説明

置換ピリミジン−4−オン誘導体

遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態の、式(I)によって表されるピリミドン誘導体またはその塩


[式中:Yは、水素原子2個、硫黄原子、酸素原子を表し;R1は、2、3もしくは4−ピリジン環または2、4もしくは5−ピリミジン環を表し、この環は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはハロゲン原子によって場合によって置換されており;R2は、水素原子、C1−6アルキル基またはハロゲン原子を表し;R3は、フェニル−基、フェニル−CH−基、C1−6アルキル−O−C(O)−基、フェニル−C(O)−基、5−10員複素環式基、フェニル−CH−O−C(O)−基、−C(O)−5−10員複素環式基を表し、これらの基は、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2過ハロゲン化アルキル基、C1−3ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2過ハロゲン化アルコキシ基、C1−6アルキルスルホニル基、ニトロ、シアノ、アミノ、C1−6モノアルキルアミノ基またはC2−12ジアルキルアミノ基、アセトキシ基、アミノスルホニル基から選択される1−4個の置換基によって場合によって置換されており;R4は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−6アルキル基を表し;mは、0−2を表す。]。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GSK3βの異常な活性によって引き起こされる神経変性疾患の予防的および/または治療的処置のための医薬品の有効成分として有用である化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
GSK3β(グリコーゲン合成酵素キナーゼ3β)は、代謝、分化および生存の制御において重要な役割を果たすプロリン指向性セリントレオニンキナーゼである。この酵素は最初、リン酸化することができ、したがって、グリコーゲン合成酵素を阻害することができる酵素として同定された。その後、GSK3βが、アルツハイマー病およびいくつかのタウパシー(taupathy)において過剰リン酸化されることも判明しているエピトープにおいてタウタンパク質をリン酸化する酵素である、タウプロテインキナーゼ1(TPK1)と同一であったことが認識された。
【0003】
興味深いことに、GSK3βをプロテインキナーゼB(AKT)でリン酸化すると、GSK3βのキナーゼ活性が失われ、この阻害が神経栄養因子の効果の一部を媒介し得るという仮説が立てられている。さらに、細胞の生存に関与するタンパク質である、β−カテニンをGSK3βによってリン酸化すると、ユビキチニン化依存プロテアソーム経路によってβ−カテニンが分解される。
【0004】
したがって、GSK3β活性を阻害すると、神経栄養活性が生じ得ると思われる。実際、GSK3βの非競合阻害薬であるリチウムが、いくつかのモデルにおいて神経突起生成を増強し、Bcl−2などの生存因子の誘発およびp53およびBaxなどのアポトーシス促進因子の発現の阻害により神経生存をも増加させるという証拠がある。
【0005】
最近の研究では、β−アミロイドがGSK3β活性およびタウタンパク質リン酸化を増加させることが証明されている。さらに、この過剰リン酸化ならびにβ−アミロイドの神経毒性作用は、塩化リチウムおよびGSK3βアンチセンスmRNAによって遮断される。こうした観察は、GSK3βがアルツハイマー病の2つの主な病理過程、すなわち、異常なAPP(アミロイド前駆体タンパク質)プロセシングとタウタンパク質過剰リン酸化とを結びつけるものとなり得ることを強く示唆している。
【0006】
タウの過剰リン酸化はニューロンの細胞骨格の不安定化をもたらすが、上記の通り、GSK3βの過剰な活性がアポトーシスおよび抗アポトーシス因子の発現の変調によって生存に影響を与え得るため、異常なGSK3β活性の病理学的な結果は、タウタンパク質の病的なリン酸化によるものだけではない可能性が最も高い。さらに、β−アミロイドによって誘発されるGSK3β活性の増加は、リン酸化をもたらし、したがって、エネルギー産生およびアセチルコリン合成における枢要な酵素である、ピルビン酸デヒドロゲナーゼを阻害することが示されている。
【0007】
これらの実験的観察全体で、GSK3βが、アルツハイマー病に伴う神経病理学的事象および失認および注意欠陥、ならびにGSK3βが調節解除されている他の急性および慢性の神経変性疾患および他の疾患の治療に応用され得ることが示されている(Nature reviews Vol.3、2004年6月、479−487頁;Trends in Pharmacological Sciences Vol.25 No.9、2004年9月、471−480頁;Journal of neurochemistry 2004年、89巻、1313−1317頁;Medicinal Research Reviews、Vol.22、No.4、373−384頁、2002年)。
【0008】
神経変性疾患には、限定しない方式で、パーキンソン病、タウオパシー(例えば、前頭側頭型認知症、大脳皮質基底核変性症、ピック病、進行性核上性麻痺)、ウイルソン病、ハンチントン病(The Journal of biological chemistry Vol.277、No.37、9月13日発行、33791−33798頁、2002年)、プリオン病(Biochem.J.372巻、129−136頁、2003年)および血管性認知症を含めた他の認知症;急性脳卒中および他の外傷;脳血管発作(例えば、年齢に関連する黄斑変性);脳および脊髄外傷;筋萎縮性側索硬化症(European Journal of Neuroscience、Vol.22、301−309頁、2005年)末梢神経障害;網膜症および緑内障が含まれる。最近の研究では、GSK3βの阻害は、胚性幹細胞(ESC)のニューロン分化をもたらし、ヒトおよびマウスのESCの再生およびこれらの多分化能の維持を支援することも示されている。これは、GSK3βの阻害剤が再生医学に応用され得ることを示唆している(Nature Medicine 10巻、55−63頁、2004年)。
【0009】
GSK3βの阻害剤は、双極性障害(躁うつ病)などの他の神経系障害の治療に応用することもできる。例えば、リチウムは、気分安定剤および双極性障害の第1の治療として50年以上用いられている。リチウムの治療作用は、GSK3βの直接的な阻害剤である用量(1−2mM)で観察されている。リチウムの作用機序は明らかでないが、GSK3βの阻害剤を使用して、リチウムの気分安定化効果を模倣することができた。Akt−GSK3βシグナル伝達の変更もまた、統合失調症の病因に関与しているとされてきた。
【0010】
さらに、GSK3βの阻害は、結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB細胞白血病およびいくつかのウイルス誘発腫瘍などの癌を治療するのに有用となり得る。例えば、結腸直腸癌患者の腫瘍でGSK3βの活性形態が上昇することが示されており、結腸直腸癌細胞中のGSK3βの阻害は、p53依存性アポトーシスを活性化し、腫瘍増殖に拮抗する。GSK3βの阻害はまた、前立腺癌細胞系におけるTRAIL誘発アポトーシスを増強する。GSK3βはまた、紡錘体の動力学においてある役割を果たし、GSK3βの阻害剤は染色体移動を防ぎ、微小管を安定化させ、タキソールの低用量で観察されるものと類似する前中期様静止をもたらす。GSK3β阻害剤の他のあり得る適用には、インスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病など)、肥満症および脱毛症のための治療が含まれる。
【0011】
ヒトGSK3βの阻害剤は、プラスモディウム・ファルシパルム(Plasmodium falciparum)で見出されたこの酵素のオルソログである、pfGSK3を阻害することもでき、結果として、これらの阻害剤はマラリアの治療に用いることができた(Biochimica et Biophysica Acta 1697巻、181−196頁、2004年)。
【0012】
近年、人類遺伝学および動物研究は、骨量自然増加の主な制御因子としてのWnt/LPR5経路の役割を指摘している。GSK3βを阻害すると、正準のWntシグナル伝達の結果として活性化が生じる。不完全なWntシグナル伝達が、骨量が減少する障害に関与しているとされてきたことから、GSK3β阻害剤は、骨量が減少する障害、骨関連疾患、骨粗鬆症を治療するために用いることもできる。
【0013】
最近のデータによれば、GSK3β阻害剤は、尋常性天疱瘡の治療または予防に用いることができる。
【0014】
最近の研究では、GSK3β阻害剤治療は、好中球および巨核球の回復を改善することが示されている。したがって、GSK3β阻害剤は、癌の化学療法によって誘発される好中球減少症の治療のために有用である。
【0015】
以前の研究では、GSK3活性は記憶固定の電気生理学的相関であるLTPを減少させることが示されており、この酵素の阻害剤が認知促進活性を有し得ることが示唆されている。この化合物の認知促進効果は、アルツハイマー病、パーキンソン病、年齢関連記憶障害、軽度の認知障害、脳外傷、統合失調症およびかかる欠損が観察される他の状態に特徴的な記憶欠損の治療に応用することができる。
【0016】
GSK3βの阻害剤は、実質性腎疾患の治療(Nelson PJ、Kidney International Advance online publication 2007年12月19日)および筋萎縮症の予防または治療(J.Biol.Chem(283)2008年、358−366頁)に応用することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Nature reviews Vol.3、2004年6月、479−487頁
【非特許文献2】Trends in Pharmacological Sciences Vol.25 No.9、2004年9月、471−480頁
【非特許文献3】Journal of neurochemistry 2004年、89巻、1313−1317頁
【非特許文献4】Medicinal Research Reviews、Vol.22、No.4、373−384頁、2002年
【非特許文献5】The Journal of biological chemistry Vol.277、No.37、9月13日発行、33791−33798頁、2002年
【非特許文献6】Biochem.J.372巻、129−136頁、2003年
【非特許文献7】European Journal of Neuroscience、Vol.22、301−309頁、2005年
【非特許文献8】Nature Medicine 10巻、55−63頁、2004年
【非特許文献9】Biochimica et Biophysica Acta 1697巻、181−196頁、2004年
【非特許文献10】Nelson PJ、Kidney International Advance online publication 2007年12月19日
【非特許文献11】J.Biol.Chem(283)2008年、358−366頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、異常なGSK3β活性によって引き起こされる疾患、より具体的には、神経変性疾患の予防的および/または治療的処置のための医薬品の有効成分として有用な化合物を提供することである。より具体的には、本目的は、アルツハイマー病などの神経変性疾患の予防および/または治療を可能にする医薬品の有効成分として有用な新規な化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
したがって、本発明の発明者らは、GSK3βに対して阻害活性を有する化合物を同定している。その結果、発明者らは、以下の式(I)によって表される化合物が所望の活性を有し、前述の疾患の予防的および/または治療的処置のための医薬品の有効成分として有用であったことを見出した。
【発明を実施するための形態】
【0020】
したがって、本発明は、本発明の目的として、遊離塩基または酸との付加塩の形態の、式(I)によって表されるピリミドン誘導体またはこれらの塩、これらの溶媒和物もしくはこれらの水和物を提供する
【0021】
【化1】

[式中、
Yは、水素原子2個、硫黄原子、酸素原子を表し;
R1は、2、3もしくは4−ピリジン環または2、4もしくは5−ピリミジン環を表し、この環は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはハロゲン原子によって場合によって置換されており;
R2は、水素原子、C1−6アルキル基またはハロゲン原子を表し;
R3は、
−フェニル−基、フェニル−CH−基、C1−6アルキル−O−C(O)−基、フェニル−C(O)−基、5−10員複素環式基、フェニル−CH−O−C(O)−基、−C(O)−5−10員複素環式基を表し、これらの基は、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2過ハロゲン化アルキル基、C1−3ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2過ハロゲン化アルコキシ基、C1−6アルキルスルホニル基、ニトロ、シアノ、アミノ、C1−6モノアルキルアミノ基またはC2−12ジアルキルアミノ基、アセトキシ基、アミノスルホニル基から選択される1−4個の置換基によって場合によって置換されており;
R4は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−6アルキル基を表し;
mは、0−2を表す。]。
【0022】
本発明の他の態様によれば、式(I)によって表されるピリミドン誘導体および生理的に許容されるこれらの塩、およびこれらの溶媒和物およびこれらの水和物からなる群から選択される物質を有効成分として含む医薬品が提供される。医薬品の好ましい実施形態として、異常なGSK3β活性によって引き起こされる疾患の予防的および/または治療的処置のために用いる前述の医薬品、ならびに神経変性疾患、さらに、インスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病など)および肥満症;マラリア、双極性障害(躁うつ病);統合失調症;脱毛症または結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB細胞白血病、いくつかのウイルス誘発腫瘍などの癌および骨関連疾患などの他の疾患の予防的および/または治療的処置のために;実質性腎疾患の治療のためにおよび筋萎縮症の予防または治療に;失認および記憶欠損の治療のために用いられる前述の医薬品が提供される。医薬品は再生医学に応用することもできる。
【0023】
本発明のさらなる実施形態として、疾患が神経変性疾患であり、アルツハイマー病、パーキンソン病、タウオパシー(例えば、前頭側頭型認知症、大脳皮質基底核変性症、ピック病、進行性核上性麻痺)、ウイルソン病、ハンチントン病、プリオン病および血管性認知症を含めた他の認知症;急性脳卒中および他の外傷;脳血管発作(例えば、年齢関連黄斑変性);脳および脊髄外傷;筋萎縮性側索硬化症;末梢神経障害;網膜症および緑内障からなる群から選択される前述の医薬品、および有効成分として上記物質を1種または複数の医薬品添加物と共に含む医薬組成物の形態の前述の医薬品が提供される。
【0024】
本発明のさらなる実施形態として、骨関連疾患が骨粗鬆症である前述の医薬品が提供される。
【0025】
本発明は、有効成分として、式(I)のピリミドン誘導体およびこれらの塩、およびこれらの溶媒和物およびこれらの水和物からなる群から選択される物質を含むGSK3β活性の阻害剤をさらに提供する。
【0026】
本発明のさらなる態様によれば、患者に式(I)のピリミドン誘導体および生理的に許容されるこれらの塩、およびこれらの溶媒和物およびこれらの水和物からなる群から選択される物質の予防および/または治療有効量を投与するステップを含む、異常なGSK3β活性によって引き起こされる神経変性疾患の予防的および/または治療的処置のための方法;および前述の医薬品の製造のための式(I)のピリミドン誘導体および生理的に許容されるこれらの塩、およびこれらの溶媒和物およびこれらの水和物からなる群から選択される物質の使用が提供される。
【0027】
本明細書では、Cx−t基は、xからt個までの炭素原子の基を表す基を表す。
【0028】
アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基などの直鎖状、分枝状または環状C1−6アルキル基によって場合によって置換されている、直鎖状または分枝状または環状アルキル基を表す。
【0029】
5−10員複素環式基は、N、O、およびSから選択される1−7個のヘテロ原子を含む不飽和、完全飽和もしくは部分飽和の単環式基または多環式基(例えば、4−10員)を表す。複素環式基の例には、ピリジン、ピリンジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、ピロロピロール、ピロロイミダゾール、ピロロピラゾール、ピロロトリアゾール、イミダゾイミダゾール、イミダゾピラゾール、イミダゾトリアゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、ナフチリジン、ベンゾトリアジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、ピリドピリダジン、ピリドトリアジン、ピリミドピリミジン、ピリミドピラジン、ピリミドピリダジン、ピリミドトリアジン、ピラジノピラジン、ピラジノピリダジン、ピラジノトリアジン、ピリダジノピリダジン、ピリダジノトリアジン、インドール、イソインドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾ[c]チオフェン、ピロロピリジン、イミダゾピリジン、ピラゾロピリジン、トリアゾロピリジン、テトラゾロピリジン、ピロロピリミジン、イミダゾピリミジン、ピラゾロピリミジン、トリアゾロピリミジン、テトラゾロピリミジン、ピロロピラジン、イミダゾピラジン、ピラゾロピラジン、トリアゾロピラジン、テトラゾロピラジン、ピロロピリダジン、イミダゾピリダジン、ピラゾロピリダジン、トリアゾロピリダジン、テトラゾロピリダジン、ピロロトリアジン、イミダゾトリアジン、ピラゾロトリアジン、トリアゾロトリアジン、テトラゾロトリアジン、フロピリジン、フロピリミジン、フロピラジン、フロピリダジン、フロトリアジン、オキサゾロピリジン、オキサゾロピリミジン、オキサゾロピラジン、オキサゾロピリダジン、オキサゾロトリアジン、イソオキサゾロピリジン、イソオキサゾロピリミジン、イソオキサゾロピラジン、イソオキサゾロピリダジン、イソオキサゾロトリアジン、オキサジアゾロピリジン、オキサジアゾロピリミジン、オキサジアゾロピラジン、オキサジアゾロピリダジン、オキサジアゾロトリアジン、ベンゾオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ベンゾオキサジアゾール、チエノピリジン、チエノピリミジン、チエノピラジン、チエノピリダジン、チエノトリアジン、チアゾロピリジン、チアゾロピリミジン、チアゾロピラジン、チアゾロピリダジン、チアゾロトリアジン、イソチアゾロピリジン、イソチアゾロピリミジン、イソチアゾロピラジン、イソチアゾロピリダジン、イソチアゾロトリアジン、チアジアゾロピリジン、チアジアゾロピリミジン、チアジアゾロピラジン、チアジアゾロピリダジン、チアジアゾロトリアジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾジオキセピン、ベンゾジオキサン、ベンゾジオキシン、ジアゼパンが含まれる。これらの複素環は、例えば、例示として、ジヒドロベンゾフラン、テトラヒドロキノリンなどの部分もしくは完全飽和の形態でも存在することができる。
【0030】
1−6アルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などの1−4個の炭素原子を有するアルキルオキシ基を表し;
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を表し;
1−2過ハロゲン化アルキル基は、すべての水素原子が、例えば、CFまたはCなどのハロゲンによって置換されているアルキル基を表し;
【0031】
【化2】

では、Yは2個の水素原子を表す:
【0032】
【化3】


【0033】
1−3ハロゲン化アルキル基は、少なくとも1個の水素がハロゲン原子によって置換されていないアルキル基を表し;
1−6モノアルキルアミノ基は、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基などの1個のC1−6アルキル基によって置換されているアミノ基を表し;
2−12ジアルキルアミノ基は、例えば、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基およびジイソプロピルアミノ基などの2つのC1−6アルキル基によって置換されているアミノ基を表し;
1−6アルキルスルホニル基は、SO−C1−6アルキル基を表し;
アセトキシ基は、OC(O)Meを表し;
アミノスルホニル基は、SONHを表す。
【0034】
脱離基Lは、容易に切断され置換され得る基を表し、このような基は、例えば、トシル、メシル、ブロミドなどであってよい。
【0035】
前述の式(I)によって表された化合物は、塩を形成することができる。塩の例には、酸性基が存在するとき、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびカルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩;メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、およびL−グルカミンなどのアンモニアおよびアミンの塩;またはリジン、δ−ヒドロキシリジンおよびアルギニンなどの塩基性アミノ酸との塩が含まれる。酸性化合物の塩基付加塩は、当技術分野で周知の標準手順によって調製される。
【0036】
塩基性基が存在するとき、例には、塩酸、臭化水素酸などの鉱酸との塩;酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸などの有機酸との塩が含まれる。
【0037】
塩基性化合物の酸付加塩は、塩が、直接分離する、または第2の有機溶媒で沈殿させる、またはその溶液の濃度で得ることができる場合には、それだけには限らないが、適当な酸を含む水性アルコール溶液中に遊離塩基を溶解し、その溶液を蒸発させることによってまたは有機溶媒中で遊離塩基および酸を反応させることによって塩を単離することを含む、当技術分野で周知の標準手順で調製される。酸付加塩を調製するために使用することができる酸には、好ましくは、遊離塩基と組み合わせたとき、遊離塩基において固有の有益な特性が陰イオンに起因し得る副作用によって損なわれないように、薬学的に許容される塩、すなわち、陰イオンが塩の医薬用量で動物生体に対して比較的無害である塩を生成するものが含まれる。塩基性化合物の医学的に許容される塩が好ましいが、すべての酸付加塩は本発明の範囲内である。
【0038】
前述の式(I)によって表されるピリミドン誘導体およびこれらの塩の他に、これらの溶媒和物および水和物もまた、本発明の範囲内とする。
【0039】
前述の式(I)によって表されるピリミドン誘導体は、1種または複数の不斉炭素原子を有し得る。かかる不斉炭素原子の立体化学に関して、これらは、独立に(R)または(S)立体配置となり得、その誘導体は、光学異性体またはジアステレオマーなどの立体異性体、として存在し得る。純粋な形態の任意の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などは、本発明の範囲内とする。
【0040】
本発明の第1の実施形態において、遊離塩基または酸との付加塩の形態の、R1が置換4−ピリジン環または非置換4−ピリミジン環を表す化合物が提供される。
【0041】
本発明の第2の実施形態において、遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態の、次式の化合物が提供される。
【0042】
【化4】

[式中:
Yは、水素原子2個、硫黄原子、酸素原子を表し;
R1は、4−ピリジン環または4−ピリミジン環を表し、
R2は、水素原子を表し;
R3は、
−フェニル−基、フェニル−CH−基、C1−6アルキル−O−C(O)−基、フェニル−C(O)−基、ピリジン基、フェニル−CH−O−C(O)−基、−C(O)−ピリジン基、−C(O)ベンゾジオキシン基を表し、これらの基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基から選択される1−4個の置換基によって場合によって置換されており;
R4は、水素原子、ヒドロキシル基、C1−6アルキル基を表し;
mは、1または2を表す。]
本発明の化合物の例を以下表1および表2に示す。しかし、本発明の範囲は、これらの化合物によって制限されない。IUPAC規則に従って名称を付す。
【0043】
本発明のさらなる目的には、以下に定義される通り、表1の式の化合物の基が含まれる。
1.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(2−メトキシ−フェニル)−アミド
2.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−アミド
3.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−アミド
4.(+/−)−9−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−アミド
5.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(2−メトキシ−ベンジル)アミド
6.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(4−メトキシ−ベンジル)アミド
7.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(4−クロロ−ベンジル)アミド
8.(+/−)−4−クロロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−ベンズアミド
9.(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
10.(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸エチルエステル
11.(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸フェニルエステル
12.(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸(4−フルオロ−フェニル)エステル
13.(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸(2−クロロ−ベンジル)エステル
14.(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸(2−メトキシ−エチル)エステル
15.(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸(2−メトキシ−フェニル(エステル
16.(+/−)−2,6−ジメトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−ニコチンアミド
17.(+/−)−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−ベンズアミド
18.(+/−)−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−ニコチンアミド
19.(+/−)−9−ヒドロキシ−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−アミド
20.(+/−)−4−フルオロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−ベンズアミド
21.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(ピリジン−2−イル)アミド
22.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(2,6−ジメトキシ−ピリジン−3−イル)−アミド
23.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(ピリジン−3−イル)アミド
24.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−アミド
【0044】
本発明のさらなる目的には、以下に定義される通り、式の表2の化合物の基が含まれる。
1.(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
2.(+/−)−4−クロロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ベンズアミド
3.(+/−)−(10−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
4.(+/−)−ピリジン−2−カルボン酸N−(10−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−アミド
5.(+/−)−7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−5−カルボン酸N−(10−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−アミド
6.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−カルボン酸N−(2−メトキシ−フェニル)−アミド
7.(+/−)−2,6−ジメトキシ−N−(10−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ニコチンアミド
8.(−)−4−クロロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ベンズアミド
9.(+)−4−クロロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ベンズアミド
10.(+/−)−2−メトキシ−N−(10−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ベンズアミド
11.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−カルボン酸N−(フェニル)アミド
12.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−カルボン酸N−(2,6−ジメトキシ−ピリジン−3−イル)−アミド
13.(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−カルボチオ酸N−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−アミド
【0045】
さらなる目的として、本発明はまた、前述の式(I)によって表されるピリミドン化合物を調製するための方法にも関する。
【0046】
これらの化合物は、例えば、下記に説明する方法に従って、調製することができる。
調製方法
前述の式(I)によって表されるピリミドン化合物は、スキーム1に記載されている方法に従って調製することができる。
【0047】
【化5】

(上記スキームにおいて、R1、R2、R3、R4およびmの定義は、(I)の化合物について既に記載しているものと同一であり、Yは硫黄原子または酸素原子を表し、Rは、例えば、水素またはメチルもしくはエチルなどのアルキル基を表し、Lは脱離基を表す。)
【0048】
この方法に従って、上記の式(II)によって表されるピリミドン誘導体[式中、R1およびR2は式(I)の化合物について定義した通りであり、Yは硫黄原子または酸素原子を表し、Rは、例えば、メチルまたはエチルなどのアルキル基を表す。]を、トルエン、ジメチルホルムアミド、キシレンなどの溶媒中で、式(III)の化合物[式中、R3は、式(I)の化合物について定義した通りである。]と通常の空気下で80−130℃の適当な温度で反応させて、前述の式(I)の化合物[R4は、水素原子を表す。]を得る。
【0049】
この方法に従って、上記の式(I)によって表されるピリミドン誘導体[式中、R1、R2、R3およびmは式(I)の化合物について定義した通りであり、Yは硫黄原子または酸素原子を表し、R4は水素原子を表す。]を、エーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で水素化ナトリウム、ビス(トリメチルシリル)アミドまたはリチウムジイソプロピルアミドなどの強塩基で脱プロトン化することもでき、得られた陰イオンを、式(IV)の適当な求電子体[式中、Lは脱離基を表し、このような基は、例えば、トシル、メシル、ブロミドなどとなり得る。]と反応させて、前述の式(I)の化合物[式中、R4は式(I)の化合物について定義した通りである。]を生成することができる。
【0050】
式(III)および(IV)の化合物は、市販されている、または当業者に周知の方法に従って合成することができる。
【0051】
式(II)の化合物は、スキーム2に定義した方法に従って調製することができる。
【0052】
【化6】

(上記スキームにおいて、R1、R2およびmの定義は、式(I)の化合物について既に記載しているものと同一であり、Yは硫黄原子または酸素原子を表し、RおよびR’は例えば、水素またはメチルもしくはエチルなどのアルキル基を表す。)
【0053】
この方法に従って、式(V)の3−ケトエステル[式中、R1およびR2は、式(I)の化合物について定義した通りであり、R’は例えば、メチルまたはエチルなどのアルキル基である。]を、Rが、例えば、メチルまたはエチルなどのアルキル基である式(VI)の化合物と反応させる。反応を、炭酸カリウムまたはナトリウムメトキシドなどの塩基の存在下でメタノール、エタノールなどのアルコール溶媒またはトルエン、キシレンなどの不活性溶媒中でまたは含まずに25℃−140℃の適当な温度で通常の空気下で実施して、前述の式(II)の化合物を得ることができる。
【0054】
さらに、式(II)の化合物[式中、R2は水素原子を表す。]を、ハロゲン化して、式(II)の化合物[式中、R2は臭素原子または塩素原子などのハロゲン原子である。]を得ることができる。反応は、ブロモスクシンイミドまたはクロロスクシミドまたは臭素の存在下で酢酸またはプロピオン酸などの酸性媒体中で行うことができる。
【0055】
さらなる目的として、本発明はまた、式(I)の化合物の中間体として式(II)の化合物に関する。
【0056】
式(V)の化合物は、市販されている、または当業者に周知の方法に従って合成することができる。
【0057】
例えば、式(V)の化合物[式中、R1は、場合によって、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはハロゲン原子によって置換されているピリジン環またはピリミジン環を表す。]は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはハロゲンによって場合によって置換されているイソニコチン酸またはピリミジン−カルボン酸をそれぞれ、対応するマロン酸モノエステルと反応させることによって調製することができる。反応は、例えば、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾールなどのカップリング剤の存在下で、テトラヒドロフランなどの溶媒中で、20−70℃の温度で当業者に周知の方法を用いて実施することができる。
【0058】
さらに、式(V)の化合物[式中、R2はフッ素原子を表す。]は、Tetrahedron Letters、Vol.30、No.45、6113−6116頁、1989年に記載の方法と類似した方法によって得ることができる。
【0059】
さらに、式(V)の化合物[式中、R2は水素原子である。]は、特許DE2705582に記載の方法と類似した方法によって得ることができる。
【0060】
式(VI)の化合物は、当業者に周知の方法に従って合成することができる。式(VI)の化合物は、例えば、これは、Journal of Medicinal Chemistry、1994年、37巻(17号)、2774−2782頁に記載の方法と類似した方法によって合成することができる。
【0061】
あるいは、式(I)の化合物[式中、R1、R2、R3、R4、Y、およびmは式(I)の化合物について定義した通りである。]は、式(VII)の化合物から開始するスキーム3中で定義される方法に従って調製することができる。用いることができる条件は化学実施例中で示される。
【0062】
【化7】

(上記スキームにおいて、R1、R2、R3、R4、Yおよびmの定義は既に記載しているものと同一であり、Lは脱離基を表し、Aは上記の式(I)によって表されるピリミドン誘導体の調製を可能にする適当な求電子基を表す。)
【0063】
この方法に従って、上記の式(VII)によって表されるピリミドン誘導体[式中、R1、R2およびmは式(I)の化合物について定義した通りである。]を、エーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、水素化ナトリウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウムまたはs−ブチルリチウムなどの強塩基により脱プロトン化することができ、得られた陰イオンは、適当な求電子体と反応することができる。得られた陰イオンは、式(IV)の化合物[式中、R4は式(I)の化合物について定義されており、Lは容易に切断され置換され得る脱離基を表し、このような基は、例えば、トシル、メシル、ブロミドなどであってよい。]と反応することができる。得られた化合物は、エーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、水素化ナトリウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムまたはsec−ブチルリチウムなどの強塩基により2回目の脱プロトン化をすることができ、得られた陰イオンは、式(VIII)の適当な求電子体[式中、R3およびAは、式(I)の化合物についてまたは以下(図1)に定義した通りである。]と反応して、前述の式(I)の化合物を生成することができる。
【0064】
さらに、この方法に従って、上記の式(VII)によって表されるピリミドン誘導体[式中、R1、R2およびmは式(I)の化合物について定義した通りである。]は、エーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、水素化ナトリウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムまたはsec−ブチルリチウムなどの強塩基により脱プロトン化することができ、得られた陰イオンは、式(VIII)の化合物[式中、R3およびAは、上記でおよび以下に定義した通りである。]と直接反応して、前述の式(I)の化合物[式中、R4は水素原子を表す。]を生成することができる。
【0065】
式(IV)および(VIII)の化合物は、市販されている、または当業者に周知の方法に従って合成することができる。
【0066】
Aが適当な求電子基を表す式(VIII)の化合物。Aは以下の図1で表される。
【0067】
【化8】

【0068】
式(VII)の化合物は、スキーム4で定義される方法に従って調製することができる。
【0069】
【化9】

(上記スキームにおいて、R1、R2およびmの定義は既に記載しているものと同一であり、Rは、例えば、メチルまたはエチルなどのアルキル基を表す。)
【0070】
この方法に従って、式(V)の3−ケトエステル[式中、R1およびR2は、式(I)の化合物について定義した通りであり、Rは、例えば、メチルまたはエチルなどのアルキル基である。]を、式(XI)の化合物[式中、mは、式(I)の化合物について定義した通りである。]と反応させる。反応を、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシドなどの塩基の存在下で、メタノール、エタノールなどのアルコール溶媒またはトルエンなどの不活性溶媒中でまたは含まずに25℃−140℃の適当な温度で通常の空気下で実施して、前述の式(VII)の化合物を得ることができる。
【0071】
さらなる目的として、本発明はまた、式(I)の化合物の中間体として式(VII)の化合物に関する。
【0072】
式(IX)の化合物は、mが0、1または2を表す場合、WO96/14844およびJournal of Medicinal Chemistry(1998年)、41巻(9号)、1361−1366頁に記載の方法に従って合成することができる。
【0073】
上記の反応において、官能基の保護または脱保護は、必要である場合があり得る。適当な保護基はPgは、官能基のタイプに応じて選択することができ、文献に記載の方法は適用することができる。保護基の例、保護および脱保護の方法の例としては、例えば、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis、Greeneら、第4版(John Wiley & Sons、Inc.、New York)2007年が示される。
【0074】
本発明の化合物は、GSK3βに対して阻害活性を有する。したがって、本発明の化合物は、異常なGSK3β活性によって引き起こされる疾患、より具体的には、アルツハイマー病などの神経変性疾患の予防的および/または治療的処置を可能にする、医薬品の調製のための有効成分として有用である。さらに、本発明の化合物は、パーキンソン病、タウオパシー(例えば、前頭側頭型認知症、大脳皮質基底核変性症、ピック病、進行性核上性麻痺)、ウイルソン病、ハンチントン病、プリオン病および血管性認知症を含めた他の認知症などの神経変性疾患;急性脳卒中および他の外傷;脳血管発作(例えば、年齢関連黄斑変性);脳および脊髄外傷;筋萎縮性側索硬化症、末梢神経障害;網膜症および緑内障;およびインスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病など)および肥満症;マラリア、躁うつ病;統合失調症;脱毛症;結腸直腸癌、前立腺癌、乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TまたはB−細胞白血病、いくつかのウイルス誘発腫瘍および骨関連疾患におけるなどの癌;実質性腎疾患または筋萎縮症などの他の疾患の予防的および/または治療的処置のための医薬品の調製のための有効成分としても有用である。医薬品は、再生医学に応用することもできる。医薬品は、尋常性天疱瘡の治療または予防に応用することもできる。医薬品は、癌の化学療法によって誘発される好中球減少症の治療に応用することもできる。医薬品は、アルツハイマー病、パーキンソン病、年齢関連記憶障害、軽度認知障害、脳外傷、統合失調症およびかかる欠損が観察される他の状態におけるなどの失認および記憶欠損を特徴とする疾患の治療的処置のために応用することもできる。
【0075】
本発明はさらに、GSK3βの異常活性によって引き起こされる神経変性疾患および治療を必要とする哺乳動物の生体に式(I)の化合物の有効量を投与することを含む前述の疾患を治療するための方法に関する。
【0076】
本発明の医薬品の有効成分として、前述の式(I)によって表される化合物および薬理学的に許容されるこれらの塩、およびこれらの溶媒和物およびこれらの水和物からなる群から選択される物質を使用することができる。物質自体は、本発明の医薬品として投与することができるが、有効成分としての前述の物質および1種または複数の医薬品添加物を含む医薬組成物の形態で医薬品を投与することが望ましい。本発明の医薬品の有効成分として、前述の物質の2種以上は組み合わせて用いることができる。上記医薬組成物は、上記の疾患の治療のための他の医薬品の有効成分を補充することができる。医薬組成物のタイプは特に制限されず、組成物は、経口もしくは非経口投与用の任意の配合物として提供することができる。例えば、医薬組成物は、例えば、顆粒剤、細粒、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、液剤などの経口投与用の医薬組成物の形態で製剤化することができ、または静脈内、筋肉内もしくは皮下投与用の注射剤、点滴注入、経皮製剤、経粘膜製剤、点鼻薬、吸入剤、坐剤などの非経口投与用の医薬組成物の形態で製剤化することができる。注射剤または点滴注入は、凍結乾燥製剤の形態などで粉状製剤として調製することができ、使用直前に生理食塩水などの適当な水性媒体中に溶解することによって使用することができる。ポリマーでコーティングされたものなどの持続放出製剤は、脳内に直接投与することができる。
【0077】
医薬組成物の製造のために用いられる医薬品添加物のタイプ、有効成分に対する医薬品添加物の含量比、および医薬組成物を調製する方法は、当業者によって適当に選択することができる。無機物質もしくは有機物質または固形もしくは液体物質を、医薬品添加物として用いることができる。一般に、医薬品添加物は、有効成分の重量に対して1重量%から90重量%の比で組み入れることができる。
【0078】
固形医薬組成物の調製に用いられる添加剤の例には、例えば、乳糖、スクロース、デンプン、タルク、セルロース、デキストリン、カオリン、炭酸カルシウムなどが含まれる。経口投与のための液体組成物を調製する場合、水または植物油などの従来の不活性賦形剤は用いることができる。液体組成物は、不活性賦形剤に加えて、湿潤剤、懸濁助剤、甘味剤、着香剤、着色剤、および保存剤などの助剤を含むことができる。液体組成物は、ゼラチンなどの吸収性物質で作られたカプセル剤に充填することができる。例えば、注射剤、坐剤などの非経口投与のための組成物の調製用に用いられる溶媒または懸濁媒体の例には、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、オレイン酸エチル、レシチンなどが含まれる。坐剤用に用いられる基剤の例には、例えば、カカオ脂、乳化したカカオ脂、ラウリン脂質、ウィテプゾールが含まれる。
【0079】
本発明の医薬品の投与の用量および回数は、特に制限されず、これらは、予防的および/または治療的処置の目的、疾患のタイプ、患者の体重または年齢、疾患の重症度などの条件に応じて適当に選択することができる。一般に、成人への経口投与のための1日量は0.01から1,000mg(有効成分の重量)となり得、用量は、1日1回または部分に分けた1日数回、または数日に1回投与することができる。医薬品が注射剤として用いられるとき、投与は、好ましくは、成人に0.001から100mg(有効成分の重量)を1日量として連続的にまたは間欠的に行うことができる。
【0080】
実施例
【実施例1】
【0081】
(表1の化合物No.3)
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−アミド
1.1 (+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−1,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸メチルエステル
2−アミノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(1:1)(Journal of Medicinal Chemistry (1994年)、37巻(17号)、2774−2782頁に記載されている合成)23.50g(121.99mmol)のトルエン240mL中懸濁液に、ナトリウムメトキシド27.91mL(121.99mmol)(25重量%。メタノール中溶液)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、エチル3−(4−ピリミジニル)−3−オキソプロピオナート23.68g(121.99mmol)を加え、得られた混合物を還流下で16時間撹拌した。混合物を水に溶解し、得られた固形物をろ過し、ジエチルエーテルですすいだ。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(2%−10%のメタノールを含むジクロロメタン)によって精製して固形物12.00g(34%)を生成した。
Mp:174−176℃。
RMN H(DMSO−d;200MHz)
δ(ppm):9.42(s,0.6H)、9.30(s,0.4H)、9.02(m,1H)、8.30(d,0.6H)、8.09(d,0.4H)、7.21(s,0.4H)、6.60(m,0.6H)、4.12(m)、3.90(m)、3.78(m)、3.74(s,1.2H)、3.88(s,1.8H)、2.38(m)、2.11−1.90(m)、1.78(m)、1.21(m)
(60/40の割合の4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−アミドとの混合物中)
【0082】
1.2 4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−アミド
封管中の(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−1,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸メチルエステル0.150g(0.52mmol)のトルエン10.00mL中懸濁液に、4−クロロ−2−メトキシ−フェニルアミン0.825g(5.24mmol)を加え、得られた混合物を還流下で16時間撹拌した。混合物を水および酢酸エチルに溶解した。有機相を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(100/0/0−98/2/02の割合のジクロロメタン/メタノール/アンモニア)によって精製して固形物0.069g(32%)を生成した。
Mp:251−253℃
RMN H(DMSO−d;200MHz)
δ(ppm):9.75(m,1H)、9.31、(m,1H)、9.02(d,1H)、8.15(d,1H)、7.98(d,1H)、7.21(s,1H)、7.11(m,1H)、6.97(d,1H)、4.40(m,1H)、3.88(m,2H)、3.75(s,3H)、2.22−1.98(m,4H)。
【実施例2】
【0083】
(表1の化合物No.4)
(+/−)−9−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−アミド
4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−アミド(実施例1)0.100g(0.24mmol)のジメチルホルムアミド1.00mL中懸濁液に、ナトリウムヒドルール(sodium hydrure)0.010g(0.24mmol)を0℃で加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。ヨウ化メチル0.020mL(0.24mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を水およびジクロロメタンに溶解した。有機相を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(80/20−70/30の割合のシクロヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、固形物0.053g(51%)を生成した。
Mp:210−212℃
RMN H(DMSO−d;400MHz)
δ(ppm):9.61(br s,1H)、9.40(s,1H)、9.00(d,1H)、8.38(d,1H)、8.31(d,1H)、7.60(s,1H)、6.92(dd,1H)、6.72(d,1H)、4.22(m,2H)、3.76(m,1H)、3.30(s,3H)、2.98(m,1H)、1.90(s,3H)、2.12(m,2H)。
【実施例3】
【0084】
(表1の化合物No.5)
4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(2−メトキシ−ベンジル)アミド
実施例1(ステップ1.2)に記載の方法と類似した方法によって、4−クロロ−2−メトキシ−フェニルアミンの代わりに2−メトキシベンジルアミンを用いて、化合物(62%)0.085gを白色粉末として得た。
Mp:181−183℃。
RMN H(DMSO−d;400MHz)
δ(ppm):9.32(s,1H)、8.79(m,1H)、7.82(d,1H)、7.53(m,1H)、7.31(m,3H)、6.87(m,2H)、4.45(m,2H)、4.10−3.85(m,3H)、3.65(s,3H)、2.61(m,1H)、2.08(m,3H)。
【実施例4】
【0085】
(表1の化合物No.9)
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
4.1 2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン
3,4,5,6−テトラヒドロ−ピリジン−2−イルアミン一塩酸塩25.0g(185.72mmol)のエタノール138mL中懸濁液に炭酸カリウム25.67g(185.72mmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、エチル3−(4−ピリミジニル)−3−オキソプロピオナート36.06g(185.72mmol)を加え、得られた混合物を還流下で16時間撹拌した。冷却した溶液を蒸発させて溶媒を除去した。混合物を酢酸エチルに溶解し、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し蒸発乾固した。得られた固形物をジエチルエーテル中ですり混ぜ、ろ過して白色−褐色粉末として所望の化合物9.23g(22%)を生成した。
Mp:177−179℃。
RMN H(DMSO−d;400MHz)
δ(ppm):9.32(s,1H)、9.05(d,1H)、8.25(d,1H)、7.22(s,1H)、3.89(m,2H)、3.00(m,2H)、1.98−1.88(m,4H)。
【0086】
4.2 (+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
−78℃のアルゴン下で2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン0.300g(1.31mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(7.00mL)中溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(テトラヒドロフラン中で1M)2.76mL(2.76mmol)を加えた。溶液を、−78℃で30分間撹拌し、乾燥テトラヒドロフラン2.00mL中のカルバミン酸、(1H−ベンゾトリアゾル−1−イルメチル)−、フェニルメチルエステル(Journal of Organic Chemistry(2002年)、67巻(14号)、4957−4959頁に記載の合成)0.408g(1.45mmol)を加えた。反応を−78℃で3時間撹拌した。混合物を水を加えて急冷し、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(10−50%の酢酸エチルを含むシクロヘキサン)によって精製して、白色固形物(25%)0.132gを生成した。
Mp:138−140℃。
RMN H(DMSO−d;400MHz)
δ(ppm):9.32(s,1H)、9.02(d,1H)、8.30(d,1H)、7.45(br s,1H)、7.38(m,5H)、7.22(s,1H)、5.07(m,2H)、3.90(m,2H)、3.80(m,1H)、3.51(m,1H)、3.15(m,1H)、2.05−1.89(m,2H)、1.70(m,1H)、1.54(m,1H)。
【実施例5】
【0087】
(表1の化合物No.8)
(+/−)4−クロロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−ベンズアミド
氷酢酸2.00mLに溶解した(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル(実施例4)0.080g(0.20mmol)溶液に、臭化水素酸(氷酢酸中溶液33重量%)0.180mL(1.02mmol)を加えた。得られた混合物を室温で2.5時間撹拌し蒸発乾固した。トルエンを残留物に加え蒸発させた。エタノールを残留物に加え蒸発させた。化合物は次のステップでそのまま使用した。
【0088】
ジメチルホルムアミド2.00mLに溶解した9−アミノメチル−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン臭化水素酸塩0.067g(0.20mmol)溶液(1:1)に、4−クロロ−2−メトキシ安息香酸0.053g(0.20mmol)、ジエチルシアノホスホナート0.030mL(0.20mmol)およびトリエチルアミン0.140mL(1.00mmol)を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。水および酢酸エチルを加え、混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を塩化アンモニウムの飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。シリカゲルでの精製(溶離液:5%メタノールを含むジクロロメタン)により、固形物として遊離塩基の形態で得られた純粋な生成物0.049g(57%)を得た。
Mp:188−190℃。
RMN H(DMSO−d;400MHz)
δ(ppm):9.33(s,1H)、9.01(d,1H)、8.38(m,1H)、8.28(d,1H)、7.72(d,1H)、7.25(s,1H)、7.20(s,1H)、7.09(m,1H)、4.02(m,2H)、3.82(m,2H)、3.72(s,3H)、2.08(m,1H)、1.98(m,2H)、1.72(m,1H)。
【実施例6】
【0089】
(表2の化合物No.3)
(+/−)−(10−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
6.1 2−ピリミジン−4−イル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[1,2−a]アゼピン−4−オン
2H−アゼピン−7−アミン、3,4,5,6−テトラヒドロ、一塩酸塩(WO96/14844またはJournal of Medicinal Chemistry(1998年)、41巻(9号)、1361−1366頁に記載の合成)77.9g(524.1mmol)のエタノール390mL中懸濁液に、炭酸カリウム72.4g(524.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、エチル3−(4−ピリミジニル)−3−オキソプロピオナート101.7g(524.1mmol)を加え、得られた混合物を還流下で16時間撹拌した。冷却した溶液を蒸発させて溶媒を除去した。混合物をジクロロメタンに溶解し、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し蒸発乾固した。残留物をシリカのパッドでろ過し、ジクロロメタンですすぎ、次いで酢酸エチルですすいだ。蒸発後、得られた固形物をジエチルエーテル中ですり混ぜ、ろ過して白色−褐色粉末として所望の化合物36.4g(28%)を生成した。
Mp:148−150℃。
RMN H(DMSO−d;400MHz)
δ(ppm):9.32(s,1H)、9.01(d,1H)、8.24(d,1H)、7.21(s,1H)、4.32(m,2H)、3.11(m,2H)、1.66−1.83(m,6H)。
【0090】
6.2 (+/−)−10−メチル−2−ピリミジン−4−イル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[1,2−a]アゼピン−4−オン
−78℃のアルゴン下で2−ピリミジン−4−イル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[1,2−a]アゼピン−4−オン10.00g(41.27mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(200mL)中溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(テトラヒドロフラン中1M)82.5mL(82.5mmol)を加えた。溶液を−78℃で10分間撹拌し、ヨウ化メチル(412.7mmol)25.7mLを加えた。反応を−78℃で1時間撹拌し、次いで0℃で2時間撹拌した。混合物を塩化アンモニウムの飽和溶液を加えて急冷し、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(1%のメタノールを含むジクロロメタン)によって精製して、白色固形物(40%)11.0gを生成した。
Mp:182−184℃。
RMN H(DMSO−d;400MHz)
δ(ppm):9.31(s,1H)、9.03(d,1H)、8.30(d,1H)、7.22(s,1H)、5.02(m,1H)、3.70(m,1H)、3.40(m,1H)、2.00(m,1H)、1.78−1.90(m,3H)、1.30−1.48(m,5H)。
【0091】
6.3 (+/−)−(10−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
実施例4(ステップ4.2)に記載の方法と類似した方法によって、2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンの代わりに(+/−)−10−メチル−2−ピリミジン−4−イル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[1,2−a]アゼピン−4−オンを用いて、化合物(30%)0.050gを白色粉末として得た。
Mp:118−120℃。
RMN H(DMSO−d;400MHz)
δ(ppm):9.33(s,1H)、9.08(d,1H)、8.25(d,1H)、7.38(br s,1H)、7.22(m,6H)、4.95(m,2H)、4.42(m,2H)、3.75(m,1H)、3.50(m,1H)、1.96(m,1H)、1.75(m,5H)、1.49(s,3H)。
【実施例7】
【0092】
(表2の化合物No.8)
(−)−4−クロロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ベンズアミド
(+/−)−4−クロロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ベンズアミド0.139g(0.316mmol)を、アセトニトリル/イソプロパノール(95/5)を溶離液とするキラル分取HPLC(CHIRALPAK T304 20μm)によって分離して、遊離塩基の形態で得られた純粋な生成物0.071gを得た。
Mp:130−140℃。[α]20=−90.5°(c=5.046,MeOH)。
RMN H(DMSO;400MHz)
δ(ppm):9.40(s,1H)、9.08(s,1H)、8.50−8.30(m,2H)、7.85(d,1H)、7.30(s,1H)、7.25−7.10(m,2H)、5.00(d,1H)、4.00−3.60(m,4H)、3.55(s,3H)、2.10−1.20(m,6H)。
【実施例8】
【0093】
(表2の化合物No.9)
(+)−4−クロロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ベンズアミド
(+/−)−4−クロロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ベンズアミド0.139g(0.316mmol)をアセトニトリル/イソプロパノール(95/5)を溶離液とするキラル分取HPLC(CHIRALPAK T304 20μm)によって分離して、遊離塩基の形態で得られた純粋な生成物0.063gを得た。
Mp:130−140℃。[α]20=+93.3°(c=4.298,MeOH)。
RMN H(DMSO;400MHz)
δ(ppm):9.40(s,1H)、9.08(s,1H)、8.50−8.30(m,2H)、7.85(d,1H)、7.30(s,1H)、7.25−7.10(m,2H)、5.00(d,1H)、4.00−3.60(m,4H)、3.55(s,3H)、2.10−1.20(m,6H)。
【実施例9】
【0094】
(表2の化合物No.12)
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−カルボン酸N−(2,6−ジメトキシ−ピリジン−3−イル)−アミド
9.1 (+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−カルボン酸(4−ニトロ−フェニル)エステル
−40℃のアルゴン下で2−ピリミジン−4−イル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[1,2−a]アゼピン−4−オン(実施例6のステップ6.1)0.500g(2.06mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(20mL)中溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(テトラヒドロフラン中1M)2.27mL(2.27mmol)を加えた。溶液を−50℃で10分間撹拌し、乾燥テトラヒドロフラン3mlに希釈したクロロぎ酸4−ニトロフェニル1.04g(5.16mmol)を加えた。混合物を塩化アンモニウムの飽和溶液を加えて急冷し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。残留物を次のステップでかかる通りに使用した。
【0095】
9.2 (+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−カルボン酸N−(2,6−ジメトキシ−ピリジン−3−イル)−アミド
封管中の(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−カルボン酸4−ニトロ−フェニルエステル0.450g(1.10mmol)の乾燥アセトニトリル10mL中溶液に、2,6−ジメトキシ−ピリジン−3−イルアミン0.341g(2.21mmol)およびジメチル−ピリジン−4−イルアミン0.270g(2.21mmol)を加えた。得られた混合物を還流下で16時間撹拌した。混合物を水およびジクロロメタンに溶解した。有機相を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(100/0/0−98/2/02の割合のジクロロメタン/メタノール/アンモニア)によって精製して、白色固形物0.121g(26%)を生成した。
Mp:231−233℃。
RMN H(DMSO;400MHz)
δ(ppm):9.35(s,1H)、9.30(s,1H)、9.00(d,1H)、8.30(d,1H)、8.00(d,1H)、7.25(s,1H)、6.45(d,1H)、5.00(m,1H)、4.45(m,1H)、3.90(s,6H)、3.80(m,1H)、2.25(m,1H)、2.05−1.70(m,4H)、1.40(m,1H)。
【実施例10】
【0096】
(表2の化合物No.13)
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6、7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−チオカルボン酸N−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−アミド
2−ピリミジン−4−イル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[1,2−a]アゼピン−4−オン(実施例6のステップ1)0.400g(1.65mmol)の乾燥テトラヒドロフラン16mL中溶液に、−50℃で、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(テトラヒドロフラン中1M)1.82mL(1.82mmol)を加えた。得られた混合物を−50℃で10分間撹拌した。テトラヒドロフラン2mLに溶解した4−クロロ−2−イソチオシアナト−1−メトキシ−ベンゼン0.494g(2.48mmol)を−50℃で加え、得られた混合物を2時間撹拌した。混合物を塩化アンモニウムおよびジクロロメタンの飽和溶液に溶解した。有機相を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(99/1/0.1−98/2/0.2の割合のジクロロメタン/メタノール/アンモニア)によって精製して、固形物0.224g(31%)を生成した。
Mp:220−223℃。
RMN H(DMSO;400MHz)
δ(ppm):11.10(br s,1H)、9.33(s,1H)、9.02(d,1H)、8.20(d,1H)、7.92(m,1H)、7.38(m,1H)、7.28(s,1H)、7.14(m,1H)、4.90(m,1H)、4.70(m,1H)、3.91(m,1H)、3.72(s,3H)、2.05−1.82(m,5H)、1.48(m,1H)。
【実施例11】
【0097】
(表1の化合物No.19)
(+/−)−9−ヒドロキシ−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−アミド
封管中の(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−1,6,7,8−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸メチルエステル(実施例1、ステップ1.1)0.200g(0.70mmol)のトルエン3.5mL中溶液に、2−メトキシ−ピリジン−3−イルアミン0.867g(6.99mmol)を加えた。得られた混合物を140℃で24時間撹拌した。混合物を塩化アンモニウムおよびジクロロメタンの飽和溶液に溶解した。有機相を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(95/5/0.5の割合のジクロロメタン/メタノール/アンモニア)によって精製して、灰色固形物0.032g(12%)を生成した。
Mp:208−210℃。
RMN H(DMSO;400MHz)
δ(ppm):9.23(s,1H)、8.90(d,1H)、8.36(d,1H)、8.09(d,1H)、7.30(d,1H)、7.91(m,1H)、7.01(s,1H)、3.95(s,3H)、4.11(m,1H)、3.75(m,1H)、2.38(m,1H)、2.12(m,3H)
【実施例12】
【0098】
(表2の化合物No.1)
(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
実施例4(ステップ4.2)に記載の方法と類似した方法によって、2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オンの代わり(実施例6、ステップ6.1)に2−ピリミジン−4−イル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−ピリミド[1,2−a]アゼピン−4−オンを用いて、化合物(31%)0.500gを白色粉末として得た。
Mp:179−181℃。
RMN H(DMSO−d;400MHz)
δ(ppm):9.40(s,1H)、9.00(d,1H)、8.30(m,1H)、7.35(m,6H)、7.25(s,1H)、5.05(m,3H)、3.85(m,1H)、3.60(m,1H)、3.30(m,1H)、1.95−1.70(m,4H)、1.45(m,2H)。
【0099】
本発明を例示している、前述の式(I)の化合物についての化学構造および物理データのリストを、表1に示す。化合物は、実施例の方法に従って調製されている。
【0100】
表1中、mは1を表し、Meはメチル基を表し、(Rot.)は鏡像異性体化合物の左旋性または右旋性の特性を示し、(dec.)は、化合物の分解を示す。表1Aは表1の化合物についての分析データを示している。
【0101】
【化10】

【0102】
【表1】




【0103】
【表2】




【0104】
本発明を例示している、前述の式(I)の化合物についての化学構造および物理データのリストを、表2に示す。化合物は、実施例の方法に従って調製されている。表2中、mは2を表し、Meはメチル基を表し、(Rot.)は鏡像異性体化合物の左旋性または右旋性の特性を示し、(dec.)は、化合物の分解を示す。表2Aは、表2の化合物についての分析データを示している。
【0105】
【化11】

【0106】
【表3】


【0107】
【表4】



【0108】
試験実施例:GSK3βに対する本発明の医薬品の阻害活性
4つの異なるプロトコールを用いることができる。
【0109】
第1のプロトコールでは、事前にリン酸化したGS1ペプチド7.5μMおよび10μM ATP(33P−ATP300,000cpmを含む)を、GSK3βの存在下で、pH7.5のトリス−HCl25mM、DTT0.6mM、MgCl6mM、EGTA0.6mM、BSA緩衝液0.05mg/ml中で1時間室温でインキュベートした(総反応容積:100マイクロリットル)。
【0110】
第2のプロトコールでは、事前にリン酸化したGS1ペプチド4.1μMおよび(33P−ATP260,000cpmを含む)42μM ATPを、GSK3βの存在下で、pH6.5のMes−NaOH80mM、酢酸Mg1mM、EGTA0.5mM、2−メルカプトエタノール5mM、0.02%Tween20、10%グリセロール緩衝液中で2時間室温でインキュベートした。
【0111】
第3のプロトコールでは、事前にリン酸化したGS1ペプチド7.5μMおよび10μM ATP(3P−ATP300,000cpmを含む)を、GSK3βのの存在下で、pH7.2のヘペス50mM、DTT1mM、MgCl1mM、EGTA1mM、0.01%Tween20緩衝液中で1時間室温でインキュベートした(総反応容積:100マイクロリットル)。
【0112】
第4のプロトコールでは、事前にリン酸化したGS1ペプチド7.5μMおよび10μM ATP(33P−ATP300,000cpmを含む)を、市販用のGSK3β(Millipore)の存在下でpH7.2のヘペス50mM、DTT1mM、MgCl1mM、EGTA1mM、0.01%Tween20緩衝液中で90分間室温でインキュベートした(総反応容積:100マイクロリットル)。
【0113】
阻害剤をDMSO中で可溶化した(反応媒体中の最終溶媒濃度、1%)。
【0114】
ポリリン酸(85% P)25g、85%HPO126ml、500mlまでのHOで作製した溶液100マイクロリットルで反応を停止させ、次いで、使用前に1:100に希釈した。次いで、反応混合物のアリコートを、Whatman P81陽イオン交換フィルターに移し、前述の溶液ですすいだ。組み入れた33P放射能を液体シンチレーションスペクトロメトリーによって決定した。
【0115】
リン酸化GS−1ペプチドは以下の配列を有した。すなわち、NH2−YRRAAVPPSPSLSRHSSPHQS(P)EDEE−COOHである。(Woodgett、J.R.(1989年)Analytical Biochemistry 180巻、237−241頁。
【0116】
本発明の化合物のGSK3β阻害活性をIC50で表し、例証として、表1中の化合物のIC50の範囲は、0.1ナノモルから3マイクロモル濃度である。
【0117】
例えば、プロトコール4に関して、表1の化合物No.1は、IC50 0.027μMを示し、表1の化合物No.8は、IC50 0.019μMを示し、表1の化合物No.2は、IC50 0.030μMを示す。
【0118】
製剤の例
(1)錠剤
以下の成分を、通常の方法によって混合し、従来の装置を用いて圧縮した。
実施例1の化合物 30mg
結晶セルロース 60mg
トウモロコシデンプン 100mg
乳糖 200mg
ステアリン酸マグネシウム 4mg
(2)軟カプセル剤
以下の成分を、通常の方法によって混合し、軟カプセル剤に充填した。
実施例1の化合物 30mg
オリーブ油 300mg
レシチン 20mg
(3)非経口製剤
以下の成分を、通常の方法によって混合して、アンプル1ml中に含まれる注射剤を調製した。
実施例1の化合物 3mg
塩化ナトリウム 4mg
注射用蒸留水 1ml
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明の化合物は、GSK3β阻害活性を有し、GSK3βの異常な活性によって引き起こされる疾患、より具体的には、神経変性疾患の予防的および/または治療的処置のための医薬品の有効成分として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態の、式(I)によって表されるピリミドン誘導体またはその塩
【化1】

[式中、
Yは、水素原子2個、硫黄原子、酸素原子を表し;
R1は、2、3もしくは4−ピリジン環または2、4もしくは5−ピリミジン環を表し、前記環は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはハロゲン原子によって場合によって置換されており;
R2は、水素原子、C1−6アルキル基またはハロゲン原子を表し;
R3は、
−フェニル−基、フェニル−CH−基、C1−6アルキル−O−C(O)−基、フェニル−C(O)−基、5−10員複素環式基、フェニル−CH−O−C(O)−基、−C(O)−5−10員複素環式基を表し、これらの基は、C1−6アルキル基、ハロゲン原子、C1−2過ハロゲン化アルキル基、C1−3ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−2過ハロゲン化アルコキシ基、C1−6アルキルスルホニル基、ニトロ、シアノ、アミノ、C1−6モノアルキルアミノ基またはC2−12ジアルキルアミノ基、アセトキシ基、アミノスルホニル基から選択される1−4個の置換基によって場合によって置換されており;
R4は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1−6アルキル基を表し;
mは、0−2を表す。]。
【請求項2】
遊離塩基の形態または酸との付加塩の形態の、式(I)によって表されるピリミドン誘導体またはその塩
【化2】

[式中、
Yは、水素原子2個、硫黄原子、酸素原子を表し;
R1は、4−ピリジン環または4ピリミジン環を表し;
R2は、水素原子を表し;
R3は、
−フェニル−基、フェニル−CH−基、C1−6アルキル−O−C(O)−基、フェニル−C(O)−基、ピリジン基、フェニル−CH−O−C(O)−基、−C(O)−ピリジン基、−C(O)ベンゾジオキシン基を表し、これらの基は、場合によって、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基から選択される1−4個の置換基によって置換されており;
R4は、水素原子、ヒドロキシル基、C1−6アルキル基を表し;
mは、1または2を表す。]。
【請求項3】
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(2−メトキシ−フェニル)−アミド
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−アミド
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−アミド
(+/−)−9−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(4−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−アミド
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(2−メトキシ−ベンジル)アミド
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(4−メトキシ−ベンジル)アミド
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(4−クロロ−ベンジル)アミド
(+/−)−4−クロロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−ベンズアミド
(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸エチルエステル
(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸フェニルエステル
(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸(4−フルオロ−フェニル)エステル
(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸(2−クロロ−ベンジル)エステル
(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸(2−メトキシ−エチル)エステル
(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−カルバミン酸(2−メトキシ−フェニル(エステル
(+/−)−2,6−ジメトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−ニコチンアミド
(+/−)−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−ベンズアミド
(+/−)−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−ニコチンアミド
(+/−)−9−ヒドロキシ−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−アミド
(+/−)−4−フルオロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−イルメチル)−ベンズアミド
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(ピリジン−2−イル)アミド
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(2,6−ジメトキシ−ピリジン−3−イル)−アミド
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(ピリジン−3−イル)アミド
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−9−カルボン酸N−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−アミド
(+/−)−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
(+/−)−4−クロロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ベンズアミド
(+/−)−(10−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
(+/−)−ピリジン−2−カルボン酸N−(10−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−アミド
(+/−)−7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−5−カルボン酸N−(10−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−アミド
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−カルボン酸N−(2−メトキシ−フェニル)−アミド
(+/−)−2,6−ジメトキシ−N−(10−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ニコチンアミド
(−)−4−クロロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ベンズアミド
(+)−4−クロロ−2−メトキシ−N−(4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ベンズアミド
(+/−)−2−メトキシ−N−(10−メチル−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−イルメチル)−ベンズアミド
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−カルボン酸N−(フェニル)アミド
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−カルボン酸N−(2,6−ジメトキシ−ピリジン−3−イル)−アミド
(+/−)−4−オキソ−2−ピリミジン−4−イル−4,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピン−10−カルボチオ酸N−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−アミド
からなる群から選択される、請求項1および2に記載のピリミドン誘導体もしくはその塩、またはその溶媒和物もしくはその水和物。
【請求項4】
ピリミドン誘導体
【化3】

[式中、
R1は、4−ピリジン環または4ピリミジン環を表し、
R2は、水素原子を表し、
mは、0−2を表し、
Rは、C1−6アルキル基を表す。]。
【請求項5】
請求項1から3に記載の、式(I)によって表されるピリミドン誘導体またはこれらの塩、またはこれらの溶媒和物またはこれらの水和物からなる群から選択される物質を有効成分として含む医薬品。
【請求項6】
請求項1に記載の、式(I)によって表されるピリミドン誘導体またはこれらの塩、またはこれらの溶媒和物またはこれらの水和物の群から選択される、GSK3β阻害剤。
【請求項7】
異常なGSK3β活性によって引き起こされる疾患の予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項8】
神経変性疾患の予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項9】
神経変性疾患がアルツハイマー病、パーキンソン病、タウオパシー、血管性認知症;急性脳卒中、外傷;脳血管発作、脳外傷、脊髄外傷;末梢神経障害;網膜症または緑内障からなる群から選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
インスリン非依存性糖尿病;肥満症;躁うつ病;統合失調症;脱毛症;癌;実質性腎疾患または筋萎縮症の予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項11】
癌が乳癌、非小細胞肺癌、甲状腺癌、TもしくはB細胞白血病またはウイルス誘導腫瘍である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
マラリアの予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項13】
骨疾患の予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項14】
尋常性天疱瘡の予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項15】
癌の化学療法によって誘発される好中球減少症の予防的および/または治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項16】
失認および記憶欠損を特徴とする疾患の治療的処置のための、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項17】
請求項4に定義される中間体(VII)または(II)の、請求項2で定義されるR3−NH2およびR4−LR3およびR4[Lはトシル、メシルまたはブロミドを表す。]との反応により請求項1から3で定義される一般式(I)の化合物を合成するための方法。

【公表番号】特表2011−525909(P2011−525909A)
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515671(P2011−515671)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/IB2009/006576
【国際公開番号】WO2009/156865
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(000002956)田辺三菱製薬株式会社 (225)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】