説明

美容治療の超音波監視

目下の方法と装置は、治療されている組織の特定のセグメントの温度をリアルタイムで精密に監視するために超音波ビームを採用する。加えて、目下の方法と装置はまた、美容皮膚治療セッションの超音波熱制御を提供する。そのようなセッションは、皮下脂肪細胞破壊、皮下脂肪の量の低減、緩んだ皮膚の引き締め、体表面の引き締めと落ち着かせ、皮膚中の皺の削減およびコラーゲンリモデリングのような1つ以上の美容皮膚組織治療を含んでいても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
方法と装置は、美容身体治療の分野に関し、より特定には皮膚に施された美容治療の精密なリアルタイムの超音波監視のための方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
美容治療デバイスは、光、RF、超音波、エレクトロリポフォレシス、イオントフォレシスおよびマイクロ波とそれらのあらゆる組み合わせの形での組織へのエネルギーの印加からなる温熱療法を含んだ数々の療法を採用した、繊細な皮膚の組織の層への治療を達成するように動作する。
【0003】
当該技術で使用される全ての現在知られている方法は、組織の損傷が起こり得るおよそ50−60℃まで正常より上に被験者の皮膚の温度を上昇させる。従って、治療されている組織の特定のセグメントの温度をリアルタイムで精密に監視し、治療の課程を変更するために取得された情報を使用して被験者の安全を維持することができるようになることが絶対必要である。
【0004】
皮膚温度を連続的に監視するために、それを通してエネルギーが皮膚に印加されるところの電極またはトランスデューサー中に、熱電対またはサーミスターのような好適なセンサーが、一般的に組み込まれる。それらのセンサーは、治療されている組織上の治療の効果を精密に監視するための限られた能力を有する。リアルタイムでのそれらの示度の正確さと、特定の治療エリアでの組織温度についてそれらが提供する情報への信頼度は限られている。
【0005】
温度監視の前述した技術の使用は、例えば、センサーの応答時間が皮膚からセンサーへの熱伝導性やセンサー内部の熱伝導性のような様々なパラメータに依存するので、いくらかの潜在的な皮膚損傷のリスクを未然に除去しない。これは、センサーが皮膚に印加された加熱エネルギーを削減するかまたはカットオフする前に可能な皮膚の損傷に結果としてなり得る。或る程度は、光学的放射、RFエネルギー、および超音波エネルギーのような加熱エネルギーを供給するエネルギーの源についてのカットオフ温度作動限度を低減することによって、このリスクは避けることができる。しかしながら、これは、皮膚に伝送される加熱エネルギーと治療の効能を制限するであろう。
【0006】
組織温度変化を決定するために超音波を採用している現在使われている方法は、超音波エコー反射および超音波偏向に基づいており、減衰と拡散率によって大いに影響されて、それらを大いに不正確にする。
【0007】
従って、RF、レーザーまたはあらゆるその他の形の加熱エネルギーを使った皮膚組織加熱治療中に皮膚組織温度の精密なリアルタイムの監視と制御の必要がある。目下の方法と装置に記載されたような超音波温度測定と熱制御の使用は、そのような必要についての精密で非侵襲的な解決策を提供する。
【発明の概要】
【0008】
目下の方法と装置は、治療されている組織の特定のセグメントの温度をリアルタイムで精密に監視するために超音波ビームを採用する。加えて、目下の方法と装置はまた、美容皮膚治療セッションの超音波熱制御を提供する。そのようなセッションは、皮下脂肪細胞破壊、皮下脂肪の量の低減、緩んだ皮膚の引き締め、体表面の引き締めと落ち着かせ、皮膚中の皺の削減およびコラーゲンリモデリングのような1つ以上の美容皮膚組織治療を含んでいても良い。
【0009】
目下の方法と装置の例示的実施形態に従って、アプリケータは、超音波送信機と受信機を含んだハウジングを含む。送信機と受信機は、1つ以上の空間的構成に配置された1つ以上の圧電素子からなる。送信機は、ブルースターの入射角で組織中にパルスの形の超音波ビームを放出する。皮膚の表面と全体的に平行におよび/または治療された組織の層の間の層間境界に沿って、組織を通して伝わった超音波ビームパルスは、それによりブルースターの入射角で放出され、受信機によって受信される。受信機の圧電素子は、受信したビーム信号を電気的パルスに変換し、それらはそれから装置コントローラに通信される。
【0010】
目下の方法と装置の別の例示的実施形態では、ハウジングは、各々が、ブルースターの入射角で組織中に超音波ビームを放出するように動作する第一の送受信機と、第一の送受信機によって放出され、組織を通してその表面と実質的に平行に伝播され、それによりブルースターの入射角で放出された超音波ビームを受信するように動作する第二の送受信機とからなる、送受信機の1つ以上のペアを含む。
【0011】
目下の方法と装置の更に別の例示的実施形態では、コントローラは、リアルタイムで、それを通してビームが伝わったところの組織中の温度変化を示す、ビームの伝播速度中の変化に関する情報について超音波ビームを分析するように動作する。コントローラはまた、温度変化を、予め決められた治療プロトコルに規定された組織治療温度範囲限度と比較し、それらの規定された範囲限度に照らして変化の危険度を決定するように動作する。危険度は、例えば、特定の治療セッション中に皮膚に印加された治療加熱エネルギーレベルについて上および下の温度限度を設定することによって、決定されても良い。それらの限度は、温度範囲に更に細分化されて、危険度のレベルについてカテゴリー化されても良い。
【0012】
目下の方法と装置のもっと別の例示的実施形態に従って、コントローラはまた、温度変化とその危険度に基づいて1つ以上のアクションを取るように動作する。例えば、コントローラは、危険度の各レベルにおいて取られるべきアクションを規定している治療プロトコルが設けられていても良い。そのようなアクションは、例えば、治療加熱エネルギー印加のレベルを増加するかまたは減少すること、治療加熱エネルギー印加の持続時間を変更するかまたは治療セッションを全て停止すること、変化とその危険度をデータベースに記録すること、情報をディスプレイ上に表示すること、情報をプリントアウト上に印刷することまたはユーザに警告すること、によって治療の課程を変更することを含んでいても良い。
【0013】
目下の方法と装置の更に別の例示的実施形態に従って、コントローラは、新たな決定された組織治療温度を、送信機の圧電素子の発振を励起するように動作するパワー発生器に通信する。
【0014】
目下の方法と装置のもっと別の例示的実施形態に従って、アプリケータはまた、光、RF、超音波、エレクトロリポフォレシス、イオントフォレシスおよびマイクロ波からなるグループの少なくとも1つの形の加熱エネルギーの1つ以上の源を採用する。
【0015】
目下の方法と装置は、皮下脂肪細胞破壊、皮下脂肪の量の低減、緩んだ皮膚の引き締め、体表面の引き締めと落ち着かせ、皮膚中の皺の削減およびコラーゲンリモデリングからなるグループから選択された1つ以上の美容皮膚組織治療中に採用されても良いことが認識されるであろう。
【0016】
本方法と装置は、図面との関係でとられた時に以下の詳細な記載から理解され認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】図1Aは、ブルースターの入射角を採用した、リアルタイムでの治療された皮膚温度の精密な超音波監視のための目下の方法と装置の例示的実施形態の概略図である。
【図1B】図1Bは、ブルースターの入射角を採用した、リアルタイムでの治療された皮膚温度の精密な超音波監視のための目下の方法と装置の例示的実施形態の概略図である。
【図2】図2は、ブルースターの入射角を採用した、リアルタイムでの治療された皮膚温度の超音波監視のための目下の方法と装置の更に別の例示的実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示で使われる「送信機」、「送受信機」および「受信機」という用語は、超音波ビームを放出および/または受信するのに圧電素子を使用するデバイスを意味し、お互いに交換可能に使われ得て、以下に詳細に記載されるように、それらの機能性は装置中のそれらの予め決められた位置とコントローラへの電気的接続によって規定される。
【0019】
「皮膚」および「皮膚組織」という用語は、本開示ではお互いに交換可能に使われ得て、表皮、真皮からなる組織層を意味し、皮脂腺、毛包、毛幹、汗腺等のような真皮構造を含んでいる。
【0020】
ここで図1Aを参照すると、それはブルースターの入射角を採用した、リアルタイムでの治療された皮膚温度の精密な超音波監視のための目下の方法と装置の例示的実施形態の概略図である。図1Aは、美容皮膚治療デバイスアプリケータ100の例示的実施形態の断面図を描いている。アプリケータ100は、各々が1つ以上の圧電素子(図示せず)からなる、超音波送信機102と超音波受信機104を含む。圧電素子は、セラミックス、ポリマーおよび複合物からなるグループから選択された1つ以上の材料から構築されても良い。
【0021】
目下の方法と装置の例示的実施形態によると、送信機と受信機はお互いから予め決められた距離において、治療されている皮膚のエリア106の反対側の境界上に、皮膚の表面に対して予め決められた角度で、配置される。送信機102と受信機104と皮膚の表面の間の角度は、当該技術で既知の音屈折率整合材料で作られた楔110によって維持される。ポリマー(PVDF)、液体、セメント(接着剤)またはゲルのような屈折率整合材料は、それに隣接する媒体、例えば組織層112、の屈折率を忠実に近似する屈折率を有し、その表面における反射を削減するのに使われる。送信機と受信機の間の距離は、治療されるべきエリアにおける組織の厚さに依存する。送信機と受信機の間の距離と皮膚の表面に対してそれらが配置されるところの角度を決定している考慮すべき事柄は、以下に詳細に説明される。
【0022】
圧電素子の物理的電気的性質により、送信機102と受信機104は各々、発生器から受け取った電圧によって励起された時に超音波ビームを放出し、または受信した超音波ビームを信号として増幅されて配送される電圧に変換する、送受信機として機能しても良いことが認識されるであろう。送信機102と受信機104の機能性は、装置100の電気回路構成に依存しても良く、または送信機102から受信機104にまたはそれと逆に送信された超音波ビームの指向性を決定するためにコントローラによって制御されても良い。
【0023】
目下の例示的実施形態では、アプリケータ100は、光、RF、超音波、エレクトロリポフォレシス、イオントフォレシスおよびマイクロ波からなるグループの少なくとも1つの形であり、加熱表面によって組織に配送される、加熱エネルギーの1つ以上の源を採用しても良い。目下の例示的実施形態は、皮膚112および/または皮下脂肪114を加熱するための1つ以上のRF電極加熱表面108を採用する。適切な治療パラメータにおいて、印加されたエネルギーは、皮膚と皮下脂肪を含んだ皮膚106のエリアを加熱する。
【0024】
送信機102と受信機104の素子は、2次元および3次元空間的構成からなるグループから選択された1つ以上の予め決められた構成に配置されても良い。送信機102と受信機104はまた、加熱表面108との関係で複数の予め決められた構成に配置されても良い。例えば、図1Aの美容治療デバイスアプリケータ100の平面図である図1AのビューAは、熱配送表面108に垂直で、治療されるべき組織セグメントの反対側の境界上に配置された送信機102と受信機104を描いている。目下の方法と装置の別の例示的実施形態では、送信機102、受信機104および熱配送表面108は、2つの加熱表面108の間にある送信機102および/または受信機104のように同じ平面上に配置されても良い。
【0025】
ここで図1Bを参照すると、それはブルースターの入射角を採用した、リアルタイムでの治療された皮膚温度の精密な超音波監視のための目下の方法と装置の別の例示的実施形態の概略断面である。
【0026】
送信機102と受信機104は、熱配送表面108から配送されたエネルギーによって治療されている皮膚組織112のエリア106の反対側の境界上でお互いから予め決められた距離(L)において配置されている。
【0027】
送信機102は、放出されたビームの一部分が、ここではギリシャ文字(α)で示されたブルースターの入射角で皮膚組織112上に突き当たるように、一般的にパルス形の超音波ビームを、治療されるべき皮膚112の表面に対して角度をつけて放出するように動作する。ブルースターの入射角(α)で組織中に導入された超音波ビームは、2つの異なる音屈折率を有する2つの媒体の間の境界に全体的に沿って伝播するという原理に照らして、送信機102によって放出されたビームは、治療されたエリア106を通って距離(Lst)に沿った、皮膚組織112の表面に全体的に平行である伝播経路(I)に追従する。皮膚組織112は、受信機104によって受信されるべき超音波ビームをブルースターの入射角で放出する。受信機104は、受信した超音波ビームを、コントローラ(図示せず)に通信される信号に変換する。
【0028】
身体内部での波動伝播中に、身体組織を通して伝播しているビームは、全ての方向に振動するように全ての粒子を励起する。受信機104は、従って、そこからあらゆる距離において、送信機102によって放出されたビームの殆どを受信するように動作し、受信されたビームの信号値は送信機−受信機距離に依存する。
【0029】
送信機102によって組織層112、114、116および118中に放出されたビームは、複数の入射角で組織112の表面上に突き当たる。
【0030】
最速のビーム、即ち受信機104によって最初に受信されるものは、最速の送信機102−受信機104距離に沿って伝わったビームである。受信機104によって受信される最初のビーム、即ち最速の送信機102−受信機104距離に沿って伝わったものは、ブルースターの入射角で組織層112の表面上に突き当たり、組織112の表面に沿ってそれと平行に伝わったものである。
【0031】
目下の方法と装置の別の例示的実施形態によると、コントローラは、超音波ビーム信号から、それを通してビームが伝播したところの組織エリア106中の温度変化を示す、ビームの伝播速度中の変化に関する情報を取得するように動作する。コントローラはそれから、変化を予め決められた治療プロトコルと比較して、変化の危険度を決定しても良く、変化と危険度に基づいて1つ以上のアクションを取ることに結果としてなる。そのようなアクションは、例えば、以下の1つ以上であっても良い:変化と危険度に関係する情報をデータベースに記録すること、情報をディスプレイ上に表示すること、変化と危険度を遠隔ユーザに通信すること、情報をプリントアウトに印刷すること、それらの危険度に基づいて変化についてユーザに警告すること、危険度に基づいて治療の課程を変更すること。コントローラはまた、送信機102と受信機104中の各素子を個別に制御して、超音波ビームパルス配送のシーケンスを決定するように動作する。
【0032】
目下の方法と装置の更に別の例示的実施形態によると、送信機102によって放出されたビームの一部分は、皮膚組織112の層(L112)を貫通し、様々な組織層の間の音屈折率の違いのために組織層境界において屈折される。例えば、伝播経路(II)に沿って伝わるビームは、送信機102によって組織層112中に放出され、隣接する組織層112(皮膚)と114(L114、脂肪)の間の境界によって屈折され、組織層114(脂肪)と116(L116、筋肉)の間の境界においてもう一度屈折され、ブルースターの入射角(α)で、ここでは層116(筋肉)と118(骨)の間の境界である、より深い組織層境界上に突き当たる。この場合には、ビームはそれから、その端においてそれがブルースターの入射角で偏向され、皮膚112の表面に向けて伝播経路に沿ってもう一度屈折され、それにより放出されるところの距離(L)に沿って伝播経路(II)に追従して、深い組織層116と118の境界に沿って伝播しても良い。
【0033】
依然として図1Bを参照し、目下の方法と装置の別の例示的実施形態に従って、受信機104によって受信されコントローラに通信される超音波ビーム信号に基づいた、治療された皮膚エリア106の温度の決定は、以下のように求められても良い。
【0034】
様々な身体組織を通した音波伝播の速度は、良く資料化されており、また経験的に達成されても良い。組織を通した音ビームの伝播速度は温度依存性であり、組織温度のあらゆる増加または減少によって変更されることも良く資料化されている。正常な体温における組織中の音速の近似値は以下の通りである。
【0035】
皮膚: 速度(V)〜1700−1800メートル毎秒(m/s)
脂肪: V〜1460m/s
筋肉: V〜1580m/s
骨: V≧3000m/s
柔らかい組織: Vst〜1540m/s(平均)
ローマ数字(I)によって示された経路に沿った超音波ビームパルスの伝播時間は、以下の式を採用することによって計算されても良い。
【数1】

【0036】
ここで(τ)は送信機102による超音波ビームパルス放出から受信機104によるパルスの受信までの時間、Lは送信機102と受信機104の間の距離、(V)は経路(I)に沿ったビームの速度である。
【0037】
治療された組織の温度の変化は、ここに上で取り上げられたような加熱されていない様々な身体組織中の既知の音ビーム伝播速度と、経験的に受け取られ記録された様々な組織温度における音ビーム伝播速度値との比較によってリアルタイムで決定されても良い。
【0038】
ローマ数字(II)によって示された経路に沿った超音波ビームの伝播時間は、以下の式を採用することによって計算されても良い。
【数2】

【0039】
ここで(τ)は送信機102によるパルスの放出から受信機104によるパルスの受信までの時間、(Lst)は柔らかい組織の層を通したビーム伝播の距離(Lst=L112+L114+L116)、(L)は骨表面層に沿ったビーム伝播の距離、(L)は送信機102と受信機104の間の距離、(h)は骨表面層118と皮膚層112の間の境界から測定された組織層の厚さ、(Vst)は柔らかい組織を通したビーム伝播の速度、(V)は骨118中の速度、(α)はブルースターの角度であり、ここで
【数3】

【0040】
である。
【0041】
経路(II)に沿って伝わる音ビームの伝播の時間(τ)は、皮膚組織112の表面と筋肉116−骨118境界の間の治療されたエリア106中の組織層の厚さに依存することが、上の表現から認識されるであろう。骨に沿った音伝播速度(V>3000m/s)は、柔らかい組織内での音の伝播速度の2倍より大きく、よって組織の厚さ(h)がLと比較して小さい場合には、経路(II)に沿って伝わり速度(Vb)で距離Lを伝わる音ビームは、経路(I)に沿って伝わりはるかにより遅い速度(V)で距離Lを伝わる音ビームより前かまたはそれと同時に、受信機104によって受信されても良い。これは、経路(II)に沿って伝わる音ビームが、経路(I)に沿って伝わる音ビームから受信された信号をマスクすることに結果としてなり得る。これは、経路(I)に沿って伝わる音ビームが経路(II)に沿って伝わる音ビームより前に受信されること、または(τ)<(τ)という条件を課す。これは、以下の表現を使うことによって達成されても良い。
【数4】

【0042】
従って、
【数5】

【0043】
であり、送信機102と受信機104の間の距離(L)は、厚さ(h)に従って決定されても良い。
【0044】
ここで図2を参照すると、それは加熱エネルギー配送表面208がRFマトリクスであり、対向する超音波送信機202と超音波受信機204によって規定されている、美容皮膚治療デバイスアプリケータ200の別の例示的実施形態の断面図である。ビューAは、図2の美容治療デバイスアプリケータ200の平面図である。
【0045】
本方法と装置は、ここで上に特に示されて記載されたものに限定はされないことが当業者によって認識されるであろう。寧ろ、発明の範囲は、ここで上に記載された様々な特徴のコンビネーションおよびサブコンビネーションの両方と、従来技術にはなく前述した記載を読んだ当業者に起こるであろうそれらの変更および変形を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の組織に施された美容治療のリアルタイムで精密な超音波監視のための装置であって、
予め決められた入射角で前記組織中に超音波ビームを放出するように動作する送信機と、前記送信機から予め決められた距離に位置し、前記送信機によって放出され、前記組織を通してその表面と実質的に平行に伝播され、それにより放出された超音波ビームを受信するように動作する受信機、を含むハウジングと、
前記受信された超音波ビームから、前記組織を通した前記ビームの伝播速度中の変化に関する情報を取得し、前記組織上の少なくとも1つの治療効果中の変化を決定するために前記情報を分析するように動作するコントローラと、
を含む装置。
【請求項2】
前記入射角は、ブルースターの入射角である、請求項1による装置。
【請求項3】
前記治療効果は組織温度である、請求項1による装置。
【請求項4】
前記組織は身体の組織の層であり、前記受信機はまた、前記層の間の層間境界に全体的に沿って伝播され、それにより放出された送信超音波ビームを受信するようにも動作する、請求項1による装置。
【請求項5】
前記受信機はまた、前記入射角で前記組織によって放出された超音波ビームを受信するようにも動作する、請求項1による装置。
【請求項6】
前記送信機と受信機の各々はまた、セラミックス、ポリマーおよび複合物からなるグループから選択された少なくとも1つの圧電材料から構築された少なくとも1つの圧電素子を含む、請求項1による装置。
【請求項7】
前記送信機と受信機の各々はまた、2次元および3次元空間的構成からなるグループから選択された少なくとも1つの予め決められた構成に配置された少なくとも2つの圧電素子を含む、請求項1による装置。
【請求項8】
前記素子は、セラミックス、ポリマーおよび複合物からなるグループから選択された少なくとも1つの圧電材料から構築されている、請求項7による装置。
【請求項9】
前記コントローラはまた、前記素子の各々を個別に制御するようにも動作する、請求項7による装置。
【請求項10】
前記予め決められた距離は、前記送信機と前記受信機の間に位置するエリア中の前記組織の厚さに依存する、請求項1による装置。
【請求項11】
前記予め決められた距離は調節可能である、請求項1による装置。
【請求項12】
前記コントローラはまた、前記送信機と前記受信機の間に位置するエリア中の前記組織の厚さに依存して、前記素子の各々を個別に制御するようにも動作する、請求項7による装置。
【請求項13】
前記送信機はまた、予め決められたシーケンスで少なくとも2つの超音波ビームを放出するようにも動作する、請求項1による装置。
【請求項14】
前記装置はまた、前記送信機の発振を励起し、超音波ビームの放出を果たすように動作する少なくとも1つの発生器を含む、請求項1による装置。
【請求項15】
前記ビームは超音波パルスビームである、請求項1による装置。
【請求項16】
前記装置はまた、前記受信機によって受信された信号を増幅するように動作する少なくとも1つの増幅器を含む、請求項1による装置。
【請求項17】
前記コントローラはまた、リアルタイムで、前記変化を予め決められた治療プロトコルと比較し、その危険度を決定し、前記変化と危険度に基づいて少なくとも1つのアクションを取るようにも動作する、請求項1による装置。
【請求項18】
前記アクションは、前記変化と危険度に関係する情報をデータベースに記録することと、前記情報をディスプレイ上に表示することと、前記変化と危険度を遠隔ユーザに通信することと、前記情報をプリントアウトに印刷することと、前記危険度に基づいて前記変化についてユーザに警告することと、前記危険度に基づいて治療の課程を変更すること、の少なくとも1つを含む、請求項17による装置。
【請求項19】
前記治療は、皮下脂肪細胞破壊、皮下脂肪の量の低減、緩んだ皮膚の引き締め、体表面の引き締めと落ち着かせ、皮膚中の皺の削減およびコラーゲンリモデリングからなるグループから選択された少なくとも1つの美容皮膚組織治療を含む、請求項1による装置。
【請求項20】
身体の組織に施された美容治療のリアルタイムで精密な超音波監視のための装置であって、
ブルースターの入射角で前記組織中に超音波ビームを放出するように動作する送信機と、前記送信機から予め決められた距離に位置し、前記送信機によって放出され、前記組織を通してその表面と実質的に平行に伝播され、それにより放出された超音波ビームを受信するように動作する受信機、を含むハウジングと、
前記受信された超音波ビームから、前記組織を通した前記ビームの伝播速度中の変化に関する情報を取得し、前記組織上の少なくとも1つの治療効果中の変化を決定するために前記情報を分析するように動作するコントローラと、
を含む装置。
【請求項21】
身体の組織の層に施された美容治療のリアルタイムで精密な超音波監視のための装置であって、
ブルースターの入射角で前記層中に超音波ビームを放出するように動作する送信機と、前記送信機から予め決められた距離に位置し、前記送信機によって放出され、前記層の間の層間境界に全体的に沿って伝播され、それにより放出された超音波ビームを受信するように動作する受信機、を含むハウジングと、
前記受信された超音波ビームから、前記組織を通した前記ビームの伝播速度中の変化に関する情報を取得し、前記組織上の少なくとも1つの治療効果中の変化を決定するために前記情報を分析するように動作するコントローラと、
を含む装置。
【請求項22】
前記装置はまた、加熱エネルギーの源によって供給された少なくとも1つの加熱エネルギー配送表面を含む、請求項1による装置。
【請求項23】
前記加熱エネルギーは、光、RF、超音波、エレクトロリポフォレシス、イオントフォレシスおよびマイクロ波からなるグループの少なくとも1つの形である、請求項22による装置。
【請求項24】
前記送信機と受信機は各々また、前記加熱エネルギー配送表面に全体的に垂直に配置された少なくとも1つの圧電素子を含む、請求項22による装置。
【請求項25】
前記送信機と受信機は各々また、前記加熱エネルギー配送表面と共に一平面上に配置された少なくとも1つの圧電素子を含む、請求項22による装置。
【請求項26】
前記エネルギー配送表面はRFマトリクスであり、前記送信機と受信機はそれぞれ前記RFマトリクスの反対側の端部に配置される、請求項22による装置。
【請求項27】
前記組織はまた骨を含む、請求項1から26のいずれかによる装置。
【請求項28】
身体の組織に施された美容治療のリアルタイムで精密な超音波監視のための装置であって、
各々が、予め決められた入射角で前記組織中に超音波ビームを放出するように動作する第一の送受信機と、前記第一の送受信機によって放出され、前記組織を通してその表面と実質的に平行に伝播され、それにより放出された超音波ビームを受信するように動作する第二の送受信機と、からなる送受信機の少なくとも1つのペア、を含むハウジングと、
前記受信された超音波ビームから、前記組織を通した前記ビームの伝播速度中の変化に関する情報を取得し、前記組織上の少なくとも1つの治療効果中の変化を決定するために前記情報を分析するように動作するコントローラと、
を含む装置。
【請求項29】
前記第二の送受信機は、予め決められた入射角で前記組織中に超音波ビームを放出するようにも動作し、
前記第一の送受信機は、前記第二の送受信機によって放出され、前記組織を通してその表面と実質的に平行に伝播され、それにより放出された超音波ビームを受信するようにも動作する、
請求項28による装置。
【請求項30】
身体の組織に施された美容治療のリアルタイムで精密な超音波監視のための方法であって、
予め決められた入射角で治療されている組織中に超音波ビームを放出することと、
前記組織を通してその表面と実質的に平行に伝播され、それにより放出された送信超音波ビームを受信することと、
前記受信された超音波ビームから、前記組織を通した前記ビームの伝播速度中の変化に関する情報を取得することと、
前記組織上の少なくとも1つの治療効果中の変化を決定するために前記情報を分析することと、
を含む方法。
【請求項31】
前記入射角は、ブルースターの入射角である、請求項30による方法。
【請求項32】
前記入射角で前記組織によって放出された超音波ビームを受信することも含む、請求項30による方法。
【請求項33】
予め決められたシーケンスで少なくとも2つの超音波ビームを送信することも含む、請求項30による方法。
【請求項34】
前記ビームは超音波パルスビームである、請求項30による方法。
【請求項35】
前記受信された超音波ビームの信号を増幅することも含む、請求項30による方法。
【請求項36】
リアルタイムで、前記変化を予め決められた治療プロトコルと比較し、その危険度を決定することと、前記変化と危険度に基づいて少なくとも1つのアクションを取ることとも含む、請求項30による方法。
【請求項37】
前記アクションは、前記変化と危険度に関係する情報をデータベースに記録することと、前記変化と危険度を遠隔ユーザに通信することと、前記情報をディスプレイ上に表示することと、前記情報をプリントアウトに印刷することと、前記危険度に基づいて前記変化についてユーザに警告することと、前記危険度に基づいて治療の課程を変更すること、の少なくとも1つを含む、請求項36による方法。
【請求項38】
前記美容治療はまた、皮下脂肪細胞を破壊すること、皮下脂肪の量を低減すること、緩んだ皮膚を引き締めること、体表面の引き締めて落ち着かせること、皮膚中の皺を削減することおよびコラーゲンをリモデリングすることを含む、請求項30による方法。
【請求項39】
身体の組織の層に施された美容治療のリアルタイムで精密な超音波監視のための方法であって、
ブルースターの入射角で前記組織中に超音波ビームを放出することと、
前記層の間の層間境界に全体的に沿って伝播され、それにより放出された超音波ビームを受信することと、
前記受信された超音波ビームから、前記組織を通した前記ビームの伝播速度中の変化に関する情報を取得することと、
前記組織上の少なくとも1つの治療効果中の変化を決定するために前記情報を分析することと、
を含む方法。
【請求項40】
前記治療効果中の前記変化に基づいて治療の課程を変更することも含む、請求項30による方法。
【請求項41】
前記組織に加熱エネルギーを印加することも含む、請求項30による方法。
【請求項42】
前記加熱エネルギーは、光、RF、超音波、エレクトロリポフォレシス、イオントフォレシスおよびマイクロ波からなるグループの少なくとも1つの形である、請求項41による方法。
【請求項43】
前記送信された超音波ビームの方向と全体的に垂直な方向に前記加熱エネルギーを印加することも含む、請求項41による方法。
【請求項44】
前記送信された超音波ビームの方向と全体的に平行な方向に前記加熱エネルギーを印加することも含む、請求項41による方法。
【請求項45】
前記組織はまた骨を含む、請求項30から44のいずれかによる方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−506527(P2013−506527A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532712(P2012−532712)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000751
【国際公開番号】WO2011/042894
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(504359488)シネロン メディカル リミテッド (25)
【Fターム(参考)】