説明

置換アントラセン

本発明は、新規な9−および/または10−置換アントラセン、それらの、液晶、発光または半導体材料およびデバイスにおける、異方性ポリマー、光学、電気光学、修飾、安全保障、化粧、診断、電気、電子、電荷輸送、半導体、光学記録、電子発光、光導電体または電子写真用途における使用、ならびに、それらを含む、液晶、発光および半導体材料、ポリマーおよびデバイスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明分野
本発明は、新規な置換アントラセン、それらの、液晶、発光または半導体材料およびデバイスにおける、異方性ポリマー、光学、電気光学、装飾、安全保障、化粧品、診断、電気、電子、電荷輸送、半導体、光学記録、電子発光、光伝導体または電子写真用途における使用、ならびにそれらを含む、液晶、発光および半導体材料、ポリマーおよびデバイスに関する。
【0002】
背景技術および従来技術
有機発光ダイオード(OLED)、有機電界放出トランジスタ(OFET)および発光液晶ディスプレイ(eLCD)用途のための新規な材料の探索において、多数の基本構造の考慮が必要とされる:
・ 材料は、長いUV波長吸収発色団を有する高い共役構造(conjugated structure)を有する必要がある。これにより、光子または電子のどちらかによる、効率的な分子の励起が促進され、光ルミネセンスまたはエレクトロルミネセンスを生ずる。
【0003】
・ カラミティック液晶媒体と適合するため、および偏光の効率的なエミッターとなるために、光ルミネセンスまたはエレクトロルミネセンスのどちらかにより、材料は理想的には棒状の分子であるべきである。
・ 融点、中間層の性質および一般的な溶媒または液晶ホスト中での溶解性を改変するために、棒様の分子は、側方置換基を含まねばならない。
【0004】
LC構造特性の関係において、例えばハロ、アルキル、アルコキシ基などの側方置換基が、カラミティックLD中で融点を低下させ、中間層を改変し、溶解性を改善することが一般に知られている。例えば、Gray, G. W., Hird. M. & Toyne, K.J., 1991, Mol., Cryst. Liq. Cryst., 203, 43参照。さらに、OLEDポリマーに対して、側方鎖が溶解性を改善し、またエレクトロルミネセンス特性を改変するよう作用することが知られている。例えば、Kraft, A., Grimsdale, A.C. & Holmes, A. B., 1998 Angewandte Chemie Intl. Edn. Engl., 37, 402-428参照。
【0005】
従来技術において、拡張共役構造を有する液晶の多くの例が存在する。これらの多くは、高い複屈折性混合物のための、特に電磁気スペクトルの赤外領域における有用な添加剤としての用途が見出されており、例えば、US 6,312,618に開示されたジフェニルジアセチレンLC化合物などである。
【0006】
さらに、液晶の分子成分としての縮合環構造の使用、特にナフタレンについて、従来技術の参考文献が存在する。新興分野である有機電荷輸送材料において、Hannaの業績は特に関連があり、これは、フェニルナフタレン構造における電荷輸送に対する、スメクチックLCの秩序化の利点を詳細にしているためである。例えば、Y. Toko, M. Funahashi, J. Hanna, Japan. Proceedings of SPIE-The International Society for Optical Engineering (2003), 4800 (Organic Light-Emitting Materials and Devices VI), 229-237; N. Yoshimoto, J. Hanna, Adv. Mater. 2002, 14(13-14), 988-991; H. Maeda, M. Funahashi, J. Hanna, Materials Research Society Symposium Proceedings (2000), 598 (Electrical, Optical, and Magnetic Properties of Organic Solid-State Materials V), BB3.61/1-BB3.61/6参照。
【0007】
さらに、US 2001-0048982には、フェニルナフタレン材料を含む発光LCDデバイスが教示されている。
飛行時間計測によれば、スメクチック秩序が増加するにつれて電荷キャリア移動度の改善が示される。電荷移動度の改善の理由は、スメクチック秩序化が平面芳香族コアのより密接したパッキングを許容するためであると考えられる。
しかし、多くの従来技術の材料が、OLEDまたは他の光電子デバイスの要素として不適切であり、これは、これらの結合の程度が制限されているために、効率的なエレクトロルミネセンスには不十分な励起特性がもたらされるからである。
【0008】
反応性メソゲン(RM)としても知られている重合可能なLCの、OLEDおよびOFET用途のための、特に偏光発光を生成する手段としての使用も、従来技術において報告されている。例えば、US-A-2003/0018097には、2および7位において5−フェニル−チオフェン−2−イル基で置換されている9,9’−ジアルキルフルオレン基を含む二反応性RMの使用が開示されている。Bacher, Bradley et al., J. Mat. Chem. 1999, 9, p.2985には、ジスチリルベンゼンRMおよびその偏光エレクトロルミネセンス(EL)デバイスへの使用が開示されている。O’Neill et al., J. Appl. Phys. 2003, 93(3), p.1465には、幾つかの反応性メソゲン種の偏光発光のための使用およびそれに含まれる参考文献が開示されている。
【0009】
しかし、これらの参考文献に引用されたRMは、アクリレートまたは1−ビニル−アリルオキシカルボニル基を重合可能な基として含み、これは、カルボニル基がエレクトロルミネセンスを抑えることが知られているため、効率的なOLED発光に対して不利となる可能性がある(List et al., Adv. Mater. 2002, 14(5), p.374参照)。さらに、これらの参考文献により、RMの重合に用いる光重合開始剤の残留物が、エレクトロルミネセンスに有害な効果を有し得ることが報告されている。しかし、Meerholz et al., Nature 2003, 421, p.829には、カチオン性光重合開始剤プロセスを使用して、OLEDのエレクトロルミネセンス特性を害さない、オキセタン光重合可能基に基づく架橋ポリマーOLEDを生産することが可能であると報告されている。
【0010】
本発明の1つの目的は、棒状の分子構造を持つ新規なメソゲン化合物または液晶化合物であって、随意的に重合可能で、従来技術の欠点を有さないか、またはより少ない程度において欠点を示し、改善された特性を有し、特に、液晶、半導体および発光用途、例えばLCD、eLCD、OLEDおよびOFETデバイスに適する、前記化合物を提供することである。
【0011】
新規な化合物は、OLED、OFETおよびeLCD用途のための上記の基本構造の要求を満たさねばならない。好ましくは、これらは、広い温度範囲にわたって液晶相を示し、高い秩序の中間層において密接したパッキングを許容し、そして優れた電荷輸送および発光特性を示すことが必要である。
本発明の他の目的は、専門家に利用可能な、LCD、OLEDおよびOFET用途に好適な材料のプールを拡大することである。
【0012】
本発明の他の目的は、新規な化合物に対する有用な使用法を提供することであり、例えば、液晶、発光または半導体材料またはデバイス、特に、LCD、eLCD、OLEDおよびOFET、異方性ポリマー、光学、電気光学、装飾、安全保障、化粧品、診断、電気、電子、電荷輸送、半導体、光学記録、電子発光、光伝導体および電子写真の用途などである。
本発明の他の目的は、従来技術から知られたLC媒体の欠点を有さない、改善されたLC、OLEDおよびOFETの材料、ポリマーおよびデバイスを提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、半導体または電荷輸送材料として用いるための、合成が容易で、高い電荷移動度、優れた加工性および改善された酸化安定性を有する、新しいオリゴマーおよびポリマーを提供することである。
本発明の他の目的は、以下の詳細な記述から当業者には直ちに明らかである。
本発明の発明者らは、上記の欠点が、請求項1に記載の新規のメソゲン性アントラセン誘導体を提供することにより克服できることを見出した。これらの化合物は有用な特性を有し、LCD、eLCD、OLEDおよびOFETデバイスにおいて用いるのに特に適している。
【0014】
アントラセンを芳香族コアの主要成分として含む、本発明による化合物は、非常に効率的な様式でパックされ、非常に効率的な電荷輸送を生成し、従ってこれらは、OFETでの使用についての優れた候補材料である。さらに、アントラセン部分は、UV光での照射により溶液および薄い固体フィルムの形態の両方で高い蛍光性を示す。
さらに、発明者らは、9位および10位において光安定化置換基で修飾されたアントラセンに基づくモノマー、オリゴマーおよびポリマーが、半導体または電荷輸送材料として好適であることを見出した。アントラセン環系の9位および10位におけるアルコキシ基Rの存在は溶解性を高め、従ってポリアントラセンの加工性を高める。
【0015】
EP 1 090 911 A2には、黄色または赤色光を発光するビス(アミノスチリル)アントラセン化合物が開示されている。US 6,495,274には、ビス(アミノスチリル)アントラセン化合物を含むOLEDデバイスが開示されている。しかしこれらの材料は、末端鎖を有さないためにメソゲン性ではない可能性が高く、さらに、反応性成分を有さないために架橋することができない。これは、デバイスの加工において重大な欠陥を導く可能性がある。
【0016】
発明の概要
本発明は、反応性および非反応性のモノマー、オリゴマーおよびポリマーを含む化合物であって、式I
−(G)− I
式中、Gは、複数ある場合は互いに独立して、
【化1】

であり、
【0017】
〜R10は、互いに独立して、F、Cl、Br、I、CN、NO、NCS、SF、または1〜30個のC原子を有する直鎖もしくは分枝アルキルであって、無置換か、またはF、Cl、Br、IもしくはCNにより一置換もしくは多置換されており、ここで1つまたは2つ以上の隣接していないCH基は、随意的に、各々の場合互いに独立して、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しない様式で、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CY=CY−または−C≡C−によって置き換えられており、またはP−Spであり、
およびR00は、互いに独立して、Hまたは1〜10個のC原子を有するアルキルであり、
【0018】
Pは、重合可能な基または反応基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
sおよびtは、互いに独立して、0、1、2または3であり、
gは、複数ある場合は互いに独立して、1、2または3である、
で表される1つまたは2つ以上の同一または異なる基を含む、前記化合物に関する。
【0019】
本発明はさらに、少なくとも1種の本発明による化合物を含む、LC媒体に関する。
本発明はさらに、少なくとも1種の本発明による化合物を含む、重合可能なLC媒体に関する。
本発明はさらに、少なくとも1種の本発明による化合物、および随意的に少なくとも1種のさらなる化合物を含み、ここで前記化合物の少なくとも1種が重合可能である、重合可能なLC媒体に関する。
【0020】
本発明はさらに、本明細書に記載の化合物または重合可能なLC材料を重合することにより得られる、ポリマーに関する。
本発明はさらに、本明細書に記載の化合物または重合可能なLC材料を、その配向状態において、好ましくはフィルムの形態において重合することにより得られる、異方性ポリマーに関する。
本発明はさらに、少なくとも1種の、本明細書に記載の化合物または重合可能なLC材料もしくはポリマーを含む、半導体または電荷輸送材料に関する。
本発明はさらに、少なくとも1種の、本明細書に記載の化合物または重合可能なLC材料もしくはポリマーを含む、発光材料に関する。
【0021】
本発明はさらに、本明細書に記載の化合物の使用であって;モノマー、オリゴマーおよびポリマー、LC材料、半導体もしくは発光材料、重合可能材料、ポリマーまたはポリマーフィルムの、電気光学ディスプレイ、LCD、eLCD、光学フィルム、偏光子、補償板、ビームスプリッタ、反射フィルム、配向層、カラーフィルター、ホログラム素子、熱間鍛造フォイル、カラーイメージ、装飾または安全保障マークにおける、例えば、価値ある消費者対象物または書類、LC顔料、接着剤、異方性機械特性を有する合成樹脂、化粧品、薬剤、診断薬、非線形光学素子、光学式情報記憶のための、キラルドーパントとしての、例えばOFETなどの電子デバイスにおける集積回路(IC)の要素としての、フラットパネルディスプレイ用途における薄膜トランジスタ(TFT)としてまたは無線IC(RFID)タグのための、有機発光ダイオード(OLED)用途、電子発光ディスプレイもしくはLCDのバックライト用の半導体もしくは発光要素としての、光起電もしくはセンサーデバイスのための、バッテリーにおける電極材料としての、光伝導体としての、または電子写真用途または電子写真記録のための、またはLCDもしくはOLEDデバイスにおける配向層としての、前記使用に関する。
【0022】
本発明はさらに、半導体要素であって、例えば電子発光ディスプレイなどのOLED用途における、または例えば液晶ディスプレイのバックライトにおける、光起電もしくはセンサーデバイスにおける、バッテリーの電極材料としての、光伝導体としておよび電子写真用途のための、1種または2種以上の本発明の化合物、モノマー、オリゴマーまたはポリマーを含む、前記半導体要素に関する。
本発明はさらに、光学、電気光学または電子デバイス、特にLCD、eLCD、OLED、OFET、IC,TFTまたは配向層であって、本明細書に記載の化合物、モノマー、オリゴマーまたはポリマー、LC材料、半導体または発光材料、重合可能な材料、ポリマーまたはポリマーフィルムを含む、前記デバイスに関する。
【0023】
本発明はさらに、フラットパネルディスプレイ、RFIDタグ、電子発光ディスプレイまたはバックライト用のTFTまたはTFTアレイであって、本明細書に記載の化合物、材料、ポリマーまたはデバイスを含む、特に、LCD、eLCD、OFET、OLED、ICまたはTFTを含む、前記TFTまたはTFTアレイに関する。
本発明はさらに、本明細書に記載の化合物、材料、ポリマーまたはデバイス、特にLCD、OLED、OFETまたはRFIDタグ含む、安全保障マークまたはデバイスに関する。
【0024】
用語の定義
用語「液晶材料またはメソゲン性材料」または「液晶化合物またはメソゲン性化合物」とは、1種または2種以上の棒状、ラス状(lath-shaped)または盤状のメソゲン基、すなわちLC相の振舞いを誘導する能力を有する基を含む材料または化合物を意味する。メソゲン基を含む化合物または材料は、必ずしもそれ自体がLC相を示す必要はない。それらが、他の化合物との混合物においてのみ、または、メソゲン化合物もしくは材料またはそれらの混合物が重合された場合に、LC相の振舞いを示すこともまた可能である。
【0025】
用語「重合可能な」および「反応性の」とは、重合反応、例えばラジカル(radicalic)もしくはイオン連鎖重合、重付加または重縮合に関与することができる化合物または基、および、例えば重合類似反応においてポリマー主鎖への縮合または付加によってグラフトされることができる、反応化合物または反応基を指す。用語「重合不能な」および「非反応性の」とは、「重合可能な」または「反応性の」基を有さない化合物を指す。
用語「フィルム」は、多少とも顕著な機械的安定性および可撓性を示す、自己支持型の、すなわち自立したフィルム、および支持基板上のまたは2つの基板の間の、被覆または層を含む。
【0026】
発明の詳細な説明
特に好ましいのは、式I1:
−[(G)−(A)− I1
式中、Gおよびgは、式Iでの意味を有し、
Aは、複数ある場合は互いに独立して、−CX=CX−、−C≡C−、芳香族環または脂環式環、または2個もしくは3個以上の縮合芳香族もしくは脂環式環を含む基であって、ここでこれらの環は、随意的に、N、OおよびSから選択される1個または2個以上のヘテロ原子を含み、そして随意的に、式Iに定義されたRによって一置換または多置換されており、
【0027】
およびXは、互いに独立してH、F、ClまたはCNであり、
aは、複数ある場合は互いに独立して、0または1であり、
zは、整数≧1であり、
ここで、複数ある場合は基[(G)−(A)]は、同一または異なることができる、
で表される、化合物、モノマー、オリゴマーおよびポリマーである。
【0028】
非常に好ましいのは、式I1A:
−[(G)−(A)−R I1A
式中、G、g、A、aおよびzは、式I1での意味を有し、
およびRは、互いに独立して、式IにおけるRの意味の1つを有するか、またはB(OR’)(OR”)、SnR00000またはSiR00000を表し、
0〜000は、互いに独立して、H、1〜12個のC原子を有するアリールまたはアルキルであり、
R’およびR”は、互いに独立して、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルであり、またはOR’およびOR”は、ホウ素原子と一緒になって2〜10個のC原子を有する環式基を形成することもできる、
で表される、化合物、モノマー、オリゴマーおよびポリマーである。
【0029】
さらに好ましいのは、式I2:
11−(A−Z−(G−Z−(A−Z−(G−(Z−A−R12 I2
式中、
およびGは、互いに独立して、式IにおけるGの意味の1つを有し、
11およびR12は、互いに独立して、式IにおけるRの意味の1つを有し、
〜Aは、互いに独立して、式I1におけるAの意味の1つを有し、
【0030】
〜Zは、互いに独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CY=CY−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
およびYは、互いに独立して、H、F、ClまたはCNであり、
およびR00は、式Iで与えられた意味を有し、
m、nおよびqは、互いに独立して、0、1、2または3であり、
uおよびvは、互いに独立して、0、1または2であって、u+v>0である、
で表される、化合物またはモノマーである。
【0031】
本発明による化合物、モノマー、オリゴマーおよびポリマーは、高いキャリア移動度を有するため、電荷輸送半導体として特に有用である。特に好ましいのは、G基が1つまたは2つ以上のアルキルまたはフルオロアルキル基によって置換されている、モノマー、オリゴマーおよびポリマーである。アルキルおよびフルオロアルキル側鎖のG基への導入は、溶解性を改善し、従って本発明の材料の溶液加工性を改善する。さらに、フルオロアルキル側鎖の存在はまた、本発明の材料を、n型半導体として有効にする。フルオロアルキル置換基の電子求引性の性質はまた、HOMOをさらに低下させ、その結果、酸化の影響を受けにくい、より安定な材料をもたらす。
【0032】
特に好ましいのは、少なくとも1個のG基および、重合または架橋反応が可能な少なくとも1個の反応基を含む、化合物、モノマー、オリゴマーおよびポリマーである。
さらに好ましいのは、メソゲン性または液晶である少なくとも1個のG基を含む化合物、モノマー、オリゴマーおよびポリマーであり、特に、カラミティック相を形成する式I1Aで表されるポリマーであり、そして、カラミティック相を形成する、式I2で表される化合物または反応性メソゲンである。
【0033】
本発明のオリゴマーおよびポリマーにおいて、複数ある場合の繰り返し単位[(G)−(A)]は、式I1から、互いに独立して、オリゴマーまたはポリマーが同一または異なる繰り返し単位[(G)−(A)]を含むことができるように選択することができる。従ってオリゴマーおよびポリマーは、ホモポリマーおよびコポリマーを含み、例えば、
−統計的にランダムなコポリマー、例えば−G−A−G−G−A−G−A−A−A−のモノマー配列を有するもの、
−交互コポリマー、例えば−G−A−G−A−G−A−のモノマー配列を有するもの、
−ブロックコポリマー、例えば−A−A−G−G−G−G−A−A−A−G−G−G−のモノマー配列を有するもの、
−ホモポリマー−G−G−G−G−、
式中、GおよびAの基は、好ましくは一緒になって共役系を形成する、
を含む。
【0034】
さらに好ましいのは、1つまたは2つ以上の繰り返し単位[(G)−(A)]を含み、式中g=1およびa=0である、モノマー、オリゴマーおよびポリマーであり、非常に好ましくは、かかる繰り返し単位のみからなるモノマー、オリゴマーおよびポリマーである。
さらに好ましいのは、1つまたは2つ以上の繰り返し単位[(G)−(A)]を含み、式中g=a=1である、モノマー、オリゴマーおよびポリマーであり、非常に好ましくは、かかる繰り返し単位のみからなるモノマー、オリゴマーおよびポリマーである。
【0035】
新規な化合物は以下の利点を有する:
−優れた収率で、安価で市場で入手可能な出発原料から容易に生産される、
−棒状であり、LCDにおけるLC混合物の成分として好適である。必ずしもそれ自体がLC相を示す必要はなく、しかし、棒状であることにより、それらが溶解しているLCホストのLC特性を減少はさせない、
−好適に置換されている場合は、重合可能である、
−非常に効率的な様式でパックされており、非常に効率的な電荷輸送を生成し、従ってOFETでの使用に対する優れた候補材料となっている、
【0036】
−アントラセン部分は、UV光の照射により溶液および薄い固体フィルムの形態の両方で高い蛍光性を示し、青色発光材料のために特に好適である、
−eLCD用途のための可能性のある電子発光ドーパントを合成して、LCホスト混合物においてネマチック相、中程度の融点および良好な溶解性を有するようにすることができる。
アントラセンは、環上でのπ電子非局在化の範囲により、発光LCコアとして特に良好である。
【0037】
特に、本発明の化合物におけるアントラセンコアの側方置換は、例えば以下のような多数の有用な特性をもたらす:
・従来技術では、2,6−置換アントラセニルLC材料において、アントラセン環の中央位は2+2付加環化反応において光二量化を受けやすいことが報告された(Mery et al. J. Mat. Chem., 2003, 13, 1622-1630)。対照的に、本発明の化合物においては、「キャッピング(capping)」置換基は脆弱な(vulnerable)9位および10位に位置されており、これが任意の光二量化反応を遮断し、材料の安定性を改善する。
【0038】
・アントラセン基および1つまたは2つ以上の環基A1〜3を含む、式I2の化合物などの拡張多環芳香族コアにおいて、アントラセンコア上の長鎖置換基R〜R10は、コアの結晶のパッキングに対して阻害効果を有する。これにより融点が低下し、ネマチック相が促進される。これは、芳香族コアの密接したパッキングが、長い波長における消光およびエキシマー排出を促進可能なエレクトロルミネセンスのために、特に有益である。さらに、側方置換基を正しく選択すれば、エレクトロルミネセンス波長の調節が可能である。
【0039】
本発明による材料の使用の好ましい分野は、半導体または電荷移動としてまたは発光材料として、またはかかる材料の成分としての使用である。これらの材料は、例えばOFETなどの電子デバイスにおいて、ICの要素として、フラットパネルディスプレイ用途におけるTFTとしてまたはRFIDタグのために、またはOLED用途、電子発光ディスプレイもしくはLCDのバックライトのための半導体もしくは発光成分において、光起電またはセンサーデバイスのために、用いることができる。
本発明の他の側面は、重合可能な化合物、特に反応性メソゲン(RM)としても知られている式I2の化合物、およびこれらの化合物またはこれらを含む混合物から得られるLCポリマーに関する。
【0040】
特に好適な重合可能な化合物、特に半導体および発光用途のための化合物は、ビニルエーテルおよびプロペニルエーテルから選択される重合可能なP基を有するものであり、これは、これらが直鎖の光重合可能な基であるためである。これらの化合物は改善されたメソゲン性および低下した流動粘性を有し、これらの両方は、アクリレートなどの他のRM重合可能な基およびLCポリマー材料と比べて、LC相において分子の自己整列に必要な時間を減少させることにより、デバイスにおいて用いる材料の加工に望ましい。
【0041】
本発明の他の側面は、高い秩序を有する異方性LCポリマーフィルムに関し、該フィルムは、本発明の重合可能な化合物または反応性メソゲンから、特に式I2で表されるものから、またはこれらを含む混合物から、これらをそのLC相において均一な配向に整列させ、in situで、例えば熱もしくは光重合により重合することによって得るものである。
本発明の化合物はまた、LCD用途のための混合物において、特に、高い複屈折性が要求されるネマチックもしくは等方相におけるLC混合物を用いる用途において、用いることができる。
【0042】
さらに、本発明の化合物は、LCDにおける光学フィルムとして用いるための、特に光学遅延フィルムもしくは補償フィルム、配向層、カラーフィルターまたは偏光子として用いるための、ポリマーまたはポリマーフィルムを製造するための反応性メソゲンとして、用いることができる。
LC相の振舞いを誘導または増強するため、本発明の化合物を、P基を介して、他の重合可能なメソゲン性もしくはLCモノマー、および/または本発明の他の化合物と共に共重合することも可能である。
【0043】
本発明によるLCDは、例えば従来のLCDであって、特にDAP(変形整列相)もしくはVA(垂直整列)モードのものであり、例えばECB(電気制御複屈折)、CSH(カラー超ホメオトロピック)、VANもしくはVAC(垂直整列ネマチックまたはコレステリック)ディスプレイ、MVA(マルチドメイン垂直整列)もしくはPVA(パターン垂直整列)ディスプレイ、曲げモードのディスプレイまたはハイブリッドディスプレイ、例えばOCB(光学補償曲げセルまたは光学補償複屈折)、R−OCB(反射OCB)、HAN(ハイブリッド整列ネマチック)もしくはパイセル(πセル)ディスプレイであり、さらに、TN(ねじれネマチック)、HTN(高ねじれネマチック)もしくはSTN(超ねじれネマチック)のディスプレイにおける、AMD−TN(活性マトリクス駆動TN)ディスプレイにおける、「超TFT」ディスプレイとしても知られているIPS(面内スイッチング)モードのディスプレイにおける、等方状態の液晶を用いるディスプレイにおける(以後これは、例えばDE 102 172 73およびWO 02/93244 A1において記載されたように、「等方モードディスプレイ」と略して呼ぶ)、または二重安定ネマチックディスプレイにおけるものである。
【0044】
式I、I1、I1AおよびI2で表される特に好ましい化合物、モノマー、オリゴマーおよびポリマーは、これらの式中、
−Gは、式:
【化2】

で表される基であり、
−zは、1〜5000の整数であり、
【0045】
−zは、2〜5000の整数であり、特に20〜1000であり、
−zは、2〜5の整数であり、
−zは2であり、そしてRおよびRの一方または両方はP−Sp−を表し、
−zは1〜15の整数であり、そしてRおよびRの一方または両方はP−Sp−を表し、
−zは2〜5000の整数であり、そしてRおよびRはP−Sp−ではなく、
−分子量は5000〜100,000であり、
−AまたはA1〜3は、随意的に、置換アリーレンまたはヘテロアリーレンを表し、
−AまたはA1〜3は、−CX=CX−または−C≡C−を表し、
【0046】
−少なくとも1つの繰り返し単位[(G)−(A)]g=a=1であり、
−Z1〜4は、−O−、−CH=CR−、−CY=CY−、−C≡C−、または単結合から選択され、最も好ましくは−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、
−少なくとも1つのZ1〜4は、好ましくはZおよびZは、特に全てのZ1〜4は、単結合を表し、
−AまたはA1〜3は、随意的に1つまたは2つ以上のR基によって置換された1,4−フェニレンを表し、特に、1個または2個以上のフッ素原子によって置換された1,4−フェニレンであり、
−RおよびRの一方または両方はP−Sp−を表し、
−RおよびRは、F、Cl、CN、1〜15個のC原子を有するアルキル、オキサアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニルもしくはアルコキシカルボニル、または2〜15個のC原子を有するアルケニル、アルケニルオキシもしくはアルキニルから選択され、
【0047】
−Spは、2〜12個のC原子を有するアルキレンであって、随意的にFによって一置換もしくは多置換され、ここで1つまたは2つ以上の隣接していないCHは、各々の場合互いに独立して、−O−、−CH=CH−または−C≡C−によって、特に−(CH−であって式中uは1〜6の整数である、によって置き換えられることができ、
−Spは、−O−、−COO−、−OCO−、−OCOO−および単結合から選択される基を介してA1〜3に結合しており、
−Spは単結合であり、
−mおよびnは1であり、
−mは1であり、nは0または1であり、
−mおよびnは2であり、
−sおよび/またはtは0であり、
−sおよび/またはtは1または2であり、
−uは1であり、vは1であり、
−vは0であり、qは0であり、
−u=v=q=1であり、
【0048】
−R5〜10は、F、Cl、CN、随意的に1個または2個以上のフッ素原子で置換されたC〜C20−アルキル、またはC〜C20−アルケニル、C〜C20−アルキニル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−チオアルキル、C〜C20−シリル、C〜C20−エステル、C〜C20−アミノ、C〜C20−フルオロアルキル、(CHCHO)であってmが1〜6の整数、から選択され、特に好ましくはC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−チオアルキルまたはC〜C20−フルオロアルキルである、
であるものである。
【0049】
AおよびA1〜3は、互いに独立して、芳香族環または脂環式環であり、好ましくは5、6または7員環であり、または、2個もしくは3個以上、好ましくは2個もしくは3個の、縮合芳香族もしくは脂環式環を含む基であって、ここでこれらの環は随意的に、N、OおよびSから選択された1個または2個以上のヘテロ原子を含み、そしてこれらは随意的に、上で定義されたRによって一置換または多置換されている。
およびRは好ましくは、F、Cl、CN、OH、NO、CH、C、OCH、OC、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、OCF、OCHFまたはOCであり、特にF、Cl、CN、CH、C、OCH、COCHまたはOCFであり、最も好ましくはF、Cl、CH、OCHまたはCOCHである。
【0050】
好ましい基AおよびA1〜3は、例えば、フラン、ピロール、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イミダゾール、フェニレン、シクロヘキシレン、シクロヘキセニレン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、アズレン、インダン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、アントラセンおよびフェナントレンである。
特に好ましくは、AおよびA1〜3は、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、チエノチオフェン−2,5−ジイル、ジチエノチオフェン−2,6−ジイル、ピロール−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、アズレン−2,6−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2,6−ジイル、インダン−2,5−ジイル、または1,4−シクロヘキシレンから選択され、ここで1つまたは2つ以上の隣接していないCH基は、随意的にOおよび/またはSによって置き換えられ、ここでこれらの基は、無置換か、または上に定義のRによって一置換もしくは多置換されている。
【0051】
好ましくは、基(A−Zおよび(Z−Aおよび(A−Zは、単環式基A1〜3のみを含む。非常に好ましくは、基(A−Zおよび(Z−Aおよび(A−Zは、1つまたは2つ以上の5または6員環を含む。
基(A−Zおよび(Z−Aおよび(A−Zは、同一でも異なっていてもよい。本発明の好ましい態様において、基(A−Zおよび(Z−Aは、互いに鏡像であり、非常に好ましくは(A−Z−(G−Z−(A−Z−(G−(Z−Aは対称な基である。本発明の他の好ましい態様において、基(A−Zおよび(Z−Aおよび(A−Zは異なっている。
【0052】
基(A−Zおよび(Z−Aおよび(A−Zについての好ましい従属式を下に記す。簡単化のために、これらの基においてPheは1,4−フェニレンであり、PheLは1〜4個のL基によって置換された1,4−フェニレンであり、式中Lは上に定義のRの意味の1つを有し、Pydはピリジン−2,5−ジイルであり、そしてPyrはピリミジン−2,5−ジイルである。好ましい基の以下のリストは、示された従属式の鏡像もまた含む。
【化3】

【0053】
これらの好ましいZ基は、式Iで与えられたZの意味を有する。好ましくはZは、−CHCH−、−CY=CY−、−C≡C−または単結合である。
非常に好ましい(A−Zおよび(Z−Aおよび(A−Zは、以下の式およびそれらの鏡像から選択される:
【化4】

【0054】
【化5】

【0055】
【化6】

ここで式中、Lは、上に与えられたRの意味の1つを有し、rは、0、1、2、3または4であり、好ましくは0、1または2である。
【0056】
これらの好ましい式中の基:
【化7】

は、非常に好ましくは
【化8】

を表し、さらに、
【化9】

を表し、ここでLは、互いに独立して上で与えられた意味の1つを有する。
特に好ましい化合物は、少なくとも1つの基:
【化10】

式中、rは1である、
を含む。
【0057】
さらに好ましい化合物は、少なくとも2つの基:
【化11】

式中、rは1である、および/または、少なくとも1つの基:
【化12】

式中、rは2である、
を含む。
【0058】
アリールおよびヘテロアリールは、好ましくは25個までのC原子を有する単環、二環または三環式芳香族または複素芳香族環であって、ここで環は縮合することができ、そしてここで複素芳香族環基は、好ましくはN、OおよびSから選択される少なくとも1つの複素環原子を含む。アリールおよびヘテロアリール基は、随意的に、1つまたは2つ以上の、F、Cl、Br、I、CN、および1〜20個のC原子を有する、直鎖、分枝または環式アルキルによって置換され、該アルキルは無置換か、F、Cl、Br、I、−CN、もしくは−OHによって一置換もしくは多置換されており、そしてここで1つまたは2つ以上の隣接していないCH基は、随意的に、各々の場合互いに独立して、Oおよび/S原子が互いに直接結合しない様式で、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−または−C≡C−によって置き換えられている。
【0059】
特に好ましいアリールおよびヘテロアリール基は、さらに1つまたは2つ以上のCH基がNによって置き換えられてもよいフェニル、ナフタレン、チオフェン、チエノチオフェン、ジチエノチオフェン、アルキルフルオレンおよびオキサゾールであり、これらの全ては、無置換か、Lによって一置換もしくは多置換されており、ここでLは、ハロゲンまたは1〜12個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニルもしくはアルコキシカルボニル基であり、ここで1個または2個以上のH原子は、随意的にFまたはClによって置き換えられている。
【0060】
アリーレンおよびヘテロアリーレンは、好ましくは、25個までのC原子を有する、単環、二環もしくは三環式、二価の芳香族または複素芳香族基を指し、ここで環は縮合することができ、そして複素芳香族基は少なくとも1つの複素環原子を、好ましくはN、OおよびSから選択して含む。アリーレンおよびヘテロアリーレン基は、随意的に、1つまたは2つ以上の、F、Cl、Br、I、CN、および1〜20個のC原子を有する、直鎖、分枝または環式アルキルによって置換され、該アルキルは無置換か、F、Cl、Br、I、−CN、もしくは−OHによって一置換もしくは多置換されており、そしてここで1つまたは2つ以上の隣接していないCH基は、随意的に、各々の場合互いに独立して、Oおよび/S原子が互いに直接結合しない様式で、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−または−C≡C−によって置き換えられている。
【0061】
特に好ましいアリーレンおよびヘテロアリーレン基は、1,4−フェニレンであって、ここでさらに、1つまたは2つ以上のCH基が随意的にNによって置き換えられているもの、ナフタレン−2,6−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、チエノチオフェン−2,5−ジイル、ジチエノチオフェン−2,6−ジイル、アルキルフルオレンおよびオキサゾールであり、これらの全ては、無置換か、上記で定義のLによって一置換もしくは多置換されている。
CX=CXは、好ましくは−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CF=CF−、−CH=C(CN)−または−C(CN)=CH−である。
【0062】
1〜10の1つがアルキルまたはアルコキシ基である場合、すなわち、末端のCH基が−O−によって置き換えられている場合、これは直鎖または分枝状であってよい。直鎖状で、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有するものが好ましく、従って好ましくは、例えば、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキシオキシ、ヘプトキシ、またはオクトキシ、さらにメチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシ、またはテトラデコキシである。
オキサアルキル、すなわち、1つのCH基が−O−によって置き換えられているものは、好ましくは、例えば、直鎖状2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)または3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−、もしくは4−オキサペンチル、2−、3−、4−もしくは5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−もしくは6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−オキサノニル、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−オキサデシルである。
【0063】
1〜10の1つがアルキル基であって、1つまたは2つ以上のCH基が−CH=CH−によって置き換えられている場合、これは直鎖または分枝状であってよい。直鎖状で、2〜10個の炭素原子を有するものが好ましく、従って好ましくは、ビニル、プロプ−1−、もしくはプロプ−2−エニル、ブト−1−、2−もしくはブト−3−エニル、ペント−1−、2−、3−もしくはペント−4−エニル、ヘクス−1−、2−、3−、4−もしくはヘクス−5−エニル、ヘプト−1−、2−、3−、4−、5−もしくはヘプト−6−エニル、オクト−1−、2−、3−、4−、5−、6−もしくはオクト−7−エニル、ノン−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくはノン−8−エニル、デク−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくはデク−9−エニルである。
【0064】
特に好ましいアルケニル基は、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニル、C〜C−4−アルケニル、C〜C−5−アルケニルおよびC−6−アルケニルであり、特に、C〜C−1E−アルケニル、C〜C−3E−アルケニルおよびC〜C−4−アルケニルである。特に好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニル等である。5個までのC原子を有する基が一般に好ましい。
1〜10の1つが、CNまたはCFによって一置換されているアルキルまたはアルケニル基である場合は、好ましくは直鎖状である。CNまたはCFによる置換は、任意の所望の位置であることができる。
【0065】
1〜10の1つが、ハロゲンによって少なくとも一置換されているアルキルまたはアルケニル基である場合は、好ましくは直鎖状である。ハロゲンは好ましくはFまたはClであり、多置換の場合は好ましくはFである。得られた基は、ペルフルオロ基も含む。一置換の場合は、FまたはCl置換基は任意の所望の位置であることができるが、好ましくはω位である。特に好ましい、末端のF置換基を有する直鎖基の例は、フルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシルおよび7−フルオロヘプチルである。しかしFの他の位置も除外はされない。
【0066】
ハロゲンは好ましくはFまたはClである。
1〜10は、極性または非極性基であることができる。極性基の場合、これは、CN、SF、ハロゲン、OCH、SCN、COR11、COOR11、または1〜4個のC原子を有する、一フッ化、オリゴフッ化もしくはポリフッ化アルキルまたはアルコキシ基から選択される。R11は随意的に、1〜4個、好ましくは1〜3個のC原子を有するフッ化アルキルである。特に好ましい極性基の例は、F、Cl、CN、OCH、COCH、COC、COOCH、COOC、CF、CHF、CHF、OCF、OCHF、OCHF、CおよびOCであり、特にF、Cl、CN、CF、OCHFおよびOCFである。非極性基の場合、好ましくは15個までのC原子を有するアルキル基、または2〜15個のC原子を有するアルコキシ基である。
【0067】
1〜10は、アキラルまたはキラルな基であることができる。キラルな基の場合は、好ましくは式III:
【化13】

式中、
は、1〜9個のC原子を有するアルキレンまたはアルキレン−オキシ、上に定義のアリーレンまたはヘテロアリーレン、または単結合であり、
【0068】
は、1〜10個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシであって、これは無置換か、F、Cl、BrまたはCNによって一置換もしくは多置換されることができ、1つまたは2つ以上の隣接していないCH基が、各々の場合互いに独立して、酸素原子が互いに直接結合しないような様式で、−C≡C−、−O−、−S−、−NH−、−N(CH)、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−または−CO−S−によって置き換えられることも可能であり、または上に定義されたアリールまたはヘテロアリールであって、QまたはQとは異なっており、
は、F、Cl、Br、CNまたはQについて定義されたアルキル、アルコキシ、アリールまたはヘテロアリールであって、ただしQまたはQとは異なるものである、
から選択される。
【0069】
式IIIにおいてQがアルキレン−オキシ基である場合、O原子は好ましくはキラルなC原子に隣接している。
式IIIの好ましいキラルな基は、2−アルキル、2−アルコキシ、2−メチルアルキル、2−メチルアルコキシ、2−フルオロアルキル、2−フルオロアルコキシ、2−(2−エチン)−アルキル、2−(2−エチン)−アルコキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−アルキルおよび1,1,1−トリフルオロ−2−アルコキシである。
【0070】
特に好ましいキラルな基は、例えば、2−ブチル(=1−メチルプロピル)、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、特に2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキシオキシ、1−メチルヘキシオキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、2-ヘキシル、2-オクチル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メトキシオクトキシ、6−メチルオクトキシ、6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチルオキシカルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチルヘキサノイルオキシ、2−クロロプロピオニルオキシ、2−クロロ−3−メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチルバレロイルオキシ、2−クロロ−3−メチルバレロイルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル、2−フルオロメチルオクチルオキシである。非常に好ましいのは、2−ヘキシル、2−オクチル、2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシル、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルおよび1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシである。
【0071】
さらに、アキラルな分枝状の基R1〜10を含む化合物は、例えば結晶化傾向の減少のために重要な場合がある。このタイプの分枝状の基は、一般に1つより多い鎖分枝を有さない。好ましいアキラルな分枝状の基は、イソプロピル、イソブチル(=メチルプロピル)、イソペンチル(=3−メチルブチル)、イソプロポキシ、2−メチル−プロポキシおよび3−メチルブトキシである。
【0072】
重合可能な基または反応基Pは、好ましくは、
【化14】

から選択され、式中、Wは、H、Cl、CN、フェニルまたは1〜5個のC原子を有するアルキル基であり、特にH、ClまたはCHであり、WおよびWは、互いに独立してHまたは1〜5個のC原子を有するアルキル基であり、特にH、メチル、エチルまたはn−プロピルであり、W、WおよびWは、互いに独立してCl、1〜5個のC原子を有するオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルであり、Pheは、1,4−フェニレンであり、kおよびkは、互いに独立して0または1である。Pはまた、本明細書に記載された反応基または重合可能な基の保護された誘導体を示す。保護された重合可能な基を有する化合物は、例えば、自発的重合を防ぐべき場合、例えば化合物の貯蔵中などにおいて望ましい。好適な保護基は専門家に知られており、例えばGreene and Greene, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley and Sons, New York (1981)などの文献に記載されており、例えばアセタールまたはケタールまたはこれらの保護形態である。
【0073】
特に好ましいPは、カルボニル部分なしの基であり、好ましくは上記に定義のように
【化15】

CH=CW−(O)k1−およびCH−CH=CH−O−から選択され、特に好ましくはビニル基CH=CH−、ビニルエーテル基CH=CH−O−、プロペニルエーテル基CH−CH=CH−O−または式:
【化16】

で表されるオキセタン基から選択され、最も好ましくはビニルエーテル基である。
【0074】
スペーサー基Spについては、当業者にこの目的で知られている全ての基を用いることができる。スペーサー基Spは、好ましくは式Sp’−Xのものであって、P−Sp−はP−Sp’−X−であり、式中、
Sp’は、30個までのC原子を有するアルキレンであって、これは無置換か、またはF、Cl、Br、IもしくはCNによって一置換もしくは多置換されており、1つまたは2つ以上の隣接していないCH基が、各々の場合互いに独立して、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないような様式で、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−または−C≡C−によって置き換えられることも可能であり、
【0075】
Xは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CY=CY−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、そして、
、R00、YおよびYは、上で与えられた意味の1つを有する。
Xは、好ましくは、−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CX=CX−、−C≡C−または単結合であり、特に、−O−、−S−、−C≡C−、−CX=CX−または単結合である。他の好ましい態様において、Xは、共役系を形成できる基であり、例えば−C≡C−または−CX=CX−、または単結合である。
【0076】
典型的な基Sp’は、例えば、−(CH−、−(CHCHO)−CHCH−、−CHCH−S−CHCH−または−CHCH−NH−CHCH−または−(SiR00−O)−であって、pは2〜12の整数であり、qは1〜3の整数であり、そしてRおよびR00は、上で与えられた意味を有する。
好ましい基Sp’は、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレン−チオエチレン、エチレン−N−メチル−イミノエチレン、1−メチルアルキレン、エチニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
【0077】
他の好ましい態様において、Sp’は、式IV:
【化17】

式中、
およびQは、式IIIにおいて与えられた意味を有し、そして
は、1〜10個のC原子を有するアルキレンまたはアルキレン−オキシ基、または単結合であり、Qとは異なっており、
は重合可能な基Pに結合されている、
で表されるキラル基である。
【0078】
さらに好ましいのは、1つまたは2つ以上の基P−Sp−を有し、Spが単結合である化合物である。
2つのP−Sp基を有する化合物の場合、2つの重合可能な基Pおよび2つのスペーサー基Spはそれぞれ、同一または異なっていることができる。
【0079】
特に好ましいのは、以下の式:
【化18】

【0080】
【化19】

【0081】
【化20】

【0082】
式中、
RおよびR’は、互いに独立して、式IにおけるRの意味の1つを有し、好ましくは1〜12個のC原子を有する直鎖アルキルまたはアルコキシ、または2〜12個のC原子を有するアルケニル、アルケニルオキシまたはアルキニルであり、
R”およびR”’は、互いに独立して、式IにおけるRの意味の1つを有し、好ましくは1〜20個のC原子、非常に好ましくは5〜15個のC原子を有する、直鎖アルキル、アルコキシ、チオアルキルまたはフッ化アルキルであり、
そして式中、芳香環は随意的に、1、2または3個の上に定義されたR基によって置換されている、
で表される、1つまたは2つ以上の繰り返し単位を含む化合物である。
【0083】
特に好ましい式I2で表される化合物は、以下の式:
【化21】

【0084】
【化22】

【0085】
【化23】

式中、P、Sp、R、R’、R”およびR”’は、上に定義の通りであり、そしてLおよびLは、互いに独立してHまたはFであり、そして式中、芳香環は随意的に、1、2または3個の上に定義されたR基によって置換されている、
で表される化合物である。
【0086】
特に好ましい式I1またはI1Aのオリゴマーまたはポリマーは、上記の好ましい式Ia〜Imから選択される繰り返し単位(末端基のRまたはP−Spを含まず)を含むものであり、式中、zは2〜5000、特に20〜1000の整数であり、Arは1,4−フェニレン、2,6−ナフタレン、アルコキシフェニレン、アルキルフルオレン、チオフェン−2,5−ジイル、チエノチオフェン−2,5−ジイルまたはジチエノチオフェン−2,6−ジイルであり、XおよびXはH、CNまたはFであり、そして式中、RおよびRは、互いに独立して、H、ハロゲン、随意的にフッ素化された1〜16個のC原子を有するアルキル、またはP−Sp−である。
【0087】
本発明の化合物または混合物から、重合または共重合によって得られるSCLCPは、重合可能な基Pにより形成される主鎖を有する。
本発明による化合物は、有機化学の標準的著作物、例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Thieme-Verlag, Stuttgartなどに記載された、それ自体知られている方法に従ってまたはそれに類似して合成することができる。幾つかの特定のおよび好ましい方法は、以下の反応スキームに記載される。さらなる方法は、例から得ることができる。
【0088】
本発明によるLC媒体は、少なくとも1種の本発明の化合物、非常に好ましくは式I2の化合物、および、1種または2種以上のネマチックまたはネマトゲニック化合物を含有するネマチックホスト混合物を含むのが、好ましい。
【0089】
好ましくは、LC媒体は、2〜25種類の、好ましくは3〜15種類の混合物からなり、これらの少なくとも1種は式Iの化合物である。ネマチックホスト混合物を形成する他の化合物は、好ましくは、ネマチックまたはネマトゲニック物質から選択される低分子量液晶化合物であり、前記物質とは例えば、既知のクラスのアゾキシベンゼン、ベンジリデン−アニリン、ビフェニル、テルフェニル、安息香酸フェニルもしくはシクロヘキシル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルもしくはシクロヘキシルエステル、シクロヘキシル安息香酸フェニルもしくはシクロヘキシルエステル、シクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸フェニルもしくはシクロヘキシルエステル;安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸およびシクロヘキシルシクロヘキサンカルボン酸のシクロヘキシルフェニルエステル;フェニルシクロヘキサン、シクロヘキシルビフェニル、フェニルシクロヘキシルシクロヘキサン、シクロヘキシルシクロヘキサン、シクロヘキシルシクロヘキセン、シクロヘキシルシクロヘキシルシクロヘキセン、1,4−ビス−シクロヘキシルベンゼン、4,4’−ビス−シクロヘキシルビフェニル、フェニル−もしくはシクロヘキシルピリミジン、フェニル−もしくはシクロヘキシルピリジン、フェニル−もしくはシクロヘキシルピリダジン、フェニル−もしくはシクロヘキシルジオキサン、フェニル−もしくはシクロヘキシル−1,3−ジチアン、1,2−ジフェニル−エタン、1,2−ジシクロヘキシルエタン、1−フェニル−2−シクロヘキシルエタン、1−シクロヘキシル−2−(4−フェニルシクロヘキシル)−エタン、1−シクロヘキシル−2−ビフェニル−エタン、1−フェニル−2−シクロヘキシル−フェニルエタン、随意的に、ハロゲン化スチルベン、ベンジルフェニルエーテル、トラン、置換桂皮酸およびさらなるクラスのネマチックまたはネマトゲニック物質である。これらの化合物中の1,4−フェニレン基はまた、側方で一フッ化または二フッ化されてもよい。
【0090】
これらLC混合物の成分として可能な、最も重要な化合物は、以下の式:
R’−L’−G’−E−R”
式中、
L’およびEは、同一でも異なっていてもよく、各々の場合互いに独立して、−Phe−、−Cyc−、−Phe−Phe−、−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−Pyr−、−Dio−、−B−Phe−および−B−Cyc−並びにそれらの鏡像によって形成される基から選択される二価の基であり、式中、Pheは、無置換かまたはフッ素置換された1,4−フェニレンであり、Cycは、trans−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−シクロヘキセニレンであり、Pyrは、ピリミジン−2,5−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり、Dioは、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、Bは2−(trans−1,4−シクロヘキシル)エーテル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルである、
の特徴を有することができる。
【0091】
これらの化合物中のG’は、以下の二価の基、−CH=CH−、−N(O)N−、−CH=CY−、−CH=N(O)−、−C≡C−、−CH−CH−、−CO−O−、−CH−O−、−CO−S−、−CH−S−、−CH=N−、−COO−Phe−COO−または単結合から選択され、ここでYはハロゲンであり、好ましくは塩素、または−CNである。
R’およびR”は、各々の場合互いに独立して、1〜18個、好ましくは3〜12個のC原子を有する、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルカノイルオキシ、アルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシであり、または代替的に、R’およびR”の1つは、F、CF、OCF、Cl、NCSまたはCNである。
【0092】
これらの化合物のほとんどにおいて、R’およびR”は、各々の場合互いに独立して、異なる鎖長さのアルキル、アルケニルまたはアルコキシであり、ここでネマチック媒体におけるC原子の合計は、一般に2〜9個、好ましくは2〜7個である。
これらの化合物またはその混合物の多くは、市場で入手可能である。これらの化合物の全ては、既知であるか、または、文献に記載されている(例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart)、それ自体知られている方法により、正確にはかかる反応に適した反応条件の下で、製造可能である。それ自体知られている変法の使用もまた可能であるが、ここでは述べない。
【0093】
本発明の他の側面は、1種または2種以上の重合可能な基を含む本発明の化合物に関する。このタイプの非常に好ましい材料は、Rおよび/またはRがP−Sp−を表す、式I2のモノマーである。
本発明の他の側面は、1種または2種以上の本発明の化合物および、随意的に1種または2種以上の重合可能な化合物を含む、重合可能なLC材料に関する。
本発明の他の側面は、上記で定義された重合可能なLC材料から得ることができ、LC相において肉眼的に均一な配向に整列しており、配向状態を固定するために重合または架橋される、異方性ポリマーフィルムに関する。
【0094】
本発明による重合可能な化合物および混合物は、半導体、電荷輸送または発光材料として特に有用であり、なぜならば、それらはそのLC相において既知の技術により、均一で非常に秩序だった配向に整列させることができ、従って、特に高い電荷キャリア移動度を導くより高い秩序を示すからである。高い秩序のLC状態は、in situでの重合または架橋によりP基を介して固定することができ、高い電荷キャリア移動度および、末端の機械的および化学的な高い安定性を有するポリマーフィルムが生産される。この材料はまた、正確な分子の置換に依存するある範囲の波長において、電界を適用すると発光する。さらに、異方性ポリマーフィルムに固定された高い秩序のLC状態は、エレクトロルミネセンスの異方性を生じさせ、ここでこの異方性の偏光はLC配向の分子長軸に対応している。
【0095】
本発明による材料は溶液加工に理想的であり、正孔および電荷輸送層と組み合わせて、OFETまたはOLEDデバイスの一部として好適であり、また好適な作業機能電極構造(workfunction electrode structure)である。
例えば、OLEDまたはOFET要素は、1種または2種以上の式I2の化合物であって、式中RおよびRの一方または両方がP−Sp−を表す該化合物を含む、重合可能なLC材料の、in situでの重合によって作製することができる。例えば溶液中での重合によりLCポリマーが最初に製造される場合は、そして単離されたLCポリマーをデバイス作製に用いる場合は、前記LCポリマーは、式中RおよびRの1つがP−Sp−を表す、1種または2種以上の式Iの化合物を含むLC材料から作製されるのが好ましい。
【0096】
特に好ましいのは、ネマチックおよび/またはスメクチック相を有するLC材料である。OFET用途にはスメクチック材料が特に好ましい。OLED用途には、ネマチック、キラルネマチックまたはスメクチック材料が特に好ましい。
本発明による重合可能な化合物または混合物を、従来技術で知られている他のメソゲンまたはLCモノマーと共重合して、LC相の振舞いを誘導または増強することも可能である。コモノマーに好適な重合可能なメソゲン化合物は従来技術で知られており、例えばWO 93/22397、EP 0 261 712、DE 195 04 224、WO 95/22586、WO 97/00600およびGB 2 351 734に開示されている。しかしこれらの文献に開示された化合物は、単なる例として考えるべきであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0097】
好ましくは、重合可能なLC混合物は、1つの重合可能な官能基を有する少なくとも1種の重合可能なメソゲン化合物、および、2つまたは3つ以上の重合可能な官能基を有する少なくとも1種の重合可能なメソゲン化合物を含む。
本発明による重合可能なLC混合物はまた、1種または2種以上の、非反応性キラルドーパント、またはキラルな重合可能なメソゲン化合物を含む。通常用いられるキラルドーパントは、例えば、市場で入手可能なR−もしくはS−811、R−もしくはS−1011、R−もしくはS−2011、R−もしくはS−3011、R−もしくはS−4011、R−もしくはS−5011またはCB15(Merck KGaA, Darmstadt, Germany)である。非常に好ましいのは、高いらせんねじれ力(HTP)を有するキラル化合物、特に、WO 98/00428に記載されているソルビトール基を含む化合物、GB 2,328,207に記載されているヒドロベンゾイン基を含む化合物、WO 02/94805に記載されているキラルなビナフチル誘導体、WO 02/34739に記載されているキラルなビナフチルアセタール誘導体、WO 02/06265に記載されているキラルなTADDOL誘導体、およびWO 02/06196およびWO 02/06195に記載されている、少なくとも1つのフッ化リンケージ基および末端もしくは中央のキラル基を有するキラルドーパントである。
【0098】
好ましくは、重合は、材料の被覆層のin situでの重合として行われ、好ましくは本発明の半導体または発光材料を含む電子または光学デバイスの製造中に行われる。
OFETの製造の場合は、LC材料は好ましくは、重合の前に、そのLC状態において、共役π電子系が電荷輸送の方向に直角である、ホメオトロピック配向に整列させる。これにより、分子間距離が最小化されることが確実になり、従って分子間で電荷を輸送するのに必要なエネルギーが最小化される。OLEDデバイスにおける使用の場合、例えば、光学フィルムまたは配向層の場合、他の配向、例えば平面、傾斜またはスプレー配向も好ましい。
【0099】
配向LC材料は次に重合または架橋して、LC状態の均一な配向を固定する。整列および硬化は、材料のLC相または中間相において行う。この技術は当分野で知られており、例えばD.J. Broer, et al., Angew. Makromol. Chem. 183, (1990), 45-66に一般的に記載されている。
LC材料の均一な配向は、例えば、材料を被覆した基板を、被覆中またはその後に材料をシアリングすることにより、磁界または電界を被覆された材料に適用することにより、または表面活性化合物を液晶材料に添加することにより、達成できる。配向技術の概説は、例えば、I. Sageにより、”Thermotropic Liquid Crystals”, G. W. Gray編、John Wiley & Sons, 1987の75-77ページ、および、T. Uchida and H. Sekiの”Liquid Crystals - Applications and Uses Vol. 3”, B. Bahadur編、World Scientific Publishing, Singapore 1992, 1-63ページに記載されている。配向材料および技術の概説は、J. Cognardにより、Mol. Cryst. Liq. Cryst. 78, Supplement 1 (1981), 1-77ページに記載されている。
【0100】
重合は、熱または化学線照射に暴露することにより起きる。化学線照射とは、UV光、IR光もしくは可視光などの光による照射、X線もしくはガンマ線による照射または高エネルギー粒子、例えばイオンもしくは電子などによる照射を意味する。好ましくは、重合は、非吸収波長のUV照射により実施する。化学線照射の供給源としては、例えば、単一のUVランプまたはUVランプのセットを用いることができる。高パワーランプを用いる場合、硬化時間を短縮できる。化学線照射の他の供給源はレーザーであり、例えばUVレーザー、IRレーザーまたは可視レーザーである。
【0101】
重合は好ましくは、化学線照射の波長において吸収する重合開始剤の存在下で行う。例えば、UV光により重合する場合、UV照射の下で分解して、重合反応を開始させるフリーラジカルまたはイオンを生成する光重合開始剤を用いることができる。例えば重合可能な材料をアクリレートまたはメタクリレート基により硬化する場合、好ましくはラジカル性UV光重合開始剤を用い、例えば重合可能な材料をビニルエーテル、エポキシドおよびオキセタン基により硬化する場合、好ましくはカチオン性光重合開始剤を用いる。熱せられると分解して、重合反応を開始させるフリーラジカルまたはイオンを生成する重合開始剤を用いることも可能である。ラジカル重合のための光重合開始剤としては、例えば、市場で入手可能な登録商標Irgacure651、Irgacure184、Darocure1173またはDarocure4205(全てCiba Geigy AGより)を用いることができ、カチオン性光重合の場合は、市場で入手可能なUVI6974(Union Carbide)を用いることができる。
【0102】
重合可能な材料は、1種または2種以上の他の好適な成分、例えば、触媒、増感剤、安定剤、抑制剤、連鎖移動剤、共反応モノマー、表面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応希釈剤、補助剤、着色剤、染料または顔料などを、さらに含むことができる。
【0103】
本発明の他の側面は、上記で定義された重合可能な化合物または混合物から、重合または重合類似反応により得られる、液晶側鎖ポリマー(SCLCP)に関する。特に好ましいのは、式I1AまたはI2で表される1種または2種以上のモノマーであって、式中それぞれ、RおよびRまたはR11およびR12の一方または両方が、重合可能または反応基である前記モノマーから得られる、または、1種または2種以上のかかるモノマーを含む重合可能な混合物から得られる、SCLCPである。
本発明の他の側面は、式I1AまたはI2で表される1種または2種以上の化合物であって、式中それぞれ、RおよびRまたはR11およびR12の一方または両方が重合可能な基である、前記化合物から、または上記に定義された重合可能なLC材料から、1種または2種以上の付加的なメソゲンもしくは非メソゲンコモノマーとの共重合またはポリマー類似反応により得られる、SCLCPに関する。
【0104】
側鎖液晶ポリマーまたはコポリマー(SCLCP)であって、半導体成分がペンダント基として位置しており、可撓性のある主鎖から脂肪族スペーサー基によって分離されているものは、非常に秩序だった層状の形態を得る可能性を提供する。この構造は、密接にパックされた共役芳香族メソゲンからなり、ここで非常に密接した(典型的には<4オングストローム)π−πスタッキングを生じさせることができる。このスタッキングにより、分子間電荷輸送がより容易に生じることができ、高い電荷キャリア移動度がもたらされる。SCLCPは、加工の前に容易に合成でき、従って例えば有機溶媒中の溶液から加工できるために、特定の用途に有利である。SCLCPを溶液中で用いる場合、それらは、適切な表面に塗布されると、その中間相温度において自発的に配向することができ、そのため、面積の広い高い秩序のドメインが得られる。
【0105】
SCLCPは、本発明による重合可能な化合物または混合物から、上記の方法により、または当業者に知られている従来の重合技術により、例えばラジカル性、アニオン性またはカチオン性連鎖重合、重付加または重縮合により、製造することができる。重合は、例えば溶液中の重合として、被覆および事前の配向なしで、またはin situでの重合として実施できる。SCLCPの形成は、本発明による化合物の、好適な反応基またはそれらの混合物との、予め合成された等方性もしくは異方正ポリマー主鎖への、ポリマー類似反応におけるグラフティングによっても可能である。例えば、末端にヒドロキシ基を有する化合物を、側方カルボン酸またはエステル基により、ポリマー主鎖に付加することができ、末端にイソシアネート基を有する化合物を、遊離のヒドロキシル基により、主鎖に付加することができ、末端にビニルもしくはビニルオキシ基を有する化合物を、Si−H基により、例えばポリシロキサン主鎖に付加することができる。SCLCPを、本発明の化合物から、従来のメソゲンまたは非メソゲンコモノマーとの共重合またはポリマー類似反応により、形成することも可能である。好適なコモノマーは、当業者に知られている。原理上、所望のポリマー形成反応が可能な反応基または重合可能な基を有することが当分野に知られている、全ての従来のコモノマーを用いることができ、例えば、上記に定義された重合可能なまたは反応基Pを用いることができる。代表的なメソゲン性コモノマーは、例えば、WO 93/22397、EP 0 261 712、DE 195 04 244、WO 95/22586、WO 97/00600およびGB 2 351 734で言及されているものである。代表的な非メソゲン性コモノマーは、例えば、1〜20個のC原子を有するアルキルモノアクリレートもしくはジアクリレートまたはアルキルモノメタクリレートもしくはジメタクリレートであり、例えばメチルアクリレートまたはメチルメタクリレート、トリメチルプロパントリメタクリレート、またはペンタエリトリトールテトラアクリレ−トである。
【0106】
本発明のさらなる側面は、式I1およびI1Aのオリゴマーおよびポリマーの、酸化および還元形態の両方に関する。電子の損失または獲得のいずれかは、非常に非局在化したイオン形態の形成をもたらし、これは高い伝導性を有する。これは、一般のドーパントへの暴露により起こりえる。好適なドーパントおよびドーピングの方法は、例えば、EP 0 528 662、US 5,198,153またはWO 96/21659などから、当業者に知られている。
【0107】
ドーピングのプロセスは典型的には、半導体材料を酸化還元反応において酸化または還元剤により処理して、適用したドーパントからの対応する対イオンと共に、該材料中に非局在化イオン中心を形成することを言う。好適なドーピング方法は、例えば、大気圧または減圧下でのドーピング蒸気への暴露、ドーパントを含む溶液中での電気化学的ドーピング、ドーパントを半導体材料と接触させて熱的に分散させること、および半導体材料中にドーパントをイオン注入することを含む。
【0108】
電子をキャリアとして用いる場合、好適なドーパントは例えば、ハロゲン(例えば、I、Cl、Br、ICl、ICl、IBrおよびIF)、ルイス酸(例えば、PF、AsF、SbF、BF、BCl、SbCl、BBrおよびSO)、プロトン酸、有機酸、またはアミノ酸(例えば、HF、HCl、HNO、HSO、HClO、FSOHおよびClSOH)、遷移金属化合物(例えば、FeCl、FeOCl、Fe(ClO、Fe(4−CHSO、TiCl、ZrCl、HfCl、NbF、NbCl、TaCl、MoF、MoCl、WF、WCl、UFおよびLnCl(式中、Lnはランタノイドである)、アニオン(例えば、Cl、Br、I、I、HSO、SO2−、NO、ClO、BF、PF、AsF、SbF、FeCl、Fe(CN)3−、およびアリールSOなどの種々のスルホン酸のアニオン)である。正孔をキャリアとして用いる場合、ドーパントの例は、カチオン(例えば、H、Li、Na、K、RbおよびCs)、アルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Rb、およびCs)、アルカリ土類金属(例えばCa、Sr、およびBa)、O、XeOF、(NO)(SbF)、(NO)(SbCl)、(NO)(BF)、AgClO、HIrCl、La(NO・6HO、FSOOOSOF、Eu、アセチルコリン、R、(Rはアルキル基)、R(Rはアルキル基)、RAs(Rはアルキル基)、およびR(Rはアルキル基)である。
【0109】
本発明の化合物および材料の導電性形態は、有機「金属」として、用途、例えば、限定はされないが、有機発光ダイオード用途における電荷注入層およびITO平坦化層、フラットパネルディスプレイおよびタッチスクリーンのためのフィルム、帯電防止フィルム、プリント導電基板、電子用途におけるパターンまたはトラクト(tract)、例えばプリント回路基板およびコンデンサーなどに、用いることができる。
【0110】
本発明の化合物、混合物およびポリマーは、光学、電子および半導体または発光材料として有用であり、特に、OFETにおける電荷輸送材料として、IC、RFIDタグまたはTFTの成分として、および電子発光ディスプレイにおけるOLEDのための発光材料として、または例えばLCDなどのバックライトとして、有用である。代替的に、これらは光起電またはセンサー材料として、電子写真記録用に、およびその他の半導体用途に用いることができる。
【0111】
本発明による化合物、混合物およびポリマーは、高いキャアリア移動度を有する、電荷輸送もしくは半導体材料として、またはかかる材料の成分として、特に有用である。特に好ましいのは、式I1、I1AおよびI2で表され、式中R5〜10が、アルキル、アルコキシ、チオアルキルまたはフルオロアルキル基から選択される材料である。かかる側方鎖R5〜10をアントラセン基に導入することは、それらの溶解性、従って溶液加工性を改善する。さらに、かかる側鎖の存在はまた、これらの材料をn型半導体として有効なものにする。フルオロアルキル置換基の電子求引的性質はまた、HOMOをさらに低下させ、酸化されにくい、より安定な材料をもたらす。
【0112】
本発明によるポリマーは、有利な溶解性の特性を示し、これはこれらの化合物の溶液を用いる製造方法を可能とする。従って、層および被覆を含むフィルムを、低価格の製造技術、例えばスピンコーティングにより製造することができる。好適な溶媒または溶媒混合物は、アルカンおよび/または芳香族化合物を含み、特にそれらのフッ化誘導体を含む。
有機半導体材料が、ゲート誘電体およびドレインおよびソース電極の間のフィルムとして配列されている、OFETなどの半導体デバイスは、一般に従来技術で知られており、例えばUS 5,892,244、WO 00/79617およびUS 5,998,804などに記載されている。本発明による化合物の溶解性の特性を用いた、低コスト製造などの利点により、従って大きな表面の加工性により、これらFETの好ましい用途は、集積回路、TFTディスプレイおよび安全保障用途などである。
【0113】
安全保障用途においては、半導体材料を有するOFETおよび他のデバイス、例えばトランジスタまたはダイオードは、IDタグまたは安全保障マークに用いることができ、価値ある書類、例えば銀行券、クレジットカードまたはIDカード、国家のID書類、ライセンスまたは貨幣価値を有する任意の製品、例えば切手、チケット、株、小切手等を認証し、それらの偽造を防ぐことができる。
本発明による材料はまた、肉眼的に整列した電子発光層を、例えば発光デバイスまたはダイオード(OLED)において製造するための方法としても用いることができる。かかるOLEDは、ディスプレイ用途に好適な直線または円偏光のエミッタとして、または液晶ディスプレイのバックライトとして、安全保障素子、抗グレア照明素子(antiglare lighting element)、園芸用照明素子等として用いることができる。
【0114】
一般のOLEDは、典型的には多層構造を用いて実現される。発光層は一般に1つまたは2つ以上の電子輸送層および/または正孔輸送層の間に挟まれている。電圧を印加することにより、電荷キャリアとしての電子および正孔は発光層に向って移動し、そこでそれらの再結合(recombination)により、励起、従って発光層に含まれたlumophor unitの発光が引き起こされる。本発明の化合物、材料およびフィルムは、それらの電気的および/光学的特性に対応して、1つまたは2つ以上の電荷輸送層において、および/または発光層において、用いることができる。さらに、それらの発光層内での使用は、本発明による該化合物、材料およびフィルムがそれ自体で電子発光特性を示すか、または電子発光基もしくは化合物を含む場合に、特に有用である。OLEDにおける使用に好適なモノマー、オリゴマーおよびポリマー化合物および材料の選択、特徴付けおよび加工は、一般に当業者に知られており、例えば、Meerholz, Synthetic Materials, 111-112, 2000, 31-34, Alcala, J. Appl. Phys., 88, 2000, 7124-7128およびその中に引用されている他の文献を参照のこと。
【0115】
他の使用によれば、本発明の化合物、材料およびフィルムで、特に発光特性を示すものは、光源の材料として、例えばEP 0 889 350 A1またはC. Weder et al., Science, 279, 1998, 835-837に記載のディスプレイデバイスの材料として、用いることができる。
【0116】
他の使用によれば、本発明の化合物、材料およびフィルムは、それのみで、または他の材料と共に、配向層中でまたは配向層として、LCDまたはOLEDデバイスにおいて、例えばUS 2003/0021913の記載されるように用いることができる。本発明による電荷輸送化合物の使用は、配向層の電気伝導度を高めることができる。LCDにおいて用いられる場合、この高められた電気伝導度は、スイッチング可能LCDセルにおける有害な残留dc効果を減少でき、像の付着を抑制し、または例えば強誘電体LCDにおいて、強誘電体LCDの自発的な偏光電荷のスイッチングにより生成される残留電荷を減少させる。配向層上に設けられた発光材料を含むOLEDデバイスにおいて用いる場合、この高められた電気伝導度は、発光材料のエレクトロルミネセンスを増強することができる。メソゲン性または液晶特性を有する本発明による化合物または材料は、上記のように配向した異方性フィルムを形成でき、該異方性フィルム上に提供された液晶媒体内の配向を誘導または強化させるのに、特に有用である。本発明による材料はまた、US 2003/0021913に記載されているように、光イソ重合可能な化合物および/または発色団と組み合わせて、光配向層中で、もしくは光配向層として用いることもできる。
【0117】
以下の例は、本発明を限定することなく説明するためにある。本明細書において、他の記載がない限り、全ての温度は摂氏温度で表し、全てのパーセンテージは重量パーセンテージである。以下の略号を、化合物の液晶相の振舞いを示すために用いる:K=結晶;N=ネマチック;S=スメクチック;N,Ch=キラルネマチックまたはコレステリック;I=等方性。これらの記号の間に示される数字は、摂氏温度で表した相転移温度である。
【0118】
例1
2,6−ジ−4’−(2’−フルオロ4−n―プロピルビフェニル)−9,10−ジデコキシアントラセンの合成。(化合物1)
化合物(1)を以下のようにして製造した。
【化24】

【0119】
ステップ1
CuBr(200g、0.857モル)、90%のBuNO(186ml、1.40モル)およびMeCN(3000ml)を一緒に加えて、急速に攪拌しながら熱して60℃にした。2,6−ジアミノアントラキノン(100g、0.420モル)を、MeCN(1000ml)中の半固体溶液として1滴ずつ加えた。NおよびBrを展開させ(evolve)、反応混合物は6℃の発熱線で黒く(CuO)した。茶色の固体をろ過して分離し、次に部分的に、シクロヘキサノン(4lt)中の還流下で再度溶解し、熱い溶液を重力式ろ過により、100℃でセラミックフィルターを用いてろ過した。この方法を同じスケールで6回繰り返して、205gの粗生成物を産出した。混合バッチ(combined batch)を、熱ろ過(hot filtration)によりシクロヘキサノンを用いて再結晶化させて、180gの純生成物を産出した。GC/MS分析では、質量イオン(M366)の純生成物が、微量の三臭素化および一臭素化不純物と共に示された。プロトンNMR分光法により構造を確認した。
【0120】
ステップ2
2,6−ジブロモアントラキノン(30g、0.0819モル)、亜ジチオン酸ナトリウム(31g、0.1モル)、水酸化ナトリウム(12g、0.3モル)、テトラブチルヨウ化アンモニウム(7.2g、0.00324モル)、脱塩水(30ml)およびシクロヘキサノン(500ml)を、還流下97℃で5時間、窒素雰囲気下で熱した。反応混合物は、紫から暗褐色に変わり、アントラキノン二ナトリウム塩の沈殿物が現れた。
【0121】
1−ブロモ−デカン(37.5ml、0.180モル)の溶液を、60℃で、さらに50mlの脱塩水と共に反応混合物に加え、二ナトリウム塩を再度溶解した。反応混合物を次に還流下でさらに24時間熱した。粗生成物を、慣用の抽出法および水性の操作によって単離し、26gの物質を産出した。粗物質は、酢酸エチルからの再結晶化により精製し、純粋な2,6−ジブロモ−9,10−ジデコキシアントラセンを、淡い黄色の固体として得た。
【0122】
ステップ3
2,6−ジブロモ−9,10−ジデコキシアントラセン(4g、6.167mmol)、2’−フルオロ4−n−プロピルビフェニル−4’−ボロン酸(3.3g、12.786mmol)、炭酸ナトリウム(1.5g、14.151mmol)、1,1ビスジフェニルホスフィノフェロセンジクロロパラジウム(II)(0.2g、0.245mmol)および1,4−ジオキサン(20ml)を、窒素雰囲気下で混合して、70℃で18時間熱した。反応混合物は濃い青色になり、これをメタノールに加えた。沈殿物をろ過して分離し、有機部分を暖かいTHFを用いて抽出し、THF溶液をガラス繊維フィルターマットでろ過した。粗生成物は、メタノールで沈殿させ、40−60ガソリンで洗浄した。
【0123】
粗生成物をカラムクロマトグラフィにより精製し、シリカ上95:5のガソリン:酢酸エチル混合物で、溶離液の強さをTHFで増加させつつ溶出した。クロマトグラフィによる生成物をIPA−THF混合物から再結晶化させて、2,6−ジ−4’−(2’−フルオロ4−n−プロピルビフェニル)−9,10−ジデコキシアントラセンを、明るい黄色の純粋物質として産出した。産量2.2g。プロトンNMR分光法およびGC−MSにより、構造を確認した。
純粋化合物は、以下の中間層の振舞いを示した。
K 148 N 215 I加熱
I 213 N 137 K冷却
【0124】
例2
2,6−ビス(1−(4−[7−(1−ビニル−アリルオキシ−カルボニル)ヘプチルオキシ]フェニル)−9,10−ジデコキシアントラセンの合成
化合物(2)は以下に示すようにして製造した。
【化25】

【0125】
ステップ1
2,6−ジブロモ−9,10−ジデコキシアントラセン(6g、9.125mmol)、4−ジヒドロピラニルオキシボロン酸(4.4g、20mmol)、炭酸ナトリウム(5.2g、49.7mmol)、1,1ビスジフェニルホスフィノフェロセンジクロロパラジウム(II)(0.56g、0.696mmol)、THF(150ml)および脱塩水(10ml)を、窒素雰囲気下で混合して、還流下で18時間熱した。
粗2,6−ジ−4−(4−ジヒドロピラニルオキシフェニル)−9,10−ジデコキシアントラセンが反応混合物から沈殿し、これをろ過により分離した。粗生成物は、さらなる精製なしで用いた。産量5g。
【0126】
ステップ2
2,6−ジ−4−(4−ジヒドロピラニルオキシフェニル)−9,10−ジデコキシアントラセン(5g、5.930mmol)を、メタノール/THF混合物(1:5、500ml)中に溶解した。p−トルエンスルホン酸(4g)を加え、反応混合物を攪拌しながら30℃o/nに熱した。得られた溶液を、蒸発により低容量とし、粗生成物をエタノール/水により沈殿させ、ろ過により分離し、エタノールで洗浄して、純粋な2,6−ジ−4−(4−ヒドロキシフェニル)−9,10−ジデコキシアントラセン4gを産出した。プロトンNMR分光法およびGC−MSにより、構造を確認した。
【0127】
ステップ3
2,6−ジ−4−(4−ヒドロキシフェニル)−9,10−ジデコキシアントラセン(3.0g、4.44mmol)、ヨウ化カリウム(1.499g、10mmol)、炭酸カリウム(2.7g、20mmol)、テトラブチルヨウ化アンモニウム(0.2g)およびブタノン(100ml)を、80℃の還流まで熱した。7−ブロモヘプタン酸、2−ヒドロキシ−1,3−ペンタジエニルエステル(2.89g、10mmol)の溶液を反応混合物に加え、一晩還流させた。粗生成物は慣用の抽出法および水性の操作により単離した。粗生成物はカラムクロマトグラフィにより、シリカ上90:10のガソリン:酢酸エチル混合物で溶出して精製した。クロマトグラフィによる生成物をIPA−THF混合物から再結晶化させて、2,6−ビス(1−(4−[7−(1−ビニル−アリルオキシ−カルボニル)ヘプチルオキシ]フェニル)−9,10−ジデコキシアントラセンを、オフホワイト黄色の物質として産出した。産量は2.2g(20%)。プロトンNMR分光法およびGC−MSにより、構造を確認した。
純粋な物質は、133℃の融点を示した。
【0128】
例3
2,6−ビス(1−(4−[7−(1−ビニルオキシ)ヘキシルオキシ]フェニル)−9,10−ジデコキシアントラセンの合成
化合物(3)は以下に示すようにして製造した。
【化26】

【0129】
ステップ1
6−ブロモ−1−ビニルオキシヘキサンを、Percec et al.によるPolymer Bulletin 1991, 26, 15-22に記載の方法に従って製造した。
ステップ2
化合物(3)を、化合物(2)の方法と類似の方法で製造した。
【0130】
2,6−ジ−4−(4−ヒドロキシフェニル)−9,10−ジデコキシアントラセン(3.0g、4.44mmol)、ヨウ化カリウム(1.499g、10mmol)、炭酸カリウム(2.7g、20mmol)、テトラブチルヨウ化アンモニウム(0.2g)およびブタノン(100ml)を、80℃の還流まで熱した。6−ブロモ−1−ビニルオキシヘキサン(5g、24mmol)を反応混合物に加え、一晩還流させた。粗生成物は慣用の抽出法および水性の操作により単離した。粗生成物はカラムクロマトグラフィにより、シリカ上90:10のガソリン:酢酸エチル混合物で溶出して精製した。クロマトグラフィによる生成物をIPA−THF混合物から再結晶化させて、2,6−ビス(1−(4−[7−(1−ビニルオキシ)ヘキシルオキシ]フェニル)−9,10−ジデコキシアントラセンを、オフホワイト黄色の物質として産出した。産量は0.6g(6%)。プロトンNMR分光法およびGC−MSにより、構造を確認した。
純粋な物質は、131℃の融点を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
−(G)− I
式中、Gは、複数ある場合は互いに独立して、
【化1】

であり、
〜R10は、互いに独立して、F、Cl、Br、I、CN、NO、NCS、SF、または1〜30個のC原子を有する直鎖もしくは分枝アルキルであって、無置換か、またはF、Cl、Br、IもしくはCNにより一置換もしくは多置換されており、ここで1つまたは2つ以上の隣接していないCH基は、随意的に、各々の場合互いに独立して、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しない様式で、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CY=CY−または−C≡C−によって置き換えられており、またはP−Spであり、
およびR00は、互いに独立して、Hまたは1〜10個のC原子を有するアルキルであり、
Pは、重合可能な基または反応基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
sおよびtは、互いに独立して、0、1、2または3であり、
gは、複数ある場合は互いに独立して、1、2または3である、
で表される1つまたは2つ以上の同一または異なる基を含む、化合物。
【請求項2】
式I1:
−[(G)−(A)]− I1
式中、Gおよびgは、式Iの意味を有し、
Aは、複数ある場合は互いに独立して、−CX=CX−、−C≡C−、芳香族環または脂環式環、または2個もしくは3個以上の縮合芳香族環もしくは脂環式環を含む基であって、ここでこれらの環は、随意的に、N、OおよびS原子から選択される1個または2個以上のヘテロ原子を含み、そしてまた随意的に、式Iで定義されたRにより一置換または多置換されており、
およびXは、互いに独立して、H、F、ClまたはCNであり、
aは、複数ある場合は互いに独立して、0または1であり、
zは、整数≧1であり、
ここで、複数ある場合は[(G)−(A)]の基は、同一でも異なっていてもよい、
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式I1A:
−[(G)−(A)]−R I1A
式中、G、g、Aおよびzは、式I1の意味を有し、
およびRは、互いに独立して、式IのRの意味の1つを有するか、またはB(OR’)(OR”)、SnR00000またはSiR00000を表し、
0〜000は、互いに独立して、H、1〜12個のC原子を有するアリールまたはアルキルであり、
R’およびR”は、互いに独立して、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルであり、またはOR’およびOR”はホウ素原子と一緒になって、2〜10個のC原子を有する環式基を形成することもできる、
から選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
式I2:
11−(A−Z−(G−Z−(A−Z−(G−(Z−A−R12 I2
式中、GおよびGは、互いに独立して、式IのGの意味の1つを有し、
11およびR12は、互いに独立して、式IのRの意味の1つを有し、
〜Aは、互いに独立して、式I1のAの意味の1つを有し、
〜Zは、互いに独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−S−CO−、−CO−S−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CY=CY−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CHまたは単結合であり、
およびYは、互いに独立して、H、F、ClまたはCNであり、
およびR00は、式Iで与えられた意味を有し、
m、nおよびqは、互いに独立して0、1、2または3であり、
uおよびvは、互いに独立して0、1または2であって、u+v>0である、
から選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
zが、2〜5000の整数であることを特徴とする、請求項3または4に記載の化合物。
【請求項6】
zが、1〜15の整数であることを特徴とする、請求項3または4に記載の化合物。
【請求項7】
およびRの一方または両方が、P−Sp−を表すことを特徴とする、請求項3〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
およびRが、F、Cl、CN、1〜15個のC原子を有するアルキル、オキサアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニルもしくはアルコキシカルボニル、または2〜15個のC原子を有するアルケニル、アルケニルオキシもしくはアルキニルであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
5〜10が、F、Cl、CN、随意的に1個または2個以上のフッ素原子によって置換されたC〜C20−アルキル、C〜C20−アルケニル、C〜C20−アルキニル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−チオアルキル、C〜C20−シリル、C〜C20−エステル、C〜C20−アミノ、C〜C20−フルオロアルキル、(CHCHO)であってmが1〜6の整数のもの、
から選択されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
AおよびA1〜3が、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、チエノチオフェン−2,5−ジイル、ジチエノチオフェン−2,6−ジイル、ピロール−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、アズレン−2,6−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2,6−ジイル、インダン−2,5−ジイル、または1,4−シクロヘキシレンであって、ここで1つまたは2つ以上の隣接していないCH基は、随意的に、Oおよび/またはSにより置き換えられており、ここでこれらの基は、無置換か、請求項1に定義のRによって一置換または多置換されている、
から選択されることを特徴とする、請求項2〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
Pが、ビニルエーテル、プロペニルエーテルまたはオキセタン基であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
以下の式:
【化2】

【化3】

【化4】

式中、
RおよびR’は、互いに独立して、式I1のRの意味の1つを有し、
R”およびR’”は、互いに独立して、式IのRの意味の1つを有し、
そして芳香環は、随意的に、式Iに定義の1、2または3個のR基によって置換されている、
から選択される1つまたは2つ以上の繰り返し単位を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
以下の式:
【化5】

【化6】

【化7】

式中、
PおよびSpは、式Iで与えられる意味を有し、R、R’、R’’およびR’’’は、請求項12で与えられる意味を有し、そしてLおよびLは、互いに独立して、HまたはFであり、そして芳香環は、随意的に、式Iに定義の1、2または3個のR基によって置換されている、
から選択される、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載の少なくとも1種の化合物を含む、LC媒体。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれかに記載の少なくとも1種の化合物、および随意的に少なくとも1種のさらなる化合物を含み、ここで前記化合物の少なくとも1つは重合可能である、重合可能なLC媒体。
【請求項16】
請求項1〜13のいずれかに記載の化合物、または請求項15に記載の重合可能なLC媒体を、重合することにより得る、ポリマー。
【請求項17】
請求項1〜13のいずれかに記載の化合物、または請求項15に記載の重合可能なLC媒体を、その配向状態でフィルム形態において重合することにより得る、異方性ポリマー。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれかに記載の、少なくとも1種の化合物、重合可能LC材料またはポリマーを含む、半導体または電荷移動材料。
【請求項19】
請求項1〜17のいずれかに記載の、少なくとも1種の化合物、重合可能LC材料またはポリマーを含む、発光材料。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれかに記載の化合物、重合可能LC材料、ポリマー、半導体または発光材料の使用であって、電気光学ディスプレイ、LCD、eLCD、光学フィルム、偏光子、補償板、ビームスプリッタ、反射フィルム、配向層、カラーフィルター、ホログラム素子、熱間鍛造フォイル、カラーイメージ、装飾または安全保障マークにおける、例えば、価値ある消費者対象物または書類、LC顔料、接着剤、異方性機械特性を有する合成樹脂、化粧品、薬剤、診断薬、非線形光学素子、光学式情報記憶のための、キラルードパントとしての、例えばOFETなどの電子デバイスにおける集積回路(IC)の要素としての、フラットパネルディスプレイ用途における薄膜トランジスタ(TFT)としてまたは無線IC(RFID)タグのための、有機発光ダイオード(OLED)用途、電子発光ディスプレイもしくはLCDのバックライト用の半導体もしくは発光要素における、光起電もしくはセンサーデバイスのための、バッテリーにおける電極材料としての、光伝導体としての、または電子写真用途または電子写真記録のための、またはLCDもしくはOLEDデバイスにおける配向層としての、前記使用。
【請求項21】
請求項1〜19のいずれかに記載の、化合物、重合可能LC材料、ポリマー、半導体または発光材料を含むことを特徴とする、光学、電気光学もしくは電子デバイス、LCD、eLCD、OLED、OFET、IC、TFTまたは配向層。
【請求項22】
請求項1〜19または21のいずれかに記載の、化合物、重合可能LC材料、ポリマー、半導体または発光材料もしくはデバイスを含む、フラットパネルディスプレイ、RFIDタグ、電子発光ディスプレイまたはバックライトのための、TFTまたはTFTアレイ。
【請求項23】
請求項1〜19、21または22のいずれかに記載の、化合物、重合可能LC材料、ポリマー、半導体または発光材料もしくはデバイスを含む、安全保障マークまたはデバイス。

【公表番号】特表2007−527379(P2007−527379A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518070(P2006−518070)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007089
【国際公開番号】WO2005/005572
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】