説明

置換2−アミノ−チアゾロンの合成のための不斉プロセス

本発明は、11−β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害剤としての置換アミノチアゾロン化合物を合成する2つの方法を提供する。これらの方法は、化学量論量のキラル触媒を使用することなく、所望の化合物を立体選択的に合成することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、一般に、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害剤として有用である化合物を提供するための、新規な有機合成法およびその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(HSD)は、ステロイドホルモンとその不活性型との間の相互転換により、ステロイドホルモン受容体の占有および活性化を調節する。最近の報告については、Nobel他、Eur.J.Biochem.2001、268、4113〜4125を参照されたい。
【0003】
多くの種類のHSDが存在する。11−ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11β−HSD)は、オキシドレダクターゼであり、その酸化性の部分は、(コルチゾールおよびコルチコステロン等の)生物活性糖質コルチコステロイドを不活性なC−11の酸化された代謝産物、コルチゾンおよび11−デヒドロコルチコステロン(dehydrocorticosternone)へ代謝する。Ragosh他、J.Endocrinology、1997、155、171〜180。
【0004】
アイソフォームの11−ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β−HSD1)は、肝臓、脂肪組織、脳、肺および他の糖質コルチコイド組織の中に発現され、糖尿病、肥満および年齢関連性認知機能不全等の、糖質コルチコイド作用の減少により回復され得る多くの障害を対象とした治療のための潜在的な標的である。Seckl他、Endocrinology、2001、142、1371〜1376。
【0005】
11β−HSD1のアイソフォームは、インスリンの放出を制御する役割を果たすことと関係がある膵島細胞の中にも存在する。Oppermann他、J.Biological Chemistry、2000、275(45)、34841〜34844。コルチゾール(活性型)およびコルチゾン(不活性ケト型)等の糖質コルチコイドホルモンは、炭水化物代謝の調節において重要な役割を果たす。コルチゾールの増量により、糖新生が促進され、インスリンの放出が抑制される。これは、糖尿病の原因に特徴的な高い血清グルコース量につながる。逆に、公知の11β−HSD1阻害剤のカルベノキソロンは、用量依存的様式で、コルチゾールによるインスリン放出の抑制を逆転させ、インスリン感受性をさらに向上させる。これらの知見は、膵島細胞中の11β−HSD1が、糖質コルチコイドの代謝とインスリンの放出とを調節する重要な役割を果たすことを示している。このように、11β−HSD1は、抗糖尿病性治療薬の開発についての重要な酵素の標的である。
【0006】
C5−置換2−アミノチアゾリノンは、11β−HSD1の強力な阻害剤であることが示されている。特に、以下に示される5S−2−(ビシクロ(bicycle)[2.2.1]ヘプタン−2−イルアミノ)−5−イソプロピル−5−メチルチアゾール−4(5H)−オンは、この酵素の強力なナノモルの阻害剤である。この2−アミノチアゾロンの類似体を調製するための現行の合成経路は、多数のステップと、イソプロピル基を親の2−アミノチアゾロンのC−5原子にエナンチオ選択的に付加させるための多くの当量の高価なキラル触媒の使用とを必要とする。
【0007】
【化1】

【0008】
したがって、市販の出発材料と少量のキラル触媒とを用いた、5S−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルアミノ)−5−イソプロピル−5−メチルチアゾール−4(5H)−オンおよび関連する化合物の容易で立体選択的な調製を可能にする、代替的な合成法が必要と思われる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、式2の化合物、この互変異性体、立体異性体、またはこれらの薬学的に許容される塩を調製するための効率的な合成経路を提供することにより、この要求等を満足させる。
【0010】
【化2】

【0011】
したがって、本発明の一実施形態は、式1
【0012】
【化3】

【0013】
の化合物を、式RNHの化合物と反応させることにより、式2の化合物を作製する方法である。
【0014】
式1および2において、変数Xは、S、OおよびNRからなる群から選択される一方で、Yは、R''C(O)NHまたはSR''のいずれかである。ある実施形態において、Xは窒素原子であり、Rは、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ビシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択される。
【0015】
本発明の様々な実施形態において、脱離基「Y」の中のR''は、(C−C)アルキル、アリール、(C−C)シクロアルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択される。
【0016】
C−5の置換基RおよびRは、RおよびRが同時に水素原子でないという条件で、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から独立して選択される。
【0017】
本発明の様々な実施形態において、化合物RNHの置換基RおよびRは、同じ基または異なる基のいずれかであることができる。したがって、Rは、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ビシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択される。
【0018】
置換基Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ビシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択される。
【0019】
別の実施形態において、本発明は、式3の化合物を、式Y−CNの化合物と反応させることによる、式1の化合物の作製方法を提供する。式3における、変数X、RおよびRは、上記に定義した通りである。
【0020】
【化4】

【0021】
別の実施形態において、本発明は、式4の化合物、この互変異性体、立体異性体、またはこれらの薬学的に許容される塩を調製する方法を提供する。
【0022】
【化5】

【0023】
この方法は、式5
【0024】
【化6】

【0025】
の化合物を、式6
【0026】
【化7】

【0027】
の化合物と反応させることを含む。
【0028】
式4,5および6において、変数Aは、S、OおよびNRからなる群から選択される一方で、Zは、ハロゲン、ORおよびSRからなる群から選択される。
【0029】
ある実施形態において、Xは窒素原子であり、Rは、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択される。
【0030】
脱離基Zが、ORおよびSRである実施形態において、Rは、(C−C)アルキル、ペンタフルオロフェニル、ニトロフェニル、ジ−ニトロフェニル、CFフェニル、p−トルエンスルホニルおよびメタンスルホニルからなる群から選択される。
【0031】
さらに、C−5における置換基RおよびRは、それぞれに独立して、RおよびRが同時に水素原子でないという条件で、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択される。
【0032】
本発明の様々な実施形態において、化合物6の置換基RおよびRは、同じまたは異なる基のいずれかであることができる。したがって、Rは、水素、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ビシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択される。
【0033】
同様に、Rは、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ビシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(詳細な説明)
定義
本明細書において用いられるとき、用語は以下の意味を有する。
【0035】
本明細書において用いられる「アルキル」の用語は、示された数の炭素原子を有する直鎖または分鎖の飽和炭化水素を指す。例えば、(C−C)アルキルには、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシルおよびネオヘキシルが含まれることが意図される。アルキル基は、非置換であり得る、または本明細書の中に記載される1種もしくは複数の置換基で場合によって置換され得る。
【0036】
本明細書において用いられる「アルケニル」の用語は、示された数の炭素原子と、少なくとも1つの二重結合とを有する直鎖または分鎖の不飽和炭化水素を指す。(C−C)アルケニル基の例には、限定されるものではないが、エチレン、プロピレン、1−ブチレン、2−ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、イソペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、イソヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、3−ヘプテン、イソヘプテン、1−オクテン、2−オクテン、3−オクテン、4−オクテンおよびイソオクテンが挙げられる。アルケニル基は、非置換であり得る、または本明細書において以下に記載される1種もしくは複数の置換基で場合によって置換され得る。
【0037】
本明細書において用いられる「アルキニル」の用語は、示された数の炭素原子と、少なくとも1つの三重結合とを有する直鎖または分鎖の不飽和炭化水素を指す。(C−C)アルキニル基の例には、限定されるものではないが、アセチレン、プロピン、1−ブチン、2−ブチン、1−ペンチン、2−ペンチン、1−ヘキシン、2−ヘキシン、3−ヘキシン、1−ヘプチン、2−ヘプチン、3−ヘプチン、1−オクチン、2−オクチン、3−オクチンおよび4−オクチンが挙げられる。アルキニル基は、非置換であり得る、または本明細書において以下に記載される1種もしくは複数の置換基で場合によって置換され得る。
【0038】
本明細書において用いられる「アルコキシ」の用語は、示された数の炭素原子を有する−O−アルキル基を指す。例えば、(C−C)アルコキシ基には、−O−メチル、−O−エチル、−O−プロピル、−O−イソプロピル、−O−ブチル、−O−sec−ブチル、−O−tert−ブチル、−O−ペンチル、−O−イソペンチル、−O−ネオペンチル、−O−ヘキシル、−O−イソヘキシルおよび−O−ネオヘキシルが挙げられる。
【0039】
本明細書において用いられる「アミノアルキル」の用語は、C−Cアルキル基の水素原子の1個または複数が、Rのそれぞれの存在が独立して−Hまたは(C−C)アルキルである式−N(Rのアミンで置き換えられたアルキル基(一般に1個から6個の炭素原子)を指す。アミノアルキル基の例には、限定されるものではないが、−CHNH、−CHCHNH−、−CHCHCHNH、−CHCHCHCHNH、−CHCHCHCHCHNH、−CHCHCHCHCHCHNH、−CHCHCHN(CH、t−ブチルアミノメチルおよびイソプロピルアミノメチル等が挙げられる。
【0040】
本明細書において用いられる「アリール」の用語は、6から14員環の単環式、二環式または三環式の芳香族炭化水素環系を指す。アリール基の例には、フェニルおよびナフチルが挙げられる。アリール基は、非置換であり得る、または本明細書において以下に記載される1種もしくは複数の置換基で場合によって置換され得る。
【0041】
本明細書において用いられる「シクロアルキル」の用語は、3から14員環の飽和または不飽和で非芳香族の単環式、二環式または三環式の炭化水素環系を指す。ベンゼン環に縮合されたシクロアルキル基は、この分類に含まれる。代表的なシクロアルキル基には、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、1,3−シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、1,3−シクロヘプタジエニル、1,4−シクロヘプタジエニル、−1,3,5−シクロヘプタトリエニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、1,3−シクロオクタジエニル、1,4−シクロオクタジエニル、−1,3,5−シクロオクタトリエニル、デカヒドロナフタレン、オクタヒドロナフタレン、ヘキサヒドロナフタレン、オクタヒドロインデン、ヘキサヒドロインデン、テトラヒドロインデン、デカヒドロベンゾシクロヘプテン、オクタヒドロベンゾシクロヘプテン、ヘキサヒドロベンゾシクロヘプテン、テトラヒドロベンゾシクロヘプテン、ドデカヒドロヘプタレン、デカヒドロヘプタレン、オクタヒドロヘプタレン、ヘキサヒドロヘプタレンおよびテトラヒドロヘプタレン、(1s,3s)−ビシクロ[1.1.0]ブタン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、ビシクロ[3.3.2]デカン、ビシクロ[3.3.]ウンデカン、ビシクロ[4.2.2]デカン、ビシクロ[4.3.1]デカンが挙げられる。シクロアルキル基は、非置換であり得る、または本明細書において以下に記載される1種もしくは複数の置換基で場合によって置換され得る。
【0042】
本明細書において用いられる「ハロ」の用語は、−F、−Cl、−Brまたは−Iを指す。
【0043】
本明細書において用いられる「ハロアルキル」の用語は、C−Cアルキル基の水素原子の1個または複数が、同じまたは異なっていることができるハロゲン原子で置き換えられたC−Cアルキル基を指す。ハロアルキル基の例には、限定されるものではないが、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−臭化プロピル、ペンタクロロエチルおよび1,1,1−トリフルオロ−2−ブロモ−2−クロロエチルが挙げられる。
【0044】
「ヘテロアルキル」の用語は、これ自体で、または別の用語と組み合わせて、別に述べられなければ、炭素原子、ならびにO、NおよびSからなる群から選択される1種から3種のヘテロ原子からなり、窒素および硫黄の原子が場合によって酸化されていることがあり、窒素ヘテロ原子が場合によって四級化されていることがある、安定な直鎖または分鎖のアルキル、またはこれらの組合せを意味する。(1種または複数の)ヘテロ原子、O、NおよびSは、ヘテロアルキル基の任意の位置に配置され得る。例には、−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH)−CH、−CH−S−CH−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CHおよび−CH−CH=N−OCHが挙げられる。2種以下のヘテロ原子が、例えば−CH−NH−OCHのように連続することができる。(C−C)等の接頭辞が、ヘテロアルキル基を指すために用いられた場合において、炭素数(この例において2から8)には、同様にヘテロ原子が含まれることが意図される。例えば、C−ヘテロアルキル基には、例えば−CHOH(1個の炭素原子、および炭素原子と置き換わった1個のヘテロ原子)および−CHSHが含まれることが意図される。
【0045】
ヘテロアルキル基の定義をさらに例示すると、ヘテロ原子が酸素であるとき、ヘテロアルキル基はオキシアルキル基であり得る。例えば、(C2−)オキシアルキルには、例えば−CH−O−CH(2個の炭素原子と炭素原子と置き換わった1個の酸素とをもつC−オキシアルキル基)および−CHCHCHCHOH等が含まれることが意図される。
【0046】
本明細書において用いられる「ヘテロアリール」の用語は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1種のヘテロ原子を有し、少なくとも1個の炭素原子を含有し、単環式、二環式および三環式の環の系を含む5から14員環の芳香族複素環を指す。代表的なヘテロアリールは、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ピリミジル、アゼピニル、オキセピニル、キノキサリニルおよびオキサゾリルである。ヘテロアリール基は、非置換であり得る、または本明細書において以下に記載される1種もしくは複数の置換基で場合によって置換され得る。
【0047】
本明細書において用いられるとき、「ヘテロ原子」の用語には、酸素(O)、窒素(N)および硫黄(S)が含まれることが意図される。
【0048】
本明細書において用いられるとき、「複素環」の用語は、飽和、不飽和または芳香族のいずれかであり、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含有し、窒素および硫黄のヘテロ原子が場合によって酸化されていてよく、窒素ヘテロ原子が場合によって四級化されていてよい、単環式、二環式および三環式の環の系を含む3から14員環系を指す。二環式および三環式の環の系には、ベンゼン環に縮合された複素環およびヘテロアリールが包含され得る。複素環は、任意のヘテロ原子または炭素原子により結合され得る。複素環には、上記に定義されたようなヘテロアリールが含まれる。複素環の代表例には、限定されるものではないが、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、トリアゾリル、テトラゾリル、アジリニル、ジアジリジニル、ジアジリニル、オキサジリジニル、アゼチジニル、アゼチジノニル、オキセタニル、チエタニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリル、オキサジニル、チアゼニル、ジアジニル、ジオキサニル、トリアジニル、テトラジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピロリジニル、イソオキサゾリル、フラニル、フラザニル、ピリジニル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、チアゾリル、ベンズチアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、プリニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニルおよびキナゾリニルが挙げられる。複素環基は、非置換であり得る、または本明細書において以下に記載される1種もしくは複数の置換基で場合によって置換され得る。
【0049】
「ヘテロシクロアルキル」の用語は、これ自体で、または別の用語と組み合わせて、別に述べられなければ、「ヘテロアルキル」の環状形を表す。さらに、ヘテロ原子は、複素環が分子の残りに結合されている位置を占めることができる。ヘテロシクロアルキルの例には、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニルおよび2−ピペラジニル等が挙げられる。
【0050】
本明細書において用いられる「ヒドロキシアルキル」の用語は、アルキル基の中の1個または複数の水素原子が−OH基で置き換えられた、示された数の炭素原子を有するアルキル基を指す。ヒドロキシアルキル基の例には、限定されるものではないが、−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CHCHCHCHOH、−CHCHCHCHCHOH、−CHCHCHCHCHCHOHおよびこれらの分鎖形が挙げられる。
【0051】
アルキル、ヘテロアルキル、アルキレン、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルケニルと称される基のための置換基は、−OR'、=O、=NR'、=N−OR'、−NR'R''、−SR’、−ハロ、−SiR'R''R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO’、−CONR’R’’、−OC(O)NR'R''、−NR’’C(O)R’、−NR'''C(O)NR'R''、−NR'''SONR'R’’、−NR''CO’、−NHC(NH)=NH、−NR'C(NH)=NH、−NHC(NH)=NR'、−S(O)R’、−SO'、−SONR'R''、−NR''SO'、−CNおよび−NOを含む、0個から3個の範囲の個数の様々な基から選択され得、0個、1個または2個の置換基を有するそれらの基が代表的である。R’、R’’およびR’’’は、それぞれに独立して、水素、非置換の(C−C)アルキル、非置換のヘテロ(C−C)アルキル、非置換のアリール、ならびに−ハロ、非置換のアルキル、非置換のアルコキシ、非置換のチオアルコキシおよび非置換のアリール(C−C)アルキルから選択される1個から3個の置換基で置換されたアリールを指す。R'およびR''が、同じ窒素原子に結合されている場合において、それらは、窒素原子と合わさって、5、6または7員環を形成することができる。例えば、−NR'R''は、1−ピロリジニルまたは4−モルホリニルを表すことができる。一般に、アルキルまたはヘテロアルキルの基は、0個から3個の置換基を有し、それらの基は、本発明の代表的な2個以下の置換基を有する。アルキルまたはヘテロアルキルの基は、非置換または一置換であることができる。いくつかの実施形態において、アルキルまたはヘテロアルキルの基は非置換である。置換基についての上記の検討から、「アルキル」の用語にトリハロアルキル(例えば−CFおよび−CHCF)等の基が含まれることが意図されることは、当業者により理解される。
【0052】
アルキルおよびヘテロアルキルの基のための代表的な置換基には、限定されるものではないが、−OR'、=O、=NR'、=N−OR'、−NR'R''、−SR'、−ハロ、−SiR'R''R'''、−OC(O)R'、−C(O)R'、−CO'、−CONR'R''、−OC(O)NR'R''、−NR''C(O)R'、−NR'''C(O)NR'R''、−NR'''SONR'R''、−NR''CO'、−NHC(NH)=NH、−NR'C(NH)=NH、−NHC(NH)=NR’、−S(O)R’、−SO'、−SONR’R''、−NR''SO'、−CNおよび−NOが挙げられ、R'、R’’およびR'''は、上記に定義された通りである。一般的な置換基は、−OR'、=O、−NR’R’’、−ハロ、−OC(O)R'、−CO'、−C(O)NR'R''、−OC(O)NR’R''、−NR''C(O)R’、−NR''CO'、−NR'''SONR'R''、−SO'、−SONR'R''、−NR''SO'、−CNおよび−NOから選択され得る。
【0053】
同様に、アリールおよびヘテロアリールの基のための置換基は様々であり、0個から芳香環系上の開いた原子価の全数の範囲の個数の、−ハロ、−OR'、−OC(O)R'、−NR'R''、−SR'、−R'、−CN、−NO、−CO'、−C(O)NR'R''、−C(O)R'、−OC(O)NR'R''、−NR''C(O)R'、−NR''CO'、−NR'''C(O)NR'R''、−NR'''SONR'R''、−NHC(NH)=NH、−NR'C(NH)=NH、−NH−C(NH)=NR'、−S(O)R'、−SO'、−SONR'R''、−NR''SO'、−N、−CH(Ph)、パーフルオロアルコキシおよびパーフルオロ(C−C)アルキルから選択され、R'、R''およびR'''は、水素、非置換の(C−C)アルキル、非置換のヘテロ(C−C)アルキル、非置換のアリール、非置換のヘテロアリール、非置換のアリール(C−C)アルキルおよび非置換のアリールオキシ(C−C)アルキルから独立して選択される。一般に、アリールまたはヘテロアリールの基は、0個から3個の置換基を有し、それらの基は、本発明における代表的な2個以下の置換基を有する。本発明の一実施形態において、アリールまたはヘテロアリールの基は、非置換または一置換である。別の実施形態において、アリールまたはヘテロアリールの基は非置換である。
【0054】
本明細書の中に記載のアリールまたはヘテロアリールの基におけるアリールまたはヘテロアリールの環の隣接する原子上の2つの置換基を、式−T−C(O)−(CH)−U−の置換基で場合によって置き換えることができ、TおよびUは、独立して、−NH−、−O−、−CH−または一重結合であり、qは、0から2の整数である。あるいは、アリールまたはヘテロアリールの環の隣接する原子上の2つの置換基を、式−J−(CH)−K−の置換基で場合によって置き換えることができ、JおよびKは、独立して、−CH−、−O−、−NH−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−または一重結合であり、rは、1から3の整数である。このように形成された新しい環の一重結合の1つを、二重結合で場合によって置き換えることができる。あるいは、アリールまたはヘテロアリールの環の隣接する原子上の2つの置換基を、式−(CH)−X−(CH)−の置換基で場合によって置き換えることができ、sおよびtは、独立して、0から3の整数であり、Xは、−O−、−NR'−、−S−、−S(O)−、−S(O)−または−S(O)NR'−である。−NR'および−S(O)NR'−における置換基R'は、水素、または非置換の(C−C)アルキルから選択される。
【0055】
−COHの置換基が存在する場合において、−COOH基を、
【0056】
【化8】

【0057】
等のバイオアイソスター(bioisostere)で場合によって置き換えることができるものと理解されるべきである。例えば、The Practice of Medicinal Chemistry、Wermuth,C.G.編、Academic Press、ニューヨーク、1996、203頁を参照されたい。
【0058】
2種の試薬の結合には、結合前に活性化されているべき1種の試薬上に官能基がしばしば必要とされることも理解される。この点において、「活性化」の用語は、従来の活性化試薬の標準的な使用を示す。例えば、カルボキシル基は、カルボキシル活性化剤により活性化される。カルボキシル基置換基を含む試薬は、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィンクロリド(BOPCl)、DEPBT(3−(ジエトキシ−ホスホリルオキシ)−3H−ベンゾ[d][123]トリアジン−4−オン)、BEP(2−ブロモ−1−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート)、HATU(N,N,N',N'−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、TBTU(N,N,N',N'−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムテトラフルオロボレート)およびPyBop(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)等を含むまたは含まない、塩化チオニル、塩化ホスホリル(phosphory chloride)、ジイミダゾールカルボニル、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)またはO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)等の、様々な標準的な活性化剤により活性化され得る。
【0059】
式2の化合物は、配置異性体、幾何異性体および配座異性体を含む様々な異性体の形態で存在することもでき、様々な互変異性の形態、特に水素原子の結合点が異なるもので存在する。本明細書において用いられるとき、「異性体」の用語は、式2の化合物の互変異性の形態を含む、式2の化合物のすべての異性体の形態を包含することが意図される。
【0060】
式2の化合物は、不斉中心を有するので、様々な鏡像異性およびジアステレオマー異性の形態で存在する。化合物は、光学異性体またはジアステレオマーの形態で存在することができる。したがって、本発明は、ラセミ混合物を含む、式2の化合物の光学異性体、ジアステレオマー、およびこれらの混合物の形態の式2の化合物を包含する。
【0061】
本明細書において用いられるとき、別に示されなければ、「立体異性体」の用語は、化合物の他の立体異性体を実質的に含まない、その化合物の1種の立体異性体を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する立体的に純粋な化合物は、この化合物の反対の鏡像異性体を実質的に含まない。2つのキラル中心を有する立体的に純粋な化合物は、この化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。いくつかの実施形態において、立体的に純粋な化合物は、約80重量%を超えるその化合物の1種の立体異性体、および約20重量%未満のその化合物の他の立体異性体、例えば、約90重量%を超えるその化合物の1種の立体異性体、および約10重量%未満のその化合物の他の立体異性体、または約95重量%を超えるその化合物の1種の立体異性体、および約5重量%未満のその化合物の他の立体異性体、または約97重量%を超えるその化合物の1種の立体異性体、および約3重量%未満のその化合物の他の立体異性体を含む。
【0062】
示された構造と、その構造に与えられた名称との間に矛盾がある場合には、示された構造が支配することに注意すべきである。さらに、構造または構造の一部の立体化学が、例えば太線、楔線または点線により示されていない場合において、その構造またはその構造の一部は、そのすべての立体異性体を包含するものと解釈されるべきである。
【0063】
調製方法
本発明は、スキーム1および2において以下に示す、5−置換2−アミノチアゾロンの2つの容易な合成方法を提供する。
【0064】
当業者により容易に認識される通り、本明細書に記載の方法は、式2により表される様々な複素環の合成を可能にする。したがって、ある実施形態において、Xは、硫黄または酸素の原子である。なお別の実施形態において、Xは、アルキルアミンまたは置換もしくは非置換のアリールアミン等の、置換または非置換のアミンである。
【0065】
2−アミノチアゾロンの類似体のC−5の位置の置換基RおよびRの素性は、出発ケトン(1)の選択に依存する。ある実施形態において、RおよびRは、両方とも独立して(C−C)アルキル基である。このような基の例には、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルの基が挙げられる。ある実施形態において、C−5の炭素原子は、メチルおよびイソプロピルの基をもつ。あるいは、本発明は、RおよびRが同じ基である式2の化合物、またはRがアルキルであり、Rが、場合によって置換されているアリール、ヘテロアリール、アルキニル、アルケニル、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル基である化合物の調製も考慮している。
【0066】
式2の化合物は、非置換のまたは置換されたアミン(NR)を用い、式1の化合物からYを置換することにより得られる。したがって、ある実施形態において、Rは水素である一方で、Rは、本明細書において上記に記載のシクロアルキルまたはビシクロアルキルである。したがって、いくつかの実施形態において、Rは、例えばノルボルニル基(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン)等の非置換のビシクロアルカンである。
【0067】
さらなる実施形態において、式1における脱離基Yは、アルキルまたはアリールアミドである。あるいは、脱離基は、アルキルまたはアリールチオールである。
【0068】
なお別の実施形態において、本発明の方法は、分子内置換反応により得られた式4の化合物を与える。したがって、式4におけるAは、硫黄原子、酸素原子、または適切なグアニジンの部分を式5のハロゲン化アシルと反応させることにより得られた置換もしくは非置換のアミンのいずれかである。
【0069】
上述の通り、2−アミノチアゾロンの類似体のC−5の位置の置換基RおよびRの素性は、出発ケトンの選択に依存する。ある実施形態において、例えば、Rはメチルであり、Rはイソプロピル基である。
【0070】
別の実施形態において、式5における脱離基Zは、ハロゲン、酸素エステル、メシレート(mesolate)、トシレートまたはチオエステルである。他の適切な脱離基は、当技術分野において周知であり、本明細書において考慮される。Zがハロゲンである場合において、Zは、塩素、臭素またはヨウ素であることができる。
【0071】
本発明の方法を用いて調製された5−置換−2−アミノチアゾロンは、シアノヒドリンを得るための、適切なケトンの不斉ヒドロシアン化反応を含む。本発明のある態様によれば、金属触媒および適切なキラル配位子が、キラルのシアノヒドリンを調製するために用いられる。いくつかの触媒−配位子の組が当技術分野において周知であるが、ある実施形態において、遷移金属は、+3の形式的な酸化状態を有するアルミニウムである。
【0072】
金属触媒ともに用いるのに適切な配位子には、一座配位および多座配位の配位子が挙げられる。ある実施形態において、配位子が一座配位である場合において、1個を超える一座配位の配位子が、金属に配位するために一般に利用される。
【0073】
当技術分野における通常の定義によれば、「多座配位」は、2個以上の原子により遷移金属またはこのイオンに配位する配位子を指す。したがって、例えば、配位子は、二座配位または三座配位であることができる。別の実施形態において、配位子は二座配位である。代表的な二座配位の配位子は、2個のリン原子により金属またはイオンに配位するホスフィンである。二座配位の配位子の他の例には、例えば、リン、硫黄、窒素および酸素のドナー原子の様々な組が含まれる。なお別の実施形態において、二座配位の配位子は、ブロモフェノールブルーの類似体である。
【0074】
ある実施形態において、触媒の量は、約0.001mol%から約10mol%の範囲であることができる。別の実施形態において、その量は、約0.01mol%から約5mol%の範囲であることができる。なお別の実施形態において、その量は、約0.1mol%から約1.0mol%の範囲であることができる。触媒の代表的な量は、約0.5mol%である。
【0075】
式2および4の化合物は、C5においてキラリティーを示すことの他に、1つまたは複数の他の立体化学的な中心を含有することができ、これにより、ジアステレオマーの存在をもたらす。本発明は、式2および4の化合物のすべてのこのような立体化学異性体の調製を考慮している。
【0076】
必要に応じて、鏡像異性体およびジアステレオマーのさらなる精製および分離を、当技術分野において公知の所定の手順により達成することができる。したがって、例えば、式2および4の化合物の鏡像異性体の分離を、キラルHPLC、および関連するクロマトグラフィー技術の使用により達成することができる。ジアステレオマーを、同様に分離することができる。しかし、いくつかの例において、ジアステレオマーを、例えば制御された沈殿または結晶化等により、物理的に簡単に分離することができる。
【0077】
本発明の方法を、本明細書において前述した通りに行った場合において、当技術分野において通常利用できる温度で都合よく行うことができる。ある実施形態において、この方法は、約25℃から約110℃の範囲内の温度において行われる。別の実施形態において、この温度は、約40℃から約100℃の範囲内である。なお別の実施形態において、この温度は、約50℃から約95℃の範囲内である。
【0078】
上記に概ね記載した通り、この方法は、塩基の存在下において行われる。塩基は、任意の都合のよい有機または無機の化合物であることができる。一般に、塩基は求核性でない。したがって、ある実施形態において、塩基は、炭酸塩、リン酸塩、アルコキシド、およびジシラザン塩から選択される。
【0079】
本発明の方法は、本明細書において前述した通りに行われた場合において、例えば、反応物質の性質および量ならびに反応温度に依存して、数分後から数時間後に実質的に完了することができる。いつ反応が実質的に完了したかの決定を、例えばHPLC,LCMS、TLCおよびH NMR等の、当技術分野において公知な普通の技術により都合よく評価することができる。
【実施例】
【0080】
本発明は、例に開示された具体的な実施形態により、範囲に限定を加えられるべきではなく、それらは、本発明の少しの実施形態の例示であることを意図したものであり、本発明は、本発明の範囲内の機能的に同等な任意の実施形態により限定されるべきではない。実際に、本明細書において示され記載されたものの他の、本発明の様々な変更は、当業者に明白になり、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。この目的のために、1個または複数の水素原子またはメチル基を、このような有機化合物の認められた省略表現と矛盾せずに描かれた構造から省くことができることと、有機化学の当業者は、それらの存在を容易に認識することとに注意すべきである。
【0081】
5−ジ置換−2−アミノチアゾロンの合成のための分子間置換法
本発明の一実施形態において、目的の化合物の合成は、3−メチルブタン−2−オン(1)の不斉ヒドロシアン化を一般に含んで、対応するR−2−ヒドロキシ−3−メチルブタンニトリルが得られる。硫化ナトリウムによる求核置換の前にメシレートを形成することによる、ヒドロキシルの活性化は、C−2において反対(S−)の立体化学を有する、対応する2−メルカプト−2,3−ジメチルブタンニトリルの形成につながる。シアノ基の加水分解の後に、生成カルボン酸(5)をメチルイソチオシアネートと反応させ、生成した付加体を環化することにより、(S)−5−メチル−2−(メチルチオ)チアゾール−4(5H)−オン(6)が得られる。目的の化合物は、(6)をS−アミノノルボルネートと反応させることにより得られる。この反応手順を、以下のスキーム1に例示し、以下の例は、この反応手順において用いられる番号付けしたスキームを指す。
【0082】
【化9】

【0083】
例1.(R)−2,3−ジメチル−2−(トリメチルシリルオキシ)ブタンニトリル(4)の調製
TMSCN(28.8g、0.29mol)およびN,N−ジメチルアニリンオキシド(0.2g、0.0015mol)を、THF(75mL)中に溶解し、生成溶液を、窒素雰囲気下において23℃で1時間撹拌した。3−メチルブタン−2−オン(50.0g、0.58mol)を、シリンジにより添加し、この混合物を、−30℃に冷却した。2−((E)−((1S,2S)−2−((E)−5−ブロモ−2−ヒドロキシベンジリデンアミノ)−1,2−ジフェニルエチルイミノ)メチル)−4−ブロモフェノール(1.67g、0.0029mol)およびトリエチルアルミニウム(0.33g、0.0029mol)を添加し、この反応混合物を24時間撹拌した。この混合物を23℃に温め、濃縮した(30mmHg)。残留物を、減圧下(30mmHg、80℃)で蒸留して、表題の化合物47.2g(88%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.86(七重項,1H,J=4Hz)、1.53(s,3H)、1.04(d,3H,J=4Hz)、1.02(d,3H,J=4Hz)、0.25(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl)δ 121.5、73.4、39.1、26.0、17.1、16.9、1.15;IR(液膜):2969、1375、1254、1160、991、841、755cm−1;正確な質量(C19NOSi+Na):計算値=208.1128、測定値=208.1130。23℃でCDCl中21.0g/Lにおける[α]=+12.19。キラルGC:85.8% ee。
【0084】
例2.(R)−2−シアノ−3−メチルブタン−2−イルメタンスルホネートの調製
(R)−2,3−ジメチル−2−(トリメチルシリルオキシ)ブタンニトリル(11.0g、0.059mol)を、窒素雰囲気下で2−MeTHF(110mL)中に溶解した。水(2.2mL)およびCSA(0.68g、0.00295mol)を添加し、この溶液を3時間撹拌した。この反応混合物を、飽和NaHCO水溶液(100mL)で処理し、相を分離し、水相を2−MeTHF(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を、鹹水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧(約1mmHg)下で濃縮した。
【0085】
残留物を、窒素雰囲気下で2−MeTHF(100mL)中に溶解した。EtN(10.9mL、0.077mol)およびMsCl(5.98mL、0.077mol)を、シリンジにより添加し、反応混合物を2時間撹拌した。この混合物を、飽和NaHCO水溶液(100mL)で処理し、相を分離し、水相を2−MeTHF(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を、鹹水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧下で濃縮した。残留材料のクロマトグラフィー精製(シリカゲル70g、10〜20%EtOAc/ヘキサン)により、表題の化合物10.36g(92%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 3.17(s,3H)、2.24(七重項,1H,J=8Hz)、1.89(s,3H)、1.14(t,6H,J=8Hz);13C NMR(100MHz,CDCl)δ 116.7、82.6、39.7、37.8、23.1、16.7、16.6;IR(液膜):2979、1466、1358、1180、1048、901、805cm−1;正確な質量(C13NOS+Na):計算値=214.0508、測定値=214.0510。23℃でCDCl中12.5g/Lにおける[α]=+14.98。キラルGC:85.44% ee。
【0086】
例3.(S)−2−メルカプト−2,3−ジメチルブタン酸(5)の調製
NaSH水和物(1.2g、0.097mol)を、水(62mL)中に溶解し、この溶液を、窒素雰囲気下で45℃に温めた。この水溶液のpHを、濃HCl水溶液0.31mLを添加することにより、8〜9に調節した。(R)−2−シアノ−3−メチルブタン−2−イルメタンスルホネート(3.1g、0.016mol)をシリンジにより添加し、反応混合物を20時間撹拌した。KOH(62g、1.1mol)を、固体として生成溶液に添加し、この混合物を95℃に温めた。この溶液を、18時間撹拌し、23℃に冷却した。この混合物を、冷却(0℃)した濃HCl水溶液(60mL)に注いだ(生成した水性混合物の内部温度を50℃以下に保った)。この溶液を、IPAC(3×50mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を、鹹水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧下で濃縮した。残留材料のクロマトグラフィー精製(シリカゲル15g、10〜50%EtOAc/ヘキサン)により、(S)−2−メルカプト−2,3−ジメチルブタンアミドを得た。ブタンアミド中間体のキラルGC:80.6%ee。
【0087】
濃HCl水溶液(30mL)を、窒素雰囲気下で85℃に温めた。(S)−2−メルカプト−2,3−ジメチルブタンアミドを、固体として添加し、この混合物を24時間撹拌した。この溶液を23℃に冷却し、IPAC(3×20mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を、鹹水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧下で濃縮した。残留材料のクロマトグラフィー精製(シリカゲル15g、10〜40%EtOAc/ヘキサン)により、表題の化合物1.41g(59%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 2.25(七重項,1H,J=4Hz)、2.22(s,1H)、1.43(s,3H)、1.09(d,3H,J=4Hz)、0.98(d,3H,J=4Hz);13C NMR(100MHz,CDCl)δ 181.5、53.9、36.4、20.2、18.2、17.3;IR(液膜):2968、2877、1693、1404、1276、1110、925cm−1;正確な質量(C12S+Na):計算値=171.0450、測定値=171.0449。23℃でCDCl中26.0g/Lにおける[α]=+3.18。MP=78〜80℃。
【0088】
例4.5S−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルアミノ)−5−イソプロピル−5−メチルチアゾール−4(5H)−オン(7)の調製
(S)−2−メルカプト−2,3−ジメチルブタン酸(1.5g、0.01mol)を、窒素雰囲気下でトルエン(15mL)中に溶解した。活性化した3Aのシーブ(1.5g)とMeSCN(1.1mL、0.015mol)を添加し、生成混合物を110℃に温めた。この混合物を、2時間撹拌し、23℃に冷却した。この混合物を、飽和NaHCO水溶液(20mL)で処理し、相を分離し、水相をEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を、鹹水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧下で濃縮した。残留材料のクロマトグラフィー精製(シリカゲル10g、20〜30%EtOAc/ヘキサン)により、(S)−5−イソプロピル−5−メチル−2−(メチルチオ)チアゾール−4(5H)−オンを得た。この材料を、MeOH(15mL)中に溶解し、(S)−exo−アミノノルボルナン(1.35g、0.015mol、99.3%ee)を窒素雰囲気下で添加した。この溶液を、4時間撹拌し濃縮した。残留材料のクロマトグラフィー精製(シリカゲル10g、10〜40%EtOAc/ヘキサン)により、表題の化合物1.73g(64%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl,90.15/9.85のジアステレオマー混合物,多い方のジアステレオマーについての信号)δ 3.33〜3.40(m,1H)、2.36〜2.45(m,2H)、2.21(七重項,1H,J=8Hz)、1.84〜1.91(m,1H)、1.60〜1.83(m,1H)、1.42〜1.68(m,3H)、1.62(s,3H)、1.13〜1.30(m,4H)、1.05(d,3H,J=8Hz)、0.90(d,3H,J=8Hz);13C NMR(100MHz,CDCl,90.15/9.85のジアステレオマー混合物,多い方のジアステレオマーについての信号)δ 191.1、180.9、70.9、59.5、43.0、38.5、35.9、35.7、35.6、28.2、26.6、25.6、19.0、18.4;IR(液膜):3168、2959、2869、1696、1585、1440、1327、1256、1090、1017、829cm−1;正確な質量(C1422OS+H):計算値=267.1526、測定値=267.1525。キラルLC:90.15/9.85 dr。
【0089】
別の実施形態において、目的の5−置換アミノチアゾロンの合成は、以下のスキーム2に示す通り、3−メチルブタン−2−オン(1)の不斉ヒドロシアン化により達成されて、対応する酸(4)に加水分解されるシアノヒドリンを得る。カルボキシレート基の活性化の後に、生成した塩化アシルをS−exoノルボルニルチオ尿素と反応させ、この付加体を塩基の条件下で分子内環化することにより、生成物として5S−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルアミノ)−5−イソプロピル−5−メチルチアゾール−4(5H)−オンを得た。
【0090】
【化10】

【0091】
例5.(S)−2,3−ジメチル−2−(トリメチルシリルオキシ)ブタンニトリル(b)の調製
TMSCN(28.8g、0.29mol)およびN,N−ジメチルアニリンオキシド(0.2g、0.0015mol)を、THF(75mL)中に溶解し、生成溶液を、窒素雰囲気下において23℃で1時間撹拌した。3−メチルブタン−2−オン(50.0g、0.58mol)を、シリンジにより添加し、この混合物を、−30℃に冷却した。2−((E)−((1R,2R)−2−((E)−5−ブロモ−2−ヒドロキシベンジリデンアミノ)−1,2−ジフェニルエチルイミノ)メチル)−4−ブロモフェノール(1.67g、0.0029mol)およびトリエチルアルミニウム(0.33g、0.0029mol)を添加し、この反応混合物を24時間撹拌した。この混合物を、23℃に温め濃縮した(30mmHg)。残留物を、減圧(30mmHg、80℃)下で蒸留して、表題の化合物45.6g(85%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.86(七重項,1H,J=4Hz)、1.53(s,3H)、1.04(d,3H,J=4Hz)、1.02(d,3H,J=4Hz)、0.25(s,9H);13C NMR(100MHz,CDCl)δ 121.5、73.4、39.1、26.0、17.1、16.9、1.15;IR(液膜):2969、1375、1254、1160、992、841、755cm−1;正確な質量(C19NOSi+Na):計算値=208.1128、測定値=208.1129。23℃でCDCl中17.0g/Lにおける[α]=−12.13。キラルGC:87.28% ee。
【0092】
例6.(S)−2−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブタン酸(c)の調製
濃HCl水溶液(50mL)を、窒素雰囲気下で85℃に温めた。(S)−2,3−ジメチル−2−(トリメチルシリルオキシ)ブタンニトリル(5.0g、0.027mol)を添加し、この混合物を12時間撹拌した。この溶液を、23℃に冷却し、IPAC(3×50mL)を用いて抽出した。合わせた有機層を、鹹水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧下で濃縮した。残留材料のクロマトグラフィー精製(シリカゲル30g、10〜50%EtOAc/ヘキサン)により、表題の化合物1.75g(49%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 2.02(七重項,1H,J=8Hz)、1.44(s,3H)、1.00(d,3H,J=8Hz)、0.93(d,3H,J=8Hz);13C NMR(100MHz,CDCl)δ 182.1、77.1、35.5、23.3、17.2、15.8;IR(液膜):3433、2973、2882、1725、1460、1377、1247、1164、1120、1045、948、855、737cm−1;正確な質量(C12+Na):計算値=155.0678、測定値=155.0679。23℃でCDCl中17.0g/Lにおける[α]=+2.83。キラルGC:87.34% ee(対応するエチルエステルを用いて測定)。MP=47〜49℃。(R)−2−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブタン酸とR−α−メチルベンジルアミンとの塩のX線結晶構造画像を添付する。
【0093】
例7.5S−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルアミノ)−5−イソプロピル−5−メチルチアゾール−4(5H)−オン(d)の調製
(S)−2−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブタン酸(0.3g、0.0023mol)を、窒素雰囲気下で、DMF(1.5mL)および2−MeTHF(4.5mL)中に溶解した。POOMeCl(0.34g、0.0023mol)を、シリンジにより添加し、この溶液を、23℃で2.5時間撹拌した。(S)−exo−ノルボルニルチオ尿素(0.27g、0.0016mol、99.2%ee)を、固体としてその溶液に添加した。iPrEtN(0.84mL、0.0046mol)を、シリンジにより直ちに滴加し、生成混合物を12時間撹拌した。この混合物を、飽和NaHCO水溶液(10mL)で処理し、相を分離し、水相をEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を、鹹水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧下で濃縮した。残留材料のクロマトグラフィー精製(シリカゲル5g、10〜30%EtOAc/ヘキサン)により、表題の化合物0.28g(66%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl,90.8/9.2のジアステレオマー混合物,多い方のジアステレオマーについての信号)δ 3.33〜3.40(m,1H)、2.36〜2.45(m,2H)、2.21(七重項,1H,J=8Hz)、1.84〜1.91(m,1H)、1.60〜1.83(m,1H)、1.42〜1.68(m,3H)、1.62(s,3H)、1.13〜1.30(m,4H)、1.05(d,3H,J=8Hz)、0.90(d,3H,J=8Hz);13C NMR(100MHz,CDCl,90.8/9.2のジアステレオマー混合物,多い方のジアステレオマーについての信号)δ 191.1、180.9、70.9、59.5、43.0、38.5、35.9、35.7、35.6、28.2、26.6、25.6、19.0、18.4;IR(液膜):3168、2957、1696、1587、1440、1327、1256、1090、1017、834cm−1;正確な質量(C1422OS+H):計算値=267.1526、測定値=267.1525。キラルLC:90.8/9.2 dr。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】

の化合物を、式RNHの化合物と反応させることを含み、式中、
Xは、S、OおよびNRからなる群から選択され、
Yは、R’’C(O)NHまたはSR’’であり、
Rは、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ビシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択され、
R’’は、(C−C)アルキル、アリール、(C−C)シクロアルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択され、
およびRは、それぞれに独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アミノアルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)ヘテロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択され、RおよびRは同時に水素でなく、
は、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ビシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択され、
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ビシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択される、式2
【化2】

の化合物、もしくは互変異性体、立体異性体、またはこれらの薬学的に許容される塩の調製方法。
【請求項2】
式3
【化3】

の化合物を、式Y−CNの化合物と反応させることを含み、式中、XおよびYが、請求項1において定義された通りである、式1の化合物の形成をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式3の化合物が、(S)−2−メルカプト−2,3−ジメチルブタン酸であり、式Y−CNの化合物が、メチルイソシアネートである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
およびRが、(C−C)アルキルから独立して選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
式1の化合物が、(S)−5−イソプロピル−5−メチル−2−(メチルチオ)チアゾール−4(5H)−オンである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
がHである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
NHが、(S)−exo−アミノノルボルナンである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
(S)−5−イソプロピル−5−メチル−2−(メチルチオ)チアゾール−4(5H)−オンを、(S)−exo−アミノノルボルナンと反応させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
式2の化合物が、
【化4】

である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
式5
【化5】

の化合物を、式6
【化6】

の化合物と反応させることを含み、式中、
Aは、S、OおよびNRからなる群から選択され
Zは、ハロゲン、ORおよびSRからなる群から選択され、
およびRは、それぞれ独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アミノアルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)ヘテロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択され、RおよびRは同時に水素でなく、
は、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択され、
は、(C−C)アルキル、ペンタフルオロフェニル、ニトロフェニル、ジ−ニトロフェニル、CFフェニル、p−トルエンスルホニルおよびメタンスルホニルからなる群から選択され、
は、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ビシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択され、
は、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルコキシ(C−C)アルキル、(C−C)フルオロアルキル、(C−C)ヒドロキシアルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ビシクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキル(C−C)アルキル、ヘテロアリール(C−C)アルキルおよびアリール(C−C)アルキルからなる群から選択される、式4
【化7】

の化合物、もしくはこの互変異性体、立体異性体、溶媒和物、または薬学的に許容される塩の調製方法。
【請求項11】
AがOである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
およびRが、(C−C)アルキルから独立して選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
がHである、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
式5の化合物が、(S)−2−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブタン酸であり、式6の化合物が、(S)−exo−ノルボルニルチオ尿素である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
式4の化合物が、
【化8】

である、請求項8に記載の方法。

【公表番号】特表2011−529896(P2011−529896A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521236(P2011−521236)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/051929
【国際公開番号】WO2010/014586
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(500203709)アムジェン インコーポレイテッド (76)