説明

置換芳香族化合物およびその薬学的使用

本発明は、式Iの置換芳香族化合物およびそれらの薬学的使用に関する。本発明の特定の態様は、(i)血液障害、(ii)腎障害、腎症、もしくは腎障害合併症、(iii)炎症関連疾患、ならびに/または(iv)酸化ストレス関連障害の予防または治療を含む、対象における種々の疾患および病態の予防ならびに/または治療におけるそれらの化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物およびそれらの薬学的使用に関する。より具体的には、本発明は、置換芳香族化合物、それらの調製のためのプロセス、それを含む組成物、ならびに対象における種々の疾患および病態の予防または治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
血液障害
造血(血(hema)=血液)は、全てのタイプの血球の形成、発達、および分化のプロセスを指す。白血球および赤血球を含む全ての細胞血液構成成分は、造血幹細胞に由来する。白血球(leukocyte)または白血球(white blood cell)(WBC)は、身体を感染性疾患および異物の両方から防御する免疫系の細胞である。赤血球は、ヘモグロビンを含む無核で両凹の円盤状の細胞であり、これらの細胞は、酸素の輸送に必須である。白血球の数の減少は、白血球減少症と呼ばれる一方で、貧血は、血液中の赤血球の数、ヘモグロビンの量、または濃厚赤血球の容量の正常を下回る減少があるときに存在する、その病態を指す。血液の障害ならびに複数の種類の白血球減少症および貧血は、化学療法(例えば、化学療法誘発性貧血)および癌(例えば、癌関連性貧血)を含む多種多様の根底にある原因によって引き起こされる可能性がある。したがって、造血を刺激し、かつ化学療法および放射線療法によって誘発される骨髄抑制の望ましくない副作用に対処する、新規組成物および方法に対する必要性が存在する。
【0003】
腎臓病
腎臓は、次の幾つかの重要な機能を果たすように発達した構造的に複雑な臓器である:代謝の老廃物の排泄、体内水分および塩分の調節、適切な酸平衡の維持、ならびに多種多様のホルモンおよびオータコイドの分泌。腎臓の疾患は、その構造と同様に複雑であるが、それらの研究は、同疾患を次の4つの基本的な形態的構成要素に及ぼす影響別に分割することによって容易となる:糸球体、細管、間質、および血管。残念ながら、幾つかの障害は、2つ以上の構造に影響を及ぼし、腎臓における構造の解剖学的相互依存は、1つの構造に対する損傷がほぼ常に他の構造に二次的に影響を及ぼすことを暗示する。したがって、起源が何であれ、全ての形態の腎疾患は、腎臓の全ての4つの構成成分を最終的に破壊して、慢性腎不全に至る傾向がある。例えば、糖尿病等の自己免疫疾患において、腎臓は、組織損傷または病変を被る第一標的である。腎摘除、すなわち腎臓除去は、時に腎臓癌(例えば、腎細胞癌)を有する患者に対して行われる処置であり、残りの腎臓の腎機能に悪影響を及ぼし得る。また、化学療法および免疫抑制療法も、腎臓に対する有害作用の源である。したがって、腎臓病を有する患者に投与することができる、良好な安全プロフィールを有する薬物に対する必要性が存在する。また、腎臓の健康状態を延長するか、または腎臓がもはや機能し得ない段階にまで悪化することから腎臓を保護することができる、薬学的化合物に対する必要性も存在する。
【0004】
炎症
免疫介在性炎症性疾患(IMID)は、明確な病因を欠くが、炎症をもたらす一般的な炎症経路によって特徴付けられ、正常な免疫反応の調節異常から生じるかまたはそれによって誘発される病態または疾患の群のうちのいずれかを指す。自己免疫疾患は、組織損傷が、体成分に対する体液性および/または細胞媒介性免疫反応、またより広義には、自己に対する免疫反応に関連する、疾患または障害の群のうちのいずれかを指す。自己免疫疾患に対する現在の治療は、大まかに次の2つの群に分類することができる:自己に対する免疫反応を弱めるかまたは抑制する薬物、および慢性炎症から生じる症状に対処する薬物。さらに詳細には、自己免疫疾患(例えば、主に関節炎)に対する従来の治療は、(1)アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、エトドラク、およびケトプロフェン等の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、(2)プレドニゾンおよびデキサメタゾン等のコルチコステロイド、(3)メトトレキサート、アザチオプリン、シクロホスファミド、シクロスポリンA、サンディミュン(商標)、ネオーラル(商標)、およびFK506(タクロリムス)等の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)、(4)組み換えタンパク質レミケード(商標)、エンブレル(商標)、およびヒュミラ等の生物製剤である。多数の療法が利用可能ではあるが、従来の治療が常に有効であるとは限らない。慢性疾患で必要な長期使用をしばしば妨げる、付随する毒性がさらなる問題となっている。したがって、慢性および非慢性自己免疫疾患を含む炎症関連疾患の治療に有用な化合物に対する必要性が存在する。
【0005】
酸化ストレス
酸化ストレスは、活性酸素種の生成と、反応中間体を敏速に解毒するか、またはもたらされる損傷を容易に修復する生体系の能力との間の不均衡によって引き起こされる。活性酸素種は、細胞シグナル伝達に、かつ免疫系によって使用されるため、有益であり得るが、それらはまた、多くの疾患にも関与する。したがって、かかる活性種の毒性作用によって引き起こされ得る細胞またはその構成成分に対する損傷を予防するために、活性酸素種のレベルにおける適切な平衡を維持する一助となり得る化合物に対する必要性が依然として存在する。
【0006】
本発明は、新たな治療方法、化合物、および薬学的組成物に対するこれらの必要性に対処する。
【0007】
実際、本発明以前には、本明細書で定義される置換芳香族化合物が、(i)血液障害、(ii)腎障害、腎症、および/または腎障害合併症、(iii)炎症関連疾患、ならびに/または(iv)酸化ストレス関連障害の予防および/もしくは治療のために治療上有効な薬剤であり得るということは未知であった。
【0008】
本発明のさらなる特徴は、本開示の概説、以下の本発明の図および説明から明らかとなるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、対象における種々の疾患および病態の予防および/または治療のための塩、組成物、ならびに治療計画に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の特定の態様は、本明細書で定義される式I、式II、式IIA、式IIB、式III、式IV、式IVA、式IVB、式V、式VAのいずれかに従った化合物、およびその薬学的に許容される塩の使用に関する。塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウムからなる群から選択されてもよい。好ましくは、化合物は、化合物Iのナトリウム塩または化合物XIのナトリウム塩である。本発明に従った化合物の具体的例は、表2に表される。
【0011】
本発明の特定の一態様は、(i)血液障害(例えば、貧血、好中球減少症)、(ii)腎障害および/または腎障害合併症、(iii)炎症関連疾患(例えば、自己免疫疾患)、ならびに(iv)酸化ストレスを予防するおよび/または治療する際の使用のために、本明細書で定義される式のいずれかによって表される化合物を使用することに関する。
【0012】
本発明の別の関連する態様は、薬物および薬学的組成物の製造のために、本明細書で定義される式のいずれかによって表される化合物を使用することに関する。1つの特定例は、本明細書で定義される式のいずれかによって表される化合物を含む腎臓保護組成物、および薬学的に許容される担体である。
【0013】
また、本発明は、(i)血液障害(ii)腎障害および/もしくは腎障害合併症、(iii)炎症関連疾患、ならびに/または(iv)酸化ストレスを予防するならびに/または治療する際の使用のための、本明細書で定義される式I、式II、式IIA、式IIB、式III、式IV、式IVA、式IVB、式V、式VAのいずれかに従った化合物、およびその薬学的に許容される塩に関する。
【0014】
本発明はさらに、(i)血液障害(例えば、貧血、好中球減少症)(ii)腎障害および/もしくは腎障害合併症、(iii)炎症関連疾患(例えば、自己免疫疾患)、ならびに/または(iv)酸化ストレスを含むが、それらに限定されない種々の疾患および病態を予防するならびに/または治療する方法に関する。本方法は、それを必要とするヒト患者に、本明細書で定義される式のいずれかによって表される化合物の薬理学的有効量を投与することを含む。
【0015】
本発明はさらに、対象における種々の疾患および病態に対して予防上有効なおよび/または治療上有効な薬剤として本明細書で定義される式I、式II、式IIA、式IIB、式III、式IV、式IVA、式IVB、式V、式VAのいずれかに従った化合物、およびその薬学的に許容される塩に関する。
【0016】
本発明のさらなる態様は、次の説明、ならびに特許請求の範囲およびその中における一般化から当業者に明らかとなるであろう。
【0017】
本発明が容易に理解され得るように、本発明の実施形態は、添付の図面における例示の目的で例証される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】対照マウスおよびシクロホスファミド処置マウスにおける総骨髄細胞数に及ぼす化合物Iの効果を示す点グラフ。
【図2】対照マウスおよび免疫抑制マウスの総骨髄細胞数に及ぼす化合物Iの効果を示す点グラフ。
【図3】ラットにおけるLPS誘発性炎症のPGE2生成に及ぼす化合物Iの効果を示す点グラフ。
【図4】LPS−インターフェロン刺激後RAW264.7細胞中のNO生成に及ぼす化合物I、V、およびXIIIの効果を示す点グラフ。
【図5】5/6腎摘除ラットにおけるGFR(クレアチニンクリアランス)に及ぼす化合物Iの効果を示す棒グラフ。
【図6】190日の処置期間にわたる、5/6腎摘除ラットにおけるGFR改善の百分率に及ぼす化合物Iの効果を示す線グラフ。
【図7】NXラットにおける血圧に及ぼす化合物Iの心臓保護効果を示す線グラフ。
【図8】マウスにおけるドキソルビシンによって誘発される血清アルブミンの減少した濃度に及ぼす化合物Iの腎臓保護効果を示す線グラフ。
【図9】マウスにおけるドキソルビシンによって誘発される血清クレアチニンの増加した濃度に及ぼす化合物Iの腎臓保護効果を示す線グラフ。
【図10】マウスにおけるドキソルビシンによって誘発される組織学的腎臓(尿細管)病変に及ぼす化合物Iの腎臓保護効果を示す棒グラフ。
【図11】ドキソルビシン誘発性腎毒性モデルにおける、対照マウスおよび化合物I処置マウスの組織学的顕微鏡写真(40倍)を示す画像。
【図12】ドキソルビシン処置マウス由来の腎臓中のCTGF mRNA発現に及ぼす化合物Iの効果を示す、オートラジオグラムの画像。
【図13】ドキソルビシン処置マウス由来の腎臓中のTGF−β mRNA発現に及ぼす化合物Iの効果を示す、オートラジオグラムの画像。
【発明を実施するための形態】
【0019】
A)本発明の一般的概要
本発明者らは、有益な薬学的特性を有する化合物を発見し、またこれらの化合物が血球の発達、腎臓保護、炎症疾患、高血圧に関連する疾患における、および酸化ストレス関連障害に対する使用に有効であり得ることを発見した。
B)本発明の化合物
本発明の化合物は、式I
【0020】
【化1】



【0021】
またはその薬学的に許容される塩によって表され、式中、Cy、Q、およびnは、上記および以下に定義される通りである。
【0022】
以下は、式Iに従った化合物の実施形態、群、および置換基であり、それらはこれ以降に説明される。
【0023】
式Iの化合物の1つのサブセットでは、nは、1である。
【0024】
式Iの化合物の別のサブセットでは、nは、0である。
【0025】
式Iの化合物の1つのサブセットでは、Cyは、上記および以下に定義されるR、R、R、およびRで置換されたアリールである。
【0026】
式Iの化合物の別のサブセットでは、Cyは、上記および以下に定義されるR、R、R、R、およびRで置換されたヘテロアリールである。 一例では、Cyは、
【0027】
【化2】


であり、
式中
がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、
は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、
は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、
は、HまたはORであり、
、R、およびRは、上記および以下に定義される通りである。
【0028】
別の例では、Cyは、
【化3】

であり、
式中
がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、
は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、1つの代替的例では、Cyは、
【化4】

であり、
式中
がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、
は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、かつ
は、Hである。別の代替的例では、Cyは、
【化5】

であり、
式中
がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、
は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、かつ
は、Hである。
【0029】
別の代替的例では、Cyは、
【化6】

であり、
式中
がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、
は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRである。
【0030】
したがって式Iの化合物は、式II、III、IV、およびV:
【化7】

II、
【化8】

III、
【化9】


IV、および
【化10】


の化合物を含み、式中、Q、n、R、R、R、R、およびRは、上記および以下に定義される通りである。
【0031】
したがって、nが1であるとき、式Iの化合物の1つのサブセットは、式IIA、IVA、およびVA:
【化11】

IIA、

【化12】


IVA、および
【化13】


VA

の化合物を含み、式中、Q、R、R、R、RおよびRは、上記および以下に定義される通りである。
【0032】
したがって、nが0であるとき、式Iの化合物の代替的サブセットは、式IIB、III、IV、およびVB:
【化14】

IIB、
【化15】

III、
【化16】

IVB、および
【化17】

VB
の化合物を含み、式中、R、R、R、R、およびRは、上記および以下に定義される通りである。
【0033】
したがって、本発明の化合物は、式II
【化18】

II
の化合物またはその薬学的に許容される塩を含み、

nは、整数0または1であり、

Qは、任意に1つのR置換基で置換されたC1−アルキルであり、

がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、HまたはORであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される。
【0034】
一例では、nは、整数0または1である。
【0035】
一例では、nが1であるとき、
Qは、任意に1つのR置換基で置換されたC1−アルキルであり、
がHまたはハロゲンであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、またはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキルであるとき、RはHであり、
は、H、OR、SR、またはNRであり、
は、H、OR、SR、またはNRであり、
は、HまたはORであり、
Yは、O、S、またはNRであり、Rは、OR、SR、またはNRであり、
は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ
およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される。
【0036】
したがって、本発明の化合物は、式III
【化19】

III

の化合物またはその薬学的に許容される塩を含み、
式中、
がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される。
【0037】
一例では、RがHであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、またはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、またはC1−アルキル−Y−であるとき、RはHであり、
は、Hであり、
Yは、O、S、またはNRであり、かつ
およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される。
【0038】
したがって、本発明の化合物は、式IV
【化20】

IV

の化合物またはその薬学的に許容される塩を含み、

nは、整数0または1であり、

Qは、任意に1つのR置換基で置換されたC1−アルキルであり、

がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される。
【0039】
一例では、nが1であるとき、Qは、C1−アルキルであり、
がHであるとき、RはC−Cアルキルであるか、または、RがC−Cアルキルであるとき、RはHであり、
は、Hであり、かつ
は、Hである。
【0040】
したがって、本発明の化合物は、式V
【化21】



の化合物またはその薬学的に許容される塩を含み、

nは、整数0または1であり、

Qは、任意に1つのR置換基で置換されたC1−アルキルであり、

がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、Hであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される。
【0041】
一例では、nが1であるとき、Qは、C1−アルキルであり、
がHであるとき、RはC−Cアルキルであるか、または、RがC−Cアルキルであるとき、RはHであり、かつ
は、Hである。
【0042】
幾つかの実施形態では、式Iに従った化合物は、次の場合の化合物を除外する:
nが0であり、Cyが
【化22】

であり、かつR、R、R、およびRが全てHであるとき、Rは、エチル、プロピル、n−ブチル、またはn−ペンチルであり得ず、nが0であり、Cyが
【化23】


であり、かつR、R、R、およびRが全てHであるとき、Rは、エチル、プロピル、またはn−ブチルであり得ず、nが0であり、Cyが
【化24】


であり、Rがn−ブチルであり、かつR、R、およびRが全てHであるとき、Rは、Cl、Br、またはIであり得ず、かつ/あるいはnが1であり、QがCHであり、Cyが
【化25】


であり、Rがn−ブチルであり、かつR、R、およびRが全てHであるとき、Rは、Cl、Br、またはIであり得ない。
【0043】
幾つかの実施形態では、式Iに従った化合物は、薬学的に許容される塩に限定され、化合物の酸型は、本発明の範囲から除外される。
【0044】
幾つかの実施形態では、表2の化合物は、薬学的に許容される塩に限定され、化合物の酸型は、本発明の範囲から除外される。
【0045】
本明細書で使用されるとき、Cyと共に使用されるときの矢印
【化26】

は、Cyが、nが1であるとき、Qに共有結合され、またはnが0であるとき、C(O)OHに共有結合されることを意味することが意図される。
【0046】
本明細書で使用されるとき、「アルキル」という用語は、具体的数の炭素原子を有する分枝鎖および直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両者を含むことが意図され、例えば、C−CアルキルにあるようなC−Cは、線状または分枝配列内に1、2、3、4、5、または6個の炭素を有する基を含むものとして定義され、または例えば、C−CアルキルにあるようなC−Cは、線状または分枝配列内に1、2、3、または4個の炭素原子を有する基を含むものとして定義される。上に定義されるアルキルの例としては、mエチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、およびi−ブチルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0047】
本明細書で使用されるとき、「アルケニル」という用語は、その中に具体的数の炭素原子を有し、そこで少なくとも炭素原子のうちの2個が二重結合によって相互に結合され、EまたはZのいずれかの位置化学およびそれらの組み合わせを有する、不飽和直鎖または分岐鎖炭化水素基を意味することが意図される。例えば、C−CアルケニルにあるようなC−Cは、線状または分枝配列内に2、3、4、5、または6個の炭素を有し、少なくとも炭素原子のうちの2個が二重結合によって相互に結合される基を含むものとして定義される。アルケニルの例としては、化合物IIおよびXIによって例証される、エテニル(ビニル)、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル等が挙げられる。
【0048】
本明細書で使用されるとき、「アルキニル」という用語は、その中に具体的数の炭素原子を有し、そこで少なくとも2個の炭素原子が三重結合によって共に結合される、不飽和の直鎖炭化水素基を意味することが意図される。例えば、C−CアルキニルにあるようなC−Cは、鎖中に2、3、4、5、または6個の炭素原子を有し、少なくとも2個の炭素原子が三重結合によって共に結合される基を含むものとして定義される。かかるアルキニルの例としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル等が挙げられる。
【0049】
本明細書で使用されるとき、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を意味することが意図される。
【0050】
本明細書で使用されるとき、「ハロアルキル」という用語は、上に定義されるアルキルを意味することが意図され、ここで各水素原子は、ハロゲン原子によって連続的に置換されてもよい。ハロアルキルの例としては、CHF、CHF、およびCFが挙げられるが、それらに限定されない。
【0051】
本明細書で使用されるとき、「アリール」という用語は、単独または別の基と組み合わせてのいずれかで、芳香族、飽和、または不飽和であり得る第2の5または6員炭素環式基にさらに縮合される、6個の炭素原子を含有する炭素環式芳香族単環式基を意味する。アリールには、フェニルおよびインダニルが含まれるがそれらに限定されない。
【0052】
本明細書で使用されるとき、「ヘテロアリール」という用語は、最大6個の原子の芳香族単環式環系を意味することが意図され、O、N、およびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する。ヘテロアリール基の例としては、ピリジニル、ピリミジニル、およびピロリルが挙げられるが、それらに限定されない。
【0053】
本明細書で使用されるとき、「任意に1つの置換基で置換された」という用語は、後に説明される状況の場合が生じ得る可能性があるかまたはないこと、ならびにその説明には、場合または状況が生じる例およびそれが生じない例が含まれることを意味することが意図される。この定義は、0〜1つの置換基を意味することが意図される。
【0054】
置換基自体が本発明の合成方法に適合しない場合、その置換基は、これらの方法に使用される反応条件に対して安定である好適な保護基により保護されてもよい。保護基を本方法の反応順序の好適な時点で除去して、所望の中間または標的化合物を得てもよい。かかる好適な保護基を用いて、異なる置換基を保護および脱保護するために好適な保護基ならびに方法は、当業者に周知であり、それらの例は、T.Greene and P.Wuts,Protecting Groups in Chemical Synthesis(3.sup.rd ed.),John Wiley&Sons,NY(1999)に見出すことができ、この参考文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。場合によっては、置換基は、本発明の方法に使用される反応条件下で反応性となるように特異的に選択されてもよい。これらの状況下で、反応条件は、選択された置換基を、本発明の方法の中間化合物中で有用であるか、または標的化合物の所望の置換基である、いずれかの別の置換基に転換する。
【0055】
本発明の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩は、1つ以上の不斉中心、キラル軸、およびキラル平面を含有してもよく、したがって鏡像異性体、ジアステレオマー、および他の立体異性体型を生じさせることができ、また(R)−−もしくは(S)−−等、またはアミノ酸について(D)−もしくは(L)−等の絶対立体化学の観点から定義されてもよい。本発明は、全てのかかる潜在的な異性体、ならびにそれらのラセミ体および光学的に純粋な形態を含むことが意図される。光学的に活性な(+)および(−)、(R)−−および(S)−−、または(D)−および(L)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を用いて調製されてもよく、または逆相HPLC等の従来の技術を用いて分解されてもよい。ラセミ混合物が調製され、その後、個々の光学異性体に分離されてもよく、またはこれらの光学異性体は、キラル合成によって調製されてもよい。鏡像異性体は、当業者に既知の方法、例えば、次いで1つの鏡像異性体の、鏡像異性体特異性試薬との選択的反応である、結晶化、ガス−液体または液体クロマトグラフィーによって分離され得る、ジアステレオ異性体塩の形成によって分解されてもよい。また、所望の鏡像異性体が分離技術によって別の化学成分に転換される場合、所望の鏡像異性体型を形成するために追加的ステップが必要とされることも当業者によって理解されるであろう。代替的に特定の鏡像異性体は、光学的に活性な試薬、基質、触媒、もしくは溶媒を用いる不斉合成によって、または不斉転換により1つの鏡像異性体を別の鏡像異性体に転換することによって合成されてもよい。
【0056】
本発明のある種の化合物は、双性イオン型で存在してもよく、本発明は、これらの化合物の双性イオン型およびそれらの混合物を含む。
【0057】

本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される塩」という用語は、塩基付加塩を意味することが意図される。
【0058】
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される塩基付加塩」という用語は、遊離酸の生物学的有効性および特性を保持し、かつ生物学的にまたはその他の意味において不都合ではない塩を意味することが意図される。これらの塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸へ付加することから調製される。無機塩基に由来する塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩等が含まれるが、それらに限定されない。有機塩基に由来する塩には、第一級、第二級、および第三級アミン、天然産置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂等の塩が含まれるが、それらに限定されない。
【0059】
薬学的に許容される塩の例は、例えば、Berge et al.,“Pharmaceutical Salts”,J.Pharm.Sci.66,1−19(1977)に記載される。
【0060】
薬学的に許容される塩は、従来の化学方法によって、酸性部分を含有する親薬剤から合成されてもよい。概して、かかる塩は、これらの薬剤の遊離酸型を、水中もしくは有機溶媒中の、またはそれら2つの混合物中の化学量論的量の適切な塩基と反応させることによって調製される。塩は、薬剤の最終単離もしくは精製中に、またはその遊離酸型の精製された本発明の化合物を所望の対応する塩基と別個で反応させ、そのようにして形成された塩を単離することによって、インサイツで調製されてもよい。
【0061】
記載される化合物の全ての酸、塩、ならびに他のイオンおよび非イオン型が本発明の化合物として含まれる。例えば、本明細書で、化合物が酸として示される場合、化合物の塩形態もまた含まれる。同様に、化合物が塩として示される場合、酸形態もまた含まれる。
【0062】
プロドラッグ
ある種の実施形態では、一般式Iによって表される本発明の化合物はまた、全ての薬学的に許容される塩、テトラゾール等の等配電子等価物、およびそれらのプロドラッグ型を含んでもよく、該化合物は、遊離カルボン酸型で存在する。後者の例としては、アミノ酸を含むアルコールまたはアミンを、式Iによって定義される遊離酸と反応させると得られる、薬学的に許容されるエステルまたはアミドが挙げられる。
水和物
【0063】
加えて、本発明の化合物はまた、水和形態および無水形態で存在してもよい。本明細書に記載される化合物の水和物は、一水和物として、または多水和物の形態で存在し得る、本発明の化合物として含まれる。
【0064】
C)調製方法
概して、本発明の全ての化合物は、容易に利用可能なおよび/または従来通り調製可能な出発物質、試薬、および従来の合成手順を用いて任意の従来の方法によって調製されてもよい。Hundertmark,T.,Littke,A.F.;Buchwald,S.L.,Fu,G.C.Org.Lett.2000,12,pp.1729−1731の研究は特に興味深い。
【0065】
発明者らは、修飾された薗頭カップリング反応を使用して、本発明の化合物を合成できることを発見している。概して言えば、薗頭カップリング反応は、次の通り表すことができる:
【化27】


【0066】
典型的に、この反応には次の2つの触媒が必要とされる:ゼロ価パラジウム錯体および銅(I)のハロゲン塩。パラジウム錯体は、有機ハロゲン化物を活性化し、銅(I)ハロゲン化物は、末端アルキンと反応し、カップリング反応のための活性種として作用する銅(I)アセチリドを生成する。反応媒体は、カップリング反応の副生成物として生成された水素ハロゲンを中和するために塩基性であるべきであり、したがってトリエチルアミンおよびジエチルアミン等のアルキルアミン化合物が溶媒として使用されることもあるが、DMFまたはエーテルもまた溶媒として使用することができる。
【0067】
この修飾化手順では、発明者らは、Pd(II)を使用しており、第2の触媒(銅(I)ハロゲン化物)およびアルキルアミン(トリエチルアミン)の使用を除外している。この手順は、単純な処理を用いて、これらの化合物のスケールアップのために実用的な経路の利点を提供する。
【0068】
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤」という用語は、制限なしに、対象、好ましくはヒトにおける使用に許容される、任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、保存料、染料/着色剤、調味料、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒、乳化剤、またはリポソーム、シクロデキストリン、カプセル化ポリマー送達系、もしくはポリエチレングリコールマトリックス等のカプセル化剤を意味することが意図される。
【0069】
D)薬学的用途
本明細書の上記で示され、また以降に例示される通り、本発明の化合物は、有益な薬学的特性を有し、これらの化合物は、対象における種々の疾患および病態の予防および/または治療における有用な薬学的用途を有してもよい。発明者らによって企図される医学的および薬学的用途には、血液障害、腎不全、炎症関連疾患、および反応性酸素種に関連する障害に対処する用途が含まれるが、それらに限定されない。
【0070】
「対象」という用語は、血液障害、腎不全、炎症関連疾患、および/または酸化ストレス関連障害が生じ得る対象であるか、かかる条件の影響を受けやすい生存生物を含む。「対象」という用語は、哺乳動物または鳥等の動物を含む。好ましくは、対象は、哺乳動物である。より好ましくは、対象は、ヒトである。さらにより好ましくは、対象は、治療を必要とするヒト患者である。
【0071】
本明細書で使用されるとき、「予防する」または「予防」は、少なくとも、疾患または障害に罹る危険の可能性(またはそれに対する感受性)の低減を指すことが意図される(すなわち、疾患に曝露され得るか、疾患に罹りやすい傾向があり得るが、疾患の症状をまだ経験していないか、示していない患者において、疾患の臨床症状の少なくとも1つが発症しないようにする)。かかる患者を特定するための生物学的および生理的パラメータは、本明細書に提供され、また医師に周知である。
【0072】
対象の「治療」または対象を「治療する」という用語は、疾患もしくは病態、疾患もしくは病態の症状、または疾患もしくは病態の危険性(またはそれらに対する感受性)を遅延させる、安定化する、治癒する、癒す、緩和する、軽減する、変化させる、修復する、それらの悪化を抑える、寛解させる、改善する、またはそれらに影響を及ぼす目的で、対象に本発明の化合物を適用または投与する(または対象を形成する細胞もしくは組織に本発明の化合物を適用もしくは投与する)ことを含む。「治療する」という用語は、軽減;寛解;悪化の率の低下;疾患の重症度の低下;症状の安定化、軽減または損傷、病理、もしくは病態を対象にとってより耐え得るものとすること;悪化もしくは低下の率の減速;悪化の最終点の衰弱の程度を抑えること;または対象の身体的もしくは精神的充足を改善すること等の任意の客観的または主観的対象パラメータを含む、損傷、病理、もしくは病態の治療または寛解の成功の任意の兆候を指す。幾つかの実施形態では、「治療する」という用語は、対象の平均余命を延長するおよび/または追加的治療(例えば、透析または腎臓移植)が必要とされるまでの期間を延長することを含んでもよい。
【0073】
血液障害および造血
本発明によって企図される医学的および薬学的用途には、血液障害に対処することが含まれる。「血液障害」という用語は、赤血球、白血球、および/または血小板の正常な生理機能、形成、増殖、および/または機能における任意の変化を指す。したがって、その態様の1つにおいて、本発明は、対象、好ましくはそれを必要とするヒト患者における造血を刺激する方法、化合物、および組成物に関する。
【0074】
したがって、本発明の一態様は、対象における白血球の生成を刺激するための、および/または対象における白血球減少(すなわち、白血球減少症(leukopenia)または白血球減少症(leukocytopenia))を阻害するための、本明細書に記載される化合物の使用に関する。関連する態様は、対象の免疫系を刺激するためにこれらの塩を用いることを含み、対象の感染に対する危険性を低減する。幾つかの実施形態では、白血球は、好中球顆粒球であり、障害は、好中球減少症である。既知の通り、低白血球数は、しばしば、化学療法、放射線療法、白血病、骨髄線維症、および再生不良性貧血に関連する。加えて、多くの一般的な薬(例えば、一般的に処方される抗生物質であるミノサイクリン)は、白血球減少症を引き起こす可能性がある。したがって、本発明はまた、それらの特定の疾患および病態の予防および/または治療のための、本明細書に記載される化合物の使用に関する。
【0075】
本発明の方法、化合物、および/または組成物の有効性を評価、査定、および/または確認するために、連続測定を決定することができる。血球数、造血、赤血球新生の定量査定は、当該技術分野で周知である。
【0076】
典型的に、ヒトにおける正常な総白血球数は、4 300〜10 000/mm(またはmL)の範囲内であり、平均値は、7 000/mmとされる。ヒトにおける正常な好中球数血液は、1 800〜7 200/mmの範囲内である。したがって、白血球減少症は、白血球(blood white cell)または白血球(leukocyte)数が5 000/mm未満にまで減少する場合の病態を指す。幾つかの実施形態では、対象は、約8 000/mm未満、または約5 000/mm未満、または約4 000/mm未満、または3 000/mm未満の総白血球数を有するヒト患者である。幾つかの実施形態では、対象は、約5 000/mm未満、または約4 000/mm未満、または約3 000/mm未満、または約2 000/mm未満、または約1 000/mm未満の総好中球顆粒球数を有するヒト患者である。幾つかの実施形態では、本発明の方法、化合物、または組成物は、患者の総白血球数(および/または好中球顆粒球数)を少なくとも500/mm、少なくとも1 000/mm、または少なくとも2 000/mm以上増加させるのに有効である。
【0077】
本発明の別の態様は、対象における赤血球(すなわち、赤血球新生)の生成を刺激するため、および/または対象における赤血球(すなわち、貧血)の減少を阻害するための、本明細書に記載される化合物の使用に関する。関連する態様は、過剰な失血(例えば、出血、または低容量失血により慢性的に)、過剰な血球破壊(例えば、溶血)、または赤血球生成不足(例えば、無効な造血)を補うためにこれらの化合物を用いることを含む。関連する態様は、血球分化のためにこれらの化合物を用いることを含み、それには赤血球前駆細胞からの赤血球生成の刺激が含まれる。
【0078】
発明者らは、癌の治療における化学療法または放射線療法の使用に関連する貧血に対処することを特に目的とする。また、生存のために定期的な透析または腎臓移植を必要とする患者に当てはまるような末期の腎疾患に関連する貧血も特に目的とする。したがって、本発明の幾つかの態様は、ヒトにおける造血系の刺激のための、例えば、化学療法および/もしくは放射線療法の骨髄抑制作用、また貧血等であるが、それらに限定されない、造血系の刺激が治療価値を有するような他のあらゆる状況を治療するための、方法、化合物、および組成物に関する。本発明の追加的態様は、ヒト患者における化学療法および/または放射線療法の有効性を増加させるために有効な方法に関する。また、本発明に従った方法、化合物、および組成物は、副作用の増加を回避しながら、よりよい治療有益性を達成するために必要な化学療法組成物を増加させる際に用いるためにも有用であり得る。追加的態様は、ヒトにおける化学療法誘発性貧血を還元するまたは排除するための、本発明に従った方法、化合物、および組成物に関する。
【0079】
典型的に、正常な成人において、女性および男性(海面位で)の赤血球数(百万/mm)、ヘモグロビン(g/100mL)、およびヘマトクリットまたは容量濃厚赤血球細胞(mL/100mL)についての平均値は、それぞれ、4.8+/−0.6および5.4+/−0.9、14.0+/−2.0および16.0+/−2.0、ならびに52.0+/−5.0および47.0+/−5.0である。貧血は、赤血球、へマトクリットの決定によって特徴付けられる、血液中のヘモグロビンの量または濃厚赤血球細胞の容量の数の正常を下回る低減がある場合に存在する病態を指す。幾つかの実施形態では、対象は、40〜30の間、または約40未満のヘマトクリットを有するヒト患者である。幾つかの実施形態では、本発明の方法、化合物、または組成物は、減少を減速させるか、または患者の総赤血球数および/もしくはヘマトクリットを維持する際に有効である。幾つかの実施形態では、本発明の方法、化合物、または組成物は、患者のヘマトクリットを安定化する際におよび/またはヘマトクリットを約5、もしくは約10、もしくは正常な値を達成するために必要な程度増加させる際に有効である。幾つかの実施形態では、本発明の方法、化合物、または組成物は、輸血の必要性を低減する際に有効である。
【0080】
腎臓保護
幾つかの態様では、本発明は、それを必要とする対象における腎障害を予防するおよび/または治療するための方法、化合物、および組成物に関する。「腎障害」、「腎疾患」、または「腎臓病」という用語は、腎臓の正常な生理機能および機能における任意の変化を意味する。これは、例えば、腎摘出、化学療法、高血圧症、糖尿病、うっ血性心不全、狼瘡、鎌状赤血球貧血、種々の炎症性、感染性、および自己免疫疾患、HIV関連腎症等の身体的、化学的、または生物学的損傷、傷害、外傷、または疾患を含む、広範な急性および慢性条件ならびに事象から生じる可能性がある。この用語は、腎臓移植、腎症;慢性腎臓病(CKD);糸球体腎炎;多発性嚢胞腎等の遺伝による疾患;腎肥大症(1つまたは双方の腎臓の過度の肥大);ネフローゼ症候群;末期腎疾患(ESRD);急性および慢性腎不全;間質性疾患;腎炎;硬化症、例えば、疾患もしくは損傷に起因する炎症を含む原因から生じる組織および/または血管の硬結もしくは硬化;腎線維症および腎瘢痕;腎関連増殖性障害;ならびに他の原発性または続発性病態等の疾患および病態を含むが、それらに限定されない。また、腎不全に続く透析ならびにカテーテル留置、例えば、腹膜および血管内挿入による線維症に関連する線維症も含まれる。幾つかの実施形態では、本発明は、より具体的には、腎臓保護のための方法、化合物、および組成物に関する。本明細書で使用されるとき、「腎臓保護」は、腎臓における疾患進行の率が遅延させられるかまたは停止させられ、したがってその後、腎臓が保護されるプロセスを指す。好ましい実施形態では(例えば、薬物誘発性腎毒性)、式Iの化合物は、細胞傷害性薬剤または抗炎症薬もしくは免疫抑制薬の投与の前、間、または後に投与されるべきである。「細胞傷害性薬剤」は、次の高増殖性細胞を死滅させる薬剤を指す:例えば、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、または造血細胞。細胞傷害性薬剤の例には、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、エトポシド、トポテカン、イリノテカン、タキソテール、タキソール、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、ゲムシタビン、シスプラチン、カルボプラチン、またはクロランブシル、および上の化合物のいずれかのアゴニストが含まれるが、それらに限定されない。また、細胞傷害性薬剤は、次の抗ウイルス薬剤であってもよい:例えば、AZT(すなわち、3'−アジド−3'−デオキシチミジン)または3TC/ラミブジン(すなわち、3−チアシチジン)。かかる薬物は、ヒト患者を含む哺乳動物において貧血を誘発する可能性がある。幾つかの実施形態では、腎臓保護は、哺乳動物に提供される、哺乳動物の化学療法剤による治療から生じる毒性作用からの保護を指す。例えば、式Iの化合物を使用して、化学療法剤による治療から生じる毒性作用から哺乳動物を保護またはその回復を促進してもよい。
【0081】
幾つかの実施形態では、腎障害または腎臓病は、概して「腎症」として定義されてもよい。「腎症」という用語は、腎臓線維症および/または糸球体疾患(例えば、糸球体硬化症、糸球体腎炎)および/または慢性腎不全をもたらし得、末期腎疾患および/または腎不全を引き起こし得る、腎臓における全ての臨床的−病理学的変化を包含する。本発明の幾つかの態様は、高血圧性腎症、糖尿病性腎症、および鎮痛薬性腎症、免疫媒介型糸球体腎炎(例えば、IgA腎症またはベルガー病、ループス腎炎)、虚血性腎症、HIV関連腎症、膜性腎症、糸球体腎炎、糸球体硬化症、造影剤誘発性腎症、中毒性腎症、鎮痛剤誘発性腎毒性、シスプラチン腎症、移植腎症等の他のタイプの腎症、ならびに糸球体異常または損傷の他の形態、糸球体毛細管損傷(尿細管線維症)の予防および/または治療のための組成物およびそれらの使用に関する。幾つかの実施形態では、「腎症」という用語は、対象の尿中におけるタンパク質(すなわち、タンパク尿)の存在および/または腎不全の存在があるいずれかの場合の障害または疾患を特異的に指す。
【0082】
本発明はさらに、腎障害合併症を予防するおよび/または治療するための方法、化合物、および組成物に関する。「腎障害合併症」という用語は、腎障害、健康状態、事故、またはその重症度において悪化する可能性がある腎障害の経過中に生じるマイナスの反応と相関する続発性病態を指す。「腎障害合併症」は、通常、症状または病理学的変化を患う対象における腎疾患の重症度の増加に関連し、それは身体全体にまん延するか、または他の臓器系に影響を及ぼす可能性がある。本明細書で使用されるとき、「腎障害合症」という用語は、血管疾患(例えば、大血管合併症、微小血管合併症等)、心疾患(例えば、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、うっ血性心不全、心臓発作、狭心症、虚血性心疾患、心筋梗塞等)、糖尿病性脂質異常症、高脂血症(例えば、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高リポタンパク血症)、メタボリック症候群、肥満、貧血、浮腫、膵炎、骨のもろさ、低栄養状態、および神経損傷を包含するが、それらに限定されない。
【0083】
幾つかの実施形態に従って、本発明は、糸球体硬化症、腎臓血管構造の修正、および尿細管間質性疾患を含む腎症の特徴的側面もしくは兆候を予防するまたは治療するための方法、化合物、および組成物に関する。本発明によって企図される腎症の特徴的側面の中には、腎臓細胞アポトーシス、線維症、硬化症、および/または尿細管領域内のタンパク質の蓄積の予防がある。したがって、幾つかの態様では、本発明は、腎臓細胞アポトーシス、線維症、硬化症、および/または尿細管領域内のタンパク質の蓄積の予防のための方法に関する。関連する態様は、腎臓細胞中のCTGF mRNA発現および/またはTGF−β mRNA発現を低減するための、本明細書で定義される化合物および薬学的組成物の使用に関する。
【0084】
幾つかの実施形態では、対象は、例えば、糖尿病、進行した進行性腎疾患、および線維性腎疾患、ならびに/または本明細書に記載される腎疾患、腎障害、もしくは腎障害合併症のいずれか等の障害を患う場合ある。幾つかの実施形態では、対象は、糸球体ろ過の問題および/もしくは腎不全を有するか、またはそれらを有しやすいヒト患者である。幾つかの実施形態では、対象は、化学療法または放射線療法の治療を受けているか、または受けたことがあるヒト患者である。したがって、関連する態様は、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、タキソール、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、ゲムシタビン、シスプラスチン(cisplastin)、カルボプラチン、およびクロランブシルを含むが、それらに限定されない化学療法剤から腎臓を保護するために、本明細書で定義される化合物または薬学的組成物を用いることに関する。本発明の方法は、対象、例えば、それを必要とするヒト患者に、予防的または治療的有効量の本明細書で定義される化合物または薬学的組成物を投与することを含んでもよい。
【0085】
本発明の方法、化合物、および/または組成物の有効性を評価、査定、および/または確認するために、連続測定を決定することができる。腎機能の定量査定および腎機能障害のパラメータは、当該技術分野で周知であり、例えば、Levey(Am J Kidney Dis.1993,22(l):207−214)に見出すことができる。腎機能/機能障害の決定のための検定の例としては、次のものが挙げられる:血清クレアチニンレベル、クレアチニンクリアランス率、シスタチンCクリアランス率、24時間の尿クレアチニンクリアランス、24時間の尿タンパク質分泌、糸球体ろ過率(GFR)、尿アルブミン・クレアチニン比率(ACR)、アルブミン排泄率(AER)、および腎生検。したがって、幾つかの態様では、本発明は、それを必要とする対象に式Iの化合物を投与することによって、クレアチニンクリアランスを増加させる方法、インスリン分泌を増加させる方法および/またはインスリン感受性を増加させる方法、インスリン抵抗性を減少させる方法に関する。
【0086】
幾つかの実施形態では、対象は、腎症の危険性があるか、または腎症であると診断されている。典型的に、ヒトにおける正常な糸球体ろ過率(GFR)は、約100〜約140mL/分である。幾つかの実施形態では、対象は、進行した腎症(すなわち、75mL/分未満のGFR)を有するヒト患者である。幾つかの実施形態では、対象は、ESRD(すなわち、10mL/分未満のGFR)を有するヒト患者である。幾つかの実施形態では、本発明の方法、化合物、または組成物は、患者のGFR値を少なくとも1、5、10、15、20、または25mL/分以上増加させる際に有効である。
【0087】
幾つかの実施形態では、対象は、腎臓病の危険性があるか、または腎臓病であると診断されている。種々の実施形態では、対象は、病期I腎臓病、病期Il腎臓病、病期III腎臓病、病期IV腎臓病、もしくは病期V腎臓病を有するか、またはそれらへと進行しているヒト患者である。幾つかの実施形態では、本発明の方法、化合物、または組成物は、患者の腎臓病を安定化するまたは改善する際に有効である((例えば、病期Vから病期IVへ、または病期IVから病期IIIへ、または病期IIIから病期IIへ、または病期IIから病期Iへ)。
【0088】
腎症の最初の臨床指標の1つには、アルブミン尿またはタンパク尿の存在が挙げられる。尿中のアルブミンの量が300mg/日未満であるか300mg/日と等しいとき、微量アルブミン尿といわれ、尿中のタンパク質の総量が1g/日超であるとき、タンパク尿といわれる。幾つかの態様に従って、本発明は、それを必要とする対象に式Iの化合物を投与することによって、タンパク尿を予防するまたは減少させる方法に関連した。幾つかの実施形態では、対象は、タンパク尿の危険性があるか、またはタンパク尿であると診断されている。幾つかの実施形態では、対象は、尿中に約300mg/日未満のタンパク質を生成するヒト患者である。幾つかの実施形態では、対象は、尿中に約1g/日超のタンパク質を生成するヒト患者である。幾つかの実施形態では、対象は、微量アルブミン尿を有するヒト患者である。幾つかの実施形態では、対象は、尿中に200μg/分を超えるアルブミン量を有するヒト患者である。幾つかの実施形態では、本発明の方法、化合物、または組成物は、患者のアルブミン尿を少なくとも10、25、50、75、100、150、200μg/分以上低下させる際に有効である。
【0089】
本発明の方法、化合物、および組成物の有効性は、所望されない症状の低減によって査定されてもよい。かかる低減は、例えば、治療前の機能と比較した腎機能の改善によって決定されてもよい。かかる修復は、腎不全(透析または移植を含む)の発現の遅延において、または例えば、タンパク尿の増加率の減速もしくは血清クレアチニンの上昇率の減速によって、あるいはクレアチニンクリアランスのパラメータもしくはGFRの低下、または入院率もしくは死亡率の減少によって決定した腎機能の悪化率の減少において明白であり得る。好ましい実施形態では、化合物は、化合物Iもしくは化合物XI、またはその薬学的に許容される塩である。
【0090】
一実施形態では、本発明の化合物は、腎症等の腎障害、または関連する障害もしくは合併症を予防するまたは治療するために現在使用されているか、開発中である少なくとも1つの追加的な既知の化合物と組み合わせて使用される。かかる既知の化合物の例としては、次のものが挙げられるが、それらに限定されない:ACE阻害薬(例えば、カプトプリル(Capoten(登録商標))、エナラプリル(Innovace(登録商標))、フォシノプリル(Staril(登録商標))、リシノプリル(Zestril(登録商標))、ペリンドプリル(Coversyl(登録商標))、キナプリル(Accupro(登録商標))、トランドラプリル(Gopten(登録商標))、ロテンシン、モエキシプリル、ラミプリル);RAS遮断薬;アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)(例えば、オルメサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン等);タンパク質キナーゼC(PKC)阻害剤(例えば、ルボキシスタウリン);AGE依存性経路の阻害剤(例えば、アミノグアニジン、ALT−946、ピリドキサミン(ピロドドリン)、OPB−9295、アラゲブリウム);抗炎症薬剤(例えば、シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、マイコフェノレートモフェチル、ミゾリビン、ペントキシフィリン)、GAG(例えば、スルオデキシド(米国第5,496,807号));ピリドキサミン(米国第7,030,146号);エンドセリンアンタゴニスト(例えば、SPP301)、COX−2阻害剤、PPAR−γアンタゴニスト、およびアミフォスチン(シスプラチン腎症に使用)、カプトプリル(糖尿病性腎症に使用)、シクロホスファミド(特発膜性腎症に使用)、チオ硫酸塩ナトリウム(シスプラチン腎症に使用)、トラニラスト等の他の化合物。
【0091】
炎症
本発明の別の態様は、炎症関連疾患の予防および/または治療のための、本発明の化合物の使用に関する。「炎症関連疾患」という用語は、免疫介在性炎症疾患(IMID)および自己免疫疾患、関節炎、ITP、糸球体腎炎、血管炎、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、乾癬、クローン病、炎症性腸疾患、強直性脊椎炎、シェーグレン症候群、スティル病(マクロファージ活性化症候群)、ブドウ膜炎、強皮症、筋炎、ライター症候群、およびウェーゲナー症候群を含むが、それらに限定されない慢性および急性炎症疾患を含む、炎症に関連する任意のおよび全ての異常を指す。概して、予防的および治療的使用は、対象、好ましくはそれを必要とするヒト患者への本明細書に記載される化合物の投与を含む。本発明の化合物は、任意の従来の治療と共に、より具体的には、上記の背景の節に定義される現在の治療を含む治療と共に、投与されてもよい。本発明の方法、化合物、および/または組成物の有効性を評価、査定、および/または確認するために、連続測定を決定することができる。炎症の査定のための定量方法および技術は、当該技術分野で周知であり、例えば、実施例節に提供される方法に類似した方法を含む。
【0092】
追加的にまたは代替的に、本発明の化合物は、PGE2を含むが、それらに限定されないプロスタグランジンの生成阻害を阻害することができ、したがって発熱、疼痛、硬直、および腫脹を低減するために有用である。
【0093】
酸化ストレス
本発明の別の態様は、酸化ストレス関連疾患の予防および/または治療のための、本発明の方法、化合物、および組成物に関する。「酸化ストレス関連疾患」という用語は、活性酸素種の生成と、反応中間体を敏速に解毒するか、またはもたらされる損傷を容易に修復する生体系の能力との間の不均衡が存在する場合の任意の疾患を指す。かかる疾患の例としては、心疾患、癌、糖尿病、関節炎、アテローム性動脈硬化症、パーキンソン病、心不全、心筋梗塞、アルツハイマー病、慢性疲労症候群、および自己免疫疾患が挙げられるが、それらに限定されない。
【0094】
概して、予防的および治療的使用は、対象、好ましくはそれを必要とするヒト患者への本明細書に記載される化合物の投与を含む。幾つかの実施形態では、対象は、上記で定義される酸化ストレス関連疾患の危険性があるか、または酸化ストレス関連疾患であると診断されている。
【0095】
本発明の関連する態様は、細胞またはその構成成分に対する損傷を予防するために、反応性酸素種、より具体的には一酸化窒素(NO)のレベルにおける適切な平衡を維持するための、方法、化合物、および組成物に関する。追加的に関連する態様は、反応性種、より具体的にはNOによって引き起こされ得る、細胞またはその構成成分(タンパク質、脂質、およびDNAを含むが、それらに限定されない)に対する損傷を予防するための方法、化合物、および組成物に関する。しかし、本発明のさらなる態様は、NO生成を阻害するためおよび/または酵素酸化窒素合成酵素を阻害するための、本発明に従った方法、化合物、および組成物の使用に関する。これらの方法は、細胞、構成成分、または酵素を、本明細書で定義される化合物および/または組成物と接触させることを含む。体外および体内の活性酸素種レベルの査定のための定量方法および技術は、当該技術分野で周知である。
【0096】
概して、予防的および治療的使用は、対象、好ましくはそれを必要とするヒト患者への本明細書に記載される化合物の投与を含む。本発明の化合物は、金属キレート剤/スカベンジャー(例えば、デスフェリオキサミン[Desferal(登録商標)]、Fe3+および他の金属イオンを除去することができる低分子量物質);O(スーパーオキシド)、OH(ヒドロキシル)、もしくはNO(酸化窒素)ラジカルの小型スカベンジャー(例えば、アセチルサリチル酸、Oのスカベンジャー;マンニトールまたはカプトプリル、OHのスカベンジャー;アルギニン誘導体、NOを生成する酸化窒素合成酵素の阻害剤);ならびに活性酸素種に対する保護作用を補助するタンパク質またはそれらの断片(例えば、Oを分解するスーパーオキシドジスムターゼ;過酸化水素を排除することができる、NO、カタラーゼ、またはグルタチオンペルオキシダーゼを捕捉するヘモグロビン)を含むが、それらに限定されない種々の酸化防止剤と共に投与されてもよい。
【0097】
E)薬学的組成物および製剤化
本発明の関連する態様は、本明細書に記載される本発明の化合物の1つ以上を含む薬学的組成物に関する。上記で示されるように、本発明の化合物は、次のことに有用である可能性がある:(i)血液障害を予防するおよび/もしくは治療すること(例えば、造血を刺激することによって)、(ii)腎障害、腎症、および/もしくは腎障害合併症を予防するおよび/または治療すること、(iii)炎症関連疾患予防するおよび/もしくは治療すること(例えば、自己免疫疾患)、ならびに/または(iv)酸化ストレス関連疾患を予防するおよび/もしくは治療すること。
【0098】
本明細書で使用されるとき、「治療的有効量」という用語は、特定の障害、疾患または病態を治療するまたは予防するために対象に投与されるとき、それらの障害、疾患、または病態のかかる治療または予防を達成するために十分な化合物の量を意味する。用量および治療的有効量は、例えば、用いられる具体的な薬剤の活性、対象の年齢、体重、通常の健康状態、性別、および食生活、投与の時間、投与の経路、排泄の率、および薬物の任意の組み合わせ、妥当な場合、開業医が所望する、化合物の対象に及ぼす影響および化合物の特性(例えば、生物学的利用能、安定性、効力、毒性等)、ならびに対象が患う特定の障害を含む多種多様の要因に応じて異なってもよい。加えて、治療的有効量は、対象の血液パラメータ(例えば、脂質プロフィール、インスリンレベル、糖血)、病状の重症度、臓器機能、または基礎疾患もしくは合併症に依存してもよい。かかる適切な用量は、本明細書に記載される検定を含む任意の利用可能な検定を用いて決定されてもよい。本発明の1つ以上の化合物がヒトに投与されるべき場合、医師は、例えば、最初に比較的低用量を処方し、その後、適切な反応が得られるまで用量を増加させてもよい。
【0099】
本明細書で使用されるとき、「薬学的組成物」という用語は、本明細書で定義される式I、式II、式IIA、式IIB、式III、式IV、式IVA、式IVB、式V、式VAのうちの任意の1つに従った本発明の少なくとも1つの化合物、および薬学的に許容される少なくとも1つの媒体の存在を指す。本発明の代表的化合物の例としては、表2の化合物およびその薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0100】
「薬学的に許容される媒体」は、化合物がそれと共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、または担体を指す。「薬学的に許容される」という用語は、過度の毒性、不適合性、不安定性、刺激、アレルギー反応等がなく、妥当な有益性/危険性比率に見合う、ヒトおよび下等動物の組織と接触させた使用に好適な、薬物、薬剤、不活性成分等を指す。好ましくは、それは、動物、より具体的にはヒトにおける使用について、連邦政府もしくは州政府の規制当局によって承認され、または承認され得るか、あるいは米国薬局方もしくは他の一般的に認められている薬局方に列挙されている化合物または組成物を指す。薬学的に許容される媒体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、それらの好適な混合物、および植物油を含有する溶媒または分散媒体であってもよい。薬学的に許容される媒体の追加的な例としては、次のものが挙げられるが、それらに限定されない:注射用水USP;塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース、および塩化ナトリウム注射液、および乳酸加リンゲル注射液等であるが、それらに限定されない水性媒体;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコール等であるが、それらに限定されない水混和性媒体;ならびにトウモロコシ油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、および安息香酸ベンジル等であるが、それらに限定されない非水性媒体。微生物の作用の予防は、抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等の添加によって達成することができる。多くの場合、組成物中には、等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウム、またはマンニトールおよびソルビトール等のポリアルコールが含まれる。注射可能な組成物の持続的吸収は、組成物中に吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチンを含むことによって引き起こすことができる。
【0101】
幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、有効量の式Iの化合物、およびより好ましくは、本明細書に前述される式IIの化合物を含む。化合物I、II、IV、VII、X、XI、およびXIIIが特に好ましい。3−ペンチルフェニル酢酸、3−ヒドロキシ−5−ペンチルフェニル酢酸、および3−ヘキシル安息香酸のナトリウム塩がより好ましい。
【0102】
幾つかの実施形態では、本発明は、本明細書で定義される式I、式II、式IIA、式IIB、式III、式IV、式IVA、式IVB、式V、式VAの1つ以上の化合物を含む、血液障害を予防するおよび/または治療するための薬学的組成物に関する。
【0103】
幾つかの実施形態では、本発明は、腎障害、腎症、およびまたは腎障害合併症を予防するおよび/または治療するための薬学的組成物に関し、その組成物は、本明細書で定義される式I、式II、式IIA、式IIB、式III、式IV、式IVA、式IVB、式V、式VAの1つ以上の化合物を含む。
【0104】
幾つかの実施形態では、本発明は、炎症関連疾患を予防するおよび/または治療するための薬学的組成物に関し、その組成物は、本明細書で定義される式I、式II、式IIA、式IIB、式III、式IV、式IVA、式IVB、式V、式VAの1つ以上の化合物を含む。
【0105】
幾つかの実施形態では、本発明は、酸化ストレス関連障害を予防するおよび/または治療するための薬学的組成物に関し、その組成物は、本明細書で定義される式I、式II、式IIA、式IIB、式III、式IV、式IVA、式IVB、式V、式VAの1つ以上の化合物を含む。
【0106】
本発明の化合物は、投与前に、利用可能な技術および手順を用いて薬学的組成物へと製剤化されてもよい。例えば、薬学的組成物は、経口、静脈内(iv)、筋肉内(IM)、デポ−im、皮下(sc)、デポ−sc、舌下で、鼻腔内、髄腔内局所、または直腸経路による投与に好適な様態で製剤化されてもよい。
【0107】
好ましくは、本発明の化合物は、経口で投与することができる。製剤化は、単位剤形で好都合に提示されてもよく、薬学技術分野で周知の任意の方法によって調製されてもよい。これらの製剤または組成物を調製する方法は、本発明の化合物を、薬学的に許容される媒体(例えば、不活性希釈剤または吸収可能な可食担体)、および任意に、1つ以上の副成分と混合するステップを含む。概して、製剤は、本発明の化合物を、液体担体、または微粉化された固体担体、または両者と均一かつ密接に混合し、次いで、必要な場合、生成物を成形することによって調製される。かかる治療的に有用な組成物中の治療剤の量は、好適な用量が得られるような量である。
【0108】
経口投与に好適な本発明の製剤は、カプセル(例えば、硬または軟殻ゼラチンカプセル)、カシェット、丸薬、錠剤、薬用飴、粉末、顆粒、小丸薬、糖衣錠、例えば、コーティング(例えば、腸溶性コーティング)もしくは非コーティングとして、または水溶液もしくは非水溶液中の溶液または懸濁液として、または水中油もしくは油中水乳剤として、またはエリキシル剤もしくはシロップとして、またはトローチとして、あるいはマウスウォッシュとして等の形態であってもよく、各々活性成分として、規定量の本発明の化合物を含有する。本発明の化合物は、ボーラス、舐剤、もしくはペーストとして投与されるか、または対象の食事に直接組み込まれてもよい。さらに、ある種の実施形態では、これらの小丸薬は、(a)即時または急速薬物放出を提供する(すなわち、薬物上にコーティングを有さない)、(b)例えば、長期間の持続的薬物放出を提供するようにコーティングされる、または(c)より良い胃腸認容性のために腸溶性コーティングで被覆されるように製剤化することができる。コーティングは、本発明の化合物が所望の位置の付近で、または所望の作用を延長するために種々の時間で放出されるように、従来の方法によって、典型的には、pHもしくは時間依存性コーティングにより達成されてもよい。かかる剤形は、典型的には、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、エチルセルロース、ワックス、およびシェラックのうちの1つ以上を含むが、それらに限定されない。
【0109】
経口投与のための固体剤形において、本発明の化合物は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸ジカルシウム等、または次のいずれかの薬学的に許容される1つ以上の担体と混合されてもよい:スターチ、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、またはケイ素酸等の充填剤または拡張剤;例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、またはアカシア等の結合剤;グリセロール等の保湿剤;寒天−寒天、炭酸カルシウム、ポテトまたはタピオカスターチ、アルギン酸、特定のケイ素、および炭酸ナトリウム等の分解剤;パラフィン等の溶液緩染剤;第4アンモニウム化合物等の吸収促進剤;例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート等の湿潤剤;カオリンおよびベントナイト泥等の吸収剤;タルク、カルシウムステアレート、マグネシウムステアレート、固体ポリエチレングリコール、硫酸ラウリルナトリウム等の潤滑剤、およびそれらの混合物;ならびに着色剤。また、カプセル、錠剤、および丸薬の場合、薬学的組成物は、緩衝剤を含んでもよい。また、類似したタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖等の賦形剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコール等を用いる軟および硬充填ゼラチンカプセルの充填剤として用いられてもよい。
【0110】
経口組成物は、典型的に、液体溶液、乳剤、懸濁液等を含む。かかる組成物の調製に好適な薬学的に許容される媒体は、当該技術分野で周知である。シロップ、エリキシル、乳剤、および懸濁液のための担体の典型的な構成成分には、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液体スクロース、ソルビトール、および水が含まれる。懸濁液については、典型的な懸濁剤には、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、トラガカント、およびナトリウムアルギネートを含み、典型的な湿潤剤は、レシチンおよびポリソルベート80を含み、典型的な保存剤は、メチルパラベンおよびナトリウムベンゾエートを含む。また、経口液体組成物は、上で開示される甘味料、香料剤、および着色剤等の1つ以上の構成成分を含有してもよい。
【0111】
注射用の使用に好適な薬学的組成物には、滅菌注射液または分散剤の即時調製のための滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散剤、および滅菌粉末が含まれてもよい。全ての場合において、組成物は滅菌されていなければならず、容易にシリンジに入れられる程度の液体でなければならない。製造および保管の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌等の微生物の汚染作用から守られなければならない。滅菌注射液は、適切な溶剤中の必要量の治療剤を、必要に応じて、上で列挙した成分のうちの1つまたはその組み合わせと共に組み込み、続いてろ過滅菌することによって、調製することができる。概して、分散剤は、治療剤を、基本的な分散媒体および上で列挙したものから必要とされる他の成分を含有する滅菌媒体に組み込むことによって調製される。滅菌注射液の調製のための滅菌粉末の場合、調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、その既に滅菌ろ過した溶液から、活性成分(すなわち、治療薬)に加えて任意の追加的な所望の成分の粉末を得る。
【0112】
また、エアロゾルとして、吸入による投与に好適な薬学製剤も提供される。これらの製剤は、本明細書の任意の式の所望の化合物の溶液もしくは懸濁液、またはかかる化合物の複数の固形粒子を含む。例えば、これらの化合物の遊離酸型ではなく、本発明の化合物の金属塩は、吸入による投与のための、活性薬学成分(API)の微粒子の調製に適した物理的化学的特性を有することが予想される。所望の製剤は、小型のチャンバに配置して噴霧することができる。噴霧は、薬剤または塩を含む複数の液滴または固形粒子を形成するように、圧縮空気によってまたは超音波エネルギーによって達成することができる。液滴または固形粒子は、約0.5〜約5ミクロンの範囲の粒径を有するべきである。固形粒子は、本明細書に記載の任意の式の固形剤、またはその塩を、微粉化によって等の、当該技術分野で周知の任意の適切な方法で処理することによって得ることができる。固形粒子または滴のサイズは、例えば、約1〜約2ミクロンである。この点において、この目的を達成するために市販の噴霧器が利用可能である。エアロゾルとしての投与に好適な薬学製剤は、液体形態であってもよく、その製剤は、水を含む担体中に、本明細書に記載される任意の式の水溶性薬剤、またはその塩を含む。製剤の表面張力を十分に低減することにより、噴霧に供される場合に所望されるサイズの範囲内で滴を形成する、界面活性剤が存在してもよい。
【0113】
また、本発明の組成物は、例えば、組成物を対象の表皮もしくは上皮組織上に直接配置または塗布することによって、あるいは「パッチ」を介して経皮的に、対象に局所投与することもできる。かかる組成物には、例えば、ローション、クリーム、溶液、ゲル、および固体が含まれる。これらの局所組成物は、有効量、通常は少なくとも約0.1%、またはさらに約1%〜約5%の本発明の化合物を含んでもよい。局所投与に好適な担体は、典型的には、連続フィルムとして皮膚上の所定の位置に留まり、発汗または水中への浸漬によって除去されることに対して耐性である。概して、担体は、有機性であり、その中で治療剤を分散または溶解することができる。担体は、薬学的に許容される皮膚軟化剤、乳化剤、増粘剤、溶媒等を含んでもよい。
【0114】
対象薬剤の全身送達を得るために有用な他の組成物には、舌下、口腔、および鼻腔剤形が含まれてもよい。かかる組成物には、典型的に、スクロース、ソルビトール、およびマンニトール等の水溶性充填物質、およびアカシア、微晶質セルロース、カルボキシメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース等の結合剤のうちの1つ以上が含まれる。また、上で開示される流動促進剤、潤滑剤、甘味料、着色料、酸化防止剤、および香料剤が含まれてもよい。
【0115】
また、本発明の化合物は、非経口、腹腔内、髄腔内、または大脳内投与されてもよい。かかる組成物について、本発明の化合物は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物中でならびに油中で調製することができる。通常の保管および使用条件下で、これらの調製物は、微生物の成長を防止するための保存料を含有してもよい。
【0116】
また、本発明の治療の方法は、本発明に従った少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩を、(i)血液障害、(ii)腎障害、腎症、および/もしくは腎障害合併症、(iii)炎症関連疾患、ならびに/または(iv)酸化ストレス関連障害の予防ならびに/または治療のために治療上有効な別の薬剤の投与と共に同時投与することを含んでもよい。したがって、本発明の追加的態様は、それを必要とする対象に有効量の第1の薬剤および第2の薬剤を投与することを含む、対象の併用療法的治療の方法に関し、ここで第1の薬剤は、式Iで定義される通りであり、第2の薬剤は、上記の(i)〜(v)の障害または疾患のうちの任意の1つの予防または治療のためである。本明細書で使用されるとき、「併用療法的治療」または「と併用で」という語句にあるような「併用」または「併用で」という用語は、第2の薬剤の存在下で第1の薬剤を投与することを含む。併用療法的治療方法は、第1、第2、第3、または追加的薬剤が同時投与される方法を含む。また、併用療法的治療方法は、第1または追加的薬剤が、第2または追加的薬剤の存在下で投与される方法を含み、ここで第2または追加的薬剤は、例えば、以前に投与された場合がある。併用療法的治療方法は、異なる主体によってステップに分けて行われてもよい。例えば、1つの主体が第1の薬剤を対象に投与してもよく、第2の主体が第2の薬剤を対象に投与してもよく、第1の薬剤(および/または追加的薬剤)が第2の薬剤(および/または追加的薬剤)の存在下での投与に次ぐ限り、投与するステップは、同時に、またはほぼ同時に、または離れた時間に行われてもよい。主体および対象は、同一の存在であってもよい(例えば、ヒト)。
【0117】
したがって、本発明はまた、上述の疾患または病態のうちの任意の1つの症状または合併症を予防する、低減する、または排除するための方法に関する。この方法は、それを必要とする対象に、本発明の少なくとも1つの化合物を含む第1の薬学的組成物および1つ以上の追加的活性成分を含む第2の薬学的組成物を投与することを含み、ここで全ての活性成分は、治療対象の疾患または病態の1つ以上の症状または合併症を、阻害、低減、または排除するために十分な量で投与される。一態様では、第1および第2の薬学的組成物の投与は、少なくとも約2分間、時間的に間隔をあけられる。好ましくは、第1の薬剤は、本明細書で定義される式I、式II、式IIA、式IIB、式III、式IV、式IVA、式IVB、式V、式VAの化合物、またはその薬学的に許容される塩、例えば、ナトリウム塩である。第2の薬剤は、上記で提供された化合物の一覧から選択されてもよい。
【0118】
F)キット
本発明の化合物は、任意に容器(例えば、パッケージ、ボックス、バイアル等)を含むキットの一部としてパッケージ化されてもよい。キットは、本明細書に記載される方法に従って商業的に使用されてもよく、本発明の方法における使用のための説明書を含んでもよい。追加的なキット構成成分は、酸、塩基、緩衝剤、無機塩、溶媒、酸化防止剤、保存料、または金属キレート剤を含んでもよい。追加的なキット構成成分は、純粋な組成物として、または1つ以上の追加的なキット構成成分を組み込む水性もしくは有機溶液として存在する。キット構成成分のいずれかまたは全ては、さらに任意に緩衝剤を含む。
【0119】
本発明の化合物は、同時にまたは同一の投与経路で患者に投与される場合とされない場合がある。したがって、本発明の方法は、開業医によって使用される場合に、適量の2つ以上の活性成分を患者に投与することを簡素化できる、キットを包含する。
【0120】
本発明の典型的なキットは、本発明に従った少なくとも1つの化合物の単位剤形、例えば、本明細書で定義される式I、式II、式IIA、式IIB、式III、式IV、式IVA、式IVB、式V、式VAの化合物、またはその薬学的に許容される塩、および少なくとも1つの追加的活性成分の単位剤形を含む。本発明に従った化合物と併用できる追加的活性成分の例としては、上記で示される本発明の化合物と併用可能な化合物のうちのいずれかが挙げられるが、それらに限定されない。
【0121】
本発明のキットは、活性成分を投与するために使用される装置をさらに含むことができる。かかる装置の例としては、シリンジ、ドリップバッグ、パッチ、吸入器、浣腸、および座薬製剤の投与のためのディスペンサが挙げられるが、それらに限定されない。
【0122】
本発明のキットは、1つ以上の活性成分を投与するために使用できる薬学的に許容される媒体をさらに含むことができる。例えば、活性成分が、非経口投与のために再構成されなければならない固形で提供される場合、キットは、好適な媒体の密閉容器を含むことができ、それは活性成分を溶解して、非経口投与に好適な、微粒子を含まない滅菌溶液を形成することができる。薬学的に許容される媒体の例は、上記で提供されている。
【0123】
表題は、参照のためにおよび特定の節の検索を補助するために本明細書に含まれる。これらの表題は、それより下に説明される概念の範囲を限定するようには意図されず、またこれらの概念は、本明細書全体にわたる他の節にも適用される可能性がある。したがって、本発明は、本明細書に示す実施形態に限定されることを意図しているものではないが、本明細書に開示される原理および新規の特徴と一貫している広範囲に一致させるべきである。
【0124】
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上、そうでないとする明確な指示がない限り、対応する複数形の指示対象を含む。
【0125】
特に指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件、濃度、特性等を表す全ての数は、全ての例において、「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。少なくとも、各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効桁数を参照して、および通常の丸め技術を適用することによって、解釈されるべきである。したがって、それとは反対の指示がない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、得ようとしている特性に応じて異なり得る近似値である。本実施形態の広範囲を説明する数値的範囲およびパラメータは、近似値であるが、具体的例で説明される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、実施例、試験測定、統計分析等における変形から生じる特定の誤差を本質的に含有する。
【0126】
当業者であれば、単なる日常的な実験を用いて、本明細書に記載される具体的な手順、実施形態、特許請求の範囲、および実施例の多数の等価物を認識するか、または解明することができるだろう。かかる等価物は、本発明の範囲内であると考えられ、本明細書に添付される特許請求の範囲によって含まれる。本発明は、次の実施例によってさらに例証されるが、その実施例によりさらに限定されると解釈すべきではない。
【実施例】
【0127】
これ以降で説明される実施例は、一般式Iによって包含されるある種の代表的化合物の調製のための例示的方法を提供する。幾つかの実施例は、本発明のある種の代表的化合物の例示的使用を提供する。また、体外および体内有効性について、本発明の化合物を検定するための例示的方法も提供される。
【0128】
実施例1:3−ペンチルフェニル酢酸のナトリウム塩(これ以降、化合物I)の調製のための詳細な実験手順
【0129】
器具:
全てのHPLCクロマトグラムおよび質量スペクトルを、溶離液として0.01%TFAを用いて、15〜99%CHCN−HOの勾配で5分間にわたって、および2mL/分の流速により、分析用C18カラム(250×4.6mm、5ミクロン)を用いて、HP1100LC−MS Agilent機器上で記録した。
化合物I:薗頭の修飾手順を用いた合成:
【化28】

【0130】
ステップ1:
室温のエタノール(100mL)中の3−ブロモフェニル酢酸(5.02g、23.33mmol)の溶液/懸濁液に、濃縮硫酸(1mL)を添加した。次いで無色の固体を80℃で一晩撹拌した。溶液を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(25mL)、水(25mL)で希釈し、2つの層を分離した。水層を酢酸エチル(25mL)およびブライン(20mL)で2回抽出した。組み合わせた有機層をNaHCO(25mL)の飽和溶液、ブライン(25mL)で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶液のろ過後、それを乾燥するまで蒸発させた。これにより明るい黄色の油(5.4g、95%)を得た。H−NMR(400MHz、CDCl):δ1.26(t、J=4.7Hz、3H)、3.57(s、2H)、4.15(Q、J=7.0および14.3Hz、2H)、7.17〜7.26(m、2H)、7.38〜7.44(m、1H)、7.44(d、J=1.56Hz、1H)。
【0131】
ステップ2:
エチル(3−ブロフェニル)酢酸塩(0.3g、1.24mmol)およびテトラブチルアンモニウムフルオリド水和物(0.97g、3.72mmol)の混合物を、密閉管中、PdCl(PPh(26mg、0.037mmol、3モル%)および1−ペンチン(367μL、3.72mmol)で処理した。管を80℃で2時間加熱した。混合物を水で処理し、ジエチルエーテルで抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空で蒸発させて粗生成物を得た。Biotage(商標)25Mカラム(シリカ)上での、酢酸エチル/ヘキサン0:1〜2:98により溶出する精製により、淡黄色の油(0.23g、79%)として、エチル(3−(ペンチン−1−イル)フェニル)酢酸塩を得た。
【0132】
ステップ3:
窒素大気下で、エタノール(5mL)中のエチル[3−[ペンチン−1−イル]フェニル]−酢酸塩(0.23g、0.98mmol)に、Pd炭素(10%、25mg、10%w/w)を添加した。水素大気下で、混合物を室温で一晩激しく撹拌した。溶液をろ過し、パラジウム/炭素をエタノール(20mL)で洗浄した。ろ液をシリカゲルで濃縮した。10%ヘキサン/酢酸エチルの混合物を用いて、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。透明の油を得た(0.21g、90%)。
【0133】
ステップ4:
テトラヒドロフラン(5mL)、メタノール(1.5mL)、および水(1.5mL)中のエステル(0.2g、0.9mmol)の溶液に、水酸化リチウム(0.09g、3.6mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。不溶性物質をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。次いで残留物を2M HClで処理し、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。溶離液として酢酸エチル/ヘキサン(0:10〜4:6)を用いて、粗物質を40L Biotageカラム(シリカ)上で精製した。これにより白色のゴム状の固体として、純粋な(3−ペンチルフェニル)酢酸(0.19g、99%)を得た。H NMR(400MHz、CDOD):δ0.90(t、J=7.0Hz、3H)、1.28〜1.38(m、4H)、1.61(qt、J=7.6Hz、15.0Hz、2H)、2.58(t、J=7.6Hz、2H)、3.56(s、2H)、7.07(m、3H)、7.20(m、1H);LRMS(ESI):m/z207(MH);HPLC:4.3分。
【0134】
ステップ5:
撹拌したエタノール(4mL)および水(1mL)中の酸(0.19g、0.82mmol)の溶液に、炭酸ナトリウム(0.07g、0.82mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、白色のゴム状の固体を水中に溶解させ、溶液を凍結乾燥させた。これにより白色の固体として、(3−ペンチルフェニル)酢酸(0.17g、92%)の純粋なナトリウム塩を得、mp110〜112℃;H NMR(400MHz、CDOD):δ0.89(t、J=6.8Hz、3H)、1.28〜1.37(m、4H)、1.60(qt、J=7.4Hz、15.0Hz、2H)、2.56(t、J=7.6Hz、2H)、3.43(s、2H)、6.96(m、1H)、7.12(m、3H);LRMS(ESI):m/z207((MH);HPLC:4.3分であった。
【0135】
化合物II、E−(3−ペント−1−エニル−フェニル)酢酸のナトリウム塩
E−(3−ペント−1−エニル−フェニル)酢酸メチルエステルより出発し、化合物Iの場合と同様に、上の化合物を調製した。鈴木条件下で、3−ブロモフェニル酢酸メチルエステルをトランス−1−ペンテニルボロン酸ピナコールエステルと反応させることによって、後者を調製した。白色の固体;H NMR(400MHz、CDOD):δ=7.32(s、1H)、7.11〜7.18(m、3H)、6.35(d、J=15.7Hz、1H)、6.20〜6.27(m、1H)、3.44(s、2H)、2.19(m、2H)、1.45〜1.54(m、2H)、0.96(t、J=7.4、3H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ=179.26、138.25、137.92、130.32、130.04、128.06、127.59、126.60、123.52、45.21、35.06、22.52、12.89;LRMS(ESI):m/z205(MH);HPLC:4.1分。
【0136】
化合物III、(2−ヒドロキシ−5−ペンチルフェニル)酢酸のナトリウム塩
5−ブロモ−2−メトキシフェニル酢酸メチルエステルより出発し、化合物Iの場合と同様に、上の化合物を調製した。三臭化ホウ素(1M/CHCl)の溶液を用いて、−78℃で1時間、次いで0℃で20分間、メトキシ基の脱メチル化を行った。白色の固体;H NMR(400MHz、CDOD):δ=6.88(m、2H)、6.71(d、J=8.6Hz、1H)、3.50(s、2H)、2.49(t、J=7.6Hz、2H)、1.54〜1.62(m、2H)、1.29〜1.38(m、4H)、0.91(t、J=7.0Hz、3H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ=180.08、154.04、134.03、130.26、127.36、124.15、116.57、42.48、34.91、31.60、31.42、22.45、13.24;LRMS(ESI):m/z177(MH−CO−NaOH);HPLC:3.7分。
【0137】
化合物IV、3−(4−フルオロ−3−ペンチルフェニル)プロピオン酸のナトリウム塩
E−メチル3−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)アクリル酸塩より出発し、化合物Iの場合と同様に、上の化合物を調製した。3−ブロモ−4−フルオロベンズアルデヒドの溶液および無水ジクロロメタン中のエトキシカルボニルメチレントリフェニルホスホランを室温で混合することによって、後者を調製した。白色の固体;H NMR(400MHz、CDOD):δ=6.67〜6.74(m、2H)、6.58(m、1H)、2.49(t、J=7.6Hz、2H)、2.23(t、J=7.4Hz、2H)、2.15(m、2H)、1.25(m、2H)、0.99〜1.06(m、4H)、0.61(t、J=6.7Hz、3H);13C NMR(101MHz、DO):δ=182.38、160.69、158.28、137.37、130.34、129.58、126.84、114.99、39.68、31.51、29.92、28.90、22.31、16.66;LRMS(ESI):m/z221(MH−HO);HPLC:4.5分。
【0138】
化合物V、3−(3−ペンチルフェニル)プロピオン酸のナトリウム塩
3−オキソ−3−ブロモフェニルプロピオン酸エチルエステルより出発し、化合物Iの場合と同様に、上の化合物を調製した。エタノール中のパラジウム/炭素を用いて、水素圧力下で、ケトン基および二重結合を同時に還元した。白色の固体;H NMR(400MHz、CDCl):δ7.14〜7.10(m、1H)、7.04〜7.00(m、2H)、6.95〜6.93(m、1H)、2.88〜2.84(m、2H)、2.55(t、J=7.4Hz、2H)、2.44〜2.40(m、2H)、1.63〜1.55(m、2H)、1.35〜1.28(m、4H)、0.90(m、3H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ179.3、141.2、140.8、126.7、126.4、124.0、123.8、38.6、34.2、31.2、29.9、29.8、20.9、11.7;LRMS(ESI):m/z203(MH−CO−NaOH);HPLC:4.5分。
【0139】
化合物VI、2−メチル−2−(3−ペンチルフェニル)プロピオン酸のナトリウム塩
【化29】

【0140】
ステップ1:
無水THF(8mL)中の水素化ナトリウム(鉱油中60%w/w、0.5g、13.6mmol)の懸濁液を0℃に冷却し、無水THF(4mL)中のメチル[3−ペンチルフェニル]酢酸塩(1.0g、4.5mmol)の溶液で処理した。反応物を0℃で60分間撹拌し、次いでヨウ化メチル(0.7mL、11.3mmol)で処理した。反応物を室温に徐々に温めさせ、この温度で一晩撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)の添加によって反応を停止処理し、混合物をエーテル(3x20mL)で抽出した。組み合わされた抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、乾燥するまで蒸発させた。シリカパッド上での、エチル酢酸塩/ヘキサン1:99、次いで2:98により溶出する精製により、無色の油として(0.68g、60%)、メチル2−メチル−2−(3−ペンチルフェニル)プロピオン酸塩を得た。H NMR(400MHz、CDOD):δ7.18〜7.22(m、1H)、7.08〜7.13(m、2H)、7.02〜7.05(m、1H)、3.62(s、3H)、2.58(t、J=7.6Hz、2H)、1.55〜1.62(m、2H)、1.53(s、6H)、1.28〜1.36(m、4H)、0.90(t、J=7.1Hz、3H);HPLC:5.5分。
【0141】
ステップ2:
THF(8mL)、メタノール(2mL)、および水(2mL)中のエステルの溶液を水酸化リチウム(0.2g、8.2mmol)で処理し、反応物を室温で一晩、次いで50℃で2日間、および室温で10日間撹拌した。反応物をろ過し、漏斗をメタノール(2x20mL)で洗浄した。組み合わされたろ液および洗浄液を2M HCl(7mL)で処理し、混合物をエチル酢酸塩(3x40mL)で抽出した。組み合わされた抽出物を水(2x30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空で蒸発させて、淡黄色のシロップとして(0.64g、99%)、2−メチル−2−(3−ペンチルフェニル)プロピオン酸を得た。さらなる精製を行わずにこの物質を使用した。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.19〜7.27(m、3H)、7.07〜7.10(m、1H)、2.60(t、J=7.8Hz、2H)、1.60(s、6H)、1.58〜1.63(m、2H)、1.30〜1.37(m、4H)、0.89(t、J=7.0Hz、3H);LRMS(ESI):m/z257(MNa);HPLC:4.7分。
【0142】
ステップ3:
エタノール中(16mL)の酸の溶液を水(4mL)および炭酸ナトリウム(0.2g、2.7mmol)で処理し、反応物を室温で3日間撹拌した。溶媒を真空で蒸発させ、残留物を水中に溶解させ、ろ過し、凍結乾燥させて、白色の固体として(0.7g、96%)、ナトリウム2−メチル−2−[3−ペンチルフェニル]プロピオン酸塩を得た。H NMR(400MHz、CDOD):δ7.19〜7.23(m、2H)、7.13(dd、J=7.6、7.6Hz、1H)、6.91〜6.95(m、1H)、2.56(t、J=7.7Hz、2H)、1.56〜1.63(m、2H)、1.46(s、6H)、1.28〜1.39(m、4H)、0.90(t、J=7.0Hz、3H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ184.35、148.62、142.13、127.51、126.14、125.32、123.16、36.01、31.57、31.40、27.45、22.44、13.22;LRMS(ESI):m/z235;(M−Na+2H);HPLC:4.6分。
【0143】
化合物VII、3−ヒドロキシ−2−(3−ペンチル−フェニル)プロピオン酸のナトリウム塩
水素化ナトリウムがジイソプロピルアミン/n−ブチルリチウムによって、およびヨウ化メチルがヒドロキシメチル−1H−ベンゾトリアゾールによって置換されたことを除いて、化合物VIの場合と同様に、上の化合物を調製した。白色の固体;H NMR(400MHz、CDCl):δ7.19〜7.14(m、3H)、7.01〜6.98(m、1H)、4.01〜3.96(m、1H)、3.72〜3.57(m、1H)、3.31〜3.30(m、1H)、2.58〜2.55(m、2H)、1.64〜1.56(m、2H)、1.37〜1.29(m、4H)、0.90(t、3H、J=7.0Hz);13C NMR(101MHz、CDOD):δ179.7、142.7、139.8、128.4、127.9、126.3、125.6、65.2、57.5、35.8、31.5、31.3、22.4、13.2;LRMS(ESI):m/z473(2M−2Na+3H);HPLC:3.5分。
【0144】
化合物VIII、2−(3−ペンチルフェニル)プロピオン酸のナトリウム塩
2−メチル−2−(3−ペンチルフェニル)マロン酸ジエチルエステルより出発し、化合物Iの場合と同様に、上の化合物を調製した。2−(3−ブロモフェニル)マロン酸ジエチルエステルをヨウ化メチルと反応させ、続いてトランス−1−ペンテニル−1−ボロン酸ピナコールエステルを用いた鈴木カップリング、次いで水素化による二重結合の還元によって、後者を調製した。白色の固体;H NMR(400MHz、CDOD):δ7.19〜6.95(m、4H)、3.54(q、J=7.0Hz、1H)、2,56(t、J=7.6Hz、2H)、1.64〜1.56(m、2H)、1.38(d、J=7.2Hz、3H)、1.37〜1.20(m、4H)、0.90(t、J=7.0Hz、3H);13C NMR(CDOD):δ182.2、144.4、142.5、127.8、127.6、125.8、124.7、49.2、35.9、31.5、31.3、22.4、19.0、13.2;LRMS(ESI):m/z221(M−Na+2H);HPLC:4.5分。
【0145】
化合物IX、3−(3−ブチルフェニル)プロピオン酸のナトリウム塩
E−メチル3−(3−ブト−1−エニルフェニル)アクリル酸塩より出発し、化合物IVの場合と同様に、上の化合物を調製した。イソフタルデヒドをカルボメトキシメチレントリフェニルホスホランと反応させ、続いてn−ブチルトリフェニルホスホニウムブロミドを用いたウィッティヒ反応によって後者を調製した。白色の固体;H NMR(400MHz、CDCl):δ7.10(t、1H、J=7.5Hz)、7.01(s、1H)、6.94(d、2H、J=7.0Hz)、2.68(t、2H、J=7.9Hz)、2.43(t、2H、J=7.7Hz)、2.29(t、2H、J=7.9Hz)、1.40(m、2H、J=7.4Hz)、1.14(m、2H、J=7.4Hz)、0.72(t、3H、J=7.4Hz);13C NMR(101MHz、CDOD):δ142.7;142.4;128.2;128.0;125.6;125.4;125.3;40.1;35.5;33.9;32.7;22.2;13.1;LRMS(ESI):m/z209(MH);HPLC:4.1分。
【0146】
化合物X、E/Z−(3−ペント−3−エニルフェニル)酢酸のナトリウム塩
【化30】

【0147】
ステップ1:
メタノール(150mL)中の、(3−ブロモフェニル)酢酸(12.2g、56.8mmol)の溶液に、p−トルエンスルホン酸(5.4g、28.4mmol)を添加した。反応混合物を還流で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をエチル酢酸塩/水(3:2)の混合物中に溶解させた。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。シリカパッドを用いて、ヘキサン/エチル酢酸塩(9:1)の混合物で溶出しながら、残留物を精製した。これにより、無色の油として(11.7g、90%)、(3−ブロモフェニル)酢酸メチルエステルを得た。H NMR(400MHz、CDOD):δ=7.46(m、1H)、7.41(m、1H)、7.22(m、2H)、3.68(s、3H)、3.65(s、2H);LRMS(ESI):m/z=229(MH);HPLC:3.8分。
【0148】
ステップ2:
tert−ブタノール(24mL)中のエステル(6.0g、26.2mmol)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(7.8g、52.4mmol)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(0.3mL、2.6mmol)、およびヨウ化銅(0.3g、1.3mmol)を窒素大気下で添加した。反応混合物をマイクロ波器具中で、145℃で1時間加熱した。水(100mL)を添加し、生成物をエチル酢酸塩(3x50mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲル上の、ヘキサン/エチル酢酸塩(8:2)の混合物によるフラッシュクロマトグラフィーによって、残留物を精製した。これにより、無色の油として(6.6g、86%)、3−ヨードフェニル酢酸メチルエステルを得た。H NMR(400MHz、CDCl):d=7.63(m、1H)、7.58〜7.61(m、1H)、7.23〜7.26(m、1H)、7.05(dd、J=7.8Hz、1H)、3.69(s、3H)、3.56(s、2H);LRMS(ESI):m/z=277(MH)。
【0149】
ステップ3:
ヨードエステル(6.2g、22.5mmol)を、塩化パラジウム(0.16g、0.22mmol)、トリフェニルホスフィン(59.0mg、0.22mmol)、およびジエチルアミン(60mL)と窒素大気下で混合した。この混合物に、ヨウ化銅(I)(43mg、0.22mmol)およびプロパルギルアルコール(1.57g、28.1mmol)を添加し、反応混合物を45℃で一晩撹拌した。ジエチルアミンを減圧下で除去し、100mLの水を添加した。次いで混合物をエチル酢酸塩(3x30mL)で抽出し、粗生成物を、エチル酢酸塩/ヘキサン(30%)の混合物を用いてフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。これにより、茶色がかった油として(3.8g、84%)、純粋な[3−(3−ヒドロキシプロプ−1−イニル)フェニル]酢酸メチルエステルを得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ=7.33〜7.37(m、2H)、7.23〜7.30(m、2H)、4.49(d、J=6.1Hz、2H)、3.69(s、3H)、3.60(s、2H)、1.68(t、J=6.3Hz、1H);LRMS(ESI):m/z=227(MNa);HPLC:2.7分。
【0150】
ステップ4:
エタノール(70mL)中のメチルエステル(3.8g、18.7mmol)に、10%パラジウム/炭素(0.30g)を窒素大気下で添加した。大気を水素に交換した。混合物を室温で一晩激しく撹拌した。溶液をろ過し、パラジウム/炭素をエタノール(50mL)で洗浄した。ろ液を濃縮し、粗生成物を、ヘキサン/エチル酢酸塩(3:2)の混合物を用いてフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。これにより、無色の油として(3.20g、82%)、純粋な3−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]酢酸メチルエステルを得た。H NMR(400MHz、CDOD):δ=7.21(t、J=7.6Hz、1H)、7.11(s、1H)、7.07(m、2H)、3.67(s、3H)、3.61(s、2H)、3.56(t、J=7.6Hz、2H)、2.66(t、J=7.6Hz、2H)、1.78〜185(m、2H);LRMS(ESI):m/z=209(MH);HPLC:2.6分。
【0151】
ステップ5:
0℃で、窒素大気下で、クロロクロム酸ピリジニウム(1.44g、6.70mmol)およびモレキュラーシーブを、無水ジクロロメタン(20mL)中のメチルエステル(0.9g、4.4mmol)の溶液に添加した。反応混合物を0℃で20分間、および室温で3時間撹拌した。エーテル(20mL)を添加し、沈殿物をろ過し、エーテル(40mL)で洗浄した。ろ液を蒸発させて、茶色がかった油として(0.9g、97%)、[3−(3−オキソプロピル)フェニル]酢酸メチルエステルを得た。さらなる精製を行わずに、アルデヒドを次のステップで使用した。H NMR(400MHz、CDCl):δ=9.82(t、J=1.4Hz、1H)、7.24〜7.28(m、2H)、7.11(m、2H)、3.69(s、3H)、3.60(s、2H)、2.95(t、J=7.6Hz、2H)、2.80(t、J=7.0Hz、2H)。
【0152】
ステップ6:
アルデヒド(0.9g、4.3mmol)をテトラヒドロフラン(9mL)中に溶解させた。−10℃の無水テトラヒドロフラン(17mL)中の(エチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(2.1g、5.6mmol)の溶液を含有する別個のフラスコ中に、2.3M n−ブチルリチウム(1.94mL、5.8mmol)の溶液を添加した。オレンジ色の溶液をこの温度で20分間、および0℃で40分撹拌した。この溶液にアルデヒドを添加し、混合物を0℃で1時間および室温で一晩撹拌した。次いで水(30mL)を添加し、有機層をエーテル(3x30mL)で抽出した。組み合わされたエーテル層をブラインで洗浄し、乾燥させた。溶媒を蒸発させ、残留物を、溶出液として石油エーテル/エチル酢酸塩(95%)の混合物を用いて精製した。これにより、無色の油として(0.25g、27%)、純粋なE/Z−(3−ペント−3−エニル−フェニル)酢酸メチルエステルを得た。H NMR(400MHz、CDCl):d=7.13〜7.18(m、1H)、7.06〜7.08(m、3H)、5.31〜5.44(m、2H)、3.62(s、3H)、3.52(d、J=7.2Hz、2H)、2.57(t、J=7.8Hz、2H)、2.25〜2.31(m、2H)、1.57(dd、J=3,3、1.4Hz、3H)。
【0153】
ステップ7:
テトラヒドロフラン(3mL)、メタノール(1.5mL)、および水(1.5mL)中の、オレフィン(0.13g、0.60mmol)の溶液に、0℃の水酸化リチウム(73mg、3.1mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を濃縮し、2M HClで酸性化し、エチル酢酸塩(3x15mL)で抽出した。有機相を乾燥させ、高真空下で蒸発させた。粗生成物を、シリカパッド上でエチル酢酸塩/ヘキサン(20%)により精製した。これにより、無色の油として、純粋なE/Z−(3−ペント−3−エニルフェニル)酢酸を得た(0.12g、100%)。H NMR(400MHz、CDCl):δ=10.70〜11.50(br s、1H)、7.26〜7.30(m、1H)、7.13〜7.20(m、3H)、5.44〜5.53(m、2H)、3.65(s、2H)、2.67〜2.71(m、2H)、2.33〜2.42(m、2H)、1.58〜1.68(m、3H)。
【0154】
ステップ8:
エタノール(3mL)および水(2mL)中の、撹拌した酸(0.12g、0.6mmol)の溶液に、炭酸ナトリウム(50mg、0.6mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を濃縮し、残留物を水(70mL)中で希釈し、溶液を凍結乾燥させた。これにより、白色の固体として(0.14g、90%)、純粋なナトリウム塩E/Z−(3−ペント−3−エニルフェニル)酢酸を得た。HNMR(400MHz、DO):(メジャー、E−異性体)δ=7.12(dd、J=7.4Hz、1H)、7.00(s、1H)、6.99(d、J=7.4Hz、1H)、6.95(d、J=7.6Hz、1H)、5.27〜5.38(m、2H)、3.33(s、2H)、2.53〜2.48(m、2H)、2.13〜2.24(m、2H)、1.35〜1.44(m、3H)。
【0155】
化合物XI、[3−ヒドロキシ−5−ペンチルフェニル]酢酸のナトリウム塩
【化31】

【0156】
ステップ1:
アセトン(100mL)中のメチル[3,5−ジヒドロキシフェニル]酢酸塩(2.1g、11.5mmol)の溶液を、炭酸カリウム(2.4g、17.4mmol)、ヨウ化カリウム(0.38g、2.31mmol)、および臭化ベンジル(1.5mL、12.7mmol)で処理し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を水で希釈し、ジクロロメタン(3回)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で蒸発させた。粗物質を、Biotage(商標)40Mカラム(シリカ)上で、40%エチル酢酸塩/ヘキサンで溶出しながら精製して、メチル[3−ベンジルオキシ−5−ヒドロキシフェニル]酢酸塩を得た(1.0g、33%)。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.32〜7.42(m、5H)、6.48(d、J=1.4Hz、1H)、6.38〜6.39(m、2H)、4.99(s、2H)、3.69(s、3H)、3.53(s、2H)。
【0157】
ステップ2:
0℃のCHCl(15mL)中のベンジルエーテル(1.04g、3.8mmol)の溶液を、N−フェニル−ビス(トリフルオロスルホニル)イミド(1.40g、3.9mmol)で処理し、次いでトリエチルアミン(0.6mL、4.1mmol)を徐々に添加した。反応物を0℃で1時間、次いで室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、次いでジエチルエーテル(2回)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を1M水酸化ナトリウム水溶液、水(2回)、および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ろ過し、真空で蒸発させて、粗生成物を得た。Biotage(商標)40Mカラム(シリカ)上の、エチル酢酸塩/ヘキサン0:1〜1:4で溶出する精製により、メチル[3−ベンジルオキシ−5−トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニル]酢酸塩(1.2g、79%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.36〜7.46(m、5H)、6.98(s、1H)、6.97(s、1H)、6.84(s、1H)、5.06(s、2H)、3.72(s、3H)、3.63(s、2H)。
【0158】
ステップ3:
ジメトキシエタン(5mL)中のE−1−ペンテン−1−イルボロン酸ピナコールエステル(0.8g、3.9mmol)の溶液を、ジメトキシエタン(5mL)中のトリフレート(1.2g、3.0mmol)の溶液で処理した。溶液をパラジウムゼロ(0.7g、0.6mmol)および2M炭酸ナトリウム水溶液(1.3mL、2.6mmol)で処理した。次いで混合物を90℃で3日間加熱した。反応物を室温に冷却し、セライトに通してろ過した。ろ液を真空で蒸発させ、粗物質を、Biotage(商標)25Mカラム(シリカ)上で、エチル酢酸塩/ヘキサン0:1〜5:95で溶出しながら精製して、メチル[3−ベンジルオキシ−5−[ペント−1−エニル]フェニル]酢酸塩(0.4g、40%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.36〜7.47(m、5H)、6.90〜6.92(m、2H)、6.79(dd、J=2.0、2.0Hz、1H)、6.35(d、J=15.9Hz、1H)、6.24(dt、J=15.9、6.8Hz、1H)、5.07(s、2H)、3.70(s、3H)、3.59(s、2H)、2.20(td、J=7.4、6.8Hz、2H)、1.51(dt、J=7.4Hz、2H)、0.98(t、J=7.4Hz、3H)。
【0159】
ステップ4:
エタノール中(13mL)のアルケン(0.4g、1.2mmol)の溶液を、1%パラジウム炭素(40mg)で処理した。混合物を水素の1大気下で、室温で一晩撹拌した。反応物をろ過し、真空で蒸発させ、Biotage(商標)25Sカラム(シリカ)上で、エチル酢酸塩/ヘキサン0:1〜15:85で溶出しながら精製して、メチル[3−ヒドロキシ−5−ペンチルフェニル]酢酸塩(0.3g、93%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ6.64(s、1H)、6.58〜6.60(m、2H)、3.70(s、3H)、3.55(s、2H)、2.51(t、J=7.7Hz、2H)、1.55〜1.59(m、2H)、1.28〜1.34(m、4H)、0.88(t、J=7.0Hz、3H)。
【0160】
ステップ5:
エタノール中(12mL)のエステル(0.3g、1.3mmol)の溶液を、水(3mL)および水酸化リチウム(155mg、6.4mmol)で処理し、混合物を室温で一晩激しく撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、ジクロロメタンで洗浄し、次いで1M HCl水溶液でpH1に酸性化し、ジクロロメタン(3回)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を硫酸ナトリウム(0.3g、95%)上で乾燥させた。さらなる精製を行わずにこの物質を使用した。H NMR(400MHz、CDCl):δ6.66(s、1H)、6.58〜6.59(m、2H)、3.55(s、2H)、2.52(t、J=7.7Hz、2H)、1.55〜1.59(m、2H)。
【0161】
ステップ6:
エタノール(6mL)および水(6mL)中の酸(0.27g、1.23mmol)の溶液を、炭酸ナトリウム(0.1g、1.2mmol)で処理し、反応物を室温で数時間撹拌した。溶媒を真空で濃縮し、溶液を水で希釈し、ろ過し(0.2μm)、凍結乾燥させて、白色の固体として(0.3g、95%)、ナトリウム[3−ヒドロキシ−5−ペンチルフェニル]酢酸塩を得た。mp63〜66℃;H NMR(400MHz、CDOD):δ6.63(s、1H)、6.58(s、1H)、6.42(s、1H)、3.36(s、2H)、2.48(t、J=7.6Hz、2H)、1.55〜1.62(m、2H)、1.26〜1.38(m、4H)、0.89(t、J=6.8Hz、3H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ177.79、155.31、142.36、137.62、119.08、111.66、111.18、43.70、34.17、29.95、29.56、20.87、11.64;LRMS(ESI):m/z445.2(2M−2Na+3H)、m/z223(M−Na+2H);HPLC:3.5分。
【0162】
化合物XII、4−ペンチル安息香酸のナトリウム塩
4−ペンチル安息香酸より出発し、化合物Iの場合と同様に、上の化合物を調製した。白色の固体;H NMR(400MHz、DO):δ7.61(d、J=8.3Hz、2H)、7.12(d、J=8.5Hz、2H)、2.46(t、J=7.5Hz、2H)、1.38〜1.45(m、2H)、1.04〜1.15(m、4H)、0.65(t、J=7.0Hz、3H);13C NMR(101MHz、DO):δ175.79、147.29、133.55、129.15、128.47、35.07、30.81、30.45、22.00、13.42;LRMS(ESI):m/z193(M−Na+2H);HPLC:4.3分。
【0163】
化合物XIII、3−ヘキシル安息香酸のナトリウム塩
3−[ヘキサ−1−エニル]安息香酸塩より出発し、化合物IXの場合と同様に、上の化合物を調製した。ペンチルトリフェニルホスホニウムブロミドを、メチル3−ホルミル安息香酸塩と反応させることによって後者を調製した。白色の固体;H NMR(400MHz、CDOD):δ7.74〜7.79(m、2H)、7.20〜7.36(m、2H)、2.63(t、J=7.6Hz、2H)、1.61〜1.65(m、2H)、1.28〜1.36(m、6H)、0.89(t、J=7.5Hz、3H);13C NMR(101MHz、CDOD):δ174.64、142.29、137.65、130.28、129.13、127.47、126.50、35.73、31.74、31.55、28.89、22.52、13.28;LRMS(ESI):m/z207(M−Na+2H);HPLC:3.0分。
【0164】
化合物XIV、5−ブチルインダン−2−カルボン酸のナトリウム塩
【化32】

【0165】
ステップ1:
25℃のエタノール中(77mL)のインダン−2−カルボン酸(2.50g)の溶液に、濃縮HSO(9mL)を添加した。無色の溶液を75℃で48時間の間にわたって撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をジクロロメタン(10mL)および水(10mL)で希釈した。溶液のpHを1から14に変化させた。2つの層を分離し、水相をエチル酢酸塩(30mL)で抽出した。有機層を組み合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、高真空下で濃縮した。得られた固体をBiotage(商標)40Mカラム(シリカ、ヘキサン/エチル酢酸塩1:0〜97:3)上で精製して、インダン−2−カルボン酸エチルエステルを得た。灰白色の油;H NMR(400MHz、CDCl):δ7.22〜7.14(m、4H)、4.19(q、J=7.04Hz、4H)、3.36〜3.10(m、5H)、1.29(t、J=7.04Hz、3H);LRMS(ESI):m/z190(MH);HPLC:4.3分。
【0166】
ステップ2:
ブチリルクロリド(0.8mL、7.9mmol)を、ジクロロメタン(20mL)中のエチルエステルおよびAlCl(2.5g、18.5mmol)の混合物に添加した。室温で5時間撹拌した後、反応物を混合氷および1N HCl中に注いだ。水相をジクロロメタン(30mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発させた。粗残留物をBiotage(商標)40Lカラム(シリカ、ヘキサン/エチル酢酸塩1:0〜8:2)上で精製して、無色の油として(1.0g、50%)、5−ブチリルインダン−2−カルボン酸エチルエステルを得、H NMR(400MHz、CDCl):δ7.80〜7.77(m、2H)、7.27(d、J=8.61Hz、1H)、4.18(q、J=7.04Hz、4H)、3.36〜3.10(m、5H)、2.91(t、J=7.24Hz、2H)、1.78〜1.65(m、2H)、1.28(t、J=7.04Hz、3H)、0.99(t、J=7.24Hz、3H);LRMS(ESI):m/z261(MH);HPLC:4.5分であった。
【0167】
ステップ3:
室温の1,2−ジクロロエタン(11mL)中のケトン(0.56g、2.17mmol)の撹拌した溶液に、ヨウ化亜鉛(1.04g、3.25mmol)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.0g、16.3mmol)を添加した。反応混合物を25℃で20時間の間にわたって撹拌した。反応物をセライトパッドに通してろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗残留物をBiotage(商標)25Mカラム(シリカ、ヘキサン/エチル酢酸塩1:0〜8:2)上で精製して、5−ブチルインダン−2−カルボン酸エチルエステル(0.4g、77%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.11(d、J=7.83Hz、1H)、7.04(s、1H)、6.98(d、J=7.63Hz、1H)、4.18(q、J=7.24Hz、2H)、3.37〜3.14(m、5H)、2.57(t、J=7.63Hz、2H)、1.62〜1.54(m、2H)、1.40〜1.27(m、5H)、0.93(t、J=7.24Hz、3H);HPLC:5.5分。
【0168】
ステップ4:
アセトニトリル/メタノール/水(5mL、3:1:1)の混合物中のエステル(0.4g、1.65mmol)の溶液に、水酸化リチウム(0.3g、10.7mmol)を添加した。反応物を25℃で15時間撹拌した。溶媒の蒸発後、残留物をジクロロメタン(30mL)で抽出した。水相を、pH=4になるまで1N HClで酸性化し、次いでジクロロメタン(2x25mL)で抽出した。有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で蒸発させた。粗残留物をBiotage(商標)12Mカラム(シリカ、ヘキサン/エチル酢酸塩1:0〜7:3)上で精製して、5−ブチルインダン−2−カルボン酸(0.3g、90%)を得た。HPLC:4.3分。アセトニトリル/水(5mL、2:3)の混合物中の酸(0.32g、1.49mmol)の溶液に、炭酸ナトリウムを添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。アセトニトリルの蒸発後、残留物を水(4mL)で希釈した。溶液を0.45μMろ紙に通してろ過し、凍結乾燥させた。これにより、5−ブチルインダン−2−カルボン酸の純粋なナトリウム塩を得た。白色の固体;H NMR(400MHz、CDOD):δ7.02(d、J=7.63Hz、1H)、6.96(s、1H)、6.88(d、J=7.63Hz、1H)、3.18〜3.04(m、5H)、2.54(t、J=7.63Hz、2H)、1.59〜1.51(m、2H)、1.37〜1.28(m、2H)、0.92(t、J=7.24Hz、3H);13C NMR(101MHz CDOD):δ183.2、143.1、140.7、140.2、126.2、123.9、123.6、37.2、36.9、35.4、34.1、22.1、13.1;LRMS(ESI):m/z201(MH−NaOH);HPLC:4.3分。
【0169】
実施例2:化学保護研究
生後6〜8週間のメスC57BL/6マウスを、0日目に静脈投与した200mg/kgのシクロホスファミドによる処置によって免疫抑制した。化合物Iの免疫保護効果を検査するために、−3、−2、および−1日目に化合物を用いてマウスを経口で前処置した。+5日目にマウスを心臓穿刺および頚椎脱臼によって屠殺した。次いで、大腿骨(骨髄細胞の源として)の巨視的な病理学的観察を記録した。屠殺後、組織をPBS緩衝剤中で粉砕し、細胞を血球計数器上で数えた。
【0170】
シクロホスファミド処置マウスにおける化合物Iでの経口前処置で、総骨髄細胞数の有意な増加を観察した(図1)。さらに、シクロホスファミド免疫抑制マウスにおける化合物Iでの経口前処置で、白色骨髄細胞数の増加を観察した(図2)。
【0171】
また、シクロホスファミド免疫抑制マウスにおける化合物Iでの経口前処置で、赤色骨髄細胞数の増加も観察した(表1)。さらに、化合物Iは、循環赤血球を増加させる。
【0172】
赤色骨髄細胞数および赤血球に及ぼす化合物Iの影響
【表1】

【0173】
また、化合物Iに関連する追加的化合物を調製し、生物学的活性について試験した。表2は、それらの追加的化合物の活性を要約する。この表の結果は、次の場合のそれらの化合物Iの活性と比較した造血/血球新生に対する活性の程度に応じて示される。++++は、化合物Iよりも高い活性を指定し、+++は、化合物Iの活性の70〜100%を指定し、++は、化合物Iの活性の40−70%を指定し、+は、化合物Iの活性の5−40%を指定し、「n/a」は、化合物が試験されていないことを示す。
【0174】
造血/血球新生に及ぼす選択された化合物の効果



【表2−1】

【表2−2】

【0175】
実施例3:空気嚢炎症モデルに及ぼす化合物の効果
ラット空気嚢モデルにおけるLPS誘発性炎症は、関節炎等の関節疾患で生じる病的プロセスを模倣すると考えられる。これは、空気嚢に沿って形成される結合組織が慢性関節疾患で見出されるそれに類似しているためである。LPS誘発性炎症および慢性関節疾患は、顕著に上昇したPGE、好中球浸潤、サイトカイン形成、および組織損傷を含む他の特徴を共有する。
【0176】
−6日目に、オスLewisラット(175〜200g)の背部の肩甲骨間領域へ20mLの滅菌空気を皮下注射することによって、空気腔を生じさせた。−3日目に、追加的に10mLの空気を腔中へ注射して、空間の開きを維持した。0日目、化合物を静脈投与し、1時間後、リポ多糖類(LPS:PBS中2.5mL、2μg/mL)を、嚢中へ注射して炎症反応を生じさせた。LPSによる処置の2時間後、動物をCO窒息によって安楽死させ、5mLのPBS/ヘパリン(10U/mL)/インドメタシン(36μg/mL)を嚢中へ注射した。嚢液を収集し、嚢滲出液中のPGEをELISAによって決定した。
【0177】
図3に例証する通り、化合物Iの経口投与は、LPSの投与の2時間後、PGEの有意な阻害を誘発する。化合物Iによって達成された阻害は、陽性対照インドメタシンから得た阻害に類似していた。
【0178】
実施例4:RAW264.7細胞上の酸化窒素生成に及ぼす化合物の効果
酸化ストレスおよび炎症は、心疾患、癌、糖尿病、関節炎、アルツハイマー病、および自己免疫疾患を含むが、それらに限定されない複数の慢性疾患に関連する。酸化窒素(NO)は、酸化窒素合成酵素によって生成され、炎症および敗血症に関与する重要な分子として特定されている。誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)は、正常な条件下では発現されない。しかしながら、内因性および外因性の刺激因子への曝露後に、マクロファージ、平滑筋細胞、および肝細胞等の種々の細胞中でそれが誘発されて、炎症等の複数の不利な細胞反応を引き起こす可能性がある。したがって、iNOSのレベルは、炎症の程度を反映し、それによって薬物の炎症プロセスに及ぼす効果の評価を可能にする。
【0179】
NO生成に及ぼす化合物の効果をRAW264.7(マクロファージ様)細胞中で行った。化合物の存在または非存在下で、RAW264.7細胞を、1μg/mLのLPSおよび0.5ng/mLのインターフェロンにより、37℃の95%空気−5%二酸化炭素の加湿した大気中で16時間培養した。室温で30分間のインキュベーション後、Griess試薬を用いて培養培地中の酸化窒素測定を測定した。548nmの吸光度を読み取り、NaNOの標準溶液と比較した。50μLのMTTの添加により細胞生存率を査定した。4時間のインキュベーション後、培地を除去し、150μLのDMSOを添加して結晶を溶解させた。無細胞ウェルから調製したブランクに照らして、各試料の光学密度を570nmで読み取った。
【0180】
図4は、NO生成に及ぼす選択された代表的化合物の効果を表す。全ての化合物は、用量依存的様式でNO生成の有意な阻害を誘発する。
【0181】
実施例5:5/6腎摘除ラットモデルにおける腎臓保護に及ぼす化合物Iの体内効果。
次の手順を用いて、5/6腎摘除(Nx)ラットモデルにおいて、腎組織に及ぼす化合物Iの体内保護効果の実証を行った。生後6週間のオスのWistarラットを5/6腎摘出または疑似手術に供した。フローセン麻酔下で、左側腎臓の3分の2を除去することによって腎切除を達成し、続いて7日後に、右側一側性腎摘出を行った。疑似ラットは、腎臓の曝露および腎周囲脂肪の除去を受けた。最初の手術の21日後、研究において、腎臓の機能障害を示す、クレアチニンのそれらの糸球体ろ過率(GFR)減少によって、ラットを無作為化した。疑似手術を受けた動物に媒体(生理食塩水)を与え、対照として使用した。Nx動物を、媒体または化合物Iを受容する群に分割した。屠殺するまでの1日1回、生理食塩水または化合物Iを胃管栄養によって与えた。この末期腎疾患モデルの重症度を査定するために、3週間毎にGFRを測定した。190日目にラットを屠殺した。
【0182】
図5は、疑似動物と比較した、Nxおよび化合物I処置NxラットにおけるGFR(クレアチニンクリアランス)を表す。化合物Iは、190日目にGFRを2倍改善する。
【0183】
図6は、21日目の最初のGFR(処置前)と比較した、Nxおよび化合物I処置Nxラットにおける、治療期間にわたるGFRの改善を表す。Nxラット(対照)のGFRの50%悪化と比較して、化合物I処置NxラットにおいてGFRの50%改善を観察した。
【0184】
実施例6:5/6腎摘除ラットにおける、心臓保護に及ぼす化合物Iの体内効果。
実施例1に記載される手順を用いて、5/6腎摘除(Nx)ラットモデルにおいて、化合物Iの体内心臓保護効果の実証を行った。手短に述べると、5/6腎摘除ラットにおいて、心圧をRTBP2000(商標)器具(Kent Scientific)で記録し、化合物Iが、重度に侵された5/6腎摘除ラットの心臓に対して保護効果を発揮することが示された。化合物I処置Nxラットにおいて、血圧の有意な減少を観察した(図7)。
【0185】
実施例7:ドキソルビシン誘発性腎毒性モデルにおける、腎保護に及ぼす化合物Iの体内効果。
次の手順を用いて、ドキソルビシン誘発性腎毒性モデルにおいて、化合物Iの経口投与の体内保護効果の実証を行った。C57BI/6マウス(生後6〜10週間)を、化合物Iにより−3日目〜10日目まで予防的に処置、または1〜10日目まで治療的に処置した。0日目に、10mg/kgのドキソルビシンの静脈注射によって腎毒性を誘発させた。4、7、9、および11日目に、血清アルブミンおよびクレアチニンをモニターした。
【0186】
化合物Iによる予防的処置は、ドキソルビシンによって誘発される血清アルブミンの減少を阻害する。化合物Iによる治療的処置は、ドキソルビシンによって誘発される血清アルブミンレベルに対する効果を有さなかった。(図8)。
【0187】
化合物Iによる予防的処置は、ドキソルビシンによって誘発される血清クレアチニンの増加を阻害する。化合物Iによる治療的処置もまた、ドキソルビシンによって誘発される血清クレアチニンレベルの増加を阻害する。(図9)。
【0188】
ドキソルビシンが腎毒性および心毒性を誘発することは周知である。図10は、ドキソルビシン誘発性腎毒性モデルにおける組織化学によって決定した組織学的腎臓病変スコアを表す。図9に示す通り、ドキソルビシンは、7および11日目に有意な腎臓病変を誘発する。化合物Iによる予防的(ドキソルビシン前)および治療的(ドキソルビシン後)処置は、ドキソルビシンによって誘発される尿細管レベルの腎臓病変を低減する。
【0189】
ドキソルビシンは、主に尿細管領域で初期病変を誘発する。毒性は、糸球体にまでさらに拡大する(ドキソルビシン後の11日目前後)。図11は、対照および化合物I処置(予防的治療)マウスにおけるドキソルビシン誘発性病変の組織学的顕微鏡写真を表す。ドキソルビシンは、侵された尿細管領域における、腎臓細胞アポトーシス、線維症、硬化症、およびタンパク質の蓄積を誘発する。化合物Iによる予防的または治療的処置は、腎臓をドキソルビシン毒性から保護する。
【0190】
化合物Iが、それによってドキソルビシン誘発性腎毒性から保護すると思われる機構は、化合物Iで処理した腎臓におけるCTGF発現の有意な阻害によって示される通り、線維症の阻害を伴う。図12は、CTGFのmRNA発現を例証する。ドキソルビシンは、腎臓におけるCTGFmRNA発現を24.1%増加させる。化合物Iによる前処置は、CTGF発現の有意な減少を誘発し、それによって化合物Iの抗線維性活性を例証する。
【0191】
また、CTGFは、TGF−βによっても調節される。図13は、腎臓におけるTGF−βのmRNA発現を例証する。ドキソルビシンは、腎臓におけるTGF−βの発現を73%増加させる。化合物Iによる前処置は、TGF−β発現の26%の減少を誘発する。
***
【0192】
表題は、参照のためにおよび特定の節の検索を補助するために本明細書に含まれる。これらの表題は、それより下に説明される概念の範囲を限定するようには意図されず、またこれらの概念は、本明細書全体にわたる他の節にも適用可能であり得る。したがって、本発明は、本明細書に示す実施形態に限定されることを意図しているものではないが、本明細書に開示される原理および新規の特徴と一貫している広範囲に一致させるべきである。
【0193】
本明細書および添付の特許請求に使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上、そうでないとする明確な指示がない限り、対応する複数形の指示対象を含む。したがって、例えば、「化合物」という場合、かかる化合物の1つ以上を含み、「本方法」という場合、同等のステップへの言及および修正可能または本明細書に記載される方法と置換可能である当業者に既知の方法を含む。
【0194】
特に指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件、濃度、特性等を表す全ての数は、全ての例において、「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。少なくとも、各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効桁数を参照して、および通常の丸め技術を適用することによって、解釈されるべきである。したがって、それとは反対の指示がない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、得ようとしている特性に応じて異なり得る近似値である。本実施形態の広範囲を説明する数値的範囲およびパラメータは、近似値であるが、具体的例で説明される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、実施例、試験測定、統計分析等における変形から生じる特定の誤差を本質的に含有する。
【0195】
本明細書に記載される実施例および実施形態は、例証目的に過ぎないものであり、種々の修正または変更が当業者には示唆され、また本発明および添付の特許請求の範囲に含まれるべきであることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)血液障害、(ii)腎障害、腎症、および/または腎障害合併症、(iii)炎症関連疾患、ならびに(iv)酸化ストレス関連障害からなる群から選択される病態を予防するおよび/または治療する際に使用するための、
式I
【化1】


[式中、
nは、整数0または1であり、

Qは、任意に1つのR置換基で置換されたC1−アルキルであり、
Cyは、
【化2】

または
【化3】

であって、

式中、RがH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、HまたはORであるか、あるいは
Cyは、
【化4】

または
【化5】

であって、

式中、RがH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、Hであるか、あるいは
Cyは、
【化6】

であって、

式中
は、Hであり、
がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、またはRがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される]
によって表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
(i)血液障害(ii)腎障害、腎症、および/または腎障害合併症、(iii)炎症関連疾患、ならびに(iv)酸化ストレス関連障害からなる群から選択される病態を予防するならびに/または治療するための薬物の製造の際の、
式I
【化7】



[式中、

nは、整数0または1であり、

Qは、任意に1つのR置換基で置換されたC1−アルキルであり、
Cyは、
【化8】

または
【化9】

であって、

式中、RがH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、HまたはORであるか、あるいは
Cyは、
【化10】

または
【化11】

であって、

式中、RがH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、Hであるか、あるいは
Cyは、
【化12】

であって、

式中
は、Hであり、
がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される]
によって表される化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項3】
前記塩は、ナトリウム塩である、請求項1の化合物または請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記化合物は、
【化13】


からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物または請求項2に記載の使用。
【請求項5】
式I
【化14】



[式中、

nは、整数0または1であり、

Qは、任意に1つのR置換基で置換されたC1−アルキルであり、
Cyは、
【化15】

または
【化16】

であって、

式中、RがH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、HまたはORであるか、あるいは
Cyは、
【化17】

または
【化18】

であって、

式中、RがH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、Hであるか、あるいは
Cyは、
【化19】

であって、

式中
は、Hであり、
がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される]
によって表される化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含む、(i)血液障害、(ii)腎障害、腎症、および/または腎障害合併症、(iii)炎症関連疾患、ならびに(iv)酸化ストレス関連障害からなる群から選択される病態を予防するならびに/または治療する際に使用するための、薬学的組成物。
【請求項6】
(i)血液障害、(ii)腎障害、腎症、および/または腎障害合併症、(iii)炎症関連疾患、ならびに(iv)酸化ストレス関連障害からなる群から選択される病態を予防するならびに/または治療する方法であって、前記方法は、それを必要とするヒト患者に、式I
【化20】


[式中、

nは、整数0または1であり、

Qは、任意に1つのR置換基で置換されたC1−アルキルであり、
Cyは、
【化21】

または
【化22】

であって、

式中、RがH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、HまたはORであるか、あるいは
Cyは、
【化23】

または
【化24】

であって、

式中、RがH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、Hであるか、あるいは
Cyは、
【化25】

であって、

式中
は、Hであり、
がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される]
に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩の薬理学的有効量を投与することを含む、方法。
【請求項7】
式I
【化26】


[式中、

nは、整数0または1であり、

Qは、任意に1つのR置換基で置換されたC1−アルキルであり、
Cyは、
【化27】

または
【化28】

であって、

式中、RがH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、HまたはORであるか、あるいは
Cyは、
【化29】

または
【化30】

であって、

式中、RがH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、Hであるか、あるいは
Cyは、
【化31】

であって、

式中
は、Hであり、
がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択されるが、
但し、nが0であり、Cyが
【化32】

であり、かつR、R、R、およびRが全てHであるとき、Rは、エチル、プロピル、n−ブチル、またはn−ペンチルであり得ないこと;
nが0であり、Cyが
【化33】

であり、かつR、R、R、およびRが全てHであるとき、Rは、エチル、プロピル、またはn−ブチルであり得ないこと;
nが0であり、Cyが
【化34】

であり、Rがn−ブチルであり、かつR、R、およびRが全てHであるとき、Rは、Cl、Br、またはIであり得ないこと;

nが1であり、QがCHであり、Cyが
【化35】

であり、Rがn−ブチルであり、かつR、R、およびRが全てHであるとき、Rは、Cl、Br、またはIであり得ないこと、を条件とする]
によって表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
前記薬学的に許容される塩は、塩基付加塩である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
前記塩基付加塩は、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、およびリチウムからなる群から選択される金属対イオンである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
前記塩基付加塩は、ナトリウムである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物は、式II
【化36】

II

[式中、

nは、整数0または1であり、

Qは、任意に1つのR置換基で置換されたC1−アルキルであり、

がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、HまたはORであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される]
の化合物またはその薬学的に許容される塩からなる、請求項7に記載の化合物。
【請求項12】

nは、整数0または1であり、

Qは、任意に1つのR置換基で置換されたC1−アルキルであり、

がHもしくはハロゲンであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキルであるとき、RはHであり、

は、H、OR、SR、またはNRであり、

は、H、OR、SR、またはNRであり、

は、HまたはORであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物は、式III
【化37】

III

[式中、
がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される]
の化合物またはその薬学的に許容される塩からなる、請求項7に記載の化合物。
【請求項14】
がHであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、RはHであり、

は、Hであり、

Yは、O、S、またはNRであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物は、式IV
【化38】

IV

[式中、

nは、整数0または1であり、

Qは、任意に1つのR置換基で置換されたC1−アルキルであり、

がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

は、H、ハロゲン、ハロアルキル、C−Cアルキル、OR、SR、またはNRであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される]
の化合物またはその薬学的に許容される塩からなる、請求項7に記載の化合物。
【請求項16】

nは、1であり、

Qは、C1−アルキルであり、

がHであるとき、RはC−Cアルキルであるか、または、RがC−Cアルキルであるとき、RはHであり、

は、Hであり、かつ

は、Hである、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物は、式V
【化39】




[式中、

nは、整数0または1であり、

Qは、任意に1つのR置換基で置換されたC1−アルキルであり、

がH、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであるとき、Rは、C−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるか、または、RがC−Cアルキル、C2−アルケニル、C−Cアルキニル、もしくはC1−アルキル−Y−であるとき、Rは、H、ハロゲン、ハロアルキル、OR、SR、もしくはNRであり、

は、Hであり、

Yは、O、S、またはNRであり、

は、OR、SR、またはNRであり、

は、H、またはC−Cアルキルであり、かつ

およびRは、独立して、H、またはC_アルキルから選択される]
の化合物またはその薬学的に許容される塩からなる、請求項7に記載の化合物。
【請求項18】

nは、1であり、

Qは、C1−アルキルであり、

がHであるとき、RはC−Cアルキルであるか、または、RがC−Cアルキルであるとき、RはHであり、かつ

は、Hである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
前記化合物は、
【化40】

からなる群から選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項20】
血液障害の予防および/または治療を必要とする対象において血液障害を予防するおよび/または治療するための方法であって、前記対象に、請求項5に記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項21】
前記血液障害は、貧血または好中球減少症である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記化合物の投与は、前記対象における造血および/または赤血球新生を刺激する、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
腎障害および/または腎障害合併症の予防および/または治療を必要とする対象において腎障害および/または腎障害合併症を予防するおよび/または治療するための方法であって、前記対象に、請求項5に記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項24】
前記腎障害は、腎症である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記薬学的組成物は、化学療法剤による治療から生じる毒性作用に対する腎臓保護のために投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
クレアチニンのクリアランスおよび/または尿酸のクリアランスが、前記投与後に前記対象において改善される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
腎機能の改善を必要とするヒト対象において腎機能を改善するための方法であって、前記対象に、請求項5に記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項28】
前記化合物は、
【化41】

からなる群から選択される、請求項20〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
炎症関連疾患の予防および/または治療を必要とする対象において炎症関連疾患を予防するおよび/または治療するための方法であって、前記対象に、請求項5に記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項30】
前記炎症関連疾患は、免疫介在性炎症性疾患または自己免疫疾患である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記炎症関連疾患は、関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、ITP、糸球体腎炎、血管炎、乾癬性関節炎、乾癬、クローン病、炎症性腸疾患、強直性脊椎炎、シェーグレン症候群、スティル病、ブドウ膜炎、強皮症、筋炎、ライター症候群、およびウェーゲナー症候群からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
対象における、化学療法剤による治療から生じる毒性作用に対する腎臓保護のための方法であって、前記化学療法剤による治療前および/または治療後に、前記対象に、請求項5に記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項33】
酸化ストレス関連障害の予防および/または治療を必要とする対象において酸化ストレス関連障害を予防するおよび/または治療するための方法であって、前記対象に、請求項5に記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項34】
前記酸化ストレス関連障害は、心疾患、癌、糖尿病、関節炎、アテローム性動脈硬化症、パーキンソン病、心不全、心筋梗塞、アルツハイマー病、慢性疲労症候群、および自己免疫疾患からなる群から選択される、請求項33に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−526052(P2012−526052A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508861(P2012−508861)
【出願日】平成22年5月3日(2010.5.3)
【国際出願番号】PCT/CA2010/000677
【国際公開番号】WO2010/127440
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(510172848)プロメティック・バイオサイエンシーズ・インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】ProMetic BioSciences Inc.
【Fターム(参考)】