Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
置換されたピリミドン誘導体
説明

置換されたピリミドン誘導体

式(I)のピリミドン誘導体であって:


式中:R1は4−ピリジン環を表わし;R2は水素原子を表わし;R3は水素原子を表わし;R4は:水素原子;フェニル環を表わし、この環は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されており;R5は、水素原子、C1−6アルキル基、4−ピリジン基、フェニル基を表わし、これらの基は場合により置換されており;R6は、水素原子、C1−6アルキル基、ベンジルオキシ基、フェニルC1−6アルキル基を表わし、これらの基は場合により置換されている、遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態である誘導体。治療的使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GSK3βの異常活性によって生じる神経疾患の予防的および/または治療的処置のための薬剤の活性成分として有用である化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
GSK3β(グリコーゲン合成酵素キナーゼ3β)は、代謝、分化および生存の制御に重要な役割を果たすプロリン指向性セリン・トレオニンキナーゼである。これは当初、リン酸化できる、故にグリコーゲン合成酵素を阻害し得る酵素として同定されていた。後に、GSK3βは、アルツハイマー病および幾つかのタウオパシー(taupathies)において高リン酸化されることもわかっているエピトープにおいてタウタンパク質をリン酸化する酵素であるタウタンパク質キナーゼ1(TPK1)と同一であることが認識された。
【0003】
興味深いことに、GSK3βのタンパク質キナーゼB(AKT)リン酸化により、このキナーゼ活性が消失し、こうした阻害が、幾つかの神経栄養因子の効果を媒介し得るという仮説が立てられている。さらに、細胞生存に関与するタンパク質であるβ−カテニンのGSK3βによるリン酸化は、ユビキチン化依存性のプロテアソーム経路によってこの分解をもたらす。
【0004】
従って、GSK3β活性の阻害が神経栄養活性をもたらし得るようである。実際、GSK3βの不競合阻害剤であるリチウムは、幾つかのモデルにおいて神経突起形成を促進し、さらに、Bcl−2のような生存因子の誘導およびp53およびBaxのようなアポトーシス促進性因子の発現の阻害によりニューロン生存を増大させるというエビデンスがある。
【0005】
最近の研究では、β−アミロイドがGSK3β活性およびタウタンパク質のリン酸化を増大させることが示されている。さらに、この高リン酸化、ならびにβ−アミロイドの神経毒性効果は、塩化リチウムによって、およびGSK3βアンチセンスmRNAによってブロックされる。これらの所見は、GSK3βが、アルツハイマー病における2つの主要な病理学プロセス:異常APP(アミロイド前駆体タンパク質)プロセッシングおよびタウタンパク質高リン酸化を関連させるものであり得ることを強く示唆している。
【0006】
タウ高リン酸化はニューロンの細胞骨格の不安定化をもたらすが、異常GSK3β活性の病理学的結果はほぼおそらく、上述したように、このキナーゼの過剰活性がアポトーシスおよび抗アポトーシス因子の発現の調節により生存に影響し得るからといって、タウタンパク質の病理学的リン酸化によるだけではない。さらに、GSK3β活性のβ−アミロイド誘導による増大は、リン酸化を生じ、故にエネルギー生産およびアセチルコリン合成の中心的酵素であるピルバート脱水素酵素の阻害をもたらすことが示されている。
【0007】
これらの実験的所見はともに、GSK3βが、神経病理学的結果の処置、およびアルツハイマー病に関連する認知障害および注意障害、ならびに他の急性および慢性の神経変性疾患およびGSK3βが調節解除された他の病態の処置に有用であり得ることが示されている(Nature reviews Vol.3,June 2004,p.479−487;Trends in Pharmacological Sciences Vol.25 No.9,Sept.2004,p.471−480;Journal of neurochemistry 2004,89,1313−1317;Medicinal Research Reviews,Vol.22,No.4,373−384,2002)。
【0008】
神経変性疾患としては、非限定的な様式において、パーキンソン病、タウオパシー(例えば前頭側頭型認知症、皮質基底核変性症、ピック病、進行性核上性麻痺)、ウィルソン病、ハンチントン病(The Journal of biological chemistry Vol.277,No.37,Issue of September 13,pp.33791−33798,2002)、プリオン病(Biochem.J.372,p.129−136,2003)および血管性認知症を含むその他の認知症;急性脳卒中およびその他の外傷;脳血管発作(例えば、老人性黄斑変性症);頭部外傷および脊髄損傷;筋委縮性側索硬化症(European Journal of Neuroscience,Vol.22,pp.301−309,2005)、末梢神経障害;網膜症および緑内障が挙げられる。最近の研究ではまた、GSK3βの阻害が、胚性幹細胞(ESC)の神経細胞分化をもたらすことがわかり、ヒトおよびマウスESCの再生およびこれらの多分化能の維持を支持する。これは、GSK3βの阻害剤が、再生医療に有用であり得ることを示唆している(Nature Medicine 10,p.55−63,2004)。
【0009】
GSK3βの阻害剤はまた、他の神経系障害、例えば双極性障害(躁鬱病)の処置に有用であり得る。例えばリチウムは、50年を超える間、気分安定剤および双極性障害のための主な処置として使用されている。リチウムの治療的作用は、GSK3βの直接的阻害剤となる用量(1から2mM)にて観察される。リチウムの作用機構は不明であるが、GSK3βの阻害剤は、リチウムの気分安定化効果を模倣するように使用できる。Akt−GSK3β情報伝達における交互変化はまた、統合失調症の病態に関係している。
【0010】
さらに、GSK3βの阻害は、癌、例えば結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌;TまたはB−細胞白血病、および幾つかのウイルス誘発腫瘍の処置に有用であり得る。例えば、GSK3βの活性形態は、結腸直腸癌患者の腫瘍にて上昇することが示されており、結腸直腸癌細胞におけるGSK3βの阻害は、p53−依存性アポトーシスを活性化し、腫瘍成長と拮抗する。GSK3βの阻害はまた、前立腺癌の細胞系においてTRAIL−誘導アポトーシスを増進させる。GSK3βはまた、紡錘体の動力学において役割を果たし、GSK3βの阻害剤は、染色体移動を防止し、微小管の安定化および低用量のTaxolを用いたときに観察されるものと同様の分裂前中期の停止を導く。他のGSK3β阻害剤の他の可能な適用としては、インスリン非依存性糖尿病(例えば糖尿病II型)、肥満症および脱毛症のための治療が挙げられる。
【0011】
ヒトGSK3βの阻害剤はまた、pfGSK3を阻害する可能性があり、この酵素のオルソログは熱帯熱マラリア原虫にて見出され、結果としてこれらはマラリアの処置のために使用できる(Biochimica et Biophysica Acta 1697,181−196,2004)。
【0012】
最近、ヒトの遺伝子的研究および動物の研究の両方において、骨質量の自然増加の主要なレギュレーターとしてWnt/LPR5経路の役割が指摘された。GSK3βの阻害は、古典的Wnt情報伝達の結果としての活性化を導く。不十分なWnt情報伝達は骨質量が減少する障害と関係しているので、GSK3β阻害剤はまた、骨質量の減少の障害、骨関連病態、骨粗鬆症を処置するために使用できる。
【0013】
最近のデータによれば、GSK3β阻害剤は、尋常性天疱瘡の処置または予防に使用できる。
【0014】
最近の研究では、GSK3β阻害剤の処置は、好中球および巨核球回復を改善することが示されている。故に、GSK3β阻害剤は、癌の化学療法によって誘発される好中球減少症の処置に有用である。
【0015】
以前の研究からは、GSK3活性は記憶固定の電気生理学的相関であるLTPを減少させることが示されており、この酵素の阻害剤が前認知活性を有し得ることを示唆している。化合物の前認知効果は、アルツハイマー病、パーキンソン病、老人性記憶障害、軽症の認知障害、頭部外傷、統合失調症、およびこうした欠損が見られる他の状態に特徴的な記憶障害の処置に有用であり得る。
【0016】
GSK3βの阻害剤はまた、実質性腎疾患の処置(Nelson PJ,Kidney International Advance online publication 19 dec 2007)および筋委縮性の予防または処置(J.Biol.Chem.(283)2008,358−366)にも有用であり得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Nature reviews Vol.3,June 2004,p.479−487;Trends in Pharmacological Sciences Vol.25 No.9,Sept.2004,p.471−480
【非特許文献2】Journal of neurochemistry 2004,89,1313−1317;Medicinal Research Reviews,Vol.22,No.4,373−384,2002
【非特許文献3】The Journal of biological chemistry Vol.277,No.37,Issue of September 13,pp.33791−33798,2002
【非特許文献4】Biochem.J.372,p.129−136,2003
【非特許文献5】European Journal of Neuroscience,Vol.22,pp.301−309,2005
【非特許文献6】Nature Medicine 10,p.55−63,2004
【非特許文献7】Biochimica et Biophysica Acta 1697,181−196,2004
【非特許文献8】Nelson PJ,Kidney International Advance online publication 19 dec 2007
【非特許文献9】J.Biol.Chem.(283)2008,358−366
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、異常GSK3β活性によって生じる疾患、より詳細には神経変性疾患の予防的および/または治療的処置のための薬剤の活性成分として有用な化合物を提供することにある。より詳細には、この目的は、アルツハイマー病のような神経変性疾患の予防および/または処置が可能な薬剤の活性成分として有用な新規な化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
従って、本発明の発明者らは、GSK3βに対して阻害活性を有する化合物を同定した。結果として、本発明者らは、次の式(I)によって表わされる化合物が所望の活性を有しており、上述した疾患の予防的および/または治療的処置のための薬剤の活性成分として有用であったことを見出した。
【0020】
故に本発明は、本発明の目的として、遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態において、式(I)によって表わされるピリミドン誘導体またはこれらの塩、これらの溶媒和物、またはこれらの水和物を提供する:
【0021】
【化1】

式中:
R1は4−ピリジン環を表わし;
R2は水素原子を表わし;
R3は水素原子を表わし;
R4は:
水素原子;
フェニル環を表わし、この環は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されており;
R5は、水素原子、C1−6アルキル基、4−ピリジン基、フェニル基を表わし、これらの基は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されており;
R6は、水素原子、C1−6アルキル基、ベンジルオキシ基、フェニルC1−6アルキル基を表わし、これらの基は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されている。
【0022】
故に本発明は、本発明の目的として、遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態において、式(I)によって表わされるピリミドン誘導体またはこれらの塩、これらの溶媒和物、またはこれらの水和物を提供する:
【0023】
【化2】

式中:
R1は4−ピリジン環を表わし;
R2は水素原子を表わし;
R3は水素原子を表わし;
R4は:
水素原子;
フェニル環を表わし、この環は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されており;
R5は、水素原子、C1−6アルキル基、4−ピリジン基、フェニル基を表わし、これらの基は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されており;
R6は、水素原子、C1−6アルキル基、ベンジルオキシ基、フェニルC1−6アルキル基を表わし、これらの基は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されているが、
ただし、R4およびR5が水素原子を表わす場合、R6はメチルまたはベンジルではない。
【0024】
本発明の別の態様によれば、式(I)によって表わされるピリミドン誘導体およびこれらの生理学的に許容される塩、およびこれらの溶媒和物およびこれらの水和物から成る群から選択される物質を活性成分として含む薬剤を提供する。薬剤の好ましい実施形態として、異常GSK3β活性によって生じる疾患の予防的および/または治療的処置に使用される上述の薬剤、および神経変性疾患およびさらに他の疾患、例えば:インスリン非依存性糖尿病(例えば糖尿病II型)および肥満症;マラリア、双極性障害(躁鬱病);統合失調症;脱毛症または癌、例えば結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB−細胞白血病、幾つかのウイルス誘発腫瘍および骨関連病態の予防的および/または治療的処置;実質性腎疾患の処置および筋委縮性症の予防的および/または治療的処置;認知障害および記憶障害の処置に使用される上述の薬剤を提供する。薬剤はまた、再生薬剤においても有用であり得る。
【0025】
本発明のさらなる実施形態として、疾患が神経変性疾患であり、アルツハイマー病、パーキンソン病、タウオパシー(例えば前頭側頭型認知症、皮質基底核変性症、ピック病、進行性核上性麻痺)、ウィルソン病、ハンチントン病、プリオン病、および血管性認知症を含むその他の認知症;急性脳卒中およびその他の外傷;脳血管発作(例えば、老人性黄斑変性症);頭部外傷および脊髄損傷;筋委縮性側索硬化症;末梢神経障害;網膜症および緑内障から成る群から選択されるような上述の薬剤、ならびに1つ以上の医薬添加剤と共に活性成分として上記物質を含有する医薬組成物の形態での上記薬剤を提供する。
【0026】
本発明のさらなる実施形態として、骨関連病態が骨粗鬆症である上述の薬剤を提供する。
【0027】
本発明はさらに、式(I)のピリミドン誘導体、およびこれらの塩、およびこれらの溶媒和物、およびこれらの水和物から成る群から選択される物質を活性成分として含むGSK3β活性の阻害剤を提供する。
【0028】
本発明のさらなる態様によれば、異常GSK3β活性によって生じる神経変性疾患の予防的および/または治療的処置のための方法であって、式(I)のピリミドン誘導体およびこれらの生理学的に許容される塩、およびこれらの溶媒和物、およびこれらの水和物から成る群から選択される物質の予防および/または治療に有効な量を患者に投与する工程を含む方法;ならびに上述の薬剤の製造のための、式(I)のピリミドン誘導体およびこれらの生理学的に許容される塩、およびこれらの溶媒和物、およびこれらの水和物から成る群から選択される物質の使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書で使用されるとき、C1−6アルキル基は、場合により直鎖、分岐鎖または環状C1−6アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロプロピルメチル基などによって置換されている1から6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基またはシクロアルキル基を表わす。
【0030】
1−2ハロゲン化アルキル基は、1から6個の水素がハロゲンによって置換されている、上記で定義されたようなC1−2アルキル基を表わす。
【0031】
1−6アルコキシ基は、アルキル基が上記で定義された通りである−O−C1−6アルキル基を表わす。
【0032】
上述の式(I)によって表わされる化合物は、塩を形成してもよい。塩の例としては、酸性基が存在する場合、アルカリ金属およびアルカリ土類金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびカルシウムの塩;アンモニアおよびアミン、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ビス(ヒドロキエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、およびL−グルカミンの塩;または塩基性アミノ酸、例えばリシン、δ−ヒドロキシリシンおよびアルギニンの塩が挙げられる。酸性化合物の塩基付加塩は、当分野において周知の標準手順によって調製される。
【0033】
塩基性基が存在する場合、例としては、鉱酸、例えば塩酸、臭化水素酸の塩;有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸などの塩が挙げられる。
【0034】
塩基性化合物の酸付加塩は、当分野において周知の標準手順によって調製され、この手順としては、適切な酸を含有する水性アルコール溶液中に遊離の塩基を溶解させること、溶液を蒸発させることによってまたは有機溶媒中で遊離塩基と酸とを反応させることによって、この場合は塩は直接分離するかまたは第2の有機溶媒を用いて沈澱させるか、または溶液の濃縮によって得ることができるが、それによって塩を単離することが挙げられるが、これらに限定されない。酸付加塩を調製するために使用できる酸は、好ましくは、遊離塩基と組み合わされる場合、医薬的に許容される塩、即ちこのアニオンが塩の医薬的用量において動物生体に対して比較的無害であり、結果として遊離塩基に固有の有益な特性がこのアニオンに起因する副作用によって妥協されない塩を生成するものを含む。塩基性化合物の薬剤として許容される塩が好ましいが、すべての酸付加塩が本発明の範囲内である。
【0035】
上述された式(I)によって表わされるピリミドン誘導体およびこれらの塩に加えて、これらの溶媒和物、およびこれらの水和物も本発明の範囲内である。
【0036】
本発明の第1の実施形態において、
R1は4−ピリジン環を表わし;
R2は水素原子を表わし;
R3は水素原子を表わし;
R4は、水素原子、ハロゲン原子、フェニル基を表わし;
R5は、水素原子、C1−6アルキル基、4−ピリジン環、フェニル基を表わし;
R6は、水素原子、C1−6アルキル基、ベンジルオキシ基、フェニルC1−6アルキル基を表わし、これらの基は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン、C1−6アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されている
化合物を、遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態にて提供するが、ただしR4およびR5が水素原子を表わす場合、R6はメチルまたはベンジルではない。
【0037】
本発明の別の実施形態において、
R1は4−ピリジン環を表わし;
R2は水素原子を表わし;
R3は水素原子を表わし;
R4は、水素原子、ハロゲン原子、フェニル基を表わし;
R5は、水素原子、C1−6アルキル基、4−ピリジン環、フェニル基を表わし;
R6は、水素原子、C1−6アルキル基、ベンジルオキシ基、フェニルC1−6アルキル基を表わし、これらの基は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン、C1−6アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されている、遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態である化合物を提供する。
【0038】
本発明の別の実施形態によれば、
R1は4−ピリジン環を表わし;
R2は水素原子を表わし;
R3は水素原子を表わし;
R4は、水素原子、またはフェニル環を表わし、この環は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されており;
R5は、水素原子、C1−6アルキル基、4−ピリジン基、フェニル基を表わし、これらの基は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されており;
R6は、水素原子、C1−6アルキル基、ベンジルオキシ基、フェニルC1−6アルキル基を表わし、これらの基は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されている、遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態である化合物を提供する。
【0039】
本発明の別の実施形態において、
R1は4−ピリジン環を表わし;
R2は水素原子を表わし;
R3は水素原子を表わし;
R4は、水素原子、ハロゲン原子またはフェニル環を表わし、この環は、場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されており;
R5は、C1−6アルキル基、4−ピリジン基、フェニル基を表わし、これらの基は、場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されており;
R6は、水素原子、C1−6アルキル基、ベンジルオキシ基、フェニルC1−6アルキル基を表わし、これらの基は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されている
化合物を、遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態にて提供する。
【0040】
本発明の別の実施形態によれば、
R1は4−ピリジン環を表わし、
R2、R2、R3、R4およびR5は水素原子を表わし、
R6は、水素原子、ベンジルオキシ基、フェニルC2−6アルキル基を表わし、これらの基は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されている、遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態である化合物を提供する。
【0041】
本発明の化合物の例を以降の表1に示す。しかし、本発明の範囲は、これらの化合物に限定されない。命名はIUPAC規則に従って付与される。
【0042】
本発明のさらなる目的は、この下に定義されるような式の表1の化合物群を含む:
1.2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
2.7−フェニル−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
3.8,9−ジメチル−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
4.8−フェニル−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
5.2,8−ジ−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
6.9−ベンジルオキシ−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
7.9−[2−(2−メトキシ−フェニル)−エチル]−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
8.2−ピリジン−4−イル−9−(2−o−トリル−エチル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
9.9−(3−フェニル−プロピル)−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
10.9−[2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−エチル]−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
11.9−[2−(2−フルオロ−フェニル)−エチル]−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
12.9−[3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピル]−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
【0043】
さらなる目的として、本発明はまた、上述の式(I)によって表されるピリミドン化合物を調製するための方法に関する。
【0044】
これらの化合物は、例えば、以下に説明される方法に従って調製できる。
【0045】
調製方法
上述の式(I)によって表されるピリミドン化合物は、スキーム1に記載される方法に従って調製できる。
【0046】
【化3】

【0047】
スキーム1
(上記スキームにおいてR1、R2、R3、R4、R5およびR6の定義は、式(I)の化合物について既に記載されたものと同一である。)
式(II)および(III)の化合物は市販されているか、または当業者に周知の方法に従って合成されてもよい。
【0048】
本発明の化合物は、GSK3βに対する阻害活性を有する。従って、本発明の化合物は、異常GSK3β活性によって引き起こされる疾患、およびより詳細にはアルツハイマー病のような神経変性疾患の予防的および/または治療的処置が可能な薬剤の調製のための活性成分として有用である。さらに、本発明の化合物はまた、神経変性疾患、例えばパーキンソン病、タウオパシー(例えば前頭側頭型認知症、皮質基底核変性症、ピック病、進行性核上性麻痺)、ウィルソン病、ハンチントン病、プリオン病、および血管性認知症を含むその他の認知症;急性脳卒中およびその他の外傷;脳血管発作(例えば、老人性黄斑変性症);頭部外傷および脊髄損傷;筋委縮性側索硬化症、末梢神経障害;網膜症および緑内障;ならびに他の疾患、例えばインスリン非依存性糖尿病(例えば糖尿病II型)および肥満症;マラリア、躁鬱病;統合失調症;脱毛症;癌、例えば結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB−細胞白血病、幾つかのウイルス誘発腫瘍および骨関連病態;実質性腎疾患または筋委縮性症の予防的および/または治療的処置のための薬剤の調製のための活性成分として有用である。薬剤はまた、再生医療にも有用であり得る。薬剤はまた、尋常性天疱瘡の処置または予防にも有用であり得る。薬剤はまた、癌の化学療法により誘発される好中球減少症の処置にも有用であり得る。薬剤はまた、認知障害および記憶障害、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、老人性記憶障害、軽症の認知障害、頭部外傷、統合失調症およびこうした欠損が見られる他の状態によって特徴付けられる疾患の治療的処置のために有用であり得る。
【0049】
本発明はさらに、GSK3βの異常活性によって生じる神経変性疾患および上述の疾患を処置するための方法に関し、この方法は式(I)の化合物の有効量を、処置の必要な哺乳類生体に投与することを含む。
【0050】
本発明の薬剤の活性成分としては、上述の式(I)によって表される化合物およびこれらの薬理学的に許容される塩、およびこれらの溶媒和物およびこれらの水和物から成る群から選択される物質を使用できる。この物質自体が、本発明の薬剤として投与されてもよい;しかし、活性成分として上述の物質および1つ以上の医薬添加剤を含む医薬組成物の形態での薬剤を投与することが望ましい。本発明の薬剤の活性成分として、2つ以上の上述の物質を組み合わせて使用してもよい。上述の医薬組成物は、上述の疾患の処置のための別の薬剤の活性成分で補われてもよい。医薬組成物のタイプは特に限定されず、組成物は、経口または非経口投与のためのいずれかの配合物として提供されてもよい。例えば医薬組成物は、例えば顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル、軟カプセル、シロップ、乳濁剤、懸濁液剤、溶液などのような経口投与のための医薬組成物の形態で配合されてもよく、または静脈内、筋肉内、または皮下投与のための注射、点滴、経皮調製物、経粘膜調製物、点鼻薬、吸入剤、坐剤などのような非経口投与のための医薬組成物の形態で配合されてもよい。注射または点滴は、凍結乾燥調製物の形態のような粉状調製物として調製されてもよく、生理食塩水のような適切な水性媒体中で使用する直前に溶解させることによって使用されてもよい。持続放出調製物、例えばポリマーでコーティングされたものを、脳内に直接投与してもよい。
【0051】
医薬組成物の製造のために使用される医薬添加剤のタイプ、医薬添加剤の活性成分に対する含有量比、および医薬組成物を調製する方法は、当業者によって適切に選択されてもよい。無機もしくは有機物質または固体もしくは液体物質は、医薬添加剤として使用されてもよい。一般に、医薬添加剤は、活性成分の重量に基づいて1重量%から90重量%の範囲の比にて組み込まれてもよい。
【0052】
固体医薬組成物の調製のために使用される賦形剤の例としては、例えばラクトース、スクロース、デンプン、タルク、セルロース、デキストリン、カオリン、炭酸カルシウムなどが挙げられる。経口投与のための液体組成物の調製に関して、従来の不活性希釈剤、例えば水または植物油が使用されてもよい。液体組成物は、不活性希釈剤に加えて、補助剤、例えば加湿剤、懸濁助剤、甘味料、香料、着色剤、および防腐剤を含有してもよい。液体組成物は、ゼラチンのような吸収性材料で構成されるカプセルに充填されてもよい。非経口投与、例えば注射、坐剤のための組成物の調製のために使用される溶媒または懸濁媒体の例としては、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、エチルオレアート、レシチンなどが挙げられる。坐剤のために使用されるベース材料の例としては、例えばカカオバター、乳化カカオバター、ラウリン酸脂質、ウィッテップゾ−ルが挙げられる。
【0053】
本発明の薬剤の投与用量および頻度は、特に限定されず、状態、例えば予防的および/または治療的処置の目的、疾患のタイプ、患者の体重または年齢、疾患の重症度などに依存して適切に選択されてもよい。一般に、成人への経口投与に関して毎日の用量は、0.01から1,000mg(活性成分の重量)であってもよく、用量は、1日に1回投与されてもよく、または分けた分量を一日に数回投与してもよく、または数日中に1回投与されてもよい。薬剤が注射として使用される場合、投与は、好ましくは、成人に対して0.001から100mg(活性成分の重量)の毎日の用量にて連続的にまたは間欠的に行われてもよい。
【0054】
化学実施例
【実施例1】
【0055】
(表1の化合物番号1)
2−ピリジン−4−イル―4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
ピリジン−2−アミン0.406g(4.31mmol)およびエチル3−(4−ピリジニル)−3−オキソプロピオナート1.00g(5.17mmol)を、ポリリン酸(84%最小)3gに添加した。反応混合物を、140℃にて12時間加熱した。冷却後、水を添加して、混合物を水酸化ナトリウム水溶液(30%)で中和して、クロロホルムで抽出した。抽出物を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、乾燥し、エバポレートした。得られた残渣を、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア水溶液(29%)の混合物を99/1/0.1から85/15/1.5の割合で用いて溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物0.154g(16%)を得て、これを通常の様式によりオキサラート塩に変換し、固体として純粋な生成物を得た。
MP:222−224℃
RMN H(DMSO−d;200MHz)
δ(ppm):9.10(d,1H),8.80(d,2H),8.15(d,2H),8.05(t,1H),7.80(d,1H),7.40(t,1H),7.15(s,1H)。
【実施例2】
【0056】
(表1の化合物番号2)
7−フェニル−2−ピリジン−4−イル―4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
5−フェニルピリジン−2−アミン0.20g(1.17mmol)およびエチル−3−(4−ピリジニル)−3−オキソプロピオナート0.227g(1.17mmol)の混合物に、酢酸アンモニウム0.180g(2.34mmol)を添加した。反応混合物を140℃で12時間加熱した。冷却後、水を添加し、混合物をクロロホルムで抽出した。抽出物を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、エバポレートした。得られた固体をメタノール中に溶解させ、酢酸エチル/エタノールの混合物を95/5の割合で用いて溶出する分取薄層クロマトグラフィーで精製して、所望の化合物0.10g(28%)を得て、これを通常の様式でオキサラート塩に変換して、固体として純粋な生成物を得た。
Mp:220−224℃
RMN H(DMSO−d;200MHz)
δ(ppm):9.20(d,1H),8.80(d,2H),8.45(dd,1H),8.20(d,2H),7.95(s,1H),7.85(m,2H),7.60(m,3H),7.20(s,1H)。
【実施例3】
【0057】
(表1の化合物番号4)
8−フェニル−2−ピリジン−4−イル―4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
ピリジン−2−アミンの代わりに、4−フェニルピリジン−2−アミン(Journal of Medicinal chemistry 1978,Vol.21,N°9,pp874−876に記載される合成)を用いて、実施例1に記載の方法と同様の方法によって、生成物を得て、これを通常の様式でオキサラート塩に変換して、固体0.155g(10%)を得た。
Mp:261−262℃
RMN H(DMSO−d;200MHz)
δ(ppm):9.10(d,1H),8.80(d,2H),8.20(m,3H),8.00(m,2H),7.85(dd,1H),7.60(m,3H),7.15(s,1H)。
【実施例4】
【0058】
(表1の化合物番号6)
9−ベンジルオキシ−2−ピリジン−4−イル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
3−(ベンジルオキシ)ピリジン−2−アミン5.02mmol)およびエチル3−(4−ピリジニル)−3−オキソプロピオナート1.16g(6.02mmol)の混合物に、酢酸アンモニウム0.774(10.04mmol)を添加した。反応混合物を150℃で12時間加熱した。冷却後、水を添加し、混合物をジクロロメタンで抽出した。抽出物を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、エバポレートした。得られた残渣を、ジクロロメタン/エタノールの混合物を99/1から90/10の割合で用いて溶出するシリカゲル上のクロマトグラフィーによって精製して、所望の化合物0.32g(19%)を得て、これを通常の様式で塩酸塩に変換して、黄色固体として純粋な生成物を得た。
MP:215−217℃
RMN H (DMSO−d;200MHz)
δ(ppm):9.00(d,2H),8.65(d,1H),8.50(d,2H),7.65(m,3H),7.50−7.30(m,5H),5.50(s,2H)。
【0059】
本発明を例示する上述の式(I)の化合物に関する化学的構造および物理的データのリストを表1に示す。化合物は実施例の方法に従って調製された。表にて、Meはメチル基を表わし、(dec.)は化合物の分解を示し;R1は4−ピリジン環を表わし;R2、R3は水素原子を表わす。
【0060】
【化4】

【0061】
【表1】

【0062】
試験実施例:GSK3βに対する本発明の薬剤の阻害活性
4つの異なるプロトコルが使用できる。
【0063】
第1のプロトコルにおいて:予めリン酸化されたGS1ペプチド7.5μMおよびATP(300,000cpmの33P−ATPを含有)10μMを、25mMのTris−HCl、pH7.5、0.6mMのDTT、6mMのMgCl、0.6mMのEGTA、0.05mg/mlBSA緩衝剤中で、GSK3β(総反応体積:100マイクロリットル)の存在下、室温にて1時間温置した。
【0064】
第2のプロトコルにおいて:予めリン酸化されたGS1ペプチド4.1μMおよびATP(260,000cpmの33P−ATPを含有)42μMを、80mMのMes−NaOH、pH6.5、1mMの酢酸マグネシウム、0.5mMのEGTA、5mMの2−メルカプトエタノール、0.02%のTween20、10%のグリセロール緩衝剤中で、GSK3βの存在下、室温にて2時間温置した。
【0065】
第3のプロトコルにおいて:予めリン酸化されたGS1ペプチド7.5μMおよびATP(300,000cpmの33P−ATPを含有)10μMを、50mMのHepes、pH7.2、1mMのDTT、1mMのMgCl、1mMのEGTA、0.01%のTween20緩衝剤中で、GSK3β(総反応体積:100マイクロリットル)の存在下、室温にて1時間温置した。
【0066】
第4のプロトコルにおいて:予めリン酸化されたGS1ペプチド7.5μMおよびATP(300,000cpmの33P−ATPを含有)10μMを、50mMのHepes、pH7.2、1mMのDTT、1mMのMgCl、1mMのEGTA、0.01%のTween20緩衝剤中で、市販のGSK3β(Millipore)(総反応体積:100マイクロリットル)の存在下、室温にて90分間温置した。
【0067】
阻害剤は、DMSO中にて可溶化させた(反応媒体中の最終溶媒濃度、1%)。
【0068】
反応は、ポリリン酸(85%P)25g、85%HPO126ml、HO500mlまでで構成された溶液100マイクロリットルで停止させ、次いで使用する前に1:100に希釈した。次いで反応混合物のアリコートを、Whatman P81陽イオン交換フィルターに移し、上述の溶液ですすいだ。組み込まれた33P放射活性を、液体シンチレーション分光法によって測定した。
【0069】
リン酸化GS−1ペプチドは次の配列を有していた:
NH2−YRRAAVPPSPSLSRHSSPHQS(P)EDEE−COOH。(Woodgett,J.R.(1989)Analytical Biochemistry 180,237−241。
【0070】
本発明の化合物のGSK3β阻害活性は、IC50にて表され、表1にある化合物のIC50の範囲は、例示として、30ナノモーラーから>10マイクロモーラー濃度である。
【0071】
例えば、プロトコル3において、表1の化合物番号4は、0.490μMのIC50を示し、表1の化合物番号7は、0.030μMのIC50を示す。
【0072】
配合実施例
(1)錠剤
以下の成分は、通常の方法によって混合され、従来の装置を用いることによって圧縮された。
実施例1の化合物 30mg
結晶性セルロース 60mg
コーンスターチ 100mg
ラクトース 200mg
ステアリン酸マグネシウム 4mg
【0073】
(2)軟カプセル
以下の成分は通常の方法によって混合され、軟カプセルに充填された。
実施例1の化合物 30mg
オリーブ油 300mg
レシチン 20mg
【0074】
(3)非経口調製物
以下の成分は、1mlのアンプルに含有された注射を調製するため通常の方法によって混合された。
実施例1の化合物 3mg
塩化ナトリウム 4mg
注射用の蒸留水 1ml
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の化合物は、GSK3β阻害活性を有し、GSK3βの異常活性によって生じる疾患、およびより詳細には神経変性疾患の予防的および/または治療的処置のための薬剤の活性成分として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)によって表わされるピリミドン誘導体であって:
【化1】

式中:
R1は4−ピリジン環を表わし;
R2は水素原子を表わし;
R3は水素原子を表わし;
R4は:
水素原子;
フェニル環を表わし、この環は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されており;
R5は、水素原子、C1−6アルキル基、4−ピリジン基、フェニル基を表わし、これらの基は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されており;
R6は、水素原子、C1−6アルキル基、ベンジルオキシ基、フェニルC1−6アルキル基を表わし、これらの基は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2ハロゲン化アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されている、
遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態であり、
R4およびR5が水素原子を表わす場合、R6はメチルまたはベンジルではない、ピリミドン誘導体。
【請求項2】
遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態において、式(I)によって表わされるピリミドン誘導体であって、
【化2】

式中、
R1は4−ピリジン環を表わし;
R2は水素原子を表わし;
R3は水素原子を表わし;
R4は、水素原子、ハロゲン原子、フェニル基を表わし;
R5は、水素原子、C1−6アルキル基、4−ピリジン環、フェニル基を表わし;
R6は、水素原子、C1−6アルキル基、ベンジルオキシ基、フェニルC1−6アルキル基を表わし、これらの基は場合により、C1−6アルキル基、ハロゲン、C1−6アルコキシ基から選択される1から4個の置換基によって置換されている、
ただしR4およびR5が水素原子を表わす場合、R6はメチルまたはベンジルではない、ピリミドン誘導体。
【請求項3】
2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
7−フェニル−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
8,9−ジメチル−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
8−フェニル−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
2,8−ジ−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
9−ベンジルオキシ−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
9−[2−(2−メトキシ−フェニル)−エチル]−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
2−ピリジン−4−イル−9−(2−o−トリル−エチル)−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
9−(3−フェニル−プロピル)−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
9−[2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−エチル]−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
9−[2−(2−フルオロ−フェニル)−エチル]−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
9−[3−(2−フルオロ−フェニル)−プロピル]−2−ピリジン−4−イル−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
から成る群から選択される、請求項1および3に記載の、ピリミドン誘導体またはこれらの塩、またはこれらの溶媒和物、またはこれらの水和物。
【請求項4】
請求項1から3に記載の、式(I)によって表わされるピリミドン誘導体またはこれらの塩、またはこれらの溶媒和物、またはこれらの水和物から成る群から選択される物質を活性成分として含む薬剤。
【請求項5】
請求項1から3に記載の、式(I)によって表わされるピリミドン誘導体またはこれらの塩から成る群から選択されるGSK3β阻害剤。
【請求項6】
異常GSK3β活性によって生じる疾患の予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項7】
神経変性疾患の予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項8】
神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、タウオパシー、血管性認知症;急性脳卒中、外傷;脳血管発作、頭部外傷、脊髄損傷;末梢神経障害;網膜症または緑内障から成る群から選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
インスリン非依存性糖尿病;肥満症;躁鬱病;統合失調症;脱毛症;癌;実質性腎疾患または筋委縮性症の予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項10】
癌が、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB−細胞白血病、およびウイルス誘発腫瘍である、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
マラリアの予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項12】
骨の疾患の予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項13】
尋常性天疱瘡の予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項14】
癌の化学療法によって誘発される好中球減少症の予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項15】
認知障害および記憶障害を特徴とする疾患の治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。

【公表番号】特表2011−525906(P2011−525906A)
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515668(P2011−515668)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/IB2009/006486
【国際公開番号】WO2009/156861
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(000002956)田辺三菱製薬株式会社 (225)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】