説明

美容用具またはヘルスケア用具

【課題】 本発明は、従来のマイクロファイバー使いの美容用具やヘルスケア用具よりも肌を傷つけにくく、美容成分を肌表面に滞留・浸透させ易い優れた美容用具または薬効成分を肌表面に滞留させ易い優れたヘルスケア用具を提供するものである。
【解決手段】有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満であるナノファイバーを含む、美容成分を肌表面に滞留・浸透させるための美容用具または、薬効成分を肌表面に滞留させるためのヘルスケア用具または紙おむつ・生理用品であるヘルスケア用具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来のマイクロファイバー使いの製品よりも肌や粘膜などへの刺激が少ない、優れた性能を有する美容成分を肌表面に滞留・浸透させるための美容用具または薬効成分を肌表面に滞留させるためのヘルスケア用具または紙おむつ・生理用品であるヘルスケア用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
単繊維直径が2〜5μmのマイクロファイバーは、従来からめがね拭きやレンズ、電子機器のディスプレイ用のワイピングクロスに好適に利用されている。最近では、さらに用途を拡げ、洗顔布などの美容用具としても利用されるようになった。
【0003】
従来のマイクロファイバー洗顔布はミクロンサイズの泡を発生させ、この泡で洗顔することに意味があった。しかし、これを誤って、マイクロファイバー洗顔布そのもので肌を擦ると、肌への刺激が強すぎ、ひりひりとした痛みを伴う場合があった。また、マイクロファイバーは通常の繊維に比べるとしなやかであるが、ミクロに見るとまだまだ硬く、肌の溝に沿ってマイクロファイバーが侵入することができず、肌の溝に付着した汚れを拭き取る能力には限界があった。
【0004】
また、マイクロファイバーは、吸水性、拭き取り性、肌へのマッサージ効果を狙ってボディータオルなどのヘルスケア用具に利用される場合(特許文献1)もあるが、この時も人によっては肌への刺激が強すぎ、ひりひりとした痛みを伴うばかりか、場合によっては、肌のトラブルを引き起こすこともあり、各人の肌の状態に応じて適切な使用が必要であった。
【0005】
このため、肌の状態に敏感な女性や肌の薄い子供、肌の再生能力の衰えた高齢者、また皮膚疾患を持つ人でも安心して用いることのできる、肌への刺激が少ない美容用具やヘルスケア用具が望まれていた。
【特許文献1】特開2002−58614号公報(1〜5ページ)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のマイクロファイバー使いの美容用具やヘルスケア用具よりも肌を傷つけにくく、美容成分を肌表面に滞留・浸透させ易い優れた美容用具または薬効成分を肌表面に滞留させ易い優れたヘルスケア用具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、下記により達成される。
(1)有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満であるナノファイバーを含む、美容成分を肌表面に滞留・浸透させるための美容用具。
(2)有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満であるナノファイバーを含む、薬効成分を肌表面に滞留させるためのヘルスケア用具。
(3)有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満であるナノファイバーを含む、紙おむつ・生理用品であるヘルスケア用具。
(4)ナノファイバーが糸、綿(わた)、あるいは布帛から選ばれる形状に加工されている(1)〜(3)いずれか1項記載の美容用具またはヘルスケア用具。
(5)ナノファイバー布帛が織編物である(4)記載の美容用具またはヘルスケア用具。
(6)ナノファイバー布帛が不織布または紙である(4)記載の美容用具またはヘルスケア用具。
(7)ナノファイバー布帛の目付が20〜100g/mである(4)〜(6)のいずれか1項記載の美容用具またはヘルスケア用具。
(8)ナノファイバー布帛の目付が100g/mを超え300g/m以下である(4)〜(6)のいずれか1項記載の美容用具またはヘルスケア用具。
(9)単繊維直径が2〜50μmの繊維が混用されている(1)〜(8)のいずれか1項記載の美容用具またはヘルスケア用具。
(10)有機ポリマーが疎水性ポリマーである(1)〜(9)のいずれか1項記載の美容用具またはヘルスケア用具。
(11)有機ポリマーが親水性ポリマーである(1)〜(9)のいずれか1項記載の美容用具またはヘルスケア用具。
(12)有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満である、美容成分を肌表面に滞留・浸透させるための美容用具用、または薬効成分を肌表面に滞留させるためのヘルスケア用具または紙おむつ・生理用品であるヘルスケア用具用のナノファイバー。
(13)有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満であるナノファイバーを含む、美容成分を肌表面に滞留・浸透させるための美容用具用、またはヘルスケア用具用薬効成分を肌表面に滞留させるためのヘルスケア用具または紙おむつ・生理用品である糸。
(14)有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満であるナノファイバーを含む、美容成分を肌表面に滞留・浸透させるための美容用具用、または薬効成分を肌表面に滞留させるためのヘルスケア用具または紙おむつ・生理用品であるヘルスケア用具用の綿(わた)。
(15)有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満であるナノファイバーを含む、美容成分を肌表面に滞留・浸透させるための美容用具用、または薬効成分を肌表面に滞留させるためのヘルスケア用具または紙おむつ・生理用品であるヘルスケア用具用の布帛。
【発明の効果】
【0008】
本発明のナノファイバーからなる、美容成分を肌表面に滞留・浸透させるための美容用具、または薬効成分を肌表面に滞留させるためのヘルスケア用具または紙おむつ・生理用品であるヘルスケア用具により、従来のマイクロファイバー使いの物よりも肌の状態に敏感な人だけでなく、肌の薄い子供や肌の再生能力の衰えた高齢者、また皮膚疾患を持つ人でも安心して用いることができる。また、ナノファイバーの優れた液体保持性や徐放性により、美容液や薬液を染みこませてもさらっとした爽やかな触感の美容用具やヘルスケア用具とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で言う美容用具とは、美容のために使用する用具全般のことを言い、例えば、スキンケアのためのパック、布、ブラシなどだけにととどまらず、美容成分である保湿成分や美白成分などを肌表面に滞留、また浸透させるためのマッサージャーやパッチ、インナーウエアなど多岐にわたるものである。ここで、美容とは、容姿を美しく整えること全般を言い、具体的にはメイクや化粧落としなどのメイクと呼ばれる分野、スキンケア、ヘアケア、ネイルケア、ボディケアなどのケア分野がある。また、効能としては容姿を一時的に美しく整えるだけでなく、老化防止や若返りなども含まれる。対象とする層は、従来、成人女性がほとんどであったが、昨今は小学生から高齢者まで年齢層が拡がっている。また、最近では美容に気を遣う男性も増加しており、性別も問わないことが多くなっている。また、美容成分とは上記美容効果を促進する物質のことを意味する。
【0010】
一方、本発明で言うヘルスケア用具とは、薬効成分などを肌表面に滞留させるためのパックやパッチ、インナーウエア、また紙おむつや生理用品など多岐にわたるものである。ここでヘルスケアとは、美容を除く全ての分野であるが、日常生活一般、健康増進、体質改善、介護などが対象分野となる。このため、対象とする層も、乳児、幼児、学童、生徒、学生、大人、高齢者と年齢層や性別を問わない。また、特に乾燥肌や汗疹、ニキビ、吹き出物、黒ずみのような日常生活は可能であるが、肌にケアが必要な人、あるいはアトピー性皮膚炎や床ずれのような、場合によっては重症の肌疾患患者なども対象となる。
【0011】
また、本発明の美容用具あるいはヘルスケア用具においては、液体保持・徐放機能は主としてナノファイバーが担当するものである。これらの用具は、ナノファイバーを含む布帛からだけで成り立っていても、マッサージャーやブラシ、筆、パッチ、インナーウエアなどのように用具の一部にナノファイバーが搭載されている物でも良い。
【0012】
本発明で言う有機ポリマーとは、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、生体ポリマーなどが挙げられるが、成形性の点から熱可塑性ポリマーが好ましい。また、熱可塑性ポリマーとしては、ポリエステルやポリアミド、ポリオレフィン等が挙げられる。また、ポリマーの融点は165℃以上であるとナノファイバーの耐熱性が良好であり好ましい。例えば、ポリ乳酸(PLA)は170℃、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)は225℃、ポリエチレンテレフタレート(PET)は255℃、ナイロン6(N6)は220℃である。また、ポリマーには粒子、難燃剤、帯電防止剤等の添加物を含有させていても良い。またポリマーの性質を損なわない範囲で他の成分が共重合されていても良い。
【0013】
本発明で言うナノファイバーとは、単繊維直径が1nm以上2000nm未満の単繊維のことを言うものである。
【0014】
本発明では、数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満のナノファイバーを美容用具またはヘルスケア用具に含むことが重要である。繊維のしなやかさは単繊維直径に大きく影響され、曲げに対する抵抗力の指標となる断面二次モーメントは直径の4乗に比例するため、単繊維直径が1/10になれば断面二次モーメントは1万分の1となる。すなわち、単繊維直径が1/10になれば、しなやかさは1万倍と考えることができる。この観点から、ナノファイバーの数平均による単繊維直径はより小さい方が好ましく、好ましくは25〜200nm、より好ましくは30〜150nm、さらに好ましくは30〜100nm、最も好ましくは30〜80nmである。
【0015】
ここで、数平均による単繊維直径は以下のようにして求めることができる。すなわち、単繊維束の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、同一横断面内で無作為抽出した300本以上の単繊維直径を円換算で測定し、これらを単純に平均することで求めることができる。
【0016】
このような極めて細い繊維とすることで、従来のマイクロファイバーとは異なり、ナノファイバーが肌の溝に容易に入り込み易いのである。さらに、特に織編物ではナノファイバー同士が集合し、ナノファイバー束を形成している場合があるが、このナノファイバー束中の単繊維の数が多い(1万〜200万本程度)ため、ナノファイバー束が容易に変形することができ、応力分散しやすく、肌に優しいのである。一方、従来のマイクロファイバーではマイクロファイバー束中の単繊維の数が少ない(数十〜2000本程度)ため、マイクロファイバー束の変形に制限があり、応力集中が起こりやすく、これにより肌への刺激が強くなるのである。
【0017】
また、繊維のしなやかさを保証する観点から、太繊度の単繊維がほとんど存在しないことが好ましい。より具体的には、単繊維直径2000nm以下の繊維全体に対して単繊維直径が1000nm以上の単繊維の繊維比率が3%以下であることが好ましい。さらに、ナノファイバー全体に対して単繊維直径が500nm以上の単繊維の繊維比率が3%以下であることが好ましく、単繊維直径が200nm以上の単繊維の繊維比率が3%以下であることがより好ましく、単繊維直径が150nm以上の単繊維の比率が3%以下であることがより好ましく、単繊維直径が100nm以上の単繊維の繊維比率が3%以下であることがさらに好ましく、単繊維直径が100nm以上の単繊維比率が1%以下であることが最も好ましい。
【0018】
ここで、繊維比率とは、上記TEM観察の単繊維直径データを用い、ナノファイバーそれぞれの単繊維の面積をSとしその総和を総面積(S+S+…+S)とする。また、同じ単繊維直径を持つナノファイバーの頻度(個数)を数え、その積を総面積で割ったものをその単繊維の繊維比率とする。これは全体(ナノファイバー束)に対する各単繊維直径成分の重量分率(体積分率)に相当し、これが大きい単繊維直径成分がナノファイバー束の性質に対する寄与が大きいことになる。
【0019】
また、本発明のナノファイバーにおいて、特に単繊維直径が200nm以下となると、比表面積が飛躍的に大きくなるだけでなく繊維間に無数の数nm〜数百nmの空隙を有するため、従来のマイクロファイバーでは見られなかったナノファイバー特有の優れた吸着・吸収特性を示す。このナノファイバー特有の性質は単繊維直径が小さくなるほど著しく発現する。
【0020】
上記吸着・吸収特性は、ナノファイバーに様々なガスや液体、また保湿剤や美白成分また薬効成分などの機能物質を坦持することができることを意味するだけでなく、それらの徐放性にも優れているのである。
【0021】
また、液体が単繊維間に坦持されるため、液体保持性能が従来のマイクロファイバーに比べ飛躍的に向上し、多量の液体を坦持できるだけでなく、ナノファイバー束からこぼれにくいという好ましい性質を示すようになる。
【0022】
本発明で用いるナノファイバーは用具の使い勝手に応じて、糸(いと)、綿(わた)、布帛などの任意の形状に加工されていることが好ましい。ここで、糸とはナノファイバーを含む1次元構造体のことを言い、より具体的には長繊維、短繊維、紡績糸のことを言う。また、綿とは短繊維に捲縮を施し、開繊させた物のことを言う。糸の場合には、弓の弦のような形態、あるいは電植などによりパイル状にすることが使い勝手の点から好ましい。布帛としては、織編物やパイル布帛あるいは不織布、紙など多様な形態を採ることができる。例えば、ある程度のストレッチ性や布帛としての形状追従性を付与するためには編物とすることが好ましく、布帛の寸法安定性を向上させるためには織物や不織布、紙とすることが好ましい。また、布帛を厚くし、手持ち感を充実させ用具の操作性を向上させるには不織布とすることが好ましい。また、ナノファイバーをなるべく単繊維分散させるためには、湿式抄紙などにより紙とすることが好ましい。また、ナノファイバー布帛と別の布帛を積層させた複合布帛とすると、形態安定性をより向上させることができるとともに、ナノファイバー布帛以外の性能を付与することもでき、好ましい。例えば、ナノファイバー束は繊維間空隙があまり大きくないため、泡立ち性が満足できない場合があるが、繊維間空隙の大きな不織布などを積層させることで、これに泡立ち性を持たせ、より高度な商品とすることが可能である。また積層不織布とすることで色を積層不織布の表裏で変えることができ、意匠性を向上できる場合もある。
【0023】
また、本発明の美容またはヘルスケア用具に用いる布帛の目付は用途に応じて任意に選択することができるが、目付が20g/m〜100g/mのような薄地とすると、指などに巻き付けて使用したりする際、指などに布帛が貼り付きやすいので操作しやすく好ましい。一方、目付を100g/mを超え300g/m以下のような中厚地とすると、布帛を手に持って操作しやすく好ましい。
【0024】
本発明の美容用具またはヘルスケア用具に用いる糸、綿、布帛はナノファイバーのみから構成されていても良いが、形態安定性や嵩高性を確保するため、単繊維直径が2〜50μmの繊維が混用されていても良い。このような混用品中のナノファイバーの存在形態は、混繊、カバリング、合撚、混綿、混紗、積層、コーティングなど多様な形態を採ることができる。特に、混綿、混紗、コーティングの時には、混用する繊維は単繊維直径が2〜5μmのマイクロファイバーとすることが、ナノファイバーとの馴染みの点から好ましい。
【0025】
本発明で用いるナノファイバーの製造方法は特に限定されるものではないが、例えば以下のような方法を採用することができる。
【0026】
すなわち、2種類以上の溶剤に対する溶解性の異なるポリマーをアロイ化したポリマーアロイ溶融体となし、これを紡糸した後、冷却固化して繊維化する。そして必要に応じて延伸・熱処理を施しポリマーアロイ繊維を得る。そして、易溶解性ポリマーを溶剤で除去することにより本発明のナノファイバー集合体を得ることができる。
【0027】
ここで、ナノファイバー集合体の前駆体であるポリマーアロイ繊維中で易溶解性ポリマーが海(マトリックス)、難溶解性ポリマーが島(ドメイン)となし、その島サイズを制御することが重要である。ここで、島サイズは、ポリマーアロイ繊維の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM)観察し、直径換算で評価したものである。前駆体中での島サイズによりナノファイバーの直径がほぼ決定されるため、島サイズの分布は本発明のナノファイバーの直径分布に準じて設計される。このため、アロイ化するポリマーの混練が極めて重要であり、本発明では混練押出機や静止混練器等によって高度に混練することが好ましい。なお、単純なチップブレンド(例えば特開平6−272114号公報)では混練が不足するため、本発明のような数十nmサイズで島を分散させることは困難である。
【0028】
具体的に混練を行う際の目安としては、組み合わせるポリマーにもよるが、混練押出機を用いる場合は、2軸押出混練機を用いることが好ましく、静止混練器を用いる場合は、その分割数は100万以上とすることが好ましい。また、ブレンド斑や経時的なブレンド比率の変動を避けるため、それぞれのポリマーを独立に計量し、独立にポリマーを混練装置に供給することが好ましい。このとき、ポリマーはペレットとして別々に供給しても良く、あるいは、溶融状態で別々に供給しても良い。また、2種以上のポリマーを押出混練機の根本に供給しても良いし、あるいは、一成分を押出混練機の途中から供給するサイドフィードとしても良い。
【0029】
混練装置として二軸押出混練機を使用する場合には、高度の混練とポリマー滞留時間の抑制を両立させることが好ましい。スクリューは、送り部と混練部から構成されているが、混練部の長さをスクリューの有効長さの20%以上とすることで高混練とすることができ好ましい。また、混練部の長さをスクリュー有効長さの40%以下とすることで、過度の剪断応力を避け、しかも滞留時間を短くすることができ、ポリマーの熱劣化やポリアミド成分等のゲル化を抑制することができる。また、混練部はなるべく二軸押出機の吐出側に位置させることで、混練後の滞留時間を短くし、島ポリマーの再凝集を抑制することができる。加えて、混練を強化する場合は、押出混練機中でポリマーを逆方向に送るバックフロー機能のあるスクリューを設けることもできる。
【0030】
また、島を数十nmサイズで超微分散させるには、ポリマーの組み合わせも重要である。
【0031】
島ドメイン(ナノファイバー断面)を円形状に近づけるためには、島ポリマーと海ポリマーは非相溶であることが好ましい。しかしながら、単なる非相溶ポリマーの組み合わせでは島ポリマーが充分超微分散化し難い。このため、組み合わせるポリマーの相溶性を最適化することが好ましいが、このための指標の一つが溶解度パラメータ(SP値)である。SP値とは(蒸発エネルギー/モル容積)1/2で定義される物質の凝集力を反映するパラメータであり、SP値が近い物同士では相溶性が良いポリマーアロイが得られる可能性がある。SP値は種々のポリマーで知られているが、例えば「プラスチック・データブック」旭化成アミダス株式会社/プラスチック編集部共編、189ページ等に記載されている。ポリマー2種のSP値の差分が1〜9(MJ/m1/2であると、非相溶化による島ドメインの円形化と超微分散化を両立させやすいので好ましい。例えばナイロン6(N6)とPETはSP値の差が6(MJ/m1/2程度であり好ましい例であるが、N6とポリエチレン(PE)はSP値の差が11(MJ/m1/2程度であり好ましくない例として挙げられる。
【0032】
また、ポリマー同士の融点差が20℃以下であると、特に押出混練機を用いた混練の際、押出混練機中での融解状況に差を生じにくいため高効率で混練しやすく、好ましい。
【0033】
また、熱分解や熱劣化し易いポリマーを1成分に用いる際は、混練や紡糸温度を低く抑える必要があるが、これにも有利となるのである。ここで、非晶性ポリマーの場合は融点が存在しないためガラス転移温度あるいはビカット軟化温度あるいは熱変形温度でこれに代える。
【0034】
さらに、溶融粘度も重要であり、島を形成するポリマーの方を低く設定すると剪断力による島ポリマーの変形が起こりやすいため、島ポリマーの微分散化が進みやすくナノファイバー化の観点からは好ましい。ただし、島ポリマーを過度に低粘度にすると海化しやすくなり、繊維全体に対するブレンド比を高くできないため、島ポリマー粘度は海ポリマー粘度の1/10以上とすることが好ましい。また、海ポリマーの溶融粘度は紡糸性に大きな影響を与える場合があり、海ポリマーとして100Pa・s以下の低粘度ポリマーを用いると島ポリマーを分散させ易く好ましい。また、これにより紡糸性を著しく向上できるのである。この時、溶融粘度は紡糸の際の口金面温度で剪断速度1216sec−1での値である。
【0035】
本発明で用いる超微分散化したポリマーアロイを紡糸する際は、紡糸口金設計が重要であるが、糸の冷却条件も重要である。上記したようにポリマーアロイは非常に不安定な溶融流体であるため、口金から吐出した後に速やかに冷却固化させることが好ましい。このため、口金から冷却開始までの距離は1〜15cmとすることが好ましい。ここで、冷却開始とは糸の積極的な冷却が開始される位置のことを意味するが、実際の溶融紡糸装置ではチムニー上端部でこれに代える。
【0036】
また、紡糸されたポリマーアロイ繊維には延伸・熱処理を施すことが好ましいが、延伸の際の予熱温度は島ポリマーのガラス転移温度(T)以上の温度することで、糸斑を小さくすることができ、好ましい。
【0037】
このようにして得られたポリマーアロイ繊維は、公知の方法にしたがい織編物にしたり、パイル布帛や不織布にすることができる。不織布にする際は、ニードルパンチ法や水流交絡法などの公知の方法を利用することができる。
【0038】
このようにして得られたポリマーアロイ繊維や布帛から海ポリマーである易溶解ポリマーを溶剤で溶出することで、ナノファイバーやそれからなる布帛を得るのであるが、その際、溶剤としては水溶液系のものを用いることが環境負荷を低減する観点から好ましい。具体的にはアルカリ水溶液や熱水を用いることが好ましい。このため、易溶解ポリマーとしては、ポリエステルやポリカーボネート(PC)等のアルカリ加水分解されるポリマーやポリアルキレングリコールやポリビニルアルコールおよびそれらの誘導体等の熱水可溶性ポリマーが好ましい。
【0039】
ところで、ナノファイバーを一本一本までに単繊維分散させるためには、例えば以下のような湿式抄紙法により達成することができる。すなわち、本発明のポリマーアロイ繊維を合糸してトウとなし、その後易溶解性ポリマーを溶出する。次に、このナノファイバー束からなる短繊維を叩解機によって単繊維までバラバラにする。フィブリル化は、生産レベルではナイアガラビータ、リファイナーで加工され、実験的には、家庭用ミキサーやカッター、ラボ用粉砕器やミキサーやカッター、バイオミキサー、ロールミル、乳鉢、抄紙用PFI叩解機などがある。そして、これを液体に投入し、必要に応じ分散剤を用いて、ナノファイバー液体分散体を得る。そして、これを抄紙することによって単繊維分散したナノファイバー紙を得ることができる。
【実施例】
【0040】
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
【0041】
A.ポリマーの溶融粘度
東洋精機キャピログラフ1Bによりポリマーの溶融粘度を測定した。なお、サンプル投入から測定開始までのポリマーの貯留時間は10分とした。
【0042】
B.融点
Perkin Elmaer DSC−7を用いて2nd runでポリマーの融解を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。この時の昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。
【0043】
C.ポリマーアロイ繊維のウースター斑(U%)
ツェルベガーウスター株式会社製USTER TESTER 4を用いて給糸速度200m/分でノーマルモードで測定を行った。
【0044】
D.TEMによる繊維横断面観察
繊維の横断面方向に超薄切片を切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)で繊維横断面を観察した。また、ナイロンはリンタングステン酸で金属染色した。
【0045】
TEM装置 : 日立社製H−7100FA型
E.ナノファイバーの数平均による単繊維直径
TEMによる繊維横断面写真を画像処理ソフト(WINROOF)を用いて円換算で単繊維直径を計算し、それの単純な平均値を求めた。これを「数平均による単繊維直径」とした。この時、平均に用いるナノファイバー数は同一横断面内で無作為抽出した300本以上の単繊維直径を測定した。
【0046】
F.繊維比率
上記TEM観察の単繊維直径データを用い、ナノファイバーそれぞれの単繊維の面積をSとしその総和を総面積(S+S+…+S)とする。また、同じ単繊維直径を持つナノファイバーの頻度(個数)を数え、その積を総面積で割ったものをその単繊維の繊維比率とした。
【0047】
G.SEM観察
繊維に白金−パラジウム合金を蒸着し、走査型電子顕微鏡で繊維側面を観察した。
【0048】
SEM装置 : 日立社製S−4000型
H.力学特性
室温(25℃)で、初期試料長=200mm、引っ張り速度=200mm/分とし、JIS L1013に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。次に破断時の荷重値を初期の繊度で割り、それを強度とし、破断時の伸びを初期試料長で割り伸度として強伸度曲線を求めた。
【0049】
実施例に用いたナノファイバーの原糸であるポリマーアロイ繊維の製造を以下の参考例に示した。
【0050】
参考例1
溶融粘度53Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec−1)、融点220℃のN6(20重量%)と溶融粘度310Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec−1)、融点225℃のイソフタル酸を8mol%、ビスフェノールAを4mol%共重合した融点225℃の共重合PET(80重量%)を2軸押し出し混練機で260℃で混練してポリマーアロイチップを得た。なお、この共重合PETの262℃、1216sec−1での溶融粘度は180Pa・sであった。このときの混練条件は以下のとおりであった。
【0051】
スクリュー型式 同方向完全噛合型 2条ネジ
スクリュー 直径37mm、有効長さ1670mm、L/D=45.1
混練部長さはスクリュー有効長さの28%
混練部はスクリュー有効長さの1/3より吐出側に位置させた。
【0052】
途中3個所のバックフロー部有り
ポリマー供給 N6と共重合PETを別々に計量し、別々に混練機に供給した。
【0053】
温度 260℃
ベント 2個所
このポリマーアロイを275℃で溶融し、紡糸温度280℃のスピンブロックに導いた。そして、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、口金面温度262℃とした口金から溶融紡糸した。この時、口金としては、吐出孔上部に直径0.3mmの計量部を備えた、吐出孔径が0.7mm、吐出孔長が1.85mmのものを用いた。そして、この時の単孔あたりの吐出量は2.9g/分とした。さらに、口金下面から冷却開始点までの距離は9cmであった。吐出された糸条は20℃の冷却風で1mにわたって冷却固化され、口金から1.8m下方に設置した給油ガイドで給油された後、非加熱の第1引き取りローラーおよび第2引き取りローラーを介して900m/分で巻き取られた。この時の紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸の間の糸切れはゼロであった。そして、これを第1ホットローラーの温度を90℃、第2ホットローラーの温度を130℃として延伸熱処理した。この時、第1ホットローラーと第2ホットローラー間の延伸倍率を3.2倍とした。得られたポリマーアロイ繊維は120dtex、12フィラメント、強度4.0cN/dtex、伸度35%、U%=1.7%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、共重合PETが海(薄い部分)、N6(濃い部分)が島の海島構造を示し、島N6の数平均による直径は55nmであり、N6が超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
【0054】
参考例2
溶融粘度212Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec−1)、融点220℃のN6と重量平均分子量12万、溶融粘度30Pa・s(240℃、2432sec−1)、融点170℃のポリL乳酸(光学純度99.5%以上)を用い、N6の含有率を45重量%とし、混練温度を220℃として参考例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。なお、ポリ乳酸の重量平均分子量は以下のようにして求めた。試料のクロロホルム溶液にTHF(テトラヒドロフラン)を混合し測定溶液とした。これをWaters社製ゲルパーミテーションクロマトグラフィー(GPC)Waters2690を用いて25℃で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。また、このポリL乳酸の215℃、1216sec−1での溶融粘度は86Pa・sであった。
【0055】
これを溶融温度230℃、紡糸温度230℃(口金面温度215℃)、紡糸速度3500m/分で参考例1と同様に溶融紡糸を行った。この時、口金として口金孔径0.3mm、孔長0.55mmの通常の紡糸口金を使用したが、バラス現象はほとんど観察されず、参考例1に比べても大幅に紡糸性が向上し、1tの紡糸で糸切れは0回であった。この時の単孔吐出量は0.94g/分とした。これにより、92dtex、36フィラメントの高配向未延伸糸を得たが、これの強度は2.4cN/dtex、伸度90%、沸騰水収縮率43%、U%=0.7%と高配向未延伸糸として極めて優れたものであった。特に、バラスが大幅に減少したのに伴い、糸斑が大幅に改善された。
【0056】
この高配向未延伸糸を延伸温度90℃、延伸倍率1.39倍、熱セット温度130℃として参考例1と同様に延伸熱処理した。得られた延伸糸は67dtex、36フィラメントであり、強度3.6cN/dtex、伸度40%、沸騰水収縮率9%、U%=0.7%の優れた特性を示した。またこのポリマーアロイ繊維中でN6は数平均による直径が110nmで均一に分散していた。
【0057】
参考例3
溶融粘度120Pa・s(262℃、121.6sec−1)、融点225℃のPBTと2−エチルヘキシルアクリレートを22%共重合したポリスチレン(PS)を、PBTの含有率を25重量%とし、混練温度を240℃として参考例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。この時、共重合PSの262℃、121.6sec−1での溶融粘度は140Pa・s、245℃、1216sec−1での溶融粘度は60Pa・sであった。
【0058】
これを溶融温度260℃、紡糸温度260℃(口金面温度245℃)、紡糸速度1200m/分で参考例1と同様に溶融紡糸を行った。この時、口金として参考例1で用いたものと同様の紡糸口金を使用した。紡糸性は良好であり、1tの紡糸で糸切れは1回であった。この時の単孔吐出量は1.0g/分とした。得られた未延伸糸を参考例1と同様に延伸熱処理した。得られた延伸糸は161dtex、36フィラメントであり、強度1.4cN/dtex、伸度33%、U%=2.0%であった。
【0059】
得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、共重合PSが海(薄い部分)、PBTが島(濃い部分)の海島構造を示し、PBTの数平均による直径は70nmであり、PBTがナノサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
【0060】
参考例4
溶融粘度220Pa・s(262℃、121.6sec−1)、融点225℃のPTTと新日鐵化学社製共重合PS(“エスチレン”KS−18、メチルメタクリレート共重合、溶融粘度110Pa・s、262℃、121.6sec−1)を、PTTの含有率を25重量%とし、混練温度を240℃として参考例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。また、この共重合PSの245℃、1216sec−1での溶融粘度は76Pa・sであった。
【0061】
これを溶融温度260℃、紡糸温度260℃(口金面温度245℃)、紡糸速度1200m/分で参考例3と同様に溶融紡糸を行った。この時、口金として参考例1で用いたものと同様に吐出孔上部に直径0.23mmの計量部を備えた、吐出孔径が2mm、吐出孔長が3mmの紡糸口金を使用した。紡糸性は良好であり、1tの紡糸で糸切れは1回であった。この時の単孔吐出量は1.0g/分とした。得られた未延伸糸を90℃の温水バス中で2.6倍延伸を行った。これの横断面をTEMで観察したところ、共重合PSが海(薄い部分)、PTTが島(濃い部分)の海島構造を示し、PTTの数平均による直径は75nmであり、PTTがナノサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。また、これは単糸繊度3.9dtex、強度1.3cN/dtex、伸度25%であった。
【0062】
参考例5
溶融粘度350Pa・s(220℃、剪断速度121.6sec−1)、融点162℃のポリプロピレン(PP)(30重量%)と参考例2で使用したPLA(70重量%)を混練温度220℃として、参考例1と同様に溶融混練してポリマーアロイペレットを得た。なお、このPLAの220℃、121.6sec−1における溶融粘度は107Pa・sであり、215℃、1216sec−1での溶融粘度は86Pa・sであった。
【0063】
このポリマーアロイペレット、溶融温度230℃、紡糸温度230℃(口金面温度215℃)、単孔吐出量1.50g/分、紡糸速度900m/分として参考例2と同様に溶融紡糸を行った。得られた未延伸糸を延伸温度90℃、延伸倍率2.7倍、熱セット温度130℃の条件で延伸熱処理し、ポリマーアロイ繊維を得た。
【0064】
実施例1
参考例1〜5で得られたポリマーアロイ繊維を丸編みした。そして、参考例1、2、5の繊維を用いた丸編みを3%の水酸化ナトリウム水溶液(95℃、浴比1:100)で2時間浸漬することでポリマーアロイ繊維中の海ポリマーの99%以上を加水分解除去した。また、参考例3、4の繊維を用いた丸編みをトリクロロエチレンで処理することで海ポリマーの99%以上を溶出した。この結果得られた丸編み中から繊維(ナノファイバー束)を引き出し、繊維横断面をTEM観察することでナノファイバーの単繊維直径を求め、表1に示した。これらの編み物をフェイスパックの形に整えた後、ローション(オルビス「アクアモイスチャー」)に30分間浸した。このフェイスパックを軽く絞って顔面に載せ、15分間パックした。この間、液が垂れることはなく、しかもナノファイバー・フェイスパックが肌にしっとりと貼り付くため、非常に快適な使用感であった。
【0065】
【表1】

【0066】
比較例1
市販の不織布フェイスパックを用いて実施例1と同様にパックテストを行ったが、液が垂れ、不快な使用感であった。
【0067】
実施例2
実施例1で作製した編み物を直径3cmの円形に成形し、ブラジャーの内側に貼り付けた。これに美白美容液(資生堂「ホワイシス美容液夜用」)を軽く塗布した。これは美容液がブラジャーの表側に抜けたり、垂れることもなく、ナノファイバー・パッチが優れた液体保持性を示した。また、着け心地も快適であった。
【0068】
実施例3
実施例1で作製した編み物を用いて、高吸水ポリマーであるポリアクリル酸Naのビーズをくるみ、生理用品用の吸収体を作製した。これを用いて生理用ナプキンを作製したところ、厚みを2mmまで薄くすることができた。これにより、従来不可能であった薄くても吸液性に優れたナプキンを作製することができ、違和感のない装着感とロングライフ化を両立することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満であるナノファイバーを含む、美容成分を肌表面に滞留・浸透させるための美容用具。
【請求項2】
有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満であるナノファイバーを含む、薬効成分を肌表面に滞留させるためのヘルスケア用具。
【請求項3】
有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満であるナノファイバーを含む、紙おむつ・生理用品であるヘルスケア用具。
【請求項4】
ナノファイバーが糸、綿(わた)、あるいは布帛から選ばれる形状に加工されている請求項1〜3のいずれか1項記載の美容用具またはヘルスケア用具。
【請求項5】
ナノファイバー布帛が織編物である請求項4記載の美容用具またはヘルスケア用具。
【請求項6】
ナノファイバー布帛が不織布または紙である請求項4記載の美容用具またはヘルスケア用具。
【請求項7】
ナノファイバー布帛の目付が20〜100g/mである請求項4〜6のいずれか1項記載の美容用具またはヘルスケア用具。
【請求項8】
ナノファイバー布帛の目付が100g/mを超え300g/m以下である請求項4〜6のいずれか1項記載の美容用具またはヘルスケア用具。
【請求項9】
単繊維直径が2〜50μmの繊維が混用されている請求項1〜8のいずれか1項記載の美容用具またはヘルスケア用具。
【請求項10】
有機ポリマーが疎水性ポリマーである請求項1〜9のいずれか1項記載の美容用具またはヘルスケア用具。
【請求項11】
有機ポリマーが親水性ポリマーである請求項1〜9のいずれか1項記載の美容用具またはヘルスケア用具。
【請求項12】
有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満である、美容成分を肌表面に滞留・浸透させるための美容用具用、または薬効成分を肌表面に滞留させるためのヘルスケア用具または紙おむつ・生理用品であるヘルスケア用具用のナノファイバー。
【請求項13】
有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満であるナノファイバーを含む、美容成分を肌表面に滞留・浸透させるための美容用具用、または薬効成分を肌表面に滞留させるためのヘルスケア用具または紙おむつ・生理用品であるヘルスケア用具用の糸。
【請求項14】
有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満であるナノファイバーを含む美容成分を肌表面に滞留・浸透させるための美容用具用、または薬効成分を肌表面に滞留させるためのヘルスケア用具または紙おむつ・生理用品であるヘルスケア用具用の綿(わた)。
【請求項15】
有機ポリマーからなり数平均による単繊維直径が1nm以上1000nm未満であるナノファイバーを含む美容成分を肌表面に滞留・浸透させるための美容用具用、または薬効成分を肌表面に滞留させるためのヘルスケア用具または紙おむつ・生理用品であるヘルスケア用具用の布帛。

【公開番号】特開2006−219807(P2006−219807A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−370292(P2005−370292)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【分割の表示】特願2005−117146(P2005−117146)の分割
【原出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】