置換めっきを用いたダイヤモンド付着方法及びこれに用いられるダイヤモンド付着装置
【課題】置換めっきを用いたダイヤモンド付着方法及びこれに用いられる装置について開示する。
【解決手段】本発明にかかるダイヤモンド付着方法は、被めっき母材301よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含み、ダイヤモンド粒子322が分散されている置換めっき液320に前記被めっき母材301を沈積して、前記めっき物質が前記被めっき母材301に置換めっきされながら、前記ダイヤモンド粒子322が前記めっき物質と共に前記被めっき母材301に付着されるようにすることを特徴とする。
【解決手段】本発明にかかるダイヤモンド付着方法は、被めっき母材301よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含み、ダイヤモンド粒子322が分散されている置換めっき液320に前記被めっき母材301を沈積して、前記めっき物質が前記被めっき母材301に置換めっきされながら、前記ダイヤモンド粒子322が前記めっき物質と共に前記被めっき母材301に付着されるようにすることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤモンド付着技術に関するものであり、より詳しくは、従来の電着方式によるダイヤモンド粒子付着に比べて、ダイヤモンド粒子を母材に付着させ易くする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダイヤモンド粒子は、優れた硬度により切削用工具等に広く用いられている。
【0003】
一般的に、ダイヤモンド粒子は図1或いは図2に示した形態で母材に付着及び固定される。図1に示した例はダイヤモンドが導電体でコーティングされているものであり、図2に示した例はダイヤモンドが導電体でコーティングされていないものである。
【0004】
先ず、導電体がコーティングされたダイヤモンド粒子110を微粒子付着層115を通じて母材101に付着する。この後、ダイヤモンド粒子110を含む微粒子付着層115の固定力向上のためにニッケル等を用いて育成めっき層120を形成する。ダイヤモンドが導電体でコーティングされている場合は、図1に示した例のように、ポリッシング130によりダイヤモンド粒子が露出するようにする。それに対して、ダイヤモンドが導電体でコーティングされていない場合は、図2に示した例のように、別途のポリッシング過程を経なくともダイヤモンド粒子が露出し得る。
【0005】
一方、図1及び図2に示した例において、微粒子付着層115は、主にニッケル電解めっき方式で形成される。しかし、ニッケル電解めっき方式によるダイヤモンド付着方法は、複雑な前処理過程が必要になる。また、電解ニッケルめっき方式装置を構成するためには、整流器、陽極、電線等の複雑な構造が要求される。また、ニッケル電解めっきの効率を高めるためには、電極の電流密度を高めなければならなく、50℃以上の比較的高い温度が維持されなければならない。また、ニッケル電解めっき方式によるダイヤモンド付着方法は、ニッケル電解めっき時にダイヤモンド粒子上にまた別のダイヤモンド粒子が付着する現象が度々発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2003−0047918号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10−0754009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、既存のニッケル電解めっき方式から抜け出して母材にダイヤモンド粒子を付着させ易くするダイヤモンド付着方法を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、前記のダイヤモンド付着方法に利用できる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するための本発明の実施例によるダイヤモンド付着方法は、被めっき母材よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含み、ダイヤモンド粒子が分散されている置換めっき液に前記被めっき母材を沈積して、前記めっき物質が前記被めっき母材に置換めっきされながら、前記ダイヤモンド粒子が前記めっき物質と共に前記被めっき母材に付着されるようにすることを特徴とする。
【0010】
このとき、前記被めっき母材を先に酸洗処理した後、前記めっき物質を置換めっきすることが好ましい。
【0011】
また、めっき物質の置換めっき後にはダイヤモンド粒子の固定力向上のために育成めっきが施されることが好ましい。
【0012】
また、前記被めっき母材は、ワイヤ形態又はプレート形態になり得る。また、前記被めっき母材は、定められた形態を有する工具材であり得る。
【0013】
前記の目的を達成するための本発明の実施例にかかるダイヤモンド付着装置は、めっき容器と、前記めっき容器内に貯蔵され、被めっき母材よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含み、ダイヤモンド粒子が分散されている置換めっき液を含み、前記被めっき母材が前記置換めっき液に沈積されて前記被めっき母材と前記めっき物質の置換めっきが行われると共に、前記ダイヤモンド粒子が前記めっき物質と一緒に前記被めっき母材に付着することを特徴とする。
【0014】
このとき、前記めっき容器内に配置され、前記被めっき母材が連続的に前記置換めっき液に沈積及び排出されるようにする方向転換手段をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかるダイヤモンド付着方法は、置換めっき方法を用いることにより簡単な工程でも優れた被覆力を有するめっき層を形成でき、これによりダイヤモンド粒子も母材に付着させ易くするという長所がある。
【0016】
また、本発明にかかるダイヤモンド付着方法は、ニッケル電解めっき方式を用いたダイヤモンド付着方法に比べて比較的低い温度でも実施でき、整流器や陽極が不要なため工程コストを節減できる。
【0017】
また、本発明にかかるダイヤモンド付着方法は、被めっき母材とめっき物質との置換反応によるめっき層が一定の厚さまでのみ形成されるため、ダイヤモンド粒子を単一層の形態で付着できるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】母材にダイヤモンド粒子が付着した例を示したものである。
【図2】母材にダイヤモンド粒子が付着した例を示したものである。
【図3】本発明の実施例にかかる置換めっきを用いたダイヤモンド付着装置を概略的に示したものである。
【図4】本発明の他の実施例にかかる置換めっきを用いたダイヤモンド付着装置を概略的に示したものである。
【図5】本発明の実施例にかかる置換めっきを用いたダイヤモンド付着方法を示した順序図である。
【図6】ワイヤ沈積時間によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図7】ワイヤ沈積時間によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図8】ワイヤ沈積時間によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図9】ワイヤ沈積時間によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図10】置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図11】置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図12】置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図13】置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図14】置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図15】置換めっき後、ダイヤモンド粒子が母材に付着した例を示した写真である。
【図16】置換めっき後、ダイヤモンド粒子が母材に付着した例を示した写真である。
【図17】置換めっき後、ダイヤモンド粒子が母材に付着した例を示した写真である。
【図18】置換めっき後、ダイヤモンド粒子が母材に付着した例を示した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳しく後述する実施例を参照すると明確になる。しかし本発明は、以下で開示する実施例に限定されるものではなく、相違する多様な形態に具現され、単に本実施例は本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書全体に亘り、同一参照符号は同一構成要素を指す。
【0020】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例にかかる置換めっきを用いたダイヤモンド付着方法及びこれに用いられるダイヤモンド付着装置に関して詳しく説明する。
【0021】
本発明において図1及び図2に示した微粒子付着層115を形成するために用いられる置換めっきは、イオン化傾向の違いを用いたものである。
【0022】
つまり、本発明ではイオン化傾向が高い母材金属とイオン化傾向が相対的に低いめっき金属イオンの置換反応を用いる。母材金属は電子を得てイオン化しようとし、めっき金属イオンは非イオン化しようとすると共に、母材に置換めっきが行われる。
【0023】
広く知られているように、金属のイオン化傾向は水素(H)を基準に次のように表される。
Li>K>Ba>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>H
H>Cu>Hg>Ag>Pt>Au
【0024】
例えば、母材金属がFeで、めっき金属がイオン状態で存在するCuの場合、イオン化傾向が高いFeとイオン化傾向が相対的に低いCu間には、次のような置換反応が表れる。
Fe+Cu2+→Fe2++Cu
【0025】
よって、本発明でめっきの対象になる母材、つまり、被めっき母材の場合はイオン化傾向が相対的に高い金属を用い、イオン状態で存在するめっき金属の場合はイオン化傾向が相対的に低い金属を用いる。
【0026】
図3は、本発明の実施例にかかる置換めっきを用いたダイヤモンド付着装置を概略的に示したものである。
【0027】
図3を参照すると、図示した装置は、めっき容器310及び置換めっき液320を含む。
【0028】
めっき容器310は、置換めっきが行われる内部空間を提供し、前記内部空間には置換めっき液320が貯蔵される。
【0029】
めっき容器310内に貯蔵される置換めっき液320は、置換めっきのために、被めっき母材301よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含む。また、置換めっき液320には置換めっき時にダイヤモンド粒子がめっき物質と共に被めっき母材301に付着されるように、ダイヤモンド粒子322が分散されている。
【0030】
置換めっき液320は、硫酸銅(CuSO4)水溶液、硝酸銀(AgNO3)水溶液等のように、銅や銀がイオン(Cu2+,Ag+)の形態で含まれ得る溶液になり得る。
【0031】
ダイヤモンド粒子322は、図15〜図18に示した写真を参照すると、約20μm程度のものを利用できる。しかし、必ずしもこれに制限されるのではない。
【0032】
被めっき母材301が置換めっき液320に沈積されると、被めっき母材301とめっき物質の置換めっきが行われる。このとき、めっき物質が被めっき母材301側に移動することにより、置換めっき液320に分散されたダイヤモンド粒子322も一緒に被めっき母材301側に移動し、その結果、めっき物質と一緒に被めっき母材301に付着する。
【0033】
このような置換めっきを用いたダイヤモンド粒子付着の場合、めっきのための電極や整流器が不要で、常温でも実施できる簡単な工程でめっき及びダイヤモンド粒子の付着が可能なため、工程コストの節減に有利である。
【0034】
また、置換めっきの特性上、一定の厚さまでめっきが行われると、それ以上はめっきが進行しない。よって、ダイヤモンド粒子322を単一層の形態で付着できる。
【0035】
被めっき母材301を構成する物質は、工具材等に広く用いられるアルミニウム(A l)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)等を用いることができる。
【0036】
めっき物質は、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、白金(Pt)、金(Au)等を用いることができる。このとき、めっき物質は被めっき母材よりイオン化傾向が低いものを用いる。
【0037】
このような点を考慮すると、被めっき母材とめっき物質間の置換反応は次のような例になり得る。
Fe+Cu2+→Fe2++Cu
Zn+Cu2+→Zn2++Cu
2Al+3Cu2+→2Al3++3Cu
2Al+3Zn2+→2Al3++3Zn
2Al+3Ni2+→2Al3++3Ni
Fe+Ni2+→Fe2++Ni
Zn+Ni2+→Zn2++Ni
【0038】
一方、被めっき母材301はワイヤ形態、プレート形態になり得る。また、被めっき母材301は定められた形態を有する工具材になり得る。
【0039】
被めっき母材301の形態によって、置換めっき液320に沈積される方式も図3及び図4に示した例のように相違し得る。
【0040】
つまり、被めっき母材301がワイヤ形態あるいは長いプレート形態の場合、図3に示したように、被めっき母材が連続的に置換めっき液320に沈積及び排出される方式がより好ましい。
【0041】
一方、被めっき母材301がプレート形態や定められた形態の工具材の場合は、図4に示した例のように、被めっき母材301を一定時間沈積させる方式がより好ましい。このとき、被めっき母材301bは、比重の差あるいは別途の手段等により、置換めっき液320に完全に沈積されたり、或いはダイヤモンド付着が予定の一部分だけ沈積し得る。
【0042】
また、図3に示したように、被めっき母材が連続的に置換めっき液に沈積及び排出される方式が用いられる場合は、被めっき母材の移送のためにめっき容器内に方向転換手段330をさらに含むことができる。
【0043】
方向転換手段330は、一つ以上のロールの形態からなり得る。その例として、方向転換手段330は図3に示した例のように、入側ロール及び出側ロールを含み得る。図3に示した二つのロールのうち一つは入側ロールになり、もう一つは出側ロールになる。
【0044】
入側ロールは、被めっき母材301が置換めっき液320に沈積されるように被めっき母材301の方向を転換させる役割をする。出側ロールは置換めっき及びダイヤモンド粒子付着後、被めっき母材301が置換めっき液320から排出されるように、被めっき母材の方向を転換させる役割をする。
【0045】
図5は、本発明にかかる置換めっきを用いたダイヤモンド付着方法を示した順序図である。
【0046】
図5を参照すると、本発明ではダイヤモンド粒子付着のために置換めっき方式を用いる。より具体的には、本発明にかかるダイヤモンド粒子付着方法は、被めっき母材の脱脂/酸洗段階(S510)及び置換めっき/ダイヤモンド粒子付着段階(S520)を含み得る。
【0047】
脱脂/酸洗段階(S510)では、被めっき母材を先に酸洗処理して、母材表面の酸化物等を除去し表面を活性化できる。酸洗前は、母材表面の有機物等を除去するための脱脂過程が含まれる。
【0048】
置換めっき/ダイヤモンド粒子付着段階(S520)では、被めっき母材よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含み、ダイヤモンド粒子が分散されている置換めっき液に被めっき母材を沈積する。被めっき母材が置換めっき液に沈積された状態で、めっき物質が被めっき母材に置換めっきされる。これと共に、ダイヤモンド粒子がめっき物質と一緒に被めっき母材に付着する。
【0049】
置換めっき後には、ダイヤモンド粒子が母材により堅固に付着されて固定力を向上させるために育成めっきが施される(S530)。
【0050】
一方、置換めっき液において、めっき物質の濃度は置換めっきの効率等を考慮すると0.5M〜3M程度を提示でき、ダイヤモンド粒子の濃度は50ct/L〜1000ct/L程度を提示できる。しかし、めっき物質の濃度、ダイヤモンド粒子の濃度は、必ずしもこれに限定されるのではなく、被めっき母材の沈積時間、めっき容器のサイズ、形態等によって適切に選択できる。
【0051】
同様に、置換めっき時の被めっき母材の沈積時間は、置換めっきの効率、剥離発生等を考慮すると、5秒〜1分程度を提示できるが、必ずしもこれに限定されるのではない。
【0052】
図6〜図9は、ワイヤ沈積時間によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【0053】
実験のために、1L体積の1M硫酸銅溶液に平均粒径が約20μmのダイヤモンド粒子400ctを分散し、各Fe材質の母材上に置換めっきした。
【0054】
図6〜図9を参照すると、同一な条件で母材の沈積時間が長いほどダイヤモンド粒子付着量が大体的に増加することが分かる。
【0055】
図10〜図14は、置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【0056】
実験のために、1M硫酸銅溶液に平均粒径が約20μmのダイヤモンド粒子を50ct/L(図10)、100ct/L(図11)、200ct/L(図12)、500ct/L(図13)及び1000ct/L(図14)の濃度に分散し、各Fe材質の母材上にめっきした。
【0057】
図10〜図14を参照すると、置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度が増加するほど大体的に付着量が増加することが分かる。
【0058】
図15〜図18は、置換めっき後、ダイヤモンド粒子が母材に付着した例を示した写真である。
【0059】
図15〜図18を参照すると、簡単な置換めっきによってダイヤモンド粒子が母材上に付着できることが分かる。
【0060】
上述のように、本発明にかかるダイヤモンド付着方法は、置換めっき方法を用いることにより、簡単な工程でも容易にダイヤモンド粒子を母材に付着できる。
【0061】
また、本発明にかかるダイヤモンド付着方法は、被めっき母材とめっき物質との置換反応によるめっき層が一定の厚さまでのみ形成されるため、ダイヤモンド粒子を単一層の形態で付着できる。
【0062】
以上では、本発明の実施例を中心に説明したが、当業者のレベルで多様な変更や変形を加えることができる。このような変更や変形が本発明の範囲から外れない限り、本発明に属すると言える。よって、本発明の権利範囲は以下に記載する請求の範囲によって判断しなければならない。
【符号の説明】
【0063】
101………母材、110………ダイヤモンド粒子、115………微粒子付着層、120………育成めっき層、130………ポリッシングライン、301………被めっき母材、310………めっき容器、320………置換めっき液、322………ダイヤモンド粒子、330………方向転換手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤモンド付着技術に関するものであり、より詳しくは、従来の電着方式によるダイヤモンド粒子付着に比べて、ダイヤモンド粒子を母材に付着させ易くする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ダイヤモンド粒子は、優れた硬度により切削用工具等に広く用いられている。
【0003】
一般的に、ダイヤモンド粒子は図1或いは図2に示した形態で母材に付着及び固定される。図1に示した例はダイヤモンドが導電体でコーティングされているものであり、図2に示した例はダイヤモンドが導電体でコーティングされていないものである。
【0004】
先ず、導電体がコーティングされたダイヤモンド粒子110を微粒子付着層115を通じて母材101に付着する。この後、ダイヤモンド粒子110を含む微粒子付着層115の固定力向上のためにニッケル等を用いて育成めっき層120を形成する。ダイヤモンドが導電体でコーティングされている場合は、図1に示した例のように、ポリッシング130によりダイヤモンド粒子が露出するようにする。それに対して、ダイヤモンドが導電体でコーティングされていない場合は、図2に示した例のように、別途のポリッシング過程を経なくともダイヤモンド粒子が露出し得る。
【0005】
一方、図1及び図2に示した例において、微粒子付着層115は、主にニッケル電解めっき方式で形成される。しかし、ニッケル電解めっき方式によるダイヤモンド付着方法は、複雑な前処理過程が必要になる。また、電解ニッケルめっき方式装置を構成するためには、整流器、陽極、電線等の複雑な構造が要求される。また、ニッケル電解めっきの効率を高めるためには、電極の電流密度を高めなければならなく、50℃以上の比較的高い温度が維持されなければならない。また、ニッケル電解めっき方式によるダイヤモンド付着方法は、ニッケル電解めっき時にダイヤモンド粒子上にまた別のダイヤモンド粒子が付着する現象が度々発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2003−0047918号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10−0754009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、既存のニッケル電解めっき方式から抜け出して母材にダイヤモンド粒子を付着させ易くするダイヤモンド付着方法を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、前記のダイヤモンド付着方法に利用できる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するための本発明の実施例によるダイヤモンド付着方法は、被めっき母材よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含み、ダイヤモンド粒子が分散されている置換めっき液に前記被めっき母材を沈積して、前記めっき物質が前記被めっき母材に置換めっきされながら、前記ダイヤモンド粒子が前記めっき物質と共に前記被めっき母材に付着されるようにすることを特徴とする。
【0010】
このとき、前記被めっき母材を先に酸洗処理した後、前記めっき物質を置換めっきすることが好ましい。
【0011】
また、めっき物質の置換めっき後にはダイヤモンド粒子の固定力向上のために育成めっきが施されることが好ましい。
【0012】
また、前記被めっき母材は、ワイヤ形態又はプレート形態になり得る。また、前記被めっき母材は、定められた形態を有する工具材であり得る。
【0013】
前記の目的を達成するための本発明の実施例にかかるダイヤモンド付着装置は、めっき容器と、前記めっき容器内に貯蔵され、被めっき母材よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含み、ダイヤモンド粒子が分散されている置換めっき液を含み、前記被めっき母材が前記置換めっき液に沈積されて前記被めっき母材と前記めっき物質の置換めっきが行われると共に、前記ダイヤモンド粒子が前記めっき物質と一緒に前記被めっき母材に付着することを特徴とする。
【0014】
このとき、前記めっき容器内に配置され、前記被めっき母材が連続的に前記置換めっき液に沈積及び排出されるようにする方向転換手段をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかるダイヤモンド付着方法は、置換めっき方法を用いることにより簡単な工程でも優れた被覆力を有するめっき層を形成でき、これによりダイヤモンド粒子も母材に付着させ易くするという長所がある。
【0016】
また、本発明にかかるダイヤモンド付着方法は、ニッケル電解めっき方式を用いたダイヤモンド付着方法に比べて比較的低い温度でも実施でき、整流器や陽極が不要なため工程コストを節減できる。
【0017】
また、本発明にかかるダイヤモンド付着方法は、被めっき母材とめっき物質との置換反応によるめっき層が一定の厚さまでのみ形成されるため、ダイヤモンド粒子を単一層の形態で付着できるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】母材にダイヤモンド粒子が付着した例を示したものである。
【図2】母材にダイヤモンド粒子が付着した例を示したものである。
【図3】本発明の実施例にかかる置換めっきを用いたダイヤモンド付着装置を概略的に示したものである。
【図4】本発明の他の実施例にかかる置換めっきを用いたダイヤモンド付着装置を概略的に示したものである。
【図5】本発明の実施例にかかる置換めっきを用いたダイヤモンド付着方法を示した順序図である。
【図6】ワイヤ沈積時間によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図7】ワイヤ沈積時間によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図8】ワイヤ沈積時間によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図9】ワイヤ沈積時間によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図10】置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図11】置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図12】置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図13】置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図14】置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【図15】置換めっき後、ダイヤモンド粒子が母材に付着した例を示した写真である。
【図16】置換めっき後、ダイヤモンド粒子が母材に付着した例を示した写真である。
【図17】置換めっき後、ダイヤモンド粒子が母材に付着した例を示した写真である。
【図18】置換めっき後、ダイヤモンド粒子が母材に付着した例を示した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳しく後述する実施例を参照すると明確になる。しかし本発明は、以下で開示する実施例に限定されるものではなく、相違する多様な形態に具現され、単に本実施例は本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書全体に亘り、同一参照符号は同一構成要素を指す。
【0020】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例にかかる置換めっきを用いたダイヤモンド付着方法及びこれに用いられるダイヤモンド付着装置に関して詳しく説明する。
【0021】
本発明において図1及び図2に示した微粒子付着層115を形成するために用いられる置換めっきは、イオン化傾向の違いを用いたものである。
【0022】
つまり、本発明ではイオン化傾向が高い母材金属とイオン化傾向が相対的に低いめっき金属イオンの置換反応を用いる。母材金属は電子を得てイオン化しようとし、めっき金属イオンは非イオン化しようとすると共に、母材に置換めっきが行われる。
【0023】
広く知られているように、金属のイオン化傾向は水素(H)を基準に次のように表される。
Li>K>Ba>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>H
H>Cu>Hg>Ag>Pt>Au
【0024】
例えば、母材金属がFeで、めっき金属がイオン状態で存在するCuの場合、イオン化傾向が高いFeとイオン化傾向が相対的に低いCu間には、次のような置換反応が表れる。
Fe+Cu2+→Fe2++Cu
【0025】
よって、本発明でめっきの対象になる母材、つまり、被めっき母材の場合はイオン化傾向が相対的に高い金属を用い、イオン状態で存在するめっき金属の場合はイオン化傾向が相対的に低い金属を用いる。
【0026】
図3は、本発明の実施例にかかる置換めっきを用いたダイヤモンド付着装置を概略的に示したものである。
【0027】
図3を参照すると、図示した装置は、めっき容器310及び置換めっき液320を含む。
【0028】
めっき容器310は、置換めっきが行われる内部空間を提供し、前記内部空間には置換めっき液320が貯蔵される。
【0029】
めっき容器310内に貯蔵される置換めっき液320は、置換めっきのために、被めっき母材301よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含む。また、置換めっき液320には置換めっき時にダイヤモンド粒子がめっき物質と共に被めっき母材301に付着されるように、ダイヤモンド粒子322が分散されている。
【0030】
置換めっき液320は、硫酸銅(CuSO4)水溶液、硝酸銀(AgNO3)水溶液等のように、銅や銀がイオン(Cu2+,Ag+)の形態で含まれ得る溶液になり得る。
【0031】
ダイヤモンド粒子322は、図15〜図18に示した写真を参照すると、約20μm程度のものを利用できる。しかし、必ずしもこれに制限されるのではない。
【0032】
被めっき母材301が置換めっき液320に沈積されると、被めっき母材301とめっき物質の置換めっきが行われる。このとき、めっき物質が被めっき母材301側に移動することにより、置換めっき液320に分散されたダイヤモンド粒子322も一緒に被めっき母材301側に移動し、その結果、めっき物質と一緒に被めっき母材301に付着する。
【0033】
このような置換めっきを用いたダイヤモンド粒子付着の場合、めっきのための電極や整流器が不要で、常温でも実施できる簡単な工程でめっき及びダイヤモンド粒子の付着が可能なため、工程コストの節減に有利である。
【0034】
また、置換めっきの特性上、一定の厚さまでめっきが行われると、それ以上はめっきが進行しない。よって、ダイヤモンド粒子322を単一層の形態で付着できる。
【0035】
被めっき母材301を構成する物質は、工具材等に広く用いられるアルミニウム(A l)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)等を用いることができる。
【0036】
めっき物質は、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、白金(Pt)、金(Au)等を用いることができる。このとき、めっき物質は被めっき母材よりイオン化傾向が低いものを用いる。
【0037】
このような点を考慮すると、被めっき母材とめっき物質間の置換反応は次のような例になり得る。
Fe+Cu2+→Fe2++Cu
Zn+Cu2+→Zn2++Cu
2Al+3Cu2+→2Al3++3Cu
2Al+3Zn2+→2Al3++3Zn
2Al+3Ni2+→2Al3++3Ni
Fe+Ni2+→Fe2++Ni
Zn+Ni2+→Zn2++Ni
【0038】
一方、被めっき母材301はワイヤ形態、プレート形態になり得る。また、被めっき母材301は定められた形態を有する工具材になり得る。
【0039】
被めっき母材301の形態によって、置換めっき液320に沈積される方式も図3及び図4に示した例のように相違し得る。
【0040】
つまり、被めっき母材301がワイヤ形態あるいは長いプレート形態の場合、図3に示したように、被めっき母材が連続的に置換めっき液320に沈積及び排出される方式がより好ましい。
【0041】
一方、被めっき母材301がプレート形態や定められた形態の工具材の場合は、図4に示した例のように、被めっき母材301を一定時間沈積させる方式がより好ましい。このとき、被めっき母材301bは、比重の差あるいは別途の手段等により、置換めっき液320に完全に沈積されたり、或いはダイヤモンド付着が予定の一部分だけ沈積し得る。
【0042】
また、図3に示したように、被めっき母材が連続的に置換めっき液に沈積及び排出される方式が用いられる場合は、被めっき母材の移送のためにめっき容器内に方向転換手段330をさらに含むことができる。
【0043】
方向転換手段330は、一つ以上のロールの形態からなり得る。その例として、方向転換手段330は図3に示した例のように、入側ロール及び出側ロールを含み得る。図3に示した二つのロールのうち一つは入側ロールになり、もう一つは出側ロールになる。
【0044】
入側ロールは、被めっき母材301が置換めっき液320に沈積されるように被めっき母材301の方向を転換させる役割をする。出側ロールは置換めっき及びダイヤモンド粒子付着後、被めっき母材301が置換めっき液320から排出されるように、被めっき母材の方向を転換させる役割をする。
【0045】
図5は、本発明にかかる置換めっきを用いたダイヤモンド付着方法を示した順序図である。
【0046】
図5を参照すると、本発明ではダイヤモンド粒子付着のために置換めっき方式を用いる。より具体的には、本発明にかかるダイヤモンド粒子付着方法は、被めっき母材の脱脂/酸洗段階(S510)及び置換めっき/ダイヤモンド粒子付着段階(S520)を含み得る。
【0047】
脱脂/酸洗段階(S510)では、被めっき母材を先に酸洗処理して、母材表面の酸化物等を除去し表面を活性化できる。酸洗前は、母材表面の有機物等を除去するための脱脂過程が含まれる。
【0048】
置換めっき/ダイヤモンド粒子付着段階(S520)では、被めっき母材よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含み、ダイヤモンド粒子が分散されている置換めっき液に被めっき母材を沈積する。被めっき母材が置換めっき液に沈積された状態で、めっき物質が被めっき母材に置換めっきされる。これと共に、ダイヤモンド粒子がめっき物質と一緒に被めっき母材に付着する。
【0049】
置換めっき後には、ダイヤモンド粒子が母材により堅固に付着されて固定力を向上させるために育成めっきが施される(S530)。
【0050】
一方、置換めっき液において、めっき物質の濃度は置換めっきの効率等を考慮すると0.5M〜3M程度を提示でき、ダイヤモンド粒子の濃度は50ct/L〜1000ct/L程度を提示できる。しかし、めっき物質の濃度、ダイヤモンド粒子の濃度は、必ずしもこれに限定されるのではなく、被めっき母材の沈積時間、めっき容器のサイズ、形態等によって適切に選択できる。
【0051】
同様に、置換めっき時の被めっき母材の沈積時間は、置換めっきの効率、剥離発生等を考慮すると、5秒〜1分程度を提示できるが、必ずしもこれに限定されるのではない。
【0052】
図6〜図9は、ワイヤ沈積時間によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【0053】
実験のために、1L体積の1M硫酸銅溶液に平均粒径が約20μmのダイヤモンド粒子400ctを分散し、各Fe材質の母材上に置換めっきした。
【0054】
図6〜図9を参照すると、同一な条件で母材の沈積時間が長いほどダイヤモンド粒子付着量が大体的に増加することが分かる。
【0055】
図10〜図14は、置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度によるダイヤモンド粒子付着結果を示した写真である。
【0056】
実験のために、1M硫酸銅溶液に平均粒径が約20μmのダイヤモンド粒子を50ct/L(図10)、100ct/L(図11)、200ct/L(図12)、500ct/L(図13)及び1000ct/L(図14)の濃度に分散し、各Fe材質の母材上にめっきした。
【0057】
図10〜図14を参照すると、置換めっき液内のダイヤモンド粒子濃度が増加するほど大体的に付着量が増加することが分かる。
【0058】
図15〜図18は、置換めっき後、ダイヤモンド粒子が母材に付着した例を示した写真である。
【0059】
図15〜図18を参照すると、簡単な置換めっきによってダイヤモンド粒子が母材上に付着できることが分かる。
【0060】
上述のように、本発明にかかるダイヤモンド付着方法は、置換めっき方法を用いることにより、簡単な工程でも容易にダイヤモンド粒子を母材に付着できる。
【0061】
また、本発明にかかるダイヤモンド付着方法は、被めっき母材とめっき物質との置換反応によるめっき層が一定の厚さまでのみ形成されるため、ダイヤモンド粒子を単一層の形態で付着できる。
【0062】
以上では、本発明の実施例を中心に説明したが、当業者のレベルで多様な変更や変形を加えることができる。このような変更や変形が本発明の範囲から外れない限り、本発明に属すると言える。よって、本発明の権利範囲は以下に記載する請求の範囲によって判断しなければならない。
【符号の説明】
【0063】
101………母材、110………ダイヤモンド粒子、115………微粒子付着層、120………育成めっき層、130………ポリッシングライン、301………被めっき母材、310………めっき容器、320………置換めっき液、322………ダイヤモンド粒子、330………方向転換手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被めっき母材よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含み、ダイヤモンド粒子が分散されている置換めっき液に前記被めっき母材を沈積して、
前記めっき物質が前記被めっき母材に置換めっきされながら、前記ダイヤモンド粒子が前記めっき物質と共に前記被めっき母材に付着されるようにすることを特徴とするダイヤモンド付着方法。
【請求項2】
前記被めっき母材を先に脱脂及び酸洗処理した後、前記めっき物質を置換めっきすることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド付着方法。
【請求項3】
前記めっき物質の置換めっき後、前記ダイヤモンド粒子の固定力向上のために育成めっきを施すことを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド付着方法。
【請求項4】
前記被めっき母材は、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、及び鉄(Fe)から選ばれ、
前記めっき物質は、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、白金(Pt)、及び金(Au)から選ばれるが、前記被めっき母材よりイオン化傾向が低い物質から選ばれることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド付着方法。
【請求項5】
前記被めっき母材は、
ワイヤ形態であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド付着方法。
【請求項6】
前記被めっき母材は、
プレート形態であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド付着方法。
【請求項7】
前記被めっき母材は、
定められた形態を有する工具材であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド付着方法。
【請求項8】
めっき容器と、
前記めっき容器内に貯蔵され、被めっき母材よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含み、ダイヤモンド粒子が分散されている置換めっき液を含み、
前記被めっき母材が前記置換めっき液に沈積されて前記被めっき母材と前記めっき物質の置換めっきが行われると共に、前記ダイヤモンド粒子が前記めっき物質と一緒に前記被めっき母材に付着することを特徴とするダイヤモンド付着装置。
【請求項9】
前記被めっき母材は、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、及び鉄(Fe)から選ばれ、
前記めっき物質は、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、白金(Pt)、及び金(Au)から選ばれるが、前記被めっき母材よりイオン化傾向が低い物質から選ばれることを特徴とする請求項8に記載のダイヤモンド付着装置。
【請求項10】
前記装置は、
前記めっき容器内に配置され、前記被めっき母材が連続的に前記置換めっき液に沈積及び排出されるようにする方向転換手段を含むことを特徴とする請求項8に記載のダイヤモンド付着装置。
【請求項11】
前記方向転換手段は、
前記被めっき母材が前記置換めっき液に沈積するようにする入側ロールと、
前記被めっき母材が前記置換めっき液から排出されるようにする出側ロールを含むことを特徴とする請求項10に記載のダイヤモンド付着装置。
【請求項1】
被めっき母材よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含み、ダイヤモンド粒子が分散されている置換めっき液に前記被めっき母材を沈積して、
前記めっき物質が前記被めっき母材に置換めっきされながら、前記ダイヤモンド粒子が前記めっき物質と共に前記被めっき母材に付着されるようにすることを特徴とするダイヤモンド付着方法。
【請求項2】
前記被めっき母材を先に脱脂及び酸洗処理した後、前記めっき物質を置換めっきすることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド付着方法。
【請求項3】
前記めっき物質の置換めっき後、前記ダイヤモンド粒子の固定力向上のために育成めっきを施すことを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド付着方法。
【請求項4】
前記被めっき母材は、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、及び鉄(Fe)から選ばれ、
前記めっき物質は、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、白金(Pt)、及び金(Au)から選ばれるが、前記被めっき母材よりイオン化傾向が低い物質から選ばれることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド付着方法。
【請求項5】
前記被めっき母材は、
ワイヤ形態であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド付着方法。
【請求項6】
前記被めっき母材は、
プレート形態であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド付着方法。
【請求項7】
前記被めっき母材は、
定められた形態を有する工具材であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド付着方法。
【請求項8】
めっき容器と、
前記めっき容器内に貯蔵され、被めっき母材よりイオン化傾向が低いめっき物質をイオン状態で含み、ダイヤモンド粒子が分散されている置換めっき液を含み、
前記被めっき母材が前記置換めっき液に沈積されて前記被めっき母材と前記めっき物質の置換めっきが行われると共に、前記ダイヤモンド粒子が前記めっき物質と一緒に前記被めっき母材に付着することを特徴とするダイヤモンド付着装置。
【請求項9】
前記被めっき母材は、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、及び鉄(Fe)から選ばれ、
前記めっき物質は、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、白金(Pt)、及び金(Au)から選ばれるが、前記被めっき母材よりイオン化傾向が低い物質から選ばれることを特徴とする請求項8に記載のダイヤモンド付着装置。
【請求項10】
前記装置は、
前記めっき容器内に配置され、前記被めっき母材が連続的に前記置換めっき液に沈積及び排出されるようにする方向転換手段を含むことを特徴とする請求項8に記載のダイヤモンド付着装置。
【請求項11】
前記方向転換手段は、
前記被めっき母材が前記置換めっき液に沈積するようにする入側ロールと、
前記被めっき母材が前記置換めっき液から排出されるようにする出側ロールを含むことを特徴とする請求項10に記載のダイヤモンド付着装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−44051(P2013−44051A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−31339(P2012−31339)
【出願日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【出願人】(512039754)イファ・ダイヤモンド・インダストリー・カンパニー・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【出願人】(512039754)イファ・ダイヤモンド・インダストリー・カンパニー・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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