説明

置換アリールおよびヘテロアリール誘導体、かかる化合物を含有する組成物および使用法

置換アリールおよびヘテロアリール誘導体が開示される。化合物は2型糖尿病および関連症状の治療に有用である。薬剤組成物および治療法も含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換アリールおよびヘテロアリール誘導体、かかる化合物を含有する組成物および2型糖尿病および関連症状に関する種々の治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、多数の原因因子に由来する疾病プロセスに起因し、絶食状態中のまたは経口グルコース耐性試験の間のグルコース投与後の、高い血漿グルコースレベル(高血糖)によって特徴づけられる。臨床的に明白な糖尿病(たとえば、絶食状態で血中グルコースレベル>126mg/dL)は、増加した早期の心血管罹患率および死亡率と関連しており、脂質、リポタンパク質、およびアポリポタンパク質代謝の変化を含めた、種々の代謝条件と直接的および間接的に関係する。
【0003】
非インスリン依存性糖尿病(2型糖尿病)の患者、糖尿病患者の約95%は、しばしばコレステロールおよびトリグリセリドといった血清脂質が高いレベルを示し、高レベルのLDLコレステロールおよび低レベルのHDLコレステロールをもつ不良な血中脂質プロフィールを有する。したがって、2型糖尿病を患っている者は、冠動脈性心疾患、卒中、末梢血管疾患、高血圧症(たとえば、平静状態で血圧>130/80mmHg)、腎障害、神経障害、および網膜症を含めた大血管および微小血管合併症の発症のリスクが増大している。
【0004】
2型糖尿病をもつ患者は特徴的に、非糖尿病患者に比較して高い血漿インスリンレベルを示し、こうした患者は、主要なインスリン感受性組織(筋肉、肝臓、および脂肪組織)において、グルコースおよび脂質代謝のインスリン刺激に対し抵抗性を示す。したがって、2型糖尿病は、少なくとも疾病の自然の進行の初期には、主としてインスリン産生の減少よりもむしろインスリン抵抗性によって特徴づけられ、結果として、筋肉におけるグルコースの不充分な取込み、酸化、および貯蔵と、脂肪組織における脂肪分解の不適切な抑制と、肝臓による過剰のグルコース産生および分泌とを生じる。インスリンに対する感受性減少の正味の影響は、血漿グルコースの適切な減少なしに(高血糖)、血中を高レベルのインスリンが循環することである。高インスリン血症は、高血圧症を発症するためのリスク因子であり、また血管疾患をもたらすこともある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
グルカゴンは、インスリンの効果をその肝糖新生(グルコネオゲネシス)の阻害において減衰させ、正常には(膵島のアルファ細胞により)、血中グルコースレベルの欠乏に応答して分泌される主要調節ホルモンとして役立っている。該ホルモンは、肝細胞の特異受容体へ結合し、そのことがグリコーゲン分解と、cAMP介在性事象による糖新生の増加の引き金となる。これらの応答は、グルコースを産生し(たとえば肝グルコース産生)、血糖値が有意に低下するのを防止することにより正常血糖を維持するのに役立っている。高レベルの循環インスリンに加えて、2型糖尿病は血漿グルカゴンレベルの上昇と、肝グルコース産生の速度増加とを有する。グルカゴンのアンタゴニストは、肝臓におけるインスリン応答性の改善し、糖新生の速度を低減し、かつ肝グルコース産生の速度を低下させ、結果として血漿グルコースのレベルを低減するのに有用である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、式I:
【0007】
【化1】

で表される化合物、または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に向けられたものであり、式中、
環Aは、6〜10員のアリールまたは1〜2個のN原子を含有するヘテロアリール基を表すか、または5〜6員の炭素環縮環6員アリール基を表し;
0〜2個のR基が存在し、そして存在する場合には:
(a)ハロ、OH、CO、SO、CN、NO、C(O)NR、NR
(b)C1−6アルキル、C(O)C1−6アルキルまたはOC1−6アルキルであって、前記アルキル部分は、(1)ペルハロまでの1〜5個のハロ基、およびOH、CO、SO、CN、NO、C(O)NR、NRから選択される1〜2個の基で置換されてもよく;
(c)6〜10員のアリール、アリールオキシもしくはアリールチオ基であるか、または1〜2個の窒素および0〜1個のOまたはS原子を含有する、5〜10員のへテロアリール、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリールチオ基であって、前記アリールおよびヘテロアリール基と、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールオキシおよびヘテロアリールチオのアリールおよびヘテロアリール部分は、上記の(a)および(b)から選択される1〜3個の基で置換されてもよく、
前記基(c)はさらに、ピラゾール、イミダゾール、テトラゾール、ピロール、トリアゾール、チアゾール、フラン、チオフェン、チアジアゾールおよびオキサゾールからなる群より選択される構成要素で置換されてもよく、前記基はさらに、上記の(a)および(b)から選択される1〜2個の基で置換されてもよく;
からなる群より選択され;
各Rは、Hであるか、または前記定義の(a)および(b)から選択され;
Xは、−O−、−S−、−(C(R1−2−、−OC(R−、−C(RO−からなる群より選択され;
は、H、C1−10アルキル、C2−4アルケニル、アリールまたはヘテロアリールであって、前記アリールおよびヘテロアリールは、1〜2個の上記の(a)および(b)で置換されてもよく、1個以下のR基は、HおよびC1−10アルキル以外であり、
は、HまたはC1−6アルキルであり、そして
は、C1−10アルキル、アリールまたはAr−C1−10アルキルからなる群より選択される構成要素を表し;
およびRは、各々独立してHまたはC1−3アルキルを表し;
pは0、1、または2であり、
は、CHCHCO、CHCH(OH)COまたは5−テトラゾリルを表し;そして
は、Hであるか、または上記の(a)および(b)から選択される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、他に指定されない限り、以下に定義された用語を用いて、本文において詳細に記載される。
【0009】
「アルキル」、ならびにアルコキシおよびアルカノイルなどといった、接頭語「alk」を有する他の基は、表示された数の炭素原子を含有する直鎖、分枝鎖または環状であるか、またはそれらの組合せでもよい炭素鎖を意味する。もし数が指定されていなければ、1〜10個の炭素原子が直鎖または分枝鎖のアルキル基として意図される。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルおよびノニルなどを含む。シクロアルキルは、アルキルのサブセットであり、もし原子数が指定されていなければ、3〜10個の炭素原子が意図され、縮環された1〜3個の炭素環を形成する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびデカヒドロナフチルを含む。
【0010】
「アリール」(Ar)は、6〜12個の炭素原子を含有する単環または二環の芳香環を意味する。アリールの例としては、フェニル、ナフチルおよびインデニルなどを含む。「アリール」はまた、アリール基へ縮環された単環も含む。例としては、テトラヒドロナフチルおよびインダニルなどを含む。
【0011】
「ヘテロアリール」(HAR)は、O、SおよびNから選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する、単環または二環の芳香環を意味し、他に指定されない限り、各環は5〜6個の原子を含有する。例としては、ピロリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、フロ(2,3−b)ピリジル、キノリル、インドリルおよびイソキノリルなどを含む。ヘテロアリールはまた、非芳香族または部分芳香族であるヘテロ環へ縮環された芳香族へテロ環基、およびシクロアルキル環へ縮環された芳香族へテロ環基も含む。ヘテロアリールはまた、帯電した形状にある基、たとえば、ピリジニウムのような基も含む。
【0012】
「ヘテロシクリル」(Hetcy)は、N、SおよびOから選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含有する、単環または二環の飽和環または環系を意味し、前記環の各々は、3から10個の原子を有し、ここで連結点は炭素または窒素でよい。「ヘテロシクリル」の例としては、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、2,3−ジヒドロフロ(2,3−b)ピリジル、ベンゾオキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルおよびジヒドロインドリルなどを含む。この用語はまた、窒素を介して連結された2−または4−ピリドンか、またはN置換−(1H,3H)−ピリミジン−2,4−ジオン(N−置換ウラシル)のような、非芳香族性の部分的に不飽和な単環も含む。さらにヘテロシクリルは帯電された形で、たとえばピペリジニウムのような部分を含む。
【0013】
「ハロゲン」(ハロ)には、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を含む。
【0014】
一つの観点においては、本文に記載の本発明は、式I:
【0015】
【化2】

【0016】
で表される化合物、または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関し、
式中、
環Aは、6〜10員のアリールまたは1〜2個のN原子を含有するヘテロアリール基を表すか、または5〜6員の炭素環縮環6員のアリール基を表し;
0〜2個のR基が存在し、そして存在する場合には:
(a)ハロ、OH、CO、SO、CN、NO、C(O)NR、NR
(b)C1−6アルキル、C(O)C1−6アルキルまたはOC1−6アルキルであって、前記アルキル部分は、(1)ペルハロまでの1〜5個のハロ基、およびOH、CO、SO、CN、NO、C(O)NR、NRから選択される1〜2個の基で置換されてもよく;
(c)6〜10員のアリール、アリールオキシもしくはアリールチオ基であるか、または1〜2個の窒素および0〜1個のOまたはS原子を含有する、5〜10員のへテロアリール、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリールチオ基であって、前記アリールおよびヘテロアリール基、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールオキシおよびヘテロアリールチオのアリールおよびヘテロアリール部分は、上記の(a)および(b)から選択される1〜3個の基で置換されてもよく、
前記基(c)はさらに、ピラゾール、イミダゾール、テトラゾール、ピロール、トリアゾール、チアゾール、フラン、チオフェン、チアジアゾールおよびオキサゾールからなる群より選択される構成要素で置換されてもよく、前記基はさらに、上記の(a)および(b)から選択される1〜2個の基で置換されてもよく;
からなる群より選択され;
各Rは、Hであるか、または前記定義の(a)および(b)から選択され;
Xは、−O−、−S−、−(C(R1−2−、−OC(R−、−C(RO−からなる群より選択され;
は、H、C1−10アルキル、C2−4アルケニル、アリールまたはヘテロアリールであって、前記アリールおよびヘテロアリールは、1〜2個の上記の(a)および(b)で置換されてもよく、1個以下のR基は、HおよびC1−10アルキル以外であり、
は、HまたはC1−6アルキルであり、そして
は、C1−10アルキル、アリールまたはAr−C1−10アルキルからなる群より選択される構成要素を表し;
およびRは、各々独立してHまたはC1−3アルキルを表し;
pは0、1、または2であり、
は、CHCHCO、CHCH(OH)COまたは5−テトラゾリルを表し;そして
は、Hであるか、または上記の(a)および(b)から選択される。
【0017】
興味深い本発明のもう一つの観点は、環Aが、フェニル、ナフチル、ジヒドロインデニル、テトラヒドロナフチル、インドリル、イソインドリルおよびピリジルからなる群より選択される、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関する。本発明の本サブセットの範囲内では、他の全ての変数は先に定義された通りである。
【0018】
さらなる興味深い本発明のもう一つの観点は、環Aがフェニル、ナフチル、ピリジル、およびテトラヒドロナフチルから選択される、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関する。本発明の本サブセットの範囲内では、他の全ての変数は先に定義された通りである。
【0019】
さらになお興味深い本発明のもう一つの観点は、環Aがフェニル、ナフチル、ピリジルから選択される、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関する。本発明の本サブセットの範囲内では、他の全ての変数は先に定義された通りである。
【0020】
興味深い本発明のもう一つの観点は、1〜2個のR基が存在し、そして、ハロ、C1−6アルキル、CN、ハロC1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、フェニル、ナフチル、インドリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニルおよびO−フェニルからなる群より選択され、前記フェニル、ナフチル、インドリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニルおよびO−フェニルは、ハロ、CN、OC1−6アルキル、OハロC1−6アルキル、CO1−6アルキル、COH、C(O)C1−6アルキル、SO1−6アルキル、NO、C(O)NRおよびピラゾリルから選択される1〜3個の基で置換されてもよい、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関する。本発明の本サブセットの範囲内では、他の全ての変数は先に定義された通りである。
【0021】
興味深い本発明のもう一つの観点は、各Rが、H、ハロ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびOハロC1−6アルキルからなる群より選択される、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関する。本発明の本サブセットの範囲内では、他の全ての変数は先に定義された通りである。
【0022】
興味深い本発明のもう一つの観点は、各Rが、H、Cl、F、OMe、OEt、O−n−プロピル、O−i−プロピル、O−n−ブチル、O−t−ブチル、CFおよびOCFからなる群より選択される、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関する。本発明の本サブセットの範囲内では、他の全ての変数は先に定義された通りである。
【0023】
興味深い本発明のもう一つの観点は、Xが、−(C(R1−2−、−OC(R−または−C(RO−であって、Rが、H、C1−10アルキル、アリールおよびHARから独立して選択され、前記アリールおよびHARは、1〜2個のハロ、CN、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、ハロC1−6アルキルおよびOハロC1−6アルキル基で置換されてもよい、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関する。本発明の本サブセットの範囲内では、他の全ての変数は先に定義された通りである。
【0024】
興味深い本発明のもう一つの観点は、Rが−CHCHCOを表す、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関する。本発明の本サブセットの範囲内では、他の全ての変数は先に定義された通りである。
【0025】
興味深い本発明のもう一つの観点は、Rが−CHCHCOを表し、かつRがHを表す、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関する。本発明の本サブセットの範囲内では、他の全ての変数は先に定義された通りである。
【0026】
興味深い本発明のもう一つの観点は、RがHを表す、式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関する。本発明の本サブセットの範囲内では、他の全ての変数は先に定義された通りである。
【0027】
興味深い本発明のもう一つの観点は、
環Aが、フェニル、ナフチル、ジヒドロインデニル、テトラヒドロナフチル、インドリル、イソインドリルおよびピリジルからなる群より選択され;
1〜2個のR基が存在し、そして、ハロ、C1−6アルキル、CN、ハロC1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、フェニル、ナフチル、インドリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニルおよびO−フェニルからなる群より選択され、前記フェニル、ナフチル、インドリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニルおよびO−フェニルは、ハロ、CN、OC1−6アルキル、OハロC1−6アルキル、CO1−6アルキル、COH、C(O)C1−6アルキル、SO1−6アルキル、NO、C(O)NRおよびピラゾリルから選択される1〜3個の基で置換されてもよく;
各Rは、H、ハロ、C1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびOハロC1−6アルキルからなる群より選択され;
Xは、−(C(R1−2−、−OC(R−または−C(RO−を表し、
は、H、C1−10アルキル、アリールおよびHARから独立して選択され、前記アリールおよびHARは、1〜2個のハロ、CN、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、ハロC1−6アルキルおよびOハロC1−6アルキル基で置換されてもよく;
は−CHCHCOを表し、RはHを表し、そして
はHを表す、
式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物に関する。本発明の本サブセットの範囲において、他の全ての変数は先に定義された通りである。
【0028】
特に興味深い本発明のもう一つの観点は、本文に含まれる実施例および表に示された式Iの化合物に関する。
【0029】
興味深い本発明のもう一つの観点は、式Iについての前記記載の化合物を、医薬的に許容される担体と組合せて含んでなる薬剤組成物に関する。
【0030】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者において2型糖尿病を治療する方法であって、2型糖尿病を治療するのに有効な量の上記の式Iの化合物を前記患者へ投与することを含んでなる方法に関する。
【0031】
興味深い本発明のもう一つの観点は、必要とする哺乳類の患者において2型糖尿病の発症を遅延する方法であって、2型糖尿病の発症を遅延するのに有効な量の上記の式Iの化合物を前記患者へ投与することを含んでなる方法に関する。
【0032】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者において高血糖症、糖尿病またはインスリン抵抗性を治療する方法であって、高血糖症、糖尿病またはインスリン抵抗性を治療するのに有効な量の上記の式Iの化合物を前記患者へ投与することを含んでなる方法に関する。
【0033】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者において非インスリン依存性糖尿病を治療する方法であって、抗糖尿病的に有効な量の上記の式Iの化合物を、前記患者へ投与することを含んでなる方法に関する。
【0034】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者において肥満を治療する方法であって、肥満を治療するのに有効な量の上記の式Iの化合物を前記患者へ投与することを含んでなる方法に関する。
【0035】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者においてX症候群を治療する方法であって、X症候群を治療するのに有効な量の上記の式Iの化合物を前記患者へ投与することを含んでなる方法に関する。
【0036】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者において脂質代謝異常、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDLおよび高LDLからなる群より選択される脂質障害を治療する方法であって、前記脂質障害を治療するのに有効な量の上記の式Iの化合物を、前記患者へ投与することを含んでなる方法に関する。
【0037】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者においてアテローム性動脈硬化症を治療する方法であって、アテローム性動脈硬化症を治療するのに有効な量の上記の式Iの化合物を、前記患者へ投与することを含んでなる方法に関する。
【0038】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者において、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)脂質代謝異常、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症およびその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満症、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群、およびインスリン抵抗性が構成要素である他の症状および障害からなる群より選択される症状を治療する方法であって、前記症状を治療するのに有効な量の上記の式Iの化合物を、前記患者へ投与することを含んでなる方法に関する。
【0039】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者において、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)脂質代謝異常、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症およびその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満症、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群、およびインスリン抵抗性が構成要素である他の症状および障害からなる群より選択される症状の発生を遅延する方法であって、前記症状の発生を遅延するのに有効な量の上記の式Iの化合物を、前記患者へ投与することを含んでなる方法に関する。
【0040】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者において、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)脂質代謝異常、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症およびその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満症、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群、およびインスリン抵抗性が構成要素である他の症状および障害からなる群より選択される症状の発生のリスクを低減する方法であって、前記症状の発生のリスクを低減するのに有効な量の上記式Iの化合物を、前記患者へ投与することを含んでなる方法に関する。
【0041】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者において、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)脂質代謝異常、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症およびその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満症、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群、およびインスリン抵抗性が構成要素である他の症状および障害からなる群より選択される症状を治療する方法であって、
有効な量の上記式Iの化合物、および
(a)DPP−IV阻害剤;(b)(i)PPARアゴニストおよび(ii)ビグアニドからなる群より選択されるインスリンセンシタイザー;(c)インスリンおよびインスリン模擬薬;(d)スルホニルウレアおよび他のインスリン分泌促進物質;(e)アルファグルコシダーゼ阻害剤;(f)他のグルカゴン受容体アンタゴニスト;(g)GLP−1、GLP−1模擬薬、およびGLP−1受容体アゴニスト;(h)GIP、GIP模擬薬、およびGIP受容体アゴニスト;(i)PACAP、PACAP模擬薬、およびPACAP受容体3アゴニスト;(j)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(ii)金属イオン封鎖剤、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸、およびそれらの塩、(iv)PPARアルファアゴニスト、(v)PPARアルファ/ガンマ・デュアルアゴニスト、(vi)コレステロール吸収阻害剤、(vii)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、(viii)酸化防止剤、および(ix)LXRモジュレータからなる群より選択されるコレステロール低下剤;(k)PPARデルタアゴニスト;(l)抗肥満化合物;(m)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤;(n)グルココルチコイドを除く抗炎症剤;(o)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)阻害剤、からなる群より選択される化合物を、
患者へ投与することを含んでなり、前記化合物が、前記症状を治療するのに有効な量で患者へ投与される方法に関する。
【0042】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者において高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症および脂質代謝異常からなる群より選択される症状を治療する方法であって、治療上有効な量の上記式Iの化合物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を、前記患者へ投与することを含んでなる方法に関する。
【0043】
さらに詳細には、興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者において高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症および脂質代謝異常からなる群より選択される症状を治療する方法であって、治療上有効な量の上記式Iの化合物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を前記患者へ投与することを含んでなる方法であって、前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がスタチンである方法に関する。
【0044】
さらになお詳細には、興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者において高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症および脂質代謝異常からなる群より選択される症状を治療する方法であって、治療上有効な量の上記式Iの化合物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を、前記患者へ投与することを含んでなり、前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン、ZD−4522およびリバスタチンからなる群より選択されるスタチンである方法に関する。
【0045】
興味深い本発明のもう一つの観点は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症、および脂質代謝異常からなる群より選択される症状、およびかかる症状の後遺症の発生のリスクを低減する方法であって、治療上有効な量の上記式Iの化合物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を治療を必要とする哺乳類の患者へ投与することを含んでなる方法に関する。
【0046】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とするヒト患者においてアテローム性動脈硬化症発生についての開始を遅延するかまたはリスクを低減するための方法であって、有効な量の上記式Iの化合物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を前記患者へ投与する方法に関する。
【0047】
さらに詳細には、興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とするヒト患者においてアテローム性動脈硬化症発生についての開始を遅延するかまたはリスクを低減するための方法であって、有効な量の上記式Iの化合物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を前記患者へ投与する方法であって、前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がスタチンである方法に関する。
【0048】
さらになお詳細には、興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とするヒト患者において、アテローム性動脈硬化症発生についての開始を遅延するかまたはリスクを低減するための方法であって、有効な量の上記式Iの化合物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を前記患者へ投与する方法であり、前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤が、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン、ZD−4522およびリバスタチンからなる群より選択されるスタチンである方法に関する。
【0049】
その上さらになお詳細には、興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とするヒト患者において、アテローム性動脈硬化症発生についての開始を遅延するかまたはリスクを低減するための方法であって、有効な量の上記式Iの化合物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を、前記患者へ投与する方法であって、前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がシンバスタチンである方法に関する。
【0050】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とするヒト患者において、アテローム性動脈硬化症発生についての開始を遅延するかまたはリスクを低減するための方法であって、有効な量の上記式Iの化合物およびコレステロール吸収阻害剤を前記患者へ投与する方法に関する。さらに詳細には、興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする患者において、アテローム性動脈硬化症発生についての開始を遅延するかまたはリスクを低減するための方法であって、有効な量の上記式Iの化合物およびコレステロール吸収阻害剤を前記患者へ投与する方法であり、前記コレステロール吸収阻害剤がエゼチミベである方法に関する。
【0051】
興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とする哺乳類の患者において上記の他の疾患および症状についての開始を遅延するかまたはリスクを低減するための方法であり、有効な量の上記式Iの化合物およびコレステロール吸収阻害剤を前記患者へ投与する方法に関する。
【0052】
さらに詳細には、興味深い本発明のもう一つの観点は、治療を必要とするヒト患者において、上記の他の疾患および症状についての開始を遅延するかまたはリスクを低減するための方法であって、有効な量の上記式Iの化合物およびコレステロール吸収阻害剤を前記患者へ投与する方法であって、前記コレステロール吸収阻害剤がエゼチミベである方法に関する。
【0053】
興味深い本発明のもう一つの観点は、
(1)上記式Iの化合物;
(2)(a)DPP−IV阻害剤;(b)(i)PPARアゴニストおよび(ii)ビグアニドからなる群より選択されるインスリンセンシタイザー;(c)インスリンおよびインスリン模擬薬;(d)スルホニルウレアおよび他のインスリン分泌促進物質;(e)アルファグルコシダーゼ阻害剤;(f)他のグルカゴン受容体アンタゴニスト;(g)GLP−1、GLP−1模擬薬、およびGLP−1受容体アゴニスト;(h)GIP、GIP模擬薬、およびGIP受容体アゴニスト;(i)PACAP、PACAP模擬薬、およびPACAP受容体3アゴニスト;(j)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(ii)金属イオン封鎖剤、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸、またはそれらの塩、(iv)PPARアルファアゴニスト、(v)PPARアルファ/ガンマ・デュアルアゴニスト、(vi)コレステロール吸収阻害剤、(vii)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、(viii)酸化防止剤、および(ix)LXRモジュレータからなる群より選択されるコレステロール低下剤;(k)PPARデルタアゴニスト;(l)抗肥満化合物;(m)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤;(n)グルココルチコイド以外の抗炎症剤;(o)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)阻害剤、からなる群より選択される化合物;および
(3)医薬的に許容される担体、を含んでなる薬剤組成物に関する。
【0054】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
式Iの多くの化合物は、一以上の不斉中心を有しており、したがってラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして生じる。本発明は、この化合物のこのようなすべての異性体を純粋な形でまたは混合物として含む。
【0055】
本文に記載された化合物のいくつかは、オレフィン二重結合を含有しており、他に指定されない限り、EおよびZ双方の幾何異性体を含むことが意味される。
【0056】
本文に記載された化合物のいくつかは、互変異性体として言及される、水素の異なる連結点を有して存在してもよい。そのような例としては、ケト−エノール互変異性体として知られる、ケトンおよびそのエノール型でありうる。個々の互変異性体ならびにそれらの混合物は、式Iの化合物に包含される。
【0057】
塩および溶媒和物
式Iの化合物の塩および溶媒和物は、本発明に含まれる。用語「医薬的に許容される塩」は、無機または有機塩基および無機または有機酸を含む医薬的に許容される実質的に非毒性の塩基または酸から調製された塩ならびに医薬的に許容される塩へ変換可能な塩を指す。無機塩基由来の塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛などを含む。特に好ましくは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。医薬的に許容される有機非毒性塩基に由来する塩は、第一級、第二級、および第三級アミン、天然に生じる置換アミンを含めた置換アミン、環状アミン、およびアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトロメタミン等の塩基性イオン交換樹脂の塩である。
【0058】
本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、無機および有機酸を含む医薬的に許容される非毒性酸から調製される。かかる酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、およびp−トルエンスルホン酸などを含む。
【0059】
特に好ましくは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸である。
【0060】
本文において使用される溶媒和物は、水のような溶媒と会合した式Iの化合物またはその塩を指す。代表的な例としては、水和物、半水和物および三水和物などを含む。
【0061】
式Iの化合物についての言及は、医薬的に許容される塩および溶媒和物を含むことを意図する。
【0062】
本発明は、グルカゴンの産生または活性を、拮抗または阻害し、それにより糖新生およびグリコーゲン分解の速度と血漿中のグルコース濃度を低減する方法に関する。
【0063】
式Iの化合物は、高いグルコースレベルに関連した哺乳類の疾病状態の予防的または治療的処置のための医薬の製造であって、医薬品を提供するために式Iの化合物を担体物質と組合せることを含む、医薬の製造に使用可能である。
【0064】
用量範囲
式Iの化合物の予防的または治療的用量は、治療されるべき症状の性質または厳しさ、選択された特定の化合物、およびその投与経路によってもちろん異なるであろう。それはまた、個々の患者の年齢、体重および応答によっても異なるであろう。一般に、日用量の範囲は、単回用量または分割用量で、kg体重あたり約0.001mgから約100mgまで、好ましくはkgあたり約0.01mg〜約50mg、さらに好ましくはkgあたり0.1〜10mgの範囲内にある。いくつかの場合には、これらの範囲外の用量を使用することが必要となろう。用語「有効な量」、「抗糖尿病的に有効な量」および使用されるべき化合物の量に対応する本出願全体を通して登場する他の用語は、熟練の医師によって決定できるような、これらの範囲外の任意の必要な変動を考慮に入れた用量範囲を指す。
【0065】
式Iの化合物ならびに医薬的に許容されるそれらの塩および溶媒和物の代表的な用量は、単回用量または分割用量で、成人で1日あたり約0.1mgから約2.0gまで、好ましくは約1mg〜約500mgの範囲である。式Iの化合物と組合せて使用される化合物の代表的な用量は周知であるか、または、本文の記載を考慮すればそれらの決定は当業者のレベルの範囲内にある。
【0066】
静脈内または経口投与が用いられる場合、代表的な用量範囲は、1日あたり、kg体重あたり約0.001mgから約100mgまで(好ましくは0.01mgから約10mgまで)の式Iの化合物、さらに好ましくは、1日あたりkg体重あたり約0.1mg〜10mgの式Iの化合物である。
【0067】
薬剤組成物
上記のように、薬剤組成物は式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物と、医薬的に許容される担体とを含んでなる。用語「組成物」は、活性成分および担体を構成する不活性成分(医薬的に許容される賦形剤)を含んでなる生成物、ならびに任意の二以上の成分の結合、錯化または会合、または任意の一以上の成分の解離から、または成分間の他のタイプの反応または相互作用の結果として直接的または間接的に生じる任意の生成物を包含する。好ましくは、組成物は、2型糖尿病の発症を治療、防止または遅延するのに有効な量の式Iの化合物を、医薬的に許容される担体と組合せて含む。
【0068】
本発明の化合物の有効な量を哺乳類、特にヒトへ投与するために、任意の適当な投与経路が用いられてよい。たとえば、経口、経直腸、局所、非経口、経眼、経肺および経鼻などが用いられてよい。剤形の例としては、タブレット、トローチ、分散剤、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏およびエアロゾルなどを含み、経口タブレットが好ましい。
【0069】
経口組成物の調製においては、通常の製薬用媒体、たとえば懸濁液、エリキシルおよび溶液のような経口用液体の場合には、水、グリコール、油、アルコール、着香剤、保存剤および着色剤などが;または、経口用固体、たとえば粉末、カプセルおよびタブレットの場合には、デンプン、糖、微結晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、潤滑剤、結合剤、および崩壊剤などが用いられる。固体の経口用製剤が好ましい。投与の容易さから、タブレットおよびカプセルが最も有利な経口用単位剤形を表す。所望であれば、タブレットは標準的な水性または非水性の技術によってコートされてもよい。
【0070】
前記の一般的な剤形に加えて、式Iの化合物はまた、米国特許第3,845,770;3,916,899;3,536,809;3,598,123;3,630,200および4,008,719号に記載のような制御放出手段および/または輸送装置により投与されてもよい。
【0071】
経口投与に適した本発明の薬剤組成物は、カプセル、カシェ剤またはタブレットといった、各々があらかじめ決められた量の活性成分を含有する個別の単位として、粉末あるいは顆粒として、または、水性液、非水性液、水中油型乳剤もしくは油中水型乳剤中の溶液または懸濁液として提供されてよい。かかる組成物は、任意の許容される製薬プロセスにより調製される。かかる方法は全て、活性成分を担体成分と組合せる段階を含む。一般的には、該組成物は活性成分を液体または微細に分割された固体担体成分と均一によく混合すること、および次に、必要であれば混合物を所望の剤形へ処理することにより調製される。たとえば、タブレットは圧縮または成形により調製される。圧縮されたタブレットは、一以上の賦形剤、たとえば、結合剤、潤滑剤、希釈剤、界面活性剤および分散剤と任意に混合された、活性成分を含有する流動性粉末または顆粒を圧縮することにより調製される。成形されたタブレットは、不活性な液体を用いて加湿された粉末状化合物の混合物を成形することにより調製される。望ましくは、各タブレットは約1mgから約1.0gまでの活性成分を含有し、各カシェ剤またはカプセルは約1から約500mgまでの活性成分を含有する。
【0072】
以下は、式Iの化合物を含有する薬剤剤形の例である。
【0073】
【表1】

【0074】
併用療法
前記のように式Iの化合物は、2型糖尿病ならびに式Iの化合物が有用である本文に記載の他の疾患および症状の、治療/予防/発症の遅延に有用な他の薬剤と組合せて使用されてもよい。他の薬剤は、一つの経路により、一般に使用される量で、式Iの化合物と同時にまたは連続して投与されてよい。式Iの化合物が一以上の他の薬剤と同時に使用される場合、式Iの化合物に加えてかかる他の薬剤を含有する併用薬剤組成物が好ましい。したがって、本発明の薬剤組成物は、式Iの化合物に加えて、別と、一以上の他の活性成分を含有するものを包含する。別々に投与されるかまたは同じ薬剤組成物中で投与される、式Iの化合物と組合わされてよい他の活性成分の例としては、(a)ビグアニド(たとえば、ブホルミン、メトホルミン、フェンホルミン)、(b)PPARアゴニスト(たとえば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、(c)インスリン、(d)ソマトスタチン、(e)アルファグルコシダーゼ阻害剤(たとえば、ボグリボース、ミグリトール、アカルボース)、(f)DPP−IV阻害剤、(g)LXRモジュレータ、および(h)インスリン分泌促進物質(たとえば、アセトヘキサミド、カルブタミド、クロルプロパミド、グリボルヌリド(glibornuride)、グリクラジド、グリメルピリド(glimerpiride)、グリピジド、グリクイジン(gliquidine)、グリソキセピド(glisoxeid)、グリブリド、グリヘキサミド、グリピナミド(glypinamide)、フェンブタミド、トラザミド、トルブタミド、トルシクラミド、ナテグリニド、およびレパグリニド)を含むが、これらに制限されない。
【0075】
第二の活性成分に対する式Iの化合物の重量比は、広い範囲内で変更されてよく、各活性成分の有効用量に依存する。一般的に、各々の有効用量が使われる。したがって、たとえば、式Iの化合物がPPARアゴニストと組合わされる場合、PPARアゴニストに対する式Iの化合物の重量比は、一般に約1000:1から約1:1000まで、好ましくは約200:1〜約1:200の範囲であろう。式Iの化合物と他の活性成分との組合せもまた、一般的には前述の範囲内であろうが、各々の場合には有効用量の各活性成分が使用されるべきである。
【0076】
併用製品用には、式Iの化合物は任意の他の活性成分と組合わされ、次に担体成分へ添加されてもよく、別法として、混合の順序が変えられてもよい。
【0077】
薬剤併用組成物の例としては:
(1)式Iの化合物、
(2)(a)DPP−IV阻害剤;(b)(i)PPARアゴニストおよび(ii)ビグアニドからなる群より選択されるインスリンセンシタイザー;(c)インスリンおよびインスリン模擬薬;(d)スルホニルウレアおよび他のインスリン分泌促進物質;(e)a−グルコシダーゼ阻害剤;(f)グルカゴン受容体アンタゴニスト;(g)GLP−1、GLP−1模擬薬、およびGLP−1受容体アゴニスト;(h)GIP、GIP模擬薬、およびGIP受容体アゴニスト;(i)PACAP、PACAP模擬薬、およびPACAP受容体3アゴニスト;(j)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(ii)金属イオン封鎖剤、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸、またはそれらの塩、(iv)PPARアルファアゴニスト、(v)PPARアルファ/ガンマ・デュアルアゴニスト、(vi)コレステロール吸収阻害剤、(vii)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、(viii)酸化防止剤、および(ix)LXRモジュレータからなる群より選択されるコレステロール低下剤;(k)PPARデルタアゴニスト;(l)抗肥満化合物;(m)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤;(n)グルココルチコイド以外の抗炎症剤;(o)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)阻害剤、からなる群より選択される化合物;および
(3)医薬的に許容される担体を含む。
【0078】
式Iの化合物は、提供されている特定の実施例を考慮して、以下に提供された全般的なスキームにしたがって合成可能である。合成スキーム全体を通して、他に指定されない限り以下の意味の略号が使用される。
【0079】
【表2】

【0080】
本発明の化合物は、以下の全般的な合成スキームに概説された方法にしたがって調製される。
【0081】
本発明の一つの態様においては、化合物Iは、スキーム1に描かれた順序により、エステル1aから調製される。エステル1aの鹸化は、水酸化リチウム(LiOH)または水酸化ナトリウム水溶液のような塩基を用いて、テトラヒドロフラン、メタノール(MeOH)、エタノールまたは同様の溶媒混合物のような極性溶媒中で達成される。カルボン酸生成物は、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、および塩基、一般的にはジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を用いて、アミン、一般的にはベータアラニン誘導体または5−アミノテトラゾールと、N,N′−ジメチルホルムアミドまたはジクロロメタンのような溶媒中で、周囲温度において1〜48時間にわたり縮合し、化合物Iを生じる。他のペプチドカップリング条件もまた使用されてよい。ベータアラニンエステルは、塩基水溶液を用いてベータアラニン酸へ転換されてもよい(上記参照)。t−ブチルベータアラニンエステルを含有する化合物は、トリフルオロ酢酸のような酸を用いて、ジクロロメタンのような溶媒中で、ベータアラニン酸へ転換される。生成物は、再結晶化、粉砕、分取用薄層クロマトグラフィー、スティル(W.C.Still)ら著、「ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)」、1978年、第43巻、p.2923により記載の、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーまたはHPLCにより、望ましくない副産物から精製される。HPLCにより精製された化合物は、対応する塩として単離される。中間体の精製は、同じ方法で達成される。
【0082】
【化3】

【0083】
本発明のもう一つの態様においては、化合物Iは、スキーム2に描かれたような化合物とアリールボロン酸とのスズキカップリングにより調製される。アリールボロン酸は市販品か、または「ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー」、1995年、第60巻、p.7508、およびその参考文献に記載のように調製される。スズキカップリングは、多様な条件下で達成される(「ケミカル・リビューズ(Chem.Rev.)」、1995年、第95巻、p.2457参照)。典型的には、反応は、テトラキス(トリフェニルホスホニウム)パラジウム(O)触媒と、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム水溶液のような塩基とを用いて、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランまたはトルエンのような溶媒中で、50℃〜100℃において行なわれる。反応性の低い塩化アリールを用いたスズキカップリングもまた多様な条件により達成される(「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)」、2000年、第122巻、p.4020およびその参考文献参照)。反応は通常、酢酸パラジウムおよび2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル触媒と、無水リン酸カリウムのような塩基を用いて、トルエン中で100℃において、「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ」、1999年、第121巻、p.9550に記載のように行なわれる。別法として、化合物からの化合物Iの調製は、アリールスタンナンを用いたスティル(Stille)カップリングにより達成可能である(「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ」、1987年、第109巻、p.5478およびその参考文献参照)。出発物質がZ=CONH(5−テトラゾリル)またはZ=CONHCHCHCOHを有さない場合、から化合物Iへの転換には付加的な段階が必要である。Z=C(O)ORである化合物については、スズキ生成物は、前記のごとく塩基加水分解及びそれに続くまたはとのBOPカップリングにより、化合物Iへ転換される。Z=CONHCHCHCOである化合物については、スズキ生成物は、酸または塩基加水分解によりIへ転換される(上記参照)。Y=Cl、Brを有し、かつ市販されていない中間体は、サンドマイヤー反応により対応するアニリンから調製される。アニリン前駆体は、対応するニトロ化合物の還元により調製される。Y=OTf(トリフラート)をもつ中間体は、典型的には、対応するY=OMeから2段階:三臭化ホウ素によるメチルエーテルの切断と、それに続くトリフルオロメタンスルホン酸無水物のようなトリフラート化剤を用いた処理、により調製される。
【0084】
【化4】

【0085】
以下のスキームは、スキーム1および2に記載された化合物Iへ転換されてよい中間体の調製を記述している。スキーム3および以下の全てのスキーム中の置換基Y′は、式Iに示されたPh(Rか、または適当な前駆体(たとえば、Br、Cl、I、NH、OTf、OMe、OH)を表してもよい。
【0086】
Xが−CH(R)CH−である、式Iの中間体である化合物は、スキーム3のカルボニルから調製される。カルボニルは、市販品でよく、または当業者の熟知する多様な方法により調製される。かかる方法の一つは、対応するアルコールの酸化である。オレフィンの調製は、カルボニルおよび市販のホスホニウム塩化物(または臭化物)の、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドまたはジメチルスルホキサイドといった非プロトン溶媒中、周囲温度〜100℃におけるウィッティッヒ(Wittig)カップリングにより達成される。インジト(in situ)で生成されたリンイリドは、ナトリウムt−ブトキシドのような塩基を用いて、から生成される。他の塩基もまた使用されてよい。オレフィンは、水素により典型的には大気圧または50psiまでの圧力下、酸化白金(IV)を用いて、ジクロロメタンまたは酢酸エチルのような溶媒中、化合物へ還元される。パラジウムカーボンのような他の触媒もまた、存在する官能基が条件に適合するという前提で還元に使用されてよい。たとえば、臭化物の存在は、パラジウムの使用を排除するであろう。
【0087】
【化5】

【0088】
Xが−CHCH(R)−である、式Iの中間体である化合物11は、スキーム4の安息香酸から調製される。出発物質および10は、市販品か、または当業者の熟知する多様な方法により調製される。LDAによるのテトラヒドロフランおよびヘキサメチルホスホラミドのような溶媒中での−15℃〜5℃におけるビス−脱プロトン化と、それに続くハロゲン化ベンジル10による処理は、ラセミ体11を与える(「シンセティック・コミュニケーションズ(Syn.Comm.)」、1995年、第25巻、p.667参照)。
【0089】
【化6】

【0090】
Xが−CH(R)CH−でありかつRがインドールである、式Iの中間体である化合物16は、スキーム5のごとく調製される。13の調製は、12と3−ブロモ−3−ブテン−1−オールとのスズキカップリングにより達成される(上記参照)。1314との、酢酸パラジウム触媒を用いたヘック(Heck)カップリング(およびそれに続く二重結合移動)は、アルデヒド15を与える(「テトラヘドロン・レターズ(Tet.Lett.)」、1989年、第30巻、p.6629参照)。氷酢酸中でのアルデヒド15のフェニルヒドラジンおよび塩化亜鉛との80℃における加熱は、ラセミ体インドール16を与える。
【0091】
【化7】

【0092】
Xが−CH(R3′)CH(R)−でありかつR3′がRと同じかまたは異なっている、式Iの中間体である化合物19aは、スキーム6のごとくカルボニル17から調製される。出発物質17は、市販品でよく、または当業者の熟知する多様な方法により調製される。かかる方法の一つは、「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ」、2000年、第122巻、p.1360に記載のような、パラジウムに触媒されるケトンのアリール化を含む。17の、LDA、LHMDSまたはNaOtBuを用いた、−78℃〜0℃における脱プロトン化およびそれに続くハロゲン化ベンジル18による処理は、アルキル化された生成物19を与える。RがCHである場合、NaOtBuが内部エノラートの形成のために好ましい。当業者には、この調製がラセミ生成物を与えることが理解されるであろう。さらに、Rが水素でない場合、4つの立体異性体が産生されるであろう。−COR′−基は、R3′の前駆体として役立ち、当業者の熟知する方法を用いて多様な置換基へ転換されてよい。R′がCHである例の一つは、ジメチルホルムアミドジメチルアセタールによる処理およびそれに続くヒドラジンとの縮合による、ピラゾールへの転換である(「シンセシス」、2001年、第1巻、p.55参照)。R′が2−Fフェニルであるもう一つの例は、ヒドラジンとの縮合によるインダゾールへの転換である(「ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー」、1991年、第28巻、p.1121参照)。
【0093】
【化8】

【0094】
Xが−OCH(R)−である、式Iの中間体である化合物21は、スキーム7のごとくフェノール20およびベンゾエート18から調製される。出発物質は、市販品であるか、または当業者の熟知する方法を用いて調製される。18がハロゲン化ベンジルである場合、21の調製は、20および18を、NaCO、KCOまたはCsCOのような塩基の存在下、DMF、THF、アセトンのような溶媒中で、周囲温度〜100℃において結合することによって達成可能である。幅広い条件の組合せが適している。18がベンジルアルコールである場合、21の調製はミツノブ(Mitsunobu)カップリングによって達成可能である(「シンセシス」、1981年、第1巻、p.1参照)。これは、典型的にはトリフェニルホスフィンおよびジイソプロピルアゾジカルボキシレートを用いて、1,4−ジオキサンのような溶媒中、周囲温度〜75℃で行なわれる。
【0095】
【化9】

【0096】
中間体21の別と調製は、アリール臭化物または塩化物22と、ベンジルアルコール18との、「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ」、2001年、第123巻、p.10770に記載の方法を用い、パラジウムに触媒されるカップリングを含む。反応は、スキーム8のごとく22および18を、酢酸パラジウムおよびラセミ体の2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル触媒および炭酸セシウムの存在下に、トルエン溶媒中で70℃〜100℃で加熱することにより達成される。Aが電子不足芳香族またはヘテロ芳香族を表す場合、21の調製は芳香族求核置換により達成可能である。これは、22および18を、炭酸セシウム、炭酸カリウムまたは水素化ナトリウムのような塩基の存在下、DMFのような非プロトン性溶媒中で、50℃〜150℃に加熱することにより行なわれる。
【0097】
【化10】

【0098】
Xが−CH(R)O−である、式Iの中間体である化合物25は、スキーム9のごとく、23およびメチル4−ヒドロキシベンゾエート24から調製される。メチル4−ヒドロキシベンゾエートおよびベンジルアルコール23からの25の調製は、ミツノブカップリング条件を用いて達成可能である(上記参照)。23がハロゲン化ベンジルである場合、25の調製は標準的なアルキル化条件を用いて達成可能である(スキーム7、化合物21参照)。
【0099】
【化11】

【0100】
Xが酸素である、式Iの中間体である化合物26は、メチル4−ヒドロキシベンゾエート24とハロゲン化アリール22の求核置換により調製される。この反応は、典型的には電子不足芳香族またはヘテロ芳香族出発物質に対し行なわれる。26の形成は、22および24を、炭酸セシウム、炭酸カリウムまたは水素化ナトリウムのような塩基の存在下、DMFのような非プロトン性溶媒中、50℃〜150℃に加熱することにより達成可能である。
【0101】
【化12】

【0102】
中間体26の別と調製は、フェノール20およびボロン酸27の銅に媒介されるカップリングを必要とする。26の調製は、「テトラヘドロン・レターズ」、1998年、第39巻、p.2933に記載されたように、フェノール20および市販の27を、酢酸銅(II)およびトリエチルアミンまたはピリジンを用いて、ジクロロメタン中、周囲温度において処理することにより達成される。
【0103】
【化13】

【0104】
Xが硫黄である式Iの中間体である化合物30は、スキーム12のごとくチオフェノール28および4−ヨードベンゾエート29から調製される。この反応は、「オーガニック・レターズ(Org.Lett.)」、2002年、第4巻、p.2803に記載のように、2829、ヨウ化銅、ネオキュプリン(neocuprine)およびリン酸カリウムを、還流トルエン中で加熱することにより達成される。
【0105】
【化14】

【0106】
XがCHRである式Iの化合物は、スキーム13のごとくカルボニルから調製される。アリールグリニャール31は、「シンレット(Synlett)」、2001年、第12巻、p.1901に記載のように、対応するヨウ化アリールをイソプロピルマグネシウムクロリドで処理することにより調製される。アリールグリニャール31とカルボニルとのテトラヒドロフランのような溶媒中での0℃における処理により、ベンジルアルコール32を与える。32の還元は、トリエチルシランおよびトリフルオロ酢酸を用い、密閉容器内で75℃〜100℃に加熱されたジクロロメタンのような溶媒中で達成される。Rがアルキル(たとえば、メチル、エチル)である場合、還元および脱水された生成物の混合物が形成されるであろう。このような場合、次いで混合物は、大気圧の水素およびPtO触媒を用い、ジクロロメタンまたは酢酸エチルのような溶媒中で還元される。
【0107】
【化15】

【0108】
別法として、中間体33は、スキーム14のごとく、32(R=H)から、インジトで発生したベンジルカチオンを求核試薬(R)を用いてトラップすることにより調製される。32と電子豊富な芳香族(たとえば、インドール、アニソール、メトキシナフタレン)およびトリフルオロ酢酸のような酸とをジクロロメタン溶媒中75℃〜100℃において処理することにより33を与える。反応はまた、三フッ化ホウ素のようなルイス酸と、アリルトリメチルスズまたはアリルトリメチルシランのような非芳香族求核試薬とを用いて達成することも可能である。
【0109】
【化16】

【0110】
中間体33(R=H)の別と調製は、スキーム15に描かれている。Pd(OAc)のような触媒とジイソプロピルエチルアミンのような塩基とを用いた4−ヨードベンゾエートおよびオレフィン34のヘックカップリングと、それに続く水素および酸化白金触媒による還元により、33を与える。
【0111】
【化17】

【0112】
いくつかの場合には、先のスキームに記載の反応からの中間体または生成物は、特にR置換基の操作に関しさらに修飾される。これらの操作は、置換、還元、酸化、アルキル化、アシル化および加水分解反応を含んでよいが、これに制限されない。R芳香族またはヘテロ芳香族置換基をもつ化合物は、典型的にはスキーム16において前記条件を用いてスズキカップリング(35、Cl,Br、I、OTfを36へ)により調製される。置換基X′は、式4に示されたX−Ph−Zか、または先のスキームにおいて議論された、X−Ph−Zへの適当な前駆体を表す。Rアルキルエーテル置換基をもつ化合物は、典型的にはスキーム7に示された条件を用いてミツノブカップリング(35HOを37ROへ)により調製される。アリールエーテルは、通常、フェノール35HOから、スキーム11に記載の銅に媒介されるカップリングを用いて調製される。
【0113】
【化18】

【0114】
分析用HPLC質量分析条件:
LCMS1:
カラム:ウォーターズ・エクステラ(Waters Xterra)MS C−18、3.5μ、3.0×50mm
温度:40℃
溶出液:10:90〜98:2 v/v アセトニトリル/水+0.05%TFA、3.75分間にわたる
流速:1.0mL/分、10μL注入
検出:PDA、200〜600nm
MS:質量範囲150〜750amu(原子質量単位);陽イオンエレクトロスプレーイオン化
LCMS2:
カラム:ダイオネクス・アクライム(Dionex Acclaim)C 8、5μ、4.6×50mm
温度:50℃
溶出液:5:95〜95:5 v/v アセトニトリル/水+0.05%TFA、2.5分間にわたる
流速:2.5mL/分、10μL注入
UV:PDA、200〜600nm
MS:質量範囲150〜750amu;陽イオンエレクトロスプレーイオン化
LCMS3:
カラム:ウォーターズ・エクステラ MS−C18、2.5μ、4.6×20mm
温度:40℃
溶出液:10:90〜100:0 v/v アセトニトリル/水+0.05%TFA、1.75分間にわたる
流速:3mL/分、10μL注入
検出:PDA、200〜600nm
MS:質量範囲150〜750amu;陽イオンエレクトロスプレーイオン化
【0115】
分析用およびセミ分取用キラルHPLC条件:
キラルLC1:
カラム:キラセル(ChiraCel)OJ、4.6×250mm
温度:40℃
溶出液:40%MeOH/CO+0.1%TFA、出口圧1500psi
流速:2.11mL/分
検出:PDA、254nm
キラルLC2:
カラム:キラセル(ChiraCel)OD、4.6×250mm
温度:40℃
溶出液:40%MeOH/CO+0.1%TFA、出口圧1500psi
流速:2.11mL/分
検出:PDA、254nm
キラルLC3:
カラム:キラルパック(ChiralPak)AD、10μ、4.6×250mm
温度:周囲温度
流速:0.5mL/分
検出:PDA、254nm
キラルLC4:
カラム:キラルセルOJ、5μ、4.6×250mm
温度:周囲温度
流速:0.75mL/分
検出:PDA、254nm
【0116】
分取用逆相HPLC(RP−HPLC)条件:
カラム:クロマシル(Kromasil)KR−10C8、30×100mm
温度:周囲温度
溶出液:10:90〜100:0 v/v アセトニトリル/水+0.1%TFA、8.0分間にわたる
流速:50.0mL/分
検出:PDA、254nm
【0117】
分取用薄層クロマトグラフィー(PTLC)は、20×20cmプレート(500μm厚のシリカゲル)上で、ヘキサン/酢酸エチル溶出液を用いて行なわれた。シリカゲルクロマトグラフィーは、バイオタージ・ホライズン(Biotage Horizon)フラッシュクロマトグラフィーシステム上で、ヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて行なわれた。
【0118】
以下の実施例は、本発明をより完全に理解するために提供される。それらは、いかなる点においても本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0119】
実施例1
N−(4−{2−[3−シアノ−4”−(トリフルオロメトキシ)−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0120】
【化19】

【0121】
段階A. メチル4−アミノ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキシレート
メチル2−アミノ−5−ブロモベンゾエート(2.5g、12.3mmol)、KCO(4.0g、24.6mmol)、4−(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(3.8g、18.5mmol)、およびPd(PPh(0.712g、0.62mmol)を含有するDME/水の溶液(40mL、3/1)を、アルゴン雰囲気下に90℃で加熱した。約1時間後、溶液を室温まで冷却し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で脱水した。溶液を濾過し、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ8.12(d,J=2.2Hz,1H);7.57(d,J=8.5Hz,2H);7.52(dd,J=2.2,8.5Hz,1H);7.28(d,J=8.5Hz,2H);6.77(d,J=8.5Hz,1H);5.84(幅広い s,2H);3.94(s,3H).
LCMS1 3.91分、 (M+H)=312
【0122】
段階B. メチル4−ブロモ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルボキシレート
亜硝酸t−ブチル(0.976mL、8.22mmol)を、アルゴン雰囲気下、氷浴中で冷却された固形臭化銅(II)(1.23g、5.48mmol)へ滴下添加した。5分後、段階Aからの中間体(1.55g、4.98mmol)を含有するアセトニトリル溶液(25mL)を滴下添加した。溶液を氷浴中で2時間撹拌し、次いで室温まで温めた。溶液を小体積まで濃縮し、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を15%NHOH水溶液(3回)、食塩水で洗浄し、NaSO上で脱水した。溶液を濾過し、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
LCMS1 4.13分、(M+H)=375
【0123】
段階C. [4−ブロモ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]メタノール
リチウムトリエチルボロヒドリド(1.0M THF、10.6mL)の溶液を、アセトン/氷浴(−10℃)中で冷却した段階Bからの中間体(2.0g、5.33mmol)のTHF溶液(12mL)へ滴下添加した。溶液を、HPLCにより出発物質が残らなくなるまで(約3時間)−10℃で撹拌した。反応をメタノール(約10mL)でクエンチし、濃縮した。残渣を水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を水(2回)、食塩水で洗浄し、NaSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.71(d,J=2.0Hz,1H);7.64−7.60(m,3H);7.37(dd,J=2.3,8.2Hz,1H);7.28−7.33(m,2H);4.84(s,2H);2.09(s,1H).
LCMS1 3.77分、(M−H2O)=329
【0124】
段階D. 4−ブロモ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルバルデヒド
DMSO(0.69mL、9.72mmol)を、塩化オキサリル(0.42mL、4.86mmol)の4mLのDCM中へ、−78℃において滴下添加した。20分後、段階Cからの中間体(1.2g、3.47mmol)のDCM溶液(6mL)を滴下添加した。−78℃で15分間撹拌後、トリエチルアミン(2.42mL、17.35mmol)を添加した。次に反応混合物を室温まで温めた。溶液を飽和NHCl水溶液とDCMとの間で分配した。有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ10.43(s,1H);8.12(d,J=2.4Hz,1H);7.75(d,J=8.6Hz,1H);7.67−7.65(m,1H);7.63(d,J=8.5Hz,2H);7.34(d,J=8.5Hz,2H).
LCMS1 4.09分、(M+H)=345
【0125】
段階E. メチル4−{(E,Z)−2−[4−ブロモ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]ビニル}ベンゾエート
NaOMe(MeOH中25重量%、0.63mL、2.90mmol)の溶液を、[4−(メトキシカルボニル)ベンジル](トリフェニル)ホスホ二ウムブロマイド(1.43g、2.90mmol)のDMF溶液(10mL)へ滴下添加した。室温で1時間撹拌後、段階Dからの中間体(0.5g、1.45mmol)のDMF溶液(約4mL)を添加した。10分後、反応溶液を水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を水(5回)、食塩水で洗浄し、NaSO上で脱水した。溶液を濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物をE/Zオレフィン異性体の混合物として得た。
H NMR(500MHz,CDCl):主要異性体 δ7.92(d,J=8.3Hz,2H);7.71(d,J=8.9Hz,1H);7.34−7.30(m,6H);7.19(d,J=8.6Hz,2H);6.81(s,2H);3.92(s,3H).
LCMS1 4.68分、(M+H)=477
【0126】
段階F. メチル4−{2−[4−ブロモ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾエート
PtO(0.810g、3.57mmol)および段階Eからの中間体(8.49g、17.84mmol)を含有するDCM溶液(40mL)を、水素雰囲気下(バルーン)、一晩撹拌した。フラスコを窒素でパージし、溶液をセライトを通して濾過した。濾過ケークはDCMで洗浄し(3回)、濾液を濃縮して標題化合物を得た。粗物質は、精製なしに次の段階で使用された。
H NMR(500MHz,CDCl):δ8.01(d,J=8.1Hz,2H);7.65(d,J=8.9Hz,1H);7.49(d,J=8.6Hz,2H);7.31−7.29(m,6H);3.94(s,3H);3.16−3.11(m,2H);3.07−3.02(m,J=2H).
LCMS1 4.72分、(M+H)=479
【0127】
段階G. 4−{2−[4−ブロモ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}安息香酸
段階Fからの中間体(8.53g、17.84mmol)のTHF/MeOH/水の溶液(約40mL/40mL/10mL)に、LiOH(3.66g、89.2mmol)を添加した。溶液を45℃で、HPLCにより出発物質が残らなくなるまで(約2時間)撹拌した。溶液を濃縮し、ほとんどのMeOH/THFを除去し、次いで1N HCl水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を水(2回)、食塩水で洗浄し、NaSO上で脱水した。溶液を濾過、濃縮し、標題化合物を得た。粗物質は、精製なしに次の段階で使用された。
【0128】
段階H. tert−ブチルN−(4−{2−[4−ブロモ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニネート
段階Gからの中間体(0.921g、1.98mmol)、DIEA(1.72mL、9.9mmol)、tert−ブチルβ−アラニネート塩酸塩(0.437g、2.4mmol)、およびBOP(1.32g、2.97mmol)を含有するDMF溶液(8mL)を、45℃で1時間加熱した。溶液を水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を水(4回)および食塩水で洗浄した。次に溶液を、NaSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.73(d,J=8.1Hz,2H);7.65(d,J=7.8Hz,1H);7.50(d,J=8.5Hz,2H);7.33−7.26(m,6H);6.99(t,J=5.8Hz,1H);3.73−3.71(m,2H);3.14−3.09(m,2H);3.07−3.01(m,2H);2.59(t,J=5.9Hz,2H)1.49(s,9H).
LCMS1 4.58分、 (M+H)=592
【0129】
段階I. N−(4−{2−[4−ブロモ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
段階Hからの中間体に、DCM/TFA(1/1)を添加した。溶液を室温で、HPLCにより出発物質が残らなくなるまで(約1時間)撹拌した。溶液を濃縮し、標題化合物を得た。粗物質は、精製なしに次の段階で使用された。
LCMS1 4.01分、(M+H)=536
【0130】
段階J. N−(4−{2−[3−シアノ−4”−(トリフルオロメチトキシ)−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
段階Iからの中間体(23mg、0.043mmol)、KCO(12mg、0.086mmol)、3−シアノフェニルボロン酸(10mg、0.065mmol)、およびPd(PPh(5mg、0.0043mmol)を含有するDME/水の溶液(1/1、2mL)を、アルゴン雰囲気下90℃で加熱した。溶液を90℃で、HPLCにより出発物質が残らなくなるまで(約1時間)撹拌した。溶液を室温まで冷却し、濃縮した。残渣をDMFで希釈し、濾過し、RP−HPLCで精製して標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.65−7.63(m,5H);7.53−7.46(m,4H);7.34(d,J=8.1Hz,2H);7.22(d,J=7.8Hz,2H);7.03(幅広い s,1H);6.96(d,J=8.1Hz,2H);3.77−3.73(m,2H);2.93−2.85(m,4H);2.74(t,J=5.8Hz,2H).
LCMS1 4.02分、(M+H)=559
【0131】
実施例2
N−{4−[({3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−ナフチル}オキシ)メチル]ベンゾイル}−β−アラニン
【0132】
【化20】

【0133】
段階A. 4−ヒドロキシ−2−ナフチルトリフルオロメタンスルホネートおよび3−ヒドロキシ−1−ナフチルトリフルオロメタンスルホネート
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.96g、3.4mmol)およびDIEA(0.6mL、3.4mmol)を、ジクロロメタン中、1,3ジヒドロキシナフタレン(0.5g、3.1mmol)に、室温で滴下添加した。一晩撹拌後、溶液を1N塩酸水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機相をMgSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
速く溶出する異性体、4−ヒドロキシ−2−ナフチルトリフルオロメタンスルホネートについてのデータ:H NMR(500MHz,CDCl):δ8.23(d,J=8.1Hz,1H);7.85(d,J=7.6Hz,1H);7.64−7.57(m,2H);7.39(d,J=2.1Hz,1H);6.80(d,J=2.3Hz,1H);6.08(s,1H).
遅く溶出する異性体、3−ヒドロキシ−1−ナフチルトリフルオロメタンスルホネートについてのデータ:H NMR(500MHz,CDCl):δ8.02(d,J=8.4Hz,1H);7.75(d,J=8.1Hz,1H);7.58−7.50(m,2H);7.21(s,2H),5.70(幅広い s,1H).
【0134】
トリフラート化のレジオケミストリーは、遅く溶出する異性体の一部を取り、酢酸エチル中、10%Pd/Cを用いて水素雰囲気下還元することにより確認された。還元された物質のプロトンNMRは、市販の2−ナフトールのNMRと同一であった。
【0135】
段階B. 3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−ナフトール
DME/2M KCO(1/1)中、4−ヒドロキシ−2−ナフチルトリフルオロメタンスルホネート(100mg、0.34mmol)、4−(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(0.14g、0.68mmol)、およびPd(PPh(20mg、0.017mmol)を、アルゴン雰囲気下還流加熱した。約2時間後、溶液を冷却し、1N塩酸水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機相をMgSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
LCMS1 3.94分、(M+H)=305
【0136】
段階C. メチル4−[({3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−ナフチル}オキシ)メチル]ベンゾエート
3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−ナフトール(50mg、0.16mmol)、メチル4−(ブロモメチル)ベンゾエート(73mg、0.32mmol)、およびKCO(44mg、0.32mmol)のアセトン溶液を、HPLC分析により出発物質が残らなくなるまで還流加熱した。溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
LCMS1 4.64分、(M+H)=453
【0137】
段階D. 4−[({3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−ナフチル}オキシ)メチル]安息香酸
段階Cからの中間体(40mg、0.09mmol)のTHF/MeOH溶液(約1/1、2mL)に、LiOH一水和物(20mg、0.49mmol)の水1mL溶液を添加した。溶液をHPLC分析によりエステルが残らなくなるまで室温で撹拌した。溶液を濃縮し、酢酸エチルと1N HCl水溶液との間で分配した。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水し、濾過した。次に溶液を濃縮して標題化合物を得て、さらに精製することなく使用した。
LCMS1 4.27分、(M+H)=439
【0138】
段階E. N−{4−[({3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−ナフチル}オキシ)メチル]ベンゾイル}−β−アラニン
段階Dからの中間体(35mg、0.08mmol)のDMF溶液(2mL)に、tert−ブチルβ−アラニネート塩酸塩(30mg、0.16mmol)DIEA(0.06mL、0.35mmol)、およびBOP(53mg、0.12mmol)を添加した。溶液を室温で約30分間撹拌した。次に溶液を酢酸エチルと1N HCl水溶液との間で分配した。有機相を1N HCl水溶液(3回)、食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水し、濾過して、tert−ブチルN−{4−[({3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−ナフチル}オキシ)メチル]ベンゾイル}−β−アラニネートを得た。
LCMS1 4.50分、(M+H)=566
tert−ブチル基を、1/1 DCM/TFAを用いた1時間の処理により除去した。粗酸を逆相HPLCで精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDOD):δ8.57(s,1H);8.31(d,J=8.1Hz,1H);7.92(m,1H);7.89(d,J=8.3Hz,2H);7.82(d,J=8.7Hz,2H);7.70(m,3H);7.56−7.49(m,2H);7.39(d,J=8.1Hz,2H);7.24(s,1H);5.46(s,2H);3.69−3.65(m,2H);2.68−2.66(m,2H).
LCMS1 3.97分、(M+H)=510
【0139】
中間体1
tert−ブチルN−(4−ヨードベンゾイル)−β−アラニネート
【0140】
【化21】

【0141】
標題化合物を、4−ヨード安息香酸から実施例1段階Hに記載の方法を用いて調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.77(d,J=8.5Hz,2H);7.47(d,J=8.5Hz,2H);6.91(幅広い s,1H);3.66(q,J=5.9Hz,2H);2.54(t,J=5.9Hz,2H);1.45(s,9H).
LCMS1 3.35分、(M+H)=376
【0142】
実施例3A、3B
N−(4−{2−(1H−インドール−3−イル)−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0143】
【化22】

【0144】
段階A. 3−(3−クロロフェニル)ブト−3−エン−1−オール
3−ブロモブト−3−エン−1−オール(1.40g、7.66mol)、(3−クロロフェニル)ボロン酸(2.3g、14.7mmol)、およびPd(PPh(0.4g、0.35mmol)を含有するDME(20mL)および2M NaCO(15mL)の溶液を、アルゴン雰囲気下3時間還流した。溶液を濃縮し(過剰のDMEを除去するため)、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を1N NaOH、水(2回)、および食塩水で洗浄した。次に溶液をMgSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.42(s,1H);7.31−7.29(m,3H);5.43(s,1H);5.21(s,1H);3.73(t,J=6.5Hz,2H);2.77(t,J=6.3Hz,2H);1.91(s,1H).LCMS1 2.95分、(M−OH)=165
【0145】
段階B. 3−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]ブト−3−エン−1−オール
段階Aからの中間体(441mg、2.4mmol)、4−(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(746mg、3.62mmol)、KPO(865mg、4.08mmol)、2−(ジクロロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(68mg、0.19mmol)、およびPd(OAc)(22mg、0.098mmol)を含有するトルエン溶液(5mL)を、アルゴン雰囲気下100℃で加熱した。1時間後、溶液を水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を1N NaOH、食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
LCMS1 3.71分、(M+H)=309
【0146】
段階C. tert−ブチルN−(4−{4−オキソ−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]ブチル}ベンゾイル)−β−アラニネート
段階Bからの中間体(453mg、1.47mmol)、中間体1(607mg、1.62mmol)、BuNCl(817mg、2.94mmol)、LiOAc(242mg、3.67mmol)、LiCl(62mg、1.47mmol)、およびPd(OAc)(17mg、0.076mmol)を含有するDMF溶液(4mL)を、アルゴン雰囲気下、90℃で一晩撹拌した。溶液を水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を、水(3回)、食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水した。溶液を濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ9.67(s,1H);7.63(d,J=8.2Hz,2H);7.50(d,J=8.6Hz,2H);7.39−7.33(m,2H);7.29−7.24(m,3H);7.15−7.08(m,3H);6.79(幅広い s,1H);3.66(q,J=5.9Hz,2H);3.61−3.55(m,1H);3.03−2.97(m,2H);2.85−2.81(m,2H);2.53(t,J=5.9Hz,2H);1.42(s,9H).
LCMS1 4.00分、(M+H)=500
【0147】
段階D. N−(4−{2−(1H−インドール−3−イル)−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
段階Cからの中間体(150mg、0.27mmol)、塩酸フェニルヒドラジン(51mg、0.35mmol)、およびZnCl(110mg、0.81mmol)を含有する氷酢酸溶液(4mL)を、80℃で1時間加熱した。溶液を濃縮し、1N HCl水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣をRP−HPLCにより精製し、単離された物質をキラルOJ SFC−HPLCを用いて分割し、標題化合物を得た。
異性体 A:Chiral LC1 4.85分、LCMS1 3.80分、(M+H)=572
異性体B:Chiral LC1 12.09分、LCMS1 3.80分、(M+H)=572
代表的なH NMR(400MHz,CDOD):δ7.58(d,J=8.2Hz,2H);7.47(d,J=8.6Hz,2H);7.37−7.14(m,11H);7.01(t,J=7.5Hz,1H);6.85(t,J=7.5Hz,1H);4.57(t,J=7.9Hz,1H);3.63(dd,J=6.7,13.4Hz,1H);3.56(t,J=6.9Hz,2H);3.36(dd,J=9.1,13.3Hz,1H);2.57(t,J=7.0Hz,2H).
【0148】
中間体2
tert−ブチルN−{4−[2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゾイル}−β−アラニネート
【0149】
【化23】

【0150】
標題化合物を5−ブロモ−2−ヒドロキシベンズアルデヒドから実施例1に記載の化学を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ7.70(t,J=4.1Hz,2H);7.27(d,J=8.2Hz,2H);7.11−7.07(m,2H);6.68(d,J=8.4Hz,1H);3.60(t,J=6.9Hz,2H);2.95−2.83(m,4H);2.56(t,J=6.9Hz,2H);1.45(s,9H).
LCMS1 3.65分、(M+H)=448
【0151】
実施例4
N−(4−{2−[4−(シクロペンチルオキシ)−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0152】
【化24】

【0153】
段階A. tert−ブチルN−(4−{2−[4−ヒドロキシ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニネート
標題化合物を中間体2から実施例1に記載のスズキ条件を用いて調製した。
LCMS1 4.05分、(M+H)=530
【0154】
段階B. N−(4−{2−[4−(シクロペンチルオキシ)−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
DIAD(0.04mL、0.20mmol)を、段階Aからの中間体(25mg、0.047mmol)、トリフェニルホスフィン(50mg、0.19mmol)、およびシクロペンタノール(0.022mL、0.24mmol)を含有する、75℃に加熱された1,4−ジオキサン溶液(1mL)へ添加した。75℃で一晩撹拌後、溶液を濃縮し、残渣をPTLCによりヘキサン/酢酸エチル移動相を用いて精製し、tert−ブチルN−(4−{2−[4−(シクロペンチルオキシ)−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニネートを得た。tert−ブチル基を実施例1段階Iに記載のようにTFAを用いて除去し、粗物質をRP−HPLCにより精製し標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDOD):δ7.71(d,J=8.3Hz,2H);7.56−7.54(m,2H);7.40(dd,J=2.4,8.5Hz,1H);7.28−7.23(m,5H);6.99(d,J=8.6Hz,1H);4.93−4.89(m,1H);3.62(t,J=6.9Hz,2H);2.95(幅広い s,4H);2.62(t,J=6.9Hz,2H);2.02−1.68(m,8H).
LCMS1 4.29分、(M+H)=542
【0155】
実施例5
N−[4−(2−{3′,4′−ジクロロ−4−[4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]ビフェニル−3−イル}エチル)ベンゾイル]−β−アラニン
【0156】
【化25】

【0157】
段階A. tert−ブチルN−{4−[2−(3′,4′−ジクロロ−4−ヒドロキシビフェニル−3−イル)エチル]ベンゾイル}−β−アラニネート
標題化合物を中間体2から実施例1段階Aに記載のスズキの条件を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.72(d,J=7.9Hz,2H);7.56(d,J=2.1Hz,1H);7.46(d,J=7.4Hz,1H);7.33−7.29(m,4H);7.22(d,J=2.2Hz,1H);7.07−7.01(m,1H);6.90(dd,J=2.2,8.2Hz,1H);3.74(q,J=5.9Hz,2H);3.03−2.99(m,4H);2.61(t,J=5.8Hz,2H);1.50(s,9H).
LCMS1 4.14分、(M+H)=514
【0158】
段階B. N−[4−(2−{3′,4′−ジクロロ−4−[4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]ビフェニル−3−イル}エチル)ベンゾイル]−β−アラニン
段階Aからの中間体(22mg、0.043mmol)、酢酸銅(II)(8mg、0.043mmol)、4−(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(18mg、0.086mmol)、トリエチルアミン(0.03mL、0.215mmol)、および4Aモレキューシーブス(スパチュラチップ小)を含有するDCM溶液(1mL)を、大気雰囲気下に撹拌した。一晩撹拌後、溶液を濾過、濃縮し、tert−ブチルN−[4−(2−{3′,4′−ジクロロ−4−[4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]ビフェニル−3−イル}エチル)ベンゾイル]−β−アラニネートを得た。
LCMS1 4.85分、(M+H)=674
tert−ブチル基を、実施例1の段階Iに記載のように除去し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.65(d,J=8.2Hz,2H);7.59(d,J=2.2Hz,1H);7.51(d,J=8.3Hz,1H);7.37−7.34(m,3H);7.24(d,J=8.3Hz,2H);7.21(d,J=8.4Hz,2H);6.98−6.95(m,4H);3.79(q,J=5.9Hz,2H);3.01(s,4H);2.80(t,J=5.8Hz,2H).
LCMS1 4.43分、(M+H)=618
【0159】
中間体3
メチル4−{[(3−クロロイソキノリン−1−イル)オキシ]メチル}ベンゾエート
【0160】
【化26】

【0161】
1,3−ジクロロイソキノリン(50mg、0.25mmol)、4−(ヒドロキシメチル)ベンゾエート(105mg、0.63mmol)、炭酸セシウム(206mg、0.63mmol)、酢酸パラジウム(5mg、0.02mmol)、およびラセミ体2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル(14mg、0.035mmol)を含有するトルエン(3mL)溶液を、75℃で1.5時間加熱した。溶液を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水した。溶液を濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより、ヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ8.30(d,J=8.3Hz,1H);8.13(d,J=8.3Hz,2H);7.72−7.70(m,2H);7.65(d,J=8.2Hz,2H);7.59−7.55(m,1H);7.34(s,1H);5.68(s,2H);3.98(s,3H).
LCMS2 2.73分、(M+H)=328
【0162】
中間体4
ラセミ体メチル4−{1−[(3−クロロイソキノリン−1−イル)オキシ]エチル}ベンゾエート
【0163】
【化27】

【0164】
標題化合物を1,3−ジクロロイソキノリンおよびラセミ体メチル4−(1−ヒドロキシエチル)ベンゾエートから、中間体3の調製において記載されたように調製した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ8.35(d,J=8.4Hz,1H);8.08(d,J=8.3Hz,2H);7.72−7.68(m,2H);7.64(d,J=8.3Hz,2H);7.60−7.56(m,1H);7.31(s,1H);6.56(q,J=6.6Hz,1H);3.95(s,3H);1.81(d,J=6.5Hz,3H).
LCMS1 4.26分、(M−(CHCHPhCOMe)+H)=180
【0165】
中間体5
メチル4−[(3,6−ジクロロピリジン−2−イル)メトキシ]ベンゾエート
【0166】
【化28】

【0167】
段階A.(3,6−ジクロロピリジン−2−イル)メタノール
BOP(1.27g、2.9mmol)を、3,6−ジクロロピリジン−2−カルボン酸(0.5g、2.6mmol)およびDIEA(0.55mL、3.2mmol)を含有するTHF(10mL)溶液へ添加した。5分後、水素化ホウ素ナトリウム(103mg、2.7mmol)を添加し、溶液を室温で20分間撹拌した。溶液を酢酸エチルと1N HCl水溶液との間で分配した。有機相を水、食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水した。溶液を濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
LCMS2 1.32分、(M+H)=178
【0168】
段階B. メチル4−[(3,6−ジクロロピリジン−2−イル)メトキシ]ベンゾエート
標題化合物を段階Aからの中間体およびメチル4−ヒドロキシベンゾエートから実施例4に記載のミツノブ条件を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDCl3):δ8.054(d,J=8.8Hz,2H);7.74(d,J=8.4Hz,1H);7.35(d,J=8.4Hz,1H);7.07(d,J=8.7Hz,2H);5.31(s,2H);3.93(s,3H).
LCMS2 2.29分、(M+H)=312
【0169】
中間体6
ラセミ体メチル4−[1−(3,6−ジクロロピリジン−2−イル)エトキシ]ベンゾエート
【0170】
【化29】

【0171】
段階A. 1−(3,6−ジクロロピリジン−2−イル)エタノール
メチルマグネシウムブロマイド(3.0M EtO、0.25mL、0.75mmol)を、0℃に冷却した3,6−ジクロロピリジン−2−カルバルデヒド(100mg、0.57mmol)のTHF(2mL)溶液へ滴下添加した。1時間後、溶液を酢酸エチルと1N HCl水溶液との間で分配した。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.67(d,J=8.4Hz,1H);7.30(d,J=8.2Hz,1H);5.22−5.14(m,1H);3.83(d,J=8.7Hz,1H);1.50(d,J=6.5Hz,3H).
LCMS1 2.40分、(M−HO)=174
【0172】
段階B. メチル4−[1−(3,6−ジクロロピリジン−2−イル)エトキシ]ベンゾエート
標題化合物を、段階Aの中間体およびメチル4−ヒドロキシベンゾエートから実施例4に記載のミツノブ条件を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.97(d,J=8.2Hz,2H);7.67(d,J=8.4Hz,1H);7.26(d,J=8.3Hz,1H);6.94(d,J=8.7Hz,2H);5.85(q,J=6.5Hz,1H);3.90(s,3H);1.78(d,J=6.5Hz,3H).
LCMS1 3.68分、(M−OPhCOMe)=174
【0173】
中間体7
ラセミ体メチル4−[1−(2,5−ジクロロフェニル)エチル]ベンゾエート
【0174】
【化30】

【0175】
段階A. メチル4−[1−(2,5−ジクロロフェニル)−1−ヒドロキシエチル]ベンゾエート
iPrMgClの溶液(2.0M THF、17、8mL)を、MeOH/氷浴(−15℃)中で冷却した4−ヨードメチルベンゾエート(4.2g、16.04mmol)のTHF溶液(16mL)へ滴下添加した。溶液を、HPLCにより出発物質が残らなくなるまで−15℃で撹拌した(30分間)。次いで、1−(2,5−ジクロロ−フェニル)−エタノール(2.27g、13.0mmol)のTHF溶液(5mL)を滴下添加した。冷却浴を除去し、溶液を約30分間撹拌した。溶液を1N HCl水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を水、食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水した。次に溶液を濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製して、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ8.00(d,J=8.2Hz,2H);7.86(d,J=2.4Hz,1H);7.38(d,J=8.3Hz,2H);7.30−7.26(m,2H);3.93(s,3H);1.98(s,3H).
LCMS1 3.63分、(M+H)=325
【0176】
段階B. メチル4−[1−(2,5−ジクロロフェニル)エチル]ベンゾエート
スクリューキャップチューブ内で、段階Aからの中間体(75mg、0.23mmol)に、DCM(2mL)、EtSiH(0.4mL)、およびTFA(0.4mL)を添加した。次に閉じられたチューブを75℃で1.5時間加熱した。溶液を冷却し、濃縮した。標題化合物とメチル4−[1−(2,5−ジクロロフェニル)ビニル]ベンゾエートとの(1/1)混合物である残渣に対し、DCM(4mL)およびPtO(15mg)を添加した。溶液を水素雰囲気下(バルーン)3時間撹拌した。水素をパージし、溶液を濾過した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
LCMS1 4.19分、(M+H)=309
【0177】
中間体8
ラセミ体メチル4−[(6−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メチル]ベンゾエート
【0178】
【化31】

【0179】
段階A. 6−メトキシインダン−1−カルバルデヒド
水素化ナトリウム(60%、0.14g、3.5mmol)を含有するジメチルスルホキシド(8mL)の溶液を、75℃で約45分間加熱した。溶液を室温まで冷却し、THF(8mL)で希釈した。溶液を0℃まで冷却し、ヨウ化トリメチルスルホニウム(0.7g、3.4mmol)を分割添加した。15分後、6−メトキシインダン−1−オン(0.5g、3.1mmol)のTHF溶液を添加した。次に溶液を、室温で4日間撹拌した。溶液を水およびエチルエーテルで希釈した。有機相を水(3回)および食塩水で洗浄した。次に溶液をMgSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ9.68(d,J=2.9Hz,1H);7.29(s,1H);7.21(d,J=8.0Hz,1H);6.86−6.82(m,1H);3.95−3.93(m,1H);3.82(s,3H);3.03−2.93(m,2H);2.48−2.44(m,1H);2.41−2.37(m,1H).
LCMS1 2.90分、(M+H)=177
【0180】
段階B. メチル4−[ヒドロキシ(6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メチル]ベンゾエート
標題化合物を段階Aの中間体および4−ヨードメチルベンゾエートから中間体7段階Aに記載の条件を用いて調製した。
LCMS1 3.39分、(M−17)=295
【0181】
段階C. メチル4−[(6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メチル]ベンゾエート
標題化合物を段階Bの中間体から中間体7の段階Bに記載の条件を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ8.00(d,J=8.2Hz,2H);7.30(d,J=8.1Hz,2H);7.14(d,J=8.5Hz,1H);6.75(dd,J=2.4,8.2Hz,1H);6.65(d,J=2.2Hz,1H);3.95(s,3H);3.77(s,3H);3.50−3.42(m,1H);3.18(dd,J=6.0,13.6Hz,1H);2.85−2.73(m,3H);2.20−2.13(m,1H);1.82−1.75(m,1H).
LCMS1 4.03分、(M−31)=265
【0182】
段階D. メチル4−[(6−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メチル]ベンゾエート
BBrの溶液(1.0M DCM、0.32mL)を、段階Cからの中間体(71mg、0.24mmol)を含有するDCM(2mL)溶液へ滴下添加した。溶液を室温で、HPLC分析により出発物質が残らなくなるまで撹拌した。反応をMeOH(1mL)およびAcOH(1mL)でクエンチした。次に、溶液を濃縮し、残渣を1N HCl水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を水、食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水した。濾過した溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
LCMS1 3.51分、(M−31)=251
【0183】
段階E. メチル4−[(6−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)メチル]ベンゾエート
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.08mL、0.48mmol)を、段階Dからの中間体(63mg、0.22mol)を含有するトルエン(2mL)および30%KPO水溶液(2mL)の溶液に滴下添加した。溶液を室温でHPLC分析により出発物質が残らなくなるまで撹拌した。溶液を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を水、食塩水で洗浄した。溶液をMgSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ8.01(d,J=8.2Hz,2H);7.27(d,J=8.1Hz,2H);7.08(dd,J=2.3,8.2Hz,1H);6.95(d,J=2.1Hz,1H);3.95(s,3H);3.56−3.50(m,1H);3.15(dd,J=6.2,13.5Hz,1H);2.92−2.80(m,3H);2.28−2.20(m,1H);1.90−1.83(m,1H).
LCMS2 2.71分、(M+H)=415
【0184】
中間体9
ラセミ体メチル4−[(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)メチル]ベンゾエート
【0185】
【化32】

【0186】
段階A. 7−メトキシ−1−メチレン−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン
n−ブチルリチウム(1.6M、6.2mL、9.92mmol)を、氷浴中で冷却した臭化メチルトリフェニルホスホニウム(3.65g、10.22mmol)を含有するTHF(20mL)溶液に滴下添加した。溶液を、室温で3時間撹拌した。7−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−オン(1g、5.68mmol)のTHF(5mL)溶液を滴下添加した。次に溶液を60℃で一晩撹拌した。溶液を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を水(3回)、食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水した。濾過した溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.25(d,J=2.6Hz,1H);7.10(d,J=8.3Hz,1H);6.86(dd,J=2.6,8.4Hz,1H);5.55(s,1H);5.05(s,1H);3.88(s,3H);2.86(t,J=6.3Hz,2H);2.61(t,J=6.2Hz,2H);1.96−1.92(m,2H).
LCMS1 3.79分、(M+1)=175
【0187】
段階B. メチル4−[(E,Z)−(7−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1(2H)−イリデン)メチル]ベンゾエート
段階Aからの中間体(100mg、0.57mmol)、4−ヨードメチルベンゾエート(224mg、0.855mmol)、NaHCO(189mg、2.26mmol)、n−BuNCl(169mg、0.57mmol)、およびPd(OAc)(10mg、0.044mmol)を含有するDMF(2mL)溶液を、アルゴン雰囲気下80℃で一晩加熱した。溶液を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を水、食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水した。濾過された溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製した。単離された物質は、オレフィン生成物の混合物を含有していた。
LCMS1 4.04分、(M+1)=309
【0188】
段階C. メチル4−[(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)メチル]ベンゾエート
段階Bからの中間体(25mg、0.081mmol)および10%Pd/C(5mg)を含有する酢酸エチル溶液(4mL)を、水素雰囲気下(バルーン)、HPLC分析により出発物質が残らなくなるまで撹拌した。
LCMS2 2.64分、(M+1)=311
【0189】
中間体10
ラセミ体メチル4−[2−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゾエート
【0190】
【化33】

【0191】
段階A. 4−[2−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]安息香酸
ブチルリチウム(1.6Mヘキサン、35mL、56mmol)を、−5℃に冷却されたジイソプロピルアミン(7.9mL、56mmol)のTHF(50mL)/HMPA(10mL)溶液に滴下添加した。10分間撹拌後、4−エチル安息香酸(3.36g、22.4mmol)のTHF溶液(17mL)を滴下添加した。赤色の溶液を、5℃で一晩保持した。1−ブロモ−2−(ブロモメチル)−4−メトキシベンゼン(6.27g、22.4mmol)のTHF溶液(17mL)を滴下添加した。次に反応溶液を室温まで温めた。次いで溶液を、酢酸エチルと1N HCl水溶液との間で分配した。有機相を水、食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水した。濾過した溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル(1%AcOH含)勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
LCMS1 3.72分、(M−17)=331
【0192】
段階B. メチル4−[2−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゾエート
(トリメチルシリル)ジアゾメタン(2.0Mヘキサン、4.8mL)を、段階Aからの中間体(2.8g、8.0mmol)を含有するベンゼン/MeOH溶液(7/3、50mL)に滴下添加した。20分後、AcOHを滴下添加して、過剰の試薬をクエンチした。溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.98(d,J=8.2Hz,2H);7.43(d,J=8.2Hz ,1H);7.29(d,J=8.2Hz,2H);6.63(dd,J=3.0,8.7Hz,1H);6.50(d,J=3.0Hz,1H);3.93(s,3H);3.68(s,3H);3.26−3.19(m,1H);2.96(d,J=7.0Hz,2H);1.34(d,J=6.9Hz,3H).
LCMS1 4.14分、(M−31)=331
【0193】
中間体11
4−[2−(2−ブロモ−5−メトキシフェニル)エチル]安息香酸
【0194】
【化34】

【0195】
標題化合物を、4−メチル安息香酸および1−ブロモ−2−(ブロモメチル)−4−メトキシベンゼンから中間体10の調製についての記載の方法を用いて調製した。
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.90(d,J=8.3Hz,2H);7.40(d,J=8.7Hz,1H);7.27(d,J=8.2Hz,2H);6.72−6.66(m,2H);3.68(s,3H);3.01−2.91(m,4H).
LCMS1 3.68分、(M−OH)=317
【0196】
中間体12
4−{2−[5−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}安息香酸
【0197】
【化35】

【0198】
標題化合物を、4−メチル安息香酸および2−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−(トリフルオロメチル)ベンゼンから中間体10の調製についての記載の方法を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ8.10(d,J=8.1Hz,2H);7.62(d,J=8.2Hz,1H);7.32(m,4H);3.11−3.07(m,2H);3.05−2.99(m,2H).
【0199】
中間体13
ラセミ体メチル4−[2−(3−クロロフェニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)エチル]ベンゾエート
【0200】
【化36】

【0201】
段階A. メチル4−[2−(3−クロロフェニル)−3−オキソブチル]ベンゾエート
ナトリウムt−ブトキシド(0.60g、6.34mmol)を、−78℃で撹拌された1−(3−クロロ−フェニル)−プロパン−2−オン(1.08g、6.40mmol)のTHF溶液(10mL)中に、全量を一度に添加した。3分後、4−ブロモメチル安息香酸メチルエステル(1.54g、6.72mmol)を全量一度に添加し、反応溶液を室温まで温めた。1時間攪拌後、反応溶液を1N HCl水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水した。溶液を濾過、濃縮し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製して、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.91(d,J=8.2Hz,2H);7.29−7.25(m,2H);7.20(s,1H);7.13(d,J=8.2Hz,2H);7.07−7.03(m,1H);3.91(幅広い s,4H);3.47(dd,J=7.2,13.8Hz,1H);2.96(dd,J=7.6,13.8Hz,1H);2.07(s,3H).
LCMS1 3.66分、(M+H)=317
【0202】
段階B. メチル4−[(4E)−2−(3−クロロフェニル)−5−(ジメチルアミノ)−3−オキソペント−4−エン−1−イル]ベンゾエート
スクリューキャップチューブに、段階Aからの中間体(50mg、0.16mmol)、MeOH(2mL)、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(0.4mL、過剰)、および酢酸(10滴)を加えた。溶液を、HPLC分析により出発物質が残らなくなるまで100℃で加熱した(約1時間)。次に溶液を、冷却、濃縮した。残渣を、酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水し、濾過、濃縮して標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.88(d,J=8.2Hz,2H);7.53(d,J=12.4Hz,1H);7.29(d,J=1.7Hz,1H);7.20−7.14(m,5H);4.90(d,J=12.4Hz,1H);3.88(s,3H);3.80(t,J=7.4Hz,1H);3.54(dd,J=8.0,13.7Hz,1H);3.02(幅広い s,3H);2.99−2.81(m,1H);2.71(幅広いs,3H).
LCMS1 3.45分、(M+H)=372
【0203】
段階C. メチル4−[2−(3−クロロフェニル)−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)エチル]ベンゾエート
スクリューキャップチューブに、段階Bからの中間体(50mg、0.13mmol)、MeOH(2mL)、メチルヒドラジン(0.3mL、過剰)、および酢酸(10滴)を加えた。溶液を、HPLC分析により出発物質が残らなくなるまで100℃で加熱した(約1時間)。次に溶液を冷却し、濃縮した。残渣を、酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
LCMS1 3.55分、(M+H)=355
【0204】
中間体14
ラセミ体メチル4−{3−(2−フルオロフェニル)−3−オキソ−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]プロピル}ベンゾエート
【0205】
【化37】

【0206】
段階A. 3′−クロロビフェニル−4−イルトリフルオロメチルエーテル
1−ブロモ−3−クロロベンゼン(2.53g、13.21mol)、4−(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(4g、19.4mmol)、およびPd(PPh(0.76g、0.66mmol)を含有するDME(40mL)および2M KCO(40mL)の溶液を、HPLC分析により出発物質が残らなくなるまでアルゴン雰囲気下に還流した。溶液を濃縮し(過剰のDMEを除去するため)、水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を1N NaOH、水(2回)、および食塩水で洗浄した。次に溶液を、MgSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
LCMS1 4.23分。
【0207】
段階B. 1−(2−フルオロフェニル)−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エタノン
段階Aからの中間体(2.4g、8.80mmol)、2−フルオロアセトフェノン(3.04g、22.0mmol)、KPO(4.9g、23mmol)、Pd(OAc)(79mg、0.35mmol)、およびジシクロヘキシル−(2′−メチル−ビフェニル−2−イル)−ホスファン(282mg、0.77mmol)を含有する1,4−ジオキサン溶液(50mL)を、アルゴン雰囲気下、85℃で2時間加熱した。溶液を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を1N HCl水溶液、食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水した。溶液を濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.92−7.88(m,1H);7.63−7.53(m,3H);7.50−7.41(m,3H): 7.32−7.27(m,4H);7.21−7.17(m,1H);4.39(d,J=2.5Hz,2H).
LCMS1 4.19分、 (M+H)=375
【0208】
段階C. メチル4−{3−(2−フルオロフェニル)−3−オキソ−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]プロピル}ベンゾエート
段階Bからの中間体(250mg、0.668mmol)を含有する−78℃で撹拌されたTHF溶液(4mL)に、ナトリウムt−ブトキシド(67mg、0.70mmol)を全量一度に添加した。2分後、4−ブロモメチル−安息香酸メチルエステル(161mg、0.70mmol)を全量一度に添加した。反応溶液を室温まで温めた。1時間撹拌後、反応溶液を1N HCl水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水した。溶液を濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.92−7.90(m,2H);7.79−7.75(m,1H);7.51−7.49(m,2H);7.47−7.32(m,4H);7.30−7.27(m,2H);7.24−7.19(m,3H);7.17−7.15(m,1H);7.05(dd,J=8.3,11.3Hz,1H);4.88(t,J=7.4Hz,1H);3.91(s,3H);3.68(dd,J=7.1,13.7Hz,1H);3.17(dd,J=7.6,13.7Hz,1H).
LCMS1 4.40分、 (M+H)=523
【0209】
中間体15
ラセミ体エチル4−[1−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゾエート
【0210】
【化38】

【0211】
標題化合物を、1−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)エタノンおよび4−ヨードエチルベンゾエートから中間体7の調製についての記載のように調製した。
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.89(d,J=8.4Hz,2H);7.31(d,J=8.3Hz,2H);7.13−7.09(m,2H);6.65(d,J=8.5Hz,1H);4.52(q,J=7.2Hz,1H);4.31(q,J=7.1Hz,2H);1.54(d,J=7.3Hz,3H);1.34(t,J=7.1Hz,3H).
LCMS1 3.82分、(M+1)=349
【0212】
中間体16
メチル4−(2,5−ジクロロベンジル)ベンゾエート
【0213】
【化39】

【0214】
標題化合物を、2,5−ジクロロベンズアルデヒドおよび4−ヨードメチルベンゾエートから中間体7の調製についての記載のように調製した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ8.01(d,J=8.3Hz,2H);7.34(d,J=8.5Hz,1H);7.29(d,J=5.3Hz,2H);7.21−7.17(m,1H);7.15(d,J=2.4Hz,1H);4.14(s,2H);3.93(s,3H).
LCMS14.14分、(M+1)=295
【0215】
中間体17
ラセミ体エチル4−[1−(4′−(トリフルオロメトキシ)−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}ビフェニル−3−イル)エチル]ベンゾエート
【0216】
【化40】

【0217】
段階A. エチル4−{1−[4−ヒドロキシ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾエート
標題化合物を、中間体15から実施例1段階Aに記載のスズキ条件を用いて調製した。
LCMS1 4.22分、(M+H)=431
【0218】
段階B. エチル4−[1−(4′−(トリフルオロメトキシ)−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}ビフェニル−3−イル)エチル]ベンゾエート
標題化合物を、段階Aの中間体からトリフルオロメタンスルホン酸無水物を用いて中間体8段階Eの方法に記載のように調製した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ8.02(d,J=8.3Hz,2H);7.53−7.47(m,3H);7.44(d,J=2.3Hz,1H);7.38−7.30(m,5H);4.65(q,J=7.1Hz,1H);4.41−4.37(m,2H);1.74(d,J=7.1Hz,3H);1.40(dd,J=7.0Hz,3H).
LCMS1 4.67分、(M+H)=563
【0219】
中間体18
【0220】
【化41】

【0221】
標題化合物を、5−ブロモ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒドから中間体7の調製の記載の方法を用いて調製した。
H NMR(400MHz,DMSO):δ9.77(s,1H);7.83(d,J=8.2Hz,3H);7.32(d,J=8.2Hz,3H);7.20−7.14(m,3H);6.74(dd,J=2.5,8.6Hz,2H);3.88(s,2H);3.78(s,3H).
LCMS1 3.57分、(M+H)=321
【0222】
中間体19
メチル4−{[4−ブロモ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]オキシ}ベンゾエート
【0223】
【化42】

【0224】
段階A. メチル4−(5−クロロ−2−ニトロフェノキシ)ベンゾエート
NaCO(60mg、0.57mmol)、4−クロロ−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン(100mg、0.57mmol)、およびメチル4−ヒドロキシベンゾエート(87mg、0.57mmol)を含有するDMF(4mL)溶液を、室温で8時間撹拌した。HPLC分析は、約85%の生成物を示した。反応溶液を、40℃でさらに2時間撹拌した。次に溶液を酢酸エチルで希釈し、1N NaOHで洗浄した。有機相を水(3回)、食塩水で洗浄し、NaSO上で脱水した。溶液を濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ8.11(d,J=8.1Hz,2H);8.01(d,J=8.2Hz,1H);7.31−7.27(m,1H);7.11−7.07(m,3H);3.95(s,3H).
LCMS1 3.66分、(M+H)=308
【0225】
段階B. メチル4−{[4−ニトロ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]オキシ}ベンゾエート
段階Aからの中間体(50mg、0.163mmol)、KPO(69mg、0.326mmol)、臭化テトラブチルアンモニウム(11mg、0.033mmol)、Pd(OAc)(4mg、0.018mmol)、および(トリフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(67mg、0.326mmol)を含有するDMF(4mL)溶液を、アルゴン雰囲気下に100℃で1時間撹拌した。反応系を冷却し、酢酸エチルで希釈した。溶液を1N NaOH、水(3回)、および食塩水で洗浄した。次に溶液をNaSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
LCMS1 4.14分、(M+H)=434
【0226】
段階C. メチル4−{[4−アミノ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]オキシ}ベンゾエート
段階Bからの中間体(861mg、1.99mmol)および15重量%Pd/C(129mg)を含有する酢酸エチル(20mL)溶液を、水素雰囲気下(バルーン)で1時間撹拌した。溶液を濾過および濃縮した。残渣は、さらに精製することなしに使用された。
LCMS1 3.95分、(M+H)=404
【0227】
段階D. メチル4−{[4−ブロモ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]オキシ}ベンゾエート
標題化合物を、段階Cからの中間体から実施例1段階Bに記載の方法を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDCl):δ8.07−8.05(m,2H);7.75(d,J=8.3Hz,1H);7.57−7.54(m,2H);7.33−7.29(m,4H);7.02−6.99(m,2H);3.93(s,3H).
LCMS1 4.44分、(M+H)=467
【0228】
中間体20
メチル4−[(2,5−ジクロロフェニル)チオ]ベンゾエート
【0229】
【化43】

【0230】
2,6−ジクロロチオフェノール(2.53g、14.13mmol)、4−ヨードメチルベンゾエート(4.1g、15.65mmol)、CuI(300mg、1.57mmol)、KPO(5.0g、23.6mmol)、および2,9−ジメチル−[1,10]フェナントロリン(328mg、1.58mmol)を含有するトルエン溶液(30mL)を、3時間還流加熱した。溶液を水と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を1N NaOH、NHOH、1N HCl水溶液および食塩水で洗浄した。次いで溶液をMgSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ8.01(d,J=8.5Hz,2H);7.37(dd,J=3.0,8.4Hz,3H);7.21−7.17(m,2H);3.92(s,3H).
LCMS1 4.21分、(M+H)=313
【0231】
実施例6
N−(4−{2−[4−(1H−ピラゾール−1−イル)−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0232】
【化44】

【0233】
実施例1段階Hからの中間体(40mg、0.07mmol)、ピラゾール(10mg、0.14mmol)、KCO(19mg、0.14mmol)、およびCuI(2mg、0.007mmol)を含有する1−メチル−2−ピロリジン(1mL)溶液を、マイクロウェーブ(250ワット)内で200℃に加熱した。2時間後、溶液を冷却し、濃縮した。tert−ブチル基をTFAを用いて実施例1に記載のように除去し、粗物質をRP−HPLCにより精製して標題化合物を得た。
LCMS1 3.69分、(M+H)=524
【0234】
実施例7
N−(4−{2−[4−メチル−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0235】
【化45】

【0236】
テトラメチルスタンナン(41μl、0.295mmol)を、3mLのDMF中、実施例1段階Hからの中間体(35mg、0.059mmol)、Pd(PPh(5mg、0.04mmol)に添加した。次に溶液を、アルゴン雰囲気下、120℃で一晩加熱した。溶液を冷却し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を水(3回)および食塩水で洗浄した。次に溶液を、NaSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣をPTLCにより、6/4ヘキサン/酢酸エチル移動相を用いて精製し、tert−ブチルN−(4−{2−[4−メチル−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニネートを得た。tertブチル基をTFAを用いて実施例1段階Iに記載のように除去し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ7.73(D,J=7.9Hz,2H);7.54(d,J=8.5Hz,2H);7.36−7.33(m,1H);7.31−7.23(m,6H);6.81−6.76(m,1H);3.80−3.75(m,2H);2.99(s,4H);2.77(t,J=5.7Hz,2H);2.35(s,3H).
LCMS1 3.94分、(M+H)=472
【0237】
実施例8
4−{2−[3−クロロ−4”−(トリフルオロメトキシ)−1,1′;4′,1”−テルフェニル−2′−イル]エチル}−N−1H−テトラゾール−5−イルベンズアミド
【0238】
【化46】

【0239】
実施例1に記載の方法を用いて調製された4−{2−[3−クロロ−4”−(トリフルオロメトキシ)−1,1′;4′,1”−テルフェニル−2′−イル]エチル}安息香酸(12mg、0.024mmol)、DIEA(21μl、0.12mmol)、1H−テトラゾール−5−アミン(3mg、0.036mmol)、およびBOP(21mg、0.048mmol)を含有するDMF溶液(1mL)を、50℃で30分間加熱した。次に溶液をRP−HPLCにより精製し、標題化合物を得た。
LCMS1 4.36分、(M+H)=564
【0240】
実施例9
N−(4−{2−[4−(フェニルチオ)−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0241】
【化47】

【0242】
実施例1段階Hからの中間体(30mg、0.051mmol)、CuO(4mg、0.025mmol)、KOH(3mg、0.051mmol)、およびチオフェノール(5.2μl)を含有するDMF(1mL)溶液を、120℃で一晩加熱した。粗物質を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を水、食塩水で洗浄し、NaSO上で脱水した。溶液を濾過、濃縮し、残渣をPTLCにより精製し、tert−ブチルN−(4−{2−[4−(フェニルチオ)−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニネートを得た。tertブチル基を、TFAを用いて実施例1段階Iに記載のように除去し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):3.62(t,J=6.4Hz,2H);3.16(t,J=7.6Hz,2H);2.97(t,J=6.6Hz,2H);2.64(t,J=7.4Hz,2H).
LCMS1 4.27分、(M+H)=566
【0243】
実施例10
N−(4−{2−[4−(ブトキシカルボニル)−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0244】
【化48】

【0245】
実施例1段階Hからの中間体(50mg、0.085mmol)、DIEA(44μl、0.255mmol)、およびPdCl(PPh(12mg、0.017mmol)を含有するn−ブタノール(3mL)溶液を、一酸化炭素雰囲気下115℃で一晩加熱した。溶液を濃縮し、残渣をPTLCにより、1/1ヘキサン/酢酸エチル移動相を用いて精製し、tert−ブチルN−(4−{2−[4−(ブトキシカルボニル)−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニネートを得た。tertブチル基をTFAを用いて実施例1段階Iに記載のように除去し、残渣をRP−HPLCにより精製して標題化合物を得た。
LCMS1 4.68分、(M+H)=558
【0246】
実施例11
N−(4−{2−[4−シアノ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0247】
【化49】

【0248】
実施例1段階Hからの中間体(10mg、0.02mmol)、Zn(CN)(7mg、0.06mmol)、Pddba(4mg、0.004mmol)、および1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロシン(6mg、0.01mmol)を含有するDMF(2mL)溶液を、120℃で1時間加熱した。溶液を冷却し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を水(3回)および食塩水で洗浄した。次に溶液をMgSO上で脱水し、濾過、濃縮した。残渣をPTLCによりヘキサン/酢酸エチル移動相を用いて精製した。tert−ブチル基を、実施例1の段階Iに記載のようにTFAにより除去した。
1H NMR(500MHz,CD3OD):δ7.75(t,J=8.8Hz,3H);7.68−7.66(m,2H);7.63(dd,J=1.7,8.0Hz,1H);7.55(d,J=1.5Hz,1H);7.37(d,J=8.1Hz,2H);7.30(d,J=8.1Hz,2H);3.62(t,J=6.9Hz,2H);3.24(t,J=7.7Hz,2H);3.10(t,J=7.7Hz,2H);2.66−2.62(m,2H).
LCMS1 3.70分、(M+H)=483
【0249】
実施例12
N−{4−[({4−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2−ナフチル}オキシ)メチル]ベンゾイル}−β−アラニン
【0250】
【化50】

【0251】
標題化合物を、3−ヒドロキシ−1−ナフチルトリフルオロメタンスルホネート(実施例2、段階Aより)から実施例2に記載のように調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ8.54(s,1H);7.86(d,J=8.3Hz,2H);7.83(d,J=8.1Hz,1H);7.68(d,J=8.3Hz,1H);7.62(d,J=8.2Hz,2H);7.56(d,J=8.2Hz,2H);7.47−7.45(m,1H);7.43(d,J=7.9Hz,2H);7.38(d,J=2.4Hz,1H);7.32−7.30(m,1H);7.18(d,J=2.5Hz,1H);5.31(s,2H);3.68−3.64(m,2H);2.66(t,J=6.9Hz,2H).
LCMS1 3.95分、(M+H)=510
【0252】
実施例13
ラセミ体N−{4−[1−({3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−ナフチル}オキシ)エチル]ベンゾイル}−β−アラニン
【0253】
【化51】

【0254】
標題化合物を、4−ヒドロキシ−2−ナフチルトリフルオロメタンスルホネートおよびラセミ体メチル4−(1−ブロモエチル)ベンゾエートから実施例2に記載の化学を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDCl3):δ8.48−8.43(m,1H);7.89−7.84(m,1H);7.78(d,J=8.2Hz,2H);7.71−7.67(m,1H);7.59−7.47(m,6H);7.30(d,J=10.1Hz,2H);6.859−6.82(m,2H);5.67(q,J=6.3Hz,1H);3.74(q,J=5.8Hz,2H);2.72(q,J=5.7Hz,2H);1.83(d,J=6.4Hz,3H).
LCMS1 4.01分、(M+H)=524
【0255】
実施例14
N−{4−[({3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2−ナフチル}オキシ)エチル]ベンゾイル}−β−アラニン
【0256】
【化52】

【0257】
標題化合物を、ナフタレン−2,3−ジオールから実施例2に記載の方法を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ7.85−7.81(m,2H);7.81−7.77(m,3H);7.72(d,J=8.8Hz,2H);7.49−7.43(m,4H);7.39−7.32(m,3H);5.31(s,2H);3.62(t,J=6.9Hz,2H);2.63(t,J=6.8Hz,2H).
LCMS1 3.95分、(M+H)=510
【0258】
実施例15
N−{4−[({3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]イソキノリン−1−イル}オキシ)メチル]ベンゾイル}−β−アラニン
【0259】
【化53】

【0260】
標題化合物を、中間体3から実施例3段階B(スズキカップリング)および実施例1に記載の化学を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ8.31(d,J=8.1Hz,1H);8.26−8.24(m,2H);7.91(d,J=8.2Hz,1H);7.88−7.84(m,3H);7.76−7.72(m,1H);7.69(d,J=8.3Hz,2H);7.61−7.59(m,1H);7.37(d,J=8.1Hz,2H);5.80(s,2H);3.65(t,J=6.9Hz,2H);2.66(t,J=6.9Hz,2H).
LCMS1 3.98分、(M+H)=511
【0261】
実施例16
ラセミN−{4−[1−({3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]イソキノリン−1−イル}オキシ)エチル]ベンゾイル}−β−アラニン
【0262】
【化54】

【0263】
標題化合物を、中間体4から実施例3段階B(スズキカップリング)および実施例1に記載の化学を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ8.39(d,J=8.2Hz,1H);8.11(m,2H);7.87(d,J=8.0Hz,1H);7.81−7.77(m,3H);7.76−7.72(m,1H);7.66(d,J=8.3Hz,2H);7.64−7.58(m,1H);7.33(d,J=8.1Hz,2H);6.58(q,J=6.5Hz,1H);3.64−3.60(m,2H);2.62(t,J=6.9Hz,2H);1.82(d,J=7.1Hz,3H).
LCMS1 4.03分、(M+H)=525
【0264】
実施例17
N−[4−({3,6−ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}メトキシ)ベンゾイル]−β−アラニン
【0265】
【化55】

【0266】
標題化合物を、中間体5から実施例3段階B(スズキカップリング)および実施例1に記載の化学を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDCl3):δ11.35(s,1H);8.06(d,J=8.2Hz,1H);8.02(d,J=8.7Hz,2H);7.94(d,J=8.2Hz,1H);7.67(d,J=8.7Hz,2H);7.52(d,J=8.6Hz,2H);7.39(d,J=8.2Hz,2H);7.35(d,J=8.1Hz,2H);7.19(t,J=5.7Hz,1H);6.92(d,J=8.8Hz,2H);5.30(s,2H);3.66(t,J=5.7Hz,2H);2.66(t,J=5.9Hz,2H).
LCMS1 4.01分、(M+H)=621
【0267】
実施例18
N−[4−({2,5−ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン−4−イル}メトキシ)ベンゾイル]−β−アラニン
【0268】
【化56】

【0269】
標題化合物を、2,5−ジクロロイソニコチン酸から中間体5の調製および実施例1および3に記載の化学を用いて調製した。
H NMR(400MHz,CDOD):δ8.59(s,1H);8.16(s,1H);8.09(d,J=9.0Hz,2H);7.72(d,J=8.8Hz,2H);7.57(d,J=8.7Hz,2H);7.39(t,J=7.2Hz,4H);6.92(d,J=8.9Hz,2H);5.16(s,2H);3.56(t,J=6.9Hz,2H);2.58(t,J=6.9Hz,2H).
LCMS1 3.97分、(M+H)=621
【0270】
実施例19
N−[4−({2,5−ビス[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ピリジン−3−イル}メトキシ)ベンゾイル]−β−アラニン
【0271】
【化57】

【0272】
標題化合物を、5−ブロモ−2−クロロニコチン酸から中間体5の調製および実施例1および3に記載の化学を用いて調製した。
H NMR(400MHz,CDOD):δ8.94(d,J=2.0Hz,1H);8.51(d,J=1.9Hz,1H);7.85(d,J=8.7Hz,2H);7.74(d,J=8.7Hz,4H);7.41(t,J=9.3Hz,4H);6.95(d,J=8.8Hz,2H);5.16(s,2H);3.57(t,J=6.9Hz,2H);2.59(t,J=6.9Hz,2H).
LCMS1 3.79分、(M+H)=621
【0273】
実施例20
N−(4−{[4,4”−ビス(トリフルオロメトキシ)−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル]メトキシ}ベンゾイル)−β−アラニン
【0274】
【化58】

【0275】
標題化合物を、(2,5−ジクロロフェニル)メタノールおよびメチル4−ヒドロキシベンゾエートから実施例1、3および4に記載の化学を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ7.87(d,J=1.8Hz,1H);7.79−7.71(m,5H);7.54(d,J=8.8Hz,2H);7.46(d,J=7.9Hz,1H);7.38(d,J=8.1Hz,2H);7.32(d,J=8.2Hz,2H);6.94(d,J=8.9Hz,2H);5.08(s,2H);3.60(t,J=6.9Hz,2H);2.62(t,J=6.9Hz,2H).
LCMS1 4.24分、(M+H)=620
【0276】
実施例21
ラセミ体N−(4−{1−[4,4”−ビス(トリフルオロメトキシ)−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル]エトキシ}ベンゾイル)−β−アラニン
【0277】
【化59】

【0278】
標題化合物を、ラセミ体1−(2,5−ジクロロフェニル)エタノールおよびメチル4−ヒドロキシベンゾエートから実施例1、3および4に記載の化学を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ7.82(d,J=1.9Hz,1H);7.68(d,J=8.6Hz,2H);7.63−7.59(m,3H);7.51(d,J=8.5Hz,2H);7.44(d,J=8.3Hz,2H);7.34(t,J=8.1Hz,3H);6.70(d,J=8.5Hz,2H);5.43(q,J=6.4Hz,1H);3.57(幅広い s,2H);2.66(幅広い s,2H);1.71(d,J=6.3Hz,3H).
LCMS1 4.25分、(M+H)=634
【0279】
実施例22
N−[4−({[4−イソプロポキシ−4”−(トリフルオロメトキシ)−1,1′:3′,1”−テルフェニル−5′−イル]オキシ}メチル)ベンゾイル]−β−アラニン
【0280】
【化60】

【0281】
標題化合物を、3,5−ジクロロフェノールおよびメチル4−(ブロモメチル)ベンゾエートから実施例2および3に記載の化学を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ7.85(d,J=8.2Hz,2H);7.75(d,J=8.7Hz,2H);7.59(dd,J=8.3,16.1Hz,4H);7.40(s,1H);7.36(d,J=8.3Hz,2H);7.19(d,J=14.2Hz,2H);6.98(d,J=8.7Hz,2H);5.30(s,2H);4.65(m,1H);3.63(t,J=6.9Hz,2H);2.63(t,J=6.8Hz,2H);1.34(d,J=6.0Hz,6H).
LCMS1 4.25分、(M+H)=594
【0282】
実施例23
N−[4−({[4,4”−ビス(トリフルオロメトキシ)−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル]オキシ}メチル)ベンゾイル]−β−アラニン
【0283】
【化61】

【0284】
標題化合物を、2,5−ジクロロフェノールおよびメチル4−(ブロモメチル)ベンゾエートから実施例2および3に記載の化学を用いて調製した。
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.73(dd,J=8.3,12.2Hz,4H);7.65(d,J=8.1Hz,2H);7.44−7.38(m,2H);7.36−7.26(m,7H);5.25(s,2H);3.59(t,J=6.9Hz,2H);2.64−2.58(m,2H).
LCMS2 2.75分、(M+H)=620
【0285】
実施例24A、24B
N−[4−(1−{[4,4”−ビス(トリフルオロメトキシ)−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル]オキシ}エチル)ベンゾイル]−β−アラニン
【0286】
【化62】

【0287】
標題化合物を、2,5−ジクロロフェノールおよびラセミ体メチル4−(1−ブロモエチル)ベンゾエートから実施例2および3に記載の化学を用いて調製した。標題化合物は、対応するベータアラニンtertブチルエステルとして同定された。
代表的なデータ:H NMR(500MHz,CDCl):δ7.75(d,J=8.2Hz,2H);7.68(d,J=8.6Hz,2H);7.48(d,J=8.3Hz,2H);7.42−7.28(m,7H);7.22(dd,J=1.6,7.8Hz,1H);7.03(d,J=1.5Hz,1H);6.90(t,J=5.8Hz,1H);5.43(q,J=6.4Hz,1H);3.72(q,J=5.9Hz,2H);2.59(t,J=5.9Hz,2H);1.62(d J=6.1Hz,3H);1.50(s,9H).
LCMS1 4.66分、(M+H)=690
ラセミtertブチルベータアラニンエステル中間体は、キラルパック(ChiralPak)ADカラム(2×25cm)上で、ヘプタン/IPAイソクラクティック溶出液(流量9mL/分)を用いて分割された。キラルLC3(96/4〜65/35ヘプタン/IPA、20分以上);異性体A 17.14分、異性体B 20.70分。分割されたエステルのtertブチル基を、前記のようにTFAを用いて除去し、標題化合物を得た。
異性体A:LCMS1 4.28分、(M+H)=634
異性体B:LCMS1 4.28分、(M+H)=634
【0288】
実施例25
N−[4−({[5′−ヒドロキシ−4,4”−ビス(トリフルオロメトキシ)−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル]オキシ}メチル)ベンゾイル]−β−アラニン
【0289】
【化63】

【0290】
標題化合物を、2,5−ジブロモベンゼン−1,4−ジオールおよびメチル4−(ブロモメチル)ベンゾエートから、実施例1および2に記載の化学を用いて調製した。標題化合物は、対応するベータアラニンtertブチルエステルとして同定された。
tertブチルベータアラニン中間体のデータ:H NMR(500MHz,CDCl):δ7.75(d,J=8.2Hz,2H);7.65(d,J=8.6Hz,2H);7.58(d,J=8.4Hz,2H);7.37(dd,J=8.0,18.2Hz,4H);7.32−7.29(m,2H);7.02(s,1H);6.96(s,1H);6.91(t,J=6.1Hz,1H);5.07(s,2H);3.73(q,J=5.8Hz,2H);2.60(t,J=5.9Hz,2H);1.51(s,9H).
LCMS1 4.25分、(M+H)=692
tertブチル基は、前記のようにTFAにより除去し、標題化合物を得た。
LCMS1 3.78分、(M+H)=636
【0291】
実施例26
N−[4−({[5′−プロポキシ−4,4”−ビス(トリフルオロメトキシ)−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル]オキシ}メチル)ベンゾイル]−β−アラニン
【0292】
【化64】

【0293】
標題化合物を、tert−ブチルN−[4−({[5′−ヒドロキシ−4,4”−ビス(トリフルオロメトキシ)−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル]オキシ}メチル)ベンゾイル]−β−アラニネート(実施例25より)およびn−プロパノールから、実施例4に記載のように調製した。
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.71(d,J=8.3Hz,2H);7.65(d,J=8.7Hz,2H);7.61(d,J=8.8Hz,2H);7.35(d,J=8.2Hz,2H);7.29(t,J=7.7Hz,4H);7.09(s,1H);7.02(s,1H);5.09(s,2H);3.91(t,J=6.3Hz,2H);3.59(t,J=6.9Hz,2H);2.60(t,J=6.9Hz,2H);1.71−1.65(m,2H);0.91(t,J=7.4Hz,3H).
LCMS1 4.43分、(M+H)=678
【0294】
実施例27
N−(4−{2−[4′−(トリフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0295】
【化65】

【0296】
標題化合物を、実施例1および3に記載の化学を用いて中間体12から調製した。
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.73(dd,J=4.2,8.2Hz,3H);7.61−7.57(m,3H);7.46(s,1H);7.33(d,J=8.1Hz,2H);7.28(d,J=8.2Hz,2H);3.60(t,J=6.9Hz,2H);3.15(t,J=7.8Hz,2H);3.01(t,J=7.8Hz,2H);2.63−2.59(m,2H).
LCMS1 3.99分、(M+H)=526
【0297】
実施例28
N−[4−(2−{3′−クロロ−4−[4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]ビフェニル−2−イル}エチル)ベンゾイル]−β−アラニン
【0298】
【化66】

【0299】
標題化合物を、中間体8、および実施例1ならびに5に記載の化学を用いて中間体11から調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ7.60(d,J=8.3Hz,2H);7.38−7.34(m,2H);7.25(d,J=8.4Hz,2H);7.16−7.14(m,3H);7.01−6.99(m,2H);6.94(d,J=8.3Hz,2H);6.90−6.84(m,2H);3.70−3.60(m,2H);2.87(t,J=7.5Hz,2H);2.71(t,J=7.5Hz,2H);2.63(t,J=6.9Hz,2H).
LCMS2 2.69分、(M+H)=584
【0300】
実施例29
N−(3−フルオロ−4−{2−[4′−(トリフルオロメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0301】
【化67】

【0302】
標題化合物を、3−フルオロ−4−メチル安息香酸および2−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−(トリフルオロメチル)ベンゼンから、中間体12の調製および実施例1ならびに3に記載の化学を用いて調製した。標題化合物は、対応するベータアラニンtertブチルエステルとして同定された。
tertブチルアラニン中間体のデータ:H NMR(500MHz,CDCl):δ7.75(d,J=8.2Hz,1H);7.55−7.53(m,3H);7.51(d,J=8.8Hz,1H);7.47(dd,J=1.5,7.8Hz,1H);7.42(s,1H);7.33(d,J=8.4Hz,2H);7.29(s,1H);7.25(t,J=7.6Hz,1H);6.89(t,J=5.8Hz,1H);3.73−3.69(m,2H);3.17(t,J=7.9Hz,2H);3.06(t,J=8.0Hz,2H);2.60−2.56(m,2H);1.49(s,9H).
tertブチル基を、前記のようにTFAにより除去し、標題化合物を得た。
LCMS1 4.02分、(M+H)=544
【0303】
実施例30A、30B
【0304】
N−{4−[2−(3”,4”−ジクロロ−3−シアノ−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル)−1−メチルエチル]ベンゾイル}−β−アラニン
【0305】
【化68】

【0306】
標題化合物を、中間体8の調製および実施例2に記載の化学を用いて中間体10から調製した。ラセミ体tertブチルベータアラニン中間体を、キラルパックADカラム(2×25cm)上で、ヘプタン/IPAイソクラクティック溶出液(流量9mL/分)を用いて分割した。キラルLC3(96/4〜45/55ヘプタン/IPA、20分以上);異性体A 23.57分、異性体B 24.29分。分割されたエステルのtertブチル基を、前記のようにTFAを用いて除去した。
異性体A:LCMS1 4.14分、(M+H)=557
異性体B:LCMS1 4.14分、(M+H)=557
代表的なH NMR(400MHz,CDOD):δ7.71−7.69(m,1H);7.61−7.52(m,4H);7.47−7.39(m,3H);7.33(d,J=1.8Hz,1H);7.16(d,J=7.9Hz,1H);6.91(d,J=8.3Hz,2H);3.58(t,J=6.9Hz,2H);3.01−2.79(m,3H);2.61(t,J=7.0Hz,2H);1.17(d,J=6.6Hz,3H).
実施例31A、31B
N−(4−{2−[4,4”−ビス(トリフルオロメトキシ)−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル]プロピル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0307】
【化69】

【0308】
標題化合物を、実施例1および実施例3に記載の化学を用いて、1−(2,5−ジクロロフェニル)エタノノン(ethanonone)から調製した。ラセミ体tertブチルベータアラニンエステル中間体は、キラルパックADカラム(2×25cm)上で、ヘプタン/IPAイソクラクティック溶出液(流量9mL/分)を用いて分割した。キラルLC3(96/4〜45/55ヘプタン/IPA、20分以上);異性体A 13.03分、異性体B 13.62分。分割されたエステルのtertブチル基を、前記のようにTFAを用いて除去し標題化合物を得た。
異性体A:LCMS1 4.40分、(M+H)=632
異性体B:LCMS1 4.40分、(M+H)=632
代表的なH NMR(400MHz,CDOD):δ7.77−7.71(m,3H);7.53(d,J=8.2Hz,2H);7.44(dd,J=1.8,7.9Hz,1H);7.36(d,J=8.0Hz,2H);7.24(d,J=7.9Hz,2H);7.12(d,J=7.9Hz,1H);7.01(d,J=7.7Hz,2H);6.84(d,J=8.2Hz,2H);3.57(t,J=6.9Hz,2H);3.21−3.12(m,1H);2.96−2.90(m,1H);2.83(dd,J=6.7,13.2Hz,1H);2.59(t,J=6.9Hz,2H);1.30(d J=6.7Hz,3H).
【0309】
実施例32
ラセミN−[4−(2−{4′−(トリフルオロメトキシ)−4−[4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]ビフェニル−3−イル}プロピル)ベンゾイル]−β−アラニン
【0310】
【化70】

【0311】
標題化合物を、実施例1および5に記載の化学を用いて、1−(5−ブロモ−2−ヒドロキシ−フェニル)−エタノンから調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ7.74−7.53(m,5H);7.44(dd,J=2.3,8.4Hz,1H);7.36(d,J=8.0Hz,2H);7.20(d,J=8.4Hz,2H);7.11(d,J=8.2Hz,2H);6.90(d,J=8.4Hz,1H);6.84−6.80(m,2H);3.60(t,J=6.9Hz,2H);3.57−3.49(m,1H);3.05(dd,J=8.1,13.3Hz,1H);2.97(dd,J=7.0,13.3Hz,1H);2.61(t,J=7.0Hz,2H);1.33(d,J=6.8Hz,3H).
LCMS2 2.86分、(M+H)=648
【0312】
実施例33
ラセミ体N−(4−{2−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0313】
【化71】

【0314】
標題化合物を、実施例1および2に記載の方法を用いて中間体13から調製した。標題化合物を、対応するベータアラニンtertブチルエステルとして同定した。
tertブチルベータアラニン中間体のデータ:H NMR(500MHz,CDCl):δ7.63(d,J=8.6Hz,2H);7.49(d,J=1.7Hz,1H);7.43−7.36(m,3H);7.31(t,J=7.7Hz,1H);7.28−7.23(m,2H);7.08−7.11(m,1H);7.06(d,J=8.2Hz,2H);6.97(d,J=7.7Hz,1H);6.85−6.81(m,1H);6.40(s,1H);4.25−4.21(m,1H);3.71−3.63(m,2H);3.55(s,3H);3.53−3.47(m,1H);3.24(dd,J=8.8,13.4Hz,1H);2.55(t,J=5.9Hz,2H);1.50(s,9H).
LCMS1 3.98分、(M+H)=594
tertブチル基を、前記のようにTFAを用いて除去し、標題化合物を得た。
LCMS1 3.41分、(M+H)=538
【0315】
実施例34A、34B
N−(4−{2−(1H−インダゾール−3−イル)−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0316】
【化72】

【0317】
メタノール(2mL)およびヒドラジン水化物(約0.5mL、過剰)を中間体14(50mg、0.1mmol)に添加した。混合物をスクリューキャップチューブ内で、HPLC分析により出発物質が残らなくなるまで100℃で加熱した。溶液を濃縮してメチル4−{2−(1H−インダゾール−3−イル)−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾエートを得、それは精製なしに使用した。
LCMS1 4.22分、(M+H)=517
標題化合物を実施例1に記載の化学を用いて調製した。ラセミ体tertブチルベータアラニンエステル中間体を、キラルセルOJカラム(2×25cm)上で、ヘプタン/EtOHイソクラクティック溶出液(流量9mL/分)を用いて分割した。キラルLC4(97/3〜80/20ヘプタン/EtOH、25分以上);異性体A 22.38分、異性体B 26.61分。分割したエステルのtertブチル基を前記のようにTFAを用いて除去し、標題化合物を得た。
異性体A:LCMS1 3.68分、(M+H)=574
異性体B:LCMS1 3.68分、(M+H)=574
代表的なH NMR(400MHz,CDOD):δ7.59−7.47(m,6H);7.41(d,J=8.4Hz,1H);7.37−7.33(m,1H);7.28−7.24(m,5H);7.18(d,J=8.2Hz,2H);6.97(t,J=7.5Hz,1H);4.81(t,J=8.0Hz,1H);3.79(dd,J=7.6,13.5Hz,1H);3.55−3.49(m,3H);2.56(t,J=7.0Hz,2H).
【0318】
実施例35A、35B
N−(4−{2−(1−メチル−1H−インダゾール−3−イル)−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0319】
【化73】

【0320】
標題化合物を、実施例34A/34Bに記載のように中間体14およびメチルヒドラジンから調製した。ラセミ体tertブチルベータアラニンエステル中間体を、キラルパックADカラム(2×25cm)上で、ヘプタン/IPAイソクラクティック溶出液(流量9mL/分)を用いて分割した。キラルLC3(96/4〜65/35ヘプタン/IPA、20分以上);異性体A 18.85分、異性体B 20.76分。分割されたエステルのtertブチル基を、前記のようにTFAを用いて除去し、標題化合物を得た。
異性体A:LCMS1 3.90分、(M+H)=588
異性体B:LCMS1 3.90分、(M+H)=588
代表的なH NMR(400MHz,CDOD):δ7.60−7.46(m,6H);7.40(d,J=8.0Hz,1H);7.38−7.34(m,1H);7.33−7.24(m,5H);7.19(d,J=8.2Hz,2H);6.99(t,J=7.5Hz,1H);4.79(t,J=7.8Hz,1H) 4.01(s,3H);3.83−3.76(m,1H);3.56−3.47(m,3H);2.56(t,J=6.9Hz,2H).
【0321】
実施例36A、36B
N−(4−{2−フェニル−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0322】
【化74】

【0323】
標題化合物を、実施例1および3に記載の化学を用いて(3−クロロフェニル)(フェニル)メタノンから調製した。ラセミ化合物をキラルOD SFC−HPLCを用いて分割し、標題化合物を得た。
異性体A:キラルLC2 3.38分、LCMS1 3.95分、(M+H)=534
異性体B:キラルLC2 4.25分、LCMS1 3.95分、(M+H)=534
代表的なH NMR(500MHz,CDCl):δ7.59(d,J=9.2Hz,2H);7.52−7.50(m,2H);7.39−7.35(m,3H);7.30−7.16(m,8H);7.10(d,J=8.2Hz,2H);6.77(t,J=6.0Hz,1H);4.32(t,J=7.9Hz,1H);3.72(q,J=5.9Hz,2H);3.47(d,J=7.8Hz,2H);2.72(t,J=5.8Hz,2H).
【0324】
実施例37
ラセミ体N−(4−{(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0325】
【化75】

【0326】
段階A. エチル4−[(3−ブロモフェニル)(ヒドロキシ)メチル]ベンゾエート
i−プロピルマグネシウムクロライド(THF中2.0M、6.6mL、13.2mmol)の溶液を、氷/メタノール浴(浴外部温度、約−12℃)中で冷却された、4−ヨードエチルベンゾエート(3.21g、11.6mmol)の溶液(10mL THF)へ滴下添加した。10分間撹拌後、HPLC分析によりヨード出発物質の消費を示した。3−ブロモベンズアルデヒド(2.78g、15mmol)のTHF2mL溶液を、滴下添加した。浴を除去し、反応溶液を25分間撹拌した。溶液を酢酸エチルと1N HCl水溶液との間で分配した。有機相を1N HCl水溶液、食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水した。溶液を、濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製して、標題化合物を黄色の油として得た。
H NMR(CDCl,400MHz):δ8.02(d,2H,J=8.4Hz),7.53(s,1H),7.44(d,2H,J=8.0Hz),7.42−7.38(m,1H),7.28−7.17(m,2H),5.84(s,1H),4.36(q,2H,7=8.0Hz),1.38(t,3H,J=8.0Hz).
LCMS1 3.51分、(M+H)=335
【0327】
段階B. 4−[(3−ブロモフェニル)(ヒドロキシ)メチル]安息香酸
標題化合物を、実施例1段階Gに記載の加水分解条件を用いて段階Aの中間体から調製した。粗酸は、精製することなく使用した。
LCMS1 2.87分、(M+H)=289
【0328】
段階C. tert−ブチルN−{4−[(3−ブロモフェニル)(ヒドロキシ)メチル]ベンゾイル}−β−アラニネート
標題化合物を、実施例1段階Hに記載の方法を用いて段階Bの中間体から調製した。
LCMS1 3.33分、(M+H)=378
【0329】
段階D. tert−ブチルN−(4−{ヒドロキシ[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニネート
標題化合物を、実施例1段階Aに記載のスズキ条件を用いて段階Cの中間体から調製した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.68(d,J=8.3Hz,2H);7.56−7.52(m,3H);7.46−7.41(m,3H);7.39(t,J=7.6Hz,1H);7.33(d,J=7.6Hz,1H);7.25(d,J=7.0Hz,2H);6.90(t,J=5.8Hz,1H);5.90(s,1H);3.63(q,J=5.9Hz,2H);2.51(t,J=5.9Hz,2H);1.43(s,9H).
LCMS1 3.81分、(M+H)=460
【0330】
段階E. N−(4−{(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニン
段階Dからの中間体(16mg、0.031mmol)に、DCM(1mL)、5−フルオロ−1H−インドール(10mg、0.07mmol)、およびTFA(10滴)を添加した。溶液を、スクリューキャップバイアル中、75℃で1.7時間加熱した。次いで溶液を濃縮し、残渣をRP−HPLCにより精製して、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ8.09(s,1H);7.68(d,J=8.2Hz,2H);7.49(d,J=8.3Hz,2H);7.43(d,J=7.8Hz,1H);7.40−7.33(m,2H);7.32−7.25(m,3H);7.22(d,J=8.0Hz,2H);7.17(d,J=7.6Hz,1H);6.93−6.89(m,1H);6.82(dd,J=2.4,9.6Hz,1H);6.78(t,J=5.9Hz,1H);6.62(s,1H);5.67(s,1H);3.71(q,J=5.8Hz,2H);2.70(t,J=5.8Hz,2H).LCMS1 3.80分、(M+H)=577
【0331】
実施例38
ラセミ体N−(4−{(4−メトキシフェニル)[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0332】
【化76】

【0333】
実施例37段階Dからの中間体(16mg、0.031mmol)に、DCM(1mL)、メトキシベンゼン(10滴)およびTFA(10滴)を添加した。溶液を、スクリューキャップチューブ中、75℃で1.7時間加熱した。溶液を濃縮し、残渣をRP−HPLCにより精製し、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.68(d,J=7.9Hz,2H);7.49(d,J=8.7Hz,2H);7.42−7.32(m,2H);7.29−7.16(m,6H);7.02(d,J=8.2Hz,2H);6.84(d,J=8.5Hz,2H);6.74(t,J=6.0Hz,1H);5.58(s,1H);3.78(s,3H);3.74−3.70(m,2H);2.71(t,J=5.8Hz,2H).
LCMS1 3.90分、(M+H)=550
【0334】
実施例39
ラセミ体N−(4−{1−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]ブト−3−エン−1−イル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0335】
【化77】

【0336】
実施例37段階Dからの中間体(16mg、0.031mmol)に、DCM(1mL)、アリルトリメチルシラン(0.3mL、1.9mmol)、および三フッ化ホウ素ジメチルエーテラート(0.3mL、3.3mmol)を添加した。溶液を室温で一晩撹拌した。次に溶液を酢酸エチルと1N HCl水溶液との間で分配した。有機相を1N HCl水溶液(2回)で洗浄し、濃縮した。残渣をRP−HPLCにより精製し、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.70(d,J=8.3Hz,2H);7.62(d,J=8.2Hz,2H);7.48(s,1H);7.42−7.26(m,7H);5.77−5.67(m,1H);5.04−4.90(m,2H);4.16(t,J=7.9Hz,1H);3.57(t,J=6.9Hz,2H);2.87(t,J=7.4Hz,2H);2.59(t,J=6.9Hz,2H).
LCMS1 3.89分、(M+H)=484
【0337】
実施例40A、40B
N−(4−{1−[4,4”−ビス(トリフルオロメトキシ)−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0338】
【化78】

【0339】
標題化合物を、実施例1および3に記載の化学を用いて中間体7から調製した。ラセミ体tertブチルベータアラニンエステル中間体を、キラルパックADカラム(2×25cm)上で、ヘプタン/IPAイソクラクティック溶出液(流量9mL/分)を用いて分割した。キラルLC3(90/10ヘプタン/IPA);異性体A 11.59分、異性体B 13.20分。分割されたエステルのtertブチル基を、前記のようにTFAを用いて除去して、標題化合物を得た。
異性体A:LCMS1 4.35分、(M+H)=618、異性体B:LCMS1 4.35分、(M+H)=618
代表的なH NMR(400MHz,CDOD):δ7.69−7.65(m,2H);7.60(dd,J=8.4,17.3Hz,3H);7.52(dd,J=1.9,7.9Hz,1H);7.33(d,J=8.0Hz,2H);7.26(m,5H);7.07(d,J=8.3Hz,2H);4.33(q,J=7.1Hz,1H);3.57(t,J=6.9Hz,2H);2.58(t,J=6.9Hz,2H);1.61(d,J=7.2Hz,3H).
【0340】
実施例41
N−(4−{[4,4”−ビス(トリフルオロメトキシ)−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0341】
【化79】

【0342】
標題化合物を、実施例1および3に記載の化学を用いて中間体16から調製した。
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.70(d,J=7.9Hz,2H);7.57(t,J=7.9Hz,4H);7.32(d,J=9.7Hz,2H);7.30−7.20(m,5H);6.97(d,J=8.3Hz,2H);4.06(s,2H);3.56(t,J=6.9Hz,2H);2.58(t,J=6.9Hz,2H).
LCMS1 4.26分、(M+H)=604
【0343】
実施例42A、42B
N−(4−{1−[4−(1H−インドール−3−イル)−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0344】
【化80】

【0345】
段階A. エチル4−{1−[4−アリル−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾエート
中間体17(24mg、0.043mmol)、アリル(トリブチル)スタンナン(0.05mL、0.16mmol)、塩化リチウム(20mg、0.47mmol)、および(PPhPdCl(10mg、0.014mmol)を含有するDMF(1.5mL)溶液を、アルゴン雰囲気下、104℃において45分間加熱した。反応系を室温まで冷却し、酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を水(3回)および食塩水で洗浄し、MgSO上で脱水した。次に溶液を濾過し、濃縮し、残渣をシリカゲルクマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。単離された物質は、10%のdes−OTf化合物がコンタミンしていた。
LCMS1 4.72分、(M+H)=455
【0346】
段階B. エチル4−{1−[4−(2−オキソエチル)−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾエート
オゾンを、−78℃に冷却された段階Aからの中間体(227mg、0.5mmol)を含有するDCM溶液(4mL)を通してパージした。オゾンパージは、わずかな青色が残存するまで(2分間)維持された。次に溶液を、酸素でパージした(過剰のオゾンを除去するため)。反応溶液に対し、硫化メチル(1mL)およびPPh(393mg、1.5mmol)を添加した。溶液を室温まで温め、シリカゲルクロマトグラフィーにより、ヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製し、標題化合物を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):δ9.60(s,J=1.9Hz,1H);7.99(d,J=8.3Hz,2H);7.61−7.59(m,2H);7.54(d,J=1.7Hz,1H);7.48(dd,J=1.9,7.8Hz,1H);7.32(d,J=8.1Hz,2H);7.29−7.25(m,3H);4.41−4.34(m,3H);3.73(d,J=1.9Hz,2H);1.71(d,J=7.1Hz,3H);1.40(t,J=7.1Hz,3H).
LCMS1 4.28分、(M+H)=411
【0347】
段階C. N−(4−{1−[4−(1H−インドール−3−イル)−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
標題化合物を、段階Bからの中間体から実施例1および3に記載の化学を用いて調製した。ラセミ体tertブチルベータアラニンエステル中間体を、キラルパックADカラム(2×25cm)上で、ヘプタン/IPAイソクラクティック溶出液(流量9mL/分)を用いて分割した。キラルLC3(97/3〜40/60ヘプタン/IPA、20分以上);異性体A 21.72分、異性体B 28.54分。分割されたエステルのtertブチル基は、前記のようにTFAを用いて除去した。
異性体A:LCMS1 3.96分、(M+H)=573、異性体B:LCMS1 3.96分、(M+H)=573。
代表的なH NMR(400MHz,CDCN):δ9.49(s,1H);7.73−7.69(m,2H);7.59−7.47(m,5H);7.43(d,J=7.9Hz,1H);7.36(d,J=7.3Hz,3H);7.20−7.16(m,1H);7.10−7.04(m,5H);4.52(q,J=7.2Hz,1H);3.51(q,J=6.4Hz,2H);2.53(t,J=6.7Hz,2H);1.60(d,J=7.2Hz,3H).
【0348】
実施例43
N−(4−{[4,4”−ビス(トリフルオロメトキシ)−1,1′:4′,1”−テルフェニル−2′−イル]オキシ}ベンゾイル)−β−アラニン
【0349】
【化81】

【0350】
標題化合物を、2,5−ジクロロフェノールおよび[4−(エトキシカルボニル)フェニル]ボロン酸から実施例1、3および5に記載の化学を用いて調製した。
H NMR(500MHz,CDOD):δ7.75−7.73(m,4H);7.66−7.62(m,4H);7.41(d,J=1.4Hz,1H);7.32(d,J=8.1Hz,2H);7.25(d,J=8.2Hz,2H);6.88(d,J=8.8Hz,2H);3.56(t,J=6.9Hz,2H);2.57(t,J=6.9Hz,2H).
LCMS1 4.13分、(M+H)=606
【0351】
実施例44
N−(4−{[4−(6−メトキシ−2−ナフチル)−4′(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]オキシ}ベンゾイル)−β−アラニン
【0352】
【化82】

【0353】
標題化合物を、中間体19から実施例1に記載の化学を用いて調製した。
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.89(s,1H);7.74(d,J=8.8Hz,2H);7.70−7.58(m,7H);7.42(d,J=1.7Hz,1H);7.34(d,J=8.2Hz,2H);7.15(d,J=2.1Hz,1H);7.07(dd,J=2.5,8.9Hz,1H);6.88(d,J=8.8Hz,2H);3.87(s,3H);3.52(t,J=6.9Hz,2H);2.54(t,J=6.9Hz,2H).
LCMS1 4.16分、(M+H)=602
【0354】
実施例45A、45B
N−[4−({6−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル}メチル)ベンゾイル]−β−アラニン
【0355】
【化83】

【0356】
標題化合物を、中間体8から実施例2に記載の化学を用いて調製した。ラセミ体tertブチルベータアラニンエステル中間体を、キラルセルOJカラム(2×25cm)上で、ヘプタン/IPAイソクラクティック溶出液(流量9mL/分)を用いて分割した。キラルLC4(96/4〜55/45ヘプタン/IPA、20分間以上、0.5mL/分);異性体A 15.85分、異性体B 17.66分。分割したエステルのtertブチル基を、前記のようにTFAを用いて除去し、標題化合物を得た。
異性体A:LCMS1 4.01分、(M+H)=484、異性体B:LCMS1 4.01分、(M+H)=484
代表的なH NMR(400MHz,CDOD):δ7.73(d,J=8.2Hz,2H);7.57−7.53(m,2H);7.36(dd,J=1.4,7.8Hz,1H);7.30−7.24(m,5H);7.20(s,1H);3.63−3.59(m,2H);3.53−3.44(m,1H);3.16(dd,J=6.4,13.4Hz,1H);2.92−2.75(m,3H);2.62(t,J=6.9Hz,2H);2.20−2.12(m,1H);1.86−1.77(m,1H).
【0357】
実施例46A、46B
N−[4−({7−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル}メチル)ベンゾイル]−β−アラニン
【0358】
【化84】

【0359】
標題化合物を、中間体8の調製および実施例2に記載の化学を用いて、中間体9から調製した。ラセミ体tertブチルベータアラニンエステル中間体を、キラルパックADカラム(2×25cm)上で、ヘプタン/IPAイソクラクティック溶出液(流量9mL/分)を用いて分割した。キラルLC3(96/4〜45/55ヘプタン/IPA、20分以上);異性体A 17.37分、異性体B 18.44分。分割したエステルのtertブチル基は、前記のようにTFAを用いて除去した。
異性体A:LCMS1 4.11分、(M+1)=498、異性体B:LCMS14.11分、(M+1)=498
代表的なH NMR(500MHz,CDOD): δ7.77(d,J=8.2Hz,2H);7.53(d,J=8.6Hz,2H);7.35(d,J=2.0Hz,1H);7.32(d,J=8.2Hz,,2H);7.28(d,J=8.1Hz,2H);7.21(d,J=1.7Hz,1H);7.16(d,J=7.9Hz,1H);3.65(t,J=6.9Hz,2H);3.25−3.11(m,2H);2.95−2.74(m,3H);2.66(t,J=7.0Hz,2H);2.01−1.92(m,1H);1.81−1.69(m,3H).
【0360】
表1の化合物を、実施例1、4、5および6に記載の化学を用いるか、または以下の変更にしたがって調製した。1)実施例47〜50(R=R21)は、4−ブロモ−4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−カルバルデヒドを2,5−ジブロモベンズアルデヒドで置換して、実施例1に記載のように調製し、2)実施例117〜133は、メチル2−アミノ−5−ブロモベンゾエートを、メチル5−アミノ−2−ブロモベンゾエートで置換して、実施例1に記載のように調製し、3)実施例111〜113は、実施例1段階Hからの中間体から、実施例42A/42Bに記載の方法を用いて調製した。
【0361】
【表3】

【0362】
【表4】

【0363】
【表5】

【0364】
【表6】

【0365】
表2にリストしたラセミ化合物を実施例13に概説された方法にしたがって調製した。
【0366】
【表7】

【0367】
表3にリストされた化合物を、中間体6から実施例17についての記載のように調製した。
【0368】
【表8】

【0369】
表4の化合物を、実施例22についての記載のように調製した。
【0370】
【表9】

【0371】
表5の化合物を、実施例11、24A/24B、25、および26についての記載のように調製した。
【0372】
【表10】

【0373】
表6の化合物を、中間体10から実施例30A/30Bについての記載のように調製した。
【0374】
【表11】

【0375】
表7の化合物を、実施例31A/31B、および32についての記載のように調製した。
【0376】
【表12】

【0377】
表8の化合物を、実施例3についての記載のように調製した。
【0378】
【表13】

Xは、連結点を示す。
【0379】
表9の化合物を、示された前駆体から実施例39および40についての記載のように調製した。
【0380】
【表14】

【0381】
表10の化合物を、中間体19および20から実施例43および44についての記載のように調製した。
【0382】
【表15】

【0383】
表11にリストされたラセミ化合物を、中間体9から実施例46A/46Bについての記載のように調製した。
【0384】
【表16】

【0385】
実施例207A、207B、207C
N−(4−{2−(1H−インドール−3−イル)−1−メチル−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0386】
【化85】

【0387】
段階A. 4−メトキシベンジル(3−ブロモフェニル)アセテート
(3−ブロモフェニル)酢酸(2.5g、11.6mmol)、炭酸セシウム(3.78g、11.6mmol)、および4−メトキシベンジルクロライド(1.82g、11.6mmol)のDMF(30mL)溶液を、室温で一晩撹拌した。次に溶液を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を、水(3回)、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水した。溶液を濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製して、標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,CDCl):δ7.43−7.39(m,2H);7.29−7.24(m,2H);7.20−7.16(m,2H);6.90−6.86(m,2H);5.07(s,2H);3.81(s,3H);3.60(s,2H).
LCMS1 3.70分
【0388】
段階B. メチル4−{2−(3−ブロモフェニル)−3−[(4−メトキシベンジル)オキシ]−1−メチル−3−オキシプロピル}ベンゾエート
LHMDS(1.0M THF、2.6mL)を、段階Aからの中間体(0.827g、2.47mmol)を含有する−78℃のTHF(4mL)溶液へ滴下添加した。10分間撹拌後、メチル4−(1−ブロモエチル)ベンゾエート(0.6g、2.47mmol)を含有するTHF(4mL)溶液を滴下添加した。溶液を室温に温めた。1.5時間後、溶液を酢酸エチルと1N HCl水溶液との間で分配した。有機相を水、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水した。溶液を濾過し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製して、標題化合物を1.67/1のジアステレオマー混合物として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):選択されたデータδ5.16(d,J=12.0Hz);5.01(d,J=12.0Hz);4.82(d,J=12.0Hz);4.64(d,J=11.9Hz);1.34(d,J=6.8Hz);1.02(d,J=7.0Hz).
マイナージアステレオマー:LCMS1 4.08分、(M+Na)=519
メジャージアステレオマー:LCMS1 4.19分、(M+Na)=519
【0389】
段階C. 2−(3−ブロモフェニル)−3−[4−(メトキシカルボニル)フェニル]ブタン酸
段階Bからの中間体(0.8g、1.6mmol)を、4−メトキシベンゼン(2mL)およびトリフルオロ酢酸(15mL)で処理した。1.5時間撹拌後、溶液を濃縮し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配(0.05%酢酸を含有)を用いて精製して、標題化合物をジアステレオマーの混合物として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):選択されたデータδ3.90(s);3.85(s);3.72−3.64(m);3.52−3.42(m);1.39(d,J=6.8Hz);1.03(d,J=7.0Hz).
LCMS1 3.34分、(M+H)=377
LCMS1 3.57分、(M+H)=377
【0390】
段階D. メチル4−[2−(3−ブロモフェニル)−3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル]ベンゾエート
BOP(152mg、0.345mmol)を、段階Cからの中間体(100mg、0.265mmol)およびDIEA(0.06ml、0.344mmol)を含有するTHF(2mL)溶液へ添加した。5分間撹拌後、水素化ホウ素ナトリウム(20mg、0.53mmol)を溶液へ添加した。溶液を15分間撹拌し、次いで1N HCl水溶液と酢酸エチルとの間で分配した。有機相を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水した。溶液を濾過し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製して、標題化合物をジアステレオマーの混合物として得た。単離された物質の一部はまた、単一のジアステレオマー生成物も含有していた。
ジアステレオマーA:H NMR(400MHz,CDCl):δ8.01(d,J=8.3Hz,2H);7.48−7.40(m,2H);7.33(d,J=8.3Hz,2H);7.26−7.19(m,2H);3.92(s,3H);3.59−3.47(m,2H);3.10−3.04(m,1H);2.92−2.88(m,1H);1.05(d,J=6.9Hz,3H).
LCMS1 3.60分、(M−H2O)=345
ジアステレオマーB:H NMR(400MHz,CDCl):δ7.82(d,J=8.3Hz,2H);7.17−7.13(m,1H);7.04−6.96(m,4H);6.85(d,J=7.7Hz,1H);4.00−3.88(m,2H);3.87(s,3H);3.26−3.18(m,1H);3.02−2.96(m,1H);1.37(d,J=6.9Hz,3H).
LCMS1 3.40分、(M−H2O)=345
【0391】
段階E. メチル4−{1−メチル−3−オキソ−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]プロピル}ベンゾエート
段階Dからの中間体を、実施例1段階Aに記載のスズキ条件に付し、メチル4−{3−ヒドロキシ−1−メチル−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]プロピル}ベンゾエートをジアステレオマーの混合物として得た。
LCMS1 3.92分、(M−HO)=427
LCMS1 4.08分、(M−HO)=427
4−{3−ヒドロキシ−1−メチル−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]プロピル}ベンゾエート(50mg、0.11mol)を含有するDCM(2mL)溶液を、[1,1,1−トリス(アセチルオキシ)−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3−(1H)−オン](64mg、0.15mmol)で処理した。1時間撹拌後、溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより、ヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製して、標題化合物をジアステレオマーの混合物として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):選択されたデータ δ 9.84(d,J=2.3Hz);9.64(d,J=2.3Hz);1.44(d,J=6.7Hz);1.14(d,J=7.0Hz).
LCMS1 4.11分、(M+H)=443
LCMS1 4.24分、(M+H)=443
【0392】
段階F. メチル4−{2−(1H−インドール−3−イル)−1−メチル−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾエート
LHMDS(1.0M THF、3.0mL)を、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロライド(1g、2.92mmol)を含有する−10℃のTHF(5mL)溶液へ滴下添加した。15分間撹拌後、赤色のイリド溶液の一部(約0.365M、1.0mL、0.365mmol)を、段階Eからの中間体(37mg、0.084mmol)を含有する0℃のTHF(1mL)溶液へ滴下添加した。溶液を室温まで温め、さらに30分間撹拌した。次に溶液を酢酸エチルと水との間で分配した。有機相を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で脱水した。溶液を濾過、濃縮し、粗残渣を、実施例3A/3B段階Dに記載のフィッシャー(Fisher)インドール反応条件に付した。粗物質をシリカゲルクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル勾配を用いて精製して、標題化合物をジアステレオマーの混合物として得た。
H NMR(400MHz,CDCl):選択されたデータδ4.53(d,J=10.4Hz);4.45(d,J=10.7Hz);1.41(d,J=6.8Hz);1.22(d,J=6.7Hz).
LCMS1 4.30分、(M+H)=530
LCMS1 4.41分、(M+H)=530
【0393】
段階G. N−(4−{2−(1H−インドール−3−イル)−1−メチル−2−[4′−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−3−イル]エチル}ベンゾイル)−β−アラニン
標題化合物を、段階Fの中間体から実施例1に記載の化学を用いて調製した。ジアステレオマー生成物はRP−HPLCにより分離した。
ジアステレオマーA:H NMR(400MHz,CDOD):δ7.69(d,J=8.2Hz,1H);7.59(d,J=8.2Hz,2H);7.39(d,J=8.7Hz,2H);7.33−7.29(m,5H);7.22(t,J=7.2Hz,3H);7.11−7.03(m,3H);6.97(t,J=7.1Hz,1H);4.49(d,J=11.2Hz,1H);3.84−3.76(m,1H);3.54(t,J=7.0Hz,2H);2.56(t,J=7.0Hz,2H);1.35(d,J=6.8Hz,3H).
LCMS1 3.72分、(M+H)=587
ジアステレオマーB(LCMS1 3.92分、(M+H)=587)は、SFC−HPLC(21.2×250mm、キラルパックAS−H、30%MeOH/CO2、50ml/分)により分割した。
エナンチオマー1:キラルパックAS−H保持時間 4.09分、LCMS1 3.92分、(M+H)=587
エナンチオマー2:キラルパックAS−H保持時間 4.80分、LCMS1 3.92分、(M+H)=587
代表的なH NMR(400MHz,CDOD):δ7.67(s,1H);7.64−7.60(m,2H);7.55(d,J=8.3Hz,2H);7.46(d,J=7.6Hz,2H);7.38(t,J=5.1Hz,3H);7.34(d,J=7.4Hz,1H);7.30(t,J=6.2Hz,2H);7.13(d,J=8.0Hz,1H);7.08(s,1H);6.94−6.90(m,1H);6.86−6.82(m,1H);4.56(d,J=11.0Hz,1H);3.80−3.72(m,1H);3.52(t,J=6.9Hz,2H);2.55(t,J=6.9Hz,2H);1.17(d,J=6.9Hz,3H).
【0394】
生物学的アッセイ
本発明の化合物の、グルカゴンの結合を阻害する能力および2型糖尿病ならびに関連症状の治療または予防におけるその有用性は、以下のインビトロアッセイにより実証できる。
【0395】
グルカゴン受容体結合アッセイ
クローン化されたヒトグルカゴン受容体を発現している安定なCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞系を、記載のように維持した(チッチ(Chicchi)ら著「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリ(J.Biol.Chem.)」1997年、第272巻、p.7765−9;カーシエリ(Cascieri)ら著「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリ」1999年、第274巻、p.8694−7)。化合物の拮抗的な結合親和性を測定するために、これらの細胞からの0.002mgの細胞膜を、50mMトリス−HCl(pH7.5)、5mM MgCl、2mM EDTA、12%グリセロールを含有する緩衝液中の125I−グルカゴン(ニュー・イングランド・ヌクレアー(New England Nuclear)、マサチューセッツ州)、および0.200mgのWGAコートPVT SPAビーズ(アマシャム)、+/−化合物、または0.001MM 未標識グルカゴンとインキュベートした。室温で4〜12時間インキュベーション後、細胞膜へ結合した放射能を放射性発光検出カウンタ(ワラック・マイクロベータ(Wallac−Microbeta)により測定した。データは、グラフパッド(GraphPad)からのソフトウェアプログラム、プリズム(Prism)を使用して分析した。IC50値は、単一部位の競合を想定した非線形回帰分析を用いて計算された。本発明の化合物のIC50値は、全般的に約1nMから、約500nMまでの範囲内であり、したがってグルカゴンアンタゴニストとしての有用性がある。
【0396】
グルカゴン刺激細胞内cAMP形成の阻害
ヒトグルカゴン受容体を発現している対数増殖中のCHO細胞を、無酵素解離培地(スペシャリティ・メデイア(Specialty Media))を利用して収穫し、低速でペレット化し、フラッシュ・プレート(Flash Plate)cAMPキット(ニュー・イングランド・ヌクレアー、SMP0004A)に含まれた細胞刺激緩衝液(Cell Stimulation Buffer)中に再懸濁した。アデニル酸シクラーゼアッセイは、製造業者の指示どおりに準備した。手短に言えば、化合物はDMSO中のストックから希釈し、最終DMSO濃度5%で細胞へ添加した。上記のように調製された細胞を、抗cAMP抗体(NEN)でコートされたフラッシュ・プレート内で、化合物またはDMSO対照の存在下に30分間プレインキュベートし、次いでグルカゴン(250pM)により、さらに30分間刺激した。細胞刺激は、溶解緩衝液ならびに125I−標識されたcAMPトレーサー(NEN)を含有する、等量の検出緩衝液の添加により停止した。室温で3時間インキュベション後、結合放射能を液体シンチレーションカウンタ(トップカウント・パッカード・インスツルメンツ(TopCount−Packard Instruments))を用いて測定した。基底活性(100%阻害)は、DMSO対照を用いて測定し、0%阻害は、250pMのグルカゴンによって産生されるcAMPのpmol量により定義した。
【0397】
本発明のいくつかの態様が詳細に記載されるが、多数の他の態様が本発明内の範囲内に入ることを意図する。したがって、クレイムは本発明に記載の特定の態様に制限されない。本文に引用された全ての特許、特許出願および公報は、その全てを引用して本文に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
環Aは、6〜10員のアリールまたは1〜2個のN原子を含有するヘテロアリール基を表すか、または5〜6員の炭素環縮環6員アリール基を表し;
0〜2個のR基が存在し、そして存在する場合には:
(a)ハロ、OH、CO、SO、CN、NO、C(O)NR、NR
(b)C1−6アルキル、C(O)C1−6アルキルまたはOC1−6アルキルであって、前記アルキル部分は、(1)ペルハロまでの1〜5個のハロ基、および(2)OH、CO、SO、CN、NO、C(O)NR、NRから選択される1〜2個の基で置換されてもよく;
(c)6〜10員のアリール、アリールオキシもしくはアリールチオ基であるか、または1〜2個の窒素および0〜1個のOまたはS原子を含有する、5〜10員のへテロアリール、ヘテロアリールオキシまたはヘテロアリールチオ基であって、前記アリールおよびヘテロアリール基、アリールオキシ、アリールチオ、ヘテロアリールオキシおよびヘテロアリールチオのアリールおよびヘテロアリール部分は、上記の(a)および(b)から選択される1〜3個の基で置換されてもよく、
前記基(c)はさらに、ピラゾール、イミダゾール、テトラゾール、ピロール、トリアゾール、チアゾール、フラン、チオフェン、チアジアゾールおよびオキサゾールからなる群より選択される構成要素で置換されてもよく、前記基はさらに、上記の(a)および(b)から選択される1〜2個の基で置換されてもよく;
からなる群より選択され;
各Rは、Hであるか、または前記定義の(a)および(b)から選択され;
Xは、−O−、−S−、−(C(R1−2−、−OC(R−、−C(RO−からなる群より選択され;
は、H、C1−10アルキル、C2−4アルケニル、アリールまたはヘテロアリールであって、前記アリールおよびヘテロアリールは、1〜2個の上記の(a)および(b)で置換されてもよく、1個以下のR基は、HおよびC1−10アルキル以外であり、
は、HまたはC1−6アルキルであり、そして
は、C1−10アルキル、アリールまたはAr−C1−10アルキルからなる群より選択される構成要素を表し;
およびRは、各々独立して、HまたはC1−3アルキルを表し;
pは0、1、または2であり、
は、CHCHCO、CHCH(OH)COまたは5−テトラゾリルを表し;そして
は、Hであるか、または上記の(a)および(b)から選択される]
で表される化合物、または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
環Aが、フェニル、ナフチル、ジヒドロインデニル、テトラヒドロナフチル、インドリル、イソインドリルおよびピリジルからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
環Aが、フェニル、ナフチル、ピリジルおよびテトラヒドロナフチルからなる群より選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
環Aが、フェニル、ナフチルおよびピリジルからなる群より選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
1〜2個のR基が存在し、そしてハロ、C1−6アルキル、CN、ハロC1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、フェニル、ナフチル、インドリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニルおよびO−フェニルからなる群より選択され、前記フェニル、ナフチル、インドリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニルおよびO−フェニルは、ハロ、CN、OC1−6アルキル、OハロC1−6アルキル、CO1−6アルキル、COH、C(O)C1−6アルキル、SO1−6アルキル、NO、C(O)NRおよびピラゾリルから選択される1〜3個の基で置換されてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
各Rが、H、ハロ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびOハロC1−6アルキルからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
各Rが、H、Cl、F、OMe、OEt、O−n−プロピル、O−i−プロピル、O−n−ブチル、O−t−ブチル、CFおよびOCFからなる群より選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Xが、−(C(R1−2−、−OC(R−または−C(RO−を表し、Rが、独立して、H、C1−10アルキル、アリールおよびHARから選択され、前記アリールおよびHARは、1〜2個のハロ、CN、C1−6アルキル、OC1−6アルキル、ハロC1−6アルキルおよびOハロC1−6アルキル基で置換されてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
が−CHCHCOを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
が−CHCHCOを表し、かつRがHを表す、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
がHを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
環Aが、フェニル、ナフチル、ジヒドロインデニル、テトラヒドロナフチル、インドリル、イソインドリルおよびピリジルからなる群より選択され;
1〜2個のR基が存在し、そして、ハロ、C1−6アルキル、CN、ハロC1−6アルキル、OH、O−C1−6アルキル、フェニル、ナフチル、インドリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニルおよびO−フェニルからなる群より選択され、前記フェニル、ナフチル、インドリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニルおよびO−フェニルは、ハロ、CN、OC1−6アルキル、OハロC1−6アルキル、CO1−6アルキル、COH、C(O)C1−6アルキル、SO1−6アルキル、NO、C(O)NRおよびピラゾリルから選択される1〜3個の基で置換されてもよく;
各Rが、H、ハロ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびOハロC1−6アルキルからなる群より選択され;
Xが、−(C(R1−2−、−OC(R−または−C(RO−を表し、
が、H、C1−10アルキル、アリールおよびHARから独立して選択され、前記アリールおよびHARは、1〜2個のハロ、CN、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、OC1−6アルキルおよびOハロC1−6アルキル基で置換されてもよく;
が−CHCHCOを表し、RがHを表し、そして
がHを表す、
請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
以下の:
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

ここでXは連結点を示す;
【表12】

【表13】

【表14】

から選択される請求項1に記載の化合物、または医薬的に許容されるその塩もしくは溶媒和物。
【請求項14】
請求項1の化合物を、医薬的に許容される担体と組合せて含んでなる薬剤組成物。
【請求項15】
治療を必要とする哺乳類の患者において2型糖尿病を治療する方法であって、2型糖尿病を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を前記患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項16】
治療を必要とする哺乳類の患者において2型糖尿病の発症を遅延する方法であって、2型糖尿病の発症を遅延するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を前記患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項17】
治療を必要とする哺乳類の患者において高血糖症、糖尿病またはインスリン抵抗性を治療する方法であって、有効な量の請求項1に記載の化合物を前記患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項18】
治療を必要とする哺乳類の患者において非インスリン依存性糖尿病を治療する方法であって、抗糖尿病的に有効な量の請求項1に記載の化合物を前記患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項19】
治療を必要とする哺乳類の患者において肥満を治療する方法であって、肥満を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を前記患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項20】
治療を必要とする哺乳類の患者においてX症候群を治療する方法であって、X症候群を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を前記患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項21】
治療を必要とする哺乳類の患者において脂質代謝異常、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDLおよび高LDLからなる群より選択される脂質障害を治療する方法であって、前記脂質障害を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を前記患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項22】
治療を必要とする哺乳類の患者においてアテローム性動脈硬化症を治療する方法であって、アテローム性動脈硬化症を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を、前記患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項23】
治療を必要とする哺乳類の患者において、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)脂質代謝異常、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症およびその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満症、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群、およびインスリン抵抗性が構成要素である他の症状および障害、からなる群より選択される症状を治療する方法であって、前記症状を治療するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を前記患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項24】
治療を必要とする哺乳類の患者において、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)脂質代謝異常、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症およびその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満症、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群、およびインスリン抵抗性が構成要素である他の症状および障害、からなる群より選択される症状の発生を遅延する方法であって、前記症状の発生を遅延するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を、前記患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項25】
治療を必要とする哺乳類の患者において、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)脂質代謝異常、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症およびその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満症、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群、およびインスリン抵抗性が構成要素である他の症状および障害、からなる群より選択される症状の発生のリスクを低減する方法であって、前記症状の発生のリスクを低減するのに有効な量の請求項1に記載の化合物を、前記患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項26】
治療を必要とする哺乳類の患者において、(1)高血糖症、(2)低グルコース耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)脂質代謝異常、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症およびその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満症、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群、およびインスリン抵抗性が構成要素である他の症状および障害、からなる群より選択される症状を治療する方法であって;
有効量の請求項Iに定義された化合物および;
(a)DPP−IV阻害剤;(b)(i)PPARアゴニストおよび(ii)ビグアニドからなる群より選択されるインスリンセンシタイザー;(c)インスリンおよびインスリン模擬薬;(d)スルホニルウレアおよび他のインスリン分泌促進物質;(e)アルファグルコシダーゼ阻害剤;(f)他のグルカゴン受容体アンタゴニスト;(g)GLP−1、GLP−1模擬薬、およびGLP−1受容体アゴニスト;(h)GIP、GIP模擬薬、およびGIP受容体アゴニスト;(i)PACAP、PACAP模擬薬、およびPACAP受容体3アゴニスト;(j)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(ii)金属イオン封鎖剤、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸、およびそれらの塩、(iv)PPARアルファアゴニスト、(v)PPARアルファ/ガンマ・デュアルアゴニスト、(vi)コレステロール吸収阻害剤、(vii)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、(viii)酸化防止剤、および(ix)LXRモジュレータ、からなる群より選択されるコレステロール低下剤;(k)PPARデルタアゴニスト;(l)抗肥満化合物;(m)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤;(n)グルココルチコイドを除く抗炎症剤;および(o)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)阻害剤、からなる群より選択される化合物を患者へ投与することを含んでなり、
前記化合物が、前記症状を治療するのに有効な量で患者へ投与される方法。
【請求項27】
治療を必要とする哺乳類の患者において、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症および脂質代謝異常からなる群より選択される症状を治療する方法であって、治療上有効な量の請求項1に定義された化合物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を前記患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項28】
前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がスタチンである、請求項22の方法。
【請求項29】
前記スタチンが、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン、ZD−4522およびリバスタチンからなる群より選択される、請求項23の方法。
【請求項30】
高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症、および脂質代謝異常からなる群より選択される症状、およびかかる症状の後遺症の発生のリスクを低減する方法であって、治療上有効な量の請求項1に定義された化合物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を、そのような治療を必要とする哺乳類の患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項31】
治療を必要とするヒト患者において、アテローム性動脈硬化症発生についての開始を遅延するかまたはリスクを低減するための方法であって、有効な量の請求項1に定義された化合物およびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を前記患者へ投与する方法。
【請求項32】
前記HMG−CoAレダクターゼ阻害剤がスタチンである、請求項26の方法。
【請求項33】
前記スタチンが、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン、ZD−4522およびリバスタチンからなる群より選択されるスタチンである、請求項27の方法。
【請求項34】
前記スタチンがシンバスタチンである、請求項28の方法。
【請求項35】
コレステロール吸収阻害剤を投与することをさらに含んでなる、請求項26の方法。
【請求項36】
前記コレステロール吸収阻害剤がエゼチミベである、請求項30の方法。
【請求項37】
治療を必要とするヒト患者において、アテローム性動脈硬化症発生の開始を遅延するかまたはリスクを低減するための方法であって、有効な量の請求項1に定義された化合物およびコレステロール吸収阻害剤を前記患者へ投与することを含んでなる方法。
【請求項38】
前記コレステロール吸収阻害剤がエゼチミベである、請求項32の方法。
【請求項39】
薬剤組成物であって、
(1)上記式Iの化合物;
(2)(a)DPP−IV阻害剤;(b)(i)PPARアゴニストおよび(ii)ビグアニドからなる群より選択されるインスリンセンシタイザー;(c)インスリンおよびインスリン模擬薬;(d)スルホニルウレアおよび他のインスリン分泌促進物質;(e)アルファグルコシダーゼ阻害剤;(f)他のグルカゴン受容体アンタゴニスト;(g)GLP−1、GLP−1模擬薬、およびGLP−1受容体アゴニスト;(h)GIP、GIP模擬薬、およびGIP受容体アゴニスト;(i)PACAP、PACAP模擬薬、およびPACAP受容体3アゴニスト;(j)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(ii)金属イオン封鎖剤、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸、またはそれらの塩、(iv)PPARアルファアゴニスト、(v)PPARアルファ/ガンマ・デュアルアゴニスト、(vi)コレステロール吸収阻害剤、(vii)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、(viii)酸化防止剤、および(ix)LXRモジュレータ、からなる群より選択されるコレステロール低下剤;(k)PPARデルタアゴニスト;(l)抗肥満化合物;(m)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤;(n)グルココルチコイド以外の抗炎症剤;および(o)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)阻害剤、からなる群より選択される化合物;および
(3)医薬的に許容される担体、
を含んでなる薬剤組成物。

【公表番号】特表2008−533200(P2008−533200A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503051(P2008−503051)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/009694
【国際公開番号】WO2006/102067
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】