美容用のパックシート
【課題】顔と顎下や首周りなどを一度にまとめてパックでき、あるいは顔や顔周りの必要な部分のみをパックすることができ、したがって、パックシートを使用者の意図に従って無駄なく使い分けることができる美容用のパックシートを提供する。
【解決手段】左右対称の左シート3Lおよび右シート3Rを接合して、本体部1を立体状に形成する。本体部1の耳側周縁に耳掛け片2を設ける。本体部1には目穴4と鼻穴5と口穴6とを開口する。本体部1は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部11と、口周りから頬にわたる肌面を覆う下側覆部12と、首周りの肌面を覆う首覆部13を備えている。鼻穴5の両端から本体部1の耳側周縁にわたって、上側覆部11と下側覆部12とを区分する破断線14を形成する。さらに、下側覆部12と首覆部13を区分する破断線15を、本体部1を左右に横断する状態で形成する。
【解決手段】左右対称の左シート3Lおよび右シート3Rを接合して、本体部1を立体状に形成する。本体部1の耳側周縁に耳掛け片2を設ける。本体部1には目穴4と鼻穴5と口穴6とを開口する。本体部1は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部11と、口周りから頬にわたる肌面を覆う下側覆部12と、首周りの肌面を覆う首覆部13を備えている。鼻穴5の両端から本体部1の耳側周縁にわたって、上側覆部11と下側覆部12とを区分する破断線14を形成する。さらに、下側覆部12と首覆部13を区分する破断線15を、本体部1を左右に横断する状態で形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔の一部または全体を覆って肌面に美容液を浸透させるのに好適なパックシートに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のパックシートとして、平面的なパックシートが多用されており、そこでは扁平円形のシート本体に目、鼻、口に対応する穴や切り込みを形成している(特許文献1)。シート本体は不織布を素材にして形成してあり、小さく折り畳んだ状態で化粧液を含ませたのち、小袋に収容して個別包装される。特許文献1のパックシートは顔全体を覆うものであるが、額および目の周りを部分的に覆い、あるいは口の周辺から頬の周りを部分的に覆うパックシートも提案されている(特許文献2)。
【0003】
本発明のパックシートは立体状に構成するが、この種のパックシートは特許文献3に開示されている。そこでは、右顔面に対応する右シート材と、左顔面に対応する左シート材とでパックシートを構成している。左右のシート材は、鼻梁を通る顔面中央線を対称軸にして線対称に形成してあり、上下に重ねた両シート材の鼻梁側の周縁を縫着して立体化してある。左右のシート材には、それぞれ着用ベルトが一体に設けてあり、各ベルトの端部には面ファスナーが取り付けてある。このパックシートによれば、顔全体と、顎下、および首周りまで同時に覆ってパックすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−340847号公報(段落番号0025、図2)
【特許文献2】特開2003−000341号公報(段落番号0009、図1)
【特許文献3】特開2007−330329号公報(段落番号0025〜0028、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のパックシートは、シート本体に目、鼻、口に対応する穴や切り込みを形成するだけでよく、構造が簡単でコストが安くて済む利点がある。しかし、パックシートを平面状に形成するので、使用状態においてパックシートの全体を顔面に密着させるのが難しく、さらに、パックシートが乾くのに伴なってシート周縁が肌面から浮き離れやすい。
特許文献2のパックシートは、額および目の周りや、口の周辺から頬の周りなど必要な部分のみをパックできるので、パックシートの無駄がなく1回あたりのパック費用を節約できる。また、パックシートの面積が小さいのでシート全体を肌面に付着させやすいが、パックシートが乾くのに伴なってシート周縁が肌面から浮き離れやすい。さらに、顔と顎下や首周りなどを一度にパックしたい場合には、何枚ものパックシートをパックしたい部分に付着させる必要があり、その手間が煩わしい。
【0006】
その点、特許文献3のパックシートは、左右のシート材を縫着して立体化してあるので、パックシートを顔の肌面に沿って付着させやすい。さらに、左右のシート材に設けた着用ベルトでパックシートの装着状態を保持するので、シート面やシート周縁が肌面から浮き離れるのを良く防止できる。また、特許文献1・2のパックシートに比べて、顔面以外に顎下や首周りなども一度にパックできる。しかし、特許文献2のパックシートのように、額および目の周りや、口の周辺から頬の周りなど必要な部分のみをパックしたい場合であっても、パックシートで顔面全体を覆う必要があり、1回あたりのパック費用が高く付く。
【0007】
本発明の目的は、顔全体を一度にパックでき、あるいは顔と顎下や首周りなどを一度にパックでき、あるいは顔の必要な部分や首周りなどを部分的にパックすることができ、したがって、パックシートを使用者の意図に従って無駄なく使い分けることができる美容用のパックシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る美容用のパックシートは、不織布を素材にして、顔面全体を覆う立体状に形成される本体部1を備えている。本体部1には目穴4と鼻穴5と口穴6とが開口してある。本体部1は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部11と、口周りから頬にわたる肌面を覆う下側覆部12とを含む。鼻穴5の両端から本体部1の耳側周縁にわたって、上側覆部11と下側覆部12とを区分する破断線14が形成してあることを特徴とする。本体部1は、図1に示すように左右シート3L・3Rを接合して立体形状に形成することができ、あるいは不織布シートを立体成型して立体形状に形成することができる。
【0009】
本体部1は、顔を側面から見るときの顔面輪郭線に対応して左右対称に形成される左シート3Lと右シート3Rとで構成する。左シート3Lと右シート3Rとは鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合して、本体部1を立体状に形成する。
【0010】
本体部1の下側覆部12に連続して、首周りの肌面を覆う首覆部13を設ける。下側覆部12と首覆部13を区分する破断線15を、本体部1を左右に横断する状態で形成する。
【0011】
鼻の外面を覆う小鼻シート部16を鼻穴5の上側に設け、鼻と唇との間の肌面を覆う上顎シート部17を鼻穴5の下側に設ける。小鼻シート部16における接合縁7の頂部と、上顎シート部17における接合縁7との間に、鼻高さに相当する段差Hを設ける(図2参照)。
【0012】
下側覆部12の左右の耳側周縁のそれぞれに耳掛け片2を設ける。耳掛け片2は不織布、あるいは伸縮性を備えた不織布で形成することができる。
【0013】
小鼻シート部16に、小鼻シート部16の立体形状を保持する保形片18を設ける。
破断線14・15は、本体部1に列状に通設した一群の断続溝22でミシン目状に形成する。
【0014】
左シート3Lおよび右シート3Rを形成する不織布は、セルロース繊維と熱溶着性繊維を交絡して形成する。不織布における熱溶着性繊維の混合率は70〜20%とする。
【0015】
本発明に係る別の美容用のパックシートは、不織布を素材にして、顔面全体を覆う立体状に形成される本体部1と、本体部1の耳側周縁に設けられるヘッドバンド2Aとを備えている。本体部1には目穴4と鼻穴5と口穴6とを開口する。本体部1は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部11と、口周りから頬にわたる肌面を覆う下側覆部12とを含む。鼻穴5の両端から本体部1の耳側周縁にわたって、上側覆部11と下側覆部12とを区分する破断線14が形成してあることを特徴とする。本体部1は、図1に示すように左右シート3L・3Rを接合して立体形状に形成することができ、あるいは不織布シートを立体成型して立体形状に形成することができる。
【0016】
本体部1は、顔を側面から見るときの顔面輪郭線に対応して左右対称に形成される左シート3Lと右シート3Rとで構成する。左シート3Lと右シート3Rとは鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合して、本体部1を立体状に形成する。
【0017】
本体部1の下側覆部12に連続して、顎下および首周りの肌面を覆う首覆部13を設ける。本体部1の耳側周縁の下部に、左右シート3L・3Rの接合縁7へ向かって切り込まれる切欠8を形成する。切欠8の間に下側覆部12と首覆部13とを区分する破断線15を形成する。
【0018】
鼻の外面を覆う小鼻シート部16を鼻穴5の上側に設け、鼻と唇との間の肌面を覆う上顎シート部17を鼻穴5の下側に設ける。小鼻シート部16における接合縁7の頂部と、上顎シート部17における接合縁7との間に、鼻高さに相当する段差Hを設ける(図11参照)。
【0019】
下側覆部12の左右の耳側周縁のそれぞれにヘッドバンド2Aを設ける。ヘッドバンド2Aの遊端のそれぞれに雌雄一対の面ファスナー21を固定する。
【0020】
小鼻シート部16に、小鼻シート部16の立体形状を保持する保形片18を設ける。
破断線14・15は、本体部1に列状に通設した一群の断続溝22でミシン目状に形成する。
【0021】
左シート3Lおよび右シート3Rを形成する不織布がセルロース繊維と熱溶着性繊維を交絡して形成する。不織布における熱溶着性繊維の混合率を70〜20%とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明においては、パックシートの本体部1を立体状に形成し、本体部1に形成した鼻穴5の両端から耳側周縁にわたって、上側覆部11と下側覆部12とを区分する破断線14を形成した。このように立体化したパックシートによれば、従来の平面的なパックシートに比べて、シート面を顔の肌面に沿って密着させて、顔面全体を一度にまとめてパックできる。また、破断線14に沿って本体部1を切断することにより、上側覆部11あるいは下側覆部12を個別に使用して、顔面の必要な部分のみをパックすることができ、パックシートを使用者の意図に従って無駄なく使い分けることができる。さらに、破断線14に沿って本体部1を切断するだけで、パックしたい個所の部分形状に適合した上側覆部11と下側覆部12とを得ることができ、程よい大きさと形状の上側覆部11と下側覆部12を肌面に密着させて、好適にパックできる。
【0023】
顔面輪郭線に対応して左右対称に形成した左右シート3L・3Rを、鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合して本体部1を立体状に形成すると、本体部1を立体成型する場合に比べて製造に要する手間とコストを削減できる。また、左右シート3L・3Rを接合して立体化した本体部1は、全体を小さく折り畳むことができるので、保管時あるいは販売時に嵩張ることがない。
【0024】
下側覆部12に連続して首周りの肌面を覆う首覆部13を設けると、顔面はもちろん、顔面以外の顎下や首周りなども一度にまとめてパックできる。また、パックシートを破断線14・15に沿って切断することにより、上側覆部11、下側覆部12、首覆部13のいずれかひとつ、またはふたつを本体部1から分離して使用することができる。したがって、使用者は、顔全体、顔の必要な部分、および顔周りのパックしたい個所に応じて、パックシートを切断して無駄なく使い分けることができる。さらに、顔面の必要な部分のみを部分的にパックする場合には、パックシートの消費量を減らして1回あたりのパック費用を節約することができる。
【0025】
鼻穴5の上下に小鼻シート部16と上顎シート部17を設け、これらシート部16・17の間に鼻高さに相当する段差Hを設けると、パックシートを使用する際に小鼻シート部16を鼻の外面に密着させながら、上顎シート部17を鼻と唇との間の肌面に密着できる。したがって、顔全体をパックシートでパックする状態において、鼻周りでシート面が浮き離れるのを解消して、顔全体を同時に好適にパックできる。
【0026】
下側覆部12の耳側周縁に耳掛け片2を設けると、使用状態において耳掛け片2で耳側周縁を引っ張ってパックシートの装着状態を保持できる。したがって、パックシートの全体を肌面に密着でき、さらに、乾燥に伴なってシート周縁が肌面から浮き離れるのを良く防止できる。
【0027】
小鼻シート部16に保形片18を設けると、パックシートの使用時に、鼻翼と頬の肌面の変化に沿って保形片18を折り曲げることにより、保形片18で小鼻シート部16の立体形状を保持して鼻翼に密着できる。また、塑性変形した保形片18で小鼻シート部16の浮き上がりを防止して、小鼻シート部16を最後まで鼻翼に密着させ続けることができる。
【0028】
破断線14・15を、本体部1に列状に通設した一群の断続溝22でミシン目状に形成すると、断続溝22に沿って破断線14・15を切断するだけで、パックしたい個所の部分形状に適合した上側覆部11、下側覆部12、首覆部13を的確に切り分けることができる。また、隣接する断続溝22の橋絡部分を切断すればよいので、各シート部分を手早く切断できる。
【0029】
左右シート3L・3Rを形成する不織布を、セルロース繊維と熱溶着性繊維を交絡して形成し、その際の熱溶着性繊維の混合率を70〜20%とするのは、以下の理由による。熱溶着性繊維の混合率が70%を越えると、不織布の吸水性が低下して化粧液を含浸しづらくなるからである。また、熱溶着性繊維の混合率が20%未満であると、左右シート3L・3Rの溶着が困難になるからである。より好ましくは、熱溶着性繊維の混合率を70〜30%とする。
【0030】
本発明の別のパックシートにおいては、パックシートの本体部1を立体状に形成し、本体部1に形成した鼻穴5の両端から耳側周縁にわたって、上側覆部11と下側覆部12とを区分する破断線14を形成した。このように立体化したパックシートによれば、従来の平面的なパックシートに比べて、シート面を顔の肌面に沿って密着させて、顔面全体を一度にまとめてパックできる。また、破断線14に沿って本体部1を切断することにより、上側覆部11あるいは下側覆部12を個別に使用して、顔面の必要な部分のみをパックすることができ、パックシートを使用者の意図に従って無駄なく使い分けることができる。さらに、破断線14に沿って本体部1を切断するだけで、パックしたい個所の部分形状に適合した上側覆部11と下側覆部12とを得ることができ、無駄のない形状の上側覆部11と下側覆部12を肌面に密着させて好適にパックできる。
【0031】
顔面輪郭線に対応して左右対称に形成した左右シート3L・3Rを、鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合して本体部1を立体状に形成すると、本体部1を立体成型する場合に比べて製造に要する手間とコストを削減できる。また、左右シート3L・3Rを接合して立体化した本体部1は、全体を小さく折り畳むことができるので、保管時あるいは販売時に嵩張ることがない。
【0032】
下側覆部12に連続して顎下および首周りの肌面を覆う首覆部13を設けると、顔面はもちろん、顔面以外の顎下や首周りなども一度にまとめてパックできる。また、パックシートを破断線14・15に沿って切断することにより、上側覆部11、下側覆部12、首覆部13のいずれかひとつ、またはふたつを本体部1から分離して使用することができる。したがって、使用者は、顔全体、顔の必要な部分、および顔周りのパックしたい個所に応じて、パックシートを切断して無駄なく使い分けることができる。さらに、顔面の必要な部分のみを部分的にパックする場合には、パックシートの消費量を減らして1回あたりのパック費用を節約することができる。本体部1の耳側周縁に形成した切欠8の間に破断線15を形成するので、破断線15の全長を切欠8の分だけ短くして、より少ない手間で首覆部13を切り離すことができる。
【0033】
鼻穴5の上下に小鼻シート部16と上顎シート部17を設け、これらシート部16・17の間に鼻高さに相当する段差Hを設けると、パックシートを使用する際に小鼻シート部16を鼻の外面に密着させながら、上顎シート部17を鼻と唇との間の肌面に密着できる。したがって、顔全体をパックシートでパックする状態において、鼻周りでシート面が浮き離れるのを解消して、顔全体を同時に好適にパックできる。
【0034】
下側覆部12の左右の耳側周縁のそれぞれにヘッドバンド2Aを設けると、使用状態においてヘッドバンド2Aの締め付け力で耳側周縁を引っ張ってパックシートの装着状態を保持できる。したがって、パックシートの全体を肌面に密着でき、さらに、乾燥に伴なってシート周縁が肌面から浮き離れるのを良く防止できる。ヘッドバンド2Aは、雌雄一対の面ファスナー21で後頭部に止着される。
【0035】
小鼻シート部16に保形片18を設けると、パックシートの使用時に、鼻翼と頬の隣接形状に沿って保形片18を折り曲げることにより、保形片18で小鼻シート部16の立体形状を保持して鼻翼に密着できる。また、塑性変形した保形片18で小鼻シート部16の浮き上がりを防止して、小鼻シート部16を最後まで鼻翼に密着させ続けることができる。
【0036】
破断線14・15を、本体部1に列状に通設した一群の断続溝22でミシン目状に形成すると、断続溝22に沿って破断線14・15を切断するだけで、パックしたい個所の部分形状に適合した上側覆部11、下側覆部12、首覆部13を的確に切り分けることができる。また、隣接する断続溝22の橋絡部分を切断すればよいので、各シート部分を手早く切断できる。
【0037】
左右シート3L・3Rを形成する不織布を、セルロース繊維と熱溶着性繊維を交絡して形成し、その際の熱溶着性繊維の混合率を70〜20%とするのは、以下の理由による。熱溶着性繊維の混合率が70%を越えると、不織布の吸水性が低下して化粧液を含浸しづらくなるからである。また、熱溶着性繊維の混合率が20%未満であると、左右シート3L・3Rの溶着が困難になるからである。より好ましくは、熱溶着性繊維の混合率を70〜30%とする。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例1に係るパックシートの正面図である。
【図2】パックシートの使用状態を示す側面図である。
【図3】パックシートを二つ折りにした状態の側面図である。
【図4】図3におけるA−A線断面図である。
【図5】パックシートの別の実施例を示す図3と同等の側面図である。
【図6】パックシートのさらに別の実施例を示す正面図である。
【図7】パックシートのさらに別の実施例を示す正面図である。
【図8】パックシートのさらに別の実施例を示す側面図である。
【図9】パックシートのさらに別の実施例を示す側面図である。
【図10】本発明の実施例2に係るパックシートを示す正面図である。
【図11】パックシートの使用状態を示す側面図である。
【図12】パックシートを二つ折りにした状態の側面図である。
【図13】図12におけるB−B線断面図である。
【図14】パックシートの別の実施例を示す図3と同等の側面図である。
【図15】パックシートのさらに別の実施例を示す正面図である。
【図16】パックシートのさらに別の実施例を示す正面図である。
【図17】本発明の実施例3に係るパックシートを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(実施例1) 図1ないし図4は本発明に係るパックシートの実施例1を示す。図1において、パックシートは本体部1と、本体部1の左右両側の耳側周縁に固定される耳掛け片2などで構成する。本体部1は、左右対称の左シート3Lおよび右シート3Rを接合して立体状に形成してあり、そのシート面には目穴4と、鼻穴5と、口穴6とが開口してある。目穴4は、左右シート3L・3Rの接合縁7を間に挟む状態で左右に配置されてアーモンド形に開口する。鼻穴5は、先の接合縁7を横断する状態で、扁平な逆三角形状に開口する。同様に、口穴6は、先の接合縁7を横断する状態で口唇形状に開口する。
【0040】
左シート3Lおよび右シート3Rの形成素材としては、綿やレーヨンなどのセルロース系不織布、あるいはポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドなどの合成繊維系不織布などを適用できる。但し、セルロース系不織布を素材とする場合には、不織布の一部に熱溶着可能な合成繊維を交絡するか、熱溶着可能なプラスチック粉末を不織布に付着して、左右シート3L・3Rの接合を容易化する。不織布の一部に熱溶着可能な合成繊維を交絡する場合には、熱溶着性繊維の混合率を70〜20%の範囲内で選定でき、より好ましくは、熱溶着性繊維の混合率を70〜30%とする。
【0041】
左右シート3L・3Rは、顔を側面から見るときの顔面輪郭線に沿って線対称状に形成してある。図3に示すように、左右シート3L・3Rの一方の周縁には額、鼻梁、口周り、顎などの外郭形状が形成してあり、耳側周縁には顔周縁形状が形成してある。耳側周縁の下部寄りには、左右シート3L・3Rの接合縁7へ向かってV字状の切欠8が形成してある。不織布には裏表の区別がないので、左右いずれか一方のシートを大量に打ち抜き形成したのち、二枚重ね状態のシートを鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合する。具体的には、左右シート3L・3Rを熱溶着、あるいは超音波溶着することにより本体部1を構成する。左右シート3L・3Rの接合部の断面を図4に示している。
【0042】
本体部1は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部11と、口周りから頬にわたる肌面、および顎下の肌面を覆う下側覆部12と、下側覆部12に連続して首周りの肌面を覆う首覆部13とで構成する。上側覆部11と下側覆部12とは、鼻穴5の両端から本体部1の耳側周縁にわたって形成される下凹み湾曲線状の上破断線(破断線)14で区分する。また、下側覆部12と首覆部13とは、先に述べた左右の切欠8・8を結ぶ下凹み湾曲線状の下破断線(破断線)15で区分する。下破断線15は、顎線に沿って形成してある。首覆部13の下縁中央には、首覆部13を首周りに沿わせやすくするための逆V字状の切欠9が設けてある。
【0043】
先に説明した目穴4は上側覆部11に開口してあり、鼻穴5は上側覆部11と下側覆部12の隣接部に開口してあり、口穴6は下側覆部12に開口してある。また、上側覆部11のシート面には、鼻の外面を覆う小鼻シート部16が鼻穴5の上側に設けてあり、下側覆部12のシート面には、鼻と唇との間の肌面を覆う上顎シート部17が鼻穴5の下側に設けてある。小鼻シート部16の外面には、小鼻シート部16の立体形状を保持する保形片18が設けてある。
【0044】
図2および図3に示すように、小鼻シート部16における左右シート3L・3Rの接合縁7の頂部と、上顎シート部17における左右シート3L・3Rの接合縁7との間には、鼻高さに相当する段差Hが設けてある。この段差Hを設けることにより、パックシートを顔面に貼り付けた状態において、上顎シート部17を鼻と唇との間の肌面に密着させることができる。また、左右シート3L・3Rの周縁に鼻梁の外郭線に沿う小鼻シート部16を突設し、小鼻シート部16と上顎シート部17とを鼻穴5で分断することにより、小鼻シート部16を鼻翼の外面に密着させることができる。
【0045】
保形片18は、塑性変形可能なプラスチックを素材にして、厚みが1mm前後の帯状に形成してあり、小鼻シート部16の外面に熱溶着される押えシート19で固定してある。塑性変形可能なプラスチック材としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、メタクリル系樹脂などを適用できるが、なかでも高密度ポリエチレン樹脂で保形片18を形成するのが好ましい。
【0046】
耳掛け片2は、伸縮性を備えている熱溶着可能な合成繊維系不織布を花弁状に打ち抜いて形成してあり、そのシート面の中央には耳掛け穴20が形成してある。耳掛け片2は、その基端部分を下側覆部12の左右の耳側周縁に熱溶着することにより本体部1と一体化する。上破断線14および下破断線15は、それぞれ本体部1に列状に通設した一群の断続溝22でミシン目状に形成してある。
【0047】
以上のように構成したパックシートは、折り畳んで化粧水などのパック液を含浸させ、通気不能な小袋に個別包装した状態で、あるいは多数個を密封容器に収容した状態で市販される。使用者は、図2に示すように、小袋や密封容器から取り出したパックシートの上側覆部11と下側覆部12を顔面全体に付着し、保形片18を鼻翼に沿って折り曲げ、さらに首覆部13を首周りに付着させた状態で、耳掛け片2を耳に掛け止めてパックシートの装着状態を保持する。
【0048】
上記のように本発明のパックシートによれば、1個のパックシートを使用するだけで顔面はもちろん顎下や首周りまで、まとめて一度にパックでき、顔および顔周りのパック処理をより少ない手間で行なえる。また、耳掛け片2を耳に掛け止めて、その弾性変形力で左右の耳側周縁を引っ張ってパックシートの装着状態を保持し、さらに保形片18で小鼻シート部16の立体形状を保持して鼻翼に密着させるので、パックシートの全体を確実に肌面に密着させることができる。パックシートが乾燥し始めたとしても、シート周縁が肌面から浮き離れるのを良く防止して、シート面を最後まで肌面に密着させることができる。
【0049】
使用者によっては、顔面の必要な部分のみをパックしたい場合がある。その場合には、パックシートを上破断線14あるいは下破断線15に沿って鋏で切断することにより、上側覆部11、下側覆部12、首覆部13のいずれかひとつ、またはふたつを本体部1から分離して使用することができる。例えば、上破断線14に沿って本体部1を切断することにより上側覆部11を切り離し、これを鼻および目の周りから額に至る肌面に付着させて、部分的なパックを行なうことができる。
【0050】
同様にして、下側覆部12や、首覆部13を切り離して部分的なパックを行なうことができる。下側覆部12を使用する場合には、口周りや頬に付着させた下側覆部12の装着状態を耳掛け片2で確りと保持できる。首覆部13を使用する場合には、顎下と首周りをパックできる。使用しなかった残りの部分は、包装用の小袋や密封容器に収納して、気密状態で保存しておくことにより、問題なく再使用することができる。以上のように、本発明のパックシートによれば、顔面以外の顎下や首周りなどを一度にまとめてパックすることができ、あるいは顔面の必要な部分のみをパックすることができるので、パックシートを使用者の意図に従って無駄なく使い分けることができる。また、顔面の必要な部分のみをパックする場合には、1回あたりのパック費用を節約することができる。
【0051】
図5はパックシートの別の実施例を示す。そこでは上破断線14の耳側周縁の端部を耳掛け片2の溶着部の下端付近に位置させて、耳掛け片2を上側覆部11の側に固定した。このパックシートによれば、シート全体を顔面に付着して使用する場合はもちろん、上側覆部11のみを本体部1から切り離して使用する場合にも、耳掛け片2で上側覆部11の装着状態を保持できる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
【0052】
図6はパックシートのさらに別の実施例を示す。そこでは、基本的に図1で説明したパックシートと同じ構造を採るが、上側覆部11の上縁複数個所に切り込み25を形成して、パックシートを額に付着させた状態においてシート面が肌面から浮き離れるのを防止するようにした。また、下破断線15の近傍に左右横長の切欠26を形成して、首下を覆うシート面と、首周りを覆うシート面を切欠26で区分して、各シート面を首下および首周りの肌面に密着できるようにした。切欠26は、接合縁7を分断する状態で新月状に形成してある。切欠26は、図5で説明した下破断線15の形成位置に設けることができ、その場合には切欠26の両側に位置する下破断線15を切断するだけで下側覆部12と首覆部13を分離できる。
【0053】
図7はパックシートのさらに別の実施例を示す。そこでは、基本的に図1で説明したパックシートと同じ構造を採るが、接合縁7の上始端を本体部1の上端より下側に位置させて、上側覆部11の上部中央に切り込みに相当する非溶着部27を形成した。また、下顎線に沿って複数個の縦長のスリット28を形成し、首下を覆うシート面と、首周りを覆うシート面をスリット28で区分して、各シート面を首下および首周りの肌面に密着できるようにした。
【0054】
図8はパックシートのさらに別の実施例を示す。そこでは、左右の耳掛け片2を左右シート3L・3Rと一体に形成し、各耳掛け片2にU字状の切り込みを入れて耳掛け穴20とした。また、耳掛け穴20の切り込みに連続してミシン目30を形成し、さらに耳掛け片2の基端上部にミシン目31を形成した。このように、ミシン目30・31を設けると、各ミシン目30・31を切断することで耳掛け穴20の大きさを調整でき、さらに顔の大きさに応じて耳掛け片2の長さを自在に調整して、パックシートを顔に装着した状態におけるフィット感を向上できる。耳掛け片2は、左右シート3L・3Rの耳側周縁から上向きに突出する状態で形成する。この場合の左右シート3L・3Rは、熱溶着が可能で、伸縮性を備えている不織布を素材にして形成する。
【0055】
図9に示すパックシートは、図8のパックシートと同様に左右の耳掛け片2を左右シート3L・3Rと一体に形成するが、各耳掛け片2に逆U字状の切り込みを入れて耳掛け穴20とした。また、耳掛け穴20の切り込みに連続してミシン目30を形成し、さらに耳掛け片2の基端下部にミシン目31を形成した。耳掛け片2は、左右シート3L・3Rの耳側周縁から斜め下向きに突出する状態で形成する。また、上破断線14の耳側周縁の端部を耳掛け片2より下側に位置させて、耳掛け片2を上側覆部11の側に設けるようにした。図8および図9で説明した耳掛け片2は、耳掛け穴20とは別にミシン目30・31を付加して、耳掛け穴20の大きさと長さを調整できるので、パックシートが伸縮性を備えていない不織布で形成してある場合であっても、より的確に耳掛け片2を耳に掛けることができる。
【0056】
上記の実施例では、上下の破断線14・15を一群の断続溝22でミシン目状に形成したが、その必要はなく、左右シート3L・3Rに印刷を施して形成することができる。また、断続溝22を溝列方向に長いスリット状に形成し、隣接する断続溝22の間の橋絡部分の溝列方向の長さを1mm以下に設定しておくと、鋏を使用する必要もなく破断線14・15を手で引きちぎることができる。上下の破断線14・15の形成パターンおよび形成位置は、本体部1の外形形状や、耳掛け片2の形状、装着位置の違いなどに応じて適宜変更すべきであるので、実施例で説明した形成パターンおよび形成位置には限定しない。必要があれば、図2で説明した上破断線14と、図5で説明した上破断線14の両者を本体部1に設けておき、上側覆部11と下側覆部12の境界を使用者自身が選定できるようにしてもよい。同様に、図2で説明した下破断線15と、図5で説明した下破断線15の両者を本体部1に設けておくことができる。
【0057】
保形片18は、プラスチック線材あるいは金属線材で形成することができ、必要がなければ省略してもよい。パックシートの密着を促進する切り込み25、切欠26、スリット28は、必要に応じて図6および図7で説明した個所以外の個所にも付加することができる。
【0058】
(実施例2) 図10ないし図13は本発明に係るパックシートの実施例2を示す。図10において、パックシートは本体部1と、本体部1の左右両側の耳側周縁に固定されるヘッドバンド2Aなどで構成してある。本体部1は、左右対称の左シート3Lおよび右シート3Rを接合して立体状に形成してあり、そのシート面には目穴4と、鼻穴5と、口穴6とが開口してある。目穴4は、左右シート3L・3Rの接合縁7を間に挟む状態で左右に配置されて、アーモンド形に開口してある。鼻穴5は、先の接合縁7を横断する状態で、扁平な逆三角形状に開口してある。同様に、口穴6は、先の接合縁7を横断する状態で口唇形状に開口してある。
【0059】
左シート3Lおよび右シート3Rの形成素材としては、綿やレーヨンなどのセルロース系不織布、あるいはポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドなどの合成繊維系不織布などを適用できる。但し、セルロース系不織布を素材とする場合には、不織布の一部に熱溶着可能な合成繊維を交絡するか、熱溶着可能なプラスチック粉末を不織布に付着して、左右シート3L・3Rの接合を容易化する。不織布の一部に熱溶着可能な合成繊維を交絡する場合には、熱溶着性繊維の混合率を70〜20%の範囲内で選定でき、より好ましくは、熱溶着性繊維の混合率を70〜30%とする。
【0060】
左右シート3L・3Rは、顔を側面から見るときの顔面輪郭線に沿って線対称状に形成してある。図12に示すように、左右シート3L・3Rの一方の周縁には額、鼻梁、口周り、顎などの外郭形状が形成してあり、耳側周縁には顔周縁形状が形成してある。耳側周縁の下部寄りには、左右シート3L・3Rの接合縁7へ向かってV字状の切欠8が形成してある。不織布には裏表の区別がないので、左右いずれか一方のシートを大量に打ち抜き形成したのち、二枚重ね状態のシートを鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合する。具体的には、左右シート3L・3Rを熱溶着、あるいは超音波溶着することにより本体部1を構成する。左右シート3L・3Rの接合部の断面を図13に示している。
【0061】
本体部1は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部11と、口周りから頬にわたる肌面を覆う下側覆部12と、下側覆部12に連続して顎下および首周りの肌面を覆う首覆部13とで構成する。上側覆部11と下側覆部12とは、鼻穴5の両端から本体部1の耳側周縁にわたって形成される下凹み湾曲線状の上破断線(破断線)14で区分する。また、下側覆部12と首覆部13とは、先に述べた左右の切欠8・8を結ぶ下凹み湾曲線状の下破断線(破断線)15で区分する。下破断線15は顎線に沿って形成してある。
【0062】
先に説明した目穴4は上側覆部11に開口してあり、鼻穴5は上側覆部11と下側覆部12の隣接部に開口してあり、口穴6は下側覆部12に開口してある。また、上側覆部11のシート面には、鼻の外面を覆う小鼻シート部16が鼻穴5の上側に設けてあり、下側覆部12のシート面には、鼻と唇との間の肌面を覆う上顎シート部17が鼻穴5の下側に設けてある。小鼻シート部16の外面には、小鼻シート部16の立体形状を保持する保形片18が設けてある。首覆部13の下縁中央には、首覆部13を首周りに沿わせやすくするための逆V字状の切欠9が設けてある。
【0063】
図11および図12に示すように、小鼻シート部16における左右シート3L・3Rの接合縁7の頂部と、上顎シート部17における左右シート3L・3Rの接合縁7との間には、鼻高さに相当する段差Hが設けてある。この段差Hを設けることにより、パックシートを顔面に貼り付けた状態において、上顎シート部17を鼻と唇との間の肌面に密着させることができる。また、左右シート3L・3Rの周縁に鼻梁の外郭線に沿う小鼻シート部16を突設し、小鼻シート部16と上顎シート部17とを鼻穴5で分断することにより、小鼻シート部16を鼻翼の外面に密着させることができる。
【0064】
保形片18は、塑性変形可能なプラスチックを素材にして、厚みが1mm前後の帯状に形成してあり、小鼻シート部16の外面に熱溶着される押えシート19で固定してある。塑性変形可能なプラスチック材としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、メタクリル系樹脂などを適用できるが、なかでも高密度ポリエチレン樹脂で保形片18を形成するのが好ましい。保形片18および押えシート19は、パックシートとは別に設けておくことができ、その場合には、パックシートを顔に付着させたのち、保形片18および押えシート19を小鼻シート部16の外面に押し付けて塑性変形させ、小鼻シート部16を鼻翼に密着させることができる。
【0065】
ヘッドバンド2Aは、伸縮性を備えている熱溶着可能な合成繊維系不織布を帯状に切断して形成してあり、その遊端には雌雄一対の面ファスナー21が固定してある。ヘッドバンド2Aの基端は下側覆部12の左右の耳側周縁に熱溶着されて、本体部1と一体化してある。上破断線14および下破断線15は、それぞれ本体部1に列状に通設した一群の断続溝22でミシン目状に形成してある。
【0066】
首覆部13は、顎下を覆う顎下部13aと首周りを覆う首部13bとからなり、これら両者13a・13bは、左右シート3L・3Rに形成した左右に長い新月形の切欠23で区分してある。このように、顎下部13aと首部13bを切欠23で区分すると、顎下から首周りの肌面の変化に追随して顎下部13aおよび首部13bを密着することができる。また、顎線に沿って形成した下破断線15は、首覆部13を首周りに付着させるとき、断続溝22が拡開変形して、顎下部13aの顎下側への回り込みを容易化するのに役立つ。
【0067】
以上のように構成したパックシートは、折り畳んで化粧水などのパック液を含浸させ、通気不能な小袋に個別包装した状態で、あるいは多数個を密封容器に収容した状態で市販される。使用者は、図11に示すように、小袋や密封容器から取り出したパックシートの上側覆部11と下側覆部12を顔面全体に付着し、保形片18を鼻翼に沿って折り曲げ、さらに首覆部13を顎下および首周りに付着させる。この状態でヘッドバンド2Aを後頭部に巻き付け、一対の面ファスナー21を止着してパックシートの装着状態を保持する。
【0068】
上記のように本発明のパックシートによれば、1個のパックシートを使用するだけで顔面はもちろん顎下や首周りまで、まとめて一度にパックでき、顔および顔周りのパック処理をより少ない手間で行なえる。また、後頭部に止着したヘッドバンド2Aの締め付け力と弾性力とで左右の耳側周縁を引っ張ってパックシートの装着状態を保持し、さらに保形片18で小鼻シート部16の立体形状を保持して鼻翼に密着させるので、パックシートの全体を確実に肌面に密着させることができる。パックシートが乾燥し始めたとしても、シート周縁が肌面から浮き離れるのを良く防止して、シート面を最後まで肌面に密着させることができる。
【0069】
使用者によっては、顔面の必要な部分のみをパックしたい場合がある。その場合には、パックシートを上破断線14あるいは下破断線15に沿って鋏で切断することにより、上側覆部11、下側覆部12、首覆部13のいずれかひとつ、またはふたつを本体部1から分離して使用することができる。例えば、上破断線14に沿って本体部1を切断することにより上側覆部11を切り離し、これを鼻および目の周りから額に至る肌面に付着させて、部分的なパックを行なうことができる。
【0070】
同様にして、下側覆部12や、首覆部13を切り離して部分的なパックを行なうことができる。下側覆部12を使用する場合には、口周りや頬に付着させた下側覆部12の装着状態をヘッドバンド2Aで確りと保持できる。首覆部13を使用する場合には、顎下と首周りをパックできる。使用しなかった残りの部分は、包装用の小袋や密封容器に収納して、気密状態で保存しておくことにより、問題なく再使用することができる。以上のように、本発明のパックシートによれば、顔と顔以外の顎下や首周りなどを一度にまとめてパックすることができ、あるいは顔の必要な部分のみをパックすることができるので、パックシートを使用者の意図に従って無駄なく使い分けることができる。また、顔の必要な部分のみをパックする場合には、1回あたりのパック費用を節約することができる。
【0071】
図14はパックシートの別の実施例を示す。そこでは、図11で説明した上破断線14に加えて、第2の上破断線(破断線)14aを付加して、上側覆部11と下側覆部12の境界を使用者自身が選定できるようにした。ヘッドバンド2Aは、これらの上破断線14・14aに挟まれた耳側周縁に溶着固定する。このパックシートによれば、ヘッドバンド2Aを上側覆部11と下側覆部12とのいずれか一方に付属させて、上側覆部11または下側覆部12の装着状態をヘッドバンド2Aで保持することができる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
【0072】
図15はパックシートのさらに別の実施例を示す。そこでは、基本的に図10で説明したパックシートと同じ構造を採るが、上側覆部11の上縁複数個所に切り込み25を形成して、パックシートを額に付着させた状態においてシート面を肌面に密着できるようにした。また、接合縁7を横断する状態で切欠23を新月状に形成した。
【0073】
図16はパックシートのさらに別の実施例を示す。そこでは、基本的に図10で説明したパックシートと同じ構造を採るが、接合縁7の上始端を本体部1の上端より下側に位置させて、上側覆部11の上部中央に切り込みに相当する非溶着部27を形成した。また、顎下部13aと首部13bとの境界に、切欠23の換わりに複数個の縦長のスリット28を形成して、顎下部13aおよび首部13bを肌面に密着できるようにした。
【0074】
(実施例3) 図17は本発明に係るパックシートの実施例3を示す。そこでは、不織布シートを立体成型して、パックシートを立体形状に形成するようにした。詳しくは、本体部1を上側覆部11と側覆部12と首覆い部13とで構成し、鼻穴5の両端から本体部1の耳側周縁にわたって破断線14を形成した。また、パックシートのまた、顎線に沿って下破断線15を設けるようにした。この実施例におけるパックシートは、顔面の起伏に沿って予め立体形状に形成してあるので、本体部1を顔面に付着させるだけでパックシートの装着状態を維持でき、したがって、耳掛け片2やヘッドバンド2Aは省略することができる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0075】
上記の実施例では、上下の破断線14・15を一群の断続溝22でミシン目状に形成したが、その必要はなく、左右シート3L・3Rに印刷を施して形成することができる。また、断続溝22を溝列方向に長いスリット状に形成し、隣接する断続溝22の間の橋絡部分の溝列方向の長さを1mm以下に設定しておくと、鋏を使用する必要もなく破断線14・15を手で引きちぎることができる。上下の破断線14・15の形成パターンおよび形成位置は、本体部1の外形形状や、ヘッドバンド2Aの形状、装着位置の違いなどに応じて適宜変更すべきであるので、実施例で説明した形成パターンおよび形成位置には限定しない。必要があれば、下破断線15を切欠23と同様に形成することができる。
【0076】
保形片18は、プラスチック線材あるいは金属線材で形成することができ、必要がなければ省略してもよい。パックシートの密着を促進する切欠23、切り込み25、スリット28は、必要に応じて図15および図16で説明した個所以外の個所にも付加することができる。パックシートは、不織布シートを立体成型して立体形状に形成することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 本体部
2 耳掛け片
3L 左シート
3R 右シート
4 目穴
5 鼻穴
6 口穴
7 接合縁
11 上側覆部
12 下側覆部
13 首覆部
14 上破断線(破断線)
15 下破断線(破断線)
H 段差
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔の一部または全体を覆って肌面に美容液を浸透させるのに好適なパックシートに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のパックシートとして、平面的なパックシートが多用されており、そこでは扁平円形のシート本体に目、鼻、口に対応する穴や切り込みを形成している(特許文献1)。シート本体は不織布を素材にして形成してあり、小さく折り畳んだ状態で化粧液を含ませたのち、小袋に収容して個別包装される。特許文献1のパックシートは顔全体を覆うものであるが、額および目の周りを部分的に覆い、あるいは口の周辺から頬の周りを部分的に覆うパックシートも提案されている(特許文献2)。
【0003】
本発明のパックシートは立体状に構成するが、この種のパックシートは特許文献3に開示されている。そこでは、右顔面に対応する右シート材と、左顔面に対応する左シート材とでパックシートを構成している。左右のシート材は、鼻梁を通る顔面中央線を対称軸にして線対称に形成してあり、上下に重ねた両シート材の鼻梁側の周縁を縫着して立体化してある。左右のシート材には、それぞれ着用ベルトが一体に設けてあり、各ベルトの端部には面ファスナーが取り付けてある。このパックシートによれば、顔全体と、顎下、および首周りまで同時に覆ってパックすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−340847号公報(段落番号0025、図2)
【特許文献2】特開2003−000341号公報(段落番号0009、図1)
【特許文献3】特開2007−330329号公報(段落番号0025〜0028、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のパックシートは、シート本体に目、鼻、口に対応する穴や切り込みを形成するだけでよく、構造が簡単でコストが安くて済む利点がある。しかし、パックシートを平面状に形成するので、使用状態においてパックシートの全体を顔面に密着させるのが難しく、さらに、パックシートが乾くのに伴なってシート周縁が肌面から浮き離れやすい。
特許文献2のパックシートは、額および目の周りや、口の周辺から頬の周りなど必要な部分のみをパックできるので、パックシートの無駄がなく1回あたりのパック費用を節約できる。また、パックシートの面積が小さいのでシート全体を肌面に付着させやすいが、パックシートが乾くのに伴なってシート周縁が肌面から浮き離れやすい。さらに、顔と顎下や首周りなどを一度にパックしたい場合には、何枚ものパックシートをパックしたい部分に付着させる必要があり、その手間が煩わしい。
【0006】
その点、特許文献3のパックシートは、左右のシート材を縫着して立体化してあるので、パックシートを顔の肌面に沿って付着させやすい。さらに、左右のシート材に設けた着用ベルトでパックシートの装着状態を保持するので、シート面やシート周縁が肌面から浮き離れるのを良く防止できる。また、特許文献1・2のパックシートに比べて、顔面以外に顎下や首周りなども一度にパックできる。しかし、特許文献2のパックシートのように、額および目の周りや、口の周辺から頬の周りなど必要な部分のみをパックしたい場合であっても、パックシートで顔面全体を覆う必要があり、1回あたりのパック費用が高く付く。
【0007】
本発明の目的は、顔全体を一度にパックでき、あるいは顔と顎下や首周りなどを一度にパックでき、あるいは顔の必要な部分や首周りなどを部分的にパックすることができ、したがって、パックシートを使用者の意図に従って無駄なく使い分けることができる美容用のパックシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る美容用のパックシートは、不織布を素材にして、顔面全体を覆う立体状に形成される本体部1を備えている。本体部1には目穴4と鼻穴5と口穴6とが開口してある。本体部1は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部11と、口周りから頬にわたる肌面を覆う下側覆部12とを含む。鼻穴5の両端から本体部1の耳側周縁にわたって、上側覆部11と下側覆部12とを区分する破断線14が形成してあることを特徴とする。本体部1は、図1に示すように左右シート3L・3Rを接合して立体形状に形成することができ、あるいは不織布シートを立体成型して立体形状に形成することができる。
【0009】
本体部1は、顔を側面から見るときの顔面輪郭線に対応して左右対称に形成される左シート3Lと右シート3Rとで構成する。左シート3Lと右シート3Rとは鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合して、本体部1を立体状に形成する。
【0010】
本体部1の下側覆部12に連続して、首周りの肌面を覆う首覆部13を設ける。下側覆部12と首覆部13を区分する破断線15を、本体部1を左右に横断する状態で形成する。
【0011】
鼻の外面を覆う小鼻シート部16を鼻穴5の上側に設け、鼻と唇との間の肌面を覆う上顎シート部17を鼻穴5の下側に設ける。小鼻シート部16における接合縁7の頂部と、上顎シート部17における接合縁7との間に、鼻高さに相当する段差Hを設ける(図2参照)。
【0012】
下側覆部12の左右の耳側周縁のそれぞれに耳掛け片2を設ける。耳掛け片2は不織布、あるいは伸縮性を備えた不織布で形成することができる。
【0013】
小鼻シート部16に、小鼻シート部16の立体形状を保持する保形片18を設ける。
破断線14・15は、本体部1に列状に通設した一群の断続溝22でミシン目状に形成する。
【0014】
左シート3Lおよび右シート3Rを形成する不織布は、セルロース繊維と熱溶着性繊維を交絡して形成する。不織布における熱溶着性繊維の混合率は70〜20%とする。
【0015】
本発明に係る別の美容用のパックシートは、不織布を素材にして、顔面全体を覆う立体状に形成される本体部1と、本体部1の耳側周縁に設けられるヘッドバンド2Aとを備えている。本体部1には目穴4と鼻穴5と口穴6とを開口する。本体部1は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部11と、口周りから頬にわたる肌面を覆う下側覆部12とを含む。鼻穴5の両端から本体部1の耳側周縁にわたって、上側覆部11と下側覆部12とを区分する破断線14が形成してあることを特徴とする。本体部1は、図1に示すように左右シート3L・3Rを接合して立体形状に形成することができ、あるいは不織布シートを立体成型して立体形状に形成することができる。
【0016】
本体部1は、顔を側面から見るときの顔面輪郭線に対応して左右対称に形成される左シート3Lと右シート3Rとで構成する。左シート3Lと右シート3Rとは鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合して、本体部1を立体状に形成する。
【0017】
本体部1の下側覆部12に連続して、顎下および首周りの肌面を覆う首覆部13を設ける。本体部1の耳側周縁の下部に、左右シート3L・3Rの接合縁7へ向かって切り込まれる切欠8を形成する。切欠8の間に下側覆部12と首覆部13とを区分する破断線15を形成する。
【0018】
鼻の外面を覆う小鼻シート部16を鼻穴5の上側に設け、鼻と唇との間の肌面を覆う上顎シート部17を鼻穴5の下側に設ける。小鼻シート部16における接合縁7の頂部と、上顎シート部17における接合縁7との間に、鼻高さに相当する段差Hを設ける(図11参照)。
【0019】
下側覆部12の左右の耳側周縁のそれぞれにヘッドバンド2Aを設ける。ヘッドバンド2Aの遊端のそれぞれに雌雄一対の面ファスナー21を固定する。
【0020】
小鼻シート部16に、小鼻シート部16の立体形状を保持する保形片18を設ける。
破断線14・15は、本体部1に列状に通設した一群の断続溝22でミシン目状に形成する。
【0021】
左シート3Lおよび右シート3Rを形成する不織布がセルロース繊維と熱溶着性繊維を交絡して形成する。不織布における熱溶着性繊維の混合率を70〜20%とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明においては、パックシートの本体部1を立体状に形成し、本体部1に形成した鼻穴5の両端から耳側周縁にわたって、上側覆部11と下側覆部12とを区分する破断線14を形成した。このように立体化したパックシートによれば、従来の平面的なパックシートに比べて、シート面を顔の肌面に沿って密着させて、顔面全体を一度にまとめてパックできる。また、破断線14に沿って本体部1を切断することにより、上側覆部11あるいは下側覆部12を個別に使用して、顔面の必要な部分のみをパックすることができ、パックシートを使用者の意図に従って無駄なく使い分けることができる。さらに、破断線14に沿って本体部1を切断するだけで、パックしたい個所の部分形状に適合した上側覆部11と下側覆部12とを得ることができ、程よい大きさと形状の上側覆部11と下側覆部12を肌面に密着させて、好適にパックできる。
【0023】
顔面輪郭線に対応して左右対称に形成した左右シート3L・3Rを、鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合して本体部1を立体状に形成すると、本体部1を立体成型する場合に比べて製造に要する手間とコストを削減できる。また、左右シート3L・3Rを接合して立体化した本体部1は、全体を小さく折り畳むことができるので、保管時あるいは販売時に嵩張ることがない。
【0024】
下側覆部12に連続して首周りの肌面を覆う首覆部13を設けると、顔面はもちろん、顔面以外の顎下や首周りなども一度にまとめてパックできる。また、パックシートを破断線14・15に沿って切断することにより、上側覆部11、下側覆部12、首覆部13のいずれかひとつ、またはふたつを本体部1から分離して使用することができる。したがって、使用者は、顔全体、顔の必要な部分、および顔周りのパックしたい個所に応じて、パックシートを切断して無駄なく使い分けることができる。さらに、顔面の必要な部分のみを部分的にパックする場合には、パックシートの消費量を減らして1回あたりのパック費用を節約することができる。
【0025】
鼻穴5の上下に小鼻シート部16と上顎シート部17を設け、これらシート部16・17の間に鼻高さに相当する段差Hを設けると、パックシートを使用する際に小鼻シート部16を鼻の外面に密着させながら、上顎シート部17を鼻と唇との間の肌面に密着できる。したがって、顔全体をパックシートでパックする状態において、鼻周りでシート面が浮き離れるのを解消して、顔全体を同時に好適にパックできる。
【0026】
下側覆部12の耳側周縁に耳掛け片2を設けると、使用状態において耳掛け片2で耳側周縁を引っ張ってパックシートの装着状態を保持できる。したがって、パックシートの全体を肌面に密着でき、さらに、乾燥に伴なってシート周縁が肌面から浮き離れるのを良く防止できる。
【0027】
小鼻シート部16に保形片18を設けると、パックシートの使用時に、鼻翼と頬の肌面の変化に沿って保形片18を折り曲げることにより、保形片18で小鼻シート部16の立体形状を保持して鼻翼に密着できる。また、塑性変形した保形片18で小鼻シート部16の浮き上がりを防止して、小鼻シート部16を最後まで鼻翼に密着させ続けることができる。
【0028】
破断線14・15を、本体部1に列状に通設した一群の断続溝22でミシン目状に形成すると、断続溝22に沿って破断線14・15を切断するだけで、パックしたい個所の部分形状に適合した上側覆部11、下側覆部12、首覆部13を的確に切り分けることができる。また、隣接する断続溝22の橋絡部分を切断すればよいので、各シート部分を手早く切断できる。
【0029】
左右シート3L・3Rを形成する不織布を、セルロース繊維と熱溶着性繊維を交絡して形成し、その際の熱溶着性繊維の混合率を70〜20%とするのは、以下の理由による。熱溶着性繊維の混合率が70%を越えると、不織布の吸水性が低下して化粧液を含浸しづらくなるからである。また、熱溶着性繊維の混合率が20%未満であると、左右シート3L・3Rの溶着が困難になるからである。より好ましくは、熱溶着性繊維の混合率を70〜30%とする。
【0030】
本発明の別のパックシートにおいては、パックシートの本体部1を立体状に形成し、本体部1に形成した鼻穴5の両端から耳側周縁にわたって、上側覆部11と下側覆部12とを区分する破断線14を形成した。このように立体化したパックシートによれば、従来の平面的なパックシートに比べて、シート面を顔の肌面に沿って密着させて、顔面全体を一度にまとめてパックできる。また、破断線14に沿って本体部1を切断することにより、上側覆部11あるいは下側覆部12を個別に使用して、顔面の必要な部分のみをパックすることができ、パックシートを使用者の意図に従って無駄なく使い分けることができる。さらに、破断線14に沿って本体部1を切断するだけで、パックしたい個所の部分形状に適合した上側覆部11と下側覆部12とを得ることができ、無駄のない形状の上側覆部11と下側覆部12を肌面に密着させて好適にパックできる。
【0031】
顔面輪郭線に対応して左右対称に形成した左右シート3L・3Rを、鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合して本体部1を立体状に形成すると、本体部1を立体成型する場合に比べて製造に要する手間とコストを削減できる。また、左右シート3L・3Rを接合して立体化した本体部1は、全体を小さく折り畳むことができるので、保管時あるいは販売時に嵩張ることがない。
【0032】
下側覆部12に連続して顎下および首周りの肌面を覆う首覆部13を設けると、顔面はもちろん、顔面以外の顎下や首周りなども一度にまとめてパックできる。また、パックシートを破断線14・15に沿って切断することにより、上側覆部11、下側覆部12、首覆部13のいずれかひとつ、またはふたつを本体部1から分離して使用することができる。したがって、使用者は、顔全体、顔の必要な部分、および顔周りのパックしたい個所に応じて、パックシートを切断して無駄なく使い分けることができる。さらに、顔面の必要な部分のみを部分的にパックする場合には、パックシートの消費量を減らして1回あたりのパック費用を節約することができる。本体部1の耳側周縁に形成した切欠8の間に破断線15を形成するので、破断線15の全長を切欠8の分だけ短くして、より少ない手間で首覆部13を切り離すことができる。
【0033】
鼻穴5の上下に小鼻シート部16と上顎シート部17を設け、これらシート部16・17の間に鼻高さに相当する段差Hを設けると、パックシートを使用する際に小鼻シート部16を鼻の外面に密着させながら、上顎シート部17を鼻と唇との間の肌面に密着できる。したがって、顔全体をパックシートでパックする状態において、鼻周りでシート面が浮き離れるのを解消して、顔全体を同時に好適にパックできる。
【0034】
下側覆部12の左右の耳側周縁のそれぞれにヘッドバンド2Aを設けると、使用状態においてヘッドバンド2Aの締め付け力で耳側周縁を引っ張ってパックシートの装着状態を保持できる。したがって、パックシートの全体を肌面に密着でき、さらに、乾燥に伴なってシート周縁が肌面から浮き離れるのを良く防止できる。ヘッドバンド2Aは、雌雄一対の面ファスナー21で後頭部に止着される。
【0035】
小鼻シート部16に保形片18を設けると、パックシートの使用時に、鼻翼と頬の隣接形状に沿って保形片18を折り曲げることにより、保形片18で小鼻シート部16の立体形状を保持して鼻翼に密着できる。また、塑性変形した保形片18で小鼻シート部16の浮き上がりを防止して、小鼻シート部16を最後まで鼻翼に密着させ続けることができる。
【0036】
破断線14・15を、本体部1に列状に通設した一群の断続溝22でミシン目状に形成すると、断続溝22に沿って破断線14・15を切断するだけで、パックしたい個所の部分形状に適合した上側覆部11、下側覆部12、首覆部13を的確に切り分けることができる。また、隣接する断続溝22の橋絡部分を切断すればよいので、各シート部分を手早く切断できる。
【0037】
左右シート3L・3Rを形成する不織布を、セルロース繊維と熱溶着性繊維を交絡して形成し、その際の熱溶着性繊維の混合率を70〜20%とするのは、以下の理由による。熱溶着性繊維の混合率が70%を越えると、不織布の吸水性が低下して化粧液を含浸しづらくなるからである。また、熱溶着性繊維の混合率が20%未満であると、左右シート3L・3Rの溶着が困難になるからである。より好ましくは、熱溶着性繊維の混合率を70〜30%とする。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例1に係るパックシートの正面図である。
【図2】パックシートの使用状態を示す側面図である。
【図3】パックシートを二つ折りにした状態の側面図である。
【図4】図3におけるA−A線断面図である。
【図5】パックシートの別の実施例を示す図3と同等の側面図である。
【図6】パックシートのさらに別の実施例を示す正面図である。
【図7】パックシートのさらに別の実施例を示す正面図である。
【図8】パックシートのさらに別の実施例を示す側面図である。
【図9】パックシートのさらに別の実施例を示す側面図である。
【図10】本発明の実施例2に係るパックシートを示す正面図である。
【図11】パックシートの使用状態を示す側面図である。
【図12】パックシートを二つ折りにした状態の側面図である。
【図13】図12におけるB−B線断面図である。
【図14】パックシートの別の実施例を示す図3と同等の側面図である。
【図15】パックシートのさらに別の実施例を示す正面図である。
【図16】パックシートのさらに別の実施例を示す正面図である。
【図17】本発明の実施例3に係るパックシートを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(実施例1) 図1ないし図4は本発明に係るパックシートの実施例1を示す。図1において、パックシートは本体部1と、本体部1の左右両側の耳側周縁に固定される耳掛け片2などで構成する。本体部1は、左右対称の左シート3Lおよび右シート3Rを接合して立体状に形成してあり、そのシート面には目穴4と、鼻穴5と、口穴6とが開口してある。目穴4は、左右シート3L・3Rの接合縁7を間に挟む状態で左右に配置されてアーモンド形に開口する。鼻穴5は、先の接合縁7を横断する状態で、扁平な逆三角形状に開口する。同様に、口穴6は、先の接合縁7を横断する状態で口唇形状に開口する。
【0040】
左シート3Lおよび右シート3Rの形成素材としては、綿やレーヨンなどのセルロース系不織布、あるいはポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドなどの合成繊維系不織布などを適用できる。但し、セルロース系不織布を素材とする場合には、不織布の一部に熱溶着可能な合成繊維を交絡するか、熱溶着可能なプラスチック粉末を不織布に付着して、左右シート3L・3Rの接合を容易化する。不織布の一部に熱溶着可能な合成繊維を交絡する場合には、熱溶着性繊維の混合率を70〜20%の範囲内で選定でき、より好ましくは、熱溶着性繊維の混合率を70〜30%とする。
【0041】
左右シート3L・3Rは、顔を側面から見るときの顔面輪郭線に沿って線対称状に形成してある。図3に示すように、左右シート3L・3Rの一方の周縁には額、鼻梁、口周り、顎などの外郭形状が形成してあり、耳側周縁には顔周縁形状が形成してある。耳側周縁の下部寄りには、左右シート3L・3Rの接合縁7へ向かってV字状の切欠8が形成してある。不織布には裏表の区別がないので、左右いずれか一方のシートを大量に打ち抜き形成したのち、二枚重ね状態のシートを鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合する。具体的には、左右シート3L・3Rを熱溶着、あるいは超音波溶着することにより本体部1を構成する。左右シート3L・3Rの接合部の断面を図4に示している。
【0042】
本体部1は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部11と、口周りから頬にわたる肌面、および顎下の肌面を覆う下側覆部12と、下側覆部12に連続して首周りの肌面を覆う首覆部13とで構成する。上側覆部11と下側覆部12とは、鼻穴5の両端から本体部1の耳側周縁にわたって形成される下凹み湾曲線状の上破断線(破断線)14で区分する。また、下側覆部12と首覆部13とは、先に述べた左右の切欠8・8を結ぶ下凹み湾曲線状の下破断線(破断線)15で区分する。下破断線15は、顎線に沿って形成してある。首覆部13の下縁中央には、首覆部13を首周りに沿わせやすくするための逆V字状の切欠9が設けてある。
【0043】
先に説明した目穴4は上側覆部11に開口してあり、鼻穴5は上側覆部11と下側覆部12の隣接部に開口してあり、口穴6は下側覆部12に開口してある。また、上側覆部11のシート面には、鼻の外面を覆う小鼻シート部16が鼻穴5の上側に設けてあり、下側覆部12のシート面には、鼻と唇との間の肌面を覆う上顎シート部17が鼻穴5の下側に設けてある。小鼻シート部16の外面には、小鼻シート部16の立体形状を保持する保形片18が設けてある。
【0044】
図2および図3に示すように、小鼻シート部16における左右シート3L・3Rの接合縁7の頂部と、上顎シート部17における左右シート3L・3Rの接合縁7との間には、鼻高さに相当する段差Hが設けてある。この段差Hを設けることにより、パックシートを顔面に貼り付けた状態において、上顎シート部17を鼻と唇との間の肌面に密着させることができる。また、左右シート3L・3Rの周縁に鼻梁の外郭線に沿う小鼻シート部16を突設し、小鼻シート部16と上顎シート部17とを鼻穴5で分断することにより、小鼻シート部16を鼻翼の外面に密着させることができる。
【0045】
保形片18は、塑性変形可能なプラスチックを素材にして、厚みが1mm前後の帯状に形成してあり、小鼻シート部16の外面に熱溶着される押えシート19で固定してある。塑性変形可能なプラスチック材としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、メタクリル系樹脂などを適用できるが、なかでも高密度ポリエチレン樹脂で保形片18を形成するのが好ましい。
【0046】
耳掛け片2は、伸縮性を備えている熱溶着可能な合成繊維系不織布を花弁状に打ち抜いて形成してあり、そのシート面の中央には耳掛け穴20が形成してある。耳掛け片2は、その基端部分を下側覆部12の左右の耳側周縁に熱溶着することにより本体部1と一体化する。上破断線14および下破断線15は、それぞれ本体部1に列状に通設した一群の断続溝22でミシン目状に形成してある。
【0047】
以上のように構成したパックシートは、折り畳んで化粧水などのパック液を含浸させ、通気不能な小袋に個別包装した状態で、あるいは多数個を密封容器に収容した状態で市販される。使用者は、図2に示すように、小袋や密封容器から取り出したパックシートの上側覆部11と下側覆部12を顔面全体に付着し、保形片18を鼻翼に沿って折り曲げ、さらに首覆部13を首周りに付着させた状態で、耳掛け片2を耳に掛け止めてパックシートの装着状態を保持する。
【0048】
上記のように本発明のパックシートによれば、1個のパックシートを使用するだけで顔面はもちろん顎下や首周りまで、まとめて一度にパックでき、顔および顔周りのパック処理をより少ない手間で行なえる。また、耳掛け片2を耳に掛け止めて、その弾性変形力で左右の耳側周縁を引っ張ってパックシートの装着状態を保持し、さらに保形片18で小鼻シート部16の立体形状を保持して鼻翼に密着させるので、パックシートの全体を確実に肌面に密着させることができる。パックシートが乾燥し始めたとしても、シート周縁が肌面から浮き離れるのを良く防止して、シート面を最後まで肌面に密着させることができる。
【0049】
使用者によっては、顔面の必要な部分のみをパックしたい場合がある。その場合には、パックシートを上破断線14あるいは下破断線15に沿って鋏で切断することにより、上側覆部11、下側覆部12、首覆部13のいずれかひとつ、またはふたつを本体部1から分離して使用することができる。例えば、上破断線14に沿って本体部1を切断することにより上側覆部11を切り離し、これを鼻および目の周りから額に至る肌面に付着させて、部分的なパックを行なうことができる。
【0050】
同様にして、下側覆部12や、首覆部13を切り離して部分的なパックを行なうことができる。下側覆部12を使用する場合には、口周りや頬に付着させた下側覆部12の装着状態を耳掛け片2で確りと保持できる。首覆部13を使用する場合には、顎下と首周りをパックできる。使用しなかった残りの部分は、包装用の小袋や密封容器に収納して、気密状態で保存しておくことにより、問題なく再使用することができる。以上のように、本発明のパックシートによれば、顔面以外の顎下や首周りなどを一度にまとめてパックすることができ、あるいは顔面の必要な部分のみをパックすることができるので、パックシートを使用者の意図に従って無駄なく使い分けることができる。また、顔面の必要な部分のみをパックする場合には、1回あたりのパック費用を節約することができる。
【0051】
図5はパックシートの別の実施例を示す。そこでは上破断線14の耳側周縁の端部を耳掛け片2の溶着部の下端付近に位置させて、耳掛け片2を上側覆部11の側に固定した。このパックシートによれば、シート全体を顔面に付着して使用する場合はもちろん、上側覆部11のみを本体部1から切り離して使用する場合にも、耳掛け片2で上側覆部11の装着状態を保持できる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
【0052】
図6はパックシートのさらに別の実施例を示す。そこでは、基本的に図1で説明したパックシートと同じ構造を採るが、上側覆部11の上縁複数個所に切り込み25を形成して、パックシートを額に付着させた状態においてシート面が肌面から浮き離れるのを防止するようにした。また、下破断線15の近傍に左右横長の切欠26を形成して、首下を覆うシート面と、首周りを覆うシート面を切欠26で区分して、各シート面を首下および首周りの肌面に密着できるようにした。切欠26は、接合縁7を分断する状態で新月状に形成してある。切欠26は、図5で説明した下破断線15の形成位置に設けることができ、その場合には切欠26の両側に位置する下破断線15を切断するだけで下側覆部12と首覆部13を分離できる。
【0053】
図7はパックシートのさらに別の実施例を示す。そこでは、基本的に図1で説明したパックシートと同じ構造を採るが、接合縁7の上始端を本体部1の上端より下側に位置させて、上側覆部11の上部中央に切り込みに相当する非溶着部27を形成した。また、下顎線に沿って複数個の縦長のスリット28を形成し、首下を覆うシート面と、首周りを覆うシート面をスリット28で区分して、各シート面を首下および首周りの肌面に密着できるようにした。
【0054】
図8はパックシートのさらに別の実施例を示す。そこでは、左右の耳掛け片2を左右シート3L・3Rと一体に形成し、各耳掛け片2にU字状の切り込みを入れて耳掛け穴20とした。また、耳掛け穴20の切り込みに連続してミシン目30を形成し、さらに耳掛け片2の基端上部にミシン目31を形成した。このように、ミシン目30・31を設けると、各ミシン目30・31を切断することで耳掛け穴20の大きさを調整でき、さらに顔の大きさに応じて耳掛け片2の長さを自在に調整して、パックシートを顔に装着した状態におけるフィット感を向上できる。耳掛け片2は、左右シート3L・3Rの耳側周縁から上向きに突出する状態で形成する。この場合の左右シート3L・3Rは、熱溶着が可能で、伸縮性を備えている不織布を素材にして形成する。
【0055】
図9に示すパックシートは、図8のパックシートと同様に左右の耳掛け片2を左右シート3L・3Rと一体に形成するが、各耳掛け片2に逆U字状の切り込みを入れて耳掛け穴20とした。また、耳掛け穴20の切り込みに連続してミシン目30を形成し、さらに耳掛け片2の基端下部にミシン目31を形成した。耳掛け片2は、左右シート3L・3Rの耳側周縁から斜め下向きに突出する状態で形成する。また、上破断線14の耳側周縁の端部を耳掛け片2より下側に位置させて、耳掛け片2を上側覆部11の側に設けるようにした。図8および図9で説明した耳掛け片2は、耳掛け穴20とは別にミシン目30・31を付加して、耳掛け穴20の大きさと長さを調整できるので、パックシートが伸縮性を備えていない不織布で形成してある場合であっても、より的確に耳掛け片2を耳に掛けることができる。
【0056】
上記の実施例では、上下の破断線14・15を一群の断続溝22でミシン目状に形成したが、その必要はなく、左右シート3L・3Rに印刷を施して形成することができる。また、断続溝22を溝列方向に長いスリット状に形成し、隣接する断続溝22の間の橋絡部分の溝列方向の長さを1mm以下に設定しておくと、鋏を使用する必要もなく破断線14・15を手で引きちぎることができる。上下の破断線14・15の形成パターンおよび形成位置は、本体部1の外形形状や、耳掛け片2の形状、装着位置の違いなどに応じて適宜変更すべきであるので、実施例で説明した形成パターンおよび形成位置には限定しない。必要があれば、図2で説明した上破断線14と、図5で説明した上破断線14の両者を本体部1に設けておき、上側覆部11と下側覆部12の境界を使用者自身が選定できるようにしてもよい。同様に、図2で説明した下破断線15と、図5で説明した下破断線15の両者を本体部1に設けておくことができる。
【0057】
保形片18は、プラスチック線材あるいは金属線材で形成することができ、必要がなければ省略してもよい。パックシートの密着を促進する切り込み25、切欠26、スリット28は、必要に応じて図6および図7で説明した個所以外の個所にも付加することができる。
【0058】
(実施例2) 図10ないし図13は本発明に係るパックシートの実施例2を示す。図10において、パックシートは本体部1と、本体部1の左右両側の耳側周縁に固定されるヘッドバンド2Aなどで構成してある。本体部1は、左右対称の左シート3Lおよび右シート3Rを接合して立体状に形成してあり、そのシート面には目穴4と、鼻穴5と、口穴6とが開口してある。目穴4は、左右シート3L・3Rの接合縁7を間に挟む状態で左右に配置されて、アーモンド形に開口してある。鼻穴5は、先の接合縁7を横断する状態で、扁平な逆三角形状に開口してある。同様に、口穴6は、先の接合縁7を横断する状態で口唇形状に開口してある。
【0059】
左シート3Lおよび右シート3Rの形成素材としては、綿やレーヨンなどのセルロース系不織布、あるいはポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミドなどの合成繊維系不織布などを適用できる。但し、セルロース系不織布を素材とする場合には、不織布の一部に熱溶着可能な合成繊維を交絡するか、熱溶着可能なプラスチック粉末を不織布に付着して、左右シート3L・3Rの接合を容易化する。不織布の一部に熱溶着可能な合成繊維を交絡する場合には、熱溶着性繊維の混合率を70〜20%の範囲内で選定でき、より好ましくは、熱溶着性繊維の混合率を70〜30%とする。
【0060】
左右シート3L・3Rは、顔を側面から見るときの顔面輪郭線に沿って線対称状に形成してある。図12に示すように、左右シート3L・3Rの一方の周縁には額、鼻梁、口周り、顎などの外郭形状が形成してあり、耳側周縁には顔周縁形状が形成してある。耳側周縁の下部寄りには、左右シート3L・3Rの接合縁7へ向かってV字状の切欠8が形成してある。不織布には裏表の区別がないので、左右いずれか一方のシートを大量に打ち抜き形成したのち、二枚重ね状態のシートを鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合する。具体的には、左右シート3L・3Rを熱溶着、あるいは超音波溶着することにより本体部1を構成する。左右シート3L・3Rの接合部の断面を図13に示している。
【0061】
本体部1は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部11と、口周りから頬にわたる肌面を覆う下側覆部12と、下側覆部12に連続して顎下および首周りの肌面を覆う首覆部13とで構成する。上側覆部11と下側覆部12とは、鼻穴5の両端から本体部1の耳側周縁にわたって形成される下凹み湾曲線状の上破断線(破断線)14で区分する。また、下側覆部12と首覆部13とは、先に述べた左右の切欠8・8を結ぶ下凹み湾曲線状の下破断線(破断線)15で区分する。下破断線15は顎線に沿って形成してある。
【0062】
先に説明した目穴4は上側覆部11に開口してあり、鼻穴5は上側覆部11と下側覆部12の隣接部に開口してあり、口穴6は下側覆部12に開口してある。また、上側覆部11のシート面には、鼻の外面を覆う小鼻シート部16が鼻穴5の上側に設けてあり、下側覆部12のシート面には、鼻と唇との間の肌面を覆う上顎シート部17が鼻穴5の下側に設けてある。小鼻シート部16の外面には、小鼻シート部16の立体形状を保持する保形片18が設けてある。首覆部13の下縁中央には、首覆部13を首周りに沿わせやすくするための逆V字状の切欠9が設けてある。
【0063】
図11および図12に示すように、小鼻シート部16における左右シート3L・3Rの接合縁7の頂部と、上顎シート部17における左右シート3L・3Rの接合縁7との間には、鼻高さに相当する段差Hが設けてある。この段差Hを設けることにより、パックシートを顔面に貼り付けた状態において、上顎シート部17を鼻と唇との間の肌面に密着させることができる。また、左右シート3L・3Rの周縁に鼻梁の外郭線に沿う小鼻シート部16を突設し、小鼻シート部16と上顎シート部17とを鼻穴5で分断することにより、小鼻シート部16を鼻翼の外面に密着させることができる。
【0064】
保形片18は、塑性変形可能なプラスチックを素材にして、厚みが1mm前後の帯状に形成してあり、小鼻シート部16の外面に熱溶着される押えシート19で固定してある。塑性変形可能なプラスチック材としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、メタクリル系樹脂などを適用できるが、なかでも高密度ポリエチレン樹脂で保形片18を形成するのが好ましい。保形片18および押えシート19は、パックシートとは別に設けておくことができ、その場合には、パックシートを顔に付着させたのち、保形片18および押えシート19を小鼻シート部16の外面に押し付けて塑性変形させ、小鼻シート部16を鼻翼に密着させることができる。
【0065】
ヘッドバンド2Aは、伸縮性を備えている熱溶着可能な合成繊維系不織布を帯状に切断して形成してあり、その遊端には雌雄一対の面ファスナー21が固定してある。ヘッドバンド2Aの基端は下側覆部12の左右の耳側周縁に熱溶着されて、本体部1と一体化してある。上破断線14および下破断線15は、それぞれ本体部1に列状に通設した一群の断続溝22でミシン目状に形成してある。
【0066】
首覆部13は、顎下を覆う顎下部13aと首周りを覆う首部13bとからなり、これら両者13a・13bは、左右シート3L・3Rに形成した左右に長い新月形の切欠23で区分してある。このように、顎下部13aと首部13bを切欠23で区分すると、顎下から首周りの肌面の変化に追随して顎下部13aおよび首部13bを密着することができる。また、顎線に沿って形成した下破断線15は、首覆部13を首周りに付着させるとき、断続溝22が拡開変形して、顎下部13aの顎下側への回り込みを容易化するのに役立つ。
【0067】
以上のように構成したパックシートは、折り畳んで化粧水などのパック液を含浸させ、通気不能な小袋に個別包装した状態で、あるいは多数個を密封容器に収容した状態で市販される。使用者は、図11に示すように、小袋や密封容器から取り出したパックシートの上側覆部11と下側覆部12を顔面全体に付着し、保形片18を鼻翼に沿って折り曲げ、さらに首覆部13を顎下および首周りに付着させる。この状態でヘッドバンド2Aを後頭部に巻き付け、一対の面ファスナー21を止着してパックシートの装着状態を保持する。
【0068】
上記のように本発明のパックシートによれば、1個のパックシートを使用するだけで顔面はもちろん顎下や首周りまで、まとめて一度にパックでき、顔および顔周りのパック処理をより少ない手間で行なえる。また、後頭部に止着したヘッドバンド2Aの締め付け力と弾性力とで左右の耳側周縁を引っ張ってパックシートの装着状態を保持し、さらに保形片18で小鼻シート部16の立体形状を保持して鼻翼に密着させるので、パックシートの全体を確実に肌面に密着させることができる。パックシートが乾燥し始めたとしても、シート周縁が肌面から浮き離れるのを良く防止して、シート面を最後まで肌面に密着させることができる。
【0069】
使用者によっては、顔面の必要な部分のみをパックしたい場合がある。その場合には、パックシートを上破断線14あるいは下破断線15に沿って鋏で切断することにより、上側覆部11、下側覆部12、首覆部13のいずれかひとつ、またはふたつを本体部1から分離して使用することができる。例えば、上破断線14に沿って本体部1を切断することにより上側覆部11を切り離し、これを鼻および目の周りから額に至る肌面に付着させて、部分的なパックを行なうことができる。
【0070】
同様にして、下側覆部12や、首覆部13を切り離して部分的なパックを行なうことができる。下側覆部12を使用する場合には、口周りや頬に付着させた下側覆部12の装着状態をヘッドバンド2Aで確りと保持できる。首覆部13を使用する場合には、顎下と首周りをパックできる。使用しなかった残りの部分は、包装用の小袋や密封容器に収納して、気密状態で保存しておくことにより、問題なく再使用することができる。以上のように、本発明のパックシートによれば、顔と顔以外の顎下や首周りなどを一度にまとめてパックすることができ、あるいは顔の必要な部分のみをパックすることができるので、パックシートを使用者の意図に従って無駄なく使い分けることができる。また、顔の必要な部分のみをパックする場合には、1回あたりのパック費用を節約することができる。
【0071】
図14はパックシートの別の実施例を示す。そこでは、図11で説明した上破断線14に加えて、第2の上破断線(破断線)14aを付加して、上側覆部11と下側覆部12の境界を使用者自身が選定できるようにした。ヘッドバンド2Aは、これらの上破断線14・14aに挟まれた耳側周縁に溶着固定する。このパックシートによれば、ヘッドバンド2Aを上側覆部11と下側覆部12とのいずれか一方に付属させて、上側覆部11または下側覆部12の装着状態をヘッドバンド2Aで保持することができる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
【0072】
図15はパックシートのさらに別の実施例を示す。そこでは、基本的に図10で説明したパックシートと同じ構造を採るが、上側覆部11の上縁複数個所に切り込み25を形成して、パックシートを額に付着させた状態においてシート面を肌面に密着できるようにした。また、接合縁7を横断する状態で切欠23を新月状に形成した。
【0073】
図16はパックシートのさらに別の実施例を示す。そこでは、基本的に図10で説明したパックシートと同じ構造を採るが、接合縁7の上始端を本体部1の上端より下側に位置させて、上側覆部11の上部中央に切り込みに相当する非溶着部27を形成した。また、顎下部13aと首部13bとの境界に、切欠23の換わりに複数個の縦長のスリット28を形成して、顎下部13aおよび首部13bを肌面に密着できるようにした。
【0074】
(実施例3) 図17は本発明に係るパックシートの実施例3を示す。そこでは、不織布シートを立体成型して、パックシートを立体形状に形成するようにした。詳しくは、本体部1を上側覆部11と側覆部12と首覆い部13とで構成し、鼻穴5の両端から本体部1の耳側周縁にわたって破断線14を形成した。また、パックシートのまた、顎線に沿って下破断線15を設けるようにした。この実施例におけるパックシートは、顔面の起伏に沿って予め立体形状に形成してあるので、本体部1を顔面に付着させるだけでパックシートの装着状態を維持でき、したがって、耳掛け片2やヘッドバンド2Aは省略することができる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0075】
上記の実施例では、上下の破断線14・15を一群の断続溝22でミシン目状に形成したが、その必要はなく、左右シート3L・3Rに印刷を施して形成することができる。また、断続溝22を溝列方向に長いスリット状に形成し、隣接する断続溝22の間の橋絡部分の溝列方向の長さを1mm以下に設定しておくと、鋏を使用する必要もなく破断線14・15を手で引きちぎることができる。上下の破断線14・15の形成パターンおよび形成位置は、本体部1の外形形状や、ヘッドバンド2Aの形状、装着位置の違いなどに応じて適宜変更すべきであるので、実施例で説明した形成パターンおよび形成位置には限定しない。必要があれば、下破断線15を切欠23と同様に形成することができる。
【0076】
保形片18は、プラスチック線材あるいは金属線材で形成することができ、必要がなければ省略してもよい。パックシートの密着を促進する切欠23、切り込み25、スリット28は、必要に応じて図15および図16で説明した個所以外の個所にも付加することができる。パックシートは、不織布シートを立体成型して立体形状に形成することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 本体部
2 耳掛け片
3L 左シート
3R 右シート
4 目穴
5 鼻穴
6 口穴
7 接合縁
11 上側覆部
12 下側覆部
13 首覆部
14 上破断線(破断線)
15 下破断線(破断線)
H 段差
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布を素材にして、顔面全体を覆う立体状に形成される本体部(1)を備えており、
本体部(1)には目穴(4)と鼻穴(5)と口穴(6)とが開口されており、
本体部(1)は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部(11)と、口周りから頬にわたる肌面を覆う下側覆部(12)とを含み、
鼻穴(5)の両端から本体部(1)の耳側周縁にわたって、上側覆部(11)と下側覆部(12)とを区分する破断線(14)が形成してあることを特徴とする美容用のパックシート。
【請求項2】
本体部(1)が、顔を側面から見るときの顔面輪郭線に対応して左右対称に形成される左シート(3L)と右シート(3R)とで構成されており、
左シート(3L)と右シート(3R)とを鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合して、本体部(1)が立体状に形成してある請求項1に記載の美容用のパックシート。
【請求項3】
本体部(1)の下側覆部(12)に連続して、首周りの肌面を覆う首覆部(13)が設けられており、
下側覆部(12)と首覆部(13)を区分する破断線(15)が、本体部(1)を左右に横断する状態で形成してある請求項1または2に記載の美容用のパックシート。
【請求項4】
鼻の外面を覆う小鼻シート部(16)が鼻穴(5)の上側に設けられ、鼻と唇との間の肌面を覆う上顎シート部(17)が鼻穴(5)の下側に設けられており、
小鼻シート部(16)における接合縁(7)の頂部と、上顎シート部(17)における接合縁(7)との間に、鼻高さに相当する段差(H)が設けてある請求項1、2または3に記載の美容用のパックシート。
【請求項5】
下側覆部(12)の左右の耳側周縁のそれぞれに耳掛け片(2)が設けてある請求項1から4のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項6】
小鼻シート部(16)に、小鼻シート部(16)の立体形状を保持する保形片(18)が設けてある請求項1から5のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項7】
破断線(14・15)が、本体部(1)に列状に通設した一群の断続溝(22)でミシン目状に形成してある請求項1から6のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項8】
左シート(3L)および右シート(3R)を形成する不織布がセルロース繊維と熱溶着性繊維を交絡して形成されており、前記不織布における熱溶着性繊維の混合率が70〜20%である請求項2から6のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項9】
不織布を素材にして、顔面全体を覆う立体状に形成される本体部(1)と、本体部(1)の耳側周縁に設けられるヘッドバンド(2A)とを備えており、
本体部(1)には目穴(4)と鼻穴(5)と口穴(6)とが開口されており、
本体部(1)は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部(11)と、口周りから頬にわたる肌面を覆う下側覆部(12)とを含み、
鼻穴(5)の両端から本体部(1)の耳側周縁にわたって、上側覆部(11)と下側覆部(12)とを区分する破断線(14)が形成してあることを特徴とする美容用のパックシート。
【請求項10】
本体部(1)が、顔を側面から見るときの顔面輪郭線に対応して左右対称に形成される左シート(3L)と右シート(3R)とで構成されており、
左シート(3L)と右シート(3R)とを鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合して、本体部(1)が立体状に形成してある請求項9に記載の美容用のパックシート。
【請求項11】
本体部(1)の下側覆部(12)に連続して、顎下および首周りの肌面を覆う首覆部(13)が設けられており、
本体部(1)の耳側周縁の下部に、左右シート(3L・3R)の接合縁(7)へ向かって切り込まれる切欠(8)が形成されており、
前記切欠(8)の間に下側覆部(12)と首覆部(13)とを区分する破断線(15)が形成してある請求項9または10に記載の美容用のパックシート。
【請求項12】
鼻の外面を覆う小鼻シート部(16)が鼻穴(5)の上側に設けられ、鼻と唇との間の肌面を覆う上顎シート部(17)が鼻穴(5)の下側に設けられており、
小鼻シート部(16)における接合縁(7)の頂部と、上顎シート部(17)における接合縁(7)との間に、鼻高さに相当する段差(H)が設けてある請求項9、10または11に記載の美容用のパックシート。
【請求項13】
下側覆部(12)の左右の耳側周縁のそれぞれにヘッドバンド(2A)が設けられており、
ヘッドバンド(2A)の遊端のそれぞれに雌雄一対の面ファスナー(21)が固定してある請求項9から12のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項14】
小鼻シート部(16)に、小鼻シート部(16)の立体形状を保持する保形片(18)が設けてある請求項9から13のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項15】
破断線(14・15)が、本体部(1)に列状に通設した一群の断続溝(22)でミシン目状に形成してある請求項9から14のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項16】
左シート(3L)および右シート(3R)を形成する不織布がセルロース繊維と熱溶着性繊維を絡合して形成されており、前記不織布における熱溶着性繊維の混合率が70〜20%である請求項請求項10から14のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項1】
不織布を素材にして、顔面全体を覆う立体状に形成される本体部(1)を備えており、
本体部(1)には目穴(4)と鼻穴(5)と口穴(6)とが開口されており、
本体部(1)は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部(11)と、口周りから頬にわたる肌面を覆う下側覆部(12)とを含み、
鼻穴(5)の両端から本体部(1)の耳側周縁にわたって、上側覆部(11)と下側覆部(12)とを区分する破断線(14)が形成してあることを特徴とする美容用のパックシート。
【請求項2】
本体部(1)が、顔を側面から見るときの顔面輪郭線に対応して左右対称に形成される左シート(3L)と右シート(3R)とで構成されており、
左シート(3L)と右シート(3R)とを鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合して、本体部(1)が立体状に形成してある請求項1に記載の美容用のパックシート。
【請求項3】
本体部(1)の下側覆部(12)に連続して、首周りの肌面を覆う首覆部(13)が設けられており、
下側覆部(12)と首覆部(13)を区分する破断線(15)が、本体部(1)を左右に横断する状態で形成してある請求項1または2に記載の美容用のパックシート。
【請求項4】
鼻の外面を覆う小鼻シート部(16)が鼻穴(5)の上側に設けられ、鼻と唇との間の肌面を覆う上顎シート部(17)が鼻穴(5)の下側に設けられており、
小鼻シート部(16)における接合縁(7)の頂部と、上顎シート部(17)における接合縁(7)との間に、鼻高さに相当する段差(H)が設けてある請求項1、2または3に記載の美容用のパックシート。
【請求項5】
下側覆部(12)の左右の耳側周縁のそれぞれに耳掛け片(2)が設けてある請求項1から4のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項6】
小鼻シート部(16)に、小鼻シート部(16)の立体形状を保持する保形片(18)が設けてある請求項1から5のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項7】
破断線(14・15)が、本体部(1)に列状に通設した一群の断続溝(22)でミシン目状に形成してある請求項1から6のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項8】
左シート(3L)および右シート(3R)を形成する不織布がセルロース繊維と熱溶着性繊維を交絡して形成されており、前記不織布における熱溶着性繊維の混合率が70〜20%である請求項2から6のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項9】
不織布を素材にして、顔面全体を覆う立体状に形成される本体部(1)と、本体部(1)の耳側周縁に設けられるヘッドバンド(2A)とを備えており、
本体部(1)には目穴(4)と鼻穴(5)と口穴(6)とが開口されており、
本体部(1)は、鼻から額にわたる肌面を覆う上側覆部(11)と、口周りから頬にわたる肌面を覆う下側覆部(12)とを含み、
鼻穴(5)の両端から本体部(1)の耳側周縁にわたって、上側覆部(11)と下側覆部(12)とを区分する破断線(14)が形成してあることを特徴とする美容用のパックシート。
【請求項10】
本体部(1)が、顔を側面から見るときの顔面輪郭線に対応して左右対称に形成される左シート(3L)と右シート(3R)とで構成されており、
左シート(3L)と右シート(3R)とを鼻梁を通る顔面中央線に沿って接合して、本体部(1)が立体状に形成してある請求項9に記載の美容用のパックシート。
【請求項11】
本体部(1)の下側覆部(12)に連続して、顎下および首周りの肌面を覆う首覆部(13)が設けられており、
本体部(1)の耳側周縁の下部に、左右シート(3L・3R)の接合縁(7)へ向かって切り込まれる切欠(8)が形成されており、
前記切欠(8)の間に下側覆部(12)と首覆部(13)とを区分する破断線(15)が形成してある請求項9または10に記載の美容用のパックシート。
【請求項12】
鼻の外面を覆う小鼻シート部(16)が鼻穴(5)の上側に設けられ、鼻と唇との間の肌面を覆う上顎シート部(17)が鼻穴(5)の下側に設けられており、
小鼻シート部(16)における接合縁(7)の頂部と、上顎シート部(17)における接合縁(7)との間に、鼻高さに相当する段差(H)が設けてある請求項9、10または11に記載の美容用のパックシート。
【請求項13】
下側覆部(12)の左右の耳側周縁のそれぞれにヘッドバンド(2A)が設けられており、
ヘッドバンド(2A)の遊端のそれぞれに雌雄一対の面ファスナー(21)が固定してある請求項9から12のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項14】
小鼻シート部(16)に、小鼻シート部(16)の立体形状を保持する保形片(18)が設けてある請求項9から13のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項15】
破断線(14・15)が、本体部(1)に列状に通設した一群の断続溝(22)でミシン目状に形成してある請求項9から14のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【請求項16】
左シート(3L)および右シート(3R)を形成する不織布がセルロース繊維と熱溶着性繊維を絡合して形成されており、前記不織布における熱溶着性繊維の混合率が70〜20%である請求項請求項10から14のいずれかひとつに記載の美容用のパックシート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−172732(P2011−172732A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39027(P2010−39027)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
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