説明

置換イミダゾール配合剤

【課題】本発明は、既存の化合物の性質の様々な不都合の1つまたは複数を克服し、かつ/またはその性質に改良を加えたものである。特に、本発明の目標は、その全体が参照により本明細書に援用される公報WO2007/083207に記載され、そこで請求されているものなどのα置換2−ベンジル置換イミダゾールを含む、化合物の配合剤を開発することである。
【解決手段】本発明は、a)α置換2−ベンジル置換イミダゾールと、b)1−N−アリールピラゾールと、任意選択のc)昆虫成長調節剤との組合せを含む組成物、および哺乳動物における殺寄生虫剤としてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換イミダゾールと、置換1−N−アリールピラゾールと、任意選択の昆虫成長調節剤との組合せを含む獣医学的組成物、および哺乳動物における殺寄生虫剤としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳動物、好ましくは動物で使用するための改良された抗寄生虫剤が求められており、特に改良された殺虫剤および殺ダニ剤が求められている。さらに、好都合に投与され、このような抗寄生虫剤の1種または複数を含有し、外部寄生虫、たとえば、昆虫およびダニ類、特にダニやマダニなどのダニ類の効果的な処理に使用することができる改良された局所用製品が求められている。このような製品は、ネコ、イヌ、ウマなどの伴侶動物、およびウシなどの家畜の治療に特に有用となる。バロアダニなどの寄生虫にかかりやすいミツバチなどの昆虫を含めた、哺乳動物以外の動物宿主における寄生虫侵襲を防除する薬剤も同様に求められている。
【0003】
伴侶動物および家畜の殺虫および殺ダニ処置に現在利用できる化合物は、必ずしも十分な活性、十分な作用速度、または長い作用持続時間を示すとは限らない。大部分の処置は、偶発的な摂取による致死性を含めた重大な結果を招きかねない危険な化学薬品を含んでいる。こうした薬剤を適用する者には、一般にその曝露を限定するように勧告がなされる。いくつかの問題を克服するために愛玩動物用の首輪およびタグが利用されているが、これらは噛まれ、摂取されやすい。すなわち、現在のところ、処置は様々な程度に成功を収めており、その成功は、毒性、投与方法、および有効性にある程度左右される。現在、いくつかの薬剤は、寄生虫の抵抗性のために事実上無効になりつつある。
【0004】
農業害虫に対して殺虫および殺ダニ活性を有する複素環誘導体が、当業界、たとえばWO2003/092374で開示されている。
【0005】
α置換2−ベンジルイミダゾールを場合により包含する複素環誘導体についての一般的な開示も当業界に存在する。たとえば、WO2005/007188は、外部寄生虫卵の孵化を阻害するα置換2−ベンジルイミダゾールを場合により包含する一般構造を記載している。公報WO2004/103959は、抗菌剤として使用するα置換2−ベンジルイミダゾールを場合により包含する一般構造を記載している。公報WO2005/028425は、インターロイキン8によって誘発される好中球の走化性を阻害するのに使用するα置換2−ベンジルイミダゾールを場合により包含する一般構造を記載している。公報WO01/00586およびWO99/28300はどちらも、α置換2−ベンジルイミダゾールを場合により包含する一般構造を記載しており、そのアドレナリン作動薬活性を開示している。さらにまた、米国特許第6,103,733号は、血清HDLコレステロールを増加させるα置換2−ベンジルイミダゾールを場合により包含する一般構造を記載している。しかし、これらの引用でα置換2−ベンジルイミダゾールが例示されることもなければ、そうした化合物が伴侶動物および家畜に関係のある一連の寄生虫種、または外部寄生虫の形態学的な生活環段階という範囲に対して有用となることがその従来技術に示されてもいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2003/092374
【特許文献2】WO2005/007188
【特許文献3】WO2004/103959
【特許文献4】WO2005/028425
【特許文献5】WO01/00586
【特許文献6】WO99/28300
【特許文献7】米国特許第6,103,733号
【特許文献8】WO2007/083207
【特許文献9】米国特許第5,232,940号
【特許文献10】欧州特許EP−A−0295117
【特許文献11】米国特許第6,106,864号
【特許文献13】特許公開第WO2005/090313号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「Enantiomers,Racemates and Resolutions」、J.JacquesおよびA.Collet、ニューヨーク州Wiley社刊、1981年
【非特許文献2】「Handbook of Chiral Chemicals」、第8章、D.AgerおよびM.Dekker編、ISBN:0−8247−1058−4
【非特許文献3】E L Elielによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、ニューヨーク州、1994年)
【非特許文献4】StahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH、ドイツ国Weinheim、2002年)
【非特許文献5】HaleblianによるJ Pharm Sci、第64巻(8)、1269〜1288ページ(1975年8月)
【非特許文献6】「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、第14巻、ACS Symposium Series(T HiguchiおよびW Stella)
【非特許文献7】「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987年(E B Roche編、米国薬剤師会)
【非特許文献8】H Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985年)
【非特許文献9】「Design and application of prodrugs」、Textbook of Drug Design and Discovery、(第3版)、2002年、410〜458ページ(Taylor and Francis Ltd.、ロンドン)
【非特許文献10】「Comprehensive Organic Transformations−A Guide to Functional Group Transformations」、RC Larock、Wiley−VCH(1999年版またはその後の版)
【非特許文献11】「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第19版(Mack Publishing Company、1995年)
【非特許文献12】H.LiebermanおよびL.Lachmanによる「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1」、Marcel Dekker、ニューヨーク、1980年(ISBN 0−8247−6918−X)
【非特許文献13】FinninおよびMorganによるJ Pharm Sci、第88巻(10)、955〜958ページ(1999年10月)
【非特許文献14】VermaらのPharmaceutical Technology On−line、第25巻(2)、1〜14ページ(2001年)
【非特許文献15】B.Maqueira、H.Chatwin、P.D.Evans、J.Neurochemistry、2005年、第94巻第2号、547ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、既存の化合物の性質の様々な不都合の1つまたは複数を克服し、かつ/またはその性質に改良を加えたものである。
【0009】
特に、本発明の目標は、その全体が参照により本明細書に援用される公報WO2007/083207に記載され、そこで請求されているものなどのα置換2−ベンジル置換イミダゾールを含む、化合物の配合剤を開発することである。
【0010】
本発明の効果的な配合剤は、少なくとも1種のα置換2−ベンジル置換イミダゾールと、少なくとも1種の置換1−N−アリールピラゾール、たとえば、一般にフィプロニルとして知られている5−アミノ−1−[2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−(トリフルオロメチルスルフィニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルと、任意選択の昆虫成長調節剤、たとえばs−メトプレンとを含む。フィプロニルは、「フロントライン」(Merial、フランス国リヨン)という商品名の市販品である。
【0011】
フロントライントップスポットはフィプロニルを含有し、フロントラインプラスはフィプロニルおよびs−メトプレンを含有する。別の目標は、そのような新しい配合剤の寄生虫に対する活性が従来技術の配合剤と比べて向上することである。本発明の別の目標は、従来技術の化合物と比べて毒性プロフィールが同様または低下している配合剤を開発することである。さらに別の目標は、遍在する動物アドレナリン受容体に優先して既知の無脊椎動物神経伝達物質であるオクトパミン作動性受容体に選択性を示す配合剤を開発することである。さらに、本発明の目標は、少量のスポットオン適用または局所適用として投与することのできる化合物配合剤を開発することによって、ヒトおよび動物の両方が処置の作用を被るのを低減することである。本発明の配合剤は、マダニおよびノミを抑制する特に好適な能力を有し、マダニが宿主動物に付着し、そこから養分を得るのを妨げることができる。本発明のさらに別の目標は、作用速度が十分であり、作用持続時間、薬物動態プロフィールおよび安全性プロフィール、持続性、溶解性、および/または局所的に適用された後の十分な放散などの他の物理化学的性質および製剤特性が従来技術のものと比べて改善されている配合剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、哺乳動物においてマダニ、ノミ、およびダニの寄生を予防し、治療し、忌避し、防除する方法において有用な、本明細書に記載の化合物の配合剤を提供する。配合剤がs−メトプレンを含むとき、有効性が延長されて、ノミ発育の形態学的な段階を防除することができる。配合剤は、s−メトプレンを含んでいようがいまいが、ノミアレルギー皮膚炎を防除し、予防することにもなる。また、本発明は、マダニに起因する疾患、たとえば、ライム病、イヌアナプラズマ症、イヌエーリキア症、イヌリケッチア症、イヌバベシア症の防除および/または予防の助けとなる配合剤を企図する。
【0013】
したがって、本発明によれば、オクトパミン作動薬と、a)式(1)のα置換2−ベンジル置換イミダゾール
【0014】
【化1】

または薬学的もしくは獣医学的に許容できるその塩
[式中、
、R、R、R、Rは、水素、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、1個または複数のヒドロキシ基で置換されていてもよいC1〜4アルキル、1個または複数のC1〜4アルキルまたはハロ基で置換されていてもよいC3〜6シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、フェニル、アミノ、NR、およびS(O)10からなる群からそれぞれ独立に選択され、
は、水素、−C0〜2アルキレンR、−C1〜2アルキレンOR、−C0〜2アルキレンC(O)R、−C1〜2アルキレンOC(O)R、−C1〜2アルキレンOC(O)OR、−C0〜2アルキレンC(O)OR、−C1〜2アルキレンN(H)C(O)R、−C1〜2アルキレンN(R)C(O)R、−C0〜2アルキレンC(O)NHR、−C0〜2アルキレンC(O)NR1516、−C1〜2アルキレンNHC(O)NR1516、−C1〜2アルキレンNRC(O)NR1516、−C1〜2アルキレンOC(O)NHR、−C1〜2アルキレンOC(O)NR1516、−C0〜2アルキレンCH=N(R)、−C1〜2アルキレンP(=O)(NR1516)(NR1516)、−C0〜2アルキレンSi(R、および−C0〜2アルキレンS(O)10からなる群から選択され、
のC0〜2アルキレンまたはC1〜2アルキレンは、化学的に可能な場合、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜4アルキレン(C3〜6シクロアルキル)、C0〜6アルキレンフェニルからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、このC0〜2アルキレンまたはC1〜2アルキレン置換基は、化学的に可能な場合、水素、シアノ、ニトロ、ハロ、ホルミル、オキソ、ヒドロキシ、C(O)OH、C1〜4アルキル、C1〜4アルキレンC3〜6シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキレンC1〜4アルコキシ、−C(O)OC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C1〜4ジアルキルアミノ、およびS(O)10からなる群から選択される1個または複数の置換基でさらに置換されていてもよく、
各R、R15、およびR16は、化学的に可能な場合、水素、C1〜8アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜8シクロアルキル、C1〜4アルキレン(C3〜6シクロアルキル)、C1〜4アルキレンC1〜4アルコキシ、C1〜6ハロアルキル、C0〜6アルキレンフェニル、C0〜6アルキレンナフチル、C0〜6アルキレン(テトラヒドロナフチル)、およびC0〜2アルキレン(Het)からなる群からそれぞれ独立に選択され、Hetは、オキセタニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、フリル、ピリジル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、インドリル、2,3−ベンゾジオキソリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、インドリル、および1,5−ナフチリジニルから選択され、
またはR15およびR16は、これらが結合している窒素と一緒になって、1個または複数の別のN、OもしくはS原子またはSO基を含んでいてもよい飽和または不飽和の3〜7員複素環を形成していてもよく、
上記R、R15、またはR16基はそれぞれ、化学的に可能な場合、水素、シアノ、ニトロ、ハロ、ホルミル、オキソ、ヒドロキシ、C(O)OH、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜4アルキレンC3〜6シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキレンC1〜4アルコキシ、C1〜4アルコキシC1〜4アルコキシ、C1〜4アルカノイル、−C(O)OC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜6ハロシクロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルカノイル、−C(O)OC1〜4ハロアルキル、フェニル、4−ハロフェニル、4−アルコキシフェニル、2−シアノフェニル、フェノキシ、4−ハロフェノキシ、ベンジルオキシ、4−ハロベンジルオキシ、ベンゾイル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−ハロ−4−ピリミジニル、2−フェニルエチル、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C1〜4ジアルキルアミノ、C(O)N(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキレン)C(O)(C1〜4アルキル)、およびS(O)10から選択される任意選択の1個または複数の置換基をそれぞれ独立に含んでよく、
およびRは、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、およびC0〜4アルキレンフェニルからなる群からそれぞれ独立に選択されるが、但し、RおよびRは同時に水素ではなく、
およびRはそれぞれ、化学的に可能な場合、任意選択の1個または複数の置換基をそれぞれ独立に含んでよく、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1〜4アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、−C(O)OC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、およびS(O)10から選択され、
またはRおよびRは、これらが結合している炭素と一緒になって、飽和した炭素環式の3〜6員環を形成していてもよく、この環は、ハロ、C1〜2アルキル、C1〜2アルコキシ、C1〜2ハロアルキル、C1〜2ハロアルコキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
11およびR12は、水素、ハロ、シアノ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択され、
およびRは、水素、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、およびS(O)10からそれぞれ独立に選択され、
各nは、それぞれ独立に0、1または2であり、
各R10は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、4−ハロフェニル、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、およびジC1〜6アルキルアミノである]と、
b)式(X)の置換1−N−アリールピラゾール
【0015】
【化2】

または薬学的もしくは獣医学的に許容できるその塩
[式中、
は、CN、メチル、またはハロゲン原子であり、
は、S(O)、4,5−ジシアノイミダゾール−2−イル、またはハロアルキルであり、
は、アルキルまたはハロアルキルであり、
は、水素もしくはハロゲン原子、またはNR、S(O)、C(O)R、C(O)O−R、アルキル、ハロアルキル、OR、および−N=C(R)(R10)からなる群の一員を表し、
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、またはアルキル、ハロアルキル、C(O)アルキル、アルコキシカルボニル、もしくはS(O)CF基を表し、またはRおよびRは、一緒になって、酸素や硫黄などの1または2個の二価のヘテロ原子を挟んでいてもよい二価のアルキレン基を形成していてもよく、
は、アルキル基またはハロアルキル基を表し、
は、アルキル基、ハロアルキル基、または水素原子を表し、
は、アルキル基または水素原子を表し、
10は、1個もしくは複数のハロゲン原子またはOH、−O−アルキル、S−アルキル、シアノ、およびアルキルからなる群の一員で置換されていてもよいフェニル基またはヘテロアリール基を表し、
11およびR12は、互いに独立に、水素もしくはハロゲン原子、またはともするとCNもしくはNOを表し、
13は、ハロゲン原子、またはハロアルキル、ハロアルコキシ、S(O)CF、もしくはSF基を表し、
m、n、qおよびrは、互いに独立に、0、1または2に等しい整数を表し、
Xは、3価の窒素原子またはC−R12基を表し、その炭素原子の他の3つの原子価位置は芳香環の一部を形成しており、
但し、Rがメチルであるとき、Rはハロアルキル、RはNH、R11はCl、R13はCF、XはNであるか、またはRは4,5−ジシアノイミダゾール−2−イル、RはCl、R11はCl、R13はCF、Xは=C−Clである]と、
任意選択のc)幼若ホルモンを模倣する昆虫成長調節剤であるヒドロプレン、s−メトプレン、またはピリプロキシフェンと
を含む配合剤が提供される。
【0016】
式(1)化合物のR、R、R、RおよびRの定義において、「1個または複数のヒドロキシ基で置換されていてもよいC1〜4アルキル」とは、無置換でも、または任意の利用可能な位置がヒドロキシ基で置換されていてもよい、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。化学的な安定性という理由から、複数のヒドロキシ基で置換されている炭素原子がないことが好ましい。したがって、4個までのヒドロキシ置換基を有するアルキル基が予想される。好ましいのは、ヒドロキシ置換基が2個以下であるアルキル基である。例としては、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、および2,3−ジヒドロキシプロピルが挙げられる。
【0017】
式(1)化合物のR、R、R、RおよびRの定義において、「1個または複数のC1〜4アルキルまたはハロ基で置換されていてもよいC3〜6シクロアルキル」とは、環中に3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味し、無置換でも、または任意の利用可能な位置が1〜4個の炭素原子を有するアルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。アルキル置換基の場合では、そのような置換基が4個以下で存在することが好ましく、そのような置換基が2個以下で存在することがより好ましい。例としては、1−メチルシクロプロピル、2,5−ジメチルシクロペンチル、および4−t−ブチルシクロヘキシルが挙げられる。ハロ置換基の場合では、完全な置換までのどんな程度の置換も予想される。したがって、シクロヘキシルの場合では、11個までのハロ置換基が存在し得る。各ハロ基はそれぞれ独立に選択してよいが、すべてのハロ置換基を同じにすることが好ましい場合もある。ハロは、クロロまたはフルオロであることが好ましい。任意のメチレン位置でのジェミナルな二置換は、一置換よりも好ましいといえる。例としては、2,2−ジクロロシクロプロピルおよびペルフルオロシクロヘキシルが挙げられる。アルキル基とハロ基両方での置換も予想される。例は、2,2−ジフルオロ−1−メチルシクロブチルである。
【0018】
詳細には、α置換2−ベンジル置換イミダゾールは、式(1)の化合物
【0019】
【化3】

または薬学的もしくは獣医学的に許容できるその塩である。
[式中、
、R、R、R、Rは、水素、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、C1〜4アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、アミノ、NR、およびS(O)10からなる群からそれぞれ独立に選択され、
は、水素、−C0〜2アルキレンR、−C1〜2アルキレンOR、−C0〜2アルキレンC(O)R、−C1〜2アルキレンOC(O)R、−C1〜2アルキレンOC(O)OR、−C0〜2アルキレンC(O)OR、−C1〜2アルキレンN(H)C(O)R、−C1〜2アルキレンN(R)C(O)R、−C0〜2アルキレンC(O)NHR、−C0〜2アルキレンC(O)NR1516、−C1〜2アルキレンNHC(O)NR1516、−C1〜2アルキレンNRC(O)NR1516、−C1〜2アルキレンOC(O)NHR、−C1〜2アルキレンOC(O)NR1516、−C0〜2アルキレンCH=N(R)、−C1〜2アルキレンP(=O)(NR1516)(NR1516)、−C0〜2アルキレンSi(R、および−C0〜2アルキレンS(O)10からなる群から選択され、
のC0〜2アルキレンまたはC1〜2アルキレンは、化学的に可能な場合、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜4アルキレン(C3〜6シクロアルキル)、C0〜6アルキレンフェニルからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、このC0〜2アルキレンまたはC1〜2アルキレン置換基は、化学的に可能な場合、水素、シアノ、ニトロ、ハロ、ホルミル、オキソ、ヒドロキシ、C(O)OH、C1〜4アルキル、C1〜4アルキレンC3〜6シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキレンC1〜4アルコキシ、−C(O)OC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C1〜4ジアルキルアミノ、およびS(O)10からなる群から選択される1個または複数の置換基でさらに置換されていてもよく、
各R、R15、およびR16は、化学的に可能な場合、水素、C1〜8アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜8シクロアルキル、C1〜4アルキレン(C3〜6シクロアルキル)、C1〜4アルキレンC1〜4アルコキシ、C1〜6ハロアルキル、C0〜6アルキレンフェニルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
またはR15およびR16は、これらが結合している窒素と一緒になって、1個または複数の別のN、OまたはS原子を含んでいてもよい飽和または不飽和の3〜7員複素環を形成していてもよく、
上記R、R15またはR16基はそれぞれ、化学的に可能な場合、水素、シアノ、ニトロ、ハロ、ホルミル、オキソ、ヒドロキシ、C(O)OH、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜4アルキレンC3〜6シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4アルキレンC1〜4アルコキシ、C1〜4アルカノイル、−C(O)OC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C3〜6ハロシクロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルカノイル、−C(O)OC1〜4ハロアルキル、フェニル、4−ハロフェニル、4−アルコキシフェニル、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C1〜4ジアルキルアミノ、C(O)N(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキレン)C(O)(C1〜4アルキル)、およびS(O)10から選択される任意選択の1個または複数の置換基をそれぞれ独立に含んでもよく、
およびRは、水素、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、およびC0〜4アルキレンフェニルからなる群からそれぞれ独立に選択され、但し、RおよびRは同時に水素ではなく、
およびRはそれぞれ、化学的に可能な場合、水素、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C1〜4アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、−C(O)OC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、およびS(O)10から選択される任意選択の1個または複数の置換基をそれぞれ独立に含んでもよく、
またはRおよびRは、これらが結合している炭素と一緒になって、飽和した炭素環式3〜6員環を形成していてもよく、この環は、ハロ、C1〜2アルキル、C1〜2アルコキシ、C1〜2ハロアルキル、C1〜2ハロアルコキシからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
11およびR12は、水素、ハロ、シアノ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシからなる群からそれぞれ独立に選択され、
およびRは、水素、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、およびS(O)10からそれぞれ独立に選択され、
各nは、それぞれ独立に0、1または2であり、
各R10は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、アミノ、C1〜6アルキルアミノ、およびジC1〜6アルキルアミノである。]
【0020】
、R、R、R、Rはそれぞれ、水素、ハロ(たとえばクロロまたはフルオロ)、C1〜4アルキル(たとえばメチルまたはエチル)、C3〜4シクロアルキル(たとえばシクロプロピル)、C1〜4アルコキシ(たとえば、メトキシまたはエトキシ)、C1〜4ハロアルキル(たとえばトリフルオロメチル、トリフルオロエチル)、C1〜4ハロアルコキシ(たとえばトリフルオロメトキシまたはトリフルオロエトキシ)、S(O)10[nは0であり、R10は好ましくはメチルやエチルなどのC1〜4アルキル、またはトリフルオロメチルやトリフルオロエチルなどのC1〜4ハロアルキルから選択されて、たとえばトリフルオロメチルチオまたはトリフルオロエチルチオを形成している]からそれぞれ独立に選択されることが好ましい。R、R、R、R、Rのそれぞれが、水素、ハロ(たとえばクロロ)、C1〜4アルキル(たとえばメチルまたはエチル)、C1〜4アルコキシ(たとえばメトキシまたはエトキシ)、およびC1〜4ハロアルキル(たとえばトリフルオロメチル、トリフルオロエチル)からそれぞれ独立に選択されることがより好ましい。R、R、R、RおよびRの2つがC1〜4アルキル(たとえばメチルまたはエチル)、好ましくはメチルからそれぞれ独立に選択され、R、R、R、RおよびRの3つがHであることが最も好ましい。RおよびRがC1〜4アルキル(たとえばメチルまたはエチル)、好ましくはメチルから選択され、R、RおよびRが水素であることがさらにより好ましい。
【0021】
は、水素、−C0〜2アルキレンR、−C1〜2アルキレンOR、−C1〜2アルキレンOC(O)R、−C1〜2アルキレンOC(O)OR、−C0〜2アルキレンC(O)OR、−C1〜2アルキレンOC(O)NHR、−C1〜2アルキレンOC(O)NR1516、および−C0〜2アルキレンS(O)10からなる群から選択されることが好ましい。Rは、水素、−C0〜2アルキレンR、−C1〜2アルキレンOR、−C1〜2アルキレンOC(O)R、−C1〜2アルキレンOC(O)OR、および−C0〜2アルキレンC(O)ORからなる群から選択されることがより好ましい。Rは、水素、−C0〜2アルキレンR、−C1〜2アルキレンOC(O)R、および−C0〜2アルキレンC(O)ORからなる群から選択されることがさらにより好ましい。Rは水素であることが最も好ましい。
【0022】
、R15およびR16は、化学的に可能な場合、水素、C1〜8アルキル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル;C3〜8シクロアルキル、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル;C1〜4アルキレン(C3〜6シクロアルキル)、たとえばシクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル;C1〜6ハロアルキル、たとえばフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、フルオロエチル、クロロエチル、トリフルオロエチル、トリフルオロプロピル;およびC0〜6アルキルフェニル、たとえばフェニル、フェニルメチル、フェニルエチルからなる群からそれぞれ独立に選択されることが好ましい。R、R15およびR16は、化学的に可能な場合、水素;C1〜6アルキル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル;C1〜4アルキレン(C3〜6シクロアルキル)、たとえばシクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチルからなる群からそれぞれ独立に選択されることがより好ましい。R、R15およびR16は、化学的に可能な場合、水素およびC1〜4アルキル、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチルからなる群からそれぞれ独立に選択されることがさらにより好ましい。
【0023】
各RおよびRは、水素;C1〜4アルキル(たとえばメチルまたはエチル)、好ましくはメチル;C1〜4ハロアルキル、たとえばトリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリクロロエチルまたはトリフルオロエチル、好ましくはトリフルオロメチル;C1〜4アルコキシ、たとえばメトキシまたはエトキシ、好ましくはメトキシ;ならびにC0〜4アルキレンフェニル、たとえばフェニル、フェニルメチルまたはフェニルエチルからなる群からそれぞれ独立に選択されるが、但し、RおよびRは同時に水素ではないことが好ましい。各RおよびRは、水素およびC1〜4アルキル(たとえばメチルまたはエチル)、好ましくはメチルからなる群からそれぞれ独立に選択されるが、但し、ここでもRおよびRは同時に水素ではないことがより好ましい。Rがメチルであり、Rが水素であることが最も好ましい。
【0024】
11およびR12はそれぞれ、水素、C1〜2アルキル(たとえば、メチルまたはエチル)、好ましくはメチル、およびC1〜2アルコキシ、たとえばメトキシまたはエトキシ、好ましくはメトキシからなる群からそれぞれ独立に選択されることが好ましい。R11およびR12の少なくとも一方が水素であることがより好ましい。R11およびR12が同時に水素であることが最も好ましい。
【0025】
好ましい式1の化合物として、以下で示す立体化学を有する式(IA)および式(IB)の化合物が挙げられる。
【0026】
【化4】

【0027】
式(1A)および(1B)の可変基R1〜6、R8〜9、およびR11〜12は、式(1)について上述したとおりである。
【0028】
より一層好ましい式(1A)および(1B)の化合物は、以下に示す化合物(1A1)および(1B1)であり、
【0029】
【化5】

これは、2−[(1S)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール(1A1)および2−[(1R)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール(1B1)または薬学的もしくは獣医学的に許容できるこれらの塩である。最も好ましいのは、2−[(1S)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール(1A1)である。
【0030】
適切な式(1)の化合物
さらに適切な化合物として、R、R、R、RおよびRの少なくとも1つがそれぞれ独立にC1〜4ハロアルキル、たとえばトリフルオロメチル、トリフルオロエチル、好ましくはトリフルオロメチルであり、R、R、R、RおよびRの他のものがHである化合物が挙げられる。RがC1〜4ハロアルキル、たとえばトリフルオロメチルまたはトリフルオロエチル、好ましくはトリフルオロエチルであり、R、R、RおよびRの他のものがHであることが好ましい。
【0031】
他の適切な化合物として、R、R、R、RおよびRの少なくとも1つがC1〜4アルコキシ、たとえばメトキシまたはエトキシ、好ましくはメトキシからそれぞれ独立に選択され、R、R、R、RおよびRの他のものがHである化合物が挙げられる。RおよびRがC1〜4アルコキシ、たとえばメトキシまたはエトキシ、好ましくはメトキシから選択され、R、RおよびRがHであることが好ましい。
【0032】
他の適切な化合物として、R、R、R、RおよびRの少なくとも1つがそれぞれ独立にハロ、たとえばクロロまたはフルオロであり、R、R、R、RおよびRの他のものがHである化合物が挙げられる。
【0033】
他の適切な化合物として、R、R、R、RおよびRの少なくとも1つがそれぞれ独立にハロ、たとえばクロロまたはフルオロであり、R、R、R、RおよびRの別の1つがそれぞれ独立にC1〜4アルキル、たとえばメチルまたはエチルであり、R、R、R、RおよびRの他のものがHである化合物が挙げられる。
【0034】
適切な化合物として、R基が1炭素アルキレン部分を含むとき、前記アルキレン部分が1または2個の置換基で置換されていてもよい化合物も挙げられる。さらに適切な化合物として、R基が2炭素アルキレン部分を含むとき、前記アルキレン部分は、R置換基が結合しているイミダゾール窒素に関してそれぞれ独立にαまたはβ炭素位で配向していてよい1、2、3または4個の置換基で置換されていてもよい化合物も挙げられる。
【0035】
適切には、RのC0〜2アルキレンまたはC1〜2アルキレンが1個または複数の置換基で置換されているとき、そのような置換基は、水素、C1〜4アルキル、たとえばメチルまたはエチル;C3〜6シクロアルキル、たとえばシクロプロピル;C1〜4アルキレンC3〜6シクロアルキル、たとえばシクロプロピルメチルまたはシクロプロピルエチル;C1〜4アルコキシ、たとえばメトキシまたはエトキシ;C1〜4アルキレンC1〜4アルコキシ、たとえばメトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、またはエトキシエチル;C1〜4ハロアルキル、たとえばフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、または1,1,1−トリフルオロエチル、フェニル、ベンジル、および4−トリフルオロメチルベンジルからなる群からそれぞれ独立に選択されることが好ましい。そのような置換基は、それぞれ独立に、水素、メチル、エチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、フルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、およびフェニルから選択されることがより好ましい。
【0036】
適切な化合物として、Rが−C0〜2アルキレンRからなる群から選択される化合物、好ましくは、RがCHであり、Rが、C1〜8アルキル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル;C3〜8シクロアルキル、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、およびシクロペンチル;C1〜6ハロアルキル、たとえばトリフルオロメチルおよびトリフルオロエチル;ならびにC0〜6アルキレンフェニル、たとえば、置換されて、たとえば4−メトキシフェニルまたは4−トリフルオロメチルフェニルを形成していてもよいフェニルからなる群から選択される化合物も挙げられる。さらに適切な化合物として、Rが−C0〜2アルキレンRからなる群から選択される化合物、好ましくは、Rが追加のアルキレン部分を含まず(すなわち、CアルキレンRであり)、Rが、C1〜8アルキル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル;C3〜8シクロアルキル、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、およびシクロペンチル;C1〜6ハロアルキル、たとえばトリフルオロメチルおよびトリフルオロエチル;ならびにC0〜6アルキレンフェニル、たとえば、置換されて、たとえば4−メトキシフェニルおよび4−トリフルオロメチルフェニルを形成していてもよいフェニルからなる群から選択される化合物も挙げられる。
【0037】
別の群の適切な化合物として、Rが−C1〜2アルキレンORからなる群から選択される化合物、好ましくは、RがCHORであり、RがC1〜8アルキルからなる群から選択される化合物も挙げられる。そのようなそのように置換されたR基の例には、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロポキシメチル、プロポキシエチル、イソプロポキシエチル、ブトキシメチル、s−ブトキシオキシメチル、イソブトキシメチル、t−ブトキシメチル、ブトキシエチル、s−ブトキシオキシエチル、イソブトキシエチル、t−ブトキシエチル、ペンチルオキシメチル、ペンチルオキシエチル、ヘキシルオキシメチル、およびヘキシルオキシエチルが含まれる。
【0038】
さらに別の群の適切な化合物として、Rが−C1〜2アルキレンOC(O)Rからなる群から選択される化合物、好ましくはRがCHOC(O)Rであり、RがC1〜8アルキルであり、このRがさらに置換されていてもよい化合物が挙げられる。そのようなそのように置換されたR基の例には、アセチルオキシメチル、アセチルオキシエチル、プロピオニルオキシメチル、プロピオニルオキシエチル、ブチリルオキシメチル、ブチリルオキシエチル、イソブチリルオキシメチル、イソブチリルオキシエチル、ペンタノイルオキシメチル、ペンタノイルオキシエチル、2−メチルブチリルオキシメチル、2−メチルブチリルオキシエチル、3−メチルブチリルオキシメチル、3−メチルブチリルカルボニルオキシ)−エチル、2,2−ジメチルプロピオニルオキシメチル、2,2−ジメチルプロピオニルオキシエチルヘキサノイルオキシメチル、ヘキサノイルオキシエチル、ヘプタノイルオキシメチル、ヘプタノイルオキシエチルが含まれる。Rが−C1〜2アルキレンOC(O)Rからなる群から選択される化合物、好ましくはRがCHOC(O)Rである化合物のさらに適切な例には、RがC1〜4アルキレン(C3〜6シクロアルキル)、たとえばシクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、およびシクロヘキシルエチルである化合物も含まれる。そのようなそのように置換されたR基の例には、シクロプロピルアセチルオキシメチル、シクロプロピルプロピオニルオキシメチル、シクロブチルアセチルオキシメチル、シクロブチルプロピオニルオキシメチル、シクロペンチルアセチルオキシメチル、シクロペンチルプロピオニルオキシメチル、シクロペンチルブチリルオキシメチル、シクロヘキシルアセチルオキシメチル、シクロヘキシルプロピオニルオキシメチル、シクロプロピルアセチルオキシエチル、シクロプロピルプロピオニルオキシエチル、シクロブチルアセチルオキシエチル、シクロブチルプロピオニルオキシエチル、シクロペンチルアセチルオキシエチル、シクロペンチルプロピオニルオキシエチル、シクロペンチルブチリルオキシエチル、シクロヘキシルアセチルオキシエチル、およびシクロヘキシルプロピオニルオキシエチルが含まれる。Rは、3−シクロペンチルプロピオニルオキシメチルであることが好ましい。そのような化合物では、Rは、好ましくはC1〜8アルキル、より好ましくはエチルまたはt−ブチル、最も好ましくはt−ブチルであることが好ましい。
【0039】
さらに別の群の適切な化合物として、Rが−C1〜2アルキレンOC(O)ORからなる群から選択される化合物、好ましくは、RがCHOC(O)ORであり、RがC1〜8アルキルであり、これがさらに置換されていてもよい化合物が挙げられる。そのようなそのように置換されたR基の例には、メトキシカルボニルオキシメチル、メトキシカルボニルオキシエチル、エトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシエチル、プロポキシカルボニルオキシメチル、プロポキシカルボニルオキシエチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチル、イソプロポキシカルボニルオキシエチル、ブトキシカルボニルオキシメチル、ブトキシカルボニルオキシエチル、イソブトキシカルボニルオキシメチル、イソブトキシカルボニルオキシエチル、ペンチルオキシカルボニルオキシメチル、ペンチルオキシカルボニルオキシエチル、2−メチルブトキシカルボニルオキシメチル、2−メチルブトキシカルボニルオキシエチル、3−メチルブトキシカルボニルオキシメチル、3−メチルブトキシカルボニルオキシエチル、2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシメチル、2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシエチル、ヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、ヘキシルオキシカルボニルオキシエチルが含まれる。Rが−C1〜2アルキレンOC(O)ORからなる群から選択される化合物、好ましくはRがCHOC(O)ORである化合物のさらに適切な例には、RがC3〜6シクロアルキル、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル;C1〜4アルキレン(C3〜6シクロアルキル)、たとえばシクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル;C1〜6ハロアルキル、たとえばトリフルオロメチルおよび2,2,2−トリフルオロエチル;ならびにC0〜6アルキルフェニル、たとえば、さらに置換されて、たとえば4−メトキシフェニルまたは4−トリフルオロメチルフェニル4−メトキシベンジルを形成していてもよいフェニルからなる群から選択される化合物も含まれる。そのようなそのように置換されたR基の例には、シクロプロピルオキシカルボニルオキシメチル、シクロブチルオキシカルボニルオキシメチル、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチルまたはシクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、シクロプロピルオキシカルボニルオキシエチル、シクロブチルオキシカルボニルオキシエチル、シクロペンチルオキシカルボニルオキシエチルまたはシクロヘキシルオキシカルボニルオキシエチル;C1〜4アルキレン(C3〜6シクロアルキル)、たとえばシクロプロピルメチルオキシカルボニルオキシメチル、シクロプロピルエチルオキシカルボニルオキシメチル、シクロブチルメチルオキシカルボニルオキシメチル、シクロブチルエチルオキシカルボニルオキシメチル、シクロペンチルメチルオキシカルボニルオキシメチル、シクロペンチルエチルオキシカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルメチルオキシ、カルボニルオキシメチル、シクロヘキシルエチルオキシカルボニルオキシメチル、シクロプロピルメチルオキシカルボニルオキシエチル、シクロプロピルエチルオキシカルボニルオキシエチル、シクロブチルメチルオキシカルボニルオキシエチル、シクロブチルエチルオキシカルボニルオキシエチル、シクロペンチルメチルオキシカルボニルオキシエチル、シクロペンチルエチルオキシカルボニルオキシエチル、シクロヘキシルメチルオキシカルボニルオキシエチル、シクロヘキシルエチルオキシカルボニルオキシエチル;C1〜6ハロアルキル、たとえばトリフルオロメチルオキシカルボニルオキシメチル、2,2,2−トリフルオロエチルオキシカルボニルオキシメチル、トリフルオロメチルオキシカルボニルオキシエチル、および2,2,2−トリフルオロエチルオキシカルボニルオキシエチル;ならびにC0〜6アルキルフェニル、たとえば、さらに置換されて、たとえば4−メトキシフェニルオキシカルボニルオキシメチル、4−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニルオキシメチル、4−メトキシベンジルオキシカルボニルオキシメチルを形成していてもよいフェニルオキシカルボニルオキシメチルが含まれる。
【0040】
さらにまた別の群の適切な化合物として、Rが−C0〜2アルキレンC(O)ORからなる群から選択される化合物、好ましくは、RがC(O)ORであり、RがC1〜8アルキルであり、これがさらに置換されていてもよい化合物が挙げられる。そのようなそのように置換されたR基の例には、メトキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニルエチル、エトキシカルボニル、エトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルエチル、プロポキシカルボニル、プロポキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルエチル、イソプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルメチル、イソプロポキシカルボニルエチル、ブトキシカルボニル、ブトキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルエチル、イソブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニルメチル、イソブトキシカルボニルエチル、ペンチルオキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニルメチル、ペンチルオキシカルボニルエチル、2−メチルブトキシカルボニル、2−メチルブトキシカルボニルメチル、2−メチルブトキシカルボニルエチル、3−メチルブトキシカルボニル、3−メチルブトキシカルボニルメチル、3−メチルブトキシカルボニルエチル、2,2−ジメチルプロポキシカルボニル、2,2−ジメチルプロポキシカルボニルメチル、2,2−ジメチルプロポキシカルボニルエチル、ヘキシルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルメチル、ヘキシルオキシカルボニルエチルが含まれる。Rが−C0〜2アルキレンC(O)ORからなる群から選択される化合物、好ましくはRがC(O)ORである化合物のさらに適切な例には、RがC0〜6アルキルフェニル、たとえば、置換されて、たとえば4−メトキシフェニル、4−トリフルオロメチルフェニルを形成していてもよいフェニルからなる群から選択される化合物も含まれる。そのようなそのように置換されたR基の例には、フェニルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボニルメチル、およびフェニルオキシカルボニルエチルが含まれる。
【0041】
さらに別の群の適切な化合物として、Rが−C1〜2アルキレンOC(O)NHRからなる群から選択される化合物、好ましくは、RがCHOC(O)NHRであり、RがC1〜8アルキル;C3〜6シクロアルキル、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル;C1〜6ハロアルキル、たとえばトリフルオロメチルおよびトリフルオロエチル;ならびに置換されて、たとえば4−メトキシフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2,4−ジクロロフェニル、4−メトキシフェニルメチル、4−トリフルオロメチルフェニルメチル、2,4−ジクロロフェニルメチル、4−メトキシフェニルエチル、4−トリフルオロメチルフェニルエチル、または2,4−ジクロロフェニルエチルを形成していてもよいC0〜6アルキルフェニル、たとえばフェニル、フェニルメチル、またはフェニルエチルからなる群から選択される化合物が挙げられる。好ましいのは、Rが水素、−C0〜2アルキレンR、および−C1〜2アルキレンOC(O)Rからなる群から選択され、RがC1〜8アルキルからなる群から選択される化合物である。
【0042】
他の適切な化合物は、RまたはRのどちらか1つまたは複数がフェニルであるとき、フェニル基が、フルオロ、クロロ、メトキシ、またはトリフルオロメチルからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい化合物である。適切には、RおよびRが、これらが結合している炭素と一緒になって、飽和した炭素環式3〜6員環を形成しているとき、環は3員環であることが好ましい。
【0043】
別の適切な化合物として、R、R15およびR16が、化学的に可能な場合、ハロ、C1〜4アルキル、好ましくはメチル、C3〜6シクロアルキル、好ましくはシクロペンチル、C1〜4アルコキシ、C1〜4ハロアルキル、好ましくはトリフルオロエチルまたはトリフルオロメチル、ならびにS(O)10、たとえばメチルスルホニルまたはジメチルアミドスルホニルからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい化合物が挙げられる。そのように置換されているR、R15およびR16基の例には、たとえば、分枝状アルキル基、たとえば2−メチルブチル、3−メチルブチル、置換されたスルホニル基、たとえばメチルスルホニルメチル、メチルスルホニルエチル、ジメチルアミドスルホニルメチル、およびジメチルアミドスルホニルエチル、ならびに置換されたフェニル基、たとえば4−クロロフェニル、4−ニトロフェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシフェニル、2,4−ジクロロフェニル、4−クロロフェニルメチル、4−ニトロフェニルメチル、4−フルオロフェニルメチル、4−メトキシフェニルメチル、2,4−ジクロロフェニルメチル、4−クロロフェニルエチル、4−ニトロフェニルエチル、4−フルオロフェニルエチル、4−メトキシフェニルエチル、および2,4−ジクロロフェニルエチルが含まれる。
【0044】
適切には、R15およびR16が、これらが結合している窒素と一緒になって、1個または複数の別のN、OまたはS原子を含んでいてもよい飽和または不飽和の3〜7員複素環を形成しているとき、環が5員または6員環であり、飽和しており、N、OまたはSから選択される別の1個のヘテロ原子を含むことが好ましい。そのような環の適切な例には、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、チアゾリジニル、イソキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルが含まれる。好ましい環としては、ピロリジニル、チアゾリジニル、モルホリニル、またはチオモルホリニルが挙げられる。そのような環は、オキソ、C(O)OH、ハロ、たとえばフルオロまたはクロロ、およびC1〜4アルキル、たとえばメチルまたはエチル、好ましくはメチルからなる群から選択されることが好ましい1個または複数の基でさらに置換されていてもよい。たとえば、任意の複素環硫黄原子が1個または複数のオキソ基で置換されて、たとえば1,1−ジオキソチアゾリジニルまたは1,1−ジオキソチオモルホリニル置換基を形成していてもよい。
【0045】
好ましい置換1−N−アリールピラゾールである式(X)化合物
【0046】
【化6】

は、以下のように規定される化合物である。
は、シアノ、メチル、またはハロであり、
は、S(O)、4,5−ジシアノイミダゾール−2−イル、またはハロアルキルであり、
は、C1〜6アルキルまたはC1〜6ハロアルキルであり、
は、水素、ハロ、NR、S(O)、C(O)R、C(O)O−R、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、−OR、または−N=C(R)(R10)であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C(O)C1〜6アルキル、アルコキシカルボニル、もしくはS(O)CFであり、またはRおよびRは、一緒になって、酸素もしくは硫黄などの1または2個の二価のヘテロ原子を挟んでいてもよい二価のアルキレン基を形成していてもよい。RおよびRを表す、二価のアルキレン基によって形成される環、ならびにRおよびRが結合している窒素原子は、一般に5、6または7員環になってよい。
は、C1〜6アルキルまたはC1〜6ハロアルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、またはC1〜6ハロアルキルであり、
は、水素またはC1〜6アルキルであり、
10は、1個または複数のハロゲン原子、またはOH、−O−C1〜6アルキル、S−C1〜6アルキル、シアノ、およびC1〜6アルキルからなる群の一員で置換されていてもよいフェニルまたはヘテロアリールであり、
11およびR12は、それぞれ独立に、水素、ハロ、シアノ、またはNOであり、
13は、ハロ、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、S(O)qCF、またはSFであり、
m、n、qおよびrは、互いに独立に、0、1または2に等しい整数を表し、
Xは、3価の窒素原子またはC−R12であり、その炭素原子の他の3つの原子価位置は芳香環の一部を形成しており、
但し、Rがメチルであるとき、RはC1〜6ハロアルキル、RはNH、R11はクロロ、R13はCF、XはNであるか、またはRは4,5−ジシアノイミダゾール−2−イル、Rはクロロ、R11はクロロ、R13はCF、Xは=C−クロロである。
【0047】
より好ましい式(X)の化合物は、
がシアノまたはメチルであり、
がS(O)であり、
がC1〜6アルキルまたはC1〜6ハロアルキルであり、
が水素、ハロ、−NR、−S(O)、C(O)R、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、−OR、または−N=C(R)(R10)であり、
およびRが、それぞれ独立に、水素、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C(O)C1〜6アルキル、もしくはS(O)CFであり、またはRおよびRは、一緒になって、酸素もしくは硫黄などの1または2個の二価のヘテロ原子を挟んでいてもよい二価のアルキレン基を形成していてもよく、
がC1〜6アルキルまたはC1〜6ハロアルキルであり、
が水素、C1〜6アルキル、またはC1〜6ハロアルキルであり、
が水素またはC1〜6アルキルであり、
10が、1個または複数のハロ、OH、−O−C1〜6アルキル、S−C1〜6アルキル、シアノ、またはC1〜6アルキルで置換されていてもよいフェニルまたはヘテロアリールであり、
11およびR12がそれぞれ独立に水素またはハロであり、
13がハロ、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、S(O)qCF、またはSFであり、
m、n、qおよびrは、互いに独立に、0、1または2に等しい整数を表し、
Xが3価の窒素原子またはC−R12基であり、その炭素原子の他の3つの原子価位置は芳香環の一部を形成しており、
但し、Rがメチルであるとき、Rがハロアルキル、RがNH、R11がCl、R13がCF、XがNである化合物である。
【0048】
特に、Rがシアノである式(X)の化合物が選択される。RがS(O)であり、好ましくはn=1であり、Rが好ましくはCFもしくはC1〜6アルキル、たとえばメチルもしくはエチルであり、または別法としてn=0であり、Rが好ましくはCFである化合物、ならびにX=C−R12であり、R12がハロゲン原子である化合物も選択される。R11がハロゲン原子である化合物、およびR13がC1〜6ハロアルキル、好ましくはCFである化合物も好ましい。本発明の範囲内では、これらの特徴を2つ以上兼ね備える化合物を選択すると有利となる。
【0049】
好ましい部類の式(X)の化合物は、Rがシアノであり、RがC1〜6ハロアルキルであり、RがNHであり、R11およびR12が互いに独立にハロゲン原子であり、R13がC1〜6ハロアルキルであるような化合物からなる。XがC−R12であることも好ましい。
【0050】
これらの化合物では、RがCFまたはエチルを表すことが好ましい。
【0051】
最も好ましいのは、
がシアノであり、Rが−S(O)CFであり、RがNHであり、R11およびR12が両方ともクロロであり、R13がCFであり、XがCR12である式(X)の化合物、または5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−4−トリフルオロメタンスルフィニル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリルであり、一般名はフィプロニルである。
【0052】
別の群の好ましいα置換2−ベンジルイミダゾールは、式(1C)の化合物である。
【0053】
【化7】

式中、R〜Rは、水素、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、およびシアノから選択され、RはC1〜3アルキルである。R〜Rの少なくとも2つが水素であることが好ましく、R〜Rの少なくとも3つが水素であることがより好ましい。水素でないR〜R基は、クロロ、フルオロ、メチル、エチル、ジフルオロメチル、およびトリフルオロメチルから、より好ましくはフルオロ、クロロ、およびメチルから選択されることが好ましい。Rはメチルまたはエチルであることが好ましく、メチルであることがより好ましい。
【0054】
別の群の好ましいα置換2−ベンジルイミダゾールは、式(1D)の化合物である。
【0055】
【化8】

式中、R〜Rは、水素、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、およびシアノから選択され、Rは、シアノ、ニトロ、ハロ、ホルミル、ヒドロキシ、C(O)OH、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜4アルキレンC3〜6シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、−C(O)OC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルコキシ、ピラゾリル、トリアゾリル、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、およびC1〜4ジアルキルアミノから選択される1個または複数の基で置換されていてもよいフェニルであり、Rは、C1〜3アルキルである。R〜Rの少なくとも2つが水素であることが好ましく、R〜Rの少なくとも3つが水素であることがより好ましい。水素でないR〜R基は、クロロ、フルオロ、メチル、エチル、ジフルオロメチル、およびトリフルオロメチルから、より好ましくはフルオロ、クロロ、およびメチルから選択されることが好ましい。Rは、シアノ、クロロ、フルオロ、ヒドロキシ、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、およびC1〜2ハロアルキルから選択される1または2個の基で置換されていてもよいフェニルであることが好ましい。Rはメチルまたはエチルであることが好ましく、メチルであることがより好ましい。
【0056】
別の群の好ましいα置換2−ベンジルイミダゾールは、式(1E)の化合物である。
【0057】
【化9】

式中、R〜Rは、水素、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、およびシアノから選択され、Rは、フェニル環が、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C(O)OH、C1〜4アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜4アルキレンC3〜6シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、−C(O)OC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシから選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜3アルキレンフェニル、1または2個のC1〜4アルコキシ基で置換されていてもよいC1〜8アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜3アルキレンC3〜6シクロアルキル、ならびにC1〜6ハロアルキルから選択され、Rは、C1〜3アルキルである。R〜Rの少なくとも2つが水素であることが好ましく、R〜Rの少なくとも3つが水素であることがより好ましい。水素でないR〜R基は、クロロ、フルオロ、メチル、エチル、ジフルオロメチル、およびトリフルオロメチルから、より好ましくはフルオロ、クロロ、およびメチルから選択されることが好ましい。Rは、C1〜8アルキルまたはC1〜6ハロアルキルであることが好ましい。Rはメチルまたはエチル、より好ましくはメチルであることが好ましい。
【0058】
別の群の好ましいα置換2−ベンジルイミダゾールは、式(1F)の化合物である。
【0059】
【化10】

式中、R〜Rは、水素、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、およびシアノから選択され、Rは、フェニル環が、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C(O)OH、C1〜4アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜4アルキレンC3〜6シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、−C(O)OC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシから選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜3アルキレンフェニル、1または2個のC1〜4アルコキシ基で置換されていてもよいC1〜8アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜3アルキレンC3〜6シクロアルキル、ならびにC1〜6ハロアルキルから選択され、RはC1〜3アルキルである。R〜Rの少なくとも2つが水素であることが好ましく、R〜Rの少なくとも3つが水素であることがより好ましい。水素でないR〜R基は、クロロ、フルオロ、メチル、エチル、ジフルオロメチル、およびトリフルオロメチルから、より好ましくはフルオロ、クロロ、およびメチルから選択されることが好ましい。Rは、C1〜8アルキルまたはC1〜6ハロアルキルであることが好ましい。Rは、メチルまたはエチルであることが好ましく、メチルであることがより好ましい。
【0060】
別の群の好ましいα置換2−ベンジルイミダゾールは、式(1G)の化合物である。
【0061】
【化11】

式中、R〜Rは、水素、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、およびシアノから選択され、Rは、フェニル環が、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、C(O)OH、C1〜4アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜4アルキレンC3〜6シクロアルキル、C1〜4アルコキシ、−C(O)OC1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、およびC1〜4ハロアルコキシから選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1〜3アルキレンフェニル、1または2個のC1〜4アルコキシ基で置換されていてもよいC1〜8アルキル、C3〜6シクロアルキル、C1〜3アルキレンC3〜6シクロアルキル、ならびにC1〜6ハロアルキルから選択され、RはC1〜3アルキルである。R〜Rの少なくとも2つが水素であることが好ましく、R〜Rの少なくとも3つが水素であることがより好ましい。水素でないR〜R基は、クロロ、フルオロ、メチル、エチル、ジフルオロメチル、およびトリフルオロメチルから、より好ましくはフルオロ、クロロ、およびメチルから選択されることが好ましい。Rは、C1〜8アルキルまたはC1〜6ハロアルキルであることが好ましく、イソブチルであることがより好ましい。Rは、メチルまたはエチルであることが好ましく、メチルであることがより好ましい。
【0062】
本発明の配合剤に用いるより好ましいαベンジル置換イミダゾールは、
2−[(2,3−ジメチルフェニル)(メトキシ)メチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,5−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,4−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(3,4−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−{1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−1H−イミダゾール、
(2,3−ジメチルフェニル)(1H−イミダゾール−2−イル)メタノール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルピバラート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルプロピオナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル 3−メチルブタノアート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルブチラート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル 3−シクロペンチルプロパノアート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル ヘプタノアート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル ペンタノアート、
2−[1−(4−クロロ−3−メチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
1−ベンジル−2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル4−メトキシベンジルカルボナート、
1−(シクロプロピルメチル)−2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−メチル−1H−イミダゾール、
シクロプロピルメチル{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルカルボナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル3−メチルブチルカルボナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルイソプロピルカルボナート、
シクロブチル{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルカルボナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル2,2,2−トリフルオロエチルカルボナート、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−エチル−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−(4−メトキシベンジル)−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−(メトキシメチル)−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール、
4−フルオロフェニル 2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−カルボキシラート、
イソブチル 2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−カルボキシラート、
イソプロピル 2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−カルボキシラート、および
2−[1−(3−メチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
または薬学的もしくは獣医学的に許容できるこれらの塩もしくはプロドラッグからなる群から選択される。
【0063】
本発明の配合剤に用いられるより好ましいαベンジル置換イミダゾールは、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[(1S)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[(1R)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル ピバラート、
{2−[(1S)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルピバラート、
{2−[(1R)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルピバラート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル プロピオナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル 3−メチルブタノアート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル ブチラート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル 3−シクロペンチルプロパノアート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル ヘプタノアート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル ペンタノアート、
2−{1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,5−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(4−クロロ−3−メチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
1−ベンジル−2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル4−メトキシベンジルカルボナート、
1−(シクロプロピルメチル)−2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−メチル−1H−イミダゾール、
シクロプロピルメチル{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルカルボナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル3−メチルブチルカルボナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルイソプロピルカルボナート、
シクロブチル{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルカルボナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル2,2,2−トリフルオロエチルカルボナート、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−エチル−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−(4−メトキシベンジル)−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−(メトキシメチル)−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール、
4−フルオロフェニル 2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−カルボキシラート、
イソブチル 2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−カルボキシラート、
イソプロピル 2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−カルボキシラート、および
2−[1−(3−メチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
または薬学的もしくは獣医学的に許容できるこれらの塩もしくはプロドラッグからなる群から選択される。
【0064】
本発明の配合剤に用いるより一層好ましいαベンジル置換イミダゾール化合物は、2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルピバラート、2−[(1S)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、および{2−[(1S)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルピバラート、または薬学的もしくは獣医学的に許容できるこれらの塩もしくはプロドラッグである。
【0065】
本発明の配合剤に用いる最も好ましいαベンジル置換イミダゾールは、2−[(1S)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾールおよび{2−[(1S)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルピバラート、または薬学的もしくは獣医学的に許容できるこれらの塩もしくはプロドラッグである。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本発明の範囲内には、複数の異性を示す式(1)および式(X)の化合物のすべての立体異性体、たとえば鏡像異性体およびジアステレオ異性体、すべての幾何異性体、ならびにこれらの1種または複数の混合物が含まれる。
【0067】
式(1)の化合物は、1つまたは複数の不斉炭素原子を含んでいる場合もあり、したがって本発明の化合物は、2種以上の立体異性体として存在し得ることを理解されたい。特に、RおよびRが異なる置換基であるとき、これらが結合している炭素原子(ベンジル炭素)に立体中心が存在することを理解されたい。本発明での使用に適する化合物として、ベンジル炭素の絶対立体化学が「S立体配置」である化合物が挙げられる。本発明での使用に適する別の化合物として、ベンジル炭素の絶対立体化学が「R立体配置」である化合物が挙げられる。そのような立体異性体は、既知の技術を使用して当業者によって分割および同定することができる。
【0068】
本発明は、式(1)の化合物の個々の立体異性体ならびにその混合物を包含する。
【0069】
個々の鏡像異性体を調製/単離する従来の技術としては、光学的に純粋な適切な前駆体からのキラル合成、プロキラルな前駆体からの立体選択的な合成、またはたとえば分別結晶もしくキラルな高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ化合物(または塩もしくは誘導体のラセミ化合物)の分割が挙げられる。ここでは、「Enantiomers,Racemates and Resolutions」、J.JacquesおよびA.Collet、ニューヨーク州Wiley社刊、1981年、ならびに「Handbook of Chiral Chemicals」、第8章、D.AgerおよびM.Dekker編、ISBN:0−8247−1058−4を参照されたい。
【0070】
別法として、ラセミ化合物(またはラセミ前駆体)を、光学活性のある適切な化合物、たとえばアルコール、または式(1)化合物が酸性もしくは塩基性部分を含んでいる場合では、酒石酸や1−フェニルエチルアミンなどの酸または塩基と反応させることもできる。得られるジアステレオ異性体混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によって分離し、ジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者によく知られている手段によって、対応する純粋な鏡像異性体に変換することができる。
【0071】
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、0〜50%、通常は2〜20%のイソプロパノール、および0〜5%のアルキルアミン、通常は0.1%のジエチルアミンを含有する炭化水素、通常はヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いる不斉樹脂でのクロマトグラフィー、通常はHPLCを使用して、鏡像異性体を豊富に含む形で得ることができる。溶出液を濃縮すると、濃縮された混合物が得られる。
【0072】
立体異性体の集成体は、当業者に知られている従来の技術によって分離することができる。たとえば、E L Elielによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、ニューヨーク州、1994年)を参照されたい。
【0073】
幾何異性体は、当業者によく知られている従来の技術、たとえばクロマトグラフィーおよび分別結晶によって分離することができる。
【0074】
式(1)および(X)の化合物において、「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードから選択される基を意味する。
【0075】
必要な数の炭素原子を含んでいるアルキル、アルキレン、アルケニル、アルキニル、およびアルコキシ基は、分枝状でなくても、分枝状でもよい。アルキルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、およびt−ブチルが含まれる。アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、およびt−ブトキシが含まれる。アルキレンの例には、−CH2−、−CH(CH)−、および−C−が含まれる。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルが含まれる。
【0076】
疑義を避けるために、本出願では終始、薬学的に許容できる化合物への言及はすべて、獣医学的に許容できる化合物または農学的に許容できる化合物への言及を包含することは理解されよう。さらに、本出願では終始、薬学的活性への言及はすべて、獣医学的活性または農学的活性を包含することも理解されよう。
【0077】
式(1)および(X)の化合物の薬学的もしくは獣医学的に許容できる塩としては、その酸付加塩および塩基の塩が挙げられる。適切な酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から生成されるものである。例としては、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、およびトリフルオロ酢酸塩が挙げられる。適切な塩基の塩は、非毒性の塩を形成する塩基から生成されるものである。例としては、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オールアミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、および亜鉛の塩が挙げられる。
【0078】
式(1)および(X)の化合物のうちのいくつかの薬学的、獣医学的、および農学的に許容できる酸付加塩は、従来の方法で調製することもできる。たとえば、遊離塩基の溶液を、未希釈または適切な溶媒中の適切な酸で処理し、得られる塩を、濾過によって、または反応溶媒を減圧下で蒸発させて単離することができる。適切な塩に関する総説については、StahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH、ドイツ国Weinheim、2002年)を参照されたい。
【0079】
本発明の化合物は、溶媒和していない形態と溶媒和した形態のどちらでも存在し得る。「溶媒和物」という用語は、本明細書では、本発明の化合物と、1つまたは複数の薬学的または獣医学的に許容できる溶媒分子、たとえばエタノールを含む分子錯体について述べるのに使用する。「水和物」という用語は、前記溶媒が水であるときに用いる。本発明による薬学的または獣医学的に許容できる溶媒和物としては、結晶化の溶媒が同位体によって置換されているもの、たとえばDO、d−アセトン、d−DMSOでよい溶媒和物が挙げられる。
【0080】
以下では、また本出願を通して、式(1)および(X)の化合物への言及はすべて、その塩、溶媒和物、および錯体、ならびにその塩の溶媒和物および錯体への言及を包含する。
【0081】
記載したように、本発明は、上で規定したような式(1)および(X)の化合物のすべての多形体を包含する。
【0082】
本発明の範囲内には、上述の溶媒和物とは対照的に、薬物およびホストが化学量論量または非化学量論量で存在するクラスレート、すなわち薬物−ホスト包接錯体などの錯体が含まれる。化学量論量でも非化学量論量でもよい2種以上の有機および/または無機の成分を含有する薬物の錯体も含める。得られる錯体は、イオン化していても、部分的にイオン化していても、またはイオン化していなくてもよい。そのような錯体の総説については、HaleblianによるJ Pharm Sci、第64巻(8)、1269〜1288ページ(1975年8月)を参照されたい。
【0083】
本発明は、1個または複数の原子が、原子番号は同じであるが原子質量または質量数が自然界で通常認められる原子質量または質量数と異なる原子によって置換されている、薬学的もしくは獣医学的に許容できるすべての同位体標識された式(1)および(X)の化合物を包含する。
【0084】
本発明の化合物に含めるのに適する同位体の例には、HやHなどの水素、11C、13C、14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123Iや125Iなどのヨウ素、13Nや15Nなどの窒素、15O、17O、18Oなどの酸素、32Pなどのリン、および35Sなどの硫黄の同位体が含まれる。
【0085】
式(1)および(X)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」は、本発明の範囲内である。したがって、それ自体は薬理活性をほとんどまたは全くもたなくてもよい式(I)および(X)の化合物の特定の誘導体が、動物の身体中または身体上に投与されたとき、宿主または寄生虫により、たとえば加水分解による切断または酵素的な切断によって所望の活性を有する式(1)および/または(X)の化合物に変換される場合がある。そのような誘導体を「プロドラッグ」と呼ぶ。特定の式(I)および(X)の化合物は、それ自体がそれぞれ他の式(I)および(X)の化合物のプロドラッグとして働く場合もあることはわかるであろう。プロドラッグの使用についてのこれ以上の情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、第14巻、ACS Symposium Series(T HiguchiおよびW Stella)および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987年(E B Roche編、米国薬剤師会)で見ることができる。
【0086】
本発明によるプロドラッグは、たとえば、式(I)および(X)の化合物中に存在する適切な官能基を、たとえばH Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985年)に記載されているように、当業者に「pro−部分」として知られている特定の部分で置換することにより生成できる。
【0087】
本発明によるプロドラッグのいくつかの例には、以下のものが含まれる。
(a)式(I)の化合物がカルボン酸官能基(−COOH)を含んでいる場合、そのエステル、たとえば、水素の(C1〜)アルキルでの置換、
(b)式(1)の化合物がアルコール官能基(−OH)を含んでいる場合、そのエーテル、たとえば、水素の(C1〜)アルカノイルオキシメチルでの置換、および
(c)式(I)の化合物が第一級または第二級のアミノ官能基(−NHまたは−NHR、RはHでない)を含んでいる場合、そのアミド、たとえば、一方または両方の水素の(C1〜10)アルカノイルでの置換。
【0088】
本発明によるプロドラッグは、たとえば、RがHである式(1)の化合物を、たとえばH Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985年);「Design and application of prodrugs」、Textbook of Drug Design and Discovery、(第3版)、2002年、410〜458ページ(Taylor and Francis Ltd.、ロンドン);およびその中の参考文献に記載されているように、当業者に「プロドラッグ部分」として知られている特定の部分と反応させることにより生成できる。置換基の例には、アルキルアミン、アリールアミン、アミド、尿素、カルバマート、炭酸塩、イミン、エナミン、イミド、スルフェンアミド、およびスルホンアミドが含まれる。これらの基の炭化水素部分は、C1〜6アルキル、フェニル、ピリジルなどのヘテロアリール、C2〜6アルケニル、およびC3〜8シクロアルキルを含んでおり、上記基はそれぞれ、化学的に可能な場合、ハロ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、およびC1〜6アルコキシからそれぞれ独立に選択される1個または複数のオプションの置換基を含んでよい。
【0089】
前述の例に従う置換基の別の例および他のプロドラッグタイプの例は、上述の参考文献で見ることができる。
【0090】
試験動物に投与され、本発明による宿主によって代謝されるプロドラッグは、体液をサンプリングして式(I)の化合物を調べることで容易に同定することができる。
【0091】
最後に、特定の式(1)の化合物は、それ自体が他の式(I)の化合物のプロドラッグとして働き得る。
【0092】
別の態様では、本発明は、以下に例示するように、式(I)および(X)の化合物、または薬学的、獣医学的、もしくは農学的に許容できるその塩、またはいずれかの存在物の薬学的、獣医学的、もしくは農学的に許容できる(水和物を含めた)溶媒和物の調製方法を提供する。詳細には、式(X)の化合物は、その全体が参照により本明細書に援用される米国特許第5,232,940号または欧州特許EP−A−0295117に記載の方法の1つに従って調製することができる。式(I)の化合物の調製方法は、PCT WO2007/083207に十分に記載されており、参照により本明細書に援用される。
【0093】
当業者ならば、本明細書に記載の方法および/または当技術分野、たとえば本明細書に記載の技術分野で知られている方法を適応させ、または「Comprehensive Organic Transformations−A Guide to Functional Group Transformations」、RC Larock、Wiley−VCH(1999年版またはその後の版)などの標準の教本を使用することにより、本発明の化合物が、参照により本明細書に援用される、本明細書に記載のもの以外の方法によって生成できるはずであることがわかるであろう。
【0094】
本発明の配合剤用に企図される昆虫成長調節剤の化合物の中でも、幼若昆虫成長調節剤である化合物、たとえば、s−メトプレンなどのメトプレン(1−メチルエチル(E,E)−11−メトキシ−3,7,11−トリメチル−2,4−ドデカジエノアート)、アザジラクチン、ジオフェノラン、フェノキシカルブ、ピリプロキシフェン、キノプレン、ヒドロプレン、シロマジン、ルフェヌロンなどが挙げられる。好ましい昆虫成長調節剤はs−メトプレンである。
【0095】
本発明は、式(1)の化合物または薬学的もしくは獣医学的に許容できるその塩、またはどちらかの存在物の薬学的もしくは獣医学的に許容できる溶媒和物と、式(X)の化合物または薬学的もしくは獣医学的に許容できるその塩、またはどちらかの存在物の薬学的もしくは獣医学的に許容できる溶媒和物と、任意選択のs−メトプレンなどの昆虫成長調節剤、さらには薬学的もしくは獣医学的に許容できる希釈剤または担体とを含み、経口、非経口、または局所投与(たとえばスポットオン、マルチスポットオン、ポアオン、ストライプオン、ロールオン、またはコームオン)に適合させることのできる医薬組成物に関する。本発明はまた、式(1)の化合物または薬学的もしくは獣医学的に許容できるその塩、またはどちらかの存在物の薬学的に許容できる溶媒和物と、式(X)の化合物または薬学的もしくは獣医学的に許容できるその塩、またはどちらかの存在物の薬学的もしくは獣医学的に許容できる溶媒和物と、任意選択のs−メトプレンなどの昆虫成長調節剤と、さらには薬学的もしくは獣医学的に許容できる希釈剤または担体とを含み、たとえば式(1)の化合物と式(X)の化合物を含む配合剤の場合では各化合物の同時または逐次の送達を可能にする、二重チャンバー装置などの装置による送達に適合させることのできる医薬組成物に関する。
【0096】
本発明の配合剤の送達に適する医薬組成物およびその調製方法は、当業者には直ちに明白となろう。そのような組成物およびその調製方法は、たとえば「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第19版(Mack Publishing Company、1995年)で見ることができる。
【0097】
薬剤としての使用が企図される本発明の化合物は、結晶生成物または非晶質生成物として投与することができる。こうした化合物は、たとえば、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、または蒸発乾燥などの方法によって、固体充填物、粉末、またはフィルムとして得ることができる。この目的のためにマイクロ波乾燥または高周波乾燥を使用してもよい。
【0098】
化合物を投与することのできる方法としては、カプセル剤、巨丸剤、錠剤、粉末、トローチ剤、咀嚼剤、多粒子およびナノ微粒子、ゲル、固溶体、フィルム、スプレー、または液体製剤による経口投与が挙げられる。液体形態としては、懸濁液、溶液、シロップ、水薬、およびエリキシルが挙げられる。このような製剤は、軟または硬カプセル中の充填剤として用いることができ、通常は担体、たとえば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切な油と、1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤を含む。液体製剤は、たとえば小袋から出した固体を再形成して調製することもできる。経口水薬は、一般に、活性成分を適切な媒質に溶解または懸濁させることによって調製される。液体形態は、本発明に従って、たとえばスポットオン、マルチスポットオン、ポアオン、ストライプオン、ロールオン、またはコームオンとして局所的に適用することもできる。
【0099】
本明細書で記載するように、本発明の化合物は、単独で、または1種または複数の他の本発明の化合物と組み合わせて、または1種または複数の他の薬物と組み合わせて(またはこれらの任意の組合せとして)投与することができる。本発明の化合物は、単独で、または構想されている特定の使用、治療対象となる宿主哺乳動物の特定の種、および関与する寄生虫に相応しい製剤にして投与することができる。一般に、こうした化合物は、1種または複数の薬学的もしくは獣医学的に許容できる賦形剤と合同で製剤として投与される。「賦形剤」という用語は、本明細書では、本発明の化合物以外の任意の成分について述べるのに使用する。賦形剤の選択は、大部分は、特定の投与方式、賦形剤が溶解性および安定性に及ぼす影響、剤形の種類などの要素に応じて決まる。一実施形態では、本発明は、式(1)の化合物、式(X)の化合物、および任意選択のs−メトプレンを含む溶液の0%〜40%(w/v)、好ましくは20%(w/v)の量の任意のグリコールエーテル、好ましくはDPGMME、およびエタノールを企図する。
【0100】
経口投与に有用な組成物は、活性成分を、細かくした適切な希釈剤および/または崩壊剤および/または結配合剤および/または滑沢剤などと混合して調製することができる。考えられる他の成分としては、抗酸化剤、着色剤、着香剤、保存剤、および矯味剤が挙げられる。
【0101】
経口剤形では、薬物は、用量に応じて、剤形の1重量%〜80重量%、より典型的な例では剤形の5重量%〜60重量%を占めてよい。崩壊剤の例には、ナトリウムデンプングリコラート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、低級アルキル置換されたヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、α化デンプン、およびアルギン酸ナトリウムが含まれる。一般に、崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%を占める。
【0102】
結合剤は一般に、錠剤製剤に粘着性の性質を付与するのに使用される。適切な結合剤としては、微結晶セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成のゴム、ポリビニルピロリドン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。希釈剤の例には、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶セルロース、デンプン、および第二リン酸カルシウム二水和物が含まれる。
【0103】
経口製剤は、ラウリル硫酸ナトリウムやポリソルベート80などの界面活性剤、および二酸化ケイ素やタルクなどの滑剤を場合により含んでもよい。存在するとき、界面活性剤は錠剤の0.2重量%〜5重量%を占めてよく、滑剤は錠剤の0.2重量%〜1重量%を占めてよい。
【0104】
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物が挙げられる。滑沢剤は一般に、錠剤の0.25重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜3重量%を占める。
【0105】
好例となる錠剤は、約80%までの薬物、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%〜約10重量%の滑沢剤を含有する。
【0106】
錠剤の製剤については、H.LiebermanおよびL.Lachmanによる「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1」、Marcel Dekker、ニューヨーク、1980年(ISBN 0−8247−6918−X)で論述されている。
【0107】
化合物は、皮膚もしくは粘膜に局所的に、すなわち皮膚上に、または経皮的に投与することができる。これは好ましい投与方法であり、それなりにそのような製剤に特に適した活性化合物を開発することが望ましい。この目的のための典型的な製剤としては、ポアオン、スポットオン、マルチスポットオン、ストライプオン、コームオン、ロールオン、浸液、スプレー、ムース、シャンプー、粉末製剤、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散粉剤、包帯剤、フォーム、フィルム、皮膚パッチ、ウェーハ、植込錠、スポンジ、繊維、絆創膏、およびマイクロエマルジョンが挙げられる。リポソームを使用してもよい。典型的な担体としては、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが挙げられる。浸透性改善剤を混ぜてもよい。たとえば、FinninおよびMorganによるJ Pharm Sci、第88巻(10)、955〜958ページ(1999年10月)を参照されたい。ポアオンまたはスポットオン製剤は、場合によりプロパン−2−オールやグリコールエーテルなどの揮発性成分を加えた状態で、活性成分を、ブチルジゴール、流動パラフィン、不揮発性エステルなどの許容できる液体担体媒体に溶解させることにより調製できる。別法として、ポアオン、スポットオン、またはスプレー製剤は、動物の表面に活性薬剤の残留物を残すために、カプセル化によって調製することができ、その効果によって、式(1)および式(X)の化合物は、確実に作用の持続性が増し、より耐久性のあるものになり得るが、たとえばより水に強いものになり得る。別法として、局所的な配合剤は、第1のチャンバーに、たとえばスポットオン送達に適する、適切な賦形剤、佐剤、崩壊剤などと場合により組み合わされた所定量の式(1)の化合物、さらに第2のチャンバーに、たとえばスポットオン送達に適する、適切な賦形剤、佐剤、崩壊剤などと場合により組み合わされた式(X)の化合物を含有する二重チャンバー装置などの送達装置で投与することもできる。企図される二重のチャンバー型装置では、使用者が作動させると、本発明の配合剤が、同時、逐次、または段階式の投与量でイヌやネコなどの動物に投与されて、マダニ、ノミ、およびダニの予防、治療、または防除がなされることになる。
【0108】
本明細書で企図される配合剤の局所用製剤は、1.0mg/kg〜50mg/kgの式(1)の化合物、好ましくは10mg/kg〜30mg/kgの式(1)の化合物、最も好ましくは15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25mg/kgの式(1)の化合物と共に、1.0mg/kg〜20mg/kgの式(X)の化合物、好ましくは5mg/kg〜10mg/kgの式(X)の化合物、最も好ましくは6mg/kg、6.3mg/kg、6.5mg/kg、6.7mg/kg、6.9mg/kg、または7mg/kgの式(X)化合物を含み得る。s−メトプレンを配合剤に含める場合、本発明は、1.0mg/kg〜10mg/kgのs−メトプレン、好ましくは5mg/kg〜8mg/kg、最も好ましくは6mg/kgのs−メトプレンを企図する。このような量は、本発明によれば獣医学的に許容できるとみなされる。
【0109】
本発明は、記載した配合剤の月1回の投与を企図するが、s−メトプレンの存在によって2〜3カ月毎に間隔を延長することができる。すなわち、s−メトプレンを配合剤に含める場合、そのような配合剤は、2〜3カ月毎またはそれより長い間隔で投与することができる。
【0110】
本発明によるスポットオン適用に適する組成物は、従来の混合手段によって調製することができる。適用される組成物の体積は、1.0mL/kg〜4mL/kg、好ましくは1.3mL/kg〜3mL/kg、最も好ましくは1.33mL/kg〜1.7mL/kg(両端を含める)でよい。
【0111】
驚いたことに、本出願の配合剤は、マダニに対して8時間以内で有効性を示し、忌避率が数週間から1カ月まで延長される。したがって、本発明は、式(1)の化合物と式(X)の化合物と任意選択のs−メトプレンの配合剤を獣医学的に許容できる量で提供するが、この配合剤は、動物において8時間以内でマダニの有効な治療、予防、および防除を実現することができる。すなわち、本発明によれば、s−メトプレンなしの式(1)の化合物と式(X)の化合物の二剤配合剤でも8時間の有効性を実現することができる。
【0112】
本発明の製剤に薬剤を加えて、これを適用する動物表面でのこの製剤の持続性を向上させる、たとえば動物の被毛でのその持続性を向上させてもよい。ポアオンまたはスポットオン製剤として適用される製剤にそのような薬剤を含めることが特に好ましい。そのような薬剤の例としては、アクリルコポリマー、特にフッ化アクリルコポリマーが挙げられる。適切な特定の試薬は、「Foraperle」という商標の試薬(Redline Products Inc、米国テキサス州)である。
【0113】
特定の局所用製剤は、偶発的な経口曝露を最小限に抑えるために、味の悪い添加剤を含んでよい。
【0114】
注射用製剤は、他の物質、たとえば、溶液を血液と等張性にするのに十分な塩またはグルコースを含有してもよい無菌溶液の形で調製することができる。許容できる液体担体としては、ゴマ油などの植物油、トリアセチンなどのグリセリド、安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコールの脂肪酸誘導体などのエステル、ならびにピロリジン−2−オンやグリセロールホルマールなどの有機溶媒が挙げられる。注射用製剤は、最終製剤が0.01〜10重量%の活性成分を含有するように、活性成分を液体担体中に溶解または懸濁させて調製する。
【0115】
別法として、配合剤は、非経口的に、または注射によって血流中、筋肉中、または内臓に直接投与することもできる。非経口投与に適する手段としては、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、脳内、筋肉内、および皮下が挙げられる。非経口投与に適する装置としては、(微細針を含めた)針注射器、無針注射器、および注入技術が挙げられる。非経口製剤は通常、塩、炭水化物、緩衝剤(好ましくはpH3〜9まで)などの賦形剤を含有してよい水溶液であるが、一部の適用例では、無菌の非水性溶液として、または発熱物質を含まない無菌水などの適切な媒体と共に使用するための粉末にした乾燥形態として、より適切に製剤することもできる。たとえば凍結乾燥による無菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者によく知られている標準の製薬技術を使用して、容易に実現することができる。非経口溶液の調製で使用する式(I)の化合物の溶解性は、溶解性改善剤を混ぜるなどの適切な製剤技術を使用して増大させることができる。
【0116】
このような製剤は、標準の医薬または獣医学に関する慣行に従って、従来の方法で調製する。
【0117】
これらの製剤は、その中に含まれている活性化合物の重量に関して、治療を受ける宿主動物の種、感染の重症度およびタイプ、ならびに宿主の体重に応じて様々となる。非経口投与、局所投与、および経口投与では、活性成分の典型的な用量範囲は、動物の体重1kgあたり0.01〜100mgである。この範囲が1kgあたり0.1〜10mgであることが好ましい。
【0118】
製剤は、即時型および/または変更型の制御放出でもよい。制御放出製剤としては、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向化放出、またはプログラム放出を含めた変更型放出製剤が挙げられる。本発明の目的に適する変更型放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散や浸透性粒子および被覆粒子などの他の適切な放出技術の詳細は、VermaらのPharmaceutical Technology On−line、第25巻(2)、1〜14ページ(2001年)で見られる。別法として、本発明の化合物は、活性化合物の変更型放出をもたらす移植デポー剤として投与するための固体、半固体、または揺変性液体として製剤することもできる。そのような製剤の例には、薬物でコートされたステントおよびPGLAマイクロスフェアが含まれる。
【0119】
代替形態として、配合剤は、非ヒト動物に飼料と共に投与することができ、この目的では濃縮された飼料添加剤またはプレミックスを調製して、通常の動物飼料と混合することができる。
【0120】
上述のすべての水性分散液もしくは乳濁液または噴霧用混合物は、たとえば、任意の適切な手段によって、主として一般に1ヘクタールあたり約100〜約1,200L程度の噴霧混合物という比率で噴霧して、作物に適用することができるが、必要性または適用技術に応じて、多めまたは少なめ(たとえば少量または極少量)でもよい。本発明による化合物または組成物は、除去すべき害虫の付いている草木、特に根または葉に好都合に適用される。本発明による化合物または組成物の別の適用法は、薬品混入灌漑法(chemigation)、すなわち、活性成分を含有する製剤を潅漑用水に加えることによるものである。この潅漑は、葉の農薬用のスプリンクラー潅漑でもよいし、または土壌用または浸透移行性農薬用の地表潅漑または地下潅漑でもよい。
【0121】
たとえば噴霧によって適用することのできる濃縮懸濁液は、沈降しない安定な流体生成物が生成されるように調製され(微粉砕)、通常は、約10〜約75重量%の活性成分、約0.5〜約30%の界面活性剤、約0.1〜約10%のチキソトロープ剤、約0〜約30%の適切な添加剤、たとえば、消泡剤、腐食防止剤、安定剤、浸透剤、接着剤、担体として、水、または活性成分がそれに十分に溶解しないもしくは不溶性である有機液体を含有する。ある種の有機固体または無機塩を担体に溶解させると、沈降を防ぐのに、または水の不凍液として役立つ場合もある。
【0122】
水和剤(または噴霧用粉末)は通常、約10〜約80重量%の活性成分、約20〜約90%の固体担体、約0〜約5%の湿潤剤、約3〜約10%の分散剤、必要な場合、約0〜約80%の1種または複数の安定剤および/または他の添加剤、たとえば、浸透剤、接着剤、固結防止剤、着色剤などを含有するように調製する。こうした水和剤を得るには、活性成分を、適切なブレンダーにおいて、多孔質充填剤に含浸させたものでもよい追加の物質と十分に混合し、製粉機または他の適切な粉砕機を使用して粉砕する。これによって、その水和性および懸濁能が有利な水和剤が生成される。このような水和剤は、水に懸濁させて所望のどんな濃度にしてもよく、その懸濁液は、特に植物の葉への適用に非常に有利に用いることができる。
【0123】
水分散性顆粒(水に容易に分散し得る顆粒)は、水和剤に実質的に近い組成を有する。水分散性顆粒は、水和剤について記載した製剤を、湿式経路(細かくした活性成分を、不活性充填剤と少量、たとえば1〜20重量%の水、または分散剤もしくは結合剤の水溶液と接触させた後、乾燥および篩分けする)によって、または乾式経路(圧縮した後、粉砕および篩分けする)によって造粒して調製することができる。
【0124】
したがって、適用方法または組成物もしくはその使用の種類に応じて、製剤された組成物の比率および濃度は様々でよい。概して、節足動物、植物線虫、蠕虫、または原虫の害虫を防除するのに適用する組成物は通常、1種または複数の式(1)の化合物、式(X)の化合物、および任意選択のs−メトプレン、もしくは農薬として許容できるこれらの塩、または全活性成分(すなわち、式(1)の化合物、式(X)の化合物、または農薬として許容できるその塩、ならびに節足動物または植物線虫にとって有毒な他の物質、駆虫薬、抗コクシジア剤、協力剤、微量元素、または安定剤)を約0.00001%〜約95重量%、より詳細には約0.0005%〜約50重量%含有する。用いられる実際の組成物およびその適用速度は、農家、畜産生産者、医学もしくは獣医学従業者、防除技師、または他の当業者によって、所望の効果が実現されるように選択される。
【0125】
本発明の配合剤は、上述の投与方式のいずれかでの使用に向けてその溶解性、溶解速度、矯味、生体利用度、および/または安定性を改善するために、シクロデキストリンおよびその適切な誘導体やポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性の高分子物質と組み合わせてもよい。
【0126】
たとえば、薬物−シクロデキストリン錯体は、大部分の剤形および投与経路に一般に有用であることがわかっている。包接錯体および非包接錯体のどちらを使用してもよい。薬物との直接の錯形成に代わるものとして、シクロデキストリンを補助添加剤として、すなわち担体、希釈剤、または可溶化剤として使用することもできる。これらの目的で最も一般に使用されるのは、α、βおよびγシクロデキストリンである。
【0127】
本発明の配合剤は、殺虫剤、ダニ駆除剤、駆虫剤、殺真菌剤、抗線虫剤、抗原虫剤、殺菌剤、成長調節剤、昆虫病原性の細菌、ウイルス、または真菌を含めた1種または複数の生物活性のある化合物または薬剤と混合して、さらに広い範囲の薬学的、獣医学的、または農学的な有用性を示す、多数の構成要素からなる農薬を生成することもできる。したがって、本発明は、生物学的有効量の本発明の化合物と、少なくとも1種の有効量の追加の生物活性のある化合物または薬剤とを含み、界面活性剤、固体希釈剤、または液体希釈剤の1つまたは複数をさらに含んでよい組成物にも関する。別の特定の活性化合物としては、特許公開第WO05/090313号の39〜44ページに記載のものが挙げられる。
【0128】
たとえば特定の疾患または状態を治療する目的で、活性化合物の組合せを投与することが望ましい場合もあり、その少なくとも1種が本発明による化合物を含有する2種以上の医薬組成物を組成物の共投与に適するキットの形で好都合に組み合わせてよいことは、本発明の範囲内である。
【0129】
したがって、本発明のキットは、その少なくとも1種が本発明による式(1)の化合物を含有し、また別個に式(X)の化合物を含有する、2種以上の別個の医薬組成物と、容器、分割されたボトル、分割されたホイル製袋などの前記組成物を別々に保持する手段とを含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装に使用される見慣れたブリスターパックである。そのようなキットの別の例は、上述した二重チャンバー型装置である。
【0130】
本発明のキットは、たとえば経口と非経口の異なる剤形を投与する、異なる投与間隔で別個の組成物を投与する、または別個の組成物の用量を互いに対して漸増するのに特に適する。服薬遵守を援助するために、キットは通常、投与の説明書を含み、いわゆるメモリーエイドを添えて提供してもよい。
【0131】
本発明の化合物、すなわち式(1)および式(X)の化合物は、ヒト、動物、昆虫、および植物において殺寄生虫剤活性を有する。本発明の化合物は、外部寄生虫の治療に特に有用である。
【0132】
本発明は、式(1)の化合物と式(X)化合物または薬学的もしくは獣医学的に許容できるこれらの塩、またはどちらかの存在物の薬学的もしくは獣医学的に許容できる溶媒和物の配合剤、または前述のもののいずれかを含有する、医薬として使用するための医薬組成物に関する。
【0133】
本発明の別の態様は、寄生虫侵襲を治療する医薬を製造するための、式(1)および(X)の化合物または薬学的もしくは獣医学的に許容できるこれらの塩、またはどちらかの存在物の薬学的もしくは獣医学的に許容できる溶媒和物の使用に関する。
【0134】
一実施形態では、本発明は、ヒトにおいて寄生虫侵襲を治療するための医薬の製造に有用である。
【0135】
一実施形態では、本発明は、動物において寄生虫侵襲を治療するための医薬の製造に有用である。
【0136】
一実施形態では、本発明は、昆虫において寄生虫侵襲を治療するための医薬の製造に有用である。
【0137】
一実施形態では、本発明は、植物において寄生虫侵襲を治療するための医薬の製造に有用である。
【0138】
本発明のさらに別の態様は、哺乳動物における寄生虫侵襲の治療方法であって、有効量の式(1)の化合物、式(X)の化合物または薬学的もしくは獣医学的に許容できるこれらの塩、またはどちらかの存在物の薬学的に許容できる溶媒和物、および任意選択のs−メトプレンによって、または前述のもののいずれかを含有する薬学的もしくは獣医学的組成物によって前記哺乳動物を治療することを含む方法に関する。
【0139】
本発明のさらに別の態様は、哺乳動物における寄生虫侵襲の予防方法であって、有効量の式(1)の化合物、式(X)の化合物または薬学的もしくは獣医学的に許容できるこれらの塩、またはどちらかの存在物の薬学的に許容できる溶媒和物、および任意選択のs−メトプレンによって、または前述のもののいずれかを含有する医薬組成物によって前記哺乳動物を処置する方法に関する。
【0140】
さらに別の実施形態では、本発明はまた、哺乳動物において疾患の伝染を防除する方法であって、有効量の式(1)の化合物、式(X)の化合物または薬学的もしくは獣医学的に許容できるこれらの塩、またはどちらかの存在物の薬学的もしくは獣医学的に許容できる溶媒和物、および任意選択のs−メトプレンによって、または前述のもののいずれかを含有する医薬組成物によって前記哺乳動物を処置する方法に関する。
【0141】
本発明の別の態様によれば、節足動物、植物線虫、または蠕虫の害虫をある場所で防除する方法であって、有効量の式(1)の化合物、式(X)の化合物、または農薬として許容できるその塩で(たとえば適用または投与によって)その場所を処理することを含む方法が提供される。
【0142】
疑義を避けるために、本明細書での「treatment(治療、処置、処理)」への言及は、本明細書では、治癒的、姑息的、および予防的な治療への言及を包含し、(寄生虫および/または害虫などの)「防除」への言及は、死滅させ、忌避し、駆除し、無力にし、抑止し、除去し、軽減し、最小限に抑え、根絶することを包含する。
【0143】
本発明の配合剤は、節足動物害虫の防除において有用である。本発明の配合剤は、特に、獣医学、畜産業、および公衆衛生の維持の分野で以下のものに対して使用することができる。脊椎動物、特に、ヒトおよび家畜、たとえばイヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、家禽、魚類などを含めた温血脊椎動物の内部または外部に寄生する節足動物、たとえば、マダニ(たとえば、マダニ(Ixodes)属の種(たとえばI.scapularis)、ウシマダニ(Boophilus)属の種(たとえばB.microplus)、キララマダニ(Amblyomma)属の種(たとえばA.variegatum)、イボマダニ(Hyalomma)属の種(たとえばH.marginatum)、コイタマダニ(Rhipicephalus)属の種(たとえばR.appendiculatus)、チマダニ(Haemaphysalis)属の種(たとえばH.punctata)、カクマダニ(Dermacentor)属の種(たとえばD.variabilis)、カズキダニ(Ornithodorus)属の種(たとえばO.moubata))、ダニ(たとえばダマリニア(Damalinia)属の種(たとえばD.bovis)、ワグモ(Dermanyssus)属の種(D.gallinae)、ヒゼンダニ(Sarcoptes)属の種(たとえばS.scabiei)、キュウセンヒゼンダニ(Psoroptes)属の種(たとえばP.cuniculi)、ショクヒヒゼンダニ(Chorioptes)属の種(たとえば、C.equi)、ニキビダニ(Demodex)属の種(たとえばD.canis)、ナンヨウツツガムシ(Eutrombicula)属の種(E.sarcina)、ミミヒゼンダニ(Otodectes)属の種(たとえばO.cynotis)、ツメダニ(Cheyletiella)属の種(C.yasguri))を含めたダニ目、別の特定の節足動物害虫として、特許公開第WO2005/090313号に記載のものが含まれる、ハエ目(たとえば、ヤブカ(Aedes)属の種、ハマダラカ(Anopheles)属の種、イエバエ(Muscidae)科の種(たとえばStomoxys calcitransおよびHaematobia irritans)、ヒフバエ(Hypoderma)属の種、ウマバエ(Gastrophilus)属の種、ブユ(Simulium)属の種)、半翅目(たとえば、サシガメ(Triatoma)属の種)、シラミ目(たとえば、ダマリニア(Damalinia)属の種およびケモノホソジラミ(Linognathus)属の種)、ノミ目(たとえば、イヌノミ(Ctenocephalides)属の種)、網翅目(たとえば、ゴキブリ(Periplaneta)属の種およびチャバネゴキブリ(Blatella)属の種)、ならびに膜翅目(たとえばMonomorium pharaonis)。本発明の配合剤は、植物害虫、土壌に生息する害虫、および他の環境害虫の防除の分野においても有用である。
【0144】
本発明は、哺乳動物、特にヒトおよび動物において節足動物害虫を防除するのに特に有用である。好ましくは、本発明は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタなどの家畜およびイヌやネコなどの伴侶動物を含めた動物において節足動物害虫を防除するのに有用である。最も好ましくは、本発明は、イヌおよびネコにおける節足動物害虫の防除に有用である。
【0145】
本発明の配合剤は、人間および家畜にとって有害であり、またはそこに蔓延し、またはその疾患の媒介動物として働く節足動物、たとえば上で言及した節足動物の防除、特にマダニ、ダニ、シラミ、ノミ、ユスリカ、ならびに刺すハエ、不快なハエ、およびハエ症のハエの防除において特に価値がある。本発明の配合剤は、家畜宿主動物の内部に存在し、または皮膚中もしくは皮膚上で養分を得、または動物の血液を吸う節足動物を防除するのに特に有用であり、この目的のために、経口、非経口、経皮、または局所投与することができる。
【0146】
本発明の配合剤は、卵、若虫、幼生、幼若、および成体の段階を含めて、様々な生活環段階の寄生虫の治療および防除のために価値がある。
【0147】
本発明の別の態様によれば、昆虫の節足動物害虫を防除する方法であって、有効量の式(1)の化合物、式(X)の化合物または農薬として許容できるこれらの塩、および任意選択のs−メトプレンによって昆虫を治療することを含む方法が提供される。本発明の配合剤は、ダニ、特にバロアダニによって引き起こされる感染症の治療に使用することもできる。特に、本発明の配合剤は、ミツバチにおけるベロアダニ感染の治療に使用することもできる。
【0148】
本発明の別の態様によれば、植物の節足動物害虫を防除する方法であって、有効量の式(1)の化合物、式(X)の化合物または農薬として許容できるこれらの塩、および任意選択のs−メトプレンによって植物を処理することを含む方法が提供される。本発明の配合剤は、植物の節足動物害虫の防除においても有用である。活性化合物は一般に、節足動物の蔓延を防除しようとする場所に、処理する場所1ヘクタール(ha)あたり活性化合物約0.005kg〜約25kgの比率、好ましくは0.02〜2kg/haで適用する。理想的な条件下では、防除しようとする害虫に応じて、より低い比率で十分な保護がなされる場合もある。一方、有害な気象条件および他の要素には、活性成分をより高い比率で使用する必要がある場合もある。葉面処理では、0.01〜1kg/haの比率を使用することができる。場所は、植物表面、または処理する植物の周囲の土壌とすることが好ましい。
【0149】
本発明の別の態様によれば、森林を保護する方法であって、有効量の式(1)の化合物、式(X)の化合物、または農薬として許容できるこれらの塩で木材植物を処理することを含む方法が提供される。本発明の配合剤は、木材植物(立ち木、伐採木、材木、貯蔵木、または建築材)をハバチまたはカブトムシまたはシロアリによる攻撃から保護するのにも有益である。本発明の配合剤は、未加工であろうと、粉砕されていようと、製品に配合されていようと、穀物、果実、堅果、香辛料、タバコなどの貯蔵製品を、ガ、カブトムシ、およびダニによる攻撃から保護する際に適用される。また天然または(たとえばカーペットまたは織物のような)加工形態の皮革、被毛、羊毛、羽毛などの貯蔵された動物性製品を、ガおよびカブトムシによる攻撃から保護し、貯蔵された肉および魚も、カブトムシ、ダニ、およびハエによる攻撃から保護する。木材植物、貯蔵製品、または家庭用品に局所的に適用する固体または液体組成物は通常、1種または複数の式(1)の化合物または農薬として許容できるその塩を約0.00005〜約90重量%、より詳細には約0.001〜約10重量%含有する。
【0150】
本発明の液体組成物は、通常の農学的用途への適用に加え、たとえば、家屋、屋外もしくは屋内の貯蔵所、または処理区域、容器、もしくは設備、または貯留水もしくは流水を含めて、節足動物(または本発明の化合物によって防除される他の害虫)が蔓延し、または蔓延しやすい生息域または敷地の処理に使用することもできる。
【0151】
本発明はまた、健康状態の良好な動物を清掃する方法であって、その動物に、式(1)、式(X)または獣医学的に許容できる塩、および任意選択のs−メトプレンの配合剤を適用することを含む方法に関する。このような清掃の目的は、ヒトが動物によって媒介される寄生虫侵襲を受けるのを低減または解消し、ヒトが居住する環境を改善することである。
【0152】
生物学アッセイ
以下で述べる試験法の1種または複数を使用して、マダニおよびノミに対する化合物の生物活性を試験した。
【0153】
in vitro研究
接触アッセイを行うと、殺寄生虫剤活性を評価することができる。試験化合物は、溶媒、たとえばイソプロピルアルコールに溶解させることができる。次いで、一定分量の溶液を、内表面積がわかっている(たとえば34.5cm)ガラスバイアルに加えることができる。バイアルを傾け、回転させる間、溶媒を蒸発させ、それによってバイアルを既知の濃度、たとえば0.1μg/cm、1μg/cm、または10μg/cmの試験化合物で等しくコーティングすることができる。次いで、このバイアルにマダニ、ダニ、またはノミを加えることができる。死んでいるおよび動いていないマダニ、ダニ、またはノミを指定の時間間隔(たとえば4、12および24時間)でカウントして、化合物の有効性を評価することができる。
【0154】
別法として、膜血液補給アッセイを行って、化合物の有効性を評価することもできる。試験化合物は、溶媒、たとえばジメチルスルホキシドに溶解させることができる。一定分量の溶液を、クエン酸処理したウシ血液に加えて、一定の化合物濃度(たとえば、1μg/mL、5μg/mLまたは10μg/mL)を実現することができる。一定体積(たとえば5mL)の血液を予め37℃に温め、小さいペトリ皿のふたに加えることができる。ふたに薄膜をかぶせて、ぴったりとした補給膜を形成することができる。ペトリ皿補給膜に取り付けることのできる未処理のガラスバイアルに、マダニ、ダニ、またはノミを加えることができる。マダニ、ダニ、またはノミが一定時間(たとえば2時間)養分を得られるようにする。死んでいる、また動いていないマダニ、ダニ、またはノミを指定の期間(たとえば補給後2、4および24時間)でカウントして、試験化合物の有効性、たとえば[(死んでいるおよび動いていないノミの数)/ノミの総数)×100]を判定することができる。
【0155】
in vivo研究
in vivo研究は、International Cooperation on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Veterinary Products(VICH)および臨床試験の実施の基準(GCP)の原則および慣行に従って実施した。
【0156】
あるin vivo研究では、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPGMME)とエタノール(80:20%v/v)、およびブチル化ヒドロキシルアニソール(BHA)0.1%w/vを使用して、局所用スポットオン製剤を調製した。対照は媒体とした。治療剤T02は30mg/kg(150mg/mL)の化合物(1A1);T03は20mg/kg(100mg/mL)の化合物(1A1)、6.7mg/kg(33.5mg/mL)のフィプロニル、および6mg/kg(30mg/mL)のs−メトプレン;T04は30mg/kg(150mg/mL)の化合物(1A1)、6.7mg/kg(50.4mg/mL)のフィプロニル、および6mg/kg(45mg/mL)のs−メトプレン;T05は30mg/kg(150mg/mL)の化合物(1A1)、6.7mg/kg(33.5mg/mL)のフィプロニル、および6mg/kg(30mg/mL)のs−メトプレンとした。合計40匹のビーグル犬(8匹/投与群)を使用した。イヌは個々に収容した。各治療剤を0日目に投与した。イヌには、30日目に、養分を与えられていない成体ノミのCtenocephalides felis100匹を寄生させた。寄生させてから24時間および48時間後に、死んでいるおよび動いていないノミをカウントした(表1)。表1に示すように、化合物(1A1)は、単独では固有のノミ活性を欠いている。
【0157】
【表1】

【0158】
別のin vivo研究において、DPGMMEとエタノール(80:20%v/v)、およびBHA(0.1%w/v)中に化合物(1A1)、フィプロニル、およびs−メトプレンを含有する局所用スポットオン製剤(T02)を調製した。最終投薬濃度は、化合物(1A1)が20mg/kg、フィプロニルが6.7mg/kg、s−メトプレンが6mg/kgとした。この製剤を、6.7mg/kgのフィプロニルおよび6mg/kgのs−メトプレンの用量を提供する市販品(フロントラインプラス(T03))と比較した。合計30匹の雑種犬(6匹/投与群)を個々に収容した。各イヌには、2、7、14、21、28、30および35日目に、養分を与えられていない成体ノミC.felis100匹を人為的に寄生させた。治療剤は0日目に投与した。それぞれ寄生させてから24時間および48時間後に、死んでいるおよび動いていないノミをカウントした(表2)。
【0159】
【表2】

【0160】
フィプロニルおよびs−メトプレンと組み合わせた化合物(1A1)は、予想外に、35日目にノミを寄生させて24時間以内に、同じ用量のフィプロニルおよびs−メトプレンを含有する市販品より30%高い有効性を示した。
【0161】
別のin vivo研究では、化合物(1A1)およびフィプロニルを含有する局所用スポットオン製剤(T02)を、ラウリン酸(165mg/mL)、BHA(2mg/mL)、およびN−メチルピロリドン(NMP)(十分量v/v)の溶液にして調製した。最終投薬濃度は、化合物(1A1)を20mg/kg(150mg/mL)およびフィプロニルを6.7mg/kg(50mg/mL)とした。この製剤を、6.7mg/kgのフィプロニル用量を提供する市販品(フロントライントップスポット(T03))と比較した。合計52匹の雑種犬およびビーグル犬(8匹/投与群)は、個々に収容した。イヌにはそれぞれ、2、7、14、21および28日目に、養分を与えられていない成体マダニの成体Ixodes ricinus50匹を人為的に寄生させた。治療剤は0日目に投与した。マダニのカウントは、0、7、14、21および28日目に処置を施してから24時間後(忌避効果)および48時間後(殺ダニ性効果)に得た(表3)。
【0162】
【表3】

【0163】
化合物(1A1)とフィプロニルの配合剤では、寄生させてから24時間後のマダニの忌避がフィプロニル単独よりも有意に良好であった。48時間では、この配合剤は、フィプロニル単独よりも有効性の発現が急速であり、ダニ駆除剤としての活性の持続時間が長かった。
【0164】
オクトパミン活性
オクトパミン作動薬をダニ類(たとえばマダニおよびダニ)に適用すると、未処理のマダニと比べて異なる挙動変化を引き起こす。処理されたマダニは、撹乱され、常に移動するようになり、これによって、化合物が適用された宿主動物上で、マダニが付着し、養分を得るのが妨げられる。通常のマダニの挙動は、外部からの他の刺激をすべて除去すると、静止状態になるものである。撹乱および移動を実験室にてin vitroで測定して、in vivoでの有効性および効力を予測することができる。
【0165】
当業者ならば、B.Maqueira、H.Chatwin、P.D.Evans、J.Neurochemistry、2005年、第94巻第2号、547ページに記載の方法を適合させることにより、CHO細胞中で発現させた昆虫オクトパミン受容体に対するアゴニスト活性を測定することもできるはずである。化合物の活性は、当業者に知られている様々な方法によってcAMPの増加として測定することができ、%Vmax(Vmax=最大オクトパミン応答)およびEC50として記録することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のa)式(1)の化合物、または薬学的もしくは獣医学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグ
【化1】

[式中、
、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4アルコキシ、またはC1〜4ハロアルキルであり、
は、水素、−C0〜2アルキレンR、−C1〜2アルキレンOR、−C1〜2アルキレンOC(O)R、−C1〜2アルキレンOC(O)OR、または−C0〜2アルキレンC(O)ORであり、
は、水素、C1〜6アルキル、またはC1〜4アルキレン(C3〜6シクロアルキル)であり、
およびRは、それぞれ独立に、水素またはC1〜4アルキルであり、但し、RおよびRは同時に水素ではなく、
11およびR12は、それぞれ独立に、水素、C1〜2アルキル、またはC1〜2アルコキシである]と、
b)有効量の式(X)の化合物、または薬学的もしくは獣医学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグ
【化2】

[式中、
は、シアノまたはメチルであり、
は、S(O)であり、
は、C1〜6アルキルまたはC1〜6ハロアルキルであり、
は、NHであり、
およびRは、それぞれ独立に、水素、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、C(O)C1〜6アルキル、または−S(O)CFであり、
は、C1〜6アルキルまたはC1〜6ハロアルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、またはC1〜6ハロアルキルであり、
は、水素またはC1〜6アルキルであり、
11およびR12は、それぞれ独立に、水素またはハロであり、
13は、ハロ、C1〜6ハロアルキル、C1〜6ハロアルコキシ、−S(O)qCF、またはSFであり、
n、qおよびrは、それぞれ独立に、整数0、1または2であり、
Xは、NまたはC−R12であり、
但し、Rがメチルであるとき、RはC1〜6ハロアルキル、R11はクロロ、R13はCF、XはNである]と、
任意選択のc)幼若ホルモンを模倣する昆虫成長調節剤と、薬学的または獣医学的に許容できる希釈剤または担体とを含む組成物。
【請求項2】
前記昆虫成長調節剤が、s−メトプレン、ヒドロプレン、またはピリプロキシフェンからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
哺乳動物においてマダニ、ノミ、およびダニを予防、治療、または防除する方法であって、前記哺乳動物に有効量の請求項1に記載の組成物を投与することを含む方法。
【請求項4】
組成物をスポットオン、マルチスポットオン、ポアオン、ストライプオン、またはコームオン組成物として投与する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
組成物をスポットオン組成物として投与し、哺乳動物がイヌまたはネコである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
有効量のa)化合物(1A1)
【化3】

または薬学的もしくは獣医学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、
b)有効量の式(X)の化合物
【化4】

または薬学的もしくは獣医学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグ
[式中、
XはC−R12であり、
はシアノであり、
は−S(O)CFであり、
はNHであり、
11およびR12はクロロであり、
13はCFである]と、
任意選択のc)幼若ホルモンを模倣する、ヒドロプレン、s−メトプレン、またはピリプロキシフェンである昆虫成長調節剤と、薬学的または獣医学的に許容できる希釈剤または担体とを含む組成物。
【請求項7】
昆虫成長調節剤がs−メトプレンである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
1.0mg/kg〜50mg/kgの化合物(1A1)と、1.0mg/kg〜20mg/kgの式(X)の化合物と、任意選択の1mg/kg〜10mg/kgのs−メトプレンとを含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
哺乳動物においてマダニ、ノミ、およびダニを予防、治療、または防除する方法であって、前記哺乳動物に、有効量の請求項6に記載の組成物を投与することを含む方法。
【請求項10】
組成物をスポットオン、マルチスポットオン、ポアオン、ストライプオン、またはコームオン組成物として投与する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
組成物をスポットオン組成物として投与する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
哺乳動物がイヌまたはネコである、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
有効量のa)
2−[(2,3−ジメチルフェニル)(メトキシ)メチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,5−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,4−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(3,4−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−{1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−1H−イミダゾール、
(2,3−ジメチルフェニル)(1H−イミダゾール−2−イル)メタノール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルピバレート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルプロピオナート、
3−メチルブタン酸{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル 3−メチルブタノアート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルブチラート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル 3−シクロペンチルプロパノアート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル ペプタノアート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル ペンタノアート、
2−[1−(4−クロロ−3−メチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
1−ベンジル−2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル4−メトキシベンジルカルボナート、
1−(シクロプロピルメチル)−2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−メチル−1H−イミダゾール、
シクロプロピルメチル{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルカルボナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル3−メチルブチルカルボナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルイソプロピルカルボナート、
シクロブチル{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルカルボナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル2,2,2−トリフルオロエチルカルボナート、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−エチル−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−(4−メトキシベンジル)−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−(メトキシメチル)−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール、
4−フルオロフェニル2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−カルボキシラート、
イソブチル2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−カルボキシラート、
イソプロピル2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−カルボキシラート、
2−[1−(3−メチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[(1R)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルピバラート、
{2−[(1S)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルピバラート、
{2−[(1R)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルピバラート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルプロピオナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル 3メチルブタノアート
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル ブチラート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル3−シクロペンチルプロパノアート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル ヘプタノアート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル ペンタノアート、
2−{1−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,5−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(4−クロロ−3−メチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(3,5−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
1−ベンジル−2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル4−メトキシベンジルカルボナート、
1−(シクロプロピルメチル)−2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−メチル−1H−イミダゾール、
シクロプロピルメチル{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルカルボナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル3−メチルブチルカルボナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルイソプロピルカルボナート、
シクロブチル{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチルカルボナート、
{2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−イル}メチル2,2,2−トリフルオロエチルカルボナート、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−エチル−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−(4−メトキシベンジル)−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−(メトキシメチル)−1H−イミダゾール、
2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−1H−イミダゾール、
4−フルオロフェニル 2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−カルボキシラート、
イソブチル 2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−カルボキシラート、
イソプロピル2−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール−1−カルボキシラート、および
2−[1−(3−メチルフェニル)エチル]−1H−イミダゾール、
からなる群から選択される化合物、または薬学的もしくは獣医学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、
b)5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−4−トリフルオロメタンスルフィニル−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル、または薬学的もしくは獣医学的に許容できるその塩もしくはプロドラッグと、
任意選択のc)幼若ホルモンを模倣する、ヒドロプレン、s−メトプレン、またはピリプロキシフェンである昆虫成長調節剤と、
薬学的または獣医学的に許容できる希釈剤または担体とを含む局所用組成物。
【請求項14】
哺乳動物においてマダニ、ノミ、およびダニを予防、治療、または防除する方法であって、前記哺乳動物に、有効量の請求項13に記載の組成物を投与することを含み、前記哺乳動物が家畜および伴侶動物である方法。
【請求項15】
医薬として使用するための、請求項1、6または13に記載の組成物。

【公開番号】特開2010−43084(P2010−43084A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−187981(P2009−187981)
【出願日】平成21年8月14日(2009.8.14)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】