説明

置換アミノテトラリン

本発明は、式(I)の化合物ならびにその薬学的に許容される塩およびエステルに関する(式中、R〜Rは、詳細な説明および特許請求の範囲に定義されている)。さらに、本発明は、式Iの化合物の製造および使用方法ならびにそのような化合物を含有する医薬組成物に関する。式Iの化合物は、CRTH2受容体でのアンタゴニストであり、喘息のようなその受容体に関連する疾患および異常を処置する上で有用でありうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な置換(5−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸、それらの製造、それらを含有する医薬組成物およびCRTH2アンタゴニストとしてのそれらの使用に関する。
【0002】
プロスタグランジンD(PGD2)は、活性化された肥満細胞により産生される主要なプロスタノイドであり、アレルギー性喘息およびアトピー性皮膚炎のようなアレルギー性疾患の病因に関与している。Tヘルパー型細胞上に発現される化学誘因性受容体−相同分子(CRTH2)は、プロスタグランジンD受容体の一つであり、Tヘルパー2型(Th2)細胞、好酸球、および好塩基球のようなアレルギー性炎症に関与するエフェクター細胞上で発現する(Nagataら、FEBS Lett 459: 195-199, 1999)。Th2細胞、好酸球、および好塩基球のPGD2刺激化学走化性を仲介することが示されている(Hiraiら、J Exp Med 193: 255-261, 2001)。また、CRTH2は、呼吸性バーストおよび好酸球の脱顆粒を仲介し(Gervaisら、J Allergy Clin Immunol 108: 982-988, 2001)、Th2細胞における炎症性サイトカインの産生を誘起し(Xueら、J Immunol 175: 6531-6536)、好塩基球からのヒスタミンの放出を増大させる(Yoshmura-Uchiyamaら、Clin Exp Allergy 34: 1283-1290)。そのmRNA安定性に特異的に影響を与える、CRTH2をコードする遺伝子の配列変異体は、喘息に関連していることが示されている(Huangら、Hum Mol Genet 13, 2691-2697, 2004)。CRTH2を発現する循環性T細胞の数の増大は、また、アトピー性皮膚炎の重篤度に相関している(Cosmiら、Eur J Immunol 30, 2972-2979, 2000)。これらの知見は、アレルギー性疾患においてCRTH2が炎症誘発性の役割を果たすことを示唆している。したがって、CRTH2のアンタゴニストは、喘息、アレルギー性炎症、COPD、およびアトピー性皮膚炎のような異常を処置するために有用であると考えられている。
【0003】
本発明は、式I:
【0004】
【化1】

【0005】
の化合物ならびにその薬学的に許容される塩およびエステルに関する(式中、R〜Rは、詳細な説明および特許請求の範囲に定義のとおりである)。さらに、本発明は、式Iの化合物の製造および使用方法ならびにそのような化合物を含有する医薬組成物に関する。式Iの化合物は、CRTH2受容体でのアンタゴニストであり、喘息のようなその受容体に関連する疾患および異常を処置する上で有用でありうる。
【0006】
特記しない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される以下の特定の用語および語句は、以下のように定義される:
【0007】
用語「部分」は、1個または複数個の化学結合で他の原子または分子と結合している原子または化学的に結合した原子の基を指す。例えば、式Iの変数R、R,RおよびRは、共有結合で式Iのコア構造に結合している部分を指す。
【0008】
1個または複数個の水素原子を持つ特定の部分に関して、用語「置換」は、その部分の水素原子の少なくとも1個が他の置換基または部分で置き換えられているということを指す。例えば、用語「ハロゲンで置換されている低級アルキル」は、低級アルキル(以下に定義されている)の1個または複数個の水素原子が1個または複数個のハロゲン原子で置き換えられているということを指す(例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、クロロメチルなど)。
【0009】
用語「置換されてもよい」は、(1個または複数個の水素原子を持つ)部分の1個または複数個の水素原子が、必ずしも置換されている必要はないが、他の置換基で置換されることができるということを指す。
【0010】
用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子を有する、脂肪族の直鎖状または分岐状の、飽和炭化水素部分を指す。特定の態様において、アルキルは、1〜10個の炭素原子を有する。
【0011】
用語「低級アルキル」は、1〜7個の炭素原子を有するアルキル部分を指す。特定の態様において、低級アルキルは、1〜4個の炭素原子を有し、他の特定の態様において、低級アルキルは、1〜3個の炭素原子を有する。低級アルキルの例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルが挙げられる。
【0012】
用語「低級シクロアルキル」は、一緒に結合して環構造を形成する3〜7個の炭素原子を有する飽和または部分的に不飽和の非芳香族炭化水素環部分を指す。シクロアルキルの例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
【0013】
用語「低級アルコキシ」は、部分−O−R(式中、Rは、前に定義された低級アルキルである)を指す。低級アルコキシ部分の例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシが挙げられる。
【0014】
用語「低級アルカノイル」は、部分−C(O)−R(式中、Rは、前に定義された低級アルキルである)を指す。低級アルカノイル部分の例はアセチルである。
【0015】
用語「低級アルキルスルファニル」は、部分−S−R(式中、Rは、前に定義された低級アルキルである)を指す。低級アルキルスルファニルの例として、メチルスルファニルおよびエチルスルファニルが挙げられる。
【0016】
用語「低級シクロアルキルスルファニル」は、部分−S−R(式中、Rは、前に定義された低級シクロアルキルである)を指す。低級シクロアルキルスルファニルの例として、シクロプロピルスルファニル、シクロブチルスルファニルおよびシクロペンチルスルファニルが挙げられる。
【0017】
用語「低級アルキルスルフィニル」は、部分−S(O)−R(式中、Rは、前に定義された低級アルキルである)を指す。低級アルキルスルフィニルの例として、メチルスルフィニルおよびエチルスルフィニルが挙げられる。
【0018】
用語「低級シクロアルキルスルフィニル」は、部分−S(O)−R(式中、Rは、前に定義された低級シクロアルキルである)を指す。低級シクロアルキルスルフィニルの例として、シクロプロピルスルフィニル、シクロブチルスルフィニルおよびシクロペンチルスルフィニルが挙げられる。
【0019】
用語「低級アルキルスルホニル」は、部分−S(O)−R(式中、Rは、前に定義された低級アルキルである)を指す。低級アルキルスルホニルの例として、メチルスルホニルおよびエチルスルホニルが挙げられる。
【0020】
用語「低級シクロアルキルスルファニル」は、部分−S(O)−R(式中、Rは、前に定義された低級シクロアルキルである)を指す。低級シクロアルキルスルホニルの例として、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニルおよびシクロペンチルスルホニルが挙げられる。
【0021】
用語「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードの部分を指す。
【0022】
特記しない限り、用語「水素」または「ヒドロ」は、水素原子(−H)の部分を指し、Hを指さない。
【0023】
特記しない限り、用語「式の化合物」または「式の化合物(複数)」は、式で定義された化合物の属から選択される任意の化合物を指す(任意のこのような化合物の任意の薬学的に許容される塩またはエステルを含む)。
【0024】
用語「薬学的に許容される塩」は、生物学的にもそれ以外でも望ましくないものではない、遊離塩基または遊離酸の生物学的な有効性および特性を保持するそれらの塩を指す。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸、好ましくは塩酸、および酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、サリチル酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、N−アセチルシステインなどのような有機酸とで生成しうる。さらに、塩は、無機塩基または有機塩基の遊離酸への付加により製造しうる。無機塩基由来の塩として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、およびマグネシウム塩などが挙げられるが、これらに限定されない。有機塩基由来の塩として、一級、二級、および三級アミン、天然由来の置換アミンを含む置換アミン、環状アミンならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で存在することができる。本発明の化合物は、また、薬学的に許容されるエステル(すなわち、プロドラッグとして使用される式Iの酸のメチルおよびエチルエステル)の形態で存在することができる。本発明の化合物は、また、溶媒和、すなわち、水和されていることができる。溶媒和は、製造プロセスの過程で達成されるか、または、つまりは、初めは無水の式Iの化合物の吸湿特性の結果として、生起しうる(水和)。
【0026】
同一の分子式を有するが、それらの原子の結合の性質もしくは順序またはそれらの原子の空間における配置が異なる化合物は、「異性体」と称される。それらの原子の空間における配置が異なる異性体は、「立体異性体」と称される。ジアステレオマーは、鏡像異性体ではない、1個または複数個のキラル中心において反対の配置を持つ立体異性体である。互いに重ね合わせられない鏡像である1個または複数個の不斉中心を有する立体異性体は、「鏡像異性体」と称される。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、炭素原子が、4個の異なる基に結合しているとき、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、その不斉中心(単数または複数)の絶対配置で特徴付けすることができ、Cahn、IngoldおよびPrelogのR−およびS−順位則で記載されるか、または分子が偏光面を回転させる様式で特徴付けし、右旋性または左旋性(すなわち、それぞれ(+)−または(−)−異性体)として表すことができる。キラル化合物は、個々の鏡像異性体またはそれらの混合物のいずれかとして存在することができる。鏡像異性体を等しい比率で含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0027】
化合物の用語「治療有効量」は、疾患の症状を予防、緩和もしくは改善するかまたは処置される対象の生存を延ばすのに有効な化合物の量を意味する。治療有効量の決定は、従来技術の範囲内である。本発明に係る化合物の治療有効量または用量は、広い範囲で変動することができ、当技術分野において公知の方法で決定しうる。このような用量は、投与される特定の化合物、投与経路、処置される症状、および処置される患者を含む各々の特定の場合における個々の要件に適合される。一般に、約70kgの体重の成人への経口または非経口投与の場合、約0.1mg〜約5,000mg、1mg〜約1,000mg、または1mg〜100mgの一日用量が適切であるが、指定される場合には、上限および下限を超えてもよい。一日用量は、単回投与または分割投与として投与することができ、非経口投与については、連続的注入として与えてもよい。
【0028】
用語「薬学的に許容される担体」は、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌および抗カビ剤、等張剤および吸収遅延剤、ならびに薬学的投与に適合性の他の物質および化合物を含む、薬学的投与に適合性のあらゆる物質を含むことが意図される。任意の慣用の媒体または物質が活性化合物と非適合性である場合を除いて、本発明の組成物中でその使用が検討される。追加の活性化合物をも組成物に加えることができる。
【0029】
本明細書の組成物を調製するために有用な薬学的担体は、固体、液体または気体であることができる。そこで、組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、坐剤、散剤、腸溶性コーティング製剤または他の保護された製剤(例えばイオン交換樹脂への結合または脂質−タンパク質小胞中のパッケージング)、持続放出製剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、エアロゾル剤などの形態を採りうる。担体は、石油、動物、植物または合成起源の油、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などを含む様々な油より選択することができる。水、生理食塩水、水性デキストロース、およびグリコールは、特に(血液と等張の場合に)注射液用の、好ましい液体担体である。例えば、静脈内投与用製剤は、固体活性成分を水に溶解させて水溶液を作製すること、およびその溶液を滅菌することによって調製される、活性成分の無菌水溶液を含む。適切な薬学的賦形剤として、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、タルク、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどが挙げられる。この組成物は、保存料、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、浸透圧を調整するための塩、緩衝剤などの慣用の薬学的添加剤にさらされることがある。適切な薬学的担体およびそれらの製剤は、E. W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciencesに記載されている。このような組成物は、いずれにしても、レシピエントに適切に投与するための適切な剤形を調製するように、適切な担体と一緒に有効量の活性化合物を含有するものである。
【0030】
本発明の方法の実施にあたり、本発明の化合物の任意の一つあるいは本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの任意のものの組み合わせの有効量が、単独でまたは組み合わせて、当技術分野において通常の許容される任意の方法により投与される。したがって、この化合物または組成物は、経口(例えば頬側口腔)、舌下、非経口(例えば、筋肉内、静脈内、または皮下)、直腸(例えば、坐剤または洗浄剤による)、経皮(例えば、皮膚電気穿孔法)で、または吸入により(例えば、エアロゾル剤による)、そして錠剤および懸濁剤を含む固体、液体または気体投薬の形態で投与することができる。投与は、適宜、単回の単位用量剤形の連続治療で、または適宜の単回投与治療で行うことができる。治療用組成物は、パモ酸などの親油性塩と共に油性エマルションもしくは分散液の形態、または皮下もしくは筋肉内投与用の生分解性持続放出組成物の形態でもありうる。
【0031】
詳細には、本発明は、式I:
【0032】
【化2】

【0033】
(式中、
は、水素、ハロゲン、メトキシ、またはフェニルであり;Rは、水素、ハロゲン、またはアルキルであるが;ただし、RおよびRは、双方共には水素ではなく;
は、水素またはメチルであり;
は、
(1)ハロゲン;
(2)ハロゲンで置換されてもよい低級アルキル;
(3)低級アルカノイル;
(4)低級アルコキシ;
(5)低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフィニル、または低級アルキルスルホニル;
(6)低級シクロアルキルスルファニル、低級シクロアルキルスルフィニル、または低級シクロアルキルスルホニル;および
(7)フェニルまたはピリジン(ここで、該フェニルまたはピリジンは、低級アルキル、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルホニル、低級シクロアルキルスルファニル、または低級シクロアルキルスルホニルで置換されてもよい)、
よりなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジンである)
の化合物ならびにその薬学的に許容される塩およびエステルに関する。
【0034】
特記されない限り、式Iの属およびその全ての下位属は、全ての可能な立体異性体(すなわち、(R)−鏡像異性体および(S)−鏡像異性体)ならびにそのラセミおよび非ラセミ混合物を包含する。本発明の一つの態様において、式Iの化合物は、式Iの(R)−鏡像異性体についての以下の下位属の構造式IAに表されている、(R)−鏡像異性体またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである:
【0035】
【化3】

【0036】
(式中、R〜Rは、前に定義のとおりである)。
【0037】
他の態様において、式Iの化合物は、式Iの(S)−鏡像異性体についての以下の下位属の構造式IBに表されている、(S)−鏡像異性体またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである:
【0038】
【化4】

【0039】
(式中、R〜Rは、前に定義のとおりである)。
【0040】
他の態様において、本発明は、式Iの化合物の(R)−鏡像異性体および(S)−鏡像異性体の混合物(ラセミまたは他のもの)を含む組成物に関する。
【0041】
より特定の態様において、本発明は、Rが、水素である、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0042】
より特定の態様において、本発明は、Rが、水素である、式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0043】
他の態様において、本発明は、Rが、メチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0044】
より特定の態様において、本発明は、Rが、メチルである、式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0045】
一つの態様において、本発明は、Rが、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メトキシ、またはフェニルであり、Rが、水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、プロピル、またはイソプロピルであるが;ただし、RおよびRは、双方共には水素ではない、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0046】
より特定の態様において、本発明は、Rが、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メトキシ、またはフェニルであり、Rが、水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、プロピルもしくはイソプロピルであるが;ただし、RおよびRは、双方共には水素ではない、式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0047】
より特定の態様において、本発明は、Rが、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メトキシ、またはフェニルであり、Rが、水素またはフルオロであるが;ただし、RおよびRは、双方共には水素ではない、式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0048】
一つの態様において、本発明は、RまたはRの少なくとも一方が、ハロゲンである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0049】
他の態様において、本発明は、Rが、フルオロまたはクロロである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0050】
他の態様において、本発明は、Rが水素であり、Rがフルオロである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0051】
他の態様において、本発明は、Rが水素であり、Rがクロロである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0052】
他の態様において、本発明は、Rが水素であり、Rがメチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0053】
他の態様において、本発明は、Rが水素であり、Rがエチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0054】
他の態様において、本発明は、Rが水素であり、Rがプロピルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0055】
他の態様において、本発明は、Rが水素であり、Rがイソプロピルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0056】
他の態様において、本発明は、Rがフルオロであり、Rが水素である、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0057】
他の態様において、本発明は、Rがフルオロであり、Rがフルオロである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0058】
他の態様において、本発明は、Rがフルオロであり、Rがクロロである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0059】
他の態様において、本発明は、Rがフルオロであり、Rがメチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0060】
他の態様において、本発明は、Rがフルオロであり、Rがエチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0061】
他の態様において、本発明は、Rがフルオロであり、Rがプロピルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0062】
他の態様において、本発明は、Rがフルオロであり、Rがイソプロピルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0063】
他の態様において、本発明は、Rがクロロであり、Rが水素である、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0064】
他の態様において、本発明は、Rがクロロであり、Rがフルオロである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0065】
他の態様において、本発明は、Rがクロロであり、Rがクロロである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0066】
他の態様において、本発明は、Rがクロロであり、Rがメチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0067】
他の態様において、本発明は、Rがクロロであり、Rがエチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0068】
他の態様において、本発明は、Rがクロロであり、Rがプロピルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0069】
他の態様において、本発明は、Rがクロロであり、Rがイソプロピルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0070】
他の態様において、本発明は、Rがブロモであり、Rが水素である、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0071】
他の態様において、本発明は、Rがブロモであり、Rがフルオロである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0072】
他の態様において、本発明は、Rがブロモであり、Rがクロロである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0073】
他の態様において、本発明は、Rがブロモであり、Rがメチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0074】
他の態様において、本発明は、Rがブロモであり、Rがエチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0075】
他の態様において、本発明は、Rがブロモであり、Rがプロピルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0076】
他の態様において、本発明は、Rがブロモであり、Rがイソプロピルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0077】
他の態様において、本発明は、Rがメトキシであり、Rが水素である、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0078】
他の態様において、本発明は、Rがメトキシであり、Rがフルオロである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0079】
他の態様において、本発明は、Rがメトキシであり、Rがクロロである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0080】
他の態様において、本発明は、Rがメトキシであり、Rがメチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0081】
他の態様において、本発明は、Rがメトキシであり、Rがエチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0082】
他の態様において、本発明は、Rがメトキシであり、Rがプロピルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0083】
他の態様において、本発明は、Rがメトキシであり、Rがイソプロピルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0084】
他の態様において、本発明は、Rがフェニルであり、Rが水素である、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0085】
他の態様において、本発明は、Rがフェニルであり、Rがフルオロである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0086】
他の態様において、本発明は、Rがフェニルであり、Rがクロロである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0087】
他の態様において、本発明は、Rがフェニルであり、Rがメチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0088】
他の態様において、本発明は、Rがフェニルであり、Rがエチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0089】
他の態様において、本発明は、Rがフェニルであり、Rがプロピルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0090】
他の態様において、本発明は、Rがフェニルであり、Rがイソプロピルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0091】
他の態様において、本発明は、Rが、前に定義のとおりの1個または2個の置換基で置換されているフェニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0092】
他の態様において、本発明は、Rが、前に定義のとおりの1個または2個の置換基で置換されているピリジンである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0093】
より特定の態様において、本発明は、Rが、
(1)ハロゲン;および
(2)ハロゲンで置換されてもよい低級アルキル
よりなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されているフェニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0094】
より特定の態様において、本発明は、Rが、
(1)フルオロ;
(2)クロロ;
(3)ブロモ;
(4)低級アルキル
(5)低級アルカノイル;
(6)低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフィニル、または低級アルキルスルホニル;
(7)低級シクロアルキルスルファニル、低級シクロアルキルスルフィニル、または低級シクロアルキルスルホニル;
(8)トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、またはフルオロメチル;および
(9)1,1’−ジフルオロエチル
(10)低級アルキルまたは低級アルキルスルホニルで置換されてもよいフェニル;および
(11)低級アルキルまたは低級アルキルスルホニルで置換されてもよいピリジン
よりなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されているフェニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0095】
より特定の態様において、本発明は、Rが、
(1)フルオロ;
(2)クロロ;
(3)ブロモ;
(4)メチル;
(5)エチル;
(6)プロピルまたはイソプロピル;
(7)ブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチル;
(8)トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、またはフルオロメチル;および
(9)1,1’−ジフルオロエチル
よりなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されているフェニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0096】
より特定の態様において、本発明は、Rが、
(1)フルオロ;
(2)クロロ;
(3)ブロモ;および
(4)トリフルオロメチル
よりなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されているフェニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0097】
一つの態様において、本発明は、Rが、
(1)ハロゲン;
(2)ハロゲンで置換されてもよい低級アルキル;および
(3)フェニルまたはピリジン(ここで、該フェニルまたはピリジンは低級アルキルで置換されてもよい)、
よりなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されているピリジンである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0098】
より特定の態様において、本発明は、Rが、
(1)フルオロ;
(2)クロロ;
(3)ブロモ;
(4)低級アルキル
(5)低級アルカノイル;
(6)低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフィニル、または低級アルキルスルホニル;
(7)低級シクロアルキルスルファニル、低級シクロアルキルスルフィニル、または低級シクロアルキルスルホニル;
(8)トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、またはフルオロメチル;および
(9)1,1’−ジフルオロエチル
(10)低級アルキルまたは低級アルキルスルホニルで置換されてもよいフェニル;および
(11)低級アルキルまたは低級アルキルスルホニルで置換されてもよいピリジン
よりなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されているピリジンである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0099】
より特定の態様において、本発明は、Rが、
(1)フルオロ;
(2)クロロ;
(3)ブロモ;
(4)メチル;
(5)エチル;
(6)プロピルまたはイソプロピル;
(7)ブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチル;
(8)トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、またはフルオロメチル;
(9)1,1’−ジフルオロエチル
(10)低級アルキルで置換されてもよいフェニル;および
(11)低級アルキルで置換されてもよいピリジン
よりなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されているピリジンである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0100】
より特定の態様において、本発明は、Rが、
(1)低級アルキルで置換されてもよいフェニル;および
(2)低級アルキルで置換されてもよいピリジン
よりなる群から独立して選択される1個の置換基で置換されているピリジンである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0101】
より特定の態様において、本発明は、Rが、フェニルで置換されているピリジン(ここで、該フェニルは、低級アルキル部分で置換されてもよい)である、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。より特定の態様において、該フェニルは、イソプロピル部分で置換されている。
【0102】
特定の態様において、本発明は、Rが、位置が下の式IC:
【0103】
【化5】

【0104】
中に示されている2位、3位、4位、5位または6位において、1個または2個の置換基で置換されているフェニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0105】
一つの態様において、本発明は、Rが、(式ICに示されている)2位において一つの置換基で、4位または5位において他の置換基で置換されているフェニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0106】
他の態様において、本発明は、Rが、(式ICに示されている)2位において一つの置換基で、5位において他の置換基で置換されているフェニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0107】
他の態様において、本発明は、Rが、(式ICに示されている)2位または6位において一つの置換基で、4位において他の置換基で置換されているフェニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0108】
他の態様において、本発明は、Rが、(式ICに示されている)3位において一つの置換基で、5位において他の置換基で置換されているフェニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0109】
他の態様において、本発明は、Rが、(式ICに示されている)3位または5位において一つの置換基で、4位において他の置換基で置換されているフェニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0110】
他の態様において、本発明は、Rが、フルオロまたはクロロであり、Rが、水素またはフルオロであり;Rが、フルオロ、ブロモ、またはトリフルオロメチルよりなる群から独立して選択される置換基で、(式ICに示されている)3位および5位において置換されているフェニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0111】
他の態様において、本発明は、Rが、フルオロまたはクロロであり、Rが、水素またはフルオロであり;Rが、トリフルオロメチルで、(式ICに示されている)3位および5位において置換されているフェニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0112】
他の特定の態様において、本発明は、Rが、位置が下の式ID:
【0113】
【化6】

【0114】
中に示されている4位、5位、または6位において、1個または2個の置換基で置換されているピリジンである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0115】
一つの態様において、本発明は、Rが、(式IDに示されている)6位において一つの置換基で、4位において他の置換基で置換されているピリジンである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0116】
他の態様において、本発明は、Rが、(式IDに示されている)4位において一つの置換基で、5位において他の置換基で置換されているピリジンである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0117】
他の態様において、本発明は、Rが、(式IDに示されている)5位において一つの置換基で置換されているピリジンである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0118】
他の態様において、本発明は、Rが、(式IDに示されている)5位において一つの置換基で、6位において他の置換基で置換されているピリジンである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0119】
他の態様において、本発明は、Rが、(式IDに示されている)6位において一つの置換基で置換されているピリジンである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0120】
他の態様において、本発明は、Rが、(式IDに示されている)6位においてフェニルで置換されているピリジン(ここで、該フェニルは、それ自体低級アルキルで置換されてもよい)である、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0121】
より特定の態様において、本発明は、
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−イソプロピル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−クロロ−5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−クロロ−5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−クロロ−5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−クロロ−5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−クロロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−3−クロロ−5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−クロロ−2−フルオロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[2,3−ジフルオロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−フルオロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
{2,3−ジフルオロ−5−[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−フルオロ−5−[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−5−[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
[(R)−3−ブロモ−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−3−クロロ−2−フルオロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−3−クロロ−5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−3−クロロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−3−クロロ−5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
{3−クロロ−2−フルオロ−5−[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
[5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
{2−フルオロ−5−[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
[(R)−3−ブロモ−5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−3−ブロモ−5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
およびその任意の薬学的に許容される塩またはエステルよりなる群から選択される式Iの化合物に関する。
【0122】
他のより特定の態様において、本発明は、
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−5−[(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−5−[(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−5−[(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−5−[(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−2−フルオロ−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−フルオロ−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{2,3−ジフルオロ−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
(2,3−ジフルオロ−5−{[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
(3−フルオロ−5−{[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
(3−クロロ−5−{[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
(3−クロロ−2−フルオロ−5−{[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{5−[(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
(2−フルオロ−5−{[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
およびその任意の薬学的に許容される塩またはエステルよりなる群から選択される式Iの化合物に関する。
【0123】
他の特定の態様において、本発明は、[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−イソプロピル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;およびその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0124】
他の特定の態様において、本発明は、{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;およびその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0125】
他の特定の態様において、本発明は、{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;およびその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0126】
他の特定の態様において、本発明は、{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;およびその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0127】
他の特定の態様において、本発明は、{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;およびその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0128】
他の特定の態様において、本発明は、{3−クロロ−5−[(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;およびその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0129】
他の特定の態様において、本発明は、{3−クロロ−5−[(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;およびその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0130】
他の特定の態様において、本発明は、{5−[(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;およびその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0131】
さらなる態様において、本発明は、重篤な喘息または慢性閉塞性肺疾患の処置用の医薬の製造のための、式Iの化合物の使用を提供する。
【0132】
本発明の化合物は、任意の慣用の手段により製造することができる。これらの化合物の好適な合成方法は、実施例中に提供されている。一般に、式Iの化合物は、以下に示されているスキームに従って製造することができる。
【0133】
【化7】

【0134】
テトラヒドロ−ナフタレン環上の置換基を持つ対象の化合物IおよびIAは、スキーム1に従って製造することができる。フェノールIIIおよび無水コハク酸(IV)を出発して、エステル化とそれに続くフリース転位は、酪酸誘導体VIを与える。ケト酸VIのクレメンゼン還元は、構造VIIの化合物を生成する。メチル化とそれに続くエステル加水分解は、フェノールVIIをメトキシ酸誘導体IXに変換し、これは、分子内フリーデル−クラフツ反応を経てナフタレノンXを形成することができる。構造Xの化合物の脱メチル化は、5−ヒドロキシ−ナフタレノンXIを与え、これは、塩基性条件下にブロモ酢酸tert−ブチル(XII)で求核置換すると、エーテルXIIIを生成する。中間体XIIIの還元的アミノ化反応は、対応するアミノ誘導体XVを与える。アミノ化合物XVの塩化スルホニルXVIでのスルホニル化は、対応する構造XVIIのスルホンアミドを与える。スルホンアミドXVIIのN−メチル化は、対応する誘導体XIXを与える。XVIIまたはXIXのいずれかのエステル加水分解は、対象の化合物Iを生成し、これは、キラルHPLCにより、光学的に純粋な(R)−鏡像異性体IAに分割することができる。
【0135】
手順の第一工程において、フェノールIIIと無水コハク酸(IV)との求核置換反応はフェノールエステルVを与える。引き続く、オルトケト酸VIを生成する中間体Vのフリース転位は、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、または四塩化チタンのような強ルイス酸触媒の存在下に、無水条件下、希釈せずにまたはテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、もしくはジクロロエタンのような溶媒中で、室温〜還流温度の間の温度で数時間行うことができる。
【0136】
ケト酸VIの誘導体VIIへの変換は、クレメンゼン還元条件下で達成することができる。反応は、典型的には、亜鉛アマルガムおよび塩酸を用いて、トルエンまたはエーテルのような補助溶媒と共にまたはなしで、室温〜還流温度の間の温度で3日間行う。
【0137】
フェノールVIIの化合物VIIIへのメチル化は、当業者に周知の方法を用いて達成することができる。例えば、硫酸ジメチルを、炭酸カリウムまたは水酸化カリウムのような塩基の存在下に、アセトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、トルエン、水またはこれらの混合物のような溶媒中で、室温〜還流温度の間の温度で、好ましくは還流温度で数時間、用いることができる。または、ヨウ化メチルを同様の反応条件下に、メチル化剤として用いることができる。
【0138】
R1がブロモであり、R2が水素である化合物VIIIの特定の場合について、主要な中間体VIIIは、その全体が参照によりここに組み入れられる米国特許第7,226,951号(WO2005058798)に記載されているように製造することができる。
【0139】
対応する酸誘導体IXを与える、メチルエステルVIIIの加水分解は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような無機塩基水溶液の存在下に、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中で、室温で数時間、行うことができる。
【0140】
ナフタレノンXを生成する、酸誘導体IXの環化は、二工程で達成することができる。第一工程は、当業者に周知の方法を用いて、酸IXを対応する塩化アシル誘導体へ変換することである。この酸は、室温〜還流温度の間の温度で数時間、塩化チオニルまたは三塩化リンもしくは五塩化リンのようなある種の塩化リン試薬で処理することができる。第二工程は、塩化アルミニウムのような強ルイス酸の存在下に、無水条件下、得られた塩化アシル中間体の分子内フリーデル−クラフツアシル化よりなる。反応は、希釈せずに(無溶媒)またはテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ベンゼンもしくは1,2−ジクロロエタンのような溶媒中のいずれかで、室温〜80℃の間の温度で数時間行うことができる。あるいは、ナフタレノンXは、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、または1,1,2,2−テトラクロロエタンのような溶媒中で、加温温度で数時間、化合物IXをオキシ塩化リンで処理することにより得ることができる。
【0141】
フェノール誘導体XIを与える、メトキシ化合物Xの脱メチル化は、塩化アルミニウムの存在下に、ジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン、またはp−キシレンのような溶媒中で、室温〜還流温度の間の温度で数時間行うことができる。
【0142】
化合物XIIIを与える、8−ヒドロキシ−ナフタレノンXのブロモ酢酸tert−ブチル(XII)での求核置換反応は、当業者に周知の方法を用いて達成することができる。反応は、典型的には、炭酸物塩基(例えば、炭酸セシウム、炭酸カリウムなど)または水酸化カリウムの存在下に、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、またはジメチルスルホキシドのような非プロトン性溶媒中で、50〜100℃の間の温度で数時間行う。
【0143】
ナフタレノンXIIIのアミン誘導体XVへの変換は、還元的アミノ化を経て達成することができる。反応は、ケトンXIIIを酢酸アンモニウム(XIV)またはアンモニアのようなアミンで処理して対応するイミンを生成し、次いでこれを単離して適切な還元剤(たとえば、水素化ホウ素ナトリウム)で還元することにより、段階的に行うことができる。イミン形成およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBHCN)またはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OCOCH)のような還元剤で同時に生じる還元を共に、ワンポットで同じ反応手順を行うこともできる。反応は、典型的には、メタノールまたはテトラヒドロフランのような溶媒中、室温〜還流温度の間の温度で数時間行う。
【0144】
スルホンアミドXVIIを与える、アミンXVの塩化スルホニルXVIでのスルホニル化は、当業者に周知の方法を用いて容易に達成することができる。反応は、典型的には、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、またはジメチル−ピリジン−4−イルアミンのような塩基の存在下に、ジクロロメタン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランまたはそれらの混合物のような適切な不活性溶媒中で、0℃〜室温で16時間行う。
【0145】
多数の塩化スルホニルが市販されている。市販されていない塩化スルホニルの製造は、種々の方法を通して、当業者に周知である[例えば、a) Gilbert, E.E. Sulfonation and Related Reactions; Wiley: NY, 1965; b) Gilbert, E.E. Synthesis, 1969, 1, 6;および c) 下記の、2−クロロ−5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジンから塩化5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルの製造について記述の手法を参照されたい]。
【0146】
誘導体XIXを製造する、化合物XVIIのN−メチル化は、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムのような弱塩基の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、またはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、65℃で5時間、化合物XVIIをヨウ化メチル(XVIII)で処理することにより達成することができる。
【0147】
エステルXVIIまたはXIXの加水分解は、対応する酸Iを与える。反応は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムのような無機塩基の水溶液の存在下に、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、室温で数時間行うことができる。
【0148】
鏡像異性体的に純粋な(R)−体である、対象の化合物IAは、キラルクロマトグラフィーを用いて、ラセミ混合物Iの分割を経て得ることができる。
【0149】
または、(R)−鏡像異性体IAは、ここでは、ラセミのXVのキラル分割により得ることができる中間体XVの鏡像異性体的に純粋な形態を用いて、スキーム1に記載のものと全く同じ経路をたどることにより生成することができる。
【0150】
【化8】

【0151】
R1がクロロであり、R2が水素である特定の場合について、スキーム2に概括したように、代替的合成法を、主要な中間体IXaを得るために使用しうる(分子内フリーデル−クラフツ環化の前に)。2−ブロモ−5−クロロアニソール(XX)と3−ブチン−1−オール(XXI)との間の薗頭カップリングは、アセチレン中間体XXIIを与え、これは水素化により還元されて、中間体アルコールXXIIIをもたらす。アルコールXXIIIの対応するカルボン酸への酸化は、主要な中間体IXa(ここで、R1はクロロであり、R2は水素である)を与える。次いで、中間体IXaは、前に上記したようにして(スキーム1)、対象の化合物I(ここで、R1はクロロであり、R2は水素である)に変換することができる。
【0152】
アリール置換アセチレンXXIIを与える、2−ブロモ−5−クロロアニソール(XX)と3−ブチン−1−オール(XXI)との間の薗頭カップリングは、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)または塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)のようなパラジウム触媒およびヨウ化銅(I)のような銅(I)触媒の存在下に達成することができる。反応は、ピロリジンのような不活性溶媒中、室温〜80℃の間の温度で数時間行うことができる。
【0153】
アセチレンXXIIの対応する飽和アルコールXXIIIへの還元は、PtOの存在下に、50psiの水素雰囲気下で水素化することにより達成することができる。反応は、酢酸エチルのような溶媒中、室温で数時間行うことができる。
【0154】
アルコールXXIIIの対応する酸IXa(ここで、R1はクロロであり、R2は水素である)への酸化は、種々の酸化剤を使用して、当業者に周知の方法を用いて達成することができる。例えば、HIO/CrOを酸化剤として使用できる。反応は、アセトニトリルと水のような適切な溶媒の混合物中、0℃で行うことができる。
【0155】
【化9】

【0156】
R1がブロモであり、R2が水素である特定の場合について、スキーム3に概括したように、代替的合成法を、主要な中間体XIIIbを得るために使用しうる(還元性アミノ化の前に)。市販のジブロモ誘導体XXIVの非位置選択的Pd触媒ヒドロキシル化は、単工程でフェノール誘導体XIbを与える。反応では、二つの他の生成物、すなわちジヒドロキシル誘導体XXVおよび望ましくない位置異性体XXVIが、同じく認められる。次いで、中間体XIbは、分離され、先に記載したように、ブロモ酢酸tert−ブチル(XII)での処理により、エステルXIIIbに変換される。対象の化合物IまたはIA(ここで、R1はブロモであり、R2は水素である)は、次いで、(スキーム1中で)前に上で記述したものと類似の方法で、XIIIbから製造される。
【0157】
中間体XIIIb(スキーム1に記載のように、XIbとブロモ酢酸tert−ブチル(XII)との反応を経て製造される)は、フェニルボロン酸との鈴木クロス−カップリング反応により、フェニル置換誘導体XIIIcを与える。スキーム1に記載のものと同様の反応手順は、次いで、対象の化合物IまたはIA(ここで、R1はフェニルであり、R2は水素である)を与える。
【0158】
フェノール誘導体XIbを製造する、5,7−ジブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(XXIV)のPd触媒ヒドロキシル化は、Buchwaldら(J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 10694)により記述された方法を用いて達成することができる。反応は、触媒量のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)およびジ−tert−ブチル−(2’、4’、6’−トリイソプロピル−ビフェニル−2−イル)−ホスファンを用いて、水とジオキサンの混合物中、100℃で、水酸化カリウムを用いて行うことができる。
【0159】
XIbのXIIIbへの変換は、上記のようにして(スキーム1)、達成することができる。(3−ブロモ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)酢酸tert−ブチルエステル(XIIIb)のフェニルボロン酸とのPd触媒鈴木カップリングは、次いで、Pd触媒、例えば[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムおよび炭酸セシウムのような塩基の存在下に、ジメトキシエタンのような溶媒中、95℃で数時間行う。
【0160】
次いで、中間体XIIIcは、(スキーム1中で)前に上で記述したように、対象の化合物IまたはIA(ここで、R1はフェニルであり、R2は水素である)に変換することができる。
【0161】
【化10】

【0162】
R1がメトキシであり、R2が水素である特定の場合について、スキーム4に概括したように、代替的合成法を、主要な中間体XIIIdを得るために使用しうる(還元的アミノ化の前に)。ジヒドロキシ誘導体XXV(スキーム3に記載のようにして製造される)は、スルホニル化されて、対応するビス−トリフラート誘導体XXVIIを形成することができ、これは、次いで、7位でのトリフルオロメチルスルホニル基の選択的切断を経て、モノトリフラートXXVIIIへ変換される。XXVIIIのtert−ブチルエステルXXIXへの変換は、スキーム1で先に記述したように、ブロモ酢酸tert−ブチルでの処理により達成することができる。4位の残存トリフラートの除去と引き続く、得られたフェノールのメチル化は、主要な中間体XIIIdを生成し、これは、次に、続いて、スキーム1中で先に記述したように、対象の化合物IまたはIA(ここで、R1はメトキシであり、R2は水素である)に変換される。
【0163】
ジヒドロキシ化合物XXVのビス−トリフラート誘導体XXVIIへのスルホニル化は、当業者に周知の手法に従って達成することができる。例えば、反応は、無水トリフルオロメタンスルホン酸のようなスルホニル化剤およびジイソプロピルエチルアミンのような塩基を用いて、ジクロロメタンのような不活性溶媒中、0℃近傍の温度で行うことができる。
【0164】
ヒドロキシ誘導体XXVIIIを生成する、7位でのトリフラートの切断は、炭酸セシウムのような塩基を用いて、ジメトキシエタンのような溶媒中、80℃または還流温度で達成することができる。
【0165】
tert−ブチルエステルXXIXを与える、XXVIIIとブロモ酢酸tert−ブチル(XII)との間の求核置換反応は、先に記述したようにして達成することができる。反応は、典型的には、炭酸物塩基(例えば、炭酸セシウム、炭酸カリウムなど)の存在下に、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、またはジメチルスルホキシドのような非プロトン性溶媒中で、室温〜100℃の間の温度で数時間行われる。
【0166】
ヒドロキシル誘導体XXXを生成する、XXIX中の残余のトリフラート官能基の切断は、テトラヒドロフランのような溶媒中、室温で数時間、フッ化テトラブチルアンモニウムで処理することにより達成しうる。
【0167】
メトキシ誘導体XIIIdを生成する、フェノールXXXのO−メチル化は、当業者に周知の方法を用いて行うことができる。例えば、反応は、炭酸カリウムのような塩基の存在下に、アセトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、もしくはN,N−ジメチルホルムアミドまたはこれらの混合物のような溶媒中、室温〜還流温度の間の温度(好ましくは還流温度)で数時間、ヨードメタンまたは硫酸ジメチルのようなメチル化剤を用いて行うことができる。
【0168】
次いで、中間体XIIIdは、(スキーム1中で)先に上で記述したように、対象の化合物IまたはIA(ここで、R1はメトキシであり、R2は水素である)に変換することができる。
【0169】
実施例
【0170】
中間体および最終化合物は、フラッシュクロマトグラフィーおよび/または分取HPLC(高速液体クロマトグラフィー)のいずれかで精製した。フラッシュクロマトグラフィーは、特記しない限り、(1)Biotage SP1(商標)システムおよびQuad 12/25 Cartridgeモジュール(Biotage ABより)または(2)ISCO CombiFlash(登録商標)クロマトグラフィー機器(Teledyne Isco Inc.より)を用いて行った。シリカゲルのブランドおよび孔径は、(1)KP−SIL(商標)60Å、粒径:40〜60ミクロン(Biotage ABより);(2)シリカゲルCAS登録番号:63231−67−4、粒径:47〜60ミクロン;または(3)Qingdao Haiyang Chemical Co., Ltd, からのZCX、粒径:200〜300メッシュまたは300〜400メッシュである。分取HPLCは、Xbridge(商標)Prep C18(5μm、OBD(商標)30x100mm)カラム(Waters Corporationより)、SunFire(商標)Prep C18(5μm、OBD(商標)30x100mm)カラム(Waters Corporationより)、またはVarian Pursuit(登録商標)C−18カラム20x150mm(Varian, Inc.より)を用いる逆相カラム上で行った。
【0171】
質量分析(MS)または高解像能質量分析(HRMS)は、Waters(登録商標)ZQ(商標)4000(Waters Corporationより)、Waters(登録商標)Alliance(登録商標)2795−ZQ(商標)2000(Waters Corporationより)、Waters(登録商標)Quattro micro(商標)API(Waters Corporationより)、またはMDS Sciex(商標)API−2000(商標)nAPI(MDS Inc.より)を用いて行った。質量スペクトルデータは、一般に、特記しない限り、親イオンのみを示す。MSまたはHRMSデータは、示されている特定の中間体または化合物について提供する。
【0172】
核磁気共鳴分析法(NMR)は、Varian(登録商標)Mercury300 NMR分光計(300MHzで得られるHNMRスペクトル用)およびVarian(登録商標)Inova400 NMR分光計(400MHzで得られるHNMRスペクトル用)(双方ともVarian Inc.より)を用いて行った。NMRデータは、示されている特定の中間体または化合物について提供する。
【0173】
超音波支援反応は、Biotate Initiator(商標)Sixty(またはその初期モデル)(Biotage ABより)中で、またはCEM Discover(登録商標)モデル(気体付加アクセサリー付き)(CEM Corporationより)により行われた。
【0174】
キラル分離は、Multigram(登録商標)III機器(Thar Technologies, Inc.より)を用いる超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)により行われた。
【0175】
空気感受性試薬を含有する全ての反応は、不活性雰囲気下に行った。試薬は、特記しない限り、販売供給者から受け入れたままで使用した。
【0176】
主要な中間体の調製
4−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−酪酸(IXa)の調製−スキーム2に記載したように調製
【0177】
【化11】

【0178】
4−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−ブタ−3−イン−1−オール
【0179】
【化12】

【0180】
ピロリジン(20ml)中の2−ブロモ−5−クロロアニソール(2g、9mmol)、Pd(PPh(520mg、0.45mmol)およびCuI(400mg)の撹拌した溶液に、ピロリジン(30ml)中の3−ブチン−1−オール(1.26g、18mmol)の溶液を加えた。反応混合物を80℃で6時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。得られた残留物を酢酸エチルで抽出し、有機相を、1N塩酸に続いて水、次にブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、粗生成物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(0%〜40%EtOAc/ヘキサンで勾配溶離)に付して、4−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−ブタ−3−イン−1−オールを、無色の油状物として得た(1.46g、76.7%)。1H NMR(300MHz, CDCl3) δ ppm 7.29(d, J=8.2Hz, 1H), 6.88(dd, J=8.2, 1.6Hz, 1H), 6.85(d, J=1.6Hz, 1H), 3.87(s, 3H), 3.82(t, J=6.2Hz, 2H), 2.73(t, J=6.2Hz, 2H), 1.92(br. s, 1H)。
【0181】
4−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−ブタン−1−オール
【0182】
【化13】

【0183】
酢酸エチル(15ml)中の4−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−ブタ−3−イン−1−オール(2.2g、10.4mmol)およびPtO(200mg)の溶液を、50psiの水素雰囲気下で、水素の吸収が観察されなくなるまで水素化した。次に、反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(0%〜40%EtOAc/ヘキサンで勾配溶離)に付して、4−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−ブタン−1−オールを、無色の油状物として得た(2g、89.7%)。1H NMR (300MHz, CDCl3) δ ppm 7.03(d, J=8.2Hz, 1H), 6.86(dd, J=8.2, 1.6Hz, 1H), 6.81(d, J=1.6Hz, 1H), 3.81(s, 3H), 3.66(t, J=6.0Hz, 2H), 2.49-2.65(m, 2H), 1.50-1.72(m, 5H)。
【0184】
4−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−酪酸(IXa)
【0185】
【化14】

【0186】
IO/CrOの原液を、湿ったアセトニトリル(0.75v%水)中に、HIO(11.4g、50mmol)およびCrO(23mg、1.2mol%)を溶解することによって調製し、114mlの容量にした(完全な溶解は、通常1〜2時間を要する)。次に、HIO/CrO溶液(8.7ml)を、湿ったアセトニトリル(10ml、0.75v%水)中の4−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−ブタン−1−オール(330mg、1.54mmol)の溶液に、反応温度を0〜5℃に維持しながら、30〜60分間かけて滴下した。得られた反応混合物を0℃で0.5時間撹拌して、LC/MSによって反応の完了を確認した。反応を、NaHPOの水溶液(10ml HO中0.60g)を加えてクエンチした。酢酸エチルを加え、有機層を分離して、水、次にブラインで洗浄した。次に、有機層を乾燥させて濃縮し、粗カルボン酸を得て、これをシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(25%〜50%EtOAc/ヘキサンで勾配溶離)によって精製し、4−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−酪酸を、白色の固体として得た(200mg、56.9%)。1H NMR(300MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.64(br. s, 1H), 7.12(d, J=8.2Hz, 1H), 7.00(s, 1H), 6.92(d, J=8.2Hz, 1H), 3.79(s, 3H), 2.51-2.57(m, 2H), 2.18(t, J=7.4Hz, 2H), 1.72(quin, J=7.4Hz, 2H)。
【0187】
7−ブロモ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(XIb)の調製−スキーム3に記載されたように調製
【0188】
【化15】

【0189】
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(210mg、0.23mmol)、ジ−tert−ブチル−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−ビフェニル−2−イル)−ホスファン(403mg、0.92mmol)、および水酸化カリウム(1.67g、25.32mmol)の混合物に、脱気水(5.25ml)およびジオキサン(7.0ml)中の5,7−ジブロモ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(3.5g、11.51mmol)の溶液を、窒素下に室温で加えた。得られた懸濁液を、100℃に3.5時間加熱した。次に、反応混合物を室温に冷まし、水(〜10ml)で希釈して、1N HCl溶液で酸性化した。得られた混合物を酢酸エチル(2×100ml)で抽出し、合わせた有機抽出物をブライン(200ml)で洗浄し、次に無水硫酸マグネシウムで乾燥させて濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ISCO(120g)カラム(ヘキサン中の5〜30%酢酸エチルで勾配溶離)を使用するクロマトグラフィーによって精製し、7−ブロモ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(0.45g、16%)を、白色の固体として得た:ES(−)−HRMS m/e C10Br(M−H)の計算値(計算値)238.9713、実測値(実測値)238.9712。他2つの副生成物をさらに単離し、5−ブロモ−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(0.3g、10%)および5,7−ジヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(0.191g、7%)と同定した。
【0190】
(3−ブロモ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(XIIIb)の調製−スキーム3に記載されたように調製
【0191】
【化16】

【0192】
アセトニトリル(5ml)中の、7−ブロモ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(XIb、158mg、0.65mmol)および炭酸セシウム(431mg、1.31mmol)の懸濁液に、ブロモ酢酸tert−ブチル(XII、261mg、1.31mmol)を、室温で窒素下に加えた。得られた懸濁液を室温で15時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物を、水(10ml)および酢酸エチル(20ml)で希釈した。水層を分離して酢酸エチル(20ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を、ブライン溶液(50ml)で洗浄し、次に無水硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。ISCO(40g)カラムを使用したクロマトグラフィー(ヘキサン中の5〜25%酢酸エチルで勾配溶離)により、(3−ブロモ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(150mg、64%)を、白色の固体として得た:ES(+)−HRMS m/e C1619Br(M+Na)の計算値377.0359、実測値377.0358。
【0193】
(5−オキソ−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(XIIIc)の調製−スキーム3に記載されたように調製
【0194】
【化17】

【0195】
(3−ブロモ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(XIIIb、78mg、0.22mmol)、フェニルボロン酸(55.3mg、0.44mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(24.1mg、0.033mmol)、および炭酸セシウム(144.8mg、0.44mmol)の混合物に、ジメトキシエタン(2ml)を、室温で窒素下に加えた。得られた褐色の反応混合物を、95℃で15時間加熱した。次に、反応混合物を室温に冷まし、水(20ml)および酢酸エチル(20ml)で希釈した。水層を分離し、酢酸エチル(20ml)で抽出して、合わせた有機抽出物を、水(50ml)およびブライン溶液(50ml)で洗浄し、次に無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、着色残留物を得た。ISCO(12g)カラム(ヘキサン中の2〜25%酢酸エチルで勾配溶離)を使用したクロマトグラフィーにより、(5−オキソ−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(54mg、70%)を、白色の固体として得た:ES(+)−HRMS m/e C2224(M+Na)の計算値375.1567、実測値375.1567。
【0196】
(3−メトキシ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(XIIId)の調製−スキーム4に記載されたように調製
【0197】
【化18】

【0198】
トリフルオロ−メタンスルホン酸8−オキソ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル(XXVII)
【0199】
【化19】

【0200】
ジクロロメタン(25ml)中の5,7−ジヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(XXV、上記スキームに記載されたように調製、320mg、1.79mmol)の懸濁液に、ジイソプロピルエチルアミン(925mg、7.16mmol)を、5〜0℃で加えた。次に、得られた溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.06g、3.76mmol)を、この温度で5分間かけて滴下した。得られた褐色の溶液を、0〜5℃で45分間撹拌し、次に室温に温めて、さらに15分間撹拌した。次に、反応混合物を、ジクロロメタン(50ml)および水(70ml)で希釈した。水層を分離し、ジクロロメタン(25ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ジクロロメタン(10ml)に溶解し、ヘキサン(50ml)で希釈した。褐色の溶液を、冷蔵庫の中で15時間保存した。得られた固体を濾過により回収し、ヘキサンで洗浄した。自然乾燥させた後、トリフルオロ−メタンスルホン酸8−オキソ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル(0.548g、69%)を、明褐色の固体として得た:EI(+)−HRMS m/e C12(M+)の計算値442.9616、実測値442.9618。
【0201】
トリフルオロ−メタンスルホン酸4−ヒドロキシ−8−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル(XXVIII)
【0202】
【化20】

【0203】
トリフルオロ−メタンスルホン酸8−オキソ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル(XXVII、542mg、1.23mmol)および炭酸セシウム(599mg、1.84mmol)の混合物に、ジメトキシエタン(11ml)を室温で加えた。次に、得られた褐色の懸濁液を80℃で加熱し、3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)で希釈し、次に酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をジクロロメタン(15ml)に溶解し、ヘキサン(100ml)で希釈し、次に加熱してジクロロメタンを除去した。次に、濁った溶液を、冷蔵庫の中で15時間保存した。得られた固体を濾過により回収し、ヘキサンで洗浄した。自然乾燥させた後、トリフルオロ−メタンスルホン酸4−ヒドロキシ−8−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル(182mg、51%)を、暗褐色の固体として得た:ES(−)−HRMS m/e C11S(M−H)の計算値309.0050、実測値309.0049。
【0204】
(5−オキソ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(XXIX)
【0205】
【化21】

【0206】
アセトニトリル(5ml)中のトリフルオロ−メタンスルホン酸4ヒドロキシ−8−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル(XXVIII、177mg、0.57mmol)および炭酸セシウム(372mg、1.14mmol)の懸濁液に、ブロモ酢酸tert−ブチル(167mg、0.86mmol)を、室温で窒素下で加えた。得られた懸濁液を室温で15時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物を、水(10ml)および酢酸エチル(20ml)で希釈した。水層を分離し、酢酸エチル(20ml)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ISCO(40g)カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の5〜25%酢酸エチルで勾配溶離)によって精製し、(5−オキソ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(143mg、59%)を、白色の固体として得た:ES(+)−HRMS m/e C1719S(M+H)の計算値425.0877、実測値425.0876。
【0207】
(3−ヒドロキシ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(XXX)
【0208】
【化22】

【0209】
テトラヒドロフラン(5ml)中の(5−オキソ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(XXIX、140mg、0.33mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1.0M溶液(660μL、0.66mmol)を、室温で窒素下で加えた。得られた明黄色の溶液を、室温で5時間撹拌し、次に水(10ml)および1.0N塩酸(5ml)で希釈した。混合物を、酢酸エチル(2×35ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ISCO(40g)カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の5〜50%酢酸エチルで勾配溶離)によって精製し、(3−ヒドロキシ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(82mg、85%)を、黄色の固体として得た:ES(+)−HRMS m/e C1620(M+H)の計算値293.1384、実測値293.1383。
【0210】
(3−メトキシ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(XIIId)
【0211】
【化23】

【0212】
アセトン(4ml)およびDMF(2ml)中の(3−ヒドロキシ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(XXX、78mg、0.27mmol)および炭酸カリウム(111mg、0.8mmol)の懸濁液に、ヨードメタン(114mg、0.8mmol)を、室温で窒素下で加えた。得られた赤褐色の懸濁液を、2日間加熱還流した。次に、反応混合物を、室温に冷まし、水(10ml)およびブライン(10ml)で希釈した。得られた混合物を、酢酸エチル(2×35ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、ISCO(40g)カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の5〜40%酢酸エチルで勾配溶離)を使用することによって精製し、(3−メトキシ−5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(76mg、94%)を、明黄色の固体として得た:ES(+)−HRMS m/e C1722(M+H)の計算値307.1540、実測値307.1540。
【0213】
スルホニルクロリドの調製:
5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルクロリドの調製
【0214】
【化24】

【0215】
3−イソプロピル−フェニルボロン酸
【0216】
【化25】

【0217】
無水THF(40ml)中の1−ブロモ−3−イソプロピル−ベンゼン(2.4g、12.1mmol)の撹拌した溶液に、n−BuLi(7.7ml、14.0mmol)を、窒素下で−70℃で30分かけて滴下した。反応混合物を15分間脱気し、ホウ酸トリイソプロピル(2.63g、14.0mmol)を同じ温度で加えた。反応混合物を、90分の間に0℃まで徐々に温め、0℃でさらに30分間撹拌した。次に、反応混合物を20℃に冷却し、2N HCl水溶液(20ml)をゆっくりと加えた。THFを留去し、反応混合物を酢酸エチル(2×20ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、粗生成物(1.85g、93.5%)を得て、これをさらに精製しないで次の工程に使用した。
【0218】
2−クロロ−5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン
【0219】
【化26】

【0220】
トルエン(30ml)中の5−ブロモ−2−クロロピリジン(1.27g、6.63mmol)の撹拌した溶液に、3−イソプロピル−フェニルボロン酸(1.8g、11.28mmol)のエタノール性溶液(10ml)、続いて水(10ml)および炭酸カリウム(2.76g、20.0mmol)を加えた。得られた混合物を、(アルゴンでパージすることにより)15分間脱気した。この時点で、Pd(PPh(0.613g、0.53mmol)をアルゴン下で加え、反応混合物を80℃で4時間加熱した。次に、反応混合物を室温に冷まし、酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。合わせた有機層を水(2×10ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、粗生成物を得て、これをシリカゲル(Biotageカラムクロマトグラフィー、ヘキサン中の2%酢酸エチル)で精製し、2−クロロ−5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン0.900g(59%)を得た。
【0221】
2−ベンジルスルファニル−5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン
【0222】
【化27】

【0223】
DMF(5ml)中のフェニル−メタンチオール(0.8ml、5.84mmol)の溶液を、NaH(0.140g、5.84mmol)で、室温でアルゴン下で処理した。15分撹拌した後、反応混合物を、DMF(15ml)中の2−クロロ−5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン(0.900g、3.90mmol)の溶液で処理した。室温でさらに2時間撹拌した後(反応をTLCによりモニタリングした)、反応混合物を氷冷水(20ml)でクエンチし、酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。合わせた有機層を水(2×10ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、生成物を得て、これをシリカゲル(Biotageカラムクロマトグラフィー、ヘキサン中の0〜1%酢酸エチルを使用して勾配溶離)で精製し、2−ベンジルスルファニル−5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン(0.680g、54.71%)を得た。
【0224】
5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルクロリド
【0225】
【化28】

【0226】
塩素ガスを、四塩化炭素−水混合物(5:1;30ml)中の2−ベンジルスルファニル−5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン(0.680g、2.13mmol)の撹拌した溶液を通して、0℃で15分間泡立てた。さらに15分撹拌した後、アルゴンを、反応混合物を通して泡立て、次にこれを氷(〜10ml)でクエンチし、ジクロロメタン(2×20ml)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮し、5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルクロリド(0.700g、71.5%)を得て、これをさらに精製しないで使用した。1H NMR(400MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.92(s, 1H), 8.72(d, J=8.0Hz, 1H), 8.13(d, J=8.0Hz, 1H), 7.74(s, 1H), 7.66(d, J=7.3Hz, 1H), 7.48(t, J=7.3Hz, 1H), 7.40(d, J=7.3Hz, 1H), 2.92-3.06(m, 1H), 1.27(d, J=6.8Hz, 6H)。
【0227】
3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリドの調製
【0228】
【化29】

【0229】
トリフルオロ酢酸(100ml)中の3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニルアミン(9.7g、54mmol)の混合物を、0℃で冷却した。混合物に、濃塩酸(10ml)をゆっくりと加え、続いて水(5ml)中の亜硝酸ナトリウム(4.7g、68mmol)の溶液を、20分かけて滴下した。混合物を、0℃でさらに10分間撹拌し、次に酢酸(120ml)、亜硫酸(0.94N二酸化硫黄水溶液、120ml)、塩化銅(II)(9.2g、93mmol)および塩化銅(I)(100mg、0.74mmol)の撹拌した混合物に、0℃で注いだ。得られた反応混合物を、室温に温まるにまかせて、15時間撹拌した。水(200ml)を加え、得られた混合物を酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ガラス漏斗を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の20%酢酸エチル)により精製して、3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリド(3.7g、26%)を、白色の固体として得た(参照:Cherney, R.J. et al., J. Med. Chem. 46 (2003) 1811)。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 8.15(s, 1H);7.97-7.99(d, J=4.0Hz, 1H);7.74-7.76(d, J=4.0Hz, 1H)。
【0230】
3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリドの調製
【0231】
【化30】

【0232】
3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニルアミン(10g、54mmol)を、250mlのフラスコ内のトリフルオロ酢酸(100ml)に加え、混合物を0℃に冷却した。次に、濃塩酸(10ml)を反応混合物にゆっくりと加え、続いて水(5ml)中の亜硝酸ナトリウム(4.7g、68mmol)の溶液を、20分かけて滴下した。混合物を0℃でさらに10分間撹拌し、次に酢酸(120ml)、亜硫酸(0.94N二酸化硫黄水溶液、120ml、113mmol)、塩化銅(II)(9.2g、68mmol)および塩化銅(I)(100mg、1mmol)の撹拌した混合物に、0℃で注いだ。反応混合物を、室温に温まるにまかせて15時間撹拌し、次に水(200ml)で処理した。水層を、酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ガラス漏斗を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の20%酢酸エチル)により精製して、3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリド(3.9g、27%)を、白色の固体として得た[参照:Cherney, R.J. et al., J. Med. Chem. 46 (2003) 1811]。1H NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 7.89(s, 1H);7.70(s, 1H);7.50(s, 1H);4.00(s, 3H)。
【0233】
目的の化合物の調製
実施例1−1(スキーム1に記載されたように調製)
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸
【0234】
【化31】

【0235】
4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−4−オキソ−酪酸
【0236】
【化32】

【0237】
1,1,2,2−テトラクロロエタン(135ml)中の、2−フルオロ−3−クロロ−フェノール(21.9g、0.15mol)および無水コハク酸(15.3g、0.15mol)の撹拌して冷却した溶液に、無水塩化アルミニウム(38.7g、0.29mol)を少量ずつ加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に130℃で2時間加熱した。室温に冷ました後、反応混合物に、濃塩酸および氷を交互に少量ずつ加えた。得られた混合物を、酢酸エチル(75ml×3)で抽出した。合わせた有機層を蒸発させた。固体残留物を、2N水酸化ナトリウム水溶液を冷却条件下でゆっくりと加えることによって塩基性化し、次に酢酸エチル(30ml×3)で抽出した。水層を、濃塩酸を約pH2まで滴下することによって酸性化し、次に酢酸エチル(50ml×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100〜120メッシュ、ヘキサン中の15%酢酸エチル)により、4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−4−オキソ−酪酸(7.0g、19%)を得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.59(t, J=6.26Hz, 2H), 3.31(t, J=6.28Hz, 2H), 7.15(d, J=6.56Hz, 1H), 7.74(d, J=6.56Hz, 1H), 11.90-12.31(m, 2H)。
【0238】
4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−酪酸
【0239】
【化33】

【0240】
亜鉛片(11.4g)、塩化第二水銀(3.0g)、濃塩酸(4.6ml)および水(140ml)の混合物を、室温で5分間撹拌した。次に、溶媒をデカントした。固体に、濃塩酸(41ml)、水(18.6ml)、トルエン(23ml)および4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−4−オキソ−酪酸(8.6g、35mmol)を加えた。得られた混合物を2日間加熱還流し、濃塩酸を12時間間隔で加えた。反応混合物を冷却し、エーテル(50ml×3)で抽出した。回収した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、純粋な4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−酪酸(6.0g、74%)を得て、これをさらに精製しないで次の工程に使用した。1H NMR(400MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.74(dt, 2H), 2.20(t, J=7.40Hz, 2H), 2.57(t, J=7.56Hz, 2H), 6.87-6.92(m, 2H), 9.90(br s, 1H), 12.03(br s, 1H)。
【0241】
4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−酪酸メチルエステル
【0242】
【化34】

【0243】
アセトン(20ml)中の4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−酪酸(6.0g、0.026mol)の撹拌した溶液に、無水炭酸カリウム(9.7g、0.07mol)を、室温で窒素下で加えた。10分間後、ジメチル硫酸(5.49ml、0.058mol)を加え、得られた混合物をさらに3〜4時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をジクロロメタン(25ml×3)で抽出した。合わせた有機層を水(15ml×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−酪酸メチルエステル(5.6g、83%)を得て、これをさらに精製しないで次の工程に使用した。MS C1214ClFOの計算値260、実測値261[(M+H)]。
【0244】
4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−酪酸
【0245】
【化35】

【0246】
テトラヒドロフラン(25ml)中の4−(4−クロロ−3−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−酪酸メチルエステル(5.6g、0.022mol)の撹拌した溶液に、水−メタノール(2:1;20ml)中の水酸化リチウム(2.7g、0.067mol)の溶液を、室温で加えた。反応混合物を、室温で4時間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。残留物を水(25ml)で希釈し、次に1N塩酸水溶液を冷却条件下で滴下することによって酸性化した。得られた溶液を、酢酸エチル(30ml×3)で抽出した。合わせた有機層を水(30ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、4−(3,4−ジクロロ−2−メトキシ−フェニル)−酪酸(4.7g、87%)を得て、これをさらに精製しないで次の工程に使用した。MS C1112ClFOの計算値246、実測値247[(M+H)]。
【0247】
7−クロロ−6−フルオロ−5−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
【0248】
【化36】

【0249】
ベンゼン(100ml)中の4−(3,4−ジクロロ−2−メトキシ−フェニル)−酪酸(1.03g、8.10mmol)の撹拌した溶液に、五塩化リン(2.70g、12.96mmol)および塩化アルミニウム(3.24g、24.30mmol)を、室温で加えた。反応混合物を4時間撹拌した後、撹拌連続しながら氷水に注ぎ、次に酢酸エチル(50ml×3)で抽出した。続いて、回収した有機層を、飽和重炭酸ナトリウム溶液(20ml)および水(20ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100〜200メッシュ、ヘキサン中の10%酢酸エチル)により、7−クロロ−6−フルオロ−5−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(1.04g、58%)を得た。1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ ppm 2.10(dt, 2H), 2.61(t, J=6.58Hz, 2H), 2.90(t, J=6.10Hz, 2H), 3.93(s, 3H), 7.83(s, 1H)。
【0250】
7−クロロ−6−フルオロ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
【0251】
【化37】

【0252】
キシレン(35ml)中の7−クロロ−6−フルオロ−5−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(1.04g、4.7mmol)の撹拌した溶液に、無水塩化アルミニウム(1.93g、14.5mmol)を室温で加えた。次に、反応混合物を1時間加熱還流した。室温に冷ました後、反応混合物を、連続撹拌している氷水にゆっくりと注いだ。得られた溶液を、酢酸エチル(50ml×3)で抽出した。次に、回収した有機層を、飽和重炭酸ナトリウム溶液および水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗残留物を得て、これをエーテル洗浄して、7−クロロ−6−フルオロ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(0.90g、89%)を得て、これをさらに精製しないで次の工程に使用した。MS C10ClFOの計算値214、実測値215[(M+H)]。
【0253】
(3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル
【0254】
【化38】

【0255】
無水N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中の7−クロロ−6−フルオロ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(0.90g、4.18mmol)の撹拌した溶液に、炭酸カリウム(1.16g、8.36mmol)およびブロモ酢酸tert−ブチル(1.22g、6.27mmol)を室温で加え、得られた混合物を2時間撹拌し、次に酢酸エチル(25ml×3)で抽出し、水(25ml×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、(3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(1.32g、96%)を得て、これをさらに精製しないで次の工程に使用した。MS C1618ClFOの計算値328、実測値329[(M+H)]。
【0256】
(5−アミノ−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル
【0257】
【化39】

【0258】
メタノール(21ml)中の(3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(1.32g、4.01mmol)および酢酸アンモニウム(4.7g、61.0mmol)の撹拌した氷冷溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(504mg、8.02mmol)を窒素下で加えた。室温で10分間撹拌した後、反応混合物を4時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去し、残留物に飽和重炭酸ナトリウム溶液(10ml)を加えた。得られた溶液を、ジクロロメタン(25ml×3)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、(5−アミノ−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(1.26g、98%)を得て、これをさらに精製しないで次の工程に使用した。
【0259】
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸tert−ブチルエステル
【0260】
【化40】

【0261】
無水テトラヒドロフラン(5ml)中の(5−アミノ−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(125.0mg、0.38mmol)および3,5−ジ−(トリフルオロメチル)ベンゼン−1−スルホニルクロリド(0.117g、0.38mmol)の溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.2ml、0.94mmol)を、窒素下で0℃で加えた。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチルおよび水の間に分配した。回収した有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100〜200メッシュ、ヘキサン中の5%酢酸エチル)により、[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸tert−ブチルエステル(163.2mg、71%)を得た。MS C2423ClFNOSの計算値605、実測値604[(M+H)]。
【0262】
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸
【0263】
【化41】

【0264】
テトラヒドロフラン(4ml)中の[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸tert−ブチルエステル(163.4mg、0.27mmol)の撹拌した溶液に、水酸化リチウム(0.036g、0.87mmol)およびメタノール(1ml)の水溶液(2ml)を室温で加え、得られた反応混合物を2時間撹拌した。溶媒を、減圧下で除去した。残留物を水(15ml)で希釈し、希塩酸で酸性化することにより、沈殿物を形成した。得られた混合物を、酢酸エチル(15ml×3)で抽出した。合わせた有機層を水(15ml×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100〜200メッシュ、ヘキサン中の50%酢酸エチル)により、[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸(130.4mg、88%)を得た。MS C2015ClFNOSの計算値549、実測値548(ESI)[(M−H)]。
【0265】
超流動体クロマトグラフィー(SFC)(Thar Technologies, Inc., Multigram(登録商標)II instrument ADカラム、100bar背圧、35℃オーブン、70ml/minで二酸化炭素中10%メタノール)によるキラル分離によって、(R)−[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸(58mg)を得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.06(br.s, 1H), 8.60(d, J=7.9Hz, 1H), 8.54(s, 1H), 8.45(s, 2H), 6.63(d, J=6.8Hz, 1H), 4.67(s, 2H), 4.46-4.57(m, 1H), 2.57-2.75(m, 2H), 1.70-1.83(m, 1H), 1.60(m, 3H);MS C2015ClFNOSの計算値549、実測値548(ESI)[(M−H)]。
【0266】
実施例1−2〜1−52
以下の実施例1−2〜1−52を、市販の置換フェノールおよびアリールスルホニルクロリドから出発し、実施例1−1と同様に調製した。適切である場合、実施例を、上述のような対応する主要な中間体IXa、XIb、又はXIIIcから調製した。実施例が単一の鏡像異性体として示される場合、鏡像異性体のキラル分離は、上述のようにラセミ体の最終生成物で実施された。
【0267】
【表1】


























*Thar Technologies, Inc., Multigram(登録商標)III instrument, Daicel(登録商標)ODカラム3×25cm、25%メタノールを使用したキラルクロマトグラフィーを使用した分解
【0268】
実施例2−1
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0269】
【化42】

【0270】
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸tert−ブチルエステル
【0271】
【化43】

【0272】
N,N−ジメチルホルムアミド(2.5ml)中の[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸tert−ブチルエステル(実施例1−1、第9工程)(169.4mg、0.28mmol)の冷却した溶液に、炭酸カリウム(0.059g、0.42mmol)およびヨウ化メチル(0.02ml、0.31mmol)を加えた。反応混合物を、室温で2時間撹拌し、次に酢酸エチル(15ml×3)で抽出した。回収した有機層を水(15ml×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸tert−ブチルエステル(156.0mg、90%)を得て、これをさらに精製しないで次の工程に使用した。
【0273】
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0274】
【化44】

【0275】
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸tert−ブチルエステルから出発し、実施例1−1と同様の方法を使用して、[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸を得た(69%)。1H NMR(400MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.05(br.s, 1H), 8.58(s, 1H), 8.56(s, 2H), 6.72(d, J=6.8Hz, 1H), 5.19-5.32(m, 1H), 4.71(d, J=1.7Hz, 2H), 2.60(s, 3H), 2.54-2.88(m,2 H), 1.77-1.92(m, 1H), 1.56-1.76(m, 2H), 1.51(m, 1H);MS C2119ClNOSの計算値563、実測値562(M−H)。
【0276】
実施例2−2〜2−33
以下の実施例2−2〜2−33を、実施例2−1と同様に調製した。実施例が単一の鏡像異性体として示される場合、鏡像異性体のキラル分離は、上述のようにラセミ体の最終生成物で実施された。
【0277】
【表2】

















【0278】
化合物の活性と用途
式Iの化合物は、有益な薬理学的な特性を有する。該化合物は、CRTH2受容体でのアンタゴニストであり、喘息のような、その受容体に関連する疾患および異常を処置するのに有用でありうる。本化合物のCRTH2受容体アンタゴニストとしての活性は、以下の生物学的アッセイにより示される。
【0279】
ヒトCRTH2受容体結合アッセイ
H]ラマトロバン(ramatroban)を競合放射性リガンドとして用いる全細胞受容体結合アッセイを、ヒトCRTH2への化合物結合活性を評価するために使用した。放射性リガンド[H]ラマトロバンは、Sugimotoら(Eur. J. Pharmacol. 524, 30-37, 2005)に従って、比活性42Ci/mmolに合成した。
【0280】
ヒトCRTH2を安定的に発現する細胞系は、FuGene(登録商標)6トランスフェクション試薬(Rocheより)を用いて、それぞれヒトCRTH2およびG−アルファ16cDNAを持つ2個の哺乳類発現ベクターでCHO−K1細胞をトランスフェクションすることにより樹立した。CRTH2を発現する安定なクローンは、各々のクローンをヒトCRTH2に対するラットモノクローナル抗体であるBM16(BD Bioscience, a division of Becton, Dickinson and CompanyよりのBD Pharmingen(商標))で染色することにより選択した。細胞は、10%ウシ胎仔血清、100単位/mLのペニシリン、100mg/mLのストレプトマイシン、2mMのグルタミン、0.5mg/mLのCRTH2用のG418(ゲネチシン)、および0.2mg/mLのヒグロマイシン−B(G−アルファ16用)を含有するHamのF−12培地中で単層培養物として維持した。全細胞受容体結合アッセイのために、単層細胞をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で一回すすぎ、エチレンジアミン四酢酸ジアンモニウム(Dow Chemical CompanyからのVersene(商標)EDTA)を用いて解離させ、10mMのMgClおよび0.06%のBSA(ウシ血清アルブミン)を含有するPBS中に1.5x10細胞/mLで懸濁した。
【0281】
結合反応(0.2mL)は、96ウェルプレート中、室温で1.5x10個の細胞、10mMのMgCl、0.06%のBSA、20nMの[H]ラマトロバン、および種々の濃度での試験化合物を含有するPBS中で行った。1時間の結合反応後、細胞を、Filtermate(商標)Harvester(PerkinElmer, Inc.よりのマイクロプレートから細胞を収集し洗浄する細胞採取器)を用いて、GF(商標)/Bフィルターマイクロプレート(PerkinElmer, Inc.よりのガラス繊維をはめ込んだマイクロタイタープレート)上に収集し、PBSで5回洗浄した。細胞に結合した放射能を、Microscint(商標)20シンチレーション液(PerkinElmer, Inc.より)50μLをフィルタープレートの各ウェルに加えた後、マイクロプレートシンチレーションカウンター(PerkinElmer, Inc.よりのTopCount(登録商標)NXT)を用いて決定した。非特異的結合からの放射能は、反応混合物中の化合物を10μMの15(R)−15−メチルPGD(Cayman Chemical Companyより)で置き換えることにより決定した。化合物の不存在下に細胞に結合した放射能(全結合)は、反応混合物中の化合物を0.25%のDMSO(ジメチルスルホキシド)で置き換えることにより決定した。特異的結合のデータは、各々の結合データから非特異的結合の放射能を差し引くことにより得た。
【0282】
IC50値は、全特異的結合の50%阻害に要する試験化合物の濃度として定義される。IC50値を算出するために、%阻害データは、各々の化合物について7つの濃度で決定した。各濃度でのある化合物についての%阻害は、以下の式、[1−(化合物存在下の特異的結合)/(全特異的結合)]x100に従って算出した。次いで、IC50値は、XLfit(登録商標)ソフトウエアエクセルアドインプログラム[ID Business Solutions Ltd.より、モデル205、ここで、F(x)=(A+(B−A)/(1+((C/x)^D)))]中で、%阻害データをS字状用量−応答(4パラメーターロジスティック)モデルに当てはめることにより得た。
【0283】
上記の実施例の酸化合物は、上記のヒトCRTH2受容体結合アッセイを用いて試験した。アッセイの結果は、これらの化合物のすべてが0.0024μM〜1.1561μMの範囲のIC50値を示す結合活性を有することを示した。例えば、下表は、これらの化合物に対する特異的IC50値を示す:
【0284】
【表3】





【0285】
蛍光画像プレートリーダーを用いるカルシウムフラックスアッセイ
細胞培養条件:
前もってG−アルファ16でトランスフェクションしたCHO−K1細胞を、その後、ヒトCRTH2受容体およびネオマイシン耐性遺伝子でトランスフェクションした。800μg/mLG418(ゲネチシン)中での選択に続いて、個々のクローンを、抗ヒトCRTH2 IgGでの染色に基づいてそれらの受容体発現についてアッセイし、その後、Ca2+フラックスアッセイにおける13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD(DK−PGD)(リガンド)に対するそれらの応答についてアッセイした。次いで、陽性クローンを、限界希釈クローニングによりクローニングした。トランスフェクションした細胞は、10%ウシ胎仔血清、2mMのグルタミン、100U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、200μg/mLのヒグロマイシンB、および800μg/mLのG418(ゲネチシン)を追加したHamのF−12培地中で培養した。細胞は、トリプシン−EDTA(トリプシン−エチレンジアミン四酢酸)で収集し、ViaCount(登録商標)試薬(Guava Technologies, Inc.よりのもの、試薬使用者が生きている細胞と生きていない細胞を区別できるようにする2種のDNA結合染料を含む)を用いてカウントした。細胞懸濁体積は、完全生育培地で2.5x10細胞/mLに調整した。アリコート50μLをBD Falcon(商標)384ウェル黒色/透明マイクロプレート(BD Biosciences, a division of Becton, Dickinson and Companyより)中に分配し、マイクロプレートは、37℃のCOインキュベーター中に一晩置いた。翌日、マイクロプレートをアッセイに使用した。
【0286】
染料ローディングおよびアッセイ
染料を含有するローディング緩衝液(Molecular Devices, a division of MDS Analytical Technologies and MDS Inc.からのFLIPR(登録商標)カルシウム3アッセイキットより)は、一瓶の内容物を、20mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)および2.5mMのプロベネシドを含有する200mLのHankの平衡塩溶液中に溶解することにより調製した。生育培地を細胞プレートから除去し、さらにマルチドロップディスペンサーを用いて、20mMのHEPES、0.05%のBSAおよび2.5mMのプロベネシドを含有するHankの平衡塩溶液(HBSS)25μLを、続いて希釈した染料25μLを各々のウェルに加えた。次いで、プレートを37℃で1時間インキュベーションした。
【0287】
インキュベーションの間に、試験化合物プレートは、HBSS/20mMのHEPES/0.005%のBSA緩衝液90μLを、連続希釈した化合物2μLに加えることにより調製した。連続希釈した化合物を調製するために、化合物の20mM貯蔵液を100%DMSOに溶解した。化合物希釈プレートは、以下のようにして設定した:ウェルNo.1には、化合物5μLとDMSO10μLを入れた。ウェル2〜10には、DMSO10μLを入れた。5μLを混合し、ウェルNo.1からウェルNo.2に移した。1:3の連続希釈を10回連続して行った。希釈した化合物2μLを384ウェルの「アッセイプレート」の二重のウェルに移し、次いで、緩衝液90μLを加えた。
【0288】
インキュベーションの後に、細胞と「アッセイプレート」のプレートの双方を蛍光画像プレートリーダー(FLIPR(登録商標))に入れ、希釈化合物20μLをFLIPR(登録商標)により細胞プレートに移した。次いで、プレートを、室温で1時間インキュベーションした。1時間のインキュベーションの後に、プレートをFLIPR(登録商標)に戻し、4.5倍に濃縮したリガンド20μLを細胞プレートに加えた。アッセイの間、蛍光読み取りは、同時に細胞プレートの384ウェル全てから、1.5秒ごとに行った。5回の読み取りを行って安定なベースラインを確立し、次いで、試料20μLを迅速に(30μL/秒)かつ同時に、細胞プレートの各々のウェルに加えた。蛍光は、試料添加の前、その間、そしてその後に、100秒の全経過時間の間、連続的にモニターした。アゴニスト添加後の各々のウェルにおける応答(ピーク蛍光の増加)を測定した。リガンド刺激の前の、各々のウェルからの最初の蛍光読み取りを、そのウェルからのデータについてのゼロベースライン値として使用した。応答は、緩衝液対照の%阻害として表した。緩衝液対照の50%阻害に必要な化合物の濃度として定義される、IC50値は、Genedata Screener(登録商標)Condoseoソフトウエアプログラム[Genedata AGより、モデル205、ここで、F(x)=(A+(B−A)/(1+((C/x)^D)))]を用いて、10濃度についての%阻害を、S字状の用量−応答(4パラメーターロジスティック)モデルに当てはめることにより算出した。
【0289】
結合アッセイで試験した代表的な化合物を、上記のFLIPR(登録商標)アッセイを用いて試験した(実施例1−1〜1−17、1−24、1−25、2−1〜2−14)。FLIPR(登録商標)アッセイの結果は、このアッセイで試験した代表的な化合物の全てが0.0001μM〜3.46μMの範囲のIC50値を示す活性を有していることを示した。
【0290】
Th2細胞におけるDK−PGDで誘起されたIL−13産生アッセイ
Tヘルパー2型(Th2)細胞における13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD(DK−PGD)で誘起されたIL−13産生アッセイの阻害を、化合物の細胞効力を評価するために適用した。
【0291】
Th2細胞の培養物は、健康なヒト志願者の血液から、以下の手法に従って確立した。末梢血単核球(PBMC)を、新鮮血50mLから、まず、Ficoll−Hypaque密度グラジエント遠心分離し、続いて、CD4T細胞単離キットII(Miltenyi Biotec Inc.より)を用いて、CD4細胞精製により単離した。CD4T細胞を、次いで、10%ヒトAB血清(Invitrogen CorporationからのAB型血液の血清)、50U/mLの組換え体ヒトインターロイキン−2(rhIL−2)(PeproTech Inc.より)および100ng/mLの組換え体ヒトインターロイキン−4(rhIL−4)(PeproTech Inc.より)を含有するX−VIVO15(登録商標)培地(Cambrex BioScience Walersville Inc.から)中で7日間細胞を培養することにより、Th2細胞に分化させる。Th2細胞は、CD294(CRTH2)MicroBeadキット(Miltenyi Biotec Inc.より)を用いて単離し、10%ヒトAB血清および50U/mLのrhIL−2を含有するX−VIVO15(登録商標)培地中で2〜5週間増殖させた。一般に、アッセイで使用されたTh2細胞の70%〜80%は、フィコエリスリン(PE)に接合したBM16抗体(先に記述したようなもの)を用いた蛍光活性化細胞ソーティングにより分析したときに、CRTH2陽性である。
【0292】
細胞阻害効力を決定するために、種々の濃度の化合物を、10%ヒトAB血清を含有するX−VIVO15(登録商標)培地200μL中で、2.5x10Th2細胞および500nMのDK−PGDと共に、37℃で4時間インキュベーションした。培地へのIL−13産生は、「インスタントELISA(商標)」キット(Bender MedSystems Inc.より)を用いて、提供者が推奨している手法に従ってELISA(酵素結合免疫吸着法)により検出した。Th2細胞によるIL−13の自発的産生は、DK−PGD刺激の不存在下に決定し、その値を、%阻害およびIC50算出についての各化合物の存在下のそれから差し引いた。
【0293】
種々の濃度での化合物についてのインターロイキン13(IL−13)産生の%阻害は、以下の式、[1−(化合物存在下のIL−13産生)/(0.15%DMSOの存在下のIL−13産生)]x100に従って算出した。IL−13産生の50%阻害に要する化合物の濃度として定義される、IC50値は、XLfit(登録商標)ソフトウエアエクセルアドインプログラム[ID Business Solutions Ltd.より、モデル205、ここで、F(x)=(A+(B=A)/(1+((C/x)^D)))]において、7つの濃度についての%阻害データをS字状用量−応答(4パラメーターロジスティック)モデルに当てはめることにより算出した。
【0294】
結合アッセイで試験した代表的な化合物を、上記のDK−PGDで誘起されたIL−13産生アッセイを用いて試験した(実施例1−1〜1−18、1−20〜1−25、1−37〜1−43、2−01〜2−17)。DK−PGDで誘起されたIL−13産生アッセイの結果は、実施例1−2、2−2、2−3、2−7〜2−9、2−11、および2−16(これらは、10より大きいIC50値を示した)を除いて、このアッセイで試験した代表的な化合物が、0.004μM〜5.982μMの範囲のIC50値の、IL−13産生を阻害する活性を示すことを示した。
【0295】
このように、試験された化合物が上記の3種のアッセイの少なくとも一つにおいて活性(すなわち、CRTH2受容体での結合)を示すので、本発明の化合物は有用であり、したがって、喘息のような、この受容体に関連する疾患および異常の処置におけるアンタゴニストとして有用でありうる。
【0296】
一つの態様において、本発明は、CRTH2受容体の調節に伴う疾患または異常の治療および/または予防方法に関し、この方法は、治療有効量の式Iの化合物をヒトまたは動物に投与することを含む。炎症性またはアレルギー性疾患または異常の治療および/または予防方法が好ましい。このような疾患または異常としては、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性炎症、およびアトピー性皮膚炎を挙げることができる(が、これらに限定されない)。
【0297】
本発明は、また、治療有効量の式Iの化合物を、炎症性またはアレルギー性疾患または異常の処置用の他の薬物または活性剤と組み合わせてまたは共同して投与することに関する。一つの態様において、本発明は、治療有効量の式Iの化合物および他の薬物または活性剤(例えば、他の抗炎症性または抗アレルギー性薬物または薬剤)をヒトまたは動物に、同時に、連続的に、または別々に投与することを含む、そのような疾患または異常の治療および/または予防方法に関する。これらの他の薬物または活性剤は、同一の、類似の、または全く異なる作用機作を有しうる。適切な他の薬物または活性剤として:アルブテロールまたはサルメテロールのようなベータ2−アドレナリン作用性アゴニスト;デキサメタゾンまたはフルチカゾンのようなコルチコステロイド;ロラチジンのような抗ヒスタミン;モンテルカストまたはザフィルルカストのようなロイコトリエンアンタゴニスト;オモリズマブのような抗IgE抗体療法;フシジン酸のような抗感染剤(特に、アトピー性皮膚炎の処置用);クロトリマゾールのような抗真菌剤(特に、アトピー性皮膚炎の処置用);タクロリムスおよびピメクロリムスのような免疫抑制剤;DPアンタゴニストのような他の受容体で作用するPGD2の他のアンタゴニスト;シロミラストのようなホスホジエステラーゼタイプ4の阻害剤;TNF−アルファ変換酵素(TACE)の阻害剤のようなサイトカイン産生を調節する薬物;ブロッキングモノクローナル抗体および可溶性受容体のようなTh2サイトカインIL−4およびIL−5の活性を調節する薬物;ロシグリタゾンのようなPPAR−ガンマアゴニスト;およびジリュウトンのような5−リポキシゲナーゼ阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0298】
別に述べられない限り、実施例中の全ての化合物は、記載したように製造されかつ特徴付けられた。本明細書中で引用した全ての特許および刊行物は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化45】


(式中、
は、水素、ハロゲン、メトキシ、またはフェニルであり;Rは、水素、フルオロ、クロロ、またはアルキルであるが;ただし、RおよびRは、双方共には水素ではなく;
は、水素またはメチルであり;
は、
(1)ハロゲン;
(2)ハロゲンで置換されてもよい低級アルキル;
(3)低級アルカノイル;
(4)低級アルコキシ;
(5)低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフィニル、または低級アルキルスルホニル;
(6)低級シクロアルキルスルファニル、低級シクロアルキルスルフィニル、または低級シクロアルキルスルホニル;および
(7)フェニルまたはピリジン(ここで、該フェニルまたはピリジンは、低級アルキル、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルホニル、低級シクロアルキルスルファニル、または低級シクロアルキルスルホニルで置換されてもよい)、
よりなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されているフェニルまたはピリジンである)
の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル。
【請求項2】
が、水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、メチルである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
が、(1)ハロゲンおよび(2)ハロゲンで置換されてもよい低級アルキルよりなる群から独立して選択される2個の置換基で置換されているフェニルである、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
が、
(1)フルオロ;
(2)クロロ;
(3)ブロモ;
(4)低級アルキル
(5)低級アルカノイル;
(6)低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフィニル、または低級アルキルスルホニル;
(7)低級シクロアルキルスルファニル、低級シクロアルキルスルフィニル、または低級シクロアルキルスルホニル;
(8)トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、またはフルオロメチル;および
(9)1,1’−ジフルオロエチル
よりなる群から独立して選択される2個の置換基で置換されているフェニルである、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
が、
(1)フルオロ;
(2)クロロ;
(3)ブロモ;
(4)メチル;
(5)エチル;
(6)プロピルまたはイソプロピル;
(7)ブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチル;
(8)トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、またはフルオロメチル;および
(9)1,1’−ジフルオロエチル
よりなる群から独立して選択される2個の置換基で置換されているフェニルである、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
が、
(1)フルオロ;
(2)クロロ;
(3)ブロモ;および
(4)トリフルオロメチル
よりなる群から独立して選択される2個の置換基で置換されているフェニルである、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
【請求項8】
が、
(1)ハロゲン;
(2)ハロゲンで置換されてもよい低級アルキル;および
(3)フェニルまたはピリジン(ここで、該フェニルまたはピリジンは、低級アルキルで置換されてもよい)
よりなる群から独立して選択される1個の置換基で置換されているピリジンである、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
が、フェニルで置換されているピリジン(ここで、該フェニルは、低級アルキルで置換されてもよい)である、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
が、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メトキシ、またはフェニルであり、Rが、水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、プロピル、またはイソプロピルであるが;ただし、RおよびRは、双方共には水素ではない、請求項1〜9のいずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
が、水素、フルオロ、クロロ、またはブロモであり、Rが、水素、フルオロ、クロロ、またはメチル、エチル、もしくはイソプロピルであるが;ただし、RおよびRは、双方共には水素ではない、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
またはRの少なくとも一方が、フルオロ、クロロ、またはブロモである、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
が、フルオロまたはクロロである、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
が、位置が下の式IC:
【化46】


(式中、R〜Rは、請求項1記載のとおりである)
中に示されているフェニル環上の3位および5位において、(1)ハロゲン、(2)ハロゲンで置換されてもよい低級アルキル、(3)低級アルカノイル、(4)低級アルコキシ、(5)低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフィニル、または低級アルキルスルホニルおよび(6)低級シクロアルキルスルファニル、低級シクロアルキルスルフィニル、または低級シクロアルキルスルホニルよりなる群から独立して選択される2個の置換基で置換されているフェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項15】
が、フルオロまたはクロロであり、Rが、水素またはフルオロであり;Rが、水素であり;フェニル環が、フルオロ、ブロモ、またはトリフルオロメチルよりなる群から独立して選択される置換基で、式IC中に示されている3位および5位において置換されている、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
が、フルオロまたはクロロであり、Rが、水素またはフルオロであり;Rが、水素であり;フェニル環が、トリフルオロメチルで、3位および5位において置換されている、請求項14記載の化合物。
【請求項17】
式IA:
【化47】


(式中、R〜Rは、請求項1に定義のとおりである)
中に示されている(R)−鏡像異性体である、請求項1記載の化合物。
【請求項18】
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−イソプロピル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−クロロ−5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−クロロ−5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−クロロ−5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−クロロ−5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−クロロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−3−クロロ−5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−クロロ−2−フルオロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;および
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸
よりなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項19】
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[2,3−ジフルオロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[3−フルオロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
{2,3−ジフルオロ−5−[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−フルオロ−5−[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−5−[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
[(R)−3−ブロモ−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−3−クロロ−2−フルオロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−3−クロロ−5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−3−クロロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−3−クロロ−5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
{3−クロロ−2−フルオロ−5−[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
[5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
{2−フルオロ−5−[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
[(R)−3−ブロモ−5−(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−3−ブロモ−5−(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;および
[5−(3,5−ビス−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸
よりなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項20】
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−5−[(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−5−[(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−5−[(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−5−[(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−クロロ−2−フルオロ−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2,3−ジフルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{3−フルオロ−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{2,3−ジフルオロ−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
(2,3−ジフルオロ−5−{[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
(3−フルオロ−5−{[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
(3−クロロ−5−{[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
(3−クロロ−2−フルオロ−5−{[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{5−[(2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{5−[(2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;および
(2−フルオロ−5−{[5−(3−イソプロピル−フェニル)−ピリジン−2−スルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸
よりなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項21】
請求項18〜20のいずれか一項記載の化合物の薬学的に許容される塩。
【請求項22】
請求項18〜20のいずれか一項記載の化合物の薬学的に許容されるエステル。
【請求項23】
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−2,3−ジクロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項24】
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項25】
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項26】
[5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項27】
[5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項28】
[3−クロロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項29】
[5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項30】
[(R)−3−クロロ−5−(2,4−ジクロロベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項31】
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項32】
[5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項33】
[(R)−3−ブロモ−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項34】
[(R)−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−2−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項35】
[(R)−3−クロロ−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項36】
[(R)−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項37】
{5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項38】
{(R)−5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項39】
請求項1〜42のいずれか一項記載の化合物の治療有効量および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項40】
治療上活性な物質として使用するための、請求項1〜38のいずれか一項記載の化合物。
【請求項41】
CRTH2受容体アンタゴニストにより処置しうる疾患の治療および/または予防用の、請求項1〜38のいずれか一項記載の化合物。
【請求項42】
CRTH2受容体アンタゴニストにより処置しうる疾患の治療的および/または予防的処置用の医薬の製造のための、請求項1〜38のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項43】
疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー性炎症、アレルギー性鼻炎またはアトピー性皮膚炎である、請求項42記載の使用。
【請求項44】
特に、新規化合物、中間体、医薬、使用および方法に関連して、本明細書に記載された発明。

【公表番号】特表2011−529869(P2011−529869A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520531(P2011−520531)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060140
【国際公開番号】WO2010/018109
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】