説明

美容装置

【課題】美容装置において、皮膚の特定部分を重点的に加熱することにある。
【解決手段】RF電極21a及びRF電極21cを結ぶ線分28と、RF電極21b及びRF電極21dを結ぶ線分29とがそれぞれ中点において交わる位置に各RF電極21a〜21dは配置されている。また、両線分28,29の長さは等しい。従って、電流が流れる経路26,27は最大深さLにおいて交わる。これにより、最大深さLの周辺に加熱領域31,32が重複する重複領域34が形成される。従って、重複領域34において皮膚の比較的深い特定の部位、すなわち、真皮及び皮下脂肪を重点的に加熱することができ、より迅速に美容効果が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、低周波電流又は高周波電流を肌に供給する美容装置が知られている。この美容装置は、低周波電流又は高周波電流によって筋肉に刺激を与えたり皮膚を適当な温度まで加熱したりすることで肌を引き締める美容効果がある。
【0003】
美容装置として、例えば、特許文献1に記載の構成が公知である。具体的には、図11に示すように、美容装置における肌に接触させる面には一対の電極101,102が埋め込まれている。両電極101,102に皮膚が接触した状態において、両電極101,102に低周波電流が供給されると、体内に電流が流れる。このときの電流の経路は、両電極101,102の下面を結ぶ線分を底辺とする略半円状となる。
【0004】
また、例えば、特許文献2に示される美容装置においては、両電極101,102間に高周波電流が供給される。高周波電流は、上記低周波電流に比べて、体内において電流の達する最大深さは小さくなるものの、電流の経路は上記低周波電流と同様となる。高周波電流を皮膚に供給することで、皮膚内における電流の経路に沿った領域を加熱することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−154910号公報
【特許文献2】特表2001−523513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、皮膚は電流の経路に沿って加熱される。ここで、皮膚の比較的深い部分(真皮、皮下脂肪)を重点的に加熱することで、効率よく真皮のコラーゲンや皮下脂肪を収縮させて肌を引き締めることができる。また、肌の状態に応じて改善すべき部分を重点的に加熱することで、美容効果を高めることができる。しかし、このように局所的に加熱したい場合であっても、加熱領域は電流の経路に沿って決まるため、皮膚の特定部分について重点的に加熱することはできなかった。
【0007】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、皮膚の特定部分を重点的に加熱することができる美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を達成するための手段について説明する。
第1の発明は、皮膚との接触を介して皮膚に電流を供給する2つで1組の複数組にて構成される電極を備え、前記各組の電極は、前記各組の2つの電極間に流れる電流を通じた皮膚の加熱により形成される加熱領域が重複する位置に配置されることをその要旨としている。
【0009】
第2の発明においては、前記各組の電極は、前記各組の2つの電極間を結ぶ線分が互いに交わる位置に配置されることをその要旨としている。
第3の発明においては、前記各組の電極は、前記各線分がそれらの中点で互いに交わる位置に配置されることをその要旨としている。
【0010】
第4の発明は、第1の組を構成する一方の電極と、第2の組を構成する一方の電極とが共有されることをその要旨としている。
第5の発明においては、前記各組の電極は、互いに対面する平面上に設けられることをその要旨としている。
【0011】
第6の発明においては、前記各組の電極は同一平面上に設けられることをその要旨としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、美容装置において、皮膚の特定部分を重点的に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態における美容装置の構成図。
【図2】第1の実施形態における美容装置の内部構成を示した断面図。
【図3】第1の実施形態における美容装置の下面図。
【図4】第1の実施形態における電流の経路、並びに加熱及び重複領域を示した説明図。
【図5】第2の実施形態における美容装置の下面図。
【図6】第2の実施形態における電流の経路、並びに加熱領域を示した説明図。
【図7】図5のA−A線断面図。
【図8】第3の実施形態における美容装置の内部構成を示した断面図。
【図9】第3の実施形態における電極が配置される絶縁板の斜視図。
【図10】図8のB−B線断面図。
【図11】従来の美容装置における電流の経路を示した説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる美容装置を具体化した第1の実施形態について図1〜図4を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、美容装置は、制御装置11と、RF(Radio Frequency)発信機15と、4つのRF電極21a〜21dと、電源スイッチ16とを備えてなる。電源スイッチ16が操作されると、その旨の操作信号が制御装置11に出力される。制御装置11は、操作信号を受けると、RF発信機15に制御信号を出力する。RF発信機15は、例えば、図示しないバッテリ(内部電源)からの直流電流を高周波電流(交流電流)に変換するインバータを備える。RF発信機15は、制御信号に基づき変換した高周波電流をRF電極21a〜21dへ供給する。詳しくは、RF電極21a〜21dは、RF電極21a及びRF電極21cの組み合わせと、RF電極21b及びRF電極21dの組み合わせとからなる。制御装置11は、RF発信機15を介して両組に交互に高周波電流を供給する。
【0016】
RF電極21a〜21dが肌に当てられたとき、皮膚がRF電極21a〜21d間を接続する電気的抵抗となる。これにより、RF発信機15及び各組のRF電極21a〜21dを備えた回路が電気的に閉じて、同回路に高周波電流が流れる。この回路の経路、詳しくは各組のRF電極21a〜21d間には皮膚が存在するため、皮膚に高周波電流を供給することができる。ここで、皮膚は電気的抵抗として作用する。従って、皮膚にて電気エネルギが熱エネルギとして消費されるため、皮膚が加熱されて血行の促進を図ることができる。制御装置11は、電源スイッチ16からの操作信号を再び受けると、RF発信機15を介したRF電極21a〜21dへの高周波電流の供給を停止する。
【0017】
図2に示すように、美容装置の外形をなす樹脂製のハウジング30の底部には絶縁板33が嵌め込まれている。この絶縁板33の外面にはRF電極21a〜21dが設けられている。各RF電極21a〜21dには導線38が接続されている。この導線38は、絶縁板33を厚さ方向に貫通するとともに、ハウジング30の内部のRF発信機15に接続されている。また、ハウジング30には、電源スイッチ16が取り付けられている。
【0018】
図3に示すように、RF電極21a〜21dは、絶縁板33の外面の周縁部に、当該面の中央を中心として90度間隔で配置されている。具体的には、RF電極21a及びRF電極21cを結ぶ線分28と、RF電極21b及びRF電極21dを結ぶ線分29とがそれぞれの線分の中点にて直角に交わるようにRF電極21a〜21dが配置されている。また、各RF電極21a〜21dは同一品であり、両線分28,29の長さは等しい。
【0019】
次に、RF電極21a〜21dによる加熱領域について図4を参照しつつ説明する。なお、図4においては、RF電極21a〜21d以外の美容装置の構成は省略して図示している。
【0020】
上述のように、RF電極21a及びRF電極21cの組み合わせ、及びRF電極21b及びRF電極21dの組み合わせに交互に高周波電流が供給される。このとき、皮膚に流れる電流の経路26,27は、図4に示すように、線分28,29を底辺とする略半円弧状となる。すなわち、RF電極21a及びRF電極21cの組み合わせに供給される高周波電流は経路26に沿って流れる。また、RF電極21b及びRF電極21dの組み合わせに供給される高周波電流は経路27に沿って流れる。
【0021】
ここで、皮膚内における電流が到達する最大深さLは、RF電極間の距離に応じて決まる。本例では、RF電極間の距離、すなわち、両線分28,29の長さは等しいため、各組に供給される電力が同一であれば、最大深さLも等しくなる(第1の条件)。また、RF電極21a及びRF電極21cを結ぶ線分28と、RF電極21b及びRF電極21dを結ぶ線分29とがそれぞれの線分の中点にて交わっている。よって、電流の経路26,27における電流が到達する最大深さLの位置は、肌の表面に対する垂直方向からみて一致する(第2の条件)。従って、上記2つの条件から両経路26,27は最大深さLにおいて交わる。
【0022】
上述のように、電流が流れることにより皮膚は加熱されるため、これら電流の経路26,27を中心としてその周辺に加熱領域31,32が形成される。従って、経路26,27が交わる位置(最大深さL)を中心として加熱領域31,32が重複する重複領域34が形成される。
【0023】
重複領域34においては、経路26,27に流れる両電流にて加熱されるため、加熱領域31,32の重複領域34を除く部分に比べて加熱量を増大させることができる。また、重複領域34は最大深さL付近に形成される。これにより、皮膚の比較的深い特定の部分(真皮、皮下脂肪)を重点的に加熱することができる。従って、より短い時間で、真皮のコラーゲンや皮下脂肪を収縮させて肌を引き締める美容効果が得られる。
【0024】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)RF電極21a及びRF電極21cを結ぶ線分28と、RF電極21b及びRF電極21dを結ぶ線分29とがそれぞれ中点において交わる位置に各RF電極21a〜21dは配置されている。また、両線分28,29の長さは等しい。従って、電流が流れる経路26,27は最大深さLにおいて交わる。これにより、最大深さLの周辺に加熱領域31,32が重複する重複領域34が形成される。従って、重複領域34において皮膚の比較的深い特定の部位、すなわち、真皮及び皮下脂肪を重点的に加熱することができ、より迅速に美容効果が得られる。
【0025】
(2)RF電極21a〜21dは絶縁板33において同一平面上に設けられている。従って、頬等の略平面状の皮膚に高周波電流を供給するのに適している。
また、同一平面上にRF電極を配置した場合、RF電極間の距離に応じて皮膚内における電流が到達する最大深さLが決まる。従って、RF電極間の距離を変えるだけで、各組のRF電極間の電流が到達する最大深さL、ひいては重複領域34を真皮若しくは皮下脂肪の周辺に設定することができる。
【0026】
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる美容装置を具体化した第2の実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。この実施形態の美容装置は、図1に示す第1の実施形態の美容装置とほぼ同様の構成を備え、RF電極の数やそれらの配置態様が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0027】
本実施形態における美容装置は、3つのRF電極41a〜41cを備えている。図5に示すように、各RF電極41a〜41cは絶縁板33の外面の周縁部に配設されている。具体的には、RF電極41bは絶縁板33の外面の右側縁部に設置され、RF電極41a,41cは絶縁板33の面の左側縁部に設置されている。RF電極41bは、RF電極41a,41cを結ぶ線分45の中点に対応する位置に設けられている。すなわち、各RF電極41a〜41c(正確には、それらの中心)を線分で結ぶことで二等辺三角形が形成される。この二等辺三角形は、線分45を底辺として、RF電極41a及びRF電極41bを結ぶ線分46と、RF電極41b及びRF電極41cを結ぶ線分47とからなる。両線分46,47は長さが等しい。
【0028】
RF電極41a〜41cは、RF電極41a及びRF電極41bの組み合わせと、RF電極41b及びRF電極41cの組み合わせとからなる。すなわち、RF電極41bは、異なるRF電極41a,41cとの間で2つの組を構成する。制御装置11は、RF発信機15を介して両組に交互に高周波電流を供給する。
【0029】
図6に示すように、皮膚に流れる電流の経路48,49は、線分46,47を底辺とする略半円弧状となる。すなわち、RF電極41a及びRF電極41bの組み合わせに供給される高周波電流は経路48に沿って流れる。また、RF電極41b及びRF電極41cの組み合わせに供給される高周波電流は経路49に沿って流れる。
【0030】
第1の実施形態と同様に、両線分46,47の長さは等しいため、各組に供給される電力が同一であれば、電流の経路48,49の最大深さLも等しくなる。これら電流の経路48,49を中心としてその周辺に加熱領域51,52が形成される。これら加熱領域51,52は、図7に示すように、最大深さLにおいて重複して重複領域53を形成する。この重複領域53は、線分46と線分47がなす角度が小さくなるにつれて大きくなる。従って、最大深さLにおいて重複領域53が形成される程度に、線分46と線分47がなす角度は設定される。なお、この重複領域53は、最大深さLの周辺のみならず、経路48,49間における最大深さLからRF電極41b側に形成される。
【0031】
重複領域53においては、経路48,49に流れる両電流にて加熱されるため、加熱量を増大させることができる。また、重複領域53は最大深さL付近に形成される。これにより、皮膚の比較的深い特定部分(真皮、皮下脂肪)を重点的に加熱することができる。すなわち、皮膚の比較的浅い部分(表皮等)の過剰な加熱を抑制することができる。従って、より短い時間で、真皮のコラーゲンや皮下脂肪を収縮させて肌を引き締める美容効果が得られる。
【0032】
以上、説明した実施形態によれば、第1の実施形態の(2)の作用効果に加え、以下の作用効果を奏することができる。
(3)美容装置は3つのRF電極41a〜41cを備え、RF電極41bは各RF電極41a,41cとの間で2つの組を構成する。そして、RF電極41a及びRF電極41b間に供給される電流により形成される加熱領域51と、RF電極41b及びRF電極41c間に供給される電流により形成される加熱領域52とが重複した重複領域53が最大深さL付近に形成される。換言すると、重複領域53が最大深さL付近に形成される程度に、線分46と線分47がなす角度を小さくする。これにより、RF電極を3つで構成した場合であっても、重複領域53を最大深さL付近に形成することができる。従って、重複領域53において皮膚の比較的深い真皮及び皮下脂肪等の特定部位を重点的に加熱することができ、より迅速に美容効果が得られる。
【0033】
(第3の実施形態)
以下、本発明にかかる美容装置を具体化した第3の実施形態について説明する。この実施形態の美容装置は、図1に示す第1の実施形態の美容装置とほぼ同様の構成を備え、絶縁板の形状等が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0034】
本実施形態における美容装置では、図9に示すように、絶縁板65がU字状に湾曲して形成されている。絶縁板65は、図8に示すように、ハウジング30の底部に下側に開口した状態で固定されている。絶縁板65は、弾性材で弾性変形可能に形成されている。また、絶縁板65の開口幅は、例えば鼻等の施術対象部位よりも小さく設定されている。
【0035】
絶縁板65の内面において互いに対面する位置には、4つのRF電極61a〜61dが埋め込まれている。詳しくは、図9に示すように、絶縁板65の右側の内面における端部には、絶縁板65の幅方向に2つのRF電極61a,61bが配列され、絶縁板65の左側の内面における端部には、絶縁板65の幅方向に2つのRF電極61c,61dが配列されている。
【0036】
RF電極61a〜61dは、RF電極61a及びRF電極61dの組み合わせと、RF電極61b及びRF電極61cの組み合わせとからなる。RF電極61a〜61dは、RF電極61a及びRF電極61dを結ぶ線分62と、RF電極61b及びRF電極61cを結ぶ線分63とがそれぞれの線分の中点にて交わる位置に配置されている。なお、両線分62,63の長さは等しい。
【0037】
上記のように構成される美容装置において、鼻等を絶縁板65内に進入させた場合には、絶縁板65は外側に弾性変形しつつ、RF電極61a〜61dが皮膚に適度な押圧力を持って接触した状態となる。この状態において、制御装置11は、RF発信機15を介して2つの組に交互に高周波電流を供給する。このとき、図10に示すように、線分62,63に沿って電流が流れる。すなわち、RF電極61a及びRF電極61dの組み合わせに供給される高周波電流は線分62に沿って流れ、RF電極61b及びRF電極61cの組み合わせに供給される高周波電流は線分63に沿って流れる。従って、線分62,63の周辺には加熱領域66,67が形成される。これら加熱領域66,67は、両線分62,63が交わる点を中心に重複して重複領域68を形成する。重複領域68においては、両組の電極間の電流にて加熱されるため、加熱領域66,67の重複領域68を除く部分に比べて加熱量を増大させることができる。
【0038】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(4)RF電極61a,61d間に供給される電流による加熱領域66と、RF電極61b,61c間に供給される電流による加熱領域67とが重複して両線分62,63が交わる点を中心に重複領域68が形成される。従って、皮膚において改善すべき部分を重複領域68に位置させることで、その部分を重点的に加熱することができる。これにより、美容効果を高めることができる。
【0039】
また、絶縁板65は弾性変形可能であるとともに、U字状に湾曲している。このため、鼻等を絶縁板65内に進入させた場合には、絶縁板65は外側に弾性変形しつつ、RF電極61a〜61dが皮膚に接触した状態に良好に保たれる。これにより、RF電極61a〜61dと皮膚との接触面積の減少に伴う電流集中を抑制できる。
【0040】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・第3の実施形態においては、絶縁板65内に鼻等が進入した場合、同絶縁板65が外側に弾性変形しつつ、この弾性力によりRF電極61a〜61dが皮膚に接触した状態を保っていた。しかし、エアバッグを設けて、エアバッグの膨張を通じてRF電極61a〜61dと皮膚との接触面積を確保してもよい。具体的には、絶縁板65に互いに対向する両内面にエアバッグを設ける。これらエアバッグの互いに対向する面にはRF電極61a〜61dを設ける。エアバッグは膨張することで、RF電極61a〜61dを絶縁板65内側に存在する皮膚に接触させる。従って、絶縁板65の開口幅は施術対象より大きく設定される。このとき、エアバッグは皮膚の形状に応じて膨張するため、皮膚に凹凸がある場合であれ、RF電極61a〜61dと皮膚との接触面積を確保することができる。
【0041】
・第1〜3の実施形態においては、各組のRF電極に交互に高周波電流が供給されていた。しかし、各組のRF電極に同時に高周波電流を供給してもよい。
・第1の実施形態においては、両線分28,29が直交して交わるように、各RF電極21a〜21dが配置されていた。しかし、両線分28,29は直交していなくてもよく、互いに中点において交わっていれば、最大深さLにおいて重複領域34を形成することができる。
【0042】
・第3の実施形態においては、RF電極61a〜61dは、RF電極61a及びRF電極61dを結ぶ線分62と、RF電極61b及びRF電極61cを結ぶ線分63とが交わる位置に配置されていた。しかし、両線分62,63に沿って供給される電流によって重複領域68が形成される程度に両線分62,63が接近するのであれば、両線分62,63が交わる位置にRF電極61a〜61dが配置されていなくてもよい。第1の実施形態においても、同様に両線分28,29が交わっていなくてもよい。
【0043】
また、第3の実施形態において、各組の電極を絶縁板65の同一側の内面に設けてもよい。例えば、RF電極61a,61dの組み合わせを絶縁板65の右側の内面に配置し、RF電極61b,61cの組み合わせを絶縁板65の左側の内面に配置する。この場合であっても、RF電極の各組によって形成される加熱領域が重複することで重複領域が形成されて、特定の部分を重点的に加熱することができる。
【0044】
・第3の実施形態においては、4つのRF電極61a〜61dが設けられていた。しかし、第2の実施形態と同様に3つで2組のRF電極が設けられていてもよい。
・第1の実施形態においては、最大深さLにおいて重複領域34が形成されていた。しかし、重複領域34は最大深さL付近に形成されていなくてもよい。例えば、図4において、両RF電極21c,21aを線分29に沿ってRF電極21d側に移動させるとともに、RF電極21c,21a間の距離をRF電極21b,21d間の距離よりも小さく構成する。これにより、電流の経路26,27は、RF電極21d側における最大深さLより浅い位置に重複領域34が形成される。これにより、肌の特に改善すべき部分を重複領域34内として重点的に加熱することで、美容効果を高めることができる。
【0045】
・第1〜第3の実施形態においては、RF電極は2組で構成されていた。しかし、複数組であれば何組であってもよい。
・第1〜第3の実施形態においては、高周波電流を皮膚に供給していたが、低周波電流であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
11…制御装置、21a〜21d、41a〜41c、61a〜61d…RF電極、33、65…絶縁板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚との接触を介して皮膚に電流を供給する2つで1組の複数組にて構成される電極を備え、
前記各組の電極は、前記各組の2つの電極間に流れる電流を通じた皮膚の加熱により形成される加熱領域が重複する位置に配置される美容装置。
【請求項2】
請求項1に記載の美容装置において、
前記各組の電極は、前記各組の2つの電極間を結ぶ線分が互いに交わる位置に配置される美容装置。
【請求項3】
請求項2に記載の美容装置において、
前記各組の電極は、前記各線分がそれらの中点で互いに交わる位置に配置される美容装置。
【請求項4】
請求項1に記載の美容装置において、
第1の組を構成する一方の電極と、第2の組を構成する一方の電極とが共有される美容装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の美容装置において、
前記各組の電極は、互いに対面する平面上に設けられる美容装置。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか一項に記載の美容装置において、
前記各組の電極は同一平面上に設けられる美容装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−194177(P2011−194177A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67292(P2010−67292)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】