説明

美容用フォーム

本発明は、アロエベラを含んでなるエアロゾルフォームを提供する。特に、このフォームは、(a)アロエベラと、(b)界面活性剤と、(c)噴霧剤とを含んでなる。このフォームは、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸、湿潤剤、増粘剤、皮膚科学的に許容できる賦形剤、およびこれらの混合物からなる群のうちの1以上をさらに含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アロエベラを含んでなる、局所用エアロゾルフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
Martindale, The Complete Drug Reference、第34版、Sean C Sweetman編、Pharmaceutical Press、2005年に記載されているように、アロエベラゲルは、アロエベラ(アロエ・バーバデンシス(Aloe barbadensis))の葉から得られる粘液質の調製物であり、これは、その保湿特性および活力付与特性のため、化粧料において広く使用される。
【0003】
米国特許第5,002,680号明細書(Schmidtら)は、皮膚に潤いを与えるためのエアロゾルフォームを記載する。このフォームは、88%〜97%の濃縮物および3%〜12%の噴霧剤を含み、このフォームは、約5〜約6の範囲のpHを有する。この濃縮物は、3%〜20%のマイルドな非石鹸基陰イオン性界面活性剤または両性界面活性剤と、0.05%〜5%のポリマー性スキン・フィール・エイド(polymeric skin feel aid)と、10%〜60%の保湿剤と、水とを含む。この濃縮物はまた、アロエベラゲル(0.5%〜5%)を含み得る。
【0004】
米国特許第5,716,625号明細書および米国特許第6,139,850号明細書(HahnおよびThueson)は、(i)α−ヒドロキシ酸およびβ−ヒドロキシ酸、レチノイドおよび過酸化物などの刺激性有効成分と、(ii)二価のストロンチウム陽イオンとを含む局所用調製物を記載する。この二価の陽イオンは、この有効成分に起因する刺激作用を低減することができる。この組成物は、アロエベラをさらに含み得る。
【0005】
米国特許第7,252,846号明細書(Dinno)は、乾癬、湿疹、魚鱗癬、そう痒症、乾きおよび皮膚炎などの皮膚病態の治療に適した治療用組成物を記載する。この組成物は、いくつかの天然および合成の成分、つまり鉱油、酸化亜鉛、クオタニウム(quarternium)−18ヘクトライト、水酸化マグネシウム、タラ肝油、カラヤガム粉末、炭酸プロピレン、ティーツリーオイル、アロエ粉末およびラノリンを含有する。
【0006】
米国特許第7,262,224号明細書(Chong)は、皮膚の外観を若返らせるための美容用組成物を記載する。この組成物は、好ましくはローションまたはクリームの形態にあり、アロエベラとともにビタミンA、B、C、DおよびEを含む。
【0007】
米国特許第7,357,950号明細書(MazzioおよびSoliman)は、乾燥肌または異汗症を治療することに適した局所用皮膚ケア組成物に向けられる。この組成物は、a)クログルミ、ヨモギ、ウコンおよびニンニクと、b)セイヨウオトギリソウ、リコリス、カモミール、チョウジ、ニクズク、ショウガおよびミルラからなる群から選択される2以上の抗菌性の/抗炎症性のハーブと、c)アロエベラと、d)ナイアシン、ナイアシンアミドおよびニコチン酸とを含む。
【0008】
グリコール酸または乳酸などのα−ヒドロキシ酸は、皮膚を取り除き、そうする中で皮膚を若返らせるその能力のため知られている。サリチル酸などのβ−ヒドロキシ酸は、同様に、局所用調製物の中でエクスフォリアント(exfoliants)として作用することができる。
【0009】
米国特許第4,363,815号明細書(YuおよびVan Scott)は、例えば乾燥肌、乾癬、ざ瘡、頭部粃糠疹(フケ)、ダリエー病、手掌および足底の角化症、魚鱗癬、ざ瘡、湿疹、そう痒症、疣贅、慢性単純性苔癬、角化症およびヘルペスの治療に適した、α−ヒドロキシ酸またはβ−ヒドロキシ酸を含む治療用組成物を記載する。この特許は、α−ヒドロキシ酸およびβ−ヒドロキシ酸は、溶液、ローション、ゲル、シャンプー、スプレー、スティック、粉末、クリームまたは軟膏剤の中で製剤化され得ると記載する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
当該技術分野で、美容上上質でありかつ皮膚に潤いを与え、活力を与え、若返らせることができる局所用調製物に対するニーズがまだある。本発明は、これらのまだ満たされていないニーズに対処する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1つの実施形態によれば、本発明は、(a)アロエベラと、(b)界面活性剤と、(c)噴霧剤とを含んでなる、局所用エアロゾルフォーム組成物を提供する。
【0012】
さらなる実施形態によれば、本発明は、皮膚に潤いを与える方法であって、これを必要とする被験体に、美容上有効量の、(a)アロエベラと、(b)界面活性剤と、(c)噴霧剤とを含んでなる、エアロゾルフォーム組成物を局所投与することを含んでなる、方法を提供する。
【0013】
別の実施形態によれば、本発明は、皮膚に潤いを与えるための美容用調製物の製造における、(a)アロエベラと、(b)界面活性剤と、(c)噴霧剤とを含んでなる、エアロゾルフォーム組成物の使用に関する。
【0014】
さらに別の実施形態によれば、本発明は、皮膚に潤いを与えるための、(a)アロエベラと、(b)界面活性剤と、(c)噴霧剤とを含んでなる、エアロゾルフォーム組成物の使用に関する。
【0015】
1つの実施形態では、本発明は、(a)アロエベラと、(b)薬学的活性剤と、(c)界面活性剤と、(d)噴霧剤とを含んでなる、局所用エアロゾルフォーム組成物を提供する。
【0016】
さらなる実施形態では、本発明は、皮膚の疾患、障害または病態を治療する方法であって、これを必要とする被験体に、治療上有効量の、(a)アロエベラと、(b)薬学的活性剤と、(c)界面活性剤と、(d)噴霧剤とを含んでなる、エアロゾルフォーム組成物を局所投与することを含んでなる、方法を提供する。
【0017】
別の実施形態では、本発明は、皮膚の疾患、障害または病態の治療のための医薬の製造における、(a)アロエベラと、(b)薬学的活性剤と、(c)界面活性剤と、(d)噴霧剤とを含んでなる、エアロゾルフォーム組成物の使用に関する。
【0018】
さらに別の実施形態では、本発明は、皮膚の疾患、障害または病態の治療のための、(a)アロエベラと、(b)薬学的活性剤と、(c)界面活性剤と、(d)噴霧剤とを含んでなる、エアロゾルフォーム組成物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、好適には噴霧剤を含有する加圧容器の中にある、(a)アロエベラと、(b)界面活性剤とを含んでなる、局所用エアロゾルフォーム組成物を提供する。
【0020】
1つの実施形態によれば、この局所用エアロゾルフォームは、せん断を加えると皮膚の上で容易に壊れる。
【0021】
アロエベラ
1つの実施形態では、本発明で使用されるアロエベラは、アロエ・バーバデンシス(Aloe barbadensis)葉汁としても知られるアロエベラゲルである。アロエベラゲルは、アロエ・バーバデンシス(Aloe barbadensis)葉汁として未濃縮(未変性)の形態で市販されており、本発明の組成物において使用され得る。
【0022】
アロエベラゲルは、2×、5×、10×、20×、40×および200×濃縮物としても市販されている。濃縮物が本発明の組成物の調製において使用される場合、100% アロエベラゲル(汁)の等価物を得るために、つまり、未濃縮(未変性)の形態にあるアロエ・バーバデンシス(Aloe barbadensis)を模擬するために、この濃縮物は水で希釈される。従って、この実施形態では、この組成物は、約40重量%〜約95重量%、約40重量%〜約70重量%、約70重量%〜約95重量%、または約80重量%〜約95重量%の量の水をさらに含んでなる。
【0023】
好適には、アロエベラゲル濃縮物は、約0.1重量%〜約50重量%の量で存在する。当業者には理解されるように、本発明の組成物で使用されるアロエベラ濃縮物の量は、使用される濃縮物(すなわち2×、5×、10×、20×、40×または200×)に応じて変わる。
【0024】
本発明の組成物において2×濃縮物が使用される場合、アロエベラ濃縮物が約10重量%〜約50重量%の量で存在することが好適であろう。5×濃縮物が使用される場合、この濃縮物が約4重量%〜約20重量%の量で存在することが好適であろう。10×濃縮物が使用される場合、この濃縮物が約2重量%〜約10重量%の量で存在することが好適であろう。20×濃縮物が使用される場合、この濃縮物が約1重量%〜約5重量%の量で存在することが好適であろう。40×濃縮物が使用される場合、この濃縮物が約0.5重量%〜約2.5重量%の量で存在することが好適であろう。200×濃縮物が使用される場合、このアロエベラ濃縮物が約0.1重量%〜約0.5重量%の量で存在することが好適である。
【0025】
1つの実施形態では、本発明のエアロゾルフォーム組成物は、約0.5重量%〜約2.5重量%の量の40×濃縮物としてのアロエベラゲルと、約70重量%〜約95重量%の量の水と、界面活性剤と、噴霧剤とを含んでなる。
【0026】
別の実施形態では、本発明のエアロゾルフォーム組成物は、約0.1重量%〜約0.5重量%の量の200×濃縮物としてのアロエベラゲルと、約80重量%〜約95重量%の量の水と、界面活性剤と、噴霧剤とを含んでなる。
【0027】
界面活性剤
1つの実施形態では、この界面活性剤は非イオン性界面活性剤である。
【0028】
例示的な非イオン性界面活性剤としては、PEG−8 ステアレート、PEG−12 ステアレート、PEG−20 ステアレート、PEG−30 ステアレート、PEG−40 ステアレート、PEG−50 ステアレート、PEG−100 ステアレート、PEG−12 ジステアレート、PEG−32 ジステアレート、PEG−150 ジステアレートおよびPEG−10 オレエートなどのエトキシル化カルボン酸;PEG−35ヒマシ油、PEG−40硬化ヒマシ油およびPEG−60硬化ヒマシ油などのエトキシル化グリセリド;メチルグルセス−20 セスキステアレートなどの多価アルコールエステルおよびエーテル;ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60およびポリソルベート80などのエトキシル化ソルビタンエステル;セテアレス−6、セテアレス−12、セテアレス−20、セテアレス−25、セテス−10、セテス−20、ラウレス−4、ラウレス−5、ラウレス−9、ラウレス−10、ラウレス−12、ラウレス−15、ラウレス−20、ラウレス−23、オレス−10、オレス−20、ステアレス−10、ステアレス−20およびステアレス−100などのエトキシル化アルコール;PEG−20 ラノリン、PEG−30 ラノリン、PEG−75 ラノリン、PEG−100 ラノリンおよびPEG−150 ラノリンなどのエトキシル化ラノリン;ジメチコーンコポリオールなどのエトキシル化ポリシロキサン;ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338およびポロキサマー407などのプロポキシル化POEエーテル;ならびにカプリリルグルコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ココ−グルコシド、セテアリルグルコシドおよびイソステアリルグルコシドなどのアルキルポリグルコシド、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
1つの実施形態では、この非イオン性界面活性剤はアルキルポリグルコシドである。好適には、このアルキルポリグルコシドは、カプリリルグルコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ココ−グルコシド、セテアリルグルコシドおよびイソステアリルグルコシド、およびこれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施形態では、このアルキルポリグルコシドはデシルポリグルコシドである。
【0030】
別の実施形態では、この非イオン性界面活性剤はエトキシル化アルコールである。好適には、このエトキシル化アルコールは、セテアレス−6、セテアレス−12、セテアレス−20、セテアレス−25、セテス−10、セテス−20、ラウレス−4、ラウレス−5、ラウレス−9、ラウレス−10、ラウレス−12、ラウレス−15、ラウレス−20、ラウレス−23、オレス−10、オレス−20、ステアレス−10、ステアレス−20およびステアレス−100からなる群から選択される。特定の実施形態では、このエトキシル化アルコールはセテアレス−20である。
【0031】
1つの実施形態では、界面活性剤は、約0.1重量%〜約5重量%の量で存在する。さらなる実施形態では、界面活性剤は、約0.5重量%〜約1重量%の量で存在する。
【0032】
噴霧剤
この噴霧剤は、任意の好適な液化ガス、例えば炭化水素、クロロフルオロカーボン、ジメチルエーテル、ヒドロフルオロカーボンおよびこれらの混合物であり得る。他の好適な噴霧剤としては、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素および空気などの圧縮ガスが挙げられる。1つの実施形態では、噴霧剤は、炭化水素の混合物などの炭化水素噴霧剤である。好適には、この炭化水素噴霧剤は、プロパン、n−ブタンおよびイソブタンの混合物を含む。当業者は、噴霧剤の他の組み合わせが本発明において有用であることを理解する。
【0033】
好適には、この噴霧剤は、約2.5重量%〜約10重量%、例えば約5重量%の量で存在する。
【0034】
増粘剤
1つの実施形態によれば、本発明の組成物は、増粘剤をさらに含む。
【0035】
例示的な増粘剤としては、寒天;Acritamers、CarbomersおよびPemulensなどのアクリル酸ポリマーおよびコポリマー;アンモニウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩およびプロピレングリコールアルギネートなどのアルギン酸塩(アルギネート)ならびにこの塩および誘導体;κカラギーナン(ナトリウム塩)、ιカラギーナン(ナトリウム塩)およびλカラギーナンなどのカラギーナン;キトサン;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体;デキストリン;ゼラチン;アラビアゴム、セラトニア、グアー、トラガントおよびキサンタンガムなどのゴム;ヒドロキシプロピルグアーおよびグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのゴム誘導体;マルトデキストリン;ペクチン;ポリカルボフィル;ポリデキストロース;PEG 200、PEG 300、PEG 400、PEG 540、PEG 600、PEG 900、PEG 1000、PEG 1450、PEG 1500、PEG 1540、PEG 2000、PEG 3000、PEG 3350、PEG 4000、PEG 4600、PEG 6000、PEG 8000、PEG 20000およびPEG 35000などのポリエチレングリコール(PEG);ポリエチレンオキシド;ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)ならびにこれらのコポリマーおよび誘導体;ポリビニルアルコール;PVP K12、K15、K17、K25、K30、K60、K90およびK120などのポリビニルピロリドン(PVP);アルファ化デンプン;ヒアルロン酸およびヒアルロン酸ナトリウムなどのヒアルロナン;スルホブチルエーテル β−シクロデキストリンおよびトレハロースおよびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
1つの実施形態では、増粘剤は、プロピレングリコールアルギネート;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体;ならびにPVP K12、K15、K17、K25、K30、K60、K90およびK120などのポリビニルピロリドン(PVP)、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。PVPの分子量は、K12についてのおよそ2500からK120についての3,000,000の範囲にわたる。
【0037】
好適には、この増粘剤はセルロース誘導体である。1つの実施形態では、このセルロース誘導体は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0038】
別の実施形態では、増粘剤はキサンタンガムである。
【0039】
さらなる実施形態によれば、増粘剤は、約0.01重量%〜約2重量%の量で存在する。好適には、増粘剤は、約0.1重量%〜約1重量%、例えば約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%または1重量%の量で存在する。
【0040】
湿潤剤
1つの実施形態では、本発明の組成物は湿潤剤をさらに含む。
【0041】
例示的な湿潤剤としては、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ブチレングリコール、エチレングリコール、ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、ペンチレングリコール、プロパンジオール、プロピレングリコールおよびパンテノールなどのアルコール;尿素などのアミド;ハチミツおよび水添ハチミツなどの生物由来物質およびそれらの誘導体;トレハロースおよびキシロースなどの炭水化物;ポリグリセリルソルビトールなどのエーテル;またはカリウムココイルPCA、乳酸カリウム、カリウムラウロイルPCA、カリウムPCA、グルクロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウムおよびナトリウムPCAなどの有機塩;ならびにジグリセリン、エリスリトール、フルクトース、グルコース、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、マルチトール、マルトース、マンニトール、マンノース、ソルビトール、スクロース、トリプロピレングリコールおよびキシリトールなどのポリオール、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
別の実施形態では、この湿潤剤は、少なくとも2つの湿潤剤の混合物である。別の実施形態では、湿潤剤は、より多くのもののうちの3つの混合物である。さらに別の実施形態では、湿潤剤は少なくとも4つの混合物である。
【0043】
好適には、複数の湿潤剤が存在する場合、この湿潤剤は、グリセリン、プロピレングリコール、ナトリウムPCAおよびD−パンテノールからなる群のうちの1以上からなる。1つの実施形態では、湿潤剤は、グリセリン、プロピレングリコール、ナトリウムPCAおよびD−パンテノールの混合物である。この実施形態では、このグリセリン、プロピレングリコール、ナトリウムPCAおよびD−パンテノールは、各々、約0.25重量%〜約2重量%の量で存在する。1つの実施形態では、グリセリン、プロピレングリコール、ナトリウムPCAおよびD−パンテノールの比は、約1:1:1:1である。別の実施形態では、グリセリン、プロピレングリコール、ナトリウムPCAおよびD−パンテノールの比は約1:1:1.4:1である。
【0044】
1つの実施形態では、湿潤剤は約1重量%〜約20重量%の量で存在する。好適には、湿潤剤は、約2重量%〜約8重量%、例えば約2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%または8重量%の量で存在する。
【0045】
低級アルコール
1つの実施形態によれば、このエアロゾルフォーム組成物は、15重量%未満のC−Cアルコール(すなわち低級アルコール)を含む。好適な低級アルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、またはt−ブチルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態では、このC−CアルコールはC−Cアルコールの混合物である。
【0046】
さらなる実施形態では、このエアロゾルフォーム組成物は、約1重量%〜約5重量%のC−Cアルコールを含む。別の実施形態では、この組成物はC−Cアルコールを実質的に欠き、好適には、この組成物はC−Cアルコールを欠く。
【0047】
薬学的活性剤
さらに別の実施形態によれば、このエアロゾルフォーム組成物は、薬学的活性剤(pharmaceutically active agent)をさらに含む。1つの実施形態では、この薬学的活性剤は、角質溶解薬、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬、創傷治癒剤、消毒薬、抗菌薬、抗真菌薬、レチノイド、ビタミンD類似体、皮膚コンディショニング剤、栄養剤(nutritional agent)、日焼け止め、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0048】
さらなる実施形態では、この薬学的活性剤は、角質溶解薬、抗菌薬、および皮膚コンディショニング剤からなる群から選択される。
【0049】
特定の実施形態では、この薬学的活性剤は角質溶解薬である。別の実施形態では、薬学的活性剤は抗菌薬である。さらなる実施形態では、薬学的活性剤は皮膚コンディショニング剤である。
【0050】
1つの実施形態では、薬学的活性剤は、活性剤または活性剤の組み合わせの性質に応じて約0.001重量%〜約30重量%の量で存在する。
【0051】
例示的な角質溶解薬としては、尿素、プロピレングリコールおよび当該技術分野で認識されている角質溶解性の酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
1つの実施形態では、この角質溶解薬は少なくとも1種の酸である。さらなる実施形態では、この酸は、α−ヒドロキシ酸およびβ−ヒドロキシ酸、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。1つの実施形態では、酸は少なくとも1種のα−ヒドロキシ酸である。別の実施形態では、酸は少なくとも1種のβ−ヒドロキシ酸である。
【0053】
例示的なα−ヒドロキシ酸としては、グリコール酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、α−ヒドロキシエタン酸、α−ヒドロキシオクタン酸、α−ヒドロキシカプリル酸、混合フルーツ酸、三成分系(triple)フルーツ酸、トリ−α−ヒドロキシフルーツ酸、サトウキビエキス、αヒドロキシおよび植物系複合体(botanical complex)、架橋脂肪酸 α ニュートリウム(nutrium)中のL−αヒドロキシ酸およびグリコマー(glycomer)、ならびにこれらの塩および混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
好適には、このα−ヒドロキシ酸はグリコール酸である。1つの実施形態では、このグリコール酸は、約1重量%〜約10重量%、または約4重量%〜約10重量%の量で存在する。別の実施形態によれば、α−ヒドロキシ酸は乳酸である。
【0055】
例示的なβ−ヒドロキシ酸としては、サリチル酸、β−ヒドロキシブタン酸、トロパ酸およびトレトカン酸、ならびにこれらの塩および混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
好適には、このβ−ヒドロキシ酸はサリチル酸である。
【0057】
1つの実施形態では、角質溶解性の酸(kerolytic acid)は、約0.1重量%〜約10重量%の量で存在する。
【0058】
例示的な副腎皮質ステロイド薬としては、プロピオン酸アルクロメタゾン、アムシノニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、プロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸クロベタゾール、酪酸クロベタゾン、酢酸コルチゾン、デソニド、デスオキシメタゾン、酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルクロロロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン、フルランドレノリド、フルランドレノロン、プロピオン酸フルチカゾン、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、プロピオン酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、酢酸メチルプレドニゾロン、フロ酸モメタゾン、塩酸プラモキシン、酢酸プレドニゾン、吉草酸プレドニゾン、トリアムシノロンアセトニド、プレドニカルベート、これらの塩、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適には、この副腎皮質ステロイド薬は、約0.01重量%〜約2重量%の量で存在する。
【0059】
例示的な抗ヒスタミン薬としては、セチリジン、バピタジン(vapitadine)、ジフェンヒドラミン、トリプロリジン、ピリラミン、クロルシクリジン、プロメタジン、カルビノキサミン、トリペレナミン、ブロモフェニラミン、ヒドロキシジン、テルフェナジン、クロロフェニラミン、これらの塩、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
例示的な消毒薬としては、過酸化水素、クロルヘキシジン、セトリミド、ポビドンヨード、スルファジアジン銀、トリクロサン、これらの塩、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
例示的な抗菌薬としては、ゲンタマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシン、セフポドキシムプロキセチル、クリンダマイシン、リンコマイシン、エリスロマイシン、バシトラシン、グラミシジン(類)、バンコマイシン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、ホスホマイシン、フシジン酸、ムピロシン、スルファセタミド、メトロニダゾール、ベンゾイルペルオキシドおよびダプソン、これらの塩、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適には、この抗菌薬は、約0.1重量%〜約10重量%の量で存在する。
【0062】
1つの実施形態では、この抗菌薬はクリンダマイシンまたはその塩、例えばリン酸クリンダマイシンである。別の実施形態によれば、この抗菌薬はメトロニダゾールである。別の実施形態では、抗菌薬はベンゾイルペルオキシドである。
【0063】
例示的な抗真菌薬としては、アニデュラファンギン(anidulafunin)、カスポファンギンおよびミカファンギンなどのエキノキャンディン;アンホテリシンB、カンジシジン、フィリピン、フンギクロミン(fungichromin)、ハチマイシン、ハマイシン(hamycin)、ルセンソマイシン、メパルトリシン、ナタマイシン、ニスタチン、ペチロシン、ペリマイシン(perimycin)などのポリエン;ブテナフィン、ナフチフィンおよびテルビナフィンなどのアリルアミン;ビホナゾール、ブトコナゾール、クロルミダゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール(enilconazole)、フェンチコナゾール、フルトリマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾールおよびチオコナゾールなどのイミダゾール;リラナフタート、トルシクラート、トリンダート(tolindate)およびトルナフェート(tolnafate)などのチオカルバメート;アルバコナゾール、プラミコナゾール(pramiconazole)、フルコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、ラブコナゾール、サペルコナゾール(saperconazole)、テルコナゾールおよびボリコナゾールなどのトリアゾール;ならびにアクリゾルシン、アモロルフィン、ビフェナミン、ブロモサリシルクロルアニリド(bromosalicylchloranilide)、ブクロサミド、プロピオン酸カルシウム、クロルフェネシン、シクロピロクス、クロキシキン(cloxyquin)、コパラフィネート、エキサラミド、フルシトシン、ハロプロジン、ヘキセチジン(hexetidine)、ロフルカルバン(loflucarban)、ニフラテル、ヨウ化カリウム、プロピオン酸、ピリチオン、サリチルアニリド、プロピオン酸ナトリウム、スルベンチン、テノニトロゾール、トリアセチン、ウンデシレン酸、プロピオン酸亜鉛、グリセオフルビン、オリゴマイシン、ピロールニトリン、シッカニン、ビリジアン(viridian)などの他の抗真菌薬、これらの塩、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される抗真菌薬が挙げられるが、これらに限定されない。好適には、この抗真菌薬は、約0.1重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0064】
例示的なレチノイドとしては、タザロテン、トレチノイン、イソトレチノイン、アシトレチン、エトレチナート、アダパレン、ベキサロテン(bexarotene)、アリトレチノイン、レチノール、レチナール、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、リノール酸レチニル、5−(2−(4,4−ジメチルチオクロマン−6−イル)エチニル)チオフェン−2−カルボン酸エチル、6−(2−4,4−ジメチルチオクロマン−6−イル)−エチニル)−3−ピリジルメタノール、6−(2−(4,4−ジメチルチオクロマン−6−イル)−エチニル)ピリジン−3−カルボアルデヒド、これらの塩、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適には、このレチノイドは、約0.01重量%〜約1重量%の量で存在する。
【0065】
例示的なビタミンD類似体としては、カルシジオール、カルシトリオール、カルシポトリエン、パリカルシトール、22−オキサカルシトリオール(oxacolcitriol)、ジヒドロタキステロール、カルシフェロール、これらの塩、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適には、このビタミンD類似体は、約0.001重量%〜約0.1重量%の量で存在する。
【0066】
例示的な皮膚コンディショニング剤としては、炭化水素の油およびワックス、シリコーン、脂肪酸誘導体、コレステロール、ジグリセリドおよびトリグリセリド、植物油、アセトグリセリドエステル、アルキルエステル、アルケニルエステル、ラノリン、ミルクトリグリセリド(milk tri−glyceride)、ワックスエステル、ビーズワックス、ステロール、リン脂質、ヒアルロン酸、これらの塩、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態では、皮膚コンディショニング剤は、ヒアルロン酸またはその塩、例えばヒアルロン酸ナトリウムである。好適には、皮膚コンディショニング剤は、約0.1重量%〜約20重量%の量で存在する。
【0067】
例示的な栄養剤としては、ビタミンA、B、C、D、EおよびKなどのビタミンならびにそれらのプロドラッグ、必須アミノ酸、必須脂肪、抗酸化剤、これらの塩、ならびにこれらの混合物が挙げられる。好適には、この栄養剤は、約0.01重量%〜約2重量%の量で存在する。
【0068】
例示的な日焼け止めとしては、アミノ安息香酸、アボベンゾン(avobenzone)、ベモトリジノール(bemotrizinol)、ビスオクトリゾール(bisoctrizole)、β−カロチン、シノキセート、4−(ジメチルアミノ)安息香酸、ジオキシベンゾン、ドロメトリゾール、エカムスール(ecamsule)、エンスリゾール(ensulizole)、エチルヘキシルトリアゾン、ホモサラート(homosalate)、ローソーン(lawsone)、メンチルアントラニレート、4−メチルベンジリデンカンファー、メキセノン(mexenone)、オクタベンゾン(octabenzone)、オクトクリレン(octocrylene)、オクチルメトキシシンナメート(octyl methoxycinnamate)、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン(oxybenzone)、スリソベンゾン(sulisobenzone)、酸化亜鉛、二酸化チタン、これらの塩、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適には、日焼け止めは、約4〜約50の日焼け防止指数を与えるのに十分な量で存在する。
【0069】
皮膚科学的に許容できる賦形剤
1つの実施形態では、本発明の局所用エアロゾルフォーム組成物は、保存料、抗酸化剤およびpH調整剤からなる群から選択される1以上の皮膚科学的に許容できる賦形剤をさらに含む。
【0070】
保存料
好適には、この保存料は、ベンジルアルコール、ジアゾリジニル尿素、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール、ソルビン酸および安息香酸、これらの塩、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0071】
特定の実施形態によれば、保存料はベンジルアルコールである。
【0072】
1つの実施形態では、本発明のフォーム組成物は、約0.01重量%〜約2.5重量%、約0.1重量%〜約1.5重量%、または約1.4重量%の量の保存料を含む。
【0073】
抗酸化剤
好適には、抗酸化剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコフェロール、没食子酸プロピルおよびビタミンE TPGS、およびこれらの混合物からなる群から選択される。1つの実施形態では、本発明のエアロゾルフォーム組成物は、約0.001重量%〜約1重量%、約0.05重量%〜約0.5重量%、または約0.1重量%の量の抗酸化剤を含む。
【0074】
pH調整剤
1つの実施形態では、このpH調整剤は塩基である。好適なpH調整塩基としては、重炭酸塩、炭酸塩、ならびにアルカリ金属(例えばカリウムもしくはナトリウム)ヒドロキシドまたはアルカリ土類金属ヒドロキシドおよび遷移金属ヒドロキシドなどのヒドロキシドが挙げられる。好適には、この塩基は水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムである。
【0075】
別の実施形態によれば、pH調整剤は、酸、酸塩、またはこれらの混合物である。
【0076】
さらなる実施形態では、pH調整剤は緩衝液である。好適には、この緩衝液は、クエン酸塩/クエン酸、酢酸塩/酢酸、リン酸塩/リン酸、ギ酸塩/ギ酸、プロピオン酸塩/プロピオン酸、乳酸塩/乳酸、炭酸塩/炭酸、アンモニウム/アンモニア、エデト酸塩/エデト酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0077】
1つの実施形態では、本発明のフォーム組成物は、この組成物のpHを約3.0〜約9.0の間のpHに調整するのに十分な量のpH調整剤を含む。好適には、この組成物のpHは約3.0〜約4.0の間のpHに調整される。別の実施形態によれば、pHは約5〜約7の間のpHに調整される。
【0078】
容器
1つの実施形態では、この局所用エアロゾルフォーム組成物は、容器の中に包装される。好適には、この容器は加圧容器である。容器は、組成物に長い貯蔵寿命を与えるように選択され、従って、この組成物の安定性を妨げないように化学的に不活性であるべきである。
【0079】
好適な容器は、例えば、鋼鉄、アルミニウム、ガラスまたはプラスチックから作製され得、そして1以上の内側保護ライニングをさらに採用し得る。
【0080】
1つの実施形態では、このエアロゾル容器は、ポリアミド−イミド(PAM)でライニングされたアルミニウムエアロゾル容器である。
【0081】
1つの実施形態では、このエアロゾルフォーム組成物は、(a)アロエベラと、(b)界面活性剤と、(c)噴霧剤とを含んでなる。
【0082】
好適には、このアロエベラはアロエベラゲル濃縮物であり、この組成物は、約40重量%〜約95重量%の量の水をさらに含む。1つの実施形態では、この界面活性剤は、非イオン性界面活性剤である。別の実施形態では、この非イオン性界面活性剤はエトキシル化アルコールである。
【0083】
別の実施形態では、この組成物は、少なくとも1種の湿潤剤をさらに含んでなる。別の実施形態では、この組成物は、増粘剤をさらに含んでなる。
【0084】
1つの実施形態では、本発明は、
(a)アロエベラ濃縮物と、
(b)約40重量%〜約95重量%の量の水と、
(c)約1重量%〜約20重量%の量の少なくとも1種の湿潤剤と、
(d)約0.1重量%〜約5重量%の量の少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と
を含んでなる、局所用エアロゾルフォーム組成物を提供する。
【0085】
別の実施形態では、この非イオン性界面活性剤は、エトキシル化アルコールである。さらに別の実施形態では、この組成物は、増粘剤をさらに含んでなる。
【0086】
好適には、完成品およびエアロゾル容器の中には、約2.5重量%〜10重量%の量の炭化水素噴霧剤が存在する。
【0087】
さらなる実施形態では、本発明は、
(a)アロエベラ濃縮物と、
(b)薬学的に許容できる活性剤と、
(c)約40重量%〜約95重量%の量の水と、
(d)約1重量%〜約20重量%の量の少なくとも1種の湿潤剤と、
(e)約0.1重量%〜約5重量%の量の少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と
を含んでなる、局所用エアロゾルフォーム組成物を提供する。
【0088】
好適には、1つの実施形態では、この薬学的に許容できる活性剤は、角質溶解薬、抗菌薬および皮膚コンディショニング剤からなる群から選択される。
【0089】
好適には、完成品およびエアロゾル容器の中には、約2.5重量%〜10重量%の量の炭化水素噴霧剤が存在する。
【0090】
別の実施形態では、本発明は、
(a)アロエベラ濃縮物と、
(b)約1重量%〜約10重量%の量のグリコール酸と、
(c)約40重量%〜約95重量%の量の水と、
(d)約1重量%〜約20重量%の量の少なくとも1種の湿潤剤と、
(e)約0.1重量%〜約5重量%の量の少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と
を含んでなる、局所用エアロゾルフォーム組成物を提供する。
【0091】
さらに別の実施形態では、この湿潤剤は、少なくとも2つ、または少なくとも3つまたは少なくとも4つの湿潤剤の混合物である。別の実施形態では、この湿潤剤は、グリセリン、プロピレングリコール、ナトリウムPCAおよびD−パンテノールの混合物である。別の実施形態では、グリセリン、プロピレングリコール、ナトリウムPCAおよびD−パンテノールは、約1:1:1:1の比で存在する。別の実施形態では、グリセリン、プロピレングリコール、ナトリウムPCAおよびD−パンテノールの比は約1:1:1.4:1である。
【0092】
好適には、完成品およびエアロゾル容器の中には、約2.5重量%〜10重量%の量の炭化水素噴霧剤が存在する。
【0093】
処置の方法
本発明はまた、皮膚に潤いを与える方法であって、これを必要とする被験体に、本明細書中でこれまでに記載されたエアロゾルフォーム組成物を局所的に適用することを含んでなる、方法を提供する。このような潤いの付与は、乾燥肌の処置に特に適している。
【0094】
さらに、本発明の組成物が薬学的活性剤をさらに含んでなる場合、本発明の組成物は、(皮膚に潤いを与えることに加えて)皮膚の疾患、障害または病態の治療で使用され得る。
【0095】
好適には、この皮膚の疾患、障害または病態は、ざ瘡、瘢痕、酒さ、微生物感染症、および皮膚炎(乾癬、脂漏性皮膚炎、小児湿疹およびアレルギー性接触皮膚炎など)からなる群から選択される。本発明の組成物が活性剤としてα−ヒドロキシ酸またはβ−ヒドロキシ酸などの角質溶解薬を含んでなる場合、本発明の組成物は、皮膚をやさしく取り除くため、従って皮膚を修復するかまたは若返らせるために使用され得る。
【0096】
特定の実施形態では、皮膚の疾患、障害または病態はざ瘡である。別の実施形態では、皮膚の疾患、障害または病態は酒さである。
【0097】
さらなる実施形態では、本発明の組成物は、皮膚の疾患、障害または病態の治療のためのレジメンの一部として使用され得る。特に、本発明の組成物は、別個の医薬品剤形と組み合わせて使用され得る。1つの実施形態によれば、この別個の医薬品剤形は局所用調製物である。別の実施形態では、この別個の医薬品剤形は経口用調製物である。
【0098】
1つの実施形態によれば、本発明の組成物は、ざ瘡の治療のためのレジメンの一部として使用され得、この場合、本発明の組成物は、抗菌薬、ベンゾイルペルオキシド、サリチル酸およびレチノイド、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される有効成分を含んでなる別個の局所用医薬品剤形と組み合わせて使用される。
【0099】
好適には、抗菌薬は、この別個の局所用医薬品剤形の中に、約0.1〜約10重量%の量で存在する。好適には、ベンゾイルペルオキシドは、約1重量%〜約10重量%の量で存在する。好適には、サリチル酸は、約0.1重量%〜約5重量%の量で存在する。好適には、レチノイドは、約0.01重量%〜約1重量%の量で存在する。
【0100】
1つの実施形態では、この別個の医薬品剤形はエアロゾルフォームである。特定の実施形態によれば、この別個の医薬品剤形はベンゾイルペルオキシドを含んでなるエアロゾルフォームである。好適には、このベンゾイルペルオキシドを含んでなるエアロゾルフォームは水性フォームである。1つの実施形態では、この水性エアロゾルフォームは、水を含む水相と、この水相に懸濁して約1重量%〜約10重量%の量で存在するベンゾイルペルオキシドと、増粘剤と、エアロゾル噴霧剤とを含んでなる。例示的なベンゾイルペルオキシド水性フォーム(別個の剤形として)は実施例5に記載されている。
【0101】
さらなる実施形態では、この別個の剤形は、サリチル酸を含んでなる局所用エアロゾルフォーム組成物である。好適には、このエアロゾルフォームは、サリチル酸と、水と、約5重量%〜40重量%の量のエタノールと、ワックスと、界面活性剤と、エアロゾル噴霧剤とを含んでなる。
【0102】
定義
「有効量」、「のに有効な量」、「治療上有効量」または「美容上有効量」という語句は、投与の際に治療的効果または美容効果を有するのに十分な当該組成物の量を意味するために本明細書で使用される。有効量は、治療しようとする特定の病態(1つまたは複数)、その病態の重症度、治療の継続期間、および組成物の特定の成分とともに変わる。
【0103】
用語「投与すること」および「投与」は、所望の美容効果または治療効果を与えるように、正しい美容的または医学的な実施の中で組成物を被験体に送達する任意の方法を意味するために本明細書で使用される。
【0104】
用語、皮膚の疾患、障害もしくは病態の「治療」または「治療すること」は、皮膚の疾患、障害もしくは病態の少なくとも1つの症候の軽減、その重症度の低減、またはその進行の遅延、予防または抑制を包含する。治療は、障害が完全に治癒することを意味する必要はない。本発明で有用な組成物は、障害の重症度を低減する、その障害に関連する症候の重症度を低減する、患者の生活の質の改善をもたらす、または障害の発症を遅延、予防もしくは抑制する必要があるだけである。
【0105】
用語「こ(れら)の塩」は、薬学的にまたは美容的に許容できる塩を意味する。このような塩としては、(1)例えば、酢酸、安息香酸、クエン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グリコール酸、塩酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、リン酸、プロピオン酸、ソルビン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、天然由来および合成由来のアミノ酸、ならびにこれらの混合物などの酸とともに形成される酸付加塩;または(2)親化合物に存在する酸性プロトンが(i)金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンもしくはアルミニウムイオンによって置き換えられるか;または(ii)例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミンおよびN−メチルグルカミンなどの有機塩基をプロトン化するかのいずれかであるときに形成される塩が挙げられる。
【0106】
本明細書に記載されるいずれの濃度範囲、百分率範囲または比の範囲は、特段の記載がない限り、その範囲内の任意の整数およびそれらの分数、例えばある整数の10分の1および100分の1、の濃度、百分率または比を含むと理解されるべきである。
【0107】
本明細書で使用する場合の用語「a(1つの)」および「an(1つの)」は、「1以上の」列挙された要素を意味するということを理解されたい。単数形の使用が、特段の記載がない限り、複数形を包含することは当業者には明らかであろう。それゆえ、用語「a(1つの)」、「an(1つの)」および「少なくとも1つの」は、本願ではほとんど同義で使用される。
【0108】
本願全体を通して、種々の実施形態の記載は、「comprising(含んでなる)」文体を使用するが、しかし一部の特定の場合には、実施形態は、代替的に「から実質的になる」または「からなる」文体を使用して記載され得る。
【0109】
量、百分率または割合を表すすべての数、ならびに本明細書および特許請求の範囲で使用される他の数値は、すべての場合において、用語「約」によって修飾されていると理解されるべきである。
【0110】
特定された要素を「実質的に欠く」は、約1重量%未満のその特定された要素しか有しない組成物を意味する。
【0111】
本明細書で使用される他の用語は、当該技術分野で周知のそれらの意味によって定義されることが意図されている。
【実施例】
【0112】
実施例1 − 活力付与トナーフォーム
【0113】
【表1】

【0114】
実施例2 − 活力付与トナーフォーム
【0115】
【表2】

【0116】
実施例3 − 調製方法
成分1〜11を、以下のとおり、撹拌しながら、混合容器に連続的に加えた。
(i)水を、混合容器に加え、
(ii)水酸化カリウムをこの水に加え、溶解するまで撹拌し、
(iii)グリコール酸溶液を、撹拌しながら、ゆっくり添加し、(グリコール酸のオリゴマー化を容易にするために)容器の内容物を、撹拌しながら、少なくとも1時間、30℃未満に冷却し、
(iv)撹拌しながら、この容器に、ヒドロキシエチルセルロースをゆっくり添加し、溶解するまで撹拌し、
(v)ゆっくり撹拌しながら、デシルポリグルコシドまたはセテアレス−20を添加し、溶解するまで撹拌し、
(vi)撹拌しながら、プロピレングリコール、グリセリン、ナトリウムPCAおよびD−パンテノールを添加し、
(vii)次いでベンジルアルコールを添加し、均一になるまで混合し、
(viii)アロエベラを添加した。最終のpHは3〜4の間であった。
【0117】
最終反応混合物(エアロゾルフォームベース)は単一相の水性組成物であった。その後、このエアロゾルベースを、エアロゾル缶に加え、圧着し(crimped)、炭化水素噴霧剤を充填し、最終のエアロゾル製品を得た。弁の作動後、上質のエアロゾルフォームが分注され、このエアロゾルフォームは顔への付与に適していた。
【0118】
最終のエアロゾルフォームは、40℃で6ヶ月間の保存にかけたとき、安定なpHを有していた。
【0119】
実施例4 − 治療用フォームおよび美容用トナーフォーム
以下のアロエベラを含んでなるエアロゾルフォームは、本発明をさらに例証する。
【0120】
実施例4(a) − サリチル酸を伴う活力付与アロエベラフォーム
【0121】
【表3】

【0122】
実施例4(b) − ヒアルロン酸ナトリウムを伴う水和アロエベラフォーム
【0123】
【表4】

【0124】
実施例4(c) − メトロニダゾールを伴う治療用アロエベラフォーム
【0125】
【表5】

【0126】
実施例4(d) − リン酸クリンダマイシンを伴う治療用アロエベラフォーム
【0127】
【表6】

【0128】
実施例5 − アロエベラフォームと併用して使用するための、別個の剤形としてのベンゾイルペルオキシド水性フォーム:
【0129】
【表7】

【0130】
本発明の特定の実施形態がこれまでに記載されたが、本発明がこれらの特定の実施形態に限定されるわけではなく、本発明の範囲から逸脱することなく変更がなされ得ることは、当業者には明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アロエベラと、(b)界面活性剤と、(c)噴霧剤とを含んでなる、局所用エアロゾルフォーム組成物。
【請求項2】
前記アロエベラがアロエ・バーバデンシス(Aloe barbadensis)葉汁である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アロエベラがアロエベラゲル濃縮物であり、かつ、約40重量%〜約95重量%の量の水をさらに含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
約70重量%〜約95重量%の量の水を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記非イオン性界面活性剤がエトキシル化アルコールである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記エトキシル化アルコールが、セテアレス−6、セテアレス−12、セテアレス−20、セテアレス−25、セテス−10、セテス−20、ラウレス−4、ラウレス−5、ラウレス−9、ラウレス−10、ラウレス−12、ラウレス−15、ラウレス−20、ラウレス−23、オレス−10、オレス−20、ステアレス−10、ステアレス−20およびステアレス−100、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記エトキシル化アルコールがセテアレス−20である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記噴霧剤が炭化水素噴霧剤である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記炭化水素噴霧剤が、プロパン、n−ブタン、およびイソブタンの混合物である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
湿潤剤をさらに含んでなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
増粘剤をさらに含んでなる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
薬学的活性剤をさらに含んでなる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記薬学的活性剤が、角質溶解薬、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬、創傷治癒剤、消毒薬、抗菌薬、抗真菌薬、レチノイド、ビタミンD類似体、皮膚コンディショニング剤、栄養剤、日焼け止め、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記薬学的活性剤が、角質溶解薬、抗菌薬、および皮膚コンディショニング剤からなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記薬学的活性剤が角質溶解薬である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記角質溶解薬が、α−ヒドロキシ酸およびβ−ヒドロキシ酸、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される酸である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記角質溶解薬がα−ヒドロキシ酸である、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記α−ヒドロキシ酸がグリコール酸である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
(a)アロエベラ濃縮物と、
(b)約1重量%〜約10重量%の量のグリコール酸と、
(c)約40重量%〜約95重量%の量の水と、
(d)約1重量%〜約20重量%の量の少なくとも1種の湿潤剤と、
(e)約0.1重量%〜約5重量%の量の少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と
を含んでなる、局所用エアロゾルフォーム組成物。
【請求項21】
約2.5重量%〜10重量%の量の炭化水素噴霧剤をさらに含んでなる、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
皮膚に潤いを与える方法であって、これを必要とする被験体に、美容上有効量の、請求項1〜21のいずれか一項に記載のエアロゾルフォーム組成物を局所投与することを含んでなる、方法。
【請求項23】
皮膚の疾患、障害または病態を治療する方法であって、これを必要とする被験体に、治療上有効量の、請求項1〜21のいずれか一項に記載のエアロゾルフォーム組成物を局所投与することを含んでなる、方法。

【公表番号】特表2013−505967(P2013−505967A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531182(P2012−531182)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【国際出願番号】PCT/AU2010/001269
【国際公開番号】WO2011/038446
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(507397146)スティーフェル リサーチ オーストラリア ピーティーワイ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】