説明

美容装置

【課題】放電極の経年劣化を抑制してイオン放出を長期に亘り良好に行うことができるイオン発生装置搭載の美容装置を提供する。
【解決手段】イオン生成部33(イオン放電部61)における針電極63周りの空間X2と美顔器本体12内の空間X1とが仕切り部材としても機能する弾性装着部材66にて仕切られる構造とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン放出用の放電極への高電圧印加に基づいて放電を生じさせてイオンを発生させるイオン発生装置を備えた美容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のイオン発生装置は、例えば特許文献1や特許文献2にて示されているように、イオン放出用の針電極と、グランドに接続された対向電極とを有し、針電極へのマイナスの高電圧印加に基づいて両電極間にコロナ放電を生じさせ、該放電に基づいてマイナスイオンを発生させている。因みに、特許文献1はそのイオン発生装置を備えるヘアードライヤーが示され、特許文献2はそのイオン発生装置を備えるスチーム式美顔器が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−191426号公報
【特許文献2】特開2004−24897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のヘアードライヤーにおいて、イオン放出用の針電極周りの空間とドライヤー本体内の空間とが仕切られておらず、また特許文献2のスチーム式美顔器においても、針電極周りの空間と美顔器本体内の空間とが仕切られていない。
【0005】
そのため、これらドライヤー本体や美顔器本体では、温風の生成やスチームの生成のために加熱装置を内装していることから、本体内にシリコンが含有されている部材が使用されている場合、そのシリコン素材を使用した部材がその加熱を受けて本体内の空間に浮遊シリコンが生じ、この浮遊シリコンが針電極に付着するとコロナ放電の妨げとなりマイナスイオンの発生量を減少させてしまう。また、本体内部にシリコン素材が使用されていない場合においても、本体内部の熱が外部に逃げる際にその空気の流れによって本体内部に存在する埃が移動し、針電極に付着することによりコロナ放電の妨げとなりマイナスイオンの発生量を減少させてしまう。従って、イオン放出を長期に亘り良好に行うべく、このようなイオン放出用の針電極(放電極)の経年劣化の抑制が望まれている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、放電極の経年劣化を抑制してイオン放出を長期に亘り良好に行うことができるイオン発生装置搭載の美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、高電圧印加に基づき放電極にて放電を生じさせイオンを発生させるイオン発生装置を備えた美容装置であって、前記イオン発生装置における前記放電極周りの空間と美容装置本体内の空間とが仕切り部材にて仕切られてなることをその要旨とする。
【0008】
この発明では、イオン発生装置における放電極周りの空間と美容装置本体内の空間とが仕切り部材にて仕切られることから、美容装置本体内の加熱装置とシリコン素材を使用した部材とで生じる浮遊シリコンや埃等の異物がその本体側から放電極周りの空間に侵入することが防止され、経年劣化の進行を早める放電極への異物の付着が未然に防止される。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の美容装置において、前記仕切り部材は、前記放電極の先端よりも後方側に配置されていることをその要旨とする。
この発明では、仕切り部材は放電極の先端よりも後方側に配置されることから、イオンが放出される放電極の先端側の構造を簡素に構成でき、外部へのイオン放出を極力妨げない構成が可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の美容装置において、前記仕切り部材は、他部材との当接部分が少なくとも弾性材料よりなることをその要旨とする。
この発明では、仕切り部材は他部材との当接部分が少なくとも弾性材料よりなるため、その弾性部分による密着にて両空間の密閉状態が高くなり、美容装置本体内で生じる浮遊シリコンや埃等の異物の放電極側空間への侵入がより確実に防止される。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の美容装置において、前記仕切り部材は、1つの部品よりなり、全体が弾性材料にて構成されていることをその要旨とする。
この発明では、仕切り部材は1つの部品よりなるその全体が弾性材料にて構成されることから、仕切り部材を単一の材料にて容易に形成可能である。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の美容装置において、前記イオン発生装置は、前記放電極への電圧印加のためのリード線を備えるものであり、該リード線は、全体が弾性材料よりなる前記仕切り部材にて弾性保持されていることをその要旨とする。
【0013】
この発明では、イオン発生装置のリード線は、全体が弾性材料よりなる仕切り部材にて弾性保持されることから、リード線部分での両空間の密閉状態が高くなり、このリード線部分においても美容装置本体内で生じる浮遊シリコンや埃等の異物の放電極側空間への侵入がより確実に防止される。また、リード線の保持及びリード線部分の密閉を図る部材を仕切り部材と兼用することで、部品点数の増加が抑えられる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の美容装置において、前記イオン発生装置は、ユニット化された状態で前記美容装置本体への装着が図られるものであり、前記仕切り部材は、そのユニット化された前記イオン発生装置側に一体に備えられていることをその要旨とする。
【0015】
この発明では、仕切り部材は、ユニット化されたイオン発生装置側に一体に備えられ、イオン発生装置の美容装置本体への装着と同時に放電極側の空間と美容装置本体側の空間との仕切りがなされるため、その仕切り構造を容易に構築できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、放電極の経年劣化を抑制してイオン放出を長期に亘り良好に行うことができるイオン発生装置搭載の美容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態における美顔器を示す斜視図である。
【図2】同美顔器を前後方向で切断し右側から見た断面図である。
【図3】同美顔器を左右方向で切断し背面側から見た断面図である。
【図4】同美顔器のマイナスイオン生成部部分の拡大断面図である。
【図5】同美顔器の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図6】同美顔器のマイナスイオン生成回路を示す回路図である。
【図7】同美顔器のマイナスイオン生成部の特性を説明するための測定図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のイオン発生装置を備える美容装置としての美顔器10を示す。有底略円筒状の本体ケース11には美顔器本体12が収容されて固定され、その本体ケース11の開口部と面一をなす美顔器本体12の上面にはノズル部13及びスイッチ部14が設置されている。ノズル部13及びスイッチ部14を有する美顔器本体12の上面は、本体ケース11に対し開閉可能(傾動可能)に取り付けられたメインカバー15にて露出・隠蔽が可能とされている。
【0019】
ノズル部13は、美顔器本体12の上面中央に設けられており、スチーム(温ミスト)を放出する一対のスチームノズル21,22、冷ミストを放出するミストノズル23、及びマイナスイオンを放出するイオンノズル24を有し、ミストノズル23が左右方向中央位置に、スチームノズル21,22がその左右両側に、イオンノズル24がミストノズル23の上側にそれぞれ配置されている。スチームノズル21,22、ミストノズル23、及びイオンノズル24の各放出方向は前側斜め上方の同一方向に向くように設定され、美顔器10の前側と使用者と対向するように使用した時のその使用者の顔表面に向けて放出方向が向くように設定されている。尚、ノズル部13は傾動調整可能な構成となっており、各ノズル21〜24の放出角度の一体的な調整が可能である。また、このノズル部13にもノズルカバー16が開閉可能(傾動可能)に取り付けられ、その開閉にて各ノズル21〜24の露出・隠蔽が可能とされている。
【0020】
また、ノズル部13の手前右側には、スイッチ部14として、それぞれ押しボタンスイッチにて構成される電源スイッチ25、運転制御スイッチ26、及びコース選択スイッチ27が設けられている。電源スイッチ25は、美顔器10のオンオフ操作を行うものであり、運転制御スイッチ26及びコース選択スイッチ27は、その操作にて、スチームと冷ミストとを組み合わせて対象体に向けて放出するコースやスチームのみを放出するコースといった各種のコースの選択、及びその決定(動作開始)を行うものである。
【0021】
また、ノズル部13の左側には、美顔器本体12の上面から凹設されてなるタンク収容部17が設けられており、該タンク収容部17内には、開口部と面一となるように給水タンク18が着脱可能に収容されている。給水タンク18は、使用者が美顔器10から取り外しての給水が可能となっており、貯留した水からスチームや冷ミストのそれぞれの生成が行われる。
【0022】
美顔器本体12には、図2に示すように、スチーム生成部31、ミスト生成部32、及びマイナスイオン生成部33が備えられている。
スチーム生成部31は、美顔器本体12の前側に備えられており、スチーム(温ミスト)を生成する。スチーム生成部31は、駆動電流の供給に基づいて発熱しその発熱の自己制御機能を有するPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ35,36を前側と後側にそれぞれ備え、給水タンク18から給水管路19を介してPTCヒータ35,36内側のボイラ室37内に供給された水を沸騰させてスチームの生成を行っている。因みに、前側のPTCヒータ35の外側面には、給水タンク18から延びる給水管路19の一部が当接させて配置されており、ボイラ室37への流入の前に温められ該ボイラ室37内で効率良くスチームが生成されるようになっている。尚、給水管路19は、排水管路38(図5参照)を介して美顔器10の排水口38aに接続されており、排水スイッチの操作によって制御される排水管路38上の止水弁39にて美顔器10内の排水を行うことが可能となっている。
【0023】
ボイラ室37の上部には、図2及び図3に示すように、生成したスチームを一対のスチームノズル21,22まで案内させるためのスチーム案内管路41が接続されている。スチーム案内管路41は、途中に分岐部42を有しその分岐部42から各スチームノズル21,22に向けて等距離で二股に分かれ、ボイラ室37にて生成したスチームを各スチームノズル21,22までそれぞれ案内する。そして、ボイラ室37やスチーム案内管路41内は高圧となるため、各スチームノズル21,22の放出孔からはある程度の勢いを以てスチームが放出されるようになっている。
【0024】
また、スチーム案内管路41の分岐部42の若干手前位置には、放電電極43aを有するスチーム用放電部43が備えられている。スチーム用放電部43は、自身の放電により、該放電部43を通過するスチームをより微細化するものである。また、このスチーム用放電部43では、抗酸化作用があり肌に良いとされる金属(例えば白金)を用い、放電を利用してその金属微粒子を発生させることも行っており、スチームの微細化と金属微粒子の含有とが行われている。スチーム用放電部43の下流側で分岐部42の直前位置には、該放電部43にて微細化したスチームを分岐部42から先の各スチームノズル21,22に同量が分岐するように整流する整流部44が備えられている(図3及び図5参照)。
【0025】
ミスト生成部32は、前記スチーム生成部31よりも後側に備えられており、ベンチュリー効果を用いて冷ミストを生成する。給水タンク18から延びる給水管路19内の水は前記スチーム生成として利用される他に冷ミストとしても利用され、その給水管路19からの水の一部をミストノズル23まで送水する送水管路51が備えられている。送水管路51の一部は、後側のPTCヒータ36の放熱面(垂直面)36aの平面方向に蛇行して該放熱面36aに当接させて配置されており、前記スチーム生成時の後側のPTCヒータ36の加熱で送水管路51内の冷ミスト用の水の殺菌をも行われるようになっている。尚、送水管路51のミストノズル23の直前位置にはその管内にフィルタ52が装着され、通過する水の除塵等が行われている。
【0026】
また、ミスト生成部32として、美顔器本体12内には空気圧送路53が設けられており、該空気圧送路53内には電動モータを駆動源としたポンプ54の動作により空気の圧送が行われる。この圧送空気はミストノズル23の放出孔に向けて供給され、放出孔手前で送水管路51内の水と合流させることでベンチュリー効果が生じ、圧送空気とともに送水管路51内の水が吸い出されて冷ミストが生成されて放出されるようになっている。
【0027】
マイナスイオン生成部33は、図2及び図4に示すようにノズル部13内に備えられており、コロナ放電を発生させてマイナスイオンを生成する。イオン生成部33は、ノズル部13のイオンノズル24に形成される収容凹部24aに、ユニット化されたマイナスイオン放電部61が収容保持されてなる。イオン放電部61は、その収容凹部24aに収容保持されるべく所定形状をなす電極ホルダ62に対して針電極63が支持されるとともに、針電極63の先端側においてその針電極63の軸線上に円環状の中心が位置するように円環状の対向電極64が支持されて構成されている。針電極63及び対向電極64にはそれぞれリード線65がその針電極63の先端よりも後方側にて接続されており、各リード線65は、電極ホルダ62の後部(針電極63の先端よりも後方側)に一体に備えられる弾性装着部材66にて弾性保持されて美顔器本体12側に導出されて、美顔器本体12の上面近傍の制御回路基板71に接続されている。
【0028】
因みに、このイオン生成部33(イオン放電部61)では、針電極63周りの空間X2は外部への開放のみで、その針電極63周りの空間X2と美顔器本体12内の空間X1とが仕切られている。針電極63周りの空間X2の仕切りは、電極ホルダ62の後部に設けられる弾性装着部材66が収容凹部24aの内周面に環状に密着(弾性装着部材66は各リード線65とも密着)することでなされている。ここで、美顔器本体12内の空間X1に設けられるシリコン素材を使用した部材(例えば送水管路51の一部等)がPTCヒータ35,36といった熱源にて加熱されるとその空間X1内にシリコンが浮遊し、この浮遊シリコンが温められた美顔器本体12内の空気に乗って針電極63に付着することでコロナ放電を妨げマイナスイオンの発生量が減少してしまう事象が生じる。また、同空気に乗って美顔器本体12内の埃も針電極63に付着し易い。そこで、針電極63周りの空間X2と美顔器本体12内の空間X1とを仕切ることで、美顔器本体12内で生じる浮遊シリコンや埃等の異物が針電極63周りの空間X2への侵入が防止され、針電極63への異物の付着が未然に防止されている。
【0029】
制御回路基板71は、電源コード70(図1参照)にて外部から電源供給を受け、基板71上に搭載される各種の回路部品よりなる制御回路72の制御に基づいて、スチーム生成部31、ミスト生成部32、及びイオン生成部33のそれぞれに動作電源を供給する。図5に示すように、制御回路72は、電源スイッチ25のオンオフ操作に基づいて美顔器10の動作可能状態と及び停止状態との切り替えを行い、動作可能状態において運転制御スイッチ26及びコース選択スイッチ27の組み合わせ操作による各種使用コースの設定に基づいて、スチーム生成部31(PTCヒータ35,36、スチーム用放電部43等)と、ミスト生成部32(ポンプ54等)との動作を制御し、またイオン生成部33(イオン放電部61)を先の各生成部31,32の動作と合わせて動作させている。
【0030】
また、制御回路基板71には、図6に示すようなマイナスイオン生成回路73が構成されている。イオン生成回路73には、例えば−5[kV]までマイナス側に昇圧された直流電圧を生成するイオン放電用電源回路74が備えられ、イオン放電部61の針電極63にはその昇圧電圧が印加される。一方、対向電極64は、例えばグランド(GND)に接続されている(抵抗等を介してグランドに接続しても可)。
【0031】
そして、マイナスイオン生成時において、針電極63に高電圧が印加されると、対向電極64との電位差によって針電極63の先端周囲にコロナ放電が発生し、マイナスイオンが発生する。発生したマイナスイオンは、針電極63よりも低電位の対向電極64に引き寄せられ、対向電極64に付着しない分がイオンノズル24の外部、即ち使用者の顔表面等に向けて放出される。
【0032】
また、このイオン生成部33(イオン放電部61)において、上記したように、針電極63周りの空間X2と美顔器本体12内の空間X1とが仕切られ、美顔器本体12内で生じる浮遊シリコンや埃等の異物の針電極63への付着が未然に防止されることから、図7にて実線で示すように、時間経過に対して放電電流の下降が緩やかで、コロナ放電が長期に亘り良好に行われることがわかる。一方、図7にて破線で示すように、針電極63周りの空間X2と美顔器本体12内の空間X1とを仕切らない態様(従来態様)とすると、時間経過に対して放電電流の落ち込みが大きく、短期間で十分なコロナ放電が行われなくなることがわかる。従って、本実施形態のイオン生成部33(イオン放電部61)では、針電極63の経年劣化が抑制されてマイナスイオンの放出が長期に亘り良好に行われるようになっているため、メンテナンスやイオン放電部61の交換等を長期間行わなくて済む。
【0033】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態では、イオン生成部33(イオン放電部61)における針電極63周りの空間X2と美顔器本体12内の空間X1とが仕切り部材としても機能する弾性装着部材66にて仕切られている。これにより、美顔器本体12内の加熱装置(ヒータ35,36)とシリコン素材を使用した部材とで生じる浮遊シリコンや本体12内部に存在する埃等の異物がその本体12側から針電極63周りの空間X2に侵入することを防止でき、経年劣化の進行を早める針電極63への異物の付着を未然に防止できるため、イオン放出を長期に亘り良好に行うことができる。
【0034】
(2)本実施形態では、弾性装着部材66(仕切り部材)が針電極63の先端よりも後方側に配置されているため、イオンが放出される針電極63の先端側の構造を本実施形態のように簡素に構成でき、外部へのイオン放出を極力妨げない構成とすることができる。
【0035】
(3)本実施形態では、弾性装着部材66(仕切り部材)は他部材(美顔器本体12側の収容凹部24a)との当接部分がその弾性にて密着するため、両空間X1,X2の密閉状態が高くなり、針電極63側の空間X2への異物侵入をより確実に防止することができる。また、この弾性装着部材66は弾性材料の一部品にて構成されることから、単一の材料にて容易に形成することができる。
【0036】
(4)本実施形態では、イオン放電部61のリード線65が弾性装着部材66にて弾性保持されているため、リード線65部分での両空間X1,X2の密閉状態が高くなり、このリード線65部分においても針電極63側の空間X2への異物侵入をより確実に防止することができる。また、リード線65の保持及びリード線65部分の密閉を図る弾性装着部材66が仕切り部材としても機能するため、部品の共通化から部品点数の増加を抑えることができる。
【0037】
(5)本実施形態では、弾性装着部材66(仕切り部材)は、ユニット化されたイオン放電部61側に一体に備えられるため、イオン放電部61の美顔器本体12への装着と同時に針電極63側の空間X2と美顔器本体12側の空間X1との仕切りがなされる。これにより、その仕切り構造を容易に構築することができる。
【0038】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の美顔器10の構成を適宜変更してもよく、またイオン発生装置(イオン生成回路73)においてプラスイオンを生成する構成としてもよい。
【0039】
また、イオン放電部61において、仕切り部材としても機能する弾性装着部材66の全体を弾性材料として構成せず、例えば収容凹部24aやリード線65に当接する部分に限り弾性材料で形成してもよい。また、収容凹部24aとリード線65との密閉(仕切り)を個別の部材で行ってもよい。また、仕切り部材をイオン放電部61に設けるのではなく、美顔器本体12側(ノズル部13側)に設けてもよい。仕切り部材の位置関係も適宜変更してもよい。
【0040】
・上記実施形態では、イオン発生装置(イオン放電部61)を搭載した美顔器10に適用したが、イオン発生装置を搭載したヘアードライヤー、ヘアーブラシ、ヘアーアイロン等の髪・頭皮ケア装置や空気清浄機といった他の美容装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0041】
10…美顔器(美容装置)、12…美顔器本体(美容装置本体)、61…イオン放電部(イオン発生装置)、63…針電極(放電極)、66…弾性装着部材(仕切り部材)、X1,X2…空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧印加に基づき放電極にて放電を生じさせイオンを発生させるイオン発生装置を備えた美容装置であって、
前記イオン発生装置における前記放電極周りの空間と美容装置本体内の空間とが仕切り部材にて仕切られてなることを特徴とする美容装置。
【請求項2】
請求項1に記載の美容装置において、
前記仕切り部材は、前記放電極の先端よりも後方側に配置されていることを特徴とする美容装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の美容装置において、
前記仕切り部材は、他部材との当接部分が少なくとも弾性材料よりなることを特徴とする美容装置。
【請求項4】
請求項3に記載の美容装置において、
前記仕切り部材は、1つの部品よりなり、全体が弾性材料にて構成されていることを特徴とする美容装置。
【請求項5】
請求項4に記載の美容装置において、
前記イオン発生装置は、前記放電極への電圧印加のためのリード線を備えるものであり、該リード線は、全体が弾性材料よりなる前記仕切り部材にて弾性保持されていることを特徴とする美容装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の美容装置において、
前記イオン発生装置は、ユニット化された状態で前記美容装置本体への装着が図られるものであり、
前記仕切り部材は、そのユニット化された前記イオン発生装置側に一体に備えられていることを特徴とする美容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−187767(P2010−187767A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32971(P2009−32971)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】