説明

置換した2−ピリジニル−6,7,8,9−テトラヒドロピリミド[1,2−a]ピリミジン−4−オンおよび7−ピリジニル−2,3−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(1H)オンの誘導体の中間体の製造方法

【課題】異常GSK3β、またはGSK3βおよびcdk5/p25活性、より詳細には、神経変性疾患に起因する疾患の予防および/または治療用医薬に使用できる化合物の製造方法の提供。
【解決手段】下記一般式(IV)を用いる置換した2-ピリジニル-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オンおよび2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オンの製造。


[式(IV)中、R1は、C3-6シクロアルキル基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ベンジル基またはハロゲン原子で任意に置換されていてもよい2、3または4-ピリジン環を表し;R5は、水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表し、Rは、エチル基である]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GSK3β単独の異常活性、またはGSK3βおよびcdk5/p25の組合せた効果に起因する神経変性疾患の予防および/または治療用医薬の有効成分として有用な化合物の製造のための3−ケトエステルの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GSK3β(グリコーゲンシンターゼキナーゼ3β)は、代謝、分化および生存の制御において重要な役割を果たすプロリン指向のセリン・トレオニンキナーゼである。それは当初、リン酸化することができる酵素として、このゆえにグリコーゲンシンターゼを阻害すると識別された。それは後に、アルツハイマー病および種々のタウオパシー(tauopathies)において、過リン酸化されると見出されもしているエピトープにおいて、タウプロテインをリン酸化するプロテインキナーゼ1 (TPK1)と同一であると認められた。
【0003】
興味深いことには、GSK3βのプロテインキナーゼB (AKT)リン酸化は、キナーゼ活性の消失という結果になり、この阻害は、神経組織栄養因子の効果のいくつかを媒体とすることができる仮説が立てられた。その上、細胞生存に関与するプロテイン、β-カテニンのGSK3βによるリン酸化は、プロテアソーム依存のユビキチン化による分解という結果になる。
【0004】
したがって、GSK3β活性の阻害は、神経組織栄養活性という結果になることができると見える。実際に、リチウム、GSK3βの非競合的な阻害剤が、いくつかのモデルにおいて神経生成を高め、Bcl-2のような生存因子の誘導ならびにP53およびバックス(Bax)のようなプロアポトーシスの発現の阻害を通して神経の生存も増すという証拠がある。
【0005】
最近の研究は、β-アミロイドが、GSK3β活性およびタウプロテインリン酸化を増加することを実証した。さらに、過リン酸化も同様に、β-アミロイドの神経毒効果もリチウムクロライドおよびGSK3βアンチセンスmRNAによりブロックされる。これらの観察は、GSK3βがアルツハイマー病における2つの主要な病的進行:異常APP (アミロイド前駆タンパク)進行およびタウプロテイン過リン酸化の間の関連であるかもしれないことを強く示唆している。
【0006】
タウの過リン酸化は、神経細胞の細胞骨格の不安定化という結果になるけれども、異常GSK3β活性の病的な結果は、たぶん、上記のように、キナーゼの過度の活性が、アポトーシスおよび抗アポトーシス因子の発現の制御を通して生存に影響を及ぼすことができるからといって、タウプロテインの病的なリン酸化だけによるものではない。さらに、GSK3β活性における誘発されたβ-アミロイドの増加は、リン酸化ならびに、このゆえのピルビン酸デヒドロゲナーゼ、エネルギー産生およびアセチルコリン合成における中心的な酵素の阻害という結果になることを示した。
【0007】
タウプロテインキナーゼ2 (TPK2)としても知られているCdk5/p25は、中枢神経系の発育ならびに、とりわけ神経細胞の移動および神経突起の成長に必須のプロリン指向のSer/Thrキナーゼである。Cdk5は、サイクリン依存性キナーゼの同属体であり、むしろいたるところで発現する。その活性化体p35または先端を切った形態のp25 (208aa、活性に必要でないN-末端のプロリンが豊富なドメインを欠落している)は、神経細胞で選択的に発現し、CNSに対して本質的なcdk5キナーゼ活性を制限している。Cdk5は、p35またはp25を欠くときは、完全に不活性である。p25およびそれほどでないがp35も病的な進行に関与し得ることを示唆する証拠が存在するから、用語「cdk5/p25」は、ここで活性な酵素に対して用いられる。
【0008】
Cdk25/p25の生理的な基質は、DARPP-32、Munc-18、PAK1、シナプシン1およびことによると他のいくつかを含む。その上、今やcdk5/p25は、アルツハイマー病において過リン酸化されているタウプロテインエピトープをリン酸化することが十分に立証されている。さらに最近、アルツハイマー病の患者の脳内で、高まったcdk5/p25活性、cdk5の非局在化およびp25活性化体の増加が見出された。興味深いことには、cdk5/p25によるタウプロテインの前リン酸化は、他のエピトープ、アルツハイマー病においても見出されているか、リン酸化体上のGSK3によるタウのリン酸化を相当に高める。さらに、神経原繊維濃縮体(アルツハイマー病の証し)は、GSK3βおよびcdk5には対するが、GSK3αおよびMAPキナーゼには対しない抗血清で標識化されるか、また、微小管と関連するGSK3βおよびcdk5ならびに両方は、PKAおよびCKよりもタウプロテインのAD様リン酸化に寄与する。ひとまとめにしたこれらの結果は、GSK3βおよびcdk5/p25の混合した阻害剤は、過リン酸化からのタウプロテインの保護において有効であることを示唆している。したがって、それらは、タウプロテインの異常リン酸化と関連するどんな病的障害、とりわけアルツハイマー病、しかし他のタウオパシー(例えば、前側頭頭頂性痴呆、大脳皮質基底核変性症、ピック病、進行性核上性麻痺)の治療に有益である。
【0009】
より一般的に言えばCdk5/p25は、アポトーシスおよび神経変性に関連している。その過度の発現は、cdk5に対して強い免疫反応性を示す培養神経細胞、脳組織アポトーシス性細胞においてアポトーシスを誘発する。Aβ(1-42)を含む神経毒性薬剤、神経的損傷、虚血または成長因子の禁断症候群は、cdk5/p25の活性および非局在化、cdk5基質の異常リン酸化、細胞骨格の崩壊および細胞死をもたらす。さらに、cdk5/p25によるリン酸化は、DARPP-32を、パーキンソン病に対して明らかに密接な関係を有する線条において形質導入シグナルを減少するプロテインキナーゼAの阻害剤に変換する。ALSにおけるcdk5に対する役割は、神経細線維をリン酸化する能力に基づいても提案されている。さらに最近、cdk5の統制撤廃が筋萎縮性側索硬化症のマウスのモデルにおいて検出された。
【0010】
要するに、これらの実験的な観察が、GSK3β阻害剤は、アルツハイマー病と同様に他の急性および慢性神経変性疾患に関連する神経病理学的結果ならびに認識および注意欠乏の治療において適用を見出すことができることを示している。これらは、パーキンソン病、タウオパシー(例えば、前側頭頭頂性痴呆、大脳皮質基底核変性症、ピック病、進行性核上性麻痺)および血管性痴呆を含む他の痴呆;急性発作および他の外傷;脳血管障害(例えば、加齢黄斑変性症);脳および脊髄損傷;末梢神経疾患;網膜症および緑内障を含むが、これらに限定されるものではない。
【0011】
さらに、GSK3β阻害は:インスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病のような)および肥満;躁うつ病;精神分裂病;脱毛;乳癌のような癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB-セル白血病および種々のウィルス腫瘍のような他の疾病の治療における適用を見出すことができる。
【0012】
GSK3βおよびcdk5/p25の両方が、神経性細胞におけるアポトーシスの誘発において重要な役割を果たしているように見えるので、これら2つの酵素を組合わせた阻害は、アルツハイマー病および他の上記のタウオパシーにおいてのみならず、他の神経変性疾患、とりわけパーキンソン病および筋萎縮性側索硬化症;血管性痴呆を含む他の痴呆;急性発作および他の外傷;脳血管障害(例えば、加齢黄斑変性症);脳および脊髄損傷;末梢神経疾患;網膜症および緑内障における適用を見出すことができる。
さらに、混合したTPK1/TPK2阻害剤は、それらの適用を、喫煙中止および他の禁断症候群ならびにてんかんのような他の疾病の治療において見出すことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Tetrahedron Letters、第30巻、第45号、第6113-6116頁、1989
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の一つの目的は、異常GSK3β、またはGSK3βおよびcdk5/p25活性、より詳細には、神経変性疾患に起因する疾患の予防および/または治療用医薬の有効成分として有用な化合物を提供することである。より具体的には、この目的は、アルツハイマー病のような神経変性疾患の予防および/または治療を可能にする医薬の有効成分として有用な新規の化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明の発明者らは、GSK3β、またはGSK3βおよびcdk5/p25に対して阻害活性を有する化合物を特定した。結果として、本発明者らは、次の式(I)で表される化合物が、所望の活性を有し、前記の疾患の予防および/または治療用医薬の有効成分として有用であることを見出した。
【0016】
したがって、本発明は、式(I):
【化1】

[式中、
Xは2つの水素原子、1つの硫黄原子、1つの酸素原子、または1つのC1-2アルキル基と1つの水素原子を表し;
【0017】
Yは、結合手、エテニレン基、エチニレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、スルホキシド基、カルボニル基、ヒドロキシイミノメチレン基、ジオキソラン基、またはC1-6アルキル基、フェニル基もしくはベンジル基で任意に置換されていてもよい窒素原子;
またはC1-6アルキル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、C1-2パーハロゲン化アルキル基、アミノ基、アセチルアミノ基もしくはフェニル基から選択される1つまたは2つの基で任意に置換されていてもよいメチレン基を表し;
【0018】
R1は、C3-6シクロアルキル基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ベンジル基またはハロゲン原子で任意に置換されていてもよい2, 3または4-ピリジン環を表し;
【0019】
Yが結合手、任意に置換されていてもよいメチレン基、ヒドロキシイミノメチレン基、ジオキソラン基またはカルボニル基を表すとき、R2は、ヒドロキシ基、C6,10アリールオキシまたはC6,10アリールアミノ基で任意に置換されていてもよいC1-6アルキル基;C3-6シクロアルキル基、C1-4アルキルチオ基、C1-4アルコキシ基、C1-2パーハロゲン化アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、フェニルチオ基、ベンジル基、ベンゼン環、インダン環、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環またはイミダゾール環を表し;このベンジル基またはこれらの環は、C1-6アルキル基、メチレンジオキシ基、ハロゲン原子、C1-2パーハロゲン化アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、ニトロ、シアノ、アミノ、C1-5モノアルキルアミノ基、C2-10ジアルキルアミノ基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基、C6,10アリールカルボニルアミノ基、C1-4アルキルスホニル基、C1-4アルキルスホニルオキシ基またはフェニル基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよい;
【0020】
Yが、エテニレン基、エチニレン基、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、スルホキシド基または任意に置換されていてもよい窒素原子を表すときは、R2は、ヒドロキシ基、C6,10 アリールオキシまたはC6,10 アリールアミノ基で任意に置換されていてもよいC1-6アルキル基;C3-6 シクロアルキル基、C1-2 パーハロゲン化アルキル基、C1-3 ハロゲン化アルキル基、ベンジル基、ベンゼン環、インダン環、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン環、ナフタレン環、C6,10 アリールアミノ、ピリジン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環またはイミダゾール環; C1-6アルキル基、メチレンジオキシ基、ハロゲン原子、C1-2 パーハロゲン化アルキル基、C1-3 ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基、ニトロ、シアノ、アミノ、C1-5 モノアルキルアミノ基、C2-10 ジアルキルアミノ基、C1-6 アルキルカルボニルアミノ基、C6,10 アリールカルボニルアミノ基、C1-4アルキルスホニル基、C1-4アルキルスホニルオキシ基またはフェニル基から選択される1〜4の置換基で任意に置換されていてもよいベンジル基または環を表し;
【0021】
R3は水素原子、C1-6アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子を表し;
R4は水素原子、C1-6アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子を表し;
R5は水素原子、C1-6アルキル基またはハロゲン原子を表すが、但し、R3およびR4がそれぞれ水素原子を表すときには、R5は水素原子ではなく;
【0022】
mが0に等しいとき、pは1、2または3に等しく、
mが1に等しいとき、pは0、1または2に等しく、
mが2に等しいとき、pは0または1に等しく;
そして、
nは0〜3を表す]
で表されるピリミドン誘導体もしくはその塩、またはそれらの溶媒和物もしくはそれらの水和物からなる群から選択される物質を提供するための、
【0023】
式(IV):
【化2】

[式中、R1は、C3-6シクロアルキル基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ベンジル基またはハロゲン原子で任意に置換されていてもよい2、3または4-ピリジン環を表し;R5は、水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表し、Rは、エチル基である]
の化合物と、
式(V):
【化3】

[式中、R3は水素原子、C1-6アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子を表し;R4は水素原子、C1-6アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子を表し;そして、mが0に等しいとき、pは1、2または3に等しく、mが1に等しいとき、pは0、1または2に等しく、mが2に等しいとき、pは0または1に等しい]
の化合物とを反応させることによる、
式(III):
【化4】

[式中、R1およびR5は、前記式(IV)で定義したとおりであり、R3、R4、mおよびpは、前記式(V)で定義したとおりである]
の化合物を製造するための、式(IV)の3−ケトエステルの使用方法が提供される。
【0024】
また、本発明によれば、R5がフッ素原子である、前記の式(IV)の3−ケトエステルの使用が提供される。
さらに、本発明によれば、エチル 2−フルオロ−3−オキソ−3−ピリジン−4−イルプロパノエートからなる前記の式(IV)の3−ケトエステルの使用方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のもう一つの観点としては、式(I)で表されるピリミドン誘導体、ならびに生理学的に許容されるそれらの塩、およびそれらの溶媒和物およびそれらの水和物からなる群から選択される物質を有効成分として含む薬剤が提供される。この薬剤の好ましい具体的態様は、異常GSK3β、またはGSK3βおよびcdk5/p25活性に起因する疾患の予防的および/または治療的処置に用いられる前記の薬剤、ならびに神経変性疾患、さらに、インスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病のような)および肥満;躁うつ病;精神分裂病;脱毛;喫煙中止および他の禁断症候群、てんかん;乳癌のような癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB-セル白血病および種々のウィルス腫瘍のような他の疾患の予防および/または治療的処置に用いられる前記の薬剤が提供される。
【0026】
本発明のさらに好ましい具体的態様としては、疾患が、神経変性疾患であり、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、タウオパシー(例えば、前側頭頭頂性痴呆、大脳皮質基底核変性症、ピック病、進行性核上性麻痺)および血管性痴呆を含む他の痴呆;急性発作および他の外傷;脳血管障害(例えば、加齢黄斑変性症);脳および脊髄損傷;末梢神経疾患;網膜症および緑内障からなる群から選択される前記の薬剤、ならびに上記の物質を有効成分として、1以上の医薬品添加物と共に含む医薬組成物の形態にある前記の薬剤が提供される。
【0027】
さらに本発明は、式(I)のピリミドン誘導体ならびにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの水和物を有効成分として含む、GSK3β、またはGSK3βおよびcdk5/p25活性の阻害剤を提供する。
【0028】
本発明のさらなる観点によれば、異常GSK3β、またはGSK3βおよびcdk5/p25活性に起因する神経変性疾患の予防的および/または治療的処置方法が提供される。それは、式(I)のピリミドン誘導体、ならびに生理学的に許容されるそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの水和物からなる群から選択される物質の予防的および/または治療的な有効量の患者への投与方法;および前記の薬剤の製造のための式(I)のピリミドン誘導体、ならびに生理学的に許容されるそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの水和物からなる群から選択される物質の使用を含む。
【0029】
ここで用いられているように、C1-6アルキル基は、炭素原子1〜6を有する直鎖または分枝状のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基などを表し;
【0030】
C1-4アルコキシ基は、炭素原子1〜4を有するアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基などを表し;
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を表し;
【0031】
C1-2パーハロゲン化アルキル基は、全ての水素がハロゲン原子で置換されたアルキル基、例えばCF3またはC2F5を表し;
C1-3ハロゲン化アルキル基は、少なくとも1つの水素がハロゲン原子で置換されていないアルキル基を表し;
【0032】
C1-5モノアルキルアミノ基は、1つのC1-5アルキル基、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基およびイソペンチルアミノ基で置換されたアミノ基を表し;
【0033】
C2-10ジアルキルアミノ基は、2つのC1-5アルキル基、例えば、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基およびジイソプロピルアミノ基で置換されたアミノ基を表し;
C6-10アリールアミノは、フェニルアミノ基またはナフチルアミノ基で置換されたアミノ基を表し;
C6-10アリールオキシは、フェニルオキシ基またはナフチルオキシ基を表す。
【0034】
ジオキソラン基は、次の基:
【化5】

を表し、
【0035】
ヒドロキシイミノメチレン基は、次の基:
【化6】

を表し、
【0036】
エテニレン基は、式:
【化7】

の二価の基を表し、
【0037】
エチニレン基は、式:
【化8】

の二価の基を表す。
【0038】
脱離基は、容易に開裂し、置換される基を表し、そのような基は、例えばトシルオキシ、メシルオキシ、臭化物などであり得る。
前記の式(I)で表される化合物は、塩を形成することができる。この塩の例は、酸性の基が存在する場合には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムのようなアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩;メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、エタノールアミン、N-メチルグルカミンおよびL-グルカミンのようなアンモニアおよびアミンの塩;またはリジン、δ-ヒドロキシリジンおよびアルギニンのような塩基性アミノ酸との塩を含む。酸性化合物の塩基付加塩は当業者に周知の標準的な方法により調製される。
【0039】
塩基性の基が存在する場合には、具体例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸のような鉱酸との塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、ケイヒ酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸およびサリチル酸のような有機酸との塩;アルパラギン酸およびグルタミン酸のような酸性アミノ酸との塩を含む。
【0040】
塩基性化合物の酸付加塩は当業者に周知の標準的な方法、しかしそれに制限されることはなく、適当な酸を含む水性アルコール溶液に遊離塩基を溶解し、溶液の蒸発により塩を単離することにより、または有機溶媒中で遊離塩基と酸を反応させることにより調製されるが、この場合、塩は直接分離するか、もしくは第2の有機溶媒で析出されるか、もしくは溶液の濃縮により得ることができる。酸付加塩の調製に用いられ得る酸は、遊離塩基と併せたときに、医薬的に許容される塩、すなわち、塩のアニオンが塩の医薬的投与量で動物の器官に対して比較的無害であるから、遊離塩基において固有の有益な特性がアニオンに起因する副作用により妥協されない塩を生成するものを好適に含む。塩基性化化合物の医薬的に許容される塩が好ましいけれども、全酸付加塩が本発明の範囲内である。
【0041】
前記の式(I)で表されるピリミドン誘導体およびそれらの塩に加えて、それらの溶媒和物および水和物も、本発明の範囲内に入る。前記の式(I)で表されるピリミドン誘導体は1以上の不斉炭素原子を有することができる。そのような不斉炭素原子の立体化学に関しては、それらは独立して、(R)および(S)配置のどちらかであることができ、ピリミドン誘導体は光学アイソマーまたはジアステレオアイソマーのようなステレオアイソマーとして存在することができる。純粋な形態のどんなステレオアイソマー、ステレオアイソマーのどんな混合物およびラセミ混合物なども本発明の範囲内に入る。
【0042】
本発明の好ましい化合物の例を、以下の表1および表2に示す。しかしながら、本発明の範囲はこれらの化合物により制限されるものではない。
【0043】
式(I)で表される本発明の好ましい化合物は:
(1) R1が3-または4-ピリミジン環、より好ましくはC1-2アルキル基、C1-2 アルコキシ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい4-ピリミジン環を表し;および/または
(2) Xが2つの水素原子、酸素原子またはC1-2アルキル基および水素原子を表し;
(3) Yがカルボニル基、ヒドロキシイミノメチレン基、ジオキソラン基;またはC1-6アルキル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、C1-4 アルコキシ基、C1-2 パーハロゲン化アルキル基、アミノ基、アセチルアミノ基またはフェニル基から選択される1つまたは2つの基で任意に置換されていてもよいメチレン基を表す
化合物も含む。
【0044】
式(I)で表される本発明のより好ましい化合物は:
(1) R1が非置換の4-ピリミジン環を表す化合物も含む。
【0045】
とりわけ、式(I)で表される本発明の好ましい化合物は、表1の化合物:
1.9-[3-(2-フルオロフェニル)-プロピル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
2.9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
3.9-(2-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
4.9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジフルオロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
5.9-(2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジフルオロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0046】
6.9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-3-フルオロ-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
7.9-[2-オキソ-2-(3-クロロフェニル)-エチル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
8.9-(2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9.9-[2-オキソ-2-(3-フルオロフェニル)-エチル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
10.9-[2-ヒドロキシ-2-(3-クロロフェニル)-エチル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0047】
11.9-[2-ヒドロキシ-2-(3-フルオロフェニル)-エチル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
12.9-(2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-3-フルオロ-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
13.9-[2-オキソ-2-(4-フルオロフェニル)-エチル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
14.9-[2-オキソ-2-(5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフト-2-イル)-エチル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
15.9-[2-オキソ-2-(3-メトキシフェニル)-エチル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0048】
16.9-[2-オキソ-2-(4-フェニルフェニル)-エチル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
17.9-[2-(1-メチル-2-オキソ-2-(3,4-メチレンジオキシ-5-メトキシフェニル)-エチル)]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
18.9-[2-オキソ-2-(4-クロロフェニル)エチル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
19.9-[2-オキソ-2-(ナフト-2-イル)-エチル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
20.9-[2-オキソ-2-(4-メチルフェニル)-エチル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0049】
21.9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-3-ブロモ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
22.9-(2(S)-メトキシ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
23.9-(3-フェニル-プロパノイル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
24.9-(2-ヒドロキシ-2-メチル-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
25.9-(2-メトキシ-2-フェニル-2-トリフルオロメチル-エタノイル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0050】
26.9-(2-ヒドロキシ-2,2-ジフェニルエチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
27.9-(2-ヒドロキシイミノ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
28.9-(2-ヒドロキシ-2-メチル-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-3-フルオロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
29.7,7-ジメチル-9-(2-フェニル-[1,3]ジオキソラン-2-イルエチル)-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
30.9-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0051】
31.(2(R)-メトキシ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
32.9-(2-ヒドロキシ-3-フェニルアミノプロピル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
33.9-(2-アセチルアミノ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
34.9-(2-アミノ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
35.9-(2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
36.9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-3-フルオロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
37.9-[2-オキソ-2-(3-フルオロフェニル)-エチル]-3-フルオロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
38.9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-3-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
39.9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-3-クロロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
40.9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-3-ブロモ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0052】
41.2-(7-メチル-6-オキソ-8-ピリジニル-3,4-ジヒドロ-2H,6H ピリミド[1,2-a]ピリミジン-1-イル)-N-フェニル-アセトアミド
42.9-(2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-3-クロロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
43.9-(2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-3-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
44.9-(2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-3-フルオロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
45.9-(2(S)-メトキシ-2-フェニル-エチル)-3-フルオロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0053】
46.9-(2(R)-メトキシ-2-フェニル-エチル)-3-フルオロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
47.9-[3-(2-フルオロフェニル)プロピル]-7-ヒドロキシ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
48.9-[3-(2-フルオロフェニル)プロピル]-7-メトキシ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
49.9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-7-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
50.9-(2-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-7-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0054】
51.9-(2-ヒドロキシ-2-メチル-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
52.9-(2-ヒドロキシ-2-メチル-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
53.9-(2(R)-メトキシ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
54.3-フルオロ-9-[2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エチル]-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
55.9-インダン-2-イルメチル-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
56.3-フルオロ-9-[2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エチル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
57.9-[2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エチル]-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0055】
および表2の化合物:
1.[3-(2-フルオロ-フェニル)-プロピル]-2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン、
2.[2-オキソ-2-フェニルエチル]-2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン、
3.[2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル]-2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン、
4.[2-オキソ-2-(4-クロロフェニル)エチル]-2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン、
5.[2-オキソ-2-(4-メチルフェニル)エチル]-2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン、
【0056】
6.[2-オキソ-4-フェニルフェニル]-2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン、
7.[1-メチル-2-オキソ-2-(3,4-メチレンジオキシ-5-メトキシフェニル)-エチル]-2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン、
8. [2-オキソ-2-(ナフト-2-イル)-エチル]-2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン、
9.[2-オキソ-2-(4-フルオロフェニル)-エチル]-2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン、
10.[2-オキソ-2-(3-メトキシフェニル)-エチル]-2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン、
11.[2-オキソ-2-(5,5,8,8-テトラメチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフト-2-イル)-エチル]-2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン、
【0057】
および表3の化合物:
1.9-[2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
2.9-[2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エチル]-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
3.9-[2-(4-フルオロ-フェニル)-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
4.8-メチル-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
5.9-[2-(2,5-ジメトキシ-フェニル)-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0058】
6.9-[2-(2-メトキシ-フェニル)-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
7.9-[2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
8.9-[2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル]-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
9.8-メチル-9-[ナフタレン-1-イルメチル]-2-(ピリジン-4-イル)- 6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
10.8,8-ジメチル-9-[2-オキソ-2-フェニル-エチル]-2(ピリジン-4-イル)- 6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0059】
11.8-メチル-9-[ナフタレン-2-イルメチル]-2-(ピリジン-4-イル)- 6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
12.9-[2-(3-メトキシ-フェニル)-2-オキソ-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
13.9-[2-(3-クロロ-フェニル)-2-オキソ-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
14.8,8-ジメチル-9-[2(S)-フェニル-プロピル]-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
15.8,8-ジメチル-9-[2(R)-フェニル-プロピル]-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0060】
16.8-エチル-9-[2-オキソ-2-フェニル-エチル]-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
17.8-エチル-9-[2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル]-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
18.3-フルオロ-8-メチル-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
19.8,8-ジメチル-9[ナフタレン-1-イルメチル]-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0061】
20.9-[2-(4-フルオロ-フェニル)-2(S)-ヒドロキシ-エチル]-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
21.9-[2-(3-フルオロ-フェニル)-2-ヒドロキシ-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
22.9-[2-(3,5-ジクロロ-フェニル)-2-ヒドロキシ-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
23.9-[2-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-2-オキソ-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
24.9-[2-(3-ブロモ-フェニル)-2(S)-ヒドロキシ-エチル]-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
25.9-[2-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-2-オキソ-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0062】
26.3-フルオロ-9-(2-(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
27.9-(2-ビフェニル-4-イル-2(S)-ヒドロキシ-エチル)-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
28.9-[2-(3-フルオロ-フェニル)-2(S)-ヒドロキシ-エチル]-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
29.9-(2(S)-ヒドロキシ-2-ナフタレン-2-イル-エチル)-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
30.9-[2-(4-クロロ-フェニル)-2(S)-ヒドロキシ-エチル]-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0063】
31.9-[2-(3,4-ジクロロフェニル)-2(S)-ヒドロキシ-エチル]-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
32.9-(2(S)-ヒドロキシ-2-p-トリル-エチル)-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
33.3-ブロモ-8-メチル-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-ピリジン-4-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
34.9-[2(S)-ヒドロキシ-2-(3-メトキシ-フェニル)-エチル]-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
35.9-[2-(2,4-ジクロロ-フェニル)-2(S)-ヒドロキシ-エチル]-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0064】
36.3-フルオロ-9-(2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
37.9-[2-(3-メトキシ-フェニル)-2-オキソ-エチル]-8,8-ジメチル-2-ピリジン-4-イル- 6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
38.9-[2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン (ジアステレオアイソマー I)、
39.9-[2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン (ジアステレオアイソマー II)、
40.8,8-ジメチル 9-(2-オキソ-2-p-トリル-エチル)-エチル)-2-ピリジン-4-イル- 6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
【0065】
41.9-[2-(3-ブロモ-フェニル)-2-オキソ-エチル]-8,8-ジメチル-2-ピリジン-4-イル- 6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
42.4-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソ-8-ピリジン-4-イル-3,4-ジヒドロ-2H,6H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-1-イル)-1-ヒドロキシ-エチル]-ベンゾニトリル;
43.9-[2-(3-フルオロ-フェニル)-2-オキソ-エチル]-8,8-ジメチル-2-ピリジン-4-イル- 6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
44.9-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-2-ヒドロキシ-エチル]-8,8-ジメチル-2-ピリジン-4-イル- 6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
45.9-[2-(4-クロロ-フェニル)-2-ヒドロキシ-エチル]-8-エチル-2-ピリジン-4-イル- 6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
46.9-[2-(3-ブロモ-フェニル)-2-オキソ-エチル]-8-エチル-2-ピリジン-4-イル- 6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
47.9-[2-(4-クロロ-フェニル)-2-オキソ-エチル]-8-エチル-2-ピリジン-4-イル- 6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、
48.8-エチル-9-(2-ヒドロキシ-2-p-トリル-エチル)-2-ピリジン-4-イル- 6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
を含む。
【0066】
さらなる目的として、本発明は、前記の式(I)で表される化合物の製造方法にも関する。
これらの化合物は、例えば以下に説明する方法に従って製造することができる。
【0067】
製造方法
前記の式(I)で表されるピリミドン化合物は、スキーム1に従って製造することができる。
【0068】
【化9】

[上記のスキーム中、R1、R2、R3、R4、R5、X、p、mおよびnの定義は、式(I)の化合物で既に記載したものと同一である]
【0069】
上記の式(III)で表されるピリミドン誘導体(ここで、R1は式(I)の化合物で定義したとおりである)を、通常の大気下、0〜130℃を範囲とする適当な温度で、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミドまたはクロロホルムのような溶媒中、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムのような塩基と反応させ、次いで、式(II)の化合物(ここで、R2、X、Yおよびnは式(I)の化合物で定義したとおりであり、Lは脱離基、好ましくは臭素またはメシル基を表す)と反応させて、前記の式(I)の化合物を得る。
【0070】
式(II)の化合物は、市場で入手できるか、または当業者に周知の方法により合成することができる。式(III)の化合物はスキーム2で定義した方法に従って製造することができる。
【0071】
【化10】

[上記のスキーム中、R1、R3、R4、R5、pおよびmの定義は、既に記載したとおりある]
【0072】
この方法によれば、式(IV)の3-ケトエステルを、式(IV)の化合物と反応させる。この反応は、通常の大気下、25°〜140℃を範囲とする適当な温度で、メタノールまたはエタノールなどのようなアルコール性溶媒中またはなしで、炭酸カリウムの存在下に実施することができる。
あるいは、R5が水素原子を表す式(III)の化合物を、R5が臭素原子または塩素原子のようなハロゲン原子である式(III)の化合物を得るためにハロゲン化することができる。
【0073】
この反応は、ブロモスクシンイミドもしくはクロロスクシンイミドまたは臭素の存在下に、酢酸またはプロピオン酸のような酸性媒体中で実施することができる。
さらに、R5がフッ素原子を表す式(III)の化合物は、Tetrahedron Letters、第30巻、第45号、第6113-6116頁、1989に記載の類似の方法により得ることができる。
式(V)または(IV)の化合物は市場で入手できるか、当業者に周知の方法に従って合成することができる。
【0074】
例えば、式(IV)の化合物(ここで、R1はC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子で任意に置換されていてもよいピリジン環を表す)は、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基またはハロゲンで任意に置換されていてもよいニコチン酸を、マロン酸モノエステルと反応させることにより製造できる。この反応は、例えば20〜70℃を範囲とする温度で、テトラヒドロフランのような溶媒中、1,1'-カルボニルビス-1H-イミダゾールのような縮合剤の存在下のような当業者に周知の方法を用いて実施することができる。
【0075】
式(I)の化合物は、当業者に周知の方法を用いて、式(I)のもう一つの化合物を出発して得ることもできる。
上記の反応において、官能基の保護または脱保護は、ときには必要であるかもしれない。好適な保護基Pgは、官能基のタイプに依存して選択することができ、文献に記載の方法を適用できる。保護基、保護および脱保護の方法の例は、Protective groups in Organic Synthesis、Greeneら、第2版 (John Wiley & Sons、Inc.、ニューヨーク)の中に例示されている。
【0076】
本発明の化合物は、GSK3βに対して阻害活性を有する。したがって、本発明の化合物は、異常GSK3β、またはGSK3βおよびcdk5/p25活性に起因する疾患、より具体的にはアルツハイマー病のような神経変性疾患の予防的および/または治療的処置用の医薬の製造のための有効成分として有用である。さらに、本発明の化合物は、パーキンソン病のような神経変性疾患、筋萎縮性側索硬化症、タウオパシー(例えば、前側頭頭頂性痴呆、大脳皮質基底核変性症、ピック病、進行性核上性麻痺)および血管性痴呆を含む他の痴呆;急性発作および他の外傷;脳血管障害(例えば、加齢黄斑変性症);脳および脊髄損傷;末梢神経疾患;網膜症および緑内障;インスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病のような)および肥満のような他の疾患;躁うつ病;精神分裂病;脱毛;喫煙中止および他の禁断症候群またはてんかん;乳癌のような癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB-セル白血病および種々のウィルス腫瘍の予防および/または治療用医薬の製造のための有効成分としても有用である。
【0077】
本発明は、さらにGSK3β、またはGSK3βおよびcdk5/p25の異常活性に起因する神経変性疾患、ならびに式(I)の化合物の有効量を、それを必要とする哺乳生物へ投与することを含む前記の疾患の治療方法に関する。
【0078】
本発明の医薬の有効成分としては、前記の式(I)で表される化合物およびそれらの医薬的に許容される塩、それらの溶媒和物およびそれらの水和物からなる群から選択される物質を用いることができる。この物質は、それ自体を本発明の医薬として投与することができるが、しかしながら、医薬組成物の形態の医薬を投与するのが所望のときは、有効成分としての前記の物質と1以上の医薬賦形剤を含む。本発明の医薬の有効成分としては、2以上の前記の物質を組合せで用いることができる。上記の医薬組成物に、上記の疾患の治療用のもう一つの医薬の有効成分を追加することができる。この医薬組成物のタイプはとりわけ制限されるものではないが、この組成物は、どんな経口または非経口投与用製剤としても提供され得る。例えば、この医薬組成物は、顆粒、細粒、散剤、硬カプセル、軟カプセル、シロップ、エマルジョン、懸濁液、溶液などのような経口投与用医薬組成物の形態、あるいは静脈内もしくは筋肉内注射、または皮下投与、点滴、経皮製剤、経粘膜製剤、点鼻剤、吸入剤、坐剤などのような非経口投与用医薬組成物の形態中に処方することができる。注射剤または点滴剤は、凍結乾燥製剤の形態にあるのような粉末製剤として製造することができ、生理的食塩水のような適当な水性媒体中に、使用直前に溶解することにより用いることができる。ポリマーで被覆されたもののような徐放製剤は、直接大脳内に投与することができる。
【0079】
医薬組成物の製造に用いられる医薬品添加物のタイプ、有効成分に対する医薬品添加物の含有量比および医薬組成物の製造方法は、当業者により適宜選択されることができる。無機もしくは有機性物質または固体もしくは液体物質は医薬品添加物として用いられ得る。一般に、医薬品添加物は、有効成分の重量に基づき1重量%〜90重量%を範囲とする比率で組込むことができる。
【0080】
固体の医薬組成物の製造に用いられる賦形剤の例は、例えば乳糖、ショ糖、澱粉、タルク、セルロース、デキストリン、カオリン、炭酸カルシウムなどを含む。経口投与用の液体組成物の製造には、水または植物油のような通常の不活性な希釈剤を用いることができる。この液体組成物は、不活性な希釈剤に加えて、湿潤剤、懸濁補助剤、甘味剤、芳香剤、着色剤および防腐剤のような添加剤を含むことができる。この液体組成物は、ゼラチンのような被吸収性の材料でできたカプセル内に充填することができる。
【0081】
非経口投与、例えば注射剤または坐薬用組成物の製造に用いられる溶媒または懸濁媒体の例は、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、オレイン酸エチルおよびレシチンなどを含む。坐剤に用いられる基材の例は、例えばカカオ脂、乳化カカオ脂、ラウリン酸脂質、ウィテップゾールを含む。
【0082】
本発明の医薬投与の投与量および頻度は、特に制限されるものではないが、予防的および/または治療的処置の目的、疾患のタイプ、体重または患者の年齢、疾患の重篤さなどのような状態に依存して、適当に選択することができる。一般に、成人に対する経口投与の一日投与量は、0.01〜1000 mg (有効成分の重量)であることができ、この投与量を、日に一度または割り当て分に従って日に数回、または数日に一回投与することができる。この医薬が注射剤として用いられるときには、成人に対して、0.001〜100 mg (有効成分の重量)の投与量で持続的にまたは断続的に、好ましくは実施される。
【0083】
化学実施例
本発明を次の一般的な実施例を参照してより詳細に説明するが、しかしながら、本発明の範囲はこれら実施例を制限するものではない。
【0084】
実施例1 (表1の化合物番号8)
9-(2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 塩酸塩(1:1)
1.1 7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
エタノール60ml中のエチル 3-(ピリジン-4-イル)-3-オキソプロピオネート5.9g (30.55 mmol)、(米国特許第4,262,122号に記載の類似の方法で調製した)5,5-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジンアミン 1塩酸塩5.0g (30.55 mmol)および炭酸カリウム6.33g (45.82 mmol)の混合物を、還流温度で12時間加熱した。冷却した懸濁液をろ過して、溶媒を留去した。得られた残渣をジクロロメタンに溶解し、水で洗浄した。有機相を乾燥し、蒸発させてベイジュ色の固体6.30g (80%)を得た。Mp:152-154℃
【0085】
1.2 9-(2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 塩酸塩(1:1)
無水ジメチルホルムアミド8ml中の7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン0.8g (3.12 mmol)の懸濁液を水素化ナトリウム(鉱油中60%分散) 274mg (6.86mmol)で処理し、得られた混合物を50℃で30分間加熱し、(S)-2-クロロ-1-フェニルエタノール0.494ml (3.74 mmol)を加え、反応混合物を50℃で4時間加熱した。
冷却した溶液を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥し、蒸発させて粗生成物を得、98/2〜90/10の割合のジクロロメタン/メタノールで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。遊離塩基の形態で得た純粋な物質0.486gを熱エタノールに溶解し、イソプロパノール中の1当量の塩化水素で処理した。冷却した溶液をろ過し、白色固体0.192 g (15%)を与えた。Mp:234-236℃。[α]D=-22.9° (c=1、CH3OH)
【0086】
実施例2 (表1の化合物番号49)
9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-7-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
2.1 5-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジンアミン 塩酸塩
2-メチル-1,3-プロパンジアミン 塩酸塩(Tetrahedron (1994) 50(29)、8617-8632) 6.7g (41.6 mmol)を含むメタノール(50ml)溶液に、メタノール中のナトリウムメチラート溶液(1mmol/ml) 83mlを加え、得られた混合物をグアニジン塩酸塩3.97g (41.6 mmol)で処理した。反応混合物を140℃で3時間加熱した。
溶液をろ過し、溶媒を蒸発させ、得られた残渣を直接次の工程で用いた。
【0087】
2.2 7-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
この物質を、工程2.1からの中間体を用いて工程1.1と類似により得た。
【0088】
2.3 9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-7-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ 4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
無水ジメチルホルムアミド10ml中の7-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン0.32g (1.34 mmol)の懸濁液を、水素化ナトリウム(鉱油中50%懸濁液) 64mg (1.34mmol)で処理し、得られた混合物を40分間撹拌し、フェナシルブロマイド0.267g (1.34 mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。
この溶液を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥し、蒸発させて粗生成物を得、100/0〜90/10の割合のジクロロメタン/メタノールで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、遊離塩基の形態で得られた純粋な物質0.235gを得た。Mp:202-203℃
【0089】
実施例3 (表1の化合物番号47)
9-[3-(2-フルオロフェニル)プロピル]-7-ヒドロキシ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
3.1 7-ヒドロキシ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
この物質を、2-アミノ-1,4,5,6-テトラヒドロ-5-ピリミジンオール (Arch. Int. Pharmacodyn. Ther. (1968)、175(1)、193-211)を用いて工程1.1と類似により得た。Mp:305-307℃
【0090】
3.2 9-[3-(2-フルオロフェニル)プロピル]-7-ヒドロキシ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
無水アセトニトリル100ml中の7-ヒドロキシ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン1.0g (4.09 mmol)および1-[3-(メチルスルホニルオキシ)プロピル]-2-フルオロベンゼン0.95g (4.09 mmol)の懸濁液をアルミナにまぶしたフッ化カリウム(フルカ) 4.1g (1.42 mmol)で処理し、得られた混合物を80℃で24時間加熱した。
冷却した溶液をろ過し、溶媒を蒸発させ、残った残渣を98/2/0.2〜96/4/0.4の割合のジクロロメタン/メタノール/アンモニアで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、遊離塩基の形態で得られた純粋な物質0.96g (61%)を得た。Mp:205-207℃
【0091】
実施例4 (表1の化合物番号48)
9-[3-(2-フルオロフェニル)プロピル]-7-メトキシ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン シュウ酸塩(1:1)
4.1 9-[3-(2-フルオロフェニル)プロピル]-7-メトキシ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン シュウ酸塩(1:1)
ジメチルホルムアミド3ml中に9-[3-(2-フルオロフェニル)プロピル]-7-ヒドロキシ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン0.12g (0.31 mmol)を含む懸濁液に、鉱油中の水素化ナトリウム(60%) 14mg (0.34 mmol)を加え、得られた混合物を、室温で15分間撹拌した。この混合物を-20℃に冷却し、ヨードメタン19.6μL (0.31 mmol)で処理した。撹拌を1時間継続した。
水を加え、有機相を分離した。溶媒を蒸発させ、残った残渣を、98/2/0.2の割合のジクロロメタン/メタノール/アンモニアで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、純粋な物質0.1g (85%)を得、1当量のシュウ酸で処理して、1シュウ酸塩に変換した0.085g (65%)。Mp:164-166℃
【0092】
実施例5 (表1の化合物番号4)
9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジフルオロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
5.1 5,5-ジフルオロ-1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジンアミン
この物質を、2,2-ジフルオロ-1,3-プロパンジアミン(Tetrahedron (1994)、50(29)、8617-8632)を用いて工程2.1に記載の方法と類似により得、このままで次の工程で用いた。
【0093】
5.2 7,7-ジフルオロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
この物質を、工程5.2の中間体を用いて工程1.1と類似により得た。Mp:239-240℃
【0094】
5.3 9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジフルオロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
工程2.3に記載の方法と類似により、この化合物を遊離塩基として得た。Mp:217-219℃
【0095】
実施例6 (表1の化合物番号6)
9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-3-フルオロ-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 塩酸塩(1:1)
6.1 エチル 2-フルオロ-3-オキソ-3-ピリジン-4-イルプロパノエート 塩酸塩(Tetrahedron Letters、第30巻、第45号、第6113-6116頁、1989を参照)
アルゴン下、tri-n-ブチルホスフィン134,88 ml (0.54 mol)の無水テトラヒドロフラン(500 ml)溶液に、エチル ブロモフルオロアセテート63.8 ml (0.54 mol)を加え、得られた混合物を、室温で40時間撹拌した。
反応混合物を-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M) 237.58 ml (0.594 mol)を滴下し、1時間撹拌し、塩化イソニコチノイル(Heterocyclic Chemistry、18、519、1981) 76.44 g (0.54 mol)を加え、混合物を1時間撹拌した。
【0096】
温度を夜間に室温に上昇させ、0℃で、炭酸水素ナトリウムの5%水溶液700 mlを加え、得られた混合物を終夜撹拌した。テトラヒドロフランを減圧下に蒸発させ、得られた水相をジクロロメタンで抽出し、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて暗褐色の残渣を得た。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶出剤;シクロヘキサン/酢酸エチル90/10〜50/50)。
この物質をイソプロパノール中の塩酸の溶液(6N)で処理し、物質20 g (17%)を得た。Mp. 142-144 ℃
【0097】
6.2 7,7-ジメチル-3-フルオロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
エタノール30ml中のエチル ピリジン-4-イル-3-オキソ-2-フルオロプロパノエート 塩酸塩5.0g (20.19 mmol)、(米国特許第4262122号に記載の類似の方法で調製した)5,5-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジンアミン 塩酸塩3.30g (20.19 mmol)および炭酸カリウム8.37g (60.57 mmol)の混合物を、還流温度で18時間加熱した。
冷却した懸濁液をろ過し、溶媒を留去した。得られた残渣をジクロロメタンで処理し、水で洗浄した。有機相を乾燥し、蒸発させて物質1.9g (34%)をベージュ色の固体として得た。
Mp:190-192℃
【0098】
6.3 9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-3-フルオロ-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 塩酸塩(1:1)
無水ジメチルホルムアミド6ml中の7,7-ジメチル-3-フルオロ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン0.30g (1.09 mmol)の懸濁液を、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散) 53mg (1.31mmol)で処理し、得られた混合物を10分間撹拌し、フェナシルブロマイド0.261g (1.31 mmol)を加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。
【0099】
この溶液を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥し、蒸発させて粗生成物を得、98/2〜90/10の割合のジクロロメタン/メタノールで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、遊離塩基の形態にある純粋な物質0.10gを得、塩酸塩に変換した。Mp:236-238℃
【0100】
実施例7 (表1の化合物番号21)
9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-3-ブロモ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
7.1 3-ブロモ-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 臭化水素酸塩(1:1)
7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン3.0g (11.7 mmol)の酢酸(75ml)溶液に、臭素0.6ml (11.7 mmol)を滴下した。この混合物を、室温で2時間撹拌した。
析出した固体をろ過により回収し、エーテルで洗浄し、乾燥して物質4.53g (97%)を黄色固体として得た。Mp:270-272℃
【0101】
9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-3-ブロモ-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
3-ブロモ-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 臭化水素酸塩4.15g (10.43 mmol)を含有する水溶液を、過剰の水酸化ナトリウムの水溶液で処理した。遊離塩基をジクロロメタンで抽出し、有機物を乾燥して蒸発させた。残渣を無水ジメチルホルムアミド25mlおよび水素化ナトリウム(鉱油中60%分散) 0.542g (13.56 mmol)中に溶解し、得られた混合物を40分間撹拌し、フェナシルブロマイド2.43g (12.49 mmol)を加え、反応混合物を室温で5時間撹拌した。
この溶液を、0℃で、水で処理し、形成した析出物をろ過により回収し、乾燥した(3.5g (74%))。Mp:223-225℃
【0102】
実施例8 (表1の化合物番号38)
9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-3-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
8.1 3-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
エタノール300ml中の(フランス特許第2529786号に記載の類似の方法で調製した)エチル2-メチル-3-(ピリジン-4-イル)-3-オキソプロピオネート14.0g (67.56 mmol)、(J.Org.Chem.、1955、20、829に従って調製した)1,4,5,6-テトラヒドロ-2-ピリミジンアミン 1塩酸塩9.16g (67.66 mmol)および炭酸カリウム9.33g (67.66 mmol)の混合物を還流温度で12時間加熱した。
【0103】
冷却したこの懸濁液をろ過して溶媒を留去した。得られた残渣を水で処理し、析出物をろ過して乾燥した。このようにして物質を褐色固体として得た。10.5g (64%)。Mp:242-243℃
【0104】
8.2 9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-3-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
無水ジメチルホルムアミド4ml中の3-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン0.25g (1.03 mmol)の懸濁液を、水素化ナトリウム(鉱油中50%懸濁) 45mg (1.03mmol)で処理し、得られた混合物を1時間撹拌し、フェナシルブロマイド0.205g (1.03 mmol)を加え、反応混合物を室温で5時間撹拌した。
この溶液を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥し、蒸発させて粗生成物を得、98/2/0.2の割合のジクロロメタン/メタノール/アンモニアで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、遊離塩基の形態にある純粋な物質0.10g (27%)を得た。Mp:190-192℃
【0105】
実施例9 (表1の化合物番号2)
9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 塩酸塩(1:1)
この物質を、7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを使用し、工程2.3に記載の方法を用いることにより得た。Mp:283-285℃
【0106】
実施例10 (表1の化合物番号3)
9-(2-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-7,7 ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
工程9で得られた9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン2.0g (5.34 mmol)のメタノール(100ml)に、0℃で、水素化ホウ素ナトリウム0.24g (6.41 mmol)を加えた。撹拌を30分間持続し、溶媒を蒸発により留去した。
水を加え、得られた混合物を、ジクロロメタンで抽出した。有機物を乾燥し、蒸発させ、残渣を酢酸エチルで粉砕して、物質1.66g (83%)を得た。物質のZ-ブト-2-エンジオエート塩を特徴付けた。Mp:195-197℃
【0107】
実施例11 (表1の化合物番号34)
9-(2-アミノ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 塩酸塩(1:1)
11.1 2-[2-(3,3-ジメチル-6-オキソ-8-(ピリジン-4-イル)-3,4-ジヒドロ-2H,6H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-1-イル)-1-フェニル-エチル]-イソインドール-1,3-ジオン
9-(2-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン0.2g (0.531 mmol)、フタルイミド0.080g (0.584 mmol)および0.195g (0.742 mmol)の無水テトラヒドロフラン(30ml)溶液に、0℃で、ジエチル アゾカルボキシレート0.142ml (0.903 mmol)を加え、反応混合物を18時間撹拌した。
溶媒を蒸発させ、残渣を、98/2/0.2の割合のジクロロメタン/メタノール/ジエチルアミンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、物質0.06g (22%)を得た。
【0108】
11.2 9-(2-アミノ-2-フェニル-エチル)-7,7-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 塩酸塩(1:1)
ヒドラジン水和物0.452ml (9.29 mmol)を含む、2-[2-(3,3-ジメチル-6-オキソ-8-(ピリジン-4-イル)-3,4-ジヒドロ-2H,6H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-1-イル)-1-フェニル-エチル]-イソインドール-1,3-ジオン0.470g (0.929 mmol)のエタノール(50ml)溶液を、還流温度で18時間加熱した。
冷却したこの溶液をろ過し、溶媒を留去した。残渣を、95/5/0.5〜94/6/0.6の割合の酢酸エチル/メタノール/ジエチルアミンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。回収した遊離塩基を塩酸塩に変換し、物質0.283g (68%)を得た。Mp:227-231℃
【0109】
実施例12 (表2の化合物番号1)
[3-(2-フルオロ-フェニル)-プロピル]-2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン 塩酸塩(1:2)
12.1 5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イルアミン 臭化水素酸塩(1:1)
1,2-ジアミノ-2-メチルプロパン15g (0.17 mol)の水(150ml)溶液に、0℃で、ブロモシアン18g (0.17 mol)を少しづつ加え、温度を4時間の間に室温に戻した。
水を蒸発により留去し、エタノールを加えて蒸発させた。ジエチルエーテルおよびエタノール混液中での粉砕により、物質29.5g (89%)を非晶質の吸湿性固体として得た。
【0110】
12.2 2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン
エタノール100ml中の5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イルアミン臭化水素酸塩4.5g (23.2 mmol)、エチル 3-(ピリジン-4-イル)-3-オキソプロピオネート2.99g (15.46 mmol)および炭酸カリウム4.27g (30.89 mmol)の懸濁液を、還流温度で18時間加熱した。
冷却したこの懸濁液をろ過して溶媒を蒸発させた。得られた残渣をジクロロメタン中に溶解して、水で洗浄した。溶媒を蒸発させて、純粋な物質2.5g (67%)を得た。Mp:226-228℃
【0111】
12.3 [3-(2-フルオロ-フェニル)-プロピル]-2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン 塩酸塩(1:2)
無水ジメチルホルムアミド6ml中の2,2-ジメチル-7-(ピリジン-4-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-5-オン0.3g (1.23 mmol)の懸濁液を、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散) 64mg (1.6 mmol)で処理した。この混合物を60℃で10分間加熱し、次いで3-(2-フルオロフェニル)プロピルブロマイド0.322g (1.48 mmol)を加え、混合物を120℃で1時間加熱した。
冷却した溶液を水で処理し、酢酸エチルで抽出した。溶媒を蒸発させ、残した残渣を、98/2〜95/5の割合のジクロロメタン/メタノールで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、遊離塩基の形態にある純粋な物質0.248g (55%)を得、2塩酸塩に変換した。Mp:140-142℃
【0112】
実施例13 (表3の化合物番号1)
9-[2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
13.1 8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
エタノール50ml中のエチル 3-(ピリジン-4-イル)-3-オキソプロピオネート6g (31.0 mmol)、(J. Org. Chem.、20、1955、829-838に従って調製した) 6-メチル-1,4,5,6-テトラヒドロ-ピリミジン-2-イルアミン 塩酸塩4.6g (31.0 mmol)および炭酸カリウム6.44g (46.0 mmol)の懸濁液を、還流温度で18時間加熱した。
反応混合物を冷却し、溶媒を留去した。得られた残渣を水で処理し、析出物をろ過により回収して、物質3.85g (51%)を得た。Mp:245-247℃
【0113】
13.2 (4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-酢酸メチルエステル
無水トルエン100ml中の酢酸鉛(IV) 14.34g (32.47 mmol)の懸濁液に、メタノール9ml中の1-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エタノン5.2g (30.92 mmol)および三フッ化ホウ素エーテル錯体15.02 ml (123.13 mmol)の混合物を加えた。反応混合物を、更に室温で16時間撹拌した。冷却した混合物に水を加え、得られた溶液をトルエンで抽出した。抽出物を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで洗浄した。溶媒を蒸発乾固し、物質6gを油として得、精製せずに次の工程で使用した。
【0114】
13.3 2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エタノール
テトラヒドロフラン120ml中の水素化リチウムアルミニウム1.72g ( 45.41 mmol)の懸濁液に、0℃で、120 mlに溶解した6g (30.27 mmol)の(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-酢酸メチルエステルを滴下し、得られた混合物を室温で1時間撹拌した。
0℃で、反応混合物をジエチルエーテル100mlで希釈し、過剰の硫酸ナトリウムの飽和溶液で処理した。さらに固体の硫酸ナトリウムを加え、有機相をろ過し、塩を除去した。溶媒を蒸発乾固し、物質5.1g (99%)を油として得た。
【0115】
13.4 メタンスルホン酸 2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エチルエステル
2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エタノール5.1g (29.97 mmol)の無水ジクロロメタン(30 ml)溶液に、0℃で、トリエチルアミン6.26ml (44.95 mmol)および塩化メタンスルホニル3.5ml (44.95 mmol)を加えた。
得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、この混合物を水およびジクロロメタンで希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を乾燥し、蒸発させてメタンスルホン酸 2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エチルエステル7g(100%)を得た。
【0116】
13.5 9-[2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エチル]-8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 塩酸塩(1:1)
8-メチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン0.25g (1.03 mmol)の無水ジメチルホルムアミド(4ml)溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散) 0.046mg (1.14mmol)を加え、混合物を50℃で20分間撹拌し、メタンスルホン酸 2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エチルエステル0.282g (1.14 mmol)を加え、撹拌を18時間継続した。
【0117】
水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて粗生成物を得た。100/0〜96/4の割合のジクロロメタン/メタノール混液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製。化合物を遊離塩基の形態で得、その塩酸塩に変換し、純粋な物質0.192g (43%)を得た。Mp:206-208℃
【0118】
実施例14 (表3の化合物番号2)
9-[2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エチル]-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
14.1 8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
エタノール80ml中のエチル 3-(ピリジン-4-イル)-3-オキソプロピオネート7.68g (39.8 mmol)、(Bull. Soc. Chim. Belg.、1950、59、573-587に従って調製した) 6,6-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロ-ピリミジン-2-イルアミン 臭化水素酸塩7.9g (37.9 mmol)および炭酸カリウム11g (79.5 mmol)の混合物を、還流温度で18時間加熱した。
反応混合物を冷却し、溶媒を留去した。得られた残渣を水で処理し、析出物をろ過により回収して物質3.21g (33%)を得た。Mp:345-347 ℃
【0119】
14.2 9-[2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エチル]-8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
8,8-ジメチル-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン0.222g (0.87 mmol)の無水ジメチルホルムアミド(5ml)溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散) 0.039g (0.95mmol)を加え、混合物を50℃で20分間撹拌し、メタンスルホン酸 2-(4-フルオロ-2-メトキシ-フェニル)-エチルエステル0.236g ( 0.95mmol)を加え、撹拌を18時間継続した。
水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて粗生成物を得た。100/0〜96/4の割合のジクロロメタン/メタノール混液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、純粋な物質0.18g (50%)を得た。Mp:217-219℃
【0120】
実施例15 (表3の化合物番号8)
9-(2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-8,8-ジメチル-2-ピリジン-4-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 塩酸塩(1:1)
8,8-ジメチル-2-ピリジン-4-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン1g (3.90 mmol)の無水ジメチルホルムアミド(12ml)溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散) 0.343g (8.58 mmol)を加え、混合物を50℃で1時間撹拌し、(1-S)-2-クロロ-1-フェニルエタノール0.794g (5.07 mmol)を加え、混合物を120℃で12時間撹拌した。
【0121】
水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて粗生成物を得た。100/0〜96/4の割合の酢酸エチル/エタノール混液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製。この化合物を遊離塩基の形態で得、その塩酸塩に変換して純粋な物質0.87g (59%)を得た。
Mp:204-206 ℃、[α]D= -20.7° (c=0.855、CH3OH)
【0122】
実施例16 (表3の化合物番号10)
8,8-ジメチル-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-ピリジン-4-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 塩酸塩(1:1)
ジメチルスルホキサイド0.12ml (1.65 mmol)の無水ジクロロメタン(3ml)溶液に、-78℃で、無水ジクロロメタン1ml中の無水トリフルオロ酢酸0.21ml (1.46 mmol)を加え、-78℃で20分間撹拌し、-78℃で、無水ジクロロメタン2ml 中の9-(2(S)-ヒドロキシ-2-フェニル-エチル)-8,8-ジメチル-2-ピリジン-4-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン0.1g (0.27 mmol)を加えて撹拌を30分間継続し、トリエチルアミン0.31ml (2.23 mmol)を加え、混合物を室温で12時間撹拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出物を飽和塩化アンモニウム水および飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて粗生成物を得た。95/5/0.5の割合のジクロロメタン/メタノール/水酸化アンモニウム混液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製。化合物を遊離塩基の形態で得、その塩酸塩に変換し、純粋な物質0.026g (24%)を得た。Mp:247-249 ℃
【0123】
実施例17 (表3の化合物番号16)
8-エチル-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-ピリジン-4-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 塩酸塩(1:1)
17.1 8-エチル-2-ピリジン-4-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
エタノール51ml中のエチル 3-(4-ピリジニル)-3-オキソプロピオネート5g (25.88 mmol)、 (J.Org. Chem.、20、1955、829-838に従って調製した) 6-エチル-1,4,5,6-テトラヒドロ-ピリミジン-2-イルアミン 塩酸塩3.85g (23.53 mmol)および炭酸カリウム6.83g (49.41 mmol)の混合物を、還流温度で18時間加熱した。
反応混合物を冷却し、溶媒を留去した。得られた残渣を水で処理し、析出物をろ過により回収して物質4.1g (68%)を得た。Mp:244-246℃
【0124】
17.2 8-エチル-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-ピリジン-4-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン 塩酸塩(1:1)
8-エチル-2-ピリジン-4-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン0.3g (1.17 mmol)の無水ジメチルホルムアミド(6ml)溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散) 0.343g (8.58 mmol)を加え、混合物を50℃で15分間撹拌した。0℃で、フェナシルブロマイド0.303g (1.52 mmol)を加え、混合物を0℃で3時間撹拌し、温度を12時間の間に室温に戻した。
【0125】
水を加え、この混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出物を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて粗生成物を得た。100/0〜96/4の割合のジクロロメタン/メタノール混液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製。物質を遊離塩基の形態で得、それをその塩酸塩に変換し、純粋な物質0.134g (28%)を得た。Mp:189-191℃
【0126】
実施例18 (表3の化合物番号18)
3-フルオロ-8-メチル-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
18.1 3-フルオロ-8-メチル-2-ピリジン-4-イル-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
この物質を、工程6.1の中間体を用い、工程13.1と同様にして得た。Mp:274-276℃
【0127】
18.2 3-フルオロ-8-メチル-9-(2-オキソ-2-フェニル-エチル)-2-(ピリジン-4-イル)-6,7,8,9-テトラヒドロ-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
この物質を、工程17.2と同様にして得た。Mp:201-202℃
【0128】
本発明を説明する前記の式(I)の化合物の化学構造および物理データの一覧を表1および2に示す。この化合物は実施例の方法に従って製造された。
表において、R1は非置換のピリジン環であり、Phはフェニル基を表し、Etはエチル基を表し、Meはメチル基を表し;「X」欄において、Xが2つの水素原子を表す場合には、単に「H」を示し、(S)、(R)または(Rac.)は「Y」欄において、それぞれ立体化学、炭素原子の(S)、(R)または(Rac.)を示す。
(rac.)はラセミ混合物を意味し、
(R)は絶対R配置を意味し、
(S)は絶対S配置を意味する。
【0129】
式(I)の化合物に対する表1において、「m」および「p」は1に等しく;表2において、式(I)の化合物に対する「m」は0に等しく、「p」は1に等しく、表3においては、式(I)の化合物に対する「m」は0に等しく、「p」は2に等しい。
【0130】
【化11】

【0131】
【表1】

【0132】
【表1−1】

【0133】
【表1−2】

【0134】
【表1−3】

【0135】
【化12】

【0136】
【表2】

【0137】
【化13】

【0138】
【表3】

【0139】
【表3−1】

【0140】
【表3−2】

【0141】
【表3−3】

【0142】
試験例1:GSK3βに対する本発明の医薬の阻害活性:
2つの異なるプロトコールを用いることができる。
第1のプロトコールにおいて:7.5 μMの予めリン酸化したGS1ペプチドおよび10 μM ATP (33P-ATPを300,000 cpm含有)を、25 mM Tris-HCl、pH 7.5、0.6 mM DTT、6 mM MgCl2、0.6 mM EGTAおよび0.05 mg/ml BSAバッファー中、GSK3β (全反応容量:100 μl)の存在下に、室温で、1時間インキュベートした。
【0143】
第2のプロトコールにおいて:4.1μMの予めリン酸化したGS1ペプチドおよび42 μM ATP (33P-ATPを260,000 cpm含有)を、80 mM Mes-NaOH、pH 6.5、1 mM 酢酸Mg、0.5 mM EGTA、5 mM 2-メルカプトエタノール、0.02% トゥイーン20、10%グリセロールバッファー中、GSK3βの存在下に、室温で2時間インキュベートした。
阻害剤は、DMSO(反応媒体中の最終溶液濃度1%)中に溶解した。
【0144】
反応は、ポリリン酸 (85% P2O5) 25 g、85% H3PO4 126 ml、H2Oで500 mlとしたものからでき、次いで使用前に1:100に希釈した溶液100 μlで停止した。次いで、反応混合物の等分をワットマンP81カチオン交換フィルターに移し、上記の溶液で洗浄した。取り込まれた33P放射活性を液体シンチレーション分光器で測定した。
【0145】
リン酸化されたGS-1ペプチドは次のシークエンスを有していた:
NH2-YRRAAVPPSPSLSRHSSPHQS(P)EDEE-COOH
【0146】
本発明の化合物のGSK3β阻害活性をIC50で表し、表1中の化合物のIC50の記載範囲としては4 nM〜2 μM濃度の間であり、表2中の化合物は30 nM〜2 μM濃度の間であり、表3中の化合物は1 nM〜2 μM濃度の間である。
【0147】
試験例2:
cdk5/p25に対する本発明の医薬の阻害活性:
次のプロトコールを用いることができる:
0.4 mg/mlヒストンH1および10 μM ATP (33P-ATPを300,000 cpm含有)を、50 mM ヘペス、pH 7.2、1 mM DTT、1 mM MgCl2、1 mM EGTA、0.02% トゥイーン20バッファー中、cdk5/p25 (全反応容量:100μl)の存在下に、室温で1時間インキュベートした。
【0148】
阻害剤は、DMSO(反応媒体中の最終溶液濃度1%)中に溶解した。
反応は、ポリリン酸 (85% P2O5) 25 g、85% H3PO4 126 ml、H2Oで500 mlとした(使用前に1:100に希釈した)溶液100 μlで停止した。次いで、反応混合物の等分をワットマンP81カチオン交換フィルターに移し、上記の溶液で洗浄した。取り込まれた33P放射活性を液体シンチレーション分光器で測定した。
【0149】
本発明の化合物のcdk5/p25阻害活性をIC50値で表す。典型的には、少なくとも1000倍濃度範囲に亘る、阻害剤の3倍連続希釈法を用いた。
表1中の化合物のIC50の記載範囲としては、200 nM〜5μM濃度の間である。
【0150】
本発明を説明する前記の式(I)のいくつかの化合物の特異的なIC50の記載としては、表4に示されている。
【0151】
【表4】

【0152】
製剤例
(1) 錠剤
以下の成分を通常の方法により混合し、従来の装置を用いて圧縮した。
実施例1の化合物 30 mg
結晶性セルロース 60 mg
トウモロコシ澱粉 100 mg
乳糖 200 mg
ステアリン酸マグネシウム 4 mg
【0153】
(2) 軟カプセル
以下の成分を通常の方法により混合し、軟カプセル中に充填した。
実施例1の化合物 30 mg
オリーブオイル 300 mg
レシチン 20 mg
【0154】
(1) 非経口製剤
以下の成分を通常の方法により混合し、1 mlアンプル中に含有される注射剤を調製した。
実施例1の化合物 3 mg
塩化ナトリウム 4 mg
注射用蒸留水 1 ml
【産業上の利用可能性】
【0155】
本発明の化合物は、GSK3β、またはGSK3βおよびcdk5/p25阻害活性を有しており、GSK3β、またはGSK3βおよびcdk5/p25の異常活性、より具体的には、神経変性疾患に起因する疾患の予防および/または治療用医薬の有効成分として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IV):
【化1】

[式中、R1は、C3-6シクロアルキル基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ベンジル基またはハロゲン原子で任意に置換されていてもよい2、3または4-ピリジン環を表し;R5は、水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表し、Rは、エチル基である]
の化合物と、
式(V):
【化2】

[式中、R3は水素原子、C1-6アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子を表し;R4は水素原子、C1-6アルキル基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基またはハロゲン原子を表し;そして、mが0に等しいとき、pは1、2または3に等しく、mが1に等しいとき、pは0、1または2に等しく、mが2に等しいとき、pは0または1に等しい]
の化合物とを反応させることによる、
式(III):
【化3】

[式中、R1およびR5は、前記式(IV)で定義したとおりであり、R3、R4、mおよびpは、前記式(V)で定義したとおりである]
の化合物を製造するための、式(IV)の3−ケトエステルの使用。
【請求項2】
R5がフッ素原子である、請求項1に記載の式(IV)の3−ケトエステルの使用。
【請求項3】
エチル 2−フルオロ−3−オキソ−3−ピリジン−4−イルプロパノエートからなる
請求項2に記載の式(IV)の3−ケトエステルの使用。

【公開番号】特開2010−209089(P2010−209089A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98978(P2010−98978)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【分割の表示】特願2003−530704(P2003−530704)の分割
【原出願日】平成14年9月19日(2002.9.19)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【出願人】(000002956)田辺三菱製薬株式会社 (225)
【Fターム(参考)】