説明

置換ピラゾール、このような化合物を含有する組成物及び使用方法

【課題】グルカゴン受容体拮抗剤で、したがって、2型糖尿病の治療、予防又は発症の遅延に有用な化合物及びそれを含有する医薬品の提供。
【解決手段】下記の一般式によって表される化合物又は薬剤として許容されるそれらの塩若しくは溶媒和化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換ピラゾール誘導体、このような化合物を含有する組成物及び2型糖尿病の治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病とは、複数の原因要素から生じた疾患過程のことで、空腹時、又は経口グルコース負荷試験でグルコース投与後の血漿グルコース濃度が高いことが特徴である。真性糖尿病(たとえば、空腹時の血液グルコース濃度≧126mg/dL)は、心臓血管病の高い早期発病率及び死亡率と関係があり、脂質、リポ蛋白質及びアポリポ蛋白質代謝の変化を含めた様々な代謝状態に直接的及び間接的に関連する。
【0003】
糖尿病患者の約95%を占めるインシュリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)の患者は、血清脂質、たとえば、コレステロール及びトリグリセリドの濃度が高く、血中脂質特性が悪く、LDL−コレステロール濃度が高く、HDL−コレステロール濃度は低いことが多い。したがって、2型糖尿病に罹患した患者は、冠動脈心疾患、脳卒中、末梢血管疾患、高血圧(たとえば、安静時の血圧≧130/80mmHg)、腎障害、神経障害及び網膜症を含めた大血管性及び微小血管性合併症を発症する危険性が高い。
【0004】
2型糖尿病は糖尿病ではない患者と比較して高い血漿インシュリン濃度を示すことが特徴で、2型糖尿病の患者は、主要なインシュリン感受性組織(筋肉、肝臓及び脂肪組織)において、グルコース及び脂質の代謝がインシュリン刺激に耐性になっている。したがって、2型糖尿病は、自然な疾患進行の少なくとも初期では、インシュリン産生が減少するよりもインシュリン耐性であることが第1の特徴で、その結果筋肉においてはグルコースの摂取、酸化及び貯蔵が不十分で、脂肪組織においては脂肪分解の抑制が不適切で、肝臓においてグルコースが過剰に産生され、分泌される。インシュリンに対する感受性減少の最終的影響は、血漿グルコースを適切に減少させることなく血液中を高濃度のインシュリンが循環することである(高血糖)。高インシュリン血症は、高血圧発症の危険因子であり、血管疾患にも関与する。
【0005】
グルカゴンは、インシュリンの肝臓における糖新生阻害効果を緩和する主要な調節ホルモンとして働き、通常血中グルコース濃度の減少に応じてランゲルハンス島のα−細胞によって分泌される。該ホルモンは、cAMP媒介現象を通じてグリコーゲン分解及び糖新生増大を引き起こす肝細胞の特異的受容体に結合する。これらの応答は、グルコースを生成して(たとえば、肝臓によるグルコース生成)、血中グルコース濃度の著しい降下を防ぐことによって正常血糖が維持されるのを助ける。
【0006】
循環インシュリン濃度の増加にくわえて、II型糖尿病では血漿グルカゴンの濃度が高く、肝臓によるグルコース生成速度が速い。グルカゴン拮抗剤は、肝臓におけるインシュリンの応答性を改善し、糖新生の速度を減少させ、肝臓のグルコース産出速度を減少させて血漿グルコース濃度の減少をもたらすのに有用である。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、式Iによって表される化合物又は薬剤として許容されるそれらの塩若しくは溶媒和化合物を対象とする。
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、
1は、
(a)(1)ペルハロアルキル基までの1から5個のハロ基;(2)1個のオキソ基;(3)1から2個のOH基;(4)最大5個のハロ基又はペルハロアルコキシ基、1個のOH基又はCO28基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基;(5)1個のCO28又はS(O)p7;(6)(i)1から5個のハロ基、(ii)1個のOH基、CO28基、CN基、S(O)p7基、NO2基又はC(O)NR910基、(iii)ペルハロアルキル基までの1から5個のハロ基及び1から2個のOH基又はCO28基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基、及び(iv)1から3個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基(ペルハロまでの1から5個のハロ基又は1から2個の水酸基又はCO28基によって、それぞれが場合によりさらに置換されている。)によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のフェニル環、によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール基、Hetcy基又はHAR基;(7)−NR8−C(O)−NR910;(8)−NR8−CO211;(9)−NR8−C(O)R11;(10)−NR910;(11)−NR8SO211;(12)−SO2−NR910;(13)−C(O)NR910並びに(14)−OC(O)−NR910;によって場合により置換されたC1〜10アルキル、C2〜10アルケニル又はC2〜10アルキニル、
(b)(1)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO28基、CN基又はS(O)p7基によって、場合により置換されている1から3個のC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニル基又はC2〜10アルキニル基;(2)アルキル部分が、1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO28基、CN基又はS(O)p7基によって場合により置換されている1から3個のC1〜10アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基;(ii)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基によって、それぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニル基又はC2〜10アルキニル基;(iii)アルキル部分が、1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基によって、場合により置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基;及び(iv)1から2個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2又はOH基;によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール、HAR又はHetcy基;によってそれぞれ場合により置換されているアリール、HAR又はHetcy、
から成る群から選択され、
前記アリール基、HAR基又はHetcy基b)の炭素は、(4)1から5個のハロ基、(5)1から2個のOH基、(6)1個のS(O)p7基、NO2基又はCN基、(7)1から2個のCO28基、(8)−NR8−C(O)−NR910、(9)−NR8−CO211、(10)−NR8−C(O)R11、(11)−NR910、(12)−NR8SO211、(13)−SO2−NR910、(14)−C(O)NR910及び(15)−OC(O)−NR910から成る群から選択される基によって、場合によりさらに置換されており;
1が窒素原子を含有するヘテロシクリルを表すとき、前記窒素原子は、(a)−C(O)NR910、(b)−CO211、(c)−C(O)R11及び(d)−SO211、から成る群から選択される構成要素で場合により置換されており;
2は、H又は前記で定義したようなR1であり;
3及びR4は、H又はC1〜10アルキルであり;
5は、H又はFを表し;
6は、H、OH、F若しくはC1〜3アルキルを表し、又はR5及びR6は組み合わさってオキソを表し;
7は、C1〜10アルキル、アリール又はAr−C1〜10アルキルから成る群から選択される構成要素を表し、
8はH、場合によりフェニル、OH、OC1〜6アルキル、CO2H、CO21〜6アルキル及び1から3個のハロ基によって置換されているC1〜10アルキルであり;
9は、H又はC1〜10アルキルであり;
10は、Hであるか、又は(a)OH、OC1〜6アルキル、CO2H、CO21〜6アルキル及び1から3個のハロ基によって場合により置換されているC1〜10アルキル;(b)1から5個のハロ基並びにCN、OH、C1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから成る群から選択される1から3個の構成要素でそれぞれが場合により置換されているアリール又はAr−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって、場合によりさらに置換されている。);(c)1から5個のハロ基並びにオキソ、C1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから選択される1から3個の基によって場合により置換されているHetcy又はHetcy−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって、場合によりさらに置換されている。);及び(d)1から5個のハロ基並びにC1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから選択される1から3個の基によって場合により置換されているHAR又はHAR−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって、場合によりさらに置換されている。);から独立に選択され、
11は、(a)OH、OC1〜6アルキル、CO2H、CO21〜6アルキル及び1から3個のハロ基によって場合により置換されているC1〜10アルキル;(b)1から5個のハロ並びにCN、OH、C1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから成る群から選択される1から3個の構成要素によってそれぞれが場合により置換されているアリール又はAr−1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって場合によりさらに置換されている。);(c)1から5個のハロ基並びにオキソ、C1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから選択される1から3個の基によって場合により置換されているHetcy又はHetcy−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって場合によりさらに置換されている。);及び(d)1から5個のハロ基並びにC1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから選択される1から3個の基によって場合により置換されているHAR又はHAR−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって場合によりさらに置換されている。);から成る群から独立に選択され、
mは0、1及び2から選択される整数であり、
nは0から6から選択される整数であり、
pは0、1及び2から選択される整数であり、
m及びnの少なくとも1つが0以外であるとき、ZはCO28、5−テトラゾリル及び5−(2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル)から選択され、m及びnの両方が0のとき、Zは5−テトラゾリル及び5−(2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル)から選択される。)
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の詳細な説明)
本発明は、特に明記しない限り、以下で定義した用語を使用して本明細書で説明する。
【0011】
「アルキル」並びにアルコキシ、アルカノイルなどの「alk」という接頭語を有するその他の基は、指示した数の炭素原子を含有する直鎖、分枝鎖、又は環状又はそれらを組み合わせた炭素鎖を意味する。数の指定が無ければ、直鎖又は分枝鎖アルキル基のためには1〜10個の炭素原子を企図する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルなどが含まれる。シクロアルキルは、アルキルのサブセットであり、原子の数の指定がなければ、3〜10個の炭素原子を企図して、1から3個の縮合炭素環を形成する。「シクロアルキル」にはまた、結合点が非芳香族部分にあるアリール基に融合した単環が含まれる。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、インダニルなどが含まれる。
【0012】
「アルケニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素2重結合を含有し、直鎖又は分枝鎖又はそれらの組み合わせであってよい炭素鎖を意味する。アルケニルの例には、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどが含まれる。
【0013】
「アルキニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素3重結合を含有し、直鎖又は分枝鎖又はそれらの組み合わせであってよい炭素鎖を意味する。アルキニルの例には、エチニル、プロパギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニルなどが含まれる。
【0014】
「アリール」(Ar)は、6〜12個の炭素原子を含有する単環及び2環芳香族環を意味する。アリールの例には、フェニル、ナフチル、インデニルなどが含まれる。
【0015】
「ヘテロアリール」(HAR)は、O、S及びNから選択された少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、各環が5個から6個の原子を有する単環又は2環芳香族環又は環系を意味する。例としては、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、テトラゾリル、フラニル、チアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、フロ(2,3−b)ピリジル、キノリル、インドリル、イソキノリルなどが含まれる。ヘテロアリールはまた、非芳香族又は部分的に芳香族である複素環に縮合した芳香族複素環群及びシクロアルキル環に縮合した芳香族複素環群が含まれる。ヘテロアリールにはまた、荷電状態のこのような基、たとえばピリジニウムが含まれる。
【0016】
「ヘテロシクリル」(Hetcy)とは、N、S及びOから選択された少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、環のそれぞれが3個から10個の原子を有し、結合点が炭素又は窒素であってよい単環及び2環飽和環を意味する。「ヘテロシクリル」には、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、2,3−ジヒドロフロ(2,3−b)ピリジル、ベンゾオキサジニル、テトラヒドロヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロインドリルなどが含まれる。この用語にはまた、芳香族ではない、部分的に不飽和である単環、たとえば、窒素を介して結合した2−又は4−ピリドン或いはN−置換−(1H,3H)−ピリミジン−2,4−ジオン(N−置換ウラシル)が含まれる。ヘテロシクリルにはさらに、荷電状態のこのような部分、たとえばピペリジニウムが含まれる。
【0017】
「ハロゲン」(ハロ)には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。
【0018】
本発明は、最も広範な態様において、式Iによって表される化合物又は薬剤として許容されるそれらの塩若しくは溶媒和化合物を対象とする。
【0019】
【化2】

【0020】
(式中、
1は、
(a)(1)ペルハロアルキル基までの1から5個のハロ基;(2)1個のオキソ基;(3)1から2個のOH基;(4)最大5個のハロ基又はペルハロアルコキシ基、1個のOH基又はCO28基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基;(5)1個のCO28又はS(O)p7;(6)(i)1から5個のハロ基、(ii)1個のOH基、CO28基、CN基、S(O)p7基、NO2基又はC(O)NR910基、(iii)ペルハロアルキル基までの1から5個のハロ基及び1から2個のOH基又はCO28基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基、及び(iv)1から3個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基(ペルハロまでの1から5個のハロ基又は1から2個の水酸基又はCO28基によって、それぞれが場合によりさらに置換されている。)によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のフェニル環、によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール基、Hetcy基又はHAR基;(7)−NR8−C(O)−NR910;(8)−NR8−CO211;(9)−NR8−C(O)R11;(10)−NR910;(11)−NR8SO211;(12)−SO2−NR910;(13)−C(O)NR910並びに(14)−OC(O)−NR910;によって場合により置換されたC1〜10アルキル、C2〜10アルケニル又はC2〜10アルキニル、
(b)(1)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO28基、CN基又はS(O)p7基によって、場合により置換されている1から3個のC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニル基又はC2〜10アルキニル基;(2)アルキル部分が、1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO28基、CN基又はS(O)p7基によって場合により置換されている1から3個のC1〜10アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基、(ii)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基によって、それぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニル基又はC2〜10アルキニル基;(iii)アルキル部分が、1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基によって、場合により置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基、及び(iv)1から2個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基;NO2又はOH基;によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール、HAR又はHetcy基;によってそれぞれ場合により置換されているアリール、HAR又はHetcy;
から成る群から選択され、
前記アリール基、HAR基又はHetcy基b)の炭素は、(4)1から5個のハロ基、(5)1から2個のOH基、(6)1個のS(O)p7基、NO2基又はCN基、(7)1から2個のCO28基、(8)−NR8−C(O)−NR910、(9)−NR8−CO211、(10)−NR8−C(O)R11、(11)−NR910、(12)−NR8SO211、(13)−SO2−NR910、(14)−C(O)NR910及び(15)−OC(O)−NR910から成る群から選択される基によって、場合によりさらに置換されており;
1が窒素原子を含有するヘテロシクリルを表すとき、前記窒素原子は、(a)−C(O)NR910、(b)−CO211、(c)−C(O)R11及び(d)−SO211、から成る群から選択される構成要素で場合により置換されており;
2は、H又は前記で定義したようなR1であり;
3及びR4は、H又はC1〜10アルキルであり;
5は、H又はFを表し;
6は、H、OH、F若しくはC1〜3アルキルを表し、又はR5及びR6は組み合わさってオキソを表し;
7は、C1〜10アルキル、アリール又はAr−C1〜10アルキルから成る群から選択される構成要素を表し、
8はH、場合によりフェニル、OH、OC1〜6アルキル、CO2H、CO21〜6アルキル及び1から3個のハロ基によって置換されているC1〜10アルキルであり、
9は、H又はC1〜10アルキルであり;
10は、Hであるか、又は(a)OH、OC1〜6アルキル、CO2H、CO21〜6アルキル及び1から3個のハロ基によって場合により置換されているC1〜10アルキル;(b)1から5個のハロ基並びにCN、OH、C1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから成る群から選択される1から3個の構成要素でそれぞれが場合により置換されているアリール又はAr−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって、場合によりさらに置換されている。);(c)1から5個のハロ基並びにオキソ、C1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから選択される1から3個の基によって場合により置換されているHetcy又はHetcy−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって、場合によりさらに置換されている。);及び(d)1から5個のハロ基並びにC1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから選択される1から3個の基によって場合により置換されているHAR又はHAR−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって、場合によりさらに置換されている。);から独立に選択され、
11は、(a)OH、OC1〜6アルキル、CO2H、CO21〜6アルキル及び1から3個のハロ基によって場合により置換されているC1〜10アルキル;(b)1から5個のハロ並びにCN、OH、C1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから成る群から選択される1から3個の構成要素によってそれぞれが場合により置換されているアリール又はAr−1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって場合によりさらに置換されている。);(c)1から5個のハロ基並びにオキソ、C1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから選択される1から3個の基によって場合により置換されているHetcy又はHetcy−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって場合によりさらに置換されている。);及び(d)1から5個のハロ基並びにC1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから選択される1から3個の基によって場合により置換されているHAR又はHAR−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって場合によりさらに置換されている。);から成る群から独立に選択され、
mは0、1及び2から選択される整数であり、
nは0から6から選択される整数であり、
pは0、1及び2から選択される整数であり、
m及びnの少なくとも1つが0以外であるとき、ZはCO28、5−テトラゾリル及び5−(2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル)から選択され、m及びnの両方が0のとき、Zは5−テトラゾリル及び5−(2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル)から選択される。)。
【0021】
本発明の興味深い態様の1つは、変数は全て式Iに関して先に定義されている式Iaの化合物に関する。
【0022】
【化3】

【0023】
本発明の興味深い他の態様は、式Iの化合物及び薬剤として許容されるそれらの塩又は溶媒和化合物である。
【0024】
ここで式中、R1は、
(a)(1)ペルハロアルキル基までの1から5個のハロ基;(2)1から2個のOH基;(3)最大5個のハロ基又はペルハロアルコキシ基でそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基;(4)1個のCO28又はS(O)p7;(5)(i)1から5個のハロ基、(ii)1個のOH基、CO28基、CN基、S(O)p7基、NO2基又はC(O)NR910基、(iii)ペルハロアルキルまでの1から5個のハロ基、及び1から2個のOH基又はCO28基でそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基;並びに(iv)1から3個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基(ペルハロまでの1から5個のハロ基又は1から2個の水酸基又はCO28基によってそれぞれが場合によりさらに置換されている。)によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のフェニル環;によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール基、Hetcy基又はHAR基;によって場合により置換されているC1〜10アルキル基、及び
b)(1)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO28基、CN基又はS(O)p7基で場合により置換されている1から3個のC1〜10アルキル基又はC2〜10アルケニル基;(2)アルキル部分が1から5個のハロ基、1から2個のフェニル基、CN基又はS(O)p7基で場合により置換されている1から3個のC1〜10アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基;(ii)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基でそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基又はC2〜10アルケニル基;(iii)アルキル部分が場合により1から5個のハロ基、1から2個のフェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基で置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基;及び(iv)1から2個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2基又はOH基;によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール基、HAR基又はHetcy基;によってそれぞれが場合により置換されているアリール基、HAR基又はHetcy基;
から成る群から選択され、
前記アリール基、HAR基又はHetcy基b)の炭素が、(4)1から5個のハロ基、(5)1から2個のOH基、(6)1個のS(O)p7基、NO2基又はCN基、(7)1から2個のCO28基、(8)−NR8−C(O)−NR910、(9)−NR8−CO211、(10)−NR8−C(O)R11、(11)−NR910、(12)−NR8SO211、(13)−SO2−NR910、(14)−C(O)NR910及び(15)−OC(O)−NR910から成る群から選択される基によって場合によりさらに置換されており、
1が窒素原子を含有するヘテロシクリルを表すとき、前記窒素原子が(a)−CO211、(b)−C(O)R11、及び(c)SO211から成る群から選択される構成要素で場合により置換されることができる。この亜集団内では、その他の変数は全て元々式Iに関して定義した通りである。
【0025】
より具体的には、興味深い式Iの化合物は、式Iに関して以下のように記載することができる。
【0026】
式中Rが、
a)(1)1から2個のハロ基;(2)最大3個のハロ基でそれぞれ場合により置換されている1から2個のC1〜6アルコキシ基;(3)(i)1から2個のハロ基、(ii)1から3個のハロ基でそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基、及び(iii)1から3個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基(1から3個のハロ基でそれぞれが場合によりさらに置換されている。)で場合により置換されている1個のフェニル環;によってそれぞれが場合により置換されている1個のフェニル基、ピペリジニル基又はピリジニル基;によって場合により置換されているC1〜10アルキル、
b)(1)1から3個のハロ基、1個のフェニル基又はS(O)p7基で場合により置換されている1個のC1〜3アルキル基;(2)アルキル部分が1から3個のハロ基又は1個のフェニル基で場合により置換されている1個のC1〜3アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基;(ii)1から3個のハロ基又は1個の水酸基で場合により置換されている1個のC1〜6アルキル基;(iii)アルキル部分が、1から3個のハロ基で場合により置換されている1個のC1〜6アルコキシ基;及び(iv)1個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2基又はOH基;でそれぞれが場合により置換されている1個のフェニル基、ピリジニル基、イソオキサゾリル基又はピペリジニル基;でそれぞれが場合により置換されているフェニル、ピリジニル又はピペリジニル、
から成る群から選択され、
前記フェニル、ピリジニル又はピペリジニル環の炭素原子が、(4)1から3個のハロ基、(5)1個のOH基、(6)1個のS(O)p7基、NO2基又はCN基、(7)1個のCO28基、(8)−NR910、(9)−C(O)NR910及び(10)−OC(O)−NR910から成る群から選択される基によって、場合によりさらに置換されており、
1がピペリジニルを表すとき、ピペリジン窒素原子が(a)−CO211、(b)−C(O)R11及び(c)SO211から成る群から選択される構成要素で場合により置換されることができる。この亜集団内では、その他の変数は全て元々式Iに関して定義した通りである。
【0027】
さらにより具体的には、興味深い式Iの化合物は、式Iに関して以下のように記載することができる。
【0028】
式中R1が、
a)(i)1から2個のハロ基;(ii)1から3個のハロ基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基;及び(iii)1から3個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基(1から3個のハロ基によって、それぞれが場合によりさらに置換されている。)によって場合により置換されている1個のフェニル環;によって場合により置換されているフェニルによって、場合により置換されているC1〜10アルキル、及び、
b)(1)1から3個のハロ基又は1個のフェニル基によって場合により置換されている1個のC1〜3アルキル基;(2)アルキル部分が、1から3個のハロ基又は1個のフェニル基によって場合により置換されている1個のC1〜3アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基、(ii)1から3個のハロ基又は1個の水酸基によって場合により置換されている1個のC1〜6アルキル基、(iii)アルキル部分が1から3個のハロ基によって場合により置換されている1個のC1〜6アルコキシ基、及び(iv)1個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2基又はOH基、によってそれぞれが場合により置換されている1個のフェニル基、ピリジニル基又はイソオキサゾリル基;によってそれぞれが場合により置換されているフェニル、ピリジニル又はピペリジニル、
から成る群から選択され、
前記フェニル基、ピリジニル基又はピペリジニル基b)の炭素原子は、(4)1から3個のハロ基、(5)1個のOH基、(6)1個のCO28基及び(7)−NR910から成る群から選択される基によって場合によりさらに置換されており、
1がピペリジニルを表すとき、ピペリジン窒素原子は、(a)−CO211、(b)−C(O)R11及び(c)−SO211から成る群から選択される構成要素によって場合により置換されることができる。この亜集団内では、その他の変数は全て元々式Iに関して定義した通りである。
【0029】
本発明の興味深い他の態様は、式Iの化合物、それらの塩及び溶媒和化合物に関し、式中
2が、
(a)(1)ペルハロアルキル基までの1から5個のハロ基;(2)1から2個のOH基;(3)最大5個のハロ基又はペルハロアルコキシ基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基;(4)1個のCO28又はS(O)p7;(5)i)1から5個のハロ基、(ii)1個のOH基、CO28基、CN基、S(O)p7基、NO2基又はC(O)NR910基、(iii)ペルハロアルキルまでの1から5個のハロ基、及び1から2個のOH基又は1から2個のCO28基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基、並びに(iv)1から3個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基(ペルハロまでの1から5個のハロ基又は1から2個の水酸基又はCO28基によって、それぞれが場合によりさらに置換されている。)によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のフェニル環、によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール基、Hetcy基又はHAR基;で場合により置換されているC1〜10アルキル基、及び
(b)(1)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO28基、CN基又はS(O)p7基で場合により置換されている1から3個のC1〜10アルキル基又はC2〜10アルケニル基;(2)アルキル部分が場合により1から5個のハロ基、1から2個のフェニル基、CN基又はS(O)p7基で置換されている1から3個のC1〜10アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基、(ii)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基でそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基又はC2〜10アルケニル基、(iii)アルキル部分が1から5個のハロ基、1から2個のフェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基によって場合により置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基、及び(iv)1から2個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2基又はOH基、によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール基、HAR基又はHetcy基;によってそれぞれが場合により置換されているアリール基、HAR基又はHetcy基、
から成る群から選択され、
前記アリール基、HAR基又はHetcy基b)の炭素が、(4)1から5個のハロ基、(5)1から2個のOH基、(6)1個のS(O)p7基、NO2基又はCN基、(7)1から2個のCO28基、(8)NR8−C(O)−NR910基、(9)−NR8−CO211基、(10)−NR8−C(O)R11基、(11)−NR910基、(12)−NR8SO211基、(13)−SO2−NR910基、(14)−C(O)NR910基及び(15)−OC(O)−NR910から成る群から選択される基によって場合によりさらに置換されており、
2が、窒素原子を含有するヘテロシクリルを表すとき、前記窒素原子は、(a)−CO211、(b)−C(O)R11、及び(c)SO211から成る群から選択される構成要素で場合により置換されることができる。この亜集団内では、その他の変数は全て式Iに関して先に定義した通りである。
【0030】
より具体的には、本発明の興味深い態様は、式Iの化合物並びにそれらの塩及び溶媒和化合物に関して以下のように記載することができる。
【0031】
式中R2が、
a)(1)1から2個のハロ基;(2)最大3個までのハロ基により場合により置換されている1から2個のC1−6アルコキシ基;(3)(i)1から2個のハロ基;(ii)1−3個のハロ基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基;及び(iii)1から3個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基(それぞれが場合により1から3個のハロ基によってさらに置換されている。)によって場合により置換されている1個のフェニル環;によって場合により置換されている1個のフェニル基、ピペリジニル基又はピリジニル基;によって場合により置換されているC1〜10アルキル、及び
b)(1)1から3個のハロ基又は1個のフェニル基又はS(O)基によって場合により置換されている1個のC1〜3アルキル基;(2)アルキル部分が、1から3個のハロ基又は1個のフェニル基で場合により置換されている1個のC1〜3アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基、(ii)1から3個のハロ基又は1個の水酸基によって場合により置換されている1個のC1〜6アルキル基、(iii)アルキル部分が、1から3個のハロ基によって場合により置換されている1個のC1〜6アルコキシ基、及び(iv)1個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2基又はOH基、によってそれぞれが場合により置換されている1個のフェニル基、ピリジニル基又はイソオキサゾリル基;によってそれぞれが場合により置換されているフェニル、ピリジニル又はピペリジニル、
から成る群から選択され、
前記フェニル、ピリジニル又はピペリジニル基b)の炭素原子が、4)1から3個のハロ基、(5)1個のOH基、(6)1個のS(O)pR基、NO基又はCN基、(7)1個のCO28基及び(8)−NR910、(9)−C(O)NR910及び(10)−OC(O)−NR910から成る群から選択される基によって、場合によりさらに置換されており、
2がピペリジニルを表すとき、ピペリジン窒素原子は(a)−CO211、(b)−C(O)R11及び(c)−SO211から成る群から選択される構成要素で場合により置換されることができる。この亜集団内では、その他の変数は全て式Iに関して先に定義した通りである。
【0032】
さらにより具体的には、式Iの興味深い化合物は、式Iに関して以下のように記載することができる。
【0033】
式中Rが、a)(i)1から2個のハロ基、(ii)1から3個のハロ基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基及び(iii)1から3個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基(それぞれ、1から3個のハロ基によって場合によりさらに置換されている。)によって場合により置換されている1個のフェニル環、によって場合により置換されているフェニルで場合により置換されているC1〜10アルキル、及び、
b)(1)1から3個のハロ基又は1個のフェニル基によって場合により置換されている1個のC1〜3アルキル基;(2)アルキル部分が1から3個のハロ基又は1個のフェニル基によって場合により置換されている1個のC1〜3アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基、(ii)1から3個のハロ基又は1個の水酸基によって場合により置換されている1個のC1〜6アルキル基、(iii)アルキル部分が、1から3個のハロ基で場合により置換されている1個のC1〜6アルコキシ基、及び(iv)1個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2基又はOH基;でそれぞれが場合により置換されている1個のフェニル基、ピリジニル基又はイソオキサゾリル基;によってそれぞれが場合により置換されているフェニル、ピリジニル又はピペリジニル、
から成る群から選択され、
前記フェニル基、ピリジニル基又はピペリジニル基b)の炭素原子は、(4)1から3個のハロ基、(5)1個のOH基、(6)1個のCO28及び(7)−NR910から成る群から選択される基によって場合によりさらに置換されており、
2がピペリジニルを表すとき、ピペリジン窒素原子は、(a)−CO211、(b)−C(O)R11及び(c)SO211から成る群から選択される構成要素によって場合により置換されることができる。この亜集団内では、その他の変数は全て元々式Iに関して定義した通りである。
【0034】
関心のある本発明の他の態様は、R3がH又はメチルを表す式Iの化合物に関する。この亜集団内では、その他の変数は全て元々式Iに関して定義した通りである。
【0035】
より具体的には、関心のある本発明の他の態様は、R3がHを表す式Iの化合物に関する。この亜集団内では、その他の変数は全て元々式Iに関して定義したとおりである。
【0036】
関心のある本発明の他の態様は、R4がH又はメチルを表す式Iの化合物に関する。この亜集団内では、その他の変数は全て元々式Iに関して定義した通りである。
【0037】
より具体的には、関心のある本発明の他の態様は、R4がHを表す式Iの化合物に関する。この亜集団内では、その他の変数は全て元々式Iに関して定義した通りである。
【0038】
関心のある本発明の他の態様では、nは0又は1を表し、mは0を表し、Zはテトラゾリルを表す式Iの化合物について説明する。この亜集団内では、その他の変数は全て元々式Iに関して定義した通りである。
【0039】
関心のある本発明の他の態様では、nは1又は2を表し、mは0を表し、ZはCO28を表す式Iの化合物について説明する。この亜集団内では、その他の変数は全て元々式Iに関して定義した通りである。
【0040】
関心のある本発明のさらに他の態様では、nは1を表し、mは1を表し、R5はHを表し、R6はOHを表し、ZはCO28を表す式Iの化合物について説明する。この亜集団内では、その他の変数は全て元々式Iに関して定義した通りである。
【0041】
関心のある本発明のさらに他の態様では、R7はC1〜6アルキル又はアリールから成る群から選択された構成要素を表す式Iの化合物について説明する。この亜集団内では、その他の変数は全て元々式Iに関して定義した通りである。
【0042】
関心のある本発明のさらに他の態様では、R8はH又は場合によってフェニル又は1から3個のハロ基によって置換されているC1〜10アルキルである式Iの化合物について説明する。この亜集団内では、その他の変数は全て元々式Iに関して定義した通りである。
【0043】
特に関心のある本発明の範囲に含まれる種には以下のもの
【0044】
【表1】


















並びに、それらの薬剤として許容される塩及び溶媒和化合物が含まれる。水素原子のいくつかは、窒素原子上にあることが示唆される。
【0045】
本発明にはさらに、薬剤として許容される担体と組み合わせた式Iの化合物を含む医薬品組成物が含まれる。
【0046】
2型糖尿病の治療に有効な量の式1の化合物を哺乳類患者に投与することを含む、このような治療を必要とする哺乳類患者の2型糖尿病を治療する方法も含まれる。
【0047】
2型糖尿病を予防し、又は発症を遅延させるのに有効な量の式Iの化合物を哺乳類患者に投与することを含む、それらを必要とする哺乳類患者の2型糖尿病を予防し、又は発症を遅延させる方法も含まれる。
【0048】
本発明には、哺乳類患者に治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む、このような治療を必要とする哺乳類患者の高血糖、糖尿病又はインシュリン抵抗性を治療する方法が含まれる。
【0049】
2型糖尿病に関連する疾患又は状態を治療し、予防し、又は発症を遅延させる方法も含まれる。例には、異脂肪血症(たとえば、高脂血症)、たとえば、コレステロール濃度(高コレステロール血症)、トリグリセリド濃度(高トリグリセリド血症)又は低密度リポ蛋白質(LDL)濃度(高LDL濃度)の上昇、高密度リポ蛋白質(HDL)濃度の低下、微小血管又は大血管の変化及びこのような状態の続発症、たとえば冠状動脈性心疾患、脳卒中、末梢血管疾患、高血圧、腎性高血圧、腎障害、神経障害及び網膜症から成る群から選択された疾患及び状態が含まれる。該方法には、2型糖尿病患者、たとえば、ヒト患者に、このような疾患又は状態の治療、予防又は発症を遅延させるために有効な式Iの化合物の量を投与することが伴う。
【0050】
アテローム性動脈硬化を治療するために有効な量の式Iの化合物を哺乳類患者に投与することを含む、このような治療を必要とする哺乳類患者のアテローム性動脈硬化を治療する方法も含まれる。
【0051】
本発明にはまた、以下の状態を治療するために有効な量の式Iによる化合物を哺乳類患者に投与することを含む、このような治療を必要とする哺乳類患者において(1)高血糖、(2)低グルコース耐性、(3)インシュリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)異脂肪血症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDL濃度、(11)高LDL濃度、(12)アテローム性動脈硬化及びその続発症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群並びにインシュリン耐性が要素であるその他の状態及び障害から成る群から選択される状態を治療する方法、が含まれる。
【0052】
本発明には、以下の状態の発症を遅延させるのに有効な量の式Iの化合物を哺乳類患者に投与することを含む、このような治療を必要とする哺乳類患者において(1)高血糖、(2)低グルコース耐性、(3)インシュリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)異脂肪血症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDL濃度、(11)高LDL濃度、(12)アテローム性動脈硬化及びその続発症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群並びにインシュリン耐性が要素であるその他の状態及び障害から成る群から選択される状態の発症を遅延させる方法が含まれる。
【0053】
本発明には、以下の状態を発症する危険性を減少させるのに有効な量の式Iの化合物を哺乳類患者に投与することを含む、このような治療を必要とする哺乳類患者において(1)高血糖、(2)低グルコース耐性、(3)インシュリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質異常、(6)異脂肪血症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDL濃度、(11)高LDL濃度、(12)アテローム性動脈硬化及びその続発症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群並びにインシュリン耐性が要素であるその他の状態及び障害から成る群から選択される状態を発症する危険性を減少させる方法が含まれる。
【0054】
より具体的には、本発明には、肥満を治療し、予防し、又は発症を遅延させるのに有効な式Iの化合物の量を哺乳類患者に投与することを含む、このような治療を必要とする哺乳類患者の肥満を治療し、肥満が発症する危険性を減少させ、又は肥満の発症を遅延させる方法が含まれる。
【0055】
より具体的には、本発明には、X症候群を治療し、予防し、又は発症を遅延させるのに有効な式Iの化合物の量を哺乳類患者に投与することを含む、このような治療を必要とする哺乳類患者のX症候群を治療し、X症候群の発症の危険性を減少させ、又はX症候群の発症を遅延させる方法が含まれる。
【0056】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
式Iの化合物の多くは、1個又は複数の不斉中心を含有し、したがってラセミ化合物、ラセミ化合物の混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーを生じる。本発明には、該化合物のこのような異性体型全てが純粋な状態で、並びに混合物で含まれる。
【0057】
本明細書で説明した化合物のいくつかは、オレフィン性二重結合を含有し、特に記載がなければ、E及びZ両方の幾何異性体を含むことを意味する。
【0058】
本明細書で説明した化合物のいくつかは、水素の結合点が異なって存在していてよく、互変異性体と称する。このような例は、ケトエノール互変異性体として公知のケトン及びそのエノール型であることが可能である。個々の互変異性体並びにそれらの混合物は、式Iの化合物に包含される。
塩及び溶媒和化合物
「薬剤として許容される塩」という用語は、無機塩基又は有機塩基及び無機酸又は有機酸を含めた薬剤として許容される実質的に無毒な塩基又は酸から調製された塩並びに薬剤として許容される塩に変換することができる塩のことである。無機塩基から得られた塩には、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩などが含まれる。特に好ましいのは、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、及びナトリウム塩である。薬剤として許容される非毒性有機塩基から得られた塩には、1級、2級及び3級アミン、天然に生じる置換アミンを含めた置換アミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂、たとえば、エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソピロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが含まれる。
【0059】
本発明の化合物が塩基のとき、塩は無機酸及び有機酸を含めた薬剤として許容される非毒性酸から調製することができる。このような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが含まれる。特に好ましいのは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸である。
【0060】
本明細書では、溶媒和化合物とは、溶媒、たとえば水と会合した式Iの化合物又はその塩の化合物のことである。代表的な例には、水和物、半水和物、三水和物などが含まれる。
【0061】
式Iの化合物の参考としては、薬剤として許容される塩及び溶媒和化合物が含まれる。
【0062】
本発明は、グルカゴンの産生又は活性と拮抗させるか、又は阻害し、それによって糖新生及びグリコーゲン分解の速度を減少させ、血漿中のグルコース濃度を減少させる方法に関する。
【0063】
式Iの化合物を、式Iの化合物を担体物質と一緒にして薬剤を提供することから構成される、グルコース濃度の上昇によって生じる哺乳類の疾患状態を予防又は治療処置するための薬剤の製造において使用することができる。
【0064】
用量範囲
式Iの化合物の予防的又は治療的用量はもちろん、処置する状態の性質、選択した特定の化合物及びその投与経路によって変化する。個々の患者の年齢、体重及び応答によってまた変化する。一般的に、1日用量の範囲は、1回又は複数回に分けて、体重1kg当たり約0.001mgから約100mgまで、好ましくは1kg当たり約0.01mgから約50mgまで、より好ましくは1kg当たり0.1mgから10mgまでの範囲内である。場合によっては、これらの限界を逸脱した用量を使用することが必要になる可能性がある。「効果的な量」「糖尿病に対して効果的な量」及び使用する化合物の量に関わる適用を通じて示されるその他の用語は、これらの範囲を逸脱した不可避な変動を考慮して、当業者が決定するように定められた用量範囲のことである。同様に、化合物を患者に「投与する」とき、これは、該化合物が従来の薬剤調製物として送達されるか、又は、たとえばプロドラッグの投与によって全身的に患者に送達されることを意味する。
【0065】
したがって、大人用の代表的用量は、1回又は複数回に分けて1日当たり約0.1mgから約1.0gまで、好ましくは約1mgから200mgまでの範囲内で投与する。
【0066】
静脈内投与又は経口投与を使用するとき、代表的な用量範囲は、1日に体重1kg当たり式Iの化合物約0.001mgから約100mgまで(好ましくは0.01mgから約10mgまで)、より好ましくは、1日に体重1kg当たり式Iの化合物約0.1mgから約10mgまでである。
【0067】
医薬品組成物
前述のように、該医薬品組成物には、式Iの化合物又はそれらの薬剤として許容される塩又は溶媒和化合物及び薬剤として許容される担体が含まれる。「組成物」という用語には、活性成分及び不活性成分、担体を構成する(薬剤として許容される賦形剤)を含む生成物、並びに直接又は間接的に、2種類以上の成分の組み合わせ、錯体化又は凝集によって、あるいは1種又は複数の成分の解離によって、あるいは成分間のその他の種類の反応又は相互作用によって生じるいかなる生成物も含まれる。好ましくは、該組成物は、薬剤として許容される担体と組み合わせた2型糖尿病の治療、予防又は発症の遅延に有効な量の式Iの化合物から構成される。
【0068】
任意の適切な投与経路を、哺乳類、特にヒトに有効用量の本発明の化合物を提供するために使用することができる。たとえば、経口、直腸内、局所、非経口、眼、肺、鼻内などを使用することができる。剤形例としては、錠剤、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、液剤、カプセル剤、クリーム、軟膏、エアゾールなどが含まれ、経口用錠剤が好ましい。したがって、関心のある本発明の1態様は、式Iの化合物及び担体の組み合わせから構成される医薬品組成物を調製するための式Iの化合物の使用である。
【0069】
経口用組成物を調製するには、経口用液剤、たとえば、懸濁剤、エリキシール剤及び液剤の場合には、通常の製薬用媒体のいずれか、たとえば、水、グリセロール、油、アルコール、着香剤、保存剤、着色剤などを使用してよく;あるいは経口用固形物、たとえば、散剤、カプセル剤及び錠剤の場合には、たとえば、澱粉、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、顆粒化剤、潤沢剤、結合剤、崩壊剤などの担体を使用してよく、固形の経口用調製物が好ましい。投与が容易なので、錠剤及びカプセル剤は最も有利な経口用投与単位剤形である。所望するならば、錠剤は標準的水性又は非水性技術によってコーティングすることができる。
【0070】
前述の通常の剤形に加えて、式Iの化合物はまた、制御放出手段及び/又は米国特許第3845770号、第3916899号、第3536809号、第3598123号、第3630200号及び第4008719号に記載されたものなどの送達装置によって投与することができる。
【0071】
経口投与に適した本発明の医薬品組成物は、それぞれが所定量の活性成分を(散剤又は顆粒剤として、あるいは水性液体、非水性液体、油中水エマルジョン又は水中油エマルジョン水性液体に溶かした液剤又は懸濁剤として)含有するカプセル剤、カシェー剤又は錠剤などの分離された単位として、存在させることができる。このような組成物は、調剤法のいずれかによって調製することができるが、いずれの方法にも該活性成分と1種又は複数の必要な成分を構成する担体とを関連させる段階が含まれる。一般的に、該組成物は、該活性成分を液体担体又は超微粒子担体又はその両方と均一かつ十分に混合し、次に、必要であれば、所望する状態に該生成物を成型することによって調製する。たとえば、錠剤は、場合によっては1種又は複数の補助成分と伴に圧縮又は成型することによって調製することができる。圧縮錠剤は、場合によっては結合剤、潤沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤又は分散剤と混合して、適切な機械で、粉末又は顆粒などの易流動型活性成分を圧縮して調製することができる。成型錠剤は、適切な機械で、不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末化合物の混合物を成型することによって作製することができる。望ましくは、錠剤はそれぞれ約1mgから約1gの活性成分を含有し、カシェー剤及びカプセル剤はそれぞれ、約1mgから約500mgの活性成分を含有する。
【0072】
以下は、式Iの化合物の薬剤剤形の例である。
【0073】
【表2】

【0074】
併用療法
式Iの化合物は、2型糖尿病並びに式Iの化合物が有用である2型糖尿病に関連した疾患及び状態の治療/予防/発症の遅延に使用するその他の薬剤と組み合わせて使用することができる。その他の薬剤は、式Iの化合物と同時に、又は逐次的に、それらの薬剤について通常使用される経路及び量で投与することができる。式Iの化合物を1種又は複数のその他の薬剤と同時に使用する場合は、式Iの化合物に加えてこのようなその他の薬剤を含有する医薬品組成物が好ましい。したがって、本発明の医薬品組成物には、式Iの化合物に加えて、1種又は複数のその他の活性成分もまた含有するものが含まれる。別々に、又は同一の医薬品組成物で投与される、式Iの化合物と一緒にすることができるその他の活性成分の例には、(a)ビグアニド(たとえば、ブホルミン、メトホルミン、フェンホルミン)、(b)PPAR作用薬(たとえば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、(c)インシュリン、(d)ソマトスタチン、(e)α−グルコシダーゼ阻害剤(たとえば、ボグリボース、ミグリトール、アカルボース)、(f)DP−IV阻害剤、(g)LXR調節剤及び(h)インシュリン分泌促進剤(たとえば、アセトヘキサミド、カルブタミド、クロルプロパミド、グリボヌリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキジン、グリソキセピド、グリブリド、グリヘキサミド、グリピナミド、フェンブタミド、トラザミド、トルブタミド、トルシクラミド、ナテグリニド及びレパグリニド)が含まれるが、それだけには限定されない。
【0075】
式Iの化合物の第2の活性成分に対する重量比は、広範な制限内で変化させることができ、各成分の有効量によって決まる。
【0076】
一般的に、それぞれの有効量を使用する。したがって、たとえば、式Iの化合物をPPAR作用薬と一緒にするときは、PPAR作用薬に対する式Iの化合物の重量比は一般的に約1000:1から約1:1000の範囲、好ましくは約200:1から約1:200の範囲にする。式Iの化合物とその他の活性成分との組み合わせはまた一般的に、前述の範囲内であるが、それぞれの場合において、各活性成分の有効量を使用するべきである。
組み合わせ生成物では、式Iの化合物を任意のその他の活性成分と一緒にしてから担体成分に添加してよく、あるいは混合の順番を変えてもよい。
【0077】
薬剤を組み合わせた組成物の例には、
(1)式Iによる化合物、
(2)(a)DP−IV阻害剤、(b)(i)PPAR作用薬及び(ii)ビグアニドから成る群から選択されたインシュリン増感剤、(c)インシュリン及びインシュリン様物質、(d)スルホニルウレア及びその他のインシュリン分泌促進剤、(e)α−グルコシダーゼ阻害剤、(f)グルカゴン受容体拮抗薬、(g)GLP−1、GLP−1様物質、及びGLP−1受容体作用薬、(h)GIP、GIP様物質、及びGIP受容体作用薬、(i)PACAP、PACAP様物質、及びPACAP受容体3作用薬、(j)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(ii)金属イオン封鎖剤、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸及び又はその塩、(iv)PPARα作用薬、(v)PPARα/γ2重作用薬、(vi)コレステロール吸収の阻害剤、(vii)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、(viii)抗酸化剤及び(ix)LXR調節剤から成る群から選択されたコレステロール低下剤、(k)PPARδ作用薬、(l)抗肥満化合物、(m)回腸胆汁酸運搬阻害剤、(n)グルココルチコイド以外の抗炎症薬、及び(o)蛋白質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤から成る群から選択された化合物、
及び(3)薬剤として許容される担体が含まれる。
【0078】
本明細書で説明した方法によれば、関心のある1方法は、このような治療を必要とする哺乳類患者における(1)高血糖、(2)グルコース耐性の低下、(3)インシュリン抵抗性、(4)肥満、(5)脂質障害、(6)異脂肪血症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDL濃度、(11)高LDL濃度、(12)アテローム性動脈硬化及びその続発症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎障害、(19)神経障害、(20)X症候群及びインシュリン耐性が要素であるその他の状態及び障害から成る群から選択された状態を治療する方法であって、該患者に、有効量の式Iの化合物及び(a)DP−IV阻害剤、(b)(i)PPAR作用薬及び(ii)ビグアニドから成る群から選択されたインシュリン増感剤、(c)インシュリン及びインシュリン様物質、(d)スルホニルウレア及びその他のインシュリン分泌促進剤、(e)α−グルコシダーゼ阻害剤、(f)グルカゴン受容体拮抗薬、(g)GLP−1、GLP−1様物質、及びGLP−1受容体作用薬、(h)GIP、GIP様物質、及びGIP受容体作用薬、(i)PACAP、PACAP様物質、及びPACAP受容体3作用薬、(j)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(ii)金属イオン封鎖剤、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸及び又はその塩、(iv)PPARα作用薬、(v)PPARα/γ2重作用薬、(vi)コレステロール吸収の阻害剤、(vii)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、(viii)抗酸化剤及び(ix)LXR調節剤から成る群から選択されたコレステロール低下剤、(k)PPARδ作用薬、(l)抗肥満化合物、(m)回腸胆汁酸運搬阻害剤、(n)グルココルチコイド以外の抗炎症薬、及び(o)蛋白質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤から成る群から選択された化合物を投与することを含み、
前記状態を治療するために有効な量で前記化合物を患者に投与する方法に関する。
【0079】
より具体的には、関心のある方法は、このような治療を必要とする哺乳類患者における高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化、低HDL濃度、高LDL濃度、高脂血症、高トリグリセリド血症及び異脂肪血症から成る群から選択された状態を治療する方法であって、治療有効量の式Iの化合物及びHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を患者に投与することを含む方法に関する。
【0080】
さらにより具体的には、関心のある方法には、該患者に治療有効量の式Iの化合物及びHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を投与することが含まれ、該HMG−CoAレダクターゼ阻害剤はスタチンであり、さらにより具体的には、該スタチンはロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フラバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン、ZD−4522及びリバスタチンから成る群から選択される。
【0081】
本発明の別の態様は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化、低HDL濃度、高LDL濃度、高脂血症、高トリグリセリド血症及び異脂肪血症から成る群から選択された状態及びこのような状態の続発症が発症する危険性を減少させる方法であって、このような治療を必要とする哺乳類患者に治療有効量の式Iの化合物及びHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を患者に投与することを含む方法に関する。
【0082】
より具体的には、本発明の他の態様は、このような治療を必要とするヒト患者におけるアテローム性動脈硬化の発症を遅延させるか、危険性を減少させる方法であって、前記患者に有効量の式Iの化合物及びHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を患者に投与することを含む方法に関する。さらにより具体的には、該方法には、有効量の式Iの化合物及びHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を投与することが含まれ、該HMG−CoAレダクターゼ阻害剤はスタチンである。さらにより具体的には、該方法には式Iの化合物及びロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フラバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン、ZD−4522及びリバスタチンから成る群から選択されたスタチンを投与することが含まれる。さらにより具体的には、該方法には式Iの化合物及びシンバスタチンとして公知のスタチンを投与することが含まれる。
【0083】
本発明の他の態様は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化、低HDL濃度、高LDL濃度、高脂血症、高トリグリセリド血症及び異脂肪血症から成る群から選択された状態及びこのような状態の続発症が発症する危険性を減少させる方法であって、このような治療を必要とする哺乳類患者に治療有効量の式Iの化合物及びコレステロール吸収阻害剤を患者に投与することを含む方法に関する。特に、該方法には、有効量の式Iの化合物及びエゼチミベとして公知のコレステロール吸収阻害剤を投与することが含まれる。
【0084】
より具体的には、このような治療を必要とするヒト患者におけるアテローム性動脈硬化の発症を遅延させるか、又は危険性を減少させる方法は、前記患者に有効量の式Iの化合物及びコレステロール吸収阻害剤を投与することを含むことが示される。より具体的には、該方法には、式Iの化合物及びエゼチミベとして公知のコレステロール吸収阻害剤を投与することが含まれる。
【0085】
本出願を通じて、他に指示が無ければ、以下の意味で以下の略語を使用する。
【0086】
【表3】

【0087】
本発明の化合物は、以下の一般的な合成スキームで概略を示した方法に従って調製することができる。
【0088】
化合物(Ia)は、R1及びR2が式Iに関して前記で定義した通りであるピラゾールIIaのアルキル化によって調製することができる。
【0089】
【化4】

【0090】
1及びR2がアルキル基又はアリール基のいずれかをあらわす化合物IIaは、文献で公知であるか、又はKatritsky他、Advances in Heterocyclic Chemistry、6巻、347〜429頁に記載さている方法など当業者が熟知している様々な方法によって便利に調製することができる。1経路をスキーム1に示す。商用に入手可能であるか、又は対応するカルボン酸から、たとえば、硫酸などの酸を含有するメタノール又はエタノールを使用してエステル化することによって容易に調製できるエステル1を、メチルケトン2の陰イオンと縮合してジケトン3を得る。該反応は、テトラヒドロフラン(THF)などの極性非プロトン性溶媒に溶かした水素化ナトリウムなどの塩基を0℃から25℃で16時間から24時間使用して実施する。March、Advanced Organic Chemistry、3版、439頁及びそこに記載の参考文献を参照のこと。2のような化合物は市販されているか、又は当業者が熟知している様々な方法によって調製することができる。次に、ジケトン3を酢酸又は塩化水素酸などの酸を含有し得るメタノールなどの極性溶媒に溶かしたヒドラジンと0℃から25℃の温度で16時間から24時間縮合する。当業者であれば理解するように、鏡像体として純粋な化合物を調製するためには、鏡像体として純粋な開始物質1及び2を使用するべきである。
【0091】
【化5】

【0092】
中間体IIaへの他の経路には、スキーム2に示し、Cabarrocas他、Tetrahedron Asymmetry、11巻、2483〜2493頁、2000及びそこに記載の参考文献に記載されているようなアルキニルケトン4とヒドラジンとの縮合が必要である。これは一般的に、DMFなどの極性溶媒中で、約0℃から25℃の温度で、約16時間から24時間実施する。中間体4の調製には、THFなどの極性非プロトン性溶媒中でジイソプロピルアミドリチウム又はブチルリチウムなどの障害の大きな塩基を使用して、アルキン5と適切に官能性を持たせたカルボン酸のWeinrebアミドとを約−78℃で結合させることが必要である。この反応は、Tetrahedron Lett.、22巻、3815頁、1981に詳細に説明されている。
【0093】
アルキン5は、市販されているか、又は対応するハロゲン化物及びヨウ化アルキニルマグネシウムから調製される(Negishi他、J.Org.Chem.62巻、8957〜8960頁、1997及びOrg.Lett.3巻、3111〜3113頁、2001を参照)。
【0094】
【化6】

【0095】
次に、中間体IIaは、以下のスキーム3に示したように式Ia−7及びIa−8の化合物に変換することができる。ピラゾールIIaの、たとえば、4−カルボキシメトキシベンジルブロミドとのアルキル化は、極性溶媒、一般的にはジメチルホルムアミド(DMF)中で、水素化ナトリウム又は炭酸セシウムなどの塩基で約0℃から25℃で、約3時間から24時間該ピラゾールを脱プロトン化してから実現することができる。場合によって、異性体の混合物が形成されよう。これらは一般的に、再結晶化し、磨砕し、調製用薄層クロマトグラフィー及びW.C.Still他、J.Org.Chem.、43、2923、(1978)によって記載されたシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー、又はHPLCによって分離することができる。HPLCによって精製した化合物は、対応する塩として単離することができる。
【0096】
次に、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール又は同溶媒の混合物などの極性溶媒中で水性水酸化リチウム又は水酸化ナトリウムなどの塩基を使用してメチルエステル6のけん化を実施する。次に、該酸とアミン、一般的に5−アミノテトラゾール7又は2位が置換されていてよいベータアラニン誘導体8との結合は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)又は塩化メチレンなどの溶媒中で、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)及び塩基、一般的にジイソプロピルエチルアミンを使用して、周囲温度で3時間から48時間実施して、化合物Ia−7及びIa−8を生成する。
【0097】
該生成物は、再結晶化し、磨砕し、調製用薄層クロマトグラフィー及びW.C.Still他、J.Org.Chem.、43、2923、(1978)によって記載されたシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー、又はHPLCによって所望しない副生成物から精製する。中間体の精製は、同様の方法で実施する。
【0098】
【化7】

【0099】
場合によっては、スキーム3で説明した反応で得られた生成物をさらに変更する。これらの操作には、当業者には通常公知の置換、還元、酸化、アルキル化、アシル化及び加水分解反応を含めることができるが、それだけには限定されない。このような1変更は図示したようにメチルエステルのけん化で、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール又は同溶媒の混合物などの極性溶媒中で水性水酸化リチウム又は水酸化ナトリウムなどの塩基を使用して実施する。
【0100】
式中、R1、R2、R4、R5、R6及びZは式Iに関して定義した通りである式Ib及びIcの化合物は、
【0101】
【化8】

スキーム4及び5に示したように調製することができる。
【0102】
4−ブロモフェニル酢酸9は、たとえば、硫酸などの酸を含有するメタノール又はエタノールを使用してエステル化することができ、次に、メチルケトン10の陰イオンによって縮合させてジケトン11を得る。該反応は、テトラヒドロフラン(THF)などの極性非プロトン性溶媒中で水素化ナトリウムなどの塩基を約0℃から25℃で約16時間から24時間使用して実施する。
【0103】
ジケトン11はメタノールなどの極性溶媒中でヒドラジン12と約0℃から25℃の温度で約16時間から24時間縮合させてピラゾール13を得る。該反応には、酢酸又は塩酸などの酸、又はDIEA又はナトリウムメトキシドなどの塩基を含めることができる。12などのヒドラジンは市販されているか、又は当業者によって調製することができる。場合によっては、異性体の混合物が形成されるが、これらは一般的に前述のように分離することができる(前記を見よ)。
【0104】
【化9】

【0105】
次に、カルボン酸の投入は、当業者に公知の化学反応を使用して様々な方法によって実施することができる。このような1方法には、スキーム5で示し、Tschaen他、Synth Commun、1994、887に記載されているように、最初にシアノ官能基を導入することが必要である。ブロミド13bを、DMFなどの極性溶媒中で、シアニド源、通常亜鉛シアニド、及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)などのパラジウム触媒で約25℃から80℃で約2時間から24時間処理することによって、ニトリルを得る。次に、エタノールなどの溶媒中で、水酸化カリウムなどの水性塩基の存在下で還流するまで加熱することによって加水分解を実施することができる。次に、酸14とアミン、一般的に5−アミノテトラゾール7又は2位が置換されていてよいベータアラニン誘導体8との結合は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)又は塩化メチレンなどの溶媒中で、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)及び塩基、一般的にジイソプロピルエチルアミンを使用して、周囲温度で3時間から48時間実施して、化合物Ia−7又はIb−8を得る。生成物Icは、同様に13cから調製することができる。場合によって、スキーム5で説明した反応から得られた生成物Ib又はcはさらに変更する。これらの操作には、当業者には通常公知の置換、還元、酸化、アルキル化、アシル化及び加水分解反応を含めることができるが、それだけには限定されない。このような1変更は図示したようにエステルのけん化であり、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール又は同溶媒の混合物などの極性溶媒中で水性水酸化リチウム又は水酸化ナトリウムなどの塩基を使用して実施する。
【0106】
【化10】

【0107】
本発明の他の実施形態では、式中、R1、R2、R4、R5、R6及びZは式Iに関して定義した通りである式Id及びIeの化合物は、
【0108】
【化11】

【0109】
スキーム6及び7に示したように調製することができる。ケトン15は文献に記載された方法によって調製することができるか、又は当業者に公知である。たとえば、4−ブロモフェニルプロピオン酸のWeinrebアミドの形成は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)又は塩化メチレンなどの溶媒中で、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)及び塩基、一般的にジイソプロピルエチルアミンなどの標準的ペプチド結合条件を周囲温度で約3時間から48時間使用して、次にグリニャール試薬などの有機金属試薬を極性非プロトン性溶媒、通常THF中で約0℃から60℃の温度で添加することによって実施する。
【0110】
次に、ケトン15をTHFなどの極性溶媒中で、たとえば、水素化ナトリウムで脱プロトン化し、蟻酸エチルなどのエステルと約0℃から25℃で約16時間から24時間縮合して、ジカルボニル化合物16を得ることができる。次に、化合物16は、酢酸又は塩酸などの酸又はDIEA又はナトリウムメトキシドなどの塩基を含有してよいメタノールなどの極性溶媒中で、ヒドラジン12と約0℃から25℃の温度で約16時間から24時間縮合して、ピラゾール17を得ることができる。場合によって、異性体の混合物が形成される。これらは一般的に、前述のように分離する。
【0111】
【化12】

【0112】
カルボン酸の投入は、当業者に公知の化学反応を使用して様々なパラジウム結合反応によって実施することができる。このような1方法には、スキーム7で示したように、最初にシアノ官能基を導入する必要がある。
【0113】
DMFなどの極性溶媒中で、シアニド源、通常亜鉛シアニド、及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)などのパラジウム触媒でブロミド17dを約25℃から80℃で約2時間から24時間処理することによって、ニトリルを得る。次に、エタノールなどの溶媒中で、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムなどの水性塩基の存在下で還流するまで加熱することによって加水分解を実施することができる。次に、酸18とアミン、一般的に5−アミノテトラゾール7又は2位が置換されていてよいベータアラニン誘導体8との結合は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)又は塩化メチレンなどの溶媒中で、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)及び塩基、一般的にジイソプロピルエチルアミンを使用して、周囲温度で約3時間から48時間実施して、化合物Id−7及びId−8を得る。
【0114】
生成物Ieは、同様に17eから調製することができる。場合によって、スキーム7で説明した反応から得られた生成物Id又はIeをさらに変更する。これらの操作には、当業者には通常公知の置換、還元、酸化、アルキル化、アシル化及び加水分解反応を含めることができるが、それだけには限定されない。このような1変更は、図示したようにtert−ブチルエステルの除去であり、これはジクロロメタン又は同様の溶媒中でトリフルオロ酢酸及びトリイソプロピルシランを使用して実施することができる。
【0115】
【化13】

【0116】
その他の置換様式、たとえば、
【0117】
【化14】

【0118】
式中、R1、R2、R4、R5、R6及びZは式Iの化合物で定義した通りであるIf及びIgは、適切なヒドラジン及びジカルボニル誘導体から、前述のもと類似の化学反応を使用して調製することができる。
【0119】
場合によっては、いくつかの異なる方法の1つで6aなどの中間体のさらなる変更を行うことができる。まず、6aのR1及びR2の1つがスキーム8のBOC保護カルバメート19などの保護されたアミノ基を含有するならば、該BOC基を除去してアミン20を出現させることができる。これは、塩化メチレンなど非プロトン性溶媒中においてトリフルオロ酢酸で周囲温度で該化合物を約0.25〜6時間処理することによって実施することができる。次に、このアミンをさらに操作することは容易に実施することができる。窒素のアシル化及びスルホニル化は、塩素酸、イソシアネート又はスルホニルクロリドなどの求電子試薬で処理することによって実施することができる。該反応は、有機塩基、一般的にピリジン又はトリエチルアミン、又は無機塩基、たとえば、水素化ナトリウム水溶液の存在下で、塩化メチレン又はTHFなどの非極性非プロトン性溶媒中で実施し、生成物21を得る。
【0120】
生成物21の所望する化合物への変換は、前記に説明したように実施する。あるいは、アミン20は、スキーム8のように、ジクロロエタンなどの溶媒中で、周囲温度で、アルデヒド及びトリアセトキシシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤による還元的アミノ化によってアルキル化することができる。22の最終生成物への変換は、既に説明したように実施する。
【0121】
【化15】

【0122】
23のように、R1及びR2がハロゲン化アリールを含有する6などの中間体の他の変更をスキーム9に説明する。該ハロゲン化アリール部分は、パラジウム2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル又はパラジウムテトラキストリフェニルホスフィンなどのパラジウム触媒を使用してボロン酸とさらに結合させることができる。溶媒は、一般的にエタノール又はトルエンで、水性炭酸ナトリウム又はフッ化カリウムもまた該反応に添加し、高温で実施する。生成物は、24反応の所望する化合物に変換することができ、前述のように実施する。
【0123】
【化16】

【0124】
以下の実施例は、本発明をより完全に理解することができるように提供する。それらは、本発明を決して限定するものではない。
【0125】
(実施例1)
4−({5−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
【0126】
【化17】

【0127】
段階A 1−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]プロパン−1,3−ジオン
無水THF55mlに溶かしたメチル4−トリフルオロメトキシベンゾエート5.16g及びアセチルシクロヘキサン3.25gの溶液に、60%水素化ナトリウム油分散液1.17gを添加した。得られた混合物を、室温で窒素下で一晩撹拌した。該反応混合物を濃HCl3.5mLの入った氷水200mLに注ぎ、エーテル3x150mLで抽出した。一緒にした有機層を飽和食塩水100mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、留去して、粗生成物を得た。5〜20%EtOAcのヘキサン溶液を使用してシリカゲルで精製し、NMRに基づいて表題化合物及び開始ケトンの2:1モル混合物が赤色液体として得られた。この物質は、次段階で精製せずに使用した。表題化合物の1H NMR(CDCl3,500MHz)δ7.93〜7.96(m、2H)、7.29(d、J=8.3Hz、2H)、6.16(s、1H)、2.34(tt、J=3.4&11.5Hz、1H)、1.93〜1.97(m、2H)、1.72〜1.91(m、3H)、1.44〜1.52(m、2H)、1.20〜1.39(m、4H)。
【0128】
段階B 5−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール
メタノール20mLに溶かした実施例1段階Aの生成物1.19gの溶液を、無水ヒドラジン0.15mLで一晩処理した。真空下で該溶液を留去した後、1%Et3Nを含む25〜35%EtOAcのヘキサン溶液を使用してシリカゲルで粗生成物を精製し、表題化合物を無色固形物として得た。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ7.77〜7.79(m、2H)、7.23(d、J=8.2Hz、2H)、6.37(s、1H)、5.00(v br s、〜3H)、2.71(tt、J=3.6&11.7Hz、1H)、2.02〜2.07(m、2H)、1.82〜1.86(m、2H)、1.44〜1.52(m、2H)、1.33〜1.41(m、2H)、1.23〜1.31(m、1H)。LC−MS:2.24分。(M+H=311.2)。
【0129】
段階C メチル4−({5−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾエート及びメチル4−({3−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾエート
無水DMF20mLに溶かした実施例1段階Bの生成物0.93g及びメチル4−ブロモメチルベンゾエート0.721gの溶液を60%水素化ナトリウム油分散液0.150gで、室温で窒素下で一晩処理した。減圧して溶媒を除去した後、粗生成物を1.5〜5%MeCNのジクロロメタン溶液を使用したシリカゲルで無色ゲルとして2種類の異性体に分離した。先に溶出した異性体は、メチル4−({5−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾエートであった。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ7.99〜8.01(m、2H)、7.82〜7.85(m、2H)、7.24(d、J=8.0Hz、2H)、7.17(d、J=8.3Hz、2H)、6.40(s、1H)、5.43(s、2H)、3.92(s、3H)、2.47(tt、J=3.0&11.7Hz、1H)、1.77〜1.82(m、4H)、1.71〜1.74(m、1H)、1.35〜1.43(m、2H)、1.20〜1.32(m、3H)。後から溶出した異性体はメチル4−({3−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾエートであった。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ7.95〜7.98(m、2H)、7.27〜7.31(m、2H)、7.21(d、J=8.2Hz、2H)、7.06(d、J=8.5Hz、2H)、6.20(s、1H)、5.32(s、2H)、3.92(s、3H)、2.72(tt、J=3.5&11.3Hz、1H)、2.04〜2.08(m、2H)、1.82〜1.87(m、2H)、1.73〜1.77(m、1H)、1.38〜1.53(m、4H)、1.25〜1.34(m、1H)。これら異性体の構造は、NOE差スペクトルを使用して確認した。
【0130】
段階D 4−({5−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)安息香酸
エタノール16mL及び水6mLに溶かした実施例1段階Cのメチル4−({5−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾエート0.55gの溶液を、HPLCに基づいて加水分解が完了するまで、5N NaOH溶液2.4等量で処理した。減圧下でエタノールを留去後、残渣を20%モル過剰の2N HClで酸性化して、酸生成物を沈殿させた。該反応混合物をEtOAc 2x25mLで抽出した。一緒にした有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥して留去し、表題化合物を白色固形物として得た。MeCN及び水5:3で再結晶化して、微細な針状結晶を得た。1HNMR(CDCl3、500MHz)δ7.95〜7.97(m、2H)、7.84〜7.87(m、2H)、7.28(d、J=8.1Hz、2H)、7.19(d、J=8.2Hz、2H)、6.56(s、1H)、5.48(s、2H)、2.60(tt、J=3.0&11.8Hz、1H)、1.72〜1.78(m、4H)、1.68〜1.72(m、1H)、1.37〜1.44(m、2H)、1.23〜1.35(m、3H)。
【0131】
段階E 4−({5−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
DMF1mlに溶かした前記の段階Dの生成物128mg、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)66.3mg、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)46.8mgの溶液を室温で30分間撹拌した。5−アミノテトラゾール1水和物(35.7mg)を添加して、該混合物をさらに16時間撹拌した。該反応混合物に水1mLを添加することによって生成物を沈殿させた。濾過によって該生成物を収集し、DMF及び水1:1、水並びにMeCNで洗浄し、乾燥して、表題化合物を白色固形物として得た。1H NMR(CD3OD、500MHz)δ7.995(d、J=8.2Hz、2H)、7.86(d、J=8.6Hz、2H)、7.27〜7.29(m、4H)、6.58(s、1H)、5.52(s、2H)、2.59〜2.65(m、1H)、1.75〜1.81(m、4H)、1.69〜1.73(m、1H)、1.39〜1.46(m、2H)、1.24〜1.37(m、3H)。LC−MS:2.32分。(M+H=512.3)。
【0132】
(実施例2)
エチルN−[4−({5−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾイル]−β−アラニナート
【0133】
【化18】

【0134】
DMF1.5mLに溶かした実施例1段階Dの生成物177.8mg、EDC92.0mg、HOBt64.9mgの溶液を室温で30分間撹拌した。ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、84μL)及びβ−アミノ−アラニンエチルエステル塩酸塩(73.7mg)を添加し、該混合物をさらに16時間撹拌した。該溶媒を減圧下で除去した。TFA0.1%を含む、MeCN及び水3:2、14mlで該残渣を溶解した後、いくらかの結晶生成物が沈殿した。9.4x250mm SB−C18 Zorbaxカラムで0.1%TFAとMeCNの密度勾配60〜80%を使用した調製用HPLCによって、1分当たり8.0mLで10分間かけて濾液を通すことによって、さらに表題化合物を単離した。1H NMR(CD3OD、600MHz)δ7.84〜7.87(m、2H)、7.75(d、J=8.4Hz、2H)、7.28(d、J=8.3Hz、2H)、7.18(d、J=8.2Hz、2H)、6.56(s、1H)、5.46(s、2H)、4.12(q、J=7.1Hz、2H)、3.60(t、J=6.8Hz、2H)、2.62(t、J=6.8Hz、2H)、2.6(tt、J=11.7&3.3Hz、1H)、1.73〜1.77(m、4H)、1.68〜1.71(m、1H)、1.37〜1.43(m、2H)、1.24〜1.35(m、3H)、1.21(t、J=7.1Hz、3H)。LC−MS:2.47分。(M+H=544.4)。
【0135】
(実施例3)
N−[4−({5−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾイル]−β−アラニン
【0136】
【化19】

【0137】
実施例2から得られた生成物135.8mgをエタノール5mL及び水0.15mLに溶解し、該溶液を5N NaOH溶液50mLで室温で一晩処理した。溶媒を減圧下で除去した。該残渣を水に溶解し、2N HClでpH約1に酸性化した。濾過して白色固形物を収集し、水で洗浄し、乾燥して表題化合物を白色固形物として得た。1H NMR(CD3OD、500MHz)δ8.51(t、J=5.7Hz、1NH)、7.86〜7.89(m、2H)、7.775(d、J=8.3Hz、2H)、7.30(d、J=8.0Hz、2H)、7.20(d、J=8.2Hz、2H)、6.57(s、1H)、5.48(s、2H)、3.59〜3.64(m、2H)、2.59〜2.66(m、3H)、1.76〜1.81(m、4H)、1.69〜1.74(m、1H)、1.38〜1.47(m、2H)、1.24〜1.38(m、3H)。LC−MS:2.25分。(M+H=516.3)。
【0138】
(実施例4)
メチル(2R)−3−{[4−({5−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾイル]アミノ}−2−ヒドロキシプロパノエート
【0139】
【化20】

【0140】
段階A [(4R)−2,2−ジメチル−5−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル]酢酸
トルエン200mLに溶かしたD−リンゴ酸25.05g及び2,2−ジメトキシプロパン68.1gの溶液を窒素下で2時間還流した。溶媒を減圧下で除去し、表題化合物を白色固形物として得た。1H NMR(CDCl3、500MHz)δ4.76(dd、J=3.9&6.6Hz、1H)、3.02(dd、J=3.9&17.2Hz、1H)、2.88(dd、J=6.6&17.2Hz、1H)、1.64(s、3H)、1.59(s、3H)。
【0141】
段階B ベンジル[(4R)−2,2−ジメチル−5−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチルカルバメート
トルエン100mLに溶かした前記の段階Aの中間体5.25g、ジフェニルホスホリルアジド8.88g及びトリエチルアミン3.34gの溶液を窒素下で75分間還流した。ベンジルアルコール(2.92g)を添加し、還流をさらに15時間継続した。該反応混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、5%NaHCO3及び飽和食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、真空下で留去して、粗生成物を得た。それをシリカゲル上で20〜45%酢酸エチルのヘキサン溶液で精製し、表題化合物を黄色油状物として得た。1H NMR(CDCl3、500MHz)δ7.33〜7.40(m、5H)、5.175(d、J=12.1Hz、1H)、5.11(d、J=11.9Hz、1H)、4.50〜4.52(m、1H)、3.69〜3.75(m、1H)、3.60〜3.66(m、1H)、1.59(s,3H)、1.57(s、3H)。
【0142】
段階C メチル(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパノエート塩酸塩
前記の段階Bで説明した方法によって調製したベンジル[(4R)−2,2−ジメチル−5−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチルカルバメート(7.76g)を10%Pd/C0.62gを含むメタノール(70mL)に溶解した。1M HClのエーテル溶液を添加した(25mL)。この混合物を水素バルーンを使用して22時間水素化した。該反応混合物を窒素でパージし、セライトパッドで濾過し、真空下で留去して、表題化合物を黄色味を帯びた固形物として得た。1H NMR(CD3OD、500MHz)δ4.45(dd、J=4及び8Hz、1H)、3.82(s、3H)、3.31(dd、1H)、3.15(dd、J=8及び13Hz、1H)。
【0143】
段階D メチル(2R)−3−{[4−({5−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾイル]アミノ}−2−ヒドロキシプロパノエート
DMF1mLに溶かした実施例1段階Dの生成物44.4mg、EDC28.8mg、HOBt20.3mg、前記段階Cから得られたメチル(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパノエート塩酸塩31.1mg及びDIEA70μLの溶液を室温で一晩撹拌した。表題化合物は、9.4x250mm SB−C18 Zorbaxカラムで、0.1%TFAとMeCN密度勾配55〜75%を使用した調製用HPLCによって、1分当たり8.0mLで10分間かけて単離し、凍結乾燥後白色固形物として得た。LC−MS:2.55分。(M+H=546.3)。
【0144】
(実施例5)
(2R)−3−{[4−({5−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−イル}メチル)ベンゾイル]アミノ}−2−ヒドロキシプロパン酸
【0145】
【化21】

【0146】
メタノール0.937mL及び水0.156mLに溶かした前記の実施例4の生成物(42.9mg)の溶液を5N NaOH0.078mLで一晩処理した。表題化合物は、9.4x250mm SB−C18 Zorbaxカラムで、0.1%TFAと50〜70%MeCN密度勾配を使用した調製用HPLCによって、1分当たり8.0mLで10分間かけて単離し、凍結乾燥後白色固形物として得た。LC−MS:2.44分。(M+H=532.3)。
【0147】
(実施例6)
4−({3−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
【0148】
【化22】

【0149】
段階A 4−({3−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)安息香酸
エノタール6mL及び水2.5mLに溶かした実施例1段階Cから得られた4−({3−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾエート0.19gの溶液を、HPLCに基づいて加水分解が完了するまで5N NaOH溶液2.4等量で処理した。減圧下でエタノールを留去した後、残渣を20%モル過剰な2N HClで酸性化して、酸生成物を沈殿させた。該反応混合物をEtOAc2x35mLで抽出した。一緒にした有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥して、留去して、表題化合物を白色固形物として得た。MeCN及び水5:3で再結晶化して、微細な針状結晶を得た。1H NMR(CDCl3,500MHz)δ7.89(d、J=8.3Hz、2H)、7.39〜7.42(m、2H)、7.29(d、J=8.1Hz、2H)、7.00(d、J=8.3Hz、2H)、6.30(s、1H)、5.38(s、2H)、2.67(tt、J=3.5&11.5Hz、1H)、1.97〜2.01(m、2H)、1.80〜1.85(m、2H)、1.71〜1.75(m、1H)、1.38〜1.53(m、4H)、1.26〜1.33(m、1H)。LC−MS:2.47分。(M+H=445.3)。
【0150】
段階B 4−({3−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
DMF1mLに溶かした前記段階Aの生成物70mg、EDC38.1mg、HOBt26.9mgの溶液を室温で30分間撹拌した。5−アミノテトラゾール1水和物(20.5mg)を添加し、該混合物をさらに16時間撹拌した。該反応混合物に水1mLを添加することによって該生成物を沈殿させた。濾過によって該生成物を収集し、DMF及び水1:1、水並びにMeCNで洗浄し、乾燥して、表題化合物を白色固形物として得た。1H NMR(CD3OD、600MHz)δ7.92(d、J=8.4Hz、2H)、7.42〜7.45(m、2H)、7.30(d、J=8.2Hz、2H)、7.08(d、J=8.4Hz、2H)、6.32(s、1H)、5.42(s、2H)、2.67(tt、J=3.5&11.5Hz、1H)、1.97〜2.01(m、2H)、1.81〜1.85(m、2H)、1.72〜1.76(m、1H)、1.46〜1.53(m、2H)、1.38〜1.47(m、2H)、1.26〜1.35(m、1H)。LC−MS:2.30分。(M+H=512.3)。
【0151】
(実施例7)
エチルN−[4−({3−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾイル]−β−アラニナート
【0152】
【化23】

【0153】
DMF0.5mLに溶かした実施例6段階Aの生成物66.7mg、EDC34.5mg、HOBt24.3mgの溶液を室温で30分間撹拌した。DIEA(31μL)及びβ−アミノ−アラニンエチルエステル塩酸塩(27.6mg)を添加し、該混合物をさらに16時間撹拌した。該溶媒を減圧下で除去した。表題化合物は、9.4x250mm SB−C18 Zorbaxカラムで、0.1%TFAとMeCN密度勾配60〜80%を使用した調製用HPLCによって、1分当たり8.0mLで10分間かけて単離し、その後凍結乾燥した。1H NMR(CD3OD、600MHz)δ7.68(d、J=8.4Hz、2H)、7.39〜7.42(m、2H)、7.28(d、J=8.1Hz、2H)、6.99(d、J=8.3Hz、2H)、6.31(s、1H)、5.37(s、2H)、4.11(q、J=7.1Hz、2H)、3.59(t、J=6.8Hz、2H)、2.66(tt、J=11.6&3.5Hz、1H)、2.61(t、J=6.8Hz、2H)、1.96〜2.00(m、2H)、1.80〜1.84(m、2H)、1.71〜1.75(m、1H)、1.45〜1.52(m、2H)、1.37〜1.45(m、2H)、1.25〜1.33(m、1H)、1.21(t、J=7.1Hz、3H)。LC−MS:2.44分。(M+H=544.4)。
【0154】
(実施例8)
N−[4−({3−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾイル]−β−アラニン
【0155】
【化24】

【0156】
実施例7から得られた生成物71.1mgをエタノール2.5mL及び水0.075mLに溶解し、該溶液を5N NaOH0.26mLで室温で一晩処理した。溶媒を減圧下で除去した。該残渣を水に溶解し、2N HClでpH約1に酸性化した。濾過して白色固形物を収集し、水で洗浄し、乾燥して表題化合物を白色固形物として得た。1H NMR(CD3OD、500MHz)δ8.48(t、1NH)、7.71(d、J=8.5Hz、2H)、7.41〜7.45(m、2H)、7.31(d、J=8.3Hz、2H)、7.035(d、J=8.4Hz、2H)、6.32(s、1H)、5.38(s、2H)、3.60(t、J=7.0Hz、2H)、2.68(tt、J=3.5&11.6Hz、1H)、2.62(t、J=6.9Hz、3H)、1.98〜2.04(m、2H)、1.82〜1.87(m、2H)、1.73〜1.78(m、1H)、1.40〜1.56(m、4H)、1.27〜1.36(m、1H)。LC−MS:2.23分。(M+H=516.3)。
【0157】
(実施例9)
メチル(2R)−3−{[4−({3−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾイル]アミノ}−2−ヒドロキシプロパノエート
【0158】
【化25】

【0159】
DMF0.5mLに溶かした実施例6段階Aの生成物24.6mg、EDC15.9mg、HOBt11.2mg、実施例4段階Cから得られたメチル(2R)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパノエート塩酸塩17.2mg及びDIEA39μLの溶液を室温で一晩撹拌した。表題化合物は、9.4x250mm SB−C18 Zorbaxカラムで、0.1%TFAとMeCN密度勾配55〜75%を使用した調製用HPLCによって、1分当たり8.0mLで10分間かけて単離し、凍結乾燥後白色固形物として得た。LC−MS:2.55分。(M+H=546.3)。
【0160】
(実施例10)
(2R)−3−{[4−({3−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾイル]アミノ}−2−ヒドロキシプロパン酸
【0161】
【化26】

【0162】
メタノール0.411mL及び水0.068mLに溶かした前記の実施例9の生成物(18.8mg)の溶液を5N NaOH0.034mLで一晩処理した。表題化合物は、9.4x250mm SB−C18 Zorbaxカラムで、0.1%TFAとMeCN密度勾配50〜70%を使用した調製用HPLCによって、1分当たり8.0mLで10分間かけて単離し、凍結乾燥後白色固形物として得た。LC−MS:2.41分。(M+H=532.3)。
【0163】
(実施例11)
4−({1−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
【0164】
【化27】

【0165】
段階A メチル4−ブロモフェニル酢酸
メタノール1.5Lに溶かした4−ブロモフェニル酢酸202.78gの溶液を濃硫酸15mLで処理し、得られた混合物を窒素下で3時間還流した。ほとんど全てのメタノールを蒸留によって除去した。残渣をエーテル1Lで希釈した。下層を分離し、エーテル2x100mLで抽出した。一緒にしたエーテル溶液を5%NaHCO33x250mL及び飽和食塩水250mLで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を淡黄褐色油状物として得た。シリカゲル300gで10%EtOAcのヘキサン溶液によって濾過し、減圧下で濃縮して表題化合物を無色油状物として得た。1H NMR(CDCl、500MHz)δ7.46〜7.48(m、2H)、7.16〜7.19 (m、2H)、3.72(s、3H)、3.60(s、2H)。
【0166】
段階B 4−(4−ブロモフェニル)−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]ブタン−1,3−ジオン
無水THF60mLに溶かした4−トリフルオロメトキシアセトフェノン5.40g及びメチル4−ブロモフェニルアセテート7.57gの溶液を60%NaH1.59gで60時間処理した。該溶媒を減圧下で除去した後、該反応混合物をエーテル250mLで希釈して、0.2M HCl 250mL、5%NaHCO3 2x100mL及び飽和食塩水100mLで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、留去して粗生成物を得た。シリカゲルで5〜20%EtOAcのヘキサン溶液を使用して精製し、表題化合物を赤色油状物として得た。1H NMR(CDCl3、500MHz)δ7.86〜7.89(m、2H)、7.48〜7.51(m、2H)、7.27(d、J=7Hz、2H)、7.17〜7.19(m、2H)、6.07(s、1H)、3.70(s、2H)。
【0167】
段階C 3−(4−ブロモフェニル)−1−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール及び5−(4−ブロモベンジル)−1−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール
メタノール20mLに溶かした前記段階Bの4−(4−ブロモフェニル)−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−ブタン−1,3−ジオン1.20g、シクロヘキシルヒドラジン塩酸塩0.497g及びDIEA0.575mLの溶液を一晩還流した。該溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をシリカゲル上で塩化メチレンで溶出することによって分離し、黄色油状物を得た。先に溶出した異性体は、NOE差、COSY、及びNOESYスペクトルに基づいて、5−(4−ブロモベンジル)−1−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾールであった。1H NMR(CDCl3、600MHz)δ7.78〜7.81(m、2H)、7.44〜7.47(m、2H)、7.21(d、J=8.1Hz、2H)、7.07〜7.10(m、2H)、6.22(s、1H)、3.97(s、2H)、3.88(tt、J=3.9&11.7Hz、1H)、1.95〜2.03(m、2H)、1.85〜1.89(m、2H)、1.75〜1.79(m、2H)、1.68〜1.71(m、1H)、1.24〜1.33(m、3H)。LC−MS:2.86分。(M+H=479.2/481)。後から溶出した異性体は3−(4−ブロモベンジル)−1−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)−フェニル]−1H−ピラゾールであった。1H NMR(CDCl3、600MHz)δ7.40〜7.43(m、2H)、7.33〜7.36(m、2H)、7.28(d、J=8.2Hz、2H)、7.16〜7.19(m、2H)、5.90(s、1H)、3.99(tt、J=3.7&11.7Hz、1H)、3.97(s、2H)、2.02〜2.10(m、2H)、1.85〜1.92(m、4H)、1.66〜1.70(m、1H)、1.24〜1.35(m、3H)。LC−MS:2.79分。(M+H=479/481.1)。
【0168】
段階D 4−({1−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}メチル)ベンゾニトリル
DMF2mLに溶かした前記段階Cの3−(4−ブロモベンジル)−1−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール526mg、シアン化亜鉛79.9mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)50.8mgの混合物を窒素下で80℃の油浴で20時間加熱した。DMFのほとんどを留去した。残渣は、シリカゲルで1%及び3%MeCNの塩化メチレン溶液を使用して精製し、表題化合物を黄色味を帯びた固形物として得た。1H NMR(CDCl3、500MHz)δ7.61(d、J=8.2Hz、2H)、7.42(d、J=8.3Hz、2H)、7.35〜7.38(m、2H)、7.31(d、J=8.3Hz、2H)、5.94(s、1H)、4.09(s、2H)、4.02(tt、J=2.75&11.7Hz、1H)、2.03〜2.11(m、2H)、1.87〜1.94(m、4H)、1.69〜1.72(m、1H)、1.25〜1.35(m、3H)。LC−MS:2.55分。(M+H=426.2)。
【0169】
段階E 4−({1−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}メチル)安息香酸
エノタール10mL及び水2.5mLに溶かした前記段階Dから得られた4−({1−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}メチル)ベンゾニトリル0.45gの暖かい溶液に水酸化カリウムペレット0.70gを添加した。得られた溶液を窒素下で一晩還流した。エタノールを減圧下で除去した。1N HCl11.5mLを残渣に添加することによって生成物を沈殿させた。表題化合物を濾過によって収集し、水で数回洗浄し、乾燥して、やや黄色味を帯びた固形物を得た。1H NMR(CD3OD、500MHz)δ7.94〜7.96(m、2H)、7.47〜7.49(m、2H)、7.37〜7.41(m、4H)、6.09(s、1H)、4.06(s、2H)、4.05(tt、J=3.8&約11.9Hz、1H)、1.97〜2.05(m、2H)、1.85〜1.93(m、4H)、1.67〜1.71(m、1H)、1.26〜1.36(m、3H)。LC−MS:2.38分。(M+H=445.2)。
【0170】
段階F 4−({1−シクロヘキシル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
DMF1mLに溶かした前記段階Eの生成物55.6mg、EDC28.8mg、HOBt20.3mgの溶液を室温で45分間撹拌した。5−アミノテトラゾール1水和物(15.5mg)を添加し、該混合物をさらに22時間撹拌した。DIEA(26μL)及びEDC(13.8mg)をさらに加え、反応をもう1日継続した。表題化合物は、0.1%TFAと75〜90%MeCN密度勾配を使用した調製用HPLCによって、1分当たり8.0mLで10分間かけ、凍結乾燥後白色固形物として単離された。LC−MS:2.26分。(M+H=512.1)。
【0171】
(実施例12)
4−({1−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
【0172】
【化28】

【0173】
段階A 4−({1−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}メチル)ベンゾニトリル
DMF2.5mLに溶かした実施例11段階Cの5−(4−ブロモベンジル)−1−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール651mg、シアン化亜鉛95.7mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)62.9mgの混合物を窒素下で80℃の油浴で24時間加熱した。DMFのほとんどを留去した。残渣は、シリカゲルで1%及び3%MeCNの塩化メチレン溶液を使用して精製し、表題化合物を黄色泡状物質として得た。1NMR(CDCl3、600MHz)δ7.78〜7.81(m、2H)、7.63(d、J=8.3Hz、2H)、7.33(d、J=8.2Hz、2H)、7.215(d、J=8.3Hz、2H)、6.25(s、1H)、4.09(s、2H)、3.83(tt、J=3.9&11.7Hz、1H)、1.96〜2.03(m、2H)、1.85〜1.89(m、2H)、1.73〜1.77(m、2H)、1.68〜1.71(m、1H)、1.23〜1.33(m、3H)。LC−MS:2.63分(M+H=426)。
【0174】
段階B 4−({1−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}メチル)安息香酸
エタノール9mL及び水3mLに溶かした前記段階Aの4−({1−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}メチル)ベンゾニトリル0.395gの混合物に水酸化カリウムペレット0.80gを添加した。得られた溶液を窒素下で一晩還流した。エタノールは減圧下で除去した。生成物は、残渣に1N HCl14mLを添加することによって沈殿させた。表題化合物は、濾過によって収集し、水で数回洗浄し、乾燥して、オフホワイトの固形物を得た。1H NMR(CD3OD、600MHz)δ7.97(d、J=8.2Hz、2H)、7.81〜7.84(m、2H)、7.35(d、J=8.2Hz、2H)、7.25(d、J=8.2Hz、2H)、6.425(s、1H)、4.165(s、2H)、4.01(tt、J=3.9&11.8Hz、1H)、1.86〜1.93(m、2H)、1.78〜1.83(m、2H)、1.64〜1.68(m、3H)、1.20〜1.35(m、3H)。LC−MS:2.49分。(M+H=445.2)。
【0175】
段階C 4−({1−シクロヘキシル−3−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−5−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
前記段階Bの生成物44.4mg、EDC28.8mg、HOBt20.3mg及びアミノテトラゾール1水和物13.4mgの混合物をDMF1mLに溶解した。DIEA(44μL)をすぐに添加し、得られた溶液を室温で5日間撹拌した。該反応混合物をDMF、MeCN、及び水の混合物で希釈し、0.1%TFAと70〜80%MeCN密度勾配を使用した調製用HPLCによって、1分当たり8.0mLで10分間かけて精製した。表題化合物は、凍結乾燥後白色固形物として得られた。1H NMR(CD3OD、500MHz)δ8.03(d、J=8.3Hz、2H)、7.84〜7.86(m、2H)、7.46(d、J=8.2Hz、2H)、7.28(d、J=8.2Hz、2H)、6.47(s、1H)、4.23(s、2H)、4.055(tt、J=3.7&11.7Hz、1H)、1.88〜1.97(m、2H)、1.81〜1.85(m、2H)、1.67〜1.73(m、3H)、1.25〜1.39(m、3H)。LC−MS:2.34分。(M+H=512.2)。
【0176】
(実施例13)
4−({5−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
【0177】
【化29】

【0178】
段階A 3−(4−ブロモフェニル)−N−メトキシ−N−メチルプロパンアミド
3−(4−ブロモフェニル)プロパン酸24.95g、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩12.75g、EDC27.14g及びHOBt17.66gの混合物に、DMF300mL及びDIEA47.4mLを添加した。該反応混合物を室温で17時間撹拌して、次に氷水700mLに注いで、EtOAc5x200mLで抽出した。一緒にしたEtOAc溶液を5%NaHCO 200mL、水4x200mL及び飽和食塩水200mLで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を黄色油状物として得た。シリカゲルで、35〜55%EtOAcのヘキサン溶液を使用して精製し、表題化合物を黄色味を帯びた油状物として得た。1H NMR(CDCl3、500MHz)δ7.40〜7.43(m、2H)、7.11〜7.14(m、2H)、3.63(s、3H)、3.19(s、3H)、2.93(t、J=7.8Hz、2H)、2.73(t、J=7.7Hz、2H)。LC−MS:1.77分。(M+H=272.1/274)。
【0179】
段階B 3−(4−ブロモフェニル)−1−シクロヘキシルプロパン−1−オン
氷浴で冷却した無水エーテル500mLに溶かした前記段階Aの3−(4−ブロモフェニル)−N−メトキシ−N−メチルプロパンアミド25.02gの溶液にシクロヘキシルマグネシウムブロミド2Mのエーテル溶液115mLを30分かけて添加した。添加終了後、該冷却浴を取り除いた。75分後、シクロヘキシルマグネシウムブロミド2Mのエーテル溶液30mLをさらに添加した。該反応混合物を40分間撹拌し、エーテル500mL、冷水500mL、飽和食塩水200mL及び2N HCl175mLを含有する混合物に注いだ。層を分離した。水層をエーテル4x75mLで抽出した。一緒にしたエーテル溶液を5%NaHCO3及び飽和食塩水1:1 200mL、次に飽和食塩水200mLで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、留去して粗生成物を得た。シリカゲルで20〜100%EtOAcのヘキサン溶液を使用して精製し、5〜10%EtOAcのヘキサン溶液で再精製して、表題化合物を黄色油状物として得た。1H NMR(CDCl3、500MHz)δ7.39〜7.42(m、2H)、7.06〜7.09(m、2H)、2.84〜2.87(m、2H)、2.74〜2.78(m、2H)、2.32(tt、J=3.3&11.3Hz、1H)、1.76〜1.84(m、4H)、1.65〜1.70(m、1H)、1.15〜1.36(m、5H)。
【0180】
段階C 2−(4−ブロモベンジル)−3−シクロヘキシル−3−オキソプロパナール
無水THF50mLに溶かした前記段階Bの3−(4−ブロモフェニル)−1−シクロヘキシルプロパン−1−オン2.84gの溶液に、60%水素化ナトリウム1.15gを添加し、次に蟻酸エチル6.2mLを1回、3.2mLを5回1日かけて添加した。得られた混合物を、室温で窒素下でさらに1日撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を冷却した0.1N HCl及びエーテルとで分画した。一緒にしたエーテル抽出物を水(2x)、5%NaHCO3(3x)及び飽和食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥して、留去して、粗生成物をオレンジ色の固形物として得た。シリカゲルで10〜15%EtOAcのヘキサン溶液を使用して精製し、表題化合物をピンク色の油状固形物として得た。1H NMR(CDC13、500MHz)δ15.43(d、J=7.1Hz、1H)、8.01(d、J=7.1Hz、1H)、7.43〜7.45(m、2H)、7.07(d、J=8.3Hz、2H)、3.52(s、2H)、2.32(tt、J=11.5&Hz、1H)、1.73〜1.77(m、2H)、1.63〜1.68(m、1H)、1.49〜1.53(m、2H)、1.39〜1.47(m、2H)、1.07〜1.25(m、4H)。
【0181】
段階D 4−(4−ブロモベンジル)−5−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール及び4−(4−ブロモベンジル)−3−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール
メタノール100mLに溶かした前記段階Cの2−(4−ブロモベンジル)−3−シクロヘキシル−3−オキソプロパナール3.17g及び4−トリフルオロメトキシフェニルヒドラジン塩酸塩2.47gの溶液に、0.5Mナトリウムメトキシドのメタノール溶液21.6mLを添加した。得られた混合物を窒素下で2日間還流した。該溶媒を減圧下で除去した。得られた粗生成物をシリカゲルで0〜10%MeCNの塩化メチレン溶液、0〜2%MeCNの塩化メチレン溶液、又は7〜10%EtOAcのヘキサン溶液を使用して繰り返しクロマトグラフィーを行った。純粋な4−(4−ブロモベンジル)−5−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾールが、クロマトグラフィーの画分をメタノールで再結晶化することによって主要な生成物として得られた。1H NMR(CDCl3、500MHz)δ7.64〜7.67(m、2H)、7.43〜7.46(m、2H)、7.44(s、1H)、7.23〜7.27(m、2H)、7.10〜7.13(m、2H)、3.82(s、2H)、2.63(tt、J=3.3&11.8Hz、1H)、1.83〜1.89(m、4H)、1.72〜1.76(m、1H)、1.60〜1.69(m、2H)、1.27〜1.40(m、3H)。LC−MS:2.91分。(M+H=479)。純粋な4−(4−ブロモベンジル)−3−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾールが、シリカゲルクロマトグラフィー画分の調製用HPLCによって少量の生成物として得られた。1H NMR(CDCl3、500MHz)δ7.59〜7.63(m、2H)、7.44〜7.47(m、2H)、7.41(s、1H)、7.25〜7.28(m、2H)、7.10〜7.13(m、2H)、3.82(s、2H)、2.64(tt、J=3.2&12.1Hz、1H)。1.83〜1.89(m、4H)、1.72〜1.76(m、1H)、1.57〜1.66(m、2H)、1.27〜1.39(m、3H)。LC−MS:2.70分。(M+H=479.1/481)。これらの異性体は、NOE差スペクトルによって同定確認した。
【0182】
段階E 4−({5−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)ベンゾニトリル
DMF5mLに溶かした前記段階Dの4−(4−ブロモベンジル)−5−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール782mg、シアン化亜鉛115mg及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)94mgの混合物を窒素下で75℃の油浴で一晩加熱した。DMFのほとんどを留去した。残渣はシリカゲルで10〜40%EtOAcのヘキサン溶液を使用して精製し、表題化合物を黄色味を帯びた固形物として得た。1H NMR(CDCl3、500MHz)δ7.61〜7.64(m、2H)、7.40〜7.44(m、2H)、7.33〜7.37(m、4H)、7.31(s、1H)、4.06(s、2H)、2.70(tt、J=3.1&12.5Hz、1H)、1.73〜1.79(m、4H)、1.66〜1.71(m、1H)、1.50〜1.58(m、2H)、1.09〜1.24(m、3H)。LC−MS:2.46分。(M+H=426.2)。
【0183】
段階F 4−({5−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)安息香酸
エノタール15mL及び水6mLに溶かした前記段階Eから得られた4−({5−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)ベンゾニトリル0.73gの暖かい溶液に水酸化カリウム1.11gを添加した。得られた溶液を窒素下で一晩還流した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を水10mLに再懸濁し、2N HCl9.0mLで酸性化した。得られた固形物を濾過し、水で洗浄し、乾燥して表題化合物を白色固形物として得た。1H NMR(CD3OD、500MHz)δ7.95(d、J=8.2Hz、2H)、7.48〜7.50(m、2H)、7.45(d、J=8.6Hz、2H)、7.36(s、1H)、7.32(d、J=8.2Hz、2H)、4.06(s、2H)、2.66(tt、J=3.0&12.7Hz、1H)、1.69〜1.73(m、4H)、1.53〜1.64(m、3H)、1.09〜1.19(m、3H)。LC−MS:2.29分。(M+H=445.2)。
【0184】
段階G 4−({5−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
前記段階Fの生成物66.7mg、EDC71.9mg、HOBt30.4mg及びアミノテトラゾール1水和物23.2mgの混合物をDMF1mLに溶解した。DIEA(92μL)をすぐに添加し、得られた溶液を室温で17時間撹拌した。該反応混合物をDMSO、MeCN及び水の混合物で希釈し、0.1%TFAと65〜80%MeCN密度勾配を使用した調製用HPLCによって、1分当たり8.0mLで10分間かけて精製した。表題化合物は、凍結乾燥後白色固形物として得られた。1H NMR(DMSO−d6、500MHz)δ8.045(d、J=8.2Hz、2H)、7.50〜7.54(m、4H)、7.41(d、J=8.2Hz、2H)、7.33(s、1H)、4.06(s、2H)、2.64(tt、J=3.0&12.2Hz、1H)、1.62〜1.72(m、4H)、1.48〜1.48(m、3H)、1.05〜1.15(m、3H)。LC−MS:1.97分。(M+H=512.2)。
【0185】
(実施例14)
4−({3−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
【0186】
【化30】

【0187】
段階A 4−({3−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)ベンゾニトリル
DMF5mLに溶かした実施例13段階Dの4−(4−ブロモベンジル)−3−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール0.75g、シアン化亜鉛110mg及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)90mgの混合物を窒素下で75℃の油浴で一晩加熱した。DMFのほとんどを留去した。残渣をシリカゲルで10〜40%EtOAcのヘキサン溶液を使用して精製し、表題化合物を無色ゲルとして得た。1H NMR(CDCl3、500MHz)δ7.64〜7.65(m、2H)、7.62〜7.64(m、2H)、7.50(s、1H)、7.35(d、J=8.2Hz、2H)、7.26〜7.29(m、2H)、3.94(s、2H)、2.58(tt、J=3.1&11.9Hz、1H)、1.82〜1.87(m、4H)、1.72〜1.76(m、1H)、1.58〜1.67(m、2H)、1.28〜1.38(m、3H)。LC−MS:2.67分。(M+H=426)。
【0188】
段階B 4−({3−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)安息香酸
エノタール20mL及び水6mLに溶かした前記段階Aから得られた4−({3−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)ベンゾニトリル0.63gの暖かい溶液に水酸化カリウム0.96gを添加した。得られた溶液を窒素下で1日還流した。HPLCによってアミド中間体がいくらか残存していることが示された。水2mL及びエタノール4mLに溶かした水酸化カリウム1.05gを添加した。さらに17時間還流を続けた。溶媒を減圧下で除去した。残渣を水5mLに再懸濁し、2N HCl18.0mLで酸性化した。得られた固形物を濾過し、水で洗浄し、乾燥して表題化合物を白色固形物として得た。1H NMR(CD3OD、500MHz)δ7.93〜7.95(m、2H)、7.91(s、1H)、7.75〜7.79(m、2H)、7.32〜7.36(m、4H)、3.95(s、2H)、2.60(tt、J=3.2&11.8Hz、1H)、1.68〜1.81(m、5H)、1.51〜1.60(m、2H)、1.22〜1.36(m、3H)。LC−MS:2.51分。(M+H=445.2)。
【0189】
段階C 4−({3−シクロヘキシル−1−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
前記段階Bの生成物66.7mg、EDC71.9mg、HOBt30.4mg及びアミノテトラゾール1水和物23.2mgの混合物をDMF1mLに溶解した。DIEA(92μL)をすぐに添加し、得られた溶液を室温で17時間撹拌した。反応混合物をDMF及び水約2:1混合物で希釈し、0.1%TFAと70〜80%MeCN密度勾配を使用した調製用HPLCによって、1分当たり8.0mLで10分間かけて精製した。表題化合物は、凍結乾燥後白色固形物として得られた。1H NMR(DMSO−d6、500MHz)δ8.26(s、1H)、8.02(d、J=8.2Hz、2H)、7.84〜7.87(m、2H)、7.40〜7.45(m、4H)、3.92(s、2H)、2.58(tt、J=3.4&11.9Hz、1H)、1.62〜1.74(m、5H)、1.41〜1.50(m、2H)、1.17〜1.31(m、3H)。LC−MS:2.41分。(M+H=512.3)。
【0190】
実施例1〜14に概略を示した方法によって、表1〜9に挙げた化合物を調製した。
【0191】
【表4】


【0192】
【表5】


【0193】
【表6】


【0194】
【表7】

【0195】
【表8】


【0196】
【表9】

【0197】
【表10】

【0198】
【表11】

【0199】
【表12】

【0200】
(実施例73)
4−{[3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
【0201】
【化31】

【0202】
段階A 1−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパ−2−イン−1−オン
−78℃に冷却した無水THF20mLに溶かした4−メトキシ−1−エチニルベンゼン(0.57g、4.27mmol)の溶液にN2雰囲気下でnButLi(3.2mL、5.12mmol)を添加した。5分後、THF(10mL)に溶かした3,5−ジクロロ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド(1.0g、4.27mmol)を該反応液に添加した。該反応液をゆっくり30分かけて−40℃に温め、次に飽和NH4Cl溶液で停止させた。得られた2相混合物をEtOAc(3X)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで酢酸エチル−ヘキサン1:10を使用して精製し、表題化合物を黄色固形物として得た。1H NMR(CDCl3、500MHz):δ8.09(d、J=2.0Hz、2H)、7.7(d、J=7.1Hz、2H)、7.64(t、J=1.8Hz、1H)、7.0(d、J=8.7Hz、1H)、3.91(s、3H)。
【0203】
段階B 3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール
DMF(20mL)に溶かした段階A(1.13g、3.7mmol)の中間体の溶液に、ヒドラジン(0.37mL、4.07mmol、35%水溶液)を添加した。2時間後、該反応混合物を真空下で濃縮した。該残渣をH2O(20mL)に懸濁した。白色沈殿を粉砕した。該水層を酢酸エチル(2X)で抽出した。有機層を無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。オフホワイトの固形物が得られた。この物質は、次段階で精製せずに使用した。1H NMR(CDCl3、500MHz):δ7.7(d、J=1.8Hz、2H)、7.66(d、J=8.4Hz、2H)、7.35(s、1H)、7.03(d、J=8.7Hz、2H)、6.8(s、1H)、3.91(s、3H)。LC−MS:2.92分。(M+H)=319。
【0204】
段階C メチル4−{[3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}ベンゾエート
DMF(20mL)に溶かした段階Bの中間体(1.1g、3.44mmol)の溶液に、Cs2CO3(1.68g、5.15mmol)及びメチル4−(ブロモメチル)−ベンゾエート(0.94g、4.13mmol)を添加した。得られた溶液を、室温で48時間した。該反応混合物は、H2O(50mL)を添加することによって停止させた。得られた溶液を酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮し、黄色油状物を得た。この物質は、フラッシュクロマトグラフィーで15%酢酸エチル−ヘキサンを使用して精製した。白色固形物が得られた。この物質をフラッシュクロマトグラフィーでDCMを使用して再精製すると、2種類のピラゾール異性体A及びBが2:1比で得られた。該ピラゾール異性体は、NOE差スペクトルによって割り当てた。1H NMR(CDCl3、500MHz):異性体A(カラムから最初に出た化合物);δ8.06(d、J=8.2Hz、2H)、7.78(d、J=1.8Hz、2H)、7.32(t、J=1.9Hz、1H)、7.26(d、J=8.7Hz、2H)、7.19(d、J=8.3Hz、2H)、6.96(d、J=8.7Hz、2H)、6.63(s、1H)。5.44 (s、2H)、3.94(s、3H)、3.87(s、3H)。LC−MS:2.94分;(M+H)=467.2。異性体B(カラムから2番目に出た化合物);δ8.03(d、J=8.3Hz、2H)、7.82(d、J=8.7Hz、2H)、7.42(t、J=1.9Hz、1H)、7.22(d、J=l.9Hz、2H)、7.21(s、1H)、7.01(d、J=8.9Hz、2H)、6.6(s、1H)、5.49(s、2H)、3.94(s、3H)、3.85(s、3H)。
【0205】
段階D 4−{[3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}安息香酸
THF(30mL)に溶かした段階Cの中間体(異性体A、0.99g、2.13mmol)の溶液に、メタノール(10mL)次いで水酸化ナトリウム溶液(2N、2mL、4mmol)を添加した。該反応物は室温で一晩撹拌した。該反応混合物を真空下で濃縮して、有機溶媒を除去した。残渣は、pHが2未満になるまで1N HClで酸性化した。得られた溶液を酢酸エチル(2X)で抽出し、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮し、表題化合物を白色固形物として得た。この物質は、次段階でさらには精製せずに使用した。1H NMR(DMSO、500 MHz):δ7.89(d、J=8.2Hz、2H)、7.88(d、J=1.8Hz、2H)、7.55(d、J=1.9Hz、1H)、7.38(d、J=8.7Hz、2H)、7.15(d、J=8.3Hz、2H)、7.11(s、1H)、7.04(d、J=8.7Hz、2H)、5.5(s、2H)、3.79(s、3H)。LC−MS:2.69分。(M+H)=453。
【0206】
段階E 4−{[3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
DMF/DCM1:1(0.54mL)に溶かした段階Dの中間体(100mg、0.22mmol)の溶液に、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾ−トリアゾール(35mg、0.264mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(92μL、0.53mmol)アミノテトラゾール(56mg、0.66mmol)及び1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(51mg、0.26mmol)を添加した。該反応を室温で18時間撹拌したままにした。該反応をLC−MSで調べたところ、完了に至らなかったことがわかった。さらに等量のアミノテトラゾールを添加し、次いで、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(51mg、0.11mmol)を添加した。該反応は3時間で完了した。DCM(10mL)で希釈し、1N HClで洗浄して、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。残渣を逆相HPLC(Gilson)で精製して、表題化合物を得た。1H NMR(DMSO、500MHz):δ8.04(d、J=8.5Hz、2H)、7.89(d、J=2.1Hz、2H)、7.56(t、J=1.9Hz、1H)、7.41(d、J=8.7Hz、2H)、7.21(d、J=8.4Hz、2H)、7.14(s、1H)、7.05(d、J=8.7Hz、2H)、5.53(s、2H)、3.79(s、3H)。LC−MS:2.53分。(M+H)=520.2。
【0207】
(実施例74)
N−(4−{[3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0208】
【化32】

【0209】
段階A N−(4−{[3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニン
DMF/DCM1:1(0.54mL)に溶かした実施例73段階Dの中間体(100mg、0.22mmol)の溶液に、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾ−トリアゾール(35mg、0.264mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(92μL、0.53mmol)β−アラニン−t−ブチルエステル塩酸塩(48mg、0.26mmol)及び1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(51mg、0.26mmol)を添加した。該反応物を室温で18時間撹拌したままにした。該反応をDCMで希釈し、1N HClで洗浄して、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで酢酸エチル−ヘキサン2:5を使用して精製すると、無色油状物が得られた。LC−MS:4.5分。(M+H)=580.2。この物質をTFA/DCM(4mL)に溶解して、室温で18時間撹拌した。該反応混合物を真空下で濃縮して、トルエン(1X)で共沸した。残渣を逆相HPLC(Gilson)で精製して、表題化合物を得た。1H NMR(DMSO、500MHz):δ8.49(t、J=5.5Hz、1H)、7.88(d、J=2.1Hz、2H)、7.76(d、J=8.3Hz、2H)、7.55(t、J=1.8Hz、1H)、7.39(d、J=8.7Hz、2H)、7.1(s、1H)、7.09(d、J=8.9Hz、2H)、7.04(d、J=9.0Hz、2H)、5.47(s、2H)、3.79(s、3H)、3.45(q、J=7.1Hz、2H)、2.49(t、J=7.1Hz、2H)。LC−MS:3.85分;(M+H)=524.1。
【0210】
(実施例75)
4−{[3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
【0211】
【化33】

【0212】
段階A 4−{[3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−N−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)ベンズアミド
DMF/DCM1:1(0.54mL)に溶かした実施例73段階Dの中間体(100mg、0.22mmol)の溶液に、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾ−トリアゾール(35mg、0.264mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(92μL、0.53mmol)アミノメチルテトラゾール(26mg、0.26mmol)及び1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(51mg、0.26mmol)を添加した。該反応を室温で18時間撹拌したままにした。該反応をDCMで希釈し、1N HClで洗浄して、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。残渣を逆相HPLC(Gilson)で精製して、表題化合物を得た。1H NMR(DMSO、500MHz):δ9.21(t、J=5.3Hz、1H)、7.88(d、J=2.1Hz、2H)、7.83(d、J=8.5Hz、2H)、7.56(t、J=2.1Hz、1H)、7.39(d、J=8.7Hz、2H)、7.15(d、J=8.3Hz、2H)、7.12(s、1H)、7.04(d、J=8.7Hz、2H)、5.49(s、2H)、4.74(d、J=5.4 Hz,2H)、3.79(s、3H)、LC−MS:3.82分(M+H)=534.1。
【0213】
(実施例76)
4−{[5−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
【0214】
【化34】

【0215】
段階A 4−{[5−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}安息香酸
THF(30mL)に溶かした実施例73段階Cの中間体(異性体B、0.43g、0.92mmol)の溶液に、メタノール(10mL)、次いで水酸化ナトリウム溶液(2N、2mL、4mmol)を添加した。該反応を室温で一晩撹拌した。該反応混合物を真空下で濃縮して、有機溶媒を除去した。残渣を、pHが2未満になるまで1N HClで酸性化した。得られた溶液を酢酸エチル(3X)で抽出し、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮し、表題化合物を白色固形物として得た。この物質は、次段階で精製せずに使用した。1H NMR(DMSO、500MHz):δ7.86(d、J=8.5Hz、2H)、7.77(d、J=8.7Hz、2H)、7.67(s、1H)、7.5(d、J=1.8Hz、2H)、7.14(d、J=8.3Hz、2H)、7.04(s、1H)、6.98(d、J=8.9Hz、2H)、5.52(s、2H)、3.77(s、3H)。LC−MS:2.55分;(M+H)=453.1。
【0216】
段階B 4−{[5−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
DMF/DCM1:1(0.54mL)に溶かした段階Aの中間体(100mg、0.22mmol)の溶液に、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾ−トリアゾール(35mg、0.264mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(92μL、0.53mmol)アミノテトラゾール(56mg、0.66mmol)及び1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(51mg、0.26mmol)を添加した。該反応を室温で18時間撹拌したままにした。該反応をLC−MSで調べたところ、完了に至らなかったことがわかった。さらに等量のアミノテトラゾールを添加し、次いで、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(51mg、0.11mmol)を添加した。該反応は3時間で完了した。DCM(10mL)で希釈し、1N HClで洗浄して、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。残渣を逆相HPLC(Gilson)で精製して、表題化合物を得た。1H NMR(DMSO、500MHz):δ8.04(d、J=8.2Hz、2H)、7.8(d、J=8.6Hz、2H)、7.7(s、1H)、7.56(d、J=1.8Hz、2H)、7.23(d、J=8.2Hz、1H)、7.07(s、1H)、7.01(d、J=9.0Hz、2H)、5.56(s、2H)、3.79(s、2H)。LC−MS:3.8分;(M+H)=520.1。
【0217】
(実施例77)
4−{[5−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0218】
【化35】

【0219】
段階A 4−{[5−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニン
DMF/DCM1:1(0.54mL)に溶かした実施例76段階Aの中間体(100mg、0.22mmol)の溶液に、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾ−トリアゾール(35mg、0.264mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(92μL、0.53mmol)β−アラニン−t−ブチルエステル塩酸塩(48mg、0.26mmol)及び1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(51mg、0.26mmol)を添加した。該反応を室温で18時間撹拌したままにした。該反応をDCMで希釈し、1N HClで洗浄して、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。残渣をTFA/DCM1:1(4mL)に溶解し、室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮して、トルエン(1X)で共沸した。残渣を逆相HPLC(Gilson)で精製して、表題化合物を得た。1H NMR(DMSO、500MHz):δ8.49(t、J=5.5Hz、1H)、7.79(d、J=8.9 Hz、2H)、7.76(d、J=8.5Hz、2H)、7.69(t、J=1.9Hz、1H)、7.53(d、J=1.8Hz、2H)、7.12(d、J=8.4Hz、2H)、7.05(s、1H)、7.01(d、J=8.7Hz、2H)、5.51(s、2H)、3.79(s、3H)、3.45(q、J=7.1Hz)、2.49(t、J=7.1Hz、2H)。LC−MS:2.35分。;(M+H)=524.2。
【0220】
(実施例78)
4−{[5−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−N−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)ベンズアミド
【0221】
【化36】

【0222】
4−{[5−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−N−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)ベンズアミド
DMF/DCM1:1(0.54mL)に溶かした実施例76段階Aの中間体(100mg、0.22mmol)の溶液に、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾ−トリアゾール(35mg、0.264mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(92μL、0.53mmol)アミノメチルテトラゾール(26mg、0.26mmol)及び1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(51mg、0.26mmol)を添加した。該反応を室温で18時間撹拌したままにした。該反応を酢酸エチルで希釈し、1N HClで洗浄して、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。残渣を逆相HPLC(Gilson)で精製して、表題化合物を得た。1H NMR(DMSO、500MHz):δ9.22(t、J=5.5Hz、1H)、7.84(d、J=8.5Hz、2H)、7.79(d、J=8.9Hz、2H)、7.69(t、J=1.9Hz、1H)、7.54(d、J=1.8Hz、2H)、7.17(d、J=8.2Hz、2H)、7.06(s、1H)、7.0(d、J=8.7Hz、2H)、5.53(s、2H)、4.74(d、J=5.5Hz、2H)、3.79(s、3H)。LC−MS:2.32分;(M+H)=534.3。
【0223】
(実施例79)
N−(4−{[5−(4ブロモフェニル)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0224】
【化37】

【0225】
段階A 1−ブロモ−4−エチニルベンゼン
無水THF(100mL)に溶かした臭化亜鉛(9.0g、40mmol)の溶液に室温で、窒素雰囲気下において、臭化マグネシウムエチニルの溶液(0.5M THF溶液、60mL、30mmol)を添加した。5分後、4−ブロモ−ヨードベンゼン(5.64g、20mmol)、続いてテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(1.15g、1.0mmol)を添加した。該反応を室温において18時間室温で撹拌した。該反応混合物を食塩水に注ぎ、エーテル(4X100mL)で抽出した。エーテル層を食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによってヘキサンで精製して、表題化合物を黄色固形物として得た。1H NMR(CDCl3、500MHz):δ7.51(d、J=8.5Hz、2H)、7.4(d、J=8.5Hz、1H)、3.16(s、1H)。
【0226】
段階B 3−(4−ブロモフェニル)−1−(3,5−ジクロロフェニル)プロパ−2−イン−1−オン
2雰囲気下で−78℃まで冷却した無水THF(80mL)に溶かした段階Aの中間体(2.1g、11.6mmol)の溶液に、LHMDS(1.0M THF溶液、11.6mL)を添加した。5分後、THF(20mL)に溶かした3,5−ジクロロ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド(2.71g、11.6mmol)を該反応に添加した。該反応液をゆっくり30分かけて0℃まで温め、次に飽和NH4Cl溶液で停止させた。得られた2相混合物をEtOAc(3X)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで酢酸エチル−ヘキサン1:10を使用して精製し、表題化合物を鮮やかな黄色固形物として得た。1H NMR(CDCl3、500MHz):δ8.07(d、J=1.8Hz、2H)、7.66(t、J=1.9Hz、1H)、7.64(d、J=8.5Hz、2H)、7.6(d、J=8.7Hz、2H)。
【0227】
段階C 5−(4−ブロモフェニル)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール
表題化合物は、実施例73段階Bで説明した方法を使用して段階Bの中間体から調製した。
【0228】
段階D メチル4−{[5−(4−ブロモフェニル)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}ベンゾエート
DMF(50mL)に溶かした段階Cの中間体(1.65g、4.66mmol)の溶液に、Cs2CO3(2.27g、6.69mmol)及びメチル4−(ブロモメチル)−ベンゾエート(1.12g、5.12mmol)を添加した。得られた溶液を、室温で2時間撹拌した。該反応混合物は、H2O(50mL)を添加することによって停止させた。得られた溶液は、酢酸エチル(3X50mL)で抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過して真空下で濃縮して、油状物を得た。この物質をフラッシュクロマトグラフィーによって酢酸エチル−ヘキサン1:5を使用して精製した。白色固形物が得られ、フラッシュクロマトグラフィーによってヘキサン−DCM1:4、次に酢酸エチル−DCM2:5を使用して再精製し、2種類のピラゾール異性体A及びBを得た。1NMR(CDCl3、500MHz):δ異性体A(カラムから最初に溶出した化合物)8.02(d、J=8.5Hz、2H)、7.77(d、J=1.9Hz、2H)、7.58(d、J=8.5Hz、2H)、7.34(t、J=1.8Hz、1H)、7.2(d、J=8.5Hz、2H)、7.17(d、J=8.3Hz、2H)、6.68(s、1H)、5.43(s、2H)、3.9(s、3H)。
【0229】
段階E 4−{[5−(4−ブロモフェニル)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}安息香酸
表題化合物は、段階Dの中間体から、実施例73段階Dで説明した方法を使用して調製した。LC−MS:2.59分;(M+H)=573.9。
【0230】
段階F tert−ブチルN−(4−{[5−(4−ブロモフェニル)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニン
DMF(20mL)に溶かした段階Eの中間体(1.07g、2.13mmol)の溶液に、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾ−トリアゾール(435mg、3.19mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(557μL、3.19mmol)β−アラニン−t−ブチルエステル塩酸塩(465mg、2.55mmol)及び1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(489mg、2.55mmol)を添加した。該反応物を室温で18時間撹拌したままにした。該反応物をEtOAc(150mL)で希釈し、1N HCl、飽和NaHCO3溶液、食塩水で洗浄して、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。得られた黄色泡状物質をフラッシュクロマトグラフィーによって酢酸エチル−ヘキサン2:5を使用して精製して、表題化合物を白色固形物として得た。1NMR(CDCl3、500MHz):δ7.75(d、J=1.6Hz、2H)、7.73(d、J=8、2Hz、2H)、7.56(d、J=8.4Hz、2H)、7.31(t、J=1.6Hz、1H)、7.18(d、J=8.3Hz、2H)、7.15(d、J=8.3Hz、2H)、6.92(t、J=5.7Hz、1H)、6.65(s、1H)、5.39(s、2H)、3.7(q、J=5.9Hz、2H)、2.57(t、J=6.1Hz、2H)、1.47(s、9H)。LC−MS:2.95分;(M−56)=562.1。
【0231】
段階G N−4−{[5−(4ブロモフェニル)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニン
DCM(2mL)に溶かした段階Fの中間体(30mg、0.047mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を添加した。該反応液を室温で1時間撹拌した。該反応混合物を真空下で濃縮して、アセトニトリル−水で凍結乾燥すると表題化合物が得られた。1NMR(DMSO、500MHz):δ8.49(t、J=5.5Hz、1H)、7.89(d、J=1.8Hz、2H)、7.75(d、J=8.2Hz、2H)、7.7(d、J=8.5Hz、2H)、7.43(d、J=8.4Hz、2H)、7.22(s、1H)、7.11(d、J=8.2Hz、2H)、5.5(s、2H)、3.45(q、J=7.1Hz、2H)、2.49(t、J=6.8Hz、2H)。LC−MS:2.59分;(M+H)=571.9。
【0232】
(実施例80)
N−4−{[5−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニン
【0233】
【化38】

【0234】
N−4−{[5−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}ベンゾイル)−β−アラニン
トルエン(1mL)に溶かした実施例79段階Fの中間体(50mg、0.079mmol)の溶液に、フェニルボロン酸(10mg、0.079mmol)、Na2CO3溶液(2.0M、79μL)及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(5mg、0.003mmol)を添加した。得られた混合物を、温度100℃及び電力150WのCEMマイクロ波装置に10分間入れた。該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO3で洗浄して、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで酢酸エチル−ヘキサン3:10を使用して精製すると、所望する生成物、無色油状物が得られた。DCM(2ML)に溶かしたこの物質の溶液にトリフルオロ酢酸(2mL)に添加した。該反応を室温で1時間撹拌した。該反応混合物を真空下で濃縮して、アセトニトリル−水で凍結乾燥すると、表題化合物が得られた。1H NMR(DMSO、500MHz):δ8.5(t、J=5.5Hz、1H)、7.91(d、J=1.9Hz、2H)、7.81(d、J=8.2Hz、2H)、7.78(d、J=8.5Hz、2H)、7.74(d、J=7.3Hz、2H)、7.58(m、3H)、7.51(t、J=7.6Hz、2H)、7.42(t、J=7.6Hz、1H)、7.25(s、1H)、7.15(d、J=8.2Hz、2H)、5.56(s、2H)、3.45(q、7=7.1Hz、2H)、2.47(t、J=7.1Hz、2H)。LC−MS:2.73分;(M+H)=570.1。
【0235】
実施例73〜80に概略を示した方法によって、表10〜12に挙げた化合物を調製した。
【0236】
【表13】


【0237】
【表14】


【0238】
【表15】




【0239】
(実施例142)
4−({3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−[1−(2,2−ジメチルプロパノイル)ピペリジン−4−イル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
【0240】
【化39】

【0241】
段階A 1,3−ジクロロ−5−エチニルベンゼン
無水THF(100mL)に溶かした臭化亜鉛(5.0g、22.2mmol)の溶液に、室温で、窒素雰囲気下において、臭化マグネシウムエチニルの溶液(0.5MのTHF溶液、44.4mL、44.4mmol)を添加した。5分後、3,5−ジクロロ−ヨードベンゼン(4.03g、14.8mmol)、続いてテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(885mg、0.74mmol)を添加した。該反応を室温で18時間撹拌した。該反応混合物を食塩水に注ぎ、エーテル(4X100mL)で抽出した。エーテル層を食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによってヘキサンで精製すると、表題化合物が黄色固形物として得えられた。1H NMR(CDCl3、500MHz):δ7.4(d、J=1.6Hz、2H)、7.3(d、J=1.6Hz、1H)、3.19(s、1H)。
【0242】
段階B tert−ブチル4−{[メトキシ(メチル)アミノ]カルボニル}ピペリジン−1−カルボキシレート
−15℃に冷却したTHF(60mL)に溶かした1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジンカルボン酸(2.29g、10mmol)及び4−メチルモルホリン(1,2mL、11mmol)の溶液に、クロロ蟻酸イソブチル(1.36mL、10.5mmol)を添加した。この溶液に、DMF(20mL)に溶かしたN−メトキシ−N−メチルアミン(1.07g、11mmol)次いでトリエチルアミン(1.53mL、11mmol)を添加した。得られた反応液を室温まで温めた。該反応は1時間後に飽和NaHCO3(400mL)の溶液を添加することによって停止させた。得られた混合物をEtOAc(3X)で抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。溶媒として酢酸エチル:ヘキサン1:1を使用したBiotageフラッシュ40Mカラムで粗物質を精製して、表題化合物を無色油状物として得た。1H NMR(CDCl3、500MHz):δ4.16(bm、2H)、3.73(s、3H)、3.21(s、3H)、2.79(m、3H)、1.7(m、4H)、1.48(s、9H)。LC−MS:1.75分;(M−56)=217。
【0243】
段階C tert−ブチル4−[3−(3,5−ジクロロフェニル)プロパ−2−イノール]ピペリジン−1−カルボキシレート
表題化合物は、実施例73段階Aで説明した方法を使用して段階Bの中間体から調製した。1H NMR(CDCl3、500MHz):δ7.48(s、1H)、7.47(d、J=1.6Hz、2H)、4.1(bm、2H)、2.92(t、J=11.7Hz、2H)、2.63(m、1H)、2.03(d、J=11.7Hz、2H)、1.72(dq、J=4.4、11.5Hz、2H)、1.48(s、9H)。
【0244】
段階D tert−ブチル4−{3−(3,5−ジクロロフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート
表題化合物は、実施例73段階Bで説明した方法を使用して段階Cの中間体から調製した。
【0245】
段階E tert−ブチル4−{3−(3,5−ジクロロフェニル)−1−[4−(メトキシカルボニル)ベンジル]1H−ピラゾール−5−イル}ピペリジン−1−カルボキシレート
DMF(20mL)に溶かした段階Dの中間体(1.88g、4.76mmol)の溶液に、CsCO3(2.32g、7.14mmol)及びメチル4−(ブロモメチル)−ベンゾエート(1.2g、5.14mmol)を添加した。得られた溶液は室温で2時間撹拌した。該反応混合物は、H2O(50mL)を添加することによって停止した。得られた溶液は酢酸エチル(3X50mL)で抽出した。一緒にした有機層を食塩水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過して、真空下で濃縮すると油状物が得られた。この物質をフラッシュクロマトグラフィーによって酢酸エチル−ヘキサン1:5を使用して精製した。白色固形物が得られ、フラッシュクロマトグラフィーによってアセトニトリル−DCM1:20、次いでアセトニトリル−DCM1:5を使用して再精製し、2種類のピラゾール異性体A及びBを得た。1H NMR(CDCl3、500MHz):異性体A(カラムから最初に溶出した化合物)δ8.02(d、J=8.2Hz、2H)、7.69(d、J=2.1Hz、2H)、7.28(t、J=1.8Hz、1H)、7.16(d、J=8.2Hz、2H)、6.41(s、1H)、5.44(s、2H)、4.16(bm、2H)、3.92(s、3H)、2.6(m、4H)、1.6(m、3H)、1.47(s、9H)。
【0246】
段階F メチル4−{[3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−ピペリジン−4−イル−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}ベンゾエート
DCM(50mL)に溶かした段階Dの中間体(1.75g、3.2mmol)の溶液に、メタンスルホン酸(0.625mL、9.6mmol)を添加した。1時間後、該反応物を炭酸ナトリウムの飽和溶液で洗浄すると、表題化合物が白色固形物として得られた。1H NMR(CDCl3、500MHz):δ8.04(d、J=8.3Hz、2H)、7.73(d、J=1.9Hz、1H)、7.72(d、J=1.8Hz、1H)、7.3(t、J=1.9Hz、1H)、7.19(d、J=8.2Hz、2H)、6.45(d、J=1.8Hz、1H)、5.45(s、2H)、3.96(s、3H)、3.07(d、J=11.6Hz、2H)、2.91(s、1H)、2.68(m、1H)、2.5(m、1H)、1.95(m、1H)、1.6〜1.8(m、5H)。
【0247】
段階H 4−({3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−[1−(2,2−ジメチルプロパノイル)ピペリジン−4−イル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)安息香酸
DCM(3mL)に溶かした段階Fの中間体(100mg、0.225mmol)の溶液に、トリエチルアミン(94μl、0.675mmol)次いで塩化トリメチルアセチル(33.25μL、0.27mmol)を添加した。2時間後、反応液をDCM(10mL)で希釈し、1N HCl、飽和Na2CO3で洗浄し、食塩水で乾燥して真空下で濃縮して無色油状物を得た。この物質をTHF(2mL)に溶解し、MeOH(1mL)及び2N NaOH(2mL)を添加して、該反応物を室温で16時間撹拌したままにした。該反応液を真空下で濃縮した。残渣を1N HCl(pHが2未満になるまで)に懸濁した。得られた懸濁液をEtOAc(3X)で抽出して、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮して、表題化合物を白色固形物として得た。1H NMR(DMSO、500MHz):δ7.93(d、J=8.2Hz、2H)、7.81(d、J=1.8Hz、2H)、7.51(t、J=2.1Hz、1H)、7.26(d、J=8.3Hz、2H)、6.94(s、1H)、5.54(s、2H)、4.34(d、J=13.3Hz、2H)、3.0(m、1H)、2.86(t、J=12.9Hz、2H)、2.51(t、J=1.6Hz、1H)、1.74(d、J=11Hz、2H)、1.44(dq、J=3.4、12.8Hz、2H)、1.2(s、9H)。
【0248】
段階G 4−({3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−[1−(2,2−ジメチルプロパノイル)ピペリジン−4−イル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)−N=(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
表題化合物は、段階Hの中間体から、実施例76段階Bで説明した方法を使用して調製した。1H NMR(DMSO、500MHz):δ8.08(d、J=8.1Hz、2H)、7.82(d、J=1.8Hz、1H)、7.52(t、J=2.1Hz、1H)、7.32(d、J=8.2Hz、2H)、6.97(s、1H)、5.57(s、2H)、4.35(d、J=13.2Hz、2H)、3.07(m、1H)、2.85(t、J=12.1Hz、2H)、1.77(d、J=11.7Hz、2H)、1.47(dq、J=3.5、12.8Hz、2H)、1.21(s、9H)。LC−MS:2.39分。(M+H)=581.2。
【0249】
(実施例143)
N−[4−({3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−[1−(2,2−ジメチルプロパノイル)ピペリジン−4−イル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾイル]−ベータ−アラニン
【0250】
【化40】

【0251】
N−[4−({3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−[1−(2,2−ジメチルプロパノイル)ピペリジン−4−イル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾイル]−β−アラニン
表題化合物は、実施例77段階Aで説明した方法を使用して実施例142段階Hの中間体から調製した。1H NMR(DMSO、500MHz):δ8.51(bt、1H)、7.81(d、J=1.6Hz、2H)7.79(d、J=8.1Hz、2H)、7.50(t、J=1.6Hz、1H)、7.23(d、J=7.3Hz、2H)、6.94(d、J=1.1Hz、1H)、5.50(s、2H)、4.33(d、J=12.8Hz、2H)、3.45(m、2H)、3.07(t、J=11.2Hz、1H)、2.86(t、J=12.6Hz、2H)、2.5(m、2H)、1.74(d、J=12.4Hz、2H)、1.44(q、J=12.8Hz、2H)、1.21(s、9H)。LC−MS:3.73分;(M+H)=585.1。
【0252】
(実施例144)
4−({3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−[1−(フェニルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
【0253】
【化41】

【0254】
段階A メチル4−({3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−[1−(フェニルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)ベンゾエート
DCM(5mL)に溶かした実施例142段階Fの中間体(156mg、0.35mmol)の溶液に、ピリジン(5mL)及び塩化ベンゼンスルホニル(68μL、0.53mmol)を添加した。4時間後、該反応物をDCMで希釈し、1N HCl(3X)で洗浄して、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーで酢酸エチル−ヘキサン1:5を使用して精製し、表題化合物を白色泡状物質として得た。1H NMR(CDCl3、500MHz):δ7.99(d、J=8.3Hz、2H)、7.8(d、J=8.7Hz、2H)、7.7(d、J=1.9Hz、2H)、7.67(t、J=7.3Hz、1H)、7.58(t、J=8.0Hz、2H)、7.32(t、J=1.8Hz、1H)、7.1(d、J=8.2Hz、2H)、6.42(s、1H)、5.55(s、2H)、3.93(s、3H)、3.90(d、J=12.2Hz、2H)、2.46(m、1H)、2.31(m、2H)、1.77(m、3H)。
【0255】
段階B 4−({3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−[1−(フェニルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)安息香酸
表題化合物は、実施例73段階Dで説明した方法を使用して段階Aの中間体から調製した。1H NMR(DMSO、500MHz):δ7.88(d、J=8.4Hz、2H)、7.78(d、J=1.8Hz、2H)、7.76(t、J=7.1Hz、1H)、7.72(t、J=7.3Hz、1H)、7.68(t、J=7.8Hz、2H)、7.51(t、J=1.8Hz、1H)、7.19(d、J=8.2Hz、2H)、6.9(s、1H)、5.44(s、2H)、3.71(d、J=11.7Hz、2H)、2.8(m、1H)、2.51(t、J=1.9Hz、1H)、2.3(t、J=12.2Hz、2H)、1.78(d、J=11.2Hz、2H)、1.67(dq、J=3.9、12.6Hz、2H)。
【0256】
段階C 4−({3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−[1−(フェニルスルホニル)ピペリジン−4−イル]−1H−ピラゾール−1−イル}メチル)−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
表題化合物は、実施例76段階Bで説明した方法を使用して段階Bの中間体から調製した。1H NMR(DMSO、500MHz):δ8.03(d、J=8.3Hz、2H)、7.79(d、J=1.8Hz、2H)、7.76(m、4H)、7.65(t、J=7.8Hz、2H)、7.52(t、J=2.0Hz、1H)、7.26(d、J=8.5Hz、2H)、6.92(s、1H)、5.47(s、3H)、3.73(d、J=11.6Hz、2H)、2.87(m、1H)、2.32(t、J=12.1Hz、2H)、1.81(d、J=11.2Hz、2H)、1.69(dq、J=3.7、12.6Hz、2H)。LC−MS:3.93分;(M+H)=637.1。
【0257】
(実施例145)
4−{[3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(1−ネオペンチルピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
【0258】
【化42】

【0259】
段階A メチル4−3−{[3,5−ジクロロフェニル)−5−(1−ネオペンチルピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}ベンゾエート
1,2−ジクロロエタン(3mL)に溶かした実施例142段階Fの中間体(100mg、0.225mmol)の溶液に、トリメチルアセトアルデヒド(29mg、0.337mmol)及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(71mg、0.337mmol)を添加した。16時間後、該反応物をDCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液で洗浄して、無水Na2SO4で乾燥して、濾過して真空下で濃縮した。この物質は、次段階でさらには精製せずに使用した。LC−MS:3.44分;(M+H)=514.2。
【0260】
段階B 4−{[3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(1−ネオペンチルピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}安息香酸
表題化合物は、実施例73段階Dで説明した方法を使用して段階Aの中間体から調製した。
【0261】
段階C 4−{[3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(1−ネオペンチルピペリジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−N−(1H−テトラゾール−5−イル)ベンズアミド
表題化合物は、実施例76段階Bで説明した方法を使用して段階Bの中間体から調製した。1H NMR(DMSO、500MHz):δ8.09(d、J=8.2Hz、2H)、7.82(bs、2H)、7.55(s、1H)、7.33(d、J=8.3Hz、2H)、5.57(s、2H)、3.6(m、2H)、3.42(s、2H)、3.1(m、4H)、2.5(s、2H)、2.04(m、2H)、1.87(m、2H)、1.05(s、9H)。LC−MS:1.92分;(M+H)=567.2。
【0262】
実施例143〜145に概略を示した方法にしたがって、表13に挙げた化合物を調製した。
【0263】
【表16】


【0264】
生物学的測定
本発明の化合物のグルカゴン結合阻害能力並びに2型糖尿病及び関連状態の治療又は予防における有用性は、以下のインビトロ測定法によって示すことができる。
【0265】
グルカゴン受容体結合測定
クローニングされたヒトグルカゴン受容体を発現する安定なCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞系は、(Chicchi他、J.Biol.Chem 272、7765〜9(1997)、Cascieri他、J.Biol Chem 274、8694〜7(1999))に記載されているように維持した。化合物の拮抗的結合親和性を測定するために、これらの細胞の細胞膜0.002mgを125I−グルカゴン(New England Nuclear、MA)と、50mM Tris−HCl(pH7.5)、MgCl2 5mM、EDTA 2mM、12%グリセロール及びWGAでコーティングしたPVT SPAビーズ(Amersham)0.002mg、+/−化合物又は未標識グルカゴン0.001mMを含有する緩衝液中でインキュベートした。室温で4〜12時間インキュベートした後、細胞膜に結合した放射活性を放射活性計(Wallac−Microbeta)で測定した。データは、GraphPadのソフトウェアプログラムPrism(登録商標)を使用して分析した。IC50は、非線形回帰分析を使用して算出し、1部位競合であることが推定された。
【0266】
グルカゴン誘発細胞内cAMP形成の阻害
指数関数的に増殖するヒトグルカゴン受容体発現CHO細胞を、酵素を含まない分離用培地(Specialty Media)を用いて収集し、低速でペレットにして、細胞懸濁用緩衝液[75mM Tris−HCl pH7.5、スクロース250mM、MgCl2 25mM、EDTA 1.5mM、Ro−20−1724(Biomol、Inc.)0.1mM、牛血清アルブミン0.2%及び、プロテアーゼ阻害剤カクテルを含有するコンプリート(商標)(Boehringer)を緩衝液50mLそれぞれについて1錠]に再懸濁した。アデニレートシクラーゼ測定は、New England Nuclear(NEN)製のアデニレートシクラーゼ測定キット(SMP−004B)を使用して、製造者の指示に従って設定した。簡単に述べると、化合物をキットに供給されている細胞誘発緩衝液で保存液から希釈した。前記のように調製した細胞を抗cAMP抗体(NEN)でコーティングしたフラッシュプレートで化合物又はDMSO対照の存在下で40分間予備インキュベートし、次にグルカゴン(250pM)でさらに40分間誘発した。細胞誘発は、溶解緩衝液並びに125I標識cAMPトレーサー(NEN)を含有する等量の検出緩衝液を添加することによって停止させた。室温で3〜6時間インキュベートした後、結合した放射活性を液体シンチレーションカウンター(TopCount−Packard Instruments)で測定した。試験化合物の活性は、化合物を有さない対照試料及び0.001mM未標識グルカゴンを有する対照試料の全シンチレーションシグナル(CPM)と比較することによって計算した。
【0267】
本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、その他数多くの実施形態が本発明の範囲内にあるものとする。したがって、請求の範囲は本明細書で説明した特定の実施形態に限定するものではない。本明細書で引用した特許、特許出願及び発行物は全て、全体を参考として本明細書に援用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iによって表される化合物又は薬剤として許容されるそれらの塩若しくは溶媒和化合物。
【化1】

(式中、
1は、
(a)(1)ペルハロアルキル基までの1から5個のハロ基;(2)1個のオキソ基;(3)1から2個のOH基;(4)最大5個のハロ基又はペルハロアルコキシ基、1個のOH基又はCO28基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基;(5)1個のCO28又はS(O)p7;(6)(i)1から5個のハロ基、(ii)1個のOH基、CO28基、CN基、S(O)p7基、NO2基又はC(O)NR910基、(iii)ペルハロアルキル基までの1から5個のハロ基及び1から2個のOH基又はCO28基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基、及び(iv)1から3個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基(ペルハロまでの1から5個のハロ基又は1から2個の水酸基又はCO28基によって、それぞれが場合によりさらに置換されている。)によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のフェニル環、によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール基、Hetcy基又はHAR基;(7)−NR8−C(O)−NR910;(8)−NR8−CO211;(9)−NR8−C(O)R11;(10)−NR910;(11)−NR8SO211;(12)−SO2−NR910;(13)−C(O)NR910並びに(14)−OC(O)−NR910;によって場合により置換されたC1〜10アルキル、C2〜10アルケニル又はC2〜10アルキニル、
(b)(1)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO28基、CN基又はS(O)p7基によって、場合により置換されている1から3個のC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニル基又はC2〜10アルキニル基;(2)アルキル部分が、1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO28基、CN基又はS(O)p7基によって場合により置換されている1から3個のC1〜10アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基、(ii)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基によって、それぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基、C2〜10アルケニル基又はC2〜10アルキニル基、(iii)アルキル部分が、1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基によって、場合により置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基、及び(iv)1から2個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2又はOH基、によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール、HAR又はHetcy基;によってそれぞれ場合により置換されているアリール、HAR又はHetcy、
から成る群から選択され、
前記アリール基、HAR基又はHetcy基b)の炭素は、(4)1から5個のハロ基、(5)1から2個のOH基、(6)1個のS(O)p7基、NO2基又はCN基、(7)1から2個のCO28基、(8)−NR8−C(O)−NR910、(9)−NR8−CO211、(10)−NR8−C(O)R11、(11)−NR910、(12)−NR8SO211、(13)−SO2−NR910、(14)−C(O)NR910及び(15)−OC(O)−NR910から成る群から選択される基によって、場合によりさらに置換されており、
1が窒素原子を含有するヘテロシクリルを表すとき、前記窒素原子は、(a)−C(O)NR910、(b)−CO211、(c)−C(O)R11及び(d)−SO211、から成る群から選択される構成要素で場合により置換されており、
2は、H又は前記で定義したようなR1であり、
3及びR4は、H又はC1〜10アルキルであり、
5は、H又はFを表し、
6は、H、OH、F若しくはC1〜3アルキルを表し、又はR5及びR6は組み合わさってオキソを表し、
7は、C1〜10アルキル、アリール又はAr−C1〜10アルキルから成る群から選択される構成要素を表し、
8はH、場合によりフェニル、OH、OC1〜6アルキル、CO2H、CO21〜6アルキル及び1から3個のハロ基によって置換されているC1〜10アルキルであり、
9は、H又はC1〜10アルキルであり、
10は、Hであるか、又は(a)OH、OC1〜6アルキル、CO2H、CO21〜6アルキル及び1から3個のハロ基によって場合により置換されているC1〜10アルキル;(b)1から5個のハロ基並びにCN、OH、C1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから成る群から選択される1から3個の構成要素でそれぞれが場合により置換されているアリール又はAr−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって、場合によりさらに置換されている。);(c)1から5個のハロ基並びにオキソ、C1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから選択される1から3個の基によって場合により置換されているHetcy又はHetcy−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって、場合によりさらに置換されている。);及び(d)1から5個のハロ基並びにC1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから選択される1から3個の基によって場合により置換されているHAR又はHAR−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって、場合によりさらに置換されている。)から独立に選択され、
11は、(a)OH、OC1〜6アルキル、CO2H、CO21〜6アルキル及び1から3個のハロ基によって場合により置換されているC1〜10アルキル;(b)1から5個のハロ並びにCN、OH、C1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから成る群から選択される1から3個の構成要素によってそれぞれが場合により置換されているアリール又はAr−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって場合によりさらに置換されている。);(c)1から5個のハロ基並びにオキソ、C1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから選択される1から3個の基によって場合により置換されているHetcy又はHetcy−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって場合によりさらに置換されている。);及び(d)1から5個のハロ基並びにC1〜10アルキル及びOC1〜10アルキルから選択される1から3個の基によって場合により置換されているHAR又はHAR−C1〜6アルキル(前記アルキル及びアルコキシは、ペルハロまでの1から5個のハロ基によって場合によりさらに置換されている。)から成る群から独立に選択され、
mは0、1及び2から選択される整数であり、
nは0から6から選択される整数であり、
pは0、1及び2から選択される整数であり、
m及びnの少なくとも1つが0以外であるとき、ZはCO28、5−テトラゾリル及び5−(2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル)から選択され、m及びnの両方が0のとき、Zは5−テトラゾリル及び5−(2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル)から選択される。)
但し、RがH又はC1−3アルキルであり、RがHであり、(CH(CRがCHCHであり、ZがCO(ここで、RはH)である場合、
【化2】

は、
【化3】

(式中、
各R11はHであり、又は
(a)ハロ、OH、CO14、CN、SO15又はNO
(b)C1−6アルキル又はOC1−6アルキル[(1)ペルハロアルキル基までの1から5個のハロ基、(2)CO14、(3)以下のとおり置換されていてもよいフェニル:(i)1から5個のハロ基、(ii)1個のCO14、CN、S(O)15、NO又はC(O)NR1617基、(iii)1から2個のC1−10アルキル又はC1−10アルコキシ基(ペロハロアルキルまでの1から5個のハロ及び1から2個のOH又はCO14基で各々置換されていてもよい。)で置換されていてもよい。]
からなる群から選択され、
各R12は、前記R11から選択され、又は2個のR12基は一緒になり得て、1から2個の酸素原子を含み、1から2個のF原子で各々置換されていてもよい1から2個の炭素原子を含む5から6員の縮合環構造を表し、
14は、H、C1−6アルキルであり、
15は、C1−10アルキル、アリール又はAr−C1−10アルキルからなる群から選択される基を表し、
16及びR17は各々独立にH又はC1−3アルキルを表し、pは0、1又は2である。)
ではない。
【請求項2】
式Ia、Ib、Ic、Id、Ie、If又はIgの請求項1に記載の化合物又は薬剤として許容されるそれらの塩若しくは溶媒和化合物(全ての変数は、式Iに関して先に定義した通りである。)。
【化4】

【請求項3】
1が、
(a)(1)ペルハロアルキル基までの1から5個のハロ基;(2)1から2個のOH基;(3)最大5個のハロ基又はペルハロアルコキシ基でそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基;(4)1個のCO28又はS(O)p7;(5)(i)1から5個のハロ基、(ii)1個のOH基、CO28基、CN基、S(O)p7基、NO2基又はC(O)NR910基、(iii)ペルハロアルキルまでの1から5個のハロ基、及び1から2個のOH基又はCO28基でそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基、並びに(iv)1から3個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基(ペルハロまでの1から5個のハロ基又は1から2個の水酸基又はCO28基によってそれぞれが場合によりさらに置換されている。)によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のフェニル環、によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール基、Hetcy基又はHAR基;によって場合により置換されているC1〜10アルキル基、及び
b)以下に記載されているように、
(1)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO28基、CN基又はS(O)p7基で場合により置換されている1から3個のC1〜10アルキル基又はC2〜10アルケニル基;
(2)アルキル部分が1から5個のハロ基、1から2個のフェニル基、CN基又はS(O)p7基で場合により置換されている1から3個のC1〜10アルコキシ基;
(3)(i)1から3個のハロ基、(ii)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基でそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基又はC2〜10アルケニル基、(iii)アルキル部分が場合により1から5個のハロ基、1から2個のフェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基で置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基、及び(iv)1から2個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2基又はOH基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール基、HAR基又はHetcy基;によってそれぞれが場合により置換されているアリール基、HAR基又はHetcy基、
から成る群から選択され、
前記アリール基、HAR基又はHetcy基b)の炭素が、(4)1から5個のハロ基、(5)1から2個のOH基、(6)1個のS(O)p7基、NO2基又はCN基、(7)1から2個のCO28基、(8)−NR8−C(O)−NR910、(9)−NR8−CO211、(10)−NR8−C(O)R11、(11)−NR910、(12)−NR8SO211、(13)−SO2−NR910、(14)−C(O)NR910及び(15)−OC(O)−NR910から成る群から選択される基によって場合によりさらに置換されており、
1が窒素原子を含有するヘテロシクリルを表すとき、前記窒素原子が(a)−CO211、(b)−C(O)R11、及び(c)SO211から成る群から選択される構成要素で場合により置換されることができる、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1が、
a)(1)1から2個のハロ基;(2)最大3個のハロ基でそれぞれ場合により置換されている1から2個のC1〜6アルコキシ基;(3)(i)1から2個のハロ基、(ii)1から3個のハロ基でそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基、及び(iii)1から3個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基(1から3個のハロ基でそれぞれが場合によりさらに置換されている。)で場合により置換されている1個のフェニル環、によってそれぞれが場合により置換されている1個のフェニル基、ピペリジニル基又はピリジニル基;によって場合により置換されているC1〜10アルキル、
b)(1)1から3個のハロ基、1個のフェニル基又はS(O)p7基で場合により置換されている1個のC1〜3アルキル基;(2)アルキル部分が1から3個のハロ基又は1個のフェニル基で場合により置換されている1個のC1〜3アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基、(ii)1から3個のハロ基又は1個の水酸基で場合により置換されている1個のC1〜6アルキル基、(iii)アルキル部分が、1から3個のハロ基で場合により置換されている1個のC1〜6アルコキシ基;及び(iv)1個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2基又はOH基、でそれぞれが場合により置換されている1個のフェニル基、ピリジニル基、イソオキサゾリル基又はピペリジニル基;でそれぞれが場合により置換されているフェニル、ピリジニル又はピペリジニル、
から成る群から選択され、
前記フェニル、ピリジニル又はピペリジニル環の炭素原子が、(4)1から3個のハロ基、(5)1個のOH基、(6)1個のS(O)p7基、NO2基又はCN基、(7)1個のCO28基、(8)−NR910、(9)−C(O)NR910及び(10)−OC(O)−NR910から成る群から選択される基によって、場合によりさらに置換されており、
1がピペリジニルを表すとき、ピペリジン窒素原子が(a)−CO211、(b)−C(O)R11及び(c)SO211から成る群から選択される構成要素で場合により置換されることができる、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
1が、
a)(i)1から2個のハロ基;(ii)1から3個のハロ基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基;及び(iii)1から3個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基(1から3個のハロ基によって、それぞれが場合によりさらに置換されている。)によって場合により置換されている1個のフェニル環;によって場合により置換されているフェニルによって、場合により置換されているC1〜10アルキル、及び、
b)(1)1から3個のハロ基又は1個のフェニル基によって場合により置換されている1個のC1〜3アルキル基;(2)アルキル部分が、1から3個のハロ基又は1個のフェニル基によって場合により置換されている1個のC1〜3アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基、(ii)1から3個のハロ基又は1個の水酸基によって場合により置換されている1個のC1〜6アルキル基、(iii)アルキル部分が1から3個のハロ基によって場合により置換されている1個のC1〜6アルコキシ基、及び(iv)1個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2基又はOH基、によってそれぞれが場合により置換されている1個のフェニル基、ピリジニル基又はイソオキサゾリル基;によってそれぞれが場合により置換されているフェニル、ピリジニル又はピペリジニル、
から成る群から選択され、
前記フェニル基、ピリジニル基又はピペリジニル基b)の炭素原子は、(4)1から3個のハロ基、(5)1個のOH基、(6)1個のCO28基及び(7)−NR910から成る群から選択される基によって場合によりさらに置換されており、
1がピペリジニルを表すとき、ピペリジン窒素原子は、(a)−CO211、(b)−C(O)R11及び(c)−SO211から成る群から選択される構成要素によって場合により置換されることができる、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
2が、
(a)(1)ペルハロアルキル基までの1から5個のハロ基;(2)1から2個のOH基;(3)最大5個のハロ基又はペルハロアルコキシ基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基;(4)1個のCO28又はS(O)p7;(5)(a)1から5個のハロ基、(b)1個のOH基、CO28基、CN基、S(O)p7基、NO2基又はC(O)NR910基、(c)ペルハロアルキルまでの1から5個のハロ基、及び1から2個のOH基又は1から2個のCO28基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基、並びに(d)1から3個のC1〜10アルキル基又はアルコキシ基(ペルハロまでの1から5個のハロ基又は1から2個の水酸基又はCO28基によって、それぞれが場合によりさらに置換されている。)によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のフェニル環、によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール基、Hetcy基又はHAR基;で場合により置換されているC1〜10アルキル基、及び
(b)(1)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO28基、CN基又はS(O)p7基で場合により置換されている1から3個のC1〜10アルキル基又はC2〜10アルケニル基;(2)アルキル部分が場合により1から5個のハロ基、1から2個のフェニル基、CN基又はS(O)p7基で置換されている1から3個のC1〜10アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基、(ii)1から5個のハロ基、1から2個のOH基、フェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基でそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜10アルキル基又はC2〜10アルケニル基、(iii)アルキル部分が1から5個のハロ基、1から2個のフェニル基、CO211基、CN基又はS(O)p7基によって場合により置換されている1から2個のC1〜10アルコキシ基、及び(iv)1から2個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2基又はOH基;によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のアリール基、HAR基又はHetcy基;によってそれぞれが場合により置換されているアリール基、HAR基又はHetcy基、
から成る群から選択され、
前記アリール基、HAR基又はHetcy基b)の炭素が、(4)1から5個のハロ基、(5)1から2個のOH基、(6)1個のS(O)p7基、NO2基又はCN基、(7)1から2個のCO28基、(8)NR8−C(O)−NR910基、(9)−NR8−CO211基、(10)−NR8−C(O)R11基、(11)−NR910基、(12)−NR8SO211基、(13)−SO2−NR910基、(14)−C(O)NR910基及び(15)−OC(O)−NR910から成る群から選択される基によって場合によりさらに置換されており、
2が、窒素原子を含有するヘテロシクリルを表すとき、前記窒素原子は、(a)−CO211、(b)−C(O)R11、及び(c)SO211から成る群から選択される構成要素で場合により置換されることができる、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
2が、
a)(1)1から2個のハロ基;(2)最大3個のハロ基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜6アルコキシ基;(3)(i)1から2個のハロ基、(ii)1から3個のハロ基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基、及び(iii)1から3個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基(それぞれが場合により1から3個のハロ基によってさらに置換されている。)によって場合により置換されている1個のフェニル環、によってそれぞれが場合により置換されている1個のフェニル基、ピペリジニル基又はピリジニル基;によって場合により置換されているC1〜10アルキル、及び
b)(1)1から3個のハロ基、1個のフェニル基又はS(O)p7基によって場合により置換されている1個のC1〜3アルキル基;(2)アルキル部分が、1から3個のハロ基又は1個のフェニル基で場合により置換されている1個のC1〜3アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基、(ii)1から3個のハロ基又は1個の水酸基によって場合により置換されている1個のC1〜6アルキル基、(iii)アルキル部分が、1から3個のハロ基によって場合により置換されている1個のC1〜6アルコキシ基、及び(iv)1個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2基又はOH基、によってそれぞれが場合により置換されている1個のフェニル基、ピリジニル基、イソオキサゾリル基又はピペリジニル基;でそれぞれが場合により置換されているフェニル、ピリジニル又はピペリジニル、
から成る群から選択され、
前記フェニル、ピリジニル又はピペリジニル環の炭素原子が、4)1から3個のハロ基、(5)1個のOH基、(6)1個のS(O)p7基、NO2基又はCN基、(7)1個のCO28基、(8)−NR910、(9)−C(O)NR910及び(10)−OC(O)−NR910から成る群から選択される基によって、場合によりさらに置換されており、
2がピペリジニルを表すとき、ピペリジン窒素原子は(a)−CO211、(b)−C(O)R11及び(c)−SO211から成る群から選択される構成要素で場合により置換されることができる、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
2が、
a)(i)1から2個のハロ基、(ii)1から3個のハロ基によってそれぞれが場合により置換されている1から2個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基及び(iii)1から3個のC1〜3アルキル基又はアルコキシ基(それぞれ、1から3個のハロ基によって場合によりさらに置換されている。)によって場合により置換されている1個のフェニル環、によって場合により置換されているフェニルで場合により置換されているC1〜10アルキル、
b)(1)1から3個のハロ基又は1個のフェニル基によって場合により置換されている1個のC1〜3アルキル基;(2)アルキル部分が1から3個のハロ基又は1個のフェニル基によって場合により置換されている1個のC1〜3アルコキシ基;(3)(i)1から3個のハロ基、(ii)1から3個のハロ基又は1個の水酸基によって場合により置換されている1個のC1〜6アルキル基、(iii)アルキル部分が、1から3個のハロ基で場合により置換されている1個のC1〜6アルコキシ基、及び(iv)1個のCO211基、S(O)p7基、CN基、NR910基、NO2基又はOH基、でそれぞれが場合により置換されている1個のフェニル基、ピリジニル基又はイソオキサゾリル基;によってそれぞれが場合により置換されているフェニル、ピリジニル又はピペリジニル、
から成る群から選択され、
前記フェニル基、ピリジニル基又はピペリジニル基b)の炭素原子は、(4)1から3個のハロ基、(5)1個のOH基、(6)1個のCO28及び(7)−NR910から成る群から選択される基によって場合によりさらに置換されており、
2がピペリジニルを表すとき、ピペリジン窒素原子は、(a)−CO211、(b)−C(O)R11及び(c)SO211から成る群から選択される構成要素によって場合により置換されることができる、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
3がH又はメチルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
3がHを表す、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
4がH又はメチルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
4がHを表す、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
nが0又は1を表し、mが0を表し、Zがテトラゾリルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
nが1又は2を表し、mが0を表し、ZがCO28を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
nが1を表し、mが1を表し、R5がHを表し、R6がOHを表し、ZがCO28を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
7がC1〜6アルキル及びアリールから成る群から選択される要素を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
8がH又は場合によってフェニル又は1から3個のハロ基で置換されているC1〜10アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
【表1】


















から成る群から選択される、請求項1に記載の化合物又は薬剤として許容されるそれらの塩若しくは溶媒和化合物。
【請求項19】
薬剤として許容される担体と組み合わせて請求項1に記載の化合物を含む医薬品組成物。
【請求項20】
2型糖尿病の治療に有効な量の、請求項1に記載の化合物を哺乳類患者に投与することを含む、このような治療を必要とする哺乳類患者の2型糖尿病を治療する方法。
【請求項21】
アテローム性動脈硬化の治療に有効な量の、請求項1に記載の化合物を哺乳類患者に投与することを含む、このような治療を必要とする哺乳類患者のアテローム性動脈硬化を治療する方法。

【公開番号】特開2010−150267(P2010−150267A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−27448(P2010−27448)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【分割の表示】特願2006−502975(P2006−502975)の分割
【原出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】