に固定して配設することができる。
また、連結部材2の溝部11aへの配設方法は、接地部2Aを設けない場合には、溝部11aへの嵌着、接着剤による接着、溶剤による溶着、熱による融着、ねじ等の固着手段による固着又はこれらの併用によって配設することができる。
【0027】
嵌合凹部部材21の嵌合凹部21aは、嵌合凹部21aが形成する開口部に弾性変形して侵入する嵌合爪20aが抜け出すことを防止する係止爪21b、21bを内向きに対向するように突出して形成する。
【0028】
嵌合爪部材20の嵌合爪20aは、弾性変形して嵌合凹部部材21の嵌合凹部21aに侵入し嵌合される形状であれば、特に限定されるものではないが、本実施例においては、係止爪21b、21bに係合する外向きに突出した係合凸部を先端部に形成し、基端部が嵌合爪部材20の延設部2Bに接続された片持ち梁状態の板状体で構成するようにしている。
【0029】
そして、この連結部材2(嵌合爪部材20及び嵌合凹部部材21)の素材は、特に限定されるものではないが、本実施例においては、硬質の塩化ビニル素材を使用するようにしている。
【0030】
畳本体10は、その四方の側面11に凹状の溝部11aを形成するものであれば、その構成やその大きさは、特に限定されるものではないが、本実施例においては、3枚の板状部材を積層し、接着等の接合方法によって3枚の板状部材を接合し、四方の側面11に凹状の溝部11aを形成するようにしている。
また、その大きさもフローリング構造の床に敷設して使用するのに適したサイズとして、本実施例においては、一辺が約40cmの正方形となるようにしている。
【0031】
より具体的に、畳本体10は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル製の正方形の板材(厚みは約10mm)に布と畳(畳は表面となる板材にのみ使用する。)で被覆した板状部材を積層して用いる。
この板状部材は、表面となる第1層と底面となる第3層よりも中間層となる第2層の口径を小さくし、凹状の溝部11aを形成するようにしている。
また、連結部材2に接地部2Aを設けるときは、連結部材2の延設部2Bの厚み分だけ第3層の口径を第1層の口径よりも小さくして、隣接する畳本体10の第1層の側面11、11同士が当接するように構成する。
【0032】
連結部材2となる嵌合爪部材20及び嵌合凹部部材21は、畳本体10の隣接する2辺の側面11、11に形成した溝部11aに嵌合爪部材20を、残りの隣接する2辺の側面11、11に形成した溝部11aに嵌合凹部部材21を配設して、隣接する溝部11a、11aに、嵌合爪部材20と嵌合凹部部材21とが位置するようにして連結するものであるが、図2に示すように一側面又は二側面が置き畳1Aの周縁となる畳本体10の側面には連結部材2を配設する必要はない。
【0033】
次に、この置き畳1Aを構成する畳本体10の連結方法を説明する。
まず、隣接する一方の畳本体10の溝部11aに配設される溝部11aから外向きに突出する嵌合爪20aを備えた嵌合爪部材20と、他方の畳本体10の溝部11aに配設される内向きの係止爪21bを形成した嵌合凹部21aを備えた嵌合凹部部材21を対向させる(図3(a)参照)。
【0034】
次に、嵌合爪部材20を備えた一方の畳本体10を、嵌合凹部部材21を備えた他方の畳本体10に向けて押圧操作する。
このとき、嵌合爪20aは、嵌合凹部21aに形成した係止爪21bに当接するも、さらなる押圧操作によって弾性変形し、嵌合凹部部材21の嵌合凹部21aに形成した係止爪21bを乗り越える(図3(b)参照)。
【0035】
そして、嵌合凹部部材21の嵌合凹部21aに形成した係止爪21bを乗り越えた嵌合爪20aは、弾性変形が解除されて元の形状に復帰し、嵌合凹部21a内からは係止爪21bによって抜け出すことが防止され、所定以上の外力が付加されない限りは連結状態を維持する(図3(c)参照)。
【0036】
上記手順を隣接する畳本体10の対向する嵌合爪部材20と嵌合凹部部材21との間で行い、所定枚数(本実施例においては4×4=16枚)の畳本体10を連結して置き畳1Aを構成する。
このように、隣接する畳本体10を押圧操作によって連結可能な連結部材2を用いて連結することによって、置き畳1Aの周縁に囲い用の枠材を配設することなく、畳本体10同士が位置ずれを起こすことを有効に防止することができるとともに、置き畳1Aを収納する際も、所定以上の力を加えることで、容易に畳本体10に分解して収納することができる。
【実施例2】
【0037】
図4〜図5に、本発明の置き畳の第2実施例を示す。
この置き畳1Bは、第1実施例と同様、矩形の畳本体10を複数枚敷設して構成され、畳本体10の四方の側面11に凹状の溝部11aを形成し、この溝部11aに隣接する畳本体10同士を連結する溝部11aの長手方向に延びる連結部材2を配設するようにしている。
そして、この連結部材2が、隣接する一方の畳本体10の溝部11aに配設する、溝部11aから外向きに突出する嵌合凸部22aを備えた嵌合凸部部材22と、他方の畳本体10の溝部11aに配設する、嵌合凸部部材22の嵌合凸部22aをスライド操作によって受け入れる嵌合凹部23aを備えた嵌合凹部部材23とからなるようにしている。
【0038】
嵌合凹部部材23は、第1実施例の嵌合凹部部材21と同様の構造で、嵌合凹部部材23の嵌合凹部23aは、嵌合凹部23aが形成する開口部にスライド操作によって侵入する嵌合凸部部材22の嵌合凸部22aが抜け出すことを防止する係止爪23b、23bを内向きに対向するように突出して形成する。
【0039】
そして、嵌合凸部部材22は、嵌合凹部部材23の嵌合凹部23aに嵌合する嵌合凸部22aを形成する。
この嵌合凸部部材22の嵌合凸部22aは、第1実施例の嵌合爪20aと異なり、押圧操作による弾性変形によって、嵌合凹部部材23の嵌合凹部23aに出し入れ可能となる形状でなければ、特に限定されるものではないが、開口部に係止爪23b、23bを形成した嵌合凹部23aの空間形状と略同一のT字状に形成するようにしている。
これによって、嵌合凸部部材22の嵌合凸部22aは、スライド操作以外では出し入れすることができず、一旦、嵌合して連結した後は、容易に外れることがなく、畳本体10の位置ずれを防止することができる。
【0040】
また、連結部材2が、隣接する畳本体10の溝部11aに配設する、嵌合凹部23aを備えた嵌合凹部部材23からなり、この嵌合凹部部材23の嵌合凹部23aに、両側に嵌合凸部24a、24aを備えた嵌合凸部部材24をスライド操作によって跨るように配設して、隣接する畳本体10を連結することができる。
【0041】
この置き畳1Bは、列単位(例えば4枚の畳本体10を1列に連結した単位)では、隣接する溝部11aに、嵌合凸部部材22と嵌合凹部部材23とを配設してスライド操作によって連結し、4枚連結された畳本体10群同士の連結された長辺を連結する際に、隣接する畳本体10群同士の対向する溝部11aには共に嵌合凹部部材23を配設し、両側に嵌合凸部24a、24aを備え、4枚分の畳本体の長さ(本実施例においては、約160cm(約40cm×4))を有する嵌合凸部部材24を、対向する嵌合凹部部材23、23の嵌合凹部23a、23aにスライド操作によって嵌合させ、4枚で1列に連結されている畳本体10群を図2に示すように4列連結するようにしている。
また、置き畳1Bを構成する畳本体10の四方の側面11のいずれの溝部11aにも、嵌合凸部部材22を配設することなく、畳本体10と嵌合凹部部材23と嵌合凸部部材24とのみで構成することもできる。
【0042】
なお、本実施例のその他の構成及び作用は、上記第1実施例と同様である。
【実施例3】
【0043】
図6〜図7に、本発明の置き畳の第3実施例を示す。
この置き畳1Cは、第1、第2実施例と同様、矩形の畳本体10を複数枚敷設して構成され、畳本体10の四方の側面11に凹状の溝部11aを形成し、この溝部11aに隣接する畳本体10同士を連結する溝部11aの長手方向に延びる連結部材2を配設するようにしている。
そして、この連結部材2が、隣接する畳本体10の溝部11aに配設する、嵌合凹部26aを備えた嵌合凹部部材26からなり、隣接する畳本体10に配設した嵌合凹部部材26の嵌合凹部26aに、嵌合凹部26aに押圧操作によって嵌合する弾性変形可能な嵌合爪25aを両側に備えた嵌合爪部材25を跨るように配設するようにしている。
【0044】
嵌合凹部部材26の嵌合凹部26aは、嵌合凹部26aが形成する開口部に弾性変形して侵入する嵌合爪25aが抜け出すことを防止する係止爪26c、26cを内向きに対向するように突出して形成する。
【0045】
嵌合爪部材25の嵌合爪25aは、弾性変形して嵌合凹部部材26の嵌合凹部26aに侵入し嵌合される形状であれば、特に限定されるものではないが、本実施例においては、図7に示すように、両端の上下に係止爪26c、26cに係合する外向きに突出した係合凸部を形成する、断面H形状で、長手方向の長さを畳本体10の1辺の長さの10%〜20%程度の長さとなるようにし、長手方向の2箇所に配設して畳本体10を連結するようにしている。なお、長手方向の長さは、後述する接合部材3に干渉しない範囲で、嵌合凹部部材26と同等の長さとすることもできる。
【0046】
また、畳本体10の溝部11aに配設し、角部で突き合わせた嵌合凹部部材26、26同士を、直角に屈曲形成した接合部材3の両端に設けた係合爪30、30を嵌合凹部部材26に形成した係合孔26bに係合して固定することができる。
これによって、嵌合凹部部材26を畳本体10の溝部11aに接着剤による接着や、固着手段(例えば、ねじ等)による固着によることなく、配設することができるとともに、取り外しも簡単に行うことができる。
【0047】
接合部材3は、屈曲部分に外側に向かって延出する平面視円形の把持部31を形成するようにしている。これによって、係合爪30、30を嵌合凹部部材26の係合孔26bに係合する際及び取り外す際の利便性を向上させることができる。
【0048】
また、嵌合凹部部材26の係合孔26bは、本実施例においては、嵌合凹部26aを形成する立設辺の端部近傍に形成するようにしているが、底辺又は上辺に形成したり底辺及び上辺の両方に形成することができる。この場合、接合部材3の係合爪30を、係合孔26bの位置と一致するように形成する。
【0049】
なお、本実施例のその他の構成及び作用は、上記第1、第2実施例と同様である。
【0050】
以上、本発明の置き畳について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の置き畳は、敷設した畳本体の周縁に枠材を配設することなく、畳本体の位置ずれを防止するとともに、外観上、見栄えがよいという特性を有していることから、フローリング構造の床に敷設して使用する置き畳としての用途のほか、この置き畳を構成する畳本体は、側面に凹凸の少ない均一な形状のものからなるため、使用しないときに積み重ねてコンパクトに収納することが可能であり、避難所や仮設住宅等の防災用の置き畳としても用いることができる。
【符号の説明】
【0052】
1A 置き畳
1B 置き畳
10 畳本体
11 側面
11a 溝部
3 接合部材
30 係合爪
2 連結部材
2A 接地部
2B 延設部
20 嵌合爪部材
20a 嵌合爪
21 嵌合凹部部材
21a 嵌合凹部
22 嵌合凸部部材
22a 嵌合凸部
23 嵌合凹部部材
23a 嵌合凹部
24 嵌合凸部部材
24a 嵌合凸部
25 嵌合爪部材
25a 嵌合爪
26 嵌合凹部部材
26a 嵌合凹部
26b 係合孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形の畳本体を複数枚敷設して構成する置き畳において、前記畳本体の四側面に凹状の溝部を形成し、該溝部に隣接する畳本体同士を連結する溝部の長手方向に延びる連結部材を配設したことを特徴とする置き畳。
【請求項2】
前記連結部材が、隣接する畳本体の溝部に配設する、嵌合凹部を備えた嵌合凹部部材からなり、隣接する畳本体に配設した嵌合凹部部材の嵌合凹部に、該嵌合凹部に押圧操作によって嵌合する弾性変形可能な嵌合爪を両側に備えた嵌合爪部材を跨るように配設するようにしたことを特徴とする請求項1記載の置き畳。
【請求項3】
畳本体の溝部に配設し、角部で突き合わせた嵌合凹部部材同士を、直角に屈曲形成した接合部材の両端に設けた係合爪を前記嵌合凹部部材に形成した係合孔に係合して固定するようにしたことを特徴とする請求項2記載の置き畳。
【請求項4】
前記連結部材が、隣接する一方の畳本体の溝部に配設する、該溝部から外向きに突出する嵌合凸部を備えた嵌合凸部部材と、他方の畳本体の溝部に配設する、前記嵌合凸部部材の嵌合凸部をスライド操作によって受け入れる嵌合凹部を備えた嵌合凹部部材とからなることを特徴とする請求項1記載の置き畳。
【請求項5】
前記連結部材が、隣接する畳本体の溝部に配設する、嵌合凹部を備えた嵌合凹部部材からなり、隣接する畳本体に配設した嵌合凹部部材の嵌合凹部に、両側に嵌合凸部を備えた嵌合凸部部材をスライド操作によって跨るように配設するようにしたことを特徴とする請求項1又は4記載の置き畳。
【請求項6】
前記連結部材が、隣接する一方の畳本体の溝部に配設する、該溝部から外向きに突出する弾性変形可能な嵌合爪を備えた嵌合爪部材と、他方の畳本体の溝部に配設する、前記嵌合爪部材の嵌合爪を押圧操作によって受け入れる嵌合凹部を備えた嵌合凹部部材とからなることを特徴とする請求項1記載の置き畳。
【請求項7】
前記連結部材に、接地部を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の置き畳。
【請求項8】
前記畳本体を、3枚の板状部材を積層して構成するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の置き畳。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−19141(P2013−19141A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152052(P2011−152052)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(596039110)株式会社エス・バイ・ケイ (3)
【出願人】(511080694)日美商事株式会社 (3)
【Fターム(参考)】